(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】メタン発酵処理方法、及び、メタン発酵処理設備
(51)【国際特許分類】
C02F 3/28 20230101AFI20240119BHJP
C02F 3/34 20230101ALI20240119BHJP
B01D 53/22 20060101ALI20240119BHJP
【FI】
C02F3/28 A
C02F3/34
B01D53/22
(21)【出願番号】P 2020062842
(22)【出願日】2020-03-31
【審査請求日】2022-10-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000192590
【氏名又は名称】株式会社神鋼環境ソリューション
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】三浦 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】隅 晃彦
【審査官】佐々木 典子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-104007(JP,A)
【文献】特開2019-063716(JP,A)
【文献】特開2010-110706(JP,A)
【文献】特開2003-211185(JP,A)
【文献】特開平02-258099(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F
B01D 53/22、61/00-71/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機物とメタン発酵微生物とを含む被処理物に対してメタン発酵処理を施すメタン発酵部と、
前記被処理物中のアンモニア態窒素を硝化することによって前記被処理物を硝化処理する硝化処理部とを備え、
前記硝化処理部は、酸素を透過する酸素透過膜を含み、且つ、前記被処理物と酸素含有気体とが前記酸素透過膜を介して接することで前記酸素透過膜を透過した透過酸素によって前記アンモニア態窒素を硝化して前記硝化処理を実施する構成を有
し、
前記硝化処理を経た前記被処理物の第1酸化還元電位、又は、前記メタン発酵部における前記被処理物の第2酸化還元電位を測定できる構成を有し、
前記硝化処理部において前記透過酸素の量を変えることによって、前記第1酸化還元電位を第1設定値以下、又は、前記第2酸化還元電位を第2設定値以下に制御する構成を有し、
前記メタン発酵部が、前記被処理物を収容するメタン発酵槽を有し、
前記硝化処理部が、前記メタン発酵槽の内部で被処理物にすべて浸漬されるように配置され、
前記メタン発酵槽内の前記被処理物が前記硝化処理部の前記硝化処理を経て前記メタン発酵槽内の前記被処理物へ供給される構成を有する、メタン発酵処理設備。
【請求項2】
有機物とメタン発酵微生物とを含む被処理物に対してメタン発酵処理を施すメタン発酵部と、
前記被処理物中のアンモニア態窒素を硝化することによって前記被処理物を硝化処理する硝化処理部と
、
前記メタン発酵部の前記被処理物を前記硝化処理部へ送る上流側経路、及び、前記硝化処理部を経た前記被処理物を前記メタン発酵部へ送る下流側経路と、を備え、
前記硝化処理部は、酸素を透過する酸素透過膜を含み、且つ、前記被処理物と酸素含有気体とが前記酸素透過膜を介して接することで前記酸素透過膜を透過した透過酸素によって前記アンモニア態窒素を硝化して前記硝化処理を実施する構成を有
し、
前記硝化処理を経た前記被処理物の第1酸化還元電位、又は、前記メタン発酵部における前記被処理物の第2酸化還元電位を測定できる構成を有し、
前記硝化処理部において前記透過酸素の量を変えることによって、前記第1酸化還元電位を第1設定値以下、又は、前記第2酸化還元電位を第2設定値以下に制御する構成を有し、
前記メタン発酵部が、前記被処理物を収容するメタン発酵槽を有し、
前記硝化処理部が、前記メタン発酵槽の外に配置され、
前記メタン発酵槽から取り出された前記メタン発酵処理後の前記被処理物が前記上流側経路を通って前記硝化処理部へ送られ、前記硝化処理部の前記硝化処理によって前記透過酸素が供給された前記被処理物が前記下流側経路を通って前記メタン発酵槽へ直接送られる構成を有する、メタン発酵処理設備。
【請求項3】
前記硝化処理部を経た前記被処理物を前記メタン発酵部へ供給する第1循環経路と、前記硝化処理を経ない前記被処理物を前記メタン発酵部へ供給する第2循環経路とを備え、
前記第1循環経路及び前記第2循環経路をそれぞれ通って前記メタン発酵部へ供給される前記被処理物の各量を変えることによって、前記第1酸化還元電位を第1設定値以下、又は、前記第2酸化還元電位を第2設定値以下に制御する構成を有する、請求項1
又は2に記載のメタン発酵処理設備。
【請求項4】
前記第1酸化還元電位を第1設定値以下、又は、前記第2酸化還元電位を第2設定値以下に制御すべく、
前記第1循環経路を通る前記被処理物と、前記第2循環経路を通る前記被処理物とを混合して前記メタン発酵部へ供給する構成を備える、請求項
3に記載のメタン発酵処理設備。
【請求項5】
有機物とメタン発酵微生物とを含む被処理物に対してメタン発酵槽においてメタン発酵処理を施すメタン発酵工程と、
前記被処理物中のアンモニア態窒素を硝化することによって前記被処理物を硝化処理する硝化処理工程とを備え、
前記硝化処理工程では、酸素を透過する酸素透過膜を介して前記被処理物と酸素含有気体とが接することで前記酸素透過膜を透過した透過酸素によって前記アンモニア態窒素を硝化して前記硝化処理を実施
し、
前記硝化処理を経た前記被処理物の第1酸化還元電位、又は、前記メタン発酵槽における前記被処理物の第2酸化還元電位を測定し、
前記硝化処理工程において前記透過酸素の量を変えることによって、前記第1酸化還元電位を第1設定値以下、又は、前記第2酸化還元電位を第2設定値以下に制御し、
前記酸素透過膜を含む硝化処理部が前記メタン発酵槽の内部で被処理物にすべて浸漬されるように配置され、
前記メタン発酵槽内の前記被処理物が、前記硝化処理を経て、前記メタン発酵槽内の前記被処理物へ供給される、メタン発酵処理方法。
【請求項6】
有機物とメタン発酵微生物とを含む被処理物に対してメタン発酵槽においてメタン発酵処理を施すメタン発酵工程と、
前記被処理物中のアンモニア態窒素を硝化することによって前記被処理物を硝化処理する硝化処理工程とを備え、
前記硝化処理工程では、酸素を透過する酸素透過膜を介して前記被処理物と酸素含有気体とが接することで前記酸素透過膜を透過した透過酸素によって前記アンモニア態窒素を硝化して前記硝化処理を実施
し、
前記硝化処理を経た前記被処理物の第1酸化還元電位、又は、前記メタン発酵槽における前記被処理物の第2酸化還元電位を測定し、
前記硝化処理工程において前記透過酸素の量を変えることによって、前記第1酸化還元電位を第1設定値以下、又は、前記第2酸化還元電位を第2設定値以下に制御し、
