(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】計測器読取装置、及び自動制御システム
(51)【国際特許分類】
G01F 1/00 20220101AFI20240119BHJP
G01F 1/24 20060101ALI20240119BHJP
【FI】
G01F1/00 J
G01F1/24
(21)【出願番号】P 2021159522
(22)【出願日】2021-09-29
【審査請求日】2021-09-29
【審判番号】
【審判請求日】2023-01-20
(31)【優先権主張番号】10202009716U
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SG
(73)【特許権者】
【識別番号】521426523
【氏名又は名称】デンカ アドバンテック プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100185591
【氏名又は名称】中塚 岳
(74)【代理人】
【識別番号】100133307
【氏名又は名称】西本 博之
(74)【代理人】
【識別番号】100223424
【氏名又は名称】和田 雄二
(74)【代理人】
【識別番号】100165526
【氏名又は名称】阿部 寛
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 家▲経▼
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 慶至
【合議体】
【審判長】樋口 宗彦
【審判官】渡▲辺▼ 純也
【審判官】▲高▼見 重雄
(56)【参考文献】
【文献】特開平2-79699(JP,A)
【文献】特開平2-71699(JP,A)
【文献】特開2006-84418(JP,A)
【文献】特開2002-56387(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
目盛りに沿って移動する可動部で示された値が測定値となる計測器に対し、前記測定値を取得する計測器読取装置であって、
複数の前記計測器が撮像可能範囲内となるように所定位置に固定されると共に、前記撮像可能範囲内に存在する複数の前記計測器を撮像する撮像部と、
前記撮像部で撮像された画像から前記測定値を取得するデータ取得部と、を備え、
前記撮像部は、
前記撮像可能範囲内の前記複数の計測器を、一つずつ順番に前記計測器に焦点を合わせて撮像し、
前記データ取得部は、前記撮像部で撮像された複数の画像のそれぞれから前記測定値を取得する、計測器読取装置。
【請求項2】
前記撮像部は、
撮像する一の前記計測器を特定する計測器特定部と、
前記計測器特定部で特定された一の前記計測器の前記可動部及び前記目盛りに焦点を合わせて撮像する自動焦点部と、を備えている請求項
1記載の計測器読取装置。
【請求項3】
前記計測器は、アナログ流量計である、請求項
1または2記載の計測器読取装置。
【請求項4】
前記アナログ流量計は、面積式流量計である、請求項
3記載の計測器読取装置。
【請求項5】
前記計測器で測定される測定対象は、気体の流量である、請求項1~
4のいずれか一項記載の計測器読取装置。
【請求項6】
前記気体の流量は、炭化水素系気体の流量である、請求項
5記載の計測器読取装置。
【請求項7】
測定対象の状態を自動制御する自動制御システムであって、
目盛りに沿って移動する可動部を備えると共に、前記可動部で示された前記目盛りの値が前記測定対象の状態を示す測定値となる計測器と、
前記測定対象の状態を変化させる調整部と、
前記計測器の前記測定値を取得する計測器読取部と、
前記計測器読取部で取得された前記測定値と基準値とを比較すると共に、前記測定値と前記基準値との差が小さくなるように前記調整部を制御する制御部と、を備え、
前記計測器読取部は、
複数の前記計測器が撮像可能範囲内となるように所定位置に固定されると共に、前記撮像可能範囲内に存在する複数の前記計測器を撮像する撮像部と、前記撮像部で撮像された画像から前記測定値を取得するデータ取得部と、を備え、
前記撮像部は、
前記撮像可能範囲内の前記複数の計測器を、一つずつ順番に前記計測器に焦点を合わせて撮像し、
前記データ取得部は、前記撮像部で撮像された複数の画像のそれぞれから前記測定値を取得する、自動制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アナログ流量計、アナログ圧力計、アナログ速度計などの計測器で測定された測定値を取得する計測器読取装置及び自動制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
アナログ流量計などのアナログ式の計測器の指示体及び目盛りを撮像し、撮像された画像に基づいて指示体で示された目盛りを測定値として読み取る自動読取装置が知られている(特開2006-84418号公報、特開2011-163856号公報参照)。この種の自動読取装置によって複数の計測器の測定値を読み取る場合には、複数のカメラを設置して計測器ごとに測定値を取得したり、あるいは、一台のカメラで複数の計測器をまとめて撮像し、画像処理によって複数の測定値を取得したりしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-84418号公報
