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特許7422602駐車制御装置、駐車制御方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】駐車制御装置、駐車制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20240119BHJP
【FI】
G07B15/00 L
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020080605
(22)【出願日】2020-04-30
(65)【公開番号】P2021174458
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-01-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000251060
【氏名又は名称】林テレンプ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】森 広幸
(72)【発明者】
【氏名】中根 浩貴
(72)【発明者】
【氏名】竹内 将継
【審査官】中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-070454(JP,A)
【文献】特開平06-036097(JP,A)
【文献】実開昭63-107082(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 11/00-17/04
G06Q 10/00-10/10,
30/00-30/08,
50/00-50/20,
50/26-99/00
G08G 1/14
E04H 6/00- 6/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車スペースへの駐車を妨げる第1の形態と、前記駐車スペースへの駐車を可能する第2の形態とに変化可能な防止部材と、
供給される電力の電圧レベルを測定する電圧レベル測定部と、
前記電圧レベル測定部が測定した電圧レベルが第1の閾値を下回った場合、前記防止部材を前記第2の形態とする制御部と、
外部から所定の識別信号を受信したことを検知する信号検知部と
前記第1の閾値よりも低い電圧レベルの電力を供給する予備電源と、
外部から供給される電力の低下を検知する停電検知部と、
前記停電検知部が前記電力の低下を検知した場合、供給される電力を前記予備電源からの電力へ切り替える供給電源切り替え部とを有し、
前記制御部は、前記信号検知部が前記識別信号を受信した場合、前記防止部材を前記第1の形態から前記第2の形態へ変化させ、前記信号検知部が前記識別信号を受信している状態から該識別信号を受信しなくなった場合、前記防止部材を前記第2の形態から前記第1の形態へ変化させ、前記信号検知部が前記識別信号を受信している状態から該識別信号を受信しなくなった場合であっても、前記電圧レベル測定部が測定した電圧レベルが前記第1の閾値を下回っていれば、前記防止部材を前記第2の形態のままとする駐車制御装置。
【請求項2】
請求項に記載の駐車制御装置において、
前記停電検知部は、前記外部から供給される電力の電圧レベルが第2の閾値を下回った場合、前記電力の低下を検知する駐車制御装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の駐車制御装置において、
前記制御部は、前記駐車スペースへの駐車を妨げる場合、前記防止部材を起立状態とし、前記駐車スペースへの駐車を可能とする場合、前記防止部材を倒伏状態とする駐車制御装置。
【請求項4】
コンピュータが、装置へ供給される電力の電圧レベルを測定する処理と、
前記コンピュータが、前記測定した電圧レベルと第1の閾値とを比較する処理と、
前記コンピュータが、前記測定した電圧レベルが前記第1の閾値を下回った場合、駐車スペースへの駐車を妨げる第1の形態と前記駐車スペースへの駐車を可能する第2の形態とに変化可能な防止部材を前記第2の形態とする処理と、
前記コンピュータが、外部から所定の識別信号を受信したことを検知する処理と、
前記コンピュータが、前記識別信号の受信を検知した場合、前記防止部材を前記第1の形態から前記第2の形態へ変化させる処理と、
前記コンピュータが、前記識別信号の受信を検知している状態から該識別信号の受信を検知しなくなった場合、前記防止部材を前記第2の形態から前記第1の形態へ変化させる処理と、
前記コンピュータが、前記識別信号の受信を検知している状態から該識別信号の受信を検知しなくなった場合であっても、前記測定した電圧レベルが前記第1の閾値を下回っていれば、前記防止部材を前記第2の形態のままとする処理と
前記コンピュータが、外部から供給される電力の低下を検知する処理と、
