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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】外科用クリップ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/122 20060101AFI20240119BHJP
【FI】
A61B17/122
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022074686
(22)【出願日】2022-04-28
(62)【分割の表示】P 2019571273の分割
【原出願日】2018-06-22
(65)【公開番号】P2022093568
(43)【公開日】2022-06-23
【審査請求日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】62/523,562
(32)【優先日】2017-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/675,383
(32)【優先日】2018-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515257519
【氏名又は名称】テレフレックス メディカル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TELEFLEX MEDICAL INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】フォシー デイヴィッド リー
(72)【発明者】
【氏名】ラムジー マイケル デル
【審査官】宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】特開昭58-041541(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0171380(US,A1)
【文献】国際公開第2016/205343(WO,A1)
【文献】米国特許第05474572(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/12 - A61B 17/138
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内面と、外面と、第1の側面及び第2の側面と、を有する第1の脚部材であって、前記第1の脚部材の内面が湾曲を有する第1の脚部材と、
内面と、外面と、第1の側面及び第2の側面と、を有する第2の脚部材であって、前記第2の脚部材の内面が湾曲を有する第2の脚部材と、
前記第2の脚部材上の少なくとも1つの歯部であって、閉鎖形態で、前記第1の脚部材の内側部分と重なるように、前記第1の脚部材の前記内面を越えて、前記第1の脚部材の前記第1の側面及び前記第2の側面の少なくとも1つに沿って延びるように構成され、前記閉鎖形態で、組織と係合するように使用可能である少なくとも1つの歯部と、を備え、前記第1の脚部材の重なった内側部分は、中実であって前記第1の脚部材上に連続的に形成されている、
外科用クリップ。
【請求項2】
前記第1の脚部材は、前記内側部分の対向する両側辺上に第1の長手方向チャネル及び第2の長手方向チャネルを有し、前記第1の長手方向チャネル及び前記第2の長手方向チャネルは、別個であり、互いに接続されていない、請求項1に記載の外科用クリップ。
【請求項3】
前記少なくとも1つの歯部が実質的に非外傷性である、請求項1又は2に記載の外科用クリップ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの歯部は、前記第2の脚部材の前記内面と実質的に平行である実質的に平坦な内面を有する、請求項1から請求項3の何れか1項に記載の外科用クリップ。
【請求項5】
前記重なり合った内側部分が、前記第2の脚部材の幅の少なくとも半分に延びている、請求項1から4の何れか1項に記載の外科用クリップ。
【請求項6】
前記第1の脚部材の前記内面及び前記第2の脚部材の前記内面は、前記閉鎖形態で、最小限の隙間を有するか、又は、隙間を有していない、請求項1から請求項5の何れか1項に記載の外科用クリップ。
【請求項7】
前記外科用クリップは、一体的に成形されたポリマ本体である、請求項1から6の何れか1項に記載の外科用クリップ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの歯部は、実質的に剛性である、請求項1から7の何れか1項に記載の外科用クリップ。
【請求項9】
前記少なくとも1つの歯部は、前記閉鎖形態で、前記第1の脚部材の前記内面に対して実質的に垂直に延びている、請求項1から請求項8の何れか1項に記載の外科用クリップ。
【請求項10】
前記少なくとも1つの歯部は、前記閉鎖形態で、前記第1の脚部材の前記第1の側面及び前記第2の側面のうちの少なくとも1つに対して実質的に平行に延びている、請求項1から請求項9の何れか1項に記載の外科用クリップ。
【請求項11】
前記第1の脚部材の前記内面は、実質的に平滑である、請求項1から請求項10の何れか1項に記載の外科用クリップ。
【請求項12】
前記第1の脚部材は、歯部を有していない、請求項1から請求項11の何れか1項に記載の外科用クリップ。
【請求項13】
前記第1の脚部材の前記内面は、凹状の湾曲を有し、前記第2の脚部材の前記内面は、凸状の湾曲を有する、請求項1から請求項12の何れか1項に記載の外科用クリップ。
【請求項14】
前記第1の脚部材の遠位端におけるフック部分と、前記第2の脚部材の遠位端における先端部材と、を更に備え、
前記フック部分は、係止形態で、前記先端部材と係合して前記外科用クリップを固定するように構成されている、請求項1から請求項13の何れか1項に記載の外科用クリップ。
【請求項15】
前記少なくとも1つの歯部は、前記第2の脚部材に沿って長手方向に離間して配置された複数の歯部を含む、請求項1から請求項14の何れか1項に記載の外科用クリップ。
【請求項16】
前記少なくとも1つの歯部は、前記第2の脚部材の前記第1の側面に沿って離間して配置された複数の第1の歯部と、前記第2の脚部材の前記第2の側面に沿って離間して配置された複数の第2の歯とを含み、
前記複数の第1の歯部と前記複数の第2の歯部は、これらの間に前記第1の脚部材の前記内面を受け入れるように構成されている、請求項1から請求項15の何れか1項に記載の外科用クリップ。
【請求項17】
前記複数の第1の歯部及び前記複数の第2の歯部は、前記第2の脚部材に沿って交互に配置されている、請求項16に記載の外科用クリップ。
【請求項18】
前記第1の脚部材の前記第1の側面及び前記第2の側面の少なくとも1つから延びるボスと、
前記第2の脚部材の前記第1の側面及び前記第2の側面の少なくとも1つから延びるボスと、を更に備えている、
請求項1から請求項17の何れか1項に記載の外科用クリップ。
【請求項19】
内面と、外面と、第1の側面及び第2の側面と、を有する第1の脚部材であって、前記第1の脚部材の内面が湾曲を有する第1の脚部材と、
内面と、外面と、第1の側面及び第2の側面と、を有する第2の脚部材であって、前記第2の脚部材の内面が湾曲を有する第2の脚部材と、
前記第2の脚部材上の複数の第1の歯部と、
前記第2の脚部材上の複数の第2の歯部と、を備え、
前記複数の第1の歯部は、閉鎖形態で、前記第1の脚部材の内側部分と重なるように、前記第1の脚部材の前記内面を越えて、前記第1の脚部材の前記第1の側面に沿って延びるように構成され、前記複数の第2の歯部は、閉鎖形態で、前記第1の脚部材の内側部分と重なるように、前記第1の脚部材の前記内面を越えて、前記第1の脚部材の前記第2の側面に沿って延びるように構成され、前記第1の脚部材の重なった内側部分は、中実であって前記第1の脚部材上に連続的に形成され、
一体的に成形されたポリマ本体である、外科用クリップ。
【請求項20】
内面と、外面と、第1の側面及び第2の側面と、を有する第1の脚部材であって、前記第1の脚部材の内面が湾曲を有する第1の脚部材と、
内面と、外面と、第1の側面及び第2の側面と、を有する第2の脚部材であって、前記第2の脚部材の内面が湾曲を有する第2の脚部材と、
前記第2の脚部材上の複数の第1の歯部であって、実質的に剛性であり、前記第2の脚部材の前記内面と実質的に平行である実質的に平坦な内面を有する複数の第1の歯部と、
前記第2の脚部材上の複数の第2の歯部であって、実質的に剛性であり、前記第2の脚部材の前記内面と実質的に平行である実質的に平坦な内面を有する複数の第2の歯部と、を備え、
前記複数の第1の歯部は、閉鎖形態で、前記第1の脚部材の前記内面を越えて、前記第1の脚部材の前記第1の側面と実質的に平行に延びるように構成され、前記複数の第2の歯部は、閉鎖形態で、前記第1の脚部材の内側部分と重なるように、前記第1の脚部材の前記内面を越えて、前記第1の脚部材の前記第2の側面に沿って延びるように構成され、前記第1の脚部材の重なった内側部分は、中実であって前記第1の脚部材上に連続的に形成され、
一体的に成形されたポリマ本体である、外科用クリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
この米国特許本出願は、2017年6月22日出願の米国特許仮出願第62/523562号及び2018年5月23日出願の米国特許仮出願第62/675383号に対する優先権を主張するものであり、これらの開示内容全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本発明は、一般に医療デバイスに関し、より詳細には組織を結紮するための外科用クリップに関する。
【背景技術】
【0003】
組織(例えば、血管、リンパ節、神経、胆嚢管、及び心臓組織)の結紮は、多くの外科的処置に対する一般的な方法である。これは、外科用クリップで血管を閉じることによって、又は外科用糸で血管を縫合することによって実行することができる。外科用糸の使用には、血管を固定するために必要な結び目を形成するために針及び外科用糸の複雑な操作が必要とされる。このような複雑な操作は、特に限られたスペース及び/又は視認性によって特徴付けられる内視鏡外科手術において時間が掛かり、実行するのが難しい。対照的に、外科用クリップは、適用するのが比較的迅速且つ容易である。従って、内視鏡及び切開外科手術における外科用クリップの利用は劇的に増加している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、小血管の閉鎖など、外科用クリップの1又は2以上の特徴を改善する必要があることを認識している。現在の外科用クリップには、小血管を十分に係合すること、及び/又は圧迫することができない、組織係合面の間に延びる歯部が設けられていることが多い。歯部は多くの場合、クランプ面の近接又は接触を妨げ、外科用クリップの完全な閉鎖を阻止する。更に、現在の外科用クリップは、圧迫された組織に不均一な圧力分布を与ることが多い。例えば、現在の外科用クリップには多くの場合、異なるサイズの組織に十分に適合せず、応力の局在化を引き起こす実質的に剛性の脚部材が設けられる。不均一な圧力分布は、特に過剰応力の組織、線維化組織、及び/又は梗塞組織の場合、組織の損傷及び/又は断裂をもたらす可能性がある。開示されるデバイス及び方法は、上述の問題及び/又は従来技術における他の問題のうちの1又は2以上を軽減又は克服することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様は、外科用クリップに関する。外科用クリップは、第1の内面、第1の外面、及び第1の側面を有する第1の脚部材を含むことができる。第1の内面は、凹状の湾曲を有することができる。外科用クリップはまた、第2の内面、第2の外面、及び第2の側面を有する第2の脚部材を含むことができる。第2の内面は、凸状の湾曲を有することができる。外科用クリップは、第1の脚部材上に位置決めされた少なくとも1つの第1の歯部と、第2の脚部材上に位置決めされた少なくとも1つの第2の歯部と、を更に含むことができる。少なくとも1つの第1の歯部は、第1の側面に第1の内面の横方向へ取り付けることができ、少なくとも1つの第2の歯部は、第2の側面に第2の内面の横方向へ取り付けることができる。第1及び第2の脚部材は、開放形態と閉鎖形態との間を移動するように構成することができる。閉鎖形態では、少なくとも1つの第1の歯部は、第2の側面に沿って第2の内面の横方向へ延びるように構成することができ、少なくとも1つの第2の歯部は、第1の側面に沿って第1の内面の横方向へ延びるように構成することができる。
【0006】
本発明の第2の態様は、外科用クリップに関する。外科用クリップは、第1の内面と第1の外面とを有する第1の脚部材を含むことができる。外科用クリップはまた、第2の内面、第2の外面、内側部分及び外側部分を有する第2の脚部材を含むことができる。内側部分は、少なくとも部分的に第2の内面を形成し、第1の曲率半径を有することができる。外側部分は、少なくとも部分的に第2の外面を形成し、第1の曲率半径とは異なる第2の曲率半径を有することができる。
【0007】
本発明の第3の態様は、外科用クリップに関する。外科用クリップは、第1の内面、第1の外面、及び第1の側面を有する第1の脚部材を含み、第1の内面は凹状の湾曲を有することができる。外科用クリップはまた、第2の内面、第2の外面、及び第2の側面を有する第2の脚部材を含み、第2の内面は凸状の湾曲を有することができる。第2の脚部材は、横断チャネルによって分離された内側部分と外側部分とを更に含むことができる。内側部分は少なくとも部分的に第2の内面を形成し且つ第1の曲率を有することができ、外側部分は第2の曲率半径を有することができ、第2の曲率半径は、内側部分及び外側部分の実質的に長さ全体について、第1の曲率半径と異なる。外科用クリップはまた、第1の脚部材上に位置決めされた少なくとも1つの第1の歯部と、第2の脚部材上に位置決めされた少なくとも1つの第2の歯部とを更に含むことができる。第1及び第2の脚部材は、開放形態と閉鎖形態との間を移動するように構成することができる。閉鎖形態では、少なくとも1つの第1の歯部は、第2の側面に沿って第2の内面の横方向へ延びるように構成することができ、少なくとも1つの第2の歯部は、第1の側面に沿って第1の内面の横方向へ延びるように構成することができる。
