(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】透析機器および方法
(51)【国際特許分類】
A61M 1/36 20060101AFI20240119BHJP
A61M 1/16 20060101ALI20240119BHJP
【FI】
A61M1/36 123
A61M1/36 125
A61M1/16 185
(21)【出願番号】P 2020517860
(86)(22)【出願日】2018-10-25
(86)【国際出願番号】 EP2018079243
(87)【国際公開番号】W WO2019081624
(87)【国際公開日】2019-05-02
【審査請求日】2021-10-18
(32)【優先日】2017-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】501473877
【氏名又は名称】ガンブロ・ルンディア・エービー
【氏名又は名称原語表記】GAMBRO LUNDIA AB
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100188857
【氏名又は名称】木下 智文
(74)【代理人】
【識別番号】100199277
【氏名又は名称】西守 有人
(74)【代理人】
【識別番号】100207354
【氏名又は名称】楠 康正
(72)【発明者】
【氏名】ホブロ, ストゥーレ
(72)【発明者】
【氏名】ニルソン, ロジャー
(72)【発明者】
【氏名】ヤンソン, オーロフ
(72)【発明者】
【氏名】エリクソン, ビョルン
【審査官】白土 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-195833(JP,A)
【文献】特開2003-265600(JP,A)
【文献】特開平07-284744(JP,A)
【文献】特表平11-509113(JP,A)
【文献】特表2003-519539(JP,A)
【文献】特開昭58-177669(JP,A)
【文献】特開2013-39241(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/00-1/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透析機器(110、210、310、410、510)を用いる体外流体回路(100、200、300、400、500)の排液方法であって、前記透析機器(110、210、310、410、510)が透析器(130、230、330、430、530)と前記体外流体回路(100、200、300、400、500)とに接続され、前記体外流体回路(100、200、300、400、500)が、患者から血液を引き出すために前記患者に接続可能な動脈ライン(101、201、301、401、501)と、前記患者に血液を返すために前記患者に接続可能な静脈ライン(102、202、302、402、502)と、を備え、前記方法は、
前記体外流体回路(110、210、310、410、510)からの治療終了の後、前記透析器(130、230、330、430、530)を通じて前記体外流体回路から残っている流体を排液すること(1000、2000、3000)を含み、
前記透析器(130、230、330、430、530、630)が、前記透析器(130、230、330、430、530)へのおよびそこからの透析流体の分配のために、透析流体回路(193、194、293、294、393、394、493、494、593、594)を介して前記透析機器(110、210、310、410、510)に接続され、前記体外流体回路(110、210、310、410、510)が、前記体外流体回路(100、200、300、400、500)に対して負となる圧力を前記透析流体回路(193、194、293、294、393、394、493、494、593、594)に印加することによって、前記透析器(130、230、330、430、530)を通じて排液され、
前記透析流体回路(193、194、293、294、393、394、493、494、593、594)に印加される、前記体外流体回路(100、200、300、400、500)に対して負となる前記圧力が、前記体外流体回路(100、200、300、400、500)にガスを導入することによるものであり、
前記動脈ライン(101、201、301、401)が、前記患者に接続可能な第1ポート(191、291、491)を備え、前記静脈ライン(102、202、402)が、前記患者に接続可能な第2ポート(192、292、492)を備え、
前記方法はさらに、前記体外流体回路(100、200、400)に前記ガスを導入する前に、前記第1ポート(191、291、491)を前記第2ポート(192、292、492)に接続すること(1015、2015)を含み、
前記ガスを導入することは、入口(109、209、309、391、409、509、591、691)を介して前記体外流体回路(100、200、300、400、500、600)へガスをポンプで入れることによって行われ、それによって前記残っている流体が前記透析器(130、230、330、430、530、630)の方へ押し出されて前記透析機器(110、210、310、410、510、610)を通じて排液され、
前記ガスは、前記入口(109、209、309、391、409、509、609)を介して前記体外流体回路(100、200、300、400、500、600)に接続されているポンピングデバイス(121、221、321、421、521)を用いて、前記体外流体回路(100、200、300、400、500、600)へとポンプで入れられ、
前記ポンピングデバイス(121、221、321、421、521)が空気ポンプであり、前記導入されるガスが空気であり、
前記体外流体回路(100、200、300、400、500、600)は前記体外流体回路に接続された前記入口を介して前記空気ポンプに接続され、前記入口は前記透析器(130、230、330、430、530)と前記第2ポート(192、292、492)との間に位置する静脈ドリップチャンバ(131)である、方法。
【請求項2】
前記排液すること(1000、2000、3000)の前に、前記体外流体回路(100、200、300、400、500)を満たすために、前記体外流体回路(100、200、300、400、500)にリンスバック流体(1010、2010、3010)を導入することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記排液すること(1000、2000、3000)の前に前記体外流体回路(100、200、300、400、500、600)を満たすために前記リンスバック流体(1010、2010、3010)を導入した後に、前記体外流体回路(100、200、300、400、500、600)にライセート流体(6090)を導入することをさらに含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ポンプ構成(63、64)が、前記透析器(130、230、330、430、530)へのおよびそこからのライセート流体の分配のためのライセート流体ポンプを備え、前記透析機器(210、310)は、前記体外流体回路(200、300、600)に接続された
前記ライセート流体ポンプ(924)に接続され、前記体外流体回路(200、300)を満たすために前記体外流体回路(200、300、600)に前記ライセート流体を導入することは、前記ライセート流体ポンプ(924)を活性化することによって、前記透析器(230、330、630)を通じた前記静脈ライン(202、302、602)の方への前記ライセート流体の流れを生成するように行われる請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ポンプ構成(63、64)が、さらに第1の透析器ポンプ(63)及び第2の透析器ポンプ(64)を備え、前記透析器(130、230、330、430、530)が、前記透析器(130、230、330、430、530)へのおよびそこからの透析流体の分配のために
前記ポンプ構成(63、64)に接続され、前記方法は、前記ポンプ構成(63、64)を制御する(1030、2030、3030)ことによって、前記負の圧力の印加中の、前記透析器(130、230、330、430、530)および前記体外流体回路(100、200、300、400、500)からの残っている流体の全体としての除去を達成することを含む請求項
4に記載の方法。
【請求項6】
前記方法はさらに、前記ポンプ構成(63、64)を制御することによって、前記リンスバック流体が前記体外流体回路(100、200、300、400、500)に導入された後、前記体外流体回路(100、200、300、400、500)のなかにライセート流体を分配することを含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ポンプ構成(63、64)は、前記透析器(130、230、330、430、530、630)および前記体外流体回路(100、200、300、400、500)からの流体の除去を維持しつつ、ライセート流体を前記体外流体回路(100、200、300、400、500)に分配するように制御される請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記リンスバック流体(1010、2010、3010)の導入の後、かつ、前記ライセート流体(6090)の前記体外流体回路への導入の前、に前記透析器(130、230、330、430、530、630)を通じて前記体外流体回路(100、200、300、400、500、600)から残っている流体を排液すること(1000、2000、3000)をさらに含む請求項3から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記ライセート流体がクエン酸およびRO水を含む請求項3から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記透析機器(110、210、310、410、510)が、前記動脈ライン(101、201、301、401、501)に接続された蠕動血液ポンプ(122、222、322、422、522)に接続され、前記方法は、前記蠕動血液ポンプ(122、222、322、422、522)を活性化すること(1005、2005、3005)によって、特に前記リンスバック流体の導入中および前記ライセート流体の導入中のそれぞれにおいて、前記透析器(130、230、330、430、530)の方への前記リンスバック流体の流れを生成することを含む請求項3から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記透析器(230、330)の方への前記リンスバック流体の前記流れを生成する前に、血液の前記動脈ライン(201、301)を空にするために、前記動脈ライン(201、301)の方への血液のプッシュバック流れを生成すること(2003、3003)をさらに含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記透析機器(210、310)は、前記体外流体回路(200、300)に接続された透析流体ポンプ(224、324)に接続され、前記体外流体回路(200、300)を満たすために前記体外流体回路(200、300)に前記リンスバック流体を導入することは、前記透析流体ポンプ(224、324)を活性化することによって、前記透析器(230、330)を通じた前記静脈ライン(202、302)の方への前記リンスバック流体の流れを生成することによって行われる請求項2から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記透析機器(110、210、310、410、510)が、前記動脈ライン(101、201、301、401、501)に接続された蠕動血液ポンプ(122、222、322、422、522)に接続され、前記排液方法が、
前記蠕動血液ポンプを活性化して
、前記動脈ラインを通って前記透析器(130)へと向かい、前記回路内の流体を前記透析器(130)へと押し込む空気の流れを生成することをさらに含む、請求項1から
9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
体外流体回路(100、200、300、400、500)と透析器(130、230、330、430、530)とに接続された透析機器であって、前記体外流体回路(100、200、300、400、500)が、患者から血液を引き出すために前記患者に接続可能な動脈ライン(101、201、301、401、501)と、前記患者に血液を返すために前記患者に接続可能な静脈ライン(102、202、302、402、502)と、を備え、前記透析機器が、請求項1から13のいずれか一項に記載の排液方法を行うように構成される透析機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、透析機器を用いて体外流体回路を排液する方法および前記方法を行うよう構成された透析機器に関する。本技術はさらに、リンスバック流体で体外流体回路を満たす方法および前記方法を行うよう構成された透析機器に関する。
【背景技術】
【0002】
透析治療の終わりに患者に血液を戻すには、通常、体外流体回路、すなわち血液ラインを通して患者に血液を押し込むためのリンスバック流体が必要である。これは、患者に注入された空気が空気塞栓症を引き起こす可能性があるため、患者が接続されたときに体外流体回路に空気を導入することは、安全対策として空気および血液センサを用いたとしても、良い方法ではないためである。したがって、血液を押し戻すためには、潜在的な負の健康影響なしに患者に注入することができるリンスバック流体が好ましい。
【0003】
リンスバック流体が導入されると、それは、ラインセット内に存在する患者の血液中の細菌またはウイルスで汚染される可能性がある。したがって、ラインは、治療の終わりにリンスバック流体と血液との混合物で満たされ、安全な方法で取り扱われる必要がある。
【0004】
汚染され充填されたラインセットの取り扱いは、治療が行われた後に行われる。ラインセットおよび透析器は、その時点で、廃棄されなければならない血液の混合物で満たされている。今日、これは、シンクでラインセットを空にすることによって、または最初に空にすることなくラインセット全体を処分することによって、看護師によって手動で実行され得る。
【0005】
ラインセットを空にすることは、手動プロセスを通して中の液体を注ぎ出すことを必要とし、それは潜在的に汚染された液体を取り扱うために、時間がかかり、危険であり、幾分汚い仕事である。内容物が放出された後、ラインセットを廃棄することができる。
【0006】
こぼれを回避し、より清潔な取扱い方法を達成するために、ラインセットは、多くの場合、最初にラインセットを空にすることなく廃棄される。代わりに、看護師は、ラインセットの端部を、前記ラインセットの一部を構成する1組のクランプでクランプする。端部が前記クランプでシールされた後、ラインセット全体が透析機器から取り出され、廃棄される。しかしながら、これは当然ながら、処理される廃棄物の重量を増加させ、これは医療機関が毎日多くの透析処理を行うことが多いので、汚染物質の廃棄物取扱手数料がかなりのものとなり得るため、医療機関のコスト増加につながる。
【0007】
プライミングの間、すなわち、治療が行われる前のラインセットの準備の間にもしばしば同様の取り扱いが用いられ、それは、血液ラインおよび透析器を満たし、フラッシュするために、プライミング流体をラインセットにポンプで入れることを実施する。従来、これはラインセットに接続された生理食塩水バッグから生理食塩水をポンピングすることによって行われてきたが、ますます多くのシステムが機械から直接プライミング流体を提供し始めており、これはいわゆる「オンラインプライミング」である。
【0008】
いくつかのより新しい透析機器はオンラインプライミングを利用し、プライミング流体を処理するための廃棄物処理オプション(WHO)を含む。このような透析機器では、使用済みのプライミング流体が機器のドレン側に吸引される。これまでのところ、WHOポートは、患者間の交差汚染のリスクが増大する可能性があるため、プライミング流体の除去にのみ使用されてきた。
【0009】
例えば、治療中にWHOポートを介して血液が機器内に吸引される危険性がある。したがって、WHOの汚染の可能性は、汚染がラインセットに押し戻される危険性を生じる。
したがって、安全で、費用効率が良く、簡単な方法でラインセットを排液する方法が必要とされている。また、患者間の交差汚染の危険性を減少させるラインセット排液方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0010】
したがって、本技術は好適には、当該技術分野における上述の欠点および不利な点のうちのひとつ以上を、単体でもしくは任意の組み合わせで、軽減し、緩和し、または除去することを希求し、以下の方法を提供することによって少なくとも上述の課題を解決するものである。すなわち、透析機器を用いて体外流体回路を排液する方法である。透析機器は、体外流体回路と透析器とに接続される。体外流体回路が、患者から血液を引き出すために患者に接続可能な動脈ラインと、患者に血液を返すために患者に接続可能な静脈ラインと、を備える。方法は、体外流体回路からの治療終了の後、透析器を通じて体外流体回路から残っている流体を排液することを含む。
【0011】
治療終了は、透析治療が中断されたか完了された状態を指す。
【0012】
本技術はさらに、体外流体回路と透析器とに接続された透析機器であって、体外流体回路が、患者から血液を引き出すために患者に接続可能な動脈ラインと、患者に血液を返すために患者に接続可能な静脈ラインと、を備え、透析機器が、排液方法を行うように構成される透析機器に関してもよい。
【0013】
本発明のある態様によると、体外流体回路を満たす方法が提供される。前記方法は、前記排液方法に含まれてもよい。したがって、本技術はさらに、透析機器を用いて、治療終了の後、リンスバック流体で体外流体回路を満たす方法に関し、透析機器は、体外流体回路と透析器とポンピングデバイスとに接続され、ポンピングデバイスが体外流体回路に接続され、体外流体回路が、患者から血液を引き出すために患者に接続可能な第1ポートを有する動脈ラインと、患者に血液を返すために患者に接続可能な第2ポートを有する静脈ラインと、を備え、方法は、体外流体回路にリンスバック流体をポンプして入れ、それにより、ポンピングデバイスを活性化して透析器を通じた第2ポートの方へのリンスバック流体の流れを生成することによって体外流体回路を満たすことを含む。
【0014】
治療終了は、透析治療が中断されたか完了された状態を指す。
【0015】
本技術はさらに、透析器と、体外流体回路に接続されたポンピングデバイスと、に接続された透析機器に関し、体外流体回路が、患者から血液を引き出すために患者に接続可能な第1ポートを有する動脈ラインと、患者に血液を返すために患者に接続可能な第2ポートを有する静脈ラインと、を備え、透析機器が満たす方法を行うよう構成される。
【0016】
さらなる有利な実施形態は、添付の特許請求の範囲および従属請求項に開示されている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本技術の上記ならびに追加の目的、特徴、および利点は、添付の図面を参照して、本技術の好ましい実施形態の以下の例示的かつ非限定的な詳細な説明を通して、より良く理解されるのであろう。
【
図1】第1状態のある実施の形態の透析システムを模式的に示す。
【
図2】第2状態のある実施の形態の透析システムを模式的に示す。
【
図3】第3状態のある実施の形態の透析システムを模式的に示す。
【
図4】第4状態のある実施の形態の透析システムを模式的に示す。
【
図5】第1状態のある実施の形態の透析システムを模式的に示す。
【
図6】第2状態のある実施の形態の透析システムを模式的に示す。
【
図7】第3状態のある実施の形態の透析システムを模式的に示す。
【
図8】第4状態のある実施の形態の透析システムを模式的に示す。
【
図9】第5状態のある実施の形態の透析システムを模式的に示す。
【
図10】ある実施の形態の透析システムを模式的に示す。
【
図11】第1状態のある実施の形態の透析システムを模式的に示す。
【
図12】第2状態のある実施の形態の透析システムを模式的に示す。
【
図13】第1状態のある実施の形態の透析システムを模式的に示す。
【
図14】第2状態のある実施の形態の透析システムを模式的に示す。
【
図15】第3状態のある実施の形態の透析システムを模式的に示す。
【
図16】第4状態のある実施の形態の透析システムを模式的に示す。
【
図17】第5状態のある実施の形態の透析システムを模式的に示す。
【
図18】第1状態のある実施の形態の透析システムを模式的に示す。
【
図19】第2状態のある実施の形態の透析システムを模式的に示す。
【
図20】ある実施の形態の透析システムの透析器を模式的に示す。
【
図21】ある実施の形態の透析システム体外回路を模式的に示す。
【
図22】ある実施の形態の透析システムの逆止弁を模式的に示す。
【
図23】ある実施の形態の体外流体回路を排液する方法を示す。
【
図24】ある実施の形態の体外流体回路を排液する方法を示す。
【
図25】ある実施の形態の体外流体回路を排液する方法を示す。
【
図26】ある実施の形態の体外流体回路を満たす方法を示す。
【
図27】ある実施の形態の体外流体回路を排液する方法を示す。
【
図28】ある実施の形態の体外流体回路を排液する方法を示す。
【
図29】ある実施の形態の透析システムのコントローラ構成を模式的に示す。
【
図30】ある実施の形態の体外流体回路を排液する方法を示す。
【
図31】ある実施の形態の透析システムを模式的に示す。
【
図32】ある実施の形態の透析システムを模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本技術は、透析システムの透析機器を用いて体外流体回路を排液する方法に関する。本発明によると、体外流体回路の残っている流体は透析器を通じて排液されてもよい。
【0019】
したがって、本技術は、透析機器を用いて体外流体回路を排液する方法に関し、透析機器は、体外流体回路と透析器とに接続される。前記体外流体回路は、患者から血液を引き出すために患者に接続可能な動脈ラインと、患者に血液を返すために患者に接続可能な静脈ラインと、を備える。方法は、体外流体回路からの治療終了の後、透析器を通じて体外流体回路から残っている流体を排液することを含む。
【0020】
本技術はまた、リンスバック流体で体外流体回路を満たす方法に関する。
【0021】
したがって、本技術は、透析機器を用いて、治療終了の後、リンスバック流体で体外流体回路を満たす方法に関する。透析機器は、体外流体回路と透析器とに接続され、ポンピングデバイスが体外流体回路に接続され、体外流体回路が、患者から血液を引き出すために患者に接続可能な第1ポートを有する動脈ラインと、患者に血液を返すために患者に接続可能な第2ポートを有する静脈ラインと、を備える。方法は、体外流体回路にリンスバック流体をポンプして入れ、それにより、ポンピングデバイスを活性化して透析器を通じた第2ポートの方へのリンスバック流体の流れを生成することによって体外流体回路を満たすことを含む。
【0022】
治療終了の後、は、患者から血液が引き込まれない状態を指してもよい。
【0023】
図1~4を参照すると、排液方法中の異なる状態にある透析システムの実施形態が示されている。透析システムは、体外流体回路100と透析器130とに接続された透析機器110を備え、体外流体回路100が、患者から血液を引き出すために患者に接続可能な動脈ライン101と、患者に血液を返すために患者に接続可能な静脈ライン102と、を備える。透析システムの透析機器は、排液方法を行うように構成される。
【0024】
体外流体回路には蠕動血液ポンプ122が接続されている。血液ポンプは、第1のポート191、すなわち動脈ライン101、ならびに第2のポート192、すなわち静脈ライン102の両方の方に流れを生成するように構成されてもよい。さらに、蠕動ポンプの分野では既知のように、蠕動ポンプはポンプが作動されていないとき、ポンプを通る流れを許可しない、すなわち実質的に防止する。
【0025】
図1を参照すると、治療終了直後、すなわち、患者の血液を戻す努力が終了した後、すなわち、透析治療が中断または完了したときの透析システムが示されている。したがって、体外流体回路は、医療機関の廃棄物の重量を低減するために排液されるであろう血液で満たされ得る。これにより、廃棄物を取り扱うためのコストが大幅に低減される。リンスバック流体は例えば、生理食塩水、ガス、または透析流体であってもよい。
【0026】
患者はポート191および192を介して動脈ライン101および静脈ライン102と接続されており、すなわちポート191および192は患者の血流に接続されている。透析機器110は、透析器流体回路を形成する第1の透析器ライン193および第2の透析器ライン194を介して透析器130に接続される。透析器130は、体外流体回路100に接続されている。
【0027】
HD透析に必要な透析器へのおよびからの代替流体の流通を提供するために、透析器流体回路193,194を介して透析器をポンプ構成に接続する。前記ポンプ構成は、透析器130を介して体外流体回路への、および体外流体回路からの透析流体の流通を制御するように配置され、
図20を参照してより詳細に説明される。
【0028】
流体回路100は、流体回路100に接続された入口109を介して、例えば、透析器130と第2のポート192との間に位置する静脈ドリップチャンバ131を介して、空気ポンプ121に接続される。従って、空気ポンプ121は、静脈ライン102に接続され得る。
【0029】
空気塞栓症の危険性のために、体外流体回路100は空気センサ150を備えてもよく、空気センサ150は、それが設けられた流体回路のセクションを通過する流体中の空気を検出するように構成される。空気センサ150は例えば、空気が検出されたときに信号を生成することで操作者に危険を知らせるように、または透析治療を直接停止するコントローラによって受信されるように、構成されてもよい。
【0030】
さらに、静脈ドリップチャンバ131は、前記ドリップチャンバ131のチャンバ内の流体のレベルを監視するように構成されたレベルセンサ160を備えることができる。
【0031】
当業者には周知のように、体外流体回路100は、体外流体回路内の圧力を監視するための圧力センサ140を備えることができる。
【0032】
さらに、体外流体回路は、血液サンプルまたは透析流体サンプルを抽出するためのサンプルポート141を備え得る。
【0033】
図2を参照すると、リンスバック流体は、患者への血液のリンスバックのために、残りの流体を排液する前に体外流体回路100に導入される。動脈ライン101は、第1のポート101を切り離すことによって患者の血流から切り離されている。代わりに、動脈ライン101はリンスバックが流体回路100に導入される前に、リンスバック流体コンテナ170に接続される。リンスバック流体は、生理食塩水または透析流体であってもよく、それによって、リンスバックコンテナ170は例えば、生理食塩水バッグまたは置換流体バッグ、すなわち透析流体バッグであってもよい。あるいは、リンスバックコンテナ170はガス、生理食塩水、または置換流体、すなわち透析流体の供給源であってもよい。
【0034】
比較的高濃度の血液を有する流体を排出することによって血液の潜在的な浪費を低減するために、第2のポート192は患者の血流と関連したままであり得、したがって、血液濃度が十分に低くなるまで、すなわち、血液のわずかな残留物のみが体外流体回路100に残されるときまで、体外流体回路100の連続的な充填を可能にする。
【0035】
透析機器110は蠕動血液ポンプ122に接続され、前記血液ポンプは動脈ライン101に接続されている。したがって、リンスバック流体の導入は、蠕動血液ポンプ122の作動によって達成される。その後、リンスバック流体は、コンテナ170から透析器130を通って静脈ライン102に向かって流れる。それによって、治療から残っている体外流体回路100内の流体は、リンスバック流体によって、透析器130を通って静脈ライン192に向かって押される。したがって、治療から残っている流体は透析器130の透析器血液ライン(図示せず)を通って静脈ラインに向かって押し出され、透析器血液ラインは
