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特許7422759熱可塑性材料からなる容器の照射滅菌処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】熱可塑性材料からなる容器の照射滅菌処理方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 55/04 20060101AFI20240119BHJP
   B29C 49/42 20060101ALI20240119BHJP
   B65B 55/08 20060101ALI20240119BHJP
【FI】
B65B55/04 M
B29C49/42
B65B55/04 C
B65B55/08 B
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021524355
(86)(22)【出願日】2019-10-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(86)【国際出願番号】 FR2019052577
(87)【国際公開番号】W WO2020094948
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2022-10-28
(31)【優先権主張番号】1860356
(32)【優先日】2018-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】504102770
【氏名又は名称】シデル パルティシパション
【氏名又は名称原語表記】SIDEL PARTICIPATIONS
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベルナール,ベロニク
(72)【発明者】
【氏名】ショメル,ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】ル・ペシュール,アンソニー
【審査官】西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-093679(JP,A)
【文献】特開2013-121852(JP,A)
【文献】特開2007-106438(JP,A)
【文献】特開2018-070199(JP,A)
【文献】特表2016-503744(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 55/04
B29C 49/42
B65B 55/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主軸(O)を有し、首部(14)を備えて底部(16)により閉鎖される本体(12)を含むタイプの熱可塑性材料からなる容器(10)の照射滅菌処理方法であって、フロー(fx)を形成する容器(10)が、連続する2個の容器(10)の軸(O)間の距離に対応する所定の間隔で、初期ピッチ(P)で所定の行程に沿ってコンベヤシステム(200)により搬送され、
-各容器(10)の照射時間を増やすために連続する2個の容器(10)間の前記初期ピッチ(P)を選択的に変化させることからなるピッチの初期修正工程と、
-容器(10)の照射領域(Z1、Z2、Z3)を形成するように前記行程の一区間に配置された滅菌装置(100)の少なくとも1つのエミッタ(110、120、130)から電子ビーム(F)を放出してフロー(fx)の各容器(10)を外部から照射することからなる照射工程と、
を少なくとも含み、
搬送される容器(10)のフロー(fx)を:
-電子ビーム(F)を放出可能な少なくとも1つの第1のエミッタ(110)を含む第1の照射領域(Z1)に搬送される容器の第1のフロー(f1)と、
-電子ビーム(F)を放出可能な少なくとも1つの第2のエミッタ(120)を含む第2の照射領域(Z2)に搬送される容器の第2のフロー(f2)と
に少なくとも分割することからなる、フロー(fx)の分割工程をピッチの初期修正工程の前に含む、
法。
【請求項2】
容器のフロー(fx)が、前記第1のフロー(f1)と前記第2のフロー(f2)をそれぞれ形成するように2個につき1個の容器(10)の割合で分割され、前記第1のフロー(f1)と第2のフロー(f2)のいずれか一方の連続する2個の容器(10)の間隔が初期ピッチ(P)よりも大きい遠位ピッチ(P’’)に等しくなるようにしたことを特徴とする請求項に記載の処理方法。
【請求項3】
容器のフロー(fx)の分割後、初期ピッチ(P)の前記初期修正工程は、結合される前記第1の照射領域(Z1)と第2の照射領域(Z2)では少なくとも、前記少なくとも第1のフロー(f1)と第2のフロー(f2)との一方を構成する各容器(10)の速度を減速するための少なくとも1つの減速工程を含むことを特徴とする請求項またはに記載の処理方法。
【請求項4】
容器のフロー(fx)の分割工程後、初期ピッチ(P)の前記初期修正工程は、前記第1の照射領域(Z1)と第2の照射領域(Z2)のそれぞれ上流および/または下流で前記第1のフロー(f1)と第2のフロー(f2)の各容器(10)の速度を選択的に加速するための少なくとも1つの加速工程を含むことを特徴とする請求項に記載の処理方法。
【請求項5】
-少なくとも1つの前記照射工程後、連続する2個の容器(10)間の前記初期ピッチ(P)を有する容器(10)のフロー(fx)を得るために前記第1のフロー(f1)と第2のフロー(f2)の容器(10)を合流させることからなるピッチの最終修正工程
を含むことを特徴とする請求項からのいずれか一項に記載の処理方法。
【請求項6】
前記照射工程が、主軸(A)を有する前記少なくとも1つのエミッタ(110、120)から放出される電子ビーム(F)で各容器(10)の少なくとも本体を外部から照射することからなる第1の照射工程を含むことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の処理方法。
【請求項7】
容器(10)のフロー(fx)が辿る移動方向が容器(10)の主軸(O)に直交するとき、前記少なくとも1つのエミッタ(110、120)は、エミッタの主軸(A)と容器の軸(O)との間に含まれる傾斜角度(α)で傾斜され、この傾斜角度は、エミッタの高さ(h)に対する容器の高さ(H)の比率が1であるように容器の高さ(H)に応じて決定されることを特徴とする請求項に記載の処理方法。
【請求項8】
各容器(10)が上昇または下降運動に従って斜め移動を行うように、容器(10)のフロー(fx)が辿る移動方向が前記少なくとも1つのエミッタ(110、120)の軸(A)に対して傾斜した少なくとも1つの区間を含むとき、前記少なくとも1つのエミッタ(110、120)は、その主軸(A)と容器の軸(O)との間に90°の傾斜角度(α)を有するように水平に配置されることを特徴とする請求項に記載の処理方法。
【請求項9】
各容器(10)が、少なくとも前記第1の照射工程の際にその軸(O)を中心としてそれ自体で回転駆動されることを特徴とする請求項からのいずれか一項に記載の処理方法。
【請求項10】
前記照射工程が、主軸(A)を有し前記行程に沿って容器(10)の真上に配置される前記少なくとも1つのエミッタ(130)から放出される電子ビーム(F)で、各容器(10)の少なくとも首部(14)を照射することからなる第2の照射工程を含むことを特徴とする請求項に記載の処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性材料からなる容器の照射滅菌処理方法に関する。
【0002】
本発明は、特に、主軸を有し、首部を備えて底部により閉鎖される本体を含むタイプの、ボトル等の熱可塑性材料からなる容器の照射滅菌処理方法に関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術では、熱可塑性材料からなるプリフォームおよび/または容器の少なくとも内部を滅菌するための様々な滅菌方法が知られている。
【0004】
熱可塑性材料からなる容器の製造は、一般には、あらかじめ容器製造設備の炉内で熱調整された高温プリフォームにより得られ、その後、プリフォームは金型内に導入され、延伸の有無にかかわらず少なくとも1つの加圧流体を用いたブロー成形により加工される。
【0005】
