(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】電池のケース、電池、電力消費装置、電池製造方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/367 20210101AFI20240119BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20240119BHJP
H01M 50/342 20210101ALI20240119BHJP
H01M 50/505 20210101ALI20240119BHJP
H01M 50/375 20210101ALI20240119BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20240119BHJP
H01M 10/615 20140101ALI20240119BHJP
H01M 10/6556 20140101ALI20240119BHJP
H01M 10/6563 20140101ALI20240119BHJP
H01M 10/6568 20140101ALI20240119BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20240119BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20240119BHJP
H01M 50/35 20210101ALI20240119BHJP
【FI】
H01M50/367
H01M50/204 401H
H01M50/342 101
H01M50/505
H01M50/375
H01M50/342 201
H01M10/613
H01M10/615
H01M10/6556
H01M10/6563
H01M10/6568
H01M50/249
H01M10/625
H01M50/35 201
(21)【出願番号】P 2021576496
(86)(22)【出願日】2020-07-10
(86)【国際出願番号】 CN2020101435
(87)【国際公開番号】W WO2022006890
(87)【国際公開日】2022-01-13
【審査請求日】2021-12-22
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 小波
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ ▲豐▼▲剛▼
(72)【発明者】
【氏名】李 耀
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼ 占宇
(72)【発明者】
【氏名】林 永寿
【審査官】佐溝 茂良
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-509688(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102017212223(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/30-50/392
H01M 50/20-50/298
H01M 10/52-10/667
H01M 50/50-50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池のケースであって、
電気キャビティであって、複数の電池セル及びバス部材を収容することに用いられ、前記バス部材は前記複数の電池セルの電気的接続を実現することに用いられ、前記複数の電池セルのうちの少なくとも1つの電池セルはリリーフ機構を備え、前記リリーフ機構は、前記リリーフ機構が設けられた電池セルの内部圧力又は温度が閾値になった場合に作動して前記内部圧力を解放することに用いられる電気キャビティと、
流体を収容して前記複数の電池セルの温度を調整するための熱管理部材と、
前記リリーフ機構が作動する場合に前記リリーフ機構が設けられた前記電池セルからの排出物を収集するための収集キャビティと、
を備え、
前記熱管理部材は前記電気キャビティ及び前記収集キャビティを分離することに用いられ、
前記熱管理部材には前記リリーフ機構に対向して設置された凹溝が設置され、
前記リリーフ機構は前記リリーフ機構が設けられた前記電池セルの第1壁に設置され、
前記第1壁は前記熱管理部材に取り付けられ、前記凹溝は前記熱管理部材の前記第1壁に
対向する表面に設置され、前記熱管理部材は第1熱伝導板及び第2熱伝導板を備え、前記第1熱伝導板は前記第1壁と前記第2熱伝導板との間に位置し、且つ前記第1壁に取り付けられ、前記第1熱伝導板の第1領域は前記第2熱伝導板へ凹んで前記凹溝を形成し、前記第1領域は前記第2熱伝導板に接続される電池のケース。
【請求項2】
前記熱管理部材は、前記リリーフ機構が作動する場合に破壊されて、前記流体を前記熱管理部材の内部から排出させることを可能にするように構成され、前記収集キャビティはさらに、前記熱管理部材の排出物を収集することに用いられる請求項1に記載のケース。
【請求項3】
前記熱管理部材は、前記電気キャビティ及び前記収集キャビティによって共有された壁を有する請求項1又は2に記載のケース。
【請求項4】
前記ケースは、
前記熱管理部材を保護することに用いられ、前記熱管理部材とともに前記収集キャビティを形成する保護部材をさらに備える請求項1~3のいずれか一項に記載のケース。
【請求項5】
前記熱管理部材に脆弱領域が設置され、前記脆弱領域は、前記リリーフ機構が作動する
場合に破壊されて、前記リリーフ機構が設けられた前記電池セルからの排出物を前記脆弱
領域に通過させて前記収集キャビティに入らせることを可能にするように構成される請求項1~4のいずれか一項に記載のケース。
【請求項6】
前記凹溝の底壁は前記脆弱領域を形成する請求項5に記載のケース。
【請求項7】
前記第1領域に第1貫通孔が設置され、前記第1貫通孔の半径方向サイズは前記凹溝の半径方向サイズ未満である請求項
1に記載のケース。
【請求項8】
前記凹溝の側面は、前記リリーフ機構が設けられた前記電池セルからの排出物によって破壊されて、前記流体を前記熱管理部材の内部から排出させることを可能にする請求項
6又は7に記載のケース。
【請求項9】
前記凹溝の深さは1mmよりも大きい請求項
6~8のいずれか一項に記載のケース。
【請求項10】
前記熱管理部材に第2貫通孔が設置され、前記第2貫通孔は、前記リリーフ機構が作動する場合に前記リリーフ機構が設けられた前記電池セルからの排出物が前記第2貫通孔を通過して前記収集キャビティに入ることができるように構成される請求項1~
4のいずれか一項に記載のケース。
【請求項11】
前記第2貫通孔の孔壁は、前記リリーフ機構が設けられた前記電池セルからの排出物によって破壊されて、前記流体を前記熱管理部材の内部から排出させることを可能にする請求項10に記載のケース。
【請求項12】
前記リリーフ機構は前記リリーフ機構が設けられた前記電池セルの第1壁に設置され、前記リリーフ機構が設けられた前記電池セルの第2壁に電極端子が設置され、前記第2壁は前記第1壁とは異なり、
前記第2壁は前記第1壁に対向して設置される請求項1~11のいずれか一項に記載のケース。
【請求項13】
電池であって、
複数の電池セルであって、前記複数の電池セルのうちの少なくとも1つの電池セルはリリーフ機構を備え、前記リリーフ機構は、前記リリーフ機構が設けられた電池セルの内部圧力又は温度が閾値になった場合に作動して前記内部圧力を解放することに用いられる複数の電池セルと、
前記複数の電池セルの電気的接続を実現するためのバス部材と、
請求項1~12のいずれか一項に記載のケースと、
を備える電池。
【請求項14】
請求項13に記載の電池を備える電力消費装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施例は電池の分野に関し、且つより具体的には、電池のケース、電池、電力消費装置、電池製造方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
省エネ及び排出削減は自動車産業の持続可能な発展の鍵である。この場合、電気自動車は、その省エネで環境に優しい利点により、自動車産業の持続可能な発展の重要な構成部分となる。電気自動車にとって、電池技術はその発展に関連する重要な要素である。
【0003】
電池技術の発展では、電池の性能を向上させることに加えて、安全問題も無視できない問題である。電池の安全問題を確保できない場合、該電池も使用できなくなる。従って、如何に電池の安全性を強化するかは、電池技術で早急に解決すべき技術的課題である。
【発明の概要】
【0004】
本願の実施例は、電池のケース、電池、電力消費装置、電池製造方法及び装置を提供し、電池の安全性を強化することができる。
【0005】
第1態様は、電池のケースを提供し、電気キャビティであって、複数の電池セル及びバス部材を収容することに用いられ、前記バス部材は前記複数の電池セルの電気的接続を実現することに用いられ、前記複数の電池セルのうちの少なくとも1つの電池セルはリリーフ機構を備え、前記リリーフ機構は、前記リリーフ機構が設けられた電池セルの内部圧力又は温度が閾値になった場合に作動して前記内部圧力を解放することに用いられる電気キャビティと、流体を収容して前記複数の電池セルの温度を調整するための熱管理部材と、前記リリーフ機構が作動する場合に前記リリーフ機構が設けられた前記電池セルからの排出物を収集するための収集キャビティと、を備え、前記熱管理部材は前記電気キャビティ及び前記収集キャビティを分離することに用いられる。
【0006】
本願の実施例の技術案は、熱管理部材を使用して電池セルを収容する電気キャビティ及び排出物を収集する収集キャビティを分離し、リリーフ機構が作動する場合、電池セルの排出物は収集キャビティに入り、電気キャビティに入らず又は少し入り、それにより電気キャビティにおける電気的接続に影響を与えず、従って電池の安全性を強化することができる。
