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特許7422750そのスループットがしきい値を超える後続送信のための復号可能性の解決
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】そのスループットがしきい値を超える後続送信のための復号可能性の解決
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/22 20090101AFI20240119BHJP
   H04W 28/04 20090101ALI20240119BHJP
【FI】
H04W28/22
H04W28/04 110
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021518881
(86)(22)【出願日】2019-10-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(86)【国際出願番号】 US2019055329
(87)【国際公開番号】W WO2020076904
(87)【国際公開日】2020-04-16
【審査請求日】2022-09-20
(31)【優先権主張番号】62/743,524
(32)【優先日】2018-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/595,834
(32)【優先日】2019-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507364838
【氏名又は名称】クアルコム,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】ホビン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ガビ・サルキス
(72)【発明者】
【氏名】ハリ・サンカール
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・ビナミラ・ソリアガ
【審査官】伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】Qualcomm Incorporated,Maintenance for DL/UL data scheduling and HARQ procedure[online],3GPP TSG RAN WG1 #94bis,3GPP,2018年09月29日,R1-1811236,[検索日 2023.08.17],インターネット:<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_94b/Docs/R1-1811236.zip>
【文献】Qualcomm Incorporated,Maintenance for DL/UL data scheduling and HARQ procedure[online],3GPP TSG RAN WG1 #94,3GPP,2018年08月24日,R1-1809428,[検索日 2023.08.17],インターネット:<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_94/Docs/R1-1809428.zip>
【文献】Ericsson,Summary of Soft buffer and Peak rate[online],3GPP TSG RAN WG1 #94bis,3GPP,2018年10月12日,R1-1812063,[検索日 2023.08.17],インターネット:<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_94b/Docs/R1-1812063.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)におけるワイヤレス通信のための方法であって、
基地局から、トランスポートブロック(TB)を含む送信を受信するステップと、
前記送信を復号しようと試みるステップと、
前記基地局に、前記TBを含む前記送信の少なくとも一部分の復号に失敗したことを示すフィードバックメッセージを送信するステップと、
前記基地局から、少なくとも前記TBの1つまたは複数の後続送信を受信するステップと、
記1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットを
【数1】
として決定するステップであって、
μが、アクティブな帯域幅パートのための前記1つまたは複数の後続送信のためのサブキャリア間隔(SCS)に関係し、
μ'が、最大構成数の物理リソースブロックを有するキャリアのすべての構成された帯域幅パートにわたる帯域幅パートのSCSに対応し、
C i 'が、i番目のTBのためにスケジュールされたコードブロックの数であり、
L i が、前記i番目のTBのための物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)持続時間であり、
Sが、前記i番目のTBのための連続シンボル持続時間において部分的または完全にスケジュールされたTBのセットであり、
x i が、前記i番目のTBの前記1つまたは複数の後続送信の直交周波数分割多重(OFDM)シンボルの数であり、
F i が、コードブロックにおけるコード化ビットの数であり、かつ
【数2】
の最大値であり、ただし、
【数3】
が、j番目の送信のための冗長値の開始ロケーションであり、
【数4】
が、前記j番目の送信のためにスケジュールされたコードブロックのmin(E r )であり、N cb,i が、サーキュラーバッファの長さであり、ただし、jが、0からJ-1までに及び、J-1が、前記i番目のTBのための現在の後続送信であり、
【数5】
が、
【数6】
の入力のための床関数であり、
【数7】
が、初期UEスループットを表す、決定するステップと、
前記1つまたは複数の後続送信の前記実効UEスループットが、あらかじめ決定された復号スループットしきい値を超えるか否かに少なくとも部分的に基づいて、前記1つまたは複数の後続送信のうちの後続送信を処理するステップと
を含、方法。
【請求項2】
前記1つまたは複数の後続送信のうちの前記後続送信を処理するステップが、
前記1つまたは複数の後続送信の前記実効UEスループットが、前記あらかじめ決定された復号スループットしきい値を超えることに基づいて、前記後続送信、または前記1つまたは複数の後続送信のすべてを復号することを控えるステップ
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つまたは複数の後続送信のうちの前記後続送信を処理するステップが、
前記1つまたは複数の後続送信の前記実効UEスループットが、前記あらかじめ決定された復号スループットしきい値を超えることに基づいて、前記1つまたは複数の後続送信の前記TBを復号することを控えるステップ
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記1つまたは複数の後続送信のうちの前記後続送信を処理するステップが、前記1つまたは複数の後続送信の前記実効UEスループットが、前記あらかじめ決定された復号スループットしきい値を超えることに基づいて、サービングセル上のアクティブなBWP内の最新の発生するPDSCH送信の最後のシンボルにおいて終了する、通常サイクリックプレフィックスのための14連続シンボル持続時間、または拡張サイクリックプレフィックスのための12連続シンボル持続時間における、すべてのTBの復号を控えるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
後続送信が復号されなかったことを示す否定応答(NACK)をキャリアのリソース上で基地局に送信するステップをさらに含む、請求項2から4のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記後続送信の前記実効UEスループットが、最新のPDSCH送信の最後のシンボルの終わりにおいて終了する間隔の間に評価される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記あらかじめ決定された復号スループットしきい値(TPmax)が、
【数8】
として定義され、ただし、TBSLBRMが、制限付きバッファレートマッチング(LBRM)が可能にされた最大TBサイズであり、ただし、RLBRMが、LBRMが可能にされた前記最大TBサイズのTBを送信するときのコーディングレートである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記1つまたは複数の後続送信の前記実効UEスループットが、冗長バージョンゼロを使用していない後続送信に対して適用可能であり、前記冗長バージョンゼロが、前記後続送信が符号化情報メッセージのビットゼロにおいて開始することを示し、
前記1つまたは複数の後続送信の前記実効UEスループットが、前記1つまたは複数の後続送信によって使用される冗長バージョンにかかわらず、適用可能であり、前記冗長バージョンが、前記1つまたは複数の後続送信が開始する、符号化情報メッセージ内のロケーションを示す、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ユーザ機器(UE)におけるワイヤレス通信のための装置であって、
基地局から、トランスポートブロック(TB)を含む送信を受信するための手段と、
前記送信を復号しようと試みるための手段と、
前記基地局に、前記TBを含む前記送信の少なくとも一部分の復号に失敗したことを示すフィードバックメッセージを送信するための手段と、
前記基地局から、少なくとも前記TBの1つまたは複数の後続送信を受信するための手段と、
記1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットを
【数9】
として決定するための手段であって、
μが、アクティブな帯域幅パートのための前記1つまたは複数の後続送信のためのサブキャリア間隔(SCS)に関係し、
μ'が、最大構成数の物理リソースブロックを有するキャリアのすべての構成された帯域幅パートにわたる帯域幅パートのSCSに対応し、
C i 'が、i番目のTBのためにスケジュールされたコードブロックの数であり、
L i が、前記i番目のTBのための物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)持続時間であり、
Sが、前記i番目のTBのための連続シンボル持続時間において部分的または完全にスケジュールされたTBのセットであり、
x i が、前記i番目のTBの前記1つまたは複数の後続送信の直交周波数分割多重(OFDM)シンボルの数であり、
F i が、コードブロックにおけるコード化ビットの数であり、かつ
【数10】
の最大値であり、ただし、
【数11】
が、j番目の送信のための冗長値の開始ロケーションであり、
【数12】
が、前記j番目の送信のためにスケジュールされたコードブロックのmin(E r )であり、N cb,i が、サーキュラーバッファの長さであり、ただし、jが、0からJ-1までに及び、J-1が、前記i番目のTBのための現在の後続送信であり、
【数13】
が、
【数14】
の入力のための床関数であり、
【数15】
が、初期UEスループットを表す、手段と、
前記1つまたは複数の後続送信の前記実効UEスループットが、あらかじめ決定された復号スループットしきい値を超えるか否かに少なくとも部分的に基づいて、前記1つまたは複数の後続送信のうちの後続送信を処理するための手段と
を備え、装置。
【請求項10】
請求項9に記載のワイヤレス通信のための装置であって、請求項2から8のうちのいずれか一項に記載の方法を実行するための手段をさらに備える、装置。
【請求項11】
ユーザ機器(UE)におけるワイヤレス通信のためのコードを記録する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記コードが、プロセッサにより実行可能な命令を含み、前記プロセッサが、請求項1から8のうちのいずれか一項に記載の方法を実行するように構成される、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本特許出願は、本出願の譲受人に譲渡された、2019年10月8日に出願された「RESOLVING DECODABILITY FOR SUBSEQUENT TRANSMISSIONS WHOSE THROUGHPUT EXCEEDS A THRESHOLD」と題する、KIMらによる米国特許出願第16/595,834号、および2018年10月9日に出願された「RESOLVING DECODABILITY FOR RETRANSMISSIONS WHOSE THROUGHPUT EXCEEDS A THRESHOLD」と題する、KIMらによる米国仮特許出願第62/743,524号の優先権を主張する。
【0002】
以下は、一般にワイヤレス通信に関し、より詳細には、そのスループットがしきい値を超える後続送信のための復号可能性の解決に関する。
【背景技術】
【0003】
ワイヤレス通信システムは、音声、ビデオ、パケットデータ、メッセージング、ブロードキャストなど、様々なタイプの通信コンテンツを提供するために広く展開されている。これらのシステムは、利用可能なシステムリソース(たとえば、時間、周波数、および電力)を共有することによって複数のユーザとの通信をサポートすることが可能であり得る。そのような多元接続システムの例には、ロングタームエボリューション(LTE)システム、LTEアドバンスト(LTE-A)システム、またはLTE-A Proシステムなどの第4世代(4G)システム、および新無線(NR)システムと呼ばれることがある第5世代(5G)システムがある。これらのシステムは、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、直交周波数分割多元接続(OFDMA)、または離散フーリエ変換拡散OFDM(DFT-S-OFDM)などの技術を採用することがある。ワイヤレス多元接続通信システムは、場合によってはユーザ機器(UE)として知られていることがある複数の通信デバイスのための通信を各々が同時にサポートする、いくつかの基地局またはネットワークアクセスノードを含み得る。
【0004】
いくつかのワイヤレス通信システムでは、UEは、ダウンリンク情報を受信するために、基地局からの1つまたは複数のトランスポートブロック(TB)を復号し得る。したがって、UEは、1つまたは複数のTBを復号するとき、最大TBサイズに基づいて、ピーク復号スループットを維持し得る。しかしながら、復号スループットは、いくつかの状況では、ピーク復号スループットを超え得る。たとえば、1つまたは複数のTBの後続送信のための復号スループットは、基地局が初期のTB送信よりも低いコードレートで後続のTBを送信し得るので、ピークスループットを超え得る。より低いコードレートは、UEが、より低いレートで同量のコードブロックを復号することに基づいて、後続送信を復号するためにより多くの時間を必要とし、それによって復号スループットを高める結果になり得る。したがって、UE内の復号ハードウェアは、復号スループットがピーク復号スループットを超える後続送信を復号しようと試みることに基づいて、オーバープロビジョンされるようになり得る。過剰な復号スループットを扱うための効率的な技法が望まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
説明する技法は、そのスループットがしきい値を超える後続送信のための復号可能性の解決をサポートする、改善された方法、システム、デバイス、および装置に関する。概して、説明する技法は、基地局からトランスポートブロック(TB)を受信し、TBを復号しようと試みる、ユーザ機器(UE)を提供する。場合によっては、UEは、TBを復号できないことがあり、基地局は、失敗した復号を示す、UEからのフィードバックメッセージに基づいて、TBを再送信し得る。次いで、UEは、UEのための実効スループットがあらかじめ決定された復号スループットしきい値を超えるか否かに基づいて、この後続送信(またはTB)を処理するべきか否かを決定し得る。その後、UEは、UEのための実効スループットがあらかじめ決定された復号スループットしきい値未満である場合、後続送信(またはTB)を復号するか、または、UEのための実効スループットがあらかじめ決定された復号スループットしきい値を超える場合、後続送信を復号することを控え得る。
【0006】
あらかじめ決定された復号スループットしきい値は、14シンボル持続時間において送信された最大TBサイズのTBを復号するためのスループット、最大TBサイズのTBを送信するためのコードブロックの数、コードブロックレベルサイクリック冗長検査(CRC)の長さ、TBレベルCRCの長さ、制限付きバッファレートマッチング(LBRM:limited-buffer rate-matching)が可能にされた最大TBサイズのTBを送信するためのコーディングレート、スケーリング係数、またはそれらの任意の組合せに基づき得る。追加として、UEのための後続送信の実効スループットは、後続送信のためのサブキャリア間隔(SCS:sub-carrier spacing)、コンポーネントキャリアのために構成された最小SCS、TBにおいて送信されるコードブロックの数、サーキュラーバッファサイズ、後続送信のための物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)持続時間、14連続シンボル持続時間においてスケジュールされたTBのセット、またはそれらの任意の組合せに基づき得る。
【0007】
UEにおけるワイヤレス通信の方法について説明する。方法は、基地局から、TBを含む送信を受信するステップと、送信を復号しようと試みるステップと、基地局に、TBを含む送信の少なくとも一部分の復号に失敗したことを示すフィードバックメッセージを送信するステップと、基地局から、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信を受信するステップと、TBのための物理ダウンリンク共有チャネルの持続時間と、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信の直交周波数分割多重(OFDM)シンボルの数とに少なくとも依存する関数に基づいて、初期UEスループットをスケーリングすることに基づいて、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットを決定するステップと、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、あらかじめ決定された復号スループットしきい値を超えるか否かに基づいて、1つまたは複数の後続送信のうちの後続送信を処理するステップとを含み得る。
【0008】
UEにおけるワイヤレス通信のための装置について説明する。装置は、プロセッサと、プロセッサと結合されたメモリと、メモリに記憶された命令とを含み得る。命令は、装置に、基地局から、TBを含む送信を受信すること、送信を復号しようと試みること、基地局に、TBを含む送信の少なくとも一部分の復号に失敗したことを示すフィードバックメッセージを送信すること、基地局から、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信を受信すること、TBのための物理ダウンリンク共有チャネルの持続時間と、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信のOFDMシンボルの数とに少なくとも依存する関数に基づいて、初期UEスループットをスケーリングすることに基づいて、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットを決定すること、および、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、あらかじめ決定された復号スループットしきい値を超えるか否かに基づいて、1つまたは複数の後続送信のうちの後続送信を処理することを行わせるように、プロセッサによって実行可能であり得る。
【0009】
UEにおけるワイヤレス通信のための別の装置について説明する。装置は、基地局から、TBを含む送信を受信するための手段と、送信を復号しようと試みるための手段と、基地局に、TBを含む送信の少なくとも一部分の復号に失敗したことを示すフィードバックメッセージを送信するための手段と、基地局から、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信を受信するための手段と、TBのための物理ダウンリンク共有チャネルの持続時間と、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信のOFDMシンボルの数とに少なくとも依存する関数に基づいて、初期UEスループットをスケーリングすることに基づいて、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットを決定するための手段と、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、あらかじめ決定された復号スループットしきい値を超えるか否かに基づいて、1つまたは複数の後続送信のうちの後続送信を処理するための手段とを含み得る。
【0010】
UEにおけるワイヤレス通信のためのコードを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体について説明する。コードは、基地局から、TBを含む送信を受信すること、送信を復号しようと試みること、基地局に、TBを含む送信の少なくとも一部分の復号に失敗したことを示すフィードバックメッセージを送信すること、基地局から、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信を受信すること、TBのための物理ダウンリンク共有チャネルの持続時間と、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信のOFDMシンボルの数とに少なくとも依存する関数に基づいて、初期UEスループットをスケーリングすることに基づいて、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットを決定すること、および、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、あらかじめ決定された復号スループットしきい値を超えるか否かに基づいて、1つまたは複数の後続送信のうちの後続送信を処理することを行うように、プロセッサによって実行可能な命令を含み得る。
