(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】環境内のコンピュータビジョン駆動型アプリケーションのためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20240119BHJP
【FI】
G06Q30/06
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022003274
(22)【出願日】2022-01-12
(62)【分割の表示】P 2018557901の分割
【原出願日】2017-05-09
【審査請求日】2022-02-09
(32)【優先日】2016-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518384973
【氏名又は名称】グラバンゴ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】グレーサー,ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン オスドル,ブライアン
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0039458(US,A1)
【文献】特表2014-531636(JP,A)
【文献】特開2012-194959(JP,A)
【文献】特許第5720841(JP,B1)
【文献】特開2015-041194(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チェックアウトプロセスを促進する方法であって
・コンピュータのプロセッサによって、環境全体にわたって画像データを収集することと;
・前記プロセッサによって、前記画像データから環境オブジェクトグラフを維持することであって、前記環境オブジェクトグラフは、前記環境全体にわたる時間および空間におけるコンピュータビジョン分類型オブジェクトのデータ表現であり、確率的オブジェクト関連性を有するオブジェクトの少なくとも1つのサブセットを含む、維持することと;
・前記環境オブジェクトグラフを維持することは、
第1の時間期間において、:
・前記画像データ内に捕捉された第1の領域内で、第1のオブジェクトと少なくとも1つの買物客オブジェクトとを分類することと;
・前記第1の領域内で、前記第1のオブジェクトと前記買物客オブジェクト間の相互作用事象を検知することと、
・前記環境オブジェクトグラフを更新することであって、これにより前記第1のオブジェクトは前記買物客オブジェクトに確率的に関連付けられる、更新すること
とを含み:
前記方法はさらに、
・前記プロセッサによって、前記買物客オブジェクトに確率的に関連付けられたオブジェクトを検査し、これによりチェックアウトリストを生成することとを含み、
前記環境オブジェクトグラフを維持することは
、第2の時間期間において:
・前記画像データ内で捕捉された第2の領域において、第2のオブジェクトと前記買物客オブジェクトとを分類することであって、前記第2のオブジェクトは確率的に含まれたオブジェクトとの複合オブジェクトである、分類することと、
・前記第2の領域において、前記第1のオブジェクトと前記買物客オブジェクト間の相互作用事象を検知することと、
・前記環境オブジェクトグラフを更新し、これにより、前記第2のオブジェクトと前記第2のオブジェクトの前記確率的に含まれたオブジェクトは、前記買物客オブジェクトに確率的に関連付けられる、更新することとを含む、方法。
【請求項2】
前記画像データ内で捕捉された第2の領域内で、前記買物客オブジェクトを検知し、前記チェックアウトリストによりチェックアウトプロセスを開始することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記買物客オブジェクトに関連付けられた口座へアクセスすることをさらに含む請求項2に記載の方法であって、前記チェックアウトプロセスを開始することは前記第2の領域へ入った後に前記チェックアウトリストを前記口座へ課金することを含む、方法。
【請求項4】
前記チェックアウトプロセスを開始することは、前記チェックアウトリストを前記第2の領域内のチェックアウト処理システムへ伝達することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記チェックアウト処理システムにおいて、前記チェックアウトリストからのアイテムを前記チェックアウト処理システムへ投入することをさらに含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記チェックアウトリスト内のアイテムの前記チェックアウト処理システムの製品入力
表示を変更することをさらに含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のオブジェクトは、初期信頼水準を有する前記買物客オブジェクトへ確率的に関連付けられ;
前記チェックアウトリストを生成することは、信頼性閾値を満足する信頼水準を有するオブジェクトを前記チェックアウトリストへ加えることを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の領域は第1のカメラからの画像データ内で捕捉され、前記第2の領域は第2のカメラからの画像データ内で捕捉される、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の領域と前記第2の領域は1台のカメラからの画像データ内に捕捉される、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のオブジェクトは、第1の信頼水準を有する所有されたオブジェクトとして前記買物客オブジェクトと確率的に関連付けられ、
前記第2の
時間期間において前記環境オブジェクトグラフを維持することは:
・前記画像データ内で捕捉された第3の領域内で、第2のオブジェクトと前記買物客オブジェクトとを分類することと、
・所有されたオブジェクトとしての前記第2のオブジェクトと第2の信頼水準を有する前記買物客オブジェクトとを関連付けることと;
・前記環境オブジェクトグラフを更新することであって、前記第1の信頼水準は前記第2の信頼水準に応じて少なくとも部分的に変更される、更新することと、を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
前記買物客オブジェクトに関連付けられた口座へアクセスすることと;前記口座のアプリケーションインスタンスにおいて、前記チェックアウトリストを提示することとをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の
時間期間の後の
前記第2の
時間期間において前記環境オブジェクトグラフを維持することは:前記第1の領域において、前記第1のオブジェクトを分類することと、前記環境オブジェクトグラフを更新し、これにより前記第1の
時間期間における前記第1のオブジェクトと前記買物客オブジェクトとの関連性を除去することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のオブジェクトと前記買物客オブジェクト間の前記相互作用事象を検知することは、近接性閾値を満足する前記第1のオブジェクトと前記買物客オブジェクト間の近接性を検知することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のオブジェクトと前記買物客オブジェクトとを分類することは、分類中にコンピュータビジョン駆動型プロセスを適用することであって、前記コンピュータビジョン駆動型プロセスは、少なくとも画像特徴抽出および分類とニューラルネットワークのアプリケーションとを含む、適用することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
・コンピュータのプロセッサによって、環境全体にわたって画像データを収集することと;
・前記プロセッサによって、前記画像データから環境オブジェクトグラフを維持することとを含む方法において、前記環境オブジェクトグラフを維持することは、
・オブジェクトを分類し、対応オブジェクトインスタンスを環境オブジェクトグラフ内に保管することと、
・オブジェクト位置を追跡し、オブジェクト経路内のオブジェクトインスタンスの関連性を確立することと、
・相互作用事象を検知し、検知された相互作用事象のサブセットの事象インスタンスに関し、前記相互作用事象に関与する少なくとも2つのオブジェクトインスタンスのオブジェクト関連性を生成することと、
・オブジェクト関連性全体にわたって少なくとも1つのオブジェクトインスタンスにおける変更を伝播することを含み前記環境オブジェクトグラフを更新することと;
を含む繰り返しプロセスであり、前記方法はさらに、
・前記プロセッサによって、前記環境オブジェクトグラフ内の少なくとも1つのオブジェクトインスタンスのオブジェクト状態を検査し、前記オブジェクト状態に関連付けられた行為を実行することを含み、
前記環境オブジェクトグラフを維持することは:
・前記画像データ内で捕捉された第2の領域において、第2のオブジェクト
と買物客オブジェクトとを分類することであって、前記第2のオブジェクトは確率的に含まれたオブジェクトとの複合オブジェクトである、分類することと、
・前記第2の領域において、前記第
2のオブジェクトと前記買物客オブジェクト間の相互作用事象を検知することと、
・前記環境オブジェクトグラフを更新し、これにより、前記第2のオブジェクトと前記第2のオブジェクトの前記確率的に含まれたオブジェクトは、前記買物客オブジェクトに確率的に関連付けられる、更新することとを含む、方法。
【請求項16】
画像データを収集することは、環境全体にわたって分散された複数の画像捕捉装置から画像データを収集することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
環境全体にわたって分散された複数の画像捕捉装置から画像データを収集することは、在庫保管捕捉構成、相互作用捕捉構成、オブジェクト識別捕捉構成、および可動捕捉構成から選択される少なくとも2つの画像捕捉構成を含む一組の画像捕捉装置から画像データを収集することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記相互作用事象を検知することは、第1の分類の第1のオブジェクトと、近接性閾値を満足する第2の分類の少なくとも1つの第2のオブジェクトとの間の近接性を検知することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記相互作用事象を検知することは:少なくとも1つの相互作用事象に関して、オブジェクト近接事象を検知することと、少なくとも1つの第2の相互作用事象に関して、オブジェクト変換事象を検知することとを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記オブジェクト変換事象を検知することは、オブジェクト出現事象、オブジェクト消失事象、およびオブジェクト分類変更事象の組から選択されたオブジェクト変換を検知することを含み得る、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
オブジェクトを分類することは、少なくとも1つの製品オブジェクト、複合オブジェクト、および人オブジェクトを含む一組の潜在的オブジェクトタイプのうちの1つとしてオブジェクトを識別することを含み得る、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記環境オブジェクトグラフを維持することはさらに、前記環境オブジェクトグラフ内のオブジェクトインスタンスを、少なくとも1つのオブジェクトとの階層的関連性を確率的に有するとしてインスタンス化することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記環境オブジェクトグラフを維持することはさらに、オブジェクトインスタンスの少なくとも2つの確率的に可能な状態をインスタンス化することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
オブジェクトを分類することは、第1の組の候補オブジェクトの初期分類モデルを介しオブジェクトを分類することと、前記初期分類モデルを介した前記オブジェクトの分類が分類条件を満たさなければ第2の組の候補オブジェクトの少なくとも第2の拡張分類モデルを介し前記オブジェクトを分類することとを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項25】
オブジェクトを分類することは、購買パターン、顧客購入履歴、および製品価格の組から選択された補足入力
データを取り出すことと;前記補足入力
データのうちの1つに少なくとも部分的に基づきオブジェクトを分類することとを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項26】
画像データを収集することは、チェックアウト処理システムにおいて画像データを収集することと;前記環境オブジェクトグラフを更新する際に補足入力としてPOS入力により生成される製品識別子を適用することとを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項27】
オブジェクト状態を検査して行為を実行することは:
前記環境オブジェクトグラフ内の低信頼性シナリオを検知することと;
前記環境の少なくとも1つの領域を規定する環境オブジェクトグラフ校正要求を伝達することと;
前記領域から入力された校正データを受信することと、
前記校正データ入力により前記環境オブジェクトグラフを更新することとを含み得る、請求項15に記載の方法。
【請求項28】
オブジェクト状態を検査することは、買物客関連オブジェクトインスタンスに関連付けられた製品オブジェクトインスタンスのチェックアウトリストを生成することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項29】
行為を実行することは:前記買物客関連オブジェクトインスタンスに関連付けられた口座へアクセスすることと、前記買物客関連オブジェクトインスタンスがチェックアウト領域内で検知されると前記チェックアウトリストを前記口座へ課金することとを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
行為を実行することは、前記買物客関連オブジェクトインスタンスの近傍のチェックアウト処理システムへ前記チェックアウトリストを伝達することを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
行為を実行することは、前記環境オブジェクトグラフを介し少なくとも部分的に駆動される在庫管理システムを提供することを含み、
前記在庫管理システムを提供することは:製品の保管寿命を報告することと、製品計数を報告することと、製品位置を報告することと、コンテナ内容を報告することとを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項32】
一組のメディアコンテンツセグメントについて、
前記環境オブジェクトグラフ内のモデリング信頼性を判断すること;
前記モデリング信頼性に基づき内容表現を選択することであって、
前記内容表現は、少なくとも1つのモデル化データ表現とメディア表現とを含む一組の選択肢から選択され
る、選択することと;
前記内容表現を保管することとをさらに含む請求項15に記載の方法。
【請求項33】
少なくとも1つの条件と行為とによりオブジェクト規則を構成することをさらに含む請求項15に記載の方法であって、オブジェクト状態を検査して行為を実行することは、前記オブジェクト規則の発生を検知することと前記オブジェクト規則の前記行為をトリガすることとを含む、方法。
【請求項34】
オブジェクトを分類することは、少なくとも画像特徴抽出および分類と畳み込みニューラルネットワークとを含むコンピュータビジョン駆動型プロセスを適用すること、を含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は参照のため本明細書に援用される2016年5月9日出願の米国仮特許出願第62/333,668号からの優先権を主張する。
【0002】
技術分野
本発明は、一般的には商行為および在庫管理の分野に関し、具体的には、環境内のコンピュータビジョン駆動型アプリケーションのための新しくかつ有用なシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
店および倉庫は通常、在庫を管理するチャレンジに直面している。運営的観点から、多くの洗練された事業運営はかなりの時間および資源を在庫の手動計数に注ぎ込む。このようなプロセスは、誤りに脆弱であり、在庫の状態に関する定期的見解を提供するだけである。
【0004】
顧客向き態様に関する在庫管理に関連して、店は、それらの製品および/またはサービスに対し顧客へ課金するための伝統的ツールおよびシステムに大いに依存する。伝統的販売時点情報管理(point of sale)システムとさらにはセルフチェックアウト選択肢は通常、長い列を生じ、買物経験に不満な顧客を残し得る。これは、物理的ショッピングがオンラインショッピング選択肢により脅かされる場合には特に有害であり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、商行為および在庫管理分野において、環境内のコンピュータビジョン駆動型アプリケーションのための新しく有用なシステムおよび方法を生成する必要性がある。本発明はこのような新しく有用なシステムおよび方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図面の簡単な説明
【
図2】好適な実施形態の例示的システムの概略図である。
【
図3】EOGが環境の様々な領域内のアプリケーションに適用される例示的シナリオの概略図である。
【
図4】本システムおよび方法を実現する際に使用される単一画像捕捉装置の概略図である。
【
図5】本システムの例示的画像捕捉装置構成の概略図である。
【
図6】本システムの例示的画像捕捉装置構成の概略図である。
【
図7】本システムの例示的画像捕捉装置構成の概略図である。
【
図8】本システムの例示的画像捕捉装置構成の概略図である。
【
図9】買物客の例示的経路の相互作用モデリングの概略図である。
【
図11】好適な実施形態の方法のフローチャート表現である。
【
図12】補足データ入力との例示的相互作用の概略図である。
【
図13】EOGを維持することに関与する反復プロセスの概略図である。
【
図14】アイテム計数推定によるオブジェクト分類と複合オブジェクトモデリングの例示的概略図である。
【
図15A】オブジェクト経路と、オブジェクト経路の終端点における関連する様々なオブジェクト経路セグメントとの概略図である。
【
図15B】オブジェクト経路と、オブジェクト経路の終端点における関連する様々なオブジェクト経路セグメントとの概略図である。
【
図16】以前のオブジェクト分類を変更するために、更新されたオブジェクト状態を運動経路全体にわたって伝播する概略図である。
【
図17A】複合オブジェクトモデリングおよび相互作用事象を含む例示的シナリオの概略図である。
【
図17B】複合オブジェクトモデリングおよび相互作用事象を含む例示的シナリオの概略図である。
【
図18】相互作用事象による複合オブジェクトモデリングおよびマルチステートモデリングを含む例示的シーケンスの概略図である。
【
図19A】複合オブジェクトモデリングと確率的マルチステートモデリングとを使用することによる様々なオブジェクト間の相互作用の概略図である。
【
図19B】複合オブジェクトモデリングと確率的マルチステートモデリングとを使用することによる様々なオブジェクト間の相互作用の概略図であり、
図19Bではオブジェクト状態更新を伝播し
図19Aのマルチステートモデリングを解決する;
【
図22】自動チェックアウトへ適用される方法のフローチャート表現である。
【
図23】チェックアウト処理システムとの統合に適用される方法のフローチャート表現である。
【
図24】チェックアウトリストを伝達する概略図である。
【
図25】買物客関連オブジェクトをチェックアウトリストへ分割する概略図である。
【
図27】メディアをEOGに従ってメタメディアストレージフォーマットで保管する概略図である。
【
図28】チェックアウトリストを生成することへ適用される方法のフローチャート表現である。
【
図29】EOGを維持する際の例示的プロセスインスタンスの概略図である。
【
図30】EOGを維持する際の例示的プロセスインスタンスの概略図である。
【
図31】EOGを維持する際の例示的プロセスインスタンスの概略図である。
【
図32】EOGを維持する際の例示的プロセスインスタンスの概略図である。
【
図33】EOGを維持する際の例示的プロセスインスタンスの概略図である。
【
図34】EOGを維持する際の例示的プロセスインスタンスの概略図である。
【
図35】EOGを維持する際の例示的プロセスインスタンスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施形態の説明
本発明の実施形態の以下の説明は、本発明をこれらの実施形態に限定するようには意図されておらず、むしろ当業者が本発明をなし、利用することを可能にするように意図されている。
【0008】
1.概要
好適な実施形態の環境内のコンピュータビジョン(CV:computer vision)駆動型アプリケーションのためのシステムおよび方法は、観測空間内のオブジェクトをシームレスに監視、追跡、および考慮するように機能する。本システムおよび方法は好適には、統計ベース手法を介しオブジェクト状態を考慮する撮像システムおよび処理エンジンを利用する。本明細書において説明されるシステムおよび方法は、
図1に示すように監視システムの運用能力を変換し、他のシステムとの新しいインテグレーションおよびアプリケーションを可能にし得る。
【0009】
本システムおよび方法は、不完全な入力源および未知状態に対して弾性があり、好適には、時間と空間全体にわたって新しい画像データにより自己修正するために縦型モデリング(longitudinal modeling)を適用し得る。本システムおよび方法は特に、オブジェクトの相互作用および動きに関心がある人オブジェクトまたは装置オブジェクト(例えば買物客、従業員、カート、バッグ)のそばの複数のオブジェクト(例えば製品)の追跡に依存するCV駆動型アプリケーションへ適用され得る。本システムおよび方法は、不完全な入力ソース下で動作し、新情報により理解を更新し得る。
【0010】
好適には、本システムおよび方法はオブジェクトツーオブジェクト(object-to-object)関連性を監視するように機能する。オブジェクトツーオブジェクト関連性は、別のオブジェクトを保有するまたは含む1つのオブジェクト、または恐らく当該オブジェクトで構成される1つのオブジェクトに関係し得る。オブジェクトツーオブジェクト関連性を介し、オブジェクトの状態は、時間と空間の様々なインスタンスにおいて直接確認可能かつ観測可能画像データ無しに、時間と空間全体にわたって追跡され得る。例えば、人は、店内のアイテムを取り上げ、当該アイテムを自身のポケットに入れる可能性があり、本システムおよび方法は、人が店を離れるときに当該人により保有された当該アイテムを計上し得る。
【0011】
本システムおよび方法は、環境内のオブジェクト内容、関連性、および/または有無の理解を更新するために、様々な点においてそして様々な時刻にコンピュータビジョン検知を使用し得る。視覚的識別可能製品を計上することに加え、不明瞭な目視観測物および視覚的に隠蔽されたオブジェクトは、上述のオブジェクトツーオブジェクト関連性などのオブジェクトおよび時間的関係を介したモデリングの定期的更新および伝播により計上され得る。物理的世界におけるオブジェクトのこの種の仮想表現は、在庫アイテム、従業員、買物客、コンテナ、保管要素(例えば棚)、異物、および/または任意の好適なタイプのオブジェクトなどのオブジェクトをモデリングすることを含み得る。
【0012】
本システムおよび方法により適用されるモデリングは、モデル化されたオブジェクト状態および関連性を一貫して反映する環境オブジェクトグラフ(EOG:environmental object graph)とここでは呼ばれるモデリングシステムを介し特徴付けられ得る。
【0013】
本システムおよび方法は広範な様々な環境において用途を有し得る。1つの変形形態では、本システムおよび方法は、在庫相互作用が構造化されていないショッピングエリアまたは販売フロアなどの開放環境内で使用され得る。買物客は、製品検査、製品移動、アイテムをカートまたはバッグへ追加すること、および/または他の相互作用を含む様々なやり方で在庫と相互作用し得る。例えば、本システムおよび方法は、食料雑貨店、大型箱型店、書店、コンビニエンスストア、ドラッグストア、靴店、および/または任意の好適なタイプのショッピング環境などの店内で使用され得る。ショッピング環境内で使用される際、本システムおよび方法は、より速くかついくつかのケースでは自動であり得る別のチェックアウトプロセスを容易にし得る。
【0014】
本システムおよび方法は代案として、製品との相互作用がより制約されかつ規定従業員相互作用へ概して限定される構造化された産業環境内で使用され得る。いくつかの産業環境は、構造化されたエンティティ在庫相互作用により主として特徴付けられ得る。エンティティは、人であってもよいし、ロボットアイテム移動機などの自動システムであってもよい。人およびロボットは両方とも、アイテムを環境へ追加するまたは環境から取り去る際、またはアイテムを移動する際に利用され得る。例えば、本システムおよび/または方法は、倉庫、保管設備、店のバックルーム、キャビネット、製造環境、および/または任意の好適な産業環境において使用され得る。
【0015】
本システムおよび方法は代替的に、私物を追跡するために自家内などの他のタイプの環境またはアプリケーション内で使用され得る。
【0016】
本システムおよび方法は好適には、