図20を参照してさらに詳細に説明される。
【0036】
図3を参照すると、体外流体回路100がリンスバック流体で実質的に満たされている場合、第1のポート191および第2のポート192を接続することができ、例えば、動脈ライン101および静脈ライン102を接続することができる。特に、この時点では、体外流体回路100の流体内には依然としてある濃度の血液が存在し得る。この時点では、前記第1のポート191および第2のポート192のいずれも、患者の血流に接続されていない。
【0037】
したがって、体外流体回路は閉鎖回路になり、残りの流体の除去の開始を可能にし、残りの流体は、この時点で、患者からの血液残留物とリンスバック流体との混合物であってもよい。
【0038】
その後、
図4に概略的に示されるように、体外流体回路の残りの流体は空にされる。空にすることは、体外流体回路100に対して透析器130へのおよびからの流通のために透析器流体回路193、194に負圧を加えることによって開始され、透析機器110は前記透析器流体回路193、194を介して透析器130に接続される。負の圧力は、リンスバック流体を静脈ライン102から透析器130に向かわせ、透析器130から透析機器130への流体の正味の除去を可能にし、透析機器130にてその流体はドレインに導かれてもよい(不図示)。
【0039】
言い換えれば、体外流体回路に対して透析器流体回路に加えられる負圧は、体外流体回路100と透析器流体回路193、194との間に圧力差を誘発して、体外流体回路から透析器流体回路193、194内への流体の吸引、例えば流れを生成すると考えることができる。
【0040】
リンスバック流の吸引および結果として生じる流れは、多くの方法で達成され得る。例えば、クランプと吸引・流れ制御またはバルブ構成による圧力の制御により流体回路100を選択的にクランプすることにより。あるいは、負圧は、入口109を介して体外流体回路100にガスを導入することによって印加され得、それによって、残りの流体は透析器130に向かって押され、透析機器を通じて排出される。
図5-18にさらに示すように、負圧をいくつかの方法で加えることができる。
【0041】
本実施形態によれば、これは、
図4の体外流体回路100内に向けてポンプするように作動される空気ポンプによって示されるように、入口109を介して体外流体回路100に接続される、空気ポンプ121のようなポンピングデバイス121を用いて実行されてもよい。したがって、空気ポンプ121は透析器流体回路と体外流体回路100との間の圧力差を確実にするように体外流体100内にガスを導入し、それによって、流体を透析器に向かって押しやる。
【0042】
残りの流体、すなわち、治療からの潜在的な残留物と共に体外流体回路100を満たすリンスバック流体を除去するために、残りの流体の正味の除去が達成されなければならない。したがって、残りの流体、これは例えば、ポンプ構成によって達成されてもよく、それによって、ポンプ構成は負圧の印加中に、透析器130および体外流体回路100からの残りの流体の前記正味の除去を達成するように制御される。言い換えれば、負圧は、体外流体回路100から透析機器の内部に位置し得る透析器流体回路への透析器膜に亘る負の駆動圧力である。前記ポンプ構成は、
図20を参照してさらに説明される。
【0043】
さらに、透析器130の各側の体外流体回路100を通って流れるガスが透析器130を通過する可能性はなく、それによって、残りの流体が透析器130の反対側の透析器130に向かって押されることを妨げる。
【0044】
透析器内に空気が存在し、流体が存在しない場合(湿潤膜のみ)、透析器を通る通路は閉じられる。これは、体外回路のどこかに流体があれば、その流体を除去することができないことを意味する。しかしながら、透析器内に流体がある限り、その流体を除去することができる。透析器がいつ「閉鎖」されるかの検出は、圧力勾配がどの側に生成されるかに応じて、透析器のいずれかの側の圧力センサによって行うことができる。例えば、吸引が空気ポンプ121によって達成される場合、圧力は体外側で測定されてもよい。
【0045】
蠕動血液ポンプは、好ましいことに、作動されていないときにそれを通る流れを許容しないので、前記ポンプ122は透析器130に向けたガス、すなわち空気の流れを生成するように作動されてもよい。血液ポンプが透析器130と動脈ライン101との間に配置されている場合、前記蠕動血液ポンプは、それに応じて、閉鎖された体外流体回路100の動脈ライン101から透析器130への流れを生成することができる。したがって、空気ポンプ121は静脈ライン102および動脈ライン101の両方を介して、閉鎖体外流体回路100にガスを透析器130に向かって導入し、それによって、ポンプ蠕動血液ポンプ122は、ガスすなわち空気が、動脈ラインを通って透析器130に向かって流れることを可能にする。したがって、空気の流れは、同様の流れパターンに従って、回路内の流体を透析器130内に押し込む。
【0046】
したがって、ガスの充填速度、すなわち体外流体回路100を空にする速度は、透析器流体回路193、194、蠕動血液ポンプ122、および空気ポンプ121に接続されたポンプ構成を制御することによって制御することができる。
【0047】
したがって、流体回路100全体は、透析器130内で行われる流体の正味の除去のために、ガスで満たされ、したがって、流体が空になり、それによって、著しいこぼれなしに、または、残りの流体を含む回路が医療機関の廃棄物処理コストを増大させることなしに、体外流体回路100を廃棄することができる。
【0048】
リンスバック流体をまだ含むリンスバックコンテナを廃棄することによってさらに流体のこぼれを減少させるために、潜在的に残っているリンスバック流体を、治療終了後にも透析器130を通して排液することができる。これは、体外流体回路からの流体の正味の除去を達成するようにポンプ構成を制御しながら実行され得、それによって、体外流体回路100からの流体の正味の除去のために、コンテナ170から流体が実質的に無くなりうる。残りの流体は、透析器流体回路193、194を介して排出されてもよい。前記透析器流体回路はドレンに接続されてもよく、それによって、残りの流体は、透析器流体回路193、194を通ってドレンに排出されることによって、透析器130を通って排出されてもよい。
【0049】
図23を参照すると、上述の透析機器110を利用して、治療終了後に体外流体回路100を排液するための方法が開示されている。透析機器110は、透析器130と体外流体回路100とに接続され、体外流体回路100が、患者から血液を引き出すために患者に接続可能な動脈ライン101と、患者に血液を返すために患者に接続可能な静脈ライン102と、を備える。方法は以下のステップを含む:
体外流体回路110からの治療終了の後、透析器130を通じて体外流体回路から残っている流体を排液すること1000。
【0050】
相互汚染の危険なしに、残りの流体は透析機器の廃棄物処理システムによって処理されてもよく、すなわち、前記透析機器のドレンを介して廃棄されてもよい。
【0051】
それによって、体外流体回路を空にするプロセスにおいて、操作者は汚染された流体にさらされないが、それは前記流体回路が手でシンクまたはバケットに空にされる必要がないからである。したがって、より安全で、よりユーザフレンドリな排液プロセスが達成される。
【0052】
従来の排液方法で操作者が汚染された流体にさらされることを避けるために、流体回路全体は、典型的にはクランプによってシールされ、廃棄される。しかしながら、これは、廃棄物の重量をかなり増加させ、医療機関にとってより高いコストにつながる。したがって、透析器を通じて排液することで、廃棄前に流体回路から流体を排液することができるので、操作者を汚染された流体に暴露させることなく費用効率の高い方法で排液することを可能にする。流体回路は、完全に空にされるか、または操作者によって十分であると見なされたレベルにのみ空にされ得る。
【0053】
治療終了は、透析治療が中断されたか完了された状態を指す。換言すれば、排液方法は、前記透析治療が中断または完了した後に実行される。
【0054】
方法は、体外流体回路110からの治療終了の後、透析器130の透析器流体回路193、194を通じて体外流体回路から残っている流体を排液すること1000を含んでもよい。
【0055】
体外流体回路110は、透析器流体回路193、194に体外流体回路100に対して負となる圧力を印加することによって、透析器130を通って排出され得る。それによって、残りの流体は、安定した堅牢な方法で透析器に向かって、透析器を通って押し出される。
【0056】
負圧は、患者が切り離されたときに適用されてもよい。従って、残りの流体が透析器を通って排出されるとき、患者から血液は実質的に引き出されない。
【0057】
前記透析器流体回路に印加される体外流体回路に対して負となる圧力は、入口109を介して体外流体回路100にガスを導入することによって印加され得、それによって、残りの流体は透析器130に向かって押され、透析機器110を通じて排出される。
【0058】
ガスは、入口109を介して体外流体回路100に接続されたポンピングデバイス121によって体外流体回路100内へとポンピングされてもよい。したがって、この方法は透析システムの複雑さを増大させる追加の構成要素を必要とせずに、空気ポンプを有する既存の従来の透析システムによって実施することができる。
【0059】
この方法は、排液1000の前に、体外流体回路100を満たすために、体外流体回路100にリンスバック流体1010を導入することを含んでもよい。
【0060】
リンスバック流体の導入は、体外流体回路内にまだある血液を戻すことを可能にする。それによって、排液方法は、回路内にまだある血液を無駄にすることなく実行されてもよい。
【0061】
図24を参照すると、本方法はさらに、ポンプ構成63、64を制御する1030ことによって、負の圧力の印加中の、透析器130および体外流体回路100からの残っている流体の全体としての除去を達成することを含んでもよい。その結果、前記正味の除去は、体外流体回路を徐々に空にして、後の段階で前記体外流体回路100の廃棄を可能にする。
【0062】
したがって、本方法はリンスバック流体を流体回路100に導入する前に、動脈ライン101をリンスバック流体コンテナ170に接続する1004ことをさらに含むことができる。
【0063】
したがって、排液方法は、別個の透析流体ポンプを必要とせず、それによって、前述の利点を有する排液方法は、別個の透析流体ポンプを有さないより複雑でない透析機器およびシステムに対しても可能になる。
【0064】
追加の廃棄物を生成しないために、前記リンスバック流体コンテナ170は実質的に空になるまで排出されてもよく、それによって、リンスバック流体コンテナ170内の残りのリンスバック流体は治療終了後に透析器130を通して排出されてもよい。しかしながら、リンスバック流体コンテナはまた、部分的にのみ空にされてもよく、すなわち、所望のレベルまで空にされてもよいことに留意されたい。
【0065】
透析器130に向けたリンスバック流体の流れを生成するために、本方法はリンスバック流体が導入された1010後に、透析器130に向けたリンスバック流体の流れを生成するために蠕動血液ポンプ122を作動させるステップ1005をさらに含むことができる。
【0066】
透析器130を通して残りの流体を除去する前に、体外流体回路100は閉じられる。したがって、この方法は気体を体外流体回路100に導入する前に、第1のポート191を第2のポート192に接続するステップ1015をさらに含むことができる。
【0067】
その結果、リンスバック流体コンテナ170は、第1のポート191と第2のポート192とを接続する前に切り離すことができる。代替処理として、リンスバックコンテナは別個の入口によって体外流体回路に接続されてもよく、それによって、リンスバックコンテナは第1および第2のポートの接続の前に分離される必要がない。
【0068】
流体回路の閉鎖は、排液中に流体回路から流体が著しくこぼれる危険性を効果的に低減し、それによって相互汚染の危険性が大幅に低減される。
【0069】
透析器130を通して残りの流体を排出1000した後、残りの流体は、ドレイン68(これは
図20を参照してさらに記載される)を通して導出され得る。したがって、この方法は、体外流体回路100から除去された残りの流体を透析機器110のドレイン68に搬送するステップ1060をさらに含むことができる。ドレイン68は、透析器流体回路193、194に接続されてもよい 。
【0070】
この方法は、体外流体回路から除去された残りの流体を透析器流体回路193、194を介して透析機器110のドレン68に搬送するステップ1060をさらに含むことができる。
【0071】
これは、ポンプ構成63、64の制御1030の直後に実行されて、透析器130からの残りの流体の正味の除去を達成することができる。
【0072】
図5-10は、別の実施形態による透析システムを示す。透析システムは、体外流体回路200と透析器230とに接続された透析機器210を備え、体外流体回路200が、患者から血液を引き出すために患者に接続可能な動脈ライン201と、患者に血液を返すために患者に接続可能な静脈ライン202と、を備える。透析システムの透析機器は、排液方法を行うように構成される。
【0073】
体外流体回路には蠕動血液ポンプ222が接続されている。血液ポンプは、第1のポート291、すなわち動脈ライン201、ならびに第2のポート292、すなわち静脈ライン202の両方の方に流れを生成するように構成されてもよい。さらに、蠕動ポンプの分野では既知のように、蠕動ポンプはポンプが作動されていないとき、ポンプを通る流れを許可しない、すなわち実質的に防止する。
【0074】
図5を参照すると、治療終了直後、すなわち、透析機器に接続された体外流体回路への患者の血液のポンピングが終了した後の透析システムが示されている。したがって、体外流体回路は、医療機関の廃棄物の重量を低減するために排液されるであろう血液で満たされる。これにより、廃棄物を取り扱うためのコストが大幅に低減される。リンスバック流体は例えば、生理食塩水、ガス、または透析流体であってもよい。
【0075】
したがって、患者はポート291および292を介して動脈ライン101および静脈ライン102と接続されており、すなわちポート291および292は患者の血流に接続されている。透析機器210は、透析器流体回路を形成する第1の透析器ライン293および第2の透析器ライン294を介して透析器230に接続される。透析器230は、体外流体回路200に接続されている。
【0076】
HD透析に必要な透析器へのおよびからの透析流体の流通を提供するために、透析器流体回路293,294を介して透析器をポンプ構成に接続してもよい。前記ポンプ構成は、透析器230を介して体外流体回路への、および体外流体回路からの透析流体の流通を制御するように配置され、
図20を参照してより詳細に説明される。
【0077】
さらに、ポンプ構成は、透析流体ポンプ224を伴ってもよい。したがって、透析機器210は、透析流体ポンプ224に接続され、透析流体ポンプ224は体外流体回路200に接続されている。透析流体ポンプ224は、蠕動血液ポンプ222と透析器230との間の位置で体外回路200に接続され得る。しかしながら、当業者が理解するように、透析流体ポンプ224は、体外流体回路200内のいくつかの位置で接続されてもよい。
【0078】
流体回路200は、流体回路200に接続された入口209を介して、例えば、透析器230と第2のポート292との間に位置する静脈ドリップチャンバ231を介して、空気ポンプ221に接続される。従って、空気ポンプ221は、静脈ライン202に接続され得る。
【0079】
空気塞栓症の危険性のために、体外流体回路200は空気センサ250を備えてもよく、空気センサ250は、それが設けられた流体回路のセクションを通過する流体中の含有空気を測定するように構成される。空気センサ250は例えば、空気が検出されたときに信号を生成することで操作者に危険を知らせるように、または透析治療を直接停止するコントローラによって受信されるように、構成されてもよい。
【0080】
さらに、静脈ドリップチャンバ231は、前記ドリップチャンバ231のチャンバ内の流体のレベルを監視するように構成されたレベルセンサ260を備えることができる。
【0081】
当業者には周知のように、体外流体回路200は、体外流体回路内の圧力を監視するための圧力センサ240を備えることができる。
【0082】
さらに、体外流体回路は、血液サンプルまたは透析流体サンプルを抽出するためのサンプルポート241を備え得る。
【0083】
図6を参照すると、動脈ライン201内の流体は、治療終了直後に空にされる。治療終了直後に、前記動脈ライン201は、血液で実質的に満たされてもよい。したがって、前記動脈ライン201を空にするための動脈ライン201の方への血液の押し戻し流が生成されてもよい。この血液の押し戻し流は、蠕動血液ポンプ222の作動によって発生させることができる。
【0084】
また、この状態の間にリンスバック流体を導入してもよい。したがって、リンスバック流体は、流体回路200を満たすために、残りの流体を排液する前に体外流体回路200に導入される。
【0085】
リンスバック流体は、生理食塩水または透析流体であってもよい。
【0086】
透析流体ポンプは、約150ml/分をポンプで送るように設定されてもよく、それによって、血液ポンプは、動脈ライン内に大きな圧力を生成しないように、より少ない流量、すなわち約50ml/分を達成するようにポンプで送るように設定されてもよい。
【0087】
これは、透析流体ポンプ224を作動させて、透析器230を通る静脈ライン202の方へのリンスバック流体の流れを生成することによって実行され得る。したがって、リンスバック流体は透析器230の透析器血液ライン(図示せず)を通って静脈ライン202に向かって押し出され、透析器血液ラインは
図20を参照してさらに詳細に説明される。ポンプ222は動脈ライン201の方に押し戻し流を生成するので、前記動脈ラインはリンスバック流体で満たされる。押し戻し流は、リンスバック流の形であってもよい。
【0088】
図7に示すように、動脈ライン201が実質的に血液を空にされ、代わりにリンスバック流体で満たされたときに、前記押し戻し流の生成を停止するように、前記蠕動血液ポンプ222を停止してもよい。従来の蠕動血液ポンプ222の設計により、これは、動脈ライン201との流体連通を不可能にするか、または少なくとも部分的に防止する。代わりに、リンスバック流体が透析器230および静脈ライン202の方に流れ、それによって流体回路200全体を満たすことが可能になる。
【0089】
比較的高濃度の血液を有する流体を排出することによって血液の潜在的な浪費を低減するために、排液プロセスのこの時点で第2のポート292は患者の血流と関連したままであり得、したがって、血液濃度が十分に低くなるまで、すなわち、血液のわずかな残留物のみが体外流体回路に残されるときまで、体外流体回路200の連続的な充填を可能にする。
【0090】
図8を参照すると、リンスバック流体の導入は、蠕動血液ポンプ222の作動によって達成される。このプロセスは、リンスバック流体が体外流体回路200を実質的に満たすまで行うことができる。このプロセスの間、体外流体回路200内の残りの流体は、体外流体回路200と透析器流体回路293、294との間の流れのバランスを通して、または体外流体回路200と透析器流体回路293、294との間の流体連通を実質的に許さない制御可能な弁を通して、透析器流体回路293、294に入ることを許されない。それによって、治療から残っている体外流体回路200内の流体は、リンスバック流体によって、透析器230を通って静脈ライン292に向かって押される。したがって、治療からの残りの流体は、リンスバック流体によって、透析器230の透析器血液ラインを通って静脈ライン292に向かって押される。
【0091】
体外流体回路200がリンスバック流体で実質的に満たされている場合、第1のポート291および第2のポート292を接続することができ、例えば、体外流体回路100がリンスバック流体で実質的に満たされている場合、動脈ライン101および静脈ライン102を接続することができる。したがって、体外流体回路は閉鎖回路になり、残りの流体の除去の開始を可能にし、残りの流体は、この時点で、患者からの血液とリンスバック流体との混合物であってもよい。特に、この時点では、体外流体回路200の流体内には依然としてある濃度の血液が存在し得る。
【0092】
その後、
図9に概略的に示されるように、体外流体回路の残りの流体は空にされる。排液は、体外流体回路200に対して透析器230へのおよびからの流通のために透析器流体回路293、294に負圧を加えることによって開始され、透析機器210は前記透析器流体回路293、294を介して透析器230に接続される。前記負圧は、リンスバック流体を静脈ライン202から透析器230に向かって押しやる。
【0093】
言い換えれば、体外流体回路に対して透析器流体回路に加えられる負圧は、体外流体回路200と透析器流体回路293、294との間に圧力差を誘発して、体外流体回路から透析器流体回路293、294内への流体の吸引、例えば流れを生成すると考えることができる。
【0094】
リンスバック流の吸引および結果として生じる流れは、多くの方法で達成され得る。例えば、クランプと吸引・流れ制御またはバルブ構成による圧力の制御により流体回路200を選択的にクランプすることにより。
【0095】
あるいはまた、透析器流体回路に印加される体外流体回路に対して負となる圧力は、入口209を介して体外流体回路200にガスを導入することによって印加され得、それによって、残りの流体は透析器230に向かって押され、前記透析器230を通じて排出される。
【0096】
本実施形態によれば、これは、入口209を介して体外流体回路200に接続された、空気ポンプ221などのポンピングデバイス221を用いて実施することができる。したがって、空気ポンプ221は透析器流体回路と体外流体回路200との間の圧力差を確実にするように体外流体200内にガスを導入し、それによって、流体を透析器に向かって押しやる。
【0097】
残りの流体、すなわち、治療からの潜在的な残留物と共に体外流体回路200を満たすリンスバック流体を除去するために、残りの流体の正味の除去が達成されなければならない。これは例えばポンプ構成によって達成されてもよく、そのポンプ構成は透析機器に組み込まれていてもよく、それによって、ポンプ構成は負圧の印加中に、透析器230および体外流体回路200からの残りの流体の前記正味の除去を達成するように制御される。言い換えれば、負圧は、体外流体回路200から透析機器の内部に位置し得る透析器流体回路への透析器膜に亘る負の駆動圧力である。前記ポンプ構成は、
図20を参照してさらに説明される。
【0098】
透析器、または湿潤透析器膜を有する透析器について慣用されているように、透析器の膜は前記透析器の膜を超える非常に高い圧力にさらされない限り、空気に対して不透過性である。このような高圧はこの分野で一般的に使用される構成要素では達成できず、したがって、空気が透析器230を通って入り、透析機器210に入る危険はない。
【0099】
さらに、透析器230の各側の体外流体回路200を通って流れるガスが透析器230を通過する可能性はなく、それによって、残りの流体が透析器230の反対側の透析器230に向かって押されることを妨げる。
【0100】
透析器内に空気が存在し、流体が存在しない場合(湿潤膜のみ)、透析器を通る通路は閉じられてもよい。これは、体外回路のどこかに流体があれば、その流体を除去することができないことを意味する。しかしながら、透析器内に流体がある限り、その流体を除去することができる。透析器がいつ「閉鎖」されるかの検出は、圧力勾配がどの側に生成されるかに応じて、透析器のいずれかの側の圧力センサによって行うことができる。例えば、吸引が空気ポンプ221によって達成される場合、圧力は体外側で測定されてもよい。
【0101】
蠕動血液ポンプは、好ましいことに、作動されていないときにそれを通る流れを許容しないので、前記ポンプ222は透析器230に向けたガス、すなわち空気の流れを生成するように作動されてもよい。血液ポンプが透析器230と動脈ライン201との間に配置されている場合、前記蠕動血液ポンプは、それに応じて、閉鎖された体外流体回路200の動脈ライン201から透析器230への流れを生成することができる。したがって、空気ポンプ221は静脈ライン202および動脈ライン201の両方を介して、閉鎖体外流体回路200にガスを透析器230に向かって導入し、それによって、蠕動血液ポンプ222のポンピングは、ガスすなわち空気が、動脈ラインを通って透析器230に向かって流れることを可能にする。したがって、空気の流れは、同様の流れパターンに従って、回路内の流体を透析器230内に押し込む。
【0102】
したがって、ガスの充填速度、すなわち体外流体回路200を空にする速度は、透析器流体回路293、294、蠕動血液ポンプ222、および空気ポンプ221に接続されたポンプ構成を制御することによって制御することができる。
【0103】
従って、空にするためのフェーズが終わると、流体回路200全体がガスで満たされる。したがって、回路の流体は、透析器230内で行われる流体の正味の除去のために、空になり、それによって、著しいこぼれなしに、または、流体を依然として含む回路が医療機関の廃棄物処理コストを増大させることなしに、体外流体回路200を廃棄することができる。
【0104】
図10は、透析システムの一例を示す。透析システムは、逆止弁(チェックバルブ)271を含むことができる。透析流体ポンプ224は、前記逆止弁271を介して体外流体回路200に接続される。逆止弁271は、流体が透析流体ポンプ224から体外流体回路200に流れることを可能にする一方で、透析流体ポンプ224に向かう逆流を実質的に防止するように機能する。これは、体外流体回路200内の汚染された流体がポンプ224内に吸い戻されることによる前記透析流体ポンプ224の相互汚染の潜在的な危険性のために特に重要である。逆止弁は、
図22を参照して更に詳細に説明される。
【0105】
透析流体ポンプ224を汚染するこの危険性をさらに軽減するために、逆止弁271は使い捨て逆止弁であってもよく、それによって、逆止弁271は、流体回路200が排液された後に廃棄されてもよい。
【0106】
排液方法の柔軟性を増加させるために、希釈前および希釈後の両方の透析システムの構成において、クランプ構成および追加の流体接続を介して本方法の使用が可能とされ得る。
図10に示すように、透析流体ポンプ224は、クランプ構成272、273を介して透析器230の下流及び上流の両方で体外流体回路200に接続されている。したがって、希釈前および希釈後の構成の両方が、クランプ構成272、273の開閉によって可能になる。
【0107】
さらに、逆止弁271とクランプ構成272および273との組合せは、透析流体ポンプ224の汚染の危険なしに、透析流体ポンプ224と体外流体回路200とを接続するラインの排液を可能にする。クランプ構成272、273のクランプを個別に制御することにより、透析流体ポンプ224に接続されたラインにガスまたは流体を選択的に流入させることができる。
【0108】
図25は、透析機器210を用いて、治療終了の後、リンスバック流体で体外流体回路200を満たす方法を模式的に示す。透析機器210は、透析器230に接続され、前記体外流体回路200及び体外流体回路200に接続されたポンピングデバイス224に接続される。体外流体回路200は、患者から血液を引き出すために患者に接続可能な第1のポート291を有する動脈ライン201と、患者に血液を戻すために患者に接続可能な第2のポート292を有する静脈ライン202と、を備える。方法は以下を含む:
体外流体回路200にリンスバック流体をポンプして入れ2002、それにより、ポンピングデバイス224を活性化して透析器230を通じた第2ポート292の方へのリンスバック流体の流れを生成することによって体外流体回路200を満たすこと。
【0109】
これは、患者が依然として接続されている間に透析器を通過するリンスバック流体に起因する相互汚染の危険性を増大させることなく、無駄になる患者の血液を低減できる、後続の排液方法を可能にする。
【0110】
したがって、この方法は、透析器230の透析器血液ラインを通る、第2のポートの方へのリンスバック流体の前記流れを生成することを含むことができる。
【0111】