【0008】
本発明の第4の態様は、外科用クリップに関する。外科用クリップは、第1の内面、第1の外面、及び第1及び第2の側面を有する第1の脚部材を含み、第1の脚部材の内面が凹状の湾曲を有することができる。外科用クリップはまた、内面、外面、及び第1及び第2の側面を有する第2の脚部材を含み、第2の脚部材の内面が凸状の湾曲を有することができる。外科用クリップは、第2の脚部材の内面の第1の側辺から延びる少なくとも1つの歯部と、第1の脚部材の第1の側面内のチャネルとを更に含むことができる。第1及び第2の脚部材は、開放形態と閉鎖形態との間を移動するように構成することができ、閉鎖形態では、少なくとも1つの歯部をそのチャネル内に受け入れることができる。
【0009】
本発明の第5の態様は、外科用クリップに関する。外科用クリップは、内面と外面とを有する第1の脚部材を含み、第1の脚部材の内面は凹状の湾曲を有し、第1の脚部材の外面は凸状の湾曲を有することができる。外科用クリップはまた、内面、外面、内側部分、及び外側部分を有する第2の脚部材を含み、第2の脚部材の内面は凸状の湾曲を有し、第2の脚部材の外面は凹状の湾曲を有する。内側部分と外側部分は、第2の脚部材を貫く横断チャネルによって分離することができる。内側部分は、第2の脚部材の内面の凸状湾曲を少なくとも部分的に形成することができ、外側部分は、第2の脚部材の外面の凸状湾曲を少なくとも部分的に形成することができる。
【0010】
本発明の第6の態様は、外科用クリップに関する。外科用クリップは、第1の内面、第1の外面、及び第1及び第2の側面を有する第1の脚部材であって、第1の脚部材の内面が凹状の湾曲を有する第1の脚部材と、内面、外面、及び第1及び第2の側面を有する第2の脚部材であって、第2の脚部材の内面が凸状の湾曲を有する第2の脚部材と、第2の脚部材の内面の第1の側辺から延びる少なくとも1つの第1の歯部と、第1の脚部材の第1の側面と内面との間に定められた第1のチャネルと、を含むことができる。第1及び第2の脚部材は、開放形態と閉鎖形態との間を移動するように構成することができ、閉鎖形態では、少なくとも1つの歯部がそのチャネル内に受け入れられる。
【0011】
本発明の第7の態様は、外科用クリップに関する。外科用クリップは、内面と外面とを有する第1の脚部材を含み、第1の脚部材の内面は凹状の湾曲を有し、第1の脚部材の外面は凸状の湾曲を有することができる。外科用クリップは、内面、外面、内側部分、及び外側部分を有する第2の脚部材を含み、第2の脚部材の内面は凸状の湾曲を有し、第2の脚部材の外面は凹状の湾曲を有することができる。外科用クリップは、第2の脚部材の内面の第1の側辺から延びる少なくとも1つの歯部と、第1の脚部材の第1の側面内のチャネルとを更に含むことができる。内側部分と外側部分は、第2の脚部材を貫く横断チャネルによって分離することができる。内側部分は、第2の脚部材の内面の凸状湾曲を少なくとも部分的に形成することができ、外側部分は、第2の脚部材の外面の凸状湾曲を少なくとも部分的に形成することができる。第1及び第2の脚部材は、開放形態と閉鎖形態との間を移動するように構成することができ、閉鎖形態では、少なくとも1つの歯部をそのチャネル内に受け入れることができる。
【0012】
本開示を容易に理解できるようにするために、本発明の態様を添付図面において例として示す。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の外科用クリップの第1の例示的な実施形態の第1の斜視図である。
図2図1の外科用クリップの第1の例示的な実施形態に関する第2の斜視図である。
図3図1及び2の外科用クリップの第1の例示的な実施形態に関する側面図である。
図4図1~3の外科用クリップの第1の例示的な実施形態に関する背面図である。
図5図1~4の外科用クリップの第1の例示的な実施形態に関する撓んだ形態の側面図である。
図6図1~6の外科用クリップの第1の例示的な実施形態に関する例示的な閉鎖形態の側面図である。
図7】本発明の外科用クリップの第2の例示的な実施形態の第1の斜視図である。
図8図7の外科用クリップの第2の例示的な実施形態に関する第2の斜視図である。
図9図7及び8の外科用クリップの第2の例示的な実施形態に関する側面図である。
図10図7~9の外科用クリップの第2の例示的な実施形態に関する背面図である。
図11】本発明の外科用クリップの第3の例示的な実施形態の斜視図である。
図12】本発明の外科用クリップの第4の例示的な実施形態の斜視図である。
図13】本発明の外科用クリップの第5の例示的な実施形態の斜視図である。
図14】本発明の外科用クリップの第6の例示的な実施形態の斜視図である。
図15】本発明の外科用クリップの第7の例示的な実施形態の斜視図である。
図16図15の外科用クリップの第7の例示的な実施形態に関する側面図である。
図17】本発明の外科用クリップの第8の例示的な実施形態の斜視図である。
図18図17の外科用クリップの第8の例示的な実施形態に関する側面図である。
図19図17及び18の外科用クリップの第8の例示的な実施形態に関する正面図である。
図20図17~19の外科用クリップの第8の例示的な実施形態に関する例示的な閉鎖形態の側面図である。
図21】本発明の外科用クリップの第9の例示的な実施形態に関する例示的な開放形態の側面図である。
図22】本発明の外科用クリップの第10の例示的な実施形態に関する例示的な開放形態の側面図である。
図23】本発明の外科用クリップの第11の例示的な実施形態に関する例示的な開放形態の側面図である。
【0014】
図面及び以下の詳細な説明では、同じ部分又は類似の部分に言及するために同じ又は類似の参照番号を使用する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ここで、全体を通して同様の参照番号が同様の部分を指す図面を参照しながら本発明を説明する。本発明は一般に、組織(例えば、血管、リンパ節、神経、嚢胞管、又は心臓組織)を圧迫及び/又は結紮するように構成された外科用クリップに関する。外科用クリップは、その完全な閉鎖を妨げない外側寄り歯部を備えることができ、より小血管のより効果的な閉塞を提供する。その意味で、クランプ面は実質的に平滑とすることができ、歯部は離間して配置することができる。外側寄り歯部はまた、その歯部をより大きく、組織との相互作用においてより効果的にすることができる。外側寄り歯部は、成型が容易で、クリップアプライヤと干渉しないようにすることができる。一部の実施形態では、歯部はまた、実質的に非外傷性とすることができるので、外科用クリップが隣接する歯部の間に組織を挟むことはない。例えば、歯部は鋭利な縁を最小限にし、実質的に平坦又は凸状の内面と、実質的に平坦な側面とを有することができる。一部の実施形態では、歯部は、凸状の遠位部分と凹状の近位部分とを含むことができる。凹状近位部分は、組織保持を改善し、外科用クリップが閉じる時に組織が「ウォーターメロン・シーディング」効果で外科用クリップから遠位方向に滑るのを防ぐように構成することができる。
【0016】
外科用クリップはまた、凹状内面を有する第1の脚部材と、凸状内面を有する第2の脚部材とを含むことができる。凸状内面は、外科用クリップが組織と噛み合う時に弾性的に圧縮されるように構成された可撓性内側部分によって提供することができる。内側部分の可撓性は、異なる形状、サイズ、及び/又は剛性の組織、及び/又は外科用クリップの長さに沿う異なる位置で圧迫される組織に対して好適な圧力分布を可能にすることができる。内側部分は、例えば分割脚部構成において、横断チャネルによって外側部分から離間することができる。内側部分と外側部分はまた、異なる曲率半径を有することができる。一部の実施形態では、内側部分と外側部分は、内側部分及び外側部分の長さの少なくとも半分に沿って異なる曲率半径を有することができる。一部の実施形態では、内側部分と外側部分は、内側部分及び外側部分の長さ全体に沿って異なる曲率半径を有することができる。例えば、外側部分は、凸状外面を有する凸状部分と、凹状外面を有する凹状部分とを含むことができる。一部の実施形態では、凸状部分は、第2の脚部材の近位部分に位置決めされ、第2の脚部材に、遠位部分よりも大きな高さを有する近位部分を提供することができる。近位部分の高さは、外科用クリップがクリップアプライヤのチャネルを通して供給され、及び/又はクリップアプライヤの顎部に受け入れられる時に、外科用クリップの整列を改善するための接触点を提供することができる。一部の実施形態では、外科用クリップは、内側部分と外側部分との間に延びて、外科用クリップが圧縮される時に内側部分と外側部分との間の圧縮荷重分布を改善する一方で、可撓性を維持し、外科用クリップが閉鎖及び/又はロックするために経る複雑な変形に適応するように構成された圧縮部材を更に含むことができる。
【0017】
図1~6は、本発明の外科用クリップ100の第1の実施形態を示している。図示のように、外科用クリップ100は、近位端部100Aと遠位端部100Bとを有することができる。外科用クリップ100は、近位端部102A及び遠位端部102Bを有する第1の脚部材102と、近位端部104A及び遠位端部104Bを有する第2の脚部材104とを更に含むことができる。第1及び第2の脚部材102、104は、ヒンジ部分106により近位端部102A、104Aで一体的に連結することができる。
【0018】
従来の慣例に従って、本明細書で用いる場合、本明細書で特に明記しない限り、用語「近位部分」は、使用することが意図された時にデバイスを扱う又は操作する医療関係者に一般的により近いデバイス又はその構成要素の特定の部分を指し、用語「遠位部分」は、近位部分とは反対側のデバイス又はその構成要素の特定の部分を指す。用語「長手方向の」は、外科用クリップ100及び/又は脚部材102、104の長さに沿って、それぞれの近位端部100A、102A、104Aからそれぞれの遠位端部100B、102B、104Bまで延びる寸法を指す。更に本明細書で用いる場合、「横断」方向は、外科用クリップ100又は脚部材102、104の長手方向の長さに直交するあらゆる軸又は方向に関する。従って、用語「長さ」は、外科用クリップ100及び/又は1又は2以上の構成要素の、その長手方向に沿う寸法を指す。「高さ」又は「垂直」という用語は、外科用クリップ100及び/又は1又は2以上の構成要素の、脚部材102、104の圧縮軸に沿う寸法を指す。用語「厚さ」は、外科用クリップ100及び/又は1又は2以上の構成要素の対向する縁部間の、圧縮軸又は垂直軸に沿う寸法を指す。用語「幅」は、外科用クリップ100及び/又は1又は2以上の構成要素の、長さ及び高さに対して実質的に横断する横方向での寸法を指す。用語「凹状の」及び「凸状の」は、表面又は構成要素の外側を眺めた時に見える表面又は構成要素の湾曲を指す。書面の開示全体を通して、同様の用語を使用する。
【0019】
第1及び第2の脚部材102、104は、湾曲部分を有する表面を含むことができる。例えば、第1の脚部材102は、第1の内面108と第1の外面110とを含むことができ、第2の脚部材104は、第2の内面112と第2の外面114とを含むことができる。図1に示すように、第1の内面108は凹状の湾曲を有することができ、第1の外面110は凸状の湾曲を有することができる。第2の内面112は凸状の湾曲を有することができ、第2の外面114は、少なくとも1つの凸状の湾曲及び/又は少なくとも1つの凹状の湾曲のうちの1又は2以上を有することができる。第1の内面108の凹状湾曲及び/又は第1の外面110の凸状湾曲は、第1の脚部材102の実質的に長さ全体に亘って延びることができる。第2の内面112の凸状湾曲は、実質的に第2の脚部材104の長さ全体に亘って延びることができる。第1及び第2の内面108、112は、閉鎖形態において近接する又は接触することができる。第1及び第2の内面108、112はまた、実質的に平滑とすることができる。また、第1の脚部材102は対向する側面138、140を含むことができ、第2の脚部材104は対向する側面142、144を含むことができる。
【0020】
第2の脚部材104は、第1の部分166及び第2の部分168で一体的に連結された内側部分162(例えば、内側リブ)と外側部分164(例えば、外側リブ)とを含むことができる。内側部分162は、凸状内面170と凹状外面172とを有することができる。内側部分162及び外側部分164のうちの少なくとも一方は、第1の脚部材102の厚さよりも小さな厚さを有することができる。内側部分162及び/又は外側部分164のより小さな厚さは、第2の脚部材104に関して、第1の脚部材102よりも高い可撓性を提供することができる。一部の実施形態では、内側部分162は外側部分164よりも大きな厚さを有することができ、及び/又は外側部分164は内側部分162よりも大きな長さを有することができる。内側部分162の内面170は、第2の内面112の少なくとも一部分を形成することができ、外側部分164の外面は、外科用クリップ100の第1の外面114の少なくとも一部分を形成することができる。
【0021】
内側部分162は、様々な形状、サイズ、位置、及び/又は剛性の組織に圧力を適切に分散させるために、その長さの少なくとも一部に沿って垂直な圧縮方向に弾性的に撓むように構成することができる。内側部分162は、付加的に又は代替的に、組織の位置決めに基づいてその長さの何れかの部分に沿って撓むことができる。例えば、組織がヒンジ部分106に近接して位置決めされる場合、内側部分162の近位部分は、組織を収容するために撓むことができる。しかしながら、組織が係止機構に近接して位置決めされる場合、内側部分162の遠位部分が撓むことができる。その意味で、外科用クリップ100は、係止機構及び/又はヒンジ部分106の何れかへの組織の近接に起因する応力局在化を低減することができる。内側部分162の弾性圧縮はまた、組織が壊死し収縮しても、閉鎖及び/又は係止形態で組織に連続的な結紮圧力を提供することができる。
【0022】