【文献】特開2011-163856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、複数の計測器、例えばアナログ流量計などを一台のカメラで撮像した場合には、カメラに対する計測器それぞれの距離や向きが一定ではないため、一部の計測器の焦点が合わずにぼやけてしまう場合があり、測定値として取得する際の精度が低下する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以上の課題を解決することを目的としており、複数の計測器による複数の測定値を精度よく、且つ効率的に取得できる計測器読取装置、及び自動制御システムを提供することを目的とする。
【0006】
本発明は、目盛りに沿って移動する可動部で示された値が測定値となる計測器に対し、測定値を取得する計測器読取装置であって、撮像可能範囲内に存在する複数の計測器を撮像する撮像部と、撮像部で撮像された画像から測定値を取得するデータ取得部と、を備え、撮像部は、複数のグループに分けられた複数の計測器を、グループごとに計測器に焦点を合わせて、グループごとに撮像し、データ取得部は、撮像部で撮像された複数の画像のそれぞれから測定値を取得する。
【0007】
この計測器読取装置によれば、撮像部は、撮像可能範囲内の複数の計測器をまとめて撮像するのではなく、グループごとに計測器に焦点を合わせて、グループごとに計測器を撮像する。従って、複数の計測器をまとめて撮像する場合に比べ、撮像した計測器の画像はぼやけ難い。その結果、データ取得部において、複数の測定値を精度よく取得できるようになる。また、この計測器読取装置では、撮像可能範囲内の計測器であれば、計測器ごとに、撮像部を移動させて位置を変更するなどの操作は不要であるため、自動化に有利であり、効率的に測定値を取得できるようになる。従って、この計測器読取装置によれば、複数の計測器による複数の測定値を精度よく、且つ効率的に取得できる。
【0008】
また、本発明は、測定対象の状態を自動制御する自動制御システムであって、目盛りに沿って移動する可動部を備えると共に、可動部で示された目盛りの値が測定対象の状態を示す測定値となる計測器と、測定対象の状態を変化させる調整部と、計測器の測定値を取得する計測器読取部と、計測器読取部で取得された測定値と基準値とを比較すると共に、測定値と基準値との差が小さくなるように調整部を制御する制御部と、を備え、計測器読取部は、撮像可能範囲内に存在する複数の計測器を撮像する撮像部と、撮像部で撮像された画像から測定値を取得するデータ取得部と、を備え、撮像部は、複数のグループに分けられた複数の計測器を、グループごとに計測器に焦点を合わせて、グループごとに計測器を撮像し、データ取得部は、撮像部で撮像された複数の画像のそれぞれから測定値を取得する。
【0009】
この自動制御システムによれば、複数の計測器の測定値を効率的、且つ精度よく取得できるようになり、この測定値に基づいて測定対象の状態を自動制御できるようになる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数の計測器による複数の測定値を精度よく、且つ効率的に取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態に係る計測器読取装置を模式的に示す斜視図である。
【
図2】
図2は、計測器読取装置の概略の構成を示す説明図である。
【
図3】
図3は、アナログ流量計の位置情報テーブルの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、複数のアナログ流量計の測定値を取得する処理を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、第1のアナログ流量計の測定値を取得する処理を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、撮像可能範囲内のアナログ流量計及び一のアナログ流量計に焦点が合っている状態の画像を例示する図である。
【
図7】
図7は、複数のアナログ流量計の測定値を記録したテーブルの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、アナログ流量計の背後に板材を設置した状態を示す図である。
【
図9】
図9は、グループ内の複数のアナログ流量計に焦点があった状態の画像を例示する図である。
【
図10】
図10は、他の計測器であるアナログ速度計の画像を例示する図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る自動制御システムの構成を概略的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
