(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0631 20230101AFI20240119BHJP
G06Q 10/20 20230101ALI20240119BHJP
【FI】
G06Q10/0631
G06Q10/20
(21)【出願番号】P 2023037772
(22)【出願日】2023-03-10
【審査請求日】2023-06-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】福山 裕己
(72)【発明者】
【氏名】齋木 竜也
【審査官】深津 始
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-203532(JP,A)
【文献】特開2017-167926(JP,A)
【文献】特開2022-032678(JP,A)
【文献】特開2023-030962(JP,A)
【文献】特開2020-016944(JP,A)
【文献】特開2002-142244(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -G06Q 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業班と、作業班ごとに異なる拠点と、を関連付けた作業班情報を記憶する記憶部と、
障害が発生している基地局と、該基地局に発生している障害の内容を示す、障害基地局情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した、障害基地局情報が示す障害が発生している基地局のうち、1以上の作業対象の基地局を特定する特定部と、
前記特定部が特定した1以上の作業対象の基地局それぞれについて、復旧作業をする作業班が向かう経路
であって、前記記憶部に記憶された作業班ごとに異なる拠点を始点及び終点とする経路を生成する経路生成部と、
前記特定部が特定した1以上の作業対象の基地局に前記障害基地局情報において対応する基地局の障害の内容に基づいて前記特定部が特定した1以上の作業対象の基地局それぞれの復旧作業に要する作業時間を算出し、作業班が前記経路の移動に要する移動時間を算出する算出部と、
前記経路生成部が生成した前記経路と、前記算出部が算出した前記作業時間及び前記移動時間と、を出力する出力部と、
を有し、
前記出力部は、前記算出部が算出した前記作業時間及び前記移動時間の合計と、作業班が作業又は移動が可能な時間の上限値と、に基づいて作業班の班数を決定し、決定した作業班の班数に対応する、各作業班の前記経路、前記作業時間及び前記移動時間を出力する、
情報処理装置。
【請求項2】
作業班と、作業班ごとに異なる拠点と、を関連付けた作業班情報を記憶する記憶部と、
障害が発生している基地局を示す、障害基地局情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した、障害基地局情報が示す障害が発生している基地局のうち、1以上の作業対象の基地局を特定する特定部と、
前記特定部が特定した1以上の作業対象の基地局それぞれについて、復旧作業をする作業班が向かう経路
であって、前記記憶部に記憶された作業班ごとに異なる拠点を始点及び終点とする経路を生成する経路生成部と、
前記経路生成部が生成した前記経路を出力する出力部と、
を有し、
前記経路生成部は、復旧作業をする作業班の班数をパラメータとして、作業班に割り当てられる作業対象の基地局が重複しないようそれぞれの作業班が作業対象の基地局に向かう経路を、与えられた作業班の班数の値ごとに生成する、
情報処理装置。
【請求項3】
基地局と、該基地局の重要度と、を関連付けた基地局情報を記憶する記憶部を更に有し、
前記取得部は、障害が発生している基地局と、該基地局に発生している障害の内容を示す、前記障害基地局情報を取得し、
前記特定部は、前記障害基地局情報が示す、各基地局に発生している障害の内容及び前記記憶部が記憶する基地局情報において関連付けられた障害が発生している各基地局の重要度と、の少なくともいずれかに基づいて1以上の作業対象の基地局を特定する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
作業対象のエリアの入力を受け付ける受付部を有し、
前記特定部は、前記障害基地局情報に含まれる基地局のうち、前記受付部により入力を受付けたエリアに対応する基地局を作業対象の基地局として特定する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
作業班と、各作業班の拠点と、を関連付けた作業班情報を記憶する記憶部を更に有し、
