(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】ケラチン繊維を処理するための少なくとも3種のアルカリ剤を含むアルカリ組成物、方法及び使用
(51)【国際特許分類】
A61K 8/44 20060101AFI20240119BHJP
A61K 8/25 20060101ALI20240119BHJP
A61K 8/41 20060101ALI20240119BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20240119BHJP
A61Q 5/10 20060101ALI20240119BHJP
A61Q 5/00 20060101ALI20240119BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20240119BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20240119BHJP
【FI】
A61K8/44
A61K8/25
A61K8/41
A61K8/81
A61Q5/10
A61Q5/00
A61K8/73
A61K8/86
(21)【出願番号】P 2022523493
(86)(22)【出願日】2020-10-27
(86)【国際出願番号】 EP2020080193
(87)【国際公開番号】W WO2021083902
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-04-20
(32)【優先日】2019-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック・ゲラン
(72)【発明者】
【氏名】ジェラルディーヌ・ロジャン
(72)【発明者】
【氏名】アルノー・ユシェ
【審査官】相田 元
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0153780(US,A1)
【文献】特開2010-077084(JP,A)
【文献】特開2002-370948(JP,A)
【文献】特開平02-209853(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって:
a)前記組成物の総質量に対して、0.1質量%以上の含有量にあるアルギニン;
b)シリケートから選択される少なくとも1種のアルカリ剤;
c)少なくとも1種のアルカノールアミン;及び
e)非会合性セルロースポリマー、アニオン性会合性ポリマー、非イオン性会合性ポリマー、及びこれらの混合物から選択される、少なくとも1種の増粘剤、
を含む組成物。
【請求項2】
前記アルギニン含有量は、前記組成物の前記総質量に対して、0.5質量%~25質量%の間
であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記シリケートは
、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属のメタシリケートか
ら選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
アルカリ剤b)の総含有量は、前記組成物の前記総質量に対して、0.01質量%~15質量%の間
であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記アルカノールアミンc)は、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N,N-ジメチルアミンエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、トリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、3-アミノ-1,2-プロパンジオール、3-ジメチルアミノ-1,2プロパンジオール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、及びこれらの混合物
から選択されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記アルカノールアミンc)の総含有量は、前記組成物の前記総質量に対して、0.01質量%~25質量%の間
であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
アンモニア水(アンモニウムヒドロキシド)、アンモニア水を生成する化合物、
及び、これらの混合物から選択される少なくとも1種の
追加のアルカリ剤d)
を含むことを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
アンモニア水を生成する前記化合物は、アンモニウム塩
から選択されることを特徴とする、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
a)アルギニン、b)
アルカリ剤、c)
アルカノールアミンの総含有量は、前記組成物の前記総質量に対して、0.5質量%~30質量%の間
であることを特徴とする、請求項1~
6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
a)アルギニン、b)アルカリ剤、c)アルカノールアミン及びd)追加のアルカリ剤の総含有量は、前記組成物の前記総質量に対して、0.5質量%~30質量%の間であることを特徴とする、請求項7又は8に記載の組成物。
【請求項11】
ポリオキシエチレン化C8~C30脂肪アルコール、ポリオキシエチレン化C8~C30脂肪酸エステル、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1種の非イオン界面活性剤を追加して含むことを特徴とする、請求項1~
10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
液体C8~C30脂肪アルコール、固体C8~C30脂肪アルコール、及びこれらの混合物から選択される、少なくとも1種の脂肪物質を追加して含むことを特徴とする、請求項1~
11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記増粘剤は、(i)非イオン性セルロースエーテル、(ii)これらのモノマーの中でも、α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸及びα,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸とオキシアルキレン化脂肪アルコールとのエステルを含むコポリマー、(iii)少なくとも1つの脂肪鎖
を含む基によって修飾されたセルロース
、及び(iv)これらの混合物
から選択されることを特徴とする、請求項1~
12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
ケラチン繊維
を処理するための方法であって、少なくとも1種の請求項1~
13のいずれか一項に記載の組成物の前記ケラチン繊維への適用を含む方法。
【請求項15】
ケラチン繊維を酸化染色及び/又は脱色するための方法であって、請求項1~12に規定した少なくとも1種の組成物と、1種以上の酸化染料を含有する少なくとも1種の染色組成物及び/又は1種以上の化学的酸化剤を含有する少なくとも1種の酸化組成物を即時に混合する工程の結果として生じる組成物(M)の前記ケラチン繊維への適用を含むことを特徴とする、請求項
14に記載の方法。
【請求項16】
ケラチン繊維の染色
又は脱色のための、請求項1~
13のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルギニン、少なくとも1種のシリケート、少なくとも1種のアルカノールアミン、及び任意選択的にアンモニア水及び/又はアンモニア水を生成する少なくとも1種の化合物を含む組成物に関する。