【0011】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、1つまたは複数の後続送信のうちの後続送信を処理することが、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、あらかじめ決定された復号スループットしきい値未満であることに基づいて、後続送信を復号するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得る。
【0012】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、1つまたは複数の後続送信のうちの後続送信を処理することが、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、あらかじめ決定された復号スループットしきい値を超えることに基づいて、後続送信を復号することを控えるための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得る。
【0013】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、1つまたは複数の後続送信のうちの後続送信を処理することが、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、あらかじめ決定された復号スループットしきい値を超えることに基づいて、1つまたは複数の後続送信のいずれを復号することも控えるための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得る。
【0014】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、1つまたは複数の後続送信のうちの後続送信を処理することが、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、あらかじめ決定された復号スループットしきい値を超えることに基づいて、1つまたは複数の後続送信のTBを復号することを控えるための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得る。
【0015】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、あらかじめ決定された復号スループットしきい値(TPmax)が、
【数1】
として定義され得、ただし、TBSLBRMが、制限付きバッファレートマッチング(LBRM)が可能にされた最大TBサイズであり、ただし、RLBRMが、LBRMが可能にされた最大TBサイズのTBを送信するときのコーディングレートである。
【0016】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、後続送信の実効UEスループットが、
【数2】
として定義され得、ただし、μが、アクティブな帯域幅パートのための1つまたは複数の後続送信のためのサブキャリア間隔(SCS)に関係し、μ'が、最大構成数の物理リソースブロックを有するキャリアのすべての構成された帯域幅パートにわたる帯域幅パートのSCSに対応し、Ci'が、i番目のTBのためにスケジュールされたコードブロックの数であり、Liが、i番目のTBのためのPDSCH持続時間であり、Sが、i番目のTBのための連続シンボル持続時間において部分的または完全にスケジュールされたTBのセットであり、xiが、i番目のTBの1つまたは複数の後続送信のOFDMシンボルの数であり、Fiが、コードブロックにおけるコード化ビットの数であり、
【数3】
の最大値であり、ただし、
【数4】
が、j番目の送信のための冗長値の開始ロケーションであり、
【数5】
が、j番目の送信のためにスケジュールされたコードブロックのmin(Er)であり、Ncb,iが、サーキュラーバッファの長さであり、ただし、jが、0からJ-1までに及び、ただし、J-1が、i番目のTBのための現在の後続送信であり、
【数6】
が、
【数7】
の入力のための床関数であり、
【数8】
が、初期UEスループットを表す。
【0017】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、後続送信の実効UEスループットが、最新のPDSCH送信の最後のシンボルの終わりにおいて終了する間隔の間に評価され得る。
【0018】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、1つまたは複数の後続送信のうちの後続送信が、最後に受信された後続送信であり得る。
【0019】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、あらかじめ決定された復号スループットしきい値が、14シンボル持続時間において送信された最大TBサイズのTBを復号するためのスループットに基づき得る。
【0020】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、あらかじめ決定された復号スループットしきい値が、最大TBサイズ、最大TBサイズのTBを送信するためのコードブロックの数、コードブロックレベルCRCの長さ、トランスポートレベルCRCの長さ、LBRMが可能にされた最大TBサイズのTBを送信するためのコーディングレート、およびスケーリング係数に基づき得る。
【0021】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、スケーリング係数が1であり得る。
【0022】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、スケーリング係数が1よりも大きくなり得る。
【0023】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、TBにおいて送信されるコードブロックの数、サーキュラーバッファサイズ、および1つまたは複数の後続送信のためのPDSCH持続時間に基づき得る。
【0024】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、後続送信の実効UEスループットが、そのPDSCH持続時間がミニスロット持続時間よりも大きい後続送信に対して適用可能であり得るが、異なるサブキャリア間隔値を伴う後続送信、またはそのPDSCH持続時間がミニスロットのものである相次ぐ後続送信に対して適用可能ではないことがある。
【0025】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、後続送信のSCS、および、1つまたは複数の後続送信を搬送するコンポーネントキャリアの最小SCSにさらに基づき得る。
【0026】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、後続送信の実効UEスループットが、そのPDSCH持続時間がミニスロット持続時間よりも大きい後続送信に対して適用可能であり得、TBを含む送信とは異なるSCS値を伴う後続送信に対して適用可能であり得る。
【0027】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、1つまたは複数の後続送信における複数のTBのためのUEスループットの和にさらに基づき得る。
【0028】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、冗長バージョンゼロを使用していない後続送信に対して適用可能であり得、ここで、冗長バージョンゼロが、後続送信が符号化情報メッセージのビットゼロにおいて開始することを示す。
【0029】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、1つまたは複数の後続送信によって使用される冗長バージョンにかかわらず、適用可能であり得、ここで、冗長バージョンが、1つまたは複数の後続送信が開始する、符号化情報メッセージ内のロケーションを示す。
【0030】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、1つまたは複数の後続送信のうちの後続送信を処理することが、UEが1つまたは複数の後続送信のうちの後続送信を復号することが必要とされるか否かを決定するための動作、特徴、手段、または命令を含み得る。
【0031】
本明細書で説明する方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、UEが1つまたは複数の後続送信のうちの後続送信を復号することが必要とされるか否かを決定することが、少なくとも1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、あらかじめ決定された復号スループットしきい値を超えるか否かに基づく。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本開示の態様による、そのスループットがしきい値を超える後続送信のための復号可能性の解決をサポートする、ワイヤレス通信のためのシステムの一例を示す図である。
図2】本開示の態様による、そのスループットがしきい値を超える後続送信のための復号可能性の解決をサポートする、ワイヤレス通信システムの一例を示す図である。
図3】本開示の態様による、後続送信のための復号可能性の解決をサポートするプロセスフローの一例を示す図である。
図4】本開示の態様による、後続送信のための復号可能性の解決をサポートするデバイスのブロック図である。
図5】本開示の態様による、後続送信のための復号可能性の解決をサポートするデバイスのブロック図である。
図6】本開示の態様による、後続送信のための復号可能性の解決をサポートする通信マネージャのブロック図である。
図7】本開示の態様による、後続送信のための復号可能性の解決をサポートするデバイスを含むシステムの図である。
図8】本開示の態様による、後続送信のための復号可能性の解決をサポートする方法を示すフローチャートである。
図9】本開示の態様による、後続送信のための復号可能性の解決をサポートする方法を示すフローチャートである。
図10】本開示の態様による、後続送信のための復号可能性の解決をサポートする方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
いくつかのワイヤレス通信システムは、送信誤りが検出および訂正され得るように、コードワードに冗長性を導入するための、誤り訂正コードの使用をサポートし得る。これらの誤り訂正コードは、一般に、エアインターフェースを介した情報転送の本質的な不信頼性を補償し得る。低密度パリティチェック(LDPC)コードは、送信のロバストネスを高めるために使用され得る、誤り訂正コードの1つのタイプである。誤り訂正コードの使用に加えて、ワイヤレスデバイスはまた、コードワードの受信に成功する可能性を高めるために、コードワードの後続送信をサポートし得る。複数の送信(たとえば、および、後続送信)の各々は、コードワードの(たとえば、エンコーダのカーネルによって生成された)システマティックビット(systematic bit)およびパリティビットのある部分を含むことがあり、デコーダが、複数の送信において受信されたコードワードビットを結合するために、インクリメンタル冗長(IR)を使用することができるようになる。
【0034】
ユーザ機器(UE)は、対応するTBにおいて受信されたコードワードを復号するとき、最大トランスポートブロック(TB)サイズ(TBS)に基づいて、ピーク復号スループットを維持するように設計され得る。最大TBSは、スロット(たとえば、14シンボル)内で物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)において送信された最大TBSに基づき得る。しかしながら、場合によっては、復号スループットは、ピーク復号スループットを超え得る。たとえば、複数のヌメロロジー(たとえば、SCS)がダウンリンクの異なる帯域幅パート(BWP)にわたって構成されている場合、より高いサブキャリア間隔(SCS)における、(たとえば、ピーク復号スループットに関連付けられた)ピークデータレートまたはその近くのTBの送信または後続送信は、ピーク復号スループットよりも高い復号スループットを生じ得る。追加または代替として、スロット持続時間(たとえば、ミニスロット)よりも著しく短いPDSCH持続時間とともに送信されたTB、または初期のTB送信よりも著しく短いPDSCH持続時間上で発生するTB後続送信は、ピーク復号スループットよりも高い復号スループットを生じ得る。したがって、UEが、ピーク復号スループットよりも高い復号スループットに対応するコードワードを復号しようと試みる場合、UE内の復号ハードウェアは、オーバープロビジョンされる必要があり得る。
【0035】
高い復号スループットを扱うために、UEは、復号可能性基準またはメトリックを利用して、1つまたは複数の後続のTB送信を処理し得る。復号可能性基準またはメトリックに従って、UEは、1つまたは複数のTB後続送信が、あらかじめ決定された復号スループットしきい値を超える復号スループットを必要とするようになるとき、1つまたは複数のTB後続送信(または、TB)を復号することを控え得る。あらかじめ決定された復号スループットしきい値は、最大TBS、14シンボル持続時間において送信された最大TBSのTBを復号するために必要とされるスループット、最大TBサイズのTBを送信するためのコードブロックの数、コードブロックレベルサイクリック冗長検査(CRC)の長さ、TBレベルCRCの長さ、制限付きバッファレートマッチング(LBRM)が可能にされた最大TBサイズのTBを送信するためのコーディングレート、スケーリング係数、またはそれらの組合せに基づき得る。追加として、復号スループットは、1つまたは複数の後続送信のためのSCS、コンポーネントキャリア(CC)のために構成された最小SCS、TBにおいて送信されるコードブロックの数、サーキュラーバッファサイズ、1つまたは複数の後続送信のためのPDSCH持続時間、14連続シンボル持続時間においてスケジュールされたTBのセット、i番目のTBのためのPDSCH持続時間、i番目のTBの1つまたは複数の再送信の直交周波数分割多重(OFDM)シンボルの数、またはそれらの任意の組合せに基づき得る。したがって、UEは、復号スループットがあらかじめ決定された復号スループットしきい値未満である場合、後続送信のうちの1つまたは複数を復号し得るか、または、復号スループットがあらかじめ決定された復号スループットしきい値を超える場合、後続送信を復号することを控え得る。場合によっては、UEは、1つまたは複数の後続送信、TB、またはそれらの組合せにおける復号スループットの低減の一部として、PDSCHスキップルールを使用し得る。
【0036】
最初に、本開示の態様について、ワイヤレス通信システムの文脈で説明する。次いで、追加のワイヤレス通信システムおよびプロセスフローが、本開示の態様について説明するために提供される。本開示の態様について、後続送信のための復号可能性の解決に関する装置図、システム図、およびフローチャートによってさらに示し、それらを参照しながら説明する。
【0037】
図1は、本開示の態様による、そのスループットがしきい値を超える後続送信のための復号可能性の解決をサポートする、ワイヤレス通信システム100の一例を示す。ワイヤレス通信システム100は、基地局105と、UE115と、コアネットワーク130とを含む。いくつかの例では、ワイヤレス通信システム100は、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワーク、LTEアドバンスト(LTE-A)ネットワーク、LTE-A Proネットワーク、または新無線(NR)ネットワークであり得る。場合によっては、ワイヤレス通信システム100は、拡張ブロードバンド通信、超高信頼(たとえば、ミッションクリティカル)通信、低レイテンシ通信、または低コストで低複雑度のデバイスとの通信をサポートし得る。
【0038】
基地局105は、1つまたは複数の基地局アンテナを介して、UE115とワイヤレス通信し得る。本明細書で説明する基地局105は、トランシーバ基地局、無線基地局、アクセスポイント、無線トランシーバ、ノードB、eノードB(eNB)、次世代ノードBもしくはギガノードB(それらのうちのいずれもgNBと呼ばれることがある)、ホームノードB、ホームeノードB、またはいくつかの他の好適な用語を含んでよく、または当業者によってそのように呼ばれることがある。ワイヤレス通信システム100は、異なるタイプの基地局105(たとえば、マクロセル基地局またはスモールセル基地局)を含み得る。本明細書で説明するUE115は、マクロeNB、スモールセルeNB、gNB、中継器として働く基地局(たとえば、他の基地局におよびそれから送信を転送する中間基地局)などを含む、様々なタイプの基地局105およびネットワーク機器と通信することが可能であり得る。
【0039】
各基地局105は、様々なUE115との通信がサポートされる特定の地理的カバレージエリア110に関連付けられ得る。各基地局105は、通信リンク125を介してそれぞれの地理的カバレージエリア110に通信カバレージを提供し得、基地局105とUE115との間の通信リンク125は、1つまたは複数のキャリアを利用し得る。ワイヤレス通信システム100において示される通信リンク125は、UE115から基地局105へのアップリンク送信、または基地局105からUE115へのダウンリンク送信を含み得る。ダウンリンク送信は順方向リンク送信と呼ばれることもあり、アップリンク送信は逆方向リンク送信と呼ばれることもある。
【0040】
基地局105のための地理的カバレージエリア110は、地理的カバレージエリア110の一部分のみを構成するセクタに分割されることがあり、各セクタはセルに関連付けられることがある。たとえば、各基地局105は、マクロセル、スモールセル、ホットスポット、もしくは他のタイプのセル、またはそれらの様々な組合せのための通信カバレージを提供し得る。いくつかの例では、基地局105は可動であってよく、したがって、移動する地理的カバレージエリア110に通信カバレージを提供し得る。いくつかの例では、異なる技術に関連付けられた異なる地理的カバレージエリア110は重複することがあり、異なる技術に関連付けられた重複する地理的カバレージエリア110は、同じ基地局105によって、または異なる基地局105によってサポートされることがある。ワイヤレス通信システム100は、たとえば、異なるタイプの基地局105が様々な地理的カバレージエリア110にカバレージを提供する、異種LTE/LTE-A/LTE-A ProまたはNRネットワークを含み得る。
【0041】
「セル」という用語は、(たとえば、キャリア上での)基地局105との通信のために使用される論理通信エンティティを指し、同じまたは異なるキャリアを介して動作する近隣セルを区別するための識別子(たとえば、物理セル識別子(PCID)、仮想セル識別子(VCID))に関連付けられ得る。いくつかの例では、キャリアは複数のセルをサポートすることができ、異なるセルは、異なるタイプのデバイスにアクセスを提供し得る異なるプロトコルタイプ(たとえば、マシンタイプ通信(MTC)、狭帯域モノのインターネット(NB-IoT)、拡張モバイルブロードバンド(eMBB)、または他のもの)に従って構成され得る。場合によっては、「セル」という用語は、論理エンティティがその上で動作する地理的カバレージエリア110(たとえば、セクタ)の一部分を指すことがある。
【0042】
UE115は、ワイヤレス通信システム100全体にわたって分散されることがあり、各UE115は、固定またはモバイルであり得る。UE115はまた、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、リモートデバイス、ハンドヘルドデバイス、もしくは加入者デバイス、または何らかの他の好適な用語で呼ばれることがあり、「デバイス」は、ユニット、局、端末、またはクライアントと呼ばれることもある。UE115は、セルラーフォン、携帯情報端末(PDA)、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、またはパーソナルコンピュータなど、パーソナル電子デバイスであってよい。いくつかの例では、UE115はまた、器具、車両、メーターなど、様々な物品において実装され得る、ワイヤレスローカルループ(WLL)局、モノのインターネット(IoT)デバイス、あらゆるモノのインターネット(IoE)デバイス、またはMTCデバイスなどを指すことがある。
【0043】
MTCデバイスまたはIoTデバイスなど、いくつかのUE115は、低コストまたは低複雑度のデバイスであり得、マシン間の自動化された通信を(たとえば、マシンツーマシン(M2M)通信を介して)提供し得る。M2M通信またはMTCは、人が介在することなく、デバイスが互いにまたは基地局105と通信することを可能にするデータ通信技術を指すことがある。いくつかの例では、M2M通信またはMTCは、情報を測定もしくはキャプチャするためにセンサーもしくはメーターを組み込み、情報を利用することができる中央サーバもしくはアプリケーションプログラムにその情報を中継するか、またはプログラムもしくはアプリケーションと対話する人間に情報を提示する、デバイスからの通信を含み得る。いくつかのUE115は、情報を収集するか、またはマシンの自動化された挙動を可能にするように設計され得る。MTCデバイスのための適用例は、スマートメータリング、在庫監視、水位監視、機器監視、ヘルスケア監視、野生生物監視、天候事象および地質学的事象の監視、フリート管理および追跡、リモートセキュリティ検知、物理的アクセス制御、ならびにトランザクションベースのビジネス課金を含む。
【0044】
いくつかのUE115は、半二重通信などの、電力消費を低減する動作モード(たとえば、送信または受信を介した一方向通信をサポートするが、送信および受信を同時にサポートしないモード)を採用するように構成され得る。いくつかの例では、半二重通信は、低減されたピークレートで実行され得る。UE115のための他の電力節約技法は、アクティブな通信に関与していないとき、省電力「ディープスリープ」モードに入ること、または(たとえば、狭帯域通信に従って)限られた帯域幅にわたって動作することを含む。場合によっては、UE115は、クリティカルな機能(たとえば、ミッションクリティカルな機能)をサポートするように設計されてよく、ワイヤレス通信システム100は、これらの機能のために超高信頼通信を提供するように構成され得る。
【0045】