一態様に係る実施形態は、目盛りに沿って移動する可動部で示された値が測定値となる計測器に対し、測定値を取得する計測器読取装置であって、撮像可能範囲内に存在する複数の計測器を撮像する撮像部と、撮像部で撮像された画像から測定値を取得するデータ取得部と、を備え、撮像部は、複数のグループに分けられた複数の計測器を、グループごとに計測器に焦点を合わせて、グループごとに撮像し、データ取得部は、撮像部で撮像された複数の画像のそれぞれから測定値を取得する。
【0013】
この計測器読取装置によれば、撮像部は、撮像可能範囲内の複数の計測器をまとめて撮像するのではなく、グループごとに計測器に焦点を合わせて、グループごとに計測器を撮像する。従って、複数の計測器をまとめて撮像する場合に比べ、撮像した計測器の画像はぼやけ難い。その結果、データ取得部において、複数の測定値を精度よく取得できるようになる。また、この計測器読取装置では、撮像可能範囲内の計測器であれば、計測器ごとに、撮像部を移動させて位置を変更するなどの操作は不要であるため、自動化に有利であり、効率的に測定値を取得できるようになる。従って、この計測器読取装置によれば、複数の計測器による複数の測定値を精度よく、且つ効率的に取得できる。
【0014】
上記の計測器読取装置において、一のグループには一の計測器が属し、撮像部は、グループごとに順番に計測器に焦点を合わせて撮像してもよい。この計測器読取装置の撮像部は、撮像可能範囲内の複数の計測器に対して一の計測器ごとに順番に焦点を合わせて撮像するようになる。その結果、撮像した複数の計測器の画像は更にぼやけ難くなり、複数の測定値を精度よく取得できるようになる。
【0015】
上記の計測器読取装置において、撮像部は、グループに属する一または複数の計測器を特定する計測器特定部と、グループに属する一または複数の計測器の可動部及び目盛りに焦点を合わせて撮像する自動焦点部と、を備えていてもよい。計測器特定部により、一のグループに属する一または複数の計測器を特定でき、計測器特定部で特定された一または複数の計測器の可動部及び目盛りに焦点を合わせて撮像することで、精度よく測定値を取得できるようになる。
【0016】
上記の計測器読取装置において、計測器は、アナログ流量計であってもよい。さらにアナログ流量計は、面積式流量計であってもよい。この計測器読取装置によれば、アナログ流量計、例えば面積式流量計の優位性を享受しながら、測定値をデジタル化する上で有利になる。
【0017】
上記の計測器読取装置において、計測器で測定される測定対象は、気体の流量であってもよい。さらに気体の流量は、炭化水素系気体の流量であってもよい。上記の計測器読取装置によれば、気体の流量、例えば、炭化水素系気体の流量であっても高精度で測定できる。
【0018】
また、本発明は、測定対象の状態を自動制御する自動制御システムであって、目盛りに沿って移動する可動部を備えると共に、可動部で示された目盛りの値が測定対象の状態を示す測定値となる計測器と、測定対象の状態を変化させる調整部と、計測器の測定値を取得する計測器読取部と、計測器読取部で取得された測定値と基準値とを比較すると共に、測定値と基準値との差が小さくなるように調整部を制御する制御部と、を備え、計測器読取部は、撮像可能範囲内に存在する複数の計測器を撮像する撮像部と、撮像部で撮像された画像から測定値を取得するデータ取得部と、を備え、撮像部は、複数のグループに分けられた複数の計測器を、グループごとに計測器に焦点を合わせて、グループごとに計測器を撮像し、データ取得部は、撮像部で撮像された複数の画像のそれぞれから測定値を取得する。
【0019】
この自動制御システムによれば、複数の計測器の測定値を効率的、且つ精度よく取得できるようになり、この測定値に基づいて測定対象の状態を自動制御できるようになる。
【0020】
以下、図面を参照しつつ実施形態について詳細に説明する。
【0021】
実施形態に係る計測器読取装置は、複数のアナログ流量計を撮像し、この撮像によって取得された画像データに基づいて個々のアナログ流量計の測定値をデータとして取得可能な装置である。アナログ流量計は、計測器の一例であり、例えば、面積式流量計である。まず、アナログ流量計及びアナログ流量計が設置された気体供給ラインについて説明する。
【0022】
図1及び
図2に示されるように、アナログ流量計(以下、「流量計F」と称する)は、加熱装置Bに気体を供給する気体供給ラインNLに設置されている。気体供給ラインNLは、ガスヘッダ―T、圧力計P、及び各種の流量調整バルブV等を備えている。流量計Fで測定される測定対象は、気体の供給量であり、炭化水素系気体の流量である。
【0023】
流量計Fは、筒軸方向を上下方向とした筒状のケーシングCと、ケーシングCの外面に印刷、刻印等により形成された目盛りMと、ケーシングC内に収容されたロータ式浮子よりなる指示体K(可動部)とを備えている。目盛りMは、目盛線として表現されており、例えば、最上部に最大目盛線Mbが設けられ、最下部に最小目盛線Maが設けられ、最大目盛線Mbと最小目盛線Maとの間に、等間隔をあけて複数の目盛線が設けられている。指示体Kは様々な形態を適用できるが、指し示す目盛線の位置を特定し易い形状が望ましい。本実施形態では、指示体Kの上端部が測定値を示している。
【0024】
