(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
H05K 13/00 20060101AFI20240119BHJP
【FI】
H05K13/00 Z
(21)【出願番号】P 2022508657
(86)(22)【出願日】2020-03-17
(86)【国際出願番号】 JP2020011730
(87)【国際公開番号】W WO2021186552
(87)【国際公開日】2021-09-23
【審査請求日】2022-08-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中山 幸則
(72)【発明者】
【氏名】追木 光明
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/173204(WO,A1)
【文献】国際公開第2005/009101(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/179257(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/079497(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/193724(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者に情報を視覚的に報知する表示部と部材を装着する装着部とを有し部品を処理対象物に実装する処理に関連する複数の実装関連装置と、前記複数の実装関連装置の間で移動し前記部材を前記装着部に自動着脱する移動作業装置とを含む実装システムに用いられる情報処理装置であって、
前記移動作業装置の状況に関連し
、当該移動作業装置に代わって作業者が代替作業可能な作業内容を含む報知情報を前記実装関連装置の処理の継続に基づく所定の優先順位に基づいて前記表示部に出力させる制御部、
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記移動作業装置の作業不能状態及び/又は作業遅延状態に基づいて前記代替可能な作業情報を前記報知情報として出力させる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記報知情報には、(1)~(4)のうち1以上が含まれ、
前記優先順位は、存在する情報のうち(1)~(4)の順である、請求項1
又は2に記載の情報処理装置。
(1)前記移動作業装置は予備装着部に前記部材を着脱可能に構成されており、予備部材が予備装着部に不在であり前記移動作業装置が作業不能である不能情報。
(2)前記移動作業装置の停止に関する停止情報。
(3)前記移動作業装置の作業遅延に関する遅延情報。
(4)前記移動作業装置の移動中断に関する中断情報。
【請求項4】
前記報知情報には、(5)~(8)のうち1以上が含まれ、
前記優先順位は、存在する情報のうち(5)~(8)の順である、請求項1
~3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(5)作業者による前記部材の交換作業に関する即時交換情報。
(6)前記移動作業装置の異常に関する異常情報。
(7)作業者による前記部材の交換作業の事前警告に関する警告情報。
(8)前記移動作業装置の作業遅延に関する遅延情報。
【請求項5】
前記制御部は、部材補給アイコン、異常アイコン及び遅延アイコンのうち1以上を含む状態表示欄と、予備部材を装着すべき作業対象装着部の位置を少なくとも含み該当する予備部材が事前配膳された予備装着部の位置を含んでもよい装着部表示欄と、作業内容のコメントを表示するコメント表示欄と、作業実行する予告時間を含む予定表示欄と、のうち1以上を含む報知画面を前記報知情報として前記表示部に表示出力させる、請求項1~
4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記実装関連装置のうち前記報知情報に該当する装着部を有する実装関連装置にのみ該報知情報を表示出力させる、請求項1~
5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記移動作業装置が作業予定時間に作業開始できない所定時間後の作業内容を前記報知情報として前記表示部に表示出力させる、請求項1~
6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記実装システムは、前記移動作業装置を管理する管理装置を含み、
前記実装関連装置、前記移動作業装置及び前記管理装置のうち1以上が備える、請求項1~
7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
作業者に情報を視覚的に報知する表示部と部材を装着する装着部とを有し部品を処理対象物に実装する処理に関連する複数の実装関連装置と、前記複数の実装関連装置の間で移動し前記部材を前記装着部に自動着脱する移動作業装置とを含む実装システムに用いられる情報処理装置であって、
前記移動作業装置の状況に関連し作業者が代替作業可能な作業内容を含む報知情報を前記実装関連装置の処理の継続に基づく所定の優先順位に基づいて前記表示部に出力させる制御部、を備え、