前記経路生成部は、前記記憶部に記憶された作業班の拠点を始点として作業班が向かう経路を生成する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータが実行する、
障害が発生している基地局と、該基地局に発生している障害の内容を示す、障害基地局情報を取得するステップと、
前記障害基地局情報が示す障害が発生している基地局のうち、1以上の作業対象の基地局を特定するステップと、
記憶部に記憶された作業班と、作業班ごとに異なる拠点と、を関連付けた作業班情報を参照し、前記特定するステップにおいて特定された1以上の作業対象の基地局それぞれについて、復旧作業をする作業班が向かう経路
であって、前記記憶部に記憶された作業班ごとに異なる拠点を始点及び終点とする経路を生成するステップと、
特定された1以上の作業対象の基地局に前記障害基地局情報において対応する基地局の障害の内容に基づいて、特定された1以上の作業対象の基地局それぞれの復旧作業に要する作業時間を算出するステップと、
作業班が前記経路の移動に要する移動時間を算出するステップと、
前記生成するステップにおいて生成された前記経路と、前記算出するステップにおいて算出された前記作業時間及び前記移動時間と、を出力するステップと、
を実行させ、
前記出力するステップにおいては、算出された前記作業時間及び前記移動時間の合計と、作業班が作業又は移動が可能な時間の上限値と、に基づいて作業班の班数を決定し、決定した作業班の班数に対応する、各作業班の前記経路、前記作業時間及び前記移動時間を出力する、
を有する情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータが実行する、
障害が発生している基地局を示す、障害基地局情報を取得するステップと、
前記障害基地局情報が示す障害が発生している基地局のうち、1以上の作業対象の基地局を特定するステップと、
記憶部に記憶された作業班と、作業班ごとに異なる拠点と、を関連付けた作業班情報を参照し、前記特定するステップにおいて特定された1以上の作業対象の基地局それぞれについて、復旧作業をする作業班が向かう経路
であって、前記記憶部に記憶された作業班ごとに異なる拠点を始点及び終点とする経路を生成するステップと、
前記生成するステップにおいて生成された前記経路を出力するステップと、
を有し、
前記生成するステップにおいては、復旧作業をする作業班の班数をパラメータとして、作業班に割り当てられる作業対象の基地局が重複しないようそれぞれの作業班が作業対象の基地局に向かう経路を、与えられた作業班の班数の値ごとに生成する、
情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
障害が発生している基地局と、該基地局に発生している障害の内容を示す、障害基地局情報を取得するステップと、
前記障害基地局情報が示す障害が発生している基地局のうち、1以上の作業対象の基地局を特定するステップと、
記憶部に記憶された作業班と、作業班ごとに異なる拠点と、を関連付けた作業班情報を参照し、前記特定するステップにおいて特定された1以上の作業対象の基地局それぞれについて、復旧作業をする作業班が向かう経路
であって、前記記憶部に記憶された作業班ごとに異なる拠点を始点及び終点とする経路を生成するステップと、
特定された1以上の作業対象の基地局に前記障害基地局情報において対応する基地局の障害の内容に基づいて、特定された1以上の作業対象の基地局それぞれの復旧作業に要する作業時間を算出するステップと、
作業班が前記経路の移動に要する移動時間を算出するステップと、
前記生成するステップにおいて生成された前記経路と、前記算出するステップにおいて算出された前記作業時間及び前記移動時間と、を出力するステップと、
を実行させ、
前記出力するステップにおいては、算出された前記作業時間及び前記移動時間の合計と、作業班が作業又は移動が可能な時間の上限値と、に基づいて作業班の班数を決定し、決定した作業班の班数に対応する、各作業班の前記経路、前記作業時間及び前記移動時間を出力する、
プログラム。
【請求項9】
コンピュータに、
障害が発生している基地局を示す、障害基地局情報を取得するステップと、
前記障害基地局情報が示す障害が発生している基地局のうち、1以上の作業対象の基地局を特定するステップと、
記憶部に記憶された作業班と、作業班ごとに異なる拠点と、を関連付けた作業班情報を参照し、前記特定するステップにおいて特定された1以上の作業対象の基地局それぞれについて、復旧作業をする作業班が向かう経路
であって、前記記憶部に記憶された作業班ごとに異なる拠点を始点及び終点とする経路を生成するステップと、
前記生成するステップにおいて生成された前記経路を出力するステップと、
を実行させ、