図2に示すように撮像装置の分散ネットワークを含む撮像システムと組み合わせて使用される。この撮像システムは店または隔離環境内に設置され得る。例えば、本システムおよび方法は、店先における在庫および買物客を監視し、保管および装填エリア内に保管された在庫を監視するために店環境内に配備され得る。本システムおよび方法の様々なインスタンス化は、様々なサイトにおける複数の店または位置が、協調的に作用し、管理者同士を繋ぐために高いレベルの洞察を提供し、および/または様々な位置全体にわたってデータ洞察をてこ入れし得るように、ネットワークアクセス可能コンピューティングプラットフォームに接続して使用され得る。
【0017】
本システムおよび方法は追加的に、より広い分散型システムにおいて実装される可能性があり、本システムおよび方法の運用論理は、撮像装置のネットワークにより1つの環境全体にわたって実行され得る。様々なCVベースアプリケーションが、様々な連続的または不連続的領域内で実行され得る。これは、内部領域CVベースアプリケーションおよび領域間CVベースアプリケーションを開始し得る地域的固有CV駆動型アプリケーションを可能にし得る。これは、複数の店が本システムおよび方法を使用するモールのような環境において使用される可能性がある。モールにおける本システムおよび方法は、各店領域内の自動チェックアウトのような店固有CV駆動型アプリケーションを可能にし得るが、また
図3に示すように店間またはモールレベル相互作用を可能にする可能性がある。
【0018】
本システムおよび方法は同様に、小規模で適用される可能性があり、EOGモデリングをカメラの視野内の様々な領域全体にわたって適用する単一カメラと共に働く可能性がある。一実施形態では、1つの位置における顧客によるオブジェクト相互作用は、顧客が別の領域に入るとシステム運用へ適用され得る。例えば、小さな棚のアイテムは、買物客によるアイテム選択が追跡され得るように監視される可能性があり、次に、自動チェックアウトプロセスは、
図4に示すように買物客が視野から離れるまたは出口を通ると、実行し得る。
【0019】
本システムおよび方法は、広範な様々なアプリケーションを有し、他の部品と組み合わせて使用され得る。1つの主アプリケーションとして、本システムおよび方法は自動セルフチェックに適用され得る。自動セルフチェックアウトは主として、顧客が店を離れるときの保有アイテムを知る目的を有するショッピングプロセス中に仮想カート(またはチェックアウトリスト)を生成または維持するシステムまたは方法により特徴付けられる。本システムおよび方法は、仮想カートの全体に対して顧客の口座へ自動的に課金するために使用されてもよいし、直接支払い(例えば現金による支払い、クレジット/デビットカードなど)のためのチェックアウト処理システム(例えば販売時点情報管理(POS:point of sale)装置またはパーソナルコンピューティング装置上の顧客アプリケーション)へ伝達され得る明細概要書を生成するために使用されてもよい。いくつかのケースでは、本システムおよび方法は、買物客の仮想カートまたは監視情報がチェックアウト処理システムを強化する際に使用され得る支援型チェックアウトにおいて使用され得る。
【0020】
本システムおよび方法は代替的に、図書館、レンタル店、倉庫または任意の好適なアイテム保管設備などにおける顧客によるアイテムの取り去りを考慮するように使用され得る。本システムおよび方法は代替的に、いくつかの位置へのアクセスを許可または制限するまたは空港、遊園地または体育館などにおけるこのようなアクセスに課金するために使用され得る。本システムは、食料雑貨店、コンビニエンスストア、マイクロコマース&無人店、バルクアイテム店、薬屋、書店、倉庫、モール、マーケット、カフェテリア、および/または商品またはサービスの商行為または交換を促進する任意の好適な環境などの広範な様々なショッピング環境に役立つように作られ得る。本明細書では、一組の累積アイテムのための自動セルフチェックアウトが本システムおよび方法の主例示的アプリケーションとして使用されるが、任意の好適なアプリケーションが使用され得る。
【0021】
実際のシステムおよび方法の例示的シナリオとして、本システムおよび方法は、買物客がシリアルアイルから箱をショッピングカート内へ追加することを検知し得る。カート内の箱の数はカメラの現在視野のために観測可能ではないかもしれない。しかし、本システムおよび方法は、様々な要因(例えば店内の買物客の位置)に基づくある確率的結果を有するある相互作用に基づきEOG内の在庫の内部表現を更新し得る。本システムおよび方法は例えば、棚が9つの箱を保持する90%の確率、棚が8つの箱を有する8%の確率、および7以下の箱を保持する2%の確率で予測するようにその理解を更新する。買物客のカートは同様に、ある組の内容を有する確率的分布を割り当てられ得る。ある将来時点で、買物客のカートは3つの可視シリアル箱を含むものと観測され得る。このような情報は、ショッピングカート内容が3つの箱を有する80%確率および4以上の箱を有する20%確率で予測されるように、EOG内の在庫表現を更新するために使用される。棚卸しが同様に調整される。他の将来観測が同様に、在庫表現をさらに更新するために使用され得る。POSチェックアウト、または手動棚卸しなどの他のオブジェクト入力もまた、確率を更新するために使用され得る。本システムおよび方法は好適には、様々な入力からのフィードバックに基づき物理的世界のシステムの内部表現の質を能動的に改善する動的人工知能を利用する。
【0022】
本システムおよび方法は追加的にまたは代替的に、在庫管理へ適用可能であり得る。伝統的に、在庫管理は、在庫の計数ベース理解を維持するために、入荷量、チェックアウト処理システム、明細領収書、および定期的手動棚卸資産会計を利用する。しかし、このような伝統的手法は、在庫のその理解において厳しく制限され得る。例えば、このような伝統的システムは製品「シュリンケージ(shrinkage)」(例えば、期待されたアイテム計数と実際の計数との相違はしばしば、盗難、製品誤配置、または不正棚卸資産会計から生じる)を考慮し得ない。一般的に、伝統的在庫管理システムはまた、店内に存在する間アイテムの信頼できる情報を提供し、その代わりに、店内のすべてのアイテムを計数する従業員をしばしば巻き込む時間がかかりかつ手動の在庫プロセスに依存し得る。本システムおよび方法は好適には、計数期待値だけを含む在庫状態のリアルタイム理解を提供し得るが、追加的にアイテム位置、アイテム相互作用履歴、棚保管期間監視、メディア、メタデータ、および/または他の情報を提供し得る。
【0023】
本システムおよび方法は追加的にまたは代替的に、セキュリティ、監査、分析、および/または視覚的監視に使用される監視へ適用可能であり得る。メディアとの相互作用、メディアおよびメディア情報の保管、および/またはメディアの内容への応答は本システムおよび方法の実施形態を介し対処され得る。
【0024】
本システムおよび方法は追加的にまたは代替的に、警告をトリガすること、および/または環境内の従業員またはシステムに指示することへ適用可能である可能性がある。いくつかの変形形態では、カスタム化されたオブジェクト規則が、様々なタスクの実行をトリガするように構成され得る。例えば、従業員警告は、冷凍オブジェクトが取り去られ冷凍庫の外の棚上に残されるとトリガされる可能性がある。
【0025】
関連拡張として、本システムおよび方法は、特定/カスタムアプリケーションのカスタム化運用論理用に実現され得る、および/または外部システムと一体化され得る。例えば、プログラマティックインターフェースは、他のシステムが本システムおよび方法のオブジェクトモデリング能力をてこ入れし得るように使用可能にされる可能性がある。本システムおよび方法は同様に、別のアプリケーションに使用される可能性がある。
【0026】
本システムおよび方法は多様な潜在的恩恵をもたらし得る。1つの潜在的恩恵として、本システムおよび方法は、散らかった環境に対しロバストな監視能力を提供し得る。本システムおよび方法は構造化されずかつ予期されないオブジェクト相互作用を考慮し得る。本システムおよび方法は好適には、自己修正するように、および不完全検知のシナリオを考慮するように様々な手法を利用する。この潜在的恩恵に関連して、本システムおよび方法は、誤りを起こしがちでありかつ正規使用においてロバストでないかもしれない複雑なオブジェクト相互作用の視覚的検知への依存性を回避し得る。本システムおよび方法は、可能であればいくつかの実施形態では相互作用検知手法を使用し得るが、好適には、このような検知が失敗するかまたは直接観測可能でない場合に補正し得る。様々なCVアルゴリズム手法へ一般化され得るシステムおよび方法として、本システムおよび方法のアーキテクチャは、特定CVアルゴリズムへ限定されることなく実現され得、産業の進歩に伴ってシームレスに改善し得る。
【0027】
別の関連潜在的恩恵として、本システムおよび方法は観測の穴に対処し得る。他のオブジェクト内のオブジェクトの妨害、不鮮明な視野、および隠蔽はすべて、既存手法がロバストなオブジェクト追跡を提供するのを妨げてきた要因である。本システムおよび方法は、間接的検知、オブジェクトモデリングの伝播、および/または反事実的予測など様々な手法を採用することによりこのような状況下で動作し得る。
【0028】
別の潜在的恩恵として、本システムおよび方法は多様な監視システムインフラストラクチャに対処し得る。本システムおよび方法は、任意の数の撮像装置と任意の質の撮像装置とを有し得る様々な監視システムと共に使用され得る。いくつかのケースでは、単一カメラを有する実施形態を含む限定数のバジェット(budget)撮像装置が低コスト解決策として使用され得る。他のケースでは、環境は、様々な角度から画像データを提供する様々な撮像装置のネットワークを有し得る。いくつかのケースでは、既存監視システムが、システムを実現する際に利用され得る。さらに他のケースでは、可視光、赤外線、ライダー、レーザ、レーダ、ソナー、音響センサ、電磁気信号マッピングシステム、および他のセンサの組み合せが使用され得る。これに関係して、本システムおよび方法は好適には、撮像装置の精密かつ時間がかかる校正に依存すること無く動作し得る。
【0029】
自動セルフチェックアウトおよび他のアプリケーションにおいて利用され得る別の潜在的恩恵として、本システムおよび方法は、買物客巡回を介した製品との買物客相互作用の検知および監視を可能にし得る。ショッピング経路、アイテムがカートへ追加された順番、棚からアイテムを選択するための時間(例えば棚検査時間)、棚から離れる時のカートの最終内容、および/または他の要因が、本システムおよび方法を介し検知可能であり得る。1つの変形形態では、本システムは、チェックアウトプロセスの自動化部分に使用され得る。例えば、顧客または従業員チェックアウトキオスクまたは他のチェックアウト処理システムが機能強化のために本システムおよび方法を使用し得る。別の変形形態では、本システムは、製品が支払い無しに店から取り去られなかったということを検証する際に使用され得る。
【0030】
1つの潜在的恩恵として、本システムおよび方法は棚卸資産会計に対処し得る。店および管理者は製品の在庫範囲をより効率的に知り得る。製品発注、在庫寿命または「健康」(例えば保管の期間、個々のアイテムの有効期限)の監視、および/または在庫の処理もまた、本システムおよび方法を介し容易にされ得る。
【0031】
関連潜在的恩恵として、本システムおよび方法は、アイテムの位置が照査され得るように、店内のアイテムを追跡する際に使用され得る。加えて、本システムおよび方法はオブジェクト関係を監視する際に使用され得る。オブジェクト関係は、どのオブジェクトが別のオブジェクトを保管するために使用されたか、特定オブジェクトの接触/近接性、および/または他のオブジェクト関係などの関連性および相互作用を含み得る。警告、または特定条件のための他の行為をトリガするための方針が設定され得る。例えば、アイスクリームカートンが冷凍庫から取り去られ、次に棚上に放置されれば、アイスクリームカートンが設定時間量の間冷凍庫の外にあり、静止しているものとして検知されたので警告が発せられる可能性がある。
【0032】
別の潜在的恩恵として、本システムおよび方法は、視覚的監視システムの代わりにまたはそれを支援するために使用され得るデータ駆動型監視手法を提供し得る。データ駆動型監視手法は、より広い時間枠の店監視を可能にする恩恵および/または特定状況におけるメディア品質を選択的に優先付けする恩恵を有し得る。
【0033】
本システムおよび方法は同様に、多種多様のアプリケーションのためにてこ入れされ得る環境内の詳細なオブジェクト監視のレベルを高めることにより他のアプリケーションにおいて恩恵を発揮し得る。
【0034】
環境オブジェクトグラフモデリング概要
本システムおよび方法は好適には、環境全体にわたって時間および空間内でオブジェクトを確率的に検知、追跡、およびモデル化するために使用され得る環境オブジェクトグラフ(EOG:environmental object graph)モデリングシステムを適用する。
【0035】
EOGは通常、環境内の物理的アイテムをオブジェクトとして表す手法であって、アイテムとしての当該仮想表現が移動、追加、除去、および変更されるのを維持する手法を記述する。EOGは好適には、分類されたオブジェクトのデータ表現構造であり、ここでは、EOG内のオブジェクトのインスタンスが様々な確率的オブジェクト関連性を有し得る。EOG内のオブジェクト表現は、新情報の流れに従って連続的にまたは定期的に更新される。新情報は、新たに分類されたオブジェクト、オブジェクト間の相互作用、オブジェクトの追跡、および/またはチェックアウト処理システムからのトランザクションデータのような補足データ入力などの他の入力を通して発生し得る。
【0036】
EOGは特に、ユビキタス撮像システムを有する環境と組み合わせて適用可能であり得る。EOGシステムは、環境内のオブジェクトの表現およびオブジェクトの関係を構築するために様々な視点からおよび/または様々なインスタンスにおいて複数の画像ベース観測結果を利用し得る。
【0037】
確率的オブジェクトモデリングは、複合オブジェクトモデリング、マルチステートの確率的モデリング、および/またはEOGを介したモデリングの伝播のためにEOG内で適用され得る。
【0038】
複合オブジェクトモデリングでは、EOGシステムは好適には、含まれたオブジェクトの確率を予測またはモデリングすることを可能にする。相互作用事象検知と組み合わされると、これは、オブジェクトの知覚された外観、オブジェクトの消失、オブジェクトの分割、またはオブジェクトのマージを考慮する際に使用され得る。
【0039】
複数状態の確率的モデリングは、潜在的な現実の複数のオブジェクト状態を維持することを容易にする。例えば、オブジェクトは、ある尤度で買物客により選択されたものとして、および観測されないように棚の中のさらに奥に押し込まれものとしてモデル化され得る。確率的モデリングは、最も可能性の高い状態をより自信を持って識別するために、および/またはアプリケーション動作が要求されるとモデリングを予測状態へ分割するために、更新通知を通じて更新され得る。
【0040】
モデリングの伝播では、異なる時点におけるおよび/または異なるカメラからの更新オブジェクト分類情報などの新情報が、関連オブジェクト全体にわたって伝播され得る。モデル伝播は、オブジェクト分類、オブジェクト追跡、オブジェクト関連性、複合オブジェクトモデリング、および/またはマルチステートモデリングを更新するために使用され得る。
【0041】
一実施形態では、EOG内のオブジェクトの表現は、分類と、恐らく一組の含まれたまたは関連付けられたオブジェクトとを含み得る。分類は、SKU(最小在庫管理単位:stock keeping unitまたはグローバル一意識別子)、一般的オブジェクト(例えばリンゴ箱、買物客、棚、大量の商品)、または今のところ未知なオブジェクトとしてのものであり得る。分類は通常、信頼水準と恐らく一組の他の分類選択肢とを伴うことになる。1つの変形形態では、モデル化された一組の含まれたオブジェクトが、零を含む任意の数のオブジェクトを含み得る。含まれたオブジェクトは、ある確率で内容の一部であるとして表される。含まれたオブジェクトは、延いては、その中に含まれた別のオブジェクトを有する等々、再帰的であり得る。
【0042】
オブジェクトは追加的に、関連付けられた他の特性を含んでもよいし、他の特性に関連付けられても良い。例えば、SKU分類を有するオブジェクトは、価格、名称、重さ、サイズ寸法、および/または他の特性を有する在庫アイテムに関連付けられ得る。コマースアプリケーションでは、オブジェクトは、製品人気、関連製品、マージン/利益、製造者/配給者、販売優先度、および/または他の運営関連特性などの事業運営特性を含み得る。EOGは、在庫が追跡される環境内で使用される際に、在庫状態を予測するために使用され得る。在庫状態は、計数、位置、オブジェクト関連性(例えば、アイテムが特定箱の内部にある)、在庫履歴、および/または他の特性を含み得る。EOGは追加的に、買物客または従業員により取り上げられたアイテム、オブジェクトの保管技術、および/または他の情報を予測するために使用され得る。
【0043】
先に述べたように、オブジェクトは、在庫アイテムに一致するかもしれないSKUオブジェクトとして分類され得る。SKUオブジェクトは好適には、特定識別子を有する単一アイテムに関係するとして特徴付けられる。価格、寸法、重さ、製品メディア(例えば分類において使用される製品写真の履歴)および他の特性などの特性を含み得る識別子が、好適には、製品(例えば製品オブジェクト)に関連付けられる。本明細書では、アイテムは通常、別途規定しない限り、物理的製品、アーティファクト、またはEOGのオブジェクトに対応する表示を指し得る。SKUオブジェクトは実質的に不可分であり得る。本明細書では、不可分性は通常、環境という文脈の中のものである。例えば、特定のシリアル箱は、現実ではそれが通常は箱と個々のシリアルとから構成されるであろうとしても店という文脈内では不可分であると考えられ得、依然として、1つの箱として保管され販売される。いくつかのシナリオでは、SKUオブジェクトは、EOG内で分割され得(例えば6パックの飲料)、時折異なるやり方で特徴付けられたオブジェクトを生じる。
【0044】
EOGは追加的に、特殊特性に関連付けられ得る他のタイプのオブジェクト分類を含み得る。環境内の他のタイプのオブジェクトは、買物客、従業員、ショッピングカート、保管装置(例えば棚)、製品移動装置(例えばフォークリフト)、および/または他の好適なオブジェクトを含み得る。
【0045】
2.システム
【0046】
図1に示すように、好適な実施形態のシステムは撮像システム100およびEOGシステム200を含み得る。本システムは第1には、環境内の物理的アイテムを追跡および考慮するように機能する。EOGシステムは、環境の内容のコンピュータベース表現を構築する際に画像ベースオブジェクト検知を利用するように機能する。EOGシステムは、オブジェクトのその表現を構築する際に多様な手法を利用し得る。本システムは追加的に、仮想カート管理システム、チェックアウト処理システム、在庫管理システム、および/または他の補足的システム部品を含んでもよいし、これらと組み合わせて使用されてもよい。本システムは好適には、撮像システム100と組み合わせて使用されるが、本システムは同様に、外部撮像システムからの画像データにより駆動されるEOGシステム200であり得る。
【0047】
撮像システム
【0048】
撮像システム100は
図2に示すように環境内のメディアを収集するように機能する。撮像システム100は好適には、一組の画像捕捉装置110(例えばディジタルカメラ)を含む。画像捕捉装置100は、可視光像、赤外線像、深さベース像、ライダー像、レーダ像、ソナー像、および/または他のタイプの像のいくつかの組み合せを収集する可能性がある。変形形態では、撮像システム100は、環境内に分散されるとともにある範囲の別個の視点に位置する多数の画像捕捉装置110である。好適には、撮像システム100は高密度撮像システムである。高密度撮像システムは好適には、画像捕捉装置により通常は観測される環境の関連部分の大部分により特徴付けられる。大部分は、一例では、関心表面積の95%より大きいものとして特徴付けられ得る。高密度は追加的に、冗長カバレッジを有するものとして特徴付けられ得る。一例では、高密度撮像システムは100平方フィートの関心表面積(例えば地上、製品保管面などの)毎の1台のカメラにより特徴付けられ得る。小さな食料雑貨店のような環境では、これは、2000平方フィートの関心表面積のカバレッジのために分散された20台のカメラであり得る。撮像装置120対環境空間比は任意の好適な比であり得る。別の変形形態では、撮像システム100は単一画像捕捉装置だけを含み得る。
【0049】
画像データは好適には映像であるが、代替的には一組の定期的静止画像であり得る。一実施形態では、撮像システム100は既存監視システムまたはビデオシステムから画像データを収集し得る。画像捕捉装置110は固定位置に恒久的に位置し得る。代替的に、画像捕捉装置110または画像捕捉装置のサブセットは、より変化に富む遠近視界を取得するために施設全体にわたって移動、パン、ズーム、または運搬され得る。
【0050】
本システムは、広範な様々な撮像システム100セットアップを収容し得、安価な市販品画像捕捉装置110を使用する一方でロバストであり得る。画像捕捉装置110は画像捕捉構成で設定され得る。一実施形態では、撮像システム100は様々な画像捕捉構成の一組の画像捕捉装置110を含み得る。様々な画像捕捉構成は、様々なシステムが視点を特定タイプのオブジェクト情報へ提供することに注力することを可能にするように機能する。例えば、一組の画像捕捉構成は、在庫保管捕捉構成、相互作用捕捉構成、オブジェクト識別捕捉構成、および/または移動可能捕捉構成を含み得る。様々な構成は、特定タイプの画像捕捉装置110および/またはあるタイプの画像捕捉装置の使用に関わり得る。
【0051】
在庫保管捕捉構成はそれらの期待保管位置における在庫を視るように機能する。在庫保管捕捉構成は、
図5に示すように在庫アイテムを保持する棚またはストレージソリューションへ向けられたカメラを含み得る。通常、在庫保管捕捉構成の画像捕捉装置からの画像データは、保管在庫へ向けられた視野の大部分を有することになる。在庫保管捕捉構成は、相互作用前、相互作用中、および相互作用後の棚上のオブジェクトへの変更を検知する際に使用され得る。多様な在庫保管捕捉構成が使用され得る。例えば、オーバーヘッド在庫保管捕捉構成は、対角線方向下方の棚へ向けられた画像捕捉装置を有し得る。別の例では、直接在庫保管捕捉構成は、製品保管エリアへほぼ向けられた(例えばアイル全体にわたって取り付けられた)画像捕捉装置であり得る。別の変形形態では、在庫保管捕捉構成は、画像捕捉装置が保管要素の内部視点を有するように配置された内部在庫保管捕捉構成を含み得る。例えば、画像捕捉装置は、棚の後ろから製品を視るために棚の内側に配置され得る。
【0052】
相互作用捕捉構成は、オブジェクト間の相互作用を検知し特徴付けることにより機能し得る。特に、相互作用構成は、
図6に示すように人オブジェクトと棚オブジェクト間の相互作用を検知し特徴付けるように構成され得る。相互作用構成は、人と棚間の相互作用の性質を検知し得る。基本実施形態では、相互作用捕捉構成は、棚上のオブジェクトと相互作用するために棚の前面など製品周囲の規定面へ人が押し入るかどうかを検知する。相互作用捕捉構成は、どのように人が在庫保管複合と相互作用するかを示すように棚の面とほぼ同一平面である方向に向けられるビデオカメラを含み得る。例えば、店内で、相互作用捕捉構成のカメラはアイルに向かって下方向に向けられ得る。それぞれがアイルのサブセクションとの相互作用事象を検知するようにされた一連の撮像装置が、アイルに向かって定期的に下方向に配置され得る。
【0053】
オブジェクト識別捕捉構成は、オブジェクトを特定アイテムとして一意的に識別する際に使用され得る。このようなオブジェクト識別捕捉構成は様々なシナリオ用にカスタム化され得る。人集中型(person-focused)変形形態が、人ベースオブジェクトを検査するために使用され得る。店内で、人集中型捕捉構成は、
図7に示すように買物客のショッピングカート内のアイテムを検知するように上方から下方へ向けられた画像捕捉装置を含み得る。別の変形形態では、人集中型構成は、頭の高さ(例えば3フィート超~9フィート未満)に取り付けられ、人をその顔特徴に基づき識別する際に使用され得る。チェックアウト集中型(checkout-focused)変形形態はチェックアウトプロセス中にオブジェクトを識別するように機能し得る。チェックアウトプロセスは、買物客または従業員が製品を検査領域内に物理的に提示することなど、より鮮明なアイテムの提示を含み得る。例えば、ユーザがアイテムをコンベヤベルト上に置くことを要求され得る。チェックアウト変形形態は、オブジェクトを検知しチェックアウト相互作用に基づきEOGを更新するための1つまたは複数の撮像装置を含み得る。別のタイプの構成は、撮像装置がデータを収集するために特定オブジェクトまたは位置をターゲットとし得るように高精細度カメラと作動マウントとを使用することに関わり得る。
【0054】
可動捕捉構成が、画像データを動的位置および/または配向から提供するように使用され得る。可動捕捉構成は動的状況に適応するように使用され得る。例えば、
図8に示すように、1つまたは複数の撮像システム100が、ロボットまたは人へ取り付けられ得、撮像装置が環境中を移動されるにつれて画像データを収集し得る。可動構成は、より高い解像度視点を収集する際にまたはそうでなければ妨害された視点を収集する際に使用され得る。可動捕捉構成は追加的に、モデリング問題を解決する際に使用される画像データを収集する際に校正ツールとして使用され得る。
【0055】
一般的使用では、ほとんどの捕捉構成は、混合使用されるものとし、説明された状況のうちの1つまたは複数に関する情報を供給するものとする。
【0056】
画像捕捉装置110からの画像データは好適には、EOGシステム200の処理部品へストリームされるまたはそうでなければ伝達される。
【0057】
EOGシステム
【0058】
