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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】水洗大便器装置
(51)【国際特許分類】
   E03D 11/02 20060101AFI20240122BHJP
   E03D 5/10 20060101ALI20240122BHJP
   E03D 9/08 20060101ALI20240122BHJP
【FI】
E03D11/02 Z
E03D5/10
E03D9/08 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020028122
(22)【出願日】2020-02-21
(65)【公開番号】P2021130999
(43)【公開日】2021-09-09
【審査請求日】2022-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100123630
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 幸司
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 謙治
【審査官】村川 雄一
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-156344(JP,A)
【文献】特開2017-125311(JP,A)
【文献】特開2002-138556(JP,A)
【文献】特開2006-022887(JP,A)
【文献】特開2006-249805(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 1/00 - 13/00
F16L 57/00 - 58/18
F16B 7/00 - 7/22
F16L 23/00 - 25/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛生洗浄装置及びバルブユニットを備えた水洗大便器装置であって、
汚物を受けるボウル部を備えた便器本体と、
この便器本体の上に配置される衛生洗浄装置と、
給水管に接続され、供給された洗浄水を上記衛生洗浄装置で使用される洗浄水と上記ボウル部の洗浄用の洗浄水に分岐させると共に、上記ボウル部の洗浄用の洗浄水の供給、停止を行うバルブユニットと、
このバルブユニットと上記衛生洗浄装置を接続する衛生洗浄装置接続管と、
上記バルブユニットの接続管取付部と上記衛生洗浄装置接続管との接続部に取り付けられ、上記衛生洗浄装置接続管の、上記バルブユニットからの脱落を防止するためのクイックファスナーと、
このクイックファスナーが取り付けられた部分を覆うように配置されたファスナカバーと、
を有し、
上記ファスナカバーは、上記衛生洗浄装置接続管の全周を取り囲むように形成されると共に、上記バルブユニットとは別体に構成され、上記バルブユニットに止めネジにより固定されることを特徴とする水洗大便器装置。
【請求項2】
上記バルブユニットは、上記便器本体の後方もしくは側面に取り付けられ、上記ファスナカバーを固定する上記止めネジは、上記便器本体の側方から上記バルブユニットに取り付けられる請求項1記載の水洗大便器装置。
【請求項3】
さらに、上記ボウル部を洗浄するための洗浄水を貯留する貯水タンクを有し、上記貯水タンクは、上記便器本体の後方に配置されると共に、上記便器本体の上端面よりも下方に延在し、上記ファスナカバーは、上記貯水タンクよりも下方に配置される請求項2記載の水洗大便器装置。
【請求項4】
上記ファスナカバーは、
上記バルブユニットの接続管取付部を受け入れる開口が設けられた第1側板と、
上記衛生洗浄装置接続管を受け入れる開口が設けられた第2側板と、
上記第1側板と上記第2側板を連結する2つの連結側板と、
上記第1側板、上記第2側板、及び上記2つの連結側板によって囲まれた上端開口を開閉する開閉板と、から形成され、
上記開閉板は、上記2つの連結側板のうちの一方に、回動可能に連結されている請求項1乃至3の何れか1項に記載の水洗大便器装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水洗大便器装置に関し、特に、衛生洗浄装置及びバルブユニットを備えた水洗大便器装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在設置されている大部分の水洗大便器装置には、衛生洗浄装置が備えられている。また、多くの水洗大便器装置には、ボウル部を洗浄する洗浄水の供給、停止を行うためのバルブユニットが備えられている。従って、衛生洗浄装置及びバルブユニットを備えた水洗大便器装置では、水道から供給された水を、衛生洗浄装置とバルブユニットの双方に分岐させる必要がある。
【0003】