【0002】
本発明は更に、ケラチン繊維、特に毛髪等のヒトのケラチン繊維を処理するための方法であって、本発明による少なくとも1種の組成物の適用を含む方法;及び更に前記ケラチン繊維を処理するための、及び特に前記ケラチン繊維を酸化染色及び/又は脱色するための本発明による組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
地毛の色を変更するために、毛髪を酸化染色する方法を使用することは知られている。これらの方法は、一般に、ケラチン繊維に酸化剤の存在下で酸化染料を含む毛髪用組成物を適用することから成る。
【0004】
毛髪を染色するためのプロセスを加速するためには、このプロセスは、一般にアルカリ剤の存在下で実施され、これらの組成物は一般に、アンモニア水及び任意選択的に単独のアルカリ剤としてのアルカノールアミンを含んでいた。
【0005】
このような組成物は、ケラチン繊維を脱色するためにも使用することができる。
【0006】
しかしながら、これらのアルカリ組成物は、一般に、使用者にとって不快である強力な悪臭を放出する、高含有量のアンモニア水を含む。これらの組成物は、更にケラチン繊維の品質及び/又は完全性に有害に影響を及ぼし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、良好な水準の有効性を維持しながら、特にこれらがケラチン繊維を染色又は脱色するための方法において使用される場合のケラチン繊維における有害な変化を最小限に抑えるために、使用中の不快な悪臭を低減させることを可能にする組成物を開発する真の必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、特に主題として:
a)組成物の全質量に対して、0.1質量%以上の含有量にあるアルギニン;
b)シリケートから選択される少なくとも1種のアルカリ剤;
c)少なくとも1種のアルカノールアミン;及び
e)非会合性セルロースポリマー、アニオン性会合性ポリマー、非イオン性会合性ポリマー、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1種の増粘剤、を含む組成物を有する本発明によって達成される。
【0009】
特にケラチン繊維を染色(若しくは脱色)するための方法中のこの組成物の使用は、色の濃いカラーリングを得ることを可能にしながら、使用者にとって不快である強力な悪臭を生成しなかったことが発見された。
【0010】
更にその上、ケラチン繊維は、処理後に優れた完全性を示した。
【0011】
本発明の他の主題、特性、態様及び利点は、以下の説明及び実施例を読むことにより、更により明確になるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書においては、特段の指定がない限り:
- 表現「少なくとも1つの」は、表現「1つ以上の」と同等であり、後者の表現については;表現「~と~との間」は、表現「~の~範囲に及ぶ」と同等であり、後者の表現の代わりとなり得、境界が含まれることを含意し、
- 本出願による用語「ケラチン繊維」は、好ましくは、ヒトケラチン繊維、より特別には毛髪を意味し、
- 本出願による用語「脂肪アルコール」及び「脂肪酸」は、少なくとも8個の炭素原子を含む、それぞれ飽和若しくは不飽和の直鎖状若しくは分枝状アルコール及び酸を意味し、
- 本発明の意味の範囲内の用語「ポリオキシアルキレン化化合物」は、数個のオキシエチレン基及び/又はオキシプロピレン基及び/又はグリセロール基を含む化合物を意味すると理解され;この用語は、好ましくは、エチレンオキシド基及び/又はプロピレンオキシド基の数が1~100の範囲に及び、グリセロール基の数については2~30個の範囲に及ぶことがあり得、
- 用語「非ポリオキシアルキレン化化合物」は、数個のオキシエチレン基及び/又はオキシプロピレン基及び/又はグリセロール基を含まない化合物を意味する、と理解されている。
【0013】
アルカリ剤
本発明による組成物は、a)アルギニン;b)シリケートから選択される少なくとも1種のアルカリ剤;c)少なくとも1種のアルカノールアミン;及び任意選択的にd)アンモニア水、アンモニア水を生成する化合物、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1種のアルカリ剤を含む。
【0014】
本発明の意味の中には、アルギニンの全ての塩、光学異性体、互変異性形態及び溶媒和物は、本発明のために好適である。
【0015】
本組成物中に存在するアルギニンの含有量は、組成物の全質量に対して、0.1質量%以上であり、好ましくは、アルギニンの含有量は、組成物の全質量に対して、0.5質量%~25質量%の間、より優先的には0.5質量%~15質量%の間、更に一層優先的には0.6質量%~10質量%の間、より一層良好には0.8質量%~5質量%の間である。
【0016】
本発明による組成物は、追加して、シリケートから選択された少なくとも1種のアルカリ剤b)を含む。
【0017】
好ましくは、シリケートは、ケイ酸の塩、これらの誘導体、及びこれらの混合物から選択される。
【0018】
特に、シリケートは、メタケイ酸の塩、これらの誘導体、及びこれらの混合物から選択される。
【0019】
より優先的には、シリケートは、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属のシリケートから、特にアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属のメタシリケートから、より一層優先的にはナトリウムメタシリケート、リチウムメタシリケート、マグネシウムメタシリケート、カルシウムメタシリケート、カリウムメタシリケート、及びこれらの混合物から選択される。
【0020】
本発明の好ましい実施形態によると、本発明による組成物は、ナトリウムメタシリケートを含む。
【0021】
好ましくは、本発明による組成物中に存在するアルカリ剤b)の総含有量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%~15質量%の間、より優先的には、0.05質量%~10質量%の間、より一層優先的には0.1質量%~8質量%の間、一層実際に0.5質量%~5質量%の間でさえもある。
【0022】
本発明による組成物は、追加して少なくとも1種のアルカノールアミンc)を含む。
【0023】
用語「アルカノールアミン」は、本発明の意味の範囲内で、第1級、第2級又は第3級アミン官能基と、1つ以上のヒドロキシル基を有する1つ以上の直鎖状若しくは分枝状のC1~C8アルキル基とを含む有機アミンを意味すると理解されている。
【0024】
1~3個の同一の又は異なるC1~C4ヒドロキシアルキル基を含むアルカノールアミン、例えばモノアルカノールアミン、ジアルカノールアミン又はトリアルカノールアミンは、本発明を実行するために特に好適である。
【0025】
アルカノールアミンの中でも、モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、トリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、3-アミノ-1,2-プロパンジオール、3-ジメチルアミノ-1,2-プロパンジオール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0026】
好ましくは、本発明による組成物は、モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、トリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、3-アミノ-1,2-プロパンジオール、3-ジメチルアミノ-1,2-プロパンジオール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1種のアルカノールアミンc)を含む。