前記制御部は、前記移動作業装置に対する作業及び前記部品を保持するフィーダの交換に関する作業のうち、作業者が代替可能な作業内容を抽出する抽出部を有し、抽出された当該作業内容に対応した報知情報を前記表示部に出力させる、情報処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記移動作業装置が作業予定時間に作業開始できない所定時間後の作業内容を作業者の代替可能な作業内容として抽出する、請求項9に記載の情報処理処理装置。
【請求項11】
前記制御部は、現在から所定の短時間内に作業が実行されるものを作業者の代替可能な作業内容から除外する、請求項9又は10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記移動作業装置がすでに保持しているフィーダの交換作業を作業者の代替可能な作業内容から除外する、請求項9~11のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
作業者に情報を視覚的に報知する表示部と部材を装着する装着部とを有し部品を処理対象物に実装する処理に関連する複数の実装関連装置と、前記複数の実装関連装置の間で移動し前記部材を前記装着部に自動着脱する移動作業装置とを含む実装システムに用いられる情報処理方法であって、
前記移動作業装置の状況に関し
、当該移動作業装置に代わって作業者が代替作業可能な作業内容を含む報知情報を所定の優先順位に基づいて前記表示部に出力させるステップ、
を含む情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、情報処理装置及び情報処理方法を開示する。
【背景技術】
【0002】
従来、実装システムとしては、部品実装機と、指示リストに基づいて部品実装機の部品供給ユニットを自動交換するユニット交換装置(移動作業装置)とを備え、部品供給ユニットの交換指示を作業者の認識可能な態様で出力し、部品実装機において部品供給ユニットが着脱された場合、着脱指示通りであると判定すると、該当する着脱指示を削除して指示リストの更新処理を行うものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この実装システムでは、作業者による交換と移動作業装置による交換との協調作業を適切に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2018/173204号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した特許文献1の実装システムでは、指示リストを更新することによって、作業者と移動作業装置との協調作業を適切に行うものであるが、作業者は、移動作業装置が作業する指示リストを確認するため、どの作業をより優先に作業すればよいかを把握することは、まだ十分にできなかった。このような実装システムでは、作業者による交換と移動作業装置による交換との協調作業を作業者により促すことが求められていた。
【0005】
本開示は、このような課題に鑑みなされたものであり、作業者による交換と移動作業装置による交換との協調作業を作業者により促すことができる情報処理装置及び情報処理方法を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示では、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本開示の情報処理装置は、
作業者に情報を視覚的に報知する表示部と部材を装着する装着部とを有し部品を処理対象物に実装する処理に関連する複数の実装関連装置と、前記複数の実装関連装置の間で移動し前記部材を前記装着部に自動着脱する移動作業装置とを含む実装システムに用いられる情報処理装置であって、
前記移動作業装置の状況に関連し作業者が代替作業可能な作業内容を含む報知情報を前記実装関連装置の処理の継続に基づく所定の優先順位に基づいて前記表示部に出力させる制御部、
を備えたものである。
【0008】
この情報処理装置では、移動作業装置の状況に関連し作業者が代替作業可能な作業内容を含む報知情報を、前記実装関連装置の処理の継続に基づく所定の優先順位に基づいて表示部に出力させる。作業者は、優先順位の順に並んだ報知情報を確認して作業を行うことができる。したがって、この情報処理装置では、作業者による交換と移動作業装置による交換との協調作業を作業者により促すことができる。ここで、実装関連装置としては、例えば、処理対象物に粘性流体を印刷する印刷装置、印刷状態などを検査する印刷検査装置、部品を実装処理する実装装置、実装状態などを検査する実装検査装置、装置で用いられる部材を保管する保管装置、処理対象物の搬送装置、リフロー処理を行うリフロー装置などが挙げられる。処理対象物としては、基板や3次元構造の基材などが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】記憶部43に記憶された優先情報44及び作業リスト情報45の説明図。
【
図4】協調作業報知処理ルーチンの一例を示すフローチャート。
【
図5】操作パネル28に表示する報知画面70の一例の説明図。
【
図6】操作パネル28に表示する報知画面70の一例の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施形態を図面を参照しながら以下に説明する。
図1は、本開示である実装システム10の一例を示す概略説明図である。
図2は、実装装置15の構成の概略を示す説明図である。