前記生成するステップにおいては、復旧作業をする作業班の班数をパラメータとして、作業班に割り当てられる作業対象の基地局が重複しないようそれぞれの作業班が作業対象の基地局に向かう経路を、与えられた作業班の班数の値ごとに生成する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線基地局の障害が発生した場合に復旧優先度の高い無線基地局から順番に現地対応する作業班をアサインする障害監視システムが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし従来技術においては作業班が作業する順序が考慮されずに作業班がアサインされるため、作業班が作業を行う基地局同士が遠い場合には移動時間を要し、復旧が遅くなるという問題が生じていた。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、効率的に復旧作業を行うことを支援するための情報を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理装置においては、障害が発生している基地局を示す、障害基地局情報を取得する取得部と、前記取得部が取得した、障害基地局情報が示す障害が発生している基地局のうち、1以上の作業対象の基地局を特定する特定部と、前記特定部が特定した1以上の作業対象の基地局それぞれについて、復旧作業をする作業班が向かう経路を生成する経路生成部と、前記経路生成部が生成した前記経路を出力する出力部と、を有する。
【0007】
前記取得部は、障害が発生している基地局と、該基地局に発生している障害の内容を示す、前記障害基地局情報を取得し、前記情報処理装置は、前記特定部が特定した1以上の作業対象の基地局に前記障害基地局情報において対応する基地局の障害の内容に基づいて前記特定部が特定した1以上の作業対象の基地局それぞれの復旧作業に要する作業時間を算出する算出部を更に有してもよい。
【0008】
前記算出部は、作業班が前記経路の移動に要する移動時間を更に算出し、前記出力部は、前記算出部が算出した前記作業時間及び前記移動時間を更に出力してもよい。
【0009】
前記出力部は、前記算出部が算出した前記作業時間及び前記移動時間の合計に基づいて作業班の班数を決定し、決定した作業班の班数に対応する、各作業班の前記経路、前記作業時間及び前記移動時間を出力してもよい。
【0010】
前記経路生成部は、復旧作業をする作業班の班数をパラメータとして、作業班に割り当てられる作業対象の基地局が重複しないようそれぞれの各作業班が作業対象の基地局に向かう経路を、与えられた作業班の班数の値ごとに生成してもよい。
【0011】
基地局と、該基地局の重要度と、を関連付けた基地局情報を記憶する記憶部を更に有し、前記取得部は、障害が発生している基地局と、該基地局に発生している障害の内容を示す、前記障害基地局情報を取得し、前記特定部は、前記障害基地局情報が示す、各基地局に発生している障害の内容及び前記記憶部が記憶する基地局情報において関連付けられた障害が発生している各基地局の重要度と、の少なくともいずれかに基づいて1以上の作業対象の基地局を特定してもよい。
【0012】
作業対象のエリアの入力を受け付ける受付部を有し、前記特定部は、前記障害基地局情報に含まれる基地局のうち、前記受付部により入力を受付けたエリアに対応する基地局を作業対象の基地局として特定してもよい。
【0013】
作業班と、各作業班の拠点と、を関連付けた作業班情報を記憶する記憶部を更に有し、前記経路生成部は、前記記憶部に記憶された作業班の拠点を始点として作業班が向かう経路を生成してもよい。
【0014】
本発明の第2の態様の情報処理方法においては、コンピュータが実行する、障害が発生している基地局を示す、障害基地局情報を取得するステップと、前記障害基地局情報が示す障害が発生している基地局のうち、1以上の作業対象の基地局を特定するステップと、前記特定するステップにおいて特定された1以上の作業対象の基地局それぞれについて、復旧作業をする作業班が向かう経路を生成するステップと、前記生成するステップにおいて生成された前記経路を出力するステップと、を有する。
【0015】
本発明の第3態様のプログラムにおいては、コンピュータに、障害が発生している基地局を示す、障害基地局情報を取得するステップと、前記障害基地局情報が示す障害が発生している基地局のうち、1以上の作業対象の基地局を特定するステップと、前記特定するステップにおいて特定された1以上の作業対象の基地局それぞれについて、復旧作業をする作業班が向かう経路を生成するステップと、前記生成するステップにおいて生成された前記経路を出力するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、効率的に復旧作業を行うことを支援するための情報を提供するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施形態にかかる情報処理システムSの概要を説明する図である。
