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特許7422879グラインダ、グラインダのための挽砕ディスク、およびこのようなグラインダを備えたコーヒーメーカー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】グラインダ、グラインダのための挽砕ディスク、およびこのようなグラインダを備えたコーヒーメーカー
(51)【国際特許分類】
   A47J 42/10 20060101AFI20240119BHJP
【FI】
A47J42/10
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022537695
(86)(22)【出願日】2020-12-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-06
(86)【国際出願番号】 EP2020086360
(87)【国際公開番号】W WO2021122700
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】102019134875.7
(32)【優先日】2019-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510098962
【氏名又は名称】メリッタ プロフェッショナル コーヒー ソリューションズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Melitta Professional Coffee Solutions GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Zechenstrasse 60, D-32429 Minden, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アーミン ヘンゼル
(72)【発明者】
【氏名】ベアント ブーフホルツ
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-236985(JP,A)
【文献】特開2018-075562(JP,A)
【文献】特開2005-021680(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0134255(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 42/00-42/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーヒー豆(7)を挽砕するためのグラインダ(1)であって、前記グラインダ(1)は、第1の挽砕ディスク(2)を備えた第1の挽砕ディスク支持体(M1)と、第2の挽砕ディスク(3)を備えた第2の挽砕ディスク支持体(M2)と、前記両挽砕ディスク(2,3)のうちの少なくとも一方を回転可能に作動させる駆動ユニット(4)と、を有しているグラインダ(1)において、
前記両挽砕ディスク(2,3)のうちの少なくとも、前記駆動ユニット(4)によって回転可能に作動させられる挽砕ディスク(3)は、前記駆動ユニット(4)に、中央の形状接続部を介して直接的または間接的に連結されており、前記中央の形状接続部は、前記駆動ユニット(4)から直接的または間接的に前記挽砕ディスク(2,3)に直接トルクを伝達する、連続的な、軸とハブとから成る結合部として形成されており、
前記両挽砕ディスク(2,3)のうちの少なくとも一方、または前記両挽砕ディスク(2,3)が、中央の内側輪郭(29,29’)を備えた貫通開口を有しており、
前記両挽砕ディスク(2,3)のうち、前記駆動ユニット(4)によって回転可能に作動させられる挽砕ディスク(3)は、前記中央の内側輪郭(29)を備えた前記貫通開口で、前記第2の挽砕ディスク支持体(M2)の支持体(24)の中央の輪郭(25)に形状接続的に係合しており、前記支持体(24)は、前記駆動ユニット(4)の駆動軸(21)に接続されていることを特徴とする、
グラインダ(1)。
【請求項2】
前記第2の挽砕ディスク支持体(M2)の前記支持体(24)は、前記中央の輪郭(25)の周囲に配置されているリング区分(26)を有している、請求項記載のグラインダ(1)。
【請求項3】
前記第2の挽砕ディスク支持体(M2)の前記支持体(24)は、前記リング区分(26)と前記中央の輪郭(25)とによって画定されている空間(26a)を有している、請求項記載のグラインダ(1)。
【請求項4】
前記両挽砕ディスク(2,3)のうちの他方の挽砕ディスク(2)は、その中央の内側輪郭(29’)で、前記第1の挽砕ディスク支持体(M1)の支持体(24’)の中央の輪郭突出部(33)と形状接続的に係合している、請求項1からまでのいずれか1項記載のグラインダ(1)。
【請求項5】
前記第1の挽砕ディスク支持体(M1)の前記支持体(24’)の前記輪郭突出部(33)は、中央の貫通開口(5a)を有している、請求項記載のグラインダ(1)。
【請求項6】
前記両挽砕ディスク(2,3)は、前記両挽砕ディスク(2,3)の外周面に均一に分配されて一体成形されている、それぞれ半径方向に突出する突起(31,31’)を有している、請求項1からまでのいずれか1項記載のグラインダ(1)。
【請求項7】
前記両挽砕ディスク(2,3)のうちの他方の挽砕ディスク(2)は、前記第1の挽砕ディスク支持体(M1)の支持体(24’)内に挿入されており、前記支持体(24’)内で軸方向にガイドされて、前記突起(31’)によって軸方向で固定されている、請求項記載のグラインダ(1)。