充填するための方法はさらに、動脈ライン201から血液を実質的に空にするように、第1のポート291の方に血液の押し戻し流を生成するようにポンプすること2001をさらに含んでもよい。
【0112】
したがって、動脈ラインから血液が空になり、排液プロセスで廃棄される血液が少なくなる。さらに、これは、リンスバック流体で動脈ライン201を効率的に充填することを可能にする。
【0113】
図26を参照すると、透析機器210は、体外流体回路200を介して蠕動血液ポンプ222に接続され、したがって、方法は、体外流体回路200に接続された蠕動血液ポンプ222を作動させて2003、第2のポート292の方へのリンスバック流体の流れをさらに生成することをさらに含むことができる。
【0114】
押し戻し流は、蠕動血液ポンプ222によって生成されうる。結果として、押し戻し流の生成2003、すなわち押し戻し流を生成するステップは、押し戻し流を生成するように蠕動血液ポンプ222を作動させるステップと、動脈ライン201から実質的に血液が空になったときに押し戻し流の前記ポンピングを停止するように前記蠕動血液ポンプ222を停止するステップ2004とを含む。
【0115】
ポンピングデバイス224は、透析器230の下流および上流の両方でクランプ構成272、273を介して体外流体回路200に接続されてもよい。さらに、透析流体ポンプ224は、逆止弁271を介して体外流体回路200に接続されてもよい。
【0116】
したがって、潜在的に汚染された流体が透析流体ポンプによって吸い込まれ、後の治療中に体外流体回路の汚染を引き起こすことがないので、交差汚染の危険性が大幅に低減される。
【0117】
図27を参照すると、充填方法は、リンスバック流体を前記体外流体回路200内にポンピングする前に、ポンピングデバイス224と体外流体回路200との間に流体連通を形成する前記クランプ構成272、273を解放するステップ2002をさらに含むことができる。
【0118】
それによって、希釈後構成を有する透析システムと希釈前構成を有する透析システムとの両方に適した方法がなされるので、より柔軟な充填方法を達成することができる
【0119】
本方法は、逆止弁271を用いて、ポンピングデバイス224への流体の逆流を防止するステップをさらに含んでもよい。
【0120】
したがって、潜在的に汚染された流体が透析流体ポンプによって吸い込まれ、後の治療中に体外流体回路の汚染を引き起こすことがないので、交差汚染の危険性が大幅に低減される。
【0121】
リンスバック流体は例えば、生理食塩水または透析流体であってもよく、それによって、ポンピングデバイス224は、生理食塩水または透析流体供給源に接続されることによって、生理食塩水または透析流体を体外流体回路200に提供するように配置されてもよい。
【0122】
ポンピングデバイス224は透析流体ポンプであってもよく、透析流体ポンプは体外流体回路200に透析流体を供給するように配置される。したがって、リンスバック流体は、透析流体であってもよい。それによって、充填方法は、体外流体回路に透析流体を供給するための透析流体ポンプを有する従来の透析システムによって実行されてもよい。したがって、追加の構成要素を必要とせずに従来の透析システムによって実施することができる充填方法が達成される。
【0123】
さらに、透析流体の形態のリンスバック流体が透析器230を通して吸引され得るので、これは、透析流体ポンプ224と体外流体回路200とを接続する流体ラインのリンスおよび空にすることを可能にする。これにより、透析器230内でリンスバックの正味の除去が行われている間に、リンスバック流体の供給を単に停止することによって、透析液ポンプ224を接続する流体ラインを空にすることができる。したがって、前記流体ラインは、体外流体回路200の配置と同様の方法で配置されてもよい。正味の除去は、透析器流体回路を介して透析機器のドレンに向けてリンスバック流体を搬送することによって行うことができる。
【0124】
前述の充填ステップは、
図27に概略的に示されている透析機器210を利用して体外流体回路を排液する方法の一部を構成することができる。
【0125】
透析機器210は、透析器230と体外流体回路200とに接続され、体外流体回路200が、患者から血液を引き出すために患者に接続可能な動脈ライン201と、患者に血液を返すために患者に接続可能な静脈ライン202と、を備える。方法は以下のステップを含む:
体外流体回路210からの治療終了の後、透析器230を通じて体外流体回路から残っている流体を排液すること2000。
【0126】
透析器を通じた排液は、透析機器、すなわち、ドレンおよびポンプ構成が、体外流体回路中の残りの流体を取り扱うことを可能にする。
【0127】
それによって、体外流体回路を空にするプロセスにおいて、操作者は汚染された流体にさらされないが、それは前記流体回路が手でシンクまたはバケットに空にされる必要がないからである。したがって、より安全で、よりユーザフレンドリな排液プロセスが達成される。
【0128】
操作者が汚染された流体にさらされることを避けるために、流体回路全体はまた、典型的にはクランプによってシールされ、廃棄される。しかしながら、これは、廃棄物の重量をかなり増加させ、医療機関にとってより高いコストにつながる。したがって、透析器を通じて排液することで、廃棄前に流体回路から流体を実質的に排液することができるので、操作者を汚染された流体に暴露させることなく費用効率の高い方法で排液することを可能にする。
【0129】
治療終了は、透析治療が中断されたか完了された状態を指す。換言すれば、排液方法は、前記透析治療が中断または完了した後に実行される。
【0130】
方法は、体外流体回路210からの治療終了の後、透析器230の透析器流体回路293、294を通じて体外流体回路から残っている流体を排液すること2000を含んでもよい。
【0131】
透析器を通して残りの流体を排液するために、透析器流体回路293、294と体外流体回路200との間の圧力差が適用され得る。透析器230は、透析器230へのおよびそこからの透析流体の分配のために、透析流体回路293、294を介して透析機器210に接続され、それにより、体外流体回路210が、体外流体回路に対して負となる圧力を透析流体回路293、294に印加することによって、透析器230を通じて排液される。それによって、残りの流体は、安定した堅牢な方法で透析器に向かって、透析器を通って押し出される。
【0132】
負圧は、患者が切り離されたときに適用されてもよい。従って、残りの流体が透析器を通って排出されるとき、患者から血液は実質的に引き出されない。
【0133】
負圧はガスを体外流体回路200に導入することによって加えることができ、ガスの導入は入口209を介して体外流体回路200にガスをポンプ輸送することによって行われ、残りの流体は透析機器を通して排液するために透析器230に向かって押される。
ガスは、入口209を介して体外流体回路200に接続されたポンピングデバイス221を用いて体外流体回路200にポンピングされてもよい。したがって、この方法は透析システムの複雑さを増大させる追加の構成要素を必要とせずに、空気ポンプを有する既存の従来の透析システムによって実施することができる。
【0134】
この方法は、排液2000の前に、体外流体回路200を満たすために、体外流体回路200にリンスバック流体2010を導入することを含んでもよい。
【0135】
リンスバック流体の導入は、体外流体回路内にまだある血液を戻すことを可能にする。それによって、排液方法は、回路内にまだある血液を無駄にすることなく実行されてもよい。
【0136】
これは、透析流体ポンプ224によって実行されてもよい。透析機器210は、体外流体回路200に接続された透析流体ポンプ224に接続され、体外流体回路200を満たすために体外流体回路200にリンスバック流体を導入することは、透析流体ポンプ224を活性化することによって、透析器230を通じた静脈ライン202の方へのリンスバック流体の流れを生成することによって行われる。したがって、リンスバック流体は、透析器の透析器血液ラインを介して静脈ラインに向かって導かれる。
【0137】
それによって、透析流体ポンプを備えた透析システムによって実行され得る、前述の利点を有する排液のための方法が達成される。さらに、透析流体ポンプ224と体外流体回路200とを接続する流体ラインの排液を可能にする排液方法が達成され、これは、排液の効率を増加させ得る。
【0138】
透析器230は、透析器230へのおよびそこからの透析流体の分配のためのポンプ構成63、64に接続されている。したがって、本方法はさらに、ポンプ構成63、64を制御する2030ことによって、負の圧力の印加中の、透析器230および体外流体回路200からの残っている流体の全体としての除去を達成することを含んでもよい。その結果、前記正味の除去は、体外流体回路を徐々に空にして、後の段階で前記体外流体回路200の廃棄を可能にする。
【0139】
透析器230に向けたリンスバック流体の流れを生成するために、本方法はリンスバック流体が導入された2010後に、透析器230に向けたリンスバック流体の流れを生成するために蠕動血液ポンプ222を作動させるステップ2005をさらに含むことができる。
【0140】
透析器230を通して残りの流体を除去する前に、体外流体回路200は閉じられる。したがって、この方法は気体を体外流体回路200に導入する前に、第1のポート291を第2のポート292に接続するステップ2015をさらに含むことができる。
【0141】
流体回路の閉鎖は、排液中に流体回路から流体がこぼれる危険性を効果的に低減し、それによって汚染による感染の危険性が大幅に低減される。さらに、こぼれの危険性が軽減されることにより、よりユーザフレンドリな排液プロセスが可能になる。
【0142】
透析器130を通して残りの流体を排出2000した後、残りの流体は、ドレイン68(これは
図20を参照してさらに記載される)を通して導出され得る。したがって、この方法は、体外流体回路200から除去された残りの流体を透析機器210のドレイン68に搬送するステップ2060をさらに含むことができる。ドレイン68は、透析器流体回路293、294に接続されてもよい 。
【0143】
この方法は、体外流体回路から除去された残りの流体を透析器流体回路293、294を介して透析機器110のドレン68に搬送するステップ2060をさらに含むことができる。
【0144】
これは、ポンプ構成63、64の制御2030の直後に実行されて、透析器230からの残りの流体の正味の除去を達成することができる。
【0145】
既に一部説明したように、方法はさらに、透析器230の方へのリンスバック流体の流れを生成する前に、血液の動脈ライン201を空にするために、動脈ライン201の方への血液のプッシュバック流れを生成すること2003をさらに含んでもよい。したがって、動脈ラインから血液が空になり、排液プロセスで廃棄される血液が少なくなる。さらに、これは、リンスバック流体で動脈ライン201を効率的に充填することを可能にする。
【0146】
したがって、方法はさらに、押し戻し流を生成するように蠕動血液ポンプ222を作動させることと、動脈ライン201から実質的に血液が空になったときに押し戻し流の生成を停止するように蠕動血液ポンプ222を停止するステップ2004とを含む。したがって、追加の構成要素を必要とせずに従来の透析システムによってその方法が実施されうる。
【0147】
図10に示すように、透析流体ポンプ224は逆止弁271を介して流体回路に接続されてもよく、したがって、本方法は、逆止弁271を用いて透析流体ポンプ224への流体の逆流を防止するステップをさらに含むことができる。したがって、潜在的に汚染された流体が透析流体ポンプによって吸い込まれ、それによって後の治療中に体外流体回路の汚染を引き起こすことがないので、交差汚染の危険性が大幅に低減される。
【0148】
さらに、この方法は、体外流体200がガスで満たされた後に、前記逆止弁271を廃棄するステップ2050を含むことができ、それによって、相互汚染の危険性が実質的に低減されるか、さらには排除される。
【0149】
方法はまたさらに、リンスバック流体を体外流体回路200内に導入する前に、ポンピングデバイス224と体外流体回路200との間に流体連通を形成する前記クランプ構成272、273を解放するステップ2002をさらに含むことができる。
【0150】
それによって、希釈後構成を有する透析システムと希釈前構成を有する透析システムとの両方に適した方法がなされるので、より柔軟な排液方法を達成することができるさらに、前記クランプを設け、選択的に解放することにより、透析流体ポンプ224と体外回路200とを接続する流体ライン内のガス流または流体流を制御することが可能になり、それにより、前記流体ラインを同様に排液することができる。あるいは、クランプは前記流体ライン内のガス流および流体流を制御することを可能にする。
【0151】
図11-12は、
図5-10に示す実施形態の構造的特徴のすべてを共有する透析システムを概略的に示す。しかし、透析システムは、動脈ラインと静脈ラインとが排液全体を通じて接続されないままである自由端排液プロセスを利用する。
【0152】
図11を参照すると、透析システムは、体外流体回路300と透析器330とに接続された透析機器310を備え、体外流体回路300が、患者から血液を引き出すために患者に接続可能な動脈ライン301と、患者に血液を返すために患者に接続可能な静脈ライン302と、を備える。透析システムは、排液方法を行うように構成される。
【0153】
体外流体回路には蠕動血液ポンプ322が接続されている。血液ポンプは、第1のポート391、すなわち動脈ライン301、ならびに第2のポート392、すなわち静脈ライン302の両方の方に流れを生成するように構成されてもよい。さらに、蠕動ポンプはポンプが作動されていないとき、ポンプを通る流れを許可しない、すなわち実質的に防止する。
【0154】
透析機器310は、透析器流体回路を形成する第1の透析器ライン393および第2の透析器ライン394を介して透析器330に接続される。透析器は、体外流体回路300に接続されている。
【0155】
HDF透析またはHD透析に必要な透析器へのおよびからの透析流体の流通を提供するために、透析器流体回路393,394を介して透析器をポンプ構成に接続してもよい。前記ポンプ構成は、透析器330を介して体外流体回路への、および体外流体回路からの透析流体の流通を制御するように配置され、
図20を参照してより詳細に説明される。
【0156】
さらに、ポンプ構成は、透析流体ポンプ324を伴ってもよい。したがって、透析機器310は、透析流体ポンプ324に接続され、透析流体ポンプ324は体外流体回路300に接続されている。透析流体ポンプ324は、蠕動血液ポンプ322と透析器330との間の位置で体外回路300に接続され得る。しかしながら、当業者が理解するように、透析流体ポンプ324は、体外流体回路300内のいくつかの位置で接続されてもよい。
【0157】
流体回路300は、流体回路300に接続された入口309を介して、例えば、透析器330と第2のポート392との間に位置する静脈ドリップチャンバ331を介して、空気ポンプ321に接続される。従って、空気ポンプ321は、静脈ライン302に接続され得る。
【0158】
当業者には周知のように、体外流体回路300は、体外流体回路内の圧力を監視するための圧力センサ340を備えることができる。
【0159】
さらに、体外流体回路は、血液サンプルまたは透析流体サンプルを抽出するためのサンプルポート341を備え得る。
【0160】
図11を参照すると、透析システムは、患者が第1のポート391および第2のポート392から切り離され、それによって、前記ポートが体外流体回路の自由端である状態で示されている。この時点で、排液方法は、体外流体回路を空にするためにポートが接続されていない点で、前述のものとは異なる。しかし、この時点までに、
図5-7を参照して描写され、説明された各状態および動作が行われ、実行されている。
【0161】
排液は、体外流体回路300に対して透析器330へのおよびからの流通のために透析器流体回路393、394に負圧を加えることによって開始され、透析機器310は前記透析器流体回路393、394を介して透析器330に接続される。前記負圧は、リンスバック流体を静脈ライン302から透析器330に向かって押しやる。
【0162】
言い換えれば、体外流体回路に対して透析器流体回路に加えられる負圧は、体外流体回路300と透析器流体回路393、394との間に圧力差を誘発して、体外流体回路から透析器流体回路393、394内への流体の吸引、例えば流れを生成すると考えることができる。
【0163】
リンスバック流の吸引および結果として生じる流れは、多くの方法で達成され得る。例えば、クランプと吸引・流れ制御またはバルブ構成による圧力の制御により流体回路300を選択的にクランプすることにより。
【0164】
あるいはまた、透析器流体回路に印加される体外流体回路に対して負となる圧力は、入口を介して体外流体回路300にガスを導入することによって印加され得、それによって、残りの流体は透析器330に向かって押され、前記透析器330を通じて排出される。
【0165】
この実施形態によれば、ガスの入口は流体回路300の自由端のいずれかまたは両方、すなわち、第1のポート391および第2のポート392のいずれかまたは両方とすることができる。
【0166】
残りの流体が透析器330を通って排液され、前記透析器に向かって流れることを可能にするために、静脈ドリップチャンバ331は前記静脈ドリップチャンバから残りの流体を空にし、それによって体外流体回路300にガスを導入するために、回される、すなわち、逆さまにされる。従って、残りの流体は、静脈ライン302から透析器に向かって押し出され、それによって、静脈ライン302は代わりに、第2のポート392を介してガスで満たされる。
【0167】
ガスを体外流体回路300に導入するために、蠕動血液ポンプ322を作動させることができる。前記血液ポンプ322を作動させて透析器330の方への流れを作り出すことによって、第1のポート391を通してガスが吸引される。任意選択的に、ガスは、周囲の部屋からの空気を含む。
【0168】
透析器、または湿潤透析器膜を有する透析器について慣用されているように、透析器の膜は前記透析器の膜を超える非常に高い圧力にさらされない限り、空気に対して不透過性である。このような高圧はこの分野で一般的に使用される構成要素では達成できず、したがって、空気が透析器330を通って入り、透析機器310に入る危険はない。
【0169】
さらに、透析器330の各側の体外流体回路300を通って流れるガスが透析器330を通過する可能性はなく、それによって、残りの流体が透析器330の反対側の透析器330に向かって押されることを妨げる。
【0170】
透析器内に空気が存在し、流体が存在しない場合(湿潤膜のみ)、透析器を通る通路は閉じられてもよい。これは、体外回路のどこかに流体があれば、その流体を除去することができないことを意味する。しかしながら、透析器内に流体がある限り、その流体を除去することができる。透析器がいつ「閉鎖」されるかの検出は、圧力勾配がどの側に生成されるかに応じて、透析器のいずれかの側の圧力センサによって行うことができる。例えば、吸引が空気ポンプ321によって達成される場合、圧力は体外側で測定されてもよい。
【0171】
リンスバック流体が体外流体回路300に導入された後、クランプ368を第2のポート392にロックすることによって、残りの流体がこぼれる危険性を大幅に低減することができる。しかしながら、前記クランプ368は、第1のポート391を介してガスを吸引する前に解放されなければならない。
【0172】
静脈ドリップチャンバ331の回転後、静脈ライン302内の残りの流体の全ては、透析器330に向かって流れ、透析機器310のドレン(図示せず)を通って出るように強制される。これは動脈ライン301を通じた空気のポンピングと合わせて、流体回路全体を空気で満たし、それによって、透析器330を通る残りの流体の全てを排液し、この状態は
図12に示されており、そこでは静脈ドリップチャンバ331が実質的に空気で満たされる。その後、空の体外流体回路を廃棄することができる。
【0173】
これは、透析器流体回路を介して透析機器のドレンに向けてリンスバック流体を搬送することによって達成可能である。
【0174】
図28は、透析機器310を利用して体外流体回路300を排液する方法の模式図を示す。透析機器310は、透析器330と体外流体回路300とに接続され、体外流体回路300が、患者から血液を引き出すために患者に接続可能な動脈ライン301と、患者に血液を返すために患者に接続可能な静脈ライン302と、を備える。方法は以下のステップを含む:
体外流体回路310からの治療終了の後、透析器330を通じて体外流体回路から残っている流体を排液すること3000。
【0175】
透析器を通じた排液は、透析機器、すなわち、ドレンおよびポンプが、体外流体回路中の残りの流体を取り扱うことを可能にする。
【0176】
それによって、体外流体回路を空にするプロセスにおいて、操作者は汚染された流体にさらされなくてもよく、それは前記流体回路が手でシンクまたはバケットに空にされる必要がないからである。したがって、より安全で、よりユーザフレンドリな排液プロセスが達成される。
【0177】
操作者が汚染された流体にさらされることを避けるために、流体回路全体はまた、典型的にはクランプによってシールされ、廃棄される。しかしながら、これは、廃棄物の重量をかなり増加させ、医療機関にとってより高いコストにつながる。したがって、透析器を通じて排液することで、廃棄前に流体回路から流体を実質的に排液することができるので、操作者を汚染された流体に暴露させることなく費用効率の高い方法で排液することを可能にする。
【0178】
治療終了は、透析治療が中断されたか完了された状態を指す。換言すれば、排液方法は、前記透析治療が中断または完了した後に実行される。
【0179】
方法は、体外流体回路310からの治療終了の後、透析器330の透析器流体回路393、394を通じて体外流体回路から残っている流体を排液すること3000を含んでもよい。
【0180】
透析器330を通して残りの流体を排液するために、透析器流体回路393、394と体外流体回路300との間の圧力差が適用され得る。透析器330は、透析器330へのおよびそこからの透析流体の分配のために、透析流体回路393、394を介して透析機器310に接続され、それにより、体外流体回路310が、体外流体回路に対して負となる圧力を透析流体回路393、394に印加することによって、透析器330を通じて排液される。それによって、残りの流体は、安定した堅牢な方法で透析器に向かって、透析器を通って押し出される。
【0181】
負圧は、患者が切り離されたときに適用されてもよい。従って、残りの流体が透析器を通って排出されるとき、患者から血液は実質的に引き出されない。負圧はガスを体外流体回路300に導入することによって加えることができ、ガスの導入は入口309を介して体外流体回路300にガスをポンプ輸送することによって行われ、残りの流体は透析機器を通して排液するために透析器330に向かって押される。
【0182】
ガスは、入口309または入口391を形成する第1のポートを介して体外流体回路300に接続されたポンピングデバイス321を用いて体外流体回路300にポンピングされてもよい。
【0183】
この方法は、排液3000の前に、体外流体回路300を満たすために、体外流体回路300にリンスバック流体3010を導入することを含んでもよい。したがって、この方法は透析システムの複雑さを増大させる追加の構成要素を必要とせずに、既存の従来の透析システムによって実施することができる。
【0184】
リンスバック流体の導入は、体外流体回路内にまだある血液を戻すことを可能にする。それによって、排液方法は、回路内にまだある血液を患者に戻さないことによって無駄にすることなく実行されてもよい。
【0185】
これは、透析流体ポンプ324によって実行されてもよい。透析機器310は、体外流体回路300に接続された透析流体ポンプ324に接続され、体外流体回路300を満たすために体外流体回路300にリンスバック流体を導入することは、透析流体ポンプ324を活性化することによって、透析器330を通じた静脈ライン302の方へのリンスバック流体の流れを生成することによって行われる。したがって、リンスバック流体は、透析器の透析器血液ラインを介して静脈ラインに向かって導かれる。それによって、透析流体ポンプを備えた透析システムによって実行され得る、前述の利点を有する排液のための方法が達成される。さらに、透析流体ポンプ324と体外流体回路とを接続する流体ラインの排液を可能にする排液方法が達成され、これは、排液の効率を増加させ得る。
【0186】
透析器330は、透析器330へのおよびそこからの透析流体の分配のためのポンプ構成63、64に接続されている。したがって、本方法はさらに、ポンプ構成63、64を制御する3030ことによって、負の圧力の印加中の、透析器330および体外流体回路300からの残っている流体の全体としての除去を達成することを含んでもよい。その結果、前記正味の除去は、体外流体回路を徐々に空にして、後の段階で前記体外流体回路300の廃棄を可能にする。
【0187】
透析器330に向けたリンスバック流体の流れを生成するために、本方法はリンスバック流体が導入された3010後に、透析器330に向けたリンスバック流体の流れを生成するために蠕動血液ポンプ322を作動させるステップ3005をさらに含むことができる。透析機器310は、蠕動血液ポンプ322に接続されている。
【0188】
透析器330を通して残りの流体を排出3000した後、残りの流体は、ドレイン68(これは
図20を参照してさらに記載される)を通して導出され得る。したがって、この方法は、体外流体回路300から除去された残りの流体を透析機器310のドレイン68に搬送するステップ3060をさらに含むことができる。ドレイン68は、透析器流体回路393、394に接続されてもよい 。
【0189】
この方法は、体外流体回路から除去された残りの流体を透析器流体回路393、394を介して透析機器110のドレン68に搬送するステップ3060をさらに含むことができる。
【0190】
これは、ポンプ構成63、64の制御3030の直後に実行されて、透析器330からの残りの流体の正味の除去を達成することができる。
【0191】
体外流体回路300を空にするために、本方法は、静脈ライン302に接続された静脈ドリップチャンバ331を回転させ3013、静脈ドリップチャンバ331から残りの流体を空にして、ガスを体外流体回路300に導入することをさらに含むことができる。
【0192】
蠕動血液ポンプ322を活性化して第1ポート391を介して体外流体回路300にガスを引き込むことによって、体外流体回路300にガスを導入してもよい。
【0193】
これにより、静脈ライン302及び動脈ライン301の両方がガスで満たされ、残りの流体の全てを透析器330内に効果的に押し込むことができる。体外流体回路をガスで満たすために前述の実施形態で必要とされるポートの接続と比較して、これは、ポートの設計に厳しい要件を提起しない。一部のポートでは、適切な態様で接続を実現するために、アダプタなどの追加コンポーネントが必要になる場合がある。代わりに、ポートを接続する付加的なステップなしに、流体回路にガスを直接導入することができ、それによって、より使い勝手の良い排液方法が達成される。さらに、それは、接続に適した特定のポートを必要としないので、ほとんど任意のタイプの従来の透析システムを使用して実行されてもよい。
【0194】
体外流体回路300に前記リンスバック流体を導入3010した後、クランプ368を第2のポート392にロック3011し、第1のポート391を介して流体回路内にガスを吸引する前に、前記クランプ368を解放3012することをさらに含む方法によって、こぼれの危険性を低減することができる。
【0195】
方法はさらに、透析器330の方へのリンスバック流体の流れを生成する前に、血液の動脈ライン301を空にするために、動脈ライン301の方への血液のプッシュバック流れを生成すること3003をさらに含んでもよい。したがって、動脈ラインから血液が空になり、排液プロセスで廃棄される血液が少なくなる。さらに、これは、リンスバック流体で動脈ライン201を効率的に充填することを可能にする。
【0196】
したがって、方法はさらに、押し戻し流を生成するように蠕動血液ポンプ322を作動させることと、動脈ライン301から実質的に血液が空になったときに押し戻し流の生成を停止するように蠕動血液ポンプ322を停止するステップ3004とを含む。
【0197】