内側部分162と外側部分164は、第2の脚部材104の圧縮を可能にするために、第2の脚部材104の側面142、144間に延びる少なくとも1つの横断開口又はチャネル178によって分離することができる。例えば、チャネル178は、内側部分162を外側部分164に向かって弾性的に押し付けることを可能にして組織の長さに沿って荷重を分散させ、一方で外科用クリップ100内に組織をより効果的に把持及び保持することができる。チャネル178はまた、内側部分162の撓みに関する制約を軽減するために、外側部分164がより長い長さを有することを可能にする。例えば、外側部分164の長さの増加により、内側部分162が閉鎖及び/又は係止中に屈曲して平らになる時の、内側部分162の可撓性に関する制約を軽減することができる。一部の実施形態では、内側部分162、外側部分164、及び/又はチャネル178は、第2の脚部材104の長さの8分の1を超えて延びることができる。一部の実施形態では、内側部分162、外側部分164、及び/又はチャネル178は、第2の脚部材104の長さの4分の1を超えて延びることができる。一部の実施形態では、内側部分162、外側部分164、及び/又はチャネル178は、実質的に第1の脚部材102の長さ全体に亘って延びることができる。
【0023】
内側部分162と外側部分164は、内側部分162及び外側部分164の長さに沿って、隣接する対応点の間で異なる曲率半径を有することができる。一部の実施形態では、隣接する対応点の間での内側部分162の第1の曲率半径と外側部分164の第2の曲率半径は、内側部分162及び外側部分164の長さの少なくとも半分について異なるとすることができる。一部の実施形態では、第1の曲率半径と第2の曲率半径は、内側部分162及び外側部分164の実質的に長さ全体について異なるとすることができる。内側部分162は、変曲点のない実質的に連続した曲率半径を有することができ、外側部分164は、少なくとも1つの変曲点を伴う可変な曲率半径を有することができる。外側部分の可変な曲率半径は、図5に示すように外科用クリップアプライヤ10の供給チャネル12内に位置決めされた場合に、可変な高さと垂直方向の安定性とを提供することができる。例えば、外側部分164の近位部分174は、外側部分164の遠位部分176よりも大きな高さを有することができる。一部の実施形態では、近位部分174は、凸状外面及び凹状内面を含むことができ、遠位部176は、凹状外面及び凸状内面を含むことができる。遠位部分176の凹状外面は、不規則な応力集中を軽減するために遠位部分104Bとの滑らかな移行部を提供することができる。近位部分174の凸状外面は、供給チャネル12の壁14、16との接触点を提供して、クリップアプライヤ10に対する外科用クリップ100の近位端の垂直移動を低減するために、垂直方向に突出することができる。付加的な接触点には、第1の脚部材102の外面110、第1の脚部材102のボス146、148、及び150、及び/又は第2の脚部材104のボス152、154を含めることができる。外科用クリップ100の垂直方向安定性の向上により、クリップアプライヤ10のプッシャ部材上の安定性フィンガ及び/又はクリップアプライヤ10の顎部内への外科用クリップ100の適正な装填を不要にすることができる。
【0024】
チャネル178はまた、縫合糸などの細長い部材の固定点を提供することができる。例えば、外科医は、外科用クリップ100を組織(例えば、血管)に適用し、縫合糸をチャネル178に通過又はループさせ、同じ又は異なる組織内の別の箇所にその縫合糸を通して、クリップを定位置に固定することができる。チャネル178を通された縫合糸は、付加的に又は代替的に、組織を別の位置近くに固定する、及び/又は2つの組織を互いに近接させることができる。
【0025】
ヒンジ部分106は、弾性的に撓むことができ、第1及び第2の脚部材102、104と一体化することができる。ヒンジ部分106は、凹状内面116と凸状外面118とを有することができる。ヒンジ部分106の凹状内面116は、第1の脚部材102の第1の内面108と、第2の脚部材104の第2の内面112とを連結することができる。ヒンジ部分106の凸状外面118は、第1の脚部材102の第1の外面110と、第2の脚部材104の第2の外面114とを連結することができる。ヒンジ部分106はまた、ヒンジ表面116、118間に位置する湾曲スロット120を含むことができ、凸状外面118よりも凹状内面116の近くに位置決めすることができる。湾曲スロット120は、ヒンジ部分106を左右に完全に貫通することができ、その両端は、それぞれ第1及び第2の脚部材102、104の近位端部102A、102B内に延びることができる。湾曲スロット120は、ヒンジ部分106に可撓性と弾力性とを付加することができるが、凹状内面116は、締め付けられた血管のあらゆる部分が湾曲スロット120内に閉じ込められるのを防ぐことができる。
【0026】
外科用クリップ100はまた、1又は2以上の係止要素を有する係止機構を含むことができる。例えば、第1の脚部材102は、その遠位端部102Bでフック部分126に移行することができ、第2の脚部材104は、その遠位端部104Bで相補的な溝付きで尖った先端部128に移行することができる。フック部分126の遠位端部は、内方に湾曲し、ほぼヒンジ部分材106の凹状内面の方に向いているとすることができる。フック部分126は、1又は2つ以上の横断傾斜面130と、内面108と合わさって係止凹部132を定める凹状内面とを有することができる。先端部128はV字形であって、フック部分126が先端部128の周りで撓む時に傾斜面130を受け入れるように構成されたスロットを定めることができる。フック部分126と先端部128は、係合して係止機構を形成することができる。例えば、係止凹部132は、血管又は他の組織の周りに固定された状態とすることのできる閉鎖形態(例えば、図6)に外科用クリップ100を圧縮する過程で先端部材128と係合することができる。
【0027】
脚部材102、104は、クリップアプライヤ10の顎部と係合するために、その長さに沿って1又は2以上のボスを含むことができる。例えば、第1の脚部材102は、その遠位端部102Bに隣接してフック部分126のすぐ内方にある対向側面138、140の各々に対して垂直に突出するボス146、148を含むことができる。外科用クリップ100の図示する例では、ボス146、148は円柱形であって、第1の脚部材102の第1の外面110を越えて外方に突出することができる。ボス146、148はまた、ブリッジ区画150で互いに連結させることができる。第2の脚部材104も、その遠位端部104Bにボス152、154を含むことができる。ボス152、154は円柱状であり、第2の脚部材104の対向側面142、144の各々に対して垂直に突き出て、先端部128の尖端を越えて長手方向前方に延びることができる。クリップアプライヤ10の顎部は、ボス146、148、150、152、154と係合し、脚部材102、104をヒンジ部分106の周りに枢動させ、外科用クリップ100を圧縮して血管周りの閉鎖及び/又は係止形態にすることができる。
【0028】
更に図1~6の実施形態に示すように、外科用クリップ100は、第1の脚部材102上に位置決めされた少なくとも1つの第1の歯部134と、第2の脚部材104上に位置決めされた少なくとも1つの第2の歯部136とを含むことができる。歯部134、136は、組織と係合する時に歯部134、136が実質的に撓まないように、実質的に剛性とすることができる。歯部134、136は、外科用クリップ100に対して外側寄りに位置決めすることができる。本明細書で使用する場合、用語「外側寄りの」は、外科用クリップ100の1又は2以上の外部側面上の歯部134、136の位置決めを指すものとする。例えば、歯部134、136は、側面138~144のうちの1つに取り付けられ、そこから内面108、112のうちの1又は2以上の横方向に延びることができる。例えば、歯部134、136は、側面138~144の少なくとも1つに対して実質的に平行に、及び/又は内面108、112の少なくとも1つに対して実質的に垂直に延びることができる。従って、歯部134、136を、対向する内面108、112との衝突を避けるように、且つ対向する脚部材102、104の側面138~144に沿って位置決めして、外科用クリップ100が最小限の隙間で又は隙間なしで閉じることを可能にし、小血管の効果的な閉鎖を確実にすることができる。内面108、112は、歯部を持たず、脚部材102、104の近位端部102A、104Bから遠位端部102B、104Bまで延びる実質的に平滑な表面を備えることができる。歯部134、136は、脚部材102、104の内面108、112の少なくとも一方の片側又は両側に位置決めすることができる。外側寄り歯部134、136は、より大きく、組織との相互作用においてより効果的にすることができる。例えば、歯部134、136のより大きなサイズによって、組織保持を改善し、組織が外科用クリップから滑り出るのを防ぐことができる。歯部134、136は、十分に離間して配置され、隣接する歯134、136の間に組織を挟まないとすることができる。歯部134、136は更に、成型が容易で、クリップアプライヤと干渉しないようにすることができる。歯部134、136は、本明細書で述べるように、様々な構成を有することができる。
【0029】
図1図6に示すように、歯部134、136は、凸状の遠位部分180と凹状の近位部分182(例えば、切欠き)とを含むことができる。凹状部分182は、歯部134、136の近位表面の約90°に広がることができる。凹状部分182は、組織を受け入れて組織が外科用クリップ100から遠位方向に滑るのを防ぐように構成することができる。凸状部分180及び凹状部分182は、外科用クリップ100で圧迫された組織への外傷を減らすことができる。歯部134、136の凸状部分は、丸形、円盤状、円形、球形、卵形、楕円形、球根状、環状、及び/又は円環を含めて、多くの形状を有することができることが企図される。また、凹状部分は、丸形、円形、球形、卵形、楕円形、U字形、L字形、及び/又はV字形を含めて、幾つもの形状にできると考えられる。歯部134、136は更に、その片側又は両側に実質的に平坦な側面を含むことができる。実質的に平坦な側面184は、内面108、112の近接又は接触を容易にして隣接組織への外傷を減らすことができる。
【0030】
図6に示すように、外科用クリップ100は、第1の内面108と第2の内面112との間に最小限の隙間で又は隙間なしで閉じるように構成することができる。例えば、外科用クリップ100が閉じる時に、第1の歯部134は、第2の内面112を越えて側面142、144の少なくとも一方に沿って延びることができ、第2の歯部134は、第1の内面108を越えて側面138、140の少なくとも一方沿って延びることができる。従って、歯部134、136は、それぞれの内面108、112との衝突を避けることができるので、歯134、136に遮られることなく、組織を内面108、112で直接圧迫することができる。歯部134、136が外科用クリップ100の同じ側に位置決めされる場合には、歯部134、136を交互配置にして、干渉を減らすことができる。この閉鎖形態及び/又は係止形態は、より小さな血管のより小さな組織の圧迫を強化することができ、一方で第2の脚部材104の内面112は、血管組織を収容するために弾性的に撓むことができる。
【0031】
外科用クリップ100は更に、例えば腎部分切除中に、縫合糸を留めるように構成することができる。外科医は、組織の一部、例えば腎臓の上半分/下半分を切り離すために腎臓の一部に針で縫合糸を通す場合がある。外科医は、縫合糸の上で外科用クリップ100を閉じ、組織に対して外科用クリップ100を滑らせることができる。その後で、外科医は、縫合糸が組織を貫いて引っ張ることなく、或いは保持用結び目を作らずに、組織の縫合を続けることができる。歯部134、136は、締付圧力が低下する場合のある近位端部100A又は遠位端部100Bに向かって縫合糸を長手方向に滑らすことなく、縫合糸を外科用クリップ100の中央に保持するように構成することができる。歯部134、136のサイズを大きくすることで、縫合糸の保持力を増加させることができる。
【0032】
図1~6は、第1及び第2の脚部材102、104の両側に位置決めされた歯部134、136を示している。例えば、外科用クリップ100は、図1~6に示すように、第1及び第2の脚部材の各側に2つの大きな歯134、136を含むことができる。しかしながら、歯部134、136の別の数及び構成が考えられる。歯部134、136は、脚部材102、104の少なくとも一方の片側にだけ位置決めすることができる。例えば、歯部134、136は、各脚部材102、104の同じ側にだけ(例えば、図7~10に示すように)、或いは脚部材102、104の反対側にだけ(例えば、図11に示すように)位置決めすることができる。一部の実施形態では、歯部は、脚部材102、104の一方にだけ位置決めすることができる。例えば、第1の脚部材102は、(図1~6に示すように)第1の歯部134を含むことができ、第2の脚部材104は歯部を持たなくてもよい。別の例では、第1の脚部材102は歯部を持たなくてもよく、第2の脚部材は、(図1図6に示すように)第2の歯部136を含むことができる。上記の例の各々において、歯部134、136は、図1~6に更に示すように、それぞれの脚部材102、104の側面間を交互に繰り返すことができる。更に、歯部134、136は、図12~20の1又は2以上に示すような、異なる構成を有することができると考えられる。
【0033】
図7~10は、本発明の外科用クリップの第2の実施形態200を示す。外科用クリップ200は、外科用クリップ100と同様の特徴を有することができ、図7~10に同様に表すことができる。簡潔にするため、外科用クリップ100と同様の特徴は、外科用クリップ300に関して説明しない場合がある。
【0034】