図3は、記憶部43に記憶された優先情報44及び作業リスト情報45の説明図である。なお、本実施形態において、左右方向(X軸)、前後方向(Y軸)及び上下方向(Z軸)は、
図1、2に示した通りとする。
【0011】
実装システム10は、例えば、処理対象物としての基板Sに部品Pを実装処理する実装装置15が基板Sの搬送方向に配列された生産ラインとして構成されている。ここでは、処理対象物を基板Sとして説明するが、部品Pを実装するものであれば特に限定されず、3次元形状の基材としてもよい。この実装システム10は、
図1に示すように、印刷装置11と、印刷検査装置12と、保管部13と、管理PC14と、実装装置15と、図示しない実装検査装置と、図示しないリフロー装置と、自動搬送車16と、ローダ18と、ホストPC60などを含んで構成されている。印刷装置11は、基板Sにはんだペーストなどを印刷する装置である。印刷検査装置12は、印刷されたはんだの状態を検査する装置である。実装検査装置は、実装処理された部品の状態などを検査する装置である。リフロー装置は、はんだが印刷され部品が実装された基板をリフローする装置である。ホストPC60は、実装システム10の各装置が用いる情報、例えば、実装条件情報を複数含む生産計画データベースなどを記憶、管理するサーバとして構成されている。
【0012】
実装装置15は、部品Pを採取して基板Sへ実装させる装置である。この実装装置15は、
図2に示すように、基板処理部23と、部品供給部24と、操作パネル28と、実装部30と、実装制御部36と、通信部34とを備える。
【0013】
基板処理部23は、基板Sの搬入、搬送、実装位置での固定、搬出を行うユニットである。部品供給部24は、実装部30へ部品Pを供給するユニットである。この部品供給部24は、部品Pを保持した保持部材としてのテープを巻き付けたリールを含むフィーダ25を1以上の装着部に装着している。この部品供給部24は、実装処理に用いるフィーダ25を装着する実装用装着部26と、予備のフィーダ25を装着するバッファ用装着部27とを上下段に備える。ここでは、実装用装着部26やバッファ用装着部27を装着部と総称する。フィーダ25は、図示しないコントローラを備えている。このコントローラは、フィーダ25に含まれるテープのIDや部品Pの種別、残数などの情報を記憶している。フィーダ25が装着部に装着されるとこのコントローラはフィーダ25の情報を実装制御部36へ送信する。また、部品供給部24には部品Pを複数配列して載置する保持部材としてのトレイを有するトレイユニットを備えていてもよい。操作パネル28は、画面を表示する表示部と、作業者からの入力操作を受け付ける操作部との機能を備えたタッチパネルとして構成されており、実装装置15の作動状態や設定状態を画面表示する。通信部34は、管理PC14やローダ18、ホストPC60などの外部機器と情報のやりとりを行うインタフェースである。
【0014】
実装部30は、部品Pを部品供給部24から採取し、基板処理部23に固定された基板Sへ配置するユニットである。実装部30は、ヘッド移動部31と、実装ヘッド32と、ノズル33とを備えている。ヘッド移動部31は、ガイドレールに導かれてXY方向へ移動するスライダと、スライダを駆動するモータとを備えている。実装ヘッド32は、1以上の部品Pを採取してヘッド移動部31によりXY方向へ移動するものである。この実装ヘッド32は、スライダに取り外し可能に装着されている。実装ヘッド32の下面には、1以上のノズル33が取り外し可能に装着されている。ノズル33は、負圧を利用して部品Pを採取するものである。なお、部品Pを採取する採取部材は、ノズル33のほか部品Pを機械的に保持するメカニカルチャックなどとしてもよい。
【0015】
実装制御部36は、CPU37を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、装置全体の制御を司る。実装制御部36は、記憶部38を有している。記憶部38には、部品Pの情報や部品Pを基板Sへ実装する配置順、配置位置、部品Pを採取するフィーダ25の装着位置などの情報が含まれる実装条件情報(生産ジョブ)や実装管理情報39などが記憶されている。実装管理情報39には、実装用装着部26やバッファ用装着部27などに装着されたフィーダ25の種別(ID)、供給する部品種別、部品残数、部品切れが発生する予測時間のほか、実装装置15の各ユニットの状態の情報など、現在の実装処理の状況に関する情報が含まれている。この実装管理情報39は、実装部30による部品の消費やローダ18又は作業者Mによるフィーダ25の交換などに応じてフィーダ25の使用状況などがCPU37によって定期的に更新される。部品切れの予測時間は、例えば、単位時間あたりの部品消費速度(個/分)を求めておき、この部品消費速度と現在の部品残数とから求めることができる。実装制御部36は、基板処理部23や部品供給部24、操作パネル28、実装部30へ制御信号を出力する一方、基板処理部23や部品供給部24、操作パネル28、実装部30からの信号を入力する。
【0016】
保管部13は、実装装置15で用いられるフィーダ25を一時的に保管する保管場所である。保管部13は、印刷検査装置12と実装装置15との間の搬送装置の下部に設けられている。保管部13には、部品供給部24と同様の装着部を有している。フィーダ25がこの装着部に接続されると、フィーダ25のコントローラは、フィーダ25の情報を出力し、管理PC14は、出力された情報を受信する。なお、保管部13では、自動搬送車16によりフィーダ25が運ばれるほか、作業者によりフィーダ25が運ばれてもよい。自動搬送車16は、フィーダ25や、実装システム10で用いられる部材などを図示しない倉庫と保管部13との間で自動搬送するものである。倉庫には、フィーダ25や他の部材などが保管されている。
