(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】駐車エリア推薦方法、装置、電子機器および媒体
(51)【国際特許分類】
G06F 16/9035 20190101AFI20240119BHJP
B60R 99/00 20090101ALI20240119BHJP
【FI】
G06F16/9035
B60R99/00 310
(21)【出願番号】P 2022551580
(86)(22)【出願日】2022-02-28
(86)【国際出願番号】 CN2022078157
(87)【国際公開番号】W WO2022237277
(87)【国際公開日】2022-11-17
【審査請求日】2022-08-26
(31)【優先権主張番号】202110518142.7
(32)【優先日】2021-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514322098
【氏名又は名称】ベイジン バイドゥ ネットコム サイエンス テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Beijing Baidu Netcom Science Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】2/F Baidu Campus, No.10, Shangdi 10th Street, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】張 一鳴
(72)【発明者】
【氏名】譚 雄飛
(72)【発明者】
【氏名】葛 ▲ティン▼▲ティン▼
【審査官】原 秀人
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-158354(JP,A)
【文献】国際公開第2021/044616(WO,A1)
【文献】特開2008-096362(JP,A)
【文献】特開2019-105573(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
B60R 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲット駐車場の駐車スペース占有データを確定することと、
前記駐車スペース占有データに基づき、前記ターゲット駐車場の複数の候補駐車エリアからターゲット駐車エリアを選択し、各候補駐車エリアに少なくとも2つの駐車スペースが含まれることとを含
み、
前記複数の候補駐車エリアは、
前記ターゲット駐車場における複数の駐車スペースのそれぞれの履歴占有時間および位置情報を確定することと、
各駐車スペースの履歴占有時間および位置情報に基づいて前記複数の駐車スペースを領域分割し、前記複数の候補駐車エリアを取得することとにより確定され、
各駐車スペースの履歴占有時間および位置情報に基づいて前記複数の駐車スペースを領域分割し、前記複数の候補駐車エリアを取得することは、
各駐車スペースの履歴占有時間に基づいて前記複数の駐車スペースをクラスタリングし、前記複数の駐車スペースの占有時間クラスタリング結果を取得することと、
前記占有時間クラスタリング結果および各駐車スペースの位置情報に基づいて前記複数の駐車スペースを領域分割し、前記複数の候補駐車エリアを取得することと、を含む、
駐車エリア推薦方法。
【請求項2】
前記駐車スペース占有データに基づき、前記ターゲット駐車場の複数の候補駐車エリアからターゲット駐車エリアを選択することは、
駐車エリア推薦モデルに基づき、前記駐車スペース占有データに応じて前記ターゲット駐車場の複数の候補駐車エリアからターゲット駐車エリアを選択することを含み、
前記駐車エリア推薦モデルは、
ユーザがある履歴時刻に駐車した履歴駐車エリアと、前記履歴時刻に対応する前記ターゲット駐車場の履歴駐車スペース占有データとを確定することと、
前記履歴駐車スペース占有データおよび前記履歴駐車エリアに基づいてモデルトレーニングを行い、前記駐車エリア推薦モデルを取得することとによりトレーニングされる、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各駐車スペースの履歴占有時間に基づいて前記複数の駐車スペースをクラスタリングし、前記複数の駐車スペースの占有時間クラスタリング結果を取得することは、
複数の時間帯のそれぞれでの各駐車スペースの履歴平均占有時間を確定することと、
各時間帯における履歴平均占有時間に基づいて前記各駐車スペースの占有時間ベクトルを構築することと、
各駐車スペースの占有時間ベクトルに基づいて前記複数の駐車スペースをクラスタリングし、前記複数の駐車スペースの占有時間クラスタリング結果を取得することと、を含む、
請求項
1に記載の方法。
【請求項4】
前記占有時間クラスタリング結果および各駐車スペースの位置情報に基づいて前記複数の駐車スペースを領域分割し、前記複数の候補駐車エリアを取得することは、
前記占有時間クラスタリング結果および各駐車スペースの位置情報に基づいて前記各駐車スペースの空間位置ベクトルを構築することと、
各駐車スペースの空間位置ベクトルに基づいて前記複数の駐車スペースをクラスタリングし、前記複数の駐車スペースの空間位置クラスタリング結果を取得することと、
前記複数の駐車スペースの空間位置クラスタリング結果に基づいて前記複数の駐車スペースを領域分割し、前記複数の候補駐車エリアを取得することと、を含む、
請求項
1に記載の方法。
【請求項5】
前記駐車スペース占有データは、駐車スペース総占有率、各階の駐車スペース占有率、各候補駐車エリアの駐車スペース占有率、および重点駐車エリアの駐車スペース占有率の少なくとも1種を含み、
前記重点駐車エリアは、各候補駐車エリアの識別情報に基づいて確定される、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
月、週、日および時間帯の少なくとも1種を含む現在時刻に対応する現在時間情報を確定することと、
前記現在時間情報および前記駐車スペース占有データに基づいて前記ターゲット駐車場の複数の候補駐車エリアからターゲット駐車エリアを選択することと、を更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ターゲット駐車場の駐車スペース占有データを確定するように構成される駐車スペース占有データ確定モジュールと、
前記駐車スペース占有データに基づき、前記ターゲット駐車場の複数の候補駐車エリアからターゲット駐車エリアを選択し、各候補駐車エリアに少なくとも2つの駐車スペースが含まれるように構成されるターゲット駐車エリア選択モジュールと、を備え
、
前記ターゲット駐車場における複数の駐車スペースのそれぞれの履歴占有時間および位置情報を確定し、
各駐車スペースの履歴占有時間および位置情報に基づいて前記複数の駐車スペースを領域分割し、前記複数の候補駐車エリアを取得するように構成される、候補駐車エリア確定モジュールを更に備え、
前記候補駐車エリア確定モジュールは、
各駐車スペースの履歴占有時間に基づいて前記複数の駐車スペースをクラスタリングし、前記複数の駐車スペースの占有時間クラスタリング結果を取得することと、
前記占有時間クラスタリング結果および各駐車スペースの位置情報に基づいて前記複数の駐車スペースを領域分割し、前記複数の候補駐車エリアを取得することとにより、