EOGシステム200はEOGモデル表現を生成し、実行し、および/またはそうでなければ維持するように機能する。EOGシステム200は好適には、モデルを保管しそれと相互作用する際にEOGおよびデータシステムを維持する際に使用される運用プロセスの組み合せである。様々なデータデータベースおよびモデリング実施形態がEOGシステム200を実現する際に使用され得る。EOGシステム200は好適には、EOGデータシステムを管理するためにEOG処理エンジン210を使用する。EOGは好適には、撮像システム100および/または外部画像データソース(例えば既存監視システム)からデータを受信するための撮像システムインターフェースを有する。EOGシステム200は追加的に、データサービスからデータを収集するまたはデータサービスを更新する際に使用され得る1つまたは複数の補足データインタフェースを含む可能性がある。例示的補足データ入力は、購入パターンデータ、顧客購入履歴、製品価格データ、在庫データ(例えば出荷オーダ、在庫マップ/プラノグラムなど)、購入トランザクションデータ、および/または他のデータ入力を含み得る。加えて、EOGシステム200は、EOGと相互作用することを容易にする検査または照会インターフェースを含み得る。上記検査インターフェースは、チェックアウト処理システムまたは在庫管理システムなど他のシステムを組み込むために使用され得る。上記検査インターフェースは、EOG内のオブジェクト状態に応じて働くことを可能にし得るEOGの単純または複雑な照会または解析を行う際に使用され得る。
【0059】
EOGシステム200はコンピューティングシステム内で動作可能であることが好ましい。1つの変形形態では、コンピューティングシステムは、視覚システムへ接続されるコンピュータ上で走るアプリケーションなどの構内(on-premise)コンピューティングソリューションである。別の変形形態では、コンピューティングシステムは、処理の一部またはすべてが離れた位置で行われるリモートコンピューティングソリューションである。例えば、クラウドまたは分散コンピューティングシステムが使用され得る。または、構内システムは、視覚システムからメディアストリームを収集するなど計算作業の一部を行い得、残りの計算作業は離れた位置で行われる。より好適には、EOGシステム200は撮像システム100の画像捕捉装置110と一体化される。ここでは、EOGを維持するプロセスは、撮像装置全体にわたって分散され、データ通信および/または保管期限またはチャレンジを軽減するように機能し得る。
【0060】
EOG処理エンジン210は、インバウンド/アウトバウンド製品発注、項目別POSチェックアウト報告、手動在庫入力、および/または他のオブジェクト入力などの他のデータ入力だけでなくコンピュータビジョンシステムからの入力も利用する。環境の運営面に関係し得る補足データ入力が、分類を変更する際に、EOGにおけるモデリングの際に、および/またはEOGを検査または解釈する際に使用され得る。
【0061】
様々な入力が、EOG処理エンジン210により処理され、情報を保管する際にまたはEOGデータシステム内に保管されたEOG表現を更新する際に使用される。EOGシステム200は、複合オブジェクトを階層順に特徴付け得る。オブジェクトは親と子の関係を有し得る。オブジェクトの親は通常、前者を含むオブジェクトである。オブジェクトの子は前者が含むオブジェクトである。例えば、林檎を含む箱は、親オブジェクトとして箱そして子オブジェクトとして林檎を有することになる。EOGは追加的に、オブジェクト関係に関連付けられた履歴データを表し得る。例えば、複数の買物客がそれぞれ箱からアイテムを取り去り得る。買物客により保有されたアイテムはその時点で知られていないかもしれない。1人の買物客による林檎のその後の識別は、林檎が含まれた箱の表現を更新するために使用され得、これは次に、他の買物客により保有された林檎と同じ箱からのこれらのアイテムの理解を更新するために使用され得る。この例では、オブジェクト関係を介した情報の伝播は同様に、箱が由来する枠箱の表現およびEOGシステム200内の他の様相を更新するために使用され得る。
【0062】
EOGを維持するプロセスでは、EOGシステム200は、環境内のアイテムの状態(例えば在庫)についての結論を引き出すために多様な手法を使用し得る。一実施形態では、EOGシステム200は、静的プロセス、相互作用プロセス、および/または連想型伝播プロセスなどのプロセスを介し情報更新を引き出し得る。
【0063】
EOG処理エンジン210は好適には、所与インスタンスからのデータが当該インスタンスにおけるオブジェクトのEOGの表現を更新するために部分的に使用される静的プロセスを実施する。静的プロセスは、オブジェクトセグメントテ-ション、分類、オブジェクト追跡、および/または画像データの他のアルゴリズム駆動型結論に関係し得る。静的プロセスは、データ入力のリアルタイムコンピュータビジョン解析であり得、これはEOGの履歴ベースオブジェクト関連性を必ずしも考慮すること無く入手可能情報を利用する。静的プロセスは好適には、コンピュータビジョンシステムまたは撮像システムからの現画像データを使用する。静的プロセスの1つの変形形態では、コンピュータビジョンおよび他の手法が、オブジェクトを識別する際に使用され得る。オブジェクトの分類は、SKUオブジェクト識別、一意的買物客識別、一般的オブジェクト分類、または未確認オブジェクト分類を含み得る。
【0064】
分類は、画像特徴抽出および分類、統計的機械学習、ニューラルネットワーク、発見的プロセス、および他の好適な手法の使用をてこ入れし得る。1つの変形形態では、視覚的ワードプロセス、一群の特徴分類プロセス、およびバグオブワード(bag-of-words)分類プロセスのようなプロセスを使用し得る画像特徴抽出および分類が、画像データ内に存在する複数のオブジェクトを分類する際に使用され得る。これらおよび他の分類技術は、スケール不変特徴変換(SIFT:scale-invariant feature transform)、speeded up robust features(SURF)、様々な特徴抽出技術カスケード分類子(feature extraction techniques cascade classifier)、Naive-Bayes、サポートベクターマシン、および/または他の好適な技術の使用を含み得る。別の変形形態では、Fast regional-CNN(r-CNN)、Faster R-CNN、Mask R-CNN、および/または他のニューラルネットワーク変形形態および実施形態などのニューラルネットワークまたはCNNがコンピュータビジョン駆動型オブジェクト分類プロセスとして実行され得る。
【0065】
オブジェクトの追跡は同様に、生画像データに作用するプロセスであり得る。オブジェクト追跡は、オプティカルフロー、アルゴリズムターゲットロックおよびターゲット再取得(algorithmic target locking and target re-acquisition)、データ駆動型推論、発見的プロセス、および/または他の好適なオブジェクト追跡手法などの様々な技術を使用し得る。本明細書において論述されるように、EOGは追加的に、オブジェクトの分類および追跡を補完または容易にするために使用され得る。
【0066】
静的プロセスは追加的に、文脈情報を収集または生成する際に使用され得る。オブジェクト分類に関係する文脈情報が、当該オブジェクトの表現を構築する際に使用され得る。文脈情報は、画像を捕捉したオブジェクトまたは撮像装置の位置、時刻、シードされたまたは既存在庫情報または規則、および/または他のタイプの文脈情報を含み得る。例えば、期待出荷納期の時刻前後に食料雑貨店の倉庫保管部内で検知された林檎枠箱として識別された箱は最初に、中程度に高い尤度で大箱の林檎(例えば40個の林檎)を含むと想定され、そのように表され得る。
【0067】
EOG処理エンジン210は追加的に、オブジェクト相互作用に基づき環境内のアイテムの状態に関する結論を引き出すように機能する相互作用プロセスを含み得る。相互作用プロセスは、オブジェクト間のある領域内のオブジェクトの近接性、接触、および/または変化に一般的に関連付けられる2つ以上のオブジェクトを含み得る。例えば、2つのオブジェクトの表現は、オブジェクト同士が接触するまたは特定近傍内に移動されると更新され得る。
図9に示すように、店内の買物客の経路は、店内の特定オブジェクトへの近接性に基づき買物客オブジェクトのEOGを変更し得る。相互作用プロセスは多種多様のオブジェクト変換を含み得る。オブジェクト変換は通常、第1の組のオブジェクトの第2の組のオブジェクトへの移行を示す。相互作用プロセスは追加的に、一方または両方のオブジェクトの分類、識別、または確率的表現の変化を含み得る。
図10に示すように、相互作用事象に関係する基本オブジェクト変換の例は、オブジェクトの内容を露出すること、別のオブジェクトによりオブジェクトを隠蔽すること、オブジェクトを2つ以上のオブジェクトに分割すること、一組のオブジェクトをマージすること、オブジェクトの出現、およびオブジェクトの消失を含み得る。
【0068】
EOG処理エンジン210は追加的に、環境内のアイテムの状態に関する結論を観測の履歴全体に渡る観測に基づき引き出すように機能する連想型伝播プロセスを有し得る。上記伝播プロセスは通常、EOGを更新する際に相互作用または静的プロセスより長い時間にわたって収集された入力に依存する。伝播プロセスでは、EOGの一部に対する更新は、時間または空間における1つまたは複数の他のインスタンスにおいてEOGの第2の部分を更新するために、歴史的オブジェクト関連性および関係を介し伝播し得る。伝播プロセスは好適には、静的プロセスおよび相互作用プロセスと組み合わせて使用される。
【0069】
伝播プロセスの一般的例として、箱は当初、低確率でリンゴ箱として(誤って)特徴付けられ、したがって林檎を含むものと想定される。第1の買物客がアイテムを取り去るのが見られるが、当該アイテムは明確には特定されないので、第1の買物客は、林檎を取り去り、それをショッピングカートへ追加したものとして最初に更新される(誤って)。第2の買物客が同じ箱からあるオブジェクトを取り去るのがその後見られるが、当該オブジェクトははるかに高い確率でグレープフルーツとして分類される。EOG内の箱はグレープフルーツを含む可能性がより高いとして更新され得る。加えて、EOG内の第1の買物客はまた、EOGシステム200の伝播プロセスを通じて、グレープフルーツを保有するとして更新され(例えば「含む」としてモデル化され)得る。初期静的プロセスにおいて誤りが犯され得るが、これらの誤りは好適には、後で補正され得るので、本システムにより十分に耐えられる。このようにして、EOG全体の表された質は時間の経過とともにより正確となるように能動的に進化し得る。初めに正しく行う機会よりも、誤りを訂正するより多くの機会があるので、EOGシステム200全体は非常に高い確実性で機能する。
【0070】
本システムは追加的に、オブジェクト所有情報を提供するように機能する基準オブジェクトデータベースを含み得る。オブジェクト所有情報は、いくつかの変形形態では、EOGシステム200を介しオブジェクトをモデリングする際に使用され得る。オブジェクト所有情報は代替的にまたは追加的に、いくつかのアプリケーションでは、モデル化されたオブジェクトを適用する際に使用され得る。
【0071】
基準オブジェクトデータベースは好適には、少なくとも1つの在庫基準データベースを含む。在庫データベースは好適には、製品またはSKU情報、およびアイテム物理的特性などの特性、価格などのアイテム事業資産、購買人気、関連アイテム、および/または他の情報を含む。製品の一組のイメージトレーニングサンプルが追加的に、基準オブジェクトデータベースの一部であり得る。
【0072】
基準オブジェクトデータベースは追加的に、人間特性に関係する情報を保管およびモデル化するように機能する人間基準データベースを含み得る。これは、バイオ識別モデルへの参照を含み得る。人間基準データベースは追加的に、個人的ショッピングパターン、欲しい物リスト、支払い情報、口座設定、および/または任意の好適な情報を含み得る。個人的ショッピングパターンは過去の購入の履歴を含み得る。個人的ショッピングパターンはまた、アレルギー、栄養制約またはゴールなどの個人的情報、およびまたはEOGシステムに通知し得る他の個人的情報を含み得る。
【0073】
他のオブジェクト基準データベース部品が他の情報へのアクセスを可能にし得る。例えば、環境オブジェクトデータベースは、棚、ビン、カート、バスケット、冷凍庫、フォークリフト、および/または環境内の他の一般的観測可能オブジェクトなどの他の存在するオブジェクトに関係する情報を保管し得る。
【0074】
システムインテグレーション選択肢
【0075】
本システムは好適には、EOGに部分的に基づき動作する1つまたは複数の追加システムと組み合わせて使用される。追加システムは好適には、EOGを介しオブジェクト状態を検査し、次に、当該オブジェクト状態に基づきいくつかの行為をトリガするように機能する。これらの行為は、環境を監視する際に、本システムの状態を変更する際に、および/またはある外部行為を行うために使用され得る。潜在的補足システム部品は、仮想カート管理システム310、チェックアウト処理システム320、在庫管理システム330、校正ツール340、通知システム350、メタメディア保管システム360、手動タスク管理システム370、管理システム380、および/または他の一体化システム部品を含み得る。
【0076】
仮想カート管理システム
【0077】
いくつかの変形形態では、本システムは、最終的トランザクションに関与し得る収集されたアイテムのコマースモデルを管理することを容易にするように機能する仮想カート管理システム310を含み得る。仮想カート管理システムは好適には、「仮想カート」またはチェックアウトリストへ割り当てられ得るSKUオブジェクトの項目別リストを判断する際にEOGモデルに作用する。仮想カートは、トランザクション(例えば購入トランザクション、レンタルトランザクション、使用トランザクションなど)のために選択された一組のアイテムを指す。ここで、アイテムの選択は、人間の買物客、カート、バスケット、バッグ、箱、および/またはより一般的にはチェックアウト領域内の一群のオブジェクトのうちの1つまたは複数であり得る分類された買物客オブジェクトに関連付けられるものと解釈される。例えば、仮想カートは、買物客により保有されるオブジェクトで構成され得るが、代替的に、カート、バスケット、および/または任意の好適なエンティティまたはエンティティの組み合せに含まれるアイテムである可能性がある。仮想カートは好適には、買物客オブジェクトにより「保有される」または「含まれる」としてモデル化されたオブジェクトを検知することによりEOGシステム200から部分的に生成される。仮想カート管理システム310は複数の仮想カートを同時に管理し得る。
【0078】
仮想カート管理システム310は、当該オブジェクト状態情報のEOGを検査し、EOGモデルからのオブジェクトを予測SKUオブジェクトのリストへ変換するカート解決プロセスを含む。例えば、仮想カート管理システム310は、買物客が店のチェックアウト領域内にいるときに、買物客により所有されるおよび/またはカート内に含まれる一組の予測オブジェクトを識別し、次に、一組の予測オブジェクトをチェックアウトリストに変換する構成を含み得る。この変換は、オブジェクトモデリング(例えば分類)の信頼性と、製品を含むまたは含まない運営費(例えば顧客満足度への影響、潜在的売り上げを失う財務コストなど)とを考慮し得る。加えて、補足データ入力は、CV駆動型モデルから運営コストを反映するチェックアウトリストへ変換する際に使用され得る。発見的方法、深層学習、および/または他の技術が変換プロセス中に適用され得る。一例では、SKUオブジェクトは分類信頼水準に基づきチェックアウトリストへ追加され、信頼水準閾値は、SKUオブジェクト価格、人気、および/または他の運用データ入力に基づき変えられ得る。いくつかのケースでは、上記解決プロセスは、当該オブジェクトのEOGモデリングの信頼性が特定条件を満足しない場合に顧客に過課金するのを回避するためにまたは顧客に製品の課金をしないようにバイアスされ得る。これは、コンピュータ検知プロセスの上に業務運営目的をレイヤ化するように機能し得る。
【0079】
EOGの複合オブジェクトモデリング様相は、1つの領域内の観測が、隠蔽オブジェクトを第2の領域内に存在するものとしてモデル化することに帰着し得るように使用され得る。上に論述されそして本明細書においてさらに説明されるように、EOGは、特定位置におけるオブジェクトの存在を維持する際に当該オブジェクトの直接観測に依存しない。このようにして、チェックアウト領域内で視界から隠蔽されたショッピングカート全体内のすべてのアイテムは、チェックアウトプロセス中に仮想カートに関連付けられ得る。
【0080】
チェックアウト処理システム
【0081】
いくつかの変形形態では、本システムは追加的に、チェックアウト処理システムとEOGシステム200の動作とを一体化するように機能するチェックアウト処理システム320を含み得る。チェックアウト処理システム320は、仮想カート管理システム310と組み合わせてまたはそれとは独立に使用され得る。チェックアウト処理システム320は、チェックアウトプロセスを容易にする販売時点情報管理(POS)キオスクのような物理的システムであり得る。チェックアウト処理システム320は、チェックアウト処理システムからデータ(例えばバーコードリーダデータ、トランザクションデータなど)に直接または間接的にアクセスするために、および/またはPOS装置にチェックアウトリストまたは製品予測データ入力を予め投入することなどによるチェックアウト処理システムの状態を更新することによりアクセスするために、システム内で使用されるインテグレーションシステムであり得る。代替的に、チェックアウト処理システム320は、支払い入力、ユーザインターフェース部品(例えばスクリーン、入力装置など)および/または他の基本部品を含むチェックアウト処理システム320であり得る。1つの変形形態では、チェックアウト処理システム320は、POS捕捉構成である画像捕捉装置110を含み得る。POS捕捉構成は、コンベヤベルト、バーコード走査領域、アイテムスケール、および/または物理的チェックアウト処理システムの任意の好適な領域などチェックアウト処理システム320のアイテム走査領域へ向けられたカメラであり得る。別の変形形態では、チェックアウト処理システム320は、スマートフォン、タブレット、ウェアラブルコンピュータまたは任意の好適なコンピューティング装置などのコンピューティング装置上で動作可能なアプリケーションであり得る。チェックアウト処理システム320のアプリケーション変形形態は、コンピューティング装置と一体化されたカメラを含み得、支払いカードリーダまたは他の好適な支払い入力装置などの支払い入力装置を含み得る。別の変形形態では、顧客向きアプリケーションは、チェックアウトプロセスを完了する際に顧客により精査され任意選択的に確認され得るチェックアウトリストを伝達し得る。
【0082】
チェックアウト処理システム320は好適には、EOGシステム200のトレーニング部品および/またはEOGシステム200の制御出力として使用され得る。
【0083】
トレーニング動作モードでは、チェックアウト処理システム320は好適には、製品画像の追加のトレーニングデータを提供するように機能する。例えば、POS捕捉構成の画像捕捉装置110は製品画像を収集し得、一方、バーコードスキャナおよび/または他のPOS入力は製品識別情報を収集するために使用される。トレーニングデータのコーパスが、正常な製品チェックアウト処理を介し収集および維持され得る。チェックアウト処理システム320のトレーニング動作モードは、製品の一組のラベル付き画像データを生成することにより一意的組の製品を新しい店に搭載する際に使用され得る。同様に、新製品、または包装の変更は、チェックアウト処理システム320のトレーニング動作モードのおかげで自動的に登録され得る。
【0084】
追加的にまたはその代わりに、トレーニング動作モードは、EOGシステム200および仮想カート管理システム310の能動的使用と組み合わせて使用され得る。モデル化された仮想カートが、買物客オブジェクトのために生成され得る。次に、当該買物客オブジェクトが伝統的チェックアウトプロセスを使用すれば、伝統的チェックアウトプロセスの結果は仮想カートと比較され得る。この相違は、システムを更新およびトレーニングする際に使用され得る。加えてまたはその代わりに、伝統的チェックアウトプロセス中に確認された更新通知が、モデリングを強化するようにEOGモデルを介し伝播され得る。
【0085】
チェックアウト処理システム320の入力動作モードは好適には、EOGシステム200がチェックアウト処理システム320を制御および/または強化することを可能にするように機能する。1つの変形形態では、支払うために従業員または顧客により使用されるチェックアウト処理システム320は、チェックアウトプロセスを早めるためにアイテムを自動的に追加させる可能性がある。例えば、顧客がチェックアウト処理システム320に近づけば、アイテムを能動的に走査すること無く、チェックアウト処理システム320は、買物客がチェックアウト処理システム320の近傍において仮想カート管理システム310により示されるように製品を仮想カート内に含めることを検知されると、更新される。チェックアウトのために自動的に装填されたアイテムはアイテムの全リストまたは部分的リストであり得る。例えば、閾値を越える予測信頼水準を有する製品は自動的に追加され得、閾値未満の予測信頼水準を有する製品は確認を必要とし得るおよび/または手動入力に依存し得る。別の変形形態では、入力動作モードは、あるアイテムの入力が促進され得るようにチェックアウト処理システム320をバイアスし得る。例えば、EOGは、一定量の多様な林檎が買物客により恐らく選択されるということを検知することができるかもしれない;すなわち、チェックアウトキオスク上のディスプレイは、従業員または顧客が製品を選択する選択肢のメニューをナビゲートする代わりに当該製品を迅速に選択し得るように、トップレベルメニュー上に林檎選択肢を表示する可能性がある。
【0086】
在庫管理システム
【0087】
いくつかの変形形態では、本システムは在庫状態を検査および観測するためのEOGインターフェースとして機能する在庫管理システム330を含み得る。在庫管理システム330は好適には、在庫情報へアクセスするためのユーザアクセス可能ユーザインターフェースを含む。在庫管理システムは、在庫合計、在庫発注情報、在庫位置、在庫保管期間、在庫買物客相互作用、および/または任意の好適な情報に関係する報告を作製するための構成を含み得る。在庫管理システム330は追加的に、在庫発注を少なくとも部分的に自動化するために使用され得るように在庫発注システムを含み得る。
【0088】
在庫管理システム330は追加的に、EOGモデルを更新する際にユーザ入力を適用するために使用され得る在庫状態情報を強化するためのインターフェースを含み得る。例えば、EOGモデルは、枠箱が受け取られたということと、枠箱が、一定信頼水準を有する一定数のアイテムを含むと予測されるということとを検知し得る。管理者は、枠箱の中身を確認する、含まれたアイテムの識別子を変更する、含まれたアイテムの計数を変更する、または何らかの調整を行う可能性がある。
【0089】
校正ツール
【0090】
校正ツール340は、オブジェクトモデリングの校正を可能にするおよび/またはモデル課題を解決するように機能する。校正ツール340は好適には、環境内のオブジェクトに関する更新された校正データ入力を提供するためにEOGシステム200と通信する。校正ツール340は好適には、SKUオブジェクト識別において、オブジェクトの計数において、オブジェクトの欠落の確認において、および/またはそうでなければEOGモードの状態を高信頼入力により更新する際に、使用される入力を提供する。校正ツール340は好適には、システムの従業員または管理者により使用されるモバイル装置である。典型的利用では、従業員は環境内の様々な場所に行き入力を収集し得る。代替的に、校正ツールは、通常の使用を通じて消費者向けアプリケーションが、EOGシステム200を校正する際に使用され得るようにバックグラウンドサービスとして同アプリケーションに組み込まれる可能性がある。
【0091】
1つの変形形態では、入力の収集は、低信頼性モデリングを有する領域が解決され得るように指示され得る。例えば、買物客がアイテムをあちこち動かすことによりEOG内の低信頼性モデリングを生ずれば、従業員は、当該領域内のアイテムの識別子および数を判断するために当該領域において校正ツール340を使用するように通知および指示され得る。これにより、当該領域を高信頼モデリングへ戻し得る。モデル伝播と組み合わせて、1つの領域内のモデリングの変化は、別の領域内のオブジェクトのオブジェクト状態を変更するために更新を伝播することに帰し得る。校正ツールは追加的に、買物客により所有されるオブジェクトがより信頼性高くモデル化されるように校正ツール340からの更新通知がEOGシステムにより伝播された場合に、買物客のモデル化を間接的に増強する際に使用され得る。
【0092】
モバイル構成として働く画像捕捉装置は校正ツール340内に含まれ得る。代替的に、バーコードスキャナ、RFIDタグリーダ、または任意の好適な製品識別入力装置が使用され得る。代替的に、ユーザインターフェース入力は、従業員が情報を手動で入力することを可能にし得る。
【0093】
校正ツール340は、スマートフォン、タブレット、またはウェアラブルコンピューティング装置などのコンピューティング装置上で動作可能なアプリケーションであり得る。校正ツール340は代替的にカスタム装置である可能性がある。例えば、校正ツール340は、バーコードスキャナおよび任意選択的に集積化画像捕捉装置110も含むディスプレイとユーザ入力とを有するコンピューティング装置であり得る。カスタム校正ツール340は、ネットワークを介しまたは本システムの通信チャネルと直接通信することによりEOGシステム200と通信する可能性がある。
【0094】
校正ツール340は追加的に、環境内の位置が確認され得るように測位要素を含み得る。測位要素は、撮像システム100により収集された画像データを介した環境位置の検知を容易にし得る。例えば、視覚的ビーコンまたはマーカが校正ツール340により表示される可能性がある。RFビーコン三角測量技術または他の測位システムなどの代替測位技術が使用され得る。
【0095】
通知システム
【0096】
通知システムは警告およびフィードバックの生成を可能にするように機能する。通知システム350は、様々な通信チャネル上の通知の送信のために構成されたインターフェースを含み得る。これは従業員へ警告を発する際に使用され得る。例えば、従業員は、従業員がある課題を解決するために校正ツール340を使用し得るように校正要求について通知され得る。別の例では、従業員は、低信頼性モデリング状態に関連する顧客を支援するために通知され得る。この低信頼性モデリング状態は、正常顧客行動の結果である可能性があるが、システムを混乱させることを目的としたユーザ行動を介したものである可能性もある。通知システム350は追加的に、様々な他のシステムおよびサービスがEOG内の様々な条件に応じて更新または組み込まれ得るようにプログラマティックインターフェースを含む可能性がある。