【請求項8】
前記両挽砕ディスク(2,3)のうちの前記他方の挽砕ディスク(2)は、前記第1の挽砕ディスク支持体(M1)の前記支持体(24’)内に、前記突起(31’)がそれぞれ溝(35)内で、軸方向で摺動可能にガイドされて軸方向で固定されて収容されるように、挿入されている、請求項記載のグラインダ(1)。
【請求項9】
前記第2の挽砕ディスク支持体(M2)の前記支持体(24)の前記リング区分(26)の外周面に、前記第2の挽砕ディスク支持体(M2)の前記支持体(24)の前記リング区分(26)から突出する、均一に分配された舌片状の突出部(27)が配置されており、前記舌片状の突出部(27)はそれぞれ1つの成形された切欠き(28)を有しており、前記切欠きは、前記両挽砕ディスク(2,3)のうちの、前記駆動ユニット(4)によって回転可能に作動させられる前記一方の挽砕ディスク(3)の各突起(31)と係合する、請求項2を引用する請求項からまでのいずれか1項記載のグラインダ(1)。
【請求項10】
前記グラインダ(1)は、ディスク状グラインダとして形成されている、請求項1からまでのいずれか1項記載のグラインダ(1)。
【請求項11】
前記両挽砕ディスク(2,3)の中央の内側輪郭(29,29’)、前記第1の挽砕ディスク支持体(M1)の支持体(24’)の輪郭突出部(33)、および前記第2の挽砕ディスク支持体(M2)の支持体(24)の中央の輪郭(25)は、多角形、長円、楕円等として形成されており、前記両挽砕ディスク(2,3)のうちの他方の挽砕ディスク(2,3)の前記中央の内側輪郭(29’)と、前記第1の挽砕ディスク支持体(M1)の前記支持体(24’)の前記輪郭突出部(33)とは互いに対応しており、前記両挽砕ディスク(2,3)のうちの、前記駆動ユニット(4)によって回転可能に作動させられる前記挽砕ディスク(3)の前記中央の内側輪郭(29)と、前記第2の挽砕ディスク支持体(M2)の前記支持体(24)の前記中央の輪郭(25)とは互いに対応している、請求項1から10までのいずれか1項記載のグラインダ(1)。
【請求項12】
前記両挽砕ディスク(2,3)は同一に形成されている、請求項1から11までのいずれか1項記載のグラインダ(1)。
【請求項13】
前記両挽砕ディスク(2,3)が、中央の内側輪郭(29,29’)を備えたそれぞれ1つの貫通開口を有していることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載のグラインダ(1)のための挽砕ディスク(2,3)。
【請求項14】
前記両挽砕ディスク(2,3)は、前記両挽砕ディスク(2,3)の外周面にそれぞれ均一に分配されて一体成形された、それぞれ半径方向に突出する突起(31,31’)を有している、請求項13記載の挽砕ディスク(2,3)。
【請求項15】
請求項1から12までのいずれか1項記載のグラインダ(1)を少なくとも1つ備えたコーヒーメーカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念によるコーヒー豆を挽砕するためのグラインダ、ならびに挽砕ディスク、およびこのようなグラインダを備えたコーヒーメーカー、特に全自動コーヒーメーカーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術から、主として、コーヒーメーカーにおいて使用されるコーヒーグラインダの2つの定評のある構造形式が知られている。一方はディスク状グラインダであり、他方は円錐状グラインダである。両グラインダ形式は、両グラインダが2つの挽砕ディスクから成っており、これらの工具の一方は固定され、他方は駆動されるという共通点を有している。一方の挽砕ディスクの回転運動によって、挽砕すべきコーヒー豆は挽砕間隙内に引き込まれ、先細りになる挽砕間隙幅を介してどんどん細かく挽かれる。両挽砕ディスクの最小間隔が、コーヒー粉末の、形成される挽砕度のための基準である。
【0003】
通常、挽砕ディスクは、ディスク状グラインダ内で、ねじとねじ固定穴とによって各支持体に位置固定される。これらの穴は、一方では、挽砕ディスクの切削出力を減じる。他方では、この領域には、コーヒー粉末が堆積するおそれがあり、したがってグラインダから完全には排出されない。
【0004】
欧州特許第1493368号明細書には、収容のさらなる可能性が説明されている。挽砕ディスクは、バヨネットクロージャによって、各支持体内に回し入れられる。 このために、挽砕ディスクの周囲には、差込み回転運動により、支持体スリット内に取り付けられる、細長い断続的な隆起部が位置している。このグラインダは、常に、一方の回転方向でのみ作動するので、ディスクと支持体とは相対回動不能であって、さらにディスクは軸方向の自由度が遮断されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の課題は、冒頭で述べた形式のグラインダを機能的に有利に発展させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、本発明によれば、請求項1の特徴を備えたグラインダ、請求項15の特徴を備えた挽砕ディスク、および請求項17のコーヒーメーカーによって解決される。
【0007】
コーヒー豆を挽砕するための本発明によるグラインダは、第1の挽砕ディスクを備えた第1の挽砕ディスク支持体と、第2の挽砕ディスクを備えた第2の挽砕ディスク支持体と、両挽砕ディスクのうちの少なくとも一方を回転可能に作動させる駆動ユニットと、を有している。両挽砕ディスクのうちの少なくとも、駆動ユニットによって回転可能に作動させられる挽砕ディスクは、駆動ユニットに、中央の形状接続部を介して直接的または間接的に連結されており、この中央の形状接続部は、駆動ユニットから直接的または間接的に挽砕ディスクに直接トルクを伝達する、連続的な軸ハブ結合部として形成されている。