図示するように、外科用クリップ200は、ヒンジ部分206によって接続された第1の脚部材202と第2の脚部材204とを含むことができる。第1及び第2の脚部材202、204は、湾曲部分を有する表面を含むことができる。例えば、第1の脚部材202は、第1の内面208と第1の外面210とを含むことができ、第2の脚部材204は、第2の内面212と第2の外面214とを含むことができる。図7に示すように、第1の内面208は凹状の湾曲を有することができ、第1の外面210は凸状の湾曲を有することができる。第2の内面212は凸状の湾曲を有することができ、第2の外面214は凹状の湾曲を有することができる。第1の内面208の凹状湾曲及び/又は第1の外面210の凸状湾曲は、第1の脚部材202の実質的に長さ全体に亘って延びることができる。第2の内面212の凸状湾曲及び/又は第2の外面214の凹状湾曲は、実質的に第2の脚部材204の全長に亘って延びることができる。第1及び第2の内面208、212は、閉鎖形態において近接する又は接触することができる。第1及び第2の内面208、212は、実質的に平滑とすることができる。また、第1の脚部材202は対向する側面238、240を含むことができ、第2の脚部材204は対向する側面242、244を含むことができる。
【0035】
図7~10に図示するように、第2の脚部材204は、第1の部分266及び第2の部分268で一体的に連結された内側部分262(例えば、内側リブ)と外側部分264(例えば、外側リブ)とを含むことができる。内側部分262は、凸状内面270と凹状外面272とを有することができる。外側部分264は、凸状内面274と凹状外面276とを有することができる。内側部分262と外側部分264は、内側部分262及び外側部分264の隣接した対応点の間で異なる曲率半径を有することができる。一部の実施形態では、内側部分262の第1の曲率半径と外側部分264の第2の曲率半径は、内側部分262及び外側部分264の長さの少なくとも半分について異なるとすることができる。一部の実施形態では、第1の曲率半径と第2の曲率半径は、内側部分262及び外側部分264の実質的に長さ全体について異なるとすることができる。内側部分262は外側部分よりも小さな曲率半径を有することができ、内側部分262をより凸状にする。一部の実施形態では、内側部分262は、第1の脚部材202よりも小さな曲率半径を有することができるので、組織がない場合でも閉鎖形態及び/又は係止形態に圧縮することができる。内側部分262及び/又は外側部分264は、第1の脚部材202の厚さよりも小さな厚さを有することができ、第2の脚部材204の可撓性及び/又は可圧縮性を増大させる。内側部分262と外側部分264は、本明細書で説明するように、少なくとも1つの横断開口又はチャネル278によって分離することができる。外科用クリップ200は、上記で更に説明したように、縫合糸を固定する及び/又は留めるように構成することができる。
【0036】
第1及び第2の脚部材202、204は、ヒンジ部分206によって近位端部202A、202Bで一体的に連結することができる。外科用クリップ200はまた、1又は2以上の係止要素を有する係止機構を含むことができる。例えば、第1の脚部材202は、その遠位端部202Bでフック部分226に移行することができ、第2の脚部材204は、その遠位端部204Bで相補的な溝付きで尖った先端部228に移行することができる。脚部材202、204は更に、クリップアプライヤ10の顎部と係合するために、その長さに沿って1又は2以上のボスを含むことができる。例えば、第1の脚部材202は、対向側面238、240の各々に対して垂直に突き出るボス246、248を含むことができ、第2の脚部材204は、対向側面242、244の各々に対して垂直に突き出るボス252、254を含むことができる。ボス246、248はまた、ブリッジ区画250で互いに連結させることができる。
【0037】
更に図7~10に示すように、外科用クリップ200はまた、第1の脚部材202の側面に取り付けられた少なくとも1つの第1の歯部234と、第2の脚部材204の同じ側に取り付けられた少なくとも1つの第2の歯部236とを含むことができる。例えば、第1の歯部234は、側面238に取り付けられてそこから延びることができ、第2の歯部236は、側面238と実質的に平行な側面242に取り付けられてそこから延びることができる。従って、第1の歯部234と第2の歯部236は、外科用クリップ200の同じ側(例えば、側面238、242)に位置決めすることができ、外科用クリップ200の反対側(例えば、側面240、244)には歯がないとすることができる。外科用クリップ200の同じ側に歯部234、236を位置決めすることにより、より傷付きやすい組織に誘発される外傷を減らすことができる。歯部234、236は、前述のように、外科用クリップ100と同様に外側寄りに位置決めされる、及び/又は内面208、212の間に最小限の隙間で又は隙間なしで閉じられるとすることができる。歯部234、236はまた、更に前述したように幾つもの形状を有することができる。
【0038】
一部の実施形態では、歯部は、脚部材202、204の一方にだけ位置決めすることができる。例えば、第1の脚部材202は、第1の歯部234を含むことができ(図7~10に示すように)、第2の脚部材204は歯部を持たないとすることができる。別の例では、第1の脚部材202は歯部を持たなくてもよく、第2の脚部材は第2の歯部236を含むことができる(図7~10に示すように)。上記の例の各々において、歯部234、236は、それぞれの脚部材202、204の側面間を交互に繰り返すことができる。
【0039】
図11は、本発明の外科用クリップの第3の実施形態300を示す。外科用クリップ300は、外科用クリップ100、200の少なくとも一方と同様の特徴を有することができ、図11に同様に表すことができる。簡潔にするため、外科用クリップ100、200の少なくとも一方と同様の特徴は、外科用クリップ300に関して説明しない場合がある。
【0040】
図示するように、外科用クリップ300は、ヒンジ部分306によって接続された第1の脚部材302と第2の脚部材304とを含むことができる。第1及び第2の脚部材302、304は、湾曲部分を有する表面を含むことができる。例えば、第1の脚部材302は、第1の内面308と第1の外面310とを含むことができ、第2の脚部材304は、第2の内面312と第2の外面314とを含むことができる。第1の内面308は凹状の湾曲を有することができ、第1の外面310は凸状の湾曲を有することができる。第2の内面312は凸状の湾曲を有することができ、第2の外面314は凹状の湾曲を有することができる。第1の内面308の凹状湾曲及び/又は第1の外面310の凸状湾曲は、第1の脚部材302の実質的に長さ全体に亘って延びることができる。第2の内面312の凸状湾曲及び/又は第2の外面314の凹状湾曲は、実質的に第2の脚部材304の長さ全体に亘って延びることができる。第1及び第2の内面308、312は、閉鎖形態において近接する又は接触することができる。第1及び第2の内面308、312は、実質的に平滑とすることができる。また、第1の脚部材302は対向する側面338、340を含むことができ、第2の脚部材304は対向する側面342、344を含むことができる。
【0041】
第2の脚部材304は、第1の部分366及び第2の部分368で一体的に連結された内側部分362(例えば、内側リブ)と外側部分364(例えば、外側リブ)とを含むことができる。内側部分362は、凸状内面370と凹状外面372とを有することができる。外側部分364は、凸状内面と凹状外面とを有することができる。内側部分362と外側部分364は、内側部分362及び外側部分364の長さに沿って、隣接した対応点の間で異なる曲率半径を有することができる。一部の実施形態では、内側部分362の第1の曲率半径と外側部分364の第2の曲率半径は、内側部分362及び外側部分364の長さの少なくとも半分について異なるとすることができる。一部の実施形態では、第1の曲率半径と第2の曲率半径は、内側部分362及び外側部分364の実質的に長さ全体について異なるとすることができる。内側部分362は外側部分よりも小さな曲率半径を有することができ、内側部分362をより凸状にする。一部の実施形態では、内側部分362は、第1の脚部材302よりも小さな曲率半径を有することができるので、組織がない場合でも閉鎖形態及び/又は係止形態に圧縮することができる。内側部分362及び/又は外側部分364は、第1の脚部材302の厚さよりも小さな厚さを有することができ、第2の脚部材304の可撓性及び/又は可圧縮性を増大させる。内側部分362と外側部分364は、前述のように、少なくとも1つの横断開口又はチャネル378によって分離することができる。外科用クリップ300は、更に前述したように、縫合糸を固定する及び/又は留めるように構成することができる。
【0042】
外科用クリップ300はまた、1又は2以上の係止要素を有する係止機構を含むことができる。例えば、第1の脚部材302は、その遠位端部302Bでフック部分326に移行することができ、第2の脚部材304は、その遠位端部304Bで相補的な溝付きで尖った先端部328に移行することができる。脚部材302、304は更に、クリップアプライヤ10の顎部と係合するために、その長さに沿って1又は2以上のボスを含むことができる。例えば、第1の脚部材302は、対向側面338、340の各々に対して垂直に突き出るボス346、348を含むことができ、第2の脚部材304は、対向側面342、344の各々に対して垂直に突き出るボス352、354を含むことができる。ボス346、348はまた、ブリッジ区画350で互いに連結させることができる。
【0043】
更に図11に示すように、外科用クリップ300は、第1の脚部材302の第1の側に位置決めされた少なくとも1つの第1の歯部334と、第2の脚部材304の、第1の側とは反対の第2の側に位置決めされた少なくとも1つの第2の歯部336とを含むことができる。例えば、第1の歯部334は、側面338から延びることができ、第2の歯部336は、側面344から延びることができる。従って、歯部334、336は、外科用クリップ300の反対側に位置決めすることができ、第1の脚部材302の側面340と第2の脚部材304の側面342には歯部がないとすることができる。外科用クリップ300の反対側に歯部334、336を位置決めすることにより、組織との噛み合わせを強化し、一方で歯部の数と組織の外傷とを減らすことができる。歯部234、236は、前述のように、外科用クリップ100と同様に外側寄りに位置決めすることができる。歯部234、236はまた、更に前述したように幾つもの形状を有することができる。
【0044】
図12は、本発明の外科用クリップの第4の実施形態400を示す。外科用クリップ400は、外科用クリップ100~300の少なくとも1つと同様の1又は2以上の特徴を含むことができ、図12に同様に表すことができる。簡潔にするため、外科用クリップ100~300の少なくとも1つに関する特徴と同様の特徴は、外科用クリップ400に関して説明しない場合がある。
【0045】
外科用クリップ400は、ヒンジ部分406によって接続された第1の脚部材402と第2の脚部材404とを含むことができる。第1及び第2の脚部材402、404は、湾曲部分を有する表面を含むことができる。例えば、第1の脚部材402は、第1の内面408と第1の外面410とを含むことができ、第2の脚部材404は、第2の内面412と第2の外面414とを含むことができる。第1の内面408は凹状の湾曲を有することができ、第1の外面410は凸状の湾曲を有することができる。第2の内面412は凸状の湾曲を有することができ、第2の外面414は凹状の湾曲を有することができる。第1の内面408の凹状湾曲及び/又は第1の外面410の凸状湾曲は、第1の脚部材402の実質的に長さ全体に亘って延びることができる。第2の内面412の凸状湾曲及び/又は第2の外面414の凹状湾曲は、実質的に第2の脚部材404の長さ全体に亘って延びることができる。第1及び第2の内面408、412は、閉鎖形態において近接する又は接触することができる。第1及び第2の内面408、412は、実質的に平滑とすることができる。また、第1の脚部材402は対向する側面438、440を含むことができ、第2の脚部材404は対向する側面442、444を含むことができる。
【0046】
第2の脚部材404は、第1の部分466及び第2の部分468で一体的に連結された内側部分462(例えば、内側リブ)と外側部分464(例えば、外側リブ)とを含むことができる。内側部分462は、凸状内面470と凹状外面472とを有することができる。外側部分464は、凸状内面と凹状外面とを有することができる。内側部分462と外側部分464は、内側部分462及び外側部分464の長さに沿って、隣接した対応点の間で異なる曲率半径を有することができる。一部の実施形態では、内側部分462の第1の曲率半径と外側部分464の第2の曲率半径は、内側部分462及び外側部分464の長さの少なくとも半分について異なるとすることができる。一部の実施形態では、第1の曲率半径と第2の曲率半径は、内側部分462及び外側部分464の実質的に長さ全体について異なるとすることができる。内側部分462は外側部分464よりも小さな曲率半径を有することができ、内側部分462をより凸状にする。一部の実施形態では、内側部分462は、第1の脚部材402よりも小さな曲率半径を有することができるので、組織がない場合でも閉鎖形態及び/又は係止形態に圧縮することができる。内側部分462及び/又は外側部分464は、第1の脚部材402の厚さよりも小さな厚さを有することができ、第2の脚部材404の可撓性及び/又は可圧縮性を増大させる。内側部分462と外側部分464は、前述のように、少なくとも1つの横断開口又はチャネル478によって分離することができる。外科用クリップ400は、更に前述したように、縫合糸を固定する及び/又は留めるように構成することができる。
【0047】
外科用クリップ400はまた、1又は2以上の係止要素を有する係止機構を含むことができる。例えば、第1の脚部材402は、その遠位端部402Bでフック部分426に移行することができ、第2の脚部材404は、その遠位端部404Bで相補的な溝付きで尖った先端部428に移行することができる。脚部材402、404は更に、クリップアプライヤ10の顎部と係合するために、その長さに沿って1又は2以上のボスを含むことができる。例えば、第1の脚部材402は、対向側面438、440の各々に対して垂直に突き出るボス446、448を含むことができ、第2の脚部材404は、対向側面442、444の各々に対して垂直に突き出るボス452、454を含むことができる。第1の脚部材402のボス446、448は、ブリッジ区画450で互いに連結させることができる。