【0017】
ローダ18は、移動型作業装置であり、実装システム10の正面の移動領域内(
図1の点線参照)で移動し、実装装置15のフィーダ25など、実装処理に必要な部材などを自動着脱し、回収及び補給する装置である。このローダ18は、移動制御部50と、記憶部53と、収容部54と、交換部55と、移動部56と、通信部57とを備えている。移動制御部50は、CPU51を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、装置全体の制御を司る。この移動制御部50は、フィーダ25を部品供給部24から回収し又はフィーダ25を部品供給部24へ補給し、フィーダ25を保管部13との間で移動させるよう装置全体を制御する。記憶部53は、例えばHDDなど、処理プログラムなど各種データを記憶するものである。収容部54は、フィーダ25を収容する収容空間を有する。この収容部54は、例えば、4つのフィーダ25を収容可能に構成されている。交換部55は、フィーダ25を出し入れすると共に上下段に移動させる機構である(
図2参照)。交換部55は、フィーダ25をクランプするクランプ部と、クランプ部をY軸方向(前後方向)に移動させるY軸スライダと、クランプ部をZ軸方向(上下方向)に移動させるZ軸スライダとを有している。交換部55は、実装用装着部26でのフィーダ25の装着及び装着解除と、バッファ用装着部27でのフィーダ25の装着及び装着解除を実行する。移動部56は、実装装置15の正面に配設されたX軸レール19に沿ってローダ18をX軸方向(左右方向)へ移動させる機構である。通信部57は、管理PC14や実装装置15などの外部機器と情報のやりとりを行うインタフェースである。このローダ18は、現在位置や実行した作業内容を管理PC14へ出力する。このローダ18は、フィーダ25を回収、補給可能であるが、実装ヘッド32やノズル33、はんだカートリッジ、スクリーンマスク、基板支持用のバックアップピンなど、実装処理に関連する部材を回収、補給するよう構成してもよい。
【0018】
管理PC14は、ローダ18やフィーダ25の管理を行う装置である。管理PC14は、管理制御部40と、記憶部43と、通信部47とを備える。管理制御部40は、CPU41を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、装置全体の制御を司る。記憶部43には、優先情報44や、作業リスト情報45、指示リスト46などが記憶されている。通信部47は、実装装置15やローダ18、ホストPC60などの外部機器と情報のやりとりを行うインタフェースである。管理PC14は、所定の時間間隔でローダ18から現在位置や現在の状態に関する情報を取得し、作業リスト情報45に記憶する。
【0019】
ここで、記憶部43に記憶されている情報について説明する。優先情報44は、作業者が実行する作業での優先順位に関する情報である。優先情報44には、例えば、実装装置15の処理ができるだけ継続されるよう予め設定された、作業者Mがローダ18に代替して作業可能な作業内容及び作業者Mが作業すべき作業内容の優先順位が含まれている。この実装システム10では、ローダ18によるフィーダ25の自動着脱と作業者Mによるフィーダ25の手動着脱とを含む協調作業を実行可能に構成されている。実装システム10では、この協調作業として、実装処理において基本的にローダ18がフィーダ25の交換作業を行い作業者Mがそれを補佐する作業者補佐モードと、ローダ18の交換作業と作業者Mの交換作業とが独立して割り当てられる作業分担モードとが規定されている。作業分担モードは、例えば、ローダ18が物理的に交換できないフィーダ25を作業者Mが手動交換するよう設定されたモードである。
【0020】
図3に示すように、優先情報44には、作業者補佐モードでの作業の優先順位と、作業分担モードでの作業の優先順位とが規定されている。作業者補佐モードでの優先順位は、予備フィーダ25の不在(不能情報)、ローダ18の未起動(停止情報)、ローダ18の異常停止(停止情報)、補給案内数が所定の許容数以上である作業過剰(遅延情報)、ローダ18の移動中断(中断情報)、ローダ18の通常動作、の順に設定されている。予備フィーダ25の不在とは、予備のフィーダ25が予備の装着部(例えばバッファ用装着部27)にない状態であり、作業者Mがこれを補充すればこの状態が解消される。ローダ18の未起動とは、ローダ18の電源がオフである状態であり、作業者Mが電源をオンすればこの状態が解消される。ローダ18の異常停止とは、ローダ18に何らかの異常が発生した状態であり、作業者Mがローダ18を再起動させるか、異常を除去すればこの状態が解消される。作業過剰状態とは、ローダ18が単位時間あたりに作業可能な作業量を超えた状態であり、時間遅延が生じる状態である。作業者Mが先回りしてフィーダ25を手動交換することでこの状態が解消される。ローダ18の移動中断とは、ローダ18の移動範囲内に作業者Mも含む障害物が検出されたときに一定時間(例えば数十秒)停止する状態であり、作業者Mがこの障害物を除去すればこの状態が解消される。作業者分担モードでの優先順位は、作業者Mの即時手動交換(即時交換情報)、ローダ18の異常(異常情報)、作業者Mの事前警告(警告情報)、ローダ18の作業遅延(遅延情報)の順に設定されている。