【0008】
駆動ユニットから挽砕ディスクへと駆動トルクを伝達するためには、大きな力を伝達すると同時に、コーヒー粉末が入り込むおそれのある障害となる開口を生じさせない形状接続部を、挽砕ディスクと支持体との間に形成することが有利である。
【0009】
本発明によるグラインダは、コーヒー豆を挽砕するために用いられる。このグラインダは、独立型の機器として、しかしながらまたは、コーヒーメーカー、例えば全自動コーヒーメーカーに組み込まれた形態で、使用することができる。
【0010】
上述したグラインダのための本発明による挽砕ディスクは、中央の内側輪郭を備えた貫通開口を有している。これは、簡単かつ迅速な組付けまたは交換のために極めて有利である。
【0011】
所定の構成では、駆動ユニットによって回転可能に作動させられる第2の挽砕ディスクは、中央の内側輪郭を備えた貫通開口を有しており、この貫通開口は、第2の挽砕ディスク支持体の支持体の中央の輪郭に形状接続的に係合しており、支持体は、駆動ユニットの駆動軸に接続されている。
【0012】
本発明によるコーヒーメーカー、特に全自動コーヒーメーカーは、上述したグラインダを有している。
【0013】
通常単なる孔として形成されており、この個所には、挽砕工程において微細に挽砕されたコーヒー粉末がまだ存在していない挽砕ディスクの内側の貫通領域における形状接続部によって特別な利点がもたらされる。貫通部は、形状接続的な輪郭として形成されている。したがって、有利には、特に大きな駆動トルクおよび保持トルクを伝達することができ、挽砕ディスクの外径には障害となるジオメトリは生じない。
【0014】
さらなる特別な利点は、従来技術とは異なり、ねじを含むねじ固定穴を有しておらず、これにより、挽砕ディスクの切削出力は損なわれず、これによりこの領域にコーヒー粉末が堆積するおそれもないことにある。したがって、コーヒー粉末を完全に排出することができる。
【0015】
さらなる構成では、第2の挽砕ディスク支持体の支持体は、中央の輪郭の周囲に配置されているリング区分を有している。これにより、第2の挽砕ディスクのための簡単な載置面が得られる。
【0016】
第2の挽砕ディスク支持体の支持体が、リング区分と中央の輪郭とによって画定されている空間を有していると、さらに有利である。これにより、挽砕ディスクの一区分の簡単な付加的な収容部が提供される。
【0017】
さらなる構成は、第1の挽砕ディスクと第2の挽砕ディスクとが、中央の内側輪郭を備えたそれぞれ1つの貫通開口を有しており、第1の挽砕ディスクはその中央の内側輪郭で、第1の挽砕ディスク支持体の支持体の中央の輪郭突出部に形状接続的に係合することを想定している。これにより、グラインダのためには挽砕ディスクの構成が1つしか必要ではなく、両挽砕ディスクを同一にすることができるという利点が得られる。
【0018】
第1の挽砕ディスク支持体の支持体の輪郭突出部が、中央の貫通開口を有していると、有利にはこの中央の貫通開口によって、コーヒー豆のために、充填ホッパから挽砕ディスクの間の挽砕室への通路を形成することができる。
【0019】
さらなる構成では、第1の挽砕ディスクおよび第2の挽砕ディスクが、第1の挽砕ディスクおよび第2の挽砕ディスクの外周面に均一に分配されて一体成形されている、それぞれ半径方向に突出する突起を有していることが想定されている。これらの突起はスナップ突起とも呼ばれ、有利には、各挽砕ディスク支持体において挽砕ディスクの軸方向での固定のために利用される。各挽砕ディスクのためのトルクは、支持体の輪郭と、各挽砕ディスクの内側の貫通部における内側輪郭との形状接続部を介して伝達されるので、突起は、トルクを伝達しないので極めて繊細に形成されてよい。第1の挽砕ディスクが静止しているとき、第1の挽砕ディスクでは、割り当てられるトルクは保持トルクである。駆動ユニットによって作動させられる第2の挽砕ディスクの場合、割り当てられるトルクは駆動トルクである。
【0020】
このような構造的な構成により、さらに有利には、下側の挽砕ディスクと上側の挽砕ディスクとを同じ部品として形成することができる。
【0021】
さらに別の構成では、第1の挽砕ディスクが、第1の挽砕ディスク支持体の支持体内に装着されており、支持体内で軸方向にガイドされて、突起によって軸方向で固定されている。この第1の挽砕ディスクまたは上側の挽砕ディスクとも呼ばれる挽砕ディスクは、力制御のための圧縮ばねを備えた別の構成では、持続的にプラスチック支持体内にクリップ固定することができる。プラスチック支持体を、さらに、支持体に装着し、係止またはクリップ固定することもできる。これにより、有利な簡単な組付けが可能となる。
【0022】
この場合、第1の挽砕ディスクは、所定の構成では、第1の挽砕ディスク支持体の支持体内に有利には、突起がそれぞれ溝内で、軸方向で摺動可能にガイドされて軸方向で固定されて収容されるように、装着されてよい。
【0023】
このようにして、力の制御のために、第1の挽砕ディスクのための軸方向の自由度が形成されるので、さらに有利である。
【0024】
別の構成では、第2の挽砕ディスク支持体の支持体のリング区分の外周面に、第2の挽砕ディスク支持体の支持体のリング区分から突出する、均一に分配された舌片状の突出部が配置されており、舌片状の突出部はそれぞれ1つの成形された切欠きを有しており、この切欠きは、第2の挽砕ディスクの各突起と係合する。
【0025】