図10に示される実施形態と同様に、透析流体ポンプ324は逆止弁を介して流体回路に接続されてもよく、したがって、本方法は、逆止弁を用いて透析流体ポンプ324への流体の逆流を防止するステップをさらに含むことができる。さらに、本方法は体外流体300がガスで満たされた後に、前記逆止弁を配置するステップ3050を含むことができる。
【0198】
図11-12に開示される体外流体回路300はまた、
図26-27に示される前述の充填方法に従って透析機器310を利用することによって、治療終了後にリンスバック流体で充填されてもよい。
【0199】
したがって、透析機器310は、透析器330に接続され、前記体外流体回路300及び体外流体回路300に接続されたポンピングデバイス324に接続される。体外流体回路300は、患者から血液を引き出すために患者に接続可能な第1のポート391を有する動脈ライン301と、患者に血液を戻すために患者に接続可能な第2のポート392を有する静脈ライン302と、を備える。方法は以下を含む:
【0200】
体外流体回路300にリンスバック流体をポンプして入れ2002、それにより、ポンピングデバイス324を活性化して透析器330を通じた第2ポート392の方へのリンスバック流体の流れを生成することによって体外流体回路300を満たすこと。
【0201】
これは、患者が依然として接続されている間に透析器を通過するリンスバック流体に起因する相互汚染の危険性を増大させることなく、無駄になる患者の血液を低減できる、後続の排液方法を可能にする。
【0202】
したがって、この方法は、透析器330の透析器血液ラインを通る、第2のポートの方へのリンスバック流体の前記流れを生成することを含むことができる。したがって、リンスバック流体の流れは、透析器血液ラインを通って静脈ラインへと生成され得る。
【0203】
充填するための方法はさらに、動脈ライン301から血液を実質的に空にするように、第1のポート391の方に血液の押し戻し流を生成するようにポンプすること2001をさらに含んでもよい。
【0204】
したがって、動脈ラインから血液が空になり、排液プロセスで廃棄される血液が少なくなる。さらに、これは、リンスバック流体で動脈ライン201を効率的に充填することを可能にする。
【0205】
透析機器310は、体外流体回路300を介して蠕動血液ポンプ322に接続され、したがって、方法は、体外流体回路300に接続された蠕動血液ポンプ322を作動させて2003、第2のポート392の方へのリンスバック流体の流れをさらに生成することをさらに含むことができる。
【0206】
押し戻し流は、蠕動血液ポンプ322によって生成されうる。結果として、押し戻し流の生成2003、すなわち押し戻し流を生成するステップは、押し戻し流を生成するように蠕動血液ポンプ322を作動させるステップと、動脈ライン301から実質的に血液が空になったときに押し戻し流の前記ポンピングを停止するように前記蠕動血液ポンプ322を停止するステップ3004とを含む。
【0207】
したがって、動脈ラインから血液が空になり、排液プロセスで廃棄される血液が少なくなる。さらに、これは、リンスバック流体で動脈ライン301を効率的に充填することを可能にする。
【0208】
リンスバック流体は例えば、生理食塩水または透析流体であってもよく、それによって、ポンピングデバイス324は、生理食塩水または透析流体供給源に接続されることによって、生理食塩水または透析流体を体外流体回路300に提供するように配置されてもよい。
【0209】
ポンピングデバイス324は透析流体ポンプであってもよく、透析流体ポンプは体外流体回路300に透析流体を供給するように配置される。したがって、リンスバック流体は、透析流体であってもよい。それによって、充填方法は、体外流体回路に透析流体を供給するための透析流体ポンプを有する従来の透析システムによって実行されてもよい。したがって、追加の構成要素を必要とせずに従来の透析システムによって実施することができる充填方法が達成される。
【0210】
さらに、透析流体の形態のリンスバック流体が透析器330を通して吸引され得るので、これは、透析流体ポンプ324と体外流体回路300とを接続する流体ラインのリンスおよび空にすることを可能にする。これにより、透析器330内でリンスバックの正味の除去が行われている間に、リンスバック流体の供給を単に停止することによって、透析液ポンプ324を接続する流体ラインを空にすることができる。したがって、前記流体ラインは、体外流体回路300の配置と同様の方法で配置されてもよい。正味の除去は、透析器流体回路を介して透析機器のドレンに向けてリンスバック流体を搬送することによって行うことができる。
【0211】
ここで
図13-16を参照すると、透析器に接続されたポンプ構成を備えたリンスバック流体が提供される透析システムが開示されている。このシステムは
図5-9に示したシステムと同じであるが、排液方法を実施するために必要とされない透析流体ポンプを除く。
【0212】
透析システムは、体外流体回路400と透析器430とに接続された透析機器410を備え、体外流体回路400が、患者から血液を引き出すために患者に接続可能な動脈ライン401と、患者に血液を返すために患者に接続可能な静脈ライン402と、を備える。透析システムは、排液方法を行うように構成される。
【0213】
体外流体回路には蠕動血液ポンプ422が接続されている。血液ポンプは、第1のポート491、すなわち動脈ライン401、ならびに第2のポート492、すなわち静脈ライン402の両方の方に流れを生成するように構成されてもよい。さらに、蠕動ポンプはポンプが作動されていないとき、流れを許可しない、すなわち実質的に防止する。
【0214】
図18を参照すると、治療終了直後、すなわち、透析機器に接続された体外回路への患者の血液の任意のポンピングが終了した直後、すなわち、透析治療が中断または完了したときの透析システムが示されている。したがって、体外流体回路は、医療機関の廃棄物の重量を低減するために排液されるであろう血液で満たされる。これにより、廃棄物を取り扱うためのコストが大幅に低減される。
【0215】
したがって、患者はポート491および492を介して動脈ライン401および静脈ライン402と接続されており、すなわちポート491および492は患者の血流に接続されている。透析機器410は、透析器流体回路を形成する第1の透析器ライン493および第2の透析器ライン494を介して透析器430に接続される。透析器は、体外流体回路400に接続されている。
【0216】
HDF透析またはHD透析に必要な透析器へのおよびからの透析流体の流通を提供するために、透析器流体回路293,294を介して透析器をポンプ構成に接続してもよい。前記ポンプ構成は、透析器230を介して体外流体回路への、および体外流体回路からの透析流体の流通を制御するように配置され、
図20を参照してより詳細に説明される。
【0217】
この実施形態では、リンスバック流体がポンプ構成63、64を制御することによって導入される。したがって、リンスバック流体は、透析流体であってもよい。
【0218】
流体回路400は、流体回路400に接続された入口409を介して、例えば、透析器430と第2のポート492との間に位置する静脈ドリップチャンバ431を介して、空気ポンプ421に接続される。従って、空気ポンプ421は、静脈ライン402に接続され得る。
【0219】
空気塞栓症の危険性のために、体外流体回路400は空気センサ450を備えてもよく、空気センサ450は、それが設けられた流体回路のセクションを通過する流体中の含有空気を測定するように構成される。空気センサ450は例えば、空気が検出されたときに信号を生成することで操作者に危険を知らせるように、または透析治療を直接停止するコントローラによって受信されるように、構成されてもよい。
【0220】
さらに、静脈ドリップチャンバ431は、前記ドリップチャンバ431のチャンバ内の流体のレベルを監視するように構成されたレベルセンサ460を備えることができる。
当業者には周知のように、体外流体回路200は、体外流体回路内の圧力を監視するための圧力センサ440を備えることができる。
【0221】
さらに、体外流体回路は、血液サンプルまたは透析流体サンプルを抽出するためのサンプルポート441を備え得る。
【0222】
図14を参照すると、動脈ライン401内の流体は、治療終了直後に空にされる。治療終了直後に、前記動脈ライン401は、血液で実質的に満たされてもよい。したがって、前記動脈ライン401を空にするための動脈ライン401の方への血液の押し戻し流が生成されてもよい。この血液の押し戻し流は、蠕動血液ポンプ422の作動によって発生させることができる。
【0223】
また、この状態の間にリンスバック流体を導入してもよい。したがって、リンスバック流体は、流体回路400を満たすために、残りの流体を透析器430を通じて排液する前に体外流体回路400に導入される。リンスバック流体は、ポンプ構成で提供される透析流体であってもよい。
【0224】
これは、透析器430を通る静脈ライン402の方へのリンスバック流体の流れを生成するようにポンプ構成を制御することによって実行され得る。したがって、ポンプ構成は、静脈ライン402に向けた、透析器の透析器血液ラインを通るリンスバック流体の流れを生成するように制御される。したがって、リンスバック流体の流れは、透析器血液ラインを通って静脈ラインへと生成され得る。
【0225】
図15に示すように、動脈ライン401が実質的に血液を空にされ、代わりにリンスバック流体で満たされたときに、前記押し戻し流の生成を停止するように、前記蠕動血液ポンプ422を停止してもよい。従来の蠕動血液ポンプ422の設計により、これは、動脈ライン401との流体連通を不可能にするか、または少なくとも実質的に防止する。代わりに、リンスバック流体が透析器430および静脈ライン402の方に流れ、それによって流体回路400全体を満たすことが可能になる。
【0226】
図16を参照すると、透析機器410は蠕動血液ポンプ422に接続され、前記血液ポンプは動脈ライン401に接続されている。したがって、リンスバック流体の導入は、蠕動血液ポンプ422の作動によって達成される。このプロセスは、リンスバック流体が体外流体回路400を実質的に満たすまで行うことができる。このプロセスの間、ポンプ構成は、蠕動血液ポンプ422によって補助される体外流体回路を通して透析流体を連続的に提供し得る。特に、プロセスは、体外流体回路がリンスバック流体で満たされる前に、すなわち体外流体回路がリンスバック流体で部分的にのみ満たされるときに、停止されてもよい。
【0227】
体外流体回路400がリンスバック流体で実質的に満たされると、第1のポート491および第2のポート492が接続され得る。したがって、体外流体回路は閉鎖回路になり、残りの流体の除去の開始を可能にし、残りの流体は、この時点で、患者からの血液とリンスバック流体との混合物であってもよい。特に、この時点では、体外流体回路400の流体内には依然としてある濃度の血液が存在し得る。
【0228】
その後、
図16に概略的に示されるように、体外流体回路の残りの流体は空にされる。排液は、体外流体回路400に対して透析器430へのおよびからの流通のために透析器流体回路493、494に負圧を加えることによって開始され、透析機器410は前記透析器流体回路493、494を介して透析器430に接続される。前記負圧は、リンスバック流体を静脈ライン402から透析器430に向かって押しやる。
【0229】
言い換えれば、体外流体回路に対して透析器流体回路に加えられる負圧は、体外流体回路400と透析器流体回路493、494との間に圧力差を誘発して、体外流体回路から透析器流体回路493、494内への流体の吸引、例えば流れを生成すると考えることができる。
【0230】
リンスバック流の吸引および結果として生じる流れは、多くの方法で達成され得る。例えば、クランプと吸引・流れ制御またはバルブ構成による圧力の制御により流体回路400を選択的にクランプすることにより。
【0231】
あるいはまた、入口409を介して体外流体回路400にガスを導入することによって、体外流体回路に対して負となる圧力が、透析器流体回路に印加され得、それによって、残りの流体は透析器430に向かって押され、前記透析器430を通じて排出される。
【0232】
本実施形態によれば、これは、入口409を介して体外流体回路400に接続された、空気ポンプ421などのポンピングデバイス421を用いて実施することができる。
【0233】
残りの流体、すなわち、治療からの潜在的な残留物と共に体外流体回路400を満たすリンスバック流体を除去するために、残りの流体の正味の除去が達成されなければならない。これは例えばポンプ構成によって達成されてもよく、そのポンプ構成は透析機器に組み込まれていてもよく、それによって、ポンプ構成は負圧の印加中に、透析器430および体外流体回路400からの残りの流体の前記正味の除去を達成するように制御される。前記ポンプ構成は、
図20を参照してさらに説明される。
【0234】
透析器、または湿潤透析器膜を有する透析器について慣用されているように、透析器の膜は前記透析器の膜を超える非常に高い圧力にさらされない限り、空気に対して不透過性である。このような高圧はこの分野で一般的に使用される構成要素では達成できず、したがって、空気が透析器430を通って入り、透析機器410に入る危険はない。
【0235】
さらに、透析器430の各側の体外流体回路400を通って流れるガスが透析器430を通過する可能性はなく、それによって、残りの流体が透析器430の反対側の透析器430に向かって押されることを妨げる。
【0236】
透析器内に空気が存在し、流体が存在しない場合(湿潤膜のみ)、透析器を通る通路は閉じられてもよい。これは、体外回路のどこかに流体があれば、その流体を除去することができないことを意味する。しかしながら、透析器内に流体がある限り、その流体を除去することができる。透析器がいつ「閉鎖」されるかの検出は、圧力勾配がどの側に生成されるかに応じて、透析器のいずれかの側の圧力センサによって行うことができる。例えば、吸引が空気ポンプ421によって達成される場合、圧力は体外側で測定されてもよい。
【0237】
蠕動血液ポンプは、好ましいことに、作動されていないときにそれを通る流れを許容しないので、前記ポンプ422は透析器430に向けたガス、すなわち空気の流れを生成するように作動されてもよい。血液ポンプが透析器430と動脈ライン401との間に配置されている場合、前記蠕動血液ポンプは、それに応じて、閉鎖された体外流体回路400の動脈ライン401から透析器430への流れを生成することができる。したがって、空気ポンプ421は静脈ライン402および動脈ライン401の両方を介して、閉鎖体外流体回路400にガスを透析器430に向かって導入し、それによって、蠕動血液ポンプ422のポンピングは、ガスすなわち空気が、動脈ラインを通って透析器430に向かって流れることを可能にする。したがって、空気の流れは、同様の流れパターンに従って、回路内の流体を透析器430内に押し込む。
【0238】
したがって、ガスの充填速度、すなわち体外流体回路400を空にする速度は、透析器流体回路493、494、蠕動血液ポンプ422、および空気ポンプ421に接続されたポンプ構成を制御することによって制御することができる。
【0239】
従って、空にするためのフェーズが終わると、流体回路400全体がガスで満たされる。したがって、回路の流体(例えば、空気)は、透析器430内で行われる流体の正味の除去のために、空になり、それによって、著しいこぼれなしに、または、流体を依然として含む回路が医療機関の廃棄物処理コストを増大させることなしに、体外流体回路400を廃棄することができる。
【0240】
上述の透析システムは、透析流体ポンプを除いて、
図5-9に開示されたシステムと全ての特徴を共有する。さらに、
図13-17を参照する透析流体システムは、
図27を参照して開示される方法で排液される。
【0241】
したがって、透析機器410は、透析器430と体外流体回路400とに接続され、体外流体回路400が、患者から血液を引き出すために患者に接続可能な動脈ライン401と、患者に血液を返すために患者に接続可能な静脈ライン402と、を備える。方法は以下のステップを含む:
体外流体回路410からの治療終了の後、透析器430を通じて体外流体回路から残っている流体を排液すること2000。
【0242】
透析器を通じた排液は、透析機器、すなわち、ドレンおよびポンプ構成が、体外流体回路中の残りの流体を取り扱うことを可能にする。
【0243】
それによって、体外流体回路を空にするプロセスにおいて、操作者は汚染された流体にさらされないが、それは前記流体回路が手でシンクまたはバケットに空にされる必要がないからである。したがって、より安全で、よりユーザフレンドリな排液プロセスが達成される。
【0244】
操作者が汚染された流体にさらされることを避けるために、流体回路全体はまた、典型的にはクランプによってシールされ、廃棄される。しかしながら、これは、廃棄物の重量をかなり増加させ、医療機関にとってより高いコストにつながる。したがって、透析器を通じて排液することで、廃棄前に流体回路から流体を実質的に排液することができるので、操作者を汚染された流体に暴露させることなく費用効率の高い方法で排液することを可能にする。
【0245】
治療終了は、透析治療が中断されたか完了された状態を指す。換言すれば、排液方法は、前記透析治療が中断または完了した後に実行される。
【0246】
方法は、体外流体回路410からの治療終了の後、透析器430の透析器流体回路493、494を通じて体外流体回路から残っている流体を排液すること2000を含んでもよい。
【0247】
透析器を通して残りの流体を排液するために、透析器流体回路493、494と体外流体回路400との間の圧力差が適用され得る。透析器430は、透析器430へのおよびそこからの透析流体の分配のために、透析流体回路493、494を介して透析機器410に接続され、それにより、体外流体回路410が、体外流体回路に対して負となる圧力を透析流体回路493、494に印加することによって、透析器430を通じて排液される。それによって、残りの流体は、安定した堅牢な方法で透析器に向かって、透析器を通って押し出される。
【0248】
負圧は、患者が切り離されたときに適用されてもよい。従って、残りの流体が透析器を通って排出されるとき、患者から血液は実質的に引き出されない。
【0249】
負圧はガスを体外流体回路200に導入することによって加えることができ、ガスの導入は入口409を介して体外流体回路400にガスをポンプ輸送することによって行われ、残りの流体は透析機器を通して排液するために透析器430に向かって押される。
【0250】
ガスは、入口409を介して体外流体回路400に接続されたポンピングデバイス421を用いて体外流体回路400にポンピングされてもよい。したがって、この方法は透析システムの複雑さを増大させる追加の構成要素を必要とせずに、空気ポンプを有する既存の従来の透析システムによって実施することができる。
【0251】
この方法は、排液2000の前に、体外流体回路400を満たすために、体外流体回路400にリンスバック流体2010を導入することを含んでもよい。
【0252】
リンスバック流体の導入は、体外流体回路内にまだある血液を戻すことを可能にする。それによって、排液方法は、回路内にまだある血液を無駄にすることなく実行されてもよい。
【0253】
これは、透析流体ポンプ424によって実行されてもよい。透析機器410は、体外流体回路400に接続された透析流体ポンプ424に接続され、体外流体回路400を満たすために体外流体回路400にリンスバック流体を導入することは、透析流体ポンプ424を活性化することによって、透析器430を通じた静脈ライン402の方へのリンスバック流体の流れを生成することによって行われる。したがって、リンスバック流体は、透析器の透析器血液ラインを介して静脈ラインに向かって導かれる。したがって、リンスバック流体の流れは、透析器血液ラインを通って静脈ラインへと生成され得る。
【0254】
それによって、透析流体ポンプを備えた透析システムによって実行され得る、前述の利点を有する排液のための方法が達成される。さらに、透析流体ポンプ424と体外流体回路400とを接続する流体ラインの排液を可能にする排液方法が達成され、これは、排液の効率を増加させ得る。
【0255】
透析器430は、透析器430へのおよびそこからの透析流体の分配のためのポンプ構成63、64に接続されている。したがって、本方法はさらに、ポンプ構成63、64を制御する2030ことによって、負の圧力の印加中の、透析器430および体外流体回路400からの残っている流体の全体としての除去を達成することを含んでもよい。その結果、前記正味の除去は、体外流体回路を徐々に空にして、後の段階で前記体外流体回路400の廃棄を可能にする。
【0256】
透析器430に向けたリンスバック流体の流れを生成するために、本方法はリンスバック流体が導入された2010後に、透析器430に向けたリンスバック流体の流れを生成するために蠕動血液ポンプ422を作動させるステップ2005をさらに含むことができる。
【0257】
透析器430を通して残りの流体を除去する前に、体外流体回路400は閉じられる。したがって、この方法は気体を体外流体回路400に導入する前に、第1のポート491を第2のポート492に接続するステップ2015をさらに含むことができる。
【0258】
流体回路の閉鎖は、排液中に流体回路から流体がこぼれる危険性を効果的に低減し、それによって汚染による感染の危険性が大幅に低減される。さらに、こぼれの危険性が軽減されることにより、よりユーザフレンドリな排液プロセスが可能になる。
【0259】
透析器430を通して残りの流体を排出2000した後、残りの流体は、ドレイン68(これは
図20を参照してさらに記載される)を通して導出され得る。したがって、この方法は、体外流体回路400から除去された残りの流体を透析機器410のドレイン68に搬送するステップ2060をさらに含むことができる。ドレイン68は、透析器流体回路493、494に接続されてもよい 。
【0260】
この方法は、体外流体回路から除去された残りの流体を透析器流体回路493、494を介して透析機器410のドレン68に搬送するステップ2060をさらに含むことができる。
【0261】
これは、ポンプ構成63、64の制御2030の直後に実行されて、透析器430からの残りの流体の正味の除去を達成することができる。
【0262】
既に一部説明したように、方法はさらに、透析器430の方へのリンスバック流体の流れを生成する前に、血液の動脈ライン401を空にするために、動脈ライン401の方への血液のプッシュバック流れを生成すること2003をさらに含んでもよい。したがって、動脈ラインから血液が空になり、排液プロセスで廃棄される血液が少なくなる。さらに、これは、リンスバック流体で動脈ライン401を効率的に充填することを可能にする。
【0263】
したがって、方法はさらに、押し戻し流を生成するように蠕動血液ポンプ422を作動させることと、動脈ライン401から実質的に血液が空になったときに押し戻し流の生成を停止するように蠕動血液ポンプ422を停止するステップ2004とを含む。したがって、追加の構成要素を必要とせずに従来の透析システムによってその方法が実施されうる。
【0264】
さらに、前述の方法は、ポンプ構成63、64の制御を通してリンスバック流体を体外流体回路400に導入することをさらに含んでもよい。それによって、この方法は、体外流体回路に直接接続された透析流体ポンプを有さないシステムによって、すなわち透析器を介さずに実行され得る。
【0265】
図18-19は
図11-12に開示されたシステムと同一の開放端排液を利用する透析システムを開示するが、
図13-17に示された透析システムと同様に、リンスバック流体はポンプ構成の制御によって提供される。
【0266】
図18を参照すると、透析システムは、体外流体回路500と透析器530とに接続された透析機器510を備え、体外流体回路500が、患者から血液を引き出すために患者に接続可能な動脈ライン501と、患者に血液を返すために患者に接続可能な静脈ライン502と、を備える。透析システムの透析機器は、排液方法を行うように構成される。
【0267】
体外流体回路には蠕動血液ポンプ522が接続されている。血液ポンプは、第1のポート591、すなわち動脈ライン501、ならびに第2のポート592、すなわち静脈ライン502の両方の方に流れを生成するように構成されてもよい。さらに、蠕動ポンプはポンプが作動されていないとき、ポンプを通る流れを許可しない、すなわち実質的に防止する。
【0268】
透析機器510は、透析器流体回路を形成する第1の透析器ライン593および第2の透析器ライン594を介して透析器530に接続される。透析器は、体外流体回路500に接続されている。
【0269】
HDF透析に必要な透析器へのおよびそこからの透析流体の分配を提供するために、透析器をポンプ構成に接続してもよい。これは、
図28を参照してより詳しく説明される。
【0270】
この実施形態では、リンスバック流体がポンプ構成63、64を制御することによって導入される。したがって、リンスバック流体は、透析流体であってもよい。
【0271】
流体回路500は、流体回路500に接続された入口509を介して、例えば、透析器530と第2のポート592との間に位置する静脈ドリップチャンバ531を介して、空気ポンプ521に接続される。従って、空気ポンプ521は、静脈ライン502に接続され得る。
【0272】
当業者には周知のように、体外流体回路500は、体外流体回路内の圧力を監視するための圧力センサ540を備えることができる。
【0273】
さらに、体外流体回路は、血液サンプルまたは透析流体サンプルを抽出するためのサンプルポート541を備え得る。
【0274】
図19を参照すると、透析システムは、患者が第1のポート591および第2のポート592から切り離され、それによって、前記ポートが体外流体回路の自由端である状態で示されている。この時点で、排液方法は、体外流体回路を空にするためにポートが接続されていない点で、
図14から17を参照して上述されたものとは異なる。
【0275】
排液は、体外流体回路500に対して透析器530へのおよびからの流通のために透析器流体回路593、594に負圧を加えることによって開始され、透析機器510は前記透析器流体回路593、594を介して透析器530に接続される。前記負圧は、リンスバック流体を静脈ライン502から透析器530に向かって押しやる。
【0276】
言い換えれば、体外流体回路に対して透析器流体回路に加えられる負圧は、体外流体回路500と透析器流体回路593、594との間に圧力差を誘発して、体外流体回路から透析器流体回路593、594内への流体の吸引、例えば流れを生成すると考えることができる。
【0277】
リンスバック流の吸引および結果として生じる流れは、多くの方法で達成され得る。例えば、クランプと吸引・流れ制御またはバルブ構成による圧力の制御により流体回路500を選択的にクランプすることにより。
【0278】
あるいはまた、透析器流体回路に印加される体外流体回路に対して負となる圧力は、入口を介して体外流体回路500にガスを導入することによって印加され得、それによって、残りの流体は透析器530に向かって押され、前記透析器530を通じて排出される。
【0279】
この実施形態によれば、ガスの入口は流体回路500の自由端のいずれかまたは両方、すなわち、第1のポート591または第2のポート592とすることができる。
【0280】
残りの流体が透析器530を通って排液され、前記透析器に向かって流れることを可能にするために、静脈ドリップチャンバ531は前記静脈ドリップチャンバから残りの流体を空にし、それによって体外流体回路500にガスを導入するために、回される、すなわち、逆さまにされる。
【0281】
ガスを体外流体回路500に導入するために、蠕動血液ポンプ522を作動させることができる。前記血液ポンプ522を作動させて透析器530の方への流れを作り出すことによって、第1のポート591を通してガスが吸引される。ガスは、周囲の部屋からの空気を含んでもよい。
【0282】
透析器、または湿潤透析器膜を有する透析器について慣用されているように、透析器の膜は前記透析器の膜を超える非常に高い圧力にさらされない限り、空気に対して不透過性である。このような高圧はこの分野で一般的に使用される構成要素では達成できず、したがって、空気が透析器530を通って入り、透析機器510に入る危険はない。
【0283】
さらに、透析器530の各側の体外流体回路500を通って流れるガスが透析器530を通過する可能性はなく、それによって、残りの流体が透析器530の反対側の透析器530に向かって押されることを妨げる。