前記酸素透過膜を含む硝化処理部が前記メタン発酵槽の外に配置され、
前記メタン発酵槽から取り出した前記被処理物が前記硝化処理を経て、該硝化処理によって前記透過酸素が供給された前記被処理物が前記メタン発酵槽へ直接供給される、メタン発酵処理方法。
【請求項7】
前記メタン発酵槽の前記被処理物が前記硝化処理を経て前記メタン発酵槽へ供給されて戻される第1供給工程と、前記メタン発酵槽の前記被処理物が前記硝化処理を経ずに前記メタン発酵槽へ供給されて戻される第2供給工程とを含み、
前記第1供給工程及び前記第2供給工程によってそれぞれ前記メタン発酵槽へ供給される前記被処理物の各量を変えることによって、前記第1酸化還元電位を第1設定値以下、又は、前記第2酸化還元電位を第2設定値以下に制御する、請求項
5又は6に記載のメタン発酵処理方法。
【請求項8】
前記第1酸化還元電位を第1設定値以下、又は、前記第2酸化還元電位を第2設定値以下に制御すべく、
前記第1供給工程の前記硝化処理を経た前記被処理物と、前記第2供給工程の前記被処理物とを混合して前記メタン発酵槽へ供給する、請求項
7に記載のメタン発酵処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、有機廃棄物などからメタンガスなどのバイオガスを生成させるためのメタン発酵処理方法、及び、該メタン発酵処理方法を実施するためメタン発酵処理設備に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、有機物を含むバイオマスに対してメタン発酵処理を施してメタンガス含有のバイオガスを生成させるためのメタン発酵処理設備が知られている。
【0003】
この種のメタン発酵処理設備としては、例えば、有機性廃棄物を所定の状態に調整する原料調整部と、前記原料調整部で調整される原料を供給されてメタンを生成するメタン発酵槽と、前記メタン発酵槽の状態を計測する計測部と、前記メタン発酵槽から取り出されるメタン発酵液または消化液を固形分および液分に分離する固液分離部と、前記液分に溶存するアンモニア濃度を低下させる液分処理部と、前記液分処理部でアンモニア濃度を低下させられた液分を前記原料調整部へ供給する戻り通路と、前記計測部の計測結果に基づき前記メタン発酵槽から前記固液分離部を経て前記液分処理部に至る区間を流れる液分の流量を制御する制御部とを備える、メタン発酵処理設備が知られている(例えば、特許文献1)。
【0004】
特許文献1に記載のメタン発酵処理設備において、液分処理部は、消化液から分離された液分に含まれるアンモニア態窒素を硝酸態窒素へ変化させる硝化槽を有する。そして、硝化槽においてアンモニア態窒素分が減少した液分をメタン発酵槽へ返送するため、メタン発酵処理の妨げになり得るアンモニア態窒素の濃度を低下させることができる。そのため、アンモニア態窒素の濃度を比較的低く保ちつつメタン発酵処理を良好に続けることができる。
【0005】
しかしながら、アンモニア態窒素を減少させるための硝化槽などは、設備及び運転のために比較的多くのコストを必要とし、また、硝化反応に比較的長時間を必要とするため、メタン発酵処理を阻害し得るアンモニア態窒素を必ずしも効率的に減少させることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これに対して、メタン発酵処理に伴って増加し得るアンモニア態窒素を効率的に減少できる、メタン発酵処理方法及びメタン発酵処理設備が要望されている。
【0008】
本発明は、上記の要望点等に鑑み、アンモニア態窒素を効率的に減少できるメタン発酵処理方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、上記メタン発酵処理方法を実施するためのメタン発酵処理設備を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決すべく、本発明に係るメタン発酵処理設備は、有機物とメタン発酵微生物とを含む被処理物に対してメタン発酵処理を施すメタン発酵部と、
前記被処理物中のアンモニア態窒素を硝化することによって前記被処理物を硝化処理する硝化処理部とを備え、
前記硝化処理部は、酸素を透過する酸素透過膜を含み、且つ、前記被処理物と酸素含有気体とが前記酸素透過膜を介して接することで前記酸素透過膜を透過した透過酸素によって前記アンモニア態窒素を硝化して前記硝化処理を実施する構成を有する。
【0010】
上記のメタン発酵処理設備によれば、メタン発酵処理に伴って増加した被処理物中のアンモニア態窒素を、酸素透過膜を透過した透過酸素によって硝化できる。換言すると、被処理物に含まれるアンモニア態窒素を、膜を透過した透過酸素による硝化反応によって硝酸態窒素や亜硝酸態窒素へ変換できる。よって、アンモニア態窒素を効率的に減少させることができ、アンモニア態窒素が減少した被処理物に対してメタン発酵処理を施すことができる。
従って、上記のメタン発酵処理設備によれば、アンモニア態窒素を効率的に減少できる。
【0011】
本発明に係るメタン発酵処理方法は、有機物とメタン発酵微生物とを含む被処理物に対してメタン発酵槽においてメタン発酵処理を施すメタン発酵工程と、
前記被処理物中のアンモニア態窒素を硝化することによって前記被処理物を硝化処理する硝化処理工程とを備え、
前記硝化処理工程では、酸素を透過する酸素透過膜を介して前記被処理物と酸素含有気体とが接することで前記酸素透過膜を透過した透過酸素によって前記アンモニア態窒素を硝化して前記硝化処理を実施する。
上記のメタン発酵処理方法によれば、上述した理由と同様の理由により、アンモニア態窒素を効率的に減少できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のメタン発酵処理方法及びメタン発酵処理設備によれば、アンモニア態窒素を効率的に減少できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】一実施形態のメタン発酵処理方法を実施するためのメタン発酵処理設備の一例を表した概略図。
【
図2】他の実施形態のメタン発酵処理設備を表した概略図。
【
図3】別の実施形態のメタン発酵処理設備を表した概略図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態のメタン発酵処理設備1について、図面を参照しつつ詳しく説明する。
【0015】
上記実施形態のメタン発酵処理設備1は、
図1に示すように、有機物とメタン発酵微生物とを含む被処理物Aに対してメタン発酵処理を施すメタン発酵部10と、
被処理物A中のアンモニア態窒素を硝化することによって被処理物Aを硝化処理する硝化処理部20とを備え、
硝化処理部20は、酸素を透過する酸素透過膜を含み、且つ、被処理物Aと酸素含有気体とが酸素透過膜を介して接することで酸素透過膜を透過した透過酸素によってアンモニア態窒素を硝化して硝化処理を実施する構成を有する。
