(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】自動保管および取出システム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20240119BHJP
B65G 47/57 20060101ALI20240119BHJP
【FI】
B65G1/04 561
B65G1/04 555A
B65G47/57 B
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021180683
(22)【出願日】2021-11-04
(62)【分割の表示】P 2019041033の分割
【原出願日】2014-03-17
【審査請求日】2021-11-04
(32)【優先日】2013-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2014-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513150764
【氏名又は名称】シムボティック エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スイート、ラリー
(72)【発明者】
【氏名】クワク、キル ディー
(72)【発明者】
【氏名】パンクラトフ、キリル ケイ
(72)【発明者】
【氏名】バーバー、ラッセル ジー
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン、ウイリアム
(72)【発明者】
【氏名】コンラッド、ユルゲン ディー
(72)【発明者】
【氏名】バームバック、ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】キスリンジャー、ロナルド
【審査官】八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-211019(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0195720(US,A1)
【文献】特開2011-178549(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00- 1/20;47/52;
47/56-47/62;47/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動保管および取出のための方法であって、
少なくとも一つの垂直方向リフトモジュールの両側で積載アクセスを有するリフトプラットホームを備える少なくとも一つの垂直方向リフトモジュールを提供することと、
前記少なくとも一つの垂直方向リフトモジュールと連絡している移送デッキセクションを提供することであって、前記移送デッキセクションが、前記少なくとも一つの垂直方向リフトモジュールの両側の前記少なくとも一つの垂直方向リフトモジュールのそれぞれのリフトプラットホームに前記移送デッキセクションの共通のレベルでの積載ステーションを提供する少なくとも一つの垂直方向リフトモジュールを実質的にまたぐローバー移動行路およびローバー移動通路を備えていることと、
前記移送デッキセクションと連絡している少なくとも一つの保管セクションを提供することと、
前記移送デッキセクションを横断する少なくとも一つの独立して作動可能なローバーを用いて前記少なくとも一つの保管セクションと前記少なくとも一つの垂直方向リフトモジュールとをインターフェースで接続して、前記少なくとも一つの独立して作動可能なローバーが、前記保管セクションと前記少なくとも一つの垂直方向リフトモジュールとのあいだで積載アイテムを移送すること
を含む方法。
【請求項2】
前記少なくとも一つの独立して作動可能なローバーとインターフェースで接続する少なくとも一つの充電セクションを提供することをさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
少なくとも一つのパレタイジングセクションおよび少なくとも一つのデパレタイジングセクションを提供することをさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項4】
2つの横に並んだ垂直方向リフトを提供すること、および、それぞれのローバー移動通路で2つの横に並んだ垂直方向リフトにアクセスすることをさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項5】
隣り合う垂直方向リフトモジュールのあいだにローバー移動通路を延在させることをさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項6】
隣り合うリフトプラットホームに共通の垂直方向リフトモジュールの隣り合うリフトプラットホームのあいだにローバー移動通路を延在させることをさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項7】
垂直方向リフトを用いて、自動保管および取出システムへ、および自動保管および取出システムから前記積載アイテムを搬入することおよび取り除くことをさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項8】
垂直方向に積層された保管レベルを提供すること、および、垂直方向リフトを、それぞれのリフトプラットホームが、それぞれのプラットホームの両側からそれぞれの保管レベルにアクセスされ得るように、自動保管および取出システム内に位置させることをさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項9】
少なくとも一つの垂直方向リフトモジュールに、2つの横に並んだ垂直方向リフトを提供することと、
オープンデッキに沿った
前記少なくとも一つの独立して作動可能なローバーの非制限的な移動のために、移送デッキセクションにオープンデッキ構成を提供することと、
前記オープンデッキ構成を介して、
前記少なくとも一つの独立して作動可能なローバーを用いて2つの横に並んだ垂直方向リフトにアクセスすること
をさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項10】
少なくとも一つの垂直方向リフトモジュールの両側に積載アクセスを有するリフトプラットホームを含むリフトプラットホームを備える少なくとも一つの垂直方向リフトモジュールと、
少なくとも一つの垂直方向リフトモジュールと連絡している移送デッキセクションと、
前記移送デッキセクションと連絡している少なくとも一つの保管セクションと、
移送デッキセクションを横断し、ならびに、少なくとも一つの保管セクションおよび少なくとも一つの垂直方向リフトモジュールとインターフェースで接続して
、少なくとも一つの独立して作動可能なローバーが、前記保管セクションと前記少なくとも一つの垂直方向リフトモジュールとのあいだで積載アイテムを移送するように構成されている少なくとも一つの独立して作動可能なローバーと
を備え、