場合によっては、UE115はまた、(たとえば、ピアツーピア(P2P)プロトコルまたはデバイスツーデバイス(D2D)プロトコルを使用して)他のUE115と直接通信することが可能であり得る。D2D通信を利用するUE115のグループのうちの1つまたは複数が、基地局105の地理的カバレージエリア110内にあり得る。そのようなグループ内の他のUE115は、基地局105の地理的カバレージエリア110の外にあるか、またはさもなければ基地局105からの送信を受信できないことがある。場合によっては、D2D通信を介して通信するUE115のグループは、各UE115がグループ内のあらゆる他のUE115に送信する1対多(1:M)システムを利用し得る。場合によっては、基地局105が、D2D通信のためのリソースのスケジューリングを促進する。他の場合には、D2D通信は、基地局105が関与することなく、UE115間で行われる。
【0046】
基地局105は、コアネットワーク130および互いと通信し得る。たとえば、基地局105は、バックホールリンク132を通して(たとえば、S1、N2、N3、または他のインターフェースを介して)コアネットワーク130とインターフェースし得る。基地局105は、バックホールリンク134上で(たとえば、X2、Xn、または他のインターフェースを介して)、直接的に(たとえば、基地局105間で直接)または間接的に(たとえば、コアネットワーク130を介して)のいずれかで互いと通信し得る。
【0047】
コアネットワーク130は、ユーザ認証、アクセス許可、追跡、インターネットプロトコル(IP)接続性、および他のアクセス機能、ルーティング機能、またはモビリティ機能を提供し得る。コアネットワーク130は、発展型パケットコア(EPC)であってもよく、EPCは、少なくとも1つのモビリティ管理エンティティ(MME)と、少なくとも1つのサービングゲートウェイ(S-GW)と、少なくとも1つのパケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(P-GW)とを含み得る。MMEは、EPCに関連付けられる基地局105によってサービスされるUE115のためのモビリティ、認証、およびベアラ管理などの、非アクセス層(たとえば、制御プレーン)機能を管理し得る。ユーザIPパケットは、それ自体がP-GWに接続され得るS-GWを通じて転送され得る。P-GWは、IPアドレス割振りならびに他の機能を提供し得る。P-GWは、ネットワーク事業者のIPサービスに接続され得る。事業者のIPサービスは、インターネット、イントラネット、IPマルチメディアサブシステム(IMS)、またはパケット交換(PS)ストリーミングサービスへのアクセスを含み得る。
【0048】
基地局105などのネットワークデバイスのうちの少なくともいくつかは、アクセスネットワークエンティティなどの下位構成要素を含むことがあり、アクセスネットワークエンティティは、アクセスノードコントローラ(ANC)の一例であり得る。各アクセスネットワークエンティティは、無線ヘッド、スマート無線ヘッド、または送受信ポイント(TRP)と呼ばれることがある、いくつかの他のアクセスネットワーク送信エンティティを通して、UE115と通信し得る。いくつかの構成では、各アクセスネットワークエンティティまたは基地局105の様々な機能は、様々なネットワークデバイス(たとえば、無線ヘッドおよびアクセスネットワークコントローラ)にわたって分散されることがあり、または単一のネットワークデバイス(たとえば、基地局105)内に統合されることがある。
【0049】
ワイヤレス通信システム100は、通常は300MHzから300GHzの範囲にある、1つまたは複数の周波数帯域を使用して動作し得る。一般に、300MHzから3GHzの領域は、極超短波(UHF:ultra-high frequency)領域またはデシメートル帯域として知られているが、これは、波長の長さが、およそ1デシメートルから1メートルに及ぶからである。UHF波は、建物および環境特性によって遮蔽されることがあり、または方向転換されることがある。しかしながら、これらの波は、マクロセルが屋内に位置するUE115にサービスを提供するのに十分に構造物を貫通し得る。UHF波の送信は、300MHzを下回るスペクトルの短波(HF:high frequency)または超短波(VHF:very high frequency)部分のより低い周波数およびより長い波を使用する送信と比較して、より小型のアンテナおよびより短い距離(たとえば、100km未満)に関連付けられ得る。
【0050】
ワイヤレス通信システム100はまた、センチメートル帯域としても知られている、3GHzから30GHzまでの周波数帯域を使用するセンチメートル波(SHF:super high frequency)領域内で動作し得る。SHF領域は、他のユーザからの干渉を許容できるデバイスによって機会主義的に使用され得る、5GHzの産業科学医療(ISM)帯域などの帯域を含む。
【0051】
ワイヤレス通信システム100は、ミリメートル帯域としても知られている、(たとえば、30GHzから300GHzの)スペクトルのミリ波(EHF:extremely high frequency)領域内で動作し得る。いくつかの例では、ワイヤレス通信システム100は、UE115と基地局105との間のミリメートル波(mmW)通信をサポートすることができ、それぞれのデバイスのEHFアンテナは、UHFアンテナよりも、さらに小さいことがあり、より間隔が密であることがある。場合によっては、これは、UE115内でのアンテナアレイの使用を容易にし得る。しかしながら、EHF送信の伝搬は、SHF送信またはUHF送信よりもさらに大きい大気減衰を受けることがあり、より距離が短いことがある。本明細書で開示する技法は、1つまたは複数の異なる周波数領域を使用する送信にわたって採用されることがあり、これらの周波数領域にわたる帯域の指定される使用は、国ごとにまたは規制団体ごとに異なり得る。
【0052】
場合によっては、ワイヤレス通信システム100は、認可と無認可の両方の無線周波数スペクトル帯域を利用し得る。たとえば、ワイヤレス通信システム100は、5GHz ISM帯域などの無認可帯域において、認可支援アクセス(LAA:License Assisted Access)、LTE無認可(LTE-U:LTE-Unlicensed)無線アクセス技術、またはNR技術を採用し得る。無認可無線周波数スペクトル帯域において動作するとき、基地局105およびUE115などのワイヤレスデバイスは、データを送信する前に周波数チャネルがクリアであることを保証するために、リッスンビフォアトーク(LBT)手順を採用し得る。場合によっては、無認可帯域における動作は、認可帯域において動作するCCとともにCA構成に基づいてよい(たとえば、LAA)。無認可スペクトル内の動作は、ダウンリンク送信、アップリンク送信、ピアツーピア送信、またはこれらの組合せを含んでよい。無認可スペクトル内の複信は、周波数分割複信(FDD)、時分割複信(TDD)、または両方の組合せに基づいてよい。
【0053】
いくつかの例では、基地局105またはUE115は、複数のアンテナを装備することがあり、これらのアンテナは、送信ダイバーシティ、受信ダイバーシティ、多入力多出力(MIMO)通信、またはビームフォーミングなどの技法を採用するために使用され得る。たとえば、ワイヤレス通信システム100は、送信デバイス(たとえば、基地局105)と受信デバイス(たとえば、UE115)との間の送信方式を使用してよく、ここで、送信デバイスは、複数のアンテナを装備し、受信デバイスは、1つまたは複数のアンテナを装備する。MIMO通信は、異なる空間レイヤを介して複数の信号を送信または受信することによってスペクトル効率を高めるためにマルチパス信号伝搬を採用してよく、これは空間多重化と呼ばれることがある。複数の信号は、たとえば、異なるアンテナまたはアンテナの異なる組合せを介して送信デバイスによって送信され得る。同様に、複数の信号は、異なるアンテナまたはアンテナの異なる組合せを介して受信デバイスによって受信され得る。複数の信号の各々は、別個の空間ストリームと呼ばれることがあり、同じデータストリーム(たとえば、同じコードワード)または異なるデータストリームに関連付けられたビットを搬送し得る。異なる空間レイヤは、チャネル測定および報告のために使用される異なるアンテナポートに関連付けられ得る。MIMO技法は、複数の空間レイヤが同じ受信デバイスに送信されるシングルユーザMIMO(SU-MIMO)、および複数の空間レイヤが複数のデバイスに送信されるマルチユーザMIMO(MU-MIMO)を含む。
【0054】
空間フィルタリング、指向性送信、または指向性受信とも呼ばれ得るビームフォーミングは、送信デバイスと受信デバイスとの間の空間経路に沿ってアンテナビーム(たとえば、送信ビームまたは受信ビーム)をシェーピングまたはステアリングするために送信デバイスまたは受信デバイス(たとえば、基地局105またはUE115)において使用され得る、信号処理技法である。ビームフォーミングは、アンテナアレイに対して特定の配向で伝搬する信号が強め合う干渉を受け、他の信号が弱め合う干渉を受けるように、アンテナアレイのアンテナ要素を介して通信される信号を結合することによって達成され得る。アンテナ要素を介して通信される信号の調整は、送信デバイスまたは受信デバイスが、デバイスに関連付けられたアンテナ要素の各々を介して搬送される信号に一定の振幅オフセットおよび位相オフセットを適用することを含み得る。アンテナ要素の各々に関連付けられた調整は、(たとえば、送信デバイスもしくは受信デバイスのアンテナアレイに対する、または何らかの他の配向に対する)特定の配向に関連付けられたビームフォーミング重みセットによって定義され得る。
【0055】
一例では、基地局105は、UE115との指向性通信のためのビームフォーミング動作を行うために、複数のアンテナまたはアンテナアレイを使用し得る。たとえば、いくつかの信号(たとえば、同期信号、基準信号、ビーム選択信号、または他の制御信号)は、基地局105によって異なる方向に複数回送信されることがあり、このことは、信号が送信の異なる方向に関連付けられた異なるビームフォーミング重みセットに従って送信されることを含み得る。異なるビーム方向における送信は、基地局105による後続の送信および/または受信のためのビーム方向を(たとえば、基地局105またはUE115などの受信デバイスによって)識別するために使用され得る。特定の受信デバイスに関連付けられたデータ信号などのいくつかの信号は、基地局105によって単一のビーム方向(たとえば、UE115などの受信デバイスに関連付けられた方向)に送信され得る。いくつかの例では、単一のビーム方向に沿った送信に関連付けられたビーム方向は、異なるビーム方向に送信された信号に少なくとも部分的に基づいて決定され得る。たとえば、UE115は、基地局105によって異なる方向に送信された信号のうちの1つまたは複数を受信することがあり、UE115は、UE115が最高の信号品質またはさもなければ許容可能な信号品質で受信した信号の指示を基地局105に報告することがある。これらの技法について、基地局105によって1つまたは複数の方向に送信される信号を参照しながら説明するが、UE115は、(たとえば、UE115による後続の送信または受信のためのビーム方向を識別するために)信号を異なる方向に複数回送信するために、または(たとえば、データを受信デバイスに送信するために)信号を単一の方向に送信するために同様の技法を採用し得る。
【0056】
受信デバイス(たとえば、mmW受信デバイスの一例であり得るUE115)は、同期信号、基準信号、ビーム選択信号、または他の制御信号など、様々な信号を基地局105から受信するとき、複数の受信ビームを試みることができる。たとえば、受信デバイスは、異なるアンテナサブアレイを介して受信することによって、異なるアンテナサブアレイに従って、受信された信号を処理することによって、アンテナアレイの複数のアンテナ要素において受信された信号に適用された異なる受信ビームフォーミング重みセットに従って受信することによって、またはアンテナアレイの複数のアンテナ要素において受信された信号に適用された異なる受信ビームフォーミング重みセットに従って、受信された信号を処理することによって、複数の受信方向を試みることができ、それらのいずれもが、異なる受信ビームまたは受信方向に従った「聴取」と呼ばれることがある。いくつかの例では、受信デバイスは、(たとえば、データ信号を受信するとき)単一のビーム方向に沿って受信するために単一の受信ビームを使用し得る。単一の受信ビームは、異なる受信ビーム方向に従った聴取に少なくとも部分的に基づいて決定されたビーム方向(たとえば、複数のビーム方向に従った聴取に少なくとも部分的に基づいて、最高信号強度、最高信号対雑音比、またはさもなければ、許容信号品質を有すると決定されたビーム方向)で整合され得る。
【0057】
場合によっては、基地局105またはUE115のアンテナは、MIMO動作をサポートし得るか、またはビームフォーミングを送信もしくは受信し得る、1つまたは複数のアンテナアレイ内に位置し得る。たとえば、1つまたは複数の基地局アンテナまたはアンテナアレイは、アンテナタワーなどのアンテナアセンブリにおいて併置され得る。場合によっては、基地局105に関連するアンテナまたはアンテナアレイは、多様な地理的ロケーション内に位置し得る。基地局105は、基地局105がUE115との通信のビームフォーミングをサポートするのに使用し得る、アンテナポートのいくつかの行および列を伴うアンテナアレイを有し得る。同様に、UE115は、様々なMIMO動作またはビームフォーミング動作をサポートし得る1つまたは複数のアンテナアレイを有し得る。
【0058】
場合によっては、ワイヤレス通信システム100は、階層化プロトコルスタックに従って動作するパケットベースのネットワークであり得る。ユーザプレーンでは、ベアラまたはパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)レイヤにおける通信は、IPベースであり得る。無線リンク制御(RLC)レイヤは、いくつかの場合、論理チャネルを介して通信するために、パケットのセグメント化および再アセンブリを実行し得る。媒体アクセス制御(MAC)レイヤは、優先度処理と、トランスポートチャネルへの論理チャネルの多重化とを実行し得る。MACレイヤは、MACレイヤにおける再送信を行ってリンク効率を改善するために、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)も使用し得る。制御プレーンでは、無線リソース制御(RRC)プロトコルレイヤが、ユーザプレーンデータのための無線ベアラをサポートする、UE115と基地局105またはコアネットワーク130との間のRRC接続の確立、構成、および保守を行い得る。物理(PHY)レイヤにおいて、トランスポートチャネルが物理チャネルにマッピングされ得る。
【0059】
場合によっては、UE115および基地局105は、データの受信に成功する可能性を高めるために、データの後続送信(たとえば、再送信)をサポートし得る。HARQフィードバックは、データが通信リンク125の上で正しく受信される可能性を高める1つの技法である。HARQは、(たとえば、サイクリック冗長検査(CRC)を使用する)誤り検出、前方誤り訂正(FEC)、および後続送信または再送信(たとえば、自動再送要求(ARQ))の組合せを含み得る。HARQは、劣悪な無線条件(たとえば、信号対雑音条件)においてMACレイヤにおけるスループットを改善し得る。いくつかの場合、ワイヤレスデバイスは、デバイスが特定のスロット内の前のシンボルにおいて受信されたデータに対してそのスロット内でHARQフィードバックを提供し得る、同一スロットHARQフィードバックをサポートし得る。他の場合には、デバイスは、後続のスロット内で、または何らかの他の時間間隔に従ってHARQフィードバックを提供し得る。
【0060】
LTEまたはNRにおける時間間隔は、たとえば、Ts=1/30,720,000秒のサンプリング周期を指す場合がある基本時間単位の倍数で表され得る。通信リソースの時間間隔は、10ミリ秒(ms)の持続時間を各々が有する無線フレームに従って編成されることがあり、ここで、フレーム期間は、Tf=307,200Tsとして表され得る。無線フレームは、0から1023に及ぶシステムフレーム番号(SFN)によって識別され得る。各フレームは、0から9の番号を付けられた10個のサブフレームを含んでもよく、各サブフレームは、1msの持続時間を有し得る。サブフレームは、0.5msの持続時間を各々が有する2つのスロットにさらに分割されてもよく、各スロットは、(たとえば、各シンボル期間にプリペンドされたサイクリックプレフィックスの長さに応じて)6つまたは7つの変調シンボル期間を含み得る。サイクリックプレフィックスを除いて、各シンボル期間は2048個のサンプリング周期を含み得る。いくつかの場合、サブフレームは、ワイヤレス通信システム100の最小スケジューリング単位であることがあり、送信時間間隔(TTI)と呼ばれることがある。他の場合には、ワイヤレス通信システム100の最小スケジューリング単位は、サブフレームよりも短くてもよく、または(たとえば、短縮TTI(sTTI)のバーストにおいて、またはsTTIを使用する選択されたコンポーネントキャリアにおいて)動的に選択されてもよい。
【0061】
いくつかのワイヤレス通信システムでは、スロットが、1つまたは複数のシンボルを含む複数のミニスロットにさらに分割され得る。いくつかの事例では、ミニスロットのシンボルまたはミニスロットは、スケジューリングの最小単位であり得る。各シンボルは、たとえば、動作のサブキャリア間隔または周波数帯域に応じて、持続時間が変わることがある。さらに、いくつかのワイヤレス通信システムは、複数のスロットまたはミニスロットが一緒にアグリゲートされ、UE115と基地局105との間の通信のために使用される、スロットアグリゲーションを実装し得る。
【0062】
「キャリア」という用語は、通信リンク125上の通信をサポートするための定義された物理レイヤ構造を有する無線周波数スペクトルリソースのセットを指す。たとえば、通信リンク125のキャリアは、所与の無線アクセス技術のための物理レイヤチャネルに従って動作する無線周波数スペクトル帯域の一部分を含み得る。各物理レイヤチャネルは、ユーザデータ、制御情報、または他のシグナリングを搬送し得る。キャリアは、あらかじめ定義された周波数チャネル(たとえば、E-UTRA絶対無線周波数チャネル番号(EARFCN))に関連付けられ得、UE115が発見するためのチャネルラスタに従って配置され得る。キャリアは、(たとえば、FDDモードでは)ダウンリンクもしくはアップリンクであってよく、または(たとえば、TDDモードでは)ダウンリンク通信およびアップリンク通信を搬送するように構成され得る。いくつかの例では、キャリア上で送信される信号波形は、(たとえば、直交周波数分割多重(OFDM)または離散フーリエ変換拡散OFDM(DFT-s-OFDM)などの、マルチキャリア変調(MCM)技法を使用して)複数のサブキャリアから構成され得る。
【0063】
キャリアの組織構造は、異なる無線アクセス技術(たとえば、LTE、LTE-A、LTE-A Pro、NRなど)に対して異なり得る。たとえば、キャリア上の通信は、TTIまたはスロットに従って編成されてよく、それらの各々は、ユーザデータ、ならびにユーザデータの復号をサポートするための制御情報またはシグナリングを含み得る。キャリアはまた、専用の収集シグナリング(たとえば、同期信号またはシステム情報など)と、そのキャリアに対する動作を協調させる制御シグナリングとを含み得る。いくつかの例では(たとえば、キャリアアグリゲーション構成では)、キャリアはまた、収集シグナリング、または他のキャリアに対する動作を協調させる制御シグナリングを有し得る。
【0064】
物理チャネルは、様々な技法に従ってキャリア上で多重化され得る。物理制御チャネルおよび物理データチャネルは、ダウンリンクキャリア上で、たとえば、時分割多重化(TDM)技法、周波数分割多重化(FDM)技法、またはハイブリッドTDM-FDM技法を使用して多重化され得る。いくつかの例では、物理制御チャネルにおいて送信される制御情報は、カスケード方式で異なる制御領域の間で(たとえば、共通制御領域または共通探索空間と1つまたは複数のUE固有制御領域またはUE固有探索空間との間で)分散され得る。
【0065】
キャリアは、無線周波数スペクトルの特定の帯域幅に関連付けられることがあり、いくつかの例では、キャリア帯域幅は、キャリアまたはワイヤレス通信システム100の「システム帯域幅」と呼ばれることがある。たとえば、キャリア帯域幅は、特定の無線アクセス技術のキャリアのためのいくつかのあらかじめ決定された帯域幅(たとえば、1.4、3、5、10、15、20、40、または80MHz)のうちの1つであり得る。いくつかの例では、サービスされる各UE115は、キャリア帯域幅の部分またはすべてにわたって動作するために構成され得る。他の例では、いくつかのUE115は、キャリア内のあらかじめ定義された部分または範囲(たとえば、サブキャリアまたはリソースブロック(RB)のセット)に関連付けられる狭帯域プロトコルタイプを使用した動作のために構成され得る(たとえば、狭帯域プロトコルタイプの「帯域内」展開)。
【0066】
MCM技法を採用するシステムでは、リソース要素は1つのシンボル期間(たとえば、1つの変調シンボルの持続時間)および1つのサブキャリアからなってよく、シンボル期間およびサブキャリア間隔は逆関係にある。各リソース要素によって搬送されるビットの数は、変調方式(たとえば、変調方式の次数)に依存し得る。したがって、UE115が受信するリソース要素が多いほど、かつ変調方式の次数が高いほど、UE115のデータレートは高くなる。MIMOシステムでは、ワイヤレス通信リソースは、無線周波数スペクトルリソース、時間リソース、および空間リソース(たとえば、空間レイヤ)の組合せを指すことがあり、複数の空間レイヤの使用が、UE115との通信のためのデータレートをさらに高め得る。
【0067】
ワイヤレス通信システム100のデバイス(たとえば、基地局105またはUE115)は、特定のキャリア帯域幅を介した通信をサポートするハードウェア構成を有し得るか、またはキャリア帯域幅のセットのうちの1つを介した通信をサポートするように構成可能であり得る。いくつかの例では、ワイヤレス通信システム100は、2つ以上の異なるキャリア帯域幅に関連付けられたキャリアを介した同時通信をサポートすることができる、基地局105および/またはUE115を含み得る。
【0068】
ワイヤレス通信システム100は、複数のセルまたはキャリア上でのUE115との通信、すなわち、キャリアアグリゲーション(CA)またはマルチキャリア動作と呼ばれることがある機能をサポートし得る。UE115は、キャリアアグリゲーション構成に従って、複数のダウンリンクCCおよび1つまたは複数のアップリンクCCを用いて構成され得る。キャリアアグリゲーションは、FDDコンポーネントキャリアとTDDコンポーネントキャリアの両方とともに使用され得る。
【0069】