【0284】
透析器内に空気が存在し、流体が存在しない場合(湿潤膜のみ)、透析器を通る通路は閉じられてもよい。これは、体外回路のどこかに流体があれば、その流体を除去することができないことを意味する。しかしながら、透析器内に流体がある限り、その流体を除去することができる。透析器がいつ「閉鎖」されるかの検出は、圧力勾配がどの側に生成されるかに応じて、透析器のいずれかの側の圧力センサによって行うことができる。例えば、吸引が空気ポンプ521によって達成される場合、圧力は体外側で測定されてもよい。
【0285】
リンスバック流体が体外流体回路500に導入された後、クランプ558を第2のポート592にロックすることによって、残りの流体がこぼれる危険性を大幅に低減することができる。しかしながら、前記クランプ558は、第1のポート591を介してガスを吸引する前に解放されなければならない。
【0286】
静脈ドリップチャンバ531の回転後、静脈ライン502内の残りの流体の全ては、透析器530に向かって流れ、透析機器510のドレン(図示せず)を通って出るように強制される。これは動脈ライン501を通じた空気のポンピングと合わせて、流体回路全体を空気で満たし、それによって、透析器530を通る残りの流体の全てを排液し、この状態は
図12に示されており、そこでは静脈ドリップチャンバ531が実質的に空気で満たされる。その後、空の体外流体回路を廃棄することができる。
【0287】
上述の透析システムは、透析流体ポンプを除いて、
図11-12に開示されたシステムと全ての特徴を共有する。さらに、
図18-19を参照する透析流体システムは、
図28を参照して開示される方法で排液される。
【0288】
図28は、透析機器510を利用して体外流体回路500を排液する方法の模式図を示す。透析機器510は、透析器530と体外流体回路500とに接続され、体外流体回路500が、患者から血液を引き出すために患者に接続可能な動脈ライン501と、患者に血液を返すために患者に接続可能な静脈ライン502と、を備える。方法は以下のステップを含む:
体外流体回路510からの治療終了の後、透析器530を通じて体外流体回路から残っている流体を排液すること3000。
【0289】
これは、全ての流体が排液されて透析器530を通って押し出されることを可能にし、したがって、前記流体を濾過し、汚染または交差汚染の危険性を大幅に低減する。
【0290】
透析器を通じた排液は、透析機器、すなわち、ドレンおよびポンプ構成が、体外流体回路中の残りの流体を取り扱うことを可能にする。
【0291】
それによって、体外流体回路を空にするプロセスにおいて、操作者は汚染された流体にさらされなくてもよく、それは前記流体回路が手でシンクまたはバケットに空にされる必要がないからである。したがって、より安全で、よりユーザフレンドリな排液プロセスが達成される。
【0292】
操作者が汚染された流体にさらされることを避けるために、流体回路全体はまた、典型的にはクランプによってシールされ、廃棄される。しかしながら、これは、廃棄物の重量をかなり増加させ、医療機関にとってより高いコストにつながる。したがって、透析器を通じて排液することで、廃棄前に流体回路から流体を実質的に排液することができるので、操作者を汚染された流体に暴露させることなく費用効率の高い方法で排液することを可能にする。
【0293】
治療終了は、透析治療が中断されたか完了された状態を指す。換言すれば、排液方法は、前記透析治療が中断または完了した後に実行される。
【0294】
方法は、体外流体回路510からの治療終了の後、透析器530の透析器流体回路593、594を通じて体外流体回路から残っている流体を排液すること3000を含んでもよい。
【0295】
透析器530を通して残りの流体を排液するために、透析器流体回路593、594と体外流体回路500との間の圧力差が適用され得る。透析器530は、透析器530へのおよびそこからの透析流体の分配のために、透析流体回路593、594を介して透析機器510に接続され、それにより、体外流体回路510が、体外流体回路に対して負となる圧力を透析流体回路593、594に印加することによって、透析器530を通じて排液される。それによって、残りの流体は、安定した堅牢な方法で透析器に向かって、透析器を通って押し出される。
【0296】
負圧は、患者が切り離されたときに適用されてもよい。従って、残りの流体が透析器を通って排出されるとき、患者から血液は実質的に引き出されない。
【0297】
負圧は、体外流体回路500内にガスを導入することによって加えることができる。ガスの導入は、入口509を介して体外流体回路500にガスをポンピングすることによって行われ、残りの流体は透析器530に向かって押され、透析機器を通じて排出される。
【0298】
ガスは、入口509または入口591を形成する第1のポートを介して体外流体回路500に接続されたポンピングデバイス521を用いて体外流体回路500にポンピングされてもよい。
【0299】
この方法は、排液3000の前に、体外流体回路500を満たすために、体外流体回路500にリンスバック流体3010を導入することを含んでもよい。したがって、この方法は透析システムの複雑さを増大させる追加の構成要素を必要とせずに、空気ポンプを有する既存の従来の透析システムによって実施することができる。
【0300】
リンスバック流体の導入は、体外流体回路内にまだある血液を戻すことを可能にする。それによって、排液方法は、回路内にまだある血液を患者に戻さないことによって無駄にすることなく実行されてもよい。
【0301】
透析器530は、透析器530へのおよびそこからの透析流体の分配のためのポンプ構成63、64に接続されている。したがって、本方法はさらに、ポンプ構成63、64を制御する3030ことによって、負の圧力の印加中の、透析器530および体外流体回路300からの残っている流体の全体としての除去を達成することを含んでもよい。その結果、前記正味の除去は、体外流体回路を徐々に空にして、後の段階で前記体外流体回路500の廃棄を可能にする。
【0302】
透析器530に向けたリンスバック流体の流れを生成するために、本方法はリンスバック流体が導入された3010後に、透析器530に向けたリンスバック流体の流れを生成するために蠕動血液ポンプ522を作動させるステップ3005をさらに含むことができる。透析機器510は、蠕動血液ポンプ522に接続されている。
【0303】
透析器530を通して残りの流体を排出3000した後、残りの流体は、ドレイン68(これは
図20を参照してさらに記載される)を通して導出され得る。したがって、この方法は、体外流体回路500から除去された残りの流体を透析機器510のドレイン68に搬送するステップ3060をさらに含むことができる。ドレイン68は、透析器流体回路593、594に接続されてもよい 。
【0304】
この方法は、体外流体回路から除去された残りの流体を透析器流体回路593、594を介して透析機器510のドレン68に搬送するステップ2060をさらに含むことができる。
【0305】
これは、ポンプ構成63、64の制御3030の直後に実行されて、透析器530からの残りの流体の正味の除去を達成することができる。
【0306】
体外流体回路500を空にするために、本方法は、静脈ライン502に接続された静脈ドリップチャンバ531531を回転させ3013、静脈ドリップチャンバ531531から残りの流体を空にして、ガスを体外流体回路500に導入することをさらに含むことができる。
【0307】
蠕動血液ポンプ522を活性化して第1ポート591を介して体外流体回路500にガスを引き込むことによって、体外流体回路500にガスを導入してもよい。
【0308】
これにより、静脈ライン502及び動脈ライン501の両方がガスで満たされ、残りの流体の全てを透析器530内に効果的に押し込むことができる。体外流体回路をガスで満たすために前述の実施形態で必要とされるポートの接続と比較して、これは、ポートの設計に厳しい要件を提起しない。一部のポートでは、適切な態様で接続を実現するために、アダプタなどの追加コンポーネントが必要になる場合がある。代わりに、ポートを接続する付加的なステップなしに、流体回路にガスを直接導入することができ、それによって、より使い勝手の良い排液方法が達成される。さらに、それは、接続に適した特定のポートを必要としないので、ほとんど任意のタイプの従来の透析システムを使用して実行されてもよい。
【0309】
体外流体回路500に前記リンスバック流体を導入3010した後、クランプ368を第2のポート592にロック3011し、第1のポート591を介して流体回路内にガスを吸引する前に、前記クランプ568を解放3012することをさらに含む方法によって、こぼれの危険性を低減することができる。
【0310】
方法はさらに、透析器530の方へのリンスバック流体の流れを生成する前に、血液の動脈ライン501を空にするために、動脈ライン501の方への血液のプッシュバック流れを生成すること3003をさらに含んでもよい。したがって、動脈ラインから血液が空になり、排液プロセスで廃棄される血液が少なくなる。さらに、これは、リンスバック流体で動脈ライン501を効率的に充填することを可能にする。
【0311】
したがって、方法はさらに、押し戻し流を生成するように蠕動血液ポンプ522を作動させることと、動脈ライン501から実質的に血液が空になったときに押し戻し流の生成を停止するように蠕動血液ポンプ522を停止するステップ3004とを含む。
【0312】
さらに、前述の方法は、ポンプ構成63、64の制御を通してリンスバック流体を体外流体回路500に導入することをさらに含んでもよい。それによって、この方法は、体外流体回路に直接接続された透析流体ポンプを有さないシステムによって、すなわち透析器を介さずに実行され得る。
【0313】
図20は、ポンプ構成63、64を概略的に示す。ポンプ構成は、
図1~19を参照して開示されるシステムの透析機器の内部に配置されてもよい。ポンプ構成63、64は、透析器へ及び透析器から透析流体を分配するように構成され、従って、透析機器の透析流体供給源に接続されてもよい。
【0314】
体外流体回路の残りの流体の排液を可能にするために、ポンプ構成63、64はドレン68に接続され、すなわち、ドレン68と流体連通している。それによって、残りの流体は単純な方法で処分することができ、これは、医療機関にとって安価であり、手動排液を必要としない、または排液を行うために必要とされる手動入力を少なくとも最小限にする、よりクリーンな処理を可能にする。
【0315】
ポンプ構成は第1の透析器ポンプ63および第2の透析器ポンプ64を含み、両方とも
図1~19で参照される透析器流体回路に接続される。したがって、体外流体回路への、および体外流体回路からの透析流体の分配は、第1の透析ポンプ63および第2の透析ポンプ64の制御によって制御され得る。第1の透析器ポンプ63と第2の透析器ポンプ64との間の誘発された圧力差は、透析器流体回路193、293、393、493、593、693、194、294、394、494、594、694を介して透析器から流体を除去および追加するだけでなく、透析器内部の流体を透析器流体回路に入らずに動脈ラインから静脈ラインに流れるように強制することができる。
【0316】
したがって、透析器を通過する透析器流体は、透析器を通過する流体が透析器流体回路に流れ込むことを許さずに、または少なくとも実質的にそれを防ぎながら、透析器の方への流れを生成するようポンプ63、64を単に制御することによって、透析器を通って流れることを強制されてもよい。
【0317】
第1の透析ポンプ63はドレン68に直接接続されてもよく、したがって、ドレン68は第1の透析ポンプ63の出口に接続されてもよい。したがって、第2の透析ポンプは透析流体の供給源に直接接続されてもよく、したがって、第2の透析ポンプ64の入口は透析流体の供給源に直接接続されてもよい。換言すれば、第2の透析器ポンプ64は、透析器内への透析流体の流れを提供するように配置される。
【0318】
したがって、負圧の印加中に透析器および体外流体回路から残りの流体の正味の除去を達成するためのポンプ構成63、64の制御は、第1の透析器ポンプ63および第2の透析器ポンプ64の制御によって達成することができる。正味の除去は、第2の透析器ポンプ64が透析流体を前記透析器内に供給するよりも速い速度で、透析器内の流体をドレンに向かってポンプ輸送するように第1の透析器ポンプ63を制御することによって提供されてもよい。
【0319】
前記ポンプ構成63、64は、操作者を介して手動で制御されてもよく、または前記ポンプ構成と通信するように構成されたコントローラによって自動的に制御されてもよい。したがって、コントローラは、前記ポンプ構成に動作可能に接続されてもよい。
【0320】
透析器流体回路内の圧力を監視するために、前記回路は1つまたは複数の圧力センサ872を備えることができ、前記圧力センサは、前記透析器流体回路内の圧力を監視するように構成される。したがって、ポンプ構成63、64は、少なくとも1つの圧力センサ872からのセンサ信号に応答して制御されるように構成されてもよい。したがって、圧力が非常に高い場合、ポンピングは終了してもよい。さらに、透析器ポンプから生成される圧力差は、圧力センサによって生成されるセンサ信号に応答して制御される前記ポンプによって維持され、確保され得る。
【0321】
透析器流体回路は、第1透析器ポンプ63と流体連通する第1圧力センサと、第2透析器ポンプ64と流体連通する第2圧力センサとを含んでもよい。したがって、透析器流体回路は、ドレン68と第1の透析器ポンプ63と透析器とを接続するための第1の透析器流体ライン193、293、393、493、593、693と、透析流体センサの供給源と透析器とを接続するための第2の透析器流体ライン194、294、394、494、594、694とを備えることができる。
【0322】
図1-20を参照して記載されるように、透析器130、230、330、430、530、630は透析器血液ラインと、透析器血液ラインを通過する流体(例えば、液体)を濾過するための膜とを備える。透析器血液ラインは、動脈ラインと静脈ラインとを接続する。膜は透析器血液ラインに接続されてもよく、例えば、前記膜は、前記透析器血液ラインを通って延在してもよく、それによって、前記透析器血液ラインは前記動脈ラインと静脈ラインとの間の透析器の膜を通る流体通路(例えば、液体通路)を提供するように構成されてもよい。
【0323】
透析器流体回路193、194、293、294、393、394、492、493、593、594は、膜の後および前、例えば透析器の膜の上流および下流で透析器血液ラインに接続される。したがって、第1の透析器流体ライン193、293、393、493、593、693は膜の下流の透析器血液ラインに接続され、それによって、第2の透析器流体ライン194、294、394、494、594、694は膜の上流の透析器血液ラインに接続される。下流および上流は本明細書において、動脈ラインから静脈ラインに向かう方向、例えば、透析治療中に血液が流れる方向によって規定される。
【0324】
図21は、透析器630に接続された
図1~19に開示された実施形態による透析機器に接続するための体外流体回路600を示す(前記図中の矢印によって示される)。前記流体回路600は
図1~19で参照されるような前述の透析システムのいずれか1つに含まれてもよく、さらに、前述の排液方法1000、2000、3000に従って排液されてもよい。
【0325】
したがって、透析機器610(
図21では不図示)は、透析器630と体外流体回路600とに接続され、体外流体回路600が、患者から血液を引き出すために患者に接続可能な動脈ライン601と、患者に血液を返すために患者に接続可能な静脈ライン602と、を備える。
【0326】
動脈ライン601は第1のポート691内に延び、静脈ライン602は第2のポート692内に延びる。さらに、体外流体回路600は、透析器630へのおよびそこからの流体流を制御するために構成されたプレ注入クランプ658を備えることができる。
【0327】
図21に見られるように、体外流体回路は、動脈透析器ライン697および静脈透析器ライン696を含んでもよく、動脈透析器ラインは透析器630の入口ポートならびに動脈ライン691に接続され、静脈透析器ラインは透析器630の出口ポートならびに静脈ライン692に接続される。前記動脈ラインとそれに対応する前記静脈ラインとの接続は、前記ラインを接続するように構成されたアダプタ668によって達成されてもよい。
【0328】
体外流体回路は、抗凝固シリンジを受容するように構成された抗凝固入口656をさらに備えてもよい。前記シリンジは例えば、ヘパリンまたは類似の抗凝固剤を含有する可能性がある。
【0329】
体外流体回路600は、静脈透析器ライン696および動脈ライン691に接続されている透析器前/後接続657をさらに備えることができる。前記透析器前/後接続657は、リンスバック流体源に接続されるようにさらに構成されてもよい。したがって、前記接続657は、リンスバック流体源に接続されるように構成された接続入口670と、動脈ライン691に接続された第1の接続出口671と、透析器静脈ライン693に接続された第2の接続出口672とを備えることができる。したがって、操作者は、前記プレ注入クランプ658を前記透析器前/後接続657に適用することによって、流体回路においてリンスバック流体を透析器の前に導入するかまたは透析器の後に導入するかを選択することができる。前記クランプ658を前記出口の両方に適用することによって、リンスバック流体源からのリンスバック流体の流れが防止されるか、または少なくとも実質的に防止される。
【0330】
対応して、プレ注入クランプを第1の入口671に適用することによって、リンスバック流体は透析器の後ろで流体回路に導かれ、プレ注入クランプを第2の入口672に適用することによって、リンスバックは透析器の前で流体回路に導かれる。
【0331】
体外流体回路600は、第1のポート691、第2のポート692、および前記第1および第2のポートを接続するためのポートアダプタ667のいずれかを受容するように構成されたサービスライン651をさらに備えてもよい。
【0332】
前記流体回路600を排液するプロセスにおいて、動脈ライン601は、治療終了後にサービスライン651に取り付けられてもよい。したがって、第1のポートおよび第2のポートは、
図28に示される透析器を通って排液するための方法に従って接続される。
【0333】
リンスバックが流体回路に入ることを可能にするために、排液方法はリンスバック流体が体外回路600に導入された後に、透析器を通じた排液1000、2000、3000の前に、プレ注入クランプを開くことをさらに含み得る。
【0334】
リンスバック流体の流れは、クランプ658またはポンプによって、約100ml/分になるように制御することができる。
【0335】
透析機器610は蠕動血液ポンプに接続され、その蠕動血液ポンプは動脈ライン601に接続されている。一実施形態では、リンスバック流体の流れは(前述の方法ステップ1005、2005、3005に従って)動脈ライン691を通る透析器の方へのリンスバック流体の流れを生成するように前記血液ポンプを作動させることによって生成されてもよい。前記血液ポンプは、約100ml/分でポンピングすることができる。特に、これは、血液ポンプが治療中に作動する間に、血液ポンプが前記方向とは反対の方向にポンプ輸送することを必要とする。
【0336】
動脈ライン691は、リンスバック流体で満たされた後に空にされた後、サービスライン651から切り離される。代わりに、静脈ライン692は前記サービスライン651に接続され、それにより、リンスバック流体の流れは(前述の方法ステップ1005、2005、3005に従って)静脈ライン691を通る透析器の方へのリンスバック流体の流れを生成するように前記血液ポンプを作動させることによって生成される。
【0337】
動脈ライン601はまた、動脈注入ライン689を介してリンスバックコンテナに接続され得、動脈注入ラインは、動脈ライン601への入口を形成する。
【0338】
その後、リンスバック流体は前記注入ライン689を通して体外回路600に導入されてもよく、それによって、操作者が直接リンスバック流体を前記コンテナから体外流体回路600に押しやるか、または重力がリンスバック流体を前記コンテナから体外流体回路600に押しやることを可能にするようにリンスバックコンテナを上昇させることによって、その導入が達成されてもよい。
【0339】
透析器を通じた排液を可能にするために、血液ポンプは、透析器に向けたリンスバック流体流を生成するように作動され得る。血液ポンプは、100ml/分で動作しうる。特に、これは、患者の透析治療の間に血液ポンプが作動する向きと同じ向きに血液ポンプがポンプ輸送することを必要とする。
【0340】
リンスバック流体が体外流体回路600全体を満たした後、透析器660および静脈ライン602は重力を利用して排液されてもよい、すなわち、操作者が単に体外流体回路600、より具体的には静脈ライン602を持ち上げることによって、リンスバック流体のすべてが透析器630を通って透析機器のドレンに入ることを可能にされる。
図20を参照して説明したように、流体は、透析器流体回路を介してドレンに運ばれてもよい。
【0341】
体外流体回路の排液はまた、
図1~4を参照して記載される実施形態と同一に行われ得る。したがって、動脈ライン601は前記第1のポートが患者から切り離された後に、第1のポート691を介してリンスバックコンテナに直接接続されてもよい。
【0342】
図22は、例えば
図10を参照して前述した逆止弁271,371の断面図を開示する。逆止弁271,371は、上記の実施形態のいずれかに開示されている体外流体回路と接続可能な流体ラインの一部分によって形成された筐体31を構成してもよい。逆止弁271、371は、透析流体ポンプに接続されるように構成された第1の接続23をさらに備える。逆止弁271、371はさらに、筐体31の壁に流体の漏れがないように当接して前記第1の接続23をシールするように配置された弁部材32を備える。逆止弁機能を提供するため、すなわち、他の方向における流体の流れが阻止されている間に、第1の接続23を介した透析流体ポンプからの流体の供給を可能にするために、弁部材32は、ばね33を介して筐体31の壁に接続される。ばね33は筐体31のキャビティ34に接続されて、筐体を通る流れを妨げないようにしてもよい。
【0343】
逆止弁271、371は、おそらくは汚染されている流体の潜在的な逆流を防止するので、透析流体ポンプの汚染の危険性を大幅に低減する。このリスクは、逆止弁271、371の筐体31が使い捨てであることによってさらに緩和され得、それによって、各使用後に交換され得る。
【0344】
このようにして流体ラインに一体化された逆止弁を提供することは、個別の逆止弁構成要素と流体ラインとの間の接続に関連する漏れのリスクを緩和する。さらに、流体ラインおよび逆止弁の取り付けを2つの別々の工程で行う必要がない。代わりに、構成は1つのステップで透析機器に取り付けることができ、操作者にとって取り付けをより容易にする。
【0345】
図29を参照すると、透析機器110、210、310、410、510は、透析機器の構成要素および前記透析機器に接続された構成要素を含む、透析機器の動作を制御するように構成され得るコントローラ800を備え得る。コントローラ800は、プロセッサ(1つまたは複数のCPU)、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または透析機器の他のプログラム可能なデータ処理装置を備えることができる。前記コントローラ800は、パラメータおよびプロンプトを記憶するためのメモリ820をさらに備えることができる。
【0346】
さらに、前記コントローラは、透析機器の構成要素および前記透析機器に接続された構成要素のいずれか1つと通信し、それらから信号を受信するように動作可能に接続され、構成されてもよい。構成要素は先に説明したセンサおよびポンピングデバイスを含むが、これらに限定されない。
【0347】
排液の自動制御ならびにリンスバックによる体外流体回路の充填を可能にするために、コントローラ800は、透析機器内のセンサならびに体外流体回路からセンサ信号を受信するように構成されてもよい。
【0348】
したがって、コントローラ800は、透析機器および体外流体回路に設けられた以下のセンサのうちの任意の1つからセンサ信号を受信するように構成されてもよい。前記センサは、前述のレベルセンサ160、260、360、460、560、空気センサ150、250、350、450、550、および圧力センサ140、240、340、440、540、872、少なくとも1つの血液センサ871、および少なくとも1つの流量センサ873を含むことができる。
【0349】
一実施形態では透析機器110、210、310、410、510はコントローラ800によって提供される信号に基づいて操作者に情報を提示するように構成された操作者警告デバイス810をさらに備えることができる。このようにして、コントローラ800は、操作者警告デバイス810と通信するように操作的に接続され、構成されることができる。前記操作者警告デバイス810は例えば、音声メッセージを介して情報を提示するように構成されたスピーカ、または情報を視覚的に提示するためのディスプレイであってもよい。あるいは、操作者警告デバイス810はディスプレイとスピーカとの両方を備えてもよい。
【0350】
したがって、コントローラはポンピングデバイス121、221、321、421、521を制御し、ガスを体外流体回路にポンピングするように前記ポンピングデバイスを制御するように構成されてもよい。これは、操作者からの入力に応答して、または血液の濃度が十分に低いレベルにあることを示す少なくとも1つの血液センサ871からの信号に応答して、自動的に実行されてもよい。あるいは、血液センサ871からの前記信号が操作者警告デバイス810に信号を提供するようにコントローラ800を促すことができる。次いで、ガスのポンピングを開始するように操作者に促すメッセージを、前記操作者警告デバイスを介して操作者に提示することができる。
【0351】
同様に、コントローラ800は、負圧の印加中に透析器からの残りの流体の正味の除去を達成するために、透析器への透析流体の分配および透析器からの透析流体の分配のために、ポンプ構成63、64を制御するように構成され得る。これは、操作者の入力に応答して、または体外流体回路へのガスのポンピングが開始された結果の帰結として、実行されてもよい。あるいは、ガスのポンピングの前記開始は、操作者にメッセージを生成するように操作者警告デバイス810に促すようにコントローラ800をトリガし、操作者にポンプ構成63、64の制御を開始するように促してもよい。これにより、体外流体回路から除去された残りの流体を透析機器のドレンに運ぶことが可能になる。
【0352】
さらに、
図13-19を参照して説明したように、前記ポンプ構成63、64は、リンスバック流体を体外流体回路に導入するようにさらに制御されてもよい。したがって、コントローラ800は、リンスバック流体を体外流体回路に導入するように、前記ポンプ構成63、36を制御するようにさらに構成されてもよい。これは、センサ信号又は操作者の入力に応答して実行されてもよい。
【0353】
コントローラ800はまた、透析器の方にリンスバック流体の流れを生成するように、蠕動血液ポンプ122、222、322、422、522を制御するように構成されてもよい。これは、リンスバック流体が例えば透析流体ポンプ224、324またはポンプ構成63、64によって導入された後に、または操作者の入力に応答して、実行されてもよい。
【0354】
さらに、前記コントローラ800は、血液の動脈ラインを空にするために動脈ラインの方に血液の押し戻し流を生成するように、血液ポンプ222、322、422を制御するように構成されてもよい。これは、透析器の方へのリンスバック流体の流れを生成する前に実行されてもよい。前記コントローラ800は、動脈ラインから実質的に血液が空になったときに、前記押し戻し流の生成を停止するようにさらに構成されてもよい。停止は、少なくとも1つの血液センサが動脈ラインにおける最大許容閾値未満の血液濃度を検出したことに応答して、または操作者入力に応答して、自動的に実行されてもよい。その時点で、コントローラ800は血液ポンプを停止することができる。
【0355】