【0097】
本システムは追加的に、特定条件のEOGモデルを検査する規則エンジンであって様々な行為または事象をトリガする際に当該データを使用する規則エンジンを含む可能性がある。これらの行為は内部行為であり得るが、また外部システムとの行為である可能性がある。例えば、通知システム350のプログラマティックインターフェースは、外部サービスにおけるある行為をトリガする際に、または更新されたデータを外部サービスへ伝達する際に使用される可能性がある。
【0098】
メタメディア保管システム
【0099】
メタメディア保管システム360は、環境のメディアデータとメタデータ観測結果とを混合する動的フォーマットでメディアを保管するように機能する。メタメディア保管システム360は好適には、環境オブジェクトグラフと連携して動的メディアコンテンツ表現を保管するように構成される。捕捉されたメディアをメディアのオリジナルまたは圧縮バージョンで保管する伝統的監視システムとは対照的に、本システムおよび方法は、瞬間ごとに記録されたメディアファイルを維持することへの依存性を軽減するためにEOGモデリングを使用し得る。好適には、メディアは、低信頼性でモデル化されたオブジェクトの画像観測のために保管される。加えて、メディア品質は追加的に、動的に調整され得る。例えば、極低い信頼性観測は高品質メディア保管を生じ得、中レベル信頼性観測は中品質メディア保管を生じ得、EOGモデリングの高信頼性はメタデータだけの保管を生じ得る。メディア品質に加えて、メディア表現は、低信頼性モデリングの目視観測に関係するメディアだけが保管され得るサブ領域の画像データへ動的に分離される可能性がある。
【0100】
メタデータ保管システム360は追加的に、メタメディアデータを目視観測の表現へ合成するように構成されるメタメディアプレイヤシステムを含む可能性がある。メタデータモデリングは、手続きに従ってシミュレーションする、メディアを生成する、または既存メディアデータを強化するために使用され得る。
【0101】
手動タスク管理システム
【0102】
手動タスク管理システム370は、画像処理または解析を容易にする際に使用される手動オペレータによるシステムの動作を強化するように機能する。手動タスク管理システム370は好適には、従業員タスクを選択し、従業員タスクを従業員へ委任し、次に、適切な措置を取る際にEOGシステム200および/または通知システム350とインターフェースする。手動タスク管理システム370は好適には、オブジェクト分類および/またはEOGモデリングが低信頼性を有するシナリオにおいて使用される。従業員は、画像データを検査しいくつかの解析結果を提供することによりプロセスを補足するために使用され得る。1つの変形形態では、手動タスク要求は、オブジェクトが確信を持って分類されることができないとトリガされ得る。手動タスク要求では、従業員は可能なオブジェクト選択肢から選択するように要求され得る。別の変形形態では、従業員はオブジェクトの分類(例えばSKUの識別子、オブジェクトの記述など)を直接入力し得る。別の変形形態では、手動タスク要求は、オブジェクトに関わる事象に関連付けられた画像データの複数のインスタンスを収集し、一連の観測結果の解析を要求し得る。これは、精確なモデリングを妨げようとする人を検知する際に使用され得る。
【0103】
手動タスク管理システムは、条件を満足するモデリング条件が、人に解析および入力を提供させる手動タスク要求をトリガし得るように、通知システムおよび規則エンジンと接続して働き得る。
【0104】
手動タスク管理システム370は、従業員タスクを冗長的に委任し得るおよび/または従業員タスクを適切な従業員へ委任し得る。例えば、製品識別は若手の従業員へ委任され得、疑わしい買物客振る舞いを検証する従業員タスクは管理者へ委任され得る。
【0105】
管理システム
【0106】
本システムは追加的に、システム内の操作選択肢を検査および/または修正するためのインターフェースを管理者に提供するように機能する管理システム380を含み得る。管理システム380は、運用選択肢を設定してシステムを構成する際に使用され得る。
【0107】
本システムは追加的にまたは代替的に、在庫管理、商行為、従業員管理、消費者向けサービスなどに関係する様々な他の部品を含む可能性があるまたはこれらと一体化される可能性がある。
【0108】
3.方法
【0109】
図11に示すように、好適な実施形態の環境オブジェクトモデリング方法は、環境全体にわたって画像データを収集することS100と、画像データからEOGを維持することS200と、環境オブジェクトグラフを検査し、関連付けられた行為を実行することS300とを含み得る。EOGは好適には、環境全体にわたる時間および空間における分類されたオブジェクトのデータ表現であり、EOGは好適には、確率的オブジェクト関連性を有するオブジェクトインスタンスの少なくとも1つのサブセットを含む。EOGを維持することS200は好適には、画像データからオブジェクトを分類することS210、環境内のオブジェクト位置を追跡することS220、相互作用事象を検知することS230、および/またはEOGを更新することS240を含む複数のプロセスインスタンスからなる反復プロセスである。本方法は好適には、環境内の複数のオブジェクト全体にわたって適用され、本方法は好適には、環境内のオブジェクトの統計的に精確な表現を維持するために繰り返し行われる。本方法は上記システムまたは任意の好適な代替システムと組み合わせて実施され得る。
【0110】
本方法は追加手法を様々なやり方で適用し得る。EOGを維持する実施形態は、複合オブジェクトモデリング、複数のオブジェクト状態の確率的モデリング、および縦方向オブジェクト追跡などのEOG関連プロセスを含み得る。本方法の追加プロセスは、範囲制限(scoped)オブジェクト分類と、運用バイアス(operational biasing)を適用することとを含み得る。
【0111】
EOGを維持する際の複合オブジェクトモデリングは、分類と他のオブジェクトを含む確率とを有するものとしてオブジェクトを検知することを可能にし得る。複数のオブジェクト状態の確率的モデリングは、本方法が様々なオブジェクト状態を維持することを可能にし得る。縦方向オブジェクト追跡は、EOG内のオブジェクト関連性全体にわりオブジェクト状態を伝播することにより容易にされ得、様々な時刻および場所における観測データはさらに、EOG内のオブジェクトモデリングを精緻化し得る。範囲制限オブジェクト分類は、CVベースオブジェクト検知に使用される一組の候補オブジェクトを文脈的に設定および調整することによりオブジェクト分類を強化し得る。運用バイアスは、他の感知された入力またはデータソースなどの他のデータ入力がEOGの実行を変更することを可能にし得る。
【0112】
本方法は、より多くの情報が取集されるにつれ、EOGを介し確実度を(例えば、時間的に後方へおよび時間的に前方へ)伝播し得る。EOGモデリング手法の使用は、入力の限定された、断続的、一時的に不明瞭な流れに応じ本方法をロバストにするように機能する。本方法は、その後の観測を介しその知識を改善しようとする一方で不完全な情報に作用し得る。精度の負担は、いくつかの領域では低減され得、他の多くの領域では遅延され得る。例えば、本方法は、買物客が店内を移動するにつれて買物客により選択され、次に買物客により保持され、バッグまたはカートへ追加された製品の運用的に信頼できる予測を維持し得る。次に、これは、チェックアウトプロセスを自動的に完了する際に使用され得る。チェックアウトプロセスでは、予測された製品は、買物客口座へ課金される、および/または予測された製品をチェックアウト処理システムに自動的に投入することにより課金される。別の例として、在庫追跡は、オブジェクトが棚上でまたは保管コンテナ内で隠蔽された場合ですら、使用可能精度で維持され得る。本方法は好適には、上述のシステムなどのシステムを介し実施されるが、任意の好適なタイプのシステムが代替的に使用され得る。
【0113】
一実施形態では、本方法はショッピングチェックアウトプロセスを容易にするように機能し得る。1つの変形形態では、ショッピングチェックアウトプロセスを容易にすることは既存チェックアウトプロセスを支援することを含み得る。例えば、セルフチェックアウトキオスクは、アイテムの走査をさらに速くするために買物客保有アイテムの確率的理解を利用することにより、より効率的にされる可能性がある。別の変形形態では、本方法は買物客を自動的にチェックアウトさせるために使用され得る。例えば、本方法は、買物客により選択されたオブジェクトを検知し、買物客のショッピング口座を識別し、店を離れると、選択されたアイテムに対し買物口座に課金するために使用され得る。
【0114】
本方法は追加的に、チェックアウト時の未知オブジェクトの識別を容易にするように機能し得る。今まで未知のオブジェクトがそのバーコードが走査されたということを観測されると、その結果のSKUは、当該オブジェクトに断定的に関連付けられ得、同様な外観および/または特性を有する将来オブジェクトが、当該の同じバーコードおよびSKUを担持するというより高い尤度を割り当てられ得る。多くのこのような走査事象後、はるかに高い尤度が、同じSKU番号を有する同様な外観を有するその後のオブジェクトへ割り当てられ得る。このようにして、機械深層学習、統計的モデリング、および/または他の人工知能戦略が、弱い領域を連続的に改善するために採用され得る。いくつかのケースでは、在庫アイテムは、新製品の手動登載が回避され得るように、このようなプロセスを通してシステム内へ自動的に登録される可能性がある。
【0115】
本方法は、環境およびその内容の論理表現を構築し進化させることにより環境内の在庫を追跡し得る。一般的に、在庫の追跡は在庫アイテムを計数または推定することを含み得る。在庫の追跡は追加的に、在庫アイテムの位置を追跡することを含み得る。追跡は追加的に、オブジェクトグルーピングまたはオブジェクトツーオブジェクト関連性を監視することを含み得る。例えば、本システムは、1つのオブジェクトが棚上に置かれる前に買物客により持ち運ばれたということを追跡することができるかもしれない。オブジェクト関係追跡は、どのように保管または管理されるかに関する制約を有するオブジェクトのための特定アプリケーションを有し得る。例えば、特定期間中に冷凍庫から取り出されたアイスクリームが検知され得、従業員は、同アイテムを冷凍庫内に入れ戻すように通知され得る。
【0116】
本方法は追加的に、セキュリティ監視または他の視覚的監視アプリケーションを補完するように機能し得る。1つの変形形態では、本方法は、人が未払いアイテムと共に店を離れようとすると警告をトリガし得る。別の変形形態では、本方法は、監視データを、長期的データ保管のためにより効率的であろうデータ表現へ変換する際に使用され得る。本方法は追加的に、メディア記録から恩恵を受け得る相互作用に関連付けられた監視メディアの長期的アーカイビングをトリガするためにトリアージ方式で使用され得る。
【0117】
本方法は追加的にまたは代替的に、他のアプリケーションにおいて使用される。1つの変形形態では、本方法は在庫定位において使用され得る。従業員または買物客がアイテムの位置を探索することができるかもしれない。別の変形形態では、本方法は在庫ストック自動化において使用され得る。本方法は、製品を再発注する際にまたは傷みやすいアイテムの保管期間を監視する際に使用され得る。本方法は代替的に、カスタムアプリケーションおよびシステム/サービスインテグレーションが本方法と連携して動作し得るようにプログラマティックインターフェースを有する汎用型プラットフォームであり得る。
【0118】
画像データの収集
【0119】
環境全体にわたって画像データを収集することを含むブロックS100は、関心のあるオブジェクト(例えば在庫アイテム)を含む領域の映像、画像または他の像を収集するように機能する。好適には、画像データを収集することは、多様な捕捉点から発生する。画像データを収集することは、環境内の別個の点に分散された複数画像捕捉装置(例えばカメラ)から画像データを収集することを含む。一組の捕捉点は、環境内の監視領域の重畳および/または非重畳視点を含み得る。一組の捕捉点は追加的に、環境内の高密度撮像システムを確立し得る。代替的に、本方法は単一撮像装置を利用し得る。画像データは好適には、連続的領域をほぼカバーする。しかし、本方法は、穴、隙間、未検査領域、および/または非接触領域に対処し得る。特に、本方法は、浴室および更衣室など画像ベース監視に不適切な領域を取り扱うことに対しロバストであり得る。これらのケースでは、EOG実行中の統計的予測は観測不能事象を考慮し得る。
【0120】
上述のように、本方法は精密で正確な情報に依存しなくてもよく、したがって、画像データの収集は既存映像監視システムからのものであり得る。画像データは、直接収集され得、適正処理システムへ伝達され得る。画像データは単一フォーマットのものであり得るが、画像データは代替的に一組の異なる画像データフォーマットを含み得る。画像データは、高解像度ビデオ、低解像度ビデオ、別個の時点からの写真、固定視点からの画像データ、作動型カメラからの画像データ、視覚的スペクトル画像データ、赤外線画像データ、3D深さ感知画像データ、視差、ライダー、レーダ、ソナー、受動的照明、能動的照明、および/または任意の好適なタイプの画像データを含み得る。
【0121】
本方法は多様な撮像システムと共に使用され得、画像データを収集することは追加的に、一組の撮像装置から画像データを収集することを含み得る。各サブセットは、一組の構成のうちの少なくとも1つの構成の撮像装置により収集される。撮像装置構成は、在庫保管捕捉構成、相互作用捕捉構成、オブジェクト識別捕捉構成、可動構成、混合構成、および/または任意の好適な他のタイプの構成を含み得る。撮像装置は1つまたは複数の構成用に主として設定され得るが、撮像装置は任意の好適な目的のために使用され得る。
【0122】
在庫保管捕捉構成の撮像装置からデータを収集することは、名目上の在庫保管位置へ向けられた画像データを収集するように機能する。例えば、在庫保管構成の専用カメラが保管棚に向けられ得る。在庫保管構成は特に、保管されたオブジェクトの変化を監視するのに適し得る。
【0123】
相互作用捕捉構成の撮像装置からデータを収集することは、買物客と棚またはコンテナ間の相互作用などオブジェクト間の相互作用の性質を検知するように機能する。1つの変形形態では、撮像装置は相互作用の面に沿って向けられ得る。例えば、カメラは、買物客オブジェクトが棚上のアイテムと物理的相互作用する時を検知するようにアイルに真直ぐ沿った映像を捕捉し得る。いくつかのケースでは、複数の撮像装置が組み合わせて使用され得る。例えば、アイルに真直ぐ沿って向けられた撮像装置は、買物客が規定棚相互作用面を横切った時を検知し得、在庫保管捕捉構成の撮像装置はアイルに沿った位置を判断するために使用され得る。相互作用捕捉構成は特に、1つまたは複数のタイプの相互作用事象の発生を検知するように構成され得る。
【0124】
オブジェクト識別捕捉構成の撮像装置からデータを収集することは、特定位置におけるオブジェクト識別をターゲットとするように機能する。オブジェクト識別捕捉構成は、特定検査領域内にいる時に製品を識別するように指示されたより高解像度なカメラを含み得る。限定数のオブジェクト識別捕捉構成がEOG内の不確定性を解決し得る。特に、これらは、買物客オブジェクトを分割するために使用され得る。ショッピングカートが使用される店では、オブジェクト識別捕捉構成は、その下を通過するカートへ真直ぐ向けられたカメラを含み得る。カート内部のオブジェクトは、特定製品アイテムとしてより容易に識別され得る。このような識別構成は、人のよく通る場所、店出口近く、アイルの端、または他の好適な位置などの重要位置に配置され得る。1つの変形形態では、オブジェクト識別撮像装置は、特定オブジェクトを追跡またはターゲットとするように作動され得る。オブジェクト識別捕捉構成は追加的にまたは代替的に、チェックアウトまたはPOS構成変形形態において使用される。チェックアウト変形形態は、チェックアウトプロセス中の識別のためのオブジェクト情報を収集するように機能する。チェックアウト構成のカメラは特に、コンベヤベルト上に置かれるまたは従業員による検査のために並べて置かれるとアイテムを捕捉するように構成され得る。
【0125】
可動捕捉構成の撮像装置からデータを収集することは、多様な位置から画像データ(恐らく動的フォーカスを含む)を生成するように機能する。可動撮像装置はロボットへ搭載されても良いし従業員により移動されてもよい。この場合、可動ロボットは、環境内で水平方向にまたは垂直方向に平行移動する能力を有するものであっても、固定位置からパンする、傾く、またはズームする能力を有するものであってもよいということに留意されたい。環境全体にわたって移動することができる可動構成を有する撮像装置はしばしば、撮像装置の位置を追跡することを利用する。1つの変形形態では、可動撮像装置は、撮像装置と位置を判断するために使用される遠隔要素との間の通信を利用する能動的測位システム(高精度GPSシステム、RF三角測量または他の好適な技術など)を含み得る。別の変形形態では、本方法は、画像データを介し環境全体にわたって可動撮像装置を追跡することを含み得る。可視ビーコンが、可動撮像装置の識別および追跡を容易にするために撮像装置上に存在し得る。
【0126】
可動構成の撮像装置は、不確定性を解決し恐らく低減する際に利用され得る。例えば、店の1つの特定領域の在庫のEOGが未知であればまたは低レベルの確実性を有すれば、従業員は、不確定性を解決する目的のための追加画像データを収集するために可動撮像装置(例えば校正ツール)を持ち込み得る。より一般的には、従業員は、環境を動き回るにつれて精度を改善し得る画像データが収集され得るように、可動画像装置を備える可能性がある。EOGは好適には、1つまたは複数の可動撮像装置の使用を通じたターゲット画像捕捉により在庫表現の確実性を増加し得る。
【0127】
任意の個々のカメラまたはセンサが一度に2つ以上の構成の一部であり得、各構成は2つ以上の目的を果たし得るということに注意すべきである。
【0128】
画像データを収集することは追加的に、撮像システムを校正することを含み得る。1つの変形形態では、校正は、画像データ内の信号ポイントを検知することと、現実世界内の信号ポイントの位置が1つまたは複数の画像ソースから構築されるので現実世界内の信号ポイントの位置をEOG表現内のその位置へ関連付けることとを含み得る。信号ポイントは、定位装置から発射された光(電球、LED、またはスマートフォンなど)または自然情景の1つまたは複数の特徴である可能性がある。
【0129】
EOGの維持
【0130】
画像データからEOGを維持することを含むブロックS200は、環境内のオブジェクトの確率的データモデルを生成、実装、更新するように機能する。論述したように、EOGは環境全体にわたる時間および空間における分類されたオブジェクトのデータ表現である。加えて、EOG内のモデル化されたオブジェクトインスタンスは、オブジェクト分類、位置、タイムスタンプ、および/またはSKUまたは製品関連特性などの他の特性を有し得る。EOGは追加的に、確率的オブジェクト関連性を有するオブジェクトインスタンスの少なくとも1つのサブセットを有するものとして特徴付けられ得、これらの関連性は時間および空間における様々なオブジェクトインスタンス間のものであり得る。
【0131】
EOGを管理することは、画像データを繰り返し処理することと、様々なEOGプロセスを適用することとを含み得る。EOGは、様々な画像ベース検知技術をてこ入れするためにその適応型算定手法を使用し得る。様々なコンピュータビジョンおよび信号処理手法が、画像データからメタデータを生成する際に使用され得る。次に、画像データは、物理的世界のEOGモデル表現を更新するためにEOG処理エンジン内で処理され得る。EOGを維持することは、環境内の在庫アイテムおよび他のオブジェクトの確率的口座を構築する際に使用され得る。いくつかのオブジェクトは断定的に識別され得、一方、他のオブジェクトは様々なレベルの確実性で考慮され得る。
【0132】
画像データの使用に加えて、EOGを維持することは、
図12に示すように、インバウンド/アウトバウンド製品発注、項目別POSチェックアウト報告、手動在庫入力、製品基準データベース、環境プラノグラムまたはマップ、個人的ショッピングパターン、個人的ショッピングリストまたは欲しい物リスト、人口統計学的パターン、および/または他のオブジェクト入力などの他のオブジェクトおよび環境データの入力を利用し得る。
【0133】
EOGシステムを管理することは好適には:画像データからオブジェクトを分類することS210;環境内のオブジェクト位置を追跡することS220;相互作用事象を検知することS230;および/または好適にはオブジェクトインスタンスの関連性全体にわたってオブジェクトインスタンスの変更を伝播することを含むEOGを更新することS240を繰り返し含む。
【0134】
ブロックS210、S220およびS230は、直列にまたは並列に組み合せて使用され得る。1つの変形形態では、ブロックS210、S230およびS240が採用されるブロックS200は主として相互作用事象に基づき実行し得る。別の変形形態では、ブロックS210、S220およびS240が採用されるブロック分類および追跡が使用され得る。
【0135】
入力を処理することは、
図13に示すように、通常のオブジェクトモデリングと共に、複合オブジェクトモデリング、確率的マルチステートモデリングを利用し得る基本オブジェクトモデリングを確立し得る。次に、ブロックS240は、更新されたオブジェクトモデルデータをEOGを介し伝播することによりEOGを精緻化する際に基本オブジェクトモデリングをてこ入れし得る。ある相互作用事象がオブジェクト状態を変更するとオブジェクト変換がモデル化され得る複合オブジェクトモデリングが使用され得る。他のインスタンスまたは実施形態では、ブロックS210のオブジェクト分類とS220のオブジェクト追跡は、ブロックS240おけるモデルを介した情報の確率的推論および伝播により関連付けられ得る様々な観測されたオブジェクト経路を確立する際に使用され得る。
【0136】
ブロックS200を介し、EOGは、環境内の複数のオブジェクトのオブジェクト状態の期待値に関し報告するために使用され得る。したがって、S200は、画像データおよび/または補足入力に基づき環境内で期待される複数のオブジェクトをモデリングする複数の並列プロセスを含み得る。これらのプロセスは、カメラからの画像データのストリーム毎に繰り返し実行され得るが、次に、追加的に、画像捕捉装置の収集からの画像データ全体にわたって実行され得る。本方法が、自動セルフチェックアウトを管理する、POSチェックアウトを支援する、在庫分析を提供する、盗難検知を提供する、製品定位を可能にする、および他の好適なアプリケーションなどの多様なアプリケーションを駆動するのを可能にし得るEOGは通常、リアルタイムかつロケーションアウェア(location aware)である。
【0137】
いくつかの変形形態では、本方法はブロックS200の複数のインスタンスを実行することを含み得る。本方法は、
図3に示す例示的モールシナリオと同様に複数のEOGを管理することを含み、ここでは、第1のEOGは環境の第1のサブ領域用に管理され、第2のEOGは環境の第2のサブ領域用に管理される。サブ領域は非連続であってもよいし重畳してもよい。1つの変形形態では、第1のサブ領域は第2のサブ領域を完全に含み得る。別個のサブ領域のための任意の好適な数のEOGが確立され得る。複数のEOGを管理することは、モールまたはマーケットなどのマルチベンダ環境内で利用され得る。様々なEOGは、共有撮像システムからの画像データを使用することにより動作し得るが、EOGの構成およびアプリケーションは個々にカスタム化され得る。代替的に、単一EOGが複数の領域およびサブ領域をモデル化し得る。ここでは、当該EOGの検査は、様々なサブ領域の空間的および時間的境界と擬似的に区分化された別個のEOGとを使用し得る。
【0138】
EOGの維持:オブジェクトの分類
【0139】
画像データからオブジェクトを分類することを含むブロックS210はオブジェクト検知を行うように機能する。オブジェクトは、コンピュータビジョンまたは他の形式のプログラム的発見的方法、人工知能、機械学習、統計的モデリング、および/または他の好適な手法を使用することにより検知され分類される。オブジェクト分類は、オブジェクト分類の一部として画像セグメント化およびオブジェクト識別を含み得る。単一像またはビデオストリームの画像データのオブジェクトを分類した結果出力は、オブジェクトのラベル、または確率的分布の潜在的ラベル、および当該オブジェクトの領域/位置特性であり得る。画像データの単一画像内のオブジェクトを分類することは、様々な領域内の複数のオブジェクト分類を生じ得る。例えば、買物客を伴う1つの棚の製品群の画像は、
図14に示すように可視製品毎の分類、棚、および買物客を生じ得る。
図14にまた示すように、本方法の追加機能は追加的に、視野から隠蔽された期待数のアイテムのEOGモデリングを生じ得る。
【0140】
「bag of features」手法、畳み込みニューラルネットワーク(CNN:convolutional neural network)、統計的機械学習、または他の好適な手法などの様々な技術が、オブジェクト分類において採用され得る。Fast regional-CNN(r-CNN)、Faster R-CNN、Mask R-CNN、および/または他のニューラルネットワーク変形形態および実施形態などのニューラルネットワークまたはCNNがコンピュータビジョン駆動型オブジェクト分類プロセスとして実行され得る。
【0141】
視覚的ワード、特徴分類のコンステレーション、およびバグオブワード分類プロセスのようなプロセスを使用し得る画像特徴抽出および分類は追加または代替手法である。これらおよび他の分類技術は、スケール不変特徴変換(SIFT:scale-invariant feature transform)、speeded up robust features(SURF)、様々な特徴抽出技術、カスケード分類子、Naive-Bayes、サポートベクターマシン、および/または他の好適な技術の使用を含み得る。
【0142】