前記コンピュータが、前記電力の低下を検知した場合、供給される電力を、前記第1の閾値よりも低い電圧レベルの電力を供給する予備電源からの電力へ切り替える処理とを行う駐車制御方法。
【請求項5】
コンピュータに、
装置へ供給される電力の電圧レベルを測定する手順と、
前記測定した電圧レベルと第1の閾値とを比較する手順と、
前記測定した電圧レベルが前記第1の閾値を下回った場合、駐車スペースへの駐車を妨げる第1の形態と前記駐車スペースへの駐車を可能する第2の形態とに変化可能な防止部材を前記第2の形態とする手順と、
外部から所定の識別信号を受信したことを検知する手順と、
前記識別信号の受信を検知した場合、前記防止部材を前記第1の形態から前記第2の形態へ変化させる手順と、
前記識別信号の受信を検知している状態から該識別信号の受信を検知しなくなった場合、前記防止部材を前記第2の形態から前記第1の形態へ変化させる手順と、
前記識別信号の受信を検知している状態から該識別信号の受信を検知しなくなった場合であっても、前記測定した電圧レベルが前記第1の閾値を下回っていれば、前記防止部材を前記第2の形態のままとする手順と
外部から供給される電力の低下を検知する手順と、
前記電力の低下を検知した場合、供給される電力を、前記第1の閾値よりも低い電圧レベルの電力を供給する予備電源からの電力へ切り替える手順とを実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車制御装置、駐車制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コインパーキング等の駐車スペースへの違法な駐車、入庫を防止するため、または駐車スペースに駐車している車両が駐車料金未払いで出庫することを防止するために、可倒式の防止部材を駐車スペースに設置するケースが多くなってきている。例えば、駐車場内に複数設けた個別の駐車スペースごとに設置され、駐車している車両が駐車料金を支払わずに出庫することを防止するためのロック板を起立させる端末機と、駐車料金を集中精算する料金精算機とを備える駐車管理システムが考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3523577号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した技術においては、ロック板のような防止部材を制御する装置が防止部材を動作させるための電力を供給することができなくなった場合、防止部材が起立状態であると、その駐車スペースへの駐車が許可された車両の駐車、入庫を妨げ、また駐車料金が支払われたにもかかわらずその駐車スペースに駐車している車両の出庫を妨げてしまうというおそれがある。このように、駐車スペースを有効に活用することができなくなってしまうという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、駐車スペースを有効に活用することができる駐車制御装置、駐車制御方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の駐車制御装置は、
駐車スペースへの駐車を妨げる第1の形態と、前記駐車スペースへの駐車を可能する第2の形態とに変化可能な防止部材と、
供給される電力の電圧レベルを測定する電圧レベル測定部と、
前記電圧レベル測定部が測定した電圧レベルが第1の閾値を下回った場合、前記防止部材を前記第2の形態とする制御部とを有する。
【0007】
また、本発明の駐車制御方法は、
装置へ供給される電力の電圧レベルを測定する処理と、
前記測定した電圧レベルと第1の閾値とを比較する処理と、
前記測定した電圧レベルが前記第1の閾値を下回った場合、駐車スペースへの駐車を妨げる第1の形態と前記駐車スペースへの駐車を可能する第2の形態とに変化可能な防止部材を前記第2の形態とする処理とを行う。
【0008】
また、本発明のプログラムは、
コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
コンピュータに、
装置へ供給される電力の電圧レベルを測定する手順と、
前記測定した電圧レベルと第1の閾値とを比較する手順と、
前記測定した電圧レベルが前記第1の閾値を下回った場合、駐車スペースへの駐車を妨げる第1の形態と前記駐車スペースへの駐車を可能する第2の形態とに変化可能な防止部材を前記第2の形態とする手順とを実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明においては、駐車スペースを有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の駐車制御装置の第1の実施の形態を示す図である。
図2図1に示した防止部材の取りうる状態の外観の一例を示す図である。
