(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】タバコ構成要素含有剤を含有する造形発泡体の形成方法
(51)【国際特許分類】
A24B 15/167 20200101AFI20240119BHJP
A24B 15/10 20060101ALI20240119BHJP
【FI】
A24B15/167
A24B15/10
(21)【出願番号】P 2021520330
(86)(22)【出願日】2019-12-17
(86)【国際出願番号】 EP2019085644
(87)【国際公開番号】W WO2020127261
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-09-02
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】プラットナー, ミカエル
(72)【発明者】
【氏名】オース, ミカエル
(72)【発明者】
【氏名】マスタレルズ, レミギウス
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-248378(JP,A)
【文献】国際公開第2018/122375(WO,A1)
【文献】特開平11-103840(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第00248128(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24B 15/167
A24B 15/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコ構成要素含有剤を含有する造形発泡体の形成方法であって、
前記タバコ構成要素含有剤と発泡体形成剤とを組み合わせ、混合して第1混合物を得る第1工程と、
エアロゾル形成剤
を前記第1混合物に添加して第2混合物を得る第2工程と、
発泡体安定剤を前記第2混合物に添加して第3混合物を得る第3工程と、
前記第3混合物を押し出して造形発泡体を製造する工程と、
を有し、
少なくとも前記第2工程及び前記第3工程が押出機の内部で実施される、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第2工程では、溶媒を更に前記第1混合物に添加して前記第2混合物を得る、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2工程では、少なくとも1つの非タバコ着香料を更に前記第1混合物に添加して前記第2混合物を得る、ことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記タバコ構成要素含有剤と前記発泡体形成剤とは、
前記押出機の第1バレルにおいて、混合される、ことを特徴とする請求項1
から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも前記エアロゾル形成剤は、前記第1バレルの下流にある前記押出機の第2バレルにおいて添加され、
前記第2バレルは前記第1バレルに隣接している、ことを特徴とする請求項
4に記載の方法。
【請求項6】
前記発泡体安定剤は、前記第2バレルの下流にある前記押出機の第3バレルに添加され、
前記第2バレルは前記第3バレルに隣接していない、ことを特徴とする請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1工程における温度は、30℃以上80℃以下の範囲にあり、及び/又は、前記第2工程における温度は、50℃以上115℃以下の範囲にあり、及び/又は、前記第3工程における温度は、30℃以上125℃以下の範囲にある、ことを特徴とする請求項1から
6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記押出機は、200rpm以上900rpm以下の速度で運転される、ことを特徴とする請求項1から
7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第2混合物の混合は、前記第3工程において前記発泡体安定剤が添加される前に少なくとも1つのバレルにおいて実施され、及び/又は、前記第3混合物の混合は、前記発泡体安定剤の添加後に少なくとも1つのバレルにおいて実施される、ことを特徴とする請求項1から
8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第3混合物は、
少なくとも60℃の温度で円形ダイ又は丸ダイから押し出される、ことを特徴とする請求項1から
9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
押出後に前記造形発泡体を冷却する工程を更に有する、ことを特徴とする請求項1から
10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記造形発泡体は、60℃よりも下
の温度
に冷却される、ことを特徴とする請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
前記造形発泡体は、押出後に複数の部分に切り離される、ことを特徴とする請求項1から1
2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
タバコ構成要素含有剤を含有する造形発泡体を製造する装置であって、
押出機を備え、
前記押出機は、少なくとも3つのバレルを含み、
前記少なくとも3つのバレルは、
前記タバコ構成要素含有剤と発泡体形成剤とを混合して第1混合物を得るように構成され、かつ、前記タバコ構成要素含有剤と前記発泡体形成剤とを含有する混合物を導入するように構成された少なくとも1つの開口部を含むか、または、前記タバコ構成要素含有剤と発泡体形成剤とを別々に導入するように構成された少なくとも2つの開口部を含む、第1バレルと、
前記第1混合物をエアロゾル形成剤
と混合して第2混合物を得るように構成され、かつ、前記エアロゾル形成剤
を導入するように構成された少なくとも1つの開口部を含む、第2バレルと、
前記第2混合物を発泡体安定剤と混合して第3混合物を得るように構成され、かつ、前記発泡体安定剤を導入するように構成された少なくとも1つの開口部を含む、第3バレルと、を含み、
混合物が前記押出機の内部で運ばれる方向において、前記第2バレルは前記第1バレルの下流に位置し、前記第3バレルは前記第2バレルの下流に位置し、
前記押出機は、前記第3混合物を、タバコ構成要素含有剤を含有する前記造形発泡体へ造形するように構成されたダイプレートを更に含む、ことを特徴とする装置。
【請求項15】
前記第2バレルは、溶媒を更に前記第1混合物に添加して前記第2混合物を得るように構成され、かつ、前記少なくとも1つの開口部は、前記溶媒を更に導入するように構成される、ことを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記第2バレルは、少なくとも1つの非タバコ着香料を更に前記第1混合物に添加して前記第2混合物を得るように構成され、前記少なくとも1つの開口部は、前記少なくとも1つの非タバコ着香料を更に導入するように構成される、ことを特徴とする請求項14または15に記載の装置。
【請求項17】
押出後に前記造形発泡体を複数の部分に切り離すように構成されたカッターを前記押出機の下流に更に備える、ことを特徴とする請求項
14から16のいずれか1項に記載の装置。
【請求項18】
前記押出機の下流かつ前記カッターの上流に冷却装置を更に備え、
前記冷却装置は、エアナイフ、クーラー、冷却ベルト
、及び
メッシュ
のうちの少なくともいずれかである、ことを特徴とする請求項
17に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコ構成要素含有剤を含有する造形発泡体の形成方法、該方法によって製造されたタバコ構成要素含有剤を含有する造形発泡体、及び、タバコ構成要素含有剤を含有する造形発泡体を製造する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発泡タバコ製品は、先行技術において主に再構成タバコ製品の分野で知られている。製造プロセスは、通常、細かくすり潰したタバコ粒子から発泡体形成剤及び発泡体安定剤と共に再構成タバコシートを形成すること、引き続いて再構成シートを細断すること、及び天然タバコ断片とブレンドすることを含む。再構成タバコ製品は、通常、巻きタバコの製造のために使用される。しかしながら、これらの発泡体は、再構成タバコを使用するタバコの代替品としての燃焼による使用が意図されている。