【0007】
いくつかの実施例では、前記熱管理部材は、前記リリーフ機構が作動する場合に破壊されて、前記流体を前記熱管理部材の内部から排出させることを可能にするように構成され、前記収集キャビティはさらに前記熱管理部材の排出物を収集することに用いられる。
【0008】
前記リリーフ機構が作動する場合、前記熱管理部材が破壊され、流体が前記熱管理部材の内部から排出され、このように電池セルの排出物を冷却し、排出物の危険性を低下させることができる。
【0009】
いくつかの実施例では、前記熱管理部材は、前記電気キャビティ及び前記収集キャビティによって共有された壁を有する。
【0010】
前記熱管理部材は前記電気キャビティ及び前記収集キャビティによって共有された壁として機能するため、排出物及び電気キャビティをできるだけ分離でき、それにより排出物の危険性を低下させ、電池の安全性を強化する。
【0011】
いくつかの実施例では、前記ケースは開口部を有するカバー本体をさらに備え、前記熱管理部材は前記カバー本体の開口部を覆い、前記カバー本体と前記熱管理部材は前記電気キャビティを形成する。
【0012】
いくつかの実施例では、前記カバー本体は、第1部分及び対向する両側にそれぞれ開口部を有する第2部分を備え、前記第1部分は前記第2部分の一方側の開口部を覆い、前記熱管理部材は前記第2部分の他方側の開口部を覆う。
【0013】
いくつかの実施例では、前記ケースは、前記熱管理部材を保護することに用いられ、前記熱管理部材とともに前記収集キャビティを形成する保護部材をさらに備える。
【0014】
前記保護部材と前記熱管理部材で形成された前記収集キャビティは、前記排出物を効果的に収集及び緩衝し、その危険性を低下させることができる。
【0015】
いくつかの実施例では、前記ケースは密閉されたカバー本体をさらに備え、前記熱管理部材は前記カバー本体の内部に設置され、前記カバー本体の内部を前記電気キャビティ及び前記収集キャビティに分離する。
【0016】
いくつかの実施例では、前記カバー本体は第1部分及び第2部分を備え、前記第2部分の一側には半密閉構造を形成するための開口部があり、前記熱管理部材は前記第2部分の内部に設置され、前記第1部分は前記第2部分の開口部を覆う。
【0017】
いくつかの実施例では、前記電気キャビティは、前記熱管理部材を介して前記収集キャビティから隔絶される。
【0018】
前記収集キャビティは前記電気キャビティと連通せず、前記収集キャビティ内の液体又はガスなどが前記電気キャビティに入ることができず、それにより前記電気キャビティをより良好に保護することができる。
【0019】
いくつかの実施例では、前記熱管理部材に脆弱領域が設置され、前記脆弱領域は、前記リリーフ機構が作動する場合に破壊されて、前記リリーフ機構が設けられた前記電池セルからの排出物を前記脆弱領域に通過させて前記収集キャビティに入らせることを可能にするように構成される。
【0020】
前記熱管理部材に前記脆弱領域が設置されることにより、一方では、前記リリーフ機構が作動する場合、前記排出物は前記脆弱領域を通過して前記収集キャビティに入り、前記排出物が前記電気キャビティに入ることを回避することができ、他方では、前記リリーフ機構が作動しない場合、前記電気キャビティと前記収集キャビティとの間の隔絶を確保し、前記収集キャビティ内の物質が前記電気キャビティに入ることを回避することができる。
【0021】
いくつかの実施例では、前記脆弱領域は前記リリーフ機構に対向して設置される。このように、前記リリーフ機構が作動する場合、前記排出物は、前記脆弱領域を直接衝撃して前記脆弱領域を開放することができる。
【0022】
いくつかの実施例では、前記熱管理部材には前記リリーフ機構に対向して設置された凹溝が設置され、前記凹溝の底壁は前記脆弱領域を形成する。
【0023】
いくつかの実施例では、前記リリーフ機構は前記リリーフ機構が設けられた前記電池セルの第1壁に設置され、前記第1壁は前記熱管理部材に取り付けられ、前記凹溝は前記熱管理部材の前記第1壁に対向する表面に設置される。
【0024】
いくつかの実施例では、前記熱管理部材は第1熱伝導板及び第2熱伝導板を備え、前記第1熱伝導板は前記第1壁と前記第2熱伝導板との間に位置し、且つ前記第1壁に取り付けられ、前記第1熱伝導板の第1領域は前記第2熱伝導板へ凹んで前記凹溝を形成し、前記第1領域は前記第2熱伝導板に接続される。
【0025】
いくつかの実施例では、前記第1領域に第1貫通孔が設置され、前記第1貫通孔の半径方向サイズは前記凹溝の半径方向サイズ未満である。
【0026】
いくつかの実施例では、前記第1貫通孔に対応する前記第2熱伝導板の厚さは他の領域の前記第2熱伝導板の厚さ未満である。このように、前記脆弱領域は前記排出物によってより容易に破壊され得る。
【0027】
いくつかの実施例では、前記脆弱領域の厚さは3mm以下である。
【0028】
いくつかの実施例では、前記脆弱領域は、前記熱管理部材の残りの部分よりも低い融点を有する。
【0029】
いくつかの実施例では、前記脆弱領域で使用される材料の融点は400℃未満である。
【0030】
いくつかの実施例では、前記熱管理部材の前記脆弱領域の周りに位置する部分は、前記リリーフ機構が設けられた前記電池セルからの排出物によって破壊されて、前記流体を前記熱管理部材の内部から排出させることを可能にする。
【0031】
いくつかの実施例では、前記凹溝の側面は、前記リリーフ機構が設けられた前記電池セルからの排出物によって破壊されて、前記流体を前記熱管理部材の内部から排出させることを可能にする。
【0032】
前記凹溝が使用され、リリーフ機構が作動する場合、電池セルの排出物は前記凹溝に押し込まれ、前記凹溝の底壁が脆弱であるため、前記排出物は前記凹溝の底壁を破壊して前記収集キャビティに入り、また、前記凹溝内に押し込まれた排出物は同時に前記凹溝の側面を溶融し、流体を前記熱管理部材の内部から排出させ、それにより高熱排出物を降温する。
【0033】
いくつかの実施例では、前記凹溝の半径方向サイズは前記リリーフ機構から離れる方向に沿って徐々に小さくなる。このように、排出物との接触面積を増加させることができ、前記排出物による破壊をより容易にする。
【0034】
いくつかの実施例では、前記凹溝は、前記リリーフ機構が作動する場合に開放可能な逃げキャビティとして構成される。
【0035】
逃げキャビティは前記リリーフ機構に変形スペースを提供して、前記リリーフ機構を前記熱管理部材に向かって変形して破裂させる。
【0036】
いくつかの実施例では、前記凹溝の深さは前記リリーフ機構のサイズに関連する。
【0037】
いくつかの実施例では、前記凹溝の深さは1mmよりも大きい。
【0038】
いくつかの実施例では、前記凹溝の開口部の面積は前記リリーフ機構の面積に関連する。
【0039】
いくつかの実施例では、前記凹溝の開口部の面積と前記リリーフ機構の面積との比の値範囲は0.5~2である。
【0040】
いくつかの実施例では、前記リリーフ機構の少なくとも一部は前記第1壁に突設され、前記逃げキャビティは前記リリーフ機構の前記少なくとも一部を収容することに用いられる。
【0041】
いくつかの実施例では、前記第1壁の前記リリーフ機構の周りに位置する部分は突設され、前記逃げキャビティは前記第1壁の前記リリーフ機構の周りに位置する突設部を収容することに用いられる。
【0042】
このように、電池セルの第1壁は前記熱管理部材の表面に密着することができ、電池セルの固定を容易にし、さらにスペースを節約し且つ熱管理効率を向上させることができ、且つ、リリーフ機構が作動する場合、電池セルの排出物は、逃げキャビティに向かって電池セルから離れて排出され、その危険性を低下させることができ、それにより電池の安全性を強化することができる。
【0043】
いくつかの実施例では、前記熱管理部材に第2貫通孔が設置され、前記第2貫通孔は、前記リリーフ機構が作動する場合に前記リリーフ機構が設けられた前記電池セルからの排出物が前記第2貫通孔を通過して前記収集キャビティに入ることができるように構成される。
【0044】
いくつかの実施例では、前記第2貫通孔は前記リリーフ機構に対向して設置される。
【0045】
いくつかの実施例では、前記熱管理部材の前記第2貫通孔の周りに位置する部分は、前記リリーフ機構が設けられた前記電池セルからの排出物によって破壊されて、前記流体を前記熱管理部材の内部から排出させることを可能にする。
【0046】
いくつかの実施例では、前記第2貫通孔の孔壁は、前記リリーフ機構が設けられた前記電池セルからの排出物によって破壊されて、前記流体を前記熱管理部材の内部から排出させることを可能にする。
【0047】
リリーフ機構が作動する場合、電池セルの排出物は前記第2貫通孔に押し込まれ、前記排出物が高圧高熱排出物であるため、前記排出物は前記第2貫通孔を通過する場合に前記第2貫通孔の孔壁を溶融し、流体を前記熱管理部材の内部から排出させ、それにより排出物を降温する。
【0048】
いくつかの実施例では、前記第2貫通孔の半径方向サイズは前記リリーフ機構から離れる方向に沿って徐々に小さくなる。このように、排出物との接触面積を増加させることができ、前記排出物による破壊をより容易にする。
【0049】
いくつかの実施例では、前記第2貫通孔の開口部の面積は前記リリーフ機構の面積に関連する。
【0050】
いくつかの実施例では、前記第2貫通孔の開口部の面積と前記リリーフ機構の面積との比の値範囲は0.5~2である。
【0051】
いくつかの実施例では、前記リリーフ機構は前記リリーフ機構が設けられた前記電池セルの第1壁に設置され、前記第1壁は前記熱管理部材に取り付けられ、前記リリーフ機構の少なくとも一部は前記第1壁に突設され、前記第2貫通孔は前記リリーフ機構の前記少なくとも一部を収容することに用いられる。
【0052】
このように、電池セルの第1壁は前記熱管理部材の表面に密着することができ、電池セルの固定を容易にし、さらにスペースを節約し且つ熱管理効率を向上させることができ、且つ、リリーフ機構が作動する場合、電池セルの排出物は第2貫通孔に向かって電池セルから離れて排出され、その危険性を低下させることができ、それにより電池の安全性を強化することができる。