図3図1に示した駐車制御装置における駐車制御方法を説明するためのフローチャートである。
図4】本発明の駐車制御装置の第2の実施の形態を示す図である。
図5図4に示した駐車制御装置における駐車制御方法を説明するためのフローチャートである。
図6図4に示した駐車制御装置における駐車制御方法を説明するためのフローチャートである。
図7図4に示した駐車制御装置における駐車制御方法を説明するためのフローチャートである。
図8】本発明の駐車制御装置の第3の実施の形態を示す図である。
図9】予備電源が駐車制御装置の外部に設けられている構成の一例を示す図である。
図10図8に示した駐車制御装置における駐車制御方法を説明するためのフローチャートである。
図11】本発明の駐車制御装置の第4の実施の形態を示す図である。
図12図11に示した駐車制御装置における駐車制御方法を説明するためのフローチャートである。
図13】本発明の駐車制御装置の第5の実施の形態を示す図である。
図14図13に示した駐車制御装置の動作遷移を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
【0012】
図1は、本発明の駐車制御装置の第1の実施の形態を示す図である。本形態における駐車制御装置100は図1に示すように、防止部材110と、電圧レベル測定部120と、制御部130とを有する。なお、図1には、本発明の駐車制御装置100が具備する構成要素のうち、本形態に関わる主要な構成要素のみを示している。なお、駐車制御装置100は、設置される駐車スペースへの車両の出入りを制御可能な位置に設置されている。つまり、駐車制御装置100は、防止部材110が起立状態(詳細は後述する)である場合に、設置されている駐車スペースへの車両の出入りを制限可能な位置に設置されている。なお、駐車制御装置100は、アンカーボルトや、両面テープ、接着シーラー等を用いて、駐車スペースの地面に固定される。また、駐車制御装置100への電源の供給は、充放電可能なバッテリーや、ソーラーパネル等の発電システム、AC電源などの外部電源、またはこれらの組み合わせ等を用いて行う。
【0013】
防止部材110は、駐車スペースへの駐車を妨げる第1の形態と、駐車スペースへの駐車を可能する第2の形態とに変化可能な部材である。電圧レベル測定部120は、駐車制御装置100に供給される電力の電圧レベルを測定する。制御部130は、電圧レベル測定部120が測定した電圧レベルがあらかじめ設定された閾値(以下、第1の閾値と称する)を下回った場合、防止部材110を第2の形態とする。制御部130は、駐車スペースへの駐車を妨げる場合、防止部材110を起立状態とし、駐車スペースへの駐車を可能とする場合、防止部材110を倒伏状態とする。
【0014】
図2は、図1に示した防止部材110の取りうる状態の外観の一例を示す図である。図1に示した防止部材110は図2に示すように、起立状態と倒伏状態との2つの状態を取りうる。起立状態は、駐車制御装置100が固定された駐車スペースへの駐車を妨げるように、防止部材110が起立した状態である。倒伏状態は、駐車制御装置100が固定された駐車スペースへの駐車を可能にするように、防止部材110が地面に倒伏した状態である。図2に示した例では、防止部材110の一端を軸として回転する形態であって、制御部130がモータ等を用いて回転制御を行うものである。防止部材110の形態はこれに限らず、駐車スペースへの駐車を妨げる状態と、駐車を可能にする状態とを実現できるものであれば良い。
【0015】
以下に、図1に示した駐車制御装置100における駐車制御方法について説明する。図3は、図1に示した駐車制御装置100における駐車制御方法を説明するためのフローチャートである。
【0016】
まず、電圧レベル測定部120が、駐車制御装置100に供給される電力の電圧レベルを測定する(ステップS1)。すると、制御部130が、電圧レベル測定部120が測定した電圧レベルとあらかじめ設定された第1の閾値とを比較し、電圧レベル測定部120が測定した電圧レベルが第1の閾値を下回ったかどうかを判定する(ステップS2)。電圧レベル測定部120が測定した電圧レベルが第1の閾値を下回っていない場合、ステップS1の処理が行われる。ここで、電圧レベル測定部120が電圧レベルを測定するタイミングは、以下となる。防止部材110が起立状態または倒伏状態である場合、電圧レベル測定部120は、100μsec周期で駐車制御装置100に供給される電力の電圧レベルを測定する。実際には、防止部材110が起立状態である場合、電圧レベル測定部120は、外部からの電源供給が停止した後に制御部13が防止部材110を倒伏状態とするための電力が残っている時間の間隔よりも短い時間間隔で電圧レベルを測定する。また、防止部材110が倒伏状態である場合、電圧レベル測定部120は、制御部130が防止部材110を起立状態とする直前に1回だけ電圧レベルを測定する。
【0017】