【0003】
例えば、米国特許第7,500,485 B1号明細書は、タバコ粒子と、水と疎水的に改質されたヒドロキシアルキル化炭水化物である発泡体安定剤とを含む発泡タバコ組成物、並びに葉巻、巻きタバコ又はパイプにおける充填材を製造するためにその後使用することができる、低密度タバコシート材料でのそれの使用に関する。米国特許出願公開第2016/286851 A1号明細書には、エアロゾル形成基質とフレーバー前駆体化合物とを含む喫煙組成物が開示されている。
【0004】
米国特許出願公開第2011/088708 A1号明細書は、喫煙可能な充填材及びそれの製造方法を記載しており、ここで、喫煙可能な充填材は、発泡剤と、化学架橋を形成することができる試剤と、架橋剤とを含む。
【0005】
欧州特許第1294242 B1号明細書は、果実材料を含む喫煙可能な充填材及び喫煙可能な充填材入りの喫煙具を開示している。
【0006】
さらに、欧州特許出願公開第2934197 A1号明細書は、無煙噛みタバコ製品並びにタバコと不溶性発泡材料とを含む無煙噛みタバコ製品の製造方法を開示している。
【0007】
電子タバコ(e-タバコ)の普及及び人気は、気化し、そして喫煙者によって吸入される新規タバコ製品の必要性及び可能性をもたらした。e-タバコ又は電子パイプのような類似のデバイスは、通常、エアロゾル形成剤と、水と、任意選択的に追加の着香料及びニコチンとを含む液体を加熱することによってエアロゾルを発生させる。全体として、これは、例えば液体中の重要な化合物の不十分な抽出によって、パフの経験されるフレーバーが著しく異なり得る、一様でない喫煙プロファイルをもたらし得る。この目的のために、発泡体、それぞれムースを使用することができる。例えば、通気を用いる混合からのそれらの調製は、例えば食品技術の分野において公知である。しかし、スケールアップ及び安定した調製のためには、依然として改善の余地がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、したがって、長期の硬化を必要とすることなく、タバコ構成要素含有剤、エアロゾル形成剤、発泡体安定剤、及び発泡体形成剤を含む造形発泡体を安定して形成する改善された方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
スケールアップのために、本発明者らは、造形発泡体の安定した形成のための手段として押出(extrusion)を考えている。本発明者らは、構造が押出機における圧縮のために余りにも密であろうことが想定されたので、ムース様のタバコ発泡体が押出機で製造できることを見出した。本発明者らは、発泡体製造のための成形適用において通常必要とされる硬化工程を押出によって回避できることをさらに見出した。本発明者らは、構成要素の添加の特有の順序が、塊形成なしに良好な一貫性のある発泡体の安定した形成をもたらすであろうことをさらに見出した。特に、本発明者らは、発泡体形成剤へのタバコ構成要素含有剤の添加が、押出プロセスにおける塊形成を回避するのに役立ち、一方、押出機でのその後の工程における発泡体安定剤の添加が所望の形状の発泡体の安定した製造を可能にすることを見出した。さらに、安定した及び連続的な投与が、押出を用いて可能であり、本質的に均質な安定した製品の製造を可能にする。
【0010】
本発明の第1の側面は、タバコ構成要素含有剤を含有する造形発泡体の形成方法に関し、該方法は、
前記タバコ構成要素含有剤と発泡体形成剤とを組み合わせ、混合して第1混合物を得る第1工程と、
エアロゾル形成剤及び任意選択的に溶媒並びに/又は少なくとも1つの非タバコ着香料を前記第1混合物に添加して第2混合物を得る第2工程と、
発泡体安定剤を前記第2混合物に添加して第3混合物を得る第3工程と、
前記第3混合物を押し出して造形発泡体を製造する工程と、
を有し、
少なくとも前記第2工程及び前記第3工程が押出機の内部で実施される、ことを特徴とする。
【0011】
本発明の第2の側面は、本発明の方法によって製造される、タバコ構成要素含有剤を含有する造形発泡体を指向する。
【0012】
さらに、第3の側面において、タバコ構成要素含有剤を含有する造形発泡体を製造する装置が開示される。該装置は、
押出機を備え、
前記押出機は、少なくとも3つのバレルを含み、
前記少なくとも3つのバレルは、
前記タバコ構成要素含有剤と発泡体形成剤とを混合して第1混合物を得るように構成され、かつ、前記タバコ構成要素含有剤と前記発泡体形成剤とを含有する混合物を導入するように構成された少なくとも1つの開口部を含むか、または、前記タバコ構成要素含有剤と発泡体形成剤とを別々に導入するように構成された少なくとも2つの開口部を含む、第1バレルと、
前記第1混合物をエアロゾル形成剤及び任意選択的に溶媒並びに/又は少なくとも1つの非タバコ着香料と混合して第2混合物を得るように構成され、かつ、前記エアロゾル形成剤及び任意選択的に前記溶媒並びに/又は前記少なくとも1つの非タバコ着香料を導入するように構成された少なくとも1つの開口部を含む、第2バレルと、
前記第2混合物を発泡体安定剤と混合して第3混合物を得るように構成され、かつ、前記発泡体安定剤を導入するように構成された少なくとも1つの開口部を含む、第3バレルと、を含み、
混合物が前記押出機の内部で運ばれる方向において、前記第2バレルは前記第1バレルの下流に位置し、前記第3バレルは前記第2バレルの下流に位置し、
前記押出機は、前記第3混合物を、タバコ構成要素含有剤を含有する前記造形発泡体へ造形するように構成されたダイプレートを更に含む、ことを特徴とする。
【0013】
本発明のさらなる態様及び実施形態は、従属請求項において開示され、以下の説明及び実施例から導き出すことができるが、それらに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
添付図面は、本発明の実施形態を例示し、それのさらなる理解を伝えるものであるべきである。本説明に関連して、それは、本発明の概念及び原理の説明として役立つ。他の実施形態及び述べられる利点の多くは、図面との関連で導き出すことができる。
【0015】
【
図1】本発明の方法における例示的な工程シーケンスを示す図。
【
図3】本実施例において製造された造形発泡体の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
定義
特に定義しない限り、本明細書で用いられる技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
【0017】
本開示において与えられる全ての値は、文脈からそうでないことが明らかでない限り、語「約(about)」によって補完されると理解されるべきである。
【0018】
本方法により、特に、開気孔発泡体を形成することができる。したがって、本発明の発泡体は、特定の実施形態による開気孔発泡体である。開気孔発泡体は、本明細書で用いるところでは、流体、特に保湿剤/液体エアロゾル形成基質と空気との混合物を含有することができる複数の相互接続細孔(発泡体安定剤、タバコ粒子などの固体成分及びいくらかの溶媒等などの相互作用する成分と連携する発泡体形成剤に由来する構造材料から形成された)の形を成しているとして考えることができる発泡体として理解されるべきであり、ここで、少なくともかなりの部分(例えば50容積%超)の発泡体中の細孔は、独立気泡発泡体に反して、互いに流体的に接続しており、ここで、大部分の細孔は、流体が細孔間を自由に通るのを実質的に防ぐように、それぞれが細孔形成材料によって完全に取り囲まれている、別々のポケットを形成している。本明細書で記載されるように形成された、発泡体、特にムースは、発泡体、特にムースを加熱して蒸気を放出した後に、保湿剤が隣接細孔を通って移動して発泡体、特にムース部分の表面に達することができなかったかどうかを容易に説明することができなかった、発泡体、特にムース部分の重量を加熱前後に測定することに基づいて保湿剤の実質的に全てが放出されているように思われるので、大部分は開気孔発泡体、特にムースであると現在は考えられる。しかしながら、代わりの説明を完全に排除することはできない-例えば独立気泡は、たぶん、気化したガスの圧力等の結果として独立気泡壁を破裂させることによって開かれることができよう。
【0019】
タバコ構成要素含有剤は、人工的に含まれるかそれともタバコ中に自然に含有される、タバコの構成物質、例えばタバコ、タバコ粒子、タバコフレーバー及び/又はニコチンを含有する及び/又は携行する任意の化合物、混合物、粒子物質、及び/又は溶液であることができる。対照的に、人工的に添加される非タバコ特有フレーバーについての例は、メントールであろう。
【0020】