このように、水道水を衛生洗浄装置及びバルブユニットに分岐させるため、従来は、トイレ室の床面等から立ち上げられた止水栓の近傍に分岐金具が取り付けられ、この分岐金具から衛生洗浄装置及びバルブユニットに夫々配管を接続していた。しかしながら、このような給水方式では、トイレ室内の止水栓から、衛生洗浄装置用と、バルブユニット用の2本の配管が延びることとなり、水洗大便器装置の美観が損なわれてしまう。
【0004】
これに対し、特開2017-31601号(特許文献1)記載のトイレ装置においては、トイレ室内の止水栓から1本の給水管がトイレ装置に引き込まれ、トイレ装置内において、給水が衛生洗浄装置用と便器洗浄用に分岐される。これにより、特許文献1記載の発明では、トイレ室内に設置されたトイレ装置に、すっきりとした外観を与えることに成功している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-31601号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1記載のトイレ装置では、給水バルブや衛生洗浄装置に接続される配管が、誤操作により外されてしまう虞があるという問題がある。即ち、特許文献1記載のトイレ装置においては、便器後方の上側カバーを取り外すことにより、給水接続部と給水管との接続部等、種々の機器や配管が露出するように構成されている。このため、トイレ装置のメンテナンスや修理に精通していない者が上側カバーを開け、メンテナンス等を行おうとすると、誤って取り外すべきでない配管を取り外してしまう虞がある。
【0007】
即ち、トイレ室内の止水栓の近傍に取り付けられている分岐金具であれば、これを操作する者は、専門の施工業者か、水道工事従事者に限られ、誤操作により漏水等が発生する確率は極めて低い。これに対して、特許文献1記載のトイレ装置では、装置内部で分岐が行われるため、様々な機器が上側カバーの中に収納されており、必ずしも配管の取り扱いに精通していない者が上側カバーを開ける可能性がある。例えば、上側カバーの中には種々の電気機器も収納されているため、水道配管の取り扱いに慣れていない電気技術者が上側カバーを開けることが考えられる。或いは、停電時等に非常用の操作が必要となり、一般のユーザが上側カバーを開けて給水バルブ(バルブユニット)の操作を行うことも考えられる。このため、供給された水道水を、トイレ装置(水洗大便器装置)内で分岐させているタイプの水洗大便器装置では、誤操作により配管が取り外されたり、漏水が発生したりするリスクが高くなるという問題がある。
【0008】
従って、本発明は、衛生洗浄装置及びバルブユニットを備えた水洗大便器装置において、誤操作により配管の外れや、漏水が発生するリスクを低減することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明は、衛生洗浄装置及びバルブユニットを備えた水洗大便器装置であって、汚物を受けるボウル部を備えた便器本体と、この便器本体の上に配置される衛生洗浄装置と、給水管に接続され、供給された洗浄水を衛生洗浄装置で使用される洗浄水とボウル部の洗浄用の洗浄水に分岐させると共に、ボウル部の洗浄用の洗浄水の供給、停止を行うバルブユニットと、このバルブユニットと衛生洗浄装置を接続する衛生洗浄装置接続管と、バルブユニットの接続管取付部と衛生洗浄装置接続管との接続部に取り付けられ、衛生洗浄装置接続管の、バルブユニットからの脱落を防止するためのクイックファスナーと、このクイックファスナーが取り付けられた部分を覆うように配置されたファスナカバーと、を有し、ファスナカバーは、衛生洗浄装置接続管の全周を取り囲むように形成されると共に、バルブユニットとは別体に構成され、バルブユニットに止めネジにより固定されることを特徴としている。
【0010】
このように構成された本発明においては、給水管から供給された洗浄水は、バルブユニットにおいて、衛生洗浄装置で使用される洗浄水とボウル部の洗浄用の洗浄水に分岐される。また、バルブユニットは、便器本体のボウル部の洗浄用の洗浄水の供給、停止を行う。バルブユニットと衛生洗浄装置は、衛生洗浄装置接続管によって接続される。バルブユニットの接続管取付部と衛生洗浄装置接続管との接続部にはクイックファスナーが取り付けられ、衛生洗浄装置接続管の脱落が防止される。このクイックファスナーが取り付けられた部分には、これを覆うようにファスナカバーが取り付けられる。
【0011】
このように構成された本発明によれば、バルブユニットの接続管取付部と衛生洗浄装置接続管との接続部に、クイックファスナーが取り付けられているので、衛生洗浄装置接続管の偶発的な脱落を防止することができる。また、ファスナカバーは、クイックファスナーが取り付けられた部分を覆うように配置されている。このため、衛生洗浄装置接続管を取り外す必要のない者が、クイックファスナーを取り外すことは考えにくく、誤操作により衛生洗浄装置接続管が取り外されてしまうリスクを低減することができる。さらに、ファスナカバーは、バルブユニットとは別体に構成され、バルブユニットに止めネジにより固定されている。このため、ファスナカバーを誤って破損してしまった場合には、ファスナカバーのみを交換することができ、修理に要するコストを低減することができる。