【
図2】情報処理装置1の構成を示すブロック図である。
【
図3】記憶部12が記憶する重要度情報のデータ構造の一例を示す図である。
【
図4】記憶部12が記憶する作業班情報のデータ構造の一例を示す図である。
【
図5】出力部134が出力する画面の一例を示す図である。
【
図6】出力部134が出力する画面の一例を示す図である。
【
図7】情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[情報処理装置1の概要]
図1は、実施形態にかかる情報処理システムSの概要を説明する図である。情報処理システムSは、災害が発生した際の無線基地局の復旧作業を支援するためのシステムである。情報処理システムSは、情報処理装置1及び情報端末2を有する。情報処理装置1は、情報端末2とネットワークを介して通信可能に接続される。
【0019】
情報処理装置1は、障害が発生している基地局の情報を取得し、取得した情報に基づいて基地局を復旧する作業をするための移動経路を生成し、生成した経路を情報端末2に出力する。情報処理装置1は、例えばサーバである。情報端末2からの要求に応じて情報を表示する。
【0020】
情報端末2は、ユーザが使用する端末であり、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット又はスマートフォンである。情報処理システムSのユーザは例えば、基地局の復旧作業を統制する担当者である。
【0021】
情報処理装置1における処理について説明する。情報処理装置1は、障害基地局情報Dを取得する。障害基地局情報Dは、障害が発生している基地局を示す情報である。情報処理装置1は、障害基地局情報Dに基づいて復旧作業をする作業対象の基地局を特定する。
【0022】
情報処理装置1は、復旧する作業対象の基地局において復旧作業をするために移動する経路(R1及びR2)を生成する。一例として、情報処理装置1は、作業対象の基地局それぞれの位置及び地図情報に基づいて作業対象の基地局を最短で移動するための経路を生成する。情報処理装置1は、生成した経路を出力する。情報処理装置1は、生成した経路に加え、移動時間や作業時間を更に出力してもよい。
【0023】
情報処理装置1においては、効率的に復旧作業を行うことを支援するための情報を提供するという効果を奏する。
【0024】
[情報処理装置1の構成]
図2は、情報処理装置1の構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、通信部11、記憶部12及び制御部13を有する。制御部13は、取得部131、特定部132、経路生成部133、出力部134、算出部135及び受付部136を有する。
【0025】
通信部11は、ネットワークを介して他の装置とデータの送受信をするための通信インターフェースである。記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを予め記憶している。
【0026】
記憶部12は、基地局と、該基地局の重要度と、を関連付けた重要度情報を記憶する。
図3は、記憶部12が記憶する重要度情報のデータ構造の一例を示す図である。
図3に示す重要度情報においては、「基地局ID」、「位置」及び「重要度」が関連付けられている。「基地局ID」は、当該基地局を識別するためのID(Identification)である。「位置」は、当該基地局の位置を示す。「重要度」は、当該基地局の重要度を示す。「重要度」においては、役場、重要な顧客の所在地をカバーする基地局に高い重要度が設定される。
【0027】
記憶部12は、作業班と、各作業班の拠点と、を関連付けた作業班情報を記憶する。
図4は、記憶部12が記憶する作業班情報のデータ構造の一例を示す図である。
図4に示す作業班情報においては、「作業班ID」と「拠点位置」とが関連付けられている。「作業班ID」は、作業班を識別するためのIDである。「拠点位置」は、当該作業班の拠点の住所を示す。「拠点位置」は、拠点の位置の座標で示されてもよい。
【0028】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、取得部131、特定部132、経路生成部133、出力部134、算出部135及び受付部136として機能する。
【0029】