【0027】
極めて特に好ましくは、本発明による組成物は、アルカノールアミンc)としてモノエタノールアミンを含む。
【0028】
好ましくは、本発明による組成物は、組成物の総質量に対して、0.01質量%~25質量%の範囲、特に0.1質量%~20%質量%の範囲、より一層良好には0.5質量%~15質量%さえ、優先的には1質量%~10%質量%の範囲に及ぶ総含有量でアルカノールアミンc)を含む。
【0029】
本発明による組成物は、追加して、アンモニア水(若しくはアンモニウムヒドロキシド)、アンモニア水を生成する化合物、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1種のアルカリ剤d)を含み得る。
【0030】
本発明の意味の中では、用語「アンモニア水を生成する化合物」は、水性媒体中でアンモニア水を形成することのできる1種以上の化合物を意味すると理解されている。
【0031】
好ましくは、アンモニア水を生成する化合物は、アンモニウム塩から、より優先的には、アンモニウムクロリド、アンモニウムブロミド、アンモニウムヨージド、アンモニウムスルフェート、アンモニウムカーボネート、及びこれらの混合物から選択される。
【0032】
より一層優先的には、アンモニア水を生成する化合物は、アンモニウムクロリドである。
【0033】
好ましくは、アルカリ剤d)は、アンモニア水(アンモニウムヒドロキシド)である。
【0034】
本発明による組成物が少なくとも1種のアルカリ剤d)を含む場合、好ましくは組成物中に存在するアルカリ剤の総含有量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%~15質量%の間、より優先的には、0.05質量%~10質量%の間、より一層優先的には0.1質量%~8質量%の間、実際に0.2質量%~5質量%の間でさえある。
【0035】
好ましくは、本発明による組成物は、組成物の総質量に対して、アルカリ剤a)、b)、c)及び任意選択的にd)を0.5質量%~30質量%の間、より優先的には1質量%~25質量%の間及びより一層優先的には3質量%~20質量%の間の総含有量で含む。
【0036】
非イオン性界面活性剤
好ましくは、本発明による組成物は、追加して、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤を含む。
【0037】
例として、非イオン性界面活性剤は、アルコール、α-ジオール及び(C1~20)アルキルフェノールから選択され得、これらの化合物は、(ポリ)エトキシル化及び/又は(ポリ)プロポキシル化及び/又は(ポリ)グリセロール化されており、エチレンオキシド基及び/又はプロピレンオキシド基の数は、1~150の範囲であり得、グリセロール基の数は、2~30の範囲であり得、これらの化合物は、好ましくは、6~40個の炭素原子、特に16~30個の炭素原子を含む少なくとも1つの脂肪鎖を含む。
【0038】
エチレンオキシド及びプロピレンオキシドと脂肪アルコールとの縮合物;好ましくは2~30個のエチレンオキシド単位を有するポリエトキシ化脂肪アミド、平均で1~5個、特に1.5~4個のグリセロール基を含むポリグリセロール化脂肪アミド;好ましくは2~40個のエチレンオキシド単位を有するソルビタンのエトキシ化脂肪酸エステル、スクロースの脂肪酸エステル、2~150モルのエチレンオキシドを有するポリオキシアルキレン化、好ましくはポリオキシエチレン化脂肪酸エステル(オキシエチレン化植物油を含む)、N-(C6~24アルキル)グルカミン誘導体、例えば(C10~14アルキル)アミンオキシド又はN-(C10~14アシル)アミノプロピルモルホリンオキシド等のアミンオキシドもまた挙げることができる。
【0039】
更に、特に、下記の一般式: R1O-(R2O)t-(G)v
(式中、
- R1は、6~24個の炭素原子、特に8~18個の炭素原子を含む直鎖状若しくは分枝状のアルキル若しくはアルケニル基、又はこの直鎖状若しくは分枝状のアルキル基が6~24個の炭素原子、特に8~18個の炭素原子を含むアルキルフェニル基を表し;
- R2は、2~4個の炭素原子を含むアルキレン基を表し、
- Gは、5~6個の炭素原子を含む糖単位を表し;
- tは、0~10、好ましくは0~4の範囲の値を指し、
- vは、1~15、好ましくは1~4の範囲の値を指す)によって表される、アルキル(ポリ)グリコシド型の非イオン性界面活性剤も挙げることができる。
【0040】
好ましくは、アルキル(ポリ)グリコシド界面活性剤は、上に記載した式(式中:
- R1は、8~18個の炭素原子を含む飽和若しくは不飽和の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基を指し、
- R2は、2~4個の炭素原子を含むアルキレン基を表し、
- tは、0~3の範囲の、好ましくは0に等しい値を指し、
- Gは、グルコース、フルクトース若しくはガラクトース、好ましくはグルコースを指し;
- 重合度、即ちvの値は、1~15、好ましくは1~4の範囲にある可能性があり;平均重合度は、より特に、1~2の間である)の化合物である。
【0041】
糖単位間のグルコシド結合は、一般に、1-6型又は1-4型、好ましくは1-4型のグルコシド結合である。好ましくは、アルキル(ポリ)グリコシド界面活性剤は、アルキル(ポリ)グルコシド界面活性剤である。1-4型のC8/C16アルキル(ポリ)グルコシド、特にデシルグルコシド及びカプリリル/カプリルグルコシドが、極めて特に好ましい。
【0042】
市販製品の中でも、Cognis社によってPlantaren(登録商標)(600 CS/U、1200、及び2000)又はPlantacare(登録商標)(818、1200、及び2000)という名称で販売されている製品;SEPPIC社によってOramix CG 110及びOramix(登録商標)NS 10という名称で販売されている製品;BASF社によってLutensol GD 70という名称で販売されている製品、又はChem Y社によってAG10 LKという名称で販売されている製品を挙げることができる。
【0043】
好ましくは、特にCognis社によってPlantacare(登録商標)818 UPの名称の下で販売されている等の、特に53%水溶液としての1-4型のC8/C16アルキル(ポリ)グリコシドが利用される。
【0044】
優先的には、非イオン性界面活性剤は、(C6~24アルキル)(ポリ)グリコシド、より特に、(C8~18アルキル)(ポリ)グリコシド、ソルビタンのポリオキシエチレン化C8~C30脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン化及び/又はポリオキシプロピレン化C8~C30脂肪アルコール又はポリオキシエチレン化C8~C30脂肪酸エステル(これらの化合物は、好ましくは2~150モルのエチレンオキシドを有する)、及びこれらの混合物から選択される。
【0045】
より一層優先的には、非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレン化C8~C30脂肪アルコール又はポリオキシエチレン化C8~C30脂肪酸エステル(これらの化合物は、好ましくは2~150モルのエチレンオキシドを有する)、及びこれらの混合物から選択される。
【0046】
好ましくは、これらが存在する場合、本発明による組成物は、組成物の総質量に対して、0.01質量%~25質量%の範囲、特に0.1質量%~20%質量%の範囲、より一層良好には0.2質量%~15質量%さえ、優先的には0.5質量%~10%質量%の範囲に及ぶ総含有量で前記非イオン界面活性剤を含む。
【0047】
脂肪物質
好ましくは、本発明による組成物は、追加して、少なくとも1種の脂肪物質を含み得る。
【0048】