前記移送デッキセクションが、前記少なくとも一つの垂直方向リフトモジュールの両側の前記少なくとも一つの垂直方向リフトモジュールのそれぞれのリフトプラットホームに前記移送デッキセクションの共通のレベルでの積載ステーションを提供する少なくとも一つの垂直方向リフトモジュールを実質的にまたぐローバー移動行路およびローバー移動通路を備えている自動保管および取出システム。
【請求項11】
少なくとも一つの垂直方向リフトモジュールの一つ、移送デッキセクション、前記移送デッキと連絡している少なくとも一つの保管セクション、少なくとも一つの保管セクション、および
前記少なくとも一つの独立して作動可能なローバーが、一または複数の前記独立して作動可能な第一または第二のセクションを形成する請求項10記載の自動保管および取出システム。
【請求項12】
前記少なくとも一つの独立して作動可能なローバーとインターフェースで接続するように構成されている少なくとも一つの充電セクションをさらに備え、前記少なくとも一つの充電セクションが、一または複数の前記独立して作動可能な第一または第二のセクションを形成する請求項11記載の自動保管および取出システム。
【請求項13】
少なくとも一つのパレタイジングセクションおよび少なくとも一つのデパレタイジングセクションをさらに備え、一または複数の前記少なくとも一つのパレタイジングセクションおよび前記少なくとも一つのデパレタイジングセクションが、一または複数の前記独立して作動可能な第一または第二のセクションを形成する請求項11記載の自動保管および取出システム。
【請求項14】
前記少なくとも一つの垂直方向リフトモジュールが、2つの横に並んだ垂直方向リフトを備え、および、前記ローバー移動通路が、前記2つの横に並んだ垂直方向リフトによって共有される請求項10記載の自動保管および取出システム。
【請求項15】
前記少なくとも一つの垂直方向リフトモジュールが2つの横に並んだ垂直方向リフトを備え、前記移送デッキセクションが、
前記少なくとも一つの独立して作動可能なローバーが前記2つの横に並んだ垂直方向リフトにアクセスすることを可能にするための
、オープンデッキに沿った
前記少なくとも一つの独立して作動可能なローバーの非制限的な移動のために構成されているオープンデッキを含む請求項10記載の自動保管および取出システム。
【請求項16】
前記ローバー移動通路が、隣り合う垂直方向リフトモジュールのあいだに延在する請求項10記載の自動保管および取出システム。
【請求項17】
前記ローバー移動通路が、隣り合うリフトプラットホームに共通の垂直方向リフトモジュールの隣り合うリフトプラットホームのあいだに延在する請求項10記載の自動保管および取出システム。
【請求項18】
それぞれのリフトプラットホームが、可変式に構成可能な積載保持位置を含む請求項10記載の自動保管および取出システム。
【請求項19】
前記垂直方向リフトモジュールが、前記自動保管および取出システムへ、および前記自動保管および取出システムから前記積載アイテムを搬入することおよび取り除くことの両方のために構成される請求項10記載の自動保管および取出システム。
【請求項20】
垂直方向に積層された保管レベルをさらに備え、前記リフトプラットホームが、それぞれのリフトプラットホームがそれぞれのリフトプラットホームの棚の両側からそれぞれの保管レベルにアクセスされ得るように、前記自動保管および取出システム内に位置されている請求項10記載の自動保管および取出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2013年3月15日に出願された米国仮出願第61/791,251号の利益を主張する通常出願であって、その出願の開示は参照によりその全体が本明細書中に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
例示的な実施形態は、一般に、物品操作システム、および特には、物品操作システム内でのアイテムの搬送に関する。
【背景技術】
【0003】
多階層保管および取出システムは、商品の保管および取出のために倉庫で使用され得る。一般的に、保管構造内へのおよび保管構造からの商品の搬送は、保管レベル上の車両への搬送のためのリフト、所定の保管レベルへの傾斜路を上昇する車両を用いて、または、ガイド路に沿って移動するリフトを備える車両を用いて行われる。これらの保管および取出システムのスループットは、一または複数の、保管レベルでの商品の取出および保管レベル間での商品の移送によって制限され得る。
【発明の概要】
【0004】
一または複数のレベルの保管および取出移送速度が、保管および取出システムのレベル間での商品移送速度と略一致するように、スループットを釣り合わせることが有利であろう。
【0005】
開示されている実施形態の前述の態様および他の特徴は、添付の図面と関連付けられて、以下の記載中で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、開示されている実施形態の態様にしたがった自動保管および取出システムの概略図である。
【
図2】
図2は、開示されている実施形態の態様にしたがった自動保管および取出システムの一部の概略図である。
【
図3】
図3は、開示されている実施形態の態様にしたがった自動保管および取出システムの一部の概略図である。
【
図4】
図4は、開示されている実施形態の態様にしたがった自動保管および取出システムの一部の概略図である。
【
図5】
図5は、開示されている実施形態の態様にしたがった自動保管および取出システムの一部の概略図である。
【
図6】
図6は、開示されている実施形態の態様にしたがった自動保管および取出システムの一部の概略図である。
【
図7A】
図7Aは、開示されている実施形態の態様にしたがった自動保管および取出システムの一部の概略図である。
【
図7B】
図7Bは、開示されている実施形態の態様にしたがった自動保管および取出システムの一部の概略図である。
【
図7C】
図7Cは、開示されている実施形態の態様にしたがった自動保管および取出システムの一部の概略図である。
【
図7D】
図7Dは、開示されている実施形態の態様にしたがった自動保管および取出システムの一部の概略図である。
【
図7E】
図7Eは、開示されている実施形態の態様にしたがった自動保管および取出システムの一部の概略図である。
【
図7F】
図7Fは、開示されている実施形態の態様にしたがった自動保管および取出システムの一部の概略図である。
【
図7G】
図7Gは、開示されている実施形態の態様にしたがった自動保管および取出システムの一部の概略図である。
【
図7H】
図7Hは、開示されている実施形態の態様にしたがった自動保管および取出システムの一部の概略図である。
【
図7I】
図7Iは、開示されている実施形態の態様にしたがった自動保管および取出システムの一部の概略図である。
【
図7J】
図7Jは、開示されている実施形態の態様にしたがった自動保管および取出システムの一部の概略図である。
【
図8A】
図8Aは、開示されている実施形態の態様にしたがった自動保管および取出システムの一部の概略図である。
【
図8B】