取得部131は、障害が発生している基地局を示す、障害基地局情報を取得する。一例として、障害基地局情報は、障害が発生している基地局の基地局ID(Identification)を含む。取得部131は、例えば外部装置から障害基地局情報を取得してもよい。また、受付部136は、障害が発生している基地局の選択をユーザから受付け、受付けた選択に基づいて障害基地局情報を生成し、取得部131は、受付部136が生成した障害基地局情報を取得してもよい。
【0030】
特定部132は、取得部131が取得した、障害基地局情報が示す障害が発生している基地局のうち、1以上の作業対象の基地局を特定する。特定部132は、一例として、基地局に生じている障害の内容に基づいて作業対象の基地局を特定する。具体的には、障害基地局情報に含まれる障害の内容に基づいて、早期に復帰可能な内容の障害が発生している基地局を作業対象の基地局として特定してもよい。障害の内容は例えば、当該基地局に発生しているアラームであってもよいし、例えば「商用電源断」、「回線断」等の基地局に生じている問題を示す情報であってもよい。特定部132は、後述するように基地局の重要度に基づいて作業対象の基地局を特定してもよい。また、特定部132は、障害が発生している基地局の中からユーザが選択した基地局を作業対象の基地局として特定してもよい。
【0031】
経路生成部133は、特定部132が特定した1以上の作業対象の基地局それぞれについて、復旧作業をする作業班が向かう経路を生成する。一例として、経路生成部133は、既知の経路探索アルゴリズムにより、特定部132が特定した作業対象の基地局を最短の移動時間で移動することができる経路を生成する。経路生成部133は、算出部135が算出したそれぞれの基地局の復旧に要する時間を加算したうえで移動時間と作業時間の合計が最小となるよう経路を生成してもよい。
【0032】
作業班が複数である場合、経路生成部133は、それぞれの作業班ごとに衝突が発生しない経路であって、かつ、特定部132が特定した作業対象の基地局を最短の移動時間で移動することができる経路を生成する。
【0033】
出力部134は、経路生成部133が生成した経路を出力する。一例として、出力部134は、情報端末2から受信した経路を表示する要求に基づいて、
図5に示す画面を情報端末2に表示させる。
図5は、出力部134が出力する画面の一例を示す図である。
図5に示す画面においては、地図上に作業対象の基地局(黒丸)と、経路生成部133が生成した作業対象の基地局間を移動する経路(R1及びR2)と、が表示されている。
図5に示す例においては2つの作業班それぞれにおいて重複しないように作業対象の基地局が割り当てられており、それぞれの作業班に割り当てられた作業対象の基地局を移動するための経路が表示されている。出力部134は、複数の作業班の中から詳細な移動経路を表示する作業班を選択するためのインターフェースを表示してもよい。作業班が選択された場合、出力部134は、選択された作業班について生成された経路の詳細を表示する。
【0034】
情報処理装置1がこのように構成されることで、効率的に復旧作業を行うことを支援するための情報を提供するという効果を奏する。
【0035】
作業班ごとに異なる拠点を考慮して移動経路を生成するよう情報処理装置1が構成されてもよい。経路生成部133は、記憶部12に記憶された作業班の拠点を始点として作業班が向かう経路を生成する。
図5に示す画面において三角は作業班の拠点を示す。さらに、経路生成部133は、作業班の拠点を終点として経路を生成してもよい。
【0036】
復旧作業に要する作業時間を算出するよう情報処理装置1が構成されてもよい。この場合、取得部131は、障害が発生している基地局と、該基地局に発生している障害の内容を示す、障害基地局情報を取得する。
【0037】
算出部135は、特定部132が特定した1以上の作業対象の基地局に障害基地局情報において対応する基地局の障害の内容に基づいて特定部132が特定した1以上の作業対象の基地局それぞれの復旧作業に要する作業時間を算出する。一例として、記憶部12は、障害の内容と復旧作業に要する作業時間とを対応付けた作業情報を記憶している。作業情報においては、一例として、基地局において発生している障害の内容が「商用電源断」であれば作業時間は「30分」であり、障害の内容が「回線断」であれば作業時間が「2時間」であることが関連付けられている。
【0038】
算出部135は、記憶部12が記憶する作業情報を参照し、障害基地局情報が示す障害の内容に対応する作業時間を特定する。算出部135は、経路生成部133が生成した経路上にある基地局それぞれを復旧する作業時間の合計を算出してもよい。
図5に示す画面においては、それぞれの基地局の復旧作業に要する作業時間の概算と、当該作業班が経路上の基地局における作業時間の合計が表示されている。
【0039】
情報処理装置1がこのように構成されることで、復旧作業員を派遣する際に基地局の復旧に要する時間の概算を把握することができる。