場合によっては、ワイヤレス通信システム100は、拡張コンポーネントキャリア(eCC)を利用し得る。eCCは、より広いキャリアまたは周波数チャネル帯域幅、より短いシンボル持続期間、より短いTTI持続期間、または修正された制御チャネル構成を含む、1つまたは複数の特徴によって特徴づけられ得る。場合によっては、eCCは、(たとえば、複数のサービングセルが準最適または理想的でないバックホールリンクを有するとき)キャリアアグリゲーション構成またはデュアル接続性構成に関連付けられ得る。eCCはまた、(たとえば、2つ以上の事業者が、スペクトルを使用することを許可される場合)無認可スペクトルまたは共有スペクトルにおいて使用するために構成され得る。広いキャリア帯域幅によって特徴づけられるeCCは、全キャリア帯域幅を監視することが可能ではないか、またはさもなければ(たとえば、電力を節約するために)限られたキャリア帯域幅を使用するように構成されるUE115によって利用され得る、1つまたは複数のセグメントを含み得る。
【0070】
場合によっては、eCCは、他のCCのシンボル持続時間と比較して短縮されたシンボル持続時間の使用を含んでよい、他のCCとは異なるシンボル持続時間を利用し得る。より短いシンボル持続時間は、隣接するサブキャリア間の間隔の増大に関連付けられ得る。eCCを利用するUE115または基地局105などのデバイスは、短縮されたシンボル持続時間(たとえば、16.67マイクロ秒)で、(たとえば、20、40、60、80MHzなどの周波数チャネルまたはキャリア帯域幅に従って)広帯域信号を送信し得る。eCCにおけるTTIは、1つまたは複数のシンボル期間からなり得る。場合によっては、TTI持続期間(すなわち、TTI内のシンボル期間の数)は可変であり得る。
【0071】
NRシステムなどのワイヤレス通信システムは、特に、認可スペクトル、共有スペクトル、および無認可スペクトル帯域の任意の組合せを利用し得る。eCCシンボル持続期間およびサブキャリア間隔の柔軟性によって、複数のスペクトルにわたるeCCの使用が可能になり得る。いくつかの例では、特にリソースの動的な(たとえば、周波数領域にわたる)垂直共有および(たとえば、時間領域にわたる)水平共有を通じて、NR共有スペクトルは、スペクトル利用率およびスペクトル効率を高め得る。
【0072】
送信デバイス(たとえば、基地局105)は、物理ブロードキャスト制御チャネル(PBCH)、一次同期信号(PSS)、二次同期信号(SSS)、物理制御フォーマットインジケータチャネル(PCFICH)、物理HARQインジケータチャネル(PHICH)、および/または物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)などの1つまたは複数の制御チャネルを含む制御情報を、1つまたは複数の受信デバイス(たとえば、UE115)にブロードキャストし得る。PHICHは、肯定応答(ACK)または否定応答(NACK)などのHARQフィードバック送信を搬送する。HARQは、受信デバイスにおけるパケット送信を精度について検査することを伴うことがあり、確認された場合、ACKが送信されてよく、確認されない場合、NACKが送信されてよい。NACKに応答して、送信デバイスは、チェイス合成、インクリメンタル冗長などを実装し得る、HARQ再送信を送り得る。HARQ再送信は、アップリンクトラフィックおよびダウンリンクトラフィックのために実行され得る。
【0073】
アップリンク送信およびダウンリンク送信は、一般に、好適な誤り訂正ブロックコードを利用し得る。典型的なブロックコード(すなわち、コードワード)では、情報メッセージまたは情報シーケンスがCBに分割され、次いで、送信デバイスにおけるエンコーダが、数学的に冗長性を情報メッセージに加える。符号化情報メッセージにおけるこの冗長性の活用は、メッセージの信頼性を改善することができ、雑音に起因して生じ得る任意のビット誤りの訂正を可能にする。誤り訂正コードのいくつかの例は、ハミングコード、ボーズ-チョドーリ-オッケンジェム(BCH:Bose-Chaudhuri-Hocquenghem)コード、ターボコード、LDPCコード、およびポーラコードを含む。基地局105およびUE115の様々な実装形態は、ワイヤレス通信のためのこれらの誤り訂正符号のうちのいずれか1つまたは複数を利用するための、好適なハードウェアおよび能力(たとえば、エンコーダおよび/またはデコーダ)を含み得る。
【0074】
上述のように、LDPCコードは、反復コーディングシステムを使用する誤り訂正コードの1つのタイプであり得る。正規LDPCコードは、そのパリティチェック行列Hの要素の大部分が「0」である線形ブロックコード(たとえば、コードワード)であり得る。LDPCコードは、2部グラフ(「Tannerグラフ」と呼ばれることが多い)によって表され得る。2部グラフでは、変数ノードのセットは、コードワードのビット(たとえば、情報ビットまたはシステマティックビット)に対応し、チェックノードのセットは、そのコードを定義するパリティチェック制約のセットに対応する。グラフ内のエッジは、変数ノードをチェックノードに接続する。したがって、グラフのノードは、2つの特徴的なセットに分離され、そのエッジは2つの異なるタイプ、すなわち、変数およびチェックのノードを接続する。
【0075】
LDPCコーディングにおいて使用されるようなグラフは、様々な方法で特徴づけられてよい。リフトされたコードは、2部基本グラフ(bipartite base graph)(G)(または、プロトグラフ)をある回数、Z回コピーすることによって作成される。この回数は、本明細書でリフティング、リフティングサイズ、またはリフティングサイズ値と呼ばれる。グラフ内で変数ノードおよびチェックノードが「エッジ」(すなわち、変数ノードとチェックノードを接続するライン)によって接続される場合、変数ノードおよびチェックノードは「隣接」と見なされる。加えて、2部基本グラフ(G)の各エッジ(e)について、2部基本グラフ(G)のZ個のコピーを相互接続するために、置換(一般に、kによって表され、リフティング値と呼ばれる、エッジ置換に関連付けられた整数値)が、エッジ(e)のZ個のコピーに適用される。各チェックノードについて、すべての隣接変数ノードに関連付けられたビットの合計が0モジュロ2である(すなわち、それらが偶数個の1を含む)場合のみ、変数ノードシーケンスとの1対1の関連付けを有するビットシーケンスは、有効なコードワードである。使用される置換(リフティング値)が巡回である場合、結果として生じるLDPCコードは準巡回(QC)であり得る。2つの基本グラフが、各グラフのための列の数に基づいて定義され、LDPCコードの2つのファミリーが生じ得る。たとえば、第1の基本グラフは、66列を含むことがあり、第2の基本グラフは、50列を含むことがある。いずれかの基本グラフに従って送信されるコードワードは、対応する列数をリフティングサイズ(Z)で乗算したものに等しいビット数を含み得る。
【0076】
場合によっては、誤り訂正コード(たとえば、LDPC)は、デコーダが何ビットをコードワードについて復号しなければならないかを示すサーキュラーバッファを含み得る。サーキュラーバッファは、コードワードのためのビットが符号化情報メッセージ内のどこで開始するかを示すために、異なる冗長バージョン(RV)を含み得、ここで、4つの異なるタイプのRVが定義される。たとえば、第1のRV(たとえば、冗長バージョンゼロ(RV0))は、コードワードが符号化情報メッセージのビットゼロ(0)において開始することを示し得、第2のRV(たとえば、冗長バージョン1(RV1))は、コードワードが符号化情報メッセージのほぼ1/4の点において開始することを示し得、第3のRV(たとえば、冗長バージョン2(RV2))は、コードワードが符号化情報メッセージの中間点において開始することを示し得、第4のRV(たとえば、冗長バージョン3(RV3))は、コードワードが符号化情報メッセージのほぼ5/6の点において開始することを示し得る。符号化情報メッセージのビットが、第2のRV、第3のRV、および第4のRVについて、符号化情報メッセージの終わりに達すると、ビットは、符号化情報メッセージのビットゼロ(0)にラップアラウンドし得る(たとえば、サーキュラーバッファに基づいて周回する)。場合によっては、初期の送信は、RV0(たとえば、第1のRV)に従って送信され得る。
【0077】
TBは、より小さいコードブロックに分割され得、コードブロックが一緒にバンドルされて、TB内で複数のコードブロックグループ(CBG)が形成され得る。コードワードは、TB内のコードブロックの総数+誤り検出のための追加のビットとして定義され得る。CBGは、同じTBの1つまたは複数のコードブロックを含み得る。コードブロックのうちの1つまたは複数が、受信デバイス(たとえば、UE115)への送信に成功しないとき、受信デバイスは、送信に失敗したコードブロックを含む、対応するCBGのためのNACKを送信し得る。場合によっては、ACK/NACKフィードバックビットが、コードワードの各CBGのために予約され得る。そのためにNACKが送信された各CBGについて、送信デバイス(たとえば、基地局105)は、後続送信においてTB全体を送信するのではなく、HARQプロセスを使用して、後続送信の一部としてそれらのそれぞれのCBGを送信し得る。
【0078】
UE115は、対応するTBにおいて受信されたコードワードを復号するとき、最大TBSに基づいて、ピーク復号スループットを維持するように設計され得る。最大TBSは、スロット(たとえば、14シンボル)内でPDSCHにおいて送信された最大TBSに基づき得る。しかしながら、場合によっては、復号スループットは、ピーク復号スループットを超え得る。たとえば、後続のTBは、TBの最初の(たとえば、初期の)送信のためのコードレートよりも低いコードレートで送信され、後続送信を復号するためにより多くの時間が必要になり、復号スループットが増大する結果になり得る(たとえば、UE115は、より低いコードレートで同数のコードブロックを復号しようと試み、コードブロックを復号するために必要とされる時間量が増すことがある)。したがって、UE115は、レートマッチングおよび復号するためのコードブロックの数を制限することによって、より低いコードレートを用いてTBを復号するために、LBRMを採用し得る。しかしながら、復号スループットがピーク復号スループットを超えることを引き起こす、追加のシナリオが存在し得る。
【0079】
場合によっては、TBがピークコードレートまたはその近くで後続送信の一部として送信されるとき、高い復号スループットが引き起こされることがあり、その場合、TBの後続送信は、LBRMのためのコードレートよりも著しく低いマザーコードレート(mother code rate)(たとえば、2/3レート)で送信される。追加として、TBが、より高い復号スループットをさらに引き起こすピークコードレートまたはその近くで送信されるとき、複数のヌメロロジー(たとえば、SCS)が、ダウンリンクの異なるBWPにわたって構成され得る。たとえば、1つのBWPが、30kHz SCS(たとえば、第1のヌメロロジー)とともに100MHzを有し、1つのBWPもまた、60kHz SCS(たとえば、第2のヌメロロジー)とともに100MHzを有するとき、復号スループットが増大し得る。
【0080】
追加または代替として、TBが、著しくより低いマザーコードレートを用いて、およびスロット持続時間よりもはるかに短いPDSCH持続時間(L)を用いて送信されるとき、復号スループットは、ピーク復号スループットを超え得る。たとえば、PDSCH持続時間は、7つ以下のシンボルを含み得る。場合によっては、復号スループットは、UE115が複数のスロットにわたってPDSCHを処理することが可能(たとえば、処理能力1)である場合、より短いPDSCH持続時間の間にピーク復号スループットを超えないことがあり、UE115が1スロット内でPDSCHを処理することが可能である場合、より短いPDSCH持続時間の間にピーク復号スループットを超えるかまたは超えないことがある。追加または代替として、復号スループットは、TBの後続送信(たとえば、再送信)が初期のTB送信よりもはるかに短いPDSCH持続時間上で発生するとき、ピーク復号スループットを超え得る。たとえば、初期のTB送信は、14個のシンボル上で発生することがあり、TBの後続送信は、7つのシンボル上で発生することがある。
【0081】
したがって、性能は、TBの後続送信がピークコーディングレートまたはその近くで発生する、上記で説明したシナリオに基づいて最適化されるとは予想されないことがある。たとえば、UE115は、TBがLBRMのためのコードレートよりも(初期の送信および後続送信を考慮して)著しく低いコードレート(たとえば、2/3)を用いて送信されるか、後続送信が初期の送信よりもはるかに短いPDSCH持続時間上で発生するか、またはそれらの組合せのとき、TBの後続送信を最適に復号するとは予想されないことがある。しかしながら、UE115上の復号ハードウェアがオーバープロビジョンされることを防ぐために、より厳しい要件が必要とされ得る。
【0082】
ワイヤレス通信システム100は、ピークスループットしきい値(たとえば、あらかじめ決定された復号スループットしきい値)に基づいて、復号可能性条件を採用するための効率的な技法をサポートすることができ、そこで、TBのための復号スループット(たとえば、実効UEスループット)がしきい値を上回る場合、UE115がTB(あるいは、TBの1つまたは複数の後続送信)を復号することが必要とされない。ピークスループットしきい値は、最大TBS、14シンボル持続時間において送信された最大TBSのTBを復号するために必要とされるスループット、最大TBサイズのTBを送信するためのコードブロックの数、コードブロックレベルCRCの長さ、TBレベルCRCの長さ、LBRMが可能にされた最大TBサイズのTBを送信するためのコーディングレート、スケーリング係数、またはそれらの組合せに基づき得る。
【0083】
追加として、復号スループットは、1つまたは複数の後続送信のためのSCS、CCのために構成された最小SCS、TBにおいて送信されるコードブロックの数、サーキュラーバッファサイズ、1つまたは複数の後続送信のためのPDSCH持続時間、14連続シンボル持続時間においてスケジュールされたTBのセット、またはそれらの任意の組合せに基づき得る。したがって、UEは、復号スループットがあらかじめ決定された復号スループットしきい値未満である場合、TBの1つまたは複数の後続送信を復号し得るか、または、復号スループットがあらかじめ決定された復号スループットしきい値を超える場合、TBの後続送信を復号することを控え得る。
【0084】
図2は、本開示の態様による、そのスループットがしきい値を超える後続送信のための復号可能性の解決をサポートする、ワイヤレス通信システム200の一例を示す。いくつかの例では、ワイヤレス通信システム200は、ワイヤレス通信システム100の態様を実装し得る。ワイヤレス通信システム200は、図1を参照しながら説明したような対応する基地局105およびUE115の例であり得る、基地局105-aおよびUE115-aを含み得る。本明細書で説明するように、基地局105-aおよびUE115-aは、ダウンリンク情報を送信および受信するためのLDPCコーディング方式をサポートし得る。
【0085】
UE115-aは、
【数9】
ビットのための情報スループットを維持するように設計され得、ただし、14が、シンボル単位のスロット持続時間であり、TBSmaxが、最大TBSを示す。スループットのためのより正確なビット数のために、CRCビットが計算中に含まれ得、UE115-aが、あらかじめ決定された復号スループットしきい値(TPmax)までの情報スループットを維持し得るようになる。TPmaxは、次のように式1において与えられ得る。
【数10】
ただし、TBSmaxが、最大TBSであり、Cmaxが、サイズTBSmaxのTBにおけるコードブロックの数であり、LCB,CRCが、コードブロックレベルCRCの長さであり、LTB,CRCが、TBレベルCRCの長さであり、RLBRMが、LBRMに関連付けられたコードレートである。コードブロックレベルCRCは、TBのコードブロックに適用されたCRCであり得、TBレベルCRCは、TB自体に適用されたCRCであり得る。
【0086】
場合によっては、スケーリング係数(f)が、TPmaxを計算するときに含まれ得る。たとえば、fは、すべてのUE115、および(たとえば、基地局105-aを介して)ネットワークによって示されるようなTPmax計算について定義され得る。追加または代替として、fは、UE115-aのためのUE能力であり得る。したがって、fは、計算されたTPmaxに近くなり得る復号スループットの拡大または狭くされたウィンドウ(たとえば、復号スループットのための緩和)を提供するために、小さい割合(たとえば、10~20%)だけTPmaxを増加または減少させ得る。場合によっては、fは、TPmaxのための復号スループットの範囲を調整するための(たとえば、基地局105-aによって示されるような、UE115-aのUE能力としてなどの)固定値であり得る。TPmax計算にfを含めるとき、TPmaxは、次のように式2によって与えられ得る。
【数11】
【0087】
最初に、UE115-aは、基地局105-aからTBをもつ最初の送信を受信し得る。場合によっては、本明細書で説明するように、最初の送信は、RV0(たとえば、図1において上記で説明したような第1の冗長バージョンであり、その場合、最初の送信が符号化情報メッセージのビットゼロ(0)において開始する)に従って受信され得る。しかしながら、UE115-aは、最初の送信を復号することができず、NACKフィードバックメッセージを送信することを介して、TBを含む後続送信を要求することがある。したがって、基地局105-aは、キャリア205のリソース上で後続送信210を送信し得る。本明細書で説明するように、後続送信210は、式1において定義されたようなTPmaxを超える、デコーダ215(たとえば、UE115-aにおける復号ハードウェア)による復号スループットを必要とし得る。たとえば、復号スループットは、後続送信210がRLBRMよりも著しく低いコードレート(たとえば、2/3)を用いて送信されるか、後続送信210が最初の送信よりもはるかに短いPDSCH持続時間上で発生するか、またはそれらの組合せのとき、TPmaxを超え得る。場合によっては、デコーダ215は、後続送信210を復号しようと試みるとき、オーバープロビジョンされ得る。
【0088】
デコーダ215のオーバープロビジョンを防ぐために、後続送信210のための実効UEスループットは、実効UEスループットがTPmaxを超える場合、デコーダ215(たとえば、UE115-a)が復号を控えることによって後続送信210を処理し得るように、定義され得る。代替的に、UE115-aは、TBを復号することを控え得る。たとえば、後続送信210が、TBを含むいくつかの後続送信のうちの1つであるとき、UE115-aは、a)TBの後続送信のうちの1つ(たとえば、最後または最新の後続送信)、またはb)TBの後続送信のいずれも、のいずれかを復号することを控え得る。したがって、1つのシナリオでは、UE115-aは、関連する実効UEスループットがTPmaxを超えるとき、TBのいかなる後続送信を復号することも控えることによって、TBを事実上ドロップし得る。代替的に、UE115-aは、実効UEスループットを決定するより前に(または、その間に)TBの後続送信のうちのいくつか(たとえば、1つまたは複数)を復号することによって、後続送信210を処理するが、UE115-aが、関連する実効UEスループットがTPmaxを超えると決定した後、復号された後続送信をドロップし、後続送信の復号を中止し(たとえば、TBのいかなる追加の後続送信を復号することも控え)得る。
【0089】
場合によっては、TBを復号するためのスループットは、シンボル単位のPDSCH持続時間(L)、送信されたコードブロックの比率(αCBG)、およびLDPCデコーダコードレート(RLBRM)に関係し得る。αCBGは、送信されたコードブロック(C')と後続送信210のTBにおけるコードブロックの総数(C)の比(たとえば、
【数12】
)としてさらに定義され得、この比は、ダウンリンク制御情報(DCI)におけるコードブロックグループ送信情報(CBGTI)から計算され得る。C'は、UE115-aが後続送信210のために復号し得るコードブロックの数を示し得る。たとえば、後続送信210は、各々が10個のコードブロックの10個のCBGにおいて分散された100個のコードブロックをもつTBを含み得る。したがって、1つのCBGにおける1つまたは複数のコードブロックが最初に正しく受信されない場合、後続送信210は、1つのCBG(たとえば、10個のコードブロック)のみを含み得、UE115-aは、その1つのCBGにおける10個のコードブロックを復号し得る(たとえば、C'=10)。場合によっては、CBGベースの後続送信が、後続送信210のために使用されない場合、αCBGは、1に等しくなり得る(たとえば、UE115-aは、送信されたコードブロックのすべてを復号する)。
【0090】
RLDPCは、
【数13】
として与えられ得、ただし、Cが、サイズTBSの現在のTBにおけるコードブロックの数であり、Krが、LDPCペイロードサイズであり、Ncbが、サーキュラーバッファサイズ(たとえば、反復なしのコードブロックごとのコード化ビットの最大可能数)である。したがって、TBのための復号スループットは、以下で定義され得る。
【数14】
ただし、C'が、TBにおいて送信されたコードブロックの数であり、Ncbが、TBのためのサーキュラーバッファサイズであり、Lが、シンボル単位のPDSCH持続時間である。したがって、提案する復号可能性は、次のように式3によって与えられ得る。
【数15】
【0091】
したがって、UE115-aは、式3によって与えられた条件が満たされるとき、TBの後続送信(たとえば、後続送信210)を復号することを控え得る。代替的に、UE115-aは、(たとえば、TBの後続送信のいずれを復号することも控えることによって、あるいは、復号された後続送信をドロップすること、および/またはTBのいかなる追加の後続送信の復号も中止することによって)TBを復号することをまったく控え得る。
【0092】
追加として、UE115-aは、後続送信210がTBのRV0を使用せずに送信される場合(たとえば、後続送信210が、符号化情報メッセージ内のどこで後続送信210が開始するかを示す、図1において上記で説明したようなRV1、RV2、またはRV3を使用して送信される場合)、後続送信210を復号するべきか否かを決定するために、式3を利用し得る。たとえば、RV0は、TBの復号スループットに影響を及ぼすために、著しくTBのコードレートを下げるとは予想されないことがあり、したがって、TBがRV0を用いて送信される場合、UE115-aは、TBを復号しようと試み得る。すなわち、UE115-aは、TBを送信するために使用される冗長バージョンに基づいて、復号するべきか否かを決定し得る。代替的に、UE115-aは、TBを送信するために使用される冗長バージョンとは無関係に、復号するべきか否かを決定し得る。さらに、式3は、後続送信210がミニスロット持続時間よりも長いPDSCHにおいて送信されるとき、利用され得るが、SCS、またはミニスロットのPDSCH持続時間を用いた相次ぐ後続送信210を考慮しないことがある。