図8Bは、開示されている実施形態の態様にしたがった自動保管および取出システムの一部の概略図である。
【
図9A】
図9Aは、開示されている実施形態の態様にしたがった自動保管および取出システムの一部の概略図である。
【
図9B】
図9Bは、開示されている実施形態の態様にしたがった自動保管および取出システムの一部の概略図である。
【
図9C】
図9Cは、開示されている実施形態の態様にしたがった自動保管および取出システムの一部の概略図である。
【
図10】
図10は、開示されている実施形態の態様にしたがった自動保管および取出システムの一部の概略図である。
【
図11】
図11は、開示されている実施形態の態様にしたがった自動保管および取出システムの一部の概略図である。
【
図12A】
図12Aは、開示されている実施形態の態様にしたがった自動保管および取出システムの一部の概略図である。
【
図12B】
図12Bは、開示されている実施形態の態様にしたがった自動保管および取出システムの一部の概略図である。
【
図13】
図13は、開示されている実施形態の態様にしたがった自動保管および取出システムの一部の概略図である。
【
図14】
図14は、開示されている実施形態の態様にしたがった自動保管および取出システムの一部の概略図である。
【
図15】
図15は、開示されている実施形態の態様にしたがった自動保管および取出システムの一部の概略図である。
【
図16】
図16は、開示されている実施形態の態様にしたがった自動保管および取出システムの一部の概略図である。
【
図17】
図17は、開示されている実施形態の態様にしたがった自動保管および取出システムの一部の概略図である。
【
図18】
図18は、開示されている実施形態の態様にしたがった自動保管および取出システムの一部の概略図である。
【
図19】
図19は、開示されている実施形態の態様にしたがった自動保管および取出システムの一部の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、開示されている実施形態の態様にしたがった自動保管および取出システム100の概略図である。開示されている実施形態の態様は、図面を参照して記載されるであろうが、開示されている実施形態の態様は色々な形で具体化され得ることが理解されるべきである。加えて、任意の適切な大きさ、形または種類の要素または材料が使用され得るであろう。
【0008】
開示されている実施形態の態様にしたがって、自動保管および取出システム100は、例えば2011年12月15日に出願された米国特許出願第13/326,674号に記載されているような小売店舗から受け取った、ケースユニットの注文に応えるためなどに、小売流通センターまたは倉庫において作動し得る。
【0009】
自動保管および取出システム100は、インフィードおよびアウトフィード移送ステーション170、160(パレタイザ160Pおよび/またはデパレタイザ170Pを備えていてもよい)、搬入および搬出垂直方向リフトモジュール150A、150B(一般的にリフトモジュール150と称される。搬入および搬出リフトモジュールが示されているが、単一のリフトモジュールがアイテムを搬入することおよび保管構造からアイテムを取り除くことの両方に使用されてもよいことに留意する)、保管構造130、および、いくつかの自律式ローバー110を備え得る。デパレタイザ170Pは、インフィード移送ステーション170が保管構造130への搬入のためにアイテムをリフトモジュール150に移送できるように、パレットからアイテムを取り除くように構成され得ることに留意する。パレタイザ160Pは、保管構造130から取り除かれたアイテムを運送のためにパレット上に配置するように構成され得る。保管構造130は、複数のレベル130Lの保管ラックモジュールを備え得る。それぞれの保管レベル130Lは、保管スペース130Sと、例えば保管スペース130Sへのアクセスを実現する保管または選別通路130Aと、その上をローバー110が、保管構造130の任意の保管スペース130Sとリフトモジュール150の任意の棚との間でケースユニットを移送するために、それぞれの保管レベル130Lを移動する移送デッキ130Bと、を備える。それぞれの保管レベル130Lはまた、その保管レベル130L上のローバー110に搭載されている電源を充電するための充電ステーション130Cを備えていてもよい。
【0010】
ローバー110は、保管および取出システム100全体に亘ってケースユニットを運搬および移送することが可能な任意の適切な独立して作動可能な自律式車両であってもよい。ある態様において、ローバー110は自動化され、独立した(例えば乗車不要(free riding)の)ローバーであり得る。ローバーの適切な例としては、2011年12月15日に出願された米国特許出願第13/326,674号、2010年4月9日に出願された米国特許出願第12/757,312号、2011年12月15日に出願された米国特許出願第13/326,423号、2011年12月15日に出願された米国特許出願第13/326,447号、2011年12月15日に出願された米国特許出願第13/326,505号、2011年12月15日に出願された米国特許出願第13/327,040号、2011年12月15日に出願された米国特許出願第13/326,952号、2011年12月15日に出願された米国特許出願第13/326,993号において見いだされ得るが、これは例示的な目的のためだけのものであり、そしてこれらの開示は参照によりその全体が本明細書中に組み込まれる。ローバー110は、例えば上述の小売商品などのケースユニットを、保管構造130の一または複数のレベル内の選別ストック内に配置し、そしてその後、注文されたケースユニットを、例えば店または他の適切な場所などへ運送するために選択的に取り出すように構成されていてもよい。
【0011】
ローバー110、リフトモジュール150、ならびに保管および取出システム100の他の適切な機構は、例えば一または複数のセントラルシステム制御コンピュータ(例えば制御サーバなど)120により、例えば任意の適切なネットワーク180を介して制御され得る。ネットワーク180は、任意の適切な種類および/または数の通信プロトコールを用いた、有線ネットワーク、無線ネットワーク、または無線もしくは有線ネットワークの組み合わせであり得る。ある態様において、制御サーバ120は、自動保管および取出システム100の実質的な自動制御のために、略同時に実行されるプログラムの集合(例えばシステム管理ソフトウェアなど)を備えていてもよい。略同時に実行されるプログラムの集合は、保管および取出システム100を管理するように構成され得、これには例えば、全ての稼働中のシステム構成要素の動作を制御、スケジューリングおよびモニタリングすること、棚卸(例えばどのケースユニットが搬入されそして取り除かれたか、およびどこにケースユニットが保管されているかなど)およびピックフェース(例えばユニットとして移動可能である一または複数のケースユニットなど)を管理すること、ならびに、倉庫管理システム2500とインターフェースで接続することなどが挙げられるが、これらは例示を目的とするものにすぎない。
【0012】