【0016】
上記のメタン発酵処理設備1によれば、メタン発酵処理に伴って増加した被処理物A中のアンモニア態窒素を、酸素透過膜を透過した透過酸素によって硝化できる。換言すると、被処理物Aに含まれるアンモニア態窒素を硝化反応によって硝酸態窒素や亜硝酸態窒素へ変換できる。斯かる硝化は、主に硝化細菌によって行われる。このように、アンモニア態窒素を効率的に減少させることができ、アンモニア態窒素が減少した被処理物Aに対してメタン発酵処理を施すことができる。なお、アンモニア態窒素から生じた硝酸態窒素は、脱窒菌によって脱窒される。
また、酸素濃度の高い方から低い方へ濃度勾配に従って酸素が酸素透過膜を移動する現象を利用しているため、酸素透過膜を経た透過酸素は、被処理物Aへ徐々に供給される。よって、酸素透過膜を経て被処理物Aへ供給される透過酸素の単位時間当たりの量は、比較的少量であることから、被処理物A中の酸素濃度が急激に上昇することを抑制できる。よって、透過酸素が供給された被処理物Aがメタン発酵処理のために戻されても、メタン発酵処理における嫌気性条件を維持しやすい。
従って、アンモニア態窒素を効率的に減少でき、また、メタン発酵処理における嫌気性条件を維持しやすい。
【0017】
また、上記実施形態のメタン発酵処理設備1は、メタン発酵部10の被処理物Aを硝化処理部20へ送り、硝化処理部20を経た被処理物Aをメタン発酵部10へ送る第1循環経路30と、メタン発酵部10の被処理物Aが取り出されて硝化処理部20を経ずにメタン発酵部へ送られる(戻される)第2循環経路40と、をさらに備える。
上記実施形態においては、硝化処理部20がメタン発酵槽11の外に配置されていることから、第1循環経路30及び第2循環経路40の大半が、メタン発酵槽11の外に配置されている。換言すると、第1循環経路30及び第2循環経路40は、メタン発酵槽11の外に配置された外部経路となっている。
また、上記実施形態のメタン発酵処理設備1は、被処理物Aの酸化還元電位、アンモニア態窒素濃度などを測定する測定部50をさらに備える。
【0018】
上記のメタン発酵処理設備1は、有機物をメタン発酵部10へ供給するように構成されている。上記のメタン発酵処理設備1は、有機物をメタン発酵部10へ断続的に供給する半連続式であってもよく、有機物をメタン発酵部10へ連続的に供給する連続式であってもよい。また、上記のメタン発酵処理設備1は、新たな有機物を供給せずにメタン発酵処理を継続して終了するバッチ式であってもよい。
【0019】
メタン発酵処理において、例えば下水汚泥、バイオマス、及び、これらの混合物などが原料として使用される。下水汚泥及びバイオマスは、いずれも、メタン発酵処理によってメタンガス等へ変換され得る有機物を含む。
バイオマスとしては、例えば、廃棄処分され得るバイオマスが挙げられる。廃棄処分され得るバイオマスは、例えば、野菜ごみや食品残渣などの生ごみ、古紙、草本類、コーヒー滓、茶滓(茶殻)、製紙工場から排出される製紙スラッジ、製紙工場の生物学的廃水処理設備から発生する余剰汚泥などが挙げられる。
【0020】
上記のメタン発酵処理設備1は、バイオマスを粉砕する粉砕装置など有し、粉砕されたバイオマスをメタン発酵部10へ供給する構成を有してもよい。
【0021】
メタン発酵部10は、有機物を含むバイオマスなどとメタン発酵微生物とを含む被処理物Aに対してメタン発酵処理を施す構成を有する。
詳しくは、
図1に示すように、メタン発酵部10は、メタン発酵処理を行うべく上記の被処理物Aを収容するメタン発酵槽11を有する。被処理物Aは、流動性を有する。
【0022】
メタン発酵微生物は、メタン発酵に関わる微生物群である。メタン発酵微生物には、例えば、酢酸やプロピオン酸などの有機酸を生成する酸生成細菌、メタンガスを生成するメタン生成菌(メタン生成古細菌群)、及び、水素生成細菌などが含まれる。
【0023】
メタン発酵部10は、メタン発酵槽11に収容した被処理物Aに対してメタン発酵処理を施すように構成されている。本実施形態におけるメタン発酵処理は、湿式メタン発酵処理である。メタン発酵処理に伴って、被処理物A中のアンモニア態窒素が増加する。アンモニア態窒素が増え過ぎると、メタン発酵処理の効率が低下する。
【0024】
メタン発酵部10は、メタン発酵槽11の内部を嫌気性条件に設定し、嫌気性条件下でメタン発酵処理を行うように構成されている。
仮に、メタン発酵処理において被処理物Aが好気性条件下におかれると、メタン発酵微生物によるメタン発酵反応が阻害され、メタン発酵処理の効率が低下する。
嫌気性の程度は、例えば被処理物Aの酸化還元電位によって推測できる。従って、酸化還元電位が低いほど、より嫌気性条件となり、酸化還元電位が高いほど、より好気性条件となる。
メタン発酵処理における被処理物Aの酸化還元電位は、例えば-400mV以下に制御され、好ましくは-300mV以下に制御される。
【0025】
メタン発酵処理は、10質量%未満の固形物濃度で行う湿式メタン発酵処理であってもよく、また、15質量%以上40質量%以下の固形物濃度で行う乾式メタン発酵処理であってもよい。
湿式メタン発酵処理における被処理物Aは、例えば粘稠な液状であり、乾式発酵処理における被処理物Aは、例えば粉粒を含む流動体である。
【0026】
メタン発酵部10は、いわゆる中温メタン発酵処理(20℃を超えて42℃以下、好ましくは30℃から42℃の温度条件下)を行う構成を有してもよい。また、メタン発酵部10は、高温メタン発酵処理(42℃を超えて65℃以下、好ましくは50℃から60℃の温度条件下)を行う構成を有してもよい。
【0027】
メタン発酵処理を継続する期間は、メタン発酵が進行してメタンガス等が発生する期間であれば特に制限されない。メタン発酵部10は、好ましくは10日以上45日以下の期間、より好ましくは10日以上30日以下の期間、メタン発酵処理を継続する構成を有してもよい。
【0028】
メタン発酵部10は、メタン発酵処理に伴って生じた発酵残渣の少なくとも一部をメタン発酵槽11から取り出せる構成を有する。
また、メタン発酵部10は、メタン発酵処理に伴って生じたバイオガスの少なくとも一部をメタン発酵槽11から取り出せる構成を有する。
なお、メタン発酵部10は、いわゆる縦型のメタン発酵槽11を有してもよく、横型のメタン発酵槽11を有してもよい。
【0029】
上記のメタン発酵処理設備1は、メタン発酵部10で生じたバイオガス(メタンガスを含む)を精製する精製装置を有してもよい。
【0030】
上記実施形態のメタン発酵処理設備1は、上述したように、酸素を透過する酸素透過膜を含む硝化処理部20を備える。
図1に示すように、硝化処理部20は、メタン発酵槽11の外に配置されている。
上記実施形態のメタン発酵処理設備1は、メタン発酵槽11から供給された被処理物Aと酸素含有気体Bとが酸素透過膜を介して接することで酸素透過膜を透過した透過酸素によって、被処理物A中のアンモニア態窒素を硝化できる構成を有する。
【0031】