用語「脂肪物質」は、周囲温度(25℃)及び大気圧(1.013×105Pa)下で水に不溶である、即ち、溶解性が5質量%未満、好ましくは1質量%未満である有機化合物を意味すると理解されている。脂肪物質は、一般に、同一の温度及び圧力条件下で、例えば、クロロホルム、エタノール、ベンゼン、流動ワセリン又はデカメチルシクロペンタシロキサン等の有機溶媒には可溶性である。
【0049】
好ましくは、本発明による組成物の脂肪物質は、非シリコーン脂肪物質である。
【0050】
用語「非シリコーン脂肪物質」は、この構造がケイ素原子を含まない、従って特にシロキサン基を含んでいない脂肪物質を意味すると理解されている。脂肪物質は、一般に、これらの構造内に、少なくとも6個の炭素原子を含む炭化水素鎖を示す。
【0051】
本発明による組成物の脂肪物質は、ポリオキシアルキレン化されていない。
【0052】
本発明によって使用できる脂肪物質は、周囲温度(25℃)及び大気圧で液体又は非液体であり得る。
【0053】
本発明において使用できる液体脂肪物質は、Rheomat RM180(一般にはスピンドル1又は2を備える)を用いて温度25℃及び剪断速度1s-1で測定して、好ましくは、2Pa.s以下、より一層良好には1Pa.s以下、更により一層良好には0.1Pa.s以下さえの粘度を示す。
【0054】
本発明によって使用できる液体脂肪物質は、特に、液体炭化水素、液体脂肪アルコール、液体脂肪酸及びこれらの化合物の混合物から選択され得る。
【0055】
用語「液体炭化水素」は、常温(25℃)及び大気圧(760mmHg、即ち1.013×105Pa)下において液体である、炭素原子及び水素原子のみから構成される炭化水素を意味すると理解されている。
【0056】
より特に、液体炭化水素は:
- 直鎖状若しくは分枝状、任意選択的に環状のC6~C16アルカン(例として、ヘキサン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン又はイソパラフィン、例えばイソヘキサデカン、イソドデカン及びイソデカンを挙げることができる)。
- 例えばNOF Corporation社によってParleam(登録商標)の商標名で販売されているような、例えば流動パラフィン及びこれらの誘導体、ワセリン、流動ワセリン、ポリデセン、水素化ポリイソブテン等の、16個超の炭素原子を備える鉱物、動物若しくは合成起源の直鎖状若しくは分枝状炭化水素、又はスクアランから選択される。
【0057】
好ましくは、液体炭化水素は、流動パラフィン、イソパラフィン、流動ワセリン、ウンデカン、トリデカン、イソドデカン及びこれらの混合物から選択される。
【0058】
極めて特に好ましい代替形態では、液体炭化水素は、流動ワセリン、イソパラフィン、イソドデカン並びにウンデカン及びトリデカンの混合物から選択される。
【0059】
用語「液体脂肪アルコール」は、常温(25℃)及び大気圧(760mmHg、即ち1.013×105Pa)で液体である脂肪アルコールを意味すると理解されている。好ましくは、本発明の液体脂肪アルコールは、8~30個の炭素原子、特に10~24個の炭素原子を含み、これらは飽和若しくは不飽和であり得る。
【0060】
飽和液体脂肪アルコールは、好ましくは分枝状である。これらは、任意選択的に、これらの構造内に、少なくとも1個の芳香族環又は非芳香族環を含むことができる。
【0061】
より特に、本発明の飽和液体脂肪アルコールは、オクチルドデカノール、2-デシルテトラデカノール、イソステアリルアルコール又は2-ヘキシルデカノールから選択される。
【0062】
オクチルドデカノール及び2-デシルテトラデカノールが極めて特に好ましい。
【0063】
不飽和液体脂肪アルコールは、これらの構造内に、少なくとも1つの二重若しくは三重結合、及び好ましくは1つ以上の二重結合を示す。数個の二重結合が存在する場合、これらは、好ましくは、数が2又は3であり、これらは、共役又は非共役であり得る。
【0064】
これらの不飽和脂肪アルコールは、直鎖状若しくは分枝状であり得る。
【0065】
これらは任意選択的に、これらの構造内に、少なくとも1個の芳香族若しくは非芳香族環を含むことができる。これらは、好ましくは、非環状である。
【0066】
より特に、本発明において使用できる不飽和液体脂肪アルコールは、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール及びウンデシレニルアルコールから選択される。
【0067】
オレイルアルコールが極めて特に好ましい。
【0068】
用語「液体脂肪エステル」は、常温(25℃)及び大気圧(760mmHg、即ち1.013×105Pa)下で液体である、脂肪酸及び/又は脂肪アルコールから生じたエステルを意味すると理解されている。
【0069】
より特に、液体エステルは、任意選択的にヒドロキシル化された飽和若しくは不飽和の直鎖状若しくは分枝状のC1~C26脂肪族一酸又はポリ酸及び飽和若しくは不飽和の直鎖状若しくは分枝状のC1~C26脂肪族モノアルコール若しくはポリアルコールのエステルから選択され、エステルの炭素原子の総数は10以上である。
【0070】
好ましくは、モノアルコールのエステルについて、本発明のエステルが由来するアルコール又は酸の少なくとも1つは、分枝状である。
【0071】
一酸のモノエステルとモノアルコールのモノエステルの中でも、アルキルパルミテート、特にC1~C18アルキルパルミテート、特にエチルパルミテート及びイソプロピルパルミテート、アルキルミリステート、特にC1~C18アルキルミリステート、例えばイソプロピルミリステート若しくはエチルミリステート、アルキルステアレート、特にC1~C18アルキルステアレート、特にイソセチルステアレート、2-エチルヘキシルイソノナノエート、イソデシルネオペンタノエート及びイソステアリルネオペンタノエートを挙げることができる。
【0072】
任意選択的ヒドロキシル化C3~C22ジ-又はトリカルボン酸及びC1~C22アルコールのエステル並びに任意選択的ヒドロキシル化モノ-、ジ-又はトリカルボン酸及びジ-、トリ-、テトラ-又はペンタヒドロキシル化C4~C26非糖アルコールのエステルも使用され得る。
【0073】
特に、以下の:ジエチルセバケート、ジイソプロピルセバケート、ジイソプロピルアジペート、ジ(n-プロピル)アジペート、ジオクチルアジペート、ジイソステアリルアジペート、ジオクチルマレエート、グリセリルウンデシレート、オクチルドデシルステアロイルステアレート、ペンタエリスリチルモノリシノレエート、ペンタエリスリチルテトライソノナノエート、ペンタエリスリチルテトラペラルゴネート、ペンタエリスリチルテトライソステアレート、ペンタエリスリチルテトラオクタノエート、プロピレングリコールジカプレート、プロピレングリコールジカプリレート、トリデシルエルケート、トリイソプロピルシトレート、トリイソステアリルシトレート、グリセリルトリラクテート、グリセリルトリオクタノエート、トリオクチルドデシルシトレート、トリオレイルシトレート、プロピレングリコールジオクタノエート、ネオペンチルグリコールジヘプタノエート、ジエチレングリコールジイソノナノエート、ポリエチレングリコールジステアステレート及びアルキルマレエート、特に(C6~C18)アルキルマレエート、特別にはビス(C12~C13)アルキルマレエートを挙げることができる。優先的には、上述のエステルの中でも、エチル、イソプロピル、ミリスチル、セチル若しくはステアリルパルミテート、2-エチルヘキシルパルミテート、2-オクチルデシルパルミテート、アルキルミリステート、例えばイソプロピル、ブチル、セチル若しくは2-オクチルドデシルミリステート、ヘキシルステアレート、プロピレングリコールジカプリレート、ブチルステアレート、イソブチルステアレート、ジオクチルマレエート、ヘキシルラウレート、2-ヘキシルデシルラウレート、イソノニルイソナノエート、セチルオクタノエート及びビス(C12~C13)アルキルマレエートが利用される。液体脂肪エステルの中でも、糖のエステル及びジエステル並びにC6~C30、好ましくはC12~C22脂肪酸のエステルが利用され得る。