各駐車スペースの履歴占有時間および位置情報に基づいて前記複数の駐車スペースを領域分割し、前記複数の候補駐車エリアを取得するように構成される、
駐車エリア推薦装置。
【請求項8】
前記ターゲット駐車エリア選択モジュールは、
駐車エリア推薦モデルに基づき、前記駐車スペース占有データに応じて前記ターゲット駐車場の複数の候補駐車エリアからターゲット駐車エリアを選択するように構成され、
前記駐車エリア推薦モデルは、
ユーザがある履歴時刻に駐車した履歴駐車エリアと、前記履歴時刻に対応する前記ターゲット駐車場の履歴駐車スペース占有データとを確定することと、
前記履歴駐車スペース占有データおよび前記履歴駐車エリアに基づいてモデルトレーニングを行い、前記駐車エリア推薦モデルを取得することとによりトレーニングされる、
請求項
7に記載の装置。
【請求項9】
前記候補駐車エリア確定モジュールは、
複数の時間帯のそれぞれでの各駐車スペースの履歴平均占有時間を確定することと、
各時間帯における履歴平均占有時間に基づいて前記各駐車スペースの占有時間ベクトルを構築することと、
各駐車スペースの占有時間ベクトルに基づいて前記複数の駐車スペースをクラスタリングし、前記複数の駐車スペースの占有時間クラスタリング結果を取得することとにより、
各駐車スペースの履歴占有時間に基づいて前記複数の駐車スペースをクラスタリングし、前記複数の駐車スペースの占有時間クラスタリング結果を取得するように構成される、
請求項
7に記載の装置。
【請求項10】
前記候補駐車エリア確定モジュールは、
前記占有時間クラスタリング結果および各駐車スペースの位置情報に基づいて前記各駐車スペースの空間位置ベクトルを構築することと、
各駐車スペースの空間位置ベクトルに基づいて前記複数の駐車スペースをクラスタリングし、前記複数の駐車スペースの空間位置クラスタリング結果を取得することと、
前記複数の駐車スペースの空間位置クラスタリング結果に基づいて前記複数の駐車スペースを領域分割し、前記複数の候補駐車エリアを取得することとにより、
前記占有時間クラスタリング結果および各駐車スペースの位置情報に基づいて前記複数の駐車スペースを領域分割し、前記複数の候補駐車エリアを取得するように構成される、
請求項
7に記載の装置。
【請求項11】
前記駐車スペース占有データは、駐車スペース総占有率、各階の駐車スペース占有率、各候補駐車エリアの駐車スペース占有率、および重点駐車エリアの駐車スペース占有率の少なくとも1種を含み、
前記重点駐車エリアは、各候補駐車エリアの識別情報に基づいて確定される、
請求項
7に記載の装置。
【請求項12】
月、週、日および時間帯の少なくとも1種を含む現在時刻に対応する現在時間情報を確定し、
前記現在時間情報および前記駐車スペース占有データに基づいて前記ターゲット駐車場の複数の候補駐車エリアからターゲット駐車エリアを選択するように構成される現在時間情報確定モジュールを更に備える、
請求項
7に記載の装置。
【請求項13】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信接続されたメモリと、を備える電子機器であって、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令が記憶され、前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサが請求項1から
6のいずれか1項に記載の駐車エリア推薦方法を実行可能であるように、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行される、
電子機器。
【請求項14】
コンピュータ命令が記憶された非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、
前記コンピュータ命令は、請求項1から
6のいずれか1項に記載の駐車エリア推薦方法を
コンピュータに実行させることに用いられる、
非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項15】
プロセッサにより実行されると、請求項1から
6のいずれか1項に記載の駐車エリア推薦方法を実現する、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年05月12日に中国専利局に提出された出願番号が202110518142.7である中国特許出願に対して優先権を主張するものであり、該出願の全ての内容を引用により本願に援用する。
【0002】
本開示は、コンピュータ技術分野に関し、機械学習技術、クラウドコンピューティングおよびクラウドサービスの技術分野に関し、例えば、駐車エリア推薦方法、装置、電子機器および媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
自動車保有量の増加に伴い、駐車スペースリソースは非常に逼迫し、駐車スペースの合理的な推薦はますます有意義となる。
【0004】
駐車スペースの推薦は、各駐車スペースから出入口やエレベーターまでの距離に基づいてユーザに最適な駐車スペースを推薦することが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、駐車エリア推薦精度を向上させるための方法、装置、電子機器および媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、
ターゲット駐車場の駐車スペース占有データを確定することと、
前記駐車スペース占有データに基づき、前記ターゲット駐車場の複数の候補駐車エリアからターゲット駐車エリアを選択し、各候補駐車エリアに少なくとも2つの駐車スペースが含まれることとを含む、
駐車エリア推薦方法を提供する。
【0007】
本開示の別の態様によれば、
ターゲット駐車場の駐車スペース占有データを確定するように構成される駐車スペース占有データ確定モジュールと、
前記駐車スペース占有データに基づき、前記ターゲット駐車場の複数の候補駐車エリアからターゲット駐車エリアを選択し、各候補駐車エリアに少なくとも2つの駐車スペースが含まれるように構成されるターゲット駐車エリア選択モジュールとを備える、
駐車エリア推薦装置を提供する。
【0008】
本開示の別の態様によれば、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信接続されたメモリと、を備える電子機器であって、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令が記憶され、前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサが上記駐車エリア推薦方法を実行可能であるように、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行される、
電子機器を提供する。
【0009】
本開示の別の態様によれば、
コンピュータ命令が記憶された非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、
前記コンピュータ命令は、上記駐車エリア推薦方法を前記コンピュータに実行させることに用いられる、
非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【0010】
本開示の別の態様によれば、