エアロゾル形成剤は、例えば加熱されたときに及び/又はタバコ構成要素含有剤との混合物でエアロゾルを形成することができる任意の化合物、混合物及び/又は溶液であることができる。周知の例としては、グリセリン及びプロピレングリコールなどの保湿剤、エタノールなどの、他のアルコール等が挙げられる。
【0021】
本明細書で用いるところでは、重量%は、特に明記しない限り、発泡体の総重量を基準とする、重量パーセントとして理解されるべきである。本開示において、特に明確に述べるか又は文脈から明らかでない限り、全ての量は重量%単位で示される。本開示において、さらに、特定の発泡体における重量%単位で示される全ての量は合計100重量%になる。したがって、重量パーセントは、特に示さないか又は文脈から明らかでない限り、各成分の質量を発泡体の全質量で割ることによって計算される。
【0022】
本明細書で用いるところでは、特にはっきりと明記しない限り、容積%は、発泡体の全容積を基準とする、容積パーセントとして理解されるべきである。本開示において、特定の発泡体において容積%で示される全ての量は、合計100容積%になる。容積パーセントは、したがって、特に示さないか又は文脈から明らかでない限り、各成分の容積を発泡体の全容積で割ることによって計算される。
【0023】
粒径は、本発明で開示されるところでは、任意の好適な方法、例えば篩い分け又はレーザー回折、好ましくは篩い分けによって測定することができる。
【0024】
本発明の第1の側面は、タバコ構成要素含有剤を含有する造形発泡体の形成方法に係り、該方法は、
前記タバコ構成要素含有剤と発泡体形成剤とを組み合わせ、混合して第1混合物を得る第1工程と、
エアロゾル形成剤及び任意選択的に溶媒並びに/又は少なくとも1つの非タバコ着香料を前記第1混合物に添加して第2混合物を得る第2工程と、
発泡体安定剤を前記第2混合物に添加して第3混合物を得る第3工程と、
前記第3混合物を押し出して造形発泡体を製造する工程と、
を有し、
少なくとも前記第2工程及び前記第3工程が押出機の内部で実施される、ことを特徴とする。
【0025】
特定の実施形態によれば、特に水を含む又は水である、少なくとも溶媒が第2工程において添加される。押出機における水の添加は、通気及びその後の硬化ありの、ミキサーを用いて製造された発泡体と比較して最終造形発泡体の減量をもたらす、フワフワした(fluffy)構造の形成を可能にする。特定の実施形態によれば、本方法における、発泡体形成剤対溶媒の重量比は、4:1~1:4、好ましくは3:1~1:3、さらに好ましくは2:1~1:2.5、特に好ましくは1.5:1~1:2の範囲にある。
【0026】
特定の実施形態によれば、発泡体は、例えば、第2工程及び/若しくは第3工程において並びに/又は第2工程の前及び/若しくは後に並びに/又は第3工程の後にガスにより通気されうる。
【0027】
本方法において、エアロゾル形成剤、発泡体形成剤、発泡体安定剤、タバコ構成要素含有剤、少なくとも1つの非タバコ着香料、及び溶媒は、特に制限されない。また、通気のために使用されるガスは、特に制限されず、例えば空気でありうる。また、さらなる成分を混ぜ合わせることができる。特定の実施形態によれば、だが、本質的にさらなる成分も、さらなる成分も全く混ぜ合わせられない。
【0028】
特定の実施形態によれば、タバコ構成要素含有剤の重量は、発泡体の重量の0.1~40重量%、好ましくは0.1~33重量%であり、及び/又はエアロゾル形成剤の重量は、発泡体の重量の、10~80重量%、好ましくは40~70重量%、特に好ましくは45~65重量%である。特定の実施形態によれば、タバコ構成要素含有剤の重量は、本方法における発泡体の重量の0.1~40重量%であり、エアロゾル形成剤の重量は、発泡体の重量の、10~80重量%、好ましくは40~70重量%、特に好ましくは45~65重量%である。
【0029】
特定の実施形態によれば、発泡体形成剤の重量は、発泡体の20重量%未満である。特定の実施形態によれば、発泡体形成剤は、タンパク質非含有多糖であり、発泡体形成剤の重量は、発泡体の20重量%未満である。
【0030】
広範囲のエアロゾル形成剤量(百分率重量による)、すなわち、上に述べられたように10~80重量%が可能である。80重量%超が含有される場合、発泡体は、確実に形成することができず、物質は、完全に液体のままであることができる。そのようなポイントは、例えば、70~80重量%を含む処方で達成することができ、80重量%は、通常、難事ではあるが達成できる。70重量%の処方は、良好な蒸気発生ありで確実に及び安定して形成することができる。他方では、エアロゾル形成剤の量を減らすことによって、喫煙期間においてムースが発生させることができる蒸気の総量は減らされる。したがって、だが、他の成分、例えば、異なる風味をもたらす、タバコ構成要素含有剤は、量を増やすことができる。エアロゾル形成剤の量が余りにも低い場合、これは、その上発泡体形成に有害であり得る。20重量%よりも下の、重量によるエアロゾル形成剤量の下端で、発泡体を形成することは困難であり-むしろ代わりに生乾きのペーストが形成される。さらに、約40重量%よりも下(20重量%まで)の保湿剤レベルで、おそらくエアロゾル形成剤によるタバコ又は他のフレーバー形成材料からのフレーバーの吸収が減少するので、風味プロフィールは弱められる(並びに所与量のムースから発生することができる蒸気の総量が減少する)。40重量%~70重量%との間で、風味の充足(それは一般に約40重量%保湿剤レベルで最適であることが分かっている)と、所与の容積の発泡体、特にムースから発生することができる蒸気の量との間のトレードオフが一般に存在する。ある消費者にとっては、風味の充足(あえて言えば発泡体(ムース)部分が取り替えられる必要がある前の期間中により多くのパフをそれにもかかわらず提供するより弱い風味発泡体(ムース))よりも、所与量の発泡体、特にムースから発生することができる蒸気の量が重要であり得る。
【0031】
特定の実施形態によれば、発泡体の重量の100重量%への残りは、本質的に発泡体安定剤及び発泡体形成剤及び任意選択的に溶媒であり、その結果本質的にこれらの成分のみが本方法において添加される。少量の、15重量%以下、好ましくは10重量%以下、例えば7重量%以下、さらに好ましくは6重量%以下、さらにもっと好ましくは3.5重量%以下の水及び/又は酸及び/又はエステル、例えばジアセチン、特に水を、好適な時間に、例えばエアロゾル形成剤及び/又は発泡体形成剤及び/又は発泡体安定剤及び/又はタバコ構成要素含有剤と一緒に、好ましくはエアロゾル形成剤と一緒に、しかしまた別の時間に、例えばエアロゾル形成剤の前又は後に特定の実施形態による発泡体において添加することができる。溶媒は、エアロゾル形成剤が添加される場合、好ましくはそれと一緒に添加される。特定の実施形態によれば、本方法において酸及び/又はエステル、例えばジアセチンは全く添加されないか、又は少なくとも1重量%未満が添加される。燃焼用途、例えば喫煙物品において、乾燥喫煙はそれほど良い風味がしないので、普通は水がより高い量で含有される。対照的に、本発泡体は特に燃焼せず、エアロゾル形成剤は、香り及び/又はフレーバーを携行することができ、その結果、ある少量の水が蒸気におけるいかなるハーシュネスをも減らし、かつ、より穏やかな喫煙経験を生じさせ、並びに押出プロセスにおいて良好な発泡体形成を達成するのに役立ち得るが、水の量は低く保つことができる。同様に、少量(好ましくは1重量%未満)のジアセチンの添加もまた、ユーザーが経験するように、生成したエアロゾルにおけるいかなるハーシュネスをも低下させ得る。
【0032】
タバコ構成要素含有剤、例えばタバコは、本物のフレーバーを提供するために使用され、特に限定されない。特定の実施形態によれば、本発泡体のタバコ構成要素含有剤は、タバコ、様々なタバコ抽出物などのタバコフレーバー、及びニコチン又はそれの誘導体からなる群から選択される少なくとも1つである。タバコ、タバコフレーバー及び/又はニコチンは、タバコ植物の任意の部分(種子、茎、葉等)に由来し得る。
【0033】
タバコ構成要素含有剤は、発泡体の重量の0.1~40重量%、さらに好ましくは0.1~33重量%の量で本発泡体中に好ましくは含まれ、相応に添加することができる。タバコの量が、例えば安定剤を犠牲にして、発泡体の重量の40重量%よりも上、特に33重量%よりも上に増加する場合、例えばムースでの、発泡体は、余りにも脆く、かつ、不安定になり得る。また、タバコ構成要素含有剤の量がこの量よりも上に増加する場合、エアロゾル形成剤の量は減少し得、それは、より低い量のエアロゾルTPM(ユーザー吸入当たりフィルター中に保持されるエアロゾル物質の量である、全粒子状物質)の原因となることができる。特定の実施形態において、発泡体中に含まれるタバコ構成要素の量は、発泡体の重量の1~30重量%、好ましくは3~29重量%、さらに好ましくは5~28重量%、より好ましくは10~28重量%、さらにもっと好ましくは11~27.5重量%、例えば15~25重量%、例えば11~23重量%、例えば17~21重量%(両端を含む)である。