作業者Mの即時手動交換とは、作業者Mが交換する分担のフィーダ25の部品切れが既に起きている状態であり、作業者Mがこれを手動交換すればこの状態が解消される。ローダ18の異常状態とは、ローダ18が未起動状態又は異常停止した状態であり、作業者Mがローダ18に対し電源オン、再起動、及び異常の除去のいずれかを行えばこの状態が解消される。作業者Mの事前警告状態とは、現在から所定時間経過後に作業者Mが交換すべきフィーダ25の部品切れが起きる予測を報知するものであり、所定時間経過前にフィーダ25を手動交換すればこの状態が解消される。ローダ18の遅延状態とは、単位時間あたりに作業可能な作業量を超えた状態やローダ18の移動中断により生じるものであり、作業者Mが先回りしてフィーダ25を手動交換するか、ローダ18の移動範囲内から障害物を除去すればこの状態が解消される。優先情報44には、実装システム10での処理ができるだけ停止しないで継続されるような上記優先順位が設定されている。
【0021】
作業リスト情報45は、ローダ18の状態及び特定の実装装置15に対してローダ18が実行する作業内容などを含む情報である。作業リスト情報45には、ローダ18の作業対象である各実装装置15の情報がそれぞれの装置に対応付けられて含まれている。この作業リスト情報45には、作業番号と、作業対象と、その作業を行うべき該当装着部の番号と、そのフィーダ25のIDと、保持した部品種別と、その部品残数と、予備のフィーダ25が事前配膳された予備装着部の番号と、作業を実行する予告時間と、作業内容などの情報が含まれている。指示リスト46は、ローダ18が実行するフィーダ25の移動交換に関する指令を含む情報である。この指示リスト46には、ローダ18により実行される作業リストが含まれている。指示リストには、上記作業リスト情報45に含まれるローダ18が実行する作業が抽出されており、回収又は補給するフィーダ25の装着位置や作業順番などの情報が含まれる。管理制御部40は、定期的にローダ18や実装装置15から情報を収集し、作業リスト情報45及び指示リスト46を更新する。
【0022】
次に、こうして構成された本実施形態の実装システム10の動作、まず、実装装置15が部品Pを基板Sへ実装する処理について説明する。実装制御部36のCPU37は、実装処理を開始すると、基板Sを搬入、固定するよう基板処理部23を制御する。次に、CPU37は、実装条件情報を読み出し、この実装条件情報に基づいて、部品供給部24に装着されたフィーダ25から部品Pを実装ヘッド32に採取させ、基板Sに配置する処理を行う。基板Sに部品Pを配置し終わると、CPU37は、基板Sを基板処理部23に排出させ、上述したように、次の基板Sを基板処理部23に搬入させる。CPU37は、この実装処理の実行中に、各フィーダ25の部品消費数を管理し、部品残数が所定の警告値以下になると、その情報を管理PC14へ送信する。管理PC14は、部品切れが近いフィーダ25の交換作業を作業リスト情報45に加える処理などを行う。管理PC14は、作業リスト情報45から指示リスト46を作成し、この指示リスト46に基づいて、ローダ18に交換作業を実行させる。ローダ18は、X軸レール19に沿って保管部13と実装装置15との間を移動し、作業対象の実装装置15でフィーダ25の交換処理を実行する。
【0023】
次に、優先的に行うべき作業内容を作業者Mへ報知する処理について説明する。
図4は、管理PC14の管理制御部40で実行される協調作業報知処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、管理PC14の記憶部43に記憶され、管理PC14の起動後に所定間隔(例えば、1分など)で実行される。まず、ここでは、作業者Mがローダ18の作業を補佐する作業者補佐モードにおける報知処理について説明する。このルーチンを開始すると、管理制御部40のCPU41は、ローダ18の状態をローダ18から取得し(S100)、報知対象の実装装置15を設定し(S110)、該当する報知対象の実装装置15から実装管理情報39を取得することにより現在の実装状態を取得する(S120)。CPU41は、実装システム10の並び順に報知対象の実装装置15を設定するものとしてもよい。ここでは、CPU41は、ローダ18や実装装置15から直接、その装置の状態を取得するものとしたが、定期的に更新される作業リスト情報45からこれらの状態を取得してもよい。
【0024】
次に、CPU41は、所定期間内に部品切れが発生するフィーダ25を抽出する(S140)。所定期間は、例えば、部品切れの発生などを精度よく予測できる範囲や、作業の準備から作業するまでに良好である、あまり長くない範囲としてもよく、30分や1時間などに設定することができる。次に、CPU41は、ローダ18に対する作業及びフィーダ25の交換に関する作業のうち、作業者Mの代替可能な作業内容を抽出する(S150)。CPU41は、ローダ18が作業予定時間に作業開始できない所定時間後の作業内容を作業者Mの代替可能な作業内容として抽出する。また、CPU41は、ローダ18が現在から所定の短時間内(例えば5分以内)に作業が実行されるものを作業者Mの代替可能な作業内容から除外する。CPU41は、例えば、ローダ18の収容部54に収容されている予備のフィーダ25や、ローダ18が停止中から復帰した場合にすぐ自動交換されるフィーダ25の交換作業などを作業者Mの代替可能な作業内容から除外する。このような作業を除外するのは、作業者Mが代替作業する効果が低いからである。続いて、CPU41は、抽出した作業内容に対して優先情報44に基づいて表示順序を設定し、設定した表示順序で作業内容が画面表示される報知情報と表示指令とを実装装置15へ出力する(S150)。そして、CPU41は、すべての報知対象の実装装置15に対して上記処理を行ったか否かを判定し(S160)、すべての報知対象の実装装置15に対して終了していないときには、S100以降の処理を繰り返し実行する。即ち、S110で次の実装装置15を設定し、その実装装置15に対する作業内容を優先情報44に基づく表示順序で実装装置15に表示させる。一方、すべての報知対象の実装装置15に対して上記処理を行ったときには、CPU41は、このルーチンを終了する。