一方、ステップS2にて、電圧レベル測定部120が測定した電圧レベルが第1の閾値を下回っている場合、制御部130は、防止部材110を、駐車スペースへの駐車を可能とする形態とする(ステップS3)。ここで、それまでの防止部材110の形態が、駐車スペースへの駐車を可能とする形態である場合、制御部130は、防止部材110の形態を維持する。一方、それまでの防止部材110の形態が、駐車スペースへの駐車を妨げる形態である場合、制御部130は、防止部材110の形態を駐車スペースへの駐車を可能とする形態へ変化させる。
【0018】
このように、本形態における駐車制御装置100は、供給される電力の電圧レベルが低下した場合、駐車スペースへの駐車を妨げる部材である防止部材110を駐車スペースへの駐車を可能とする形態とする。そのため、供給電力が低下して防止部材110を制御不可能な状態になっても、その駐車スペースへの駐車が可能となり、駐車スペースに駐車している車両が出庫することができ、駐車スペースを有効に活用することができる。
(第2の実施の形態)
【0019】
図4は、本発明の駐車制御装置の第2の実施の形態を示す図である。本形態における駐車制御装置101は図4に示すように、防止部材110と、電圧レベル測定部120と、制御部131と、要求受付部141と、信号検知部151とを有する。なお、図4には、本発明の駐車制御装置101が具備する構成要素のうち、本形態に関わる主要な構成要素のみを示している。防止部材110および電圧レベル測定部120それぞれは、第1の実施の形態におけるものと同じものである。また、駐車制御装置101の設置形態は、第1の実施の形態における駐車制御装置100の設置形態と同じである。
【0020】
信号検知部151は、駐車制御装置101の外部から所定の識別信号を受信したことを検知する。この外部からの識別信号とは、例えば、駐車スペースを利用する利用者が所持するスマートフォンやタブレットやスマートウォッチ等の携帯通信端末から送信されたBluetooth(登録商標)等の信号や、駐車スペースに駐車する車両に搭載されたナビゲーションシステムやETC(Electronic Toll Collection)システム等の車載器からワイヤレスで送信されたBluetooth(登録商標)等の信号である。また、この識別信号には識別情報が含まれる。識別情報とは、駐車スペースを利用する利用者から、駐車制御装置101、または駐車制御装置101を管理するシステムにあらかじめ登録された情報であって、その利用者や携帯通信端末、車両に搭載された通信装置等にあらかじめ固有に付与された情報である。
【0021】
要求受付部141は、防止部材110の形態を変化させる要求を受け付ける。具体的に、要求受付部141は、信号検知部151が識別信号を受信したことを検知した場合、防止部材110を駐車スペースへの駐車を妨げる形態から駐車スペースへの駐車を可能とする形態へ変化させる要求を受け付ける。また、要求受付部141は、信号検知部151が識別信号を受信している状態から識別信号を受信しなくなった場合、防止部材110を駐車スペースへの駐車を可能とする形態から駐車スペースへの駐車を妨げる形態へ変化させる要求を受け付ける。
【0022】
制御部131は、第1の実施の形態における制御部130が具備する機能に加えて、要求受付部141が、防止部材を前記駐車スペースへの駐車を可能とする形態から駐車スペースへの駐車を妨げる形態へ変化させる要求を受け付けても、電圧レベル測定部120が測定した電圧レベルが第1の閾値を下回っていれば、防止部材110を駐車スペースへの駐車を可能とする形態のままとする。
【0023】
以下に、図4に示した駐車制御装置101における駐車制御方法について説明する。図5図6および図7は、図4に示した駐車制御装置101における駐車制御方法を説明するためのフローチャートである。
【0024】
まず、電圧レベル測定部120が、駐車制御装置101に供給される電力の電圧レベルを測定する(ステップS11)。また、信号検知部151が識別信号を受信したかどうかを判定する(ステップS12)。信号検知部151が識別信号を受信した場合、制御部131が防止部材110の状態を判定する(ステップS13)。防止部材110が起立状態である場合、制御部131は、防止部材110の状態(形態)を倒伏状態へ変化させる(ステップS14)。また、防止部材110が倒伏状態である場合、ステップS11の処理が行われる。電圧レベル測定部120が電圧レベルを測定するタイミングは、第1の実施の形態におけるものと同じである。
【0025】