【0034】
特定の実施形態によれば、タバコ構成要素含有剤は、200μm未満、好ましくは150μm未満、さらに好ましくは100μm未満、さらにもっと好ましくは50μm未満、さらに好ましくは30μm未満、例えば2~150μm、例えば5~100μm、例えば5~50μm、例えば5~30μm、例えば5~15μm、例えば20~50μm、例えば60~90μmの粒径を有するタバコ粒子を含む。粒径は、篩い分けによって測定することができ、粒子は、任意の好適な切り刻み及び/又は粉砕プロセスによって得られ得る。特定の実施形態によれば、タバコ粒子は、本質的に一様なサイズ、例えば一様なサイズを有する。
【0035】
しかしながら、2つ以上の画分、例えば30μm未満、例えば20μm未満のサイズを有する粒子の第1画分、及び30μm超、例えば50μm超、例えば100μm超、例えば200μm超、例えば約250μm以上のサイズを有する粒子の第2画分で、異なるサイズのタバコ粒子を添加することもまた可能である。好ましくは、30μm超のサイズのタバコ粒子の、例えば、第2画分は、タバコ粒子の総重量を基準として、90重量%未満、好ましくは80重量%以下、さらに好ましくは50重量%未満、さらにもっと好ましくは40重量%未満、さらにもっと好ましくは30重量%未満、さらにもっと好ましくは20重量%以下の量で、異なるサイズのタバコ粒子の混合物中に含有される。30μm超のサイズのタバコ粒子の添加は、第1パフにおいて加熱時に発泡体から遊離するエアロゾルのハーシュネスの低下をもたらすことができる。
【0036】
本方法及び発泡体において、発泡体安定剤は、それが形成後にある程度発泡体を安定させることができる限り、特に限定されない。特定の実施形態によれば、本発泡体の発泡体安定剤は、セルロースガム、ヒドロキシアルキル化炭水化物、それらの誘導体、例えばそれらの塩、好ましくはそれらのアルカリ金属塩、例えば、それらのナトリウム及び/又はカリウム塩、並びにそれらの混合物からなる群から選択される。セルロースガム及びヒドロキシアルキル化炭水化物の両方とも、特に制限されない。特定の、好ましい実施形態によれば、発泡体安定剤は、セルロースガム、特にカルボキシメチルセルロース、又はそれの誘導体である。本発明において使用され得る例示的な、好ましいセルロースガムは、それぞれ、CEKOL(登録商標)2000及び/又はCeroga 4550C(C.E.Roeper GmbH)、精製カルボキシメチルセルロースナトリウムである。別のクラスの好適な発泡体安定剤は、ヒドロキシアルキル化炭水化物であり、より好ましくは、セルロースエーテル及びそれらの誘導体である。使用することができるセルロースエーテル又はそれの誘導体は、メチル、エチル、ヒドロキシエチル及びヒドロキシプロピル基からなる群から選択される少なくとも1つの置換基を有することができる。それは、さらに、1~20個の炭素原子を有する線状若しくは分岐状の置換若しくは非置換のアルキル基又は7~20個の炭素原子を有するアラルキル基で置換されることができる。そのような基は、好ましくは、エーテル結合によって結合している。好適な置換基は、例えば、ヒドロキシ基、1~4個の炭素原子のカルボキシ基等であることができる。特定の実施形態によれば、セルロースエーテルは、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、及びそれらの混合物から選択される。さらに、異なるセルロースガム、異なるヒドロキシアルキル化炭水化物の混合物、及び1つ以上のセルロースガムと1つ以上のヒドロキシアルキル化炭水化物との混合物、並びにそれらの1つ又はいずれかの誘導体を使用することができる。また、誘導体としては、これらのセルロースエーテルの塩、好ましくはそれらのアルカリ金属塩、例えばそれらのナトリウム及び/又はカリウム塩が挙げられる。
【0037】
特定の実施形態によれば、発泡体安定剤は、300mPas~3000mPas、好ましくは400mPas~2500mPas、さらに好ましくは500mPas~2000mPas、さらにもっと好ましくは700mPas~1700mPas、特に好ましくは900mPas~150mPasの粘度を有する。粘度は、例えば25℃で、例えば60rpmで、例えばパドルno.3を用いて、例えば1%(LVT)で、ブルックフィールド粘度計を用いて好適に測定することができる。
【0038】
発泡体中の発泡体安定剤の量は、好適に安定した発泡体を形成することができる限り、特に限定されない。例えば、発泡体安定剤は、3~60重量%、好ましくは4~50重量%、より好ましくは4~45重量%、より好ましくは4.2~40重量%、さらに好ましくは4.5~20重量%、さらにもっと好ましくは5~20重量%、さらにもっと好ましくは5.5~16重量%、例えば8~40重量%、例えば10~30重量%、例えば11~20重量%(両端を含む)の量で含有することができる。
【0039】
また、発泡体形成剤は特に制限されない。特定の実施形態によれば、本発泡体の発泡体形成剤は、それらに限定されることなく、寒天、ジェランガム、レシチン、脂肪酸のポリグリセロールエステル、脂肪酸のグリセロールエステル、脂肪酸のソルビタンエステル、及び/又はそれらの混合物からなる群から選択される。好ましい発泡体形成剤はジェランガムである。特にプロテオグリカン、しかしまたペクチン及びアルギネートは発泡体形成剤としてそれほど好適ではないことが示されている。その中の脂肪酸は、特に限定されず、例えば8~40個の炭素原子を含むことができる。グリセロールエステルは、標準的なエステル化方法によって調製することができる。脂肪酸のグリセロールエステルが使用される場合、発泡体形成剤は、好適には、グリセロールモノステアレート及び/又はグリセロールモノオレエートなどの化合物であることができる。ポリグリセロールエステルは、好適にはアルカリ性条件下でグリセリンを重合させ、引き続きそれらを特定の脂肪酸と反応させることによって調製することができる。好適なポリグリセロールエステルは、ヘキサグリセロールモノオレエート、オクタグリセロールモノステアレート及び/又はオクタグリセロールモノオレエートであることができる。本発明の特定の実施形態において使用される脂肪酸のソルビタンエステルは、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート及び/又はソルビタンモノパルミテートであることができる。さらに、上述のクラスに属する化合物の任意の可能な組み合わせを使用することができる。
【0040】
特定の実施形態によれば、発泡体形成剤は、300g/cm3~3000g/cm3、好ましくは400g/cm3~2500g/cm3、さらに好ましくは500g/cm3~2000g/cm3のゲル強度を有する、及び/又は300mPas~3000mPas、好ましくは400mPas~2500mPas、さらに好ましくは500mPas~2000mPasの粘度を有する。粘度は、例えば、発泡体安定剤について上で示されたように測定することができる。ゲル強度は、Nikan法又はKobe法、例えばNikan法を用いて例えば好適に測定することができる。
【0041】
タバコ構成要素含有剤と一緒に発泡体形成剤及び発泡体安定剤の好適な量を選択することによって、発泡体の硬度に貢献することができる、発泡体マトリックスを生み出す及び安定させることができる。
【0042】
発泡体安定剤のように、発泡体形成剤の量は、発泡体が形成される限り、特に限定されない。例えば、発泡体形成剤は、0.5~12重量%、好ましくは1~11重量%、より好ましくは1.5~10重量%、さらに好ましくは1.8~9.5重量%、さらに好ましくは2~9重量%、さらにもっと好ましくは2~7重量%、特に好ましくは2.25~6.75重量%、例えば3~5.5重量%の量で含有することができる。
【0043】
さらに、またエアロゾル形成剤は特に限定されず、発泡体は、また、例えば混合物の形態で、2つ以上、例えば2、3又は4つのエアロゾル形成剤を含むことができる。
【0044】