プロセッサにより実行されると、上記駐車エリア推薦方法を実現する、
コンピュータプログラムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の実施例による駐車エリア推薦方法のフローチャートである。
【
図2】本開示の実施例による駐車エリア推薦方法のフローチャートである。
【
図3】本開示の実施例による駐車エリア推薦装置の構造模式図である。
【
図4】本開示の実施例に開示された駐車エリア推薦方法を実現するための電子機器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本開示の例示的な実施例を説明する。ここで、理解の便宜上、本開示の実施例に係る様々な細かい内容まで含まれているが、例示的なものに過ぎないと理解すべきである。以下の説明において、公知されている機能および構造の説明は、明確且つ簡潔にするために省略している。
【0013】
駐車エリアの推薦は、各駐車スペースから出入口までの距離、および/またはユーザが降りてからエレベーターまたは階段までの距離に基づいてユーザに最適な駐車スペースを推薦することが多い。しかし、このような方法は、ユーザが主観的に関心を持つ経路距離の次元だけを考慮し、考慮が単一であり、ユーザに現在の最適な駐車エリアを正確に推薦することができず、ユーザの駐車体験が悪くなる。
【0014】
1つのユーザが駐車場へ駐車する場合、ユーザは、必ず駐車場における駐車スペースの占有状況に基づいてどの駐車スペースに駐車するかを分析判断して選択する。例えば、駐車場に入った後、駐車スペースが非常に逼迫していると発見した場合、ユーザは、前へ走行している間に近くの1つの駐車スペースを選択する可能性がある。また、例えば、駐車場に入った後、駐車スペースがかなり十分であると発見した後、エレベーターまたは出入口により近い駐車スペースを選択する可能性がある。従って、駐車場の駐車スペースの占有状況は、ユーザのどの駐車エリアに駐車するかの選択に対して重要な作用を果たす。
【0015】
図1は、本開示の実施例による駐車エリア推薦方法のフローチャートであり、本実施例は、ユーザにターゲット駐車場の駐車エリアを推薦する場合に適用できる。本実施例の方法は、本開示の実施例に開示された駐車エリア推薦装置により実行でき、前記装置は、ソフトウェアおよび/またはハードウェアで実現でき、且つ、計算能力を持つ任意の電子機器に集積され得る。
【0016】
図1に示すように、本実施例に開示された駐車エリア推薦方法は、以下のステップを含んでもよい。
【0017】
S101において、ターゲット駐車場の駐車スペース占有データを確定する。
【0018】
ターゲット駐車場のタイプは、露天駐車場、地下駐車場または立体駐車場等を含んでもよいが、これらに限定されない。ターゲット駐車場の階数は、1階であってもよいし、複数階であってもよく、本実施例は、ターゲット駐車場のタイプおよび階数を何ら限定するものではない。駐車スペース占有データは、ターゲット駐車場における駐車スペースの占有状況を表し、駐車スペース占有データは、駐車スペース占有数で表されてもよいし、駐車スペース占有率で表されてもよいし、駐車スペース占有数と駐車スペース占有率との両者で共に表されてもよく、本実施例は、駐車スペース占有データのデータタイプを限定するものではなく、ターゲット駐車場における駐車スペースの占有状況を表すことができるデータであれば、駐車スペース占有データとすることができる。
【0019】
一実施形態において、ユーザは、ターゲット駐車場に入る前に、スマート端末にインストールされたクライアントで駐車エリア推薦インタフェースにアクセスし、駐車エリア推薦インタフェースで駐車エリア推薦命令を生成する操作を実施し、ここで、スマート端末は、スマートフォン、スマートタブレット、スマートウォッチまたはノートパソコン等の、スマートオペレーティングシステムがインストールされた任意の電子機器を含んでもよいが、これらに限定されない。駐車エリア推薦命令を生成する操作は、ユーザが駐車エリア推薦インタフェースで、予め設定されたコントロール、例えば、「駐車エリア推薦」というボタンコントロールをクリックすることで、駐車エリア推薦命令を生成することを含んでもよいが、これらに限定されない。駐車エリア推薦サーバは、クライアントから送信された駐車エリア推薦命令を取得し、ターゲット駐車場における駐車スペースの占有状況を対応して取得し、更に駐車スペースの占有状況に基づいて予め設定されたルールに従って統計して分析し、ターゲット駐車場の駐車スペース占有データを取得する。ここで、駐車スペースの占有状況は、占有さているおよび占有されていないという2種の状況を含む。駐車スペースが占有されているか否かを確定する方式は、以下の少なくとも1種を含んでもよいが、これらに限定されない。1)各駐車スペースにインストールされたセンサにより、該駐車スペースが占有されているか否かを検出し、例えば、光線センサにより光線が遮られることを検出した場合、該駐車スペースが占有されていると確定し、また、例えば、圧力センサにより圧力が大きくなることを検出した場合、該駐車スペースが占有されていると確定する。2)カメラで撮影された駐車スペースの画像により、駐車スペースが占有されているか否かを確定し、例えば、ターゲット検出アルゴリズムに基づいて駐車スペースの画像で車両を検出した場合、駐車スペースが占有されていると確定する。
【0020】
好ましくは、駐車スペース占有データは、駐車スペース総占有率、各階の駐車スペース占有率、各候補駐車エリアの駐車スペース占有率、および重点駐車エリアの駐車スペース占有率の少なくとも1種を含み、ここで、重点駐車エリアは、各候補駐車エリアの識別情報に基づいて確定される。
【0021】
駐車スペース総占有率は、ターゲット駐車場の駐車スペース総占有率を表し、駐車スペース総占有数と駐車スペース総数との間の比で表され、例えば、駐車スペース総占有数が500で、駐車スペース総数が1000であれば、駐車スペース総占有率は500/1000×100%=50%である。
【0022】
各階の駐車スペース占有率は、ターゲット駐車場の各階の駐車スペース占有率を表し、該階の駐車スペース占有数と該階の駐車スペース総数との間の比で表され、例えば、ターゲット駐車場の1階の駐車スペース占有数が100で、ターゲット駐車場の1階の駐車スペース総数が150であれば、ターゲット駐車場の1階の駐車スペース占有率は100/150×100%=66%である。
【0023】
候補駐車エリアは、関係者がターゲット駐車場の複数の駐車スペースを予め領域分割することにより得られるものである。各候補駐車エリアの駐車スペース占有率は、該候補駐車エリアの駐車スペース占有数と該候補駐車エリアの駐車スペース総数との間の比で表され、例えば、候補駐車エリアAの駐車スペース占有数が10で、候補駐車エリアAの駐車スペース総数が50であれば、候補駐車エリアAの駐車スペース占有率は10/50×100%=20%である。
【0024】
重点駐車エリアは、関係者が予め設定した重要度の高い候補駐車エリアであり、例えば、エレベーター付近の候補駐車エリア、ターゲット駐車場の入口付近の候補駐車エリア、ターゲット駐車場の出口付近の候補駐車エリア、フロアの入口付近の候補駐車エリア、およびフロアの出口付近の候補駐車エリア等である。異なる候補駐車エリアは異なる識別情報に対応し、重点駐車エリアは、候補駐車エリアの識別情報に基づいて確定される。例えば、識別情報が「0001」、「0005」および「0010」の候補駐車エリアが重点駐車エリアであると予め設定すれば、候補駐車エリアの識別情報をトラバースし、識別情報が「0001」、「0005」および「0010」の候補駐車エリアを重点駐車エリアとし、且つ、識別情報が「0001」、「0005」および「0010」の候補駐車エリアの駐車スペース占有率を、重点駐車エリアに対応する駐車スペース占有率とする。
