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特許7422868画素配列最適化方法、透光表示パネル及び表示パネル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】画素配列最適化方法、透光表示パネル及び表示パネル
(51)【国際特許分類】
   H10K 50/813 20230101AFI20240119BHJP
   H10K 59/121 20230101ALI20240119BHJP
   H10K 59/35 20230101ALI20240119BHJP
   H10K 59/80 20230101ALI20240119BHJP
   H10K 71/00 20230101ALI20240119BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240119BHJP
   G09F 9/302 20060101ALI20240119BHJP
【FI】
H10K50/813
H10K59/121
H10K59/35
H10K59/80
H10K71/00
G09F9/30 365
G09F9/30 339Z
G09F9/302 C
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022521690
(86)(22)【出願日】2021-01-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-23
(86)【国際出願番号】 CN2021071414
(87)【国際公開番号】W WO2021184938
(87)【国際公開日】2021-09-23
【審査請求日】2022-04-11
(31)【優先権主張番号】202010184309.6
(32)【優先日】2020-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516189213
【氏名又は名称】クンシャン ゴー-ビシオノクス オプト-エレクトロニクス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Kunshan Go-Visionox Opto-Electronics Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Building 4, No. 1, Longteng Road, Development Zone, Kunshan, Jiangsu 215300, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョウ ガイナ
(72)【発明者】
【氏名】リュウ ルーシュン
(72)【発明者】
【氏名】シン ルボ
(72)【発明者】
【氏名】イン ハンクァン
(72)【発明者】
【氏名】カイ ジュンフェイ
【審査官】小久保 州洋
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110017969(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110767715(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110782807(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0097043(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0165061(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第110323259(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0252321(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第110767694(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10K 50/813
H10K 59/121
H10K 59/35
H10K 59/80
H10K 71/00
G09F 9/30
G09F 9/302
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光表示パネルであって、
アレイ基板と、
前記アレイ基板上に位置する発光層であって、前記発光層は重複ユニットを含み、前記重複ユニットにおける各サブ画素の第1の電極はパターン化して配置され、且つパターン化して配置される前記第1の電極の図形パラメータ及び位置パラメータの組み合わせにより、前記透光表示パネルの0次回折スポットエネルギーと前記透光表示パネルの光透過エネルギーとが、
【数1】

の関係式を満たすようにする発光層と、を含み、
ここで、Iは、前記透光表示パネルの0次回折スポットエネルギーであり、Iは、前記透光表示パネルの光透過エネルギーであり、
前記重複ユニットは、第1の方向に沿って分布される第1の画素群及び第2の画素群を含み、前記第1の画素群は、第2の方向において分布される第1色のサブ画素、第2色のサブ画素、第3色のサブ画素を含み、前記第2の画素群は、前記第2の方向において分布される第3色のサブ画素、第1色のサブ画素、第2色のサブ画素を含み、前記第1の方向と前記第2の方向とは交差し、
ここで、前記第1色のサブ画素及び前記第3色のサブ画素の第1の電極の前記アレイ基板における正投影は円形であり、前記第2色のサブ画素の第1の電極の前記アレイ基板における正投影は楕円形である、
透光表示パネル。
【請求項2】
前記第1色のサブ画素の第1の電極の直径の範囲は、5μm~25μmであり、前記第3色のサブ画素の第1の電極の直径の範囲は、8μm~30μmであり、前記第2色のサブ画素の第1の電極の長軸の範囲は、10μm~30μmで、短軸の範囲は、8μm~20μmであるか、