このようにして、突起を、下側の、すなわち第2の挽砕ディスク支持体の支持体において、理想的には、ここでは舌片状の突出部によって形成されている取出し部ジオメトリの背後で、切欠き内に挿入することができる。したがって、突起は、挽砕ディスクを挿入する際のガイドとしても利用することができる。
【0026】
グラインダは、ディスク状グラインダ、またはロール状グラインダ、または円錐状グラインダとして形成することができる。したがって、調節装置は、有利には広い使用範囲を有している。
【0027】
さらなる構成では、両挽砕ディスクの中央の内側輪郭、第1の挽砕ディスク支持体の支持体の輪郭突出部、および第2の挽砕ディスク支持体の支持体の中央の輪郭は、多角形として、好ましくは六角形、三角形、四角形、長円、楕円等として形成されており、第1の挽砕ディスクの中央の内側輪郭と、第1の挽砕ディスク支持体の支持体の輪郭突出部とは互いに対応しており、第2の挽砕ディスクの中央の内側輪郭と、第2の挽砕ディスク支持体の支持体の中央の輪郭とは互いに対応している。
【0028】
第2の挽砕ディスクがプラスチック支持体内に装着される場合、オペレータがこの第2の挽砕ディスクをグラインダからその後取り出すつもりがないならば、例えば六角形としての輪郭は、駆動される第2の挽砕ディスクとその支持体とのもとで、プレス嵌めされていてよい。保守整備の理由で、第2の挽砕ディスクを取り外したい場合には、形状接続部(例えば、六角形)は、遊び嵌めとして設計される。両挽砕ディスクは、挽砕プロセスの際に互いに離れるように押されるので、第2の挽砕ディスクのさらなる軸方向の固定は不要である。したがって、第2の挽砕ディスクは有利には、単に支持体内に挿入され、これにより極めて組付けおよび保守整備のしやすい手段が形成される。
【0029】
2つの挽砕ディスクを備えたグラインダにおいて1種類のみの挽砕ディスクを使用するために、挽砕ディスクは、挽砕ディスクの外周面に均一に分配されて一体成形されている、半径方向に突出する突起を有している。これらの突起は、一方では、第2の挽砕ディスクを、第2の挽砕ディスク支持体の支持体内に挿入する際のガイドのためだけに利用され、他方では、第1の挽砕ディスク支持体の支持体では、第1の挽砕ディスクの軸方向のガイドおよび軸方向のストッパのために利用される。
【0030】
さらなる有利な構成は、その他の従属請求項に記載されている。
【0031】
以下に本発明を、実施例に基づき、図面を参照しながらより詳しく説明する。図面は、本発明を詳しく説明するためにだけ役立ち、本発明を限定するものではない。個々に記載した特徴は、一般的な専門知識の範囲で、単独で別の実施態様に転用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】コーヒー豆を挽砕するための本発明によるグラインダの原理の部分を概略的に示す正面図である。
図2図1の本発明によるグラインダの実施例を概略的に示す分解図である。
図3】1つの挽砕ディスクを備えた図2の本発明によるグラインダの駆動ユニットを概略的に示す図である。
図4】1つの挽砕ディスクを備えた図2の本発明によるグラインダの駆動ユニットを概略的に示す図である。
図5図2の本発明によるグラインダの挽砕ディスクを備えた挽砕ディスク支持体を概略的に示す分解図である。
図6図2の本発明によるグラインダの挽砕ディスクを備えた挽砕ディスク支持体を概略的に示す分解図である。
図7図2の本発明によるグラインダの挽砕ディスクを概略的に示す図である。
図8図2の本発明によるグラインダの挽砕ディスクを概略的に示す図である。
図9図2の本発明によるグラインダの挽砕ディスクを概略的に示す図である。
図10図7図9の挽砕ディスクを概略的に示す断面図である。
図11図7図9の挽砕ディスクを概略的に示す断面図である。
図12図7図9の挽砕ディスクを1つの行程位置で概略的に示す断面図である。
図13図7図9の挽砕ディスクを別の行程位置で概略的に示す断面図である。
図14図7図9の挽砕ディスクをさらに別の行程位置で概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1には、コーヒー豆7を挽くための本発明によるグラインダ1の原理の部分が概略的に正面図で示されている。図2は、本発明による図1のグラインダ1の実施例の概略的な分解図を示している。
【0034】
グラインダ1は、グラインダ軸線1aと、第1の挽砕ディスク2を備えた第1の挽砕ディスク支持体M1と、第2の挽砕ディスク3を備えた第2の挽砕ディスク支持体M2と、駆動ユニット4とを有している。挽砕ディスク2,3は、この場合、いわゆる挽砕ディスクとして形成されている。第1の挽砕ディスク2は、第1の挽砕ディスク支持体M1に相対回動不能に支持されている。したがって、第1の挽砕ディスク2は、グラインダ1の作動中に静止している。
【0035】
第1の挽砕ディスク2は、円筒状のカバージオメトリと中央の貫通開口5とを有している。第1の挽砕ディスク2は、他の形態で、例えば挽砕コーンとして形成されていてもよい。貫通開口5は、この場合、充填ホッパ6によって貫通係合されている。充填ホッパ6および貫通開口5を通して、グラインダ1には挽砕すべきコーヒー豆7が供給される。グラインダ1は、他の嗜好品または食料品を挽砕するために設けられていてもよいが、好ましくはコーヒー豆7を挽砕するために設けられている。充填ホッパ6は、有利には、充填ホッパ6内におけるコーヒー豆7の望ましくないブリッジ形成が阻止されるように形成されている。
【0036】
各挽砕ディスク2,3は、それぞれ1つの背面8,9と挽砕面10,11とを有している。第1の挽砕ディスク2の背面8は、充填ホッパ6に面している。第2の挽砕ディスク3は、その背面9で駆動ユニット4に連結されている。これについてはさらに詳しく後述する。
【0037】