硝化処理部20は、酸素透過膜を含む膜ユニットを有する。硝化処理部20では、被処理物Aと酸素含有気体Bとの間に酸素透過膜が配置されている。硝化処理部20は、被処理物A及び酸素含有気体Bを膜ユニットの内部に取り入れて、酸素透過膜を透過した透過酸素を被処理物Aへ供給する構成を有する。
なお、酸素含有気体Bは、酸素ガスを含む気体であれば特に限定されない。酸素含有気体Bとしては、空気が採用されてもよい。
また、硝化処理部20において被処理物Aへ透過酸素を供給して酸素ガス濃度が減少したオフガスB’は、硝化処理部20から排出されることとなる。
【0032】
上記実施形態のメタン発酵処理設備1は、メタン発酵槽11から取り出した被処理物Aが硝化処理部20の硝化処理を経てメタン発酵槽11へ供給される構成を有する。
詳しくは、
図1に示すように、上記実施形態のメタン発酵処理設備1は、メタン発酵槽11から取り出した被処理物Aに透過酸素を供給し、透過酸素が供給された被処理物Aをメタン発酵槽11へ戻す第1循環経路30を備える。また、硝化処理部20がメタン発酵槽11の外に配置され、第1循環経路30の途中に、少なくとも1つの酸素透過膜の膜ユニット(硝化処理部20)が配置されている。
より詳しくは、上記実施形態のメタン発酵処理設備1は、メタン発酵槽11内の被処理物Aを硝化処理部20へ送る上流側経路31と、硝化処理部20を経た被処理物Aをメタン発酵槽11へ送る下流側経路32とを、第1循環経路30として備える。
上記実施形態のメタン発酵処理設備1は、メタン発酵槽11内の被処理物Aを上流側経路31によって硝化処理部20へ送り、硝化処理部20において透過酸素が供給された被処理物Aを下流側経路32によってメタン発酵槽11に送ることで、被処理物Aを循環できるように構成されている。
なお、上記実施形態のメタン発酵処理設備1は、メタン発酵槽11内の被処理物Aを硝化処理部20へ送るためのポンプ(図示せず)を備え得る。
【0033】
上記のメタン発酵処理設備1において、膜ユニット(酸素透過膜)がメタン発酵部10(メタン発酵槽11)の外に配置されていることによって、例えば膜ユニットを簡便に交換できる。また、後に詳述するような第1循環経路30の流路制御が行いやすいため、被処理物Aへ供給する透過酸素の量を比較的容易に調節できる。
【0034】
酸素透過膜は、一方面側にある気体中の酸素ガスを透過させて他方の面側へ供給できる膜である。膜を透過した透過酸素は、より酸素ガス濃度の低い方へ供給される。被処理物Aに含まれる酸素ガス濃度は比較的低いため、酸素透過膜を介して酸素含有気体Bと被処理物Aとが接することによって、膜を透過した透過酸素は、被処理物Aへと供給される。
このように、酸素透過膜を用いることによって、特に動力がなくても酸素が酸素透過膜を透過でき、膜を透過した透過酸素を効率的に被処理物Aへ供給できる。従って、透過酸素によってアンモニア態窒素を効率的に硝化させて、減少させることができる。
なお、酸素透過膜を含む膜ユニットとしては、市販されている製品を使用できる。
【0035】
上記のメタン発酵処理設備1は、被処理物Aの物性値(少なくとも酸化還元電位)を測定できる測定部50を有する。
具体的には、上記のメタン発酵処理設備1は、
図1に示すように、硝化処理部20によって透過酸素が供給された後であり且つメタン発酵槽11へ供給される前の被処理物Aの酸化還元電位を測定する第1電位計51と、メタン発酵槽11内の被処理物Aの酸化還元電位を測定する第2電位計52とを、測定部50として有する。以下、酸化還元電位を単に「ORP」と記載する場合がある。
測定部50は、メタン発酵槽11内の被処理物Aのアンモニア態窒素濃度を測定するアンモニア濃度計53を有してもよい。
【0036】
上記のメタン発酵処理設備1は、
図1に示すように、メタン発酵槽11から取り出した被処理物Aが硝化処理部20を経てからメタン発酵槽11に供給される構成を有する。詳しくは、上記のメタン発酵処理設備1は、上述した第1循環経路30を備え、また、斯かる第1循環経路30及び第2循環経路40という複数の経路を備える。
上記のメタン発酵処理設備1は、複数の経路によって、メタン発酵槽11から取り出した被処理物Aをメタン発酵槽11へ供給する構成を有する。なお、
図1に示すようにメタン発酵処理設備1が複数の経路を備える場合、硝化処理部20(酸素透過膜)は、複数の経路のうち少なくとも1経路の途中に配置され、硝化処理部20が途中に配置された経路が第1循環経路30となっている。
【0037】
詳しくは、上記のメタン発酵処理設備1は、硝化処理部20を経た被処理物Aをメタン発酵部10へ供給する第1循環経路30と、硝化処理を経ない被処理物Aをメタン発酵部10へ供給する第2循環経路40とを備える。換言すると、上記のメタン発酵処理設備1は、メタン発酵部10からの被処理物Aが硝化処理部20を経由してメタン発酵部10に供給されて戻される第1循環経路30と、メタン発酵部10からの被処理物Aが硝化処理部20を経由せずにメタン発酵部10に供給されて戻される第2循環経路40とを備える。第1循環経路30及び第2循環経路40は、例えば、途中で枝分かれし、再び1つになるように構成されている。換言すると、第1循環経路30及び第2循環経路40は、それぞれの両端部を互いに共有している。
上記のメタン発酵処理設備1は、経路の途中に取り付けられた複数の弁の操作によって、第1循環経路30を経た被処理物A、及び、第2循環経路40を経た被処理物Aの少なくとも一方を、メタン発酵槽11へ供給可能な構成を有する。弁の操作によって、単位時間当たりの供給量の増減が可能であり、また、供給の停止及び開始が可能である。
このように、上記のメタン発酵処理設備1は、第1循環経路30及び第2循環経路40をそれぞれ通ってメタン発酵槽11へ供給される被処理物Aの単位時間当たりの各供給量を変えることができる構成を有する。
【0038】
より詳しくは、上記のメタン発酵処理設備1は、メタン発酵槽11から取り出した被処理物Aのうち、第2循環経路40を通る被処理物Aのメタン発酵槽11への供給を止めて、第1循環経路30を経た被処理物Aのみをメタン発酵槽11へ供給可能な構成を有する。また、第1循環経路30を通る被処理物Aのメタン発酵槽11への供給を止めて、第2循環経路40を経た被処理物Aのみをメタン発酵槽11へ供給可能な構成を有する。
なお、上記のメタン発酵処理設備1は、第1循環経路30を通った被処理物A、及び、第2循環経路40を通った被処理物Aのメタン発酵槽11への供給を両方とも止めることができる構成を有する。
【0039】
また、上記のメタン発酵処理設備1は、メタン発酵槽11から被処理物Aを取り出して、第1循環経路30を経た被処理物A(即ち、透過酸素が供給された被処理物A)と、第2循環経路40を経た被処理物A(透過酸素が供給されなかった被処理物A)とを共にメタン発酵槽11へ供給可能な構成を有する。