【0053】
いくつかの実施例では、前記リリーフ機構は前記リリーフ機構が設けられた前記電池セルの第1壁に設置され、前記第1壁は前記熱管理部材に取り付けられ、前記第1壁の前記リリーフ機構の周りに位置する部分は突設され、前記第2貫通孔は前記第1壁の前記リリーフ機構の周りに位置する突設部を収容することに用いられる。
【0054】
いくつかの実施例では、前記リリーフ機構は前記リリーフ機構が設けられた前記電池セルの第1壁に設置され、前記リリーフ機構が設けられた前記電池セルの第2壁に電極端子が設置され、前記第2壁は前記第1壁とは異なる。
【0055】
リリーフ機構及び電極端子が電池セルの異なる壁に設置され、リリーフ機構が作動する場合、電池セルの排出物は電極端子からより遠く離れ、それにより排出物による電極端子及びバス部材の影響を低下させ、従って電池の安全性を強化することができる。
【0056】
いくつかの実施例では、前記第2壁は前記第1壁に対向して設置される。
【0057】
いくつかの実施例では、前記リリーフ機構は感温リリーフ機構であり、前記感温リリーフ機構は、前記リリーフ機構が設けられた前記電池セルの内部温度が閾値になった場合に溶融できるように構成され、及び/又は、前記リリーフ機構は感圧リリーフ機構であり、前記感圧リリーフ機構は、前記リリーフ機構が設けられた前記電池セルの内部気圧が閾値になった場合に破裂できるように構成される。
【0058】
第2態様は、電池を提供し、複数の電池セルであって、前記複数の電池セルのうちの少なくとも1つの電池セルはリリーフ機構を備え、前記リリーフ機構は、前記リリーフ機構が設けられた電池セルの内部圧力又は温度が閾値になった場合に作動して前記内部圧力を解放することに用いられる複数の電池セルと、前記複数の電池セルの電気的接続を実現するためのバス部材と、第1態様のケースと、を備える。
【0059】
第3態様は、電力消費装置を提供し、第2態様の電池を備える。
【0060】
いくつかの実施例では、前記電力消費装置は車両、船舶又は宇宙機である。
【0061】
第4態様は、電池製造方法を提供し、複数の電池セルを提供するステップであって、前記複数の電池セルのうちの少なくとも1つの電池セルはリリーフ機構を備え、前記リリーフ機構は、前記リリーフ機構が設けられた電池セルの内部圧力又は温度が閾値になった場合に作動して前記内部圧力を解放することに用いられるステップと、前記複数の電池セルの電気的接続を実現するためのバス部材を提供するステップと、ケースを提供するステップであって、前記ケースは、電気キャビティ、流体を収容するための熱管理部材、及び収集キャビティを備え、前記熱管理部材は前記電気キャビティ及び前記収集キャビティを分離するステップと、前記複数の電池セル及び前記バス部材を前記電気キャビティに収容するステップであって、前記収集キャビティは、前記リリーフ機構が作動する場合に前記リリーフ機構が設けられた前記電池セルからの排出物を収集するステップと、を含む。
【0062】
いくつかの実施例では、前記熱管理部材は、前記リリーフ機構が作動する場合に破壊されて、前記流体を前記熱管理部材の内部から排出させることを可能にし、前記収集キャビティはさらに前記熱管理部材の排出物を収集する。
【0063】
いくつかの実施例では、前記熱管理部材は、前記電気キャビティ及び前記収集キャビティによって共有された壁を有する。
【0064】
いくつかの実施例では、前記ケースは開口部を有するカバー本体をさらに備え、前記熱管理部材は前記カバー本体の開口部を覆い、前記カバー本体と前記熱管理部材は前記電気キャビティを形成する。
【0065】
いくつかの実施例では、前記ケースは、前記熱管理部材を保護することに用いられ、前記熱管理部材とともに前記収集キャビティを形成する保護部材をさらに備える。
【0066】
第5態様は、電池製造装置を提供し、上記第4態様の方法を実行するモジュールを備える。
【図面の簡単な説明】
【0067】
ここで説明される図面は、本願の更なる理解を提供するためのものであり、本願の一部を構成し、本願の例示的な実施例及びその説明は、本願を解釈するためのものであり、本願を限定するものではない。図面では、
【
図2】本願の一実施例に係る電池の構造模式図である。
【
図3】本願の一実施例に係る電池モジュールの構造模式図である。
【
図4】本願の一実施例に係る電池セルの分解図である。
【
図5】本願の別の実施例に係る電池セルの分解図である。
【
図6】本願のいくつかの実施例に係るケースの構造模式図である。
【
図7】本願のいくつかの実施例に係るケースの構造模式図である。
【
図8】本願のいくつかの実施例に係るケースの構造模式図である。
【
図9】本願のいくつかの実施例に係るケースの構造模式図である。
【
図10】本願のいくつかの実施例に係るケースの構造模式図である。
【
図11】本願のいくつかの実施例に係るケースの構造模式図である。
【
図12】本願の一実施例に係る熱管理部材の脆弱領域の模式図である。
【
図13】本願の一実施例に係る熱管理部材の凹溝の模式図である。
【
図14a】本願の一実施例に係る電池のケースの平面模式図である。
【
図15a】本願の一実施例に係る熱管理部材の斜視模式図である。
【
図15b】
図15aに記載の熱管理部材のA-Aに沿った断面模式図である。
【
図15c】本願の一実施例に係る熱管理部材の分解図である。
【
図16】本願の一実施例に係る熱管理部材の逃げキャビティの模式図である。
【
図17】本願の一実施例に係る熱管理部材の貫通孔の模式図である。
【
図18】本願の一実施例に係る電池の構造模式図である。
【
図19】本願の一実施例に係る電池の分解図である。
【
図20】本願の一実施例に係る電池製造方法の模式的なフローチャートである。
【
図21】本願の一実施例に係る電池製造装置の模式的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
本願の実施例の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下、本願の実施例の図面を参照しながら、本願の実施例の技術案を明確に説明し、明らかに、説明される実施例は本願の実施例の一部であり、実施例の全部ではない。本願の実施例に基づき、当業者が創造的な労働を必要とせずに得た全ての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0069】
特に定義されない限り、本願で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者が理解できる一般的な意味を有し、本願の明細書で使用される用語は、具体的な実施例を説明するためのものであり、本願を限定するものではなく、本願の明細書、特許請求の範囲及び上記図面の簡単な説明における用語「備える」、「有する」及びそれらの任意の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図するものである。本願の明細書、特許請求の範囲又は上記図面における用語「第1」、「第2」などは、異なる対象を区別するためのものであり、特定の順序又は主従関係を説明するためのものではない。
【0070】
本願で言及されている「実施例」は、実施例を組み合わせて説明される特定の特徴、構造又は特性が本願の少なくとも1つの実施例に含まれてもよいことを意味する。明細書の様々な位置に現れる該語句は必ずしも同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と相互に排他的な独立又は代替の実施例でもない。当業者は、本願で説明される実施例が他の実施例と組み合わせることができることを明確且つ暗黙的に理解できる。
【0071】
本願の説明では、なお、特に明確に規定及び限定されない限り、「装着」、「接続」、「連結」、「取り付け」という用語は広い意味で理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続又は一体的な接続であってもよく、直接接続であってもよく、中間媒体を介した間接的接続であってもよく、2つの素子内部の連通であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本願における具体的な意味を理解することができる。
【0072】
本願における「及び/又は」という用語は、関連対象の関連関係を説明するためのものに過ぎず、3つの関係が存在し得ることを示し、例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在すること、AとBが同時に存在すること、Bが単独で存在することの3つの状況を示すことができる。また、本願における「/」という文字は、一般的に前後の関連対象が「又は」の関係であることを示す。
【0073】
本願に現れる「複数」は2つ以上(2つを含む)を意味し、同様に、「複数のグループ」は2つ以上のグループ(2つのグループを含む)を意味し、「複数枚」は2枚以上(2枚を含む)を意味する。
【0074】
本願では、電池セルは、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池などを含んでもよく、本願の実施例はこれを限定しない。電池セルは、円筒体、扁平体、直方体又は他の形状などであってもよく、本願の実施例はこれを限定しない。電池セルは、一般的に包装方式に応じて、円筒形電池セル、角形電池セル及びソフトパック電池セルの3種類に分けられ、本願の実施例はこれを限定しない。
【0075】
本願の実施例に係る電池とは、1つ又は複数の電池セルを備えることで、より高い電圧及び容量を提供する単一の物理モジュールを指す。例えば、本願に係る電池は、電池モジュール又は電池パックなどを備えてもよい。電池は、一般的に、1つ又は複数の電池セルを包装するためのケースを備える。ケースは、液体又は他の異物が電池セルの充電又は放電に影響を与えることを回避できる。