【0025】
S150で出力された報知情報を取得した実装装置15は、この報知情報を操作パネル28に表示出力する。
図5は、作業者補佐モードにおいて操作パネル28に表示する報知画面70の一例を示す説明図である。報知画面70は、ローダ18を補佐する作業内容を表示する画面であり、報知情報表示欄71を含む。報知情報表示欄71には、状態表示欄72、装着部表示欄73、予定表示欄74、コメント表示欄75などが配置されている。状態表示欄72は、作業状態として、補給アイコン76、異常アイコン77及び遅延アイコン78のうち1以上を含むアイコンが表示される欄である。補給アイコン76は、予備のフィーダ25が装着部になく、フィーダ25の補給作業を要する状態を示すアイコンである。異常アイコン77は、ローダ18の未起動状態や異常停止状態など、ローダ18の異常状態を示すアイコンである。遅延アイコン78は、ローダ18の作業過剰状態や移動中断などによるローダ18の作業遅延状態を示すアイコンである。装着部表示欄73は、フィーダ25を交換すべき作業対象の装着部の位置と予備のフィーダ25が事前配膳された予備装着部の位置とを表示する欄である。装着部表示欄73には、保管部13やバッファ用装着部27などのスロット番号が表示される。予定表示欄74は、作業実行する予告時間が表示される欄である。コメント表示欄75は、作業内容のコメントを表示する欄である。作業内容としては、例えば、予備のフィーダ25がなく準備する作業や、ローダ18の未起動、異常停止、への対処作業、ローダ18の作業過剰を緩和するためのフィーダ25の手動交換作業、ローダ18の移動中断に対処する障害物の除去又はフィーダ25の手動交換作業などが含まれる。報知情報表示欄71には、優先情報44の優先順位に従って上から作業内容が表示される。
【0026】
ここで、S140~S150の処理及び作業者Mの作業などを
図3の作業リスト情報45及び
図5の報知画面70を具体例として用いて説明する。CPU41は、まず、例えば、
図3の作業リスト情報45に示したような作業内容を取得し、このうち、作業者Mが代替作業可能な作業内容として作業番号1,4,5,6…を抽出する。なお、作業番号1,2の作業内容は、ローダ18がすぐに作業するため、除外される。次に、CPU41は、優先情報44に基づいてこの作業内容の表示順を入れ替える処理を行う。例えば、優先情報44では、
図3の作業番号5、6の優先順位が高く、次に作業番号1の優先順位が高く、その次が作業番号4となる。報知情報表示欄71には、この優先順位で作業内容が表示される。作業者Mは、この報知情報表示欄71を確認し、例えば、一番上に表示された作業内容から順に作業を行う。作業者Mは、例えば、フィーダIDがF1のフィーダ25を用意し装着部#15に装着させ、フィーダIDがF5のフィーダ25を装着部#16に装着させ、ローダ18の再起動を行う。
図5の下段に、その10分後の例を示した。例えば、10分後において、作業者Mは、報知情報表示欄71の表示内容から、ローダ18の作業過剰による遅延が生じ、フィーダID=F1、F5、F12のフィーダ25の交換作業が遅延することを確認することができる。作業者Mは、これらのフィーダ25の手動交換を補佐したり、障害物の除去など行うことができる。
【0027】
次に、ローダ18の交換作業と作業者Mの交換作業とが独立して割り当てられる作業分担モードにおける報知処理について説明する。このモードにおいても、S150で作業分担モードに対応する優先順位を優先情報44から読み出す以外は、
図4の協調作業報知処理ルーチンを実行するものとしてもよい。作業分担モードでは、
図3の優先情報44に示す優先順位で報知情報表示欄71に作業内容が表示される。
図6は、作業分担モードにおいて操作パネル28に表示する報知画面70の一例を示す説明図である。作業分担モードでは、部品切れを発生しフィーダ25の即時交換を要する状態を示す即時アイコン79が状態表示欄72に表示される。また、補給アイコン76は、部品切れの事前予告において状態表示欄72に表示される。作業分担モードにおいても、実装システム10の各装置が処理を継続することができる優先順位で報知情報表示欄71に作業内容が表示される。作業者Mは、報知情報表示欄71を確認し、優先的に行うべき作業を認識することができる。
【0028】
ここで、本実施形態の構成要素と本開示の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の管理制御部40が本開示の制御部に相当し、管理PC14が情報処理装置に相当し、ローダ18が移動型作業装置に相当する。また、印刷装置11、印刷検査装置12、保管部13及び実装装置15などが実装関連装置に相当し、操作パネル28が表示部に相当し、実装用装着部26やバッファ用装着部27、保管部13の装着部が装着部に相当し、基板Sが処理対象物に相当する。なお、本実施形態では、管理PC14及び実装装置15の動作を説明することにより本開示の情報処理方法の一例も明らかにしている。