加えて、アルゴリズム手法の複数の変形形態が、特定クラスのオブジェクト分類を考慮する際に実施され得る。階層的分類プロセスは、分類を繰り返し精緻化する際、および/または分類信頼性および/または速度を強化する分類チャレンジを制限する際に使用され得る。1つの変形形態では、オブジェクトを分類することは、画像データの変更に基づく更新へ限定されてもよいしそれから分離されてもよい。1つの変形形態では、画像のオブジェクトを分類することは変更条件を満たす画像データのサブ領域へ限定され得る。例えば、画像の右下象限内の買物客を伴う1つの棚の製品群の画像は、オブジェクト分類を当該右下象限内の領域に対して実行させるだけであり得、これは、画像データ内で静止している製品を再分類することから本方法を軽減し得る。
【0143】
いくつかの変形形態では、オブジェクト分類は能動的に確認されてもよいし別のデータ入力チャネルを介し通知されてもよい。例えば、確認された分類(例えばSKU識別子)、位置、および時刻によりオブジェクトをログ記録するための校正ツールが使用され得る。
【0144】
オブジェクトを分類することは、オブジェクトを一組の潜在的オブジェクトタイプのうちの1つとして識別することを含み得る。潜在的オブジェクトタイプは少なくとも1つのSKUオブジェクトタイプ、複合オブジェクトタイプ、および人オブジェクトタイプを含む。オブジェクト分類は、未知オブジェクト分類から一般的記述子そして特定アイテム名までの範囲の様々なレベルの特異性を有する記述子であり得る。様々な分類は、SKUオブジェクトのSKU特性、顧客オブジェクトのユーザ口座および/または従業員オブジェクトの従業員プロファイルなどの追加分類特性に関連付けられ得る。例えば、1つのアイテムは箱として分類される可能性があるが、関連付けられた製品SKUを有する特定シリアル製品として分類される可能性もある。一般的に、オブジェクト分類プロセスは、様々なレベルの信頼水準により一組のオブジェクト分類可能性を生成することになる。
【0145】
複合オブジェクトモデリング手法では、EOGは、オブジェクトを、零、1、または2以上の他のオブジェクトを含むある確率を有するものとしてモデル化し得る。分類は、複合オブジェクトモデリング中にオブジェクト組成予測を生成するために使用され得る。複合オブジェクトモデリングを適用することは好適には、EOG内の少なくとも2つのオブジェクト間の階層的関連性をインスタンス化することを含む。ここでは、1つのオブジェクトインスタンスが少なくとも1つのオブジェクトとの関連性を確率的に有するように設定される。これが最初の分類であれば、複合オブジェクトモデリングは、オブジェクト分類、オブジェクト位置、時刻、および/または他の要因または要因の組み合せに基づき得る統計モデルに基づく開始プロセスであり得る。複合オブジェクトモデリングは、オブジェクト計数推定および/またはオブジェクトの関連変更(例えば、親オブジェクトの移動を通じて観測不能な子オブジェクトを追跡すること)を容易にし得る。いくつかの変形形態では、オブジェクト組成予測は、特定オブジェクトを共通に含むとして観測されたオブジェクトの新しい発生に対して生成され得る。例えば、棒状石鹸を出荷するために使用される箱として分類されたオブジェクトは、標準的積荷の棒状石鹸を含む極高い尤度を与えられる。代替的に、オブジェクトの組成予測は、オブジェクトが検知される情況に基づき動的に生成され得る。一例では、未知の箱は、未知の箱として検知され分類され得るが、特定領域内で検知されたので、オブジェクト組成は、当該領域内の箱の中に通常見出されるオブジェクトにより設定され得る。別の例では、未知の箱の商品が、検知され、低確率で一組の異なるオブジェクトを含むものと当初疑われ得る。しかし、箱に関するより多くの情報が取集されるにつれて、分類はブロックS220、S230およびS240を介し精緻化され更新され得る。
【0146】
オブジェクトの分類は追加的に、オブジェクトのサイズ、形状、色、位置、および/または他の属性などのオブジェクト属性を割り当てることを含み得る。オブジェクトサイズは、長さ、高さ、幅、寸法、形状、アスペクト比、および/または容積などの様々な次元を含み得る。形状はオブジェクトの形式を記述する属性であり得る。形状はアスペクト比または他のメトリックを含み得る。色属性は、アイテムの表面の記述子であり得、平均カラー、色セット、パターンまたは、テクスチャ、反射性、様々な表面変形、および他の好適な表面品質を含み得る。位置は好適には、環境内の三次元位置記述子であるが、代替的に「アイル3、ビン1、棚2」などの位置カテゴリー分類であり得る。位置は、環境のフレームに対して相対的であっても良いし、地球の緯度-経度-仰角フレームにおいて絶対的であっても良い。様々なオブジェクト属性がEOG内に保管され、判断を行う際に使用され得る。例えば、容積および形状は、含まれるオブジェクトの量およびタイプに制約を課し得る。同様に、位置は、何のオブジェクトが検知されたオブジェクト内に含まれるかを明示的に示さなくてもよいが、予想および追跡のための情況を提供し得る。
【0147】
いくつかのシナリオでは、オブジェクトは特定アイテムとして断定的に識別され得る。オブジェクト識別は好適には、特定SKUによりオブジェクトを分類することを生じ得る。オブジェクトの識別は、梱包の画像マッチング、コンピュータ可読コード(例えばバーコードまたはQRコード)を走査すること、ラベリングのOCR、および/または任意の好適な手法を介し行われ得る。識別の確実度が記録され追跡される。例えば、有効チェックサムを有するUPCバーコードを読むことで、非常に高い確実度の識別を伝える。逆に、Snack-Oの14オンスの箱を主として含むということが知られた棚割りの領域からオブジェクトが取り出されたということを観測することは、かなり低い確実性を伝える。この場合、その後の検査は待ち行列に入れられ、将来画像は、当該(今、過去の)事象に関連付けられる確実性を上げるために詳細に検査されることになる。
【0148】
他のシナリオでは、オブジェクトは人、動物、または他の不可分要素であり得る。人および動物は、顔認識、歩行認識、服認識、関連装置認識(ユーザの電話を検知すること)、または一般的オブジェクト識別などの様々な技術を介し識別され得る。人の識別は追加的に、人識別子に関連付けられたユーザ口座を識別する際に使用される可能性がある。
【0149】
EOGシステムは追加的に、現実世界アイテムについての結論を、それらの画像データが部分的または完全に隠蔽された場合に引き出すために適用され得る。1つのシナリオでは、見えない領域内に置かれた物理的世界内のオブジェクトが、それにもかかわらずEOG内のその論理的表現により依然として追跡され得る。EOGは、Jean Piagetにより理解される意味では、ほとんどの既存コンピュータビジョンシステムにより達成されなかったオブジェクト恒久不変性を維持する。さらに、複数のオブジェクト状態のモデリングは、複数の潜在的に観測されないオブジェクト状態が追加観測データによりより高い信頼性でモデル化されるように変形され得るように様々な事象中に維持および追跡されることを可能にする。
【0150】
別のシナリオでは、環境の領域は、環境領域が、モデル化された複合オブジェクトのようなオブジェクトを「含む」という点で、EOG内のオブジェクトとして処理される。環境入口、環境出口、環境の監視されていない部屋、監視されていない領域はオブジェクトとして処理され得る。例えば、浴室は浴室ドアにおけるアクセスポイントにより構成され得る。浴室ドアと相互作用する(例えば、浴室へ入るおよび浴室から出る)オブジェクトは、当該浴室オブジェクトのコンテンツの変化を生じ得る。
【0151】
図13に示すように、オブジェクトを分類すること、より一般的にはEOGを管理することは、オブジェクトを分類することS212において使用される補足入力を取り出すことを含み得る。オブジェクトの分類は補足入力に少なくとも部分的に基づき得る。補足入力は、購入パターン、顧客購入履歴、製品価格、在庫データ(例えば出荷命令、在庫マップ/プラノグラムなど)、環境データパターン、購入トランザクションデータ、および/または他のソースの組から選択され得る。次に、分類作業は、補足入力に少なくとも部分的に基づき得る。例えば、店の買物履歴に基づく製品人気度は、特定分類を、CVベース分類信頼水準が同様であると他の分類より高く優先付けるために、使用され得る。ブロックS212は、分類において直接使用され得るが、追加的にまたは代替的に、仮想カートリストを判断するなどEOGから結論を引き出す際に使用される。
【0152】
図12に示すように、オブジェ(objet)を分類することS214は、分類処理中に分類範囲を繰り返し拡張することを介しオブジェクトを分類することを含み得る。分類範囲を繰り返し拡張することは、分類範囲を設定すること、分類範囲内の分類を生成すること、および生成された分類が分類条件を満たさなければ(例えば結果が閾値未満の信頼水準を有すれば)、更新された分類範囲により分類を試みることを含み得る。実施の際、ブロックS214は、第1の組の候補オブジェクトの初期分類モデルを介しオブジェクトを分類することと、初期分類モデルを介したオブジェクトの分類が分類条件を満たさなければ第2の組の候補オブジェクトの少なくとも第2の拡張分類モデルを介しオブジェクトを分類することとを含み得る。
【0153】
分類範囲は好適には、分類プロセスの限定組の候補オブジェクトを特徴付ける。一例では、これは、限定組のオブジェクトに向けられたCNNである可能性がある。複数のCNNモデルが、所望分類範囲に基づき選択的に採用され得るように様々な分類範囲を使用することによりトレーニングおよび更新される可能性がある。分類範囲は、多種多様の技術を介し判断されてもよいし学習を通じてアルゴリズム的に判断されてもよい。
【0154】
1つの変形形態では、分類範囲は、ある領域への特定オブジェクト分類の期待空間的近接性に基づき拡張し得る。これは特定領域において観測可能な期待SKUオブジェクトを含み得る。この空間的近接性は、満足な信頼水準を有する分類を最終的に判断する目的でもって繰り返し拡張され得る。分類範囲を空間的に拡張する例では、分類範囲は、棚のオブジェクト、隣接する棚上のオブジェクト、アイル上のオブジェクト、1つの店領域内のオブジェクト、店内のオブジェクトのように進む。
【0155】
別の変形形態では、分類範囲はデータ駆動型パターンに基づき拡張し得る。例えば、顧客買物リストおよび/または欲しい物リスト、顧客ショッピングパターン、様々な人口統計学的ショッピングパターン、および全店のショッピングパターンが、分類範囲を規定する際に使用され得る。利用される分類範囲は、空間的に規定された分類範囲、データ駆動型分類範囲、および/または他の好適な分類範囲の様々な組み合せを含む可能性がある。例えば、初期分類範囲は、保管された顧客買物リストと期待された棚積み製品とを含み得、その後のフォールバック分類範囲は、当該アイル上に保管されることが期待される製品と共に店内で販売される100の最人気製品を含み得る。
【0156】
加えて、EOGを維持することは、オブジェクトの画像表現を更新することを含み得る。新しいかつ進化する梱包および他の目に見える変更が、オブジェクト識別を長期にわたって改善するために使用され得る。時折、同一SKUを有する一組の機能的に同一なアイテムが異なる外観を有するかもしれない。例えば、いくつかのアイテムはUPCコードを共有する一方で異なる色となる。追加的に、梱包は定期的に変化し得る。例えば、シリアルの商標はルーチン的に、共通SKU、UPC、および価格を維持する一方でその梱包の外観を変更する。管理システム、チェックアウト処理システム、または製品基準データベースとの統合は、進化するオブジェクト表現を分類することを容易にし得る。
【0157】
オブジェクトを分類することに関連して、本方法は対応オブジェクトインスタンスをEOG内に保管することを含み得る。オブジェクトインスタンスは、観測または予測されたオブジェクトに関連付けられたデータモデル記録である。オブジェクトインスタンスはデータベースまたは任意の好適なデータストレージソリューション内に保管され得る。オブジェクトインスタンスは、オブジェクト分類、観測の時刻、および観測の位置を特徴付けるデータ記録であり得る。オブジェクトインスタンスの位置は、分類が発生した画像捕捉装置へ一般化され得るが、より詳細には、画像データ内の座標および/または環境内の三次元座標を含む可能性がある。
【0158】
オブジェクトインスタンスは基本オブジェクトモデリングを確立し得る。複合オブジェクトモデリングおよび確率的マルチステートモデリングは追加的に、オブジェクトインスタンスの特徴付けられた特性であり得る。オブジェクト分類は、複合オブジェクトまたはマルチステート特性を直接モデリングする際に確率的推論を適用し得る。ブロックS220のオブジェクト追跡とブロックS230の相互作用事象検知は代替的にまたは追加的に、複合またはマルチステートモデリングに貢献し得る。
【0159】
追加のオブジェクト特性および/または関連性が追加的に、本システムのモデリングデータを介し追加または確立され得る。例えば、SKU特性との関連性は、特定SKUオブジェクトとして分類されると確立され得る。別の変形形態では、オブジェクトインスタンスは、元のメディアの再処理が行われ得るようにメディア基準に関連付けられ得る。別の変形形態では、他のオブジェクト観測との関連性が確立され得る。例えば、オブジェクトを時間的に追跡することは、オブジェクトインスタンスの関連付けられたシーケンスとして反映されるオブジェクト経路を確立するために使用され得る。本明細書で説明される高レベルEOGモデリングは観測記録を更新するために使用され得る。または、高レベルEOGは、高レベルモデリングが確立され得る生データ層として観測記録を使用し得る。
【0160】
EOGの維持:オブジェクトの追跡
【0161】
環境内のオブジェクトを追跡することを含むブロックS220は、オブジェクト経路を確立する際にオブジェクトの位置を監視するように機能する。オブジェクトを追跡することは、単一の画像捕捉装置からの画像データ内のオブジェクトを追跡することを含むが、より好適には、複数の画像捕捉装置からの画像データ全体にわたってオブジェクトを捕捉する。オブジェクトを追跡することは追加的に、複数の画像捕捉装置にわたってオブジェクトを識別し関連付ける際に使用され得る。
【0162】
オブジェクトを追跡することは、オプティカルフロー、アルゴリズム的ターゲットロックおよびターゲット再取得、データ駆動型推論、発見的プロセス、および/または他の好適なオブジェクト追跡手法のようなCVベースオブジェクト追跡技術を適用することを含み得る。CVベースオブジェクト追跡およびアルゴリズム的ロックは好適には、オブジェクトの変換を判断するように画像データに作用する。データ駆動型推論は、時間的および空間的近傍近く「Near」において時間的および空間的近傍が、1~5フィートおよび1秒以内に識別された2つのオブジェクトなどほぼ同時刻に同様な位置において識別されたものとして特徴付けられ得ると、オブジェクトと、整合または類似データ特徴とを関連付け得る。時間的および空間的近接条件は、様々な要因に依存する可能性があり、様々な環境および/またはアイテムに対し調整され得る。時間的および空間的近傍近くのオブジェクトは、画像データ(例えば、以前のビデオフレーム、または以前に捕捉された静止画像)の隣接インスタンスからまたは隣接インスタンスの窓から画像データ内に観測されるオブジェクトであり得る。1つの変形形態では、隣接インスタンスの窓は、最後のN個のメディアインスタンス(例えば最後の10個の映像または静止画像)などのサンプル計数により特徴付けられ得る。別の変形形態では、隣接インスタンスの窓は、終了直前のメディアインスタンスなどの時間窓により特徴付けられ得る。
【0163】
オブジェクトを追跡することには好適には、オブジェクト経路内のオブジェクトインスタンスの関連性を確立することが伴う。1つの変形形態では、オブジェクトインスタンスは経路特性を支援するデータモデル構成体であり得る。代替的に、オブジェクト経路はオブジェクト経路に関連付けられ得るデータモデル構成体であり得る。したがって、オブジェクトを追跡することは好適には、オブジェクト経路を構築することを含み、ここでは、オブジェクト経路は、オブジェクトの連続的経路を時間的および空間的に確立する。オブジェクト経路は、棚上の製品のように静止しているオブジェクトを考慮するために静止経路または経路セグメントを含み得る。いくつかのインスタンスでは、オブジェクトの連続観測が妨げられ得、オブジェクト経路は終了することになる。オブジェクト経路の終点は好適には、出現の点および消失の点を含む。
【0164】
オブジェクト経路の終了は、オブジェクト経路の終端点においてオブジェクトに関連してオブジェクトの可能性をモデル化するために複合オブジェクトモデリングおよび/または複数のオブジェクト状態の確率的モデリングを呼び出し得る。オブジェクトを追跡することは、オブジェクトのオブジェクト経路の終端点を検知した後、複合オブジェクトモデリングを適用することおよび/またはマルチステートモデリングを適用することを含み得る。いくつかの変形形態では、相互作用事象を検知することは、オブジェクト経路の終端点に対処する役割を補完または置換し得る。
【0165】
複合オブジェクトモデリングを適用することは好適には、EOG内の少なくとも2つのオブジェクト間の階層的関連性をインスタンス化することを含む。ここでは、1つのオブジェクトインスタンスが少なくとも1つのオブジェクトとの関連性を確率的に有するように設定される。1つのオブジェクトは好適には、子オブジェクトを保有するまたは含むように確率的にモデル化される親オブジェクトである。複合オブジェクトモデリングを適用することは、例えば第1の経路が第2のオブジェクト経路により隠蔽されれば、第1のオブジェクト経路を第2のオブジェクト経路へ関連付け得る。このようにして、第1のオブジェクトは、第2のオブジェクトを追跡することにより間接的に追跡され得る。
図15Aの例示的シナリオに示すように、オブジェクトAはオブジェクト経路に沿って追跡され得るが、いつ当該オブジェクト経路がそれを終了するかはオブジェクトBにより含まれるものとしてモデル化され得る。オブジェクトAがt=20マークにおいてオブジェクトBの近傍内に出現すれば、当該オブジェクト経路は、t=1におけるものと同じオブジェクトAに関連付けられ得る。
【0166】
マルチステートモデリングを適用することは好適には、EOG内のオブジェクトインスタンスの少なくとも2つの確率的に可能性のある状態をインスタンス化することを含む。マルチステートモデリングを適用することは、複数の潜在的オブジェクト経路が終端点において考慮されることを可能にし得る。マルチステートモデリングは、確率的状態の1つまたは複数が別のオブジェクトとの階層的関連性であり得る複合モデリングと組み合わせて使用され得る。
図15Bの例示的シナリオに示すように、オブジェクトAはオブジェクトAのオブジェクト経路が終了すると3つのオブジェクト(B、CおよびD)のうちの1つの中に確率的に含まれるとしてモデル化され得る。一例として、製品は、棚の奥に押し込まれ観測不能であるオブジェクトのモデル化された第1のオブジェクト状態、または買物客により取り上げられ持ち運ばれた製品のモデル化された第2のオブジェクト状態を有し得る。両オブジェクト状態は、それらの状態のどちらが正確であったかをより良く通知するために追加情報が収集されるまでモデル化され得る。追加情報は、それらの潜在的状態のうちの1つを確認する際に使用されてもよいし、潜在的状態のうちの1つを事実に反し除去するために使用されてもよい。
【0167】
多くのシナリオでは、オブジェクト経路は、オブジェクトの一様に一貫したモデリングに関わらない。ブロックS210においてオブジェクトインスタンスに対して生成されたオブジェクト分類および関連信頼水準は、オブジェクト経路に関連付けられたオブジェクトインスタンスに対して変化し得る。ブロックS240と組み合わせたブロックS220の変形形態は、オブジェクト更新をオブジェクト経路全体にわたって伝播することであって、追跡されるオブジェクトのオブジェクト情報を縦断的に処理するように機能し、オブジェクト情報はEOGのオブジェクト分類能力を補完または支援するためにオブジェクト分類を更新する際に使用され得ることを含み得る。
【0168】
幾つかの例では、これは、より大きな特異性により分類を重み付けることを含み得る。例えば、時間の65%で、オブジェクトは一般的箱として分類され、時間の35%で、オブジェクトは特別の朝食用シリアル製品として分類されるオブジェクト経路では、オブジェクト経路の全体にわたるオブジェクト分類の伝播は、オブジェクトを当該経路に沿った朝食用シリアル製品と見做されるように更新することになる。オブジェクト経路に沿ったこのような分類伝播はオブジェクト分類課題をアニールし得る。
図16に示すように、オブジェクト経路は「箱」として分類されたオブジェクトの経路として当初モデル化され得、後の時点で、更新されたオブジェクト分類は同オブジェクトをより高い信頼性でACMEシリアルとしてより具体的に分類し得る。第2の分類は、先のオブジェクトインスタンスがACMEシリアルアイテムとしてモデル化されるように、更新されたオブジェクト状態情報をオブジェクト経路関連全体にわたって伝播することを生じ得る。
【0169】
本方法は場合によっては、オブジェクトが動いていると分類が失敗するという潜在的チャレンジに対処し得る。しかし、オブジェクト追跡はオブジェクト運動中に維持され得、これにより、オブジェクトが動いている期間中の確実なオブジェクト分類の伝播を可能にし得る。一例では、朝食用シリアル製品は、それが棚上に留まる間などには自信を持って分類される。買物客が製品を選択し、それを自身の買物袋に加えると、画像データは製品の隠蔽されたおよび/またはぼやけた画像を捕捉し得、低信頼性分類を生じ得る。しかし、オブジェクトのオブジェクト追跡は、オブジェクトが棚上にある間、高信頼分類が当該の追跡されるオブジェクトへ適用されることを可能にし得る。次に、オブジェクトがバッグ内にある間に見ることを妨害されると、複合オブジェクトモデリングはバッグが製品を含むものとしてモデル化し得る。
【0170】
EOGの維持:オブジェクトの検知
【0171】
相互作用事象を検知することを含むブロックS230は少なくとも1つのオブジェクトにより変化の性質を識別および特徴付けるように機能する。相互作用事象は画像データ内で観測された検知可能な変化であり得る。好適には、相互作用事象は複合オブジェクトモデリングおよびマルチステートモデリングを適用する際に使用され得る。相互作用事象は追加的に、相互作用事象からの結論がEOG上で縦断的に使用され得るように新しいオブジェクト状態情報を伝播することを含み得るブロックS240のEOGを更新することをトリガすることを含み得る。
【0172】
相互作用事象は好適には、誤り易いかつ特化された検知アルゴリズムに本方法が依存しないように、低複雑性を有する検知手法を提供する。好適には、相互作用事象を検知することは、オブジェクト近接事象(この場合は、例えばオブジェクトツーオブジェクト接触または近接性変化を検知する)、および/または複合オブジェクト変換(この場合は、例えばオブジェクト出現、オブジェクト消失、オブジェクト分類変更などを検知する)などの一組の相互作用事象タイプのうちの1つまたは複数の相互作用事象タイプの検知を介し相互作用事象を検知することを含み得る。このような相互作用事象の様々な変形形態が追加的に、関与オブジェクトに依存して使用され得る。人とオブジェクトとの接触、カート/バッグ中へのオブジェクト挿入、または他の事象タイプなどの特化およびカスタム化相互作用事象タイプの処理が追加的に使用され得る。相互作用事象条件は様々な運用目的に依存して調整され得る。1つの変形形態では、感度が動的に調整され得る。例えば、機械学習および/または手動調整が相互作用事象の構成特性をチューニングする際に適用され得る。
【0173】
相互作用事象は、その環境内にオブジェクトの確率的変換が存在する1つまたは複数のオブジェクトの相互作用であり得る。相互作用事象は複合オブジェクト変換に関連付けられ得る。相互作用事象は、一組のオブジェクト間のいずれかの方向または両方向への移行を含み得、相互作用事象は、オブジェクト同士の内方または外方付着(accretion)を含み得る。加えて、変換は識別されたオブジェクトまたは未確認オブジェクトに関与し得る。さらに別の変数として、変換の方向および/または発生が確率的に特徴付けられ得る。一例では、オブジェクトの交換が、買物客オブジェクトおよび棚アイテムオブジェクトなどの2つ以上の分類されたオブジェクト間のものである可能性がある。別の例では、1つの複合オブジェクトは、例えば1つのオブジェクトがコンテナから落下すれば別のオブジェクトを生成し得る。別の例では、相互作用事象が検知され得るが、変換の性質はこの時点では未知であり得る。複数のオブジェクト状態のモデリングは、相互作用事象の様々な起こりうる結果を考慮するために採用され得る。
【0174】
分類および追跡におけるように複合オブジェクトモデリングを適用することは好適には、1つのオブジェクトインスタンスが少なくとも1つのオブジェクトとの関連性を確率的に有するように設定されるEOG内の少なくとも2つのオブジェクト間の階層的関連性をインスタンス化することを含む。相互作用事象の様々な要因は、どのようにオブジェクトの相互作用が階層的関連性の変化を生じるかを判断する際に使用され得る。加えて、EOGを更新する際、以前のオブジェクトインスタンスは相互作用事象を生じた複合オブジェクトモデリングを反映するように更新され得る。例えば、相互作用事象が親オブジェクトから生成された子オブジェクトを検知すれば、当該親オブジェクトインスタンスは、子オブジェクトを含んだとして以前のインスタンスにおいて更新され得る。
【0175】
分類および追跡におけるようにマルチステートモデリングを適用することは好適には、EOG内のオブジェクトインスタンスの少なくとも2つの確率的に可能な状態をインスタンス化することを含む。マルチステートモデリングを適用することは、相互作用事象の複数の潜在的結果がEOG内に考慮され維持されることを可能にし得る。マルチステートモデリングは、確率的状態の1つまたは複数が別のオブジェクトとの階層的関連性となり得る複合モデリングと組み合わせて使用され得る。例えば、近接相互作用事象が買物客および製品によりトリガされると、当該製品インスタンスは、棚の奥に押し込まれたようなオブジェクト状態であるとして第1の確率でモデル化され得、買物客により所持されるようなオブジェクト状態であるとして第2の確率でモデル化され得る。両方のオブジェクト状態は、それらの状態のどちらが正確であったかをより良く通知するために追加情報が収集されるまでモデル化され得る。追加情報は、それらの潜在的状態のうちの1つを確認する際に使用されてもよいし、潜在的状態のうちの1つを事実に反して除去するために使用されてもよい。
【0176】