このようにして、限定的ではないが、特に農産物加工業の製品の包装に用いるための各種の容器(ボトル、びん、壺など)が製造される。
【0006】
農産物加工業のための容器製造の分野では、あらゆる手段により、病原体すなわち微生物により容器が微生物学的に汚染されるリスクを減らすことが求められている。
【0007】
そのため、本出願人はすでに、このような容器に入れる製品を損なう可能性のある病原微生物(細菌、カビなど)等の病原体を除去するために、様々な操作を実施することを提案してきた。
【0008】
特に、容器の少なくとも内部を滅菌するために微生物を消滅することをめざす操作と、それよりも一般的に、このような微生物による容器汚染の予防をめざす操作とを区別することができる。
【0009】
このような操作の限定的ではない例として、仏国特許出願公開第2,915,127号明細書、国際公開第03/084818号パンフレット、および欧州特許出願公開第2,094,312号明細書を詳しく参照する。
【0010】
仏国特許出願公開第2,915,127号明細書は、1つの領域を画定する保護エンクロージャを備え、その領域内部に、あらかじめ炉内で熱調整されたプリフォームが移送手段により供給されるブロー成形機タイプの容器成形機が配置される、容器製造設備を記載している。
【0011】
この文献の開示によれば、上記設備は、特に高圧を設定して、炉の出口にあるプリフォームでも製造された容器でも汚染リスクを制限するようにするために、エンクロージャ内部に濾過空気の送風システムを含んでいる。
【0012】
国際公開第03/084818号パンフレットは、たとえば、炉内にプリフォームを導入する前に、紫外線(UV)タイプの照射によってプリフォームの首部を照射することによる除染処理を記載している。
【0013】
欧州特許出願公開第2,094,312号明細書は、たとえば、熱調整中にプリフォームの少なくとも外面を除染するために、個別に炉内で実施される紫外線(UV)照射処理を記載している。
【0014】
本出願人名義の国際公開第2006/136498号パンフレットは、たとえば、滅菌剤のほぼ一様な蒸気のフィルムを凝縮によりプリフォームの内壁に堆積することからなるプリフォームの除染処理を記載している。
【0015】
凝縮によるこのような除染処理、いわば「化学的手段」による除染処理は、6Logまでの除染度が得られるので満足のいくものである。
【0016】
微生物の量は、特に洗浄操作、濾過操作および培養操作後のカウントにより1つ1つ数えられることが想起される。
【0017】
それに伴い、たとえば1000単位(10)に相当する、いわば約3Log(あるいはまた3D)の微生物数の対数減少が決定される。
【0018】
一方では、過酸化水素(H2O2)のような滅菌剤を使用しないですみ、しかしそうかといって除染に対して得られる結果をそれほど犠牲にしないですむような、化学的手段による除染に代替する解決方法が求められている。
【0019】
国際公開第2016/120544号パンフレットにおいて、本出願人は、パルス電子ビームと可動式リフレクタとを用いて熱可塑性材料からなる容器を滅菌することからなる代替的な解決方法を提案した。
【0020】
容器滅菌のためのこのような処理方法を工業的に応用する場合、技術的な制御に加えて今日の争点の1つは、主に、電子ビームを得るために使用されるエミッタの価格が高いことによる経済的次元のものである。
【0021】
そのため、容器の滅菌結果は同じでありながらエミッタの使用を最適化し、エミッタの総数を減らすことが可能な解決方法が求められている。
【0022】
ところで滅菌すべき容器の表面全体を微生物の致死量を得られる電子量で照射するために、処理時には十分な照射時間を有することが必要である。
【0023】
処理方法はまた、現行の容器製造速度と適合するものでなければならず、この速度はPETボトルではたとえば毎時60,000本以上に達する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【文献】仏国特許出願公開第2,915,127号明細書
【文献】国際公開第2003/084818号
【文献】欧州特許出願公開第2,094,312号明細書
【文献】国際公開第2006/136498号
【文献】国際公開第2016/120544号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
本発明の目的は、従来技術の不都合の少なくとも一部を解決し、とりわけエミッタの数を減らして各タイプの容器に対してエミッタの使用を最適化することが可能な新しい処理方法を特に提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0026】
このため、本発明は、主軸を有し、首部を備えて底部により閉鎖される本体を含むタイプの熱可塑性材料からなる容器の照射滅菌処理方法を提案し、1つのフローを形成する複数の容器が、連続する2個の容器の軸間距離に対応する所定の間隔、いわゆるピッチで所定の行程に沿ってコンベヤシステムにより搬送され、この処理方法は:
-各容器の照射時間を増やすために連続する2個の容器間の初期ピッチを選択的に変化させることからなるピッチの初期修正工程と、
-容器の照射領域を形成するように前記行程の一区間に配置された滅菌装置の少なくとも1つのエミッタから電子ビームを放出してフローの各容器を外部から照射することからなる照射工程と、
を少なくとも含む。
【0027】
有利には、本発明による方法は、さらに、実施されたピッチ変化により容器の照射時間を増加することで、必要なエミッタ数を減らすことができる。
【0028】
本発明によれば、各容器は、エミッタ数はこれまでよりも少ないが従来技術以上の線量すなわち微生物に対する致死量で照射される。
【0029】
そのため、有利には、前記致死量は、少なくとも1つまたは複数の照射領域内で速度を減速できるように選択的に実施されるピッチ変化により照射時間を増加することで、これまでより少ないエミッタで得られ、しかし、だからといって速度すなわち容器が進む平均速度を最終的に減速するわけではない。
【0030】
有利には、本発明による処理方法の実施が容器の製造速度に適合し、したがって、PETボトル等の容器の製造設備内で利用するために滅菌装置を組み込むことによって工業的な用途を受け入れることができる。
【0031】
有利には、本発明の方法による容器の滅菌は、充填を行う前に空の容器を照射することによって実施される。
【0032】
好ましくは、本発明による方法は、容器製造設備内でモールド成形ユニット(またはブロー成形機)と、充填ユニットまたはラベル貼付ユニット等の後続ユニットとの間で実施される。
【0033】
用途によっては、容器のラベル貼付が実際には充填の前または後に実施されうる。
【0034】
上記の国際公開第2006/136498号パンフレットに記載された化学的手段によるプリフォームの除染方法と比較すると、本発明は、プリフォームからの容器製造設備の設計、特にモールド成形ユニット(またはブロー成形機)を著しく簡素化可能である。
【0035】
(プリフォームではなく)最終的な容器を滅菌することによって、このような容器製造設備でそれまで実施されていた多数の手段から解放可能になり、存在する微生物は、好ましくはパルスタイプの電子ビームを用いて容器を照射するときに死滅する。
【0036】
そのため、化学的な処理の後で、すなわちプリフォームの熱調整中や容器の充填および閉鎖までのブロー成形または延伸ブロー成形による容器への加工中に、プリフォームの滅菌を保持するための特殊な手段(送風システム等)を使う必要はもはやなくなる。
【0037】
有利には、本発明による方法は、容器の内部と外部を同時に滅菌することができる。
【0038】
そのため、紫外線(UV)を用いたプリフォームの処理装置をなくすことができる。
【0039】
送風システム、より一般的には清浄な製造環境を得ることに貢献する空気濾過システムも同様になくすことができる。
【0040】
有利には、このような装置および/またはシステム全体をなくすことによって、購入時も運転時も製造設備のコストを大幅に節約することができる。
【0041】
有利には、本発明による方法は、容器製造設備内でモールド成形ユニット(またはブロー成型機)の下流で実施されるので、モールド成形ユニットの上流で実施されていた作業、特に微生物の死滅と容器の汚染リスク防止のための作業の全部または一部をなくすことができる。