【0025】
駐車スペース総占有率、各階の駐車スペース占有率、各候補駐車エリアの駐車スペース占有率、および重点駐車エリアの駐車スペース占有率の少なくとも1種を駐車スペース占有データとすることにより、駐車スペース占有データのデータ次元を拡張し、最終的な駐車エリア推薦の精度を間接的に向上させる。
【0026】
好ましくは、駐車スペース占有データは、駐車スペース総占有数、各階の駐車スペース占有数、各候補駐車エリアの駐車スペース占有数、および重点駐車エリアの駐車スペース占有数の少なくとも1種を含む。
【0027】
駐車スペース総占有数は、ターゲット駐車場の駐車スペース総占有数を表す。各階の駐車スペース占有数は、ターゲット駐車場における各階の駐車スペース占有数を表す。候補駐車エリアの駐車スペース占有数は、該候補駐車エリアで占有されている駐車スペース数である。重点駐車エリアの駐車スペース占有数は、関係者が設定した重要度の高い候補駐車エリアで占有されている駐車スペース数である。
【0028】
ターゲット駐車場の駐車スペース占有データを確定することにより、後の駐車スペース占有データに基づいてターゲット駐車エリアを選択することに対してデータ基礎を築き上げている。
【0029】
S102において、前記駐車スペース占有データに基づき、前記ターゲット駐車場の複数の候補駐車エリアからターゲット駐車エリアを選択し、各候補駐車エリアに少なくとも2つの駐車スペースが含まれる。
【0030】
一実施形態において、複数の候補駐車エリアの駐車スペース占有率を順位付け、且つ、駐車スペース占有率の低い順に複数の候補駐車エリアからターゲット駐車エリアを選択する。好ましくは、駐車スペース占有率の最も低い候補駐車エリアを選択してターゲット駐車エリアとする。ターゲット駐車エリアを選択した後、駐車エリア推薦サーバは、ターゲット駐車エリアに基づいて表示命令を生成し、且つ、クライアントが表示命令に基づいてユーザにターゲット駐車エリアを表示するように、表示命令をクライアントに送信する。
【0031】
別の実施形態において、駐車エリア推薦モデルに基づき、前記駐車スペース占有データに応じて前記ターゲット駐車場の複数の候補駐車エリアからターゲット駐車エリアを選択する。
【0032】
駐車エリア推薦モデルは、ユーザの履歴駐車行動に基づいてトレーニングされたものであり、履歴駐車行動は、履歴駐車エリアおよび履歴駐車スペース占有データ等を含む。
【0033】
大量のユーザの履歴駐車行動における履歴駐車エリアおよび履歴駐車スペース占有データに基づき、機械学習の方法でトレーニングして駐車エリア推薦モデルを取得する。ユーザの現在の駐車時刻に対応する現在の駐車スペース占有データを駐車エリア推薦モデルに入力すると、ターゲット駐車エリアが出力される。
【0034】
駐車スペース占有データに基づいてターゲット駐車場の複数の候補駐車エリアからターゲット駐車エリアを選択することにより、ユーザにターゲット駐車エリアを推薦するという技術的効果を実現する。
【0035】
本開示は、ターゲット駐車場の駐車スペース占有データを確定し、駐車スペース占有データに基づいてターゲット駐車場の複数の候補駐車エリアからターゲット駐車エリアを選択し、駐車スペース占有データが、ユーザのどの駐車エリアに駐車するかの選択に対して重要な作用を果たすため、本開示は、駐車エリア推薦精度を向上させる効果を実現し、ユーザの駐車体験を改善する。
【0036】
上記実施例の基に、S102の後、以下のステップを更に含む。
【0037】
予め設定された駐車スペース推薦ルールに基づき、ターゲット駐車エリアにおける占有されていない駐車スペースからターゲット駐車スペースを選択する。
【0038】
好ましくは、駐車スペース推薦ルールは、以下のA、B、CおよびDという4種を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0039】
A、ターゲット駐車エリアが3つの連続した占有されていない駐車スペースを含む場合、3つの連続した占有されていない駐車スペースの中間にある駐車スペースをターゲット駐車スペースとする。
【0040】
B、ターゲット駐車エリアが2つの連続した占有されていない駐車スペースを含む場合、2つの連続した占有されていない駐車スペースのいずれかをターゲット駐車スペースとする。
【0041】
C、ターゲット駐車エリアが連続した占有されていない駐車スペースを含まない場合、ターゲット駐車エリアのエッジにある駐車スペースをターゲット駐車スペースとする。
【0042】
D、ターゲット駐車エリアが連続した占有されていない駐車スペースを含まない場合、任意の占有されていない駐車スペースをターゲット駐車スペースとする。
【0043】
以上の4種の駐車スペース推薦ルールの優先度は、高い順に駐車スペース推薦ルールA、駐車スペース推薦ルールB、駐車スペース推薦ルールC、駐車スペース推薦ルールDである。
【0044】
予め設定された駐車スペース推薦ルールに基づき、ターゲット駐車エリアにおける占有されていない駐車スペースからターゲット駐車スペースを選択することにより、ユーザに駐車スペースを推薦する効果を実現し、ユーザの駐車ニーズを更に満たし、ユーザの駐車体験を向上させる。
【0045】
駐車エリア推薦モデルに基づき、駐車スペース占有データに応じてターゲット駐車場の複数の候補駐車エリアからターゲット駐車エリアを選択する場合、各駐車スペースの占有状況を特徴フィールドとして駐車エリア推薦モデルを作成すると、駐車エリア推薦モデルは非常に複雑となり、フィッティングしにくくなる。
【0046】
図2は、本開示の実施例による駐車エリア推薦方法のフローチャートであり、上記技術案に基づいて拡張し、且つ、上記好ましい実施形態と組み合わせることができる。
【0047】
S201において、前記ターゲット駐車場における複数の駐車スペースのそれぞれの履歴占有時間および位置情報を確定する。
【0048】
いずれかの駐車スペースの位置情報は、ターゲット駐車場における該駐車スペースの相対位置を表し、位置座標で駐車スペースの位置情報を表すことができる。いずれかの駐車スペースの履歴占有時間は、履歴時間帯における該駐車スペースが占有されている平均時間を表し、ここで、履歴時間帯は、時間帯、例えば、12時~13時であってもよいし、履歴時間帯は、日または週であってもよく、本実施例は、履歴時間帯を限定しない。
【0049】
S202において、各駐車スペースの履歴占有時間および位置情報に基づいて前記複数の駐車スペースを領域分割し、ターゲット駐車場の複数の候補駐車エリアを取得する。
【0050】
一実施形態において、各駐車スペースの履歴占有時間および位置情報に基づいて複数の駐車スペースをクラスタリングし、クラスタリング結果に基づいて複数の駐車スペースを領域分割し、ターゲット駐車場の複数の候補駐車エリアを取得する。
【0051】
好ましくは、S202は、以下のA1およびB1を含む。
【0052】
A1、各駐車スペースの履歴占有時間に基づいて前記複数の駐車スペースをクラスタリングし、前記複数の駐車スペースの占有時間クラスタリング結果を取得する。