【0076】
電池セルは、電極組立体と、電解液とを備え、電極組立体は、正極板、負極板及びセパレーターからなる。電池セルは主に金属イオンが正極板と負極板との間に移動することにより動作する。正極板は、正極集電体と、正極活物質層とを備え、正極活物質層は正極集電体の表面に塗布され、正極活物質層が塗布されていない集電体は正極活物質層が塗布された集電体から突出し、正極活物質層が塗布されてない集電体は正極タブとして機能する。リチウムイオン電池を例とし、正極集電体の材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質はコバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元リチウム又はマンガン酸リチウムなどであってもよい。負極板は、負極集電体と、負極活物質層とを備え、負極活物質層は負極集電体の表面に塗布され、負極活物質層が塗布されていない集電体は負極活物質層が塗布された集電体から突出し、負極活物質層が塗布されていない集電体は負極タブとして機能する。負極集電体の材料は銅であってもよく、負極活物質は炭素又はシリコンなどであってもよい。大電流が流れて溶断しないことを確保するために、正極タブは数が複数であり且つ一体に積層され、負極タブは数が複数であり且つ一体に積層される。セパレーターの材質はPP又はPEなどであってもよい。また、電極組立体は、巻回構造であってもよく、積層構造であってもよく、本願の実施例はこれらに限定されない。
【0077】
電池技術の発展は、複数の設計要素、例えば、エネルギー密度、サイクル寿命、放電容量、充放電レートなどの性能パラメータを同時に考慮する必要があり、また、さらに電池の安全性を考慮する必要がある。
【0078】
電池セルについては、主な安全危険は充電及び放電過程から生じ、同時に適切な環境温度設計があり、不必要な損失を効果的に回避するために、電池セルに対して、一般的に少なくとも3つの保護対策がある。具体的には、保護対策は、スイッチング素子、適切なセパレーター材料の選択及びリリーフ機構を少なくとも含む。スイッチング素子とは、電池セル内の温度又は抵抗が一定の閾値になった場合に電池の充電又は放電を停止させることができる素子を指す。セパレーターは、正極板及び負極板を分離することに用いられ、温度が一定の数値に上昇した場合にその上に付着したミミクロレベル(ひいてはナノレベル)の微細孔を自動的に溶解し、それにより金属イオンがセパレーターを通過できず、電池セルの内部反応を終止することができる。
【0079】
リリーフ機構とは、電池セルの内部圧力又は温度が所定の閾値になった場合に作動して内部圧力又は温度を解放する素子又は部材を指す。該閾値設計は設計必要によって異なる。前記閾値は、電池セルの正極極板、負極極板、電解液及びセパレーターのうちの1つ又は複数の材料により決められる可能性がある。リリーフ機構は、例えば、防爆弁、ガス弁、リリーフ弁又は安全弁などの形態を使用してもよく、具体的には、感圧又は感温素子又は構造を使用でき、すなわち、電池セルの内部圧力又は温度が所定の閾値になった場合、リリーフ機構は動作を実行し又はリリーフ機構に設けられた脆弱構造が破壊され、それにより内部圧力又は温度を解放できるための開口部又は通路を形成する。
【0080】
本願に係る「作動」とは、リリーフ機構が動作を生成し又は一定の状態まで起動され、それにより電池セルの内部圧力及び温度を解放させることを指す。リリーフ機構が生成した動作は、リリーフ機構の少なくとも一部の破裂、破砕、引き裂き又は開放などを含んでもよいがこれらに限定されない。リリーフ機構が作動する場合、電池セルの内部の高温高圧物質は排出物として作動部位から外部に排出される。このように、制御可能な圧力又は温度の場合で電池セルの圧力及び温度を解放させ、それにより潜在的により深刻な事故の発生を回避することができる。
【0081】
本願に係る電池セルからの排出物は、電解液、溶解又は分裂された正負極極板、セパレーターの破片、反応によって生成された高温高圧ガス、火炎などを含むがこれらに限定されない。
【0082】
電池セルのリリーフ機構は電池の安全性に重要な影響を与える。例えば、短絡、過充電などの現象が発生する場合、電池セルの内部に熱暴走が発生して圧力又は温度を急激に上昇させることを引き起こす可能性がある。この場合、リリーフ機構が作動することにより内部圧力及び温度を外部に解放して、電池セルの爆発、発火を防止することができる。
【0083】
現在のリリーフ機構の設計案では、電池セル内部の高圧及び高熱を解放し、すなわち前記排出物を電池セルの外部に排出することが主に注目されている。しかし、電池の出力電圧又は電流を確保するために、常に、複数の電池セルを必要とし且つ複数の電池セルの間がバス部材を介して電気的に接続される。電池セルの内部から排出された排出物は残りの電池セルを短絡させる可能性があり、例えば、排出された金属屑が2つのバス部材に電気的に接続される場合に電池の短絡を発生させる可能性があり、従って、安全上のリスクが存在する。且つ、高温高圧排出物は電池セルのリリーフ機構が設置された方向に向かって排出され、且つより具体的にリリーフ機構が作動する領域に向かう方向に沿って排出され、このような排出物の力及び破壊力が大きい可能性があり、ひいては該方向での1つ又は複数の構造を突破するのに十分であり、更なる安全問題を引き起こす。
【0084】
これに鑑みて、本願は技術案を提供し、熱管理部材を使用して、電池のケースの内部を、電池セルを収容する電気キャビティ及び排出物を収集する収集キャビティに分離し、リリーフ機構が作動する場合、電池セルの排出物は収集キャビティに入り、電気キャビティに入らず又は電気キャビティに少し入り、それにより排出物による電気キャビティのバス部材の影響を低下させ、従って電池の安全性を強化することができる。且つ、電池セルの排出物が収集キャビティによって収集されるため、高温高圧排出物を緩衝させ、排出物の圧力及び温度を低下させ、他の構造への破壊力を低下させ、それにより電池の安全性をさらに強化する。
【0085】
熱管理部材は流体を収容して複数の電池セルの温度を調整することに用いられる。ここでの流体は液体又はガスであってもよく、温度の調整とは、複数の電池セルを加熱又は冷却することを意味する。電池セルを冷却又は降温する場合、該熱管理部材は冷却流体を収容して複数の電池セルの温度を低下させることに用いられ、このとき、熱管理部材は冷却部材、冷却システム又は冷却板などと呼ばれてもよく、収容された流体は冷却媒体又は冷却流体と呼ばれてもよく、より具体的には、クーラント又は冷却ガスと呼ばれてもよい。また、熱管理部材は加熱して複数の電池セルを昇温することにも用いられ、本願の実施例はこれを限定しない。選択可能に、前記流体は循環して流れてもよく、より良好な温度調整効果を達成する。選択可能に、流体は水、水とエチレングリコールの混合液又は空気などであってもよい。
【0086】
電気キャビティは複数の電池セル及びバス部材を収容することに用いられる。電気キャビティは封止されてもよく、又は封止されなくてもよい。電気キャビティは電池セル及びバス部材の装着スペースを提供する。いくつかの実施例では、電気キャビティには電池セルを固定するための構造がさらに設置されてもよい。電気キャビティの形状は収容された複数の電池セル及びバス部材に応じて決められ得る。いくつかの実施例では、電気キャビティは角形であってもよく、6つの壁を有する。電気キャビティ内の電池セルが電気的に接続されて高い電圧出力を形成するため、電気キャビティは「高電圧キャビティ」と呼ばれてもよい。
【0087】
バス部材は、複数の電池セルの間の電気的接続、例えば、並列接続又は直列接続又は直並列接続などを実現することに用いられる。バス部材は、電池セルの電極端子を接続することにより電池セルの間の電気的接続を実現することができる。いくつかの実施例では、バス部材は電池セルの電極端子に溶接で固定され得る。「高電圧キャビティ」に対応して、バス部材で形成された電気的接続は「高電圧接続」と呼ばれてもよい。
【0088】
収集キャビティは排出物を収集することに用いられ、封止されてもよく、又は封止されなくてもよい。いくつかの実施例では、前記収集キャビティ内に空気、又は他のガスが含まれてもよい。収集キャビティ内に電圧出力に接続された電気的接続がなく、「高電圧キャビティ」に対応して、収集キャビティは「低電圧キャビティ」と呼ばれもてよい。選択可能に、又は付加的に、前記収集キャビティ内に冷却媒体などの液体が含まれてもよく、又は、該液体を収容する部材が設置されて、収集キャビティに入った排出物をさらに降温する。さらに選択可能に、収集キャビティ内のガス又は液体は循環して流れている。
【0089】
本願の実施例で説明される技術案は、例えば、携帯電話、ポータブルデバイス、ノートパソコン、電気自転車、電気玩具、電動工具、電気自動車、船舶及び宇宙機などの電池を使用する様々な装置に適用でき、例えば、宇宙機は、飛行機、ロケット、スペースシャトル及び宇宙船などを含む。
【0090】
理解されるように、本願の実施例で説明される技術案は、上記説明される装置に適用できるだけでなく、電池を使用する全ての装置に適用でき、説明を簡潔にするために、以下の実施例はいずれも電気自動車を例として説明する。
【0091】
例えば、
図1は、本願の一実施例に係る車両1の構造模式図であり、車両1は、ガソリン車、ガス車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は純電気自動車、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー自動車などであってもよい。車両1の内部にモータ40、コントローラ30及び電池10が設置されてもよく、コントローラ30は電池10がモータ40に給電するように制御することに用いられる。例えば、車両1の底部又は前部又は尾部に電池10が設置されてもよい。電池10は車両1の給電に用いられ、例えば、電池10は車両1の操作電源として機能でき、車両1の回路システムに用いられ、例えば、車両1の起動、ナビゲーション及び走行時の動作電力需要に用いられる。本願の別の実施例では、電池10は車両1の操作電源として機能できるだけでなく、車両1の駆動電源として機能でき、ガソリン又は天然ガスを代替的又は部分的に代替して車両1に駆動動力を提供する。