或いは、前記第1の画素群における第1色のサブ画素の第1の電極の中心点と前記重複ユニットの中心点との前記第1の方向における距離の範囲は、10μm~30μmであり、前記第2の方向における距離の範囲は、45μm~65μmであり、前記第1の画素群における第2色のサブ画素の第1の電極の中心点と前記重複ユニットの中心点との前記第1の方向における距離の範囲は、25μm~40μmで、前記第2の方向における距離の範囲は、20μm~40μmであり、前記第1の画素群における第3色のサブ画素の第1の電極の中心点と前記重複ユニットの中心点との前記第1の方向における距離の範囲は、10μm~30μmで、前記第2の方向における距離の範囲は、15μm~30μmであるか、
或いは、前記第2の画素群における第1色のサブ画素の第1の電極の中心点と前記重複ユニットの中心点との前記第1の方向における距離の範囲は、10μm~25μmで、前記第2の方向における距離の範囲は、0μm~20μmであり、前記第2の画素群における第2色のサブ画素の第1の電極の中心点と前記重複ユニットの中心点との前記第1の方向における距離の範囲は、25μm~40μmで、前記第2の方向における距離の範囲は、30μm~50μmであり、前記第2の画素群における第3色のサブ画素の第1の電極の中心点と前記重複ユニットの中心点との前記第1の方向における距離の範囲は、25μm~40μmで、前記第2の方向における距離の範囲は、40μm~55μmである、請求項1に記載の透光表示パネル。
【請求項3】
透光表示パネルであって、
アレイ基板と、
前記アレイ基板上に位置する発光層であって、前記発光層は重複ユニットを含み、前記重複ユニットにおける各サブ画素の第1の電極はパターン化して配置され、且つパターン化して配置される前記第1の電極の図形パラメータ及び位置パラメータの組み合わせにより、前記透光表示パネルの0次回折スポットエネルギーと前記透光表示パネルの光透過エネルギーとが、
【数2】

の関係式を満たすようにする発光層と、を含み、
ここで、Iは、前記透光表示パネルの0次回折スポットエネルギーであり、Iは、前記透光表示パネルの光透過エネルギーであり、
前記重複ユニットは、第2の方向に沿って分布される2個の画素群を含み、各前記画素群は、1個の第1色のサブ画素、1個の第2色のサブ画素及び1個の第3色のサブ画素を含み、各前記画素群における3個のサブ画素の第1の電極の中心点間の連結線は、三角形を形成し、1個の前記画素群が第1の方向に沿って180度反転した後の配列構造は、前記重複ユニットにおける他の1個の画素群の配列構造と同じであり、前記第1の方向と前記第2の方向とは交差し、
前記第1色のサブ画素及び前記第3色のサブ画素の第1の電極の前記アレイ基板における正投影は、円形であり、前記第2色のサブ画素の第1の電極の前記アレイ基板における正投影は八角形であり、且つ前記八角形の四辺の仮想延長線は矩形を構成する、
透光表示パネル。
【請求項4】
記第1色のサブ画素の第1の電極の直径の範囲は、5μm~25μmであり、前記第3色のサブ画素の第1の電極の直径の範囲は、10μm~30μmであり、前記第2色のサブ画素の第1の電極に対応する矩形の長辺の範囲は、10μm~30μmで、短辺の範囲は、5μm~25μmであるか、
或いは、2個の前記第1色のサブ画素の第1の電極の中心点間の距離は、30μm~90μmであり、2個の前記第2色のサブ画素の第1の電極の中心点間の距離は、25μm~60μmであり、2個の前記第3色のサブ画素の第1の電極の中心点間の距離は、25μm~60μmであり、及び/又は、2個の前記第1色のサブ画素の第1の電極の中心点と2個の前記第3色のサブ画素の第1の電極の中心点との連結線は、平行四辺形を構成する、請求項3に記載の透光表示パネル。
【請求項5】
透光表示パネルであって、
アレイ基板と、
前記アレイ基板上に位置する発光層であって、前記発光層は重複ユニットを含み、前記重複ユニットにおける各サブ画素の第1の電極はパターン化して配置され、且つパターン化して配置される前記第1の電極の図形パラメータ及び位置パラメータの組み合わせにより、前記透光表示パネルの0次回折スポットエネルギーと前記透光表示パネルの光透過エネルギーとが、
【数3】

の関係式を満たすようにする発光層と、を含み、
ここで、Iは、前記透光表示パネルの0次回折スポットエネルギーであり、Iは、前記透光表示パネルの光透過エネルギーであり、
前記重複ユニットは、第2の方向に沿って分布される第1の画素群及び第2の画素群を含み、前記第1の画素群は、第1の方向において分布される1個の第1色のサブ画素、2個の第2色のサブ画素及び1個の第3色のサブ画素を含み、前記第2の画素群は、前記第1の方向において分布される1個の第3色のサブ画素、1個の第1色のサブ画素及び2個の第2色のサブ画素を含み、且つ前記第1の画素群及び前記第2の画素群における2個の第2色のサブ画素は、前記第2の方向に沿って分布され、前記第1の方向と前記第2の方向とは交差し、
ここで、各サブ画素の第1の電極の前記アレイ基板における正投影はいずれも円形であり、
前記第1色のサブ画素の第1の電極の直径の範囲は、5μm~30μmであり、前記第2色のサブ画素の第1の電極の直径の範囲は、5μm~30μmであり、前記第3色のサブ画素の第1の電極の直径の範囲は、10μm~40μmであり、
2個の前記第1色のサブ画素の第1の電極の中心点間の距離は、50μm~250μmであり、各前記画素における2個の前記第2色のサブ画素の第1の電極の中心点間の距離は、10μm~30μmであり、2個の前記第3色のサブ画素の第1の電極の中心点間の距離は、10μm~60μmであり、及び/又は、前記重複ユニット全体は、平行四辺形を構成する、透光表示パネル。
【請求項6】
表示パネルであって、
互いに隣接する第1の表示領域及び第2の表示領域を有し、前記第1の表示領域の透光率は、前記第2の表示領域の透光率より大きく、ここで、前記表示パネルの前記第1の表示領域は、請求項1に記載の透光表示パネルとして配置される、表示パネル。
【請求項7】
画素配列最適化方法であって、
初期画素配列構造モデルを構築するステップであって、前記初期画素配列構造モデルにおける各サブ画素の第1の電極が初期図形パラメータ及び初期位置パラメータを有するステップと、
前記初期画素配列構造モデルにおける少なくとも一部の前記第1の電極の初期図形パラメータ及び初期位置パラメータにおける少なくとも一つを調整して、請求項1に記載の透光表示パネルの最適化画素配列構造モデルを取得するステップであって、前記最適化画素配列構造モデルの0次回折スポットエネルギーと前記最適化画素配列構造モデルの光透過エネルギーとの比が85%以上であるステップと、
を含む方法。
【請求項8】
前記最適化画素配列構造モデルを取得した後に、前記方法は、