計測器読取装置1は、CCDやCMOSなどの撮像素子を備えた撮像部2と、撮像部2で撮像された画像に基づき、流量計Fの測定値を取得するデータ取得ユニット3とを備えている。なお、撮像部2やデータ取得ユニット3は、図示しない集中管理室内のホストコンピュータに接続されていたり、後述のデータ取得ユニット3の機能をホストコンピュータに持たせたりしてもよい。データ取得ユニット3はデータ取得部の一例である。
【0025】
撮像部2は、撮像可能範囲Ar内に存在する複数の流量計Fを撮像する。本実施形態では、例えば、8個(複数)の流量計Fが横一列に並んで配置されており(
図1参照)、この複数の流量計Fに対し、2台(複数)の撮像部2が設置されている。第1の撮像部2Aは、例えば、
図1で示される左側の4個の流量計Fが撮像可能範囲Ar内となるように設置されており、第2の撮像部2Bは、右側の4個の流量計Fが撮像可能範囲Ar内となるように設置されている。ここで、流量計Fが、撮像部2の撮像可能範囲Ar内に存在するという技術的意義は、撮像部2を移動させることなく、所定位置に固定された撮像部2によって、指示体K及び目盛りMの焦点を合わせることができる位置に流量計Fが配置されていることを意味する。
【0026】
第1の撮像部2Aの撮像可能範囲Ar内に配置されている4個の流量計Fは複数のグループに分けて設定されている。例えば、本実施形態では、各グループに1個の流量計Fが属すとして設定されている。なお、一のグループに複数の流量計Fが属していると設定することも可能である。例えば、4個の流量計Fを二つのグループに分け、第1のグループに2個の流量計Fが属し、第2のグループに残りの2個の流量計Fが属していると設定することも可能である。
【0027】
撮像部2は、監視用のカメラ等を適宜に使用でき、物理的な構成としてレンズ、撮像素子、DSPなどのCPU、メモリ等を備えている。また、撮像部2は、機能的な構成として、流量計Fの目盛りMの位置情報を記憶する位置情報記憶部21と、第1~第4のグループに属する流量計Fをそれぞれ特定する計測器特定部22と、計測器特定部22で特定された流量計Fの目盛りM及び指示体Kに焦点を合わせて撮像する自動焦点部23と、を備えている。なお、撮像部2は、所定位置に固定的に設置されており、撮像部2を移動させることで、撮像可能範囲Arを変更することは想定されてない。
【0028】
位置情報記憶部21には、第1、第2、第3、及び第4の流量計Fa、Fb、Fc、Fdの位置情報が記憶されている。例えば、位置情報記憶部21には、位置情報テーブルTa(
図3参照)が記憶されている。位置情報テーブルTaには、流量計Fの識別情報に対応付けて位置情報が記憶されており、例えば、識別情報「1」は第1の流量計Faを意味し、対応する位置情報は「A」である。また、識別情報「2」は第2の流量計Fで、対応する位置情報は「B」、識別情報「3」は第3の流量計Fで、対応する位置情報は「C」、識別情報「4」は第4の流量計Fで、対応する位置情報は「D」である。
【0029】
位置情報の取得方法は、様々であり、例えば、最初は手動(マニュアル)にて複数の流量計Fそれぞれの目盛りMの位置情報を取得し、取得された位置情報を記憶することができる。また、複数の流量計Fの目盛りMの位置と撮像部2の設置位置との相対位置が規定された地図情報を記憶させておくことも可能である。
【0030】
手動で位置情報を取得する一例について説明する。まず、撮像部2のレンズの向きを、概略で第1の流量計Faに合わせ、オートフォーカスさせる。ここで、仮に、第1の流量計Faの目盛りM及び指示体Kに焦点が合っている場合には、この位置を第1の流量計Faの目盛りM及び指示体Kの位置情報として記憶させる。一方、第1の流量計Faの目盛りM及び指示体Kに焦点が合っていない場合には、手動にて、第1の流量計Faの目盛りM及び指示体Kに焦点が合うように調整し、焦点が合った位置を第1の流量計Faの目盛りM及び指示体Kの位置情報として記憶させる。第1の流量計Faの目盛りM及び指示体Kの位置情報とは、撮像部2のレンズの向き、ズームの度合い、フォーカスの度合い等を示す値であり、機能的に第1の流量計Faの目盛りMに焦点が合うように再現できる各種情報を広く含む。第2~第4の流量計Fb、Fc、Fdの位置情報についても同様に取得できる。
【0031】
また、第1~第4の流量計Fa、Fb、Fc、Fdの位置情報は、撮像部2自体を移動させることなく、第1~第4の流量計Fa、Fb、Fc、Fdそれぞれの目盛りM及び指示体Kに焦点を合わせることができることを前提としており、仮に、一部の流量計F(例えば、第4の流量計Fd)の目盛りM及び指示体Kに焦点を合わせることができない場合には、その一部の流量計Fは撮像部2の撮像可能範囲Arに含まれているとは言えない。
【0032】
計測器特定部22は、位置情報記憶部21に記憶された情報に基づいて測定値の取得対象となる流量計Fを特定する。例えば、第1の流量計Faが測定値の取得対象の場合、計測器特定部22は、位置情報記憶部21を読み出し、第1の流量計Faに対応する位置情報を取得する。また、第2~第4の流量計Fb、Fc、Fdが測定対象の場合、計測器特定部22は、位置情報記憶部21を読み出し、第2~第4の流量計Fb、Fc、Fdのそれぞれに対応する位置情報を取得する。つまり、本実施形態において、流量計Fを特定するとは、対象となる流量計Fの目盛りM及び指示体Kに焦点を合わせるための位置情報を取得することを意味する。