特定の実施形態によれば、本発泡体のエアロゾル形成剤は、それらに限定されることなしに、グリセロール、グリコール誘導体、セバケートエステル、及び/又はそれらの混合物からなる群から選択される。特定の実施形態において使用することができる例示的なグリコール誘導体は、プロピレングリコールであり、例示的な好適なセバケートエステルは、ジ-2-エチルヘキシルセバケートであることができる。さらに、上述のクラスに属する化合物の任意の可能な組み合わせを使用することができる。例えば、グリセロールとプロピレングリコールとの組み合わせを、エアロゾル形成剤として使用することができる。本エアロゾル形成剤の好ましい例は、グリセロール、プロピレングリコール、及びそれらの混合物であり、グリセロール及びプロピレングリコールとグリセロールとの混合物がさらに好ましく、プロピレングリコールとグリセロールとの混合物がさらにもっと好ましい。特定の実施形態によれば、少なくともグリセロールが、エアロゾル形成剤として含まれる。特定の実施形態によれば、グリセロール及びプロピレングリコールは、等重量パーセントで、しかしまた異なる重量パーセントで使用することができる。特定の実施形態において、10~95重量%のグリセロール及び5~90重量%のプロピレングリコール、好ましくは10~80重量%のグリセロール及び20~90重量%のプロピレングリコール、さらに好ましくは10~70重量%のグリセロール及び70~10重量%のプロピレングリコール、例えば15~65重量%のグリセロール及び65~15重量%のプロピレングリコール、好ましくは20~40重量%のグリセロール及び10~40重量%のプロピレングリコール、例えば20~40重量%のグリセロール及び20~40重量%のプロピレングリコールをエアロゾル形成剤として使用することができ、ここで、エアロゾル形成剤の総質量は、発泡体の重量の10~80重量%、好ましくは40~70重量%であり、その結果2つの成分はそれらの比率に関して好適に設定することができる。特定の実施形態によれば、だが、グリセロールが唯一のエアロゾル形成剤として使用される。
【0045】
プロピレングリコールとグリセロールとの好適な比率は、特定の実施形態によれば、エアロゾル形成剤としてこれらの2つを含む又はエアロゾル形成剤としてこれらの2つからなる混合物において、好ましい実施形態によれば、重量比に基づいて、8:1~1:8、好ましくは80:20~20:80、さらに好ましくは4:1~1:4、さらに好ましくは70:30~30:70、さらにもっと好ましくは1:2~2:1、例えば60:40~40:60、例えば55:45~45:55である。特定の実施形態によれば、それらが両方ともエアロゾル形成剤のための混合物として使用される又は特にエアロゾル形成剤として使用される場合、グリセロールは、プロピレングリコールと比較して過剰量で使用される。特定の実施形態によれば、グリセロールは、エアロゾル形成剤中のグリセロールとプロピレングリコールとの総量を基準として、少なくとも55重量%、好ましくは少なくとも60重量%の量で使用される。それに応じて、特定の実施形態によれば、プロピレングリコールは、エアロゾル形成剤中のグリセロールとプロピレングリコールとの総量を基準として、最大でも45重量%、好ましくは40重量%以下の量で使用される。特定の実施形態によれば、グリセロールとプロピレングリコールとの間の比率は、エアロゾル形成剤中のグリセロールとプロピレングリコールとの総量を基準として、20:80~90:10、好ましくは40:60~85:15、さらに好ましくは55:45~80:20、さらにもっと好ましくは60:40~80:20、例えば約60:40、例えば60:40である。プロピレングリコールとグリセロールとの比率は、発泡体の基本的な粘度に影響を及ぼすことができる。より高い量のグリセロールは、より高い粘度を、及び発泡体、例えばムースのより良好なテクスチャーをもたらし、且つ、タバコ構成要素含有剤のより良好な放出を可能にし、より良好な混ざり合いのために吸入にとってより良好な「ボディ(body)」をもたらす。それは、また、より高い粘度のためにより良好な部分安定性をもたらす。さらに、より高い量のグリセロールは、加熱時に最初に生み出される蒸気の低下したレベルをもたらすことができ、それは、吸入時に感知される蒸気のハーシュネスに影響を及ぼすことができる。同じ加熱温度で、また、グリセロールは、加熱が両方の沸点よりも上である場合に、プロピレングリコールよりも少ない蒸気容積を放出することができる。より高い量のプロピレングリコールは、全保湿剤/エアロゾル形成剤の10重量%以上、好ましくは20重量%以上、例えば20~40重量%、又は20重量%超、30重量%超、又は40重量%超がグリセリンよりもむしろプロピレングリコールを含む場合にとりわけ、吸入の間中、甘味トップノートをもたらす。
【0046】
特定の実施形態によれば、エアロゾル形成剤は、2つ以上のエアロゾル形成剤が添加される場合、それらが本方法の第2工程において添加される前に混合される。
【0047】
特定の実施形態によれば、エアロゾル形成剤は、発泡体の重量の10~80重量%、好ましくは20~75重量%、さらに好ましくは40~70重量%、さらに好ましくは45~70重量%、より好ましくは45~65重量%、特に好ましくは50~63重量%、より好ましくは55~65重量%、例えば約60重量%の量で含まれ、それは、エアロゾルが形成されるような、再構成タバコ発泡体に関する先行技術におけるよりもはるかに高い。これは、例えば、先行技術におけるよりも便利な発泡体製造プロセスを可能にすることができる。だが、エアロゾル形成剤の量が余りにも高い場合、発泡体は全く形成されず、クリーム状の液体流体が形成される。エアロゾル形成剤の量が余りにも低い場合、発泡体は全く形成されず、特に発泡体構造、特に気泡及び/又は細孔なしのペーストが形成される。本発明において使用されるようなプロピレングリコールは、プロパン-1,2-ジオールとして理解されるべきである。本発明において使用されるようなグリセリンつまりグリセロールは、1,2,3-プロパントリオールとして理解されるべきである。
【0048】
特定の実施形態において、発泡体は、誘導によって熱を発生させるために、導電性材料、より特に強磁性材料を含み得る。導電性材料は、特に限定されず、鉄、ニッケル、ステンレス鋼、マンガン、シリコン、カーボン及び銅のいずれか1つ、又はそれらの合金であり得る。導電性材料は、粉末及び/又はより大きい粒子の形態にあり得る。それの量は、特に制限されず、好適に設定することができる。
【0049】
溶媒は、特に限定されず、例えば精製水、酸及び/若しくはエステル、例えばジアセチン、並びに/又はエタノール、1-プロパノール及び/若しくは2-プロパノールなどのアルコール、或いはそれらの混合物を含むことができる。特定の実施形態によれば、15重量%以下、好ましくは10重量%以下、例えば7重量%以下、さらに好ましくは6重量%以下、さらにもっと好ましくは3.5重量%以下の、少量の水及び/又は酸及び/又はエステル、例えばジアセチン、特に、15重量%以下、好ましくは10重量%以下、例えば7重量%以下、さらに好ましくは6重量%以下、さらにもっと好ましくは3.5重量%以下の量の水を、好適な時間に、例えばエアロゾル形成剤及び/又は発泡体形成剤及び/又は発泡体安定剤及び/又はタバコ構成要素含有剤と一緒に、しかしまた別の時間に、例えばエアロゾル形材剤の前若しくは後に、特定の実施形態による発泡体において添加することができる。溶媒は、エアロゾル形成剤が添加される場合、好ましくはそれと一緒に添加される。特に、水の添加は、発泡体形成剤、特にジェランガムとの相互作用のために良好な発泡体形成を達成する。
【0050】
特定の実施形態によれば、本方法における第1及び/又は第2及び/又は第3混合物のpHは、好適なpH調整剤を使用して本方法の任意の好適な時間に5~9、例えば5~8.5、好ましくは5.7~8.4、さらに好ましくは6~8.3のpH値に調整することができる。pH調整剤は、特に制限されず、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等、及びそれらの混合物の1つ以上から選択することができる。それの量は、特に制限されず、発泡体の総量を基準として、例えば0~2重量%、好ましくは0.2~1.5重量%、さらに好ましくは0.5~1重量%(両端を含む)であることができる。pH調整剤の添加は、感覚満足感を改善することができる、放出される、又は放出されているとしてユーザーによって感知される、タバコ構成要素含有剤、例えばニコチンの量を増加させることができる。しかしながら、pHが余りにも高く調整される場合、これは、風味に悪影響を与え得る。
【0051】
本方法において、発泡体安定剤は、発泡体安定剤、タバコ構成要素含有剤、エアロゾル形成剤及び任意選択の溶媒の後に添加され、好ましくは最後に、すなわち、エアロゾル形成剤、発泡体形成剤、タバコ構成要素含有剤、任意選択の溶媒、及びさらなる任意選択の構成要素の後に添加される。任意選択の溶媒及びさらなる任意選択の構成要素は、好適な工程において添加することができる。
【0052】
発泡体安定剤の最後の添加は、発泡体マトリックスの安定した形成をもたらす。これは、エアロゾル形成剤及びフレーバーの好適な放出を可能にし、こうして、より良好なハンドリングを可能にし、特に揮発性物質を発泡体マトリックス中に保つ。加熱の間中、少なくとも発泡体形成剤及び発泡体安定剤は、発泡体形成と、エアロゾル形成剤及びタバコ構成要素含有剤の少なくとも香り及び/又はフレーバーの蒸発との後に、-処分できる-シェルとして残る。