前記最適化画素配列構造モデルの各第1の電極に対応する図形パラメータ及び位置パラメータに応じて、目標透光表示パネルにおける対応する第1の電極の図形パラメータ及び位置パラメータを設置するステップを
さらに含む請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記初期画素配列構造モデルを構築するステップは、
目標透光表示パネルの画素配列構造及び前記目標透光表示パネルの各サブ画素の第1の電極の初期図形パラメータ及び初期位置パラメータを取得するステップと、
前記目標透光表示パネルの画素配列構造及び各サブ画素の第1の電極の初期図形パラメータ及び初期位置パラメータに応じて、前記初期画素配列構造モデルを構築するステップと、
を含み、
前記初期画素配列構造モデルにおける少なくとも一部の前記第1の電極の初期図形パラメータ及び初期位置パラメータにおける少なくとも一つを調整して、最適化画素配列構造モデルを取得するステップであって、前記最適化画素配列構造モデルの0次回折スポットエネルギーと前記最適化画素配列構造モデルの光透過エネルギーとの比が85%以上であるステップは、
異なる照射波長、視野及び物体距離の条件で、前記初期画素配列構造モデルの0次回折スポットエネルギーと前記初期画素配列構造モデルの光透過エネルギーとの比がいずれも85%以上であるか否かを判断するステップと、
そうでなければ、前記最適化画素配列構造モデルが得られるまで、前記初期画素配列構造モデルにおける少なくとも一部の第1の電極の初期図形パラメータ及び初期位置パラメータにおける少なくとも一つを絶えず調整して、前記異なる照射波長、視野及び物体距離の条件で、前記最適化画素配列構造モデルの0次回折スポットエネルギーと前記最適化画素配列構造モデルの光透過エネルギーとの比が85%以上になるようにするステップと、
を含む請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年03月17日に提出された「画素配列最適化方法、装置、透光表示パネル及び表示パネル」の発明の名称の中国特許出願第202010184309.6号の優先権を主張し、当該出願の全ての内容は本文に援用される。
【0002】
本願は、表示技術分野に関し、具体的に、画素配列最適化方法、画素配列最適化装置、透光表示パネル及び表示パネルに関する。
【背景技術】
【0003】
電子機器の急速な発展に伴い、ユーザーのスクリーン占有率に対する要求がますます高くなり、電子機器のフルスクリーン表示が業界でますます多く注目されている。
【0004】
電子機器、例えば携帯電話、タブレットコンピュータ等は、フロントカメラ、受話器及び赤外線感知素子等を集積する必要がある。従来技術において、スクリーンに溝(Notch)又は開孔を設置して、外部の光を画面上の溝又は開孔により画面の下方に位置する感光素子に入光させることができる。しかしながら、このようなスクリーンはいずれも本当の意味におけるフルスクリーンではなく、画面全体の各領域にいずれも表示が行われることができず、例えばそのフロントカメラに対応する領域は、画面を表示することができない。
【発明の概要】
【0005】
本願は、画素配列最適化方法を提供し、当該方法は、各サブ画素の第1の電極が初期図形パラメータ及び初期位置パラメータを有する初期画素配列構造モデルを構築するステップと、初期画素配列構造モデルにおける少なくとも一部の第1の電極の初期図形パラメータ及び初期位置パラメータにおける少なくとも一つを調整して、最適化画素配列構造モデルを取得するステップであって、最適化画素配列構造モデルの0次回折スポットエネルギーと最適化画素配列構造モデルの光透過エネルギーとの比が85%以上であるステップと、を含む。
【0006】
第1態様の可能な実施形態において、最適化画素配列構造モデルを取得した後に、前記方法は、最適化画素配列構造モデルの各第1の電極に対応する図形パラメータ及び位置パラメータに応じて、目標透光表示パネルにおける対応する第1の電極の図形パラメータ及び位置パラメータを設置するステップをさらに含む。
【0007】
第1態様の可能な実施形態において、初期画素配列構造モデルを構築するステップは、目標透光表示パネルの画素配列構造及び目標透光表示パネルの各サブ画素の第1の電極の初期図形パラメータ及び初期位置パラメータを取得するステップと、目標透光表示パネルの画素配列構造及び各サブ画素の第1の電極の初期図形パラメータ及び初期位置パラメータに応じて、初期画素配列構造モデルを構築するステップと、を含む。
【0008】
第1態様の可能な実施形態において、初期画素配列構造モデルにおける少なくとも一部の第1の電極の初期図形パラメータ及び初期位置パラメータにおける少なくとも一つを調整して、最適化画素配列構造モデルを取得するステップであって、最適化画素配列構造モデルの0次回折スポットエネルギーと最適化画素配列構造モデルの光透過エネルギーとの比が85%以上であるステップは、異なる照射波長、視野及び物体距離の条件で、初期画素配列構造モデルの0次回折スポットエネルギーと初期画素配列構造モデルの光透過エネルギーとの比がいずれも85%以上であるか否かを判断するステップと、そうでなければ、最適化画素配列構造モデルが得られるまで、初期画素配列構造モデルにおける少なくとも一部の第1の電極の初期図形パラメータ及び初期位置パラメータにおける少なくとも一つを絶えず調整して、異なる照射波長、視野及び物体距離の条件で、最適化画素配列構造モデルの0次回折スポットエネルギーと最適化画素配列構造モデルの光透過エネルギーとの比が85%以上になるようにするステップと、を含む。
【0009】
本願の実施例は、透光表示パネルを提供し、前記透光表示パネルは、アレイ基板と、アレイ基板上に位置する発光層であって、発光層は重複ユニットを含み、重複ユニットにおける各サブ画素の第1の電極はパターン化して配置され、且つパターン化して配置される第1の電極の図形パラメータ及び位置パラメータの組み合わせにより、透光表示パネルの0次回折スポットエネルギーと透光表示パネルの光透過エネルギーとは、
【数1】
の関係式を満たす発光層と、を含み、ここで、Iは、透光表示パネルの0次回折スポットエネルギーであり、Iは、透光表示パネルの光透過エネルギーである。
【0010】
本願の実施例の画素配列最適化方法によれば、初期画素配列構造モデルを構築し、初期画素配列構造モデルにおける少なくとも一部のサブ画素の第1の電極の初期図形パラメータ及び初期位置パラメータにおける少なくとも一つを調整することにより、最適化画素配列構造モデルの0次回折スポットエネルギーと最適化画素配列構造モデルの光透過エネルギーとの比が85%以上になるようにし、0次回折スポットエネルギーの占有率を増加させ、非0次回折スポットエネルギーの占有率を低下させることで、回折現象を減少できる第1の電極の図形パラメータ及び位置パラメータを取得する。