一方、ステップS12にて、信号検知部151が識別信号を受信しない場合、制御部131が防止部材110の状態を判定する(ステップS15)。防止部材110が倒伏状態である場合、制御部131は、電圧レベル測定部120が測定した電圧レベルが第1の閾値を下回っているかどうかを判定する(ステップS16)。電圧レベル測定部120が測定した電圧レベルが第1の閾値を下回っていない場合、制御部131は、防止部材110の状態(形態)を起立状態へ変化させる(ステップS17)。また、電圧レベル測定部120が測定した電圧レベルが第1の閾値を下回っている場合、ステップS11の処理が行われる。ここでも、電圧レベル測定部120が電圧レベルを測定するタイミングは、第1の実施の形態におけるものと同じである。
【0026】
一方、ステップS15にて、防止部材110が起立状態である場合、制御部131は、電圧レベル測定部120が測定した電圧レベルが第1の閾値を下回っているかどうかを判定する(ステップS18)。電圧レベル測定部120が測定した電圧レベルが第1の閾値を下回っている場合、制御部131は、防止部材110の状態(形態)を倒伏状態へ変化させる(ステップS19)。そして、ステップS11の処理が行われる。ステップS18にて、電圧レベル測定部120が測定した電圧レベルが第1の閾値を下回っていない場合、ステップS11の処理が行われる。
【0027】
このように、本形態における駐車制御装置101は、供給される電力の電圧レベルが低下した場合、外部から識別信号を受信したかどうかおよび防止部材110の状態がどのような状態であるかにかかわらず、駐車スペースへの駐車を妨げる部材である防止部材110を駐車スペースへの駐車を可能とする形態とする。そのため、識別信号を受信しなくなることにより防止部材110を倒伏状態から起立状態へ変化させる要求を受け付けても、供給電力が低下して防止部材110を制御不可能な状態であれば、その駐車スペースへの駐車が可能となり、駐車スペースに駐車している車両が出庫することができ、駐車スペースを有効に活用することができる。
(第3の実施の形態)
【0028】
図8は、本発明の駐車制御装置の第3の実施の形態を示す図である。本形態における駐車制御装置102は図8に示すように、防止部材110と、電圧レベル測定部120と、制御部130と、予備電源142と、停電検知部152と、供給電源切り替え部162とを有する。なお、図8には、本発明の駐車制御装置102が具備する構成要素のうち、本形態に関わる主要な構成要素のみを示している。防止部材110、電圧レベル測定部120および制御部130それぞれは、第1の実施の形態におけるものと同じものである。また、駐車制御装置102の設置形態は、第1の実施の形態における駐車制御装置100の設置形態と同じである。
【0029】
予備電源142は、第1の閾値よりも低い電圧レベルの電力を供給する電源である。
予備電源142は、自身で発電する機能を具備するものであっても良いし、外部から供給される電力を蓄電しておく蓄電池であっても良い。停電検知部152は、外部から供給される電力の低下を検知する。具体的に、停電検知部152は、外部から供給される電力の電圧レベルがあらかじめ設定された閾値(以下、第2の閾値と称する)を下回った場合、電力の低下を検知する。供給電源切り替え部162は、停電検知部152が電力の低下を検知した場合、駐車制御装置102へ供給される電力を予備電源142からの電力へ切り替える。
【0030】
図9は、予備電源が駐車制御装置の外部に設けられている構成の一例を示す図である。図9に示した駐車制御装置103は、図8に示した駐車制御装置102のような予備電源142を装置内に具備せず、装置の外部に予備電源223が接続されている。また、外部電源203であるAC電源がAC-DCコンバータ213を介して駐車制御装置103と接続され、外部電源203から電源が駐車制御装置103へ供給される。
【0031】
以下に、図8に示した駐車制御装置102における駐車制御方法について説明する。図10は、図8に示した駐車制御装置102における駐車制御方法を説明するためのフローチャートである。
【0032】
まず、停電検知部152が、外部から駐車制御装置102に供給される電力の電圧レベルを測定する(ステップS21)。続いて、停電検知部152が、測定した電圧レベルとあらかじめ設定された第2の閾値とを比較し、測定した電圧レベルが第2の閾値を下回ったかどうかを判定する(ステップS22)。停電検知部152が測定した電圧レベルが第2の閾値を下回っていない場合、ステップS21の処理が行われる。一方、停電検知部152が測定した電圧レベルが第2の閾値を下回っている場合、供給電源切り替え部162は、駐車制御装置102へ供給する電源を予備電源142からのものへ切り替える(ステップS23)。駐車制御装置102へ供給する電源が予備電源142からのものへ切り替えられると、上述したように予備電源142が供給する電力の電圧レベルは、第1の閾値を下回るものであるため、制御部130は、防止部材110を、駐車スペースへの駐車を可能とする形態とすることとなる。図9に示した駐車制御装置103についても同様の処理が行われる。
【0033】