挽砕面10,11には、この場合、凹状または円錐状のそれぞれ1つの凹部12,13と、少なくとも1つの挽砕切刃14,15とが設けられている。
【0038】
挽砕ディスク2,3の挽砕面10,11は、互いに向かい合って配置されている。この場合、第2の挽砕ディスク支持体M2の第2の挽砕ディスク3は、グラインダ軸線1aと第1の挽砕ディスク2とに対して同軸に、かつ第1の挽砕ディスク2の下側に配置されている。「下側」という概念は、図1の図平面に関連するものである。第2の挽砕ディスク3は、グラインダ1の作動中に回転する。これについてはさらに詳しく後述する。
【0039】
これによって第1の挽砕ディスク2の円錐状の凹部12と、第2の挽砕ディスク3の円錐状の凹部13とは、一種のダブル円錐状の挽砕室16を形成しており、この挽砕室は、その外周部で挽砕間隙17において開口している。挽砕間隙17には、捕集装置(ここでは図示せず)が接続されていてよく、この捕集装置は、挽砕間隙17から流出するコーヒー豆、好ましくはコーヒー粉末を捕集し、抽出プロセスへと供給する。
【0040】
第2の挽砕ディスク3は、同様に円筒形のカバージオメトリを有している。第2の挽砕ディスク3は、他の形態で、例えば挽砕コーンとして形成されていてもよい。第2の挽砕ディスク3は、グラインダ軸線1aを中心として第1の挽砕ディスク2に対して回転可能である。ここでは、第2の挽砕ディスク3は、第2の挽砕ディスク3がグラインダ1の作動中に回転運動し、これに対して第1の挽砕ディスク2は静止しているように、駆動ユニット4に連結されている。
【0041】
これは有利ではあるが、必須ではない。代替的に、第1の挽砕ディスク2が回転可能であって、これに対して第2の挽砕ディスク3は静止していてもよい。また、両挽砕ディスク2,3が、常に両挽砕ディスク2,3の間に相対運動が生じるように、例えば互いに逆の回転方向にかつ/または互いに異なった速度で回転可能であってもよい。
【0042】
グラインダ1は、さらに少なくとも1つの力発生装置18を有している。力発生装置18は、ここでは第1の挽砕ディスク2に作用する。これによって、それぞれの力Fが常に、第1の挽砕ディスク2と第2の挽砕ディスク3との間に位置しているコーヒー豆に作用する。これは有利ではあるが、必須ではない。力発生装置18は、第2の回転可能な挽砕ディスク3に作用してもよく、または両挽砕ディスク2,3に作用してもよい。
【0043】
力発生装置18は、ここでは2つの圧縮ばね18aを含んでおり、これらの圧縮ばねには、ここには図示されておらず以下で説明もしない相応の装置によって、例えばサーボモータによって、可変の予荷重距離Xだけ予荷重を加えることができ、これによって、第1の挽砕ディスク2に、ひいてはコーヒー豆に作用するそれぞれの力Fの値が、可変または調節可能である。圧縮ばね18aは、このようにして調節可能なまたは可変の軸方向力を、挽砕間隙17の平面Eに対して垂直に、第1の挽砕ディスク2および/または第2の挽砕ディスク3に加える。
【0044】
さらに、グラインダ1によってコーヒー豆に作用する力は、挽砕すべきコーヒー豆7および所望の各挽砕度に関連して、有利には力発生装置18によって調節することができる。好ましくは、そのために、各挽砕度、豆タイプ、および力発生装置18によって発生させるべき力に関するデータセットが、コーヒーメーカー、特にグラインダ1を制御するための制御および/または評価ユニット19のデータメモリ内に格納されている。上述した制御および/または評価ユニット19は、グラインダ1に対応配置されていてもよいし、コーヒーメーカーの、例えば全自動コーヒーメーカーの一部であってもよい。
【0045】
第2の挽砕ディスク3は、この場合、駆動ユニット4の駆動モータ20によって、図1には略示しかされていない駆動軸21を介して駆動される。
【0046】
代替的にまた、両挽砕ディスク2,3のうちの一方が駆動モータ10のロータである、軸なしの直接駆動形態か、または駆動モータ10が伝動装置を介して両挽砕ディスク2,3のうちの一方に作用する、間接的な駆動形態も可能である。
【0047】
図2に示したように、第1の挽砕ディスク支持体M1は、第1の挽砕ディスク2と、充填ホッパ6と、支持体24‘とを含む。第1の挽砕ディスク支持体M1は、上側の挽砕ディスク支持体M1とも呼ばれる。
【0048】
第1の挽砕ディスク2を含む第1の挽砕ディスク支持体M1は、組み付けられた状態で、第2の挽砕ディスク3と共に挽砕ケーシング23内に、図1に概略的に示したように配置されている。
【0049】
挽砕ケーシング23は、グラインダ軸線1aに対して同心的に配置されていて、符号なしの底面区分に、半径方向外側に向かって開放されている取出し区分23aを有している。挽砕ケーシング23についてはこれ以上説明しない。
【0050】
図2にはさらに、符号なしの挽砕度インジケータが示されていて、この挽砕度インジケータは、同じく図示されていない、力発生装置18の調節装置と協働する。挽砕度インジケータについては、ここではこれ以上説明しない。
【0051】
第2の挽砕ディスク支持体M2は、下側の挽砕ディスク支持体M2とも呼ばれ、第2の挽砕ディスク3と支持体24とを含む。
【0052】
第2の挽砕ディスク3は、支持体24上に載着されていて、この支持体に相対回動不能に結合されている。このために、支持体24の輪郭25は、第2の挽砕ディスク3の内側輪郭29に係合する。これについてはさらに後述する。
【0053】
支持体24は、駆動ユニット4の伝動装置22のケーシングの内室内に配置されている駆動軸21に接続されている。この構成は図示されていないが、容易に想像可能である。駆動モータ軸線20aを備えた駆動モータ20は、この例では、伝動装置22のケーシングのねじ固定フランジ22aを介して、伝動装置のケーシングに取り付けられている。