【0042】
有利には、モールド成形ユニット(またはブロー成形機)の設計が特に簡素化され、その製造コストと運転コストが下がる。実際、いわゆる「CIP」(英語の「Clean-in-Place(定置洗浄)」)作業をなくすことができる。
【0043】
その結果、このような「CIP」作業時に使用される洗剤に起因する化学的な有害作用に対する強度、特に耐食性のために選択されたステンレス等の高価な材料をモールド成形ユニットに用いる必要がなくなる。
【0044】
有利には、本発明による照射滅菌処理は、各容器が受ける線量を最大化することによって照射を最適化可能な数々の変形実施形態と組み合わせて実施可能である。
【0045】
有利には、本発明は、速度を保つために各容器を滅菌するのに十分な照射線量に達するまで行程に沿ってエミッタ数を増やすことからなる従来技術の開示と異なることが分かるであろう。
【0046】
本発明の他の特徴によれば、
-前記初期ピッチの初期修正工程が、少なくとも前記照射領域で初期ピッチ未満の近位ピッチを得るために、搬送される容器の速度を減速することによって前記フローの容器同士の間隔を狭くすることからなり、
-前記初期ピッチの初期修正工程が、前記近位ピッチを得るための容器の少なくとも1つの減速工程を含み、
-前記方法が、前記フローの容器間の前記初期ピッチを再び設定するために容器同士の間隔を再び変化させる少なくとも1つの加速工程を含む、ピッチの最終修正工程を含み、
-前記方法が、搬送される容器のフローを:
・電子ビームを放出可能な少なくとも1つの第1のエミッタを含む第1の照射領域に向けて搬送される第1の容器のフローと、
・電子ビームを放出可能な少なくとも1つの第2のエミッタを含む第2の照射領域に向けて搬送される第2の容器のフローと、
に少なくとも分割することからなるフローの分割工程をピッチの初期修正行程の前に含み、
-容器のフローが前記第1のフローと前記第2のフローとをそれぞれ形成するように2個につき1個の容器の割合で分割されて、第1のフローと第2のフローのいずれか一方の連続する2個の容器の間隔が初期ピッチよりも大きい遠位ピッチに等しくなるようにし、
-容器のフローの分割後、初期ピッチの前記初期修正工程は、結合される前記第1の照射領域および第2の照射領域では少なくとも、前記少なくとも第1のフローおよび第2のフローの一方を構成する各容器の速度を減速するための少なくとも1つの減速工程を含み、
-容器のフローの分割工程後、初期ピッチの前記修正工程は、前記第1および第2の照射領域のそれぞれ上流および/または下流で前記第1のフローおよび第2のフローの各容器の速度を選択的に加速するための少なくとも1つの加速工程を含み、
-前記方法は、前記少なくとも1つの照射工程後、連続する2個の容器間の前記初期ピッチを有する容器のフローを得るために前記第1のフローと第2のフローの容器を合流させる(fusionner ensemble)ことからなるピッチの最終修正工程を含み、
-前記照射工程は、主軸を有する前記少なくとも1つのエミッタから放出される電子ビームで各容器の少なくとも本体を外部から照射することからなる第1の照射工程を含み、
-前記少なくとも1つのエミッタは、容器のフローが辿る移動方向が容器の主軸に直交するとき、このエミッタの前記主軸が、照射される容器の主軸にほぼ同軸になるように前記行程に対して配置され、
-前記少なくとも1つのエミッタは、容器のフローが辿る移動方向が容器の主軸に直交するとき、エミッタの主軸と容器の軸との間に含まれる傾斜角度で傾斜され、この傾斜角度は、エミッタの高さに対する容器の高さの比率が1に近くなるように決定され、
-各容器が上昇または下降運動に従って斜め移動を行うように、容器のフローが辿る移動方向が少なくとも前記エミッタの軸に対して傾斜した少なくとも1つの区間を含むとき、前記少なくとも1つのエミッタが、その主軸と容器の軸との間に90°の傾斜角度を有するように水平に配置され、
-各容器は、少なくとも前記第1の照射工程時にそれ自体がその軸を中心として回転駆動され、
-前記照射工程は、主軸を有し前記行程に沿って容器の真上に(a l’aplomb)配置される前記少なくとも1つのエミッタから放出される電子ビームで、各容器の少なくとも首部を照射することからなる第2の照射工程を含む。
【0047】
有利には、前記方法は、前記少なくとも1つの照射工程後、前記フローの容器間の前記初期ピッチを再び設定するために容器同士の間隔を再び変化させることからなるピッチの最終修正工程を含む。
【0048】
有利には、前記方法は、各容器がそれ自体で回転駆動される照射工程時に特に、連続する2個の容器間のあらゆる接触が回避される前記近位ピッチの最小値を容器の最大外径に応じて決定することからなる予備決定工程を含む。
【0049】
有利には、各容器は第2の照射工程時に回転固定される。
【0050】
有利には、前記方法は、容器のフローが辿る移動方向が容器の主軸に直交するとき、主軸を有する前記少なくとも1つのエミッタをこのエミッタの主軸と容器の軸との間に含まれる傾斜角度で位置決めすることからなる少なくとも1つの予備調整工程を含み、この傾斜角度は、エミッタの高さに対する容器の高さの比率が1に近くなるように容器の高さに応じて決定される。
【0051】
有利には、前記少なくとも1つのエミッタがその主軸と容器の軸との間で90°の傾斜角度を有するように配置され、前記方法は、前記少なくとも1つのエミッタの軸に対して傾斜した区間を含む行程に沿って各容器が上昇または下降運動を実施するように、搬送される容器のフローの少なくとも移動速度を変化させるために、コンベヤシステムのパラメータ設定を行うことからなるパラメータ設定予備工程を含む。
【0052】
有利には、容器を外部から滅菌するための照射工程がパルス電子ビームを用いて得られる。
【0053】
本発明の他の特徴および長所は、その理解のために添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】電子ビームにより容器を外部から照射するように構成された滅菌装置のエミッタが配置される行程に沿って、コンベヤシステムにより一定ピッチで搬送される熱可塑性材料からなる容器、たとえばボトルのフローを概略的に示し、従来技術による容器照射滅菌処理方法の実施を示す上面図である。
図2図1の滅菌装置のエミッタの1つと、このフローの連続する2個の容器とを示し、従来技術による容器の照射滅菌領域を形成する行程の一区間を示す側面図である。
図3】所定の行程に沿ってコンベヤシステムにより搬送される熱可塑性材料からなる容器のフローを示し、容器の照射時間を増やすために連続する2個の容器間のピッチが一時的に狭くされる本発明による容器の照射滅菌処理方法の第1の実施形態を示す、図1と同様の上面図である。
図4】電子ビームを用いて外部から照射滅菌中である容器の1つを示し、それ自体が同時に回転駆動される少なくとも1つの容器の本体を照射する照射領域を示す、図3の照射領域の断面図である。
図5】電子ビームを用いて外部から照射滅菌中である容器の1つを示し、少なくとも1つの容器の首部を照射する別の照射領域を示す、図3の照射領域の断面図である。
図6】容器の寸法、特に高さに応じて容器に対してエミッタの配置を最適化することからなる第1の変形実施形態を示し、前記容器の照射を最適化するために異なる寸法の2つの容器に対して容器の軸に対するエミッタの傾斜を所定の角度に応じて示す、図2と同様の側面図である。
図7】エミッタに対する容器の照射を最適化することからなる第2の変形実施形態を示し、水平に配置されて容器の軸に対して直交する軸を有するエミッタを示しており、前記容器が、それ自体で回転駆動され、容器のタイプに応じて変わる速度で上昇または下降運動に従って斜めに移動しながら搬送されて送信器の前を通過するところを示す側面図である。
図8】所定の行程に沿ってコンベヤシステムにより搬送される熱可塑性材料からなる容器のフローを示し、容器のフローの分割を実施後、照射時間を増やすために連続する2個の容器間のピッチを変化させる、本発明による容器の照射滅菌処理方法を実施するための第2の実施形態を示す、図1図3と同様の上面図である。
図9図8の第2の実施形態に対し、時間t(s)に応じた容器の位置POS(m)の変化を示し、容器のフローを分割後、第1および第2の照射領域で生じる各容器の速度変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下の説明では、限定的ではないが、図示された3次元系(triedre)(L、V、T)に関して長手方向、垂直方向および横方向とする。