【0029】
以上説明した本実施形態の管理PC14では、ローダ18の状況に関連し作業者Mが代替作業可能な作業内容を含む報知情報を含む報知画面70を、実装装置15の処理の継続に基づく所定の優先順位に基づいて操作パネル28に出力させる。作業者Mは、優先順位の順に並んだ報知画面70を確認して作業を行うことができる。したがって、この管理PC14では、作業者Mによる交換とローダ18による交換との協調作業を作業者Mにより促すことができる。また、作業者補佐モードにおいて、報知情報には、不能情報、停止情報、遅延情報及び中断情報が含まれ、優先順位がこの順であるため、これらの優先順位に基づいて、作業者Mとローダ18との協調作業を作業者Mにより促すことができる。また、作業分担モードにおいて、報知情報には、即時交換情報、異常情報、警告情報及び遅延情報が含まれ、優先順位がこの順であるため、これらの優先順位に基づいて、作業者Mとローダ18との協調作業を作業者Mにより促すことができる。
【0030】
更に、管理制御部40は、補給アイコン76、異常アイコン77及び遅延アイコン78を含む状態表示欄72と、装着部表示欄73と、予定表示欄74と、コメント表示欄75とを含む報知画面70を報知情報として表示出力させるため、これらの表示欄を確認することによって、作業者Mとローダ18との協調作業を作業者Mにより促すことができる。更にまた、管理制御部40は、報知情報に該当する装着部を有する実装装置15に対してこの報知情報を表示出力させるため、その実装装置15での作業内容を作業者Mが把握しやすい。そしてまた、管理制御部40は、ローダ18が作業予定時間に作業開始できない所定時間後の作業内容を報知情報として表示出力させるため、作業者Mがローダ18の作業状況に対して先回りして先の作業を行うことができる。このため、管理制御部40では、ローダ18との協調作業をより図ることができる。
【0031】
なお、本開示は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0032】
例えば、上述した実施形態では、優先情報44は、作業者補佐モードと作業分担モードとに応じた優先順位を含むものとしたが、特にこれに限定されず、いずれかのモードを省略してその優先順位を省略してもよいし、例えば、作業者補佐モードと作業分担モードとを融合させたモードなど、他のモードを含むものとし、それに合わせた優先順位を設定するものとしてもよい。
【0033】
上述した実施形態では、作業者補佐モードにおいて、報知情報には、不能情報、停止情報、遅延情報及び中断情報が含まれ、優先順位がこの順であるものとしたが、これらのうち1以上を省略してもよいし、これら以外の情報を更に加えてもよいし、優先順位を変更してもよい。また、作業分担モードにおいて、報知情報には、即時交換情報、異常情報、警告情報及び遅延情報が含まれ、優先順位がこの順であるものとしたが、これらのうち1以上を省略してもよいし、これら以外の情報を更に加えてもよいし、優先順位を変更してもよい。実装システム10に用いる情報や優先順位は、実装システム10での処理継続をより計ることができるように、適宜設定するものとすればよい。
【0034】
上述した実施形態では、報知画面70には、状態表示欄72、装着部表示欄73、予定表示欄74及びコメント表示欄75を含むものとしたが、特にこれに限定されず、これらのうち1以上を省略してもよいし、これ以外の表示欄、例えば、エラーコード表示欄などを設けてもよい。報知画面70は、作業内容を把握しやすいように適宜変更することができる。
【0035】
上述した実施形態では、操作パネル28には、ローダ18に対する作業内容のほかは、その実装装置15で実行される作業内容のみが表示されるものとしたが、特にこれに限定されず、他の実装装置15の作業内容を表示してもよい。なお、その実装装置15で実行する作業だけをその操作パネル28に表示した方が、作業者Mの作業間違いをより低減でき好ましい。
【0036】
上述した実施形態では、本開示の情報処理装置の機能を管理PC14が備えるものとして説明したが、特にこれに限定されず、本開示の情報処理装置の機能を実装装置15などの実装関連装置が有するものとしてもよいし、ローダ18が有するものとしてもよいし、ホストPC60が有するものとしてもよい。こうしても、実装システム10において、作業者Mとローダ18との協調作業を作業者Mに促すことができる。
【0037】
上述した実施形態では、本開示の実装関連装置として実装装置15を主として説明したが、特にこれに限定されず、印刷装置11や印刷検査装置12、図示しない実装検査装置、リフロー装置などに表示部を設け、作業者Mが代替可能な作業内容を表示するものとしてもよい。また、上述した実施形態では、ローダ18は、フィーダ25の自動着脱を行うものとして説明したが、特にこれに限定されず、印刷装置11や印刷検査装置12、図示しない実装検査装置、リフロー装置などに装着する部材の自動着脱を行うものとし、その作業内容を報知画面70に表示出力してもよい。
【0038】
上述した実施形態では、本開示を実装システム10や管理PC14、実装装置15として説明したが、本開示を管理PC14が実行する情報処理方法や、情報処理方法を実現するプログラムとしてもよい。
【0039】