換言すると、上記のメタン発酵処理設備1は、第1循環経路30を経由した被処理物Aと、第2循環経路40を経由した被処理物Aとを混合して、メタン発酵部10へ供給できる構成を有する。例えば、上記のメタン発酵処理設備1は、メタン発酵槽11から取り出した被処理物Aを複数の経路(第1循環経路30及び第2循環経路40を含む複数の経路)に分けたあとに混合してメタン発酵槽11へ戻すことができる構成を有する。
【0040】
上記のメタン発酵処理設備1は、第1循環経路30、第2循環経路40、硝化処理部20、及び測定部50(第1電位計51)などを備えることから、硝化処理部20での硝化処理を経て且つメタン発酵槽11へ供給される前の被処理物Aの第1酸化還元電位(以下、単に第1ORPともいう)を第1設定値以下に制御できる構成を有する。即ち、第1循環経路30の下流側経路32を通る被処理物Aの第1ORPを第1設定値以下に制御できる構成を有する。
第1設定値としては、例えば、-400mV以上-200mV以下の1つの値が採用される。なお、酸化還元電位計によって測定される上記の値は、標準水素電極と白金電極とを使用して、液の電位差を測定したときの値である。
一般的に、ORPの測定では、標準水素電極に代えて、飽和カロメル電極や飽和塩化銀電極、3.3mol/L塩化銀電極といった比較電極を利用する。よって、比較電極を用いて測定したORPの値と、標準水素電極と比較電極との電位差から、標準水素電極と白金電極を使用したときのORPの値に換算してもよい。
【0041】
また、上記のメタン発酵処理設備1は、第1循環経路30、第2循環経路40、硝化処理部20、及び測定部50(第2電位計52)などを備えることから、メタン発酵槽11内の被処理物Aの第2酸化還元電位(以下、単に第2ORPともいう)を第2設定値以下に制御できる構成を有する。
メタン発酵槽11における被処理物Aの第2ORPの設定値(第2設定値)としては、例えば-400mV以上-200mV以下の1つの値が採用される。
第2ORPの制御は、以下に説明するように第1ORPの制御と同様の方法によって実施できる。
【0042】
例えば、上記のメタン発酵処理設備1は、第1循環経路30及び第2循環経路40をそれぞれ通ってメタン発酵部10へ供給される被処理物Aの各量を変えること、硝化処理部20において酸素透過膜を透過する透過酸素の量を変えること(例えば硝化処理部20へ供給する酸素量を変化させること)などによって、メタン発酵槽11への供給前の被処理物Aの第1ORP(下流側経路32を通る被処理物Aの第1ORP)、及び、メタン発酵槽11における被処理物Aの第2ORPを調整できるように構成されている。
【0043】
具体的には、上記のメタン発酵処理設備1は、第1電位計51及び第2電位計52によって第1ORP及び第2ORPをそれぞれ測定しつつ、第1循環経路30を経た被処理物A及び第2循環経路40を経てメタン発酵部10へ供給される被処理物Aの、単位時間当たりの各供給量を変えることによって、硝化処理を経てメタン発酵槽11へ供給される被処理物Aの第1ORPを第1設定値以下に制御、又は、メタン発酵槽11内の被処理物Aの第2ORPを第2設定値以下に制御できる構成を有する。
第1ORP及び第2ORPをより低くするためには、第1循環経路30を経た被処理物Aの供給を止めたり、後述するように第2循環経路40を経た被処理物Aの単位時間当たりの供給量を相対的に多くしたりする。一方、第1ORP及び第2ORPをより高くするためには、第2循環経路40を経た被処理物Aの単位時間当たりの供給量を減少させたり、後述するように第1循環経路30を経た被処理物Aの単位時間当たりの供給量を相対的に多くしたりする。
【0044】
また、上記のメタン発酵処理設備1は、第1電位計51及び第2電位計52によって第1ORP及び第2ORPをそれぞれ測定しつつ、第1循環経路30を経た被処理物Aと、第2循環経路40を経た被処理物Aとを混合してメタン発酵槽11の被処理物Aへ供給することによって、第1ORPを第1設定値以下に制御、又は、第2ORPを第2設定値以下に制御できる構成を有する。
例えば、第1循環経路30を経た被処理物AのORPが-100mVであり、第2循環経路40を経た被処理物AのORPが-400mVであれば、これらを同量ずつ混合すれば、第1ORPが-250mVとなる。第1ORPを下げることによって、第2ORPをより低くすることができる。
なお、第1循環経路30を経ることによって、被処理物A中のアンモニア態窒素が減少するものの、第1循環経路30を経た被処理物AのORP値が上昇し過ぎる場合がある。これに対して、上記のごとく被処理物Aを混合してメタン発酵槽11へ供給することによって、メタン発酵槽11における被処理物AのORPの過度な上昇を抑制できる。
【0045】
上記のメタン発酵処理設備1が上述のごとく構成されていることによって、被処理物A中のアンモニア態窒素を効率的に低下させることができ、また、メタン発酵処理に適した嫌気性条件を保つことができる。詳しくは、硝化処理部20の酸素透過膜付近において透過酸素を供給して、局所的にアンモニア態窒素を硝化させることによって、アンモニア態窒素を効率的に減少させることができる。しかも、上記のごとく第1ORP又は第2ORPをそれぞれ各設定値以下に制御できるため、好気的条件によってメタン発酵処理が阻害されることを予防できる。
【0046】
本実施形態のメタン発酵処理設備1は、アンモニア濃度計53によって被処理物Aのアンモニア態窒素の濃度を測定しつつ、下記のように被処理物Aのアンモニア態窒素の濃度を制御する構成を有してもよい。
例えば、上記のメタン発酵処理設備1は、被処理物Aのアンモニア態窒素の濃度が2500mg/Lよりも高くなったときに、硝化処理部20への酸素含有気体Bの供給を開始して、被処理物Aのアンモニア態窒素を減少させる構成を有してもよい。また、上記のメタン発酵処理設備1は、被処理物Aのアンモニア態窒素の濃度が1500mg/Lよりも低くなったときに、硝化処理部20への酸素含有気体Bの供給を止める構成を有してもよい。
また、例えば、上記のメタン発酵処理設備1は、硝化処理部20からメタン発酵部10へ被処理物Aを供給しつつ、被処理物Aのアンモニア態窒素の濃度が1500mg/L以上2500mg/L以下となるように、硝化処理部20へ供給する酸素含有気体Bの量(供給する酸素ガス量)を変化させる構成を有してもよい。
一方、例えば、上記のメタン発酵処理設備1は、硝化処理部20へ酸素含有気体Bを供給しつつ、被処理物Aのアンモニア態窒素の濃度が1500mg/L以上2500mg/L以下となるように、硝化処理部20からメタン発酵部10へ供給する被処理物Aの量を変化させる構成を有してもよい。
【0047】
次に、他実施形態のメタン発酵処理設備1’について、
図2を参照しつつ説明する。なお、特に言及しない限り、他実施形態のメタン発酵処理設備1’は、上述した実施形態のメタン発酵処理設備1と同様の構成を有する。
【0048】
他実施形態のメタン発酵処理設備1’は、
図2に示すように、硝化処理部20がメタン発酵槽11内に配置された構成を有する。硝化処理部20は、被処理物Aに浸積されている。