【0093】
式1および式2に示したように、UE115-aのためのTPmaxは、SCSとは無関係に計算され得る。しかしながら、CCが、各々が異なるSCSをもつBWPを含んでおり、異なるSCSのうちの最高のものが、復号スループットを計算するときに使用されるとき、SCSにより導出されたスケーリング係数(μ)が、復号のために利用可能な時間における変化を考慮するために、TBの復号スループットに追加され得る。SCSは、15×2μkHzとして定義され得る。μ0は、CCのために構成された最小SCSに対応し得る。場合によっては、μ0は、キャリア上のすべての構成されたBWPにわたる物理RB(PRB)の最大数、およびUE115-aが復号することができる最小SCSを示し得る。μは、現在の送信のSCSに対応し得る。復号可能性条件は、同じCC上の1つまたは複数の異なるSCS値を考慮するために、式3から更新され得、次のように式4によって与えられ得る。
【数16】
ただし、μが、SCS=15・2μであるように、後続送信210のためのSCSに関係し、μ0が、CCのために構成された最小SCSに関係し、C'が、TBにおいて送信されたコードブロックの数であり、Ncbが、サーキュラーバッファサイズであり、Lが、後続送信210のためのPDSCH持続時間である。場合によっては、UE115-aは、後続送信210がTBのRV0を使用して送信されない場合(たとえば、後続送信210が、RV1、RV2、またはRV3など、RV0以外の冗長バージョンを使用して送信される場合)、後続送信210をどのように処理するかを決定するために、式4を利用し得る。代替的に、UE115-aは、使用される冗長バージョンにかかわらず、後続送信210をどのように処理するかを決定するために、式4を利用し得る(たとえば、UE115-aは、後続送信210がRV0を使用して送信される場合でも、復号するべきか否かを決定するために、式4を使用し得る)。さらに、後続送信210が、ミニスロット持続時間よりも長いPDSCHにおいて送信され、本明細書で説明するように、複数のSCS値を伴うとき、式3が利用され得る。
【0094】
場合によっては、複数のPDSCH送信が、14連続シンボルの持続時間において発生し得る。たとえば、相次ぐ短いPDSCH送信(たとえば、各々が、ミニスロットの持続時間、または14連続シンボル未満の別の長さの間に続く)が発生し、後続送信210が、後続送信210より前の送信において送信された2つのTBを含むようになり得る。したがって、復号可能性条件は、複数のTBに適応するように更新され得、次のように式5によって与えられ得る。
【数17】
ただし、μが、SCS=15・2μであるように、後続送信210における1つのTBのためのSCSに関係し、μ0が、CCのために構成された最小SCSに関係し、C'が、現在のTBにおいて送信されたコードブロックの数であり、Ncbが、サーキュラーバッファサイズであり、Liが、後続送信210の現在のTBのためのPDSCH持続時間であり、Sが、14連続シンボル持続時間においてスケジュールされたTBのセットであり、iが、セットSにおける各TBを示し得る。場合によっては、式5は、どのRVがTBごとに(または、後続送信ごとに)使用されるかにかかわらず、使用され得る。代替的に、式5は、後続送信210がRV0を使用しない場合(たとえば、後続送信210が、RV0以外の冗長バージョンを使用する場合)、使用され得る。追加として、Liは、14シンボルに固定され得る。
【0095】
式5によって与えられるように、後続送信210(または、任意の追加の送信)のための復号スループットが、UE115-aがTPmaxを超えることを引き起こす場合、UE115-a(または、デコーダ215)は、後続送信210を復号することを控え得る。代替的に、UE115-a(または、デコーダ215)は、14連続シンボル持続時間内に送られたTBのいずれを復号することも控え得る(たとえば、14連続シンボル持続時間内に送られたTBのいずれも復号されないことがある)。たとえば、UE115-aは、セットSにおけるTBのいずれを復号することも控え得る。したがって、2つのTBが14連続シンボル持続時間内に送られる場合、それらのTBのうちの一方(または、それらのTBのうちの一方の1つの後続送信)のみが、式5における条件が満たされることを引き起こす場合でも、UE115-aは、両方のTBを復号することを控え得る。
【0096】
場合によっては、後続送信210が、アクティブなBWP内で送信された(たとえば、再送信された)2つ以上のTBを含むとき、2つ以上の後続で送信されたTBのPDSCH持続時間は、アクティブなBWP内で異なる持続時間を含み得る。たとえば、後続で送信されたTBの持続時間は、2つのOFDMシンボルから14個のOFDMシンボルまで変動することがあり、TBがスロット持続時間よりも短いPDSCH持続時間(L)を用いて送信されるようになる。したがって、TPmaxは、次のように式6において定義され得る。
【数18】
ただし、TBSLBRMが、LBRMが可能にされた最大TBサイズであり、ただし、RLBRMが、LBRMが可能にされた最大TBサイズのTBを送信するときのコーディングレート(たとえば、2/3)である。式6は、式1から導出され得、ただし、LCB,CRCおよびLTB,CRCは、複数のTBが後続送信210中に含まれるとき、UE115-aがコードブロックおよびTB上でCRCを実行することを控えることに基づいて、ゼロ(0)になる。
【0097】
追加として、TPmaxが上記の式6によって定義されるとき、UE115-a(または、デコーダ215)は、次のように式7によって与えられた復号可能性条件(たとえば、PDSCHスキップルール)に基づいて、サービングセル上のアクティブなBWP内の最新の発生するPDSCH送信の最後のシンボルにおいて終了する、通常サイクリックプレフィックスのための14連続シンボル持続時間(または、拡張サイクリックプレフィックスのための12連続シンボル持続時間)における、いかなるTBの復号を扱うことも予想されないことがある。
【数19】
ただし、μが、アクティブなBWPのための後続送信210における1つまたは複数のTBのためのSCSに関係し、μ'が、最大構成数のPRBを有するキャリアのすべての構成されたBWPにわたるBWPのSCSに対応し、Ci'が、i番目のTBのためにスケジュールされたコードブロックの数であり、Liが、i番目のTBのためのPDSCH持続時間であり、Sが、i番目のTBのための連続シンボル持続時間において部分的または完全にスケジュールされたTBのセットであり、Fiが、コードブロックにおけるコード化ビットの数であり、
【数20】
の最大値であり、ただし、
【数21】
が、j番目の送信のための冗長値の開始ロケーションであり、
【数22】
が、j番目の送信のためにスケジュールされたコードブロックのmin(Er)であり、Ncb,iが、サーキュラーバッファの長さであり、ただし、jが、0からJ-1までに及び、ただし、J-1が、i番目のTBのための現在の後続送信である。場合によっては、
【数23】
は、UE115-a(または、デコーダ215)のための実効UEスループット(たとえば、初期UEスループット)を表し得る。追加として、
【数24】
は、
【数25】
によって計算される実数入力(たとえば、場合によっては、10進数)を取り、実数入力以下の整数を出力する、床関数を表し得る(たとえば、床関数は、実数を実数入力の最低の整数に切り捨てるものであり、2.4が2になり、2.8もまた2になる、などとなる)。
【0098】
式6および式7は、後続送信210における1つまたは複数のTBのOFDMシンボルの数が一定(たとえば、14個のOFDMシンボル)であると仮定し得る。しかしながら、場合によっては、OFDMシンボルの数は、アクティブなBWPにおけるTBによって異なり得る。したがって、そのような場合、TPmaxは、次のように式8において定義され得る。
【数26】
ただし、TBSLBRMが、LBRMが可能にされた最大TBサイズであり、ただし、RLBRMが、LBRMが可能にされた最大TBサイズのTBを送信するときのコーディングレート(たとえば、2/3)である。
【0099】
復号可能性条件は、後続送信210における複数のTBのOFDMシンボルの数における変動性に対処するために、同様に調整され得る。たとえば、UE115-a(または、デコーダ215)は、次のように式9、または式9-1、または式9-2によって与えられた復号可能性条件(たとえば、PDSCHスキップルール)に基づいて、サービングセル上のアクティブなBWP内の最新の発生するPDSCH送信の最後のシンボルにおいて終了する、通常サイクリックプレフィックスのための14連続シンボル持続時間(または、拡張サイクリックプレフィックスのための12連続シンボル持続時間)における、いかなるTBの復号を扱うことも予想されないことがある。
【数27】
ただし、μが、アクティブなBWPのための後続送信210における1つまたは複数のTBのためのSCSに関係し、μ'が、最大構成数のPRBを有するキャリアのすべての構成されたBWPにわたるBWPのSCSに対応し、Ci'が、i番目のTBのためにスケジュールされたコードブロックの数であり、Liが、i番目のTBのためのPDSCH持続時間であり、Sが、i番目のTBのための連続シンボル持続時間において部分的または完全にスケジュールされたTBのセットであり、xiが、i番目のTBの1つまたは複数の後続送信のOFDMシンボルの数であり、Fiが、コードブロックにおけるコード化ビットの数であり、
【数28】
の最大値であり、ただし、
【数29】
が、j番目の送信のための冗長値の開始ロケーションであり、
【数30】
が、j番目の送信のためにスケジュールされたコードブロックのmin(Er)であり、Ncb,iが、サーキュラーバッファの長さであり、ただし、jが、0からJ-1までに及び、ただし、J-1が、i番目のTBのための現在の後続送信である。xiとLiとの間の比(たとえば、OFDMシンボルの割り振られた数と比較された、TBの後続送信のために使用されたOFDMシンボル/初期のTB送信、TBの後続送信など、TB送信のために構成されたPDSCHの持続時間)に基づいて、UE115-a(たとえば、または、デコーダ215)は、いくつのOFDMシンボルがTBの後続送信のために使用されるかに基づいて、実効UEスループットをスケーリングし得る。たとえば、
【数31】
は、UE115-a(または、デコーダ215)のための初期UEスループットを表し得、次いで、この初期UEスループットが、式9、式9-1、および式9-2では、xiとLiとの間の比によってスケーリングされる。追加として、
【数32】
および
【数33】
は、それぞれ
【数34】
および
【数35】
によって計算される実数入力のための、上記で説明したような床関数を表し得る。
【0100】
式5~式9は、BWP切替えが、各TBのための異なるSCSに適応するために、十分に高速に発生しないことがあると仮定し得る。したがって、14シンボル持続時間内の複数のTBは、同じヌメロロジー(たとえば、SCS)のものであると仮定され得る。しかしながら、BWP切替えが同じ14シンボル持続時間内で発生する場合、復号可能性条件が、次のように式10によって与えられ得る。
【数36】
ただし、μiが、後続送信210における現在のTBのためのSCSに関係し、
【数37】
のようになり、μ0が、CCのために構成された最小SCSに関係し、C'が、現在のTBにおいて送信されたコードブロックの数であり、Ncbが、サーキュラーバッファサイズであり、Lが、後続送信210のためのPDSCH持続時間であり、Sが、14連続シンボル持続時間においてスケジュールされたTBのセットであり、iが、セットSにおける各TBを示し得る。
【0101】
式3~式6は、fが1である(たとえば、TPmaxがスケーリングされない)と仮定し得る。しかしながら、式5は、より一般的には、式11によって与えられるように、fを含むように定義され得る。
【数38】
上述のように、fは、TPmaxに近い復号スループットに適応するために、TPmaxの周囲に追加のウィンドウを提供し得る。たとえば、TPmaxは、最初に10ギガバイト/秒(GB/s)になるように計算され得るが、後続送信210のための復号スループットは、10.1GB/sとして計算され得る。したがって、TPmaxからの小さい差(たとえば、1%)に基づいて、計算された復号スループットを軽視すること、および後続送信210(または、TB)の復号を控えることは不要であり得る。1よりも大きいf(たとえば、f=1.1)を含めることによって、UE115-aは、復号スループットがTPmaxよりも大きいにもかかわらず、依然として後続送信210(または、TB)を復号し得る。
【0102】
追加として、式5~式7に基づいて、UE115-aが最新(たとえば、最後)の後続送信210を復号することが必要とされないことがある。たとえば、UE115-aは、後続送信210における複数のTBを受信するが、後続送信210における他の受信されたTBを復号しようと試みる間に、最後に受信されたTBを復号することを控え得る。追加または代替として、UE115-aは、複数の後続送信210を受信し、複数の後続送信210のうちの最後に受信された後続送信を復号することを控え得る。または、UE115-aは、複数の後続送信210を受信し、複数の後続送信210のいずれを復号することも控え得る。
【0103】
式11は、UE115-aが後続送信210を、復号するべきか否かを含めて、どのように処理するかを決定する(たとえば、UE115-aが後続送信210を復号することが必要とされるか否かを決定する)ために、最も一般的な復号可能性条件を提供し得る。復号スループット(たとえば、
【数39】
)が、あらかじめ決定された復号スループットしきい値をスケーリング係数で乗算したもの(たとえば、f・TPmax)未満である場合、デコーダ215は、後続送信210を復号し、それに応じて応答し得る。しかしながら、本明細書で説明するように、復号が、あらかじめ決定された復号スループットしきい値をスケーリング係数で乗算したものを超える場合、デコーダ215は、後続送信210を復号することを控え得る。したがって、UE115-aは、キャリア220のリソース上で、後続送信210が復号されなかったことを示すNACK225を、基地局105-aに送信し得る。場合によっては、キャリア205および220は、同じまたは異なるキャリアであり得る。NACK225を受信した後、基地局105-aは、正しいダウンリンク情報をUE115-aに提供するために、さらなる後続送信または別の軽減を試み得る。
【0104】
追加または代替として、アクティブなBWPのウィンドウの長さは、(たとえば、14OFDMシンボルに)固定されないことがある。したがって、TPmaxは、一般に次のように式12において定義され得る。
【数40】
ただし、TBSLBRMが、LBRMが可能にされた最大TBサイズであり、ウィンドウの長さが、あらかじめ定義された数の連続シンボルであり、RLBRMが、LBRMが可能にされた最大TBサイズのTBを送信するときのコーディングレート(たとえば、2/3)である。
【0105】
ウィンドウの長さがアクティブBWPにおいて固定されないことに基づいて、復号可能性条件が、次のように式13において与えられ得、ここで、UE115-a(または、デコーダ215)が、式13によって与えられた復号可能性条件に基づいて、RV0を使用しない最新の送信を復号することが必要とされない。追加として、UE115-a(または、デコーダ215)は、TBの終わりに、式13によって与えられた復号可能性条件を評価し得る。
【数41】
ただし、μが、アクティブなBWPのための後続送信210における1つまたは複数のTBのためのSCSに関係し、μ'が、最大構成数のPRBを有するキャリアのすべての構成されたBWPにわたるBWPのSCSに対応し、Ci'が、i番目のTBのためにスケジュールされたコードブロックの数であり、Sが、i番目のTBのための連続シンボル持続時間において部分的または完全にスケジュールされたTBのセットであり、Fiが、
【数42】
の最大値であり、ただし、
【数43】
が、j番目の送信のための冗長値の開始ロケーションであり、
【数44】
が、j番目の送信のためにスケジュールされたコードブロックのmin(Er)であり、Ncb,iが、サーキュラーバッファの長さであり、ただし、jが、0からJ-1までに及び、ただし、J-1が、i番目のTBのための現在の再送信である。
【0106】
復号可能性条件は、すべてのUE115について定義され得る。たとえば、UE115-aのための実効コードレートがしきい値(たとえば、0.95)を超える場合、UE115-aは、後続送信210を復号するとは予想されないことがある(たとえば、UE115-aは、後続送信210の復号をスキップし得る)。または、UE115-aは、後続送信210に関連付けられたTBを復号するとは予想されないことがある。たとえば、複数の後続送信がTBのためにスケジュールされるとき、UE115-aは、後続送信のいずれを復号することも控え得る(たとえば、後続送信のいずれも復号されないことがある)。したがって、UE115-aは、TBを事実上ドロップし得る。そのような場合、UE115-aは、各復号されない後続送信のために(たとえば、UE115-aが復号しないことを選択した各後続送信のために)、NACKを送信し得る。
【0107】
場合によっては、スケジューラ(たとえば、基地局105-a)は、復号可能性条件が満たされる場合、復号可能性しきい値を超えるようになる場合など、UE115-aに後続送信210を送信することを回避し得る。追加または代替として、UE115-aは、依然として、後続送信210を復号しようと試み、後続送信210が正しく復号されるか否かに基づいて、HARQフィードバックを送信し得る。UE115は、定義された復号可能性条件によって示されたデータレートよりも高いデータレートに適応するように設計され得る。しかしながら、スケジューラは、UE115がより高いデータレートに適応することができると仮定せず、依然として後続送信210を送信しないことがある。
【0108】
図3は、本開示の態様による、後続送信のための復号可能性の解決をサポートするプロセスフロー300の一例を示す。いくつかの例では、プロセスフロー300は、ワイヤレス通信システム100および/または200の態様を実装し得る。プロセスフロー300は、図1および図2を参照しながら本明細書で説明したような、対応する基地局105およびUE115の例であり得る、基地局105-bおよびUE115-bを含み得る。本明細書で説明するように、基地局105-bおよびUE115-bは、ダウンリンク情報を送信および受信するためのLDPCコーディング方式をサポートし得る。
【0109】
プロセスフロー300の以下の説明において、UE115-bと基地局105-bとの間の動作は、異なる順序で、または異なるときに実行され得る。いくつかの動作がプロセスフロー300から外されることもあり、または他の動作がプロセスフロー300に追加されることがある。プロセスフロー300のいくつかの動作を実行するUE115-bが示されているが、任意のワイヤレスデバイスが示される動作を実行し得ることを理解されたい。
【0110】
305で、UE115-bは、基地局105-bから、TBを含む送信を受信し得る。
【0111】
310で、UE115-bは、送信を復号しようと試み得る。
【0112】
315で、UE115-bは、基地局105-bに、TBを含む送信の少なくとも一部分の復号に失敗したことを示すフィードバックメッセージを送信し得る。
【0113】
320で、UE115-bは、基地局105-bから、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信を受信し得る。場合によっては、UE115-bは、1つまたは複数の再送信の実効UEスループットが、あらかじめ決定された復号スループットしきい値を超えることに基づいて、1つまたは複数の後続送信のいずれを復号することも控え得る。または、UE115-bは、TBを含む後続送信の部分を復号することを控え得る。場合によっては、UE115-bは、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、あらかじめ決定された復号スループットしきい値を超えることに基づいて、TBを復号することを控え得る。場合によっては、1つまたは複数の後続送信のうちの後続送信は、最後に受信された後続送信であり得る。
【0114】
325で、UE115-bは、1つまたは複数の後続送信のうちの後続送信を処理し得る。後続送信を処理することは、TBのためのPDSCHの持続時間と、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信のOFDMシンボルの数とに少なくとも依存する関数に基づいて、初期UEスループット(たとえば、調整されていないUEスループット、TBのためのPDSCHの持続時間に等しい持続時間を有する、少なくともTBの後続送信のための実効UEスループットなど)をスケーリングすることに基づいて、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットを決定することを含み得る。追加として、次いで、UE115-bは、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループット(たとえば、復号スループット)が、あらかじめ決定された復号スループットしきい値を超えるか否かに基づいて、1つまたは複数の後続送信のうちの後続送信を復号しようと試みるべきか否かを決定し得る。場合によっては、UE115-bは、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、あらかじめ決定された復号スループットしきい値を超えることに基づいて、1つまたは複数の後続送信のいずれを復号することも控え得る。場合によっては、UE115-bは、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、あらかじめ決定された復号スループットしきい値を超えることに基づいて、TBを復号することを控え得る。
【0115】
場合によっては、あらかじめ決定された復号スループットしきい値は、14シンボル持続時間において送信された最大TBサイズのTBを復号するためのスループットに基づき得る。追加として、あらかじめ決定された復号スループットしきい値は、最大TBS、最大TBサイズのTBを送信するためのコードブロックの数、コードブロックレベルCRCの長さ、TBレベルCRCの長さ、LBRMが可能にされた最大TBサイズのTBを送信するためのコーディングレート、およびスケーリング係数に基づき得る。たとえば、あらかじめ決定された復号スループットしきい値は、