【0092】
異なる使用電力需要を満たすために、電池は複数の電池セルを備えてもよく、複数の電池セルの間は、直列接続又は並列接続又は直並列接続されてもよく、直並列接続とは直列接続と並列接続の組み合わせを指す。電池は電池パックと呼ばれてもよい。選択可能に、複数の電池セルは先ず直列接続又は並列接続又は直並列接続されて電池モジュールを形成するか、複数の電池モジュールはそして直列接続又は並列接続又は直並列接続されて電池を形成してもよい。すなわち、複数の電池セルは電池を直接形成してもよく、先ず電池モジュールを形成し、電池モジュールが電池を形成するようにしてもよい。
【0093】
例えば、
図2は、本願の一実施例に係る電池10の構造模式図であり、電池10は複数の電池セル20を備えてもよい。電池10は、ケース(又はカバー本体と呼ばれる)をさらに備えてもよく、ケースの内部は中空構造であり、複数の電池セル
20はケース内に収容される。
図2に示すように、ケースは2つの部分を備えてもよく、ここではそれぞれ第1部分111及び第2部分112と呼ばれ、第1部分111及び第2部分112は係合される。第1部分111及び第2部分112の形状は複数の電池セル20を組み合わせた形状に応じて決められ、第1部分111及び第2部分112はいずれも1つの開口部を有してもよい。例えば、第1部分111及び第2部分112はいずれも中空直方体であってもよく且つそれぞれ1つのみの面が開口面であり、第1部分111の開口部は第2部分112の開口部に対向して設置され、且つ第1部分111及び第2部分112は互いに係合されて密閉チャンバを有するケースを形成する。複数の電池セル20は、互いに並列接続又は直列接続又は直並列接続して組み合わせられて第1部分111及び第2部分112が係合された後に形成されたケース内に配置される。
【0094】
選択可能に、電池10は、他の構造をさらに備えてもよく、ここで詳細な説明を省略する。例えば、該電池10はバス部材をさらに備えてもよく、バス部材は、複数の電池セル20の間の電気的接続、例えば、並列接続又は直列接続又は直並列接続などを実現することに用いられる。具体的には、バス部材は、電池セル20の電極端子を接続することにより電池セル20の間の電気的接続を実現することができる。さらに、バス部材は電池セル20の電極端子に溶接で固定され得る。複数の電池セル20の電気エネルギーはさらに、導電機構を介してケースを通過して引き出され得る。選択可能に、導電機構はバス部材に属してもよい。
【0095】
異なる電力需要に応じて、電池セル20の数は任意の数値に設定されてもよい。複数の電池セル20は、直列接続、並列接続又は直並列接続の方式で接続されて大きな容量又は電力を実現することができる。各電池10に備えられる電池セル20の数は多い可能性があるため、装着を容易にするために、電池セル20をグループ化して設置することができ、各グループの電池セル20は電池モジュールを形成する。電池モジュールに備えられる電池セル20の数は限られず、需要に応じて設定できる。例えば、
図3は電池モジュールの一例である。電池は複数の電池モジュールを備えてもよく、これらの電池モジュールは直列接続、並列接続又は直並列接続の方式で接続されてもよい。
図4は、本願の一実施例に係る電池セル20の構造模式図であり、電池セル20は、1つ又は複数の電極組立体22と、筐体211と、蓋板212とを備える。
図4に示される座標系は
図3と同じである。筐体211及び蓋板212はハウジング又は電池ボックス21を形成する。筐体211の壁及び蓋板212はいずれも電池セル20の壁と呼ばれる。筐体211は1つ又は複数の電極組立体22を組み合わせた形状に応じて決められ、例えば、筐体211は中空の直方体又は立方体又は円筒体であってもよく、且つ筐体211の1つの面には、1つ又は複数の電極組立体22を筐体211内に配置できる開口部がある。例えば、筐体211が中空の直方体又は立方体である場合、筐体211の1つの平面は開口面であり、すなわち該平面は壁体を有さずに筐体211の内外を連通させる。筐体211が中空の円筒体である場合、筐体211の端面は開口面であり、すなわち該端面は壁体を有さずに筐体211の内外を連通させる。蓋板212は開口部を覆い且つ筐体211に接続されて、電極組立体22を配置する密閉キャビティを形成する。筐体211内に電解液などの電解質が充填される。
【0096】
該電池セル20は2つの電極端子214をさらに備えてもよく、2つの電極端子214は蓋板212に設置されてもよい。蓋板212は、通常、平板形状であり、2つの電極端子214は蓋板212の平板面に固定され、2つの電極端子214はそれぞれ正電極端子214a及び負電極端子214bである。各電極端子214にはそれぞれ1つ接続部材23が対応して設置され、接続部材23は、集電部材23とも呼ばれ、蓋板212と電極組立体22との間に位置し、電極組立体22と電極端子214の電気的接続を実現することに用いられる。
【0097】
図4に示すように、各電極組立体22は第1タブ221a及び第2タブ222aを有する。第1タブ221aと第2タブ222aの極性は逆である。例えば、第1タブ221aが正極タブである場合、第2タブ222aは負極タブである。1つ又は複数の電極組立体22の第1タブ221aは1つの接続部材23を介して1つの電極端子に接続され、1つ又は複数の電極組立体22の第2タブ
222aは他の接続部材23を介して他の電極端子に接続される。例えば、正電極端子214aは1つの接続部材23を介して正極タブに接続され、負電極端子214bは他の接続部材23を介して負極タブに接続される。
【0098】
該電池セル20では、実際の使用需要に応じて、電極組立体22は1つ又は複数設置されてもよく、
図4に示すように、電池セル20内に4つの独立した電極組立体22が設置される。
【0099】
図5は、本願の別の実施例に係るリリーフ機構213を備える電池セル20の構造模式図である。
【0100】
図5の筐体211、蓋板212、電極組立体22及び接続部材23は、
図4の筐体211、蓋板212、電極組立体22及び接続部材23と一致し、簡潔にするために、ここで詳細な説明を省略する。
【0101】
電池セル20の1つの壁、
図5に示される第1壁21aにリリーフ機構213がさらに設置されてもよい。表示を容易にするために、
図5では第1壁21aが筐体211から分離されるが、筐体211の底側に開口部を有することを限定するものではない。リリーフ機構213は、電池セル20の内部圧力又は温度が閾値になった場合に作動して内部圧力又は温度を解放することに用いられる。
【0102】
該リリーフ機構213は第1壁21aの一部であってもよく、第1壁21aとは個別の構造であってもよく、例えば溶接の方式で第1壁21aに固定される。リリーフ機構213が第1壁21aの一部である場合、例えば、リリーフ機構213は第1壁21aにノッチを設置する方式で形成され、該ノッチに対応する第1壁21aの厚さはリリーフ機構213のノッチ以外の他の領域の厚さ未満である。ノッチ箇所はリリーフ機構213の最も薄い位置である。電池セル20によって生成されたガスが多すぎると、筐体211の内部の圧力が上昇し且つ閾値になり、又は電池セル20の内部反応により熱量を発生させて電池セル20の内部温度が上昇し且つ閾値になった場合に、リリーフ機構213は、ノッチ箇所に破裂して筐体211の内外を連通させ、ガスの圧力及び温度がリリーフ機構213の破裂により外部に解放され、さらに電池セル20の爆発を回避する。
【0103】
選択可能に、本願の一実施例では、
図5に示すように、リリーフ機構213が電池セル20の第1壁21aに設置される場合、電池セル20の第2壁に電極端子214が設置され、第2壁は第1壁21aとは異なる。
【0104】
選択可能に、第2壁は第1壁21aに対向して設置される。例えば、第1壁21aは電池セル20の底壁であってもよく、第2壁は電池セル20の頂壁、すなわち蓋板212であってもよい。
【0105】
選択可能に、
図5に示すように、該電池セル20は当て板24をさらに備えてもよく、該当て板24は電極組立体22と筐体211の底壁との間に位置し、電極組立体22を支持する役割を果たすだけでなく、電極組立体22が筐体211の底壁の周りの丸い角に干渉することを効果的に防止できる。また、該当て板24に1つ又は複数の貫通孔が設置されてもよく、例えば、均一に配列された複数の貫通孔が設置されてもよく、又は、リリーフ機構213が筐体211の底壁に設置される場合、該リリーフ機構213に対応する位置に貫通孔が設置されてもよく、液体及びガスの伝導を容易にし、具体的には、このように、当て板24の上下表面のスペースを連通させ、電池セル20の内部に生成されたガス及び電解液は当て板24を自由に通過することができる。
【0106】
リリーフ機構213及び電極端子214は電池セル20の異なる壁に設置され、リリーフ機構213が作動する場合、電池セル20の排出物は電極端子214からより遠く離れ、それにより排出物による電極端子214及びバス部材の影響を低下させ、従って電池の安全性を強化することができる。
【0107】
さらに、電極端子214が電池セル20の蓋板212に設置される場合、リリーフ機構213を電池セル20の底壁に設置することにより、リリーフ機構213が作動する場合、電池セル20の排出物は電池10の底部に向かって排出される。このように、一方では、電池10底部の熱管理部材などを使用して排出物の危険性を低下させることができ、他方では、電池10底部は、通常、ユーザーから離れ、それによりユーザーへの危害を低下させることができる。
【0108】