【0074】
用語「糖」は、アルデヒド若しくはケトン官能基を伴う又は伴わない、幾つかのアルコール官能基を含有する、且つ少なくとも4個の炭素原子を含む、酸素を含む炭化水素化合物を意味すると理解されている。これらの糖は、単糖類、オリゴ糖類又は多糖類であり得る。
【0075】
好ましくは、これらの前記糖は、スクロース、グルコース、ガラクトース、リボース、フコース、マルトース、フルクトース、マンノース、アラビノース、キシロース、ラクトース並びにこれらの誘導体、特にアルキル化誘導体、例えばメチル化誘導体、例えばメチルグルコースから選択される。
【0076】
糖及び脂肪酸のエステルは、特に、エステル並びに上述した糖のエステルと飽和若しくは不飽和の直鎖状若しくは分枝状のC6~C30、好ましくはC12~C22脂肪酸のエステルとの混合物から成る群から選択することができる。
【0077】
これらが不飽和である場合、これらの化合物は、1~3個の共役又は非共役の炭素-炭素二重結合を含むことができる。
【0078】
この代替形態によるエステルはまた、モノ-、ジ-、トリ-及びテトラエステル、ポリエステル並びにこれらの混合物から選択することもできる。
【0079】
これらのエステルは、例えば、オレエート、ラウレート、パルミテート、ミリステート、ベヘネート、ココエート、ステアレート、リノレエート、リノレネート、カプレート、アラキドネート、及びこれらの混合物、例えば、特に、混合オレエート/パルミテートエステル、オレエート/ステアレートエステル又はパルミテート/ステアレートエステルであり得る。
【0080】
より特に、スクロース、グルコース若しくはメチルグルコースモノエステル及びジエステル並びに特にモノ-若しくはジオレエート、モノ-若しくはジステアレート、モノ-若しくはジベヘネート、モノ-若しくはジオレエート/モノ-若しくはジパルミテート、モノ-若しくはジリノレート、モノ-若しくはジリノレネート若しくはモノ-若しくはジオレエート/モノ-若しくはジステアレート、又はその代わりにメチルグルコースジオレエート(Glucate(登録商標)DO)が利用される。
【0081】
糖エステルの中でも、ペンタエリスリチルエステル、好ましくはペンタエリスリチルテトライソステアレート、ペンタエリスリチルテトラオクタノエート又はジペンタエリスリトールとの混合物としてのカプリル酸及びカプリン酸ヘキサエステルを使用することができる。
【0082】
植物油若しくは合成油のグリセロールとの一酸、二酸又は三酸の天然若しくは合成エステルが使用され得る。
【0083】
より特に、前記植物油若しくは合成油は、植物若しくは合成起源のトリグリセリド油、例えば6~30個の炭素原子を含む液体脂肪酸トリグリセリド、例えばヘプタン酸若しくはオクタン酸トリグリセリド、或いは更に、例えば、ゴマ油、ダイズ油、コーヒー油、ベニバナ油、ルリジサ油、ヒマワリ油、オリーブ油、杏仁油、ツバキ油、バンバラマメ(bambara nut)油、アボカド油、マンゴー油、米ぬか油、綿実油、バラ油、キウイ種子油、シーバックソーン果肉(sea buckthorn pulp)油、ビルベリー種子油、ケシ種子油、オレンジ種子油、スイートアーモンド油、パーム油、ヤシ油、ベルノニア油、マジョラム油、バオバブ油、ナタネ油、キシメニア(ximenia)油、プラカシー油、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド(Stearineries Dubois社によって販売されているもの、又はDynamit Nobel社によってMiglyol(登録商標)810、812及び818という名前で販売されているもの等)、ホホバ油又はシアバター油から選択される。
【0084】
好ましくは、本発明によって使用できる液体エステルとしては、植物起源のトリグリセリドの液体エステル、特にアボカド油、オリーブ油、カメリア油若しくは杏仁油、及びこれらの混合物から選択される油、並びにC4~C22ジ-若しくはトリカルボン酸及びC1~C22アルコールの、特に1,3-プロパンジオールジカプリレートのエステルが利用される。
【0085】
用語「脂肪酸」は、即ち、一般に可溶性の石鹸形態であってはならず、即ち、塩基で塩化されてはならない非塩化脂肪酸を意味すると理解されている。
【0086】
より特に、本発明に従って使用できる液体脂肪酸は、式RCOOH(式中、Rは、好ましくは7~39個の炭素原子を含む、飽和若しくは不飽和の直鎖状若しくは分枝状の基である)の酸から選択される。
【0087】
好ましくは、Rは、C7~C29アルキル基又はC7~C29アルケニル基であり、より一層良好にはC12~C24アルキル基又はC12~C24アルケニル基である。Rは、1つ以上のヒドロキシル基及び/又は1つ以上のカルボキシル基で置換され得る。
【0088】
優先的には、液体脂肪酸は、オレイン酸、リノール酸及びイソステアリン酸から選択される。
【0089】
本発明によって使用できる脂肪物質は、周囲温度(25℃)及び大気圧(760mmHg、即ち1.013×105Pa)下において液体ではない脂肪物質から選択することもできる。
【0090】
用語「非液体脂肪物質」は、好ましくは、固体化合物、又はRheomat RM180(一般に、スピンドル1又は2を備える)を用いて温度25℃、剪断速度1s-1で測定して、2Pa.sを超える粘度を示す化合物を意味すると理解されている。
【0091】
より特に、「非液体の脂肪物質」は、非液体及び好ましくは固体である、脂肪アルコール、脂肪酸及び/若しくは脂肪アルコールエステル、脂肪アミン及び脂肪エーテルから選択される。
【0092】
より特に、本発明によって使用できる非液体脂肪アルコールは、8~30個の炭素原子を含む直鎖状若しくは分枝状の飽和若しくは不飽和のアルコールから選択される。
【0093】
好ましくは、例えば、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、エイコサノール、ヘンエイコサノール及び/又はドコサノール、及びこれらの混合物(特に、セテアリルアルコール)を挙げることができる。より特に、エイコサノール、ヘンエイコサノール及び/又はドコサノールが使用される。
【0094】
本発明によって使用できる脂肪酸及び/又は脂肪アルコールの非液体エステルは、一般に、C9~C26脂肪酸及びC9~C26脂肪アルコールから生じる固体エステルから選択される。
【0095】
好ましくは、例として、オクチルドデシルベヘネート、イソセチルベヘネート、セチルラクテート、ステアリルオクタノエート、オクチルオクタノエート、セチルオクタノエート、デシルオレエート、ミリスチルステアレート、オクチルパルミテート、オクチルペラルゴネート、オクチルステアレート、アルキルミリステート、例えばセチルミリステート、ミリスチルミリステート又はステアリルミリステート、及びヘキシルステアレートを挙げることができる。
【0096】
優先的には、本発明によって使用できる脂肪物質は、炭化水素、特に直鎖状若しくは分枝状のC6~C16アルカン、鉱物、動物若しくは合成起源由来の、16個を超える炭素原子の直鎖状若しくは分枝状の炭化水素、例えば流動パラフィン及びこれらの誘導体、ワセリン、流動ワセリン;脂肪酸エステル、特に植物由来の油、並びにC4~C22ジ-若しくはトリカルボン酸及びC1~C22アルコールのエステルから選択され、これらのエステルは、より優先的には、植物由来のトリグリセリド、液体脂肪アルコール、固体脂肪アルコール、脂肪酸並びにこれらの混合物から選択される。
【0097】
極めて特に好ましくは、脂肪物質は、液体C8~C30脂肪アルコール、固体C8~C30脂肪アルコール、及びこれらの混合物から選択される。
【0098】
好ましくは、これらが存在する場合、本発明による組成物は、組成物の総質量に対して、0.01質量%~35質量%の範囲、特に0.1質量%~30質量%の範囲、より一層良好には0.5質量%~20質量%さえ、優先的には1質量%~15質量%の範囲に及ぶ総含有量で前記脂肪物質を含む。