【0054】
この場合、上方に向かって挽砕ディスク支持体M2,M1に面している、伝動装置22のケーシングのフランジ22b上に、挽砕ケーシング23が、取付けエレメント、例えばねじを介して取り付けられている。この場合、挽砕ケーシング23の底面区分は第2の挽砕ディスク3を取り囲んでおり、第1の挽砕ディスク2は、組み付けられた状態で、挽砕ケーシング23の上側区分に配置されている。
【0055】
図3は、図2の本発明によるグラインダ1の駆動ユニット4の概略的な斜視図を、まだ載着されていない第2の挽砕ディスク3と共に示している。図4には、グラインダ軸線1aの方向で駆動ユニット4を見た概略的な平面図が示されている。
【0056】
駆動ユニット4は、例えば、駆動軸21と駆動モータ20との間にウォームギヤを有している。駆動軸21は、その上端部で支持体24に接続されていて、この支持体は駆動軸と共に、グラインダ軸線1aを中心として回転する。支持体24は、駆動軸21に一体的に形成されていてもよい。
【0057】
支持体24には、挽砕ケーシング23に面したその上面に、グラインダ1の連行および取出しジオメトリが設けられている。支持体24は、輪郭25と、リング区分26と、舌片状の突出部27とを含む。
【0058】
輪郭25は、この場合、グラインダ軸線1aが延在している支持体24の中心の周りに、外側に向かって位置する輪郭面25aを有した、六角形の中央外側輪郭として形成されていている。
【0059】
リング区分26は、輪郭25およびグラインダ軸線1aに対して同心的に配置されていて、輪郭25を取り囲んでおり、輪郭25とリング区分26との間には、リング状の空間26aが画定されている。
【0060】
リング区分26の外周面には、支持体24のリング区分26から突出する、均一に分配された舌片状の突出部27(この場合、3つの突出部27)が配置されている。
【0061】
突出部27とリング区分26の外径との間の移行領域で、これらの突出部27には、上に向かって開かれている切欠き28がそれぞれ成形されている。
【0062】
第2の挽砕ディスク3は、第1の挽砕ディスク2と同様に、中央の貫通開口を有しており、この貫通開口はここでは、内側輪郭29と呼ばれ、輪郭面30を備えて形成されている。第2の挽砕ディスク3の内側輪郭29は、駆動ユニット4の支持体24の外側輪郭25に対応する。
【0063】
第2の挽砕ディスク3の外周面には、背面9に向かう縁部に、半径方向に突出する突起31が均等に分配されるように一体成形されている。この場合、3つの突起31が設けられている。
【0064】
組み付けられた状態で、第2の挽砕ディスク3は、この挽砕ディスク3の内側輪郭29が支持体24の外側輪郭25に係合するように、支持体24上に載着されており、この場合、第2の挽砕ディスク3の挽砕ディスク軸線3aは、支持体24の支持体軸線24aに対して同軸に、かつグラインダ軸線1aに対して同軸に延在している。さらに、第2の挽砕ディスク3の背面9は、支持体24のリング区分26上に載置されており、第2の挽砕ディスク3のリング突起32(図9図10参照)は、空間26a内に突入しているか、または空間26a内に収容されている。リング突出部32は、図9および図10に最もよく示されているように、第2の挽砕ディスク3の背面9から突出している。この場合、突起31は、突出部27の切欠き28内に収容されている。
【0065】
支持体24の輪郭25と、第2の挽砕ディスク3の内側輪郭29とは、挽砕ディスクトルクを伝達するために、第2の挽砕ディスク3と支持体24との間に有利な形状接続部を形成しており、この形状接続部によって、大きな力が伝達されると同時に、コーヒー粉末が入り込むおそれのある障害となる開口部は生じない。このことは、図4の平面図に明瞭に示されている。
【0066】
特に洗練された可能性は、通常単なる貫通孔または貫通開口として形成されており、この個所には、微細に挽砕されたコーヒー粉末がまだ存在していない第2の挽砕ディスク3の内側の貫通領域における形状接続部である。しかしながら、貫通孔は、この場合、形状接続的な内側輪郭29として、例えば六角形として形成されている。もちろん、他のジオメトリ形状であってもよく、例えば四角形、多角形、長円、楕円などであってもよい。したがって、特に大きなトルクを伝達することができ、第2の挽砕ディスク3の外径には障害となるジオメトリは生じない。
【0067】
第2の挽砕ディスク3の周面に一体成形された突起31は、輪郭が組み込まれた、いわゆるスナップ突起として形成されている。挽砕ディスク、この場合、第2の挽砕ディスク3のためのトルクは、支持体24の輪郭25と、第2の挽砕ディスク3の内側の貫通部における内側輪郭29との形状接続部を介して伝達されるので、突起31は、トルクを伝達しないので極めて繊細に形成されてよい。
【0068】
突起31は、支持体24における下側の挽砕ディスク支持体M2において、理想的には取出し部ジオメトリの背後に、すなわち突出部27における切欠き28内に挿入される。両挽砕ディスク2,3は同一に形成されているので、第2の挽砕ディスク3のための突起31は、この場合、単なるガイドとして機能する。第1の挽砕ディスク2における突起31の機能については後述する。
【0069】
支持体24の輪郭25と、第2の挽砕ディスク3の内側輪郭29とは、嵌合部を形成することができる。第2の挽砕ディスク3を備えたグラインダ1が設けられているコーヒーメーカーのオペレータが、第2の挽砕ディスク3をグラインダ1から取り外すことがもはやないならば、この嵌合部はプレス嵌めとして形成されてよい。
【0070】