【0053】
本方法において、タバコ構成要素含有剤と発泡体形成剤とを組み合わせ、混合して第1混合物を得る第1工程は、特に制限されない。タバコ構成要素含有剤と発泡体形成剤との混合は、タバコ構成要素含有剤と発泡体形成剤との本質的に均質な混合物を調製するために押出機の内部で又は押出機の外部で、例えばミキサーで実施することができる。特定の実施形態によれば、タバコ構成要素含有剤と発泡体形成剤とは、押出機の外部で既に一緒に混合されている。もちろん、タバコ構成要素含有剤と発泡体形成剤とのさらなる混合は、押出機において起こることができる。特定の実施形態によれば、タバコ構成要素含有剤と発泡体形成剤とは、同じ又は異なる開口部から、例えば少なくとも2つの開口部から押出機へ導入し、押出機の内部で、例えば第1バレルにおいて混合することができる。
【0054】
また、エアロゾル形成剤及び任意選択的に溶媒並びに/又は少なくとも1つの非タバコ着香料を第1混合物に添加して第2混合物を得る第2工程と、発泡体安定剤を第2混合物に添加して第3混合物を得る第3工程とは、それらが押出機の内部で実施される限り特に制限されない。エアロゾル形成剤及び/又は発泡体安定剤の添加は、特に制限されず、押出機における異なる場所での1つ以上の開口部から、好ましくは異なるバレル、例えば、押出機における混合物の移送方向の下流の第2バレル及び第3バレルにおいて起こることができる。添加は、例えば、十分な量のエアロゾル形成剤及び/又は発泡体安定剤を計量供給することによって行うことができる。
【0055】
本方法において、押出機は、特に制限されず、任意のタイプの押出機、例えば、一軸スクリュー押出機、スクリューが平行に又は対向で(互いに反対方向に)作動することができる二軸スクリュー押出機を適用することができる。特定の実施形態によれば、押出機は、良好な混合並びに安定した発泡体形成を達成する二軸スクリュー押出機である。特定の実施形態によれば、押出機は、特に制限されない少なくとも3つ、例えば少なくとも4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20又はそれ以上のバレル、好ましくは少なくとも6、より好ましくは少なくとも10のバレルを有する。
【0056】
特定の実施形態によれば、タバコ構成要素含有剤と発泡体形成剤とは、押出機の内部で、好ましくは押出機の第1バレルにおいて混合される。これは、もちろん、事前のタバコ構成要素含有剤と発泡体形成剤との部分的な又は完全な混合を排除しない。
【0057】
特定の実施形態によれば、少なくともエアロゾル形成剤は、第1バレルの下流の押出機の第2バレルにおいて添加され、好ましくはここで、第2バレルは、第1バレルに隣接している。このように、エアロゾル形成剤は、発泡体形成中の早期に添加し、発泡体中のエアロゾル形成剤の良好な分配を可能にすることができる。特定の実施形態によれば、任意選択の溶媒は、特に第2バレルにおいて、エアロゾル形成剤と一緒に又はそれから独立して添加される。第1混合物への溶媒の早期添加は、発泡体形成剤との良好な混合を可能にし、したがって発泡体安定剤が添加される前に最大可能な発泡体形成剤の使用を可能にする。
【0058】
特定の実施形態によれば、発泡体安定剤は、押出機の第2バレルの下流の押出機の第3バレルにおいて添加され、好ましくはここで、第2バレルは第3バレルに隣接していない。特定の実施形態によれば、発泡体安定剤の添加は、少なくとも10のバレル、例えば10~15のバレル、例えば10~12のバレル、例えば10のバレルを有する押出機の第6、第7、第8又は第9バレルにおいて実施される。発泡体安定剤の遅い添加は、第2混合物の完全な混合を可能にして本質的に均質にならせる。好ましくは、発泡体安定剤は、十分な混合及び発泡体形成が起こることができるように、混合物の移送の方向で押出機の最後のバレルにおいて添加されない。異なる量のバレルで、発泡体安定剤の好適な添加ポイントは、好適に決定することができる。
【0059】
特定の実施形態によれば、第1工程における温度は、30℃以上80℃以下の範囲、好ましくは45℃以上70℃以下の範囲、さらに好ましくは55℃以上65℃以下の範囲にあり、例えば約60℃である。これは、タバコ構成要素含有剤と発泡体形成剤との良好な混合を達成し、エアロゾル形成剤の添加のための好適な温度への予熱を可能にする。
【0060】
特定の実施形態によれば、第2工程における温度は、50℃以上115℃以下の範囲、好ましくは60℃以上95℃以下の範囲、特に好ましくは80℃以上85℃以下の範囲にある。この温度で、エアロゾル形成剤の良好な分配が第1混合物において達成される。エアロゾル形成剤のこの添加後に、好ましくは第2混合物の混合は、発泡体安定剤が第3工程において添加される前に、特に第2バレル後の、少なくとも1つのバレルにおいて、好ましくは少なくとも2つのバレルにおいて、さらに好ましくは少なくとも3つのバレルにおいて、さらにもっと好ましくは少なくとも4つのバレルにおいて、特に好ましくは少なくとも5つのバレルにおいて、例えば第3~第7バレルにおいて実施されて、均質な混合を可能にする。そのような混合において、温度は、好ましくは30℃以上125℃以下の範囲、好ましくは45℃以上120℃以下の範囲、さらに好ましくは75℃以上105℃以下の範囲、特に好ましくは85℃以上100℃以下の範囲にある。温度が余りにも高い場合、エアロゾル形成剤は、余りにも多く蒸発し、混合を困難にする。温度が余りにも低い場合、混合は、第2混合物の稠度のために困難であり得る。
【0061】
特定の実施形態によれば、第3工程における温度は、30℃以上125℃以下の範囲、好ましくは45℃以上120℃以下の範囲、さらに好ましくは75℃以上105℃以下の範囲、特に好ましくは85℃以上100℃以下の範囲にある。これは、発泡体安定剤の均質な混合並びに良好な及び安定した発泡体の形成を可能にする。
【0062】
特定の実施形態によれば、第3混合物の混合は、発泡体安定剤の添加後に、少なくとも1つのバレルにおいて、好ましくは少なくとも2つのバレル、例えば、発泡体安定剤が第8バレルにおいて添加される場合、第9バレル及び第10バレルにおいて実施される。これは、本質的に均質な、及び安定した発泡体形成を可能にする。
【0063】
特定の実施形態によれば、押出機は、200rpm以上900rpm以下の速度、好ましくは250rpm以上800rpm以下の速度、さらに好ましくは300rpm以上700rpm以下の速度で、例えば300rpmで運転される。そのような速度で、良好な混合が達成される。速度が余りにも高い場合、安定した発泡体を達成することが困難であり、ガスが漏洩し得る。速度が余りにも遅い場合、完全な混合を達成するのが困難であり、不均等性をもたらし得る。
【0064】
特定の実施形態によれば、造形発泡体の形成は、押出機において連続的に行うことができる。
【0065】
混合後に第3混合物は、例えばダイを通して、押出機から押し出され、ダイは、特に制限されず、例えば、丸形、卵形、正方形、長方形、星形等であることができる。ダイは、任意の形状を有することができる。特定の実施形態によれば、第3混合物は、好ましくは少なくとも60℃、さらに好ましくは少なくとも70℃の温度で、及び/又は最高でも130℃の温度で、円形ダイ又は丸ダイから押し出される。また、異なる形状の、例えば中空円筒(正面から見た場合にドーナツ形を有する)の形態での押出が可能である。
【0066】
特定の実施形態によれば、本方法は、押出後の造形発泡体を冷却する工程をさらに含む。押し出された混合物は、特に制限されない任意の好適な手段によって、例えばエアナイフ(空気のジェットのようなやや平らな平面の)の形態での、冷たい空気、クーラー、冷却ベルト及び/又はメッシュを使用して冷却することができる。特定の実施形態によれば、造形発泡体は、60℃よりも下、好ましくは50℃以下の温度に、最も好ましくは30℃~50℃に冷却される。冷却は、造形発泡体の容易な後加工、例えばカッティングによる、例えば、造形発泡体の連続ストランドの分割を可能にする。
【0067】
特定の実施形態によれば、造形発泡体は、押出後に造形発泡体のピースへカットされる。
【0068】
特定の実施形態によれば、発泡体は、発泡体の形成後に分割される及び/又は造形される。それの分割は、特に制限されず、例えば適切な形状及び/又はサイズへカットすることによって実施することができる。
【0069】
特定の実施形態によれば、熟成は押出プロセスのために必要とされ得ないが、造形発泡体を熟成することができる。熟成工程が実施される場合、それは、例えば、また分割後に実施することができる。