【0040】
移動時間を更に算出するよう情報処理装置1が構成されてもよい。算出部135は、作業班が経路の移動に要する移動時間を更に算出する。具体的には、算出部135は、地図データに基づいて、経路生成部133が生成した経路における基地局間の移動に要する移動時間を算出する。
【0041】
出力部134は、算出部135が算出した作業時間及び移動時間を更に出力する。
図5に示す画面においては、算出部135が算出した、経路生成部133が生成した経路上の基地局間の移動に要する移動時間とそれぞれの基地局の復旧に要する作業時間の合計が更に表示されている。表示される移動時間には、各作業班の拠点を始点として最初の基地局に移動するまでの移動時間が更に含まれていてもよい。また、
図5に示す画面においては、表示対象の作業班の移動時間と作業時間との合計が表示されている。
【0042】
情報処理装置1がこのように構成されることで、復旧作業員を派遣する際に基地局の復旧に要する時間及び移動時間の概算を把握することができ、復旧作業を統制する担当者が復旧作業の計画を容易に立てることができるようになる。
【0043】
どの程度の作業班を投入することで、移動経路がどのように異なるかを担当者が把握することで、復旧作業の計画を立てやすくなる。
【0044】
経路生成部133は、復旧作業をする作業班の班数をパラメータとして、作業班に割り当てられる作業対象の基地局が重複しないようそれぞれの各作業班が作業対象の基地局に向かう経路を、与えられた作業班の班数の値ごとに生成する。経路生成部133は、作業班の班数の値を変えながら、それぞれの値の数の作業班が、作業対象の基地局が重複しないように復旧作業をするための経路のパターンを生成する。経路生成部133は、設定した作業班の班数ごとに経路パターンを生成する。すなわち、作業班の班数を1、2及び3の3パターンについて経路を生成した場合、経路生成部133は3パターンの経路パターンを生成する。
【0045】
図6は出力部134が表示する画面の一例を示す図である。
図6に示す画面においては生成した経路パターンのうち表示する経路パターンを選択するためのインターフェースLが配置されている。ユーザがインターフェースLを選択すると、作業班の班数のリストが表示され、ユーザは表示されたリストから班数を選択する。なお、作業班の班数のリストにおいては、経路生成部133が経路パターンを生成する際に変数として用いた班数の値を含む。すなわち、経路生成部133が作業班の班数を1、2及び3の3パターンについて経路を生成した場合、作業班の班数のリストにおいては、1、2及び3の値を有する。出力部134は、選択された班数に対応する経路パターンを表示する。
図6(a)に示す画面においては経路生成部133が生成した経路パターンのうち班数が「2」に対応する経路が表示されており、
図6(b)に示す画面においては、班数が「1」に対応する経路が表示されている。
【0046】
情報処理装置1がこのように構成されることで、投入する作業班の量と移動経路との関係を担当者が把握することができ、復旧作業の計画を立てやすくなる。
【0047】
どの程度の作業班を投入すれば復旧作業を妥当な時間内に復旧作業を完結できるかを知りたい場合がある。そこで、算出した作業時間及び移動時間に基づいて必要な作業班の班数を決定するよう情報処理装置1が構成されてもよい。
【0048】
具体的には、出力部134は、算出部135が算出した作業時間及び移動時間の合計に基づいて作業班の班数を決定する。一例として、記憶部12は、作業又は移動が可能な時間の上限値を記憶している。作業又は移動が可能な時間の上限値は、例えばサービスの規約において規定されている復旧時間や品質保証の内容、作業員が連続して勤務可能な時間等に基づいて設定される。出力部134は、経路生成部133が作業班の班数をパラメータとして生成した複数の経路パターンのうち、それぞれの作業班の移動時間及び作業時間の合計が上限値を超えないよう作業班の班数を決定する。一例として、移動時間及び作業時間の合計が上限値を超えない作業班の班数のうち、最も小さいものを作業班の班数として決定する。
【0049】
出力部134は、決定した作業班の班数に対応する、各作業班の経路、作業時間及び移動時間を出力する。すなわち、出力部134は、情報端末2に表示させる画面において決定した作業班の班数の場合の作業班の経路、作業時間及び移動時間を表示させる。
【0050】
情報処理装置1がこのように構成されることで、投入すべき作業班の量とその場合の復旧に要する時間とを担当者が把握することができる。
【0051】
例えば障害が発生している基地局全てに対応するには作業班の班数が不足している場合等は、即時に復旧作業を行う基地局を絞り込む必要がある。そこで、復旧作業をする基地局を基地局の重要度や障害の内容に基づいて特定するよう情報処理装置1が構成されてもよい。