【0099】
増粘剤
本発明による組成物は、非会合性セルロースポリマー、アニオン性会合性ポリマー、非イオン性会合性ポリマー、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1種の増粘剤を含む。
【0100】
本発明の非会合性増粘性ポリマーは、これらの構造内にC10~C30脂肪鎖を含まないセルロースポリマーであり得る。
【0101】
本発明によると、用語「セルロース」ポリマーは、この内にβ-1,4結合を介して連結しているグルコース残基の配列を有する任意の多糖化合物を意味すると理解されている;更に、非置換セルロースに加えて、セルロース誘導体は、アニオン性、カチオン性、両性若しくは非イオン性であり得る。
【0102】
従って、本発明によって使用できるセルロースポリマーは、微結晶形態にあるものを含む非置換セルロース及びセルロースエーテルから選択され得る。
【0103】
これらのセルロースポリマーの中でも、セルロースエーテル、セルロースエステル及びセルロースエーテルエステルが識別される。
【0104】
セルロースエステルとしては、セルロースの無機エステル(セルロースニトレート、スルフェート若しくはホスフェート等)、セルロースの有機エステル(セルロースモノアセテート、トリアセテート、アミドプロピオネート、アセテートブチレート、アセテートプロピオネート若しくはアセテートトリメリテート等)並びにセルロースの混合有機/無機エステル、例えばセルロースアセテートブチレートスルフェート及びアセテートプロピオネートスルフェートが挙げられる。セルロースエーテルエステルの中でも、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート及びエチルセルローススルフェートを挙げることができる。
【0105】
C10~C30脂肪鎖を有していない、即ち「非会合性」である非イオン性セルロースエーテルの中でも、(C1~C4)アルキルセルロース、例えば、メチルセルロース及びエチルセルロース(例えば、Dow Chemical社からのEthocel standard 100 Premium);(ポリ)ヒドロキシ(C1~C4)アルキルセルロース、例えば、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(例えば、Aqualon社から提供されているNatrosol 250 HHR)及びヒドロキシプロピルセルロース(例えば、Aqualon社からのKlucel EF);混合(ポリ)ヒドロキシ(C1~C4)アルキル/(C1~C4)アルキルセルロースセルロース、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、Dow Chemical社からのMethocel E4M)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース(例えば、Akzo Nobel社からのBermocoll E481 FQ)及びヒドロキシブチルメチルセルロースを挙げることができる。
【0106】
増粘剤は、アニオン性会合性ポリマー、非イオン性会合性ポリマー、及びこれらの混合物から選択され得る。
【0107】
「会合性ポリマー」は、水性媒体中で、互いに又は他の分子と可逆的に会合することができるポリマーであることが想起される。
【0108】
これらの化学構造は、より特に、少なくとも1つの親水性領域及び少なくとも1つの疎水性領域を含む。
【0109】
用語「疎水性領域」は、少なくとも8個の炭素原子、好ましくは10~30個の炭素原子、特に12~30個の炭素原子、及びより優先的には18~30個の炭素原子を含む飽和若しくは不飽和の直鎖状若しくは分枝状の炭化水素鎖を有する基又はポリマーを意味すると理解されている。
【0110】
優先的には、炭化水素基は、単官能化合物に由来する。例として、疎水基は、脂肪アルコール、例えばステアリルアルコール、ドデシルアルコール又はデシルアルコールに由来し得る。疎水基はまた、例えば、ポリブタジエン等の炭化水素ポリマーを意味し得る。
【0111】
アニオン性タイプの会合性ポリマーの中でも、下記の:
- これらのモノマーの中でも、α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸及びα,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸のエステルとオキシアルキレン化脂肪アルコールとのエステルを含むコポリマーを挙げることができる。
【0112】
優先的には、これらの化合物は、モノマーとして、α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸及びC1~C4アルコールのエステルを更に含む。
【0113】
このタイプの化合物の例として、Rohm and Haas社によって販売されている、メタクリル酸/エチルアクリレート/オキシアルキレン化ステアリルメタクリレートターポリマーであるAculyn 22(登録商標)(INCI名:アクリレート/ステアレス-20メタクリレートコポリマー)及び更に同様にRohm and Haas社によって販売されているAculyn 88(INCI名:アクリレート/ステアレス-20メタクリレートクロスポリマー)又はAculyn 28(INCI名:アクリレート/ベヘネス-25メタクリレートコポリマー)を挙げることができる。
【0114】
使用できる非イオン性会合性ポリマーの中でも、下記の:
- 少なくとも1つの脂肪鎖を含む基、例えば、アルキル基がC8~C30アルキル基である、アルキル基、アリールアルキル基若しくはアルキルアリール基又はこれらの混合物によって修飾されたセルロース若しくはこれらの誘導体、及び特に:
* 非イオン性アルキルヒドロキシエチルセルロース、例えばAqualon社によって販売されている製品Natrosol Plus Grade 330 CS及びPolysurf 67(C16アルキル);
* 非イオン性ノノキシニルヒドロキシエチルセルロース、例えばAmerchol社によって販売されている製品Amercell HM-1500;
* 非イオン性アルキルセルロース、例えばBerol Nobel社によって販売されている製品Bermocoll EHM100を挙げることができる。
【0115】
好ましくは、本発明による組成物は、組成物の総質量に対して、0.01質量%~10質量%の範囲、特に0.05質量%~8質量%の範囲、より一層良好には0.1質量%~5質量%さえ、優先的には0.2質量%~2質量%の範囲の総含有量で前記増粘剤を含む。
【0116】
好ましくは、これらが存在する場合、本発明による組成物は、組成物の総質量に対して、0.01質量%~10質量%の範囲、特に0.05質量%~8質量%の範囲、より一層良好には0.1質量%~5質量%さえ、優先的には0.2質量%~2質量%の範囲の総含有量で前記会合性ポリマーを含む。
【0117】
極めて特に好ましくは、本発明による組成物は、少なくとも1種のセルロースポリマー、より一層優先的には特に非イオン性セルロースエーテル、より一層良好には特にヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースさえ、及びこれらの混合物を含む。
【0118】
より優先的には、本発明による組成物は、少なくとも1種の非会合性セルロースポリマー及び少なくとも1種の会合性セルロースポリマーを含む。
【0119】
好ましくは、これらが存在する場合、本発明による組成物は、組成物の総質量に対して、0.01質量%~10質量%の範囲、特に0.05質量%~8質量%の範囲、より一層良好には0.1質量%~5質量%さえ、優先的には0.15質量%~2質量%の範囲の総含有量で前記セルロースポリマーを含む。
【0120】