【0011】
本願の実施例の透光表示パネルによれば、透光表示パネルにおける第1の電極の図形パラメータ及び位置パラメータの組み合わせにより、透光表示パネルの0次回折スポットエネルギーと透光表示パネルの光透過エネルギーとの比が85%以上になるようにし、透光表示パネルの0次回折スポットエネルギーの占有率を増加させ、その非0次回折スポットエネルギーの占有率を低下させることができるため、透光表示パネルの回折現象を減少させ、アンダースクリーンで集積された例えばカメラの感光アセンブリの感光品質を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
以下の図面を参照して行われる非限定的な実施例に対する詳細な説明により、本願の他の特徴、目的及び利点はより明らかになり、ここで、同一又は類似の図面の符号は同一又は類似の特徴を示し、図面は実際の比率に応じて描画されていない。
【0013】
図1】本願の一実施例に係る画素配列最適化方法のフローチャートを示す。
図2】本願の一実施例に係る画素配列最適化装置の構造概略図を示す。
図3】本願の一実施例に係る透光表示パネルの構造概略図を示す。
図4図3におけるQ領域の第1例の部分拡大上面概略図を示す。
図5図3におけるQ領域の第2例の部分拡大上面概略図を示す。
図6図3におけるQ領域の第3例の部分拡大上面概略図を示す。
図7図3におけるQ領域の第4例の部分拡大上面概略図を示す。
図8】本願の一実施例に係る表示パネルの上面概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本願の各態様の特徴及び例示的な実施例を詳細に説明し、本願の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下に図面及び具体的な実施例を参照して、本願をさらに詳細に説明する。理解すべきことは、ここで説明される具体的な実施例は本願を解釈するためのものであり、本願を限定するものではない。当業者にとって、本願は、これらの具体的な細部のうちのいくつかの細部を必要とせずに実施することができる。以下、実施例に対する説明は、本願の例を示すことにより本願をよりよく理解するためのものである。
【0015】
例えば、携帯電話及びタブレットコンピュータ等の電子機器において、表示パネルを設置する一側にフロントカメラ、赤外線センサ、近接光センサ等の感光アセンブリを集積する必要がある。いくつかの実施例において、上記電子機器に透光表示領域を設置し、感光アセンブリを透光表示領域の背面に設置することができ、感光アセンブリが正常に動作することを保証する前提で、電子機器のフルスクリーン表示を実現することができる。
【0016】
現在、表示パネルの透光表示領域において、依然として比較的深刻な回折現象が存在し、アンダースクリーン感光アセンブリの感光品質に影響を与える。
【0017】
上記課題を解決するために、本願の実施例は、画素配列最適化方法、画素配列最適化装置、透光表示パネル及び表示パネルを提供する。以下に、図面を参照して、画素配列最適化方法、画素配列最適化装置、透光表示パネル及び表示パネルの各実施例を説明する。
【0018】
図1は、本願の一実施例に係る画素配列最適化方法のフローチャートを示す。図1に示すように、当該画素配列最適化方法は、ステップ10及びステップ20を含む。
【0019】
ステップ10において、初期画素配列構造モデルを構築し、初期画素配列構造モデルにおける各サブ画素の第1の電極は、初期図形パラメータ及び初期位置パラメータを有する。
【0020】
いくつかの実施例において、任意の画素配列構造を選択することができ、当該画素配列構造における各サブ画素の第1の電極の初期図形パラメータ及び初期位置パラメータを設置し、さらに、シミュレーションソフトウェアにおいて初期画素配列構造モデルを構築する。
【0021】
他のいくつかの実施例において、目標透光表示パネルの画素配列構造及び目標透光表示パネルの各サブ画素の第1の電極の図形パラメータ及び位置パラメータを取得することができ、目標透光表示パネルの画素配列構造及び各サブ画素の第1の電極の図形パラメータ及び位置パラメータに応じて、初期画素配列構造モデルを構築する。目標透光表示パネルは、既定のプロセスに応じて製造される実際の透光表示パネルであってもよく、目標透光表示パネルの各第1の電極の図形パラメータ及び位置パラメータをシミュレーションソフトウェアに導入し、シミュレーションソフトウェアを利用して目標透光表示パネルのデジタル化モデルを構築することができるが、シミュレーションソフトウェアは、comsol、fdtd、rsoft等のソフトウェアであってもよい。目標透光表示パネルは、第1の電極を含み、アレイ基板、様々な配線構造、発光構造、第2の電極等をさらに含み、構築された初期画素配列構造モデルは、目標透光表示パネルの各膜層パラメータを含み得る。
【0022】
目標透光表示パネルに対応する初期画素配列構造モデルを構築し、さらに当該初期画素配列構造モデルを利用して目標透光表示パネルに対応する最適化パラメータを取得し、実際に生成された様々なパラメータにおける目標透光表示パネルと比較して最適化パラメータを取得することで、コストを節約し、効率を向上することができる。
【0023】
ステップ20において、初期画素配列構造モデルにおける少なくとも一部の第1の電極の初期図形パラメータ及び初期位置パラメータにおける少なくとも一つを調整して、最適化画素配列構造モデルを取得し、最適化画素配列構造モデルの0次回折スポットエネルギーと最適化画素配列構造モデルの光透過エネルギーとの比は、85%以上である。
【0024】
例示的に、最適化画素配列構造モデルの0次回折スポットエネルギーと最適化画素配列構造モデルの光透過エネルギーとの比が大きいほど、当該最適化画素配列構造を使用する表示パネルの回折効果をより良好に減少し、さらに表示パネルの非光出射側に位置する感光アセンブリの感光品質をよりよく向上させる。
【0025】