【0056】
便宜上、水平面を一緒に画定する長手方向と横方向は、容器に対して固定式に決定される。
【0057】
限定的ではないが、所定の行程に沿って上流から下流へコンベヤシステムにより搬送される容器の移動方向に関しては「上流」および「下流」という用語を用いる。
【0058】
同じく限定的ではないが、垂直方向に関しては「上」と「下」または「高所」と「低所」を用いる。「内部」または「外部」や「内側」または「外側」という用語は特に容器に対して用いられ、内部容積は、本体が首部を備えて底部により閉鎖される容器の壁により画定されるので、前記壁がそれぞれ内部と外部を画定する。
【0059】
以下の説明では、同じ参照数字で示される要素は、同様の手段、類似手段または同一手段を示す。
【0060】
図1図2では、本出願人からみれば従来技術に記載された容器10の照射滅菌処理方法を実施するための滅菌装置100を示した。
【0061】
本出願では、滅菌すべき熱可塑性材料からなる容器10は、好ましくは特にPET(ポリエチレンテレフタレート)ボトルであり、プリフォームから製造される。変形実施形態では、熱可塑性材料からなる容器10がタンク、びん、壺等である。
【0062】
図1に示されるように、容器10は首部14を備えて底部16により閉鎖される本体12を含み、前記首部14が周方向に開口部18を画定する。
【0063】
容器10は、本体12、首部14および底部16を形成する壁22により画定される内面20と、外面24とを含む。
【0064】
好ましくは、容器10の首部14は、半径方向外側に延在して下面28を含む少なくとも1つのカラー26を含む。
【0065】
容器10は、主軸Oを有する。
【0066】
図1図2に示されるように、容器10の軸Oは、ここでは、3次元系(L、V、T)に垂直に延在する。
【0067】
好ましくは、容器10は、滅菌装置100から送られる少なくとも1つの電子ビーム(F)により容器が次々に照射されるとき、いわゆる「首部を上にした」位置で搬送される。
【0068】
滅菌装置100は、たとえば、容器10の照射滅菌が実施される容器製造設備(図示せず)に組み込まれる。
【0069】
容器10、特にPETボトルのこのような製造設備は、従来技術からよく知られている。
【0070】
熱可塑性材料からなる容器の製造は、一般にはあらかじめ熱調整ユニットまたは炉内で熱調整された高温プリフォームにより得られ、その後、プリフォームは、モールド成形ユニット(またはブロー成形機)の金型の1つに投入され、延伸の有無にかかわらず少なくとも1つの加圧流体を用いたブロー成形により加工される。
【0071】
したがって、容器の滅菌は、このような容器製造設備のブロー成形ユニットまたはブロー成形機(図示せず)の下流で実施される。
【0072】
こうした設備では、熱可塑性材料からなる容器10(およびプリフォーム)は、製造工程を保証する設備の各種ユニットを介してコンベヤシステム200により連続フロー(fx)の形態で次々に搬送される。
【0073】
このようなコンベヤシステム200はさらに移送ホイールを含み、その多数の実施形態が知られている。
【0074】
参考までに、ガイド手段に結合されたノッチ付きプレートを含む移送ホイールや、少なくとも開口式の制御の有無を問わないクランプを含む移送ホイールが主として区別される。
【0075】
そのため、図1はモールド成形ユニットから送られる容器10が辿る行程の一区間を示しており、この区間の各端部の矢印は、上流から下流に容器10のフロー(fx)が進む方向を示している。
【0076】
図1の行程のこの区間では、フロー(fx)の容器10が、それぞれ参照符号201から205が付されたここでは全部で5個の移送ホイールにより次々と搬送される。
【0077】
容器10は、フロー(fx)の連続する2個の容器10の軸Oの間の距離に対応する所定の間隔、いわゆるピッチPで搬送される。
【0078】
滅菌装置100に結合される行程のこの区間では、2個の容器10の間のピッチPが一定であり、すなわち、ピッチPは、上流に位置する第1の移送ホイール201と下流に位置する最終移送ホイール205の間で変動しない。
【0079】
1つの重要な特徴によれば、2個の連続する容器10の間のピッチPに加えて、前記フロー(fx)を形成する容器10の移動速度もこのように一定である。
【0080】
容器10の移動速度は、一時間当たりの容器数として表されるこのような製造設備の生産速度を決定し、前記速度は、充填ユニットに応じて特に決定される。
【0081】
滅菌装置100は、ここでは連続して101から105の参照符号を付された5個のエミッタを含み、各エミッタは、電子ビームFにより前記容器10を外部から照射するように構成されている。
【0082】
エミッタ101から105は、容器10のフロー(fx)が辿る行程に沿って配置され、たとえば移送ホイール201から205の各々に1つのエミッタが結合される。
【0083】
従来技術による処理方法を実施するために、滅菌装置100は、各容器10が最終的に受けてその滅菌を実施可能な照射線量を得るのに必要な多数のエミッタを含む。
【0084】
エミッタ101から105は、容器10のフロー(fx)が辿る行程の側に配置されるので、容器10はエミッタの1つから放出される各電子ビーム(F)により外部から半径方向に連続照射される。
【0085】
各容器10は、電子ビーム(F)への露出時間、したがって、エミッタ101から105の前を容器10が移動する速度によって特に決定される所定の照射線量を毎回受ける。
【0086】
図1では、フロー(fx)の容器10が滅菌装置100の5個の各エミッタ101から105により次々に照射され、容器10の内面20と外面24の滅菌が得られる致死量に対応する累積照射量を最終的に受ける。
【0087】
ところで、1台のエミッタの費用は特に高額のままであり、このことは、容器10の照射滅菌にとって依然として障害となっている。
【0088】
これは、使用されるエミッタの総数を特に減らし、そうかといって生産速度を落とさないようにするために、このようなエミッタの使用を最適化する解決方法が求められる理由の1つである。
【0089】
前記滅菌装置100を形成するエミッタ101から105は同一であるので、後述するエミッタ101の説明は、滅菌装置100の他のエミッタにも同様に適用される。
【0090】
図2に示されるように、エミッタ101は、3次元系(L、V、T)に垂直に延在する主軸Aを有する。
【0091】
エミッタ101は、平行六面体の形状を呈し、その主軸Aに沿って高さ「H」にわたって延在し、好ましくは、エミッタ101は、図2に特に示されたヘッド111を含む。
【0092】
このようにして、エミッタ101は、その底部16から首部14まで垂直方向に高さhを有する容器10を外部から照射可能であり、容器10の前記高さhは、エミッタ101の高さH以下である。
【0093】
しかし、エミッタ101の高さHが設計上決定されていて変化しなくても、容器10の大きさ(format)の方は用途に応じて変化する。
【0094】
実際、同一の製造設備によって、たとえば半リットル(またはそれ未満)の容量から2リットルの容量まで及ぶボトル等の容器10を製造することができる。
【0095】
したがって、照射に際して容器10のどの部分も半径方向に向かい合っていないときは、エミッタ101から放出される電子ビーム(F)の一部は失われる。
【0096】
エミッタから放出される電子ビーム(F)の失われた部分は、特に、高さHと容器10の高さhとの差に応じて決まる。
【0097】
これは、電子ビーム(F)を発生するエミッタを供給するために消費される電気エネルギーを特に考慮すれば、同様に追加費用を構成する。
【0098】
以下、図1図2に示される従来技術との比較によって、本発明による熱可塑性材料からなる容器10の照射滅菌処理方法について説明する。
【0099】
容器10は上記の容器と同じであり、すなわち主軸Oを有し、首部14を備えて底部16により閉鎖される本体12を含むタイプである。
【0100】
同様に、本発明による処理方法は、連続する2個の容器10の軸Oの間の距離に対応する所定の間隔、いわゆるピッチPで所定の行程に沿ってコンベヤシステム200により上流から下流に搬送される容器10のフロー(fx)を処理するように構成される。