本発明の好ましい実施形態によると、増粘剤は、(i)非イオン性セルロースエーテル、(ii)これらのモノマーの中でも、α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸及びα,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸及びオキシアルキレン化脂肪アルコールのエステルを含むコポリマー、(iii)少なくとも1つの脂肪鎖を含む、例えばアルキル基、アリールアルキル基若しくはアルキルアリール基又はこれらの混合物を含む基によって修飾されたセルロース若しくはこれらの誘導体(ここでアルキル基はC8~C30アルキル基である)及び特に非イオン性アルキルヒドロキシエチルセルロース、並びに(iv)これらの混合物;より優先的にはヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、セチルヒドロキシエチルセルロース、アクリレート/ベヘネス-25メタクリレートコポリマー、セチルヒドロキシエチルセルロース、及びこれらの混合物から選択される。
【0121】
好ましい実施形態によると、本発明による組成物は、水性である。
【0122】
この実施形態によると、組成物の含水量は、組成物の総質量に対して、5~98質量%、より優先的には15質量%~95質量%、より一層優先的には25質量%~90質量%及び更により一層良好には30質量%~85質量%さえの範囲に及ぶ。
【0123】
本発明による組成物は、任意選択的に、追加して、1種以上の有機溶媒を含み得る。
【0124】
有機溶媒の例として、特に、25℃及び1.013×105Paにおいて液体、特に水溶性である、従って単独で又は水との混合物として使用できる、例えばC1~C7アルコール、及び特にC1~C7脂肪族若しくは芳香族モノアルコール、C3~C7ポリオール及びC3~C7ポリオールエーテルを使用することができる。有利には、有機溶媒は、エタノール、イソプロパノール及びこれらの混合物から選択することができる。
【0125】
好ましくは、組成物のpHは、8~13の間にあり、特に9~12.5の間にあり、より一層良好には9.5~12.5さえの間にある。
【0126】
これらの組成物のpHは、塩基性化剤又は酸性化剤によって所望の値に調整することができる。塩基性化剤の中でも、例えば上述した塩基性化剤等の1種以上のアルカリ剤を使用することができる。例として、酸性化剤の中でも、無機酸若しくは有機酸、例えば、塩酸、オルトリン酸、硫酸、カルボン酸、例えば、酢酸、酒石酸、クエン酸若しくは乳酸又はスルホン酸を挙げることができる。
【0127】
本発明による組成物は、追加して、添加剤、例えば、カチオン性界面活性剤、両性若しくは両性イオン性界面活性剤、保存剤、香料及び/又は顔料も含有し得る。
【0128】
これらの添加剤は、本発明による組成物中に、組成物の総質量に対して、0質量%~20質量%の範囲の量で存在し得る。
【0129】
当業者は、本発明の組成物の特性を損なわないように、これらの任意選択的な添加剤及びこれらの量を慎重に選択するであろう。
【0130】
本発明の好ましい実施形態によると、本発明による組成物は:
a)アルギニン;
b)ナトリウムメタシリケート
c)モノエタノールアミン;
d)任意選択的にアンモニア水;
e)1種以上のポリオキシエチレン化C8~C30脂肪アルコール;
f)液体C8~C30脂肪アルコール、固体C8~C30脂肪アルコール、及びこれらの混合物から選択される1種以上の脂肪物質;
g)1種以上のセルロース系増粘性ポリマー;及び
h)水、を含む。
【0131】
本発明の別の好ましい実施形態によると、本発明による組成物は:
a)アルギニン;
b)ナトリウムメタシリケート
c)モノエタノールアミン;
d)アンモニア水;
e)1種以上のポリオキシエチレン化C8~C30脂肪アルコール;
f)液体C8~C30脂肪アルコール、固体C8~C30脂肪アルコール、及びこれらの混合物から選択される1種以上の脂肪物質;
g)1種以上のセルロース系増粘性ポリマー;及び
h)水、を含む。
【0132】
本発明による組成物は、ローション、ミルク又はクリームの形態で提供され得る。好ましくは、本発明による組成物は、クリームの形態にある。
【0133】
特定の実施形態では、本発明による組成物(A)には、化学的酸化剤及び酸化染料が欠けている。
【0134】
この実施形態では、好ましくは:
- アルギニン(a)の含有量は、組成物(A)の総質量に対して、0.5質量%~25質量%、優先的には1質量%~15質量%、より一層良好には1.5質量%~10質量%、実際に2質量%~5質量%さえの範囲に及び、
- シリケートから選択されるアルカリ剤b)の総含有量は、組成物(A)の総質量に対して、0.01質量%~15質量%、より優先的には0.1質量%~10質量%、より一層優先的には1質量%~8質量%、実際に一層1.5質量%~5質量%の範囲に及び、
- アルカノールアミンの総含有量は、組成物(A)の総質量に対して、0.01質量%~25質量%の範囲、特に0.1質量%~20%質量%の範囲、より一層良好には0.5質量%~15質量%さえ、優先的には1質量%~10%質量%の範囲に及び、
- アンモニア水及びアンモニア水の発生剤から選択されるアルカリ剤d)の総含有量は、これらが存在する場合、組成物(A)の総質量に対して、0.01質量%~15質量%、より優先的には0.05質量%~10質量%、より一層優先的には0.1質量%~8質量%、実際に一層0.2質量%~5質量%さえの範囲に及ぶ。
【0135】
別の特定の実施形態では、本発明による組成物(M)は、追加して、1種以上の化学的酸化剤及び/又は1種以上の酸化染料を含む。特に、組成物(M)は、上述した少なくとも1種の組成物(A)を、1種以上の化学的酸化剤を含む少なくとも1種の組成物及び/又は1種以上の酸化染料を含む少なくとも1種の組成物と混合する工程により生じさせることができる。
【0136】
本発明の別の主題は、ケラチン繊維、特に毛髪等のヒトケラチン繊維を処理するための方法であって、本発明による少なくとも1種の組成物の前記ケラチン繊維への適用を含む方法である。
【0137】
好ましくは、本発明による方法は、ケラチン繊維、特に毛髪等のヒトケラチン繊維を酸化染色及び/又は脱色するための方法である。
【0138】
より優先的には、本発明による方法は、ケラチン繊維を酸化染色及び/又は脱色するための方法であって、前記ケラチン繊維に、本発明による少なくとも1種の化粧用組成物を、1種以上の酸化染料を含む少なくとも1種の染色組成物及び/又は1種以上の化学的酸化剤を含有する少なくとも1種の酸化組成物と即時に混合する工程の結果として生じる、上述した組成物(M)の適用を含む方法である。
【0139】
特定の実施形態では、本発明による方法は、ケラチン繊維を酸化染色及び/又は脱色するための方法であって、前記ケラチン繊維に、化学的酸化剤及び酸化染料が欠けている上述した本発明の組成物(A)の適用、並びに前記ケラチン繊維に:
- 1種以上の酸化染料を含有する染色組成物(B)、及び/又は
- 1種以上の化学酸化剤を含有する酸化組成物(C)の適用を含み、
組成物(A)、(B)及び/又は(C)の適用は、同時又は連続的に、好ましくは同時に行われる方法である。
【0140】
組成物の適用が同時に実施される場合、組成物(A)、(B)及び/又は(C)は、好ましくは使用時に即時に混合される。
【0141】
前記染色組成物(B)中で使用できる酸化染料は、有利には、1種以上のカップリング剤と任意選択的に組み合わされた1種以上の酸化性塩基から選択される。
【0142】
例として、酸化性塩基は、パラ-フェニレンジアミン、ビス(フェニル)アルキレンジアミン、パラ-アミノフェノール、オルト-アミノフェノール及び複素環式塩基並びに対応する付加塩から選択される。
【0143】
組成物は、酸化染料として、1種以上のカプラーを含有し得る。特に、カプラーとしては、メタ-フェニレンジアミン、メタ-アミノフェノール、メタ-ジフェノール、ナフタレンベースのカップリング剤及び複素環式カップリング剤並びに更に対応する付加塩を挙げることができる。