【0033】
自動焦点部23は、計測器特定部22で特定された流量計Fの目盛りM及び指示体Kに焦点を合わせて撮像する。つまり、自動焦点部23は、計測器特定部22で取得された位置情報に基づいてオートフォーカスし、その状態で流量計Fの目盛りM及び指示体Kを撮像し、画像を取得する。
【0034】
次に、データ取得ユニット3について説明する。データ取得ユニット3は、物理的な構成としてCPU、メモリ、モニタ等を備えており、例えば、メモリに格納されたプログラムに基づいて動作し、撮像部2で撮像された画像から測定値を取得するという機能を発揮する。
【0035】
また、機能的な構成としてデータ取得ユニット3は、各種の基礎データやデータ処理部32で取得された測定値を記憶する記憶部31と、撮像部2で撮像された複数の画像を処理し、それぞれの画像から測定値を取得するデータ処理部32と、データ処理部32で取得された測定値に基づく測定値情報を出力する出力部33と、を備えている。
【0036】
記憶部31には、基礎データとして、例えば、第1~第4の流量計Fa、Fb、Fc、Fdのそれぞれにおいて、指示体Kが最小目盛線Maに位置している状態の二値化画像の画像パターン(初期画像パターン)が記憶されていてもよい。また、記憶部31には、基礎データとして、初期画像パターンを基準にして、各目盛線(特に、最小目盛線Maや最大目盛線Mb)の座標情報や測定値などが記憶されていてもよい。また、記憶部31には、データ処理部32によって取得された第1~第4の流量計Fa、Fb、Fc、Fdの各測定値が記憶されていてもよい。
【0037】
データ処理部32は、測定対象となる流量計Fの二値化画像を生成する画像処理工程、画像処理工程で生成された二値化画像の画像パターンに基づいて指示体Kの座標情報を取得する検出工程、指示体Kで示された測定値を取得する演算処理工程を実施する。
【0038】
画像処理工程の一例を説明する。データ処理部32は、例えば、撮像部2で撮像された流量計Fの目盛りM等の画像からグレースケールの画像を取得する。データ処理部32には、予め閾値が設定されており、データ処理部32は、グレースケールの画像に対し、各ピクセルの輝度が閾値を境に黒と白とに割り振られた二値化画像を取得する。閾値は、例えば、指示体Kや目盛りMが、他の領域(目盛りM同士の間や背景)から区別される値に設定される。その結果、例えば、指示体Kや目盛りMを示しているピクセルは黒として表現され、その他は白として表現され易くなる。また、データ処理部32は、取得した二値化画像の黒及び白の領域形状に基づく画像パターンを取得する。なお、記憶部31に予め記憶されている初期画像パターン用の二値化画像は、指示体Kが最小目盛線Maに位置している状態の画像を撮像部2が撮像し、撮像された画像に対して、上記の処理を施すことで取得できる。
【0039】
次に、データ処理部32は、指示体Kの検出工程を実施する。指示体Kの検出は、公知の種々の画像処理によって行うことができる。例えば、データ処理部32は、記憶部31に記憶されている初期画像パターンを読み出し、この初期画像パターンと、今回取得された二値化画像の画像パターンとを照合し、パターンデータの差分計算を行う。計算結果は2次元配列となるが、この配列中の差が発生している場所を指示体Kの位置として検出する。
【0040】
ここで、差の発生がなければ(誤差範囲の閾値以下)、今回取得された二値化画像の指示体Kは、最小目盛線Maを指していることになる。また、差が発生している場合には、指示体Kは最小目盛線Ma以外を指していることになる。例えば、本実施形態に係る指示体Kは、上端部が測定値を示すものであり、従って、差が発生している座標のうち最も上部の座標が測定値を示す座標となる。
【0041】
次にデータ処理部32は、指示体Kで示された測定値を取得する演算処理工程を実施する。指示体Kで示された測定値を取得するための演算処理は、二値化画像に基づく公知の種々の演算処理によって行うことができる。例えば、データ処理部32は、記憶部31に記憶されている各目盛線の座標情報を読み出し、各目盛線の座標情報と指示体Kの座標情報とを照合させて測定値を取得することができる。
【0042】
具体的には、流量計Fの目盛りMの最小目盛線Maから最大目盛線Mbまでの距離と、最小目盛線Maから指示体Kの上端部までの距離との比を求めることで、指示体Kが計測範囲の何%を指しているかを算出することができる。最小目盛線Maを示す場合の測定値と最大目盛線Mbを示す場合の測定値とは、例えば、記憶部31に記憶されている。データ処理部32は、最小目盛線Maを示す場合の測定値と最大目盛線Mbを示す場合の測定値とを記憶部31から読み出し、更に、上述の計測範囲の%値とから、指示体Kで示された測定値を取得することができる。
【0043】