【0048】
更に図12に示すように、外科用クリップ400は、非外傷性の組織クランプ面を提供する凸状部材を備えた、少なくとも1つの第1の歯部434及び/又は少なくとも1つの第2の歯部436を含むことができる。一部の実施形態では、凸状部材は、約180°よりも大きい凸状区分を含むことができる。一部の実施形態では、凸状部材は、約270°よりも大きい凸状区分を含むことができる。一部の実施形態では、凸状部材は、約360°の凸状区分を含むことができる。 1又は2以上の凸状部材は、丸形、円盤形状、円形、球形、卵形、楕円形、球根状、環状、及び/又は円環を含めて、幾つもの形状にできると考えられる。
【0049】
更に図12に示すように、第1の歯部434は、第1の脚部材402の第1の側面438から第1の内面408の横方向に延びることができ、1又は2以上の第2の歯部435は、第2の脚部材404の第2の側面442から第2の内面512の横方向に延びることができる。側面438、442は、脚部材402、404の同じ側にあるとすることができる。代わりに一部の実施形態では、歯部434、436は、例えば図1~6に示すように、脚部材402、404の少なくとも一方の両側に位置決めすることができる。一部の実施形態では、歯部434、436は、例えば図11に示すように、脚部材402、404の反対側にだけ位置決めすることができる。歯部434、436の円形形態は、組織への外傷を更に一層減らすことができる。歯部434、436は、前述のように、外科用クリップ100と同様に外側寄りに位置決めすることができる。
【0050】
一部の実施形態では、歯部は、脚部材402、404の一方にだけ位置決めすることができる。例えば、第1の脚部材402は、第1の歯部434を含むことができ、第2の脚部材404は歯部を持たないとすることができる。別の例では、第1の脚部材402は歯部を持たなくてもよく、第2の脚部材は第2の歯部436を含むことができる。上記の例の各々において、歯部434、436は、前述のようにそれぞれの脚部材402、404の側面間を交互に繰り返すことができる。
【0051】
図13は、本発明の外科用クリップの第5の実施形態500を示す。外科用クリップ500は、外科用クリップ100~400の少なくとも1つと同様の1又は2以上の特徴を含むことができ、図13に同様に表すことができる。簡潔にするため、外科用クリップ100~400の少なくとも1つに関する特徴と同様の特徴は、外科用クリップ500に関して説明しない場合がある。
【0052】
外科用クリップ500は、ヒンジ部分506によって接続された第1の脚部材502と第2の脚部材504とを含むことができる。第1及び第2の脚部材502、504は、湾曲部分を有する表面を含むことができる。例えば、第1の脚部材502は、第1の内面508と第1の外面510とを含むことができ、第2の脚部材504は、第2の内面512と第2の外面514とを含むことができる。第1の内面508は凹状の湾曲を有することができ、第1の外面510は凸状の湾曲を有することができる。第2の内面512は凸状の湾曲を有することができ、第2の外面514は凹状の湾曲を有することができる。第1の内面508の凹状湾曲及び/又は第1の外面210の凸状湾曲は、第1の脚部材502の実質的に長さ全体に亘って延びることができる。第2の内面512の凸状湾曲及び/又は第2の外面514の凹状湾曲は、実質的に第2の脚部材504の長さ全体に亘って延びることができる。第1及び第2の内面508、512は、閉鎖形態において近接する又は接触することができる。第1及び第2の内面508、512は、実質的に平滑とすることができる。また、第1の脚部材502は対向する側面538、540を含むことができ、第2の脚部材504は対向する側面542、544を含むことができる。
【0053】
第2の脚部材504は、第1の部分566及び第2の部分568で一体的に連結された内側部分562(例えば、内側リブ)と外側部分564(例えば、外側リブ)とを含むことができる。内側部分562は、凸状内面570と凹状外面572とを有することができる。外側部分564は、凸状内面と凹状外面とを有することができる。内側部分562と外側部分564は、内側部分562及び外側部分564の長さに沿って、隣接した対応点の間で異なる曲率半径を有することができる。一部の実施形態では、内側部分562の第1の曲率半径と外側部分564の第2の曲率半径は、内側部分562及び外側部分564の長さの少なくとも半分について異なるとすることができる。一部の実施形態では、第1の曲率半径と第2の曲率半径は、内側部分562及び外側部分564の実質的に長さ全体について異なるとすることができる。内側部分562は外側部分よりも小さな曲率半径を有することができ、内側部分562をより凸状にする。一部の実施形態では、内側部分562は、第1の脚部材502よりも小さな曲率半径を有することができるので、組織がない場合でも閉鎖形態及び/又は係止形態に圧縮することができる。内側部分562及び/又は外側部分564は、第1の脚部材502の厚さよりも小さな厚さを有することができ、第2の脚部材504の可撓性及び/又は可圧縮性を増大させる。内側部分562と外側部分564は、前述のように、少なくとも1つの横断開口又はチャネル578によって分離することができる。外科用クリップ500は、更に前述したように、縫合糸を固定する及び/又は留めるように構成することができる。
【0054】
外科用クリップ500はまた、1又は2以上の係止要素を有する係止機構を含むことができる。例えば、第1の脚部材502は、その遠位端部502Bでフック部分526に移行することができ、第2の脚部材504は、その遠位端部504Bで相補的な溝付きで尖った先端部528に移行することができる。脚部材502、504は更に、クリップアプライヤ10の顎部と係合するために、その長さに沿って1又は2以上のボスを含むことができる。例えば、第1の脚部材502は、対向側面538、540の各々に対して垂直に突き出るボス546、548を含むことができ、第2の脚部材504は、対向側面542、544の各々に対して垂直に突き出るボス552、554を含むことができる。第1の脚部材502のボス546、548は、ブリッジ区画550で互いに連結させることができる。
【0055】
更に示すように、外科用クリップ500は、少なくとも1つの第1の歯部534及び/又は少なくとも1つの第2の歯部536を含むことができる。歯部534、536のうちの1又は2以上は、近位側に角度付けされた突出部を備えることができる。近位側に角度付けされた突出部は、組織保持を改善し、外科用クリップ500を閉じる時に組織がクリップ500から遠位側に滑り出る(例えば、「ウォーターメロン・シーディング」効果)のを防ぐことができる。突出部の先端は比較的鋭利である、或いは組織への外傷を軽減するために丸くすることができる。
【0056】
更に前述したように、第1の歯部534は、第1の脚部材502の第1の側面538から第1の内面508の横方向に延びることができ、1又は2以上の第2の歯部535は、第2の脚部材504の第2の側面544から第2の内面512の横方向に延びることができる。一部の実施形態では、歯部534、536は、例えば図1~6に示すように、脚部材502、504の少なくとも一方の両側に位置決めすることができる。一部の実施形態では、歯部534、536は、例えば図7~10に示すように、脚部材502、504の同じ側にだけ位置決めすることができる。一部の実施形態では、歯部534、536は、図11に示すように、脚部材502、504の反対側にだけ位置決めすることができる。歯部534、536は、前述のように、外科用クリップ100と同様に外側寄りに位置決めすることができる。
【0057】
一部の実施形態では、歯部は、脚部材502、504の一方にだけ位置決めすることができる。例えば、第1の脚部材502は、第1の歯部534を含むことができ、第2の脚部材504は歯部を持たないとすることができる。別の例では、第1の脚部材502は歯部を持たなくてもよく、第2の脚部材504は第2の歯部536を含むことができる。上記の例の各々において、歯部534、536は、前述のようにそれぞれの脚部材502、504の側面間を交互に繰り返すことができる。
【0058】
図14は、本発明の外科用クリップの第6の実施形態600を示す。外科用クリップ600は、外科用クリップ100~500のうちの少なくとも1つと同様の1又は2以上の特徴を含むことができ、図13に同様に表すことができる。簡潔にするため、外科用クリップ100~500の少なくとも1つに関する特徴と同様の特徴は、外科用クリップ600に関して説明しない場合がある。
【0059】
外科用クリップ600は、ヒンジ部分606によって接続された第1の脚部材602と第2の脚部材604とを含むことができる。第1及び第2の脚部材602、604は、湾曲部分を有する表面を含むことができる。例えば、第1の脚部材602は、第1の内面608と第1の外面610とを含むことができ、第2の脚部材604は、第2の内面612と第2の外面614とを含むことができる。第1の内面608は凹状の湾曲を有することができ、第1の外面610は凸状の湾曲を有することができる。第2の内面612は凸状の湾曲を有することができ、第2の外面614は凹状の湾曲を有することができる。第1の内面608の凹状湾曲及び/又は第1の外面610の凸状湾曲は、第1の脚部材602の実質的に長さ全体に亘って延びることができる。第2の内面612の凸状湾曲及び/又は第2の外面614の凹状湾曲は、実質的に第2の脚部材604の長さ全体に亘って延びることができる。第1及び第2の内面608、612は、閉鎖形態において近接する又は接触することができる。第1及び第2の内面608、612は、実質的に平滑とすることができる。また、第1の脚部材602は対向する側面638、640を含むことができ、第2の脚部材604は対向する側面642、644を含むことができる。
【0060】
第2の脚部材604は、第1の部分666及び第2の部分668で一体的に連結された内側部分662(例えば、内側リブ)と外側部分664(例えば、外側リブ)とを含むことができる。内側部分662は、凸状内面670と凹状外面672とを有することができる。外側部分664は、凸状内面と凹状外面とを有することができる。内側部分662と外側部分664は、内側部分662及び外側部分664の長さに沿って、隣接した対応点の間で異なる曲率半径を有することができる。一部の実施形態では、内側部分662の第1の曲率半径と外側部分664の第2の曲率半径は、内側部分662及び外側部分664の長さの少なくとも半分について異なるとすることができる。一部の実施形態では、第1の曲率半径と第2の曲率半径は、内側部分662及び外側部分664の実質的に長さ全体について異なるとすることができる。内側部分662は外側部分よりも小さな曲率半径を有することができ、内側部分662をより凸状にする。一部の実施形態では、内側部分662は、第1の脚部材602よりも小さな曲率半径を有することができるので、組織がない場合でも閉鎖形態及び/又は係止形態に圧縮することができる。内側部分662及び/又は外側部分664は、第1の脚部材602の厚さよりも小さな厚さを有することができ、第2の脚部材604の可撓性及び/又は可圧縮性を増大させる。内側部分662と外側部分664は、前述のように、少なくとも1つの横断開口又はチャネル678によって分離することができる。外科用クリップ600は、更に前述したように、縫合糸を固定する及び/又は留めるように構成することができる。
【0061】
外科用クリップ600はまた、1又は2以上の係止要素を有する係止機構を含むことができる。例えば、第1の脚部材602は、その遠位端部602Bでフック部分626に移行することができ、第2の脚部材604は、その遠位端部604Bで相補的な溝付きで尖った先端部628に移行することができる。脚部材602、604は更に、クリップアプライヤ10の顎部と係合するために、その長さに沿って1又は2以上のボスを含むことができる。例えば、第1の脚部材602は、対向側面638、640の各々に対して垂直に突き出るボス646、648を含むことができ、第2の脚部材604は、対向側面642、644の各々に対して垂直に突き出るボス652、654を含むことができる。第1の脚部材602のボス646、648は、ブリッジ区画650で互いに連結させることができる。
【0062】
更に図14示すように、外科用クリップ600は、1又は2以上の第1の歯部634、及び/又は複数の突起を有する1又は2以上の第2の歯部636を含むことができる。更に前述したように、第1の歯部634は、第1の脚部材602の第1の側面638から第1の内面608の横方向に延びることができ、1又は2以上の第2の歯部635は、第2の脚部材604の第2の側面644から第2の内面612の横方向に延びることができる。一部の実施形態では、歯部634、636は、例えば図1~6に示すように、脚部材602、604の少なくとも一方の両側に位置決めすることができる。一部の実施形態では、歯部634、636は、例えば図7~10に示すように、脚部材602、604の同じ側にだけ位置決めすることができる。一部の実施形態では、歯部634、636は、図11に示すように、脚部材602、604の反対側にだけ位置決めすることができる。歯部634、636は、前述のように、外科用クリップ100と同様に外側寄りに位置決めすることができる。
【0063】
一部の実施形態では、歯部は、脚部材602、604の一方にだけ位置決めすることができる。例えば、第1の脚部材602は、第1の歯部634を含むことができ、第2の脚部材604は歯部を持たないとすることができる。別の例では、第1の脚部材602は歯部を持たなくてもよく、第2の脚部材604は第2の歯部636を含むことができる。上記の例の各々において、歯部634、636は、前述のようにそれぞれの脚部材602、604の側面間を交互に繰り返すことができる。