相互作用事象の結果は、知らされ得、相互作用の性質が視覚的に観測される。例えば、製品がカートに入ることが断定的に観測され得る。EOGは、カートが製品を含むという高程度の確実性で更新され得る。他のシナリオでは、相互作用事象の理解は確率的ですらあり得、相互作用の性質は十分に観測または分類されなかった。例えば、買物客が棚に手をのばしてアイテムと相互作用することは、第1の確率でオブジェクトが棚から買物客へ移行したということ、第2の確率で買物客がオブジェクトを棚へ移したということ、および第3の確率で買物客が異なるオブジェクトを取り出したということと考えられ得る。時折、相互作用事象の検知はその理解と一致しない。これらのケースでは、棚および買物客のその後の検査は、何のオブジェクトがそしてどの方向に移されたかについての最良の情報を提供し得る。より高い品質情報が入手可能であると、EOGは元の相互作用事象をより良く表すために更新され得る。
【0177】
オブジェクト近接事象は2つ以上のオブジェクトの近接性の増加または変化から生じる。具体的には、オブジェクト近接事象を検知することは、第1の分類の第1のオブジェクトの近接性と近接性閾値を満足する第2の分類の少なくとも1つの第2のオブジェクトとを検知することを含み得る。例えば、SKUオブジェクトの一定距離(例えば2フィートなどの両腕間幅未満)内に入る人オブジェクトは、人がオブジェクトと相互作用した可能性があり得るのでオブジェクト近接事象をトリガし得る。
【0178】
オブジェクト近接事象に関与するオブジェクトの数、分類、および/または状態はオブジェクト近接事象を検知するための条件内の要因であり得る。例えば、様々な近接性閾値がオブジェクト分類に依存して使用され得る。さらに具体的には、様々な製品オブジェクトは、製品人気度、買物客購入履歴、製品価格または他の補足入力により影響を受け得る買物客との近接事象に対する様々な感度を有し得る。
【0179】
加えて、オブジェクト近接事象は関連近接性マグニチュードを有し得、相互作用事象のモデリングは近接性マグニチュードにより強化され得る。近接性マグニチュードは距離推定または近接性分類である可能性がある。近接性の時間が追加的に、近接性マグニチュードを判断してもよいし、近接性マグニチュードの要因であってもよい。近接性を低減する際の近接性分類の例は、「接触」、「準接触」、および「近傍近く」を含み得る。好適には、より低い重要度または重み付けが、より小さい近接性マグニチュードを有するモデル化へ適用される。例えば、オブジェクトツーオブジェクト接触は通常、ほぼ近傍内に入るオブジェクトより高い重要度でモデル化されることになる。
【0180】
代替の変形形態では、近接条件は離散的相互作用または連続的相互作用のものであり得る。特に、離散的相互作用では、人オブジェクトと保管オブジェクトとの近接性が相互作用事象をトリガすることになる。買物客が棚に接触するまたは棚に近づくと、相互作用事象が発生する。例えば、棚に手をのばすことが観測された買物客は、オブジェクトの選択を予測する可能性が高い相互作用事象を生じる可能性がある。しかし、棚に近いことだけが観測された買物客は、オブジェクトの任意の交換の低い確率を有する相互作用事象であり得る。連続的相互作用確率に関して、2つのオブジェクト間に発生する相互作用事象の尤度は近接性および時間に基づき得る。
図9に示すように、店内の買物客の経路が店内のすべてのオブジェクトとの相互作用の尤度を変更し得、ここでは、経路に沿ったオブジェクトは相互作用事象に関与する高い確率を有し同経路に沿っていないオブジェクトは相互作用事象に関与する低い確率(または零確率)を割り当てられる。
【0181】
図17Aの例示的シナリオに示すように、買物客は棚に近づき得る。オブジェクトAの遮蔽は、オブジェクトAが恐らく棚の中にあるとしてまたはオブジェクトAが買物客により選択されるとして更新する相互作用事象をトリガし得る。買物客が立ち去れば、先のオブジェクトAの消失と組み合わせた当該相互作用事象は、オブジェクトAが買物客により選択されたという確率を増加する。
図17Bの好対照なシナリオでは、買物客が立ち去るとオブジェクトAは分類され得、オブジェクトAが買物客により選択される可能性は低減され得るまたは無くされ得る。
図18の例示的観測のシーケンスに示すように、相互作用事象およびモデリングは2つのオブジェクトに限定されない。
【0182】
相互作用事象を検知することは追加的に、オブジェクトの変化の際に検知を介しトリガされ得る。例えば、在庫保管構成型画像捕捉装置が棚上のオブジェクトのレイアウトの変化を検知すれば、以前の相互作用事象の確率が上昇される。買物客がすぐそばにいれば、買物客が棚と接触するということが断定的に観測されなかったとしても、当該買物客は、当該棚からオブジェクトを選択したというより高い確率を割り当てられ得る。さらに具体的には、オブジェクトの変化は、複合オブジェクト変換のある形式を含み得、オブジェクト変換を検知することは、オブジェクト出現事象、オブジェクト消失事象、および/またはオブジェクト分類変更事象を検知することを含み得る。
【0183】
オブジェクト出現事象およびオブジェクト消失事象の変形形態は、新しいオブジェクトの検知、オブジェクトの隠蔽または消失、第2のオブジェクトからのオブジェクトの明白な露出、第2のオブジェクトによるオブジェクトの明白な隠蔽、オブジェクトの複数のオブジェクトへの明白な分割、および複数のオブジェクトの複合オブジェクトへの明白なマージを含み得る。加えて、変更されたオブジェクトまたはバラバラにされたオブジェクトはオブジェクト出現事象の一形式であり得る。影響されたオブジェクトは外部エンティティにより影響されたものである。例えば、顧客がかじった林檎は、林檎から破損された林檎へ変換するオブジェクト相互作用事象に晒されるだろう。1つの変形形態では、変更されたオブジェクトは、あるタイプのオブジェクト分類であり得、オブジェクト分類プロセス内で対処され得る。変更されたオブジェクトへのオブジェクトの変換に関わる相互作用は、従業員に警告を発する際に、オブジェクト選択にもかかわらずアイテムを買物客のチェックアウトリストへ追加する際に使用されてもよいし、任意の好適なやり方で使用されてもよい。
【0184】
分類変更事象は、様々な時刻間に変化するオブジェクトの分類を含み得る。この分類変更は、2つの別個のオブジェクトの出現/消失と単一オブジェクトのオブジェクト分類の変更とを区別するためにオブジェクト追跡と組み合わせて検知され得る。
【0185】
相互作用事象を検知することは追加的に、一連の相互作用が更新オブジェクトインスタンス情報に応じて検査され得るように相互作用事象のログ記録を含み得る。EOGデータシステムは好適には、歴史的記録またはオブジェクト関係および相互作用により更新される。1つの例示的シナリオでは、第1の相互作用事象は、買物客が製品AおよびBを含む棚から製品Aを選択することとして記録され、その後、第2の相互作用事象は、買物客が製品Aを第2の棚上に戻すとこととして記録される。製品Bの断定的識別が第2の棚上で行われれば、第2の相互作用事象は買物客が製品Bを第2の棚上へ置く事象となり、第1の相互作用事象は買物客が製品Bを選択するという事象へ更新されるように、EOGは相互作用事象ログを介しブロックS230において更新され得る。
【0186】
例示的シナリオとして、相互作用事象を検知することと組み合わせたオブジェクト位置(例えば運動経路)を追跡することは、オブジェクト状態の表現を生成する際に複合オブジェクトモデリングと確率的マルチステートモデリングとを使用し得る。
図19Aでは、オブジェクトAは、そのうちのいくつかがオブジェクトAを含まない複数の相互作用事象を介しモデル化され得る。マルチステートモデリングは、オブジェクトAの潜在的オブジェクト状態のある表現を維持する際に使用され得る。オブジェクトAの更新された分類が最終的に発生すると、更新されたオブジェクト状態は、
図19Bに示すように2つの潜在的状態を1つの潜在的状態に変形するために使用され得る。
【0187】
EOGの維持:EOGの更新
【0188】
EOGを更新することを含むブロックS240は、オブジェクトのデータ表現および/または入力の処理を修正するようにそして環境内のアイテムの状態をより良く反映するように機能する。EOGを更新することは、少なくとも1つのオブジェクトのオブジェクト状態をEOGを介し伝播することを含み得る。これは、関連EOG表現の更新を生じ得、1つまたは複数のデータベース記録がEOGデータシステムにおいて修正される。EOGを更新することは追加的にまたは代替的に、どのようにデータが処理されEOGモデルに変換されるかを動的に修正するように機能するEOG処理エンジン210を更新することを含む。
【0189】
一般的に、EOGを更新することは、関連オブジェクトの確率的理解への一連の更新を生じる。ブロックS240は、少なくとも1つのオブジェクトインスタンスの変更を、EOG内の関連性を介しEOG更新オブジェクト状態のオブジェクト関連性全体にわたって伝播することS242を含み得る。オブジェクトインスタンスの変更は好適には、分類、位置、複合オブジェクトモデリング、マルチステートモデリング、オブジェクト生成または削除、および/または他の更新オブジェクト情報の変更を含み得る更新オブジェクト状態データである。例えば、1つのインスタンスにおけるオブジェクトの断定的識別は、先行する相互作用事象の確率的理解を変更し得、他の関連相互作用事象の確率的理解も変更し得る。同様に、補足入力データはEOG全体にわたって伝播され得る。
【0190】
EOGの関連性は、オブジェクト追跡、相互作用事象、またはオブジェクト分類および他のパターンのデータ駆動型推論を通じてあるやり方でリンクされるオブジェクトインスタンスとの関連性を含み得る。複合オブジェクトモデリング、マルチステートモデリング、オブジェクト経路は好適には、これらの関連性を特徴付け得るEOGモデリング構築である。
【0191】
オブジェクトインスタンスの変更を伝播することは、更新されたオブジェクト状態情報により関連オブジェクトを縦断的に更新することであって更新を時間的に後方および前方へ伝播するように機能することを含み得る。更新されたオブジェクト状態を伝播することは、関連オブジェクト分類を更新することと、マルチステートモデリングを更新することと、オブジェクト経路間をブリッジすることとを生じ得る。1つの変形形態では、関連性は、当該経路に関連付けられたオブジェクトインスタンスが、当該経路のオブジェクトを関係付ける新情報により更新され得るようなオブジェクト経路とのオブジェクトインスタンス関連性である。別の変形形態では、関連性は複合オブジェクトモデリングと同様に階層的関連性であり得る。別の変形形態では、関連性は空間的および時間的近接関連性に基づき得る。
【0192】
1つの変形形態では、更新されたオブジェクト状態は、更新されたオブジェクト分類であり、他の空間的および時間的インスタンスにおいてオブジェクトの分類の更新を生じ得る。分類は、異なる信頼水準でなされ得る。より確実な分類は、
図33に示すように、(例えばオブジェクトインスタンスの分類を強化および/または信頼性を増加することにより)他のオブジェクトインスタンスの信頼性を強化するようにオブジェクトモデリングを更新するために使用され得る。同様に、分類の複数のインスタンスは、信頼性が単一分類インスタンスの信頼水準を越えて増加され得るように分類を強化し得る。別の分類は、どのようにオブジェクトが、より詳細な分類を提供することによりまたは以前の分類に疑いをさしはさむことによりのいずれかにより分類されるかを補強し得る。更新されたオブジェクト状態の影響は追加的に、画像捕捉装置優先度により重み付けられ得る。例えば、POS捕捉構成または校正ツールの画像捕捉装置は、より高い優先度を与えられ得る。分類は同様に、
図34に示すように別のオブジェクトインスタンスの分類信頼性の低下を生じ、いくつかのケースでは、オブジェクト分類を変更する可能性がある。
【0193】
1つの変形形態では、オブジェクト状態の更新は、複合オブジェクト関連性を変更することを含み得、親-子オブジェクト関連性の変更を生じ得る階層的関連性を変更し得る。いくつかのケースでは、これは、当該インスタンスの階層的関連性を除去し得る。
【0194】
マルチステートモデリングを更新することは、期待値をより良く反映するためにマルチステートモデリングを変更するように機能する。好適には、オブジェクトインスタンスの更新されたオブジェクト状態データは最終的に、複数の潜在的状態の関連ブランチへ伝播され得、更新されたオブジェクト状態データは、モデリングを単一状態へ帰着させるおよび/または複数の潜在的状態の確率的モデリングを精緻化するために使用され得る。複数の潜在的状態の確率的モデリングを精緻化することは、確率を変更することおよび/または一組の潜在的状態を変更すること(潜在的オブジェクト状態を増加、低減、またはそうでなければ変更すること)を含み得る。例えば、特定オブジェクトは、棚上でまたは恐らく買物客のカート内でのいずれかにおいて恐らく隠蔽されたものとしてモデル化され得る製品が後でカート内で観測され分類されれば、カートの運動経路は棚上の点まで辿られ得、棚上で隠蔽されたオブジェクトの潜在的状態は削除され得る。
【0195】
オブジェクト経路をブリッジすることは、様々なオブジェクト経路間の関連性を確立するように機能する。オブジェクトの追跡においては隙間または穴が通常存在することになる。オブジェクト経路をブリッジすることは好適には、オブジェクト経路をほぼ同様なオブジェクト特性により識別することを含む。オブジェクト経路をブリッジすることは当初、ほぼ時間的および空間的近傍内のオブジェクト経路を探索し、次に当該探索を拡張し得る。オブジェクト経路をブリッジすることは、以前または後のインスタンスからオブジェクト経路を識別し得る。オブジェクト経路をブリッジすることは追加的に、オブジェクトが複数の画像捕捉装置により追跡されるときに重畳時間を有するオブジェクト経路をブリッジし得る。
【0196】
更新されたオブジェクト状態の伝播はカスケードモデル更新を生じ得る。一例として、高信頼性を有するオブジェクトの分類は、その全経路に沿ったオブジェクトの分類を変更し得る。この変更は、当該オブジェクト経路と、同じオブジェクトであると予測される別のオブジェクト経路との関連性を変更し得る。次に、これは、新たに関連付けられたオブジェクト経路に関連した点において複合オブジェクトおよび/またはマルチステートモデリングを変更する可能性がある。
【0197】
EOGを更新することは、ブロックS210におけるオブジェクト分類、ブロックS220における相互作用事象検知、および/またはブロックS230におけるオブジェクト追跡変更により通知される基本オブジェクトモデリングのうちの1つに応じて開始され得る。相互作用事象は通常、オブジェクトの新しいまたは更新された分類情報に関係する事象を含むことになり、モデル化されたオブジェクト経路は、別個のオブジェクト経路同士をブリッジまたはアニールするために処理され得る。
【0198】
別の変形形態では、EOGシステムを更新することは、オブジェクト分類(例えばオブジェクトタイプ、オブジェクト識別、オブジェクト特性など)および/またはオブジェクト関係(例えば親/子オブジェクト関係)の変化を含み得るオブジェクトの変化に応じて開始される。例えば、表されたサイズの変化は追加の目視情報から生じるかもしれない。サイズの変化は、子オブジェクトが占め得る利用可能容積を変更し得る。別の変形形態では、オブジェクトの変化は、オブジェクトの内容を露出すること、別のオブジェクトによりオブジェクトを隠蔽すること、オブジェクトを2つ以上のオブジェクトに分割すること、一組のオブジェクトをマージすること、オブジェクトの出現、およびオブジェクトの消失を含むオブジェクト変換検知である。この変形形態では、更新されたオブジェクト状態を伝播することは:以前のオブジェクトインスタンスが当該オブジェクトを保有したと更新することと、現在のオブジェクトインスタンスがオブジェクトを隠蔽したと更新することと、以前のオブジェクトインスタンスが一組のマージされたオブジェクトであったと更新することと、現在のオブジェクトインスタンスをマージオブジェクトとして更新することなどを含み得る。
【0199】
別の変形形態では、EOGシステムを更新することは追加的に、解決事象(resolution event)の一形式として補足入力を取り込むことを含み得る。解決事象は通常、環境内のオブジェクト周囲の文脈情報を追加する。このような解決事象は、在庫メトリックまたは他のオブジェクト情報が入手可能な他のオブジェクト入力に関係し得る。例えば、在庫の発注とストックとを連携させる社外在庫管理システムが、環境内の追加在庫アイテムの期待入力に関する情況を提供し得る。1つのケースでは、従業員は、受け取った積荷を奥の部屋または店先に保管する前にスキャンインし得る。別の例では、販売時点情報管理システムは、店を離れると期待在庫アイテムに関するデータを提供し得る。別の例では、従業員が手動で棚卸しをする定期棚卸事象が発生し得る。このような解決事象はEOG内のオブジェクトを更新する際に使用され得る。
【0200】
1つの変形形態では、本方法は追加的に、オブジェクトの観測を優先付けることであって特定オブジェクトの画像データ収集および/またはEOG処理を変更するように機能することを含み得る。特定条件を満足するオブジェクトは、特別の注意を払って監視され得る。好適には、オブジェクトは、その識別子および/または内容の確実性が閾値未満である場合にはより注意深く追跡される。1つのインスタンスでは、画像データの収集がオブジェクトの分類の確実性を増加するために更新され得る。1つのインスタンスでは、可動捕捉構成の撮像装置が、製品を識別するためのデータを提供する可能性がある。別のインスタンスでは、確実性を増加する際に使用されるデータを収集するために従業員が派遣される可能性がある。
【0201】
本方法は好適には、EOGが繰り返し更新および精緻化されるように繰り返し行われる。環境内のEOGシステムの使用を開始する際、本方法はトレーニングモード中にEOGシステムを管理することを含み得る。EOGシステムをトレーニングモードで管理する際、本方法は、チェックアウト処理システムまたはアイテム発注システムなどの1つまたは複数の社外在庫入力システムのそばで行われ得る。EOGシステムは、社外在庫入力システムからのトレーニング入力に基づきその動作を実行および校正し得る。EOGシステムの性能が満足であると、本方法は、EOGシステムをほぼ独立したモードで使用するように移行し得、外部在庫入力の使用によりEOGシステム用に部分的に依然として使用され得る。
【0202】
別の変形形態では、EOGを維持することは追加的に、EOGを少なくとも部分的にリセットすることであってEOGモデリング複雑性を低減するように機能し得ることを含み得る。EOGをリセットすることはEOGの低確率態様を捨てることを含み得る。例えば、低確率マルチステートを有するオブジェクト状態モデリング、および/また複合オブジェクトモデリングは削除、低減またはそうでなければ単純化され得る。EOGをリセットすることは、EOGを維持する際に連続的に発生し得る。または、定期的に発生する可能性がある。例えば、EOGは業務時間中に日々リセットし得る。
【0203】
図20に示す1つの例示的シナリオでは、出荷用枠箱は未知組成を有する検知されたオブジェクトであり得る。取り去られたオブジェクトの相互作用事象と、単一箱のクッキーとしての当該オブジェクトの断定的分類後、EOGは、出荷用枠箱が多くのクッキー箱で既に充たされていたという知識により更新され得る。現状では、EOG内の枠箱オブジェクトは、クッキー箱で既に充たされており、今は1つ少ないクッキー箱を有するとして更新されるであろう。出荷用枠箱の充填状態を推定することは、出荷用枠箱内に合うであろうクッキー箱の数を推定するために、出荷用枠箱およびクッキー箱の容積および寸法を利用し得る。この時点で、人により所有されたクッキー箱は、断定的分類のために高い信頼性で分類され、出荷用枠箱は、適度信頼水準で多くのクッキー箱を含むとしてモデル化され得る。適度信頼水準は、モデリングが結論を引き出すのに使用される柔軟な推論の結果であるので適度である(例えば10%~60%のように零ではなくかつ高レベルではない)ことが好ましい。後で、第2のオブジェクトが異なるスナック箱として取り去られ分類されれば、EOGは再び更新されるであろう。今回、出荷用枠箱は、当初箱容積の2分の1がスナック箱により充たされ他の2分の1がクッキー箱へ当てられたと判断され得るが、出荷用枠箱の中身の信頼水準はさらに低いかもしれない。逆に、出荷用枠箱から取り去られた第2のオブジェクトが第1のものと同一である別のクッキー箱であり、容積計算結果が一致すれば、出荷用枠箱の残りが推定数(今や2未満)のクッキー箱を含む確率は上昇されるだろう。出荷用枠箱が最終的に空になり、カートンが廃棄されると、その数は再びチェックされる。すべてが予測通りに行けば、EOGシステムは、当該知識を使用して、次回EOGシステムが同様なコンテキスト(例えば、同様な出荷用枠箱としておよび/または同様な位置に位置する枠箱として分類される)を有するオブジェクトに遭遇するというその後の予測確率を重視することになる。
【0204】
図21に示す別の例示的シナリオでは、棚は3つのオブジェクトを含み得、前方の1つだけが断定的に分類され得る。最良のケースでは、棚オブジェクトは、含まれたオブジェクトの数およびタイプを示す履歴を有するだろう。そうでなければ、隠蔽されたオブジェクトが棚の子オブジェクトであり前方のオブジェクトと同じであるということが確率的に想定される。しかし、前方のオブジェクトが取り去さられ、以前隠蔽されたオブジェクトが元の予測とは異なるやり方で分類されれば、これは、他の隠蔽されたオブジェクトに関する想定を再評価することになり得る。これは
図21に示すように棚卸資産会計に影響を与え得る。
【0205】
EOGの検査と実行
【0206】
環境オブジェクトグラフを検査し関連行為を実行することを含むブロックS300は、変更に影響を与えるためにEOGを利用するおよび/またはそれと相互作用するように機能する。EOGは好適には、ある行為を実行するために検査される。行為は使用ケースに依存して変わり得る。検査することは、1つまたは複数のオブジェクトインスタンスの状態および関連特性を照会、アクセスまたはそうでなければ処理することを含み得る。
【0207】
検査は追加的に、様々な規則、条件または他のアルゴリズムによりトリガされる自動検査であり得る。1つまたは複数のオブジェクトに関係するオブジェクト状態情報が、検査中に識別され得る。いくつかのケースでは、オブジェクト状態の処理は、EOGモデルをより実行可能なフォーマットに分割するために使用され得る。例えば、ショッピングアプリケーションにおけるEOGの検査は、買物客オブジェクトにより所有される一群のオブジェクトに関係するオブジェクト状態を製品およびそれらの価格のリストへ分割することを生じ得る。
【0208】
いくつかの変形形態では、実行された行為は、買物客のチェックアウトプロセスを容易にするために、または施設の在庫および運営を指示または管理する際に、などいくつかのアプリケーションにおいて利用され得る。他の変形形態では、実行された行為は、校正タスク、従業員要求、および/またはメディア保管をトリガするなどEOGを維持および精緻化すること(環境内のオブジェクトをモデル化する際に計算能力を強化する恩恵を有し得る)に関係する行為に関係付けられ得る。
【0209】
EOGによるチェックアウトの容易化
【0210】
1つの特定実施形態では、本方法は自動チェックアウトへ少なくとも部分的に適用され得る。チェックアウト実施形態は好適には、分類されたSKUオブジェクトを買物客オブジェクトへ関連付けることを介し仮想カートリスト(すなわちチェックアウトリスト)を確立することを含む。買物客オブジェクトは、顧客/人オブジェクト、カートオブジェクト、バスケット分類オブジェクト、バッグ分類オブジェクト、および/またはある集合の買物客関連オブジェクト(例えば買物客オブジェクト、様々なバッグオブジェクト、バスケットオブジェクト、および/またはカートオブジェクト)であり得る。
【0211】
製品は通常、店内を移動する間に時間および空間的に様々な点で買物客によりカートへ追加されることになる。これらの製品は、チェックアウト領域に近づくと見えないかもしれない。しかし、上述の方法は、当該買物客/カートにより含まれるようにモデル化された製品を識別することにより、追跡される買物客が近づくと、チェックアウト用の仮想カートリストを生成するために複合オブジェクトモデリングにてこ入れし得る。1つの特にユニークな特性として、仮想カートの生成は、チェックアウトプロセスから空間的および時間的に除去された画像データにより達成され得る。仮想カートリストに基づく行為は、
図35に示すように、仮想カートリスト構築に繋がる観測とは異なる時間および空間において適用され得る。または、本方法は、各アイテムが買物客オブジェクトとのオブジェクト関連性の変化および仮想カートリストの生成に依存して個々に課金および/または払い戻されるマイクロトランザクションを支援し得る。
【0212】
仮想カートリストにより行動を起こす際、本方法は、チェックアウト領域内の買物客関連オブジェクトを検知することと、
図22に示すような買物客の口座に課金することまたは
図23に示すような仮想カートリストによりチェックアウト処理システムを強化することのいずれかを含み得る。チェックアウトプロセスは、製品購入事象であり得るが、同様にアイテムの保有をユーザ口座に計上する可能性がある。例えば、自動チェックアウト実施形態は同様に、図書館またはアイテム貸し/借りアプリケーションにおいて適用される可能性がある。
【0213】
チェックアウトプロセスを支援する際に使用されると、買物客の仮想カート内の期待SKUオブジェクトはチェックアウト処理システム(例えばチェックアウトキオスク)へ伝達され得る。
【0214】
好適な実施では、これは、オブジェクト状態の検査中に、買物客関連オブジェクトインスタンスに関連付けられたSKU/製品オブジェクトインスタンスのチェックアウトリストを生成することと、行為を実行する際にチェックアウトリストを買物客関連オブジェクトインスタンスの近傍のチェックアウト処理システムへ伝達することとを含み得る。本方法は追加的に:チェックアウト処理システムにおいて、チェックアウト処理システムの未決トランザクションの製品の項目別リストを投入すること、および/またはチェックアウト処理システムにより入力される製品の選択をバイアスすることとを含み得る、
【0215】