出力部33は、データ処理部32で取得された測定値に基づく測定値情報を出力する。測定値情報は、例えば、モニタなどから視認可能に表示される情報である。また、測定値情報には、第1~第4の流量計Fa、Fb、Fc、Fdのそれぞれに対応付けて表示された測定値(数値)、経時的な変化を示す測定値の履歴、または測定値が下限の閾値を下回った場合や上限の閾値を超えた場合に表示する警告情報(文字情報や音声情報などを含む)などが広く含まれる。
【0044】
次に、計測器読取装置1によって実施される流量計Fの測定値の取得方法について、
図4及び
図5を参照して説明する。
図4は、複数の流量計Fの測定値の取得する工程を示すフローチャートであり、
図5は、第1の流量計Faの測定値を取得する工程を示すフローチャートである。
【0045】
測定時刻や測定間隔(インターバル)については、予め設定されており、所定の測定時刻になると撮像部2は第1の流量計Faから順番に測定を開始する。例えば、第1~第4の流量計Fa、Fb、Fc、Fdの最初の測定時刻は、それぞれ「AM9:30」、「AM9:31」、「AM9:32」、「AM9:33」として設定されている。計測器読取装置1は、
図4に示されるように、「AM9:30」になると第1の流量計Faの測定値を取得し(S1)、「AM9:31」になると第2の流量計Fの測定値を取得し(S2)、「AM9:32」になると第3の流量計Fの測定値を取得し(S3)、「AM9:33」になると第4の流量計Fの測定値を取得する(S4)。なお、例えば、第1の流量計Faの測定時刻及びその他の流量計Fの測定の順番のみを設定しておき、順番の前の流量計Fの測定値の取得が完了したら、後の流量計Fの測定が開始されるようにしてもよい。測定値を取得する流量計Fの順番に関しては、測定回によって順番を変更したり、一部の流量計Fの測定値の取得を省略したりするようにしてもよい。
【0046】
次に、
図5を参照し、第1の流量計Faの測定値を取得する方法について説明する。なお、第2~第4の流量計Fb、Fc、Fdの測定値を取得する方法も実質的に同一であるため、第1の流量計Faの測定値を取得する方法を代表して説明し、他の流量計Fb、Fc、Fdの測定値を取得する方法については省略する。
【0047】
例えば、第1の流量計Faの最初の測定時刻は「AM9:30」に設定されている。撮像部2の計測器特定部22は、測定時刻になると第1の流量計Faの位置情報の取得工程を実施する(S11)。つまり、計測器特定部22は、「AM9:30」に対応付けて設定されている第1の流量計Faの識別情報「1」を取得する。次に、計測器特定部22は、位置情報記憶部21に記憶されている位置情報テーブルTa(
図3参照)を参照し、第1の流量計Faの位置情報(レンズの向き、ズームの度合い、フォーカスの度合い等)を取得する。
【0048】
次に、撮像部2の自動焦点部23は、計測器特定部22で取得された第1の流量計Faの位置情報に基づいてオートフォーカス工程を実施する(S12)。つまり、自動焦点部23は、第1の流量計Faの目盛りM及び指示体Kに対し、自動にて焦点を合わせる。例えば、
図6の(a)図は、撮像可能範囲Arに含まれる第1~第4の流量計Fa、Fb、Fc、Fdが示されており、自動にて焦点が合う対象領域Xaを一点鎖線で示している。
図6の(a)図では、第1の流量計Faの目盛りM及び指示体Kに焦点が合っている。なお、参考までに、
図6の(c)図では、第2の流量計Fの目盛りM及び指示体Kに焦点を合わせている状態を示しており、自動にて焦点が合う対象領域Xbを一点鎖線で示している。
【0049】
次に、自動焦点部23は画像取得工程を実施する(S13)。つまり、自動焦点部23は、焦点が合った状態で第1の流量計Faの目盛りM及び指示体Kを撮像し、第1の流量計Faの画像を取得する。自動焦点部23は、画像取得工程において、例えば、
図6の(b)図で示されるような画像を取得する。
図6の(b)図は、第1の流量計Faに焦点が合っており、隣の第2の流量計Fは、ぼやけている画像を示している。また、参考までに、
図6の(d)図は、第2の流量計Fに焦点が合っている画像を示している。自動焦点部23は、取得した画像をデータ取得ユニット3に出力しても良いし、位置情報記憶部21に記憶してもよい。
【0050】
次に、データ取得ユニット3のデータ処理部32は、前述の画像処理工程を実施し、撮像部2で取得された画像から二値化画像を生成し、更に、画像パターンを取得する(S14)。次に、データ処理部32は、前述の指示体Kの検出工程を実施し(S15)、指示体Kの位置(座標情報)を取得する。次に、データ処理部32は、前述の演算処理工程を実施し(S16)、指示体Kで示された測定値を取得する。データ処理部32は、取得した測定値を第1の流量計Fa及び測定時刻等に対応付けて記憶部31に記憶させる。演算処理工程の終了によって取得された測定値は、出力部33から表示されてもよい。
【0051】
演算処理工程の終了によって第1の流量計Faの測定値の取得のための処理は完了し、次に第2の流量計Fbの測定値が取得され、次に第3の流量計Fcの測定値が取得され、次に第4の流量計Fdの測定値が取得される。撮像部2及びデータ取得ユニット3によって取得された測定値は、例えば、
図7に示されるように記憶部31に記憶されている。
図7は、第1~第4の流量計Fa、Fb、Fc、Fdの識別情報、測定時刻及び測定値を対応付けて記録するためのテーブルTbの一例を示している。