【0064】
図15及び16は、本発明の外科用クリップの第7の実施形態700を示す。外科用クリップ700は、外科用クリップ100~600のうちの少なくとも1つと同様の1又は2以上の特徴を含むことができ、図15及び16に同様に表すことができる。簡潔にするため、外科用クリップ100~600の少なくとも1つに関する特徴と同様の特徴は、外科用クリップ700に関して説明しない場合がある。
【0065】
外科用クリップ700は、ヒンジ部分706によって接続された第1の脚部材702と第2の脚部材704とを含むことができる。第1及び第2の脚部材702、704は、湾曲部分を有する表面を含むことができる。例えば、第1の脚部材702は、第1の内面608と第1の外面710とを含むことができ、第2の脚部材704は、第2の内面712と第2の外面714とを含むことができる。第1の内面708は凹状の湾曲を有することができ、第1の外面710は凸状の湾曲を有することができる。第2の内面712は凸状の湾曲を有することができ、第2の外面714は凹状の湾曲を有することができる。第1の内面708の凹状湾曲及び/又は第1の外面710の凸状湾曲は、第1の脚部材702の実質的に長さ全体に亘って延びることができる。第2の内面712の凸状湾曲及び/又は第2の外面714の凹状湾曲は、実質的に第2の脚部材704の長さ全体に亘って延びることができる。第1及び第2の内面708、712は、閉鎖形態において近接する又は接触することができる。第1及び第2の内面708、712は、実質的に平滑とすることができる。また、第1の脚部材702は対向する側面738、740を含むことができ、第2の脚部材704は対向する側面742、744を含むことができる。
【0066】
第2の脚部材704は、第1の部分766及び第2の部分768で一体的に連結された内側部分762(例えば、内側リブ)と外側部分764(例えば、外側リブ)とを含むことができる。内側部分762は、凸状内面770と凹状外面772とを有することができる。外側部分764は、凸状内面と凹状外面とを有することができる。内側部分762と外側部分764は、内側部分762及び外側部分764の長さに沿って、隣接した対応点の間で異なる曲率半径を有することができる。一部の実施形態では、内側部分762の第1の曲率半径と外側部分764の第2の曲率半径は、内側部分762及び外側部分764の長さの少なくとも半分について異なるとすることができる。一部の実施形態では、第1の曲率半径と第2の曲率半径は、内側部分762及び外側部分764の実質的に長さ全体について異なるとすることができる。内側部分762は外側部分よりも小さな曲率半径を有することができ、内側部分762をより凸状にする。一部の実施形態では、内側部分762は、第1の脚部材602よりも小さな曲率半径を有することができるので、組織がない場合でも閉鎖形態及び/又は係止形態に圧縮することができる。内側部分762及び/又は外側部分764は、第1の脚部材702の厚さよりも小さな厚さを有することができ、第2の脚部材704の可撓性及び/又は可圧縮性を増大させる。内側部分762と外側部分764は、前述のように、少なくとも1つの横断開口又はチャネル778によって分離することができる。外科用クリップ700は、更に前述したように、縫合糸を固定する及び/又は留めるように構成することができる。
【0067】
外科用クリップ700はまた、1又は2以上の係止要素を有する係止機構を含むことができる。例えば、第1の脚部材702は、その遠位端部702Bでフック部分726に移行することができ、第2の脚部材704は、その遠位端部704Bで相補的な溝付きで尖った先端部728に移行することができる。脚部材702、704は更に、クリップアプライヤ10の顎部と係合するために、その長さに沿って1又は2以上のボスを含むことができる。例えば、第1の脚部材702は、対向側面738、740の各々に対して垂直に突き出るボス746、748を含むことができ、第2の脚部材704は、対向側面742、744の各々に対して垂直に突き出るボス752、754を含むことができる。第1の脚部材702のボス746、748は、ブリッジ区画750で互いに連結させることができる。
【0068】
更に図15及び16に示すように、第1の歯部734は、第1の脚部材702上の単一の細長い歯部又は隆起とすることができ、一部の実施形態では、第1の歯部734は、近位端部702Aと遠位端部702Bの間に延びることができる。第2の歯部736は、第2の脚部材704上の単一の細長い歯部又は隆起とすることができ、一部の実施形態では、第2の歯部736は、近位端部704Aと遠位端部704Bの間に延びることができる。第1の歯部734は、第1及び第2の平坦な側面と、組織保持を改善するための1又は2以上の溝738を有する内面とを含むことができる。歯部734、736は、前述のように、外科用クリップ100と同様に外側寄りに位置決めすることができる。一部の実施形態では、脚部材702、704の一方だけが歯部を有する。例えば、第1の脚部材702は、側面上に1又は2以上の歯部734を含むことができ、第2の脚部材704は歯部を持たない。別の例では、第1の脚部材702は歯部を持たず、第2の脚部材704は、側面上に1又は2以上の第2の歯部736を含むことができる。
【0069】
図17~20は、本発明の外科用クリップの第8の実施形態800を示している。外科用クリップ800は、外科用クリップ100~700のうちの少なくとも1つと同様の1又は2以上の特徴を含むことができ、図17~20に同様に表すことができる。簡潔にするため、外科用クリップ100~700の少なくとも1つに関する特徴と同様の特徴は、外科用クリップ800に関して説明しない場合がある。
【0070】
図示するように、外科用クリップ800は、ヒンジ部分806によって接続された第1の脚部材802と第2の脚部材804とを含むことができる。第1及び第2の脚部材802、804は、湾曲部分を有する表面を含むことができる。例えば、第1の脚部材802は、第1の内面808と第1の外面810とを含むことができ、第2の脚部材804は、第2の内面812と第2の外面814とを含むことができる。第1の内面808は凹状の湾曲を有することができ、第1の外面810は凸状の湾曲を有することができる。第2の内面812は凸状の湾曲を有することができ、第2の外面814は、少なくとも1つの凸状湾曲及び/又は少なくとも1つの凹状湾曲のうちの1又は2以上を有することができる。第1の内面808の凹状湾曲及び/又は第1の外面810の凸状湾曲は、第1の脚部材202の実質的に長さ全体に亘って延びることができる。第2の内面812の凸状湾曲は、実質的に第2の脚部材804の長さ全体に亘って延びることができる。第1及び第2の内面808、812は、閉鎖形態において近接する又は接触することができる。第1及び第2の内面808、812は、実質的に平滑とすることができる。また、第1の脚部材802は対向する側面838、840を含むことができ、第2の脚部材804は対向する側面842、844を含むことができる。
【0071】
第2の脚部材804は、第1の部分866及び第2の部分868で一体的に連結された内側部分862(例えば、内側リブ)と外側部分864(例えば、外側リブ)とを含むことができる。内側部分862は、凸状内面870と凹状外面872とを有することができる。外側部分864は、凹状内面と凸状外面とを有することができる。内側部分862と外側部分864は、内側部分862及び外側部分864の長さに沿って、隣接した対応点の間で異なる曲率半径を有することができる。一部の実施形態では、内側部分862の第1の曲率半径と外側部分864の第2の曲率半径は、内側部分862及び外側部分864の長さの少なくとも半分について異なるとすることができる。一部の実施形態では、第1の曲率半径と第2の曲率半径は、内側部分862及び外側部分864の実質的に長さ全体について異なるとすることができる。内側部分862は外側部分864よりも大きな曲率半径を有することができ、内側部分862を外側部分864よりも少なく湾曲させる。外側部分864のより大きな湾曲により、外科用クリップ800の閉鎖/係止中の内側部分864の撓みに対する制約を軽減することができる。外面814は、内側部分862と外側部分864が繋がる第1及び第2の部分866、868で凹状の湾曲を有することができる。内側部分862及び/又は外側部分864は、第1の脚部材802の厚さよりも小さな厚さを有することができ、第2の脚部材804の可撓性及び/又は可圧縮性を増大させる。内側部分862と外側部分864は、前述のように、少なくとも1つの横断開口又はチャネル878によって分離することができる。外科用クリップ800は、更に前述したように、縫合糸を固定する及び/又は留めるように構成することができる。
【0072】
外科用クリップ800はまた、1又は2以上の係止要素を有する係止機構を含むことができる。例えば、第1の脚部材802は、その遠位端部802Bでフック部分826に移行することができ、第2の脚部材804は、その遠位端部804Bで相補的な溝付きで尖った先端部828に移行することができる。脚部材802、804は更に、クリップアプライヤ10の顎部と係合するために、その長さに沿って1又は2以上のボスを含むことができる。例えば、第1の脚部材702は、対向側面838、840の各々に対して垂直に突き出るボス846、848を含むことができ、第2の脚部材804は、対向側面842、844の各々に対して垂直に突き出るボス852、854を含むことができる。第1の脚部材802のボス846、848は、ブリッジ区画850で互いに連結させることができる。
【0073】
更に図17~20に示すように、外科用クリップ800は、第1の脚部材802及び第2の脚部材804の少なくとも一方に位置決めされた少なくとも1つの歯部836を含むことができる。例えば、第2の脚部材804は、第2の内面812上に位置決めされた少なくとも1つの歯部836を有することができ、第1の脚部材は歯部を持たないとすることができる。少なくとも1つの歯部836は、間隔を空けて、第2の内面812の少なくとも1つの側辺に位置決めすることができる。例えば、1又は2以上の歯部836は、側面842、844のうちの一方から連続的に、或いはそれと同一平面上を延びる側面を有することができる。第2の脚部材804は、第2の内面812の第1の側辺に少なくとも1つの第1の歯部836の第1列と、第2の内面812の第2の側辺に少なくとも1つの第2の歯部836の第2列とを有することができる。例えば、複数の第1の歯部836と複数の第2の歯部836は、第2の脚部材804の内面812の長さに沿って横方向に交互に繰り返すことができる。少なくとも1つの歯部836は、第2の第2の内面812に実質的に平行な、及び/又は実質的に平坦な内面を含むことができる。図20に示すように、歯部836の長さに沿う内面812の僅かな湾曲のため、歯部836は実質的に平坦であり、第1の脚部材802の長さの少なくとも一部に沿って内面812と実質的に平行であるとすることができる。少なくとも1つの歯部836は、第2の脚部材の内面から実質的に垂直に延びる第1及び第2の実質的に平坦な側面を更に有することができ、例えば、その側面の一方は側面842、844の一方と同一平面にある。少なくとも1つの歯部836はまた、第2の内面812から或る角度で延びる実質的に平坦な近位面及び遠位面を含むことができる。歯部836の近位面及び遠位面は、第2の内面812から鈍角で延びることができる。例えば、図17~20に示すような一部の実施形態では、歯部836の近位面及び遠位面は、実質的に同じ鈍角で延びて歯部836の長手方向に対称な形状を成すことができる。従って、歯部836は、鋭角を持たずに実質的に非外傷性で、十分に離間させることができるので、外科用クリップ800は、組織に不必要な外傷を引き起こす及び/又は隣接する歯部836間に組織を挟むということがない。
【0074】
歯部836は、前述の「外側寄り」の歯部と同様の利点を有することができる。歯部836は外科用クリップの完全な閉鎖を妨げることがなく、より小さな血管のより効果的な閉塞を提供する。その意味で、内面808、812は実質的に平滑とすることができ、歯部836は離間して配置することができる。歯部836はまた、その歯部836をより大きく、組織との相互作用においてより効果的にすることができる。より多数の歯部836は更に、歯部836の数の削減を可能にすることができる。図17~20に示すように、外科用クリップ800は、3本の歯部836を2列有することができる。従って、歯部836は成型が容易で、クリップアプライヤと干渉しないようにすることができる。外科用クリップ800は、図20に示すように、閉鎖形態にある場合に垂直方向及び横方向に有利な低プロファイルを更に提供することができる。
【0075】
第1の脚部材802は、側面838、840のうちの1又は2以上に、第1の内面808から凹んでそれと隣接する少なくとも1つの長手方向チャネル837を有することができるので、長手方向チャネル837は、側面838、840の一方と第1の内面808との間に定められる。更に図20に示すように、少なくとも1つの長手方向チャネル837は、1又は2以上の歯部836を受け入れて、最小限の隙間で又は隙間なしで内面808、812に近接する又は接触するように構成することができる。その意味で、第1の内面808は実質的に平滑とすることができ、歯部836の間に延びる第2の内面812は実質的に平滑とすることができる。例えば、側面838を貫く第1の長手方向チャネル837は、複数の第1の歯部を受け入れることができ、側面840を貫く第2の長手方向チャネル837は、複数の第2の歯部を受け入れることができる。例えば、図示のように、長手方向チャネル837の各々は、第1の脚部材802の両側に位置決めされ、第2の脚部材804に沿って一列に離間して配置された歯部836を受け入れるように構成することができる。従って、第1の内面808は、隣接する長手方向チャネル837によって定められる内側リブ860の内面に配置することができる。リブ860の内面は、ヒンジ部材806の内面816及び/又はフック部分826の内面と連続することができる。第1の脚部材802は、内側リブ860を含む長さに沿って、内面808と外面810の間に実質的に一定の厚さを有することができる。内側リブ860は、このような小部品の製造(例えば、成型)を容易にするために、貫通するチャネル又は開口部を持たず、中実であって第1の脚部材802上に連続的に形成することができる。内側リブ860は、第1の脚部材802の実質的に長さ全体に延びることができる。従って、第1及び第2の長手方向チャネル837は個別であって、互いに接続されないとすることができる。図20に示すように、内側リブ860は、閉鎖形態では歯部836の列間に受け入れられるとすることができる。