このように、本形態における駐車制御装置102は、外部電源から供給される電力の電圧レベルが低下した場合、駐車制御装置102へ電力を供給する電源を予備電源へ切り替える。予備電源は、制御部130が駐車スペースへの駐車を妨げる部材である防止部材110を駐車スペースへの駐車を可能とする形態とするための閾値よりも低い電圧レベルの電力を駐車制御装置102へ供給する。そのため、外部電源からの供給電力が低下して予備電源から電力が供給され、防止部材110を制御不可能な状態になっても、その駐車スペースへの駐車が可能となり、駐車スペースに駐車している車両が出庫することができ、駐車スペースを有効に活用することができる。
(第4の実施の形態)
【0034】
図11は、本発明の駐車制御装置の第4の実施の形態を示す図である。本形態における駐車制御装置104は図11に示すように、防止部材110と、電圧レベル測定部120と、制御部134と、超音波センサ174と、電源供給停止部184とを有する。なお、図11には、本発明の駐車制御装置104が具備する構成要素のうち、本形態に関わる主要な構成要素のみを示している。防止部材110および電圧レベル測定部120は、第1の実施の形態におけるものと同じものである。また、駐車制御装置104の設置形態は、第1の実施の形態における駐車制御装置100の設置形態と同じである。
【0035】
超音波センサ174は、所定の周期で超音波を送信し、超音波を受信して検知するセンサである。超音波センサ174は、超音波を送信してから所定の時間で超音波を受信した場合、駐車制御装置104が設置されている駐車スペース内や近くに車両があることを検知する。電源供給停止部184は、制御部134からの指示に基づいて、超音波センサ174への電源の供給を停止する。制御部134は、第1の実施の形態における制御部130が具備する機能に加えて、電圧レベル測定部120が測定した電圧レベルがあらかじめ設定された閾値(第3の閾値)を下回った場合、電源供給停止部184に対して、超音波センサ174への電源の供給を停止させる機能を具備する。ここで、第3の閾値は第1の閾値よりも高い値であっても良い。
【0036】
以下に、図11に示した駐車制御装置104における駐車制御方法について説明する。図12は、図11に示した駐車制御装置104における駐車制御方法を説明するためのフローチャートである。
【0037】
まず、電圧レベル測定部120が、駐車制御装置104に供給される電力の電圧レベルを測定する(ステップS31)。すると、制御部134が、電圧レベル測定部120が測定した電圧レベルとあらかじめ設定された第3の閾値とを比較し、電圧レベル測定部120が測定した電圧レベルが第3の閾値を下回ったかどうかを判定する(ステップS32)。電圧レベル測定部120が測定した電圧レベルが第3の閾値を下回っていない場合、ステップS31の処理が行われる。一方、電圧レベル測定部120が測定した電圧レベルが第3の閾値を下回っている場合、制御部134は、電源供給停止部184に対して、超音波センサ174への電源供給の停止を指示する。すると、電源供給停止部184は、制御部134からの指示に基づいて、超音波センサ174への電源の供給を停止する(ステップS33)
【0038】
このように、本形態における駐車制御装置104は、外部電源から供給される電力の電圧レベルが低下した場合、超音波センサ174への電源の供給を停止する。そのため、消費電力が比較的大きな超音波センサ174が動作しなくなり、駐車制御装置104全体の消費電力を削減することができ、防止部材110の形態の制御が不可能になる確率を下げることができる。その結果、駐車スペースを有効に活用することができる。
(第5の実施の形態)
【0039】
図13は、本発明の駐車制御装置の第5の実施の形態を示す図である。本形態における駐車制御装置105は図13に示すように、防止部材110と、制御部135と、超音波センサ174と、電源供給停止部184と、通信部195とを有する。なお、図13には、本発明の駐車制御装置105が具備する構成要素のうち、本形態に関わる主要な構成要素のみを示している。防止部材110は、第1の実施の形態におけるものと同じものである。超音波センサ174および電源供給停止部184それぞれは、第4の実施の形態におけるものと同じものである。また、駐車制御装置105の設置形態は、第1の実施の形態における駐車制御装置100の設置形態と同じである。
【0040】
通信部195は、車両に搭載された通信機器または利用者が所持する通信機器との間で通信を行う。このとき、通信部195は、Bluetooth(登録商標)機能を用いて通信を行う。制御部135は、通信部195の通信状態に応じて、電源供給停止部184を介して超音波センサ174への電源供給を制御する。通信部195がBluetooth(登録商標)を用いて通信を行う場合、車載器や利用者が所持する通信機器との間でペアリングができないと、通信部195は通信ができないと判定する。これに限らず、通信部195が他の通信方式を用いた場合であっても、対象となる通信機器との間で所定の信号のやり取りができないと、通信部195は通信ができないと判定する。