【0052】
なお、上記の実施形態では、第1~第4の流量計Fa、Fb、Fc、Fdの背後には、二値化画像を生成する際に障害となる対象物が存在しないことを前提としている。しかしながら、流量計Fが透明であり、背後に指示体Kに近い輝度の対象物が存在する場合には、撮像した画像から二値化画像を生成した際に、指示体Kを区別し難くなる可能性もある。その場合、例えば、
図8に示されるように、流量計Fの背後に設置された白色の板材5を備えた計測器読取装置1にすることも可能である。
【0053】
次に、本実施形態に係る計測器読取装置1の作用、効果について説明する。本実施形態に係る計測器読取装置1によれば、撮像部2で複数の流量計Fを撮像するので、複数の測定値の効率的な取得に有利になる。特に、計測器読取装置1にて測定値を自動で、且つ正確に取得できるようになるため、人的な負担も低減でき、特に、測定対象となる流量計Fの数が多い場合(数十~数百)に非常に有利になる。
【0054】
また、例えば、上記の実施形態を参考にした比較例を想定し、仮に第1~第4の流量計の全てを一度に撮像した場合、どうしても一部の流量計は、ぼやけ易い。特に、流量計のような計測器では、画像処理を行って測定値を取得しようとしても、元の画像の精度が悪いために、測定値の精度は安定しない。また、仮に、撮像部を移動させて流量計ごとに撮像しようとすると、撮像部自体の駆動機構が必要になり、装置が複雑化し易く、効率的でない。
【0055】
上記の比較例に対し、本実施形態に係る計測器読取装置1によれば、撮像部2は、撮像可能範囲Ar内の複数の流量計Fをまとめて撮像するのではなく、グループごとに流量計Fに焦点を合わせて、グループごとに流量計Fを撮像する。従って、複数の流量計Fをまとめて撮像する場合に比べ、撮像した流量計Fの画像はぼやけ難い。その結果、データ取得ユニット3において、複数の測定値を精度よく取得できるようになる。また、この計測器読取装置1では、撮像可能範囲Ar内の流量計Fであれば、流量計Fごとに、撮像部2を移動させて位置や向きを変更するなどの操作は不要である。その結果、自動化に有利であり、効率的に測定値を取得できるようになる。従って、この計測器読取装置1によれば、複数の流量計Fによる複数の測定値を精度よく、且つ効率的に取得できる。
【0056】
また、本実施形態に係る計測器読取装置1では、一のグループには一の流量計Fが属し、撮像部2は、グループごとに順番に流量計Fに焦点を合わせて撮像している。つまり、撮像部2は、撮像可能範囲Ar内の複数の流量計Fに対して一の流量計Fごとに順番に焦点を合わせて撮像している。その結果、撮像した複数の流量計Fの画像は更にぼやけ難くなり、複数の測定値を精度よく取得できるようになる。
【0057】
なお、一のグループに複数の流量計F(計測器)が属するようにすることも可能である。この場合、撮像部2の自動焦点部23が、一のグループに属する複数の流量計Fの目盛りM及び指示体Kに焦点を合わせることになる。例えば、
図9の(a)図に示されるように、第1の流量計Fa及び第2の流量計Fbは一のグループに属し、
図9の(b)図に示されるように、第3の流量計Fc及び第4の流量計Fdは他の一のグループに属するようにすることも可能である。
【0058】
この場合、例えば、撮像部2の位置情報記憶部21には、第1の流量計Fa及び第2の流量計Fbに対応する位置情報と、第3の流量計Fc及び第4の流量計Fdに対応する位置情報とを規定する位置情報テーブルが記憶されている。計測器特定部22は、位置情報記憶部21の位置情報テーブルを読み出し、最初に第1の流量計Fa及び第2の流量計Fbに対応する位置情報を取得する。次に、自動焦点部23は、取得された位置情報に基づき、第1の流量計Fa及び第2の流量計Fbの両方の目盛りM及び指示体Kに焦点を合わせ、撮像する。つまり、撮像部2は第1の流量計Fa及び第2の流量計Fbに焦点が合った画像(
図9の(a)図参照)を取得する。次にデータ取得ユニット3は、撮像部2で取得された画像に基づき、第1の流量計Fa及び第2の流量計Fbの測定値を取得する。
【0059】
次に、撮像部2は、第3の流量計Fc及び第4の流量計Fdに対応する位置情報を取得し、第3の流量計Fc及び第4の流量計Fdの目盛りM及び指示体Kに焦点を合わせ、撮像する。つまり、撮像部2は第3の流量計Fc及び第4の流量計Fdに焦点が合った画像(
図9の(b)図)を取得する。次にデータ取得ユニット3は、撮像部2で取得された画像に基づき、第3の流量計Fc及び第4の流量計Fdの測定値を取得する。
【0060】
また、上記の計測器読取装置1では、測定対象として流量計Fを測定している。流量計Fの場合、指示体Kで示された目盛りMを視覚的に読み取って精度よく特定するのには一定のスキルや慣れが必要であり、測定値の精度が低下し易い。ここで、上記の計測器読取装置1を利用することにより、効率よく、且つ精度よく測定値を取得できるので優位性が大きい。
【0061】
本実施形態において、流量計Fで測定される測定対象は、気体の流量であり、特に、炭化水素系気体の流量である。炭化水素系気体の流量を測定する場合、一般的には、面積式流量計が使用されている。主な理由は、ローコストでありながら、微小な流量の測定に適し、炭化水素系気体中の液化成分等の流体中の異物の影響を受けにくいためである。