【0101】
本発明によれば、熱可塑性材料からなる容器10の照射滅菌処理方法は、
-各容器10の照射時間を増やすために連続する2個の容器10の間の前記初期ピッチPを変化させることからなるピッチの初期修正工程と、
-滅菌装置100の前記少なくとも1つのエミッタ110から放出される電子ビーム(F)でフロー(fx)の各容器10を外部から照射することからなる照射工程と、
を少なくとも含む。
【0102】
前記少なくとも1つのエミッタ110は、容器10の照射領域を形成するように前記行程の一区間に配置される。
【0103】
有利には、照射工程が前記初期ピッチ(P)の修正工程の後に実施される。
【0104】
そのため、照射工程は、少なくとも各照射領域で容器10の移動速度を減速可能にして各容器10の照射時間を増やすためにピッチ(P)を選択的に変化させる前記初期ピッチ(P)の修正工程後に実施される。
【0105】
したがって、従来技術と比較すると、容器の移動速度はコンベヤシステム200により決定される行程に沿って一定ではない。
【0106】
しかし、特に減速および加速工程がピッチ変更時に実施されるおかげで平均移動速度は依然として、従来技術で得られる速度に少なくとも等しく、その結果、製造速度は変更されず、とりわけ減速されない。
【0107】
本発明では、初期ピッチ(P)の修正工程は、各容器10の照射時間を後で増やせるようにするための一時的な修正である。
【0108】
さらに、照射時間の増加によって、本発明は、容器が受ける電子量を最大化して所望の致死量、すなわち10kGy(キログレイ)以上の線量に迅速に到達するように照射工程を最適化することを同様に提案する。
【0109】
有利には、本発明による処理方法は、ピッチ修正の初期行程とは反対に、容器10間の前記初期ピッチ(P)を再び設定するために容器同士の間隔を再び変化させることからなるピッチの最終修正工程を含む。
【0110】
有利には、各容器10の移動速度は、前記少なくとも1つのエミッタによる各容器10の照射時間を増やすために少なくとも前記照射領域で一時的に減速される。したがって、照射時間を増やすことにより、エミッタ110から放出されて各容器10が受ける照射線量がこれまでより多くなり、これによって、致死量を得るのに必要なエミッタ数を減らすことができる。
【0111】
そのため、図1図2に関して説明した従来技術と比較すると、これまでより少ない数のエミッタ、たとえば以前の5個に対して3個のエミッタを使用可能になり、だからといって、各容器10が受ける照射線量に悪影響が及ぼされることはないので、最終的に得られる滅菌レベルが保持される。
【0112】
有利には、滅菌装置100のエミッタの数を減らすことで電子ビーム(F)を用いた照射滅菌の実施コストを相当下げることができる。
【0113】
実際、少なくとも同等の滅菌結果に対し、エミッタ数を減らせばまず、特に容器10の製造設備に装備するための滅菌装置100の購入価格を下げることができる。
【0114】
次いで、有利には、エミッタ数を減らすことによって、滅菌装置100の運転コスト、特に、電子ビーム(F)を生成するのに必要な電気エネルギー消費もまた少なくすることができる。
【0115】
有利には、各容器10は、この容器10の全体が電子ビーム(F)により均質に照射されるようにするために、少なくとも照射工程時にその軸Oを中心としてそれ自体で回転駆動される。
【0116】
好ましくは、容器10を外部から滅菌するための照射工程が、パルス電子ビーム(F)、すなわち一連のパルスからなる電子ビームにより得られる。
【0117】
有利には、前記パルス電子ビーム(F)を形成するパルスが、用途に応じて決定される送信時間、強度およびエネルギーを有する。
【0118】
たとえば、パルスタイプのこのような電子ビーム(F)の物理的な特徴について明記した国際公開第2016/120544号パンフレットの開示を参照されたい。
【0119】
図3から図5では、本発明による容器照射滅菌処理方法を実施するための第1の実施形態を示した。
【0120】
この第1の実施形態では、連続する2個の容器10の間の初期ピッチPは、それらの移動速度を変化させることによって一時的に狭くされ、それによって照射時間が増える。
【0121】
この第1の実施形態において、前記初期ピッチ(P)の初期修正工程は、少なくとも前記照射領域で近位ピッチP’を得るために、搬送される容器10の速度を修正することによってフロー(fx)の容器10同士の間隔を狭くすることからなる。
【0122】
得られた近位ピッチP’は初期ピッチP未満である。有利には、前記初期ピッチ(P)の初期修正工程が、前記近位ピッチ(P’)を得るための容器の減速工程を含む。
【0123】
図3に示されるように、フロー(fx)の容器10は、少なくとも各照射領域の上流で減速され、それによって、各容器10の照射時間が増え、容器が受ける照射線量が増す。
【0124】
好ましくは、この処理方法は、容器10の最大外径Dに応じて前記近位ピッチ(P’)の最小値を決定することからなる予備決定工程を含む。
【0125】
有利には、前記最小値はゼロでなく、前記近位ピッチ(P’)は、連続する2個の容器10の間のあらゆる接触を回避するように決定される。
【0126】
したがって、各容器10は、照射工程時に、上流と下流にそれぞれ配置される隣接容器10と干渉せずに軸Oを中心としてそれ自体で回転駆動可能である。
【0127】
この処理方法は、前記少なくとも1つの照射工程後、前記フロー(fx)の容器10間の前記初期ピッチ(P)を再び設定するために容器10同士の間隔を再び変化させることからなるピッチの最終修正工程を含む。
【0128】
このため、ピッチの最終修正工程は少なくとも1つの加速工程を含む。
【0129】
好ましくは、前記照射工程は、容器の速度が変化するように、しかし決して値ゼロに達しないように、前記行程に沿って搬送される容器10のフロー(fx)でダイナミックに実施される。
【0130】
有利には、前記ピッチの修正と同時に容器10の移動速度が変化し、この速度は減速工程で減少し、次いで加速工程で上昇するが、容器10は決して停止状態にならない。
【0131】
以下、本発明による処理方法を実施するための滅菌装置100の第1の実施例を示す図3から図5について特に説明する。
【0132】
図3は、特に容器製造設備内で容器10のフロー(fx)が辿る行程の一区間を示し、前記区間は、充填ユニットの上流で好ましくはブロー成形ユニットの下流に配置される。
【0133】
有利には、ブロー成形ユニットから出た空の容器10で照射工程が実施され、これらの容器は、電子による照射滅菌後、充填ユニット内で充填される。
【0134】
容器10のフロー(fx)は、それぞれ210から250と参照番号を付した移送ホイールを連続して含むコンベヤシステム200により搬送される。
【0135】
第1の移送ホイール210は、上流に配置されるブロー成形ユニットまたはラベル貼付ユニット(双方とも図示せず)からたとえば出ている図3に示される矢印に従って容器10を供給される。
【0136】
容器10は、少なくとも第1の移送ホイール210、第2の移送ホイール220および第3の移送ホイール230によって初期ピッチPで搬送される。
【0137】
図3に示されるように、初期ピッチPは、連続する2個の容器10の間隔、前記容器10の個々の軸O間の距離に対応する。
【0138】
好ましくは、滅菌装置100は、容器10を外部から照射するために、特に各容器10の本体12と底部16を少なくとも照射するために配置された少なくとも1つの第1のエミッタ110と第2のエミッタ120とを含む。
【0139】
第1のエミッタ110と第2のエミッタ120は、ここでは、容器10のフロー(fx)の第4の移送ホイール240に結合されている。
【0140】
第1のエミッタ110と第2のエミッタ120は、容器10が辿る行程の側で第4の移送ホイール240の半径方向、ここでは外側に配置されている。
【0141】
第1のエミッタ110と第2のエミッタ120は、第1の照射領域Z1と第2の照射領域Z2を形成するように容器10の行程の一区間に各々が配置されている。
【0142】
第1のエミッタ110と第2のエミッタ120は、処理方法の前記照射工程に含まれる1の照射工程を実施するように構成される。
【0143】