他実施形態のメタン発酵処理設備1’において、メタン発酵部10及び硝化処理部20の詳細な構成は、特に言及しない限り、それぞれ前述の
図1に示すメタン発酵処理設備1のメタン発酵部10及び硝化処理部20と同様である。
【0049】
他実施形態のメタン発酵処理設備1’は、メタン発酵槽11内の被処理物Aが、メタン発酵槽11内の硝化処理部20を経てからメタン発酵槽11へ供給される構成を有する。
詳しくは、他実施形態のメタン発酵処理設備1’は、メタン発酵槽11内の被処理物Aを槽内の硝化処理部20に供給し、硝化処理部20において被処理物A中のアンモニア態窒素を硝化して、被処理物Aをメタン発酵槽11へ戻す第1循環経路30を備える。斯かる第1循環経路30は、メタン発酵槽11の内部に配置されている。なお、メタン発酵槽11の内部に配置された第1循環経路30の途中に膜ユニット(酸素透過膜)が配置されている。
【0050】
硝化処理部20は、
図2に示すように、メタン発酵槽11内の被処理物Aに浸漬されていてもよい。一方、硝化処理部20は、メタン発酵槽11の内部に配置されていればよく、例えば、メタン発酵槽11内の被処理物Aに浸漬されていなくてもよい。
【0051】
なお、他実施形態のメタン発酵処理設備1’は、
図2に示すように、第1循環経路30(硝化処理部20が途中に配置された経路)のみを有してもよいが、上述した実施形態のメタン発酵処理設備1と同様に、第2循環経路40をさらに備えることで、複数の経路を備えてもよい。
【0052】
他実施形態のメタン発酵処理設備1’は、上流側経路31及び下流側経路32を第1循環経路30として備える。上流側経路31と下流側経路32との間に、硝化処理部20が配置されている。
他実施形態のメタン発酵処理設備1’は、第1循環経路30の上流側経路31によってメタン発酵槽11から送られてきた被処理物Aと、酸素含有気体Bとが硝化処理部20において酸素透過膜を介して接することで、酸素透過膜を透過した透過酸素を被処理物Aへ供給できる構成を有する。
他実施形態のメタン発酵処理設備1’は、硝化処理部20の硝化処理を経た被処理物Aを、第1循環経路30の下流側経路32によってメタン発酵槽11へ供給して戻すことができる構成を有する。
他実施形態のメタン発酵処理設備1’は、硝化処理部20を経た被処理物Aの単位時間当たりの供給量を変化させること、硝化処理部20への酸素ガスの供給量を変化させることなどによって、メタン発酵槽11内の被処理物Aの第2ORPを第2設定値以下に制御できるように構成されている。
【0053】
他実施形態のメタン発酵処理設備1’によれば、メタン発酵処理に伴って増加した被処理物A中のアンモニア態窒素を、酸素透過膜を透過した透過酸素によって硝化できる。換言すると、被処理物Aに含まれるアンモニア態窒素を硝化反応によって硝酸態窒素や亜硝酸態窒素へ変換できる。よって、アンモニア態窒素を効率的に減少させることができ、アンモニア態窒素が減少した被処理物Aに対してメタン発酵処理を施すことができる。
【0054】
続いて、別実施形態のメタン発酵処理設備1”について、
図3を参照しつつ説明する。なお、特に言及しない限り、別実施形態のメタン発酵処理設備1”は、上述した実施形態のメタン発酵処理設備1と同様の構成を有する。
【0055】
別実施形態のメタン発酵処理設備1”は、
図3に示すように、メタン発酵部10が被処理物Aを連続的に一方向へ送る構成を有し、メタン発酵部10において乾式メタン発酵処理を実施するように構成されている。
乾式メタン発酵処理では、被処理物A中の水分が少ないため、被処理物Aの性状は、様々な大きさの粒で構成される流動体である。また、乾式メタン発酵処理に伴って生じる発酵残渣Dの性状も、同様の流動体である。なお、発酵残渣Dは燃料などの用途で利用できる。
【0056】
別実施形態におけるメタン発酵部10は、上流側から下流側へ被処理物Aを移動させつつ、上流側の被処理物Aに対してメタン発酵処理の酸生成処理を施しつつ、下流側の被処理物Aに対してメタン生成処理を施す連続発酵処理装置15(上述のメタン発酵槽11に相当)を有する。
換言すると、別実施形態におけるメタン発酵部10は、連続発酵処理装置15によって、バイオマスCが供給される上流側の被処理物Aに対して酸生成処理を施しつつ、メタン発酵残渣Dが取り出される下流側の被処理物Aに対してメタン生成処理を施し、乾式でメタン発酵処理を実施するように構成されている。
【0057】
例えば、連続発酵処理装置15は、内部で回転するスクリューを有し、スクリューが回転することによって、供給された被処理物Aを上流側から下流側へ送る構成を有する。換言すると、連続発酵処理装置15は、内部において、被処理物Aに含まれる有機物から有機酸を生じさせることと、有機酸などからメタンガス等を発生させることとを連続的に行うように構成されている。
【0058】
メタン発酵処理設備1”が、
図3に示すようなメタン発酵部10(連続発酵処理装置15)を備えることによって、乾式メタン発酵処理を行うためのメタン発酵部10の設置面積を小さくでき、また、設備費用を軽減できる。
【0059】
別実施形態のメタン発酵処理設備1”は、上述した実施形態と同様に、硝化処理部20、及び、第1循環経路30などを備える。
別実施形態のメタン発酵処理設備1”では、例えば、連続発酵処理装置15における下流側の被処理物Aの一部を取り出して硝化処理部20を経由させ、硝化処理部20によって透過酸素が供給された被処理物Aを、取り出し箇所よりも上流側で戻すように第1循環経路30が配置されている。
別実施形態のメタン発酵処理設備1’は、第1循環経路30の上流側経路31によって連続発酵処理装置15から送られてきた被処理物Aを硝化処理部20へ供給して、硝化処理部20の硝化処理を経た被処理物Aを、第1循環経路30の下流側経路32によって連続発酵処理装置15へ供給して戻すことができる構成を有する。
別実施形態のメタン発酵処理設備1”は、
図3に示すように、途中に硝化処理部20が配置された第1循環経路30のみを、被処理物Aを循環させるための経路として備えてもよいが、上述のごとき複数の経路で構成されてもよい。
【0060】
別実施形態のメタン発酵処理設備1”によれば、第1循環経路30を経た被処理物Aの単位時間当たりの供給量を変化させることによって、連続発酵処理装置15内の被処理物Aにおける第2ORP及びアンモニア態窒素濃度を制御できる。
例えば、硝化処理部20を経た被処理物Aの単位時間当たりの供給量を少なくするか又は供給を停止することによって、連続発酵処理装置15内の被処理物Aにおける第2ORPを低下させることができる。一方で、例えば、硝化処理部20を経た被処理物Aの単位時間当たりの供給量を多くすることによって、被処理物Aにおけるアンモニア態窒素濃度を低下させることができる。
【0061】
別実施形態のメタン発酵処理設備1”によれば、上述した実施形態と同様に、酸素透過膜を透過した透過酸素を被処理物Aへ供給することによって、被処理物Aにおけるアンモニア態窒素の濃度を効率的に低下させることができる。
【0062】