【0062】
一方で、面積式流量計の測定値を電気信号として出力させるには、構造が複雑になり、高価になるが、本実施形態に係る計測器読取装置1によれば、面積式流量計によって高精度に取得された測定値のデジタル化に有利になる。つまり、本実施形態に係る計測器読取装置1によれば、アナログ式の流量計、特に面積式流量計の優位性を享受しながら、測定値をデジタル化する上で有利になる。
【0063】
なお、上記の実施形態では、流量計Fや面積式流量計を例に計測器を説明したが、計測器は、例えば、圧力計、速度メータやトルクメーターなどであっても良い(
図10参照)。例えば、速度計FAは、円形に表示された目盛りMAと、目盛りMAの中心から放射方向に延びる指針KAとを備える。指針KA(可動部)は、目盛りMの中心を支点にして回転可能であり、指針KAで示された目盛りMAの目盛線の値が測定値となる。つまり、指針KAは、目盛りMに沿って移動する可動部の一例である。データ取得ユニット3のデータ処理部32は、撮像部2で撮像された画像から二値化画像を生成し、例えば、指針KAの先端の座標情報を取得する。次に、データ処理部32は、指針KAの先端の座標情報に基づいて回転角を求め、また、目盛りMの座標情報との相関性を参照することで測定値を取得することが可能である。なお、
図10では、撮像可能範囲Ar内の3個の速度計FAのうち、中央の速度計FAに焦点が合わされて撮像された画像を示している。
【0064】
次に、
図11を参照して実施形態に係る自動制御システム100について説明する。本実施形態に係る自動制御システム100は、加熱装置Bと、加熱装置Bに気体を供給する気体供給ラインNLと、気体供給ラインNLを介して加熱装置Bに供給される気体を自動制御する制御装置10と、を備えている。
【0065】
気体供給ラインNLは、ガスヘッダ―Tと加熱装置Bとを接続し、気体が通過する配管Na、配管Naを通過する気体の供給量(流量)を測定する流量計F、気体の供給量を変化させる調整部CTとを備えている。調整部CTは、各種の流量調整バルブV等を備えている。本実施形態に係る自動制御システム100において、流量計Fは、計測器の一例であり、気体は、計測器で測定される測定対象の一例である。調整部CTは気体の供給量(流量)を変化させることで測定対象の状態を変化可能である。なお、気体は、炭化水素系気体であってもよい。
【0066】
制御装置10は、流量計Fの測定値を取得する計測器読取部1Aと、計測器読取部1Aで取得された測定値に基づき、調整部CTを制御する制御部6と、を備えている。なお、計測器読取部1Aは、実質的に上述の計測器読取装置1に共通する物理的構造や機能的構成を備えているため、共通する物理的構造や機能的構成には、同一の符号を付して説明を省略し、主として相違点を中心に説明する。
【0067】
計測器読取部1Aは、撮像部2とデータ取得ユニット3とを備えており、第1の流量計Faから第4の流量計Fdまで、順番に測定値を取得する。計測器読取部1Aは、取得した測定値を制御部6に出力する。制御部6は、CPUやメモリ等を備えており、無線または有線にて調整部CTに対して制御信号を送受信可能となるように接続されている。制御部6は、例えば、メモリに格納されたプログラムに基づいて所定の機能を発揮する。
【0068】
制御部6は、計測器読取部1Aから測定値を取得すると、取得した測定値と予め設定されている基準値とを比較し、差がある場合には、測定値と基準値との差が小さくなるようにする制御信号を調整部CTに送信する。調整部CTは、第1~第4の流量計Fa、Fb、Fc、Fdが設置された各気体供給ラインNLに設置されている。従って、制御部6は、測定値を取得した流量計Fに対応する気体供給ラインNLの調整部CTに制御信号を送信する。
【0069】
調整部CTは、制御部6からの制御信号を受信すると、制御信号に従ってポンプPや流量調整バルブVを駆動制御し、流量が基準値に近づくように制御する。
【0070】
この自動制御システム100によれば、複数の流量計Fの測定値を精度よく、且つ効率的に取得できるようになり、この測定値に基づいて気体の供給量を自動制御できるようになる。
【0071】
以上、実施形態に基づき、計測器読取装置1及び自動制御システム100を説明したが、本発明は、上記の実施形態のみに限定されない。例えば、撮像部で撮像された複数の画像のそれぞれから測定値を取得する方法については、二値化画像の生成に基づく取得方法に限定されず、他の画像処理に基づいて取得するようにしても良い。また、自動制御システムによる測定対象は気体の供給量に限定されず、例えば、計測器で取得された測定値を人間が目視によって取得し、その測定値に基づく操作によって流量等を調整しているようなシステムに適用できる。
【符号の説明】
【0072】
1…計測器読取装置、2,2A,2B…撮像部、22…計測器特定部、23…自動焦点部、3…データ取得ユニット、6…制御部、100…自動制御システム、CT…調整部、F,Fa,Fb,Fc,Fd…アナログ流量計(計測器)、FA…速度計(計測器)、M,MA…目盛り、K…指示体(可動部)、KA…指針(可動部)。