【0070】
本発明の例示的な方法は、
図1において図式的に示される。
【0071】
第1工程において、タバコ構成要素含有剤、例えば、タバコと、発泡体形成剤、例えば、ジェランガムとが組み合わせられ、押出機へ添加され、第1混合物が押出機中で運ばれる。次いで第2工程において、エアロゾル形成剤、例えばグリセロール及びプロピレングリコールと、任意選択的に溶媒、例えば水との混合物が、第1混合物に添加され、第2混合物が押出機の内部で形成される。第3工程において、発泡体安定剤、例えば粉末としての、例えばカルボキシメチルセルロースが、第2混合物に添加され、第3混合物が形成され、押出機の内部で運ばれる。第4工程において、第3混合物が、例えば円形ダイを通して押し出されてタバコ含有発泡体の円筒形ストランドを形成する。任意選択の工程5において、円筒形ストランドが冷却され、任意選択の工程6において、冷却されたストランドがカットされて円筒形タバコ含有発泡体の部分を形成する。
【0072】
本発明の第2の側面は、本発明の方法によって製造された、タバコ構成要素含有剤を含有する造形発泡体を指向する。
【0073】
本方法により、本発明の発泡体を製造することができる。それ故、エアロゾル形成剤、発泡体形成剤、発泡体安定剤、タバコ構成要素含有剤、任意選択の溶媒は、本発明の方法、並びにこれらのそれぞれの量に関してまた示されているように選択することができる。また、少なくとも1つの非タバコ着香料及び/又は導電性材料及び/又は他の任意選択の構成要素を、本方法に関してまた示されているように、好適に添加することができる。
【0074】
本発泡体は、-特定の実施形態によれば-加熱されるが、燃焼しないように構成されうる、すなわち、それが喫煙されない用途で使用される。
【0075】
以下において、文脈からそうではないことが明らかでない限り、説明は、本発泡体に関する。本発泡体は、好ましくは喫煙できない、すなわち、それが燃焼するような温度にそれが加熱されないが、それの少なくとも一部のみ、特に少なくとも本質的にエアロゾル形成剤、さらに好ましくはタバコ構成要素含有剤の少なくとも一部、さらに好ましくはまた本質的にタバコ構成要素含有剤が蒸発するような方法で適用される。本発泡体において、タバコ構成要素含有剤の少なくともいくらかは、好ましくは、発泡体形成剤及び発泡体安定剤によって本質的に形成される発泡体構造に付着する及び/又は発泡体構造によって吸収され、その結果、それは、加熱時にエアロゾル形成剤と一緒に容易に放出されることができる。また、タバコ構成要素含有剤のいくらかの部分が発泡体構造に結び付いており、且つ、タバコ構成要素含有剤がそれの加熱の間中「抽出される(extracted)」ことが可能であり、その結果、タバコ構成要素含有剤からのフレーバーは、エアロゾル形成剤と一緒に放出される。特定の実施形態によれば、タバコ構成要素含有剤は、単に発泡体構造に本質的に吸着される及び/又は発泡体構造中に吸収されることによって、それがエアロゾル形成剤と一緒に加熱時に放出されるように構成される。
【0076】
また、発泡体は、-特定の実施形態によれば-キャリアに結び付けられていない及び/又は接続されていない、すなわち、そのままで、すなわち、自立発泡体として使用することができる。特に、発泡体は、特定の実施形態によれば、基材に結び付けられておらず、むしろ、そのままで使用される。したがって、特定の実施形態によれば、本発泡体は、そのままで使用されるのに十分に安定である、すなわち、自立しており、持ち上げられたときに曲がらず、及びさらなる安定化基材を必要としないほどに十分な剛性を有する。
【0077】
特定の実施形態によれば、本発泡体は、生分解性である。本発泡体は、例えば、ムースの形態にあることができる。発泡体における発泡体構造は、特に限定されず、例えば、捕捉された気泡及び/又は窒素若しくは酸素などの他のガスの泡、例えば気泡を含むことができる。それは、特に加熱中に、熱及びエアロゾルが発泡体中を循環するのを可能にし、こうして一様な加熱、良好な品質のエアロゾル、及びタバコ構成要素含有剤の極めて効率的な抽出を提供する、大きい表面積の開放構造として提供することができる。特定の実施形態によれば、発泡体は、開気孔発泡体である。それは、液体発泡体、乾燥発泡体、固体発泡体、又はペレット、好ましくは乾燥発泡体、固体発泡体又はペレットであることができる。発泡体形成剤は、一般に、発泡体が形成されるときに泡を捕捉することができ、発泡体安定剤は、発泡体の破壊を減らす及び防ぐことさえできる。発泡体の泡は、20~120μm、例えば50~100μm、例えば60~80μmの範囲の平均直径を有し得、約98%の泡は、160μm以下、例えば140μm以下、例えば120μm以下の直径を有し得る。発泡体は、e-タバコへの挿入のための任意の好適な形状へ成形され得る。特定の実施形態によれば、本発泡体は、循環及びエアロゾル透過のために発泡体を通り抜けて少なくとも1つのブラインド又は穴、例えば発泡体を通り抜けて1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の穴を含む。形状例は、任意の形状の、例えば約1cm直径の、発泡体部分を通り抜ける環状パイプ形状穴、例えば3mmスルーホール、又は正方形、星形であるが、任意の他の形状又は寸法であることもできる。特定の実施形態によれば、発泡体は、大きい表面積を有する、例えば、表面の任意の両面間に少なくとも1つの距離を持った又は発泡体の厚さよりも十分に大きい直径を持った少なくとも1つの表面を有する構造を有している。発泡体は、したがって、ディスク、例えば円筒形ディスク、薄いプレート等の形状にあることができる。特定の実施形態によれば、少なくとも1つの穴は、表面の任意の両面間に少なくとも1つの距離を持った又は発泡体の厚さよりも十分に大きい直径を持った少なくとも1つの表面を通り抜けている。
【0078】
本発泡体は、例えば、任意選択的に空気流のための1つ以上のトンネル及び/又は穴を持った、発泡体パイプ、ディスク等へ成形することができ、発泡体スティック等は、例えば、ポッドに入れられるポッドサイズの部分に切り離されうる。
【0079】
発泡体は、ポッド、ディスク、又はスティックとして配置することができ、例えばユーザーに近い先端にフィルター付きで、多孔性紙に包まれ得る。多孔性紙は、特に限定されず、木材パルプ及び/若しくは大麻繊維又はそれらの組み合わせ製であり得る。フィルターの濾過材は、特に限定されず、タバコ煙フィルター製造のために従来用いられている任意のフィラメント材料であり得る。濾過材は、例えば綿又はポリエチレン若しくはポリプロピレンなどのプラスチックの、天然若しくは合成フィラメントトウ、又は酢酸セルロースフィラメントトウであり得る。
【0080】
本発泡体は、例えばユーザーによって取り除かれ得るか、又は動作可能なように収納される場合にe-タバコによって穴を開けられ得る、パッケージング、例えば気密封止された包装紙中で販売され得る。別の例は、一緒にかそれとも別々に、例えば分離した、すなわち、別々に開けることができる分離したパッケージングユニット中に、1つ又は幾つかの発泡体ユニットを含有するブリスターパックであることができる。特定の実施形態によれば、パッケージングは、水が本発泡体と接触するのを少なくとも防ぐ。
【0081】
伝熱のための周辺支持材、例えば金属又は他の不活性材料が、本発泡体を取り囲み得る。環状リング発泡体の例では、支持材は、例えば、環の側面周りに配置された金属リングであることができる。支持材は、循環のための隙間を有し得る。
【0082】
本発泡体は、エアロゾル発生装置において使用することができる。本発明内のエアロゾル発生装置は、特に限定されず、エアロゾルを発生させるために用いられる。それは、例えば、電子タバコ(e-タバコ)又は電子パイプのような、類似のデバイスを含むことができる。本発明において言及されるような、電子タバコ(e-タバコ)又は電子パイプのような類似のデバイスは、特に限定されず、吸入するためのエアロゾルをユーザーに提供するために用いられ得る。それは、特定の実施形態によれば、マウスピース、ヒーター、受取部、例えばポッド、及びケーシングを含む。ポッドは、特に限定されず、本発泡体をその中へ、例えば、取り外し可能なように、挿入することができる貯蔵デバイスであることができる。それは、例えば、円筒形、円錐形、スティック及び/又は立方体形にあることができるが、そのような形状に限定されない。ヒーターは、例えば、特に限定されない誘導加熱システムであることができ、熱を発生させるために、導電性材料、より特に強磁性材料の周りに配置されたコイルによって生じる電磁誘導を用いる任意のシステムであり得る。
【0083】
さらに、第3の側面において開示されるのは、タバコ構成要素含有剤を含有する造形発泡体を製造する装置である。該装置は、