好適には、購入される製品の項目別リストは、SKUオブジェクトのリストに基づきチェックアウト処理システムへ自動的に入力される。1つの変形形態では、高信頼閾値で予測されたオブジェクトは自動的に追加され得、信頼性の中程度閾値以内のオブジェクトは、自動化された追加検査またはユーザインターフェース行為を通じて迅速に確認され得る(アイテムを手動でスキャンインすることとは対照的に)。いくつかの変形形態では、低信頼性を有するオブジェクトは、物理的アイテムをチェックするように従業員に警告するまたは未追加アイテムを手動で走査するように従業員に要求するなどの様々な手法で処理され得る。本方法は、セルフチェックアウトPOSシステム、モバイルコンピューティング装置(例えばスマートフォンまたはウェアラブルコンピュータ)の消費者集中型アプリケーション、および/またはスタッフ配置型POSシステムなどのチェックアウト処理システムによりチェックアウトを容易にするために使用され得る。
【0216】
本方法は代替的に、買物客が製品を選択して店を離れることを可能にし、買物客が伝統的チェックアウトプロセスまたはキオスクを使用するのを軽減する完全自動セルフチェックアウトプロセスへ適用され得る。自動チェックアウトへ適用されると、本方法は同様に、SKUオブジェクトと買物客とを関連付けるが、追加的に、買物客と口座とを関連付けることと店を離れる際に所有されたSKUオブジェクトに対し口座に課金することとを含み得る。買物客と口座とを関連付けることは、顔認識を介し買物客を識別することなど生体測定検知技術を利用し得る。
【0217】
好適な実施形態では、これは、オブジェクト状態の検査中に、買物客関連オブジェクトインスタンスに関連付けられたSKU/製品オブジェクトインスタンスのチェックアウトリストを生成することと、行為を実行する際に:買物客関連オブジェクトインスタンスに関連付けられた口座へアクセスすることと、買物客関連オブジェクトインスタンスがチェックアウト領域内で検知されるとチェックアウトリストをユーザ口座へ課金することとを含み得る。
【0218】
買物客と口座とを関連付けることは代替的に、接続装置(例えばスマートフォンまたはRFIDフォブ)の有無など口座の装置を検知することを含み得る。買物客と口座とを関連付けることは代替的に、キオスクまたはチェックアウトステーションにおいてクレジット、デビット、ギフトまたは支払いカードを使用することを含み得る。いかなる問題も買物客オブジェクト内に検知されなければ、買物客はこれ以上の相互作用無しに店を離れ得、領収書はキオスクまたはチェックアウトステーションへ電子的に運ばれてもよいしその場で印刷されてもよい。さらに別の変形形態では、買物客と口座とを関連付けることは能動的登録に関与し得る。例えば、買物客は「チェックイン」、「チェックアウト」、または口座が環境内のそれらの存在および活動へマッピングされることを可能にする何らかの行為を行うことを要求され得る。バンプ(bump)技術、NFC、QRおよび多くの他のチャネルがこの関連性を確立するために使用され得る。買物客の観点からは、買物客は店内に入り、1つまたは複数の製品を取り上げ、店から立ち去り得、買物客は、一組のアイテムに課金されたという通知をアプリケーションまたはメッセージングメディアを介し受信し得る。
【0219】
自動チェックアウト実施形態は追加的に、顧客により所有されるとして現在モデル化された製品のプレビューを提示するように機能する、
図24に示すようなチェックアウト処理システムに先立って現在の仮想カートリストを提供することを含み得る。現在の仮想カートリストは、EOGシステムと通信するユーザアプリケーションを介し提供され得る。買物客は追加的に、誤りがあれば仮想カートリストを手動で編集する可能性がある。加えて、ユーザ入力が受信され、仮想カートリストを編集しそして次にS240を介しEOGを更新する際に使用され得るユーザインターフェースが提示され得る。
【0220】
1つの変形形態では、仮想カートはショッピング中には生成されず、その代わりに、仮想カートはチェックアウト領域内のSKUオブジェクトを収集することによりチェックアウト領域内で生成される。この変形形態は、アイテムを取り上げチェックアウト領域に入る複数の顧客を支援する可能性があり、アイテムの組み合わせ集合が、単一購入トランザクションにおいて使用され得る仮想カートを生成する際に使用される。同様に、この手法は、バッグ、カート、および/または買物客上に個人的に保持しているアイテムの組み合せを使用している買物客のシナリオを柔軟に処理する可能性がある。顧客観点からは、チェックアウト領域内に持ち込まれる製品は、チェックアウトプロセス中に仮想カートへ自動的に追加されることになる。
【0221】
1つの変形形態では、仮想カートに作用する前に、本方法は、オブジェクトモデリングを購入にふさわしい製品の縮小セットへ変換するように機能する、例示的
図25に示すような買物客オブジェクトに関連付けられたオブジェクトを仮想カートリストに分割することを含み得る。第1には、購入にふさわしいオブジェクトだけが仮想カートリストへ追加される。これは、買物客オブジェクトに関連付けられたSKUオブジェクトを選択することを含み得る。これは追加的に、環境のショッピング領域内の買物客オブジェクトにより取得されたSKUオブジェクトを選択することを含み得る。これは、顧客により環境内へ導入されたオブジェクトを考慮するように機能し得る。例えば、顧客が店内でも販売されているソーダの缶を持ち込めば、当該ソーダの缶は、環境内への入場中に(または代替的に、財布、バッグなどから生成されることにより)顧客に関連付けられ得、したがって仮想カートリストへ追加されないだろう。
【0222】
買物客オブジェクトに関連付けられたオブジェクトを分割することは追加的に、オブジェクト分類信頼水準、製品価格、製品マージン、および/または他の運用特性を考慮することを含み得る。多くの事業運営では、ユーザ経験はそれ自身の値を有するが、誤りがなされれば、または、買物客によるチェックアウトのために選択された製品の満足な信頼水準より若干低い信頼水準をEOGが有する場合に自動セルフチェックアウトを利用することを妨げられれば、顧客満足度も考慮するように仮想カートを調整する。
【0223】
チェックアウトシステムインテグレーション
【0224】
上述のように、本方法は、生成された仮想カートリストを供給することによりPOS運営を強化するためにチェックアウト処理システムとの統合をてこ入れし得る。上述のようなこの変形形態は通常、仮想カートリストをチェックアウト処理システムへ伝達することを含む。次に、チェックアウト処理システムにおいて受信された仮想カートリストは、アイテムリストをチェックアウト処理システム内に予め投入する際に使用され得る。チェックアウト処理システムは、従業員駐在POSキオスク、顧客セルフチェックアウトキオスク、顧客向きアプリケーション(顧客のコンピューティング装置上で動作可能)、および/またはチェックアウトプロセスを容易にするために使用される任意の好適な装置であり得る。
【0225】
仮想カートリストは代替的に、チェックアウト処理システムにより製品検知をバイアスする際に使用され得る。チェックアウト処理システムは、画像捕捉装置と、予め投入されたまたはバイアスされたアイテムリストがオブジェクト検知チャレンジを低減し得るオブジェクト検知とを利用し得る。チェックアウト処理システムは代替的に、ユーザインターフェース、バーコードスキャナ、および/またはチェックアウトのためにアイテムを追加する任意の好適な入力を利用し得る。これらの入力は、予測されたアイテムをより容易に検知するためにバイアスされ得る。例えば、ユーザインターフェースが潜在的アイテムを提示し得、従業員は、潜在的アイテムをカートへ追加するためにこれらを迅速に選択し得る。
【0226】
POSインテグレーションは追加的に、EOGモデリングおよび/またはトレーニングを更新する際に適用され得る。1つの変形形態では、オブジェクト分類は、チェックアウト処理システムにおいて画像データを収集することにより、そしてEOGを更新する際に補足入力としてPOS入力(例えばバーコードスキャナ)により生成された製品ラベルを適用することにより、トレーニングされ得る。収集された画像データは、チェックアウト処理システムにおいてオブジェクトを店内の他のオブジェクトインスタンスに関係付けるEOG内のオブジェクトインスタンスおよび関連性を生成する際に使用され得る。製品ラベルは、EOG全体にわたって他の関連オブジェクトインスタンスへ次に伝播され得る高信頼オブジェクト分類入力として働き得る。別の変形形態では、伝統的POSチェックアウトプロセスを使用することにより生成された買物客の仮想カートは、EOGシステムをトレーニングする際に、買物客に関係するオブジェクトモデリングを訂正する際に、および/または更新されたオブジェクト状態をEOGを介し伝播する際に使用され得る。例えば、買物客のために生成された仮想カートリストは、チェックアウト処理システムにおけるトランザクションにおいて請求された製品の項目別リストと比較され得る。EOGモデリングの精度はトレーニングされ得、エラーまたは更新されたデータはEOGを介し伝搬し戻されるように使用され得る。これは、買物客に対してトランスペアレントに行われ得る。
【0227】
EOGによる在庫管理の容易化
【0228】
在庫管理へ向けられた実施形態では、本方法は追加的に、EOGを介し少なくとも部分的に駆動される在庫管理システムを提供することを含み得る。在庫管理システムは、出荷/発注追跡システムおよびチェックアウト処理システムなどの他の運用ロジスティックスシステムとの統合を含み得る。しかし、EOGとの統合により、提供される在庫管理システムは、細かい粒度の洞察を環境全体にわたるオブジェクト追跡に提示し得る。
【0229】
1つの変形形態では、在庫管理システムを提供することは棚卸しおよび/または在庫位置などの在庫状態を報告することを含み得る。EOGモデルは、棚卸し推測を生成するために解析され得る。いくつかのケースでは、報告された棚卸しは追加的に、未知要素に基づき棚卸し変動の範囲を報告し得る。個々の在庫アイテム位置は追加的に、報告され得、在庫位置マップを生成する際に使用され得る。在庫位置マップは環境内の在庫アイテムのリアルタイム表現であり得る。加えて、EOG内でモデル化されたオブジェクト関連性が同様に、在庫報告内に呈示され得る。様々なオブジェクトまたはコンテナの内容、および/または任意選択的に追加オブジェクトの容量が報告され得る。これらのオブジェクトはコンテナまたは保管要素であり得る。これは、環境が在庫収容能力を理解し得るように使用される可能性がある。例えば、在庫管理システムを提供することは、EOG内の保管オブジェクトのうちの含まれたオブジェクトを解析することと期待保管能力を報告することとを含み得る。
【0230】
一実施形態では、提供される在庫管理システムは、オブジェクトの場所を見つける際にまたはオブジェクトが在庫内に存在するかどうかを判断する際に使用され得る在庫照会サービスを呈示し得る。従業員および/または買物客は、アイテムの量およびアイテムの期待位置の近似値を判断するためにEOGシステムを使用する特定アイテムのサービスを照会する可能性がある。どこにアイテムが位置するかを示すマップが表示され得る。または、拡張現実インターフェースがアイテムの位置を示す際に使用され得る。
【0231】
個別オブジェクトがある粒度でEOG全体にわたって追跡され得るので、個々のメトリックはすべての在庫アイテム全体にわたって監視され得る。例えば、在庫管理システムを提供することは、環境内のオブジェクトの活動を追跡することを含み得る。オブジェクトの履歴は、それが保管されてきた様々な位置、それが接触してきた様々なオブジェクト、それを扱った従業員または機械、および/または環境内のオブジェクト履歴に関係する他の活動を含み得る。1つの特定アプリケーションでは、環境内のオブジェクトの活動を追跡することは、在庫アイテムの保管時間/保管寿命を報告することへ適用され得る。傷みやすい商品に関し、本方法は、オブジェクトと有効期限とを関連付けることと、在庫の期限切れプロファイルを追跡することとを含み得る。警告または通知は、特定在庫アイテムが期限切れに近づくと、または特定在庫アイテムの有効期限が過ぎて廃棄される必要があるとトリガされ得る。
【0232】
別の変形形態では、在庫管理システムを提供することは在庫発注をトリガする際に使用され得る。基本レベルでは、これは、環境内の在庫がある閾値を下回ると発注をトリガすることを含み得る。いくつかのケースでは、在庫発注をトリガすることは、内部環境活動に基づき自動化され得る。例えば、個々のアイテム期限切れを追跡することと組み合わせられた購入履歴は、計画された在庫状態の理解を強化し得る。
【0233】
別の変形形態では、在庫管理システムは、それらの通常位置の範囲外にあり失われたまたは誤って配置されたかもしれないアイテムを識別するために適用され得る。例示的シナリオとして、本方法は、石鹸アイル内の未買のクッキーの箱を発見し得、石鹸で一杯になった大きな出荷用箱が何か他のものより大きな出荷用箱の背後で隠された場合にさらなる石鹸を再発注することを防止し得る。
【0234】
提供される在庫管理システムは追加的に、従業員に指示する際に、誤って配置されたアイテムを識別する際に、特定オブジェクトのメディアストリームの時刻表へアクセスする際に(これは、アイテム汚染が処理環境内で検知された場合のアプリケーションを有し得る)、など他の別のアプリケーションに使用され得る。
【0235】
EOG校正
【0236】
本方法は追加的に、EOG校正要求をトリガすることであって
図26に示すようにEOGシステムを介し通知された課題に対処する際に使用される警告を生成し伝達するように機能することを含み得る。EOG校正事象は好適には、低信頼性オブジェクトモデリングを有する課題を解決するための行為を促し得る。一実施形態では、EOGの校正プロセスは、EOG内の低信頼性シナリオを検知することと、環境内で少なくとも1つの領域を規定するEOG校正要求を伝達することと、当該領域から入力された校正データを受信することと、校正データ入力により環境オブジェクトグラフを更新することとを含み得る。
【0237】
一例では、校正要求が生成され、従業員またはロボット装置へ送信される。この要求は好適には、位置と恐らく校正されるべき課題とを規定する。次に、従業員またはロボット装置は、規定位置へ移動し、モデリングの信頼性を強化する際に使用され得る情報を収集し得る。
【0238】
1つの変形形態では、解決事象はEOGの在庫の精度の低信頼性中に、トリガされる。低信頼性事象は、EOG内の1つまたは複数のオブジェクトインスタンスが、低信頼性を示すデータ表現を有すると検知され得る。1つのインスタンスでは、EOGは保管在庫の1つの特定領域の状態の低信頼性を有し得る。
【0239】
解決事象はこの場合、従業員に環境の適切なエリアを検査するように要求することであって校正要求内に識別された環境内の領域から画像データおよび/または在庫状態データを収集することになることに関わり得る。画像データおよび/または在庫状態データは好適には、優先度を上げられた信頼水準でEOG内で更新され伝播される。1つの変形形態では、従業員は、EOGシステムを校正するように機能する在庫状態情報を手動で入力し得る。別の変形形態では、従業員またはロボットが、可動撮像装置を介し当該エリアに関する画像データを提供し得る。別の変形形態では、解決事象は、買物客により所有されるアイテムが低信頼性中に、トリガされる。買物客検査は、チェックアウトプロセスを容易にする際に適用可能かもしれない。上述の自動チェックアウト実施形態では、解決事象は、従業員が不正請求書を回避するために保有アイテムを検証する必要がある場合に買物客が店を離れると、トリガされ得る。買物客検査は代替的にまたは追加的に、万引きおよび盗難を防止するために適用可能かもしれない。
【0240】
EOG校正要求と独立にまたは関係して、本方法は、ある位置において校正入力を受信することを含み得る。校正入力は特定領域内のオブジェクトの状態に関するデータであり得る。校正入力は、オブジェクトの確認された分類または識別子を報告する際に、オブジェクトの計数を確認する際に、および/またはオブジェクトの欠落を確認する際に使用され得る。更新されたオブジェクト状態情報は好適には、EOGを介し伝播される。校正入力は、可動捕捉構成の画像捕捉装置からの詳細画像データから、バーコードまたはSKU入力装置から、ユーザ入力情報から収集され得る。校正ツールは校正入力を収集するために使用され得る。
【0241】
環境内の更新された入力を提供するために従業員または可動カメラを採用することに加えて、校正要求は追加的に、画像データのヒューマン解析結果を取得する際に使用され得る。人間の従業員は選択的に、EOGを管理する際にメディアコンテンツのヒューマン解析結果を取り出すことにより画像処理を容易にする際に利用され得る。ヒューマン解析結果を取り出すことは、人間の解析の画像処理ケースを識別することと、解析要求を送信することと、解析応答を受信することとを含み得る。次に、この解析結果は、アルゴリズム的結果と同様なやり方で使用され得る。例えば、人間促進型オブジェクト分類がCV駆動型分類の代わりに使用され得、相互作用事象の人間促進型分類および記述は、それらのインスタンスのアルゴリズム的およびデータ駆動型モデリングの代わりに使用され得る。冗長的ヒューマン解析要求が生成され、様々な従業員へ委任され得る。加えて、様々な画像処理ケースが様々な要因に依存して様々な従業員へ委任され得る。例えば、潜在的に疑わしい振る舞いを検証することに関係する画像解析が管理者へ委任され得、一方、オブジェクトを検知するのが困難なオブジェクト分類は若手の従業員へ委任され得る。1つの変形形態では、ヒューマン解析結果は、買物客により所有されるオブジェクトの信頼水準が閾値未満でありかつチェックアウト領域に近づく買物客が検知された場合、または潜在的チェックアウト事象が期待される場合に、選択的に呼び出され得る。従業員は好適には、一組の画像および/または映像を受信し得る。「何箱のシリアル箱を顧客が有しているか?」または「どのブランドのスープが選択されたか」などの特定問い合わせまたはチャレンジもまた呈示され得る。次に、従業員は内容を視覚的に精査し、人間促進型解析結果を提出し得る。
【0242】
EOGオブジェクト規則および通知
【0243】
本方法は追加的に、通知とカスタム化行為とを支援し得る。1つの変形形態では、本方法は、少なくとも1つの条件と行為とによりオブジェクト規則を構成することと;EOGを検査しオブジェクト規則の発生を検知することと;オブジェクト規則の行為をトリガすることとを含み得る。これは好適には、EOGシステムがカスタム化行為を容易にすることを可能にするように機能する。オブジェクト規則の条件は、多様なカスタム規則を巧みに作るためにオブジェクトの特性を利用し得る。条件のいくつかの例は、特定オブジェクト上の位置フェンス、特定オブジェクトタイプ間の近接性制限、オブジェクト配向規則、およびオブジェクト内容規則(例えば、その中に何が許され何が許されないか)を含み得る。
【0244】
1つの変形形態では、カスタム化行為は、オブジェクト規則が内部または外部サービスまたはシステムをトリガし制御する際に使用され得るプログラム的行為を容易にし得る。1つの変形形態では、カスタム化行為は、構成されたウェブフック、コールバックURI、スクリプト、および/またはいくつかの所定行為であり得る。規則に関係する少なくとも部分的オブジェクト状態情報は、受け手側サービスまたは装置がオブジェクト状態情報を使用し得るように、ウェブフック、コールバックURI、またはスクリプトをトリガすることにより伝達され得る。
【0245】
別の変形形態では、オブジェクト規則は、データを報告するまたは特定時刻に情報を送信する際に使用され得る。これは、伝達事項を送信先へ送信するための通知システムの利用を含み得る。したがって、本方法は、オブジェクト条件を満足すると通知を送信することを含み得る。通知は、カスタム化オブジェクト規則に基づき得るが、追加的に、本システム内で事前構成される可能性がある。
【0246】
EOGデータ保管
【0247】
本方法は追加的に、メタメディア保管を可能にするためにEOGに従ってバルクメディアまたはメタデータを保管することを含み得る。映像および未圧縮データ保管は高価でありかつ資源集約的であり得る。EOGは、環境内のオブジェクト相互作用およびオブジェクト関係を特徴付け、したがって、当該環境内の事象およびオブジェクト状態のデータ効率的表現を提供し得る。EOGは、メディアを補足するために使用され得、いくつかのケースでは、捕捉された個別オブジェクトがオブジェクト情報をEOG内に保管しているので、低分解像度メディア保管、またはメディア保管の欠落を可能にする。メディア記録は追加的に、特定事象において有用であり得る。所定時刻において、環境内の所与位置において、EOGは、環境内のオブジェクトのその内部表現の変動信頼度を有することになる。撮像装置のメディア保管の特性は、メディアに関連付けられたローカル信頼水準に基づき動的に調整され得る。
【0248】
具体的には、本方法は、
図27に示すように、一組のメディアコンテンツセグメントについて、EOGのモデリング信頼性を判断することと、モデリング信頼性に基づき内容表現を選択することと、選択されたメディア表現に従って内容表現を保管することとを含み得る。内容表現は好適には、メディア表現と、メディア表現に関連付けられた少なくとも1つのモデル化データ表現とを含む一組の選択肢から選択される。好適には、EOGを構成することを表すモデル化データが両状況において保管される。内容表現はさらに、メディア保管の様々な特性を設定することにより調整され得る。メディア保管の特性は、保管期間、解像度、フレームレート、メディアセグメントのクロッピング、および/または他の態様を含み得る。保管期間は、どれくらい長くメディア表現が保管されるかを判断する。
【0249】
EOGが特定メディアセグメント内の調査領域内に位置するオブジェクトのより高い信頼性を有すると、対応メディアは、より短い時間の間そして低減されたメディアフォーマットで保持され得る。EOGが特定メディアセグメント内の調査領域内に位置するオブジェクトのより低い信頼性を有すると、メディア保管は、より長い時間の間および/または強化されたメディアフォーマットで保持され得る。例えば、在庫アイテムの未訪問アイルを視るビデオカメラは、単純なメタデータ表現として保管されるメディアを有し得、買物客が相互作用事象を有するアイル(何が発生したかに関する高水準の不確定性が存在する)を視るビデオカメラは、より長く保管され得る。これにより、その後の検査を可能にする。
【0250】
EOGの信頼水準に加えて、メディア保管は、関与するオブジェクト特にオブジェクトの値に基づき得る。例えば、高価な商品との疑わしい相互作用を有する買物客を捕捉するメディアは、じゃがいもと相互作用する買物客のメディアより長い期間保管され得る。同様に、高い値(金銭的に、またはその他で)を有するオブジェクトを保有するようにモデル化された買物客は、環境内を進むにつれて買物客を捕捉するメディアコンテンツセグメントのより高い忠実性および寿命で保管されたメディアを自動的に有し得る。
【0251】
同様なやり方で、メディア保管は、人オブジェクト関連性に従って動的に管理され得る。買物客は環境全体にわたって追跡され得る。買物客がチェックアウトすると、本方法は、EOG内の関連買物客オブジェクトとPOS明細領収書との間の差異の程度を調和させ得る。買物客オブジェクトの含まれたSKUオブジェクトが領収書に一致すれば、メディアの保管は優先度を下げられ得る。買物客オブジェクトの含まれたSKUオブジェクトが領収書と矛盾すれば、メディアの保管は矛盾の程度(例えば製品の数、製品の価値)に基づき優先付けられ得る。すべての買物客にわたって使用されると、いかなる買物客にも関連付けられないメディアまたはほとんど関心の無い買物客に関連付けられたメディアは、より短い時間の間保持されてもよいし、低品質フォーマットで保管されてもよい。いくつかの懸念がある買物客に関連付けられたメディアは、より長い時間の間および/またはより高品質なフォーマットで保持され得る。
【0252】
4.チェックアウトの方法
【0253】
環境オブジェクトモデリングの方法は上に論述したように多様なシナリオへ適用され得る。買物客のチェックアウトリストの生成を容易にするおよび任意選択的にトランザクションの実行を容易にする方法のアプリケーションは1つの例示的アプリケーションである。
図28に示すように、本方法は、好適な実施形態のチェックアウトリスト生成へ適用される際に、環境全体にわたって画像データを収集することS410と;確率的オブジェクト関連性を有するオブジェクトの少なくとも1つのサブセットを含むEOGが環境全体にわたって時間および空間的に分類されたオブジェクトのデータ表現である場合に画像データからEOGを維持することS420であって、少なくとも1つのインスタンスにおいて、EOG内の買物客オブジェクトと別のオブジェクトとを分類し関連付けることS430を含むS420と;買物客オブジェクトに確率的に関連付けられたオブジェクトを検査し、これによりチェックアウトリストを生成することS440とを含み得る。本明細書で説明された変形形態のうちの任意のものは同様に、チェックアウトリスト生成に適用される方法と組み合わせて使用され得る。特に、本方法は、別のエリアに作用し得る1つの位置(例えばショッピングフロア上)においてなされる製品選択を判断するために画像データとEOGベースモデリングとを利用するために使用され得る。いくつかの変形形態では、行為は、当該領域内のオブジェクトの存在を確認する画像データの存在しない1つの領域内の買物客存在に基づきトリガされ得る。
【0254】
環境オブジェクトグラフを維持することは好適には、更新されたEOGを維持する際に上述のプロセスの反復実行を含むことになる。EOGを維持することの文脈では、チェックアウトプロセスを容易にすることに関係するので、環境オブジェクトグラフを維持することは、買物客オブジェクトと別のオブジェクトとを分類し関連付ける少なくとも1つのインスタンスを含む。買物客オブジェクトは、顧客/人オブジェクト、カートオブジェクト、バスケット分類オブジェクト、バッグ分類オブジェクト、および/またはある集合の買物客関連オブジェクト(例えば買物客オブジェクト、様々なバッグオブジェクト、バスケットオブジェクト、および/またはカートオブジェクト)であり得る。他のオブジェクトはSKUオブジェクト(例えば、購入、賃貸、またはトランザクションへの関与にふさわしい製品)であり得る。オブジェクト-買物客関連性の複数のインスタンスが、複数製品を含むチェックアウトリストが生成され得るように確立され得る。
【0255】
好適には、EOGを維持ししたがってチェックアウトリストの生成に影響を与える際に遭遇され得る複数の潜在的EOGモデリングシナリオが存在する。シナリオは:様々な数のオブジェクトおよび買物客オブジェクト;買物客オブジェクトとのオブジェクト関連性の追加および除去;オブジェクト分類および関連性の信頼水準の変更;および/または他の好適なシナリオを含み得る。
【0256】