一または複数のリフトモジュール150、移送デッキ130B、選別通路130A、保管スペース130S、移送ステーション160、170およびローバー110は、一または複数の、独立して作動可能な第一のセクションおよび独立して作動可能な第二のセクションを形成していてもよい。独立して作動可能な第一のセクションは、第一の数の所定の保管および取出処理(transaction)を有し、そして、独立して作動可能な第一のセクションと連絡する独立して作動可能な第二のセクションは、第二の数の所定の保管および取出処理を有していてもよい。独立して作動可能な第一および第二のセクションは、所定の保管および取出処理の第一の数が、所定の保管および取出処理の第二の数と実質的に一致するように、それぞれの数の所定の保管および取出処理を提供するよう構成されていてもよい。ある態様において、第一の数の所定の保管および取出処理が垂直方向の処理速度を含むように、一または複数のリフトモジュール150が独立して作動可能な第一のセクションを形成してもよい。第二の数の所定の保管および取出処理が、水平方向(horizontal)の処理速度またはレベルの処理速度を含むように、一または複数の保管レベル(それぞれの保管レベル上に少なくともローバー110、選別通路130A、移送デッキ130Bおよび保管スペース130Sが備えられていてもよい)が、独立して作動可能な第二のセクションを形成していてもよい。垂直方向の処理速度は、自動保管および取出システムの所定の垂直方向の保管レベルへのピックフェース(例えば積載物(payload)など)移送速度であり得、そして、水平方向の処理速度は、一または複数の、所定の保管レベル130Lのピックフェース移送速度、および/または、パレタイザまたはデパレタイザのピックフェース処理速度であってもよい。
【0013】
ある態様において、水平方向処理速度は、効率的な方法で、または任意の他の適切な方法で、ローバー110にタスクおよびルートを割り当て得る、コントローラ120の最適化された設計および制御ソフトウェアを介して処理され得る。水平方向処理速度はまた、任意の適切な方法でローバー110の平均速度を増大させることにより増大されてもよい。垂直方向処理速度は、例えば、ピックフェースの搬出口上のリフトモジュール150の搬出口またはピックフェースの搬入口上のリフトモジュール150の搬入口を通過する連続する棚150S間の秒数などに依存し得る。垂直方向処理速度は、リフトモジュール150の棚150Sのそれぞれの上でのピックフェース保持位置またはピックフェース積載位置200(
図2)の数を増加させること、および/または、さらに下記に詳細に記載されるであろうように、リフトモジュール150の数を増加させることによって対処され得る。同様に以下に記載されるであろうように、垂直方向処理速度を増加させることは、リフトモジュール150の数を減少させ得、移送デッキ130Bの面積を減少させ得、および/または、単一のリフトモジュール150がピックフェースの搬入および搬出の両方を処理する、リフトモジュール150の双方向操作を可能にし得ることが留意される。他の態様において、スループット(例えば水平方向および/または垂直方向処理速度)は、移送デッキレーンおよび/または行路(avenues)を減少させること、または、以下に記載されるであろうようにローバー110の最適化された横断時間を促進するためにリフトモジュール150を再配置することによって増加され得る。
【0014】
ここで
図2および3を参照すると、垂直方向リフトセクション150の一部分が示されている。垂直方向リフトモジュール150は、一または複数のトラック部材210Mによって形成されるトラック210の周囲を実質的に連続的に回転する一または複数の棚150Sを備えていてもよい。他の態様において、垂直方向リフトモジュール150は、ピックフェース200P(例えば、ユニットとして移動される一または複数のケースユニットなど)を、異なる保管レベル130Lにおよび保管レベル130Lから搬送するための任意の適切な構成を備えていてもよい。それぞれの棚150Sは、縦方向軸LONおよび横方向軸LATを備え得る。この態様において、棚の横方向の側部が、垂直方向リフトモジュール150の第一の側150Nおよび第二の側150U(以下に記載されるであろうように、2つの側は、ピックフェース搬入口/搬出口、ピックフェース搬出口/搬出口、またはピックフェース搬入口/搬入口として使用され得ることが留意される)に関して互いに隣接し合うように、棚の縦方向軸LONは、実質的にトラック部材210Mのあいだにわたっている。他の態様において、棚の縦方向の側部が、垂直方向リフトモジュール150の第一の側150Nおよび第二の側150Uに関して互いに隣接していてもよい。棚150Sは、一または複数のピックフェース200Pを保持するように構成されていてもよく、ここで一または複数のピックフェース200Pは、より詳細には以下に記載されるであろうように、棚150S上で任意の適切な空間的配置を有している。例えば、
図2に示されているそれぞれの棚150Sは、2つの隣り合う積載位置200を備えているが、他の態様において、棚は、任意の適切な空間的関係で配置される任意の適切な数の積載位置200を備える。
【0015】
ピックフェースは、任意の適切な方法で棚150Sにまたは棚150Sから移送され得る。ある態様において、棚が実質的に連続的にトラック210Mを回るあいだに、ローバー110が、ピックフェースを棚150Sにまたは棚150Sから移送し得る。他の態様において、
図3に示されているように、一または複数の搬入/搬出コンベヤ301、302(一般的に「コンベヤ(conveyor)」または「コンベヤ(conveyors)」と称される)がまた、棚150Sにまたは棚150Sからピックフェースを移送してもよい。コンベヤ301、302は、垂直方向リフトモジュール150と一または複数の移送ステーション160、170とのあいだでピックフェースを搬送する。理解され得るように、コンベヤ301、302は、垂直方向リフトモジュール150の任意の適切な側150N、150U(例えばこれは、ピックフェースがそこへ積載されつつあるのか、またはそこから降ろされつつあるのかに依存し得る)上に配置され得る。
【0016】
ここで
図4を参照すると、開示される実施形態の態様にしたがった、棚の構成のいくつかの例が示されている。ここで棚150S1~150S3は、移送デッキ130Bと隣接して示されている。移送デッキ130Bは、棚150S1~150S3へのアクセスを実現する行路(avenues)130BAおよび通路(aisles)130BSを備える。これらの実施例において、棚は、移送デッキの行路130BAと略平行に構成される。棚150S1は、
図2および