【0053】
一実施形態において、クラスタリングアルゴリズムを用いて複数の駐車スペースの履歴占有時間をクラスタリングし、複数の駐車スペースの占有時間クラスタリング結果を取得し、ここで、クラスタリングアルゴリズムは、K-meansクラスタリングアルゴリズム、平均シフトクラスタリングアルゴリズム、密度に基づくクラスタリングアルゴリズムまたは凝集型階層クラスタリングアルゴリズム等を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0054】
好ましくは、A1は、A11、A12およびA13を含む。
【0055】
A11、複数の時間帯のそれぞれでの各駐車スペースの履歴平均占有時間を確定する。
【0056】
例示的には、任意の1日における各駐車スペースの占有時間を24個の時間帯に分けて統計し、即ち、0時~1時、1時~2時、2時~3時、3時~4時、4時~5時、5時~6時、6時~7時、7時~8時、8時~9時、9時~10時、10時~11時、11時~12時、12時~13時、13時~14時、14時~15時、15時~16時、16時~17時、17時~18時、18時~19時、19時~20時、20時~21時、21時~22時、22時~23時、および23時~24時という合計24個の時間帯の占有時間をそれぞれ統計する。更に、30日間のような予め設定された履歴時間区間における各時間帯の履歴平均占有時間を計算する。
【0057】
A12、各時間帯における履歴平均占有時間に基づいて前記各駐車スペースの占有時間ベクトルを構築する。
【0058】
一実施形態において、予め設定されたベクトル代入ルールを採用し、各時間帯における履歴平均占有時間に基づき、ベクトル代入を対応して行い、各駐車スペースの占有時間ベクトルを構築する。
【0059】
好ましくは、ベクトル代入ルールは、以下のとおりであってもよい。各時間帯の履歴平均占有時間を、1、短時間で占有され、即ち、履歴平均占有時間が0~10分間であるという状況と、2、比較的長時間で占有され、即ち、履歴平均占有時間が10~40分間であるという状況と、3、長時間で占有され、即ち、履歴平均占有時間が40~60分間であるという状況との3種に分ける。第1種の状況の場合、ベクトルに「0」を代入し、第2種の状況の場合、ベクトルに「1」を代入し、第3種の状況の場合、ベクトルに「2」を代入することで、1つの1*24次元の占有時間ベクトルを構築する。
【0060】
例示的には、5時~6時におけるいずれかの駐車スペースの履歴平均占有時間が24分間であると仮定すると、該時間帯のベクトルに「1」を代入する。
【0061】
A13、各駐車スペースの占有時間ベクトルに基づいて前記複数の駐車スペースをクラスタリングし、前記複数の駐車スペースの占有時間クラスタリング結果を取得する。
【0062】
一実施形態において、クラスタリングアルゴリズムを採用して複数の駐車スペースに対応する1*24次元の占有時間ベクトルをクラスタリングし、複数の駐車スペースの占有時間クラスタリング結果を取得する。ここで、占有時間クラスタリング結果のクラス数は、必要に応じて設定することができ、例えば、3種の占有時間クラスタリング結果である。
【0063】
各時間帯における各駐車スペースの履歴平均占有時間を確定し、各時間帯における履歴平均占有時間に基づいて該駐車スペースの占有時間ベクトルを構築し、更に各駐車スペースの占有時間ベクトルに基づいて複数の駐車スペースをクラスタリングし、複数の駐車スペースの占有時間クラスタリング結果を取得することにより、履歴平均占有時間に基づいて複数の駐車スペースをクラスタリングすることを実現し、後の分割で得られた各候補駐車エリアにおける複数の駐車スペースがいずれも類似する履歴平均占有時間を有することを確保し、各候補駐車エリアにおける複数の駐車スペースは、占有状況で類似する。
【0064】
B1、前記占有時間クラスタリング結果および各駐車スペースの位置情報に基づいて前記複数の駐車スペースを領域分割し、複数の候補駐車エリアを取得する。
【0065】
一実施形態において、複数の駐車スペースの占有時間クラスタリング結果と位置情報とを融合し、クラスタリングアルゴリズムを採用して融合結果を再びクラスタリングし、クラスタリング結果に基づいて複数の駐車スペースを領域分割し、複数の候補駐車エリアを取得する。
【0066】
好ましくは、B1は、B11、B12およびB13を含む。
【0067】
B11、前記占有時間クラスタリング結果および各駐車スペースの位置情報に基づいて前記各駐車スペースの空間位置ベクトルを構築する。
【0068】
一実施形態において、占有時間クラスタリング結果に基づいて各駐車スペースの占有時間クラスを確定し、且つ、該駐車スペースの占有時間クラスと位置情報とを融合し、該駐車スペースの空間位置ベクトルを構築する。
【0069】
例示的には、合計A01、A02、A03、A04、A05、A06、A07、A08、A09およびA10という10個の駐車スペースがあると仮定する。10個の駐車スペースの位置情報は、それぞれ(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)、(x4,y4)、(x5,y5)、(x6,y6)、(x7,y7)、(x8,y8)、(x9,y9)および(x10,y10)である。占有時間クラスタリング結果は、クラス1、クラス2、およびクラス3という3種の占有時間クラスを含み、クラス1はA01、A05およびA08を含み、クラス2はA02、A03およびA10を含み、クラス3は、A04、A06、A07およびA09を含む。これにより、10個の駐車スペースの空間位置ベクトルは、それぞれA01(1,x1,y1)、A02(2,x2,y2)、A03(2,x3,y3)、A04(3,x4,y4)、A05(1,x5,y5)、A06(3,x6,y6)、A07(3,x7,y7)、A08(1,x8,y8)、A09(3,x9,y9)およびA10(2,x10,y10)である。即ち、各駐車スペースは1つの1*3次元の空間位置ベクトルに対応する。
【0070】
B12、各駐車スペースの空間位置ベクトルに基づいて前記複数の駐車スペースをクラスタリングし、前記複数の駐車スペースの空間位置クラスタリング結果を取得する。
【0071】
一実施形態において、クラスタリングアルゴリズムを採用して複数の駐車スペースの1*3次元の空間位置ベクトルをクラスタリングし、複数の駐車スペースの空間位置クラスタリング結果を取得する。
【0072】
B13、前記複数の駐車スペースの空間位置クラスタリング結果に基づいて前記複数の駐車スペースを領域分割し、前記複数の候補駐車エリアを取得する。
【0073】
一実施形態において、空間位置クラスタリング結果に基づき、同じクラスの駐車スペースを同じ候補駐車エリアに分割する。例えば、空間位置クラスタリング結果がクラス1、クラス2およびクラス3という3種を含む場合、クラス1に属する駐車スペースを1つの候補駐車エリアに分割し、クラス2に属する駐車スペースを1つの候補駐車エリアに分割し、クラス3に属する駐車スペースを1つの候補駐車エリアに分割する。
【0074】
占有時間クラスタリング結果および各駐車スペースの位置情報に基づいて該駐車スペースの空間位置ベクトルを構築し、各駐車スペースの空間位置ベクトルに基づいて複数の駐車スペースをクラスタリングし、複数の駐車スペースの空間位置クラスタリング結果を取得し、更に複数の駐車スペースの空間位置クラスタリング結果に基づいて複数の駐車スペースを領域分割し、複数の候補駐車エリアを取得することにより、位置情報に基づいて複数の駐車スペースをクラスタリングすることを実現し、得られた各候補駐車エリアにおける複数の駐車スペースがいずれも類似する位置情報を有することを確保し、各候補駐車エリアにおける複数の駐車スペースは、空間位置で類似する。