【0052】
特定部132は、障害基地局情報が示す、各基地局に発生している障害の内容及び記憶部12が記憶する重要度情報において関連付けられた障害が発生している各基地局の重要度と、の少なくともいずれかに基づいて1以上の作業対象の基地局を特定する。特定部132は、一例として、障害基地局情報が示す基地局のうち、記憶部12が記憶する作業情報において復旧作業に要する作業時間が所定の閾値未満となる障害が発生している基地局を作業対象の基地局として特定する。所定の閾値は例えば60分である。所定の閾値は作業員の数と障害が発生している基地局の数との比率に基づいて決定されてもよい。
【0053】
また、特定部132は、記憶部12が記憶する重要度情報を参照し、基地局の重要度が所定の重要度以上である基地局を復旧する作業対象の基地局として特定する。所定の重要度は例えば基地局の重要度が「B」であることである。所定の重要度は作業員の数と障害が発生している基地局の数との比率に基づいて決定されてもよい。
【0054】
情報処理装置1がこのように構成されることで、即時に復旧作業を行う基地局を絞り込むことができ、復旧作業を統制する担当者が復旧作業の計画を容易に立てることができるようになる。
【0055】
作業対象のエリアの入力を受付けるよう情報処理装置1が構成されてもよい。受付部136は、作業対象のエリアの入力を受け付ける。一例として、出力部134は、作業対象のエリアを入力するための画面を表示する。一例として、出力部134は、県域単位、市町村単位等で作業対象のエリアを入力するための画面を表示し、受付部136は、出力部134が表示した画面においてユーザが入力した作業対象のエリアを取得する。なお、出力部134は、作業対象のエリアを選択するための地図を含む画面を表示し、ユーザが選択したエリアを示す情報を取得する。
【0056】
特定部132は、障害基地局情報に含まれる基地局のうち、受付部136により入力を受付けたエリアに対応する基地局を作業対象の基地局として特定する。一例として、特定部132は、記憶部12が記憶する重要度情報に関連付けられた基地局の位置に基づいて、受付部136が受付けたエリアに対応する位置に所在する基地局を作業対象の基地局として特定する。
【0057】
情報処理装置1がこのように構成されることで、復旧計画を立てるエリアごとに担当者が経路を生成し、確認することができる。
【0058】
[情報処理装置1における処理の流れ]
図7は、情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
図7に示すフローチャートは、一例として、情報端末2から経路を表示する要求を取得した時点から開始している。取得部131は、障害基地局情報を取得する(S01)。特定部132は、障害基地局情報が示す障害が発生している基地局のうち作業対象の基地局を特定する(S02)。経路生成部133は、作業対象の基地局それぞれに復旧作業をする作業班が向かう経路を生成する(S03)。算出部135は、作業班が生成された経路の移動に要する移動時間を算出する(S04)。算出部135は、作業対象の基地局それぞれの復旧作業に要する作業時間を算出する(S05)。出力部134は、算出した移動時間及び作業時間に基づいて作業班数を決定する(S06)。出力部134は、経路生成部133が生成した経路を出力する(S07)。情報処理装置1は、処理を終了する。
【0059】
[情報処理装置1による効果]
以上説明したように情報処理装置1においては、効率的に復旧作業を行うことを支援するための情報を提供するという効果を奏する。
【0060】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0061】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0062】
1 情報処理装置
2 情報端末
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 取得部
132 特定部
133 経路生成部
134 出力部
135 算出部
136 受付部
【要約】
【課題】効率的に復旧作業を行うことを支援するための情報を提供する。
【解決手段】障害が発生している基地局を示す、障害基地局情報を取得する取得部131と、取得部131が取得した、障害基地局情報が示す障害が発生している基地局のうち、1以上の作業対象の基地局を特定する特定部132と、特定部132が特定した1以上の作業対象の基地局それぞれについて、復旧作業をする作業班が向かう経路を生成する経路生成部133と、経路生成部133が生成した経路を出力する出力部134と、を有する情報処理装置1である。
【選択図】
図2