ここで、本開示の情報処理装置及び情報処理方法は、以下のように構成してもよい。例えば、本開示の情報処理装置において、前記報知情報には、(1)~(4)のうち1以上が含まれ、前記優先順位は、存在する情報のうち(1)~(4)の順であるものとしてもよい。この情報処理装置では、停止情報、遅延情報、中断情報などの優先順位に基づいて、作業者と移動作業装置との協調作業を作業者により促すことができる。
(1)前記移動作業装置は予備装着部に前記部材を着脱可能に構成されており、予備部材が予備装着部に不在であり前記移動作業装置が作業不能である不能情報。
(2)前記移動作業装置の停止に関する停止情報。
(3)前記移動作業装置の作業遅延に関する遅延情報。
(4)前記移動作業装置の移動中断に関する中断情報。
【0040】
本開示の情報処理装置において、前記報知情報には、(5)~(8)のうち1以上が含まれ、前記優先順位は、存在する情報のうち(5)~(8)の順であるものとしてもよい。この情報処理装置では、即時交換情報、異常情報、警告情報、遅延情報などの優先順位に基づいて、作業者と移動作業装置との協調作業を作業者により促すことができる。
(5)作業者による前記部材の交換作業に関する即時交換情報。
(6)前記移動作業装置の異常に関する異常情報。
(7)作業者による前記部材の交換作業の事前警告に関する警告情報。
(8)前記移動作業装置の作業遅延に関する遅延情報。
【0041】
本開示の情報処理装置において、前記制御部は、部材補給アイコン、異常アイコン及び遅延アイコンのうち1以上を含む状態表示欄と、予備部材を装着すべき作業対象装着部の位置を少なくとも含み該当する予備部材が事前配膳された予備装着部の位置を含んでもよい装着部表示欄と、作業内容のコメントを表示するコメント表示欄と、作業実行する予告時間を含む予定表示欄と、のうち1以上を含む報知画面を前記報知情報として前記表示部に表示出力させるものとしてもよい。この情報処理装置では、状態表示欄や、装着部表示欄、コメント表示欄、予定表次欄などを確認することによって、作業者と移動作業装置との協調作業を作業者により促すことができる。
【0042】
本開示の情報処理装置において、前記制御部は、前記実装関連装置のうち前記報知情報に該当する装着部を有する実装関連装置にのみ該報知情報を表示出力させるものとしてもよい。この情報処理装置では、報知情報に該当する実装関連装置の表示部にその報知情報が表示されるから、その装置での作業内容を作業者が把握しやすい。
【0043】
本開示の情報処理装置において、前記制御部は、前記移動作業装置が作業予定時間に作業開始できない所定時間後の作業内容を前記報知情報として前記表示部に表示出力させるものとしてもよい。この情報処理装置では、所定時間後に実装関連装置の処理継続に必要な作業内容を含む報知情報が表示されるから、作業者が移動作業装置の作業状況に対して先回りして先の作業を行うことができる。このため、この情報処理装置では、移動作業装置との協調作業をより図ることができる。
【0044】
本開示の情報処理装置において、前記実装システムは、前記移動作業装置を管理する管理装置を含み、前記実装関連装置、前記移動作業装置及び前記管理装置のうち1以上が上述した情報処理装置を備えるものとしてもよい。この情報処理装置では、実装システムが有する装置のいずれかから、作業者と移動作業装置との協調作業を作業者により促すことができる。
【0045】
本開示の情報処理方法は、
作業者に情報を視覚的に報知する表示部と部材を装着する装着部とを有し部品を処理対象物に実装する処理に関連する複数の実装関連装置と、前記複数の実装関連装置の間で移動し前記部材を前記装着部に自動着脱する移動作業装置とを含む実装システムに用いられる情報処理方法であって、
前記移動作業装置の状況に関し作業者が代替作業可能な作業内容を含む報知情報を所定の優先順位に基づいて前記表示部に出力させるステップ、
を含むものである。
【0046】
この情報処理方法では、上述した情報処理装置と同様に、作業者による交換と移動作業装置による交換との協調作業を作業者により促すことができる。なお、この情報処理方法において、上述した情報処理装置の態様を採用してもよいし、上述した情報処理装置の機能を発現するステップを含むものとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本開示の情報処理装置及び情報処理方法は、電子部品の実装分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0048】
10 実装システム、11 印刷装置、12 印刷検査装置、13 保管部、14 管理PC、15 実装装置、16 自動搬送車、18 ローダ、19 X軸レール、23 基板処理部、24 部品供給部、25 フィーダ、26 実装用装着部、27 バッファ用装着部、28 操作パネル、30 実装部、31 ヘッド移動部、32 実装ヘッド、33 ノズル、34 通信部、36 実装制御部、37 CPU、38 記憶部、39 実装管理情報、40 管理制御部、41 CPU、43 記憶部、44 優先情報、45 作業リスト情報、46 指示リスト、47 通信部、50 移動制御部、51 CPU、53 記憶部、54 収容部、55 交換部、56 移動部、57 通信部、60 ホストPC、70 報知画面、71 報知情報表示欄、72 状態表示欄、73 装着部表示欄、74 予定表示欄、75 コメント表示欄、76 補給アイコン、77 異常アイコン、78 遅延アイコン、79 即時アイコン、P 部品、S 基板。