自由端排液方法を参照すると、前記コントローラ800は、蠕動血液322、522ポンプを作動させてガスを体外流体回路内に吸引するようにさらに構成されてもよく、これは静脈ドリップチャンバ331、531を回して実行されてもよい。これは、操作者入力に応答して実行することができる。しかしながら、少なくとも1つの血液センサ871が体外流体回路内の最大許容閾値未満の血液濃度を検出したことに応答して、コントローラが血液ポンプ322、522を作動させることによって自動的に実行することもできる。前記閾値は、ガスの導入を可能にすることがいつ適切であるかを示すことができる。少なくとも1つの血液センサからの入力はまた、ガスの導入が実行されるべきであることを示す情報を提示するように操作者警告デバイス810を促すようにコントローラ800をトリガしてもよい。
【0356】
さらに、前記自由端排液方法を参照すると、クランプ368、568は、コントローラ800によって制御されるように構成された作動可能なピンチングタイプのクランプであってもよい。体外流体回路の第2のポートに対するクランプ368、568のロックは、前記コントローラ800を設けることによって行うことができる。ロックは、前記流体回路の第1のポートを介して流体回路内にガスを吸引する前に、リンスバック流体を体外流体回路に導入した後に、血液ポンプを介してガスを吸引することの開始に応答して実行されてもよい。
【0357】
再び
図29を参照すると、コントローラ800は、
図5-12を参照して提示された前記透析流体ポンプを利用する排液変形例を参照して説明された透析流体ポンプ224、324を制御するように構成される。したがって、前記コントローラは、透析器を通る、静脈ラインの方へのリンスバック流体の流れを生成するように、前記透析流体ポンプ202、302を作動させるように構成されてもよい。これは、操作者入力に応答して実行することができる。
【0358】
また、クランプ構成272、273は、作動可能なピンチ型クランプであってもよく、それにより、透析流体ポンプ224は、作動可能なクランプ構成272、273を介して体外流体回路に接続される。コントローラは、作動可能クランプ構成272、273を制御するように構成される。したがって、排液方法は、コントローラ800を介して前記クランプ構成を制御することによって、前記体外流体回路内にリンスバック流体を導入する前に、前記クランプ構成272、273を解放して、透析流体ポンプ224と体外流体回路との間に流体連通を形成することをさらに含むことができる。
【0359】
さらに、体外流体回路を排液する方法は、潜在的に接続された患者の空気塞栓症または損傷の危険性、ならびに透析機器の必須構成要素または前記透析機器に接続された構成要素の汚染を実質的に軽減するために、追加のセキュリティ対策を含んでもよい。
【0360】
例えば、排液方法は、所定の排液体積の超過に応答して排液を終了させることをさらに含んでもよい。これは体外流体回路が固定容積を有するがために可能であり、したがって、排液される所定の容積は残りの流体が体外流体回路内に残っているかどうかを示す。したがって、体外流体回路に残っている流体が残っているかどうかを検出するための単純かつ効率的な方法が達成される。
【0361】
したがって、体外流体回路は、前記体外流体回路を通る流体の流れを測定するように構成された少なくとも1つの流量センサ873を備えることができる。あるいは、これは体外流体回路に供給されるリンスバック流体の流れと比較して、透析器からの正味の除去率を測定することによって実行され得る。
【0362】
体外流体回路の排液方法は、体外流体回路内の所定の圧力に応答して排液を終了させるステップをさらに含むことができる。これは、前記体外流体回路内の圧力を測定または監視するように構成された少なくとも1つの圧力センサ140、240、340、440、540を設けることによって達成することができる。あるいは、前記センサが前記圧力の測定および監視の両方を行うように構成されてもよい。したがって、圧力の急激な変化は、体外流体回路内に残っている流体がほとんどまたは全くないことを示すことができる。したがって、例えば、体外流体回路の検出された圧力変化に応答して排液を終了させるように構成されたコントローラ800によって、体外流体回路に残っている流体がほとんどまたは全くない場合に排液を終了させるための完全に自動化された方法が可能になる。
【0363】
また、所定の圧力に応答して排液を防止することはまた、圧力が、例えば、体外流体回路に接続された構成要素を損傷する危険性の増大、または潜在的に接続された患者の危険性、に関連付けられた所定の閾値を超えることを含んでもよい。
【0364】
さらに、所定の圧力に応答した排液の前記終了は、透析器流体回路の圧力センサ872を設けることによって達成することができる。したがって、圧力センサは、透析器流体回路内の圧力を測定または監視するように構成される。あるいは、前記センサが前記圧力の測定および監視の両方を行うように構成されてもよい。したがって、圧力の急激な変化は、体外流体回路内に残っている流体がほとんどまたは全くないことを示すことができる。したがって、例えば、透析器流体回路の検出された圧力変化に応答して排液を終了させるように構成されたコントローラ800によって、体外流体回路に残っている流体がほとんどまたは全くない場合に排液を終了させるための完全に自動化された方法が可能になる。さらに、透析器流体回路内の圧力の監視は、ポンプ構成63、64が誤動作するか、または透析流体の不十分な流れを提供する場合の自動応答を可能にする。
【0365】
また、所定の圧力に応答して排液を防止することはまた、圧力が、例えば、体外流体回路に接続された構成要素を損傷する危険性の増大に関連付けられた所定の閾値を超えることを含んでもよい。
【0366】
透析器流体回路への負圧の印加はまた、血液が体外流体回路内で検出された場合に応答して、終了され得るか、または防止され得る。したがって、少なくとも1つの血液センサ871は前記流体回路を通って流れる流体中の血液を検出することができ、それによって、コントローラ800は、負圧の印加を終了するように促される。例えば、負圧の印加の終了は、ポンピングデバイス121、221、321、421、521によって行われるポンピングを防止または終了することによって行われてもよい。血液が検出されたときに排液を停止または防止することによって、体外流体回路が空になる前に、全ての血液を患者に戻すことができる。
【0367】
一実施形態では、コントローラ800は、ポンプ構成63、64、透析流体ポンプ224、324、ポンピングデバイス121、221、321、421、521、すなわち、空気ポンプ、のうちのいずれか1つの、一組の所定のパラメータに基づく制御を実行するように構成されてもよい。事前定義されたパラメータは、ポンプによって設定された流速、ならびに本方法に含まれる各ポンプの各動作のシーケンスおよびタイミングのためのタイミングシーケンスを含んでもよい。
【0368】
体外流体回路の容積は予め知られており、予め定められているので、排液の少なくとも一部は、ポンプ速度および作動タイミングを制御することによって単に完全に自動化されてもよい。これにより、センサ及び操作者の入力に著しく依存することなく、排液方法の少なくとも部分的な自動化が可能になり、それにより、センサエラーや操作者によって実行される人的エラーに対するより低い感受性のために、より堅牢で信頼性の高い排液方法が達成され得る。
【0369】
本技術の実施形態は、体外流体回路を排液するための方法を参照して本明細書に記載されている。本方法は、完全にハードウェアの実施形態、または透析機器の構成要素、および前記透析機器に接続された構成要素、すなわちセンサおよびポンプを含む、透析機器の動作を制御するためのコンピュータプログラムインストラクションを含むソフトウェアおよびハードウェア態様を組み合わせた実施形態の形態、で実施されてもよいことが理解されるのであろう。
【0370】
コンピュータプログラム製品はコンピュータ可読媒体を含み、その上に、前記コンピュータプログラムインストラクションを含むコンピュータプログラムコード手段を有する。コンピュータプログラムインストラクションはコントローラ800に提供されてもよく、コントローラは回路または前記プログラムインストラクションを実行するように構成されたプログラムコントローラを含み、これにより、ロードされ実行されたときのインストラクションが、それに従って透析機器を作動させるためのプログラムの指定された機能を実行するための手段を作成する。あるいは、コントローラは、回路と、前記プログラムインストラクションを実行するように構成されたプログラムコントローラと、の両方を備えてもよい。
【0371】
明確にするために、排液方法を実行するためのコントローラ810を備える例示的な透析機器が、以下に簡単に記載され、
図1~28を参照して記載される実施形態が参照される。
【0372】
透析機器110、210、310、410、510は、透析器130、230、330、430、530へのおよび透析器130、230、330、430、530、630からの透析流体の分配のために、透析器流体回路193、194、293、294、393、394、493、494、593、594およびポンプ構成63、64を介して体外流体回路100、200、300、400、500および透析器130、230、330、430、530、630に接続される。
【0373】
体外流体回路100、200、300、400、500は、患者から血液を引き出すために患者に接続可能な動脈ライン101、201、301、401、501と、患者に血液を戻すために患者に接続可能な静脈ライン102、202、302、402、502とを含む。
【0374】
透析機器は、コントローラ800と、体外流体回路100、200、300、400、500、600に接続され、前記体外流体回路にガスをポンプ輸送するためのポンプ構成121、221、321、421、521と、を備える。
【0375】
コントローラ800は、前記ポンピングデバイスおよびポンプ構成63、64に動作可能に接続される。従って、コントローラ800は、治療終了後に、前記体外流体回路から透析器130、230、330、430、530、630を通って残存する流体を排液1000、2000、3000するように、前記ポンピングデバイスおよびポンプ構成を制御するように構成される。
【0376】
前述のように、残りの流体は、透析器の透析器流体回路を通して排液されてもよい。
【0377】
ポンピングデバイス121、221、321、421、521は、入口109、209、309、391、409、509、591、691を介して体外流体回路100、200、300、400、500、600内にガスをポンピングして、残りの流体を透析器130、230、330、430、530、630に向かって押し、透析機器110、210、310、410、510、610を通って排液するように構成することができる。
【0378】
ポンピングデバイス121、221、321、421、521は、空気ポンプであってもよい。
【0379】
コントローラ800はさらに、排液1000、2000、3000の前に、体外流体回路100、200、300、400、500、600を満たすために、体外流体回路100、200、300、400、500、600にリンスバック流体1010、2010、3010を導入することを開始するよう構成されてもよい。
【0380】
コントローラ800はまた、ガスのポンピング中に透析器130、230、330、430、530、630および体外流体回路100、200、300、400、500からの残りの流体の正味の除去を達成するように、前記ポンプ構成を制御1030、2030、3030するように構成されてもよい。
【0381】
透析機器110、210、310、410、510、610はさらに、動脈ライン101、201、301、401、501、601に接続された蠕動血液ポンプ122、222、322、422、522に接続されてもよい。前記蠕動血液ポンプは、コントローラ800に動作可能に接続され、それによって、コントローラ800は透析器130、230、330、430、530、630の方にリンスバック流体の流れを生成するように、前記蠕動血液ポンプ122、222、322、422、522を作動させる1005、2005、3005ように構成される。
【0382】
閉回路排液を可能にするために、動脈ライン101、201、401は患者に接続可能な第1のポート191、291、491を備えることができ、静脈ライン102、202、402は患者に接続可能な第2のポート192、292、492を備えることができ、前記ポートは、体外流体回路100、200、400内へのガスのポンピングの前に互いに接続可能であるように構成される。
【0383】
前記第1のポート191、691はリンスバック流体を流体回路100、600に導入する前に、リンスバック流体コンテナ170に接続可能であるようにさらに構成されてもよい。
【0384】
さらに、コントローラ800は治療終了後に透析器130、630を通してリンスバック流体コンテナ170内の残りのリンスバック流体を排液するように、ポンプ構成63、64を制御するように構成されてもよい。
【0385】
図5-17および
図21を参照して説明される実施形態によれば、コントローラ800は透析器230、330、430、630の方へのリンスバック流体の流れの生成に先立って、動脈ライン201、301、401、601を空にするために、動脈ライン201、301、401、601の方への血液の押し戻し流を生成する2003、3003ように、蠕動血液ポンプ222、322、422を作動させるように構成されてもよい。
【0386】
さらに、コントローラ800は動脈ライン201、301、401の血液が実質的に空になったときに、前記押し戻し流の生成を停止するように、前記蠕動血液ポンプ222、322、422を停止する2004、3004ように構成されてもよい。
【0387】
図5~12を参照して記載される実施形態を参照すると、透析機器210、310はまた、体外流体回路200、300、600に接続される透析流体ポンプ224、324に接続され得、それによって、コントローラ800は、上記透析流体ポンプに動作可能に接続され、そして上記コントローラは透析器230、330、630を通る静脈ライン(202、302、602)の方へのリンスバック流体の流れを生成するように、透析流体ポンプ224、324を活性化するように構成される。したがって、リンスバック流体の流れは、透析器を通って流れることによって透析器血液ラインを通って流れることができる。
【0388】
透析流体ポンプ224はさらに、クランプ構成272、273を介して透析器230の下流及び上流の両方で体外流体回路200に接続されてもよい。クランプ構成272、273は、前記体外流体回路200にリンスバック流体を導入する前に、透析流体ポンプ224と体外流体回路200との間に流体連通を形成するように解放される2002ように構成される。
【0389】
前記透析流体ポンプ224は、逆止弁271を介して流体回路に接続することができ、逆止弁271は、透析流体ポンプ224への流体の逆流を防止するように構成される。逆止弁は使い捨て弁であってもよい。
【0390】
そのような透析流体ポンプに接続されていない透析機器におけるより効率的な排液を可能にするために、コントローラ800は、リンスバック流体を体外流体回路400、500に導入するようにポンプ構成63、64を制御するように構成されてもよい。
【0391】
動脈ラインと静脈ラインとを接続することなく排液を達成するために、静脈ライン302、502、602に接続された静脈ドリップチャンバ331、531531は残りの流体を前記静脈ドリップチャンバ331、531531から空にし、それによって体外流体回路300、500、600にガスを導入するために、回動する3013ように構成されてもよい。
【0392】
したがって、コントローラ800は、蠕動血液ポンプ322、522を作動させて、第1のポート391、591、691を介して体外流体回路300、500、600内にガスを吸引するように構成することができる。
【0393】
さらに、クランプ368、568は、体外流体回路300、500に前記リンスバック流体を導入した3010後、第2のポート392、592に対してロックされ3011、第1のポート391、591を介して流体回路内にガスを吸引する前に解放される3012ように構成されてもよい。
【0394】
排液された流体のより安全な取り扱いを達成するために、コントローラ800は、体外流体回路から除去された残りの流体を透析機器110、210、310、410、510のドレン68に運ぶ1060、2060、3060ように、ポンプ構成63、64を制御するように構成されてもよい。
【0395】
より安全な排液を可能にする透析機器を達成するために、コントローラ800は、所定の排液量の超過に応答して排液(1000、2000、3000)を終了するように構成されてもよい。
【0396】
コントローラは、透析器流体回路193、194、293、294、393、394、493、494、593、594、693、694、または体外流体回路100、200、300、400、500、600内の所定の圧力に達したことに応答して、排出1000、2000、3000を終了するように構成されてもよい。
【0397】
コントローラ800はまた、体外流体回路100、200、300、400、500、600において血液が検出された場合に応答して、ポンピングデバイス121、221、321、421、521による気体のポンピングを防止するように構成されてもよい。
【0398】
同様に、コントローラ800は、体外回路100、200、300、400、500、600において血液が検出された場合に応答して、ポンピングデバイス121、221、321、421、521によるガスのポンピングを終了するように構成されてもよい。
【0399】
図21を参照して説明される実施形態を参照すると、プレ再注入クランプ851は、排液1000、2000、3000の前に開かれ、リンスバック流体が体外回路600に導入された後に閉じられるように構成されてもよい。
【0400】
動脈ライン601は、排液1000、2000、3000の前にサービスライン651に取り付けられるように構成されてもよい。
【0401】
さらに例示するために、充填方法を実行するためのコントローラ810を備える透析機器の一例が、以下に簡単に記載され、
図1~28を参照して記載される実施形態が参照される。
【0402】
透析機器210、310は、透析器230、330と、体外流体回路200、300と、体外流体回路200、300に接続されたポンピングデバイス224、324と、に接続される。
【0403】
前記体外流体回路200、300は、患者から血液を引き出すために患者に接続可能な動脈ライン201、301と、患者に血液を戻すために患者に接続可能な静脈ライン202、302と、を備え、透析機器は前記ポンピングデバイスに動作可能に接続されたコントローラ800を備える。
【0404】
したがって、コントローラは、ポンピングデバイス224、324を制御して、透析器230、330を通る、第2のポート292、392の方へのリンスバック流体の流れを生成し、それによってリンスバック流体の体外流体回路200、300へのポンプ送りを生成し2002、それによって前記体外流体回路を満たすように構成される。したがって、リンスバック流体の流れは、透析器の透析器血液ラインを通って第2のポートに向けて生成される。したがって、リンスバック流体の流れは、透析器血液ラインを通って静脈ラインへと生成され得る。
【0405】
コントローラ800はさらに、動脈ライン201、301から血液を空にするように、第1のポート291、391の方に血液の押し戻し流を生成するようにポンプする2001ように、ポンピングデバイス324を制御するよう構成されてもよい。
【0406】
したがって、コントローラ800は、体外流体回路200、300に接続され、コントローラ800に動作可能に接続された蠕動血液ポンプ222、322を作動させて2003、第2のポート292、392の方にリンスバック流体の流れを生成するように構成することができる。
【0407】
さらに、コントローラ800は動脈ライン201、301の血液が実質的に空になったときに、前記押し戻し流のポンピングを停止するように、前記蠕動血液ポンプ222、322を停止する2004ように構成されてもよい。
【0408】
ポンピングデバイス224は、クランプ構成272、273を介して透析器230の下流および上流の両方で体外流体回路200に接続されてもよく、それによって、前記クランプ構成はリンスバック流体を前記体外流体回路200にポンピングする前に、ポンピングデバイス224と体外流体回路200との間に流体連通を形成するように解放2002されるように構成される。
【0409】
前記ポンピングデバイス224、324は透析流体ポンプであってもよく、透析流体ポンプは体外流体回路200、300に透析流体を供給するように配置される。
【0410】
一実施形態では、ライセート流体は、リンスバック流体の後に流体回路内に導入されて、体外流体回路内の任意の残りの赤血球を破壊することができる。残りの赤血球が効果的に分解されるため、赤血球の内部流体が流体と一緒に洗浄除去することがより容易になる結果として、体外流体回路のより完全な洗浄が達成され得る。ライセート流体の導入および充填は、上記の実施形態のいずれかにおけるリンスバック流体の導入と同様の様式で実施され得、そして以下により詳細に説明される。
【0411】
図30を参照すると、透析機器110、210、310、410、510、610を利用して体外流体回路100、200、300、400、500、600を排液する方法が概略的に示されている。透析機器は
図1-21に示されるように、透析器130、230、330、430、530、630および前記体外流体回路に接続される。前記体外流体回路は、患者から血液を引き出すために患者に接続可能な動脈ラインと、患者に血液を返すために患者に接続可能な静脈ラインと、を備える。
【0412】
この実施形態によれば、この方法は治療終了後に、透析器を通して前記体外流体回路から残留流体を排液すること1000、2000、3000を含む。
図1~20を参照して説明したように、この方法は、透析器の透析器流体回路を通して排液することを含む。言い換えると、透析器を通る排液は、透析器流体回路を通る排液によって行われる。
【0413】
方法はさらに、体外流体回路100、200、300、400、500、600を充填するために、
図22~28を参照して説明する排液に従って、排液1000、2000、3000の前に、リンスバック流体を体外流体回路に導入すること1010、2010、3010をさらに含む。
【0414】
図30に示されるように、方法はさらに、排液1000、2000、3000の前に体外流体回路100、200、300、400、500、600を満たすためにリンスバック流体1010、2010、3010を導入した後に、体外流体回路100、200、300、400、500、600に、ライセート流体6090を導入することを含む。
【0415】
ライセート流体は、赤血球の構造を破壊するように適合される。それによって、体外流体回路の追加のフラッシングは、排液後により清浄な体外流体回路をもたらすことができる。ライセート流体の効率に応じて、体外流体回路は、有害廃棄物として分類されないことがあり、または少なくともより低く分類された廃棄物となりえ、その結果、処分取扱コストに関して医療機関にとって実質的な節約となることがある。さらに、排液後に赤血球が体外流体回路に付着する危険性を低減することができ、これにより、汚染の危険性がより低くなることに関連する、より清潔な廃棄処理が可能になる。
【0416】
ライセート流体は、例えばクエン酸を含んでもよく、それによってライセート流体はクエン酸を含む溶液であってもよい。
【0417】
さらに、または代替として、ライセート流体は、RO水(RO=逆浸透)を含んでもよく、それによって、ライセート流体はRO水を含む溶液、すなわち、イオン、分子、およびより大きな粒子を除去するために逆浸透に曝される水であってもよい。これにより、水は赤血球の構造を破壊することができる。
【0418】
一実施形態では、ライセート流体がRO-水およびクエン酸の両方を含む。
【0419】
ライセート流体は、液体であってもよい。同様に、リンスバック流体は、液体であってもよい。
【0420】
体外流体回路は
図1-28を参照して説明したように、透析器流体回路に体外流体回路に対する負圧を加えることによって、透析器を通って排液される。
【0421】
言い換えれば、体外流体回路に対して透析器流体回路に加えられる負圧は、体外流体回路と透析器流体回路との間に圧力差を誘発して、体外流体回路から透析器流体回路内への流体の吸引、例えば流れを生成すると考えることができる。
【0422】
言い換えると、体外流体回路の圧力に対する透析流体回路圧力は、体外流体回路から透析流体回路内への流体の吸引が生成されるようなものであってもよい。
【0423】
したがって、ライセート流体の導入後に体外流体回路内に残っている流体は、
図1-28を参照して前述したように、リンスバック流体の導入後に残っている流体と同様の方法で透析器を通って排液される。前記残りの流体は、透析器の透析器流体回路を通して排液されてもよい。
【0424】
ある実施の形態では、方法は、リンスバック流体の導入1010、2020、3010の後、かつ、ライセート流体の体外流体回路への導入6090の前、に透析器130、230、330、430、530、630を通じて体外流体回路100、200、300、400、500、600から残っている流体を排液すること1000、2000、3000を含む。
【0425】
したがって、体外流体回路100、200、300、400、500、600は、ライセート流体で満たされる前に、リンスバック流体および透析からの残りの流体から前記回路を空にするために、ガスで満たされてもよい。体外流体回路がライセート流体で実質的に満たされた後、残りの流体はライセート流体と残りのリンスバック流体と透析からの残りの流体との形であり、前記体外流体回路の流体は同様の方法で、すなわち体外流体回路をガスで満たすことによって、透析器を通して空にされる。したがって、体外流体回路はリンスバック流体およびライセート流体の両方の導入後に、実質的にガスで満たされるように排液される。
【0426】
リンスバック流体の導入後に体外流体回路をガスで満たすことに関して前述したように、ガスは、空気ポンプによって閉回路に導入されてもよく、または回路の自由ポートを介して空気を導入することによって導入されてもよい。
【0427】
ある実施の形態では、方法は、リンスバック流体の導入1010、2020、3010の後、かつ、ライセート流体の体外流体回路への導入6090の前、に透析器130、230、330、430、530、630を通じて体外流体回路100、200、300、400、500、600から残っている流体を排液すること1000、2000、3000を含む。したがって、体外流体回路は、リンスバック流体の導入後にガスで満たされず、代わりに、ライセート流体は、リンスバック流体を、透析器に向かって押し、透析器を通るように押し、例えば透析器流体回路を介して透析機器のドレンに押し出すように導入される。
【0428】
これにより、リンスバック流体の導入後に体外流体回路をガスで満たすことによる排液の中間ステップが不要となり、これにより、より迅速な排液処理が可能になる。
【0429】
図1から28を参照して説明された排液にしたがって、ライセート流体の排液は、透析流体回路193、194、293、294、393、394、493、494、593、594に印加される、体外流体回路100、200、300、400、500、600に対して負となる圧力が、体外流体回路100、200、300、400、500、600にガスを導入することによって印加されることによって達成されてもよい。
【0430】
言い換えれば、体外流体回路に対して透析器流体回路に加えられる負圧は、体外流体回路100と透析器流体回路193、194、293、294、393、394、493、494、593、594との間に圧力差を誘発して、体外流体回路から透析器流体回路193、194、293、294、393、394、493、494、593、594内への流体の吸引、例えば流れを生成すると考えることができる。
【0431】
ガスの導入は、入口109、209、309、391、409、509、591、691を介して体外流体回路100、200、300、400、500、600にガスをポンプで送ることによって行われる。残りの流体は、透析機器110、210、310、410、510、610を通って排液するために、透析器130、230、330、430、530、630に向かって押される。
【0432】