いくつかの実施例において、ステップ20は、具体的に、異なる照射波長、視野及び物体距離の条件で、初期画素配列構造モデルの0次回折スポットエネルギーと初期画素配列構造モデルの光透過エネルギーとの比がいずれも85%以上であるか否かを判断するステップと、そうでなければ、最適化画素配列構造モデルが得られるまで、初期画素配列構造モデルにおける少なくとも一部の第1の電極の初期図形パラメータ及び初期位置パラメータにおける少なくとも一つを絶えず調整して、異なる照射波長、視野及び物体距離の条件で、最適化画素配列構造モデルの0次回折スポットエネルギーと最適化画素配列構造モデルの光透過エネルギーとの比が85%以上になるようにするステップと、を含むことができる。
【0026】
照射波長の波長範囲は、400ナノメートル乃至800ナノメートルであってもよい。視野は、アンダースクリーン感光アセンブリの感光視野であり、例えば、カメラの視野である。仮想物体モデルを構築し、且つ当該仮想物体モデルと初期画素配列構造モデルとの様々な距離を設置することができる。光透過エネルギーは、画素配列構造モデルが透過可能な光のエネルギーである。
【0027】
例示的に、先ず、異なる照射波長、視野及び物体距離の条件で、初期画素配列構造モデルの0次回折スポットエネルギーと初期画素配列構造モデルの光透過エネルギーとの比がいずれも85%以上であるか否かを判断し、当該初期画素配列構造モデルが上記条件に合致する場合、当該初期画素配列構造モデルの第1の電極の初期図形パラメータ及び初期位置パラメータが最適化パラメータであり、当該初期画素配列構造モデルが上記条件に合致しない場合、最適化画素配列構造モデルが得られるまで、第1の電極の初期図形パラメータ及び初期位置パラメータの少なくとも一つを絶えず調整し、且つ毎回調整後の画素配列構造モデルが上記条件に合致するか否かを判断する。
【0028】
本願の実施例によれば、最終的に得られる最適化画素配列構造モデルは、異なる照射波長、視野及び物体距離の条件で、その0次回折スポットエネルギーと光透過エネルギーとの比が85%以上であるため、様々な条件でいずれも回折現象を減少できる第1の電極の図形パラメータ及び位置パラメータを取得する。
【0029】
いくつかの実施例において、ステップ20の後、当該方法は、さらに、最適化画素配列構造モデルの各第1の電極に対応する図形パラメータ及び位置パラメータに応じて、目標透光表示パネルにおける対応する第1の電極の図形パラメータ及び位置パラメータを設置するステップを含む。
【0030】
最適化された第1の電極の図形パラメータ及び位置パラメータを取得した後、最適化された第1の電極の図形パラメータ及び位置パラメータに応じて、実際の目標透光表示パネルを製造することにより、目標透光表示パネルの0次回折スポットエネルギーと光透過エネルギーとの比を85%以上にして、目標透光表示パネルの0次回折スポットエネルギーの占有率を増加させ、目標透光表示パネルの非0次回折スポットエネルギーの占有率を減少させることができるため、目標透光表示パネルの回折現象を減少させ、目標透光表示パネルの非光出射側に集積される感光アセンブリの感光品質を向上することができる。
【0031】
上記実施例において、初期図形パラメータは、第1の電極の形状パラメータ及び寸法パラメータであってもよく、初期位置パラメータは、第1の電極の座標パラメータ又は第1の電極間の相対位置パラメータであってもよい。
【0032】
また、出願人は、表示パネルにおいて周期的に配列される陽極が透光領域の回折に対する影響が比較的大きく、各サブ画素に対応する陽極の形状、大きさ及び配列を調整することにより、非0次回折スポットエネルギーを減少させ、0次回折スポットエネルギーを向上することができるため、エネルギーを幾何学的像点により多く集中させ、回折効果を減少させ、アンダースクリーンカメラのイメージング品質を向上できることを見出した。したがって、上記実施例において、第1の電極は、陽極であってもよい。
【0033】
上記のように、本願の実施例の画素配列最適化方法によれば、初期画素配列構造モデルを構築し、初期画素配列構造モデルにおける少なくとも一部のサブ画素の第1の電極の初期図形パラメータ及び初期位置パラメータにおける少なくとも一つを調整することにより、最適化画素配列構造モデルの0次回折スポットエネルギーと最適化画素配列構造モデルの光透過エネルギーとの比を85%以上にして、0次回折スポットエネルギーの占有率を増加させ、非0次回折スポットエネルギーの占有率を低下させることで、回折現象を減少できる第1の電極の図形パラメータ及び位置パラメータを取得する。
【0034】
図2は、本願の一実施例に係る画素配列最適化装置の構造概略図を示す。図2に示すように、本願の実施例により提供される画素配列最適化装置は、初期画素配列構造モデルを構築するモデル構築モジュール201であって、初期画素配列構造モデルにおける各サブ画素の第1の電極が共に初期第1の電極マトリックスを形成し、各第1の電極が初期図形パラメータ及び初期位置パラメータを有するモデル構築モジュール201と、初期画素配列構造モデルにおける少なくとも一部の第1の電極の初期図形パラメータ及び初期位置パラメータにおける少なくとも一つを調整して、最適化画素配列構造モデルを取得するパラメータ調整モジュール202であって、最適化画素配列構造モデルの0次回折スポットエネルギーと最適化画素配列構造モデルの光透過エネルギーとの比が85%以上であるパラメータ調整モジュール202と、を含む。
【0035】
いくつかの実施例において、当該画素配列最適化構造は、パラメータ設置モジュールをさらに含み、パラメータ設置モジュールは、最適化画素配列構造モデルの各第1の電極に対応する図形パラメータ及び位置パラメータに応じて、目標透光表示パネルにおける対応する第1の電極の図形パラメータ及び位置パラメータを設置する。
【0036】
いくつかの実施例において、モデル構築モジュール201は、具体的に、目標透光表示パネルの画素配列構造及び目標透光表示パネルの各サブ画素の第1の電極の図形パラメータ及び位置パラメータを取得し、目標透光表示パネルの画素配列構造及び各サブ画素の第1の電極の図形パラメータ及び位置パラメータに応じて、初期画素配列構造モデルを構築するために用いられる。
【0037】
いくつかの実施例において、パラメータ調整モジュール202は、具体的に、異なる照射波長、視野及び物体距離の条件で、初期画素配列構造モデルの0次回折スポットエネルギーと初期画素配列構造モデルの光透過エネルギーとの比がいずれも85%以上であるか否かを判断し、そうでなければ、最適化画素配列構造モデルが得られるまで、初期画素配列構造モデルにおける少なくとも一部の第1の電極の初期図形パラメータ及び初期位置パラメータにおける少なくとも一つを絶えず調整して、異なる照射波長、視野及び物体距離の条件で、最適化画素配列構造モデルの0次回折スポットエネルギーと最適化画素配列構造モデルの光透過エネルギーとの比が85%以上になるようにするために用いられる。