さらに、本発明のメタン発酵処理方法の実施形態について説明する。本実施形態のメタン発酵処理方法は、例えば上述したメタン発酵処理設備1,1’,1”のいずれかを用いて、上述したような方法によって実施できる。
【0063】
本実施形態のメタン発酵処理方法は、有機物とメタン発酵微生物とを含む被処理物Aに対してメタン発酵槽11においてメタン発酵処理を施すメタン発酵工程と、被処理物A中のアンモニア態窒素を硝化することによって被処理物Aを硝化処理する硝化処理工程とを備える。
本実施形態のメタン発酵処理方法では、硝化処理工程では、酸素を透過する酸素透過膜を介して被処理物Aと酸素含有気体とが接することで酸素透過膜を透過した透過酸素によってアンモニア態窒素を硝化して硝化処理を実施する。
【0064】
また、本実施形態のメタン発酵処理方法は、被処理物Aの物性値(少なくとも酸化還元電位)を測定する被処理物測定工程をさらに備えてもよい。
被処理物測定工程では、硝化処理を経てメタン発酵槽11に供給される前の被処理物Aの第1酸化還元電位(第1ORP)を第1電位計51によって測定してもよい。また、メタン発酵槽11内の被処理物Aの第2酸化還元電位(第2ORP)を第2電位計52によって測定してもよい。また、メタン発酵槽11内の被処理物Aのアンモニア態窒素濃度をアンモニア濃度計53によって測定してもよい。
【0065】
また、本実施形態のメタン発酵処理方法では、硝化処理工程を実施しつつ、硝化処理工程の硝化処理を経た被処理物Aをメタン発酵槽11に供給して、メタン発酵槽11においてメタン発酵工程を実施してもよい。
例えば、本実施形態のメタン発酵処理方法では、被処理物Aが上記のメタン発酵槽11の内部又は外部を通るように配置された第1循環経路30(上記の硝化処理部20が途中に配置された経路)によって、メタン発酵槽11内の被処理物Aを循環させつつ、硝化処理工程とメタン発酵工程とを実施してもよい。
【0066】
上記のメタン発酵処理方法によれば、酸素透過膜を透過した透過酸素によって、メタン発酵処理に伴って増加した被処理物A中のアンモニア態窒素を硝化できる。換言すると、被処理物Aに含まれるアンモニア態窒素を、透過酸素による硝化反応によって硝酸態窒素や亜硝酸態窒素へ変換できる。従って、アンモニア態窒素を効率的に減少させることができる。
【0067】
本実施形態のメタン発酵処理方法のメタン発酵工程では、
図1に示すように、被処理物Aを収容したメタン発酵槽11でメタン発酵処理を実施する。
【0068】
メタン発酵工程のメタン発酵処理は、好ましくは、30℃以上42℃以下又は50℃以上60℃以下のいずれかの温度条件下で行う。
好ましくは、メタン発酵工程では、メタン発酵処理を好ましくは10日以上45日以下、より好ましくは10日以上30日以下の期間継続する。このようなメタン発酵処理によって、メタンガス等を十分に発生させることができる。
【0069】
メタン発酵工程では、バッチ式でメタン発酵処理を実施することができる。
例えば、有機物などを含むバイオマスCの所定量をメタン発酵部10に供給した後、所定時間メタン発酵処理を継続し、その後、メタン発酵槽11の発酵残渣Dをメタン発酵槽11から取り出すことができる。
【0070】
また、メタン発酵工程では、いわゆる半連続式でメタン発酵処理を実施することができる。
例えば、上記バイオマスCを所定の時間間隔を空けて断続的にメタン発酵部10に供給した後、1回のバイオマスCの供給につきメタンガスの発生量が所望の量になるまでメタン発酵処理を行ってもよい。このような操作を繰り返して、半連続式でメタン発酵処理を実施できる。
【0071】
一方、メタン発酵工程では、いわゆる連続式でメタン発酵処理方法を実施することもできる。
例えば、メタン発酵部10で生じる単位時間当たりのメタンガス発生量が所望量になるように、単位時間当たり所定量のバイオマスCを連続的にメタン発酵部10へ供給し、単位時間当たり所定量のメタン発酵槽11の発酵残渣Dをメタン発酵槽11から取り出すことができる。
このようにして、連続式でメタン発酵処理方法を実施することができる。
【0072】
上記のメタン発酵処理方法では、例えば、
図1に示すように、酸素透過膜をメタン発酵槽11の外に配置し、メタン発酵槽11から取り出した被処理物Aが、硝化処理工程の硝化処理を経てメタン発酵槽11に供給される。換言すると、メタン発酵槽11の被処理物Aが第1循環経路30(上流側経路31)によってメタン発酵槽11から取り出され、取り出された被処理物Aが硝化処理部20を経て第1循環経路30(下流側経路32)によってメタン発酵槽11へ戻される。
一方、上記のメタン発酵処理方法では、
図2に示すように、メタン発酵槽11の内部に硝化処理部20と第1循環経路30とを配置し、メタン発酵槽11内の被処理物Aが、硝化処理を経て、メタン発酵槽11へ供給されても(戻されても)よい。
【0073】
上記のメタン発酵処理方法では、被処理物Aを循環させるための複数の経路(第1循環経路30及び第2循環経路40)を用いてもよい。この場合、硝化処理部20(酸素透過膜)は、複数の経路のうち少なくとも1経路の途中に配置される。
【0074】
上記のメタン発酵処理方法では、被処理物測定工程において、硝化処理を経てメタン発酵槽11に供給される前の被処理物Aの第1酸化還元電位(第1ORP)、又は、メタン発酵槽11内の被処理物の第2酸化還元電位(第2ORP)の少なくともいずれか一方を測定してもよい。
酸化還元電位は、連続的に常時測定されてもよく、時間間隔を空けて断続的に測定されてもよい。また、必要なときにだけ測定されてもよい。
【0075】
また、被処理物測定工程では、メタン発酵槽11内の被処理物のアンモニア態窒素濃度を測定してもよい。アンモニア態窒素濃度は、連続的に常時測定されてもよく、時間間隔を空けて断続的に測定されてもよい。また、必要なときにだけ測定されてもよい。
【0076】
上記のメタン発酵処理方法では、メタン発酵処理を継続することに伴って、被処理物Aのアンモニア態窒素濃度が上昇し得る。アンモニア態窒素を減少させるためには、上述したように、酸素透過膜を経た透過酸素を被処理物Aに供給し、酸素透過膜付近で局所的にアンモニア態窒素を硝化させる。そして、アンモニア態窒素が減少した被処理物Aをメタン発酵槽11へ供給できる。
しかしながら、硝化処理部20において硝化処理を経た被処理物Aの第1ORPは、上昇し得る。第1ORPが上昇し過ぎると、好気性条件へ近づくため、嫌気性条件下で実施すべきメタン発酵処理に支障が生じ得る。
このように、硝化処理を経ることによって、被処理物Aのアンモニア態窒素濃度を低下できるものの、過剰の透過酸素を被処理物Aに供給すると、メタン発酵処理に支障が生じる可能性もある。
そこで、上記のメタン発酵処理方法では、以下のようにして、硝化処理を経た被処理物Aの第1ORP、又は、メタン発酵槽11内の被処理物Aの第2ORPを各設定値(第1設定値又は第2設定値)以下に制御できる。これにより、アンモニア態窒素を効率的に減少でき、しかもメタン発酵処理における嫌気性条件を良好に維持できる。
【0077】