リリーフ機構213は、様々な可能なリリーフ構造であってもよく、本願の実施例はこれを限定しない。例えば、リリーフ機構213は感温リリーフ機構であってもよく、感温リリーフ機構は、リリーフ機構213が設けられた電池セル20の内部温度が閾値になった場合に溶融できるように構成され、及び/又は、リリーフ機構213は感圧リリーフ機構であってもよく、感圧リリーフ機構は、リリーフ機構213が設けられた電池セル20の内部気圧が閾値になった場合に破裂できるように構成される。
【0109】
図6は、本願の一実施例に係る電池のケース11の模式図である。
図6に示すように、ケース11は、電気キャビティ11aと、収集キャビティ11bと、熱管理部材13とを備えてもよい。熱管理部材13は電気キャビティ11a及び収集キャビティ11bを分離することに用いられる。ここでいわゆる「分離」は隔離を指し、封止されなくてもよい。
【0110】
電気キャビティ11aは複数の電池セル20及びバス部材12を収容することに用いられる。電気キャビティ11aは電池セル20及びバス部材12の収容スペースを提供し、電気キャビティ11aの形状は複数の電池セル20及びバス部材12に応じて決められ得る。
【0111】
バス部材12は複数の電池セル20の電気的接続を実現することに用いられる。バス部材12は、電池セル20の電極端子214を接続することにより電池セル20間の電気的接続を実現することができる。
【0112】
複数の電池セル20のうちの少なくとも1つの電池セル20はリリーフ機構213を備えてもよく、リリーフ機構213は、リリーフ機構213が設けられた電池セル20の内部圧力又は温度が閾値になった場合に作動して内部圧力又は温度を解放することに用いられる。
【0113】
説明を容易にするために、以下、リリーフ機構213の関連説明に関する電池セル20とはリリーフ機構213が設けられた電池セル20を指す。例えば、電池セル20は
図5の電池セル20であってもよい。
【0114】
熱管理部材13は、流体を収容して複数の電池セル20の温度を調整することに用いられる。電池セル20を降温する場合、該熱管理部材13は冷却媒体を収容して複数の電池セル20の温度を調整することができ、このとき、熱管理部材13は冷却部材、冷却システム又は冷却板などと呼ばれてもよい。また、熱管理部材13は加熱に用いられてもよく、本願の実施例はこれを限定しない。選択可能に、前記流体は循環して流れてもよく、より良好な温度調整効果を達成する。
【0115】
収集キャビティ11bは、リリーフ機構213が作動する場合にリリーフ機構213が設けられた電池セル20からの排出物を収集することに用いられる。
【0116】
本願の実施例では、熱管理部材13を使用して電気キャビティ11a及び収集キャビティ11bを分離する。すなわち、複数の電池セル20及びバス部材12を収容する電気キャビティ11aは排出物を収集する収集キャビティ11bから分離される。このように、リリーフ機構213が作動する場合、電池セル20の排出物は収集キャビティ11bに入り、電気キャビティ11aに入らず又は少し入り、それにより電気キャビティ11aにおける電気的接続に影響を与えず、従って電池の安全性を強化することができる。
【0117】
選択可能に、本願の一実施例では、熱管理部材13は、電気キャビティ11a及び収集キャビティ11bによって共有された壁を有する。
図6に示すように、熱管理部材13は同時に電気キャビティ11aの1つの壁及び収集キャビティ11bの1つの壁であってもよい。すなわち、熱管理部材13(又はその一部)は直接電気キャビティ11a及び収集キャビティ11bによって共有された壁として機能でき、このように、電池セル20の排出物は熱管理部材13を通過して収集キャビティ11bに入ることができ、また、熱管理部材13が存在するため、該排出物及び電気キャビティ11aをできるだけ分離でき、それにより排出物の危険性を低下させ、電池の安全性を強化する。
【0118】
選択可能に、本願の一実施例では、電気キャビティ11aは開口部を有するカバー本体及び熱管理部材13で形成されてもよい。例えば、
図7に示すように、ケース11は開口部を有するカバー本体110(
図7における下側開口部)をさらに備えてもよい。開口部を有するカバー本体110は半密閉チャンバであり、外部と連通する開口部を有し、熱管理部材13は該開口部を覆って、チャンバ、すなわち電気キャビティ11aを形成する。
【0119】
選択可能に、カバー本体110は複数の部分で構成されてもよく、例えば、
図8に示すように、カバー本体110は第1部分111及び第2部分112を備えてもよい。第2部分112の両側にそれぞれ開口部があり、第1部分111は第2部分112の一方側の開口部を覆い、熱管理部材13は第2部分112の他方側の開口部を覆い、それにより電気キャビティ11aを形成する。
【0120】
図8の実施例は
図2を基礎として改良して得られるものであり得る。具体的には、
図2の第2部分112の底壁が熱管理部材13に置き換えられ、熱管理部材13を電気キャビティ11aの1つの壁として機能することにより、
図8の電気キャビティ11aを形成する。換言すれば、
図2の第2部分112の底壁を取り外すと、両側が開口された環状壁を形成し、第1部分111及び熱管理部材13はそれぞれ第2部分112の両側開口部を覆って、チャンバ、すなわち電気キャビティ11aを形成する。
【0121】
選択可能に、本願の一実施例では、収集キャビティ11bについては、熱管理部材13及び保護部材で形成されてもよい。例えば、
図9に示すように、ケース11は保護部材115をさらに備える。保護部材115は熱管理部材13を保護することに用いられ、且つ、保護部材115と熱管理部材13は収集キャビティ11bを形成する。
【0122】
保護部材115と熱管理部材13で形成された収集キャビティ11bは、電池セル20を収容可能なスペースを占有せず、従ってスペースの大きな収集キャビティ11bを設置でき、それにより排出物を効果的に収集及び緩衝し、その危険性を低下させることができる。
【0123】
選択可能に、本願の一実施例では、収集キャビティ11b内に冷却媒体などの流体がさらに設置されてもよく、又は、該流体を収容する部材が設置されて、収集キャビティ11b内に入った排出物をさらに降温する。
【0124】
選択可能に、本願の一実施例では、収集キャビティ11bは封止されたチャンバであってもよい。例えば、保護部材115と熱管理部材13の接続箇所は封止部材で封止されてもよい。
【0125】
選択可能に、本願の一実施例では、収集キャビティ11bは封止されたチャンバではなくてもよい。例えば、収集キャビティ11bは空気と連通でき、このように、一部の排出物をケース11の外部にさらに排出することができる。
【0126】
上記実施例では、熱管理部材13はカバー本体110の開口部を覆って電気キャビティ11aを形成し、熱管理部材13と保護部材115は収集キャビティ11bを形成する。選択可能に、熱管理部材13は、密閉されたカバー本体を電気キャビティ11a及び収集キャビティ11bに直接分割してもよい。
【0127】
例えば、
図10に示すように、本願の一実施例では、ケース11は密閉されたカバー本体110をさらに備える。熱管理部材13はカバー本体110の内部に設置され、カバー本体110の内部を電気キャビティ11a及び収集キャビティ11bに分離する。すなわち、密閉されたカバー本体110はその内部にチャンバを形成し、熱管理部材13はカバー本体110内部のチャンバを2つのチャンバ、すなわち電気キャビティ11a及び収集キャビティ11bに分離する。
【0128】
電気キャビティ11aは複数の電池セル20などを収容するために大きなスペースを必要とし、熱管理部材13はカバー本体110のある壁に近い位置に設置され、スペースのより大きな電気キャビティ11a及びスペースのより小さな収集キャビティ11bを分離する。
【0129】
選択可能に、
図11に示すように、本願の一実施例では、カバー本体110は第1部分111及び第2部分112を備えてもよい。第2部分112の一側に半密閉構造を形成するための開口部がある。半密閉構造はすなわち開口部を有するチャンバである。熱管理部材13は第2部分112の内部に設置され、第1部分111は第2部分112の開口部を覆う。換言すれば、先ず熱管理部材13を半密閉された第2部分112内に設置し、収集キャビティ11bを分離し、次に第1部分111を第2部分112の開口部に覆って、電気キャビティ11aを形成する。
【0130】
選択可能に、本願の一実施例では、電気キャビティ11aは熱管理部材13を介して収集キャビティ11bから隔絶される。すなわち、収集キャビティ11bは電気キャビティ11aと連通せず、収集キャビティ11b内の液体又はガスなどが電気キャビティ11aに入ることができず、それにより電気キャビティ11aをより良好に保護することができる。
【0131】
リリーフ機構213が作動する場合、リリーフ機構213が開放され、電池セル20内の排出物を排出する。排出物は熱管理部材13を破壊でき、それにより熱管理部材13を通過して収集キャビティ11bに入る。
【0132】
選択可能に、
図12に示すように、本願の一実施例では、排出物が熱管理部材13を通過することを容易にするために、熱管理部材13に脆弱領域135が設置され、脆弱領域135は、リリーフ機構213が作動する場合に破壊されて、リリーフ機構213が設けられた電池セル20からの排出物を脆弱領域135に通過させて収集キャビティ11bに入らせることを可能にするように構成される。
【0133】
選択可能に、脆弱領域135はリリーフ機構213に対向して設置されてもよい。このように、リリーフ機構213が作動する場合、排出物は脆弱領域135を直接衝撃して脆弱領域135を開放することができる。
【0134】
脆弱領域135は、排出物による破壊を容易にする様々な設置を使用してもよく、本願の実施例はこれを限定せず、以下、例示して説明する。
【0135】
選択可能に、
図13に示すように、本願の一実施例では、熱管理部材13にはリリーフ機構213に対向して設置された凹溝134が設置され、凹溝134の底壁は脆弱領域135を形成する。凹溝134の底壁が熱管理部材13の他の領域よりも脆弱であり、排出物によって容易に破壊されるため、リリーフ機構213が作動する場合、排出物は凹溝134の底壁を破壊して収集キャビティ11bに入ることができる。