【0076】
一部の代替実施形態では、1又は2以上の歯部836を第1の脚部材802上に位置決めすることができ、少なくとも1つの長手方向チャネル837を第1の脚部材804上に位置決めすることができる。一部の更なる実施形態では、第1及び第2の脚部材802、804の各々は、1又は2以上の歯部836と少なくとも1つの長手方向チャネル837とを含むことができる。例えば、第1の内面808は、第1の側辺に1又は2以上の歯部836の列と、第2の側辺に長手方向チャネル837とを有することができ、第2の内面812は、第1の側辺に長手方向チャネル837と、第2の側辺に1又は2以上の歯部836の列とを備えることができる。従って、長手方向チャネル837の各々は、対向する脚部材上の1又は2以上の歯部836を受け入れることができる。
【0077】
図21~23は、本発明の外科用クリップの付加的な実施形態900~1100の側面図を示す。外科用クリップ900~1100は、内側部分と外側部分との間に延びる1又は2以上の圧縮部材990、1092、1194を含むことができる。圧縮部材990、1092、1194は、外科用クリップの全体的な圧縮強度を実質的に低下させることなく、外科用クリップに付加的な可撓性を与えることができる。一部の用途では、外科用クリップの強度は、どれだけの材料に亘って外科用クリップを閉じるかに応じて変わる可能性がある。例えば、内側部分と外側部分の隙間が十分に押し縮められなかった場合、外科用クリップは、圧縮強度が低下する可能性がある。圧縮部材990、1092、1194は、内側部分と外側部分との間の圧縮荷重分布を改善する一方で、可撓性を維持し、外科用クリップが閉じる及び/又はロックするために経る複雑な変形に適応するように構成することができる。圧縮部材990、1092、1194は、弾力性があって内側部分を支持し、外科用クリップの長さに亘って十分な圧縮を確保することができる。図1~6の第1の実施形態については示したが、圧縮部材900、1092、1194の実施形態のうちの何れか1又は2以上を本発明の外科用クリップ100~1100の実施形態の何れにも適用することができる。
【0078】
図21は、本発明の外科用クリップの第9の実施形態900を示す。外科用クリップ900は、外科用クリップ100~800のうちの少なくとも1つと同様の1又は2以上の特徴を含むことができ、図21に同様に表すことができる。簡潔にするため、外科手術用クリップ100~800の少なくとも1つに関する特徴と同様の特徴は、外科手術用クリップ900に関して説明しない場合がある。
【0079】
図示するように、外科用クリップ900は、ヒンジ部分906によって接続された第1の脚部材902と第2の脚部材904とを含むことができる。第1及び第2の脚部材902、904は、湾曲部分を有する表面を含むことができる。例えば、第1の脚部材902は、第1の内面908と第1の外面910とを含むことができ、第2の脚部材904は、第2の内面912と第2の外面914とを含むことができる。第1の内面908は凹状の湾曲を有することができ、第1の外面910は凸状の湾曲を有することができる。第2の内面912は凸状の湾曲を有することができ、第2の外面914は、少なくとも1つの凸状湾曲及び/又は少なくとも1つの凹状湾曲のうちの1又は2以上を有することができる。第1及び第2の内面908、912は、閉鎖形態において近接する又は接触することができる。第1及び第2の内面908、912は、実質的に平滑とすることができる。
【0080】
第2の脚部材904は、第1の部分966及び第2の部分968で一体的に連結された内側部分962(例えば、内側リブ)と外側部分964(例えば、外側リブ)とを含むことができる。内側部分962と外側部分964は、内側部分962及び外側部分964の長さに沿って、隣接した対応点の間で異なる曲率半径を有することができる。一部の実施形態では、内側部分962の第1の曲率半径と外側部分964の第2の曲率半径は、内側部分962及び外側部分964の長さの少なくとも半分について異なるとすることができる。一部の実施形態では、第1の曲率半径と第2の曲率半径は、内側部分962及び外側部分964の実質的に長さ全体について異なるとすることができる。内側部分962は、変曲点のない実質的に連続した曲率半径を有することができ、外側部分964は、少なくとも1つの変曲点を伴う可変な曲率半径を有することができる。外側部分の可変な曲率半径は、図5に示すように外科用クリップアプライヤ10の供給チャネル12内に位置決めされた場合に、可変な高さと垂直方向の安定性とを提供することができる。例えば、外側部分964の近位部分974は、外側部分964の遠位部分976よりも大きな高さを有することができる。一部の実施形態では、近位部分974は、凸状外面及び凹状内面を含むことができ、遠位部976は、凹状外面及び凸状内面を含むことができる。遠位部分976の凹状外面は、不規則な応力集中を軽減するために遠位部分との滑らかな移行部を提供することができる。近位部分974の凸状外面は、供給チャネル12の壁14、16との接触点を提供して、クリップアプライヤ10に対する外科用クリップ900の近位端の垂直移動を低減するために、垂直方向に突出することができる。付加的な接触点には、第1の脚部材902の外面910、第1の脚部材902のボス946、948、及び950、及び/又は第2の脚部材904のボス952、954を含めることができる。外科用クリップ900の垂直方向安定性の向上により、クリップアプライヤ10のプッシャ部材上の安定性フィンガ及び/又はクリップアプライヤ10の顎部内への外科用クリップ900の適正な装填を、確実に不要にすることができる。
【0081】
外科用クリップは、内側部分962と外側部分964との間に延びる1又は2以上の圧縮部材990を更に含むことができる。図示するように、圧縮部材990は、内側部分962の外面及び外側部分964の内面と一体的に形成された単一の湾曲部材を備えることができる。しかしながら、圧縮部材990は、内側部分962及び外側部分964の一方だけと一体的に形成され、内側部分962及び外側部分964の他方とは取り外し可能に接触することができる。圧縮部材990は、内側部分962の遠位部分と外側部分964の近位部分との間で、チャネル978を通って延びることができる。例えば、圧縮部材990は、外側部分964の近位部分974の凸状内面に連結される又は接触することができる。外科用クリップ900が圧縮されると、圧縮部材990は真っ直ぐになり、内側部分962及び/又は外側部分964の増大する表面積と係合し、圧縮荷重を分散させることができる。
【0082】
外科用クリップ900はまた、1又は2以上の係止要素を有する係止機構を含むことができる。例えば、第1の脚部材902は、その遠位端部でフック部分926に移行することができ、第2の脚部材904は、その遠位端部で相補的な溝付きで尖った先端部928に移行することができる。脚部材902、904は更に、クリップアプライヤ10と係合するために、その長さに沿って1又は2以上のボスを含むことができる。例えば、第1の脚部材902は、対向側面938、940の各々に対して垂直に突き出るボス946、948を含むことができ、第2の脚部材904は、対向側面942、944の各々に対して垂直に突き出るボス952、954を含むことができる。第1の脚部材902のボス946、948は、ブリッジ区画950で互いに連結させることができる。更に図21の実施形態に示すように、外科用クリップ900は、第1の脚部材902上に位置決めされた少なくとも1つの第1の歯部934と、第2の脚部材904上に位置決めされた少なくとも1つの第2の歯部936とを含むことができる。歯部934、936は、実質的に剛性とすることができるので、組織と係合する時に実質的に撓まない。歯部934、936は、本明細書で述べるように、外科用クリップ900に対して外側寄りに位置決めすることができる。
【0083】
図22は、本発明の外科用クリップの第10の実施形態1000を示す。外科用クリップ1000は、外科用クリップ100~900のうちの少なくとも1つと同様の1又は2以上の特徴を含むことができ、図22に同様に表すことができる。簡潔にするため、外科手術用クリップ100~900の少なくとも1つに関する特徴と同様の特徴は、外科手術用クリップ1000に関して説明しない場合がある。
【0084】
図示するように、外科用クリップ1000は、ヒンジ部分1006によって接続された第1の脚部材1002と第2の脚部材1004とを含むことができる。第1及び第2の脚部材1002、1004は、湾曲部分を有する表面を含むことができる。例えば、第1の脚部材1002は、第1の内面1008と第1の外面1010とを含むことができ、第2の脚部材1004は、第2の内面1012と第2の外面1014とを含むことができる。第1の内面1008は凹状の湾曲を有することができ、第1の外面1010は凸状の湾曲を有することができる。第2の内面1012は凸状の湾曲を有することができ、第2の外面1014は、少なくとも1つの凸状湾曲及び/又は少なくとも1つの凹状湾曲のうちの1又は2以上を有することができる。第1及び第2の内面1008、1012は、閉鎖形態において近接する又は接触することができる。第1及び第2の内面1008、1012は、実質的に平滑とすることができる。
【0085】
第2の脚部材1004は、少なくとも1つの横断開口又はチャネル1078によって分離され、第1の部分1066及び第2の部分1068で一体的に連結された内側部分1062(例えば、内側リブ)と外側部分1064(例えば、外側リブ)とを含むことができる。内側部分1062と外側部分1064は、内側部分1062及び外側部分1064の長さに沿って、隣接した対応点の間で異なる曲率半径を有することができる。一部の実施形態では、内側部分1062の第1の曲率半径と外側部分1064の第2の曲率半径は、内側部分1062及び外側部分1064の長さの少なくとも半分について異なるとすることができる。一部の実施形態では、第1の曲率半径と第2の曲率半径は、内側部分1062及び外側部分1064の実質的に長さ全体について異なるとすることができる。内側部分1062は、変曲点のない実質的に連続した曲率半径を有することができ、外側部分1064は、少なくとも1つの変曲点を伴う可変な曲率半径を有することができる。外側部分の可変な曲率半径は、図5に示すように外科用クリップアプライヤ10の供給チャネル12内に位置決めされた場合に、可変な高さと垂直方向の安定性とを提供することができる。例えば、外側部分1064の近位部分1074は、外側部分1064の遠位部分1076よりも大きな高さを有することができる。一部の実施形態では、近位部分1074は、凸状外面及び凹状内面を含むことができ、遠位部1076は、凹状外面及び凸状内面を含むことができる。遠位部分1076の凹状外面は、不規則な応力集中を軽減するために遠位部分との滑らかな移行部を提供することができる。近位部分1074の凸状外面は、供給チャネル12の壁14、16との接触点を提供して、クリップアプライヤ10に対する外科用クリップ1000の近位端の垂直移動を低減するために、垂直方向に突出することができる。付加的な接触点には、第1の脚部材1002の外面1010、第1の脚部材1002のボス1046、1048、及び1050、及び/又は第2の脚部材1004のボス1052、1054を含めることができる。外科用クリップ1000の垂直方向安定性の向上により、クリップアプライヤ10のプッシャ部材上の安定性フィンガ及び/又はクリップアプライヤ10の顎部内への外科用クリップ1000の適正な装填を、確実に不要にすることができる。
【0086】
外科用クリップは、内側部分1062と外側部分1064との間に延びる1又は2以上の圧縮部材1092を更に含むことができる。図示するように、圧縮部材1092は、内側部分1062の外面及び外側部分1064の内面のうちの少なくとも一方と一体的に形成された複数の湾曲部材を備えることができる。圧縮部材1092は、内側部分1062の外面の複数の位置からチャネル978を通って遠位方向に延びることができる。外科用クリップ1000が圧縮されると、圧縮部材1092は真っ直ぐになり、内側部分1062及び/又は外側部分1064の増大する表面積と係合し、内側部分1062の長さに沿って圧縮荷重を分散させることができる。
【0087】
外科用クリップ1000はまた、1又は2以上の係止要素を有する係止機構を含むことができる。例えば、第1の脚部材1002は、その遠位端部でフック部分1026に移行することができ、第2の脚部材1004は、その遠位端部で相補的な溝付きで尖った先端部1028に移行することができる。脚部材1002、1004は更に、クリップアプライヤ10と係合するために、その長さに沿って1又は2以上のボスを含むことができる。例えば、第1の脚部材902は、対向側面1038、1040の各々に対して垂直に突き出るボス1046、1048を含むことができ、第2の脚部材1004は、対向側面1042、1044の各々に対して垂直に突き出るボス1052、1054を含むことができる。第1の脚部材1002のボス1046、1048は、ブリッジ区画1050で互いに連結させることができる。更に図22の実施形態に示すように、外科用クリップ1000は、第1の脚部材1002上に位置決めされた少なくとも1つの第1の歯部1034と、第2の脚部材1004上に位置決めされた少なくとも1つの第2の歯部1036とを含むことができる。歯部1034、1036は、実質的に剛性とすることができるので、組織と係合する時に実質的に撓まない。歯部1034、1036は、本明細書で述べるように、外科用クリップ1000に対して外側寄りに位置決めすることができる。
【0088】