図3に関連して上記で説明されたものと実質的に同様であってもよい。棚150S2は、2つの端部積載位置200E1、200E2および中間または中央の積載位置200Cを備える。ここで、棚150Sは、2つのローバー110(これらは横に並んでまたは端と端が接するように配置されている)のみが、端部積載位置200E1、200E2にアクセスできるように、または、単一のローバー110が中央積載位置200Cにアクセスできるように長さL1を有する。ここで、3つの積載位置200E1、200E2、200Cを利用するために、2つの端部積載位置200E1、200E2が1つの保管レベル130Lからアクセスされ、および、中央積載位置200Cが別の異なる保管レベル130Lからアクセスされてもよい。例えばコントローラ120の設計および制御ソフトウェアは、いくつかの保管レベル130Lが端部積載位置200E1、200E2にアクセスするローバーを備え、および、他の保管レベル130Lが中央積載位置200Cにアクセスするローバーを備え得るように、ローバーにタスクを割り当て得る。どの保管レベル130Lが端部または中央積載位置にアクセスするのかという割り当ては、固定されていなくてもよく、および、動的にスケジューリングされてもよい(例えば、ある場合には、所定の保管レベルが端部積載位置にアクセスし得、および、別の場合では、同じ所定のレベルが中央積載位置にアクセスし得る)。棚150S3もまた、3つの積載位置、例えば端部積載位置200E1、200E2および中央積載位置200Cを備える。しかしながら、棚150S3は、同じ保管レベル130Lからの全ての3つの積載位置200E1、200E2、200Cへの略同時のアクセスのために、互いに干渉することなく、隣り合うまたは端と端が隣接するように3つのローバー110が配置され得るような長さL2を有する。理解され得るように、それぞれの棚150S上の積載(payload)位置200は、積載位置200が棚150S上の任意の適切な所定の位置に配置され得るように可変的に構成可能であり得る。ある態様において、コントローラ120は、任意の一つの棚150S1、150S2、150S3上の任意の積載位置200、200E1、200E2、200Cが任意の適切な所定の保管レベルで動的にアクセスされ得るように、ローバーにタスクを割り当て得る。他の態様において、所定の積載位置へのアクセスは、所定の保管レベル130Lに固定されていてもよい。
【0017】
図5を参照して、ある態様において、棚150S2と実質的に同様の積載構造を備える棚150Sの上面図が示されている。示されているように、保管レベル130B1上の2つのローバー110が互いに干渉することなく端部積載位置200E1、200E2にアクセスする。同様に、コンベヤ301、302は、棚150Sの端部積載位置200E1、200E2にピックフェースを積載するおよび/または端部積載位置200E1、200E2からピックフェースを降ろすために保管レベル130B1と比較して異なる垂直方向レベル上に位置される。
図5はまた、異なる保管レベル130B2上に配置され、中央積載位置200Cにアクセスする1つのローバー110を示している。理解され得るように、中央積載位置200Cは、棚150Sの中央積載位置200Cにピックフェースを積載するおよび/または中央積載位置200Cからピックフェースを降ろすための、コンベヤ301、302とは異なる垂直方向レベルに配置され得る、対応するコンベヤ501(実質的にコンベヤ301、302と同様)を備えていてもよい。コンベヤ301、302、501、および、棚150Sにピックフェースを積載するおよび/またはコンベヤ301、302、501、および、棚150Sからピックフェースを降ろすための本明細書に記載の他のコンベヤの垂直方向の高さは、一または複数のコンベヤが、他のコンベヤとは異なる垂直方向高さに位置され、同じまたは異なる棚150Sにアクセスし得るようにフレキシブルであってもよいことが留意される。
【0018】
ある態様において、
図6は、4つの積載位置、例えば2つの端部積載位置200E1、200E2および2つの中央積載位置200C1、200C2を備える棚150Sを示している。ここで、並んでまたは端と端が隣接するように配置されているローバーは、積載位置の対(例えば一つおきの積載位置など)に、互いに干渉することなくアクセスし得る。例えば、1つの保管レベル130B1上で、ローバー110が、互いに干渉することなく、積載位置200E1、200C2にアクセスし得る。異なる保管レベル130B2上で、ローバー110は、互いに干渉することなく、積載位置200C1および200E2にアクセスし得る。理解され得るように、積載位置200E1、200C2および200C1、200E2のそれぞれの対は、異なる垂直方向高さに配置されている対応するコンベヤを備えていてもよい。例えば、コンベヤ302、501は、積載位置200E1、200C2におよび/または積載位置200E1、200C2からピックフェースを移送するための、例えば第一の垂直方向高さに位置され得る。コンベヤ301、601は、例えば、積載位置200C1、200E2におよび/または積載位置200C1、200E2からピックフェースを移送するための、第一の垂直方向高さとは異なる第二の垂直方向高さに位置されてもよい。他の態様において、コンベヤ301、302、501、604のそれぞれが異なる垂直方向高さに位置されていてもよい。
【0019】
別の態様にしたがって、
図7Aおよび7Bは、例えば、2列のピックフェースを保持する(例えば棚のそれぞれの側部S1、S2に1列など)ための、拡張された幅Wおよび任意の適切な長さLを備える棚150S4を示しており、ここで、ローバー110は棚150S4の両方の側部S1、S2からピックフェースにアクセスする。コンベヤ301、302、701、702は、前述されたものと実質的に同様の様式で、積載位置におよびそこからピックフェースを移送するために、棚150S4に関して配置され得る。棚150S4Nに関して示されているように、ある態様において、棚の全ての積載位置200Nが、リフトモジュール150にピックフェースを積載するために使用されてもよい。棚150S4Uに関して示されているように、ある態様において、棚の全ての積載位置200Uが、リフトモジュール150からピックフェースを降ろすために使用されてもよい。以下に記載されるであろうように、さらに他の態様において、棚150S4の積載位置200のいくつかが、リフトモジュール150にピックフェースを積載するために使用され、および、いくつかの積載位置が、リフトモジュール150からピックフェースを降ろすために使用されてもよい。理解され得るように、棚150S4はまた、棚150S4のそれぞれの側部S1、S2が
図4に関連して上述されたものと実質的に同様の様式で構成される積載位置を備え得るよう、ピックフェースを保持するように構成されていてもよい。また、理解され得るように、積載位置が積載するために使用されるのかまたは降ろすために使用されるのかが、そこから積載位置がアクセスされる移送ステーション(保管レベル130Lまたはコンベヤのどちらか)に対する棚の移動方向によって決定されてもよい。
【0020】
図7C~7Fを参照して、棚150S4の両方の側部S1、S2にローバーがアクセスすることを可能にするために、一または複数の通路130BSおよび/または行路130BAが、棚150S4のそれぞれの側部S1、S2に沿って並ぶように、一または複数のリフトモジュール150が、例えば、移送デッキ130Dに対して位置されてもよい。例えば、