【0038】
本願の実施例の画素配列最適化装置によれば、初期画素配列構造モデルを構築し、初期画素配列構造モデルにおける少なくとも一部のサブ画素の第1の電極の初期図形パラメータ及び初期位置パラメータにおける少なくとも一つを調整することにより、最適化画素配列構造モデルの0次回折スポットエネルギーと最適化画素配列構造モデルの光透過エネルギーとの比を85%以上にして、0次回折スポットエネルギーの占有率を増加させ、非0次回折スポットエネルギーの占有率を低下させることで、回折現象を減少できる第1の電極の図形パラメータ及び位置パラメータを取得する。
【0039】
図3は、本願の一実施例に係る透光表示パネルの構造概略図を示し、図4乃至図7は、図3におけるQ領域の四種類の例の局部放大図を示す。第1の電極の構造を明確に示すために、図4乃至図7は、透光表示パネル100の他の構造を隠して図示する。
【0040】
図3及び図4乃至図7に示すように、透光表示パネル100は、アレイ基板30及び発光層40を含む。発光層40は、アレイ基板30上に位置する。発光層40は、重複ユニット410を含み、重複ユニット410における各サブ画素の第1の電極は、パターン化して配列され、且つパターン化して配列される第1の電極の図形パラメータ及び位置パラメータの組み合わせにより、透光表示パネル100の0次回折スポットエネルギーと透光表示パネルの光透過エネルギーとは関係式(1)を満たす。
【数2】
上記式(1)において、Iは、透光表示パネルの0次回折スポットエネルギーであり、Iは、透光表示パネルの光透過エネルギーである。
【0041】
当該透光表示パネル100は、有机発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode、OLED)表示パネルであってもよい。
【0042】
いくつかの実施例において、アレイ基板30は、画素回路、配線構造等を含んでもよく、透光表示パネル100の透光率を向上させるために、アレイ基板30における画素回路は、できるだけ各サブ画素の真下に設置することができ、配線構造は湾曲して配置されることで、サブ画素間の領域をできるだけ少なく占用することができる。サブ画素の発光材料は、透光率の低い陽極に蒸着され、サブ画素の陰極は、全面が材料で蒸着される。さらに、出願人は、表示パネルにおいて周期的に配列される陽極の透光領域に対する回折の影響が比較的大きく、各サブ画素に対応する陽極の形状、大きさ及び配列を調整することにより、非0次回折スポットエネルギーを減少させ、0次回折スポットエネルギーを向上することができるため、エネルギーを幾何学的像点により多く集中させ、回折効果を減少させ、アンダースクリーンカメラのイメージング品質を向上できることを見出した。したがって、第1の電極は、サブ画素の陽極であってもよい。
【0043】
例示的に、当該透光表示パネルにおける各第1の電極の図形パラメータ及び位置パラメータは、上記画素配列最適化方法により得られる最適化パラメータであってもよい。
【0044】
本願の実施例の透光表示パネルによれば、透光表示パネルにおける第1の電極の図形パラメータ及び位置パラメータの組み合わせにより、透光表示パネルの0次回折スポットエネルギーと透光表示パネルの光透過エネルギーとの比を85%以上にして、透光表示パネルの0次回折スポットエネルギーの占有率を増加させ、その非0次回折スポットエネルギーの占有率を低下させることで、透光表示パネルの回折現象を減少させ、アンダースクリーンで集積された例えばカメラの感光アセンブリの感光品質を向上することができる。
【0045】
いくつかの実施例において、各色のサブ画素は、順次に積層される第1の電極、発光構造及び第2の電極を含む。第1の電極、第2の電極のうちの一つが陽極であり、他の一つが陰極である。本実施例において、第1の電極が陽極であり、第2の電極が陰極であることを例として説明する。
【0046】
発光構造は、OLED発光層を含むことができ、発光構造の設計需要に応じて、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層又は電子輸送層のうちの少なくとも1種類をさらに含んでもよい。
【0047】
いくつかの実施例において、第1の電極は、酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide、ITO)層又は酸化インジウム亜鉛層を含む。いくつかの実施例において、第1の電極は、反射電極であって、第1の透光導電層、第1の透光導電層に位置する反射層、及び反射層に位置する第2の透光導電層を含む。ここで、第1の透光導電層、第2の透光導電層は、ITO、酸化インジウム亜鉛等であってもよく、反射層は、金属層であってもよく、例えば銀材質で製造される。
【0048】
いくつかの実施例において、第2の電極は、マグネシウム銀合金層を含む。いくつかの実施例において、第2の電極は、互いに接続されて共通電極を形成してもよい。
【0049】
いくつかの実施例において、図4を続いて参照すると、重複ユニット410は、第1の方向Xに沿って分布される第1の画素群01及び第2の画素群02を含み、第1の画素群01は、第2の方向Yにおいて分布される第1色のサブ画素、第2色のサブ画素、第3色のサブ画素を含み、第2の画素群02は、第2の方向において分布される第3色のサブ画素、第1色のサブ画素、第2色のサブ画素を含み、第1の方向Xと第2の方向Yとは交差する。ここで、第1色のサブ画素及び第3色のサブ画素の第1の電極411,413のアレイ基板における正投影は円形であり、第2色のサブ画素の第1の電極412のアレイ基板における正投影は楕円形である。さらに、第1色のサブ画素の第1の電極411の直径の範囲は、5μm~25μmであり、第3色のサブ画素の第1の電極413の直径の範囲は、8μm~30μmであり、第2色のサブ画素の第1の電極412的長軸の範囲は、10μm~30μmで、短軸の範囲は、8μm~20μmである。
【0050】
例示的に、最適化される前に、オリジナル透光表示パネルの3色のサブ画素の第1の電極のアレイ基板における正投影はいずれも楕円形であり、この際に透光表示パネルの非0次回折スポットエネルギーの占有率が比較的高く、明らかな回折現象が存在し、本願は、オリジナル透光表示パネルの第1の電極に対して最適化設置を行い、一部の色のサブ画素の第1の電極の形状及び寸法を調整し、第1の電極の周期的構造をさらに乱し、これにより透光表示パネルの0次回折スポットエネルギーの占有率を向上させ、透光表示パネルの回折現象を減少させる。