ガスは、入口109,209,309,391,409,509,609を介して体外流体回路100,200,300,400,500,600に接続されているポンピングデバイス121,221,321,421,521を用いて、体外流体回路100,200,300,400,500,600へとポンプで入れられる。ポンピングデバイス121、221、321、421、521は、空気ポンプであってもよい。
【0433】
図1から21から自明であるが、透析機器110、210、310、410、510、610はさらに、動脈ライン101、201、301、401、501、601に接続された蠕動血液ポンプ122、222、322、422、522に接続される。体外流体回路内の流体(例えば、リンスバック流体またはライセート流体であり得る)が透析器に向かって押し込まれることを可能にするために、蠕動血液ポンプが利用され得る。したがって、本方法はさらに、それぞれリンスバック流体およびライセート流体の導入中に透析器130、230、330、430、530、630の方へのリンスバック流体および/またはライセート流体の流れを生成するために、前記蠕動血液ポンプ122、222、322、422、522を作動させるステップ1005、2005、3005をさらに含むことができる。
【0434】
例えば
図1-10および
図13-17に示される透析システムの実施形態を参照すると、動脈ライン101、201、401は患者に接続可能な第1のポート191、291、491を備え、静脈ライン102、202、402は患者に接続可能な第2のポート192、292、492を備える。この方法は、ガスを体外流体回路100、200、400に導入する前に、第1のポート191、291、491を第2のポート192、292、492に接続する1015、2015ことを含む。
【0435】
したがって、ライセート流体は、リンスバック流体が導入された後、閉回路に導入される。これは、より清浄な排液プロセスを可能にする。ポートが互いに接続されている場合、残りの排液処理は、透析機器によって自動的に実行されてもよい。さらに、ポートの接続は、従来の排液を実行するのに必要な動作と比較して、操作者にとって実行するのに比較的簡単な手段である。
【0436】
一実施形態では第1および第2のポートがガスの導入の前に接続され、結果として生じる体外流体回路へのガスの充填は前記体外流体回路へのライセート流体の導入の前に行われる。
【0437】
例えば、
図5-12または
図21に示される透析システムの実施形態を参照すると、透析機器210、310は透析流体ポンプ224、324に接続され、次に、体外流体回路200、300に接続される。前記体外流体回路200、300を満たすための体外流体回路200、300へのリンスバック流体の導入は、透析流体ポンプ224、324を作動させて、透析器230、330を通る、例えば透析器の透析器血液ラインを通る静脈ライン202、302の方へのリンスバック流体の流れを生成することによって行われる。
【0438】
図31を参照すると、体外流体回路をライセート流体で満たすために、ライセート流体ポンプ924を利用することができる。透析機器210は、ライセート流体ポンプ924に接続され、ライセート流体ポンプ924は体外流体回路200に接続されている。前記体外流体回路を満たすための体外流体回路200へのライセート流体の導入は、ライセート流体ポンプ924を作動させて、透析器230を通る、例えば透析器230の透析器血液ラインを通る静脈ライン202の方へのライセート流体の流れを生成することによって行われる。
【0439】
例えば、
図11-12および
図18-19に図示されるように、静脈ドリップチャンバ331、531は流体を空にし、それによって体外流体回路にガスを導入することを可能にするために、反転され得る、すなわち、逆さまにされ得る。これは、体外流体回路内のリンスバック流体およびライセート流体の両方の排液に関連して実行されてもよい。したがって、本方法はさらに、静脈ライン302、502に接続された静脈ドリップチャンバ331、531を、残りの流体を前記静脈ドリップチャンバ331、531から空にして体外流体回路300、500にガスを導入するために回すこと3013を含むことができる。
【0440】
蠕動血液ポンプ322、522を活性化して第1ポート391、591を介して体外流体回路300、500にガスを引き込むことによって、体外流体回路300、500にガスを導入してもよい。それによって、体外流体回路内に存在するリンスバック流体またはライセート流体は、透析器に向かって押される。これは、それぞれリンスバック流体またはライセート流体の体外流体回路への導入後に行われるかどうかに応じて、リンスバック流体またはライセート流体の導入後に行われてもよい。
【0441】
こぼれを回避するために、この方法はさらに、体外流体回路300、500に前記リンスバック流体を導入した後3010、クランプ368、568を第2のポート392、592に対してロックするステップ3011と、第1のポート391、591を介して流体回路内にガスを吸引する前に、前記クランプ368、568を解放するステップ3012とをさらに含むことができる。
【0442】
一実施形態では、蠕動血液ポンプ322、522よりも高い流量でポンプ構成63、64を制御することによって、ポンプ構成63、64は体外流体回路からの流体の正味の除去を達成するように制御される。したがって、流体がポート392、592を通って出る危険性を軽減することができる。
【0443】
透析器を通る排液を可能にするために、クランプのロックおよび解放はリンスバック流体の排液中およびライセート流体の排液中の両方で実行されてもよい。
【0444】
図1~19の実施形態および
図20のポンプ構成を参照すると、ポンプ構成63、64を制御することによってリンスバック流体が提供される。したがって、リンスバック流体は、ポンプ構成63、64の制御によって体外流体回路400、500に導入される。
【0445】
一実施形態では、ポンプ構成63,64は更に、透析器130,230,330,430,530へおよび透析器からのライセート流体の流通のためのライセート流体ポンプを含む。したがって、ポンプ構成63、64は、透析器流体回路193、194、293、294、393、394、493、494、593、594、693、694を介して体外流体回路にライセート流体を分配するように適合されたライセート流体ポンプをさらに備えることができる。このようにして、ライセート流体ポンプは、ポンプ構成63、64に一体化されてもよい。
【0446】
ポンプ構成63、64の一部または独立して制御されるライセート流体ポンプ924であってもよいライセート流体ポンプは、コントローラ800に動作可能に接続されてもよい。前記コントローラは、前記ライセート流体ポンプを制御して、体外流体回路内にライセート流体を選択的に分配するように構成されてもよい。したがって、本方法はさらに、リンスバック流体が前記体外流体回路100、200、300、400、500に導入された後に、ライセート流体を体外流体回路100、200、300、400、500に分配するように前記ポンプ構成63、64を制御することをさらに含むことができる。
【0447】
ポンプ構成63、64は、透析器流体回路および体外流体回路100、200、300、400、500を介して透析器130、230、330、430、530、630からの流体の除去を維持しながら、体外流体回路100、200、300、400、500にライセート流体を分配するように制御されてもよい。例えば
図1-4に示される透析システムの実施形態および
図21の実施形態を参照すると、排液方法はさらに、リンスバック流体を流体回路100、600に導入する前に、動脈ライン101、601をリンスバック流体コンテナ170に接続すること1004を含む。残りのリンスバック流体は、治療終了後に透析器130、630を通して排液されてもよい。前述のように、残りのリンスバック流体は、透析器の透析器流体回路を通して排液されてもよい。
【0448】
リンスバック流体と同様に、ライセート流体は
図32に示されるように、ライセート流体コンテナ970によって導入されてもよい。その結果、本方法は、ライセート流体を流体回路100、600に導入する前に、動脈ライン101、601をライセート流体コンテナ970に接続すること6004をさらに含むことができる。残りのライセート流体は、治療終了後に透析器130、630を通して排液されてもよい。
【0449】
ライセート流体は、リンスバック流体コンテナ170を動脈ラインから切り離し、代わりにライセート流体コンテナ970を接続することによって提供されてもよい。あるいは、ライセート流体コンテナ970は別個の入口を介して動脈ラインに接続されてもよい。
【0450】
一実施形態では、排液はさらに、体外流体回路から除去された残りの流体を、
図20に示すように、透析機器110、210、310、410、510のドレン68に運ぶこと1060、2060、3060をさらに含む。残りの流体はリンスバック流体の導入後およびライセート流体の導入後の両方で、それぞれドレン68に移動されてもよい。
【0451】
排液は、所定の排液流体体積の超過に応答して、すなわち、十分な排液が達成されたときに、排液1000、2000、3000を終了させることによって、さらに制御されてもよい。さらに、排液1000、2000、3000は、透析器流体回路193、194、293、294、393、394、493、494、593、594、693、694における所定の圧力に応答して終了され得る。
【0452】
安全対策として、体外流体回路100、200、300、400、500、600内で血液が検出された場合に応答して、負圧の印加を防止することができる。追加的に、体外流体回路100、200、300、400、500、600内で血液が検出された場合に応答して、負圧の印加を終了してもよい。
【0453】
一態様によれば、透析機器110、210、310、410、510が提供される。透析機器は、体外流体回路100,200,300,400,500と透析器130,230,330,430,530とに接続され、体外流体回路100,200,300,400,500が、患者から血液を引き出すために患者に接続可能な動脈ライン101、201、301、401、501と、患者に血液を返すために患者に接続可能な静脈ライン102、202、302、402、502と、を備える。透析機器は、上述の実施形態のいずれかに従って排液するための方法を実行するように構成される。
【0454】
本技術の態様は、体外流体回路を排液するための方法およびその方法を実行するための透析機器を開示する以下のセクションを参照して、以下に記載される。
【0455】
さらに、本技術の別の態様は、体外流体回路をリンスバック流体で満たすための方法を開示する以下のセクション、および前記満たす方法を実行するための透析機器を参照して、以下に記載される。
【0456】
一態様によれば、透析機器110、210、310、410、510を利用して体外流体回路100、200、300、400、500、600を排液するための方法が提供される。透析機器110、210、310、410、510、610は、透析器130、230、330、430、530、630および前記体外流体回路100、200、300、400、500、600に接続される。前記体外流体回路100、200、300、400、500、600は、患者から血液を引き出すために患者に接続可能な動脈ライン101、201、301、401、501、601と、患者に血液を戻すために患者に接続可能な静脈ライン102、202、302、402、502、602とを含む。方法は、前記体外流体回路110、210、310、410、510、610からの治療終了の後、透析器130、230、330、430、530、630を通じて前記体外流体回路から残っている流体を排液すること1000、2000、3000を含む。
【0457】
残りの流体は、治療終了後に体外流体回路内に存在する残りの液体であってもよい。
【0458】
透析器130、230、330、430、530、630は、透析器130、230、330、430、530、630へのおよびそれからの透析流体の流通のために、透析器流体回路193、194、293、294、393、394、493、494、593、594を介して透析機器110、210、310、410、510、610に接続されてもよい。
【0459】
方法は、透析器130、230、330、430、530、630を通して、例えば透析器130、230、330、430、530、630の透析器流体回路193、194、293、294、393、394、493、494、593、594を通して、前記体外流体回路からの残りの流体を排出すること1000、2000、3000を含んでもよい。
【0460】
体外流体回路110、210、310、410、510、610は、透析器流体回路193、194、293、294、393、394、493、494、593、594に体外流体回路100、200、300、400、500、600に対する負圧を加えることによって、透析器130、230、330、430、530、630を通って排液される。
【0461】
言い換えると、透析器流体回路に体外流体回路に対する負圧勾配が印加される。負圧勾配は、体外流体回路と比較して、透析器流体回路においてより低い圧力を達成するために適用される。したがって、体外流体回路から透析器流体回路に向かう流体、例えば液体の流れが達成される。
【0462】
ある実施の形態では、前記透析流体回路193、194、293、294、393、394、493、494、593、594に印加される、前記体外流体回路100、200、300、400、500、600に対して負となる前記圧力が、前記体外流体回路100、200、300、400、500、600にガスを導入することによって印加され、
【0463】
ある実施の形態では、ガスの導入は、入口109、209、309、391、409、509、591、691を介して体外流体回路100、200、300、400、500、600にガスをポンプで送ることによって行われる。残りの流体は、透析機器110、210、310、410、510、610を通って排液するために、透析器130、230、330、430、530、630に向かって押される。ガスは空気であってもよい。
【0464】
ある実施の形態では、ガスは、入口109,209,309,391,409,509,609を介して体外流体回路100,200,300,400,500,600に接続されているポンピングデバイス121,221,321,421,521を用いて、体外流体回路100,200,300,400,500,600へとポンプで入れられる。
【0465】
ある実施の形態では、方法はさらに、前記排液1000、2000、3000の前に、前記体外流体回路100、200、300、400、500、600を満たすために、前記体外流体回路100、200、300、400、500、600にリンスバック流体を導入すること1010、2010、3010を含む。
【0466】
リンスバック流体は、液体、すなわちリンスバック液体であってもよい。
【0467】
一実施形態では透析器130、230、330、430、530、630は透析器130、230、330、430、530へのおよびそこからの透析流体の流通のためのポンプ構成63、64に接続される。方法はさらに、負圧の印加中に透析器130、230、330、430、530、630および体外流体回路100、200、300、400、500からの残りの流体の正味の除去を達成するように、前記ポンプ構成63、64を制御すること1030、2030、3030を含むことができる。
【0468】
ある実施の形態では、透析機器110、210、310、410、510、610はさらに、動脈ライン101、201、301、401、501、601に接続された蠕動血液ポンプ122、222、322、422、522に接続される。本方法はさらに、透析器130、230、330、430、530、630の方へのリンスバック流体の流れを生成するために、前記蠕動血液ポンプ122、222、322、422、522を作動させること1005、2005、3005を含むことができる。
【0469】
ある実施の形態では、動脈ライン101、201、401は患者に接続可能な第1のポート191、291、491を備え、静脈ライン102、202、402は患者に接続可能な第2のポート192、292、492を備える。方法はさらに、ガスを体外流体回路100、200、400に導入する前に、第1のポート191、291、491を第2のポート192、292、492に接続する1015、2015ことを含んでもよい。
【0470】
ある実施の形態では、方法はさらに、リンスバック流体を流体回路100、600に導入する前に、動脈ライン101、601をリンスバック流体コンテナ170に接続する1004ことを含むことができる。
【0471】
リンスバック流体コンテナ170内の残りのリンスバック流体は、治療終了後に透析器130、630を通して排液されてもよい。
【0472】
リンスバック流体コンテナ170内の残りのリンスバック流体は、したがって、治療終了後に透析器130、630の透析器流体回路193、194、693、694を通して排液されてもよい。
【0473】
ある実施の形態では、方法はさらに、透析器230、330、430、630の方へのリンスバック流体の流れを生成する前に、血液の動脈ライン201、301、401、601を空にするために、動脈ライン201、301、401、601の方への血液のプッシュバック流れを生成すること2003、3003を含んでもよい。
【0474】
方法はさらに、押し戻し流を生成するように、例えば生成するために、蠕動血液ポンプ222、322、422を作動させることと、動脈ライン201、301、401から実質的に血液が空になったときに押し戻し流の生成を停止するように蠕動血液ポンプ222、322、422を停止すること2004、3004とを含む。
【0475】
一実施形態では透析機器210、310は体外流体回路200、300、600に接続された透析流体ポンプ224、324に接続される。前記体外流体回路200、300を満たすための体外流体回路200、300、600へのリンスバック流体の導入は、透析流体ポンプ224、324を作動させて、透析器230、330、630を通る静脈ライン202、302、602の方へのリンスバック流体の流れを生成することによって行われる。
【0476】
流れは、透析器230、330、630の透析器血液ラインを通って静脈ライン202、302、602に向かって生成され得る。したがって、リンスバック流体の流れは、透析器血液ラインを通って静脈ラインへと生成され得る。
【0477】
透析流体ポンプ224は、クランプ構成272、273を介して透析器230の下流及び上流の両方で体外流体回路200に接続されてもよい。方法はさらに、リンスバック流体を体外流体回路200内に導入する前に、ポンピングデバイス224と体外流体回路200との間に流体連通を形成する前記クランプ構成272、273を解放するステップ2002をさらに含むことができる。したがって、クランプ構成の解放2002は、透析流体ポンプ224と体外流体回路200との間の流体連通を確立する。
【0478】
透析流体ポンプ224は、逆止弁271を介して流体回路に接続されてもよい。本方法は、前記逆止弁271を用いて透析流体ポンプ224への流体の逆流を防止することをさらに含んでもよい。
【0479】
方法はさらに、体外流体回路200がガスで満たされた後に、前記逆止弁271を廃棄すること2050を含むことができる。
【0480】
ある実施の形態では、方法は、ポンプ構成63、64の制御を通してリンスバック流体を体外流体回路400、500に導入することをさらに含んでもよい。
【0481】
一実施形態では、方法は、静脈ライン302、502、602に接続された静脈ドリップチャンバ331、531を回転させること3013を含むことができる。
【0482】
前記静脈ドリップチャンバ331、531は、前記静脈ドリップチャンバ331、531に残っている流体を空にするために回され、それによってガスが前記体外流体回路300、500、600に導入されてもよい。静脈ドリップチャンバ331、531は、実質的に逆さまにされてもよい。
【0483】
蠕動血液ポンプ322、522を活性化して第1ポート391、591、691を介して体外流体回路300、500、600にガスを引き込むことによって、体外流体回路300、500、600にガスを導入してもよい。
【0484】
方法はさらに、体外流体回路300、500に前記リンスバック流体を導入した3010後、クランプ368、568を第2のポート392、592に対してロックすること3011と、第1のポート391、591を介して流体回路内にガスを吸引する前に、前記クランプ368、568を解放すること3012とをさらに含むことができる。
【0485】
一実施形態では、方法はさらに、体外流体回路から除去された残りの流体を、透析機器110、210、310、410、510のドレン68に運ぶこと1060、2060、3060を含む。
【0486】
体外流体回路から除去された残りの流体は、透析器流体回路193、194、293、294、393、394、493、494、593、594を介して透析機器110、210、310、410、510のドレン68に運ばれてもよい。
【0487】
ある実施の形態では、ポンピングデバイス121、221、321、421、521は、空気ポンプである。
【0488】
一実施形態では、方法は、所定の排液流体体積の超過に応答して、排液1000、2000、3000を終了させることを含む。
【0489】
ある実施の形態では、方法は、透析器流体回路193、194、293、294、393、394、493、494、593、594、693、694における所定の圧力に応答して排液1000、2000、3000を終了することを含む。
【0490】
一実施形態では、方法は、体外流体回路100、200、300、400、500、600内で血液が検出された場合に応答して負圧の印加を防止することを含む。
【0491】
一実施形態では、方法は、体外流体回路100、200、300、400、500、600内で血液が検出された場合に応答して負圧の印加を終了することを含む。したがって、負圧の印加は、前記回路において検出される血液に応答して終了される。
【0492】
ある実施の形態では、プレ再注入クランプ851は、排液1000、2000、3000の前に開かれ、リンスバック流体が体外回路600に導入された後に閉じられる。
【0493】
ある実施の形態では、動脈ライン601は、排液1000、2000、3000の前にサービスライン651に取り付けられる。
【0494】
一態様によれば、透析機器が提供される。透析機器110、210、310、410、510は、体外流体回路100、200、300、400、500および透析器130、230、330、430、530に接続されている。体外流体回路100、200、300、400、500は、患者から血液を引き出すために患者に接続可能な動脈ライン101、201、301、401、501と、患者に血液を戻すために患者に接続可能な静脈ライン102、202、302、402、502とを含む。透析機器は、上述の実施形態に従って排液するための方法を実行するように構成されてもよい。
【0495】
一態様によれば、透析機器が提供される。透析機器110、210、310、410、510は、透析器130、230、330、430、530へのおよび透析器130、230、330、430、530、630からの透析流体の分配のために、透析器流体回路193、194、293、294、393、394、493、494、593、594およびポンプ構成63、64を介して体外流体回路100、200、300、400、500および透析器130、230、330、430、530、630に接続される。体外流体回路100、200、300、400、500は、患者から血液を引き出すために患者に接続可能な動脈ライン101、201、301、401、501と、患者に血液を戻すために患者に接続可能な静脈ライン102、202、302、402、502とを含む。
【0496】
透析機器は、コントローラ800と、体外流体回路100、200、300、400、500、600に接続され、前記体外流体回路にガスをポンプ輸送するためのポンプ構成121、221、321、421、521と、を備えてもよい。
【0497】
コントローラ800は、前記ポンピングデバイスおよびポンプ構成63、64に動作可能に接続されてもよい。従って、コントローラ800は、治療終了後に、前記体外流体回路から透析器130、230、330、430、530、630を通って残存する流体を排液1000、2000、3000するように、前記ポンピングデバイスおよびポンプ構成を制御するように構成されてもよい。
【0498】
コントローラは、ポンプ構成63、64およびポンピングデバイス121、122、321、421、521を制御して、治療終了後に、残存流体を透析器130、230、330、430、530、630を介して、例えば透析器130、230、330、430、530、630の透析器流体回路193、194、293、294、393、394、493、494、593、594を介して前記体外流体回路から排液するように構成されてもよい。
【0499】
残りの流体は、治療終了後に体外流体回路内に存在する液体であってもよい。
【0500】
ポンピングデバイス121、221、321、421、521は、入口109、209、309、391、409、509、591、691を介して体外流体回路100、200、300、400、500、600内にガスをポンピングして、残りの流体を透析器130、230、330、430、530、630に向かって押し、透析機器110、210、310、410、510、610を通って排液するように構成することができる。
【0501】
ある実施の形態では、コントローラ800は、排液1000、2000、3000の前に、体外流体回路100、200、300、400、500、600を満たすために、体外流体回路100、200、300、400、500、600にリンスバック流体1010、2010、3010を導入することを開始するよう構成されてもよい。
【0502】
リンスバック流体は、液体、すなわちリンスバック液体であってもよい。
【0503】
ある実施の形態では、コントローラ800はまた、ガスのポンピング中に透析器130、230、330、430、530、630および体外流体回路100、200、300、400、500からの残りの流体の正味の除去を達成するように、前記ポンプ構成を制御1030、2030、3030するように構成される。
【0504】
透析機器110、210、310、410、510は、動脈ライン101、201、301、401、501、601に接続された蠕動血液ポンプ122、222、322、422、522に接続されてもよい。前記蠕動血液ポンプは、コントローラ800に動作可能に接続され、それによって、コントローラ800は透析器130、230、330、430、530、630の方にリンスバック流体の流れを生成するように、前記蠕動血液ポンプ122、222、322、422、522を作動させる1005、2005、3005ように構成されてもよい。したがって、コントローラは、蠕動血液ポンプを作動させて前記流れを生成するように構成される。
【0505】
ある実施の形態では、動脈ライン101、201、401は患者に接続可能な第1のポート191、291、491を備え、静脈ライン102、202、402は患者に接続可能な第2のポート192、292、492を備える。前記ポートは体外流体回路100、200、400へのガスのポンピングの前に、互いに接続可能であるように構成される。
【0506】
第1のポート191、691はリンスバック流体を流体回路100、600に導入する前に、リンスバック流体コンテナ170に接続可能であるように構成されてもよい。
【0507】
コントローラ800は治療終了後に透析器130、630を通してリンスバック流体コンテナ170内の残りのリンスバック流体を排液するように、ポンプ構成63、64を制御するように構成されてもよい。したがって、コントローラは、ポンプ構成を制御して、前記コンテナ内の残りのリンスバック流体を排液するように構成される。
【0508】
コントローラ800は、治療終了後に透析器130、630の透析器流体回路193、194、693、694を通してリンスバック流体コンテナ170内の残りのリンスバック流体を排液するように、ポンプ構成63、64を制御するように構成されてもよい。
【0509】