【0136】
選択可能に、リリーフ機構213はリリーフ機構213が設けられた電池セル20の第1壁21aに設置され、第1壁21aは熱管理部材13に取り付けられ、凹溝134は熱管理部材13の第1壁21aに対向する表面に設置される。すなわち、凹溝134の開口部は第1壁21aに対向する。
【0137】
理解されるように、凹溝134の開口部は第1壁21aに背向してもよい。この場合、凹溝134の底壁は同様に排出物によって容易に破壊される。
【0138】
熱管理部材13は熱伝導材料で流体の流路を形成することができる。流体が流路中で流れ、熱伝導材料を介して熱量を伝導して電池セル20を降温する。選択可能に、脆弱領域135は熱伝導材料のみがあり、流体がなく、薄い熱伝導材料層を形成し、それにより排出物によって容易に破壊される。例えば、凹溝134の底壁は熱伝導材料薄層であってもよく、脆弱領域135を形成する。
【0139】
選択可能に、
図14a~14cに示すように、本願の一実施例では、熱管理部材13は第1熱伝導板131及び第2熱伝導板132を備えてもよい。第1熱伝導板131及び第2熱伝導板132は流路133を形成し、流体を収容することに用いられる。第1熱伝導板131は第1壁21aと第2熱伝導板132との間に位置し、且つ第1壁21aに取り付けられる。第1熱伝導板131の第1領域131aは第2熱伝導板132へ凹んで凹溝134を形成し、第1領域131aは第2熱伝導板132に接続される。このように、凹溝134の周りに流路133が形成され、凹溝134の底壁内に流路がなく、それにより脆弱領域を形成する。
【0140】
選択可能に、凹溝134の底壁の第1熱伝導板131又は第2熱伝導板132を取り外してもよく、より薄い脆弱領域を形成する。例えば、
図14cに示すように、本願の一実施例では、第1領域131aに第1貫通孔136が設置され、第1貫通孔136の半径方向サイズは凹溝134の半径方向サイズ未満であり、すなわち凹溝134の底壁の第1熱伝導板131を取り外し、凹溝134の底部縁部の第1熱伝導板131と第2熱伝導板132の接続を維持し、凹溝134の周りの流路133を形成する。
【0141】
選択可能に、さらに第1貫通孔136に対応する第2熱伝導板132を薄くして処理してもよく、すなわち、第1貫通孔136に対応する第2熱伝導板132の厚さは他の領域の第2熱伝導板132の厚さ未満になり、それにより脆弱領域は排出物によってより容易に破壊される。選択可能に、さらに第1貫通孔136に対応する第2熱伝導板132上に脆弱溝が設置されてもよい。
【0142】
図15a~
図15cは、熱管理部材13の模式図を示す。
図15a~
図15cに示すように、第1熱伝導板131は凹んで凹溝134を形成し、第2熱伝導板132の凹溝134に対応する領域に流路がなく、脆弱溝132aが設置され、このように、第1熱伝導板131は第2熱伝導板132に接続された後、凹溝134の底壁に脆弱領域を形成する。
【0143】
理解されるように、さらに他の薄くする方式を使用して凹溝134の底壁を薄くしてもよく、例えば、第1熱伝導板131の第1領域131aにブラインドビア又は段付き孔が設置されてもよく、及び/又は、第2熱伝導板132にブラインドビアなどが設置されてもよい。
【0144】
選択可能に、本願の一実施例では、脆弱領域135の厚さは3mm以下である。例えば、脆弱領域135の厚さは1mm以下であってもよい。
【0145】
小さい厚さの脆弱領域135を使用することに加えて、さらに低融点材料の脆弱領域135を使用でき、排出物による溶融及び破壊を容易にする。すなわち、脆弱領域135は熱管理部材13の残りの部分よりも低い融点を有してもよい。例えば、脆弱領域135で使用される材料の融点は400℃未満である。
【0146】
理解されるように、脆弱領域135は低融点材料及び小さい厚さの設置を同時に使用してもよく、すなわち、上記2つの実施形態は単独で実施されてもよく、組み合わせて実施されてもよい。
【0147】
熱管理部材13に脆弱領域135を設置することにより、一方では、リリーフ機構213が作動する場合、排出物は脆弱領域135を通過して収集キャビティ11bに入り、排出物が電気キャビティ11aに入ることを回避することができ、他方では、リリーフ機構213が作動しない場合に電気キャビティ11aと収集キャビティ11bとの間の隔絶を確保し、収集キャビティ11b内の物質が電気キャビティ11aに入ることを回避することができる。
【0148】
選択可能に、本願の一実施例では、熱管理部材13は、リリーフ機構213が作動する場合に破壊されて、流体を熱管理部材13の内部から排出させることを可能にするように構成され、収集キャビティ11bはさらに熱管理部材13の排出物を収集することに用いられる。
【0149】
具体的には、リリーフ機構213が作動する場合、熱管理部材13が破壊され、流体が熱管理部材13の内部から排出され、このように、電池セル20の熱量を吸収し、排出物の温度を低下させ、さらに排出物の危険性を低下させることができる。この場合、流体と流体で冷却された排出物は収集キャビティ11bに入る。流体の冷却により、電池セル20の排出物の温度を迅速に低下させることができ、従って収集キャビティ11bに入った排出物の危険性を大幅に低下させ、電池の他の部分、例えば他の電池セル20に大きな影響を与えることがなく、それにより単一の電池セル20の異常による破壊性を即座に抑制し、電池爆発の可能性を低下させることができる。
【0150】
選択可能に、本願の一実施例では、熱管理部材13の脆弱領域135の周りに位置する部分は、リリーフ機構213が設けられた電池セル20からの排出物によって破壊されて、流体を熱管理部材13の内部から排出させることを可能にする。
【0151】
具体的には、リリーフ機構213が作動する場合、電池セル20の排出物は先ず脆弱領域135を破壊(突破又は溶融破壊)し、脆弱領域135を通過して収集キャビティ11bに入り、また、排出物はさらに脆弱領域135の周りの部分を破壊し、例えば、高熱排出物は周りの熱管理部材13を溶融破壊して、流体を熱管理部材13の内部から排出させ、それにより高熱排出物を降温する。排出物の温度が非常に高いため、流体が電池セル20を加熱又は冷却することにかかわらず、流体の温度はいずれも排出物の温度未満であり、従って排出物を冷却することができる。
【0152】
選択可能に、本願の一実施例では、熱管理部材13に凹溝134が設置される場合、凹溝134の側面は、リリーフ機構213が設けられた電池セル20からの排出物によって破壊されて、流体を熱管理部材13の内部から排出させることを可能にする。
【0153】
凹溝134が使用され、リリーフ機構213が作動する場合、電池セル20の排出物は凹溝134に押し込まれ、凹溝134の底壁が脆弱であるため、排出物は凹溝134の底壁を破壊して収集キャビティ11bに入り、また、凹溝134内に押し込まれた排出物はさらに凹溝134の側面を溶融し、流体を熱管理部材13の内部から排出させ、それにより高熱排出物を降温する。
【0154】
選択可能に、凹溝134の半径方向サイズはリリーフ機構213から離れる方向に沿って徐々に小さくなる。すなわち、凹溝134の側面は傾斜面であり、このように、排出物との接触面積を増加させることができ、排出物による破壊をより容易にする。例えば、凹溝134の側面の傾斜角(底壁が位置する平面との夾角)の角度範囲は15~85度であってもよい。
【0155】
リリーフ機構213が作動する場合に、変形して電池セル20の内外を連通させる。例えば、ノッチが使用されたリリーフ機構213について、リリーフ機構213は作動する場合にノッチ箇所に破裂し且つ両側へ開放され、それに対応し、リリーフ機構213は一定の変形スペースを必要とする。本願の一実施例では、凹溝134は、リリーフ機構213が作動する場合に開放可能な逃げキャビティとして構成される。逃げキャビティはリリーフ機構213に変形スペースを提供して、リリーフ機構213を熱管理部材13に向かって変形して破裂させる。
【0156】
逃げキャビティとして機能する場合、凹溝134の設置はリリーフ機構213が作動する場合に開放され得る条件を満たす必要がある。具体的には、凹溝134の深さはリリーフ機構213のサイズに関連する。本願の一実施例として、凹溝134の深さは1mmよりも大きい。例えば、凹溝134の深さは3mm以上であってもよく、それによりリリーフ機構213が開放されることをより容易にする。凹溝134の開口部の面積はリリーフ機構213の面積にも関連する。リリーフ機構213が開放されることを容易にするために、凹溝134の開口部の面積とリリーフ機構213の面積との比は一定の値よりも大きい必要がある。また、凹溝134の側面が排出物によって破壊されることを容易にするために、凹溝134の開口部の面積とリリーフ機構213の面積との比は一定の値未満である必要もある。例えば、凹溝134の開口部の面積とリリーフ機構213の面積との比の値範囲は0.5~2であってもよい。
【0157】
リリーフ機構213が電池セル20の第1壁21aに設置される場合、リリーフ機構213の少なくとも一部は第1壁21aに突設され、このように、リリーフ機構213の装着を容易にし、及び電池セル20内部のスペースを確保することができる。選択可能に、
図16に示すように、本願の一実施例では、リリーフ機構213の少なくとも一部が第1壁21aに突設される場合、逃げキャビティはリリーフ機構213の少なくとも一部を収容することに用いることができる。このように、電池セル20の第1壁21aは熱管理部材13の表面に密着することができ、電池セル20の固定を容易にし、さらにスペースを節約し且つ熱管理効率を向上させることができ、且つ、リリーフ機構213が作動する場合、電池セル20の排出物は、逃げキャビティに向かって電池セル20から離れて排出され、その危険性を低下させ、それにより電池の安全性を強化することができる。
【0158】