【0075】
各駐車スペースの履歴占有時間に基づいて複数の駐車スペースをクラスタリングし、複数の駐車スペースの占有時間クラスタリング結果を取得し、且つ、占有時間クラスタリング結果および各駐車スペースの位置情報に基づいて複数の駐車スペースを領域分割し、複数の候補駐車エリアを取得することにより、各駐車スペースの履歴占有時間および位置情報に基づいて複数の候補駐車エリアを取得することを実現し、得られた各候補駐車エリアにおける複数の駐車スペースがいずれも類似する履歴占有時間および位置情報を有することを確保し、各候補駐車エリアにおける複数の駐車スペースは、占有状況および空間位置でいずれも類似する。
【0076】
S203において、ターゲット駐車場の駐車スペース占有データを確定する。
【0077】
S204において、駐車エリア推薦モデルに基づき、前記駐車スペース占有データに応じて前記ターゲット駐車場の複数の候補駐車エリアからターゲット駐車エリアを選択する。
【0078】
好ましくは、駐車エリア推薦モデルは、
ユーザが任意の履歴時刻に駐車した履歴駐車エリアと、前記履歴時刻に対応する前記ターゲット駐車場の履歴駐車スペース占有データとを確定することと、前記履歴駐車スペース占有データおよび前記履歴駐車エリアに基づいてモデルトレーニングを行い、前記駐車エリア推薦モデルを取得することとによりトレーニングされる。
【0079】
一実施形態において、ユーザが任意の履歴時刻に駐車した履歴駐車エリアをトレーニングラベルとし、且つ、前記履歴時刻に対応するターゲット駐車場の履歴駐車スペース占有データをトレーニングデータとし、モデルトレーニングを行って駐車エリア推薦モデルを取得する。
【0080】
例示的には、ユーザAがB時刻に車を駐車エリアCに駐車し、B時刻に対応する駐車スペース占有データがDであると仮定すると、Dをトレーニングデータとし、且つ、CをDのトレーニングラベルとしてモデルトレーニングを行い、駐車エリア推薦モデルを取得する。
【0081】
ユーザが任意の履歴時刻に駐車した履歴駐車エリアと、履歴時刻に対応するターゲット駐車場の履歴駐車スペース占有データとを確定し、履歴駐車スペース占有データおよび履歴駐車エリアに基づいてモデルトレーニングを行い、駐車エリア推薦モデルを取得することにより、機械学習の方式でユーザの駐車行動を学習することを実現し、トレーニングされた駐車エリア推薦モデルにより得られたターゲット駐車エリアは、ユーザの実際の駐車ニーズにより合致する。
【0082】
好ましくは、駐車エリア推薦モデルのタイプは、Random Forestモデル、極端な勾配ブースティング(Extreme Gradient Boost、XGBOOST)モデル、軽量勾配ブースティング装置(Light Gradient Boosting Machine、LightGBM)モデルまたはCatBoostモデル等を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0083】
本開示は、ターゲット駐車場における各駐車スペースの履歴占有時間および位置情報を確定し、各駐車スペースの履歴占有時間および位置情報に基づいて複数の駐車スペースを領域分割し、ターゲット駐車場の複数の候補駐車エリアを取得することにより、同じ候補駐車エリアの複数の駐車スペースが占有状況および空間位置でいずれも類似するため、候補駐車エリアの占有状況を特徴フィールドとして駐車エリア推薦モデルを作成すれば良く、各駐車スペースの占有状況を特徴フィールドとして駐車エリア推薦モデルを作成する必要がなく、駐車エリア推薦モデルの複雑度を大幅に低減し、モデルが正常にフィッティングできることを確保する。駐車エリア推薦モデルに基づき、駐車スペース占有データに応じてターゲット駐車場の複数の候補駐車エリアからターゲット駐車エリアを選択することにより、推薦モデルの方式でユーザにターゲット駐車エリアを迅速に推薦するという効果を実現する。
【0084】
上記実施例の基に、
月、週、日および時間帯の少なくとも1種を含む現在時刻に対応する現在時間情報を確定することと、前記現在時間情報および前記駐車スペース占有データに基づいて前記ターゲット駐車場の複数の候補駐車エリアからターゲット駐車エリアを選択することとを更に含む。
【0085】
「月」は、現在時刻の月を表し、例えば、1月または2月等を表す。「週」は、現在時刻が月の何週目であるかを表す。「日」は、現在時刻が1週間中の何曜日であるかを表す。「時間帯」は、現在時刻が1日中の何時であるかを表す。
【0086】
一実施形態において、駐車エリア推薦モデルに基づき、現在時間情報および駐車スペース占有データに応じてターゲット駐車場の複数の候補駐車エリアからターゲット駐車エリアを選択する。
【0087】
駐車エリア推薦モデルは、ユーザが任意の履歴時刻に駐車した履歴駐車エリアと、前記履歴時刻に対応する前記ターゲット駐車場の履歴駐車スペース占有データとを確定することと、前記履歴時刻の履歴時間情報、前記履歴駐車スペース占有データおよび前記履歴駐車エリアに基づいてモデルトレーニングを行い、前記駐車エリア推薦モデルを取得することとによりトレーニングされる。駐車エリア推薦モデルのトレーニング過程は、本実施例S204におけるモデルトレーニング過程に類似し、ここで説明を省略する。
【0088】
月、週、日および時間帯の少なくとも1種を含む現在時刻に対応する現在時間情報を確定し、現在時間情報および駐車スペース占有データに基づいてターゲット駐車場の複数の候補駐車エリアからターゲット駐車エリアを選択することにより、現在時間情報および駐車スペース占有データという2つのデータ次元に基づいてターゲット駐車エリアを共同で確定することを実現し、駐車エリア推薦の精度を更に向上させ、ユーザの駐車体験を改善する。
【0089】
本開示の技術案に係るユーザの個人情報の収集、記憶、使用等は、いずれも関連法律法規の規定に該当し、公序良俗に反していない。
【0090】
図3は、本開示の実施例による駐車エリア推薦装置の構造模式図であり、ユーザにターゲット駐車場の駐車エリアを推薦する場合に適用できる。本実施例の装置は、ソフトウェアおよび/またはハードウェアで実現でき、計算能力を持つ任意の電子機器に集積され得る。
【0091】
図3に示すように、本実施例に開示された駐車エリア推薦装置30は、駐車スペース占有データ確定モジュール31と、ターゲット駐車エリア選択モジュール32とを備えてもよい。
【0092】
駐車スペース占有データ確定モジュール31は、ターゲット駐車場の駐車スペース占有データを確定するように構成され、ターゲット駐車エリア選択モジュール32は、前記駐車スペース占有データに基づき、前記ターゲット駐車場の複数の候補駐車エリアからターゲット駐車エリアを選択し、各候補駐車エリアに少なくとも2つの駐車スペースが含まれるように構成される。
【0093】
好ましくは、前記ターゲット駐車エリア選択モジュール32は、
駐車エリア推薦モデルに基づき、前記駐車スペース占有データに応じて前記ターゲット駐車場の複数の候補駐車エリアからターゲット駐車エリアを選択するように構成され、
前記駐車エリア推薦モデルは、