【数45】
(たとえば、式2)によって与えられ得る。場合によっては、スケーリング係数は、1であり得る。代替的に、スケーリング係数は、1よりも大きくなり得る。
【0116】
場合によっては、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットは、TBにおいて送信されるコードブロックの数、サーキュラーバッファサイズ、および1つまたは複数の後続送信のためのPDSCH持続時間に基づき得る。したがって、後続送信の実効UEスループットは、そのPDSCH持続時間がミニスロット持続時間よりも大きい後続送信に対して適用可能であり得るが、異なるSCS値を伴う後続送信、またはそのPDSCH持続時間がミニスロットのものである相次ぐ後続送信に対して適用可能ではない。たとえば、実効UEスループットは、
【数46】
(たとえば、式3)によって与えられ得る。場合によっては、ミニスロット持続時間は、短いPDSCHのための持続時間、または14OFDMシンボル未満の任意の持続時間を含み得、ここで、実効UEスループットは、ミニスロット持続時間によって示されたこの短縮された時間の持続時間よりも大きいPDSCH持続時間をもつ後続送信に対して適用可能である。
【0117】
追加または代替として、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットは、後続送信のSCS、および、1つまたは複数の後続送信を搬送するコンポーネントキャリアの最小サブキャリア間隔にさらに基づき得る。したがって、後続送信の実効UEスループットは、そのPDSCH持続時間がミニスロット持続時間よりも大きい後続送信に対して適用可能であり、TBを含む送信とは異なるSCS値を伴う後続送信に対して適用可能である。たとえば、実効UEスループットは、
【数47】
(たとえば、式4)として与えられ得る。
【0118】
追加または代替として、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットは、1つまたは複数の後続送信における複数のTBのためのUEスループットの和にさらに基づき得る。たとえば、実効UEスループットは、
【数48】
(たとえば、式5)として与えられ得る。場合によっては、PDSCHの持続時間は、14シンボルに固定され得るので、実効UEスループットは、
【数49】
として与えられ得るようになる。
【0119】
追加または代替として、1つまたは複数の後続送信内の複数のTBの長さは、TBによって変動し得る。したがって、そのような場合、TPmaxは、
【数50】
(たとえば、式6)として定義され得る。1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットは、1つまたは複数の後続送信における複数のTBのための可変長にさらに基づき得る。たとえば、実効UEスループットは、
【数51】
(たとえば、式7)として与えられ得る。場合によっては、
【数52】
は、TBのためのPDSCHの持続時間と、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信のOFDMシンボルの数とに基づいてスケーリングされる、上記のような初期UEスループットと呼ばれることがある。追加として、後続送信の実効UEスループットは、複数のTBの長さが変動するとき、最新のPDSCH送信の最後のシンボルの終わりにおいて終了する間隔の間に評価され得る。
【0120】
追加として、TBの長さが変動するとき、TBのためのPDSCHの長さは、(たとえば、14OFDMシンボルに)固定されないことがある。したがって、TPmaxは、
【数53】
(たとえば、式8)として定義され得る。1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットは、1つまたは複数の後続送信における複数のTBのための可変長、およびPDSCHの長さにさらに基づき得る。たとえば、実効UEスループットは、
【数54】
(たとえば、式9)、または
【数55】
(たとえば、式9-1)、または
【数56】
(たとえば、式9-2)として与えられ得る。したがって、UE115-bは、複数のTBのための可変長に基づいて(たとえば、xiとLiの比に基づいて)、実効UEスループット(たとえば、初期UEスループット、
【数57】
)をスケーリングし得る。追加として、このスループットの場合、後続送信の実効UEスループットは、最新のPDSCH送信の最後のシンボルの終わりにおいて終了する間隔の間に評価され得る。
【0121】
場合によっては、アクティブなBWPは、設定された数のOFDMシンボル(たとえば、14OFDMシンボル)に固定されないことがある。したがって、TPmaxは、
【数58】
(たとえば、式12)として定義され得る。追加として、実効UEスループットは、
【数59】
(たとえば、式13)として与えられ得る。したがって、後続送信の実効UEスループットは、TBの終わりに評価され得る。
【0122】
場合によっては、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットは、RV0を使用していない後続送信に対して適用可能であり得、RV0が、後続送信が符号化情報メッセージのビットゼロにおいて開始することを示す。追加または代替として、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットは、1つまたは複数の後続送信によって使用される冗長バージョンにかかわらず、適用可能であり得、冗長バージョンが、1つまたは複数の後続送信が開始する、符号化情報メッセージ内のロケーションを示す。
【0123】
330で、UE115-bは、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、あらかじめ決定された復号スループットしきい値未満であることに基づいて、後続送信を復号し得る。
【0124】
335で、UE115-bは、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、あらかじめ決定された復号スループットしきい値を超えることに基づいて、後続送信を復号することを控え得る。
【0125】
図4は、本開示の態様による、後続送信のための復号可能性の解決をサポートするデバイス405のブロック図400を示す。デバイス405は、本明細書で説明するようなUE115の態様の一例であり得る。デバイス405は、受信機410と、通信マネージャ415と、送信機420とを含み得る。デバイス405は、プロセッサも含み得る。これらの構成要素の各々は、(たとえば、1つまたは複数のバスを介して)互いに通信中であり得る。
【0126】
受信機410は、パケット、ユーザデータ、または様々な情報チャネルに関連付けられる制御情報(たとえば、制御チャネル、データチャネル、および、そのスループットがしきい値を超える後続送信のための復号可能性の解決に関する情報など)などの情報を受信し得る。情報は、通信マネージャ415など、デバイス405の他の構成要素に受け渡され得る。受信機410は、図7を参照しながら説明するトランシーバ720の態様の一例であり得る。受信機410は、単一のアンテナまたはアンテナのセットを利用し得る。
【0127】
通信マネージャ415は、受信機410を介して基地局から、TBを含む送信を受信すること、送信を復号しようと試みること、基地局に、TBを含む送信の少なくとも一部分の復号に失敗したことを示すフィードバックメッセージを送信すること、および受信機410を介して基地局から、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信を受信することを行い得る。場合によっては、通信マネージャ415は、TBのためのPDSCHの持続時間と、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信のOFDMシンボルの数とに少なくとも依存する関数を使用して、初期UEスループットをスケーリングすることに基づいて、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットを決定することによって、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信を処理し得る。追加として、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信を処理することにおいて、通信マネージャ415は、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、あらかじめ決定された復号スループットしきい値を超えるか否かに基づいて、後続送信を復号しようと試みるべきか否かを決定し得る。通信マネージャ415は、本明細書で説明する通信マネージャ710の態様の一例であり得る。
【0128】
本明細書で説明するような通信マネージャ415によって実行されたアクションに基づいて、UE115は、実効UEスループットが、あらかじめ決定された復号スループットしきい値を超えることに基づいて、(たとえば、少なくともTBの)後続送信を復号するように決定することによって、バッテリー電力消費を低減し得る。たとえば、UEによってサポートされるよりも高いスループットで、後続送信を復号しようと試みながら、バッテリー電力を消耗するのではなく、UEは、後続送信を復号することを控え、それによって電力を節約し得る。
【0129】
通信マネージャ415またはその下位構成要素は、ハードウェア、プロセッサによって実行されるコード(たとえば、ソフトウェアまたはファームウェア)、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。プロセッサによって実行されるコードで実装される場合、通信マネージャ415またはその下位構成要素の機能は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または他のプログラマブル論理デバイス(PLD)、個別ゲートもしくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、または、本開示で説明する機能を実行するように設計されるそれらの任意の組合せによって実行され得る。
【0130】
通信マネージャ415またはその下位構成要素は、機能の部分が1つまたは複数の物理構成要素によって異なる物理的ロケーションにおいて実装されるように分散されることを含めて、様々な位置において物理的に位置し得る。いくつかの例では、通信マネージャ415またはその下位構成要素は、本開示の様々な態様による別個のおよび異なる構成要素であり得る。いくつかの例では、通信マネージャ415またはその下位構成要素は、限定はしないが、入出力(I/O)構成要素、トランシーバ、ネットワークサーバ、別のコンピューティングデバイス、本開示で説明する1つもしくは複数の他の構成要素、または本開示の様々な態様によるそれらの組合せを含む、1つまたは複数の他のハードウェア構成要素と組み合わせられ得る。
【0131】
送信機420は、デバイス405の他の構成要素によって生成された信号を送信し得る。いくつかの例では、送信機420は、トランシーバモジュール内で受信機410と併置され得る。たとえば、送信機420は、図7を参照しながら説明するトランシーバ720の態様の一例であり得る。送信機420は、単一のアンテナまたはアンテナのセットを利用し得る。
【0132】
図5は、本開示の態様による、後続送信のための復号可能性の解決をサポートするデバイス505のブロック図500を示す。デバイス505は、本明細書で説明するようなデバイス405またはUE115の態様の一例であり得る。デバイス505は、受信機510と、通信マネージャ515と、送信機545とを含み得る。デバイス505は、プロセッサも含み得る。これらの構成要素の各々は、(たとえば、1つまたは複数のバスを介して)互いに通信中であり得る。
【0133】
受信機510は、パケット、ユーザデータ、または様々な情報チャネルに関連付けられる制御情報(たとえば、制御チャネル、データチャネル、および、そのスループットがしきい値を超える後続送信のための復号可能性の解決に関する情報など)などの情報を受信し得る。情報は、通信マネージャ515など、デバイス505の他の構成要素に受け渡され得る。受信機510は、図7を参照しながら説明するトランシーバ720の態様の一例であり得る。受信機510は、単一のアンテナまたはアンテナのセットを利用し得る。
【0134】
通信マネージャ515は、本明細書で説明したような通信マネージャ415の態様の一例であり得る。通信マネージャ515は、TBの後続送信を処理するように動作可能であり得、TB受信機520と、デコーダ525と、フィードバック構成要素530と、後続送信受信機535と、後続送信デコーダ540とを含み得る。通信マネージャ515は、本明細書で説明する通信マネージャ710の態様の一例であり得る。
【0135】
TB受信機520は、受信機510を介して基地局から、TBを含む送信を受信し得る。
【0136】
デコーダ525は、送信を復号しようと試み得る。
【0137】
フィードバック構成要素530は、基地局に、TBを含む送信の少なくとも一部分の復号に失敗したことを示すフィードバックメッセージを送信し得る。
【0138】
後続送信受信機535は、受信機510を介して基地局から、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信を受信し得る。
【0139】
後続送信デコーダ540は、TBのためのPDSCHの持続時間と、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信のOFDMシンボルの数とに少なくとも依存する関数に基づいて、初期UEスループットをスケーリングすることに基づいて、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットを決定し得る。追加として、後続送信デコーダ540は、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、あらかじめ決定された復号スループットしきい値を超えるか否かに基づいて、1つまたは複数の後続送信のうちの後続送信を処理(たとえば、復号しようと試みるべきか否かを決定)し得る。
【0140】
後続送信を復号しようと試みるべきか否かを決定することに基づいて、(たとえば、受信機510、送信機545、または図7を参照しながら説明するようなトランシーバ720を制御する)UE115のプロセッサは、UE115内の他の構成要素に負担をかけすぎることを防止し得る。たとえば、UE115内のデコーダは、あらかじめ決定された復号スループットしきい値を上回って送信される後続送信を処理することができないことがある。しかしながら、デコーダは、依然として後続送信を処理しようとして、負担がかかりすぎるようになり、不要な電力を費やし、UE115のシステム性能に影響を及ぼすことがある。したがって、復号を実行するより前に、復号を試みるべきか否かを決定することによって、プロセッサは、デコーダ(たとえば、および、任意の関連する構成要素)に過負荷をかけることを防止し得る。
【0141】
送信機545は、デバイス505の他の構成要素によって生成された信号を送信し得る。いくつかの例では、送信機545は、トランシーバモジュール内で受信機510と併置され得る。たとえば、送信機545は、図7を参照しながら説明するトランシーバ720の態様の一例であり得る。送信機545は、単一のアンテナまたはアンテナのセットを利用し得る。
【0142】
図6は、本開示の態様による、後続送信のための復号可能性の解決をサポートする通信マネージャ605のブロック図600を示す。通信マネージャ605は、本明細書で説明する通信マネージャ415、通信マネージャ515、または通信マネージャ710の態様の一例であり得る。通信マネージャ605は、TB受信機610と、デコーダ615と、フィードバック構成要素620と、後続送信受信機625と、後続送信デコーダ630とを含み得る。これらのモジュールの各々は、直接的または間接的に(たとえば、1つまたは複数のバスを介して)互いに通信し得る。
【0143】
TB受信機610は、基地局から、TBを含む送信を受信し得る。
【0144】
デコーダ615は、送信を復号しようと試み得る。
【0145】
フィードバック構成要素620は、基地局に、TBを含む送信の少なくとも一部分の復号に失敗したことを示すフィードバックメッセージを送信し得る。
【0146】
後続送信受信機625は、基地局から、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信を受信し得、復号可能性条件に従って、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信を処理し得る。場合によっては、1つまたは複数の後続送信のうちの後続送信は、最後に受信された後続送信である。
【0147】
後続送信デコーダ630は、TBのためのPDSCHの持続時間と、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信のOFDMシンボルの数とに少なくとも依存する関数に基づいて、初期UEスループットをスケーリングすることに基づいて、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットを決定し得る。追加として、後続送信デコーダ630は、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、あらかじめ決定された復号スループットしきい値を超えるか否かに基づいて、1つまたは複数の後続送信のうちの後続送信を処理(たとえば、復号しようと試みるべきか否かを決定)し得る。
【0148】
いくつかの例では、後続送信デコーダ630は、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、あらかじめ決定された復号スループットしきい値未満であることに基づいて、後続送信を復号し得る。追加または代替として、後続送信デコーダ630は、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、あらかじめ決定された復号スループットしきい値を超えることに基づいて、後続送信を復号することを控え得る。場合によっては、後続送信デコーダ630は、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、あらかじめ決定された復号スループットしきい値を超えることに基づいて、1つまたは複数の後続送信のいずれを復号することも控え得る。場合によっては、後続送信デコーダ630は、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、あらかじめ決定された復号スループットしきい値を超えることに基づいて、1つまたは複数の後続送信のTBを復号することを控え得る。
【0149】
場合によっては、あらかじめ決定された復号スループットしきい値は、14シンボル持続時間において送信された最大TBサイズのTBを復号するためのスループットに基づき得る。追加として、あらかじめ決定された復号スループットしきい値は、最大TBサイズ、最大TBサイズのTBを送信するためのコードブロックの数、コードブロックレベルCRCの長さ、TBレベルCRCの長さ、LBRMが可能にされた最大TBサイズのTBを送信するためのコーディングレート、およびスケーリング係数に基づき得る。たとえば、あらかじめ決定された復号スループットしきい値は、
【数60】
として定義され得、ただし、fが、固定のスケーリング係数であり、Cmaxが、最大TBサイズのTBを送信するために必要とされたコードブロックの数であり、LCB,CRCが、コードブロックレベルCRCの長さであり、LTB,CRCが、TBレベルCRCの長さであり、RLBRMが、LBRMが可能にされた最大TBサイズのTBを送信するときのコーディングレートである。場合によっては、fは1であり得る。追加または代替として、fは1よりも大きくなり得る。
【0150】
場合によっては、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットは、後続送信のサブキャリア間隔、および、1つまたは複数の後続送信を搬送するコンポーネントキャリアの最小サブキャリア間隔にさらに基づき得る。追加として、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットは、1つまたは複数の後続送信における複数のTBのためのUEスループットの和にさらに基づく。たとえば、後続送信の実効UEスループットは、
【数61】
として定義され得、ただし、μが、SCS=15・2μであるように、1つまたは複数の後続送信のためのSCSに関係し、μ0が、コンポーネントキャリアのために構成された最小SCSに関係し、C'が、TBにおいて送信されたコードブロックの数であり、Ncbが、サーキュラーバッファサイズであり、Lが、1つまたは複数の後続送信のためのPDSCH持続時間であり、Sが、14連続シンボル持続時間においてスケジュールされたTBのセットである。追加または代替として、後続送信の実効UEスループットは、
【数62】
として定義され得、ただし、μが、SCS=15・2μであるように、1つまたは複数の後続送信のためのSCSに関係し、μ0が、コンポーネントキャリアのために構成された最小SCSに関係し、C'が、TBにおいて送信されたコードブロックの数であり、Ncbが、サーキュラーバッファサイズであり、Sが、14連続シンボル持続時間においてスケジュールされたTBのセットである。
【0151】
場合によっては、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットは、TBにおいて送信されるコードブロックの数、サーキュラーバッファサイズ、および1つまたは複数の後続送信のためのPDSCH持続時間に基づく。たとえば、後続送信の実効UEスループットは、
【数63】
として定義され得、ただし、C'が、TBにおいて送信されたコードブロックの数であり、Ncbが、サーキュラーバッファサイズであり、Lが、後続送信のためのPDSCH持続時間である。したがって、後続送信の実効UEスループットは、そのPDSCH持続時間がミニスロット持続時間よりも大きい後続送信に対して適用可能であり得るが、異なるSCS値を伴う後続送信、またはそのPDSCH持続時間がミニスロットのものである相次ぐ後続送信に対して適用可能ではない。
【0152】
場合によっては、後続送信の実効UEスループットは、そのPDSCH持続時間がミニスロット持続時間よりも大きい後続送信に対して適用可能であり得、TBを含む送信とは異なるSCS値を伴う後続送信に対して適用可能である。たとえば、後続送信の実効UEスループットは、
【数64】