保守整備の理由で、第2の挽砕ディスク3を取り外したい場合には、輪郭25,29(例えば、六角形)の形状接続部は、遊び嵌めとして設計される。第1の挽砕ディスク2と第2の挽砕ディスク3とは、挽砕プロセスの際に互いに離れるように押されるので、下側の、すなわち第2の挽砕ディスク3のさらなる軸方向の固定は不要である。したがって、第2の挽砕ディスク3は単に、支持体24内に挿入され、これにより極めて組付けおよび保守整備のしやすい手段が形成される。
【0071】
図5は、本発明による図2のグラインダ1の第1の挽砕ディスク2を備えた第1の挽砕ディスク支持体M1の概略的な分解図を示している。図6には、図面に対して垂直に延在する軸線を中心として、図5の図を180°回転させた図が示されている。図7は、挽砕ディスク2,3の挽砕面10,11の概略的な平面図を示している。図8には、挽砕ディスク2,3の挽砕面10,11の概略的な斜視図が示されており、図9は、挽砕ディスク2,3の背面8,9の概略的な斜視図を示している。図10は、挽砕ディスク2,3の概略的な断面図を示しており、図11は、突起31,31’を備えた図10の部分XIを拡大して示している。
【0072】
上側のまたは第1の挽砕ディスク支持体M1は、挽砕ディスク軸線2aを備えた第1の挽砕ディスク2と、圧縮ばね18aと、支持体軸線24’aを備えた支持体24’とを含む。
【0073】
この実施例では、第1の挽砕ディスク2は、第2の挽砕ディスク3と同様に形成されており、すなわち両挽砕ディスク2,3は同一である。第2の挽砕ディスク支持体M2および第2の挽砕ディスク3と区別するために、第1の挽砕ディスク支持体M1の支持体24’と、第1の挽砕ディスク2の内側輪郭29’と、輪郭面30’と、突起31’とには、ダッシュを付与している。
【0074】
第1の挽砕ディスク2は、第2の挽砕ディスク3と同様に、中央の貫通開口を有しており、この貫通開口はこの場合、内側輪郭29’と呼ばれ、輪郭面30’を備えて形成されている。
【0075】
圧縮ばね18aによってばね負荷された第1の挽砕ディスク2が支持体24’内に装着され、支持体24’内でガイドされ、図示されていない形式で張力をかけられた状態で固定されている。この場合、第1の挽砕ディスク2の挽砕ディスク軸線2aと支持体24’の支持体軸線24’aとは同軸であって、グラインダ1が組み付けられた状態で、グラインダ軸線1aと同軸である。
【0076】
第1の挽砕ディスク2は、この場合、力制御用の圧縮ばね18aと共に、支持体インサート24c、例えばプラスチック支持体内に持続的に装着されていて、例えばクリップ固定されている。支持体インサート24cは、支持体24’の支持体ベース24b内に詳細には図示されていない形式で装着されていて、支持体ベースと、例えば係止・クリップ結合を介して結合されている。支持体24’はこの場合、支持体ベース24bと支持体インサート24cと共に、多部分から成る構成部分として形成されている。しかしながら支持体24’は、支持体ベース24bと支持体インサート24cと共に、一体であってもよい。
【0077】
図6に示されているように、支持体24’は、その内室内に、外側の輪郭面34を有した突出する輪郭突出部33を有している。輪郭突出部33は、第1の挽砕ディスク2の内側輪郭29’に対応する。第2の挽砕ディスク支持体M2の輪郭25とは異なり、第1の挽砕ディスク支持体M1の輪郭突出部33には、中央の貫通開口5aが設けられている。この貫通開口5aは、上述した中央の貫通開口5を延長または補足しており、これにより充填ホッパ6からのコーヒー豆7は、挽砕ディスク2,3の間の挽砕室16内へと進入することができる。
【0078】
第1の挽砕ディスク2の周面に有利には一体成形された、輪郭が組み込まれている突起31’(「スナップ突起」)は、この場合、第1の挽砕ディスク2において、第1の挽砕ディスク支持体M1の支持体24’における第1の挽砕ディスク2の軸方向の固定のために機能する。第1の挽砕ディスク2は、支持体インサート24c、例えばプラスチック支持体内に、突起31’がそれぞれ、支持体インサート24cの溝35内で摺動可能にガイドされて収容されているように、クリップ固定されている。溝35は、支持体24’の支持体軸線24’aに対して平行に延在し、下端部にそれぞれ1つの突出部36を有しており、この突出部は、それぞれ所属の溝35内でガイドされる突起31’の当接面31’aのための軸方向のストッパを形成している。このようにして、第1の挽砕ディスク2は、支持体24’の支持体インサート24c内に軸方向で固定されている。
【0079】
圧縮ばね18aは、この場合、第1の挽砕ディスク2の背面8の間に位置しており、図示されていないが容易に想像し得る形式で、支持体24’の支持体ベース24bの所属の支持区分に支持されている。圧縮ばね18aは、最適に分配された力の負荷を得るために、挽砕ディスク軸線2aおよびグラインダ軸線1aを中心として対称に配置されている。しかしながら、図示した3つの圧縮ばね18aよりも多数の圧縮ばねが設けられていてもよい。
【0080】
この用途のための圧縮ばね18aとしては、コイルばねが好適である。しかしながら、別の構成形式のばねまたはばねパッケージも使用可能である。
【0081】
したがって、第1の挽砕ディスク2は、挽砕ディスク軸線2aの方向で、すなわち支持体軸線24’aの方向およびグラインダ1のグラインダ軸線1aの方向で、軸方向の自由度を有している。これについてはさらに詳しく後述する。
【0082】
工具トルク、すなわち保持トルクが、支持体24’の輪郭突出部33と、第1の挽砕ディスク2の内側の貫通部における内側輪郭29’との形状接続を介して伝達されるので、スナップジオメトリ(突起31’と突出部36)を極めて繊細に形成することができる。このような構造的な構成により、上側の挽砕ディスク2と下側の挽砕ディスク3とを同じ部品として形成することができる。