ユーザが任意の履歴時刻に駐車した履歴駐車エリアと、前記履歴時刻に対応する前記ターゲット駐車場の履歴駐車スペース占有データとを確定することと、前記履歴駐車スペース占有データおよび前記履歴駐車エリアに基づいてモデルトレーニングを行い、前記駐車エリア推薦モデルを取得することとによりトレーニングされる。
【0094】
好ましくは、前記装置は、
前記ターゲット駐車場における複数の駐車スペースのそれぞれの履歴占有時間および位置情報を確定し、各駐車スペースの履歴占有時間および位置情報に基づいて前記複数の駐車スペースを領域分割し、前記複数の候補駐車エリアを取得するように構成される候補駐車エリア確定モジュールを更に備える。
【0095】
好ましくは、前記候補駐車エリア確定モジュールは、
各駐車スペースの履歴占有時間に基づいて前記複数の駐車スペースをクラスタリングし、前記複数の駐車スペースの占有時間クラスタリング結果を取得することと、
前記占有時間クラスタリング結果および各駐車スペースの位置情報に基づいて前記複数の駐車スペースを領域分割し、前記複数の候補駐車エリアを取得することとにより、
各駐車スペースの履歴占有時間および位置情報に基づいて前記複数の駐車スペースを領域分割し、前記複数の候補駐車エリアを取得するように構成される。
【0096】
好ましくは、前記候補駐車エリア確定モジュールは、
複数の時間帯のそれぞれでの各駐車スペースの履歴平均占有時間を確定することと、
各時間帯における履歴平均占有時間に基づいて前記各駐車スペースの占有時間ベクトルを構築することと、
各駐車スペースの占有時間ベクトルに基づいて前記複数の駐車スペースをクラスタリングし、前記複数の駐車スペースの占有時間クラスタリング結果を取得することとにより、
各駐車スペースの履歴占有時間に基づいて前記複数の駐車スペースをクラスタリングし、前記複数の駐車スペースの占有時間クラスタリング結果を取得するように構成される。
【0097】
好ましくは、前記候補駐車エリア確定モジュールは、
前記占有時間クラスタリング結果および各駐車スペースの位置情報に基づいて前記各駐車スペースの空間位置ベクトルを構築することと、
各駐車スペースの空間位置ベクトルに基づいて前記複数の駐車スペースをクラスタリングし、前記複数の駐車スペースの空間位置クラスタリング結果を取得することと、
前記複数の駐車スペースの空間位置クラスタリング結果に基づいて前記複数の駐車スペースを領域分割し、前記複数の候補駐車エリアを取得することとにより、
前記占有時間クラスタリング結果および各駐車スペースの位置情報に基づいて前記複数の駐車スペースを領域分割し、前記複数の候補駐車エリアを取得するように構成される。
【0098】
好ましくは、前記駐車スペース占有データは、駐車スペース総占有率、各階の駐車スペース占有率、各候補駐車エリアの駐車スペース占有率、および重点駐車エリアの駐車スペース占有率の少なくとも1種を含み、ここで、前記重点駐車エリアは、各候補駐車エリアの識別情報に基づいて確定される。
【0099】
好ましくは、月、週、日および時間帯の少なくとも1種を含む現在時刻に対応する現在時間情報を確定し、前記現在時間情報および前記駐車スペース占有データに基づいて前記ターゲット駐車場の複数の候補駐車エリアからターゲット駐車エリアを選択するように構成される現在時間情報確定モジュールを更に備える。
【0100】
本開示の実施例に開示された駐車エリア推薦装置30は、本開示の実施例に開示された駐車エリア推薦方法を実行することができ、方法の実行に対応する機能モジュールおよび効果を備える。本実施例で詳しく説明されていない内容は、本開示のいずれかの方法の実施例における説明を参照することができる。
【0101】
本開示の実施例によれば、本開示は、電子機器、可読記憶媒体およびコンピュータプログラムを更に提供する。
【0102】
図4は、本開示の実施例を実施するために使用可能な例示的な電子機器400の模式的なブロック図を示す。電子機器は、ラップトップ型コンピュータ、デスクトップ型コンピュータ、ワークステーション、パーソナルデジタルアシスタント、サーバ、ブレードサーバ、メインフレーム、および他の適切なコンピュータのような様々な形式のデジタルコンピュータを表すことを目的とする。電子機器400は、携帯端末、携帯電話、スマートフォン、ウェララブル機器および他の類似する計算装置のような様々な形式の移動装置を表すこともできる。本開示に示されたコンポーネント、それらの接続、関係、およびそれらの機能は例示的なものに過ぎず、本開示に記載および/または要求される本開示の実現を限定するものではない。
【0103】
図4に示すように、機器400は、計算ユニット401を備え、読み出し専用メモリ(Read-OnlyMemory、ROM)402に記憶されたコンピュータプログラム、または記憶ユニット408からランダムアクセスメモリ(RandomAccessMemory、RAM)403にロードされたコンピュータプログラムに基づき、様々な適当な動作および処理を実行することができる。RAM 403には、機器400の操作に必要な様々なプログラムおよびデータが記憶されてもよい。計算ユニット401、ROM 402およびRAM 403は、バス404を介して互いに接続されている。入力/出力(Input/Output、I/O)インタフェース405もバス404に接続されている。
【0104】
機器400における複数のコンポーネントはI/Oインタフェース405に接続され、キーボード、マウス等のような入力ユニット406と、各種のディスプレイ、スピーカ等のような出力ユニット407と、磁気ディスク、光ディスク等のような記憶ユニット408と、ネットワークカード、モデム、無線通信送受信機等のような通信ユニット409とを備える。通信ユニット409は、機器400がインターネットのようなコンピュータネットワークおよび/または様々な電気通信ネットワークを介して他のデバイスと情報/データを交換することを許容する。
【0105】
計算ユニット401は、処理および計算能力を有する汎用および/または専用の処理アセンブリであってもよい。計算ユニット401のいくつかの例は、中央処理ユニット(Central Processing Unit、CPU)、グラフィックス処理ユニット(Graphics Processing Unit、GPU)、各種の専用の人工知能(Artificial Intelligence、AI)コンピューティングチップ、各種の機械学習モデルアルゴリズムを実行する計算ユニット、デジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processing、DSP)、および任意の適当なプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含んでもよいが、これらに限定されない。計算ユニット401は、上記様々な方法および処理、例えば、駐車エリア推薦方法を実行する。例えば、いくつかの実施例において、駐車エリア推薦方法は、コンピュータソフトウェアプログラムとして実現でき、有形的に記憶ユニット408のような機器可読媒体に含まれている。いくつかの実施例において、コンピュータプログラムの一部または全ては、ROM 402および/または通信ユニット409を介して機器400にロードおよび/またはインストールされ得る。コンピュータプログラムがRAM 403にロードされて計算ユニット401により実行されると、上記駐車エリア推薦方法の1つまたは複数のステップを実行することができる。あるいは、他の実施例において、計算ユニット401は、他の任意の適当な方式(例えば、ファームウェアを介して)により、駐車エリア推薦方法を実行するように構成され得る。