図7Cおよび7Dにおいて示されているように、棚150S4のそれぞれの側部S1、S2へのアクセスが移送デッキ130Bの行路130BAによって実現されるために、リフトモジュール150が通路130BSおよび行路130BAによって実質的に取り囲まれるように、リフトモジュール150が配置される。理解され得るように、移送デッキ130Bの領域は、例えば、移送デッキから行路130BAを除くことにより減少されてもよい。例として例えば、移送デッキ領域は、
図7Cから
図7Dへと、選別通路130Aと反対側のリフトモジュール150の側において一または複数の行路130BAを取り除くことによって減少される。他の態様において、リフトモジュール150と選別通路130Aとの間の行路130BAが、移送デッキ130Bの領域を減らすために取り除かれてもよい。開示される実施形態の態様にしたがって、
図7Eおよび7Fに示されているように、棚150S4の側部S1、S2の積載位置へのアクセスが移送デッキ130Bの通路130BSによって実現されるように、一または複数のリフトモジュール150が移送デッキ130Bに対して位置されてもよい。理解され得るように、積載位置へのアクセスが通路130BSによって実現される場合、移送デッキの領域は、(
図8Aおよび8Bに示されるように)棚150S4間のいくつかの通路130BSを排除することによって、および/または、リフトモジュール150のどちらかの側の行路130BAを排除することによって、減らされ得る。また、
図7Eおよび7Fに示されている棚150S4の列は、ピックフェースを積載位置200Nに移送することと、その後の積載位置200Uからピックフェースを降ろすことと、のあいだでローバーが移動する距離が、側部S1、S2へのアクセスが行路130BAによって実現される場合よりもより短い距離となり得るように、積載ステーション200Nを備えることと積載ステーション200Uを備えることとを交互に繰り返している(例えば搬入リフトモジュールが搬出リフトモジュールの隣に配置されている)ことが留意される。他の態様において、
図7Cおよび7Dに示されているように、共通の行路130BAによってアクセスされる棚のそれぞれの列の側部S1が、積載位置200Nと積載位置200Uとの間で交互に替わることにより、棚へのピックフェースの積載とピックフェースを降ろすこととのあいだでローバーが移動する距離が、その側部が通路130BSによってアクセスされる場合に移動する距離と略同じであるように、棚は配置され得る。他の態様において、移送デッキ130Bの通路130BSの領域は、隣接し合うリフトモジュール150間では排除されてもよく(
図7G)、リフトモジュール150は、選別通路130Aに直接隣接するように配置されていてもよく(
図7H)、移送デッキは、通路130BSおよび行路130BAを実質的に備えないオープンデッキとして構成されていてもよく(
図7I)、および/または、保管構造の移送デッキまたは選別通路が、例えば通路130BSなどと共に突堤状部(piers)を形成してもよく、ここで通路130BSは以下に記載されるであろうように移送デッキの行路130BAから延在している。さらに他の態様において、移送デッキの領域が、任意の適切な様式で減少されてもよい。
【0021】
上に記載されるように、棚150S4はまた、ピックフェースを積載するおよびピックフェースを降ろす作業の両方に使用されてもよい。例えば、
図9A~9C、10および11に示されるように、棚150S4の側部S1が棚上にピックフェースを積載するために使用され、一方、同一のまたは共通の棚150S4の側部S2が棚からピックフェースを降ろすために使用されてもよい。このことは、保管構造130へのおよびそこからのピックフェースの搬入および搬出の両方のために共通のまたは同一のリフトモジュール150を使用することを可能にする。例えば、棚150S4の側部S1は、棚150S4にピックフェースを積載するための積載位置200Nを備えており、一方、側部S2は、棚150S4からピックフェースを降ろすための積載位置200Uを備えていてもよい。
図9Aおよび9Bにおいて示されているように、移送デッキ130Bの積載位置200N、200Uへのアクセスは、リフトモジュールの外側位置OPからであり得、一方、コンベヤ301、302、901、902による積載位置へのアクセスは、内側位置IP(例えば、棚の垂直方向の積み重ねのあいだの領域など)からであり得る。他の態様において、移送デッキ130Bの積載位置200N、200Uへのアクセスが、リフトモジュールの内側位置IPからであり、一方、コンベヤ301、302、901、902による積載位置へのアクセスは外側位置OP(例えば、棚の垂直方向の積み重ねのあいだの領域など)からであってもよい。棚150S4の側部S1、S2のそれぞれの側部が2つの積載位置を備えているように示されているが、他の態様において、
図4に関連して前述されたものなどの任意の適切な構成を備える任意の適切な数の積載位置が存在していてもよい。
図9Bは例示目的のみであるが、ピックフェースを積載することおよび降ろすことの両方のための積載位置200N、200Uの両方を備える共通の棚150S4を記載しているものとして参照され得る。ハッチングパターンを備えるピックフェース200NPは、積載位置200N上の(例えば、保管からリフトモジュール上に積載されている)ピックフェースを表しており、一方、網掛けで描かれたピックフェース200UPは、積載位置200U上の(例えば、リフトモジュールから保管に降ろされている)ピックフェースを表している。搬入コンベヤ901(これは、搬入移送ステーション170内に備えられていてもよい、
図1参照)からのピックフェース200NPは、ピックフェース200NPがリフトモジュール150上に積載された場合にリフトモジュール150の内部に向かって配置されるように、例えばリフトモジュール150の内側位置IPなどから任意の適切な様式で棚150S4上に積載される。棚150S4がリフトモジュール150の頂部の上方を通って反対側に移動すると、ピックフェースは、リフトモジュール150の外側上の配置となり、そして、リフトモジュール150からピックフェースを降ろすためにそれぞれの保管レベルに配置されているローバー110によってアクセス可能となる。同時に、ピックフェース200UPは、リフトプラットホーム150S4の外側から棚150S4上にローバー110によって積載される。ピックフェース200UPがリフトモジュール150S4の頂部の上方を通って移動すると、ピックフェース200UPは、リフトモジュール150からコンベヤ902にピックフェースを降ろすために、コンベヤ902(これは
図1の搬出移送ステーション160内に備えられていてもよい)へと下方に移動しているリフトモジュール150の内側上の配置となる。搬入のみまたは搬出のみのリフトモジュールとは対照的に、
図9A~9Bに示されている二方向性のリフトモジュールは、上方および下方に移動する両方の棚150S4の同時使用を可能にする。