例えば、上記のメタン発酵処理方法では、メタン発酵工程と硝化処理工程とを同時に実施する。これにより、メタン発酵槽11における被処理物Aのアンモニア態窒素の濃度上昇を抑制しつつ、メタン発酵処理を実施できる。
このように上記のメタン発酵処理方法を行いつつ、第1ORP及び第2ORPを第1電位計51及び第2電位計52によってそれぞれ測定しつつ、第1ORP又は第2ORPの測定値を設定値以下(第1設定値以下又は第2設定値以下)に制御する。
【0078】
上記の第1ORPを第1設定値以下に制御、又は、第2ORPを第2設定値以下に制御するためには、例えば、硝化処理部20へ送る酸素含有気体Bの量を変化させること等によって、硝化処理工程において酸素透過膜を透過する透過酸素の量を変える。
【0079】
上記のメタン発酵処理方法は、硝化処理を経た被処理物Aをメタン発酵槽11へ供給する第1供給工程と、硝化処理を経ない被処理物Aをメタン発酵槽11へ供給する第2供給工程とを含むことから、例えば、以下のようにして上記の第1設定値又は第2設定値を調整できる。
具体的には、
図1に示すように、メタン発酵処理設備が、被処理物Aを循環させるための複数の経路を有し、複数の経路のうち少なくとも1つの経路の途中に硝化処理部20が配置されている場合、第1循環経路30及び第2循環経路40を用いて、いずれか一方の経路による被処理物Aの供給と、他方の経路による被処理物Aの供給とを切り替えることによって、第1ORPを第1設定値以下に制御、又は、第2ORPを第2設定値以下に制御できる。
具体的には、メタン発酵槽11から第1循環経路30を通って硝化処理を経た被処理物Aをメタン発酵槽11に再び供給する第1供給工程、及び、第2循環経路を通るため硝化処理を経ないメタン発酵槽11からの被処理物Aをメタン発酵槽11に再び供給する第2供給工程、の少なくとも一方を実施し、第1供給工程及び第2供給工程による被処理物Aの各供給量(単位時間当たりの供給量)を変えることによって、メタン発酵槽11へ供給する被処理物AのORP(第1ORP)を第1設定値以下に制御する。なお、上記の各供給工程では、被処理物Aの供給を続けて被処理物Aを循環させてもよい。
より具体的には、第1循環経路30による供給(第1供給工程)を止める一方で、第2循環経路40による供給(第2供給工程)を続けることによって、被処理物Aの第1ORPを下げて、第1ORPを第1設定値以下に制御できる。
【0080】
また、上記の第1設定値を調整すべく、例えば、途中に硝化処理部20が配置された第1循環経路30を通って硝化処理を経た被処理物Aと、第2循環経路40を通って硝化処理を経なかった被処理物Aとを混合してメタン発酵槽11へ戻す。
具体的には、メタン発酵槽11から取り出した被処理物Aを複数の経路によってメタン発酵槽11へ戻しつつ、複数の経路のうち少なくとも1経路の途中に配置された硝化処理部20において硝化処理工程を実施する。そして、第1循環経路30を通って硝化処理を経た被処理物A(第1供給工程の硝化処理を経た被処理物A)と、第2循環経路40を通って硝化処理を経なかった被処理物A(第2供給工程の被処理物A)とを混合して、メタン発酵槽11へ供給する。
より具体的には、例えば、第1循環経路30を経た被処理物AのORPが-100mVであり、第2循環経路40を経た被処理物AのORPが-400mVであれば、これらを同量ずつ混合した被処理物AのORP(第1ORP)は、-250mVとなる。なお、混合するときの量比は、適宜調整される。このように被処理物Aを混合することによって、第1電位計51で測定される第1ORPの過度な上昇を抑制できる。
【0081】
さらに、上記のメタン発酵処理方法では、上記の第2ORP(メタン発酵槽11内の被処理物AのORP)を第2設定値以下に制御するために、上述した制御法と同様の方法を採用できる。第1ORPをより低くすることによって、第2ORPもより低くすることができる。
【0082】
加えて、上記のメタン発酵処理方法では、メタン発酵槽11内の被処理物Aのアンモニア態窒素濃度を測定しつつ、例えば斯かる測定値が基準値を上回ったときに、硝化処理工程を開始するか、又は、硝化処理工程において酸素透過膜を経た透過酸素の量を増やす。これにより、被処理物Aのアンモニア態窒素濃度を低下させる。
また、被処理物Aのアンモニア態窒素濃度が所定範囲内となるように、後述するような操作をしてもよい。
そして、必要に応じて、硝化処理工程の継続に伴って上昇し得る被処理物AのORPを、上述した方法などによって、設定値以下に制御する。
【0083】
本実施形態のメタン発酵処理方法では、被処理物測定工程において、アンモニア濃度計53によってメタン発酵槽11における被処理物Aのアンモニア態窒素の濃度を測定してもよい。
そして、本実施形態のメタン発酵処理方法では、被処理物Aのアンモニア態窒素の濃度を測定する被処理物測定工程を行いつつ、下記のように被処理物Aのアンモニア態窒素の濃度を制御してもよい。
例えば、上記のメタン発酵処理方法では、被処理物Aのアンモニア態窒素の濃度が2500mg/Lよりも高くなったときに、硝化処理部20への酸素含有気体Bの供給を開始すること等によって、被処理物Aのアンモニア態窒素を減少させてもよい。また、上記のメタン発酵処理方法では、被処理物Aのアンモニア態窒素の濃度が1500mg/Lよりも低くなったときに、硝化処理部20への酸素含有気体Bを止めてもよい。
また、例えば、上記のメタン発酵処理方法では、硝化処理部20からメタン発酵部10へ被処理物Aを供給しつつ、被処理物Aのアンモニア態窒素の濃度が1500mg/L以上2500mg/L以下となるように、硝化処理部20へ供給する酸素含有気体Bの量(透過酸素の量)を変化させてもよい。
一方、例えば、上記のメタン発酵処理方法では、硝化処理部20へ酸素含有気体Bを供給しつつ、被処理物Aのアンモニア態窒素の濃度が1500mg/L以上2500mg/L以下となるように、硝化処理部20からメタン発酵部10へ供給する被処理物Aの量を変化させてもよい。
【0084】
本実施形態のメタン発酵処理方法におけるメタン発酵処理によって生じたバイオガス(メタンガスを含む)は、例えば燃料として利用される。
【0085】
上記実施形態のメタン発酵処理設備、メタン発酵処理方法などは、上記例示の通りであるが、本発明は、上記例示のメタン発酵処理設備やメタン発酵処理方法などに限定されるものではない。
また、一般のメタン発酵処理設備、メタン発酵処理方法などにおいて用いられる種々の態様を、本発明の効果を損ねない範囲において、採用することができる。
【符号の説明】
【0086】
1、 1’、 1”:メタン発酵処理設備、
10:メタン発酵部10、 11:メタン発酵槽、 15:連続発酵処理装置、
20:硝化処理部、
30:第1循環経路、 31:上流側経路、 32:下流側経路、
40:第2循環経路、
50:測定部、
51:第1電位計、 52:第2電位計、 53:アンモニア濃度計、
A:被処理物、 B:酸素含有気体、 B’:オフガス、 C:バイオマス、 D:発酵残渣。