【0106】
本開示に記載されたシステムおよび技術の様々な実施形態は、デジタル電子回路システム、集積回路システム、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、特定用途向け標準パーツ(Application Specific Standard Parts、ASSP)、システムオンチップのシステム(Systemon Chip、SoC)、複合プログラマブルロジックデバイス(Complex Programmable Logic Device、CPLD)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはそれらの組み合わせで実現できる。これらの様々な実施形態は以下を含んでもよい。1つまたは複数のコンピュータプログラムに実施され、該1つまたは複数のコンピュータプログラムは、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステムで実行および/または解釈することができ、該プログラマブルプロセッサは、ストレージシステム、少なくとも1つの入力装置、および少なくとも1つの出力装置からデータおよび命令を受信し、且つデータおよび命令を、該ストレージシステム、該少なくとも1つの入力装置、および該少なくとも1つの出力装置に伝送することができる専用または汎用のプログラマブルプロセッサであってもよい。
【0107】
本開示の方法を実施するためのプログラムコードは、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組み合わせでコードできる。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサまたはコントローラに提供でき、これにより、プログラムコードがプロセッサまたはコントローラにより実行されると、フローチャートおよび/またはブロック図で規定された機能/操作が実施される。プログラムコードは、完全に機器で実行されてもよいし、一部が機器で実行されてもよいし、独立したソフトウェアパッケージとして一部が機器で実行されて一部がリモート機器で実行されてもよいし、完全にリモート機器またはサーバで実行されてもよい。
【0108】
本開示の明細書において、機器可読媒体は、命令実行システム、装置またはデバイスに使用される、または命令実行システム、装置またはデバイスと合わせて使用されるプログラムを含有または記憶できる有形的な媒体であってもよい。機器可読媒体は、機器可読信号媒体または機器可読記憶媒体であってもよい。機器可読媒体は、電子の、磁気の、光の、電磁気の、赤外線の、または半導体のシステム、装置またはデバイス、または上記内容の任意の適当な組み合わせを含んでもよいが、これらに限定されない。機器可読記憶媒体の更なる具体的な例は、1つまたは複数の線による電気的接続、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、RAM、ROM、消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(Erasable Programmable Read-Only Memory、EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み出し専用ディスク(Compact Disc Read-OnlyMemory、CD-ROM)、光記憶デバイス、磁気記憶デバイス、または上記内容の任意の適当な組み合わせを含む。
【0109】
ユーザとのインタラクションを提供するために、ここで説明するシステムおよび技術をコンピュータで実施することができ、該コンピュータは、ユーザに情報を表示するための表示装置(例えば、陰極線管(Cathode Ray Tube、CRT)または液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)モニタ)と、ユーザがそれにより入力をコンピュータに提供することができるキーボードおよび指向装置(例えば、マウスまたはトラックボール)とを有する。他の種類の装置は、更にユーザとのインタラクションを提供するために使用できる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形式のセンシングフィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバック)であってもよく、且つ、任意の形式(音入力、音声入力または、触覚入力を含む)でユーザからの入力を受信することができる。
【0110】
ここで説明するシステムおよび技術を、バックグラウンドコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、データサーバとする)、または中間コンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、アプリケーションサーバ)、またはフロントエンドコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、ユーザがそれによりここで説明するシステムおよび技術の実施形態とインタラクションできるグラフィカルユーザインタフェースまたはネットワークブラウザを有するユーザコンピュータ)、またはこのようなバックグラウンドコンポーネント、中間コンポーネント、またはフロントエンドコンポーネントの任意の組み合わせを含むコンピューティングシステムに実施することができる。任意の形式または媒体のデジタルデータ通信(例えば、通信ネットワーク)により、システムのコンポーネントを互に接続することができる。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network、LAN)、ワイドエリアネットワーク(Wide Area Network、WAN)、ブロックチェーンネットワーク、およびインターネットを含む。
【0111】
コンピューティングシステムはクライアントおよびサーバを含んでもよい。クライアントとサーバとは、一般的に互いに離れ、且つ、通常、通信ネットワークを介してインタラクションを行う。対応するコンピュータで実行されて互いにクライアント-サーバ関係を持つコンピュータプログラムにより、クライアントとサーバとの関係を生成する。サーバはクラウドサーバであってもよく、クラウドコンピューティングサーバまたはクラウドホストとも呼ばれ、クラウドコンピューティングサービス体系における1つのホスト製品であり、従来の物理ホストおよび仮想専用サーバ(Virtual Private Server、VPS)サービスに存在する管理しにくく、トラフィックの拡張性が弱いという欠陥を解決するために使用される。サーバは、分散システムのサーバであってもよいし、ブロックチェーンを組み合わせたサーバであってもよい。
【0112】
上記に示す様々な形式のフローを用い、ステップを並べ替え、追加または削除することができる。例えば、本開示に記載された各ステップは、並列に実行されてもよいし、順に実行されてもよいし、異なる順序で実行されてもよく、本開示に開示された技術案の所望する結果を達成できる限り、本開示はここで限定しない。