【0144】
酸化性塩基は、それぞれ有利には、前記染色組成物(B)の総質量に対して、0.001質量%~50質量%、好ましくは0.005質量%~30質量%を表し得る。
【0145】
カプラーは、これらが存在する場合、それぞれ有利には、前記染色組成物(B)の総質量に対して、0.001質量%~50質量%、好ましくは0.005質量%~30質量%を表し得る。
【0146】
用語「化学的酸化剤」は、本発明の意味の範囲内では、大気中酸素以外の酸化剤を意味すると理解されている。
【0147】
好ましくは、前記水性酸化組成物中で使用できる化学的酸化剤(若しくは脱色剤)は、過酸化水素、過酸化水素尿素、アルカリ金属ブロメート、過酸塩、例えばパーボレート及びパースルフェート、特にナトリウムパースルフェート、カリウムパースルフェート及びアンモニウムパースルフェート、過酸及びオキシダーゼ酵素(これらの任意選択的補因子を含む)から選択されるが、それらの中でもペルオキシダーゼ、2-電子オキシドレダクターゼ、例えばウリカーゼ、及び4-電子オキシゲナーゼ、例えばラッカーゼ、及びこれらの混合物を挙げることができ;より優先的には、化学的酸化剤は、過酸化水素、過酸塩、及びこれらの混合物から選択される。
【0148】
好ましくは、化学的酸化剤は、水性酸化組成物(C)中に、酸化組成物の総質量に対して、0.1質量%~35質量%の間、より優先的には、0.1質量%~30質量%の間、一層より優先的には0.5質量%~25質量%の間、より一層良好には2質量%~15質量%さえの間の含有量で存在する。
【0149】
好ましくは、酸化組成物(C)は、水性である。
【0150】
極めて特に好ましくは、本発明によるケラチン繊維を処理するための方法は、ケラチン繊維を酸化染色するための方法であって、前記ケラチン繊維に、上述した本発明による少なくとも1種の組成物(A)を、1種以上の酸化染料を含有する少なくとも1種の染色組成物(B)及び上述した1種以上の化学的酸化剤を含有する少なくとも1種の酸化組成物(C)と即時に混合する工程(即ち、ケラチン繊維に適用する直前に混合する工程)の結果として生じる組成物(M)の適用を含む方法である。
【0151】
本発明の別の主題は、ケラチン繊維、特に毛髪等のヒトケラチン繊維を処理するための本発明による組成物の使用である。
【0152】
好ましくは、本発明による組成物は、前記ケラチン繊維を酸化染色及び/又は脱色するために使用される。
【0153】
以下の実施例は、本発明を説明する上で役立つが、限定的性質を呈示するものではない。
【実施例】
【0154】
本発明による下記の組成物は、以下の表においてその含有量が組成物の総質量に対して示した活性物質の質量パーセンテージで示されている成分から調製した。
【0155】
【0156】
使用時に、組成物A1及びA2は、これらの質量の1.5倍の20体積の酸化組成物(6g% amのH2O2)及び酸化染料を含むこれらの質量の1/3の固体粒子と混合する。
【0157】
下記の組成物は、この含有量を以下の表に示した組成物の総質量に対して活性物質の質量%(質量によるパーセンテージ)として示した成分から調製した。
【0158】
【0159】
【0160】
【0161】
【0162】
【0163】
【0164】
【0165】
【0166】
【0167】
ケラチン繊維を染色するための方法
ケラチン繊維を染色するための組成物(M)は、下記の段階:
(1)上記の表6による6gの染色組成物、上記の表8による3.48gの染色組成物、上記の表7による1.32gの染色組成物、上記の表9による1.26gの染色組成物及び上記の表10による0.84gの染色組成物は、上記の表4による酸化組成物12g及び安定化させてpH2.2へ調整した水36gと混合する;次に、少なくとも30秒間後に、
(2)段階(1)で得られた混合物を上記の表5による24gの増粘組成物、上記の表2による28.8gのアルカリ組成物1(本発明)及び上記の表3による19.2gのアルカリ組成物2(本発明)と混合する、に従ってボウル内で調製する。
【0168】
こうして、染色組成物が水性組成物(M)中に分散している均質な水性組成物(M)が得られる。
【0169】
得られた組成物(M)は、続いて毛髪1g当たり組成物(M)10gの比率で、90%の白髪(NG毛髪の房)を含む天然の白人の毛髪の房に適用する。27℃で30分間の付け置き時間後、毛房をすすぎ、標準的シャンプーで洗浄し、再度すすいだ後、乾燥させた。
【0170】
染色についての結果:
毛房のそれぞれについての比色データは、続いてData Color SF600X分光光度計(光源D65、角度10°及び反射成分を含む)を備えるCIELabシステム内で測定する。このL*a*b*システムでは、L*は明度を表し、a*は緑色/赤色軸を示し、b*は青色/黄色軸を示す。Lの値が高いほど、明るくなるか又は色の強度が低くなる。逆に、L*の値が小さいほど、暗くなるか又は色の強度が高くなる。a*の値が高いほど色調がより赤くなり、b*の値が高いほど色調がより黄色くなる。
【0171】
毛髪上の色付着(build-up)は、染色したNG毛髪の房と未染色の(即ち未処理の)NG毛髪の房との間の、以下の式:
【数1】
に従ってΔEによって測定される色の変化に対応する。
【0172】
この式では、L*、a*及びb*は、NG毛髪の房の染色後に測定された値を表し、L0
*、a0
*及びb0
*は、未染色のNG毛髪の房について測定した値を表す。ΔE値が高いほど、色の付着が優れている。
【0173】
結果は、以下の表に並べた。
【0174】
【0175】
表の結果から、本発明による化粧用組成物によって調製された組成物(M)を用いて処理されたケラチン繊維が強度且つ良好な色の付着で染色されることは明白である。
【0176】
更に、組成物(M)は、特に流出を伴わずに、毛髪の房に適用して全体に広げるのが容易であることも見いだされた。
【0177】
ケラチン繊維を脱色するための方法
ケラチン繊維を脱色するための組成物(N)は、ボウル内で、上記の表4による酸化組成物12g、安定化させてpH2.2へ調整した水36g、次に上記の表5による24gの増粘組成物及び上記の表2による48gのアルカリ組成物1(本発明)と混合する工程によって調製する。
【0178】
こうして均質な水性組成物(N)が得られる。
【0179】
得られた組成物(M)は、続いて毛髪1g当たり組成物(N)10gの比率でトーン4(HT4)の高さを備える天然の白人の毛髪の房に適用される。27℃で30分間の付け置き時間後、毛房をすすぎ、標準的シャンプーで洗浄し、再度すすいだ後、乾燥させる。
【0180】
脱色についての結果:
毛房の色は、Data Color SF600X分光光度計(光源D65、角度10°及び正反射光が含まれる)によってCIE L*a*b*システムにおいて評価した。このL*a*b*システムでは、3つのパラメーターは、それぞれ明度(L*)、緑/赤色軸(a*)及び青/黄色軸(b*)を意味する。
【0181】
L*の値が高いほど、より多くの毛房が脱色される。a*の値が高いほど色調がより赤くなり、b*の値が高いほど色調がより黄色くなる。
【0182】
脱色の有効性は、組成物(N)を用いた処理の前後の毛房の色の変化によって測定され、以下の式:
【数2】
に従って(ΔE
*)よって測定される。
【0183】
この式では、L*、a*及びb*は、組成物(N)を用いて処理されたHT4毛髪の房上で測定された値を表し、L0
*、a0
*及びb0
*は、未処理のHT4毛髪の房上で測定した値を表す。
【0184】
ΔE*値が大きくなるほど、染色の前後の毛房の色の差が大きくなるが、これはより強度の脱色を示す。
【0185】
結果は、以下の表に並べた。
【0186】
【0187】
表の結果から、本発明による化粧用組成物によって調製した組成物(N)を用いて処理されたケラチン繊維が有意に漂白されていることは明白である(L*>L0及び高ΔE)。
【0188】
更に、組成物(N)は、特に流出を伴わずに、毛髪の房に適用して全体に広げるのが容易であることも見いだされた。