として定義され得、ただし、μが、SCS=15・2μであるように、後続送信のためのSCSに関係し、μ0が、コンポーネントキャリアのために構成された最小SCSに関係し、C'が、TBにおいて送信されたコードブロックの数であり、Ncbが、サーキュラーバッファサイズであり、Lが、後続送信のためのPDSCH持続時間である。
【0153】
場合によっては、TPmaxは、
【数65】
として定義され得、ただし、TBSLBRMが、LBRMが可能にされた最大TBサイズであり、RLBRMが、LBRMが可能にされた最大TBサイズのTBを送信するときのコーディングレートである。たとえば、PDSCH持続時間の長さは、TBによって変動し、上記で定義されたTPmaxが生じ得る。追加として、後続送信の実効UEスループット(たとえば、初期UEスループット)は、
【数66】
として定義され得、ただし、μが、アクティブなBWPのための1つまたは複数の後続送信のためのSCSに関係し、μ'が、最大構成数のPRBを有するキャリアのすべての構成されたBWPにわたるBWPのSCSに対応し、Ci'が、i番目のTBのためにスケジュールされたコードブロックの数であり、Liが、i番目のTBのためのPDSCH持続時間であり、Sが、i番目のTBのための連続シンボル持続時間において部分的または完全にスケジュールされたTBのセットであり、Fiが、コードブロックにおけるコード化ビットの数であり、
【数67】
の最大値であり、ただし、
【数68】
が、j番目の送信のための冗長値の開始ロケーションであり、
【数69】
が、j番目の送信のためにスケジュールされたコードブロックのmin(Er)であり、Ncb,iが、サーキュラーバッファの長さであり、ただし、jが、0からJ-1までに及び、ただし、J-1が、i番目のTBのための現在の後続送信である。追加として、後続送信の実効UEスループットは、最新のPDSCH送信の最後のシンボルの終わりにおいて終了する間隔の間に評価され得る。追加として、
【数70】
は、
【数71】
によって計算される実数のための床関数を表し得る。
【0154】
場合によっては、PDSCH持続時間の変動に加えて、各TBの後続送信の長さが変動し得る。たとえば、TPmaxは、
【数72】
として定義され得、ただし、TBSLBRMが、LBRMが可能にされた最大TBサイズであり、ただし、RLBRMが、LBRMが可能にされた最大TBサイズのTBを送信するときのコーディングレートである。追加として、後続送信の実効UEスループットは、
【数73】
、または
【数74】
として定義され得、ただし、μが、アクティブなBWPのための1つまたは複数の後続送信のためのSCSに関係し、μ'が、最大構成数のPRBを有するキャリアのすべての構成されたBWPにわたるBWPのSCSに対応し、Ci'が、i番目のTBのためにスケジュールされたコードブロックの数であり、Liが、i番目のTBのためのPDSCH持続時間であり、Sが、i番目のTBのための連続シンボル持続時間において部分的または完全にスケジュールされたTBのセットであり、xiが、i番目のTBの1つまたは複数の後続送信のOFDMシンボルの数であり、Fiが、コードブロックにおけるコード化ビットの数であり、
【数75】
の最大値であり、ただし、
【数76】
が、j番目の送信のための冗長値の開始ロケーションであり、
【数77】
が、j番目の送信のためにスケジュールされたコードブロックのmin(Er)であり、Ncb,iが、サーキュラーバッファの長さであり、ただし、jが、0からJ-1までに及び、ただし、J-1が、i番目のTBのための現在の後続送信である。これらの式に基づいて、実効UEスループット(たとえば、初期UEスループット、
【数78】
)が、xi(たとえば、i番目のTBの後続送信が使用するOFDMシンボルの数)と、Li(たとえば、i番目のTBの後続送信のためのPDSCHに割り振られたOFDMシンボルの総数)との間の比に基づいてスケーリングされ得る。追加として、後続送信の実効UEスループットは、最新のPDSCH送信の最後のシンボルの終わりにおいて終了する間隔の間に評価され得る。追加として、
【数79】
および
【数80】
は、それぞれ
【数81】
および
【数82】
によって計算される実数入力のための、上記で説明したような床関数を表し得る。
【0155】
場合によっては、アクティブなBWPの長さは、設定された長さ(たとえば、14OFDMシンボル)に固定されないことがあり、このことは、TPmax、および後続送信の実効UEスループットに影響を及ぼし得る。たとえば、TPmaxは、
【数83】
として定義され得、ただし、TBSLBRMが、LBRMが可能にされた最大TBサイズであり、ウィンドウの長さが、あらかじめ定義された数の連続シンボルであり、ただし、RLBRMが、LBRMが可能にされた最大TBサイズのTBを送信するときのコーディングレートである。追加として、後続送信の実効UEスループットは、
【数84】
として定義され得、ただし、μが、アクティブなBWPのための1つまたは複数の後続送信のためのSCSに関係し、μ'が、最大構成数のPRBを有するキャリアのすべての構成されたBWPにわたるBWPのSCSに対応し、Ci'が、i番目のTBのためにスケジュールされたコードブロックの数であり、Sが、i番目のTBのための連続シンボル持続時間において部分的または完全にスケジュールされたTBのセットであり、Fiが、コードブロックにおけるコード化ビットの数であり、
【数85】
の最大値であり、ただし、
【数86】
が、j番目の送信のための冗長値の開始ロケーションであり、
【数87】
が、j番目の送信のためにスケジュールされたコードブロックのmin(Er)であり、Ncb,iが、サーキュラーバッファの長さであり、ただし、jが、0からJ-1までに及び、ただし、J-1が、i番目のTBのための現在の後続送信である。追加として、後続送信の実効UEスループットは、TBの終わりに評価され得る。
【0156】
場合によっては、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットは、冗長バージョンゼロを使用していない後続送信に対して適用可能であり得、ここで、冗長バージョンゼロが、後続送信が符号化情報メッセージのビットゼロにおいて開始することを示す。追加または代替として、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットは、1つまたは複数の後続送信によって使用される冗長バージョンにかかわらず、適用可能であり得、ここで、冗長バージョンが、1つまたは複数の後続送信が開始する、符号化情報メッセージ内のロケーションを示す。
【0157】
図7は、本開示の態様による、後続送信のための復号可能性の解決をサポートするデバイス705を含むシステム700の図を示す。デバイス705は、本明細書で説明するようなデバイス405、デバイス505、もしくはUE115の構成要素の一例であるか、またはそれらを含み得る。デバイス705は、通信マネージャ710と、I/Oコントローラ715と、トランシーバ720と、アンテナ725と、メモリ730と、プロセッサ740とを含む、通信を送信および受信するための構成要素を含む、双方向の音声およびデータ通信のための構成要素を含み得る。これらの構成要素は、1つまたは複数のバス(たとえば、バス745)を介して電子通信中であり得る。
【0158】
通信マネージャ710は、基地局から、TBを含む送信を受信すること、送信を復号しようと試みること、基地局に、TBを含む送信の少なくとも一部分の復号に失敗したことを示すフィードバックメッセージを送信すること、基地局から、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信を受信すること、および少なくともTBの後続送信を処理することを行い得る。場合によっては、通信マネージャ710は、TBのためのPDSCHの持続時間と、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信のOFDMシンボルの数とに少なくとも依存する関数に基づいて、初期UEスループットをスケーリングすることに基づいて、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットを決定し得る。追加として、通信マネージャ710は、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、あらかじめ決定された復号スループットしきい値を超えるか否かに基づいて、1つまたは複数の後続送信のうちの後続送信を処理(たとえば、復号しようと試みるべきか否かを決定)し得る。
【0159】
I/Oコントローラ715は、デバイス705のための入力信号および出力信号を管理し得る。I/Oコントローラ715はまた、デバイス705に統合されていない周辺機器を管理し得る。いくつかの場合、I/Oコントローラ715は、外部周辺機器への物理接続またはポートを表し得る。いくつかの場合、I/Oコントローラ715は、iOS(登録商標)、ANDROID(登録商標)、MS-DOS(登録商標)、MS-WINDOWS(登録商標)、OS/2(登録商標)、UNIX(登録商標)、LINUX(登録商標)、または別の知られているオペレーティングシステムなどのオペレーティングシステムを利用し得る。他の場合には、I/Oコントローラ715は、モデム、キーボード、マウス、タッチスクリーン、または同様のデバイスを表し、またはそれと対話し得る。いくつかの場合、I/Oコントローラ715は、プロセッサの一部として実装され得る。いくつかの場合、ユーザは、I/Oコントローラ715を介して、またはI/Oコントローラ715によって制御されるハードウェア構成要素を介して、デバイス705と対話し得る。
【0160】
トランシーバ720は、本明細書で説明するように、1つまたは複数のアンテナ、ワイヤードリンク、またはワイヤレスリンクを介して、双方向に通信し得る。たとえば、トランシーバ720は、ワイヤレストランシーバを表すことがあり、別のワイヤレストランシーバと双方向に通信し得る。トランシーバ720はまた、パケットを変調し、変調されたパケットを送信のためにアンテナに与えるための、またアンテナから受信されたパケットを復調するための、モデムを含み得る。
【0161】
場合によっては、ワイヤレスデバイスは、単一のアンテナ725を含み得る。しかしながら、場合によっては、デバイスは、複数のワイヤレス送信を同時に送信または受信することが可能であり得る、2つ以上のアンテナ725を有し得る。
【0162】
メモリ730は、ランダムアクセスメモリ(RAM)と読取り専用メモリ(ROM)とを含み得る。メモリ730は、実行されると、本明細書で説明する様々な機能をプロセッサに実行させる命令を含む、コンピュータ可読、コンピュータ実行可能コード735を記憶し得る。場合によっては、メモリ730は、特に、周辺構成要素または周辺デバイスとの対話など、基本的なハードウェア動作またはソフトウェア動作を制御し得る、基本I/Oシステム(BIOS)を含み得る。
【0163】
プロセッサ740は、インテリジェントハードウェアデバイス(たとえば、汎用プロセッサ、DSP、中央処理装置(CPU)、マイクロコントローラ、ASIC、FPGA、PLD、個別ゲートもしくはトランジスタ論理構成要素、個別ハードウェア構成要素、またはそれらの任意の組合せ)を含み得る。いくつかの場合、プロセッサ740は、メモリコントローラを使用してメモリアレイを動作させるように構成され得る。他の場合には、メモリコントローラは、プロセッサ740の中に統合され得る。プロセッサ740は、デバイス705に様々な機能(たとえば、そのスループットがしきい値を超える後続送信のための復号可能性の解決をサポートする機能またはタスク)を実行させるために、メモリ(たとえば、メモリ730)に記憶されたコンピュータ可読命令を実行するように構成され得る。
【0164】
コード735は、ワイヤレス通信をサポートするための命令を含む、本開示の態様を実施するための命令を含み得る。コード735は、システムメモリまたは他のタイプのメモリなどの、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶され得る。場合によっては、コード735は、プロセッサ740によって直接的に実行可能でないことがあるが、(たとえば、コンパイルされ実行されたとき)本明細書で説明する機能をコンピュータに実行させ得る。
【0165】
図8は、本開示の態様による、後続送信のための復号可能性の解決をサポートする方法800を示すフローチャートを示す。方法800の動作は、本明細書で説明するようなUE115またはその構成要素によって実施され得る。たとえば、方法800の動作は、図4図7を参照しながら説明したような通信マネージャによって実行され得る。いくつかの例では、UEは、本明細書で説明する機能を実行するようにUEの機能要素を制御するための命令のセットを実行し得る。追加または代替として、UEは、専用ハードウェアを使用して、本明細書で説明する機能の態様を実行し得る。
【0166】
805で、UEは、基地局から、TBを含む送信を受信し得る。805の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、805の動作の態様は、図4図7を参照しながら説明したように、TB受信機によって実行され得る。
【0167】
810で、UEは、送信を復号しようと試み得る。810の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、810の動作の態様は、図4図7を参照しながら説明したように、デコーダによって実行され得る。
【0168】
815で、UEは、基地局に、TBを含む送信の少なくとも一部分の復号に失敗したことを示すフィードバックメッセージを送信し得る。815の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、815の動作の態様は、図4図7を参照しながら説明したように、フィードバック構成要素によって実行され得る。
【0169】
820で、UEは、基地局から、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信を受信し得る。820の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、820の動作の態様は、図4図7を参照しながら説明したように、後続送信受信機によって実行され得る。
【0170】
825で、UEは、TBのためのPDSCHの持続時間と、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信のOFDMシンボルの数とに少なくとも依存する関数に基づいて、初期UEスループットをスケーリングすることに基づいて、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットを決定し得る。825の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、825の動作の態様は、図4図7を参照しながら説明したように、後続送信デコーダによって実行され得る。
【0171】
830で、UEは、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、あらかじめ決定された復号スループットしきい値を超えるか否かに基づいて、1つまたは複数の後続送信のうちの後続送信を処理し得る。830の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、830の動作の態様は、図4図7を参照しながら説明したように、後続送信デコーダによって実行され得る。
【0172】
図9は、本開示の態様による、後続送信のための復号可能性の解決をサポートする方法900を示すフローチャートを示す。方法900の動作は、本明細書で説明するようなUE115またはその構成要素によって実施され得る。たとえば、方法900の動作は、図4図7を参照しながら説明したような通信マネージャによって実行され得る。いくつかの例では、UEは、本明細書で説明する機能を実行するようにUEの機能要素を制御するための命令のセットを実行し得る。追加または代替として、UEは、専用ハードウェアを使用して、本明細書で説明する機能の態様を実行し得る。
【0173】
905で、UEは、基地局から、TBを含む送信を受信し得る。905の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、905の動作の態様は、図4図7を参照しながら説明したように、TB受信機によって実行され得る。
【0174】
910で、UEは、送信を復号しようと試み得る。910の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、910の動作の態様は、図4図7を参照しながら説明したように、デコーダによって実行され得る。
【0175】
915で、UEは、基地局に、TBを含む送信の少なくとも一部分の復号に失敗したことを示すフィードバックメッセージを送信し得る。915の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、915の動作の態様は、図4図7を参照しながら説明したように、フィードバック構成要素によって実行され得る。
【0176】
920で、UEは、基地局から、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信を受信し得る。920の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、920の動作の態様は、図4図7を参照しながら説明したように、後続送信受信機によって実行され得る。
【0177】
925で、UEは、TBのためのPDSCHの持続時間と、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信のOFDMシンボルの数とに少なくとも依存する関数に基づいて、初期UEスループットをスケーリングすることに基づいて、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットを決定し得る。925の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、925の動作の態様は、図4図7を参照しながら説明したように、後続送信デコーダによって実行され得る。
【0178】
930で、UEは、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、あらかじめ決定された復号スループットしきい値を超えるか否かに基づいて、1つまたは複数の後続送信のうちの後続送信を処理し得る。930の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、930の動作の態様は、図4図7を参照しながら説明したように、後続送信デコーダによって実行され得る。
【0179】
935で、1つまたは複数の後続送信のうちの後続送信を処理するときの一例として、UEは、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、あらかじめ決定された復号スループットしきい値未満であることに基づいて、後続送信を復号し得る。935の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、935の動作の態様は、図4図7を参照しながら説明したように、後続送信デコーダによって実行され得る。
【0180】
図10は、本開示の態様による、そのスループットがしきい値を超える後続送信のための復号可能性の解決をサポートする方法1000を示すフローチャートを示す。方法1000の動作は、本明細書で説明するようなUE115またはその構成要素によって実施され得る。たとえば、方法1000の動作は、図4図7を参照しながら説明したような通信マネージャによって実行され得る。いくつかの例では、UEは、本明細書で説明する機能を実行するようにUEの機能要素を制御するための命令のセットを実行し得る。追加または代替として、UEは、専用ハードウェアを使用して、本明細書で説明する機能の態様を実行し得る。
【0181】
1005で、UEは、基地局から、TBを含む送信を受信し得る。1005の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、1005の動作の態様は、図4図7を参照しながら説明したように、TB受信機によって実行され得る。
【0182】
1010で、UEは、送信を復号しようと試み得る。1010の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、1010の動作の態様は、図4図7を参照しながら説明したように、デコーダによって実行され得る。
【0183】
1015で、UEは、基地局に、TBを含む送信の少なくとも一部分の復号に失敗したことを示すフィードバックメッセージを送信し得る。1015の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、1015の動作の態様は、図4図7を参照しながら説明したように、フィードバック構成要素によって実行され得る。
【0184】
1020で、UEは、基地局から、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信を受信し得る。1020の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、1020の動作の態様は、図4図7を参照しながら説明したように、後続送信受信機によって実行され得る。
【0185】
1025で、UEは、TBのためのPDSCHの持続時間と、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信のOFDMシンボルの数とに少なくとも依存する関数に基づいて、初期UEスループットをスケーリングすることに基づいて、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットを決定し得る。1025の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、1025の動作の態様は、図4図7を参照しながら説明したように、後続送信デコーダによって実行され得る。
【0186】
1030で、UEは、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、あらかじめ決定された復号スループットしきい値を超えるか否かに基づいて、1つまたは複数の後続送信のうちの後続送信を処理し得る。1030の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、1030の動作の態様は、図4図7を参照しながら説明したように、後続送信デコーダによって実行され得る。