有利には、前記照射工程が、前記少なくとも1つのエミッタ、ここでは第1のエミッタ110と第2のエミッタ120により次々に放出される電子ビーム(F)で各容器10の少なくとも本体12を外部から照射することからなる第1の照射工程を含む。
【0144】
第1のエミッタ110と第2のエミッタ120は、それぞれ主軸(A)を有し、各エミッタの前記主軸(A)が照射時に容器の主軸(O)とほぼ同軸になるように容器10の前記行程に対して配置される。
【0145】
有利には、各容器10は、この容器10の全体を周方向に照射するように前記第1の照射工程時にその軸Oを中心としてそれ自体で回転駆動される。
【0146】
有利には、滅菌装置100が、ここでは第5の移送ホイール250に結合される第3のエミッタ130を同様に含む。
【0147】
第3のエミッタ130は、第3の照射領域Z3を形成するように容器10の行程の一区間に配置される。
【0148】
第3のエミッタ130は、容器10を外部から照射するために、特に各容器10の少なくとも首部14を照射するために配置される。
【0149】
好ましくは、第3のエミッタ130は、コンベヤシステム200の第5の移送ホイール250により搬送される容器10のフロー(fx)が辿る行程と並んで垂直に、ここでは真上に配置されている。
【0150】
有利には、この方法の前記照射工程は、少なくとも1つの別のエミッタ、ここでは前記第3のエミッタ130により放出される電子ビーム(F)で各容器10の少なくとも首部14を照射することからなる第2の照射工程を含む。
【0151】
主軸(A)を有する第3のエミッタ130は、このエミッタの前記主軸(A)が、照射される容器10の主軸(O)にほぼ直交するように前記行程に対して配置される。
【0152】
各容器10は、有利には、第2の照射工程時に回転固定される。
【0153】
図4は、第4の移送ホイール240の回転軸(X4)を通って垂直方向かつ半径方向に延在する図3に示したIV-IV線の面に沿って、第2のエミッタ120の位置で切った断面を示す図である。
【0154】
第1のエミッタ110と第2のエミッタ120は同じであるので、第2のエミッタ120に関して以下に行う図4の説明は、第1のエミッタ110にも同様に当てはまる。
【0155】
好ましくは、第4の移送ホイール240が、少なくとも第1のエミッタ110および第2のエミッタ120に結合されて容器10を囲んで封入エンクロージャを形成する保護手段を含む。
【0156】
有利には、保護手段が、回転軸(X4)を中心として回転駆動される可動保護手段242と、容器10のフロー(fx)に対して固定される固定保護手段244とを含む。
【0157】
好ましくは、それぞれ電子ビーム(F)を放出する第1のエミッタ110の部分と第2のエミッタ120の部分が固定保護手段244に組み込まれる。
【0158】
第4の移送ホイール240では、ラジアルアームに接続されて回転軸X5を中心として駆動されるクランプ手段245を介して、容器10が搬送される。
【0159】
好ましくは、クランプ手段245は、容器10の首部14の一部と各々が協働して選択的に開口式に制御されるように構成された複数のクランプを含む。
【0160】
第4の移送ホイール240は、主軸Oを中心として各容器10をそれ自体で回転駆動する手段246を含む。
【0161】
回転駆動手段246は、各容器10の首部14の一部と協働するように構成された駆動要素、たとえば首部14の開口部18内に収容されるマンドレルを含む。
【0162】
駆動手段246は、モータ等の作動手段248により回転駆動可能である。
【0163】
好ましくは、クランプ手段245は、駆動手段246により自在に回転駆動可能にするために、容器10の首部14を半径方向に締め付けないように開口式に制御される。
【0164】
図3に示されるように、フロー(fx)の各容器10の速度は、ピッチを修正して連続する2個の容器10の間隔を狭くするように、第1の照射領域Z1の少なくとも上流で減速される。
【0165】
したがって、有利には、エミッタから放出される電子ビーム(F)への容器10の露出時間を長くして、各容器10の照射時間を増やす。
【0166】
その場合、減速工程によって初期ピッチPから前記初期ピッチP未満の近位ピッチP’に移行することができる。そのため、容器10は、第1のエミッタ110の前、次いで第2のエミッタ120の前で集められて互いに接近する。
【0167】
ピッチの初期修正工程によって、容器10がそれらの平均移動速度未満の速度で第1の照射領域Z1を通過するとき、容器10の照射時間を増やすことができる。
【0168】
有利には、減速工程に続く徐行はその後、前記初期ピッチPに再び設定するように、ピッチの最終修正工程に従って少なくとも1つの同等の加速工程により補正される。
【0169】
容器10間のピッチ変化は、特にカムローラ式の機械タイプの制御手段を用いてたとえば実施される。
【0170】
変形実施形態では、ピッチ変化の制御手段が電気式であって、たとえばモータであり、好ましくはリニアモータである。
【0171】
第2の照射領域Z2では初期ピッチ(P)から近位ピッチ(P’)への同様のピッチ変化が実施され、容器10は、電子ビーム(F)による照射時間を増やすための減速工程、次いで加速工程に次々に従う。
【0172】
好ましくは、減速工程は主に前記第1の照射領域Z1と第2の照射領域Z2の外で実施されるが、しかしそこで続行することもできる。
【0173】
同様に、加速工程は主に前記第1の照射領域Z1と第2の照射領域Z2の外で実施されるが、しかしそこからスタートすることもできる。
【0174】
間隔が近位ピッチP’に等しいとき、容器10の照射は、互いに並置される容器10同士の間隔を修正することによって同様に増加される。
【0175】
実際、従来技術を示す図2と比べると、連続する2個の容器10間の空きスペースに電子ビーム(F)が当たらず、それによって、エミッタにより発生する電子の使用が最適化される。
【0176】
コンベヤシステム200は、容器10の平均移動速度が不変のままであるように、前記第4の移送ホイール240で容器10のピッチを変化させるように構成される。
【0177】
有利には、容器10のフロー(fx)は、第4の移送ホイール240の出口では、連続する2個の容器10の間隔が初期ピッチ(P)に対応する。
【0178】
好ましくは、容器10の首部14と本体12の照射が同時ではなく連続して実施される。
【0179】
首部14の照射は、滅菌装置100の第3のエミッタ130を介して第5の移送ホイール250で実施される。
【0180】
第5の移送ホイール250は、第4の移送ホイール240と同様に好ましくは保護手段を含み、これらはそれぞれ、回転軸(X5)を中心として回転駆動される可動保護手段252と、搬送される容器10のフロー(fx)に対して固定される固定保護手段254である。
【0181】
好ましくは、電子ビーム(F)を放出する第3のエミッタ130の部分が固定保護手段254の上部に組み込まれる。
【0182】
第4の移送ホイール240では、容器10の回転駆動が首部14により実施され、その場合、駆動手段246が首部の一部を電子ビーム(F)から遮蔽する可能性があり、その結果、照射されているにもかかわらず首部14が完全に滅菌されないリスクが存在する。
【0183】
そのため、各容器10の首部14の特別な照射が実施される。
【0184】
有利には、首部14の照射が本体12の照射後に実施される。したがって、たとえば回転駆動手段246により首部14が汚染される場合でも、首部14の後段の照射によって容器10の完全な滅菌を保証することができる。
【0185】
首部14の照射時に、容器10は、首部14を解放したまま第3のエミッタ130から放出される電子ビーム(F)によって照射自在にされるように構成されたクランプ手段255を介して、「首部を上にした」位置に保持される。
【0186】
第4の移送ホイール240で第1のエミッタ110と第2のエミッタ120により実施される容器10の照射工程と比べて、容器10は、第5のホイールで第3のエミッタ130により実施される首部14の照射時にはそれ自体で回転駆動されない。
【0187】
好ましくは、首部14の照射工程は、本体12の移送ホイール以外の移送ホイールで前記初期ピッチを有する容器10に実施される。
【0188】
もちろん、各エミッタ110、120、130により放出される電子ビーム(F)は容器10の全体を照射するので、各容器10の本体12、次いで首部14の連続照射についての上記の説明については、限定的ではなく容器10の一部に特に適用されるものとして解釈すべきである。