【0051】
いくつかの実施例において、先ず各重複ユニット410の中心点Oの座標を設置することができ、さらに、第1の画素群01における第1色のサブ画素の第1の電極411と重複ユニット410の中心点Oとの第1の方向Xにおける距離の範囲は、10μm~30μmで、第2の方向Yにおける距離の範囲は、45μm~65μmであり、第1の画素群01における第2色のサブ画素の第1の電極411の中心点と重複ユニット410の中心点Oとの第1の方向Xにおける距離の範囲は、25μm~40μmで、第2の方向Yにおける距離の範囲は、20μm~40μmであり、第1の画素群01における第3色のサブ画素の第1の電極413の中心点と重複ユニット410の中心点Oとの第1の方向Xにおける距離の範囲は、10μm~30μmで、第2の方向Yにおける距離の範囲は、15μm~30μmである。
【0052】
及び/又は、第2の画素群02における第1色のサブ画素の第1の電極411と重複ユニット410の中心点Oとの第1の方向Xにおける距離の範囲は、10μm~25μmで、第2の方向Yにおける距離の範囲は、0μm~20μmであり、第2の画素群02における第2色のサブ画素の第1の電極412の中心点と重複ユニット410の中心点Oとの第1の方向Xにおける距離の範囲は、25μm~40μmで、第2の方向Yにおける距離の範囲は、30μm~50μmであり、第2の画素群02における第3色のサブ画素の第1の電極413の中心点と重複ユニット410の中心点Oとの第1の方向Xにおける距離の範囲は、25μm~40μmで、第2の方向Yにおける距離の範囲は、40μm~55μmである。
【0053】
このような設置により、第1の電極の周期的構造をさらに乱すことにより、透光表示パネルの0次回折スポットエネルギーの占有率を向上させ、透光表示パネルの回折現象を減少させる。
【0054】
いくつかの実施例において、図5を参照すると、重複ユニット410は、第2の方向Yに沿って分布される2個の画素群を含み、当該2個の画素群は、それぞれ、第1の画素群01及び第2の画素群02である。各画素群は、1個の第1色のサブ画素、1個の第2色のサブ画素及び1個の第3色のサブ画素を含み、各画素群における3個のサブ画素の第1の電極の中心点間の連結線は三角形を形成し、1個の画素群が第1の方向Xに沿って180度反転した後の配列構造と重複ユニット410における他の1個の画素群の配列構造とは同じであり、第1の方向Xと第2の方向Yとは交差する。ここで、各サブ画素の第1の電極411,412,413のアレイ基板における正投影はいずれも円形であり、さらに、第1色のサブ画素の第1の電極411の直径の範囲は、5μm~25μmであり、第2色のサブ画素の第1の電極412の直径の範囲は、10μm~30μmであり、第3色のサブ画素の第1の電極413の直径の範囲は、10μm~30μmである。
【0055】
及び/又は、各画素群における3色のサブ画素の第1の電極411,412,413の中心点間の距離は、15μm~50μmであり、及び/又は、各画素群における3色のサブ画素の第1の電極411,412,413の中心点間の連結線は、二等辺三角形又は正三角形を構成する。
【0056】
例示的に、最適化される前に、オリジナル透光表示パネルの3色のサブ画素の第1の電極のアレイ基板における正投影はいずれも菱形であり、この際に透光表示パネルの非0次回折スポットエネルギーの占有率は比較的高く、明らかな回折現象が存在し、本願は、オリジナル透光表示パネルの第1の電極に対して最適化設置を行い、第1の電極の形状及び寸法を調整し、第1の電極の周期的構造をさらに乱し、これにより、透光表示パネルの0次回折スポットエネルギーの占有率を向上させ、透光表示パネルの回折現象を減少させる。
【0057】
またいくつかの実施例において、図6を参照すると、重複ユニット410は、第2の方向Yに沿って分布される2個の画素群を含み、当該2個の画素群は、それぞれ、第1の画素群01及び第2の画素群02である。各画素群は、1個の第1色のサブ画素、1個の第2色のサブ画素及び1個の第3色のサブ画素を含み、各画素群における3個のサブ画素の第1の電極411,412,413の中心点間の連結線は三角形を形成し、1個の画素群が第1の方向Xに沿って180度反転した後の配列構造と重複ユニット410における他の1個の画素群の配列構造とは同じであり、第1の方向Xと第2の方向Yとは交差する。第1色のサブ画素及び第3色のサブ画素の第1の電極411,413のアレイ基板における正投影は円形であり、第2色のサブ画素の第1の電極412のアレイ基板における正投影は八角形であり、且つ八角形の四辺の仮想延長線は矩形を構成する。
【0058】
さらに、第1色のサブ画素の第1の電極411の直径の範囲は、5μm~25μmであり、第3色のサブ画素の第1の電極413の直径の範囲は、10μm~30μmであり、第2色のサブ画素の第1の電極412に対応する矩形の長辺の範囲は、10μm~30μmで、短辺の範囲は、5μm~25μmである。及び/又は、2個の第1色のサブ画素の第1の電極411の中心点間の距離は、30μm~90μmであり、2個の第2色のサブ画素の第1の電極412の中心点間の距離は、25μm~60μmであり、2個の第3色のサブ画素の第1の電極413の中心点間の距離は、25μm~60μmであり、及び/又は、2個の第1色のサブ画素の第1の電極411の中心点と2個の第3色のサブ画素の第1の電極413の中心点との連結線は、平行四辺形を構成する。
【0059】
例示的に、最適化される前に、オリジナル透光表示パネルの第1色のサブ画素の第1の電極のアレイ基板における正投影は菱形であり、第2色のサブ画素及び第3色のサブ画素の第1の電極のアレイ基板における正投影はいずれも八角形であり、この際に透光表示パネルの非0次回折スポットエネルギーの占有率が比較的高く、明らかな回折現象が存在し、本願は、オリジナル透光表示パネルの第1の電極に対して最適化設置を行い、一部の色のサブ画素の第1の電極の形状及び寸法を調整し、第1の電極の周期的構造をさらに乱し、これにより、透光表示パネルの0次回折スポットエネルギーの占有率を向上させ、透光表示パネルの回折現象を減少させる。
【0060】