図29に示すように、EOGを維持することの1つの例示的インスタンスは:画像データ内に捕捉された第1の領域において、第1のオブジェクトと少なくとも1つの買物客オブジェクトとを分類することと;第1の領域において、第1のオブジェクトと買物客オブジェクト間の相互作用事象を検知することと、環境オブジェクトグラフを更新することであって第1のオブジェクトは買物客オブジェクトへ確率的に関連付けられることとを含み得る。これは、当該製品を保有するまたは含むように製品を選択する買物客オブジェクトをモデル化するように機能し得る。これらのプロセスは好適には、買物客がカートまたは自身のポケットへ製品を加えると実行される。第1のオブジェクトは、初期信頼水準で買物客オブジェクトと確率的に関連付けられ得;チェックアウトリストを生成することは、信頼性閾値を満足する信頼水準を有するオブジェクトをチェックアウトリストへ加えることを含む。EOGを検査した後にチェックアウトリストを生成することは追加的に、製品価格、顧客購入履歴、および/または他の要因を織り込み得る。例えば、本システムは、顧客が、信頼できない顧客と比較して信頼され得る頻繁顧客かどうかに依存する動的信頼性閾値必要要件を有し得る。
【0257】
別の例示的インスタンス、EOGを維持することは、オブジェクトと買物客オブジェクトとの関連性がその後の観測により変更され得るように適用され得る。このシナリオでは、上に論述された第1のオブジェクトは、ある信頼水準を有する所有されたオブジェクトとしての買物客オブジェクトと確率的に関連付けられ、
図30に示すように、EOGを維持することはさらに:画像データ内に捕捉された第3の領域において、第2のオブジェクトと買物客オブジェクトとを分類することと;所有されたオブジェクトとしての第2のオブジェクトと第2の信頼水準を有する買物客オブジェクトとを関連付けることと;EOGを更新することであって第1の信頼水準は第2の信頼水準に応じて少なくとも部分的に変更されることとを含み得る。信頼水準のこの変更は、オブジェクトの信頼性を増加または低減し得る。いくつかのケースでは、信頼水準は、第1のオブジェクトの主分類が変化し得るように変化し得る。例えば、第1のオブジェクトは当初、特定シリアルSKUアイテムへの関連性が無い一般的なシリアルの箱として分類され得る。しかし、買物客オブジェクトに関連した特定シリアルSKUアイテムとしての第3のオブジェクトの分類は、第1のオブジェクトが特定SKUアイテムであるとしてモデル化されるように当該情報の伝播を生じ得る。
【0258】
別の例示的インスタンスでは、EOGを維持することは、オブジェクト関連性がEOGへの他の入力の結果として除去または関連性解除され得るように適用され得る。
図31に示すように、上に論述された第1のインスタンス後の第2のインスタンス中、EOGを維持することは第1の領域において、第1のオブジェクトを分類することを含み得;環境オブジェクトグラフを更新することは第1のインスタンスにおいて第1のオブジェクトと買物客オブジェクトとの関連性を除去することを含む。
【0259】
別の例示的インスタンスでは、複合オブジェクトモデリングは、1つまたは複数のオブジェクトとの複合オブジェクト関連性を有するモデル化オブジェクトが、含まれたオブジェクトと買物客とを関連付けるために使用され得るように、EOGを維持する際に使用され得る。
図32に示すように、別のインスタンス中、EOGを維持することは:画像データ内に捕捉された第3の領域において、オブジェクトと買物客オブジェクトとを分類することであってオブジェクトは確率的に含まれたオブジェクトとの複合オブジェクトであることと;第3の領域において、第1のオブジェクトと買物客オブジェクト間の相互作用事象を検知することと;EOGを更新することであってオブジェクトおよびオブジェクトの確率的に含まれるオブジェクトは買物客オブジェクトと確率的に関連付けられることとを含み得る。例えば、アイテムの箱を取り上げた買物客は、それに関連付けられチェックアウトリストへ個々に加えられたたそれらの個々のアイテムを有し得る。
【0260】
上に論述したように、2つ以上のオブジェクトの関連性を生じ得る相互作用事象の様々な形式が存在し得る。1つの変形形態では、相互作用事象は、オブジェクトと近接性閾値を満足する買物客オブジェクトとの間の近接性を検知することを含み得る。近接性閾値は、オブジェクト分類、位置、買物客履歴またはプロファイルデータ、および/または他の好適な要因などの様々な条件に基づき変化し得る。相互作用事象は追加的にまたは代替的に、画像データ内のアルゴリズム的に検知された身振りまたは事象を含む可能性がある。相互作用事象は同様に、単純なオブジェクト分類またはオブジェクト追跡変更であり得る。例えば、以前に追跡されたオブジェクトが、再取得無しに視界から消えれば、当該の以前に追跡されたオブジェクトとすぐそばの買物客との関連性を生じ得る相互作用事象がモデル化され得る(近接性に基づき相互作用事象をトリガすること無しに)。
【0261】
チェックアウトリストを生成する方法は、チェックアウトプロセスを容易にするおよび/またはチェックアウト処理装置の動作を強化するなど多様なアプリケーションにおいて適用され得る。1つの変形形態では、本方法は、において容易に使用され得る。
【0262】
図29にも示す変形形態では、本方法は追加的に:画像データ内に捕捉された第2の領域において、買物客オブジェクトを検知し、チェックアウトリストによりチェックアウトプロセスを開始することを含み得る。より好適には、チェックアウトプロセスと課金トランザクションは、以下をさらに含む方法により自動的に実行され得る:買物客オブジェクトに関連付けられた口座へアクセスすること;チェックアウトプロセスを開始する際に、第2の領域へ入った後にチェックアウトリストをユーザ口座へ課金すること。課金は好適には、クレジットカード情報などの支払い選択肢を含むが、代替的に、クレジットを含んでもよいし、口座から引き落とされたアイテムの継続計算書を有してもよい。チェックアウトプロセスは、当該第2の領域内の買物客オブジェクトにより所有される製品の明示的観測とは無関係に開始され得る。第2の領域は店の特定領域であり得る。1つの変形形態では、第2の領域は、店出口における領域であってもよいし店出口へ至る前の領域であってもよい。
【0263】
上記方法と同様に、チェックアウトリストを生成する方法は、複数の画像捕捉装置を有するシステムおよび/または単一画像捕捉装置を有するシステムにおいて使用され得る。複数のカメラを有する自動チェックアウト変形形態では、第1の領域は第1のカメラからの画像データ内に捕捉され得、第2の領域は第2のカメラからの画像データ内に捕捉され得る。または、第1の領域と第2の領域は、単一カメラによる本方法の実行を可能にし得る1台のカメラからの画像データ内に捕捉され得る。例えば、小さな壁に並べられた製品群は1台のカメラにより監視され得、顧客は、1つを選択することによりこの壁からアイテムを購入し立ち去る可能性がある。
【0264】
別の変形形態では、本方法は従業員駐在POSキオスク、セルフチェックアウトPOSキオスク、またはセルフチェックアウト用の顧客向きスマートフォンアプリケーションなどのチェックアウト処理システムの動作を変更する際に使用され得る。チェックアウト処理システムの動作を変更するために使用される変形形態では、チェックアウトプロセスを開始することは、チェックアウトリストを第2の領域内のチェックアウト処理システムへ伝達することを含み得る。これは、第2の領域に対しEOGを介し追跡される買物客オブジェクトの位置に基づきトリガされ得る。例えば、買物客がセルフチェックアウトキオスクへ近づくと、当該買物客のチェックアウトリストは特定セルフチェックアウトキオスクへ伝達され得る。
【0265】
伝達されたチェックアウトリストは様々なやり方で使用され得る。1つの変形形態では、本方法は、チェックアウト処理システムにおいて、チェックアウトリストからのアイテムをチェックアウト処理システムに投入することを含み得る。例えば、上記例におけるセルフチェックアウトキオスクは、スクリーン上のチェックアウトリストを自動的に更新および提示する可能性がある。次に、買物客は、トランザクションを完了するために支払いを確認するおよび/または支払いを行う可能性がある。本方法は追加的に、チェックアウト処理システムにおいてチェックアウトリストを編集することを支援する可能性がある。いくつかの変形形態では、チェックアウトリストのサブセットが、高信頼モードおよび確認モードなどの様々なモードで予め投入され得る。確認モードで予め投入されたアイテムは、アイテムの識別を確認または精緻化するためのユーザ入力を要求し得る。高信頼モードで追加されるアイテムは当初、明示的な確認無しに追加され得る。
【0266】
別の変形形態では、伝達されたチェックアウトリストは、チェックアウトリスト内のアイテムのためのチェックアウト処理システムの製品入力をバイアスする際に使用され得る。このチェックアウトリストは、チェックアウト処理システムにより様々なやり方で使用され得る。1つの変形形態では、このチェックアウトリストは、製品選択のためのメニュー選択肢のナビゲーションを変更し得る。
【0267】
生成されたチェックアウトリストは追加的に、他のシナリオにおいて使用され得る。1つの変形形態では、これは、買物客の選択されたアイテムと買物客のアプリケーションインスタンスとを同期させるのに使用され得る。この変形形態の方法は、買物客オブジェクトに関連付けられた口座へアクセスすることと;課金のアプリケーションインスタンスにおいて、チェックアウトリストを提示することとを含み得る。アプリケーションインスタンスへ同期され伝達されると、チェックアウトリストは様々なアプリケーションに使用され得る。一例では、チェックアウトリストは、顧客がアイテムをチェックアウトするに先立って全請求額のリアルタイム計算書を有することを可能にし得る。より具体的な例では、顧客はアイテムを単純に取り上げ、自身の電話またはウェアラブルコンピュータ上のアプリケーション上に反映された当該アイテムの価格を見る可能性がある。同期されたチェックアウトリストは追加的に、買物リスト、クーポン、特別ディスカウント、および/または他のアプリケーションに関係するアプリケーションにおいて使用される可能性がある。
【0268】
実施形態の他のシステムおよび方法は、コンピュータ可読命令を保管するコンピュータ可読メディアを収容するように構成された機械として少なくとも部分的に具現化および/または実現され得る。命令は、アプリケーションと一体化されたコンピュータ実行可能部品、アプレット、ホスト、サーバ、ネットワーク、ウェブサイト、通信サービス、通信インターフェース、ユーザコンピュータまたはモバイル装置のハードウェア/ファームウェア/ソフトウェア要素、リストバンド、スマートフォン、眼鏡、ウェアラブル装置、カメラ、撮像装置、またはそれらの任意の好適な組み合せにより実行され得る。実施形態の他のシステムおよび方法は、コンピュータ可読命令を保管するコンピュータ可読メディアを収容するように構成された機械として少なくとも部分的に具現化および/または実現され得る。命令は上述のタイプの装置およびネットワークと一体化されたコンピュータ実行可能部品により一体化されたコンピュータ実行可能部品により実行され得る。コンピュータ可読メディアは、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EEPROM、光学装置(CDまたはDVD)、ハードドライブ、フロッピードライブまたは任意の好適な装置など任意の好適なコンピュータ可読メディア上に保管され得る。コンピュータ実行可能部品はプロセッサであり得るが、任意の好適な専用ハードウェア装置が命令を(代替的にまたは追加的に)実行し得る。
【0269】
当業者が先の詳細説明と添付図面および特許請求の範囲から認識するように、修正および変更は、以下の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲から逸脱することなく本発明の実施形態に対してなされ得る。以下、出願当初の請求項を付記する。
条項1. チェックアウトプロセスを促進する方法であって
・環境全体にわたって画像データを収集することと;
・前記画像データから環境オブジェクトグラフを維持することであって、前記環境オブジェクトグラフは、前記環境全体にわたる時間および空間におけるコンピュータビジョン分類型オブジェクトのデータ表現であり、確率的オブジェクト関連性を有するオブジェクトの少なくとも1つのサブセットを含む、維持することと;
・前記環境オブジェクトグラフを維持することは、
・前記画像データ内に捕捉された第1の領域内で、第1のオブジェクトと少なくとも1つの買物客オブジェクトとを分類することと;
・前記第1の領域内で、前記第1のオブジェクトと前記買物客オブジェクト間の相互作用事象を検知することと、
・前記環境オブジェクトグラフを更新することであって、これにより前記第1のオブジェクトは前記買物客オブジェクトに確率的に関連付けられる、更新することとのうちの少なくとも1つのインスタンスを含み:前記方法はさらに、
・前記買物客オブジェクトに確率的に関連付けられたオブジェクトを検査し、これによりチェックアウトリストを生成することとを含む方法。
条項2. 前記画像データ内で捕捉された第2の領域内で、前記買物客オブジェクトを検知し、前記チェックアウトリストによりチェックアウトプロセスを開始することをさらに含む条項1に記載の方法。
条項3. 前記買物客オブジェクトに関連付けられた口座へアクセスすることをさらに含む条項2に記載の方法であって、前記チェックアウトプロセスを開始することは前記第2の領域へ入った後に前記チェックアウトリストを前記口座へ課金することを含む、方法。
条項4. 前記チェックアウトプロセスを開始することは、前記チェックアウトリストを前記第2の領域内のチェックアウト処理システムへ伝達することを含む、条項3に記載の方法。
条項5. 前記チェックアウト処理システムにおいて、前記チェックアウトリストからのアイテムを前記チェックアウト処理システムへ投入することをさらに含む条項4に記載の方法。
条項6. 前記チェックアウトリスト内のアイテムの前記チェックアウト処理システムの製品入力をバイアスすることをさらに含む条項5に記載の方法。
条項7. 前記第1のオブジェクトは、初期信頼水準を有する前記買物客オブジェクトへ確率的に関連付けられ;
前記チェックアウトリストを生成することは、信頼性閾値を満足する信頼水準を有するオブジェクトを前記チェックアウトリストへ加えることを含む、条項2に記載の方法。
条項8. 前記第1の領域は第1のカメラからの画像データ内で捕捉され、前記第2の領域は第2のカメラからの画像データ内で捕捉される、条項2に記載の方法。
条項9. 前記第1の領域と前記第2の領域は1台のカメラからの画像データ内に捕捉される、条項2に記載の方法。
条項10. 前記第1のオブジェクトは、第1の信頼水準を有する所有されたオブジェクトとして前記買物客オブジェクトと確率的に関連付けられ、第2のインスタンスにおいて前記環境オブジェクトグラフを維持することは:
・前記画像データ内で捕捉された第3の領域内で、第2のオブジェクトと前記買物客オブジェクトとを分類することと、
・所有されたオブジェクトとしての前記第2のオブジェクトと第2の信頼水準を有する前記買物客オブジェクトとを関連付けることと;
・前記EOGを更新することであって、前記第1の信頼水準は前記第2の信頼水準に応じて少なくとも部分的に変更される、更新することと、を含む、条項2に記載の方法。
条項11. 前記買物客オブジェクトに関連付けられた口座へアクセスすることと;前記口座のアプリケーションインスタンスにおいて、前記チェックアウトリストを提示することとをさらに含む条項1に記載の方法。
条項12. 前記第1のインスタンス後の第2のインスタンスにおいて前記環境オブジェクトグラフを維持することは:前記第1の領域において、前記第1のオブジェクトを分類することと、前記環境オブジェクトグラフを更新し、これにより前記第1のインスタンスにおける前記第1のオブジェクトと前記買物客オブジェクトとの関連性を除去することとを含む、条項1に記載の方法。
条項13. 第2のインスタンスにおいて前記環境オブジェクトグラフを維持することは:
・前記画像データ内で捕捉された第2の領域において、第2のオブジェクトと前記買物客オブジェクトとを分類することであって、前記第2のオブジェクトは確率的に含まれたオブジェクトとの複合オブジェクトである、分類することと、
・前記第2の領域において、前記第1のオブジェクトと前記買物客オブジェクト間の相互作用事象を検知することと、
・前記EOGを更新し、これにより、前記第2のオブジェクトと前記第2のオブジェクトの前記確率的に含まれたオブジェクトは、前記買物客オブジェクトに確率的に関連付けられる、更新することとを含む、条項1に記載の方法。
条項14. 前記第1のオブジェクトと前記買物客オブジェクト間の前記相互作用事象を検知することは、近接性閾値を満足する前記第1のオブジェクトと前記買物客オブジェクト間の近接性を検知することを含む、条項1に記載の方法。
条項15. 前記第1のオブジェクトと前記買物客オブジェクトとを分類することは、分類中にコンピュータビジョン駆動型プロセスを適用することであって、前記コンピュータビジョン駆動型プロセスは、少なくとも画像特徴抽出および分類とニューラルネットワークのアプリケーションとを含む、適用することを含む、条項1に記載の方法。
条項16. ・環境全体にわたって画像データを収集することと;
・前記画像データから環境オブジェクトグラフを維持することとを含む方法において、前記環境オブジェクトグラフを維持することは、
・オブジェクトを分類し、対応オブジェクトインスタンスを環境オブジェクトグラフ内に保管することと、
・オブジェクト位置を追跡し、オブジェクト経路内のオブジェクトインスタンスの関連性を確立することと、
・相互作用事象を検知し、検知された相互作用事象のサブセットの事象インスタンスに関し、前記相互作用事象に関与する少なくとも2つのオブジェクトインスタンスのオブジェクト関連性を生成することと、
・オブジェクト関連性全体にわたって少なくとも1つのオブジェクトインスタンスにおける変更を伝播することを含み前記環境オブジェクトグラフを更新することと;
を含む繰り返しプロセスであり、前記方法はさらに、
・前記環境オブジェクトグラフ内の少なくとも1つのオブジェクトインスタンスのオブジェクト状態を検査し、前記オブジェクト状態に関連付けられた行為を実行することを含む、方法。
条項17. 画像データを収集することは、環境全体にわたって分散された複数の画像捕捉装置から画像データを収集することを含む、条項16に記載の方法。
条項18. 環境全体にわたって分散された複数の画像捕捉装置から画像データを収集することは、在庫保管捕捉構成、相互作用捕捉構成、オブジェクト識別捕捉構成、および可動捕捉構成から選択される少なくとも2つの画像捕捉構成を含む一組の画像捕捉装置から画像データを収集することを含む、条項17に記載の方法。
条項19. 前記相互作用事象を検知することは、第1の分類の第1のオブジェクトと、近接性閾値を満足する第2の分類の少なくとも1つの第2のオブジェクトとの間の近接性を検知することを含む、条項16に記載の方法。
条項20. 前記相互作用事象を検知することは:少なくとも1つの相互作用事象に関して、オブジェクト近接事象を検知することと、少なくとも1つの第2の相互作用事象に関して、オブジェクト変換事象を検知することとを含む、条項16に記載の方法。
条項21. 前記オブジェクト変換事象を検知することは、オブジェクト出現事象、オブジェクト消失事象、およびオブジェクト分類変更事象の組から選択されたオブジェクト変換を検知することを含み得る、条項20に記載の方法。
条項22. オブジェクトを分類することは、少なくとも1つの製品オブジェクト、複合オブジェクト、および人オブジェクトを含む一組の潜在的オブジェクトタイプのうちの1つとしてオブジェクトを識別することを含み得る、条項16に記載の方法。
条項23. 前記環境オブジェクトグラフを維持することはさらに、前記環境オブジェクトグラフ内のオブジェクトインスタンスを、少なくとも1つのオブジェクトとの階層的関連性を確率的に有するとしてインスタンス化することを含む、条項16に記載の方法。
条項24. 前記環境オブジェクトグラフを維持することはさらに、オブジェクトインスタンスの少なくとも2つの確率的に可能な状態をインスタンス化することを含む、条項16に記載の方法。
条項25. オブジェクトを分類することは、第1の組の候補オブジェクトの初期分類モデルを介しオブジェクトを分類することと、前記初期分類モデルを介した前記オブジェクトの分類が分類条件を満たさなければ第2の組の候補オブジェクトの少なくとも第2の拡張分類モデルを介し前記オブジェクトを分類することとを含む、条項16に記載の方法。
条項26. オブジェクトを分類することは、購買パターン、顧客購入履歴、および製品価格の組から選択された補足入力を取り出すことと;前記補足入力のうちの1つに少なくとも部分的に基づきオブジェクトを分類することとを含む、条項16に記載の方法。
条項27. 画像データを収集することは、チェックアウト処理システムにおいて画像データを収集することと;前記環境オブジェクトグラフを更新する際に補足入力としてPOS入力により生成される製品識別子を適用することとを含む、条項16に記載の方法。
条項28. オブジェクト状態を検査して行為を実行することは:
前記環境オブジェクトグラフ内の低信頼性シナリオを検知することと;
前記環境の少なくとも1つの領域を規定する環境オブジェクトグラフ校正要求を伝達することと;
前記領域から入力された校正データを受信することと、
前記校正データ入力により前記環境オブジェクトグラフを更新することとを含み得る、条項16に記載の方法。
条項29. オブジェクト状態を検査することは、買物客関連オブジェクトインスタンスに関連付けられた製品オブジェクトインスタンスのチェックアウトリストを生成することを含む、条項16に記載の方法。
条項30. 行為を実行することは:前記買物客関連オブジェクトインスタンスに関連付けられた口座へアクセスすることと、前記買物客関連オブジェクトインスタンスがチェックアウト領域内で検知されると前記チェックアウトリストを前記口座へ課金することとを含む、条項29に記載の方法。
条項31. 行為を実行することは、前記買物客関連オブジェクトインスタンスの近傍のチェックアウト処理システムへ前記チェックアウトリストを伝達することを含む、条項29に記載の方法。
条項32. 行為を実行することは、前記環境オブジェクトグラフを介し少なくとも部分的に駆動される在庫管理システムを提供することを含み、
前記在庫管理システムを提供することは:製品の保管寿命を報告することと、製品計数を報告することと、製品位置を報告することと、コンテナ内容を報告することとを含む、条項16に記載の方法。
条項33. 一組のメディアコンテンツセグメントについて、
前記環境オブジェクトグラフ内のモデリング信頼性を判断すること;
前記モデリング信頼性に基づき内容表現を選択することであって、前記一組の選択肢から選択された前記内容表現は少なくとも1つのモデル化データ表現とメディア表現とを含む、選択することと;
前記内容表現を保管することとをさらに含む条項16に記載の方法。
条項34. 少なくとも1つの条件と行為とによりオブジェクト規則を構成することをさらに含む条項16に記載の方法であって、オブジェクト状態を検査して行為を実行することは、前記オブジェクト規則の発生を検知することと前記オブジェクト規則の前記行為をトリガすることとを含む、方法。
条項35. オブジェクトを分類することは、少なくとも画像特徴抽出および分類と畳み込みニューラルネットワークとを含むコンピュータビジョン駆動型プロセスを適用すること、を含む、条項16に記載の方法。
条項36. ・環境内の画像データを収集するように構成された撮像システムと;
・前記画像データから環境オブジェクトグラフを維持するように構成された処理エンジンであって、前記環境オブジェクトグラフは、前記環境全体にわたる時間および空間における分類型オブジェクトのデータ表現であり、確率的オブジェクト関連性を有するオブジェクトの少なくとも1つのサブセットを含む、エンジンとを含むシステムにおいて、
・前記処理エンジンはさらに:
・前記画像データ内のオブジェクトを分類し、対応オブジェクトインスタンスを前記環境オブジェクトグラフ内に保管し、
・オブジェクト位置を追跡し、オブジェクト経路内のオブジェクトインスタンスの関連性を確立し、
・相互作用事象を検知し、検知された相互作用事象のサブセットの事象インスタンス毎に、前記相互作用事象に関与する少なくとも2つのオブジェクトインスタンスのオブジェクト関連性を生成し、
・前記環境オブジェクトグラフを更新し、少なくとも1つのオブジェクトインスタンスの変更をオブジェクト関連性全体にわたって伝播するように構成される、システム。
条項37. 前記撮像システムが、在庫保管捕捉構成の画像捕捉装置、相互作用捕捉構成の画像捕捉装置、オブジェクト識別捕捉構成の画像捕捉装置、および可動捕捉構成の画像捕捉装置を含む条項36に記載のシステム。
条項38. 前記処理エンジンはさらに:前記環境オブジェクトグラフ内の第1の組のオブジェクトインスタンスを複合オブジェクトモデリングによりインスタンス化し、前記環境オブジェクトグラフ内の第2の組のオブジェクトインスタンスを確率的マルチステートモデリングによりインスタンス化するように構成される、条項36に記載のシステム。
条項39. 前記環境オブジェクトグラフ内の買物客オブジェクトインスタンスに関連付けられたオブジェクトインスタンスを検査し、製品のチェックアウトリストを生成するように構成された仮想カート管理システムをさらに含む条項36に記載のシステム。
条項40. 前記仮想カート管理システムはさらに、前記買物客関連オブジェクトインスタンスがチェックアウト領域において検知されると前記買物客オブジェクトインスタンスに関連付けられた口座へアクセスし、前記チェックアウトリストを前記口座へ課金するように構成される、条項39に記載のシステム。
条項41. チェックアウト処理システムをさらに含む条項39に記載のシステムであって、前記チェックアウトリストは前記チェックアウト処理システムへ伝達される、システム。
条項42. 前記環境オブジェクトグラフへの検査インターフェースを含む在庫管理システムをさらに含む条項36に記載のシステム。
条項43. 前記環境オブジェクトグラフと連携して動的メディアコンテンツ表現を保管するように構成されたメタメディア保管システムをさらに含む条項36に記載のシステム。
条項44. 校正データ入力を前記処理エンジンへ提供するように構成された校正ツールをさらに含む条項36に記載のシステム。