【0189】
図3から図5に示される第1の実施例では、エミッタ110と120は、エミッタの主軸Aが各容器10の軸Oに同軸に垂直方向に延在するように配置される。
【0190】
ところで、図2に関して先に説明したように、エミッタの高さHは設計上決定されるが、製造される容器10の高さhの方は用途に応じて変化する。
【0191】
そのため、容器10の高さhがエミッタの高さHの半分であるとき、エミッタから放出される電子ビーム(F)の半分は、ビーム(F)のこの部分がどの容器も照射しないので失われてしまう。
【0192】
これを解消するために、本発明は、同等の照射時間に対して各容器10が受ける照射線量を増やすことによって、得られる滅菌をさらに改善可能なエミッタの配置の2つの変形実施形態を提案する。
【0193】
従来技術と比較すると、容器10が受ける電子線量のこのような増加は、放出される電子ビーム(F)を最適に利用することによってエミッタ数を減らすことに有利に作用する。
【0194】
図6は、寸法、特に高さhに応じて容器10に対して第1のエミッタ110と第2のエミッタ120等の前記少なくとも1つのエミッタの配置を最適化することからなる第1の変形実施形態を示している。
【0195】
図6では、異なる寸法の2つの容器10を示しており、第1の容器10は高さh1を有し、第2の容器10は第1の容器の高さh1を上回る高さh2を有する。
【0196】
容器10の照射を最適化してエミッタから放出される電子喪失を制限するために、エミッタは、このエミッタの高さhに対する容器の高さHの比率が1に近くなるように容器10の高さに応じて容器に対して傾斜されている。
【0197】
このようにして、エミッタの主軸Aと容器の軸Oとの交点からなる角度(α)に対応する傾斜角度を決定し、図6に矢印で示される容器が辿る移動方向は、容器の主軸Oに直交する。
【0198】
有利には、エミッタは、前記エミッタが含むヘッドを角度(α)で傾斜するように構成され、前記ヘッドは、少なくとも1つの容器10を照射する前記電子ビーム(F)を放出する末端部分を形成する。
【0199】
図6に示されるように、エミッタ110は、たとえば、その主軸Aと高さ(H1)の容器10の軸Oとの間に含まれる傾斜角度(α1)で傾斜し、またはその主軸Aと高さ(H2)の容器10の軸Oとの間に含まれる傾斜角度(α2)で傾斜している。
【0200】
そのため、エミッタの傾斜角度(α)は、照射すべき容器10に応じて変化し、前記角度(α)の値は、受ける照射線量を最大化するために電子ビーム(F)による前記容器の照射を最適化するように決定される。
【0201】
好ましくは、エミッタ110は、2つの端部が容器10の首部14と底部16を超えてそれぞれ延在するように傾斜し、図6では、エミッタ110の前記端部を鎖線の長方形で示した。
【0202】
そのため、有利には、容器10の首部14と底部16は、半径方向に向かい合ったエミッタ110の部分から放出される電子ビーム(F)によって最適に照射される。
【0203】
有利には、容器10は、エミッタ110から放出される電子ビーム(F)によるその照射中、軸Oを中心としてそれ自体が回転駆動される。
【0204】
有利には、本発明による処理方法は、エミッタの主軸Aと容器の軸Oとの間に含まれる傾斜角度(α)に従って、主軸Aを有する前記少なくとも1つのエミッタを位置決めすることからなる少なくとも1つの予備調整工程を含み、傾斜角度は、容器の主軸Oに直交する移動方向に搬送される容器の高さ(H)に応じて決定される。
【0205】
図7は、第1のエミッタ110等のエミッタと容器10のフロー(fx)との間の相対的な配置を用いることによって照射線量を最適化するための第2の変形実施形態を示す。
【0206】
図7に示されるように、エミッタ110は、このエミッタの主軸Aが容器10の軸Oに対して直交するように3次元系(L、V、T)に水平に配置され、各容器10は前述のように、いわゆる「首部を上にした」位置で搬送される。
【0207】
有利には、容器10は、エミッタ110から放出される電子ビーム(F)によるその照射中、軸Oを中心としてそれ自体が回転駆動される。
【0208】
図7では容器10のクランプ手段のような回転駆動手段は示されていないが、これらの手段はたとえば図3から図5を参照しながら説明したものと同様である。
【0209】
図7は左側で、容器10の首部14がエミッタ110に向かい合っている第1の位置POS1、いわゆる低所位置にある前記容器10を示している。
【0210】
図7は右側で、エミッタ110から放出される電子ビーム(F)によって照射されるように、容器10の底部16がエミッタ110に向かい合っている第2の位置POS2、いわゆる高所位置にある前記容器10を示している。
【0211】
有利には、第1の位置POS1、いわゆる低所位置によって特に首部14を照射可能であり、第2の位置POS2、いわゆる高所位置によって特に底部16を照射可能である。
【0212】
実際、首部14および/または底部16は非常に問題のある部分であり、たとえば熱可塑性材料の厚さまたは底部16用のペタロイド形状を理由として時には滅菌が難しい部分である。
【0213】
第1の位置POS1、いわゆる低所位置と第2の位置POS2、いわゆる高所位置との間で、容器10は、照射領域内で少なくとも1つの斜め軌道部分を含む移動を実施しながらエミッタ110の前を通過するように搬送される。
【0214】
容器10は、移動方向に応じて第1の位置POS1、いわゆる低所位置から第2の位置POS2、いわゆる高所位置に上昇運動を実施し、あるいはその反対に第2の位置POS2、いわゆる高所位置から第1の位置POS1いわゆる低所位置に下降運動を実施する。
【0215】
好ましくは、各容器10の速度は、前記第1の位置POS1、いわゆる低所位置と第2の位置POS2、いわゆる高所位置との間に含まれる前記斜め軌道部分で一定ではない。
【0216】
したがって、有利には、容器10の速度は前記第1の位置POS1、いわゆる低所位置と第2の位置POS2、いわゆる高所位置との間に含まれる照射領域内で変化する。
【0217】
容器10の速度は、容器10の一部分の照射時間を選択的に増やすために特に減速可能である。
【0218】
例として、容器10の速度は、容器10の首部14および/または底部16の照射時間を増やすために、前記第1の位置POS1、いわゆる低所位置および/または第2の位置POS2、いわゆる高所位置に容器10があるとき最低速度である。
【0219】
好ましくは、容器10の照射工程は、速度が変化しても一定であっても常に動いている容器10でダイナミックに実施される。
【0220】
もちろん、容器10の速度はまた、各容器が前記第1の位置POS1、いわゆる低所位置および/または第2の位置POS2、いわゆる高所位置でたとえば停止して、一時的にゼロにすることもできよう。
【0221】
図7では、前記第1の位置POS1、いわゆる低所位置と第2の位置POS2、いわゆる高所位置を示すために2個の容器10だけを示したが、しかし、本発明によれば、ピッチの初期修正工程は有利には照射工程前に実施される。
【0222】
図3から図5を参照しながら説明した第1の実施例によれば、フロー(fx)の容器10は、たとえば照射領域では初期ピッチ(P)未満の近位ピッチ(P’)を有する。
【0223】
有利には、本発明による処理方法は、主軸Aを有する前記少なくとも1つのエミッタがこのエミッタの主軸Aと容器の軸Oとの間の90°の傾斜角度(α)で水平に配置されるとき、照射領域における容器のフロー(fx)の少なくとも移動速度をパラメータ設定することからなる、少なくとも1つのパラメータ設定予備工程を含む。
【0224】
有利には、移動速度に加えて、各容器10のそれ自体の回転駆動速度が同様に、用途に応じて決定される1つのパラメータである。
【0225】
容器の照射を最適化するために、照射領域における容器10の行程は、容器の主軸Oに直交せずに上昇または下降運動に対応する方向に行われる。
【0226】
図6の変形実施形態と比べて、エミッタ110は、この変形実施形態では固定水平位置を占有し、容器10の前記寸法、特に容器の高さhとは無関係に同じであり続ける。
【0227】
図7によるこの変形実施形態では、照射領域における容器の移動速度をパラメータ設定することにより容器10の照射が最適化される。
【0228】