【0187】
1035で、1つまたは複数の後続送信のうちの後続送信を処理するときの一例として、UEは、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、あらかじめ決定された復号スループットしきい値を超えることに基づいて、後続送信を復号することを控え得る。1035の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行され得る。いくつかの例では、1035の動作の態様は、図4図7を参照しながら説明したように、後続送信デコーダによって実行され得る。
【0188】
本明細書で説明する方法が可能な実装形態を表すこと、動作およびステップが再構成され得るかまたは別様に修正され得ること、ならびに他の実装形態が可能であることに留意されたい。さらに、方法のうちの2つ以上からの態様が、組み合わせられ得る。
【0189】
本明細書で説明する技法は、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、直交周波数分割多元接続(OFDMA)、シングルキャリア周波数分割多元接続(SC-FDMA)、および他のシステムなど、様々なワイヤレス通信システムのために使用され得る。CDMAシステムは、CDMA2000、ユニバーサル地上波無線アクセス(UTRA)などの無線技術を実装し得る。CDMA2000は、IS-2000規格、IS-95規格、およびIS-856規格をカバーする。IS-2000リリースは、一般に、CDMA2000 1X、1Xなどと呼ばれることがある。IS-856(TIA-856)は、一般に、CDMA2000 1xEV-DO、高速パケットデータ(HRPD)などと呼ばれる。UTRAは、広帯域CDMA(WCDMA(登録商標))と、CDMAの他の変形態とを含む。TDMAシステムは、モバイル通信用グローバルシステム(GSM)などの無線技術を実装し得る。
【0190】
OFDMAシステムは、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)、発展型UTRA(E-UTRA)、米国電気電子技術者協会(IEEE)802.11(Wi-Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802.20、Flash-OFDMなどの無線技術を実装し得る。UTRAおよびE-UTRAは、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションズシステム(UMTS)の一部である。LTE、LTE-A、およびLTE-A Proは、E-UTRAを使用するUMTSのリリースである。UTRA、E-UTRA、UMTS、LTE、LTE-A、LTE-A Pro、NR、およびGSMは、「第3世代パートナーシッププロジェクト」(3GPP)と称する団体からの文書に記載されている。CDMA2000およびUMBは、「第3世代パートナーシッププロジェクト2」(3GPP2)と称する団体からの文書に記載されている。本明細書で説明する技法は、上述のシステムおよび無線技術ならびに他のシステムおよび無線技術のために使用され得る。LTE、LTE-A、LTE-A Pro、またはNRシステムの態様について、例として説明することがあり、LTE、LTE-A、LTE-A Pro、またはNR用語が、説明の大部分において使用されることがあるが、本明細書で説明する技法は、LTE、LTE-A、LTE-A Pro、またはNR適用以外に適用可能である。
【0191】
マクロセルは、一般に、比較的大きい地理的エリア(たとえば、半径数キロメートル)をカバーし、ネットワークプロバイダのサービスに加入しているUE115による無制限アクセスを可能にし得る。スモールセルは、マクロセルと比較して低電力の基地局105に関連付けられることがあり、スモールセルは、マクロセルと同じまたはマクロセルとは異なる(たとえば、認可、無認可など)周波数帯域において動作することがある。スモールセルは、様々な例によれば、ピコセル、フェムトセル、およびマイクロセルを含み得る。ピコセルは、たとえば、小さい地理的エリアをカバーすることができ、ネットワークプロバイダのサービスに加入しているUE115による無制限アクセスを可能にし得る。フェムトセルも、小さい地理的エリア(たとえば、自宅)をカバーしてよく、フェムトセルとの関連付けを有するUE115(たとえば、限定加入者グループ(CSG)の中のUE115、自宅の中のユーザ用のUE115など)による制限付きアクセスを提供し得る。マクロセルのためのeNBは、マクロeNBと呼ばれることがある。スモールセルのためのeNBは、スモールセルeNB、ピコeNB、フェムトeNB、またはホームeNBと呼ばれることがある。eNBは、1つまたは複数(たとえば、2つ、3つ、4つなど)のセルをサポートし得、1つまたは複数のコンポーネントキャリアを使用する通信もサポートし得る。
【0192】
本明細書で説明する1つまたは複数のワイヤレス通信システム100は、同期動作または非同期動作をサポートすることができる。同期動作の場合、基地局105は、同様のフレームタイミングを有することがあり、異なる基地局105からの送信は、時間的にほぼ整合されることがある。非同期動作の場合、基地局105は、異なるフレームタイミングを有することがあり、異なる基地局105からの送信は、時間的に整合されないことがある。本明細書で説明する技法は、同期動作または非同期動作のいずれかのために使用され得る。
【0193】
本明細書で説明する情報および信号は、様々な異なる技術および技法のうちのいずれかを使用して表され得る。たとえば、上記の説明全体にわたって言及されることがあるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボルおよびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁性粒子、光場もしくは光学粒子、またはそれらの任意の組合せによって表され得る。
【0194】
本明細書の開示に関して説明した様々な例示的なブロックおよびモジュールは、汎用プロセッサ、DSP、ASIC、FPGAもしくは他のPLD、個別ゲートもしくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、または本明細書で説明した機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実装または実行され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであり得るが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ(たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携した1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成)として実装され得る。
【0195】
本明細書で説明する機能は、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。プロセッサによって実行されるソフトウェアにおいて実装される場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとして、コンピュータ可読媒体上に記憶され、またはコンピュータ可読媒体を介して送信され得る。他の例および実装形態が、本開示および添付の特許請求の範囲の範囲内に入る。たとえば、ソフトウェアの性質に起因して、本明細書で説明する機能は、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、ハードワイヤリング、またはこれらのうちのいずれかの組合せを使用して実装され得る。機能を実装する特徴はまた、機能の部分が、異なる物理的ロケーションにおいて実装されるように分散されることを含めて、様々な位置において物理的に位置し得る。
【0196】
コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を可能にする任意の媒体を含む、非一時的コンピュータ記憶媒体と通信媒体の両方を含む。非一時的記憶媒体は、汎用または専用コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、非一時的コンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、コンパクトディスク(CD)ROMまたは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイス、あるいは、命令またはデータ構造の形態の所望のプログラムコード手段を搬送または記憶するために使用され得、汎用コンピュータもしくは専用コンピュータまたは汎用プロセッサもしくは専用プロセッサによってアクセスされ得る任意の他の非一時的媒体を含み得る。また、任意の接続が、適切にコンピュータ可読媒体と呼ばれる。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用してウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用されるディスク(disk)およびディスク(disc)は、CD、レーザーディスク(登録商標)(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピーディスク(disk)、およびBlu-ray(登録商標)ディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、データをレーザーで光学的に再生する。上記のものの組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれる。
【0197】
特許請求の範囲内を含めて本明細書で使用される場合、項目の列挙(たとえば、「のうちの少なくとも1つ」または「のうちの1つまたは複数」などの句で終わる項目の列挙)において使用される「または」は、たとえば、A、B、またはCのうちの少なくとも1つという列挙が、AまたはBまたはCまたはABまたはACまたはBCまたはABC(すなわち、AおよびBおよびC)を意味するような、包括的な列挙を示す。また、本明細書で使用される「に基づいて」という句は、条件の閉集合への参照と解釈されないものとする。たとえば、「条件Aに基づいて」として説明した例示的なステップは、本開示の範囲から逸脱することなく、条件Aと条件Bの両方に基づき得る。言い換えれば、本明細書で使用される「に基づいて」という句は、「に少なくとも部分的に基づいて」という句と同様に解釈されるべきである。
【0198】
添付の図面では、同様の構成要素または特徴は、同じ参照ラベルを有し得る。さらに、同じタイプの様々な構成要素は、参照ラベルの後、ダッシュと、同様の構成要素を区別する第2のラベルとを続けることによって区別され得る。第1の参照ラベルのみが本明細書で使用される場合、説明は、第2の参照ラベル、または他の後続の参照ラベルにかかわらず、同じ第1の参照ラベルを有する同様の構成要素のうちのいずれにも適用可能である。
【0199】
添付の図面に関して本明細書に記載した説明は、例示的な構成について説明しており、実装され得るまたは特許請求の範囲内に入るすべての例を表すとは限らない。本明細書で使用される「例示的」という用語は、「例、事例、または例示の働きをすること」を意味し、「好ましい」または「他の例よりも有利な」を意味しない。発明を実施するための形態は、説明する技法の理解をもたらすための具体的な詳細を含む。しかしながら、これらの技法は、これらの具体的な詳細なしに実践され得る。いくつかの事例では、説明する例の概念を不明瞭にすることを回避するために、よく知られている構造およびデバイスがブロック図の形式で示される。
【0200】
本明細書の説明は、当業者が本開示を作成または使用することを可能にするように提供される。本開示への様々な変更は当業者には容易に明らかとなり、本明細書で定義する一般原理は、本開示の範囲から逸脱することなく他の変形形態に適用され得る。したがって、本開示は、本明細書で説明する例および設計に限定されず、本明細書で開示する原理および新規の特徴に合致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【0201】
以下は、本発明のさらなる例の概要を提供する。
【0202】
例1: UEにおけるワイヤレス通信のための方法であって、基地局から、TBを含む送信を受信するステップと、送信を復号しようと試みるステップと、基地局に、TBを含む送信の少なくとも一部分の復号に失敗したことを示すフィードバックメッセージを送信するステップと、基地局から、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信を受信するステップと、TBのための物理ダウンリンク共有チャネルの持続時間と、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信の直交周波数分割多重(OFDM)シンボルの数とに少なくとも依存する関数に基づいて、初期UEスループットをスケーリングすることに少なくとも部分的に基づいて、少なくともTBの1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットを決定するステップと、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、あらかじめ決定された復号スループットしきい値を超えるか否かに少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数の後続送信のうちの後続送信を処理するステップとを含む方法。
【0203】
例2: 1つまたは複数の後続送信のうちの後続送信を処理するステップが、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、あらかじめ決定された復号スループットしきい値未満であることに基づいて、後続送信を復号するステップを含む、例1の方法。
【0204】
例3: 1つまたは複数の後続送信のうちの後続送信を処理するステップが、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、あらかじめ決定された復号スループットしきい値を超えることに基づいて、後続送信を復号することを控えるステップを含む、例1の方法。
【0205】
例3a: 1つまたは複数の後続送信のうちの後続送信を処理するステップが、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、あらかじめ決定された復号スループットしきい値を超えることに基づいて、1つまたは複数の後続送信のいずれを復号することも控えるステップを含む、例1の方法。
【0206】
例3b: 1つまたは複数の後続送信のうちの後続送信を処理するステップが、1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、あらかじめ決定された復号スループットしきい値を超えることに基づいて、1つまたは複数の後続送信のTBを復号することを控えるステップを含む、例1の方法。
【0207】
例4: 後続送信の実効UEスループットが、最新のPDSCH送信の最後のシンボルの終わりにおいて終了する間隔の間に評価される、例1から3bのいずれかの方法。
【0208】
例5: あらかじめ決定された復号スループットしきい値(TPmax)が、
【数88】
として定義され、ただし、TBSLBRMが、制限付きバッファレートマッチング(LBRM)が可能にされた最大TBサイズであり、ただし、RLBRMが、LBRMが可能にされた最大TBサイズのTBを送信するときのコーディングレートである、例1から4のいずれかの方法。
【0209】
例6: 後続送信の実効UEスループットが、
【数89】
として定義され、ただし、μが、アクティブな帯域幅パートのための1つまたは複数の後続送信のためのサブキャリア間隔(SCS)に関係し、μ'が、最大構成数の物理リソースブロックを有するキャリアのすべての構成された帯域幅パートにわたる帯域幅パートのSCSに対応し、Ci'が、i番目のTBのためにスケジュールされたコードブロックの数であり、Liが、i番目のTBのための物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)持続時間であり、Sが、i番目のTBのための連続シンボル持続時間において部分的または完全にスケジュールされたTBのセットであり、xiが、i番目のTBの1つまたは複数の後続送信の直交周波数分割多重(OFDM)シンボルの数であり、Fiが、コードブロックにおけるコード化ビットの数であり、
【数90】
の最大値であり、ただし、
【数91】
が、j番目の送信のための冗長値の開始ロケーションであり、
【数92】
が、j番目の送信のためにスケジュールされたコードブロックのmin(Er)であり、Ncb,iが、サーキュラーバッファの長さであり、ただし、jが、0からJ-1までに及び、ただし、J-1が、i番目のTBのための現在の後続送信であり、
【数93】
が、
【数94】
の入力のための床関数であり、
【数95】
が、初期UEスループットを表す、例5の方法。
【0210】
例7: 1つまたは複数の後続送信のうちの後続送信が、最後に受信された後続送信である、例1から6のいずれかの方法。
【0211】
例8: あらかじめ決定された復号スループットしきい値が、14シンボル持続時間において送信された最大TBサイズのTBを復号するためのスループットに少なくとも部分的に基づく、例1から7のいずれかの方法。
【0212】
例9: あらかじめ決定された復号スループットしきい値が、最大TBサイズ、最大TBサイズのTBを送信するためのコードブロックの数、コードブロックレベルCRCの長さ、トランスポートレベルCRCの長さ、LBRMが可能にされた最大TBサイズのTBを送信するためのコーディングレート、およびスケーリング係数に少なくとも部分的に基づく、例1から7のいずれかの方法。
【0213】
例10: スケーリング係数が1である、例9の方法。
【0214】
例11: スケーリング係数が1よりも大きい、例9の方法。
【0215】
例12: 1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、TBにおいて送信されるコードブロックの数、サーキュラーバッファサイズ、および1つまたは複数の後続送信のための物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)持続時間に少なくとも部分的に基づく、例1から11のいずれかの方法。
【0216】
例13: 後続送信の実効UEスループットが、そのPDSCH持続時間がミニスロット持続時間よりも大きい後続送信に対して適用可能であるが、異なるサブキャリア間隔値を伴う後続送信、またはそのPDSCH持続時間がミニスロットのものである相次ぐ後続送信に対して適用可能ではない、例12の方法。
【0217】
例14: 1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、後続送信のサブキャリア間隔、および、1つまたは複数の後続送信を搬送するコンポーネントキャリアの最小サブキャリア間隔にさらに基づく、例12の方法。
【0218】
例15: 後続送信の実効UEスループットが、そのPDSCH持続時間がミニスロット持続時間よりも大きい後続送信に対して適用可能であり、TBを含む送信とは異なるサブキャリア間隔値を伴う後続送信に対して適用可能である、例14の方法。
【0219】
例16: 1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、1つまたは複数の後続送信における複数のTBのためのUEスループットの和にさらに基づく、例14の方法。
【0220】
例17: 1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、冗長バージョンゼロを使用していない後続送信に対して適用可能であり、冗長バージョンゼロが、後続送信が符号化情報メッセージのビットゼロにおいて開始することを示す、例16の方法。
【0221】
例18: 1つまたは複数の後続送信の実効UEスループットが、1つまたは複数の後続送信によって使用される冗長バージョンにかかわらず、適用可能であり、冗長バージョンが、1つまたは複数の後続送信が開始する、符号化情報メッセージ内のロケーションを示す、例16の方法。
【0222】
例19: 1つまたは複数の後続送信のうちの後続送信を処理するステップが、UEが1つまたは複数の後続送信のうちの少なくとも1つまたは複数を復号することを必要とするべきか否かを決定するステップを含む、例1から18のいずれかの方法。
【0223】
例20: UEが1つまたは複数の後続送信のうちの後続送信を復号することを必要とするべきか否かを決定するステップが、1つまたは複数の後続送信のうちの少なくとも1つまたは複数の実効UEスループットが、あらかじめ決定された復号スループットしきい値を超えるか否かに少なくとも部分的に基づく、例19の方法。
【0224】
例21: 例1から20のいずれかの方法を実行するための少なくとも1つの手段を備える、装置。
【0225】
例22: プロセッサと、プロセッサと電子通信しているメモリと、メモリに記憶され、装置に例1から20のいずれかの方法を実行させるようにプロセッサによって実行可能な命令とを備える、ワイヤレス通信のための装置。
【0226】
例23: ワイヤレス通信のためのコードを記憶する、非一時的コンピュータ可読媒体であって、コードが、例1から20のいずれかの方法を実行するようにプロセッサによって実行可能な命令を備える、非一時的コンピュータ可読媒体。
【符号の説明】
【0227】
100、200 ワイヤレス通信システム
105、105-a、105-b 基地局
110 地理的カバレージエリア
115、115-a、115-b UE
125 通信リンク
130 コアネットワーク
132、134 バックホールリンク
205、220 キャリア
210 後続送信
215 デコーダ
225 NACK
405、505、705 デバイス
410、510 受信機
415、515、605、710 通信マネージャ
420、545 送信機
520、610 TB受信機
525、615 デコーダ
530、620 フィードバック構成要素
535、625 後続送信受信機
540、630 後続送信デコーダ
700 システム
715 I/Oコントローラ
720 トランシーバ
725 アンテナ
730 メモリ
735 コンピュータ可読、コンピュータ実行可能コード、コード
740 プロセッサ
745 バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10