図23は、本発明の外科用クリップの第11の実施形態1100を示す。外科用クリップ1100は、外科用クリップ100~1000のうちの少なくとも1つと同様の1又は2以上の特徴を含むことができ、図23に同様に表すことができる。簡潔にするため、外科手術用クリップ100~1000の少なくとも1つに関する特徴と同様の特徴は、外科手術用クリップ1100に関して説明しない場合がある。
【0089】
図示するように、外科用クリップ1100は、ヒンジ部分1106によって接続された第1の脚部材1102と第2の脚部材1104とを含むことができる。第1及び第2の脚部材1102、1104は、湾曲部分を有する表面を含むことができる。例えば、第1の脚部材1102は、第1の内面1108と第1の外面1110とを含むことができ、第2の脚部材1104は、第2の内面1112と第2の外面1114とを含むことができる。第1の内面1108は凹状の湾曲を有することができ、第1の外面1110は凸状の湾曲を有することができる。第2の内面1112は凸状の湾曲を有することができ、第2の外面1114は、少なくとも1つの凸状湾曲及び/又は少なくとも1つの凹状湾曲のうちの1又は2以上を有することができる。第1及び第2の内面1108、1112は、閉鎖形態において近接する又は接触することができる。第1及び第2の内面1108、1112は、実質的に平滑とすることができる。
【0090】
第2の脚部材1104は、少なくとも1つの横断開口又はチャネル1178によって分離され、第1の部分1166及び第2の部分1168で一体的に連結された内側部分1162(例えば、内側リブ)と外側部分1164(例えば、外側リブ)とを含むことができる。内側部分1162と外側部分1164は、内側部分1162及び外側部分1164の長さに沿って、隣接した対応点の間で異なる曲率半径を有することができる。一部の実施形態では、内側部分962の第1の曲率半径と外側部分964の第2の曲率半径は、内側部分962及び外側部分964の長さの少なくとも半分について異なるとすることができる。一部の実施形態では、第1の曲率半径と第2の曲率半径は、内側部分962及び外側部分964の実質的に長さ全体について異なるとすることができる。内側部分1162は、変曲点のない実質的に連続した曲率半径を有することができ、外側部分1164は、少なくとも1つの変曲点を伴う可変な曲率半径を有することができる。外側部分の可変な曲率半径は、図5に示すように外科用クリップアプライヤ10の供給チャネル12内に位置決めされた場合に、可変な高さと垂直方向の安定性とを提供することができる。例えば、外側部分1164の近位部分1174は、外側部分1164の遠位部分1176よりも大きな高さを有することができる。一部の実施形態では、近位部分1174は、凸状外面及び凹状内面を含むことができ、遠位部1176は、凹状外面及び凸状内面を含むことができる。遠位部分1176の凹状外面は、不規則な応力集中を軽減するために遠位部分との滑らかな移行部を提供することができる。近位部分1174の凸状外面は、供給チャネル12の壁14、16との接触点を提供して、クリップアプライヤ10に対する外科用クリップ1100の近位端の垂直移動を低減するために、垂直方向に突出することができる。付加的な接触点には、第1の脚部材1102の外面1110、第1の脚部材1102のボス1146、1148、及び1150、及び/又は第2の脚部材1104のボス1152、1154を含めることができる。外科用クリップ1100の垂直方向安定性の向上により、クリップアプライヤ10のプッシャ部材上の安定性フィンガ及び/又はクリップアプライヤ10の顎部内への外科用クリップ1100の適正な装填を、確実に不要にすることができる。
【0091】
外科用クリップは、内側部分1162と外側部分1164との間に延びる1又は2以上の圧縮部材1192を更に含むことができる。図示するように、圧縮部材1194は、内側部分1162の外面及び外側部分1164の内面のうちの少なくとも一方と一体的に形成された複数のフック部材を備えることができる。圧縮部材1194は、内側部分962の外面の複数の位置からチャネル1178を通って遠位方向に延びることができる。外科用クリップ1100が圧縮されると、圧縮部材1194は平らになり、内側部分1162及び/又は外側部分1164の増大する表面積と係合し、内側部分1162の長さに沿って圧縮荷重を分散させることができる。
【0092】
外科用クリップ1100はまた、1又は2以上の係止要素を有する係止機構を含むことができる。例えば、第1の脚部材1102は、その遠位端部でフック部分1126に移行することができ、第2の脚部材1104は、その遠位端部で相補的な溝付きで尖った先端部1128に移行することができる。脚部材1102、1104は更に、クリップアプライヤ10と係合するために、その長さに沿って1又は2以上のボスを含むことができる。例えば、第1の脚部材1102は、対向側面1138、1140の各々に対して垂直に突き出るボス1146、1148を含むことができ、第2の脚部材1104は、対向側面1142、1144の各々に対して垂直に突き出るボス1152、1154を含むことができる。第1の脚部材1102のボス1146、1148は、ブリッジ区画1150で互いに連結させることができる。更に図23の実施形態に示すように、外科用クリップ1100は、第1の脚部材1102上に位置決めされた少なくとも1つの第1の歯部1134と、第2の脚部材1104上に位置決めされた少なくとも1つの第2の歯部1136とを含むことができる。歯部1134、1136は、実質的に剛性とすることができるので、組織と係合する時に実質的に撓まない。歯部1134、1136は、本明細書で述べるように、外科用クリップ1100に対して外側寄りに位置決めすることができる。
【0093】
本発明の外科用クリップの様々な実施形態は、何れかの適切なサイズで製造することができ、血管、リンパ節、神経、胆嚢管、又は心臓組織など、幾つもの組織にも適用することができる。外科用クリップの様々な実施形態は、特定の金属及びポリマなど、何れかの適切な生体適合性材料から構成することができる。しかしながら、本発明は、ポリマクリップでの実行に特に適している。従って、外科用クリップの様々な実施形態は、外科用インプラントに一般に使用されるタイプなど、適切な強度の生体適合性エンジニアリングプラスチックから形成された一体型のポリマ本体を備えることが好ましい。例示的な材料には、ホモポリマ又はコポリマポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリオキシメチレン、或いは、射出成形、押出し成形、又は別な方法で加工して同様の物品にできる同様の特性を持つ他の熱可塑性材料が含まれる。
【0094】
本発明の多くの特徴及び利点は、詳細な説明から明らかであり、従って、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神及び範囲内にあるこのような本発明の特徴及び利点を全て包含するものとする。更に、数多くの変更形態及び変形形態が当業者には容易に想起されることになるので、本発明を図示し説明した正確な構造及び動作に限定することは望ましくなく、従って、全ての適切な変更形態及び等価物は、本発明に用いることができ、本発明の範囲内にある。
本発明のその他の実施態様を以下に記載する。
[実施態様1]
内面と、外面と、第1及び第2の側面とを有する第1の脚部材であって、前記第1の脚部材の内面が凹状の湾曲を有する第1の脚部材と、
内面と、外面と、第1及び第2の側面とを有する第2の脚部材であって、前記第2の脚部材の内面が凸状の湾曲を有する第2の脚部材と、
前記第2の脚部材の内面の第1の側辺から延びる少なくとも1つの第1の歯部と、
前記第1の脚部材の前記第1の側面と前記内面との間に定められた第1のチャネルと、を備え、
前記第1及び第2の脚部材は、開放形態と閉鎖形態との間を移動するように構成され、前記閉鎖形態では、前記少なくとも1つの第1の歯部が前記第1のチャネル内に受け入れられる、外科用クリップ。
[実施態様2]
前記第2の脚部材の内面の第2の側辺から延びる少なくとも1つの第2の歯部と、
前記第1の脚部材の前記第2の側面と前記内面との間に定められた第2のチャネルと、を更に備え、
前記閉鎖形態では、前記少なくとも1つの第2の歯部が前記第2のチャネル内に受け入れられる、実施態様1に記載の外科用クリップ。
[実施態様3]
前記第1のチャネルと第2のチャネルとの間に延びる中実のリブを更に備え、前記中実のリブは、前記閉鎖形態において前記少なくとも1つの第1の歯部と前記少なくとも1つの第2の歯部との間に受け入れられる、実施態様2に記載の外科用クリップ。
[実施態様4]
前記中実のリブは、貫通するチャネル又は開口部なしで、前記第1の脚部材と連続的に形成される、実施態様3に記載の外科用クリップ。
[実施態様5]
前記少なくとも1つの第1の歯部は、
実質的に平坦な内面と、
第1及び第2の実質的に平坦な側面と、
実質的に平坦な近位面と、
実質的に平坦な遠位面と、
を備える、実施態様1に記載の外科用クリップ。
[実施態様6]
前記少なくとも1つの第1の歯部の前記第1の側面は、前記第2の脚部材の前記第1の側面と同一平面にある、実施態様5に記載の外科用クリップ。
[実施態様7]
前記少なくとも1つの第1の歯部の前記近位面及び遠位面は、前記第2の脚部材の内面から鈍角で延びる、実施態様5に記載の外科用クリップ。
[実施態様8]
前記少なくとも1つの第1の歯部は、前記第2の脚部材の内面に沿って一列に離間して配置された複数の歯部を備える、実施態様1に記載の外科用クリップ。
[実施態様9]
前記第1の脚部材は歯部を有していない、実施態様1に記載の外科用クリップ。
[実施態様10]
前記第1の脚部材の遠位端部から延びるフック部材と、
前記第2の脚部材の遠位端部から延びる先端部材と、
を更に備え、
前記フック部材は、前記閉鎖形態において前記先端部材の周りに撓んで前記外科用クリップを固定するように構成される、実施態様1に記載の外科用クリップ。
[実施態様11]
前記第1の脚部材の前記第1の側面から延びる少なくとも1つのボス部材と、
前記第2の脚部材の前記第1の側面から延びる少なくとも1つのボス部材と、
を更に備える、実施態様1に記載の外科用クリップ。
[実施態様12]
前記外科用クリップは、ポリマ材料から一体的に成型される、実施態様1に記載の外科用クリップ。
[実施態様13]
前記第2の脚部材は、横断チャネルによって分離された内側部分と外側部分とを有し、前記内側部分は、前記第2の脚部材の内面を少なくとも部分的に形成し且つ第1の曲率を有し、前記外側部分は第2の曲率半径を有し、前記第2の曲率半径が前記第1の曲率半径と異なる、実施態様1に記載の外科用クリップ。
[実施態様14]
内面と、外面と、第1及び第2の側面とを有する第1の脚部材であって、前記第1の脚部材の内面が凹状の湾曲を有する第1の脚部材と、
内面と、外面と、第1及び第2の側面とを有する第2の脚部材であって、前記第2の脚部材の内面が凸状の湾曲を有する第2の脚部材と、
前記第2の脚部材の内面の第1の側辺から延びる少なくとも1つの第1の歯部と、
前記第2の脚部材の内面の第2の側辺から延びる少なくとも1つの第2の歯部と、
前記第1の脚部材の前記第1の側面と前記内面との間に定められた第1のチャネルと、
前記第1の脚部材の前記第2の側面と前記内面との間に定められた第2のチャネルと、
前記第1のチャネルと第2のチャネルとの間に延びる中実のリブと、
を備え、
前記第1及び第2の脚部材は、開放形態と閉鎖形態との間を移動するように構成され、前記閉鎖形態では、前記少なくとも1つの第1の歯部が前記第1のチャネル内に受け入れられ、前記少なくとも1つの前記第2の歯部が前記第2のチャネル内に受け入れられ、前記中実のリブが、前記少なくとも1つの第1の歯部と前記少なくとも1つの第2の歯部との間に受け入れられる、外科用クリップ。
[実施態様15]
前記中実のリブは、貫通するチャネル又は開口部なしで、前記第1の脚部材と連続的に形成される、実施態様14に記載の外科用クリップ。
[実施態様16]
前記少なくとも1つの第1の歯部と前記少なくとも1つの第2の歯部は各々、
実質的に平坦な内面と、
第1及び第2の実質的に平坦な側面と、
実質的に平坦な近位面と、
実質的に平坦な遠位面と、
を備える、実施態様14に記載の外科用クリップ。
[実施態様17]
前記第1の脚部材の遠位端部から延びるフック部材と、
前記第2の脚部材の遠位端部から延びる先端部材と、
を更に備え、
前記フック部材は、前記閉鎖形態において前記先端部材の周りに撓んで前記外科用クリップを固定するように構成される、実施態様14に記載の外科用クリップ。
[実施態様18]
前記第1の脚部材の前記第1の側面から延びる少なくとも1つのボス部材と、
前記第2の脚部材の前記第1の側面から延びる少なくとも1つのボス部材と、
を更に備える、実施態様14に記載の外科用クリップ。
[実施態様19]
前記外科用クリップは、ポリマ材料から一体的に成型される、実施態様14に記載の外科用クリップ。
[実施態様20]
前記少なくとも1つの第1の歯部は、前記第2の脚部材の内面に沿って第1の列にて離間して配置された複数の第1歯部を備え、前記少なくとも1つの第2の歯部は、前記第2の脚部材の内面に沿って第2の列にて離間して配置された複数の第2歯部を備える、実施態様14に記載の外科用クリップ。
【符号の説明】
【0095】
800 外科用クリップ
800A 近位端部
802 第1の脚部材
802B 遠位端部
804 第2の脚部材
804A 近位端部
804B 遠位端部
806 ヒンジ部分
808 第1の内面
810 第1の外面
812 第2の内面
814 第2の外面
816 ヒンジ部分の内面
818 ヒンジ部分の外面
820 湾曲スロット
826 フック部分
828 相補的な溝付きで尖った先端部
830 横断傾斜面
832 係止凹部
836 歯部
837 長手方向チャネル
838 側面
840 側面
842 側面
844 側面
846 ボス
850 ブリッジ区画
852 ボス
854 ボス
860 内側リブ
862 内側部分
864 外側部分
866 第1の部分
868 第2の部分
870 凸状内面
872 凹状外面
878 横断開口又はチャネル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23