【0083】
図7図9には、輪郭面30,30’を備えた内側輪郭29,29’の構成が、丸み付けられた角隅を有する六角形として示されている。別の形状接続的な輪郭、例えば四角形、多角形、長円、楕円等も、もちろん可能である。第2の挽砕ディスク支持体M2の支持体24の輪郭25と共に、第2の挽砕ディスク3の内側輪郭29は、組み付けられた状態で、この領域にコーヒー粉末が堆積し得ず、かつ簡単なクリーニングが可能であるように、密閉されている(図4参照)。
【0084】
内側輪郭29,29’は、図9に明瞭に示したように、リング突起32,32’も貫通して一貫して挽砕ディスク2,3に成形されている。
【0085】
突起31,31’は、挽砕ディスク2,3の外周面で、背面8,9の縁部から半径方向に突出している。突起31,31’は、背面8,9から当接面31a,31’aまで、挽砕ディスク軸線2a,3aに関して軸方向で拡大する。このことは、図11に拡大図で示されている。
【0086】
図10により、挽砕面10,11上に挽砕切刃14,15を有した凹部12,13は、凹状の包絡線を形成していることがわかる。
【0087】
図12図14は、図7図9に示した第1の挽砕ディスク2の概略的な断面図を、第1の挽砕ディスク支持体M1の所属の輪郭突出部33に対する様々な行程位置で示している。
【0088】
図12では、挽砕ディスク2は、輪郭突出部33に被せられていない。第1の挽砕ディスク2は、挽砕ディスク軸線2aの方向で、すなわち支持体軸線24’aの方向で、軸方向長さLを有している。支持体軸線24’aの方向の輪郭突出部33の長さ33aは、この場合、第1の挽砕ディスク2の軸方向長さLよりも大きい。
【0089】
リング突出部32’の面を、さらなる考察のために、行程基準HRとして利用する。
【0090】
図13では、第1の挽砕ディスク2の内側輪郭29’が輪郭突出部33に、軸線2a,24’aの方向で、行程基準HRに関して挽砕ディスク2の相対的な行程H1が生じるまで被せられている。このような相対的な行程H1は、図示した例では、リング突出部32’の軸方向の長さよりも幾分大きい。したがって、第1の挽砕ディスク2は、軸線2a;24’aの方向で軸方向の自由度を有している。
【0091】
輪郭突出部33に関する第1の挽砕ディスク2のこのような軸方向の自由度により、相対的な行程H2は、第1の挽砕ディスク2の軸方向長さLよりも大きくすることも可能である。これは図14に示されている。この場合、第1の挽砕ディスク2の内側輪郭29’は、完全に輪郭突出部33に被せられており、輪郭突出部33は、内側輪郭29’を貫通して挽砕切刃14の領域から突出している。この位置は、挽砕切刃14における凹部13をクリーニングするためにも利用することができる。
【0092】
輪郭突出部33に関する第1の挽砕ディスク2の行程の制限は、例えば、行程基準HRを含む第1の挽砕ディスク2の、支持体24’における図示されていないストッパへの当接により実現することができる。
【0093】
挽砕ディスク2,3、この場合、第2の挽砕ディスク3のためのトルクは、支持体24の輪郭25と、挽砕ディスク2,3の内側の貫通部における内側輪郭29,29’との形状接続部を介して伝達される。このような形状接続部は、駆動装置から直接的または間接的に挽砕ディスク2,3に直接トルクを伝達するための連続的な軸ハブ結合としての中央の形状接続部である。中央の形状接続部は、この場合、支持体24の輪郭突出部33の輪郭25と、挽砕ディスク2,3の内側輪郭29,29’との間に形成される。
【0094】
挽砕ディスク2,3は一体的に形成されている。形状接続は、例えば既に上述した六角形輪郭としてのように、挽砕ディスク3の内側輪郭29のジオメトリ的な構成を介して直接行われる。このような六角形輪郭は、平滑な壁であり、溝を有していない。したがって、例えば嵌合キー等のような、追加的な構成部分および/または中間構成部分は不要である。これにより、コーヒー粉末が入り込むおそれのある個所は著しく少なくなる。
【0095】
本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、請求項の範囲で変更可能である。
【0096】
例えば、第1の挽砕ディスク2を、ばね18aなしで第1の挽砕ディスク支持体24’内に装着することが考えられる。
【符号の説明】
【0097】
1 グラインダ
1a グラインダ軸線
2,3 挽砕ディスク
2a,3a 挽砕ディスク軸線
4 駆動ユニット
5 貫通開口
6 充填ホッパ
7 コーヒー豆
8,9 背面
10,11 挽砕面
12,13 凹部
14,15 挽砕切刃
16 挽砕室
17 挽砕間隙
18 力発生装置
18a 圧縮ばね
19 制御および/または評価ユニット
20 駆動モータ
20a 駆動モータ軸線
21 駆動軸
22 伝動装置
22a モータフランジ
22b フランジ
23 挽砕ケーシング
23a 取出し区分
24,24’ 支持体
24a,24’a 支持体軸線
24b 支持体ベース
24c 支持体インサート
25 輪郭
25a 輪郭面
26 リング区分
26a 空間
27 突出部
28 切欠き
29,29’ 内側輪郭
30,30’ 輪郭面
31,31’ 突起
31a,31’a 当接面
32,32’ リング突出部
33 輪郭突出部
33a 長さ
34 輪郭面
35 溝
36 突出部
E 平面
F 力
H1,H2 行程
HR 行程基準
L 軸方向長さ
M1,M2 挽砕ディスク支持体
X 予荷重距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14