【0041】
図14は、図13に示した駐車制御装置105の動作遷移を説明するための図である。図14には、通信部195と通信を行う対象が車載器である場合を例に挙げて示している。まず、通信部195が車載器との間の通信ができない場合、制御部135は、車載器が搭載された車両は駐車制御装置105から遠くに存在していると判定し、超音波センサ174への電源をOFFとするように電源供給停止部184に指示する。その後、通信部195が車載器との間の通信ができるようになると、制御部135は、車載器が搭載された車両は駐車制御装置105に接近してきたと判定し、超音波センサ174への電源をONとするように電源供給停止部184に指示する。続いて、駐車制御装置105設置されている駐車スペースに当該車両が駐車している場合、イグニッションキーがONであれば通信部195と車載器との間で通信ができるため、制御部135は、超音波センサ174への電源をONのままとするように電源供給停止部184に指示する。そして、イグニッションキーがOFFされることにより、車載器の電源がOFFとなり、通信部195が車載器との間の通信ができなくなると、制御部135は、超音波センサ174への電源をOFFとするように電源供給停止部184に指示する。その後、イグニッションキーがONされることにより、車載器の電源がONとなり、通信部195が車載器との間の通信ができるようになると、制御部135は、超音波センサ174への電源をONとするように電源供給停止部184に指示する。車両が発進しても、通信部195が車載器との間の通信ができている場合は、制御部135は、超音波センサ174への電源をONのままとするように電源供給停止部184に指示する。その後、車両が駐車スペースから遠ざかり、通信部195が車載器との間の通信ができなくなると、制御部135は、超音波センサ174への電源をOFFとするように電源供給停止部184に指示する。
【0042】
このように、通信部195が車載器や、利用者が所持する通信機器との間で通信を行うことができるか否かに基づいて、制御部135が超音波センサ174への給電を制御する。具体的には、通信部195が車載器や、利用者が所持する通信機器との間で通信を行うことができない場合に、制御部135が超音波センサ174への給電を停止する。これにより、消費電力が比較的大きな超音波センサ174の動作が不要な場合に給電を停止させ、駐車制御装置105全体の消費電力を削減することができ、防止部材110の形態の制御が不可能になる確率を下げることができる。その結果、駐車スペースを有効に活用することができる。
【0043】
以上、各構成要素に各機能(処理)それぞれを分担させて説明したが、この割り当ては上述したものに限定しない。また、構成要素の構成についても、上述した形態はあくまでも例であって、これに限定しない。
【0044】
上述した各構成要素が行う処理は、目的に応じてそれぞれ作製された論理回路で行うようにしても良い。また、処理内容を手順として記述したコンピュータプログラム(以下、プログラムと称する)を駐車制御装置100~104内に設けられたCPU(Central Processing Unit)にて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムをCPUに読み込ませ、実行するものであっても良い。CPUにて読取可能な記録媒体とは、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、CD(Compact Disc)、Blu-ray(登録商標) Disc、USB(Universal Serial Bus)メモリなどの移設可能な記録媒体の他、制御装置300~302に内蔵されたROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリやHDD(Hard Disc Drive)等を指す。この記録媒体に記録されたプログラムはCPUにて読み込まれ、CPUの制御によって、上述したものと同様の処理が行われる。ここで、CPUは、プログラムが記録された記録媒体から読み込まれたプログラムを実行するコンピュータとして動作するものである。
【符号の説明】
【0045】
100~105 駐車制御装置
110 防止部材
120 電圧レベル測定部
130,131,134,135 制御部
141 要求受付部
142,223 予備電源
151 信号検知部
152 停電検知部
162 供給電源切り替え部
174 超音波センサ
184 電源供給停止部
195 通信部
203 外部電源
213 AC-DCコンバータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図9
図10
図11
図12
図13
図14