そのため、たとえば容器10の首部14および/または底部16あるいはまた本体12の特別な部分が受ける線量を増やすために、容器10のタイプに応じて照射時間を選択的に変化させ、各容器10に対して照射工程を最適化することができる。
【0229】
図8図9では、本発明による容器の照射滅菌処理方法を実施するための第2の実施形態を示した。
【0230】
この第2の実施形態では、本発明によれば、容器10の照射工程がピッチの初期修正工程後に実施される。
【0231】
この第2の実施形態では、処理方法が、搬送される容器10のフロー(fx)を分割することからなるフロー(fx)の分割工程を前記初期ピッチ(P)の修正工程の前に含む。
【0232】
図8では、上記の図1または図3と同様に滅菌装置100を示した。
【0233】
本発明によれば、第1の実施例と同様に、滅菌装置100のエミッタの数が有利には減らされ、図1図2の従来技術で5個であったエミッタが3個にされている。
【0234】
そのため、滅菌装置100は、容器10の少なくとも本体12を照射するための第1のエミッタ110および第2のエミッタ120と、容器の少なくとも首部14を照射するための第3のエミッタ130とを含む。
【0235】
比較すると、容器10のフロー(fx)は、第1の移送ホイール210、第2の移送ホイール220および第4の移送ホイール240を含むコンベヤシステム200により搬送される。
【0236】
この第2の実施形態では、コンベヤシステム200の第3の「ホイール」が修正され、延長軌道の形態を呈する移送装置230として構成されている。
【0237】
移送装置230は、上流で第2のホイール220により供給を受け、下流で第4のホイール240の供給を行うほぼ直線状の行程区間を含む。
【0238】
移送装置230は、前記直線状の区間に第1のバイパス区間230Aと第2のバイパス区間230Bとを含み、第1のエミッタ110と第2のエミッタ120がこれらの区間にそれぞれ結合されている。
【0239】
図8に示されるように、第1のバイパス区間230Aの側に配置された第1のエミッタ110は、第1の照射領域Z1を形成し、その一方で、第2のバイパス区間230Bの側に配置された第2のエミッタ120は第2の照射領域Z2を形成する。
【0240】
第4の移送ホイール240に結合され、特に容器10の首部14を照射するように構成された第3のエミッタ130の構造と機能は、第1の実施例で行った説明と同様であるので、有利にはそちらを参照されたい。
【0241】
容器10は、図8に示される矢印に従って上流から下流へと進み、搬送されるフロー(fx)の容器10は、第1の移送ホイール210、第2の移送ホイール220および第4の移送ホイール240上で初期ピッチ(P)に対応する間隔を有する。
【0242】
容器10のフロー(fx)の分割工程は移送装置230で実施される。
【0243】
有利には、容器10のフロー(fx)は、
-少なくとも第1のエミッタ110を含む第1の照射領域Z1に搬送される第1の容器のフロー(f1)と、
-少なくとも1つの第2のエミッタ120を含む第2の照射領域(Z2)に搬送される第2の容器のフロー(f2)と、
に少なくとも分割される。
【0244】
好ましくは、容器のフロー(fx)は、前記第1のフロー(f1)と前記第2のフロー(f2)をそれぞれ形成するように2個につき1個の容器10の割合で分割される。
【0245】
分割工程後、前記第1および第2のフロー(f1、f2)のいずれか一方の連続する2個の容器10の間隔は、その場合、初期ピッチ(P)の2倍に対応する遠位ピッチ(P’’)に等しい。
【0246】
第1の実施例と比べると、分割工程の終わりに容器10は互いに接近せず、その反対に遠ざかる。
【0247】
前記第1および第2の各フロー(f1、f2)の連続する2個の容器10の間隔またはピッチをこのように増すことによって、すぐ上流やすぐ下流に位置する容器10と干渉するリスクなしに、各容器10の速度をいっそう大きく変化させることが可能になる。
【0248】
容器のフロー(fx)の分割後、有利には、ピッチの初期修正工程が実施される。
【0249】
ピッチの初期修正工程は、結合される前記第1の照射領域Z1と第2の照射領域Z2では少なくとも、前記少なくとも第1のフロー(f1)と第2のフロー(f2)との一方を構成する各容器10の速度を減速するための少なくとも1つの減速工程を含む。
【0250】
そのため、各容器10は、この各容器10の照射時間を増やし、その結果、受ける電子線量を増やすために、低速、さらに有利には速度ゼロで一方のエミッタ110または120の前を通過する。
【0251】
好ましくは、容器10は、第2の照射領域Z2と同様に第1の照射領域Z1のエミッタの前で一時的に停止され、すなわちその速度が瞬間的にゼロになる。
【0252】
速度の著しい低減、さらには容器10の一時的な停止によって、単一のエミッタを用いるだけで各容器10の少なくとも本体12を照射可能になり、第1のエミッタ110と第2のエミッタ120はここでは並列に配置されている。
【0253】
比較すると、第1の実施例では、各容器10の本体12が第1のエミッタ110、次いで第2のエミッタ120により連続して2回照射され、前記第2のエミッタ120が第1のエミッタ110と直列に配置されている。
【0254】
ピッチの修正工程は、容器10の平均搬送速度を同じに保持するために前記第1および第2のフロー(f1、f2)の各容器10の速度を上昇する少なくとも1つの加速工程を同様に含む。
【0255】
したがって、有利には、前述のように、1つの設備の事例における製造速度は各容器10の照射時間を増やすために実施される速度変化の影響を受けない。
【0256】
有利には、照射時間をさらに最大化できるようにするために、加速工程はそれぞれエミッタの上流と下流で前記第1および第2の各照射領域Z1、Z2で実施される。
【0257】
図9では、移送装置230のバイパス区間230A、230Bの一方に進む容器10が受ける速度変化を表すグラフを示した。
【0258】
図9のグラフは、容器10が進む距離POS(m)を時間t(s)の関数で示している。
【0259】
前記グラフの第1の部分に示されるように、容器10はまず、時間t1の間に第1の加速工程を受ける。
【0260】
グラフの中央部分では、エミッタの前で容器10が停止して終わる減速工程がみられ、実際に容器10は地点t1とt2の間では追加距離を進まない。
【0261】
(t2-t1)に対応する容器10の照射時間が終了すると、容器10は再び加速工程に置かれる。
【0262】
照射される容器10は、バイパス区間230A、230Bにおけるその行程を続行し、容器10のフロー(fx)を再形成するために第1のフロー(f1)と第2のフロー(f2)が集められる移送装置230の主要区間に合流するまでバイパス区間にいる。
【0263】
有利には、この方法は、前記初期ピッチ(P)を再び有する容器10のフロー(fx)を再形成するために第1のフロー(f1)と第2のフロー(f2)を集めることからなるピッチの最終修正工程を含む。
【0264】
図8に示された滅菌装置100の場合、有利には、コンベヤシステム200は、リニアモータが結合されるシャトルを用いたシステムである。
【0265】
限定的ではなく例として、フロー分割を行うためにB&R/industrial automation社により開発された「アコポストラック(acopos trak)」タイプのコンベヤシステムを使用可能であり、搬送される各容器に対して個々に照射のための速度変化を得ることができる。
【0266】
もちろん、所定の時間にわたって容器10が受ける照射線量を最大化するために図6図7に関して以上に説明した変形実施形態のいずれかを図8の滅菌装置100に有利には組み込んで、本発明による処理方法の第2の実施形態を実施することができる。
【0267】
本発明は工業的な用途に使用可能であり、熱可塑性材料からなる容器10の照射滅菌処理方法を提案し、この方法は
-各容器10の照射時間を増やすために連続する2個の容器10間の初期ピッチPを選択的に変化させることからなるピッチの初期修正工程と、
-滅菌装置100の少なくとも1つのエミッタ110、120、130から放出される電子ビームFで各容器10を外部から照射することからなる照射工程と、
を少なくとも含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9