いくつかの実施例において、図7を参照すると、重複ユニット410は、第2の方向Yに沿って分布される第1の画素群01及び第2の画素群02を含み、第1の画素群01は、第1の方向Xにおいて分布される1個の第1色のサブ画素、2個の第2色のサブ画素及び1個の第3色のサブ画素を含み、第2の画素群02は、第1の方向Xにおいて分布される1個の第3色のサブ画素、1個の第1色のサブ画素及び2個の第2色のサブ画素を含み、且つ第1の画素群01及び第2の画素群02における2個の第2色のサブ画素は第2の方向Yに沿って分布され、第1の方向Xと第2の方向Yとは交差する。ここで、各色のサブ画素の第1の電極411,412,413のアレイ基板における正投影はいずれも円形である。
【0061】
さらに、第1色のサブ画素の第1の電極411の直径の範囲は、5μm~30μmであり、第2色のサブ画素の第1の電極412の直径の範囲は、5μm~30μmであり、第3色のサブ画素の第1の電極413の直径の範囲は、10μm~40μmであり、及び/又は、2個の第1色のサブ画素の第1の電極411の中心点間の距離は、50μm~250μmであり、各画素群における2個の第2色のサブ画素の第1の電極412の中心点間の距離は、10μm~30μmであり、2個の第3色のサブ画素の第1の電極413の中心点間の距離は、10μm~60μmであり、及び/又は、重複ユニット410全体は平行四辺形を構成する。
【0062】
例示的に、最適化される前に、オリジナル透光表示パネルの第1色のサブ画素及び第3色のサブ画素の第1の電極のアレイ基板における正投影はいずれも六角形であり、第2色のサブ画素の第1の電極のアレイ基板における正投影はいずれも五角形であり、この際に、透光表示パネルの非0次回折スポットエネルギーの占有率が比較的高く、明らかな回折現象が存在し、本願は、オリジナル透光表示パネルの第1の電極に対して最適化設置を行い、各サブ画素の第1の電極の形状及び寸法を調整し、第1の電極の周期的構造をさらに乱し、これにより、透光表示パネルの0次回折スポットエネルギーの占有率を向上させ、透光表示パネルの回折現象を減少させる。
【0063】
さらに、図7に示すように、重複ユニット410の分布密度をより大きく設置して、透光表示パネルの回折現象を減少させることができる。
【0064】
上記の例において、第1色のサブ画素は赤色サブ画素であってもよく、第2色のサブ画素は緑色サブ画素であってもよく、第3色のサブ画素は青色サブ画素であってもよい。
【0065】
図8は、本願の一実施例に係る表示パネルの上面概略図を示す。図8に示すように、表示パネル200は、第1の表示領域AA1と、第2の表示領域AA2と、第1の表示領域AA1及び第2の表示領域AA2を囲む非表示領域NAとを有し、第1の表示領域AA1の透光率は、第2の表示領域AA2の透光率より大きい。
【0066】
本明細書において、第1の表示領域AA1の透光率は、15%以上であることが好ましい。第1の表示領域AA1の透光率が15%より大きく、さらに40%より大きく、さらにより高い透光率を有することを確保するために、本実施例における表示パネル100の少なくとも一部の機能膜層の透光率は80%より大きく、さらに少なくとも一部の機能膜層の透光率は85%より大きい。
【0067】
表示パネル200は、対向する第1の表面及び第2の表面を含み、ここで、第1の表面は、表示面である。感光アセンブリは、表示パネル200の第2の表面側に設置されてもよく、且つ感光アセンブリは第1の表示領域AA1と位置が対応する。
【0068】
感光アセンブリは、画像収集装置であってもよく、外部画像情報を収集するために用いられる。本実施例において、感光アセンブリは、相補型金属酸化物半導体(Complementary Metal Oxide Semiconductor、CMOS)画像収集装置である。他のいくつかの実施例において、感光アセンブリは、電荷結合素子(Charge-coupled Device,CCD)画像収集装置等の他の形式の画像収集装置であってもよい。理解すべきことは、感光アセンブリは、画像収集装置に限定されず、例えばいくつかの実施例において、感光アセンブリは、赤外線センサ、近接センサ、赤外線レンズ、投光器(Flood illuminator)、周辺光センサ及びドットマトリクス投影器等の光センサであってもよい。なお、表示パネル200の第2の表面にさらに他の部材、例えば受話器、スピーカ等を集積することもできる。
【0069】
本願の実施例の表示装置によれば、第1の表示領域AA1の透光率を第2の表示領域AA2の透光率より大きくすることにより、表示パネル200は第1の表示領域AA1の背面に感光アセンブリを集積することができ、例えば画像収集装置のような感光アセンブリのアンダースクリーン集積を実現することができると同時に、第1の表示領域AA1が画面を表示することができるため、表示パネル200の表示面積を向上させ、表示装置のフルスクリーン設計を実現することができる。
【0070】
第1の表示領域AA1における第1の電極の図形パラメータ及び位置パラメータの組み合わせにより、表示パネルの0次回折スポットエネルギーと表示パネルの光透過エネルギーとの比を85%以上にして、表示パネルの0次回折スポットエネルギーの占有率を増加させ、その非0次回折スポットエネルギーの占有率を低下させることで、透光表示領域の回折現象を減少させ、アンダースクリーンで集積された例えばカメラの感光アセンブリの感光品質を向上することができる。
【0071】
例示的に、表示パネル200はさらに封止層と封止層の上方に位置する偏光板及び蓋板とを含んでもよいし、偏光板を設置せずに、封止層の上方に直接蓋板を設置してもよい。或いは、少なくとも第1の表示領域AA1の封止層の上方に、偏光板を設置せずに、直接蓋板を設置することで、偏光板が第1の表示領域AA1の下方に対応して設置される感光素子の光線の収集量に影響を及ぼすことを回避することができる。当然のことながら、第1の表示領域AA1の封止層の上方に偏光板が設置されてもよい。
【0072】
本願の上記実施例は全ての細部を詳述するものではなく、本願の範囲を限定するものでもない。当然のことながら、上記の説明によれば、当業者は多くの修正及び変更を行うことができる。本明細書がこれらの実施例を具体的に説明したことは、本願の原理及び実際の応用をよりよく説明するためであり、当業者であれば、本願及び本願を基にする修正使用をよく利用することができる。本願の範囲は、添付した特許請求の範囲によってのみに限定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8