図10および11において示されているように、棚150S4の両方の側部S1、S2へのアクセスは、移送デッキ130Bの通路130BSまたは行路130BAがリフトモジュール150によって実質的に取り囲まれているように、そしてそれによって、一または複数の通路130BSまたは行路130BAが、例えば(前述のように)移送デッキに対する棚150S4の配向に依存して、棚150S4へのアクセスを提供するように、上述のものと実質的に同様の様式で実現されてもよい。また、ある態様において、保管構造130は、選別通路130Aおよび保管スペース130Sがリフトモジュール150の片側上だけに配置されるように構成されていてもよく(
図10)、一方、他の態様において、選別通路130Aおよび保管スペース130Sが、リフトモジュール150の二または三以上の側部上に配置されていてもよい(
図11)ことが留意される。
【0022】
多位置のリフトモジュールが上記で説明されてきたが、開示される実施形態の態様にしたがって、リフトモジュール150は、単一の積載位置200のみを備える棚を備えていてもよい。例えば、
図12Aを参照して、例えばそれぞれが単一の積載位置200を備える24個の単一のリフトモジュール150などを備えた移送デッキ130Bを備える保管構造130が示されている。同様の移送デッキを備えるが2個の搬入リフトモジュールおよび2個の搬出リフトモジュールを例えばそれぞれの棚上に2つの積載位置などとともに備える保管構造と比較して、積載位置200の数および
図12Aに示される構成とともに起こり得る垂直方向処理はより多いかもしれない。コントローラ120は、それぞれの保管レベル130Lの水平方向移送速度がリフトモジュール150の垂直方向移送速度と略一致するようにローバーのタスクを適宜調整し得る。他の態様において、コントローラは、移送ステーション160、170の処理速度をリフトモジュールの垂直方向移送速度に略一致させるように調整し得る。
図12Aに示される保管構造130およびリフトモジュール150は、単なる例示であって、および、他の態様において保管構造およびリフトモジュールは、任意の適切な数のリフトモジュール(それぞれの棚上に一または複数の積載位置を備えていてもよい)を備えた任意の適切な構成を備えていてもよいことが理解されるであろう。
【0023】
ある態様において、
図12Aに示されるように、移送デッキの一または複数の通路130BSは、それぞれの突堤状部(pier)130Pを形成するために移送デッキ130Bから延在していてもよい(例えば、移送デッキの延設)。それぞれの突堤状部は、それぞれの突堤状部130Pの一または複数の側方130PS1、130PS2に位置されているリフトモジュール150に、それぞれの棚150Sの積載位置200へのアクセスを提供する行路130BAを備えていてもよい。理解され得るように、突堤状部130Pは、任意の適切な数のリフトモジュール150に適応するための任意の適切な長さを有していてもよい。
図13に示されるように、突堤状部130Pの行路130BAに沿って配置されるそれぞれのリフトモジュール150のための積載位置は、行路130BAの一または複数の側部130BAS1、130BAS2に沿って配置されてもよい。
図12Bは、
図12Aに示されている保管構造130の一部の概略図である。
図12に示されているように、それぞれのリフトモジュール150のための積載位置200は、突堤状部130Pのそれぞれの行路130BAの共通の側部130BAS2上に配置される。別の態様において、
図13に示されるように、積載位置200は、行路130BAの両側部130BAS1、130BAS2上にある。
【0024】
別の態様において、
図14および15に示されるように、突堤状部130Pの通路130BSは、積載位置が突堤状部130Pの端部に位置されるように、リフトモジュールの積載位置200へのアクセスを提供してもよい。
図14に示されているように、すぐ近くに隣接する通路130BSは、積載位置が横に並んだ構成で配置されるように突堤状部130P、130P1を形成してもよい。他の態様において、突堤状部のあいだに一または複数の通路130BSが存在していてもよい(
図12Aおよび15を参照のこと)。
図15に示されているように、4つの突堤状部が通路130BS1~130BS4によって形成されており、ここで、突堤状部130P1および130P2は互いにすぐ近くに隣接しており、そして、突堤状部130Pおよび130P2、ならびに突堤状部130P2および130P3は、突堤状部を離間している通路を備える。
図15に示されているように、積載位置200は、
図14に関連して記載されたものと実質的に同様な様式でそれぞれの突堤状部の端部として配置される。同様に
図15に示されるように、任意の適切な数の積載位置200が、それぞれの突堤状部130P~130P3の一または複数の側部130BSS1、130BSS2に沿って配置されてもよい。
【0025】
開示されている実施形態の別の態様にしたがって、
図16および17は、積載位置200が、両側方130PS1、130PS2および突堤状部の端部に配置されている突堤状部構成の例である。突堤状部は、
図16に示されているような単一の突堤状部であってもよく(突堤状部13PSも参照のこと)、また、一群の突堤状部130PT(
図17)であってもよい。一群の突堤状部130PTは、例えば突堤状部の一または複数の行路130BAを介して、互いに連結された二または三以上の突堤状部を備え得る。
【0026】
図18および19は、それぞれの積載ステーション200へのアクセスが移送デッキ130Bに沿った行路130BAによって実現されるような、
図4、7C~7I、8A、8B、9C、10および11に関連して上述されたものに実質的に同様な様式で構成されている単一の積載位置200を備えるリフトモジュール150を図示している。積載位置へのアクセスを実現している移送デッキ130Bの領域は、連廊(vestibule)と称され得る。
図18は、それぞれが一または複数の積載位置200を備える2列のリフトモジュールをそれぞれ備えた2つの連廊V1、V2を図示しており、ここで行路130BA1はリフトモジュールの一列へのアクセスを提供し、および、行路130BA2はリフトモジュールの別の列へのアクセスを提供する。理解され得るように、連廊V1、V2は、リフトモジュールの2個より多い、または少ない列を備えていてもよい。また、それぞれの連廊V1、V2が、一または複数の横に並んだリフトモジュール150を備えていてもよいことが留意される。例示的な目的だけのためであるが、連廊V1のそれぞれの行路130BA1、130BA2が、1つのリフトモジュール150へのアクセスを提供し、一方、連廊V2のそれぞれの行路130BA1、130B2が、2つの横に並んだリフトモジュール150へのアクセスを提供する。同様に、
図19は、4つの連廊V1~V4を備えた移送デッキ構成であって、連廊V1が単一の積載位置200へのアクセスを提供し、連廊V2が2つの積載位置200へのアクセスを提供し、連廊V3が3つの積載位置200へのアクセスを提供し、および連廊V4が4つの積載位置200へのアクセスを提供している構成を例示している。理解され得るであろうように、それぞれの連廊における積載位置が、単一のリフトモジュール(例えば、複数の積載位置を備える)によって提供されてもよく、また、複数のリフトモジュール(例えば、単一の積載位置を備える)によって提供されてもよい。
【0027】