コントローラ800はさらに、透析器230、330、430、630の方へのリンスバック流体の流れの生成に先立って、動脈ライン201、301、401、601を空にするために、動脈ライン201、301、401、601の方への血液の押し戻し流を生成する2003、3003ように、蠕動血液ポンプ222、322、422を作動させるように構成されてもよい。したがって、コントローラは、蠕動血液ポンプを作動させて前記血液の押し戻し流を生成するように構成される。
【0510】
コントローラ800は動脈ライン201、301、401の血液が実質的に空になったときに、前記押し戻し流の生成を停止するように、前記蠕動血液ポンプ222、322、422を停止する2004、3004ように構成されてもよい。したがって、コントローラ800は、前記蠕動血液ポンプを停止して、前記押し戻し流の生成を停止するように構成されてもよい。
【0511】
一実施形態では透析機器210、310は体外流体回路200、300、600に接続された透析流体ポンプ224、324に接続される。コントローラ800は、前記透析流体ポンプに動作可能に接続され、前記コントローラは透析器230、330、630を通る静脈ライン202、302、602の方へのリンスバック流体の流れを生成するように、透析流体ポンプ224、324を作動させるように構成される。したがって、コントローラは、前記透析流体ポンプを作動させて、前記リンスバック流体の流れを生成するように構成される。
【0512】
コントローラ800は、透析流体ポンプ224、324を作動させて、透析器230、330、630の透析器血液ラインを通る静脈ライン202、302、602の方への流れを生成するように構成され得る。したがって、リンスバック流体の流れは、透析器血液ラインを通って静脈ラインへと生成され得る。
【0513】
透析流体ポンプ224は、クランプ構成272、273を介して透析器230の下流及び上流の両方で体外流体回路200に接続されてもよい。クランプ構成272、273は、前記体外流体回路200にリンスバック流体を導入する前に、透析流体ポンプ224と体外流体回路200との間に流体連通を形成するように解放される2002ように構成されてもよい。
【0514】
透析流体ポンプ224は、逆止弁271を介して流体回路に接続されてもよい。逆止弁271は、透析流体ポンプ224への流体の逆流を防止するように構成される。逆止弁271は使い捨て弁であってもよい。
【0515】
ある実施の形態では、コントローラ800は、リンスバック流体を体外流体回路400、500に導入するように、前記ポンプ構成63、64を制御するように構成されてもよい。したがって、コントローラは、ポンプ構成を制御して、リンスバック流体を導入するように構成される。
【0516】
一実施形態では静脈ライン302、502、602に接続された静脈ドリップチャンバ331、531は回転されるように配置される(3013)。前記静脈ドリップチャンバ331は、前記静脈ドリップチャンバ331、531に残っている流体を空にするために回され、それによってガスが前記体外流体回路300、500、600に導入されてもよい。
【0517】
コントローラ800は、蠕動血液ポンプ322、522を作動させて、第1のポート391、591、691を介して体外流体回路300、500、600内にガスを吸引するように構成することができる。
【0518】
クランプ368、568は、体外流体回路300、500に前記リンスバック流体を導入した3010後、第2のポート392、592に対してロックされ3011、第1のポート391、591を介して流体回路内にガスを吸引する前に解放される3012ように構成されてもよい。
【0519】
ある実施の形態では、コントローラ800は、体外流体回路から除去された残りの流体を透析機器110、210、310、410、510のドレン68に運ぶ1060、2060、3060ように、ポンプ構成63、64を制御するように構成される。
【0520】
ある実施の形態では、ポンピングデバイス121、221、321、421、521は、空気ポンプである。
【0521】
一実施形態では、コントローラ800は、所定の排液流体体積の超過に応答して排液1000、2000、3000を終了させるように構成される。
【0522】
一実施形態では、コントローラ800は、透析器流体回路193、194、293、294、393、394、493、494、593、594、693、694内で所定の圧力に達したことに応答して、排液1000、2000、3000を終了させるように構成される。
【0523】
ある実施の形態では、コントローラ800は、体外流体回路100、200、300、400、500、600において血液が検出された場合に応答して、ポンピングデバイス121、221、321、421、521による気体のポンピングを防止するように構成される。したがって、コントローラは、前記流体回路内の血液の検出に応答して、前記ポンピングを防止するように構成されてもよい。
【0524】
ある実施の形態では、コントローラ800は、体外流体回路100、200、300、400、500、600において血液が検出された場合に応答して、ポンピングデバイス121、221、321、421、521による気体のポンピングを終了するように構成される。したがって、コントローラは、前記流体回路内の血液の検出に応答して、ガスの前記ポンピングを終了するように構成されてもよい。
【0525】
ある実施の形態では、プレ再注入クランプ851は、排液1000、2000、3000の前に開かれ、リンスバック流体が体外回路600に導入された後に閉じられるよう構成される。
【0526】
ある実施の形態では、動脈ライン601は、排液1000、2000、3000の前にサービスライン651に取り付けられるよう構成される。
【0527】
ある態様によると、体外流体回路を満たす方法が提供される。方法は、透析機器210、310を用いて、治療終了の後、リンスバック流体で体外流体回路200、300を満たす方法である。透析機器210、310は透析器230、330に接続されている。前記体外流体回路200、300およびポンピングデバイス224、324は、体外流体回路200、300に接続される。体外流体回路200、300は、患者から血液を引き出すために患者に接続可能な第1のポート291、391を有する動脈ライン201、301と、患者に血液を戻すために患者に接続可能な第2のポート292、392を有する静脈ライン202、302と、を備える。
【0528】
方法は、体外流体回路200、300にリンスバック流体をポンプして入れ2002、それにより、ポンピングデバイス224、324を活性化して透析器230、330を通じた第2ポート292、392の方へのリンスバック流体の流れを生成することによって体外流体回路200、300を満たすことを含む。
【0529】
流れは、透析器230、330の透析器血液ラインを通って静脈ライン202、302に向かって生成され得る。
【0530】
リンスバック流体は、液体、すなわちリンスバック液体であってもよい。
【0531】
方法はさらに、動脈ライン201、301から血液を空にするように、第1のポート291、391の方に血液の押し戻し流を生成するようにポンプする2001ことを含んでもよい。したがって、押し戻し流は、動脈ラインの血液を空にするためのものである。
【0532】
透析機器210、310は、体外流体回路200、300を介して蠕動血液ポンプ222、322に接続され得る。方法は、体外流体回路200、300に接続された蠕動血液ポンプ222、322を作動させて2003、第2のポート292、392の方へのリンスバック流体の流れを生成することをさらに含み得る。
【0533】
押し戻し流を生成すること2003は、押し戻し流を生成するように蠕動血液ポンプ222、322を作動させることと、動脈ライン201、301の血液が実質的に空になったときに押し戻し流の前記ポンピングを停止するように前記蠕動血液ポンプ222、322を停止することとを含むことができる。したがって、蠕動血液ポンプは、押し戻し流を生成するように作動され、前記押し戻し流を終了させるために停止される。
【0534】
ある実施の形態では、ポンピングデバイス224は、透析器230の下流および上流の両方でクランプ構成272、273を介して体外流体回路200に接続される。方法はさらに、リンスバック流体を体外流体回路200内にポンピングする前に、ポンピングデバイス224と体外流体回路200との間に流体連通を形成する前記クランプ構成272、273を解放するステップ2002を含むことができる。
【0535】
ある実施の形態では、ポンピングデバイス224は、逆止弁271を介して流体回路に接続されてもよい。本方法は、前記逆止弁271を用いて透析流体ポンプ224への流体の逆流を防止することをさらに含んでもよい。
【0536】
一実施形態では、ポンピングデバイス224、324は透析流体ポンプである。透析流体ポンプは、体外流体回路200、300に透析流体を供給するように構成される。
【0537】
一態様によれば、透析機器が提供される。透析機器210、310は、透析器230、330と、体外流体回路200、300と、体外流体回路200、300に接続されたポンピングデバイス224、324と、に接続される。前記体外流体回路200、300は、患者から血液を引き出すために患者に接続可能な動脈ライン201、301と、患者に血液を返すために患者に接続可能な静脈ライン202、302と、を備える。透析機器は、上述の実施形態のいずれかに従って充填するための方法を実行するように構成される。
【0538】
一態様によれば、透析機器が提供される。透析機器210、310は、透析器230、330と、体外流体回路200、300と、体外流体回路200、300に接続されたポンピングデバイス224、324と、に接続される。前記体外流体回路200、300は、患者から血液を引き出すために患者に接続可能な動脈ライン201、301と、患者に血液を返すために患者に接続可能な静脈ライン202、302と、を備える。透析機器は、前記ポンピングデバイスに動作可能に接続されたコントローラ800を備える。
【0539】
コントローラは、ポンピングデバイス224、324を制御して、透析器230、330を通る、第2のポート292、392の方へのリンスバック流体の流れを生成し、それによってリンスバック流体の体外流体回路200、300へのポンプ送りを生成し2002、それによって前記体外流体回路を満たすように構成される。
【0540】
コントローラは、ポンピングデバイス224、324を制御して、透析器230、330の透析器血液ラインを通る第2のポート292、392の方へのリンスバック流体流れを生成するように構成されてもよい。したがって、リンスバック流体の流れは、透析器血液ラインを通って静脈ラインへと生成され得る。
【0541】
リンスバック流体は、液体、すなわちリンスバック液体であってもよい。
【0542】
コントローラ800は、動脈ライン201、301から血液を空にするように、第1のポート291、391の方に血液の押し戻し流を生成するようにポンプする2001ように、ポンピングデバイス324を制御するよう構成されてもよい。したがって、押し戻し流は、前記動脈ラインを空にするために生成される。
【0543】
コントローラ800は、体外流体回路200、300に接続され、コントローラ800に動作可能に接続された蠕動血液ポンプ222、322を作動させて2003、第2のポート292、392の方にリンスバック流体の流れを生成するように構成することができる。したがって、コントローラは前記リンスバック流体の流れを生成するために、前記蠕動血液ポンプを作動させるように構成される。
【0544】
コントローラ800はさらに、動脈ライン201、301の血液が実質的に空になったときに、前記押し戻し流のポンピングを停止するように、前記蠕動血液ポンプ222、322を停止する2004ように構成されてもよい。したがって、コントローラは、動脈ラインから実質的に血液が空になったときに、前記蠕動血液ポンプを停止するように構成される。
【0545】
ある実施の形態では、ポンピングデバイス224は、透析器230の下流および上流の両方でクランプ構成272、273を介して体外流体回路200に接続される。クランプ構成は、前記体外流体回路200にリンスバック流体をポンピングする前に、ポンピングデバイス224と体外流体回路200との間に流体連通を形成するように解放される2002ように構成される。したがって、前記クランプ構成は、前記流体連通を形成するために解放されるように構成される。
【0546】
ある実施の形態では、前記ポンピングデバイス224、324は透析流体ポンプであり、透析流体ポンプは体外流体回路200、300に透析流体を供給するように構成される。
【0547】
一態様によれば、透析機器110、210、310、410、510を利用して体外流体回路100、200、300、400、500、600を排液するための方法が提供される。透析機器110、210、310、410、510、610は、透析器130、230、330、430、530、630および前記体外流体回路100、200、300、400、500、600に接続される。前記体外流体回路100、200、300、400、500、600は、患者から血液を引き出すために患者に接続可能な動脈ライン101、201、301、401、501、601と、患者に血液を戻すために患者に接続可能な静脈ライン102、202、302、402、502、602とを含む。
【0548】
方法は、前記体外流体回路110、210、310、410、510、610からの治療終了の後、透析器130、230、330、430、530、630を通じて前記体外流体回路から残っている流体を排液すること1000、2000、3000を含む。
【0549】
方法は、透析器130、230、330、430、530、630を通して、例えば透析器130、230、330、430、530、630の透析器流体回路193、194、293、294、393、394、493、494、593、594を通して、前記体外流体回路からの残りの流体を排出すること1000、2000、3000を含んでもよい。
【0550】
残りの流体は、治療終了後に体外流体回路内に存在する液体であってもよい。
【0551】
方法はさらに、前記排液1000、2000、3000の前に、前記体外流体回路100、200、300、400、500、600を満たすために、前記体外流体回路100、200、300、400、500、600にリンスバック流体を導入すること1010、2010、3010を含む。
【0552】
リンスバック流体は、液体、すなわちリンスバック液体であってもよい。
【0553】
方法はさらに、排液1000、2000、3000の前に体外流体回路100、200、300、400、500、600を満たすためにリンスバック流体1010、2010、3010を導入した後に、体外流体回路100、200、300、400、500、600に、ライセート流体6090を導入することを含んでもよい。
【0554】
ある実施の形態では、透析器130、230、330、430、530、630は、透析器130、230、330、430、530、630へのおよびそれからの透析流体の流通のために、透析器流体回路193、194、293、294、393、394、493、494、593、594を介して透析機器110、210、310、410、510、610に接続される。体外流体回路110、210、310、410、510、610は、透析器流体回路193、194、293、294、393、394、493、494、593、594に体外流体回路100、200、300、400、500、600に対する負圧を加えることによって、透析器130、230、330、430、530、630を通って排液される。従って、負圧は、透析器流体回路193、194、293、294、393、394、493、494、593、594を介した排液のために適用される。
【0555】
言い換えると、透析器流体回路に体外流体回路に対する負圧勾配が印加される。負圧勾配は、体外流体回路と比較して、透析器流体回路においてより低い圧力を達成するために適用される。したがって、体外流体回路から透析器流体回路に向かう流体、例えば液体の流れが達成される。
【0556】
ある実施の形態では、前記透析流体回路193、194、293、294、393、394、493、494、593、594に印加される、前記体外流体回路100、200、300、400、500、600に対して負となる前記圧力が、前記体外流体回路100、200、300、400、500、600にガスを導入することによって印加され、ガスは空気であってもよい。
【0557】
前記ガスを導入することは、入口109、209、309、391、409、509,591,691を介して前記体外流体回路100,200,300,400,500,600へガスをポンプで入れることによって行われ、それによって前記残っている流体が前記透析器130,230,330,430,530,630の方へ押し出されて前記透析機器110,210,310,410,510,610を通じて排液されてもよい。
【0558】
ある実施の形態では、ガスは、入口109,209,309,391,409,509,609を介して体外流体回路100,200,300,400,500,600に接続されているポンピングデバイス121,221,321,421,521を用いて、体外流体回路100,200,300,400,500,600へとポンプで入れられる。
【0559】
一実施形態では透析器130、230、330、430、530、630は透析器130、230、330、430、530へのおよびそこからの透析流体の流通のためのポンプ構成63、64に接続される。方法はさらに、負圧の印加中に透析器130、230、330、430、530、630および体外流体回路100、200、300、400、500からの残りの流体の正味の除去を達成するように、前記ポンプ構成63、64を制御すること1030、2030、3030を含むことができる。
【0560】
ある実施の形態では、透析機器110、210、310、410、510、610はさらに、動脈ライン101、201、301、401、501、601に接続された蠕動血液ポンプ122、222、322、422、522に接続される。本方法はさらに、それぞれリンスバック流体およびライセート流体の導入中に透析器130、230、330、430、530、630の方へのリンスバック流体および/またはライセート流体の流れを生成するために、前記蠕動血液ポンプ122、222、322、422、522を作動させるステップ1005、2005、3005をさらに含むことができる。
【0561】
ある実施の形態では、動脈ライン101、201、401は患者に接続可能な第1のポート191、291、491を備え、静脈ライン102、202、402は患者に接続可能な第2のポート192、292、492を備える。方法はさらに、ガスを体外流体回路100、200、400に導入する前に、第1のポート191、291、491を第2のポート192、292、492に接続する1015、2015ことを含んでもよい。
【0562】
ある実施の形態では、方法はさらに、リンスバック流体を流体回路100、600に導入する前に、動脈ライン101、601をリンスバック流体コンテナ170に接続する1004ことを含むことができる。
【0563】
リンスバック流体コンテナ170内の残りのリンスバック流体は、治療終了後に透析器130、630を通して排液されてもよい。
【0564】
リンスバック流体コンテナ170内の残りのリンスバック流体は、治療終了後に透析器の透析器流体回路を通して排液されてもよい。
【0565】
ある実施の形態では、方法はさらに、ライセート流体を流体回路100、600に導入する前に、動脈ライン101、601をライセート流体コンテナ970に接続すること6004を含むことができる。
【0566】
ライセート流体コンテナ970内の残りのライセート流体は、治療終了後に透析器130、630を通して排液されてもよい。
【0567】
ライセート流体コンテナ970内の残りのライセート流体は、治療終了後に透析器の透析器流体回路を通して排液されてもよい。
【0568】
ある実施の形態では、方法はさらに、透析器230、330、430、630の方へのリンスバック流体の流れを生成する前に、血液の動脈ライン201、301、401、601を空にするために、動脈ライン201、301、401、601の方への血液のプッシュバック流れを生成すること2003、3003を含んでもよい。
【0569】
方法はさらに、押し戻し流を生成するように、蠕動血液ポンプ222、322、422を作動させることと、動脈ライン201、301、401から実質的に血液が空になったときに押し戻し流の生成を停止するように蠕動血液ポンプ222、322、422を停止すること2004、3004とを含む。したがって、蠕動血液ポンプは、押し戻し流を生成するように作動され、前記押し戻し流を終了させるために停止される。
【0570】
一実施形態では透析機器210、310は体外流体回路200、300、600に接続された透析流体ポンプ224、324に接続される。前記体外流体回路200、300を満たすための体外流体回路200、300、600へのリンスバック流体の導入は、透析流体ポンプ224、324を作動させて、透析器230、330、630を通る静脈ライン202、302、602の方へのリンスバック流体の流れを生成することによって行われる。したがって、透析流体ポンプは、前記リンスバック流体の流れを生成するように作動される。
【0571】
リンスバック流体の流れは、静脈ライン202、302、602に向けて発生し、透析器230、330、630の透析器血液ラインを通って静脈ライン202、302、602に至る。
【0572】
一実施形態では透析機器210、310は体外流体回路200、300、600に接続されたライセート流体ポンプ924に接続される。前記体外流体回路200、300を満たすための体外流体回路200、300、600へのライセート流体の導入は、ライセート流体ポンプ924を作動させて、透析器230、330、630を通る静脈ライン202、302、602の方へのリンスバック流体の流れを生成することによって行われる。
【0573】
ライセート流体の流れは、静脈ライン202、302、602に向けて発生し、透析器230、330、630の透析器血液ラインを通って静脈ライン202、302、602に至る。
【0574】
透析流体ポンプ224は、クランプ構成272、273を介して透析器230の下流及び上流の両方で体外流体回路200に接続されてもよい。方法はさらに、リンスバック流体を体外流体回路200内に導入する前に、ポンピングデバイス224と体外流体回路200との間に流体連通を形成する前記クランプ構成272、273を解放するステップ2002をさらに含むことができる。したがって、クランプ構成272、273は、前記透析流体ポンプと体外流体回路との間の流体連通を達成するために解放される。
【0575】
透析流体ポンプ224は、逆止弁271を介して流体回路に接続されてもよい。本方法は、前記逆止弁271を用いて透析流体ポンプ224への流体の逆流を防止することをさらに含んでもよい。
【0576】
方法はさらに、体外流体回路200がガスで満たされた後に、前記逆止弁271を廃棄すること2050を含むことができる。
【0577】
ある実施の形態では、方法は、ポンプ構成63、64の制御を通してリンスバック流体を体外流体回路400、500に導入することをさらに含む。
【0578】
一実施形態では、ポンプ構成63,64は更に、透析器130,230,330,430,530へおよび透析器からのライセート流体の流通のためのライセート流体ポンプを含む。したがって、本方法は、リンスバック流体が前記体外流体回路100、200、300、400、500に導入された後に、ライセート流体を体外流体回路100、200、300、400、500に分配するように前記ポンプ構成63、64を制御することをさらに含む。
【0579】
ポンプ構成63、64は、体外流体回路100、200、300、400、500および透析器130、230、330、430、530、630からの流体の除去を維持しながら、体外流体回路100、200、300、400、500にライセート流体を分配するように制御されてもよい。一実施形態では、方法はさらに、静脈ライン302、502、602に接続された静脈ドリップチャンバ331、531を回転させること3013を含む。
【0580】
前記静脈ドリップチャンバ331、531は、前記静脈ドリップチャンバ331、531に残っている流体を空にするために回され、それによってガスが前記体外流体回路300、500、600に導入されてもよい。静脈ドリップチャンバは、逆さまにされてもよい。
【0581】
ある実施の形態では、蠕動血液ポンプ322、522を活性化して第1ポート391、591、691を介して体外流体回路300、500、600にガスを引き込むことによって、体外流体回路300、500、600にガスを導入してもよい。
【0582】
方法はさらに、体外流体回路300、500に前記リンスバック流体を導入した3010後、クランプ368、568を第2のポート392、592に対してロックすること3011と、第1のポート391、591を介して流体回路内にガスを吸引する前に、前記クランプ368、568を解放すること3012とをさらに含むことができる。
【0583】
一実施形態では、方法はさらに、体外流体回路から除去された残りの流体を、透析機器110、210、310、410、510のドレン68に運ぶこと1060、2060、3060を含む。
【0584】
ドレン68は透析器流体回路に接続されてもよく、それによって、方法は透析器の透析器流体回路を介してドレン68に残りの流体を搬送することを含んでもよい。
【0585】
ある実施の形態では、ポンピングデバイス121、221、321、421、521は、空気ポンプである。
【0586】
一実施形態では、方法はさらに、所定の排液流体体積の超過に応答して、排液1000、2000、3000を終了させることを含む。
【0587】
ある実施の形態では、方法はさらに、透析器流体回路193、194、293、294、393、394、493、494、593、594、693、694における所定の圧力に応答して排液1000、2000、3000を終了することを含む。したがって。排液は、透析器流体回路内の所定の圧力を超える圧力に応答して終了されてもよい。
【0588】
一実施形態では、方法はさらに、体外流体回路100、200、300、400、500、600内で血液が検出された場合に応答して負圧の印加を防止することを含む。したがって、負圧の印加は、前記体外流体回路内の血液の検出に応答して防止される。
【0589】
一実施形態では、方法はさらに、体外回路(100、200、300、400、500、600内で血液が検出された場合に応答して負圧の印加を終了することを含む。したがって、負圧の印加は、前記体外流体回路内の血液の検出に応答して終了することができる。
【0590】
ある実施の形態では、方法は、リンスバック流体の導入1010、2020、3010の後、かつ、ライセート流体の体外流体回路への導入6090の前、に透析器130、230、330、430、530、630を通じて体外流体回路100、200、300、400、500、600から残っている流体を排液すること1000、2000、3000を含む。
【0591】
ある実施の形態では、プレ再注入クランプ851は、排液1000、2000、3000の前に開かれ、リンスバック流体が体外回路600に導入された後に閉じられる。
【0592】
ある実施の形態では、動脈ライン601は、排液1000、2000、3000の前にサービスライン651に取り付けられる。
【0593】
一実施形態では、ライセート流体は液体である。
【0594】
一実施形態では、ライセート流体はクエン酸を含む。
【0595】
一実施形態では、ライセート流体はRO水を含む。
【0596】
ある態様によると、体外流体回路100、200、300、400、500および透析器130、230、330、430、530に接続されている透析機器110、210、310、410、510が提供される。体外流体回路100、200、300、400、500は、患者から血液を引き出すために患者に接続可能な動脈ライン101、201、301、401、501と、患者に血液を戻すために患者に接続可能な静脈ライン102、202、302、402、502とを含む。透析機器は、上述の実施形態のいずれかに従って排液するための方法を実行するように構成される。
【0597】
最も実際的で好適な実施の形態であると現時点で考えられているものとの関係で本発明が説明されたが、本発明は開示された実施の形態に限定されるものではなく、むしろ添付の請求項およびクローズの範囲に含まれる種々の変形例および等価な構成をカバーするよう意図されていることは理解されるべきである。