選択可能に、本願の一実施例では、第1壁21aのリリーフ機構213の周りに位置する部分は突設され、逃げキャビティは第1壁21aのリリーフ機構213の周りに位置する突設部を収容することに用いられる。同様に、第1壁21aのリリーフ機構213の周りに位置する部分が突設される場合、逃げキャビティは電池セル20の第1壁21aを熱管理部材13の表面に密着できることを確保でき、電池セル20の固定を容易にし、さらにスペースを節約し且つ熱管理効率を向上させることができる。
【0159】
上記実施例では、脆弱領域135を設置することにより、リリーフ機構213が作動する場合に電池セル20の排出物は脆弱領域135を通過して収集キャビティ11bに入る。脆弱領域に加えて、さらに貫通孔を設置することにより、排出物は収集キャビティ11bに入ることができる。
【0160】
選択可能に、
図17に示すように、本願の一実施例では、熱管理部材13に第2貫通孔137が設置され、第2貫通孔137は、リリーフ機構213が作動する場合にリリーフ機構213が設けられた電池セル20からの排出物が第2貫通孔137を通過して収集キャビティ11bに入ることができるように構成される。
【0161】
選択可能に、第2貫通孔137はリリーフ機構213に対向して設置されてもよい。このように、リリーフ機構213が作動する場合、排出物は第2貫通孔137を通過して収集キャビティ11bに直接入ることができる。
【0162】
選択可能に、本願の一実施例では、第2貫通孔137が設置される状況について、熱管理部材13の第2貫通孔137の周りに位置する部分は、リリーフ機構213が設けられた電池セル20からの排出物によって破壊されて、流体を熱管理部材13の内部から排出させることを可能にする。
【0163】
具体的には、リリーフ機構213が作動する場合、電池セル20の排出物は第2貫通孔137を通過して収集キャビティ11bに入り、また、排出物はさらに第2貫通孔137の周りの部分を破壊し、例えば、高熱排出物は周りの熱管理部材13を溶融破壊し、流体を熱管理部材13の内部から排出させ、それにより高熱排出物を降温する。
【0164】
選択可能に、本願の一実施例では、第2貫通孔137の孔壁は、リリーフ機構213が設けられた電池セル20からの排出物によって破壊されて、流体を熱管理部材13の内部から排出させることを可能にする。
【0165】
リリーフ機構213が作動する場合、電池セル20の排出物は第2貫通孔137に押し込まれ、排出物が高圧高熱排出物であるため、排出物は第2貫通孔137を通過する場合に第2貫通孔137の孔壁を溶融し、流体を熱管理部材13の内部から排出させ、それにより排出物を降温する。
【0166】
選択可能に、第2貫通孔137の半径方向サイズはリリーフ機構213から離れる方向に沿って徐々に小さくなる。すなわち、第2貫通孔137の孔壁は傾斜面であり、このように、排出物との接触面積を増加させることができ、排出物による破壊をより容易にする。
【0167】
選択可能に、上記凹溝134と同様に、第2貫通孔137の設置もリリーフ機構213が作動する場合に開放され得る条件を満たす必要がある。本願の一実施例として、第2貫通孔137の開口部の面積はリリーフ機構213の面積に関連する。リリーフ機構213が開放されることを可能にするために、第2貫通孔137の開口部の面積とリリーフ機構213の面積との比は一定の値よりも大きい必要がある。また、第2貫通孔137の側壁が排出物によって破壊されることを容易にするために、第2貫通孔137の開口部の面積とリリーフ機構213の面積との比は一定の値未満である必要もある。例えば、第2貫通孔137の開口部の面積とリリーフ機構213の面積との比の値範囲は0.5~2である。
【0168】
選択可能に、本願の一実施例では、リリーフ機構213は電池セル20の第1壁21aに設置され、第1壁21aは熱管理部材13に取り付けられ、リリーフ機構213の少なくとも一部は第1壁21aに突設され、第2貫通孔137はリリーフ機構213の少なくとも一部を収容することに用いられる。このように、電池セル20の第1壁21aは熱管理部材13の表面に密着することができ、電池セル20の固定を容易にし、さらにスペースを節約し且つ熱管理効率を向上させることができ、且つ、リリーフ機構213が作動する場合、電池セル20の排出物は、第2貫通孔137に向かって電池セル20から離れて排出され、その危険性を低下させ、それにより電池の安全性を強化することができる。
【0169】
選択可能に、本願の一実施例では、第1壁21aのリリーフ機構213の周りに位置する部分は突設され、第2貫通孔137は第1壁21aのリリーフ機構213の周りに位置する突設部を収容することに用いられる。第1壁21aのリリーフ機構213の周りに位置する部分が突設される場合、第2貫通孔137は電池セル20の第1壁21aを熱管理部材13の表面に密着できることを確保でき、電池セル20の固定を容易にし、さらにスペースを節約することができる。
【0170】
理解されるように、熱管理部材13にはリリーフ機構213が作動する場合に熱管理部材13が破壊され得る構造が設置されることに加えて、さらにリリーフ機構213にはリリーフ機構213が作動する場合に熱管理部材13が破壊され得る構造が設置されてもよい。
【0171】
選択可能に、本願の一実施例では、リリーフ機構213に破壊装置が設置され、破壊装置は、リリーフ機構213が作動する場合に熱管理部材13を破壊して、流体を熱管理部材13の内部から排出させることに用いられる。例えば、破壊装置はとげであってもよいが、本願の実施例はこれを限定しない。
【0172】
図18は、本願の一実施例に係る電池10の模式図である。該電池10は、ケース11と、複数の電池セル20と、バス部材12とを備えてもよい。
【0173】
複数の電池セル20のうちの少なくとも1つの電池セル20はリリーフ機構213を備え、リリーフ機構213は、リリーフ機構213が設けられた電池セル20の内部圧力又は温度が閾値になった場合に作動して内部圧力又は温度を解放することに用いられる。
【0174】
バス部材12は複数の電池セル20の電気的接続を実現することに用いられる。
【0175】
ケース11は上記各実施例で説明されるケース11であり、ケース11の電気キャビティ11aは複数の電池セル20及びバス部材12を収容することに用いられ、ここで、ケース11の収集キャビティ11bは、リリーフ機構213が作動する場合にリリーフ機構213が設けられた電池セル20からの排出物を収集する。
【0176】
図19は、本願の一実施例に係る電池10の分解図である。
図19に示される実施例では、熱管理部材13に凹溝134が設置され、保護部材115とともに収集キャビティを形成する。
【0177】
電池10の各部材に関する説明は上記各実施例を参照すればよく、簡潔にするために、ここで詳細な説明を省略する。
【0178】
本願の一実施例はさらに電力消費装置を提供し、該電力消費装置は上記各実施例の電池10を備えてもよい。選択可能に、電力消費装置は車両1、船舶又は宇宙機であってもよい。
【0179】
以上、本願の実施例の電池のケース、電池及び電力消費装置が説明されており、以下、本願の実施例の電池製造方法及び装置が説明され、ここで詳細に説明されていない部分は上記各実施例を参照すればよい。
【0180】
図20は、本願の一実施例に係る電池製造方法300の模式的なフローチャートを示す。
図20に示すように、該方法300は以下を含んでもよい。
【0181】
310:複数の電池セル20を提供し、複数の電池セル20のうちの少なくとも1つの電池セル20はリリーフ機構213を備え、リリーフ機構213は、リリーフ機構213が設けられた電池セル20の内部圧力又は温度が閾値になった場合に作動して内部圧力又は温度を解放することに用いられ、
320:複数の電池セル20の電気的接続を実現するためのバス部材12を提供し、
330:ケース11を提供し、ケース11は、電気キャビティ11a、流体を収容するための熱管理部材13、及び収集キャビティ11bを備え、熱管理部材13は電気キャビティ11a及び収集キャビティ11bを分離し、
340:複数の電池セル20及びバス部材12を電気キャビティ11aに収容し、収集キャビティ11bは、リリーフ機構213が作動する場合にリリーフ機構213が設けられた電池セル20からの排出物を収集する。
【0182】
図21は、本願の一実施例に係る電池製造装置400の模式的なブロック図を示す。
図21に示すように、電池製造装置400は、提供モジュール410と、装着モジュール420とを備えてもよい。
【0183】
提供モジュール410は、複数の電池セル20を提供することであって、複数の電池セル20のうちの少なくとも1つの電池セル20はリリーフ機構213を備え、リリーフ機構213は、リリーフ機構213が設けられた電池セル20の内部圧力又は温度が閾値になった場合に作動して内部圧力又は温度を解放することに用いられることと、複数の電池セル20の電気的接続を実現するためのバス部材12を提供することと、ケース11を提供することであって、ケース11は、電気キャビティ11a、流体を収容するための熱管理部材13、及び収集キャビティ11bを備え、熱管理部材13は電気キャビティ11a及び収集キャビティ11bを分離することと、に用いられ、
装着モジュール420は、複数の電池セル20及びバス部材12を電気キャビティ11aに収容することに用いられ、収集キャビティ11bは、リリーフ機構213が作動する場合にリリーフ機構213が設けられた電池セル20からの排出物を収集する。
【0184】
最後に、上記実施例は、本願の技術案を説明するためのものに過ぎず、それを限定するものではなく、上記実施例を参照して本願を詳細に説明したが、当業者は、依然として上記各実施例に記載の技術案を修正し、又はそのうちの一部の技術的特徴に対して等価置換を行うことができるが、これらの修正又は置換は、対応する技術案の本質を本願の各実施例技術案の精神及び範囲から逸脱させることはない。
【符号の説明】
【0185】
11 ケース
11a 電気キャビティ
11b 収集キャビティ
12 バス部材
13 熱管理部材
20 電池セル
213 リリーフ機構