開示されている実施形態の一または複数の態様にしたがって、自動保管および取出システムは、第一の数の所定の保管および取出処理を有する、独立して作動可能な第一のセクション、および独立して作動可能な第一のセクションと連絡し、第二の数の所定の保管および取出処理を有する独立して作動可能な第二のセクションを備え、所定の保管および取出処理の第一の数が、所定の保管および取出処理の第二の数と実質的に一致するように、独立して作動可能な第一および第二のセクションが、それぞれの数の所定の保管および取出処理を提供するよう構成される。
【0028】
開示されている実施形態の一または複数の態様にしたがって、第一の数の所定の保管および取出処理は、垂直方向の処理速度を含み、第二の数の所定の保管および取出処理は、水平方向の処理速度を含む。他の態様において、垂直方向の処理速度は、自動保管および取出システムの所定の垂直方向保管レベルへの積載物移送速度を含み、水平方向の処理速度は、一または複数の、所定の垂直方向の保管レベルでの積載物移送速度、および、パレタイザまたはデパレタイザの積載物処理速度を含む。
【0029】
開示されている実施形態の一または複数の態様にしたがって、自動保管および取出システムはさらに、少なくとも一つの垂直方向リフトモジュール、少なくとも一つの垂直方向リフトモジュールと連絡している移送デッキセクション、移送デッキと連絡している少なくとも一つの保管セクション、および、移送デッキセクションを横断し、少なくとも一つの保管セクションおよび少なくとも一つの垂直方向リフトモジュールとインターフェースで接続するように構成されている少なくとも一つの独立して作動可能なローバーを備え、少なくとも一つの垂直方向リフトモジュールのうちの一つ、移送デッキセクション、少なくとも一つの保管セクション、および少なくとも一つの独立して作動可能なローバーが、一または複数の、独立して作動可能な第一のまたは第二のセクションを形成する。別の態様において、自動保管および取出システムはさらに、少なくとも一つの独立して作動可能なローバーとインターフェースで接続するように構成されている少なくとも一つの充電セクションを備え、少なくとも一つの充電セクションは、一または複数の独立して作動可能な第一または第二のセクションを形成する。さらに別の態様において、自動保管および取出システムはさらに、少なくとも一つのパレタイジングセクションおよび少なくとも一つのデパレタイジングセクションを備え、一または複数の少なくとも一つのパレタイジングセクションおよび少なくとも一つのデパレタイジングセクションは、一または複数の独立して作動可能な第一または第二のセクションを形成する。さらなる別の態様において、少なくとも一つの垂直方向リフトモジュールは、2つの横に並んだ垂直方向リフトを備え、移送デッキは、2つの横に並んだ垂直方向リフトによって共有されるローバー移動通路を備える。さらなる別の態様において、少なくとも一つの垂直方向リフトモジュールは、2つの横に並んだ垂直方向リフトを備え、移送デッキは、オープンデッキを含み、オープンデッキは、ローバーが2つの横に並んだ垂直方向リフトにアクセスすることを可能にするための、オープンデッキに沿ったローバーの非制限的な移動のために構成されている。別の態様において、移送デッキは、少なくとも一つの垂直方向リフトモジュールの隣り合う積載棚のあいだに延在し、隣り合う積載棚によって共有されるローバー移動突堤状部を含む。さらに別の態様において、移送デッキは、少なくとも一つの多階層垂直方向コンベヤセクションの積載棚へのアクセスを実現するための、一または複数のローバー移動通路および行路を含む。
【0030】
開示されている実施形態の一または複数の態様にしたがって、独立して作動可能な第一または第二のセクションのうちの一つは、積載棚を有する垂直方向リフトを含み、それぞれの積載棚は、可変式に構成可能な積載保持位置を含む。
【0031】
開示されている実施形態の一または複数の態様にしたがって、独立して作動可能な第一または第二のセクションのうちの一つは、自動保管および取出システムへ、および自動保管および取出システムから積載アイテムを搬入することおよび取り除くことの両方のために構成される垂直方向リフトを含む。
【0032】
開示されている実施形態の一または複数の態様にしたがって、自動保管および取出システムはさらに、垂直方向に積層された保管レベルを備え、独立して作動可能な第一または第二のセクションのうちの一つが、第一または第二の棚を有する垂直方向リフトを含み、垂直方向リフトが、それぞれの第一または第二の棚がそれぞれの棚の両側からそれぞれの保管レベルにアクセスされ得るように、自動保管および取出システム内に位置されている。
【0033】
開示されている実施形態の一または複数の態様にしたがって、自動保管および取出システムはさらに、少なくとも一つの垂直方向リフトモジュール、少なくとも一つの垂直方向リフトモジュールと連絡している少なくとも一つの保管セクション、および移送デッキセクションを横断し、少なくとも一つの保管セクションおよび少なくとも一つの垂直方向リフトモジュールとインターフェースで接続するように構成されている少なくとも一つの独立して作動可能なローバーを備え、少なくとも一つの垂直方向リフトモジュールのうちの一つ、少なくとも一つの保管セクション、および少なくとも一つの独立して作動可能なローバーが、一または複数の独立して作動可能な第一または第二のセクションを形成する。
【0034】
開示されている実施形態の一または複数の態様にしたがって、自動保管および取出システムにおいて積載物を搬送するための方法は、第一の数の所定の保管および取出処理を有する、独立して作動可能な第一のセクション提供すること、および独立して作動可能な第一のセクションと連絡し、第二の数の所定の保管および取出処理を有する、独立して作動可能な第二のセクションを提供することを含み、所定の保管および取出処理の第一の数が、所定の保管および取出処理の第二の数と実質的に一致するように、独立して作動可能な第一および第二のセクションがそれぞれの数の所定の保管および取出処理を提供する。
【0035】
開示されている実施形態の一または複数の態様にしたがって、第一の数の所定の保管および取出処理は、垂直方向の処理速度を含み、第二の数の所定の保管および取出処理は、水平方向処理速度を含む。開示されている実施形態の一または複数の態様にしたがって、垂直方向の処理速度は、自動保管および取出システムの所定の垂直方向保管レベルへの積載物移送速度を含み、水平方向の処理速度が、一または複数の、所定の垂直方向保管レベルの積載物移送速度およびパレタイザまたはデパレタイザの積載物処理速度を含む。
【0036】
前述の記載は、開示された実施形態の態様の例示に過ぎないことが理解されるべきである。様々な代替および改変が開示された実施形態の態様から逸脱することなく当業者によって考案され得る。したがって、開示された実施形態の態様は、添付の特許請求の範囲内に属するそのような代替、改変および変化の全てを包含することを意図している。さらに、種々の特徴が互いに異なる従属または独立クレームに記載されているという単なる事実は、これら特徴の組み合わせが有利に使用され得ないということを意図するものではなく、そのような組み合わせは本発明の態様の範囲内にあるものである。