押出機を備え、
前記押出機は、少なくとも3つのバレルを含み、
前記少なくとも3つのバレルは、
前記タバコ構成要素含有剤と発泡体形成剤とを混合して第1混合物を得るように構成され、かつ、前記タバコ構成要素含有剤と前記発泡体形成剤とを含有する混合物を導入するように構成された少なくとも1つの開口部を含むか、または、前記タバコ構成要素含有剤と発泡体形成剤とを別々に導入するように構成された少なくとも2つの開口部を含む、第1バレルと、
前記第1混合物をエアロゾル形成剤及び任意選択的に溶媒並びに/又は少なくとも1つの非タバコ着香料と混合して第2混合物を得るように構成され、かつ、前記エアロゾル形成剤及び任意選択的に前記溶媒並びに/又は前記少なくとも1つの非タバコ着香料を導入するように構成された少なくとも1つの開口部を含む、第2バレルと、
前記第2混合物を発泡体安定剤と混合して第3混合物を得るように構成され、かつ、前記発泡体安定剤を導入するように構成された少なくとも1つの開口部を含む、第3バレルと、を含み、
混合物が前記押出機の内部で運ばれる方向において、前記第2バレルは前記第1バレルの下流に位置し、前記第3バレルは前記第2バレルの下流に位置し、
前記押出機は、前記第3混合物を、タバコ構成要素含有剤を含有する前記造形発泡体へ造形するように構成されたダイプレートを更に含む、ことを特徴とする。
【0084】
造形発泡体を製造する装置は、特に、本発明の方法を実施するために、及び本発明の発泡体を製造するために用いることができる。それ故、本方法及び発泡体に関して提示される実施形態及び説明は、該当する場合に、本装置にも当てはまり、逆もまた同様である。
【0085】
本装置において、押出機は特に制限されず、上で提示されたように、一軸スクリュー押出機又は二軸スクリュー押出機、特に二軸スクリュー押出機でありうる。それは、少なくとも3つのバレル、例えば少なくとも4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20又はそれ以上のバレル、好ましくは少なくとも6つのバレル、より好ましくは少なくとも10のバレルを含有する。
【0086】
それは、タバコ構成要素含有剤と発泡体形成剤とを含有する混合物を導入するための少なくとも1つの開口部及び/又はタバコ構成要素含有剤と発泡体形成剤とを別々に導入するための少なくとも2つの開口部を持った少なくとも第1バレルを含有する。もちろんタバコ構成要素含有剤及び/又は発泡体形成剤は、それぞれ、並びに両方の混合物は、2つ以上の開口部を通して導入することができる。特定の実施形態によれば、それらは又は混合物は、好適な計器によって第1バレルへ計量供給する及び/又は好適な単位装置、例えばホッパーによって導入することができる。
【0087】
押出機は、エアロゾル形成剤及び任意選択の溶媒を導入するための少なくとも1つの開口部、例えばまた、エアロゾル形成剤及び溶媒、例えば水を導入するための少なくとも2つの開口部を有する、エアロゾル形成剤及び任意選択の溶媒を導入するための及び第2混合物を製造するための第2バレルをさらに含む。特定の実施形態によれば、計器並びに/又はエアロゾル形成剤及び任意選択の溶媒を導入するための単位装置は、第2バレルの少なくとも1つの開口部において第2バレルに取り付けられる。
【0088】
押出機は、発泡体安定剤を導入するための少なくとも1つの開口部を有する、発泡体安定剤を導入するための及び第3混合物を形成するための第3バレルをさらに含む。特定の実施形態によれば、計器及び/又は発泡体形成剤溶媒を導入するための単位装置は、第2バレルの少なくとも1つの開口部において第2バレルに取り付けられる。
【0089】
押出機は、好ましくはまた、それぞれの混合物を混合するためのさらなるバレル、例えば1、2、3、4、5、6若しくはそれ以上のバレルを、第2混合物の移送の方向で第2バレルの後に、及び/又は例えば1、2、3若しくはそれ以上のバレルを、第3混合物の移送の方向で第3バレルの後に有する。また、押出機は、もちろん、押出機のバレルを通過する、少なくとも1つのスクリュー、例えば、二軸スクリュー押出機の場合には2つのスクリューを有する。
【0090】
特定の実施形態によれば、押出機のバレルは、別々に加熱することができる。バレルの形状及びそれらの間の分離は、特に制限されない。
【0091】
押出機は、第3混合物を所望の形状、例えば円筒形又は中央に環状穴を持った円筒等へ造形するためのダイプレートを含む。ダイプレートは特に制限されない。
【0092】
特定の実施形態によれば、装置は、(押し出される造形発泡体の移送の方向で)押出機の下流に、押出後に造形発泡体を複数の部分に切り離すように構成されたカッターをさらに含む。このカッターは特に制限されない。
【0093】
特定の実施形態によれば、装置は、押出機の下流に及び(押し出される造形発泡体の移送の方向で)カッターの上流に冷却装置をさらに含み、好ましくはここで、冷却設備は、エアナイフ、クーラー、冷却ベルト及び/又はメッシュである。
【0094】
【0095】
装置は、押出機100、ここでは、ドライバー101と、ここでは固定プレートである、ダイプレート113まで全てのバレル103~112を通り抜ける2つのスクリュー102a、102bとを含む、二軸スクリュー押出機を含む。スクリュー設計は、モジュール式であり、各バレルセクションにおいて、例えば混合、圧縮及び/又は移送に関して異なることができる。
【0096】
第1バレル103において、タバコ構成要素含有剤と発泡体形成剤との第1混合物10を添加することができる。第2バレル104において、エアロゾル形成剤20及び溶媒としての任意選択的に水を添加することができる。混合するためのさらなるバレル105~109の後に、発泡体安定剤30を、「第3」バレル110(ここでは、移送の方向で第8バレルである)において添加することができる。さらなる混合を、次いで、バレル111及び112において実施することができ、その後混合物は、次いでダイプレート113の内部で造形される。ダイプレートは、最終造形タバコ構成要素含有発泡体の形状、例えば、図に示される横断面A-Aで丸形114a又は円環形114bを持った円筒形造形発泡体114を画定する異なるダイ40を含有することができる。円筒形造形発泡体114は、次いで例えば、カッター(不図示)によって部分115へカットすることができる。
【0097】
上記の実施形態は、適切な場合には、任意に組み合わせることができる。本発明のさらに可能な実施形態及び実施は、また、本発明の実施例に関して前記で又は下記で明確に言及されない特徴の組み合わせを含む。特に、当業者であれば、また、本発明のそれぞれの基本的形態に対する改善又は追加として個別の態様を加えるであろう。
【実施例】
【0098】
本発明は、これから、それの実施例に関連して詳細に説明される。しかしながら、これらの実施例は、説明に役立つものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0099】
実施例1
(7mmの直径の丸ダイを使った)充満しているタバコ発泡体の円筒形ストランド及び(リングホールダイを通しての押出による)中央に穴を持ったタバコ発泡体の円筒形ストランドを、第1混合物10としてのタバコ及びジェランガムがバレル103に添加され、グリセロールとプロピレングリコールとの混合物がエアロゾル形成剤20として水と一緒にバレル104に添加され、発泡体安定剤30としてのカルボキシメチルセルロースがバレル110に添加される状態で、
図2に示されるような二軸スクリュー押出機を使って製造する。
【0100】
予備実験において試験される押出機の設定値は、表1に示されるようなものである。
【0101】
【0102】
予備試験後に、タバコ含有発泡体の4つの試料を、表2に示される量及び設定値を使って製造した。
【0103】
【0104】
試料1を使って、平滑な表面を持った均質なストランドを、円筒形及び円環形の両方で、製造することができた。類似の、試料2は、中実発泡体の製造を達成した。試料3は、より低い粘度のストランドを達成し、試料4は、弾性感触を有するストランドを達成した。試料4について、2つの製造されたストランドの写真を
図3に示す。
【0105】
比較例1
発泡タバコ製品を、押出機におけるような一連の添加で、試料4について示された量で通気付きのミキサーにおいて形成した。発泡体の形成後に、45℃で8hの硬化が、その形状を保つ安定した発泡体を得るために必要とされた。比較例と比べて、試料1及び試料4において製造された発泡体は、フワフワした(fluffy)構造を有した。また、押し出された発泡体は、より高い弾性を達成した。
【0106】
実施例並びに比較例の試料を電気タバコへ導入されるサイズの部分へカットし、風味の比較のために加熱した。風味の特に識別できる差は、観察されなかった。