【0012】
本発明において、好ましくは、バルブユニットは、便器本体の後方もしくは側面に取り付けられ、ファスナカバーを固定する止めネジは、便器本体の側方からバルブユニットに取り付けられる。
【0013】
このように構成された本発明によれば、バルブユニットが、便器本体の後方、側面に取り付けられているので、ローシルエット形の美観に優れた水洗大便器装置を構成することが可能になる。また、ファスナカバーを固定する止めネジは、便器本体の側方からバルブユニットに取り付けられるので、便器本体を移動させることなく、ファスナカバーの交換作業を行うことができ、メンテナンス性を向上させることができる。
【0014】
本発明において、好ましくは、さらに、ボウル部を洗浄するための洗浄水を貯留する貯水タンクを有し、貯水タンクは、便器本体の後方に配置されると共に、便器本体の上端面よりも下方に延在し、ファスナカバーは、貯水タンクよりも下方に配置される。
【0015】
このように構成された本発明によれば、洗浄水を貯留する貯水タンクが便器本体の上端面よりも下方に延在しているので、ローシルエット形の美観に優れた水洗大便器装置を構成することが可能になる。また、貯水タンクよりも下方にファスナカバーが取り付けられているので、ファスナカバーにアクセスしにくく、意図せずにファスナカバーを開いてクイックファスナーを露出させたり、ファスナカバーを破損したりするリスクを更に低減することができる。
【0016】
本発明において、好ましくは、ファスナカバーは、バルブユニットの接続管取付部を受け入れる開口が設けられた第1側板と、衛生洗浄装置接続管を受け入れる開口が設けられた第2側板と、第1側板と第2側板を連結する2つの連結側板と、第1側板、第2側板、及び2つの連結側板によって囲まれた上端開口を開閉する開閉板と、から形成され、開閉板は、2つの連結側板のうちの一方に、回動可能に連結されている。
【0017】
このように構成された本発明によれば、バルブユニットの接続管取付部と衛生洗浄装置接続管との接続部が、ファスナカバーを構成する第1、第2側板、2つの連結側板、及び開閉板によって囲まれるので、クイックファスナーの偶発的な外れを効果的に防止することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の水洗大便器装置によれば、誤操作により配管の外れや、漏水が発生するリスクを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態による水洗大便器装置の全体構成図である。
図2】本発明の一実施形態による水洗大便器装置の側面図である。
図3図2に示す本発明の一実施形態による水洗大便器装置のバルブユニットのIII-III線に沿った断面図である。
図4】本発明の一実施形態による水洗大便器装置において、貯水タンクの下方に取り付けられたバルブユニットを拡大して示す斜視図である。
図5】本発明の一実施形態による水洗大便器装置に使用されているファスナカバーの斜視図である。
図6】本発明の一実施形態による水洗大便器装置に使用されているクイックファスナーの斜視図である。
図7】本発明の一実施形態による水洗大便器装置における衛生洗浄装置接続管のバルブユニットへの接続部を拡大して示す部分拡大上面図である。
図8図7におけるVIII-VIII線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態による水洗大便器装置について説明する。
まず、図1は、本発明の一実施形態による水洗大便器装置の全体構成図である。また、図2は、本発明の一実施形態による水洗大便器装置の側面図である。
図1及び図2に示すように、本発明の一実施形態による水洗大便器装置1は、陶器製の便器本体2と、その上に配置された衛生洗浄装置3と、便器本体2の後方側に設けられたタンク装置4と、衛生洗浄装置3及びタンク装置4に洗浄水を供給するバルブユニット14と、を備えている。
【0021】
また、便器本体2は、汚物を受けるボウル部2aと、このボウル部2aの底部から延びてボウル部2a内の汚物を排出する排水トラップ部(排水トラップ管2b)と、ボウル部2aの上縁に形成されるリム部2cと、を備えている。
衛生洗浄装置3は、便器本体2後部の上に配置され、使用者の操作に基づいて局部を洗浄するように構成されている。
タンク装置4は、ボウル部2aを洗浄するために便器本体2に洗浄水を供給する給水ユニットの一部を構成している。タンク装置4の詳細については後述する。
【0022】
バルブユニット14は、給水管6aに接続され、供給された洗浄水を衛生洗浄装置3で使用される洗浄水と、ボウル部2aを洗浄するためにタンク装置4に貯留される洗浄水に分岐させるように構成されている。また、バルブユニット14は、ボウル部2aの洗浄用にタンク装置4に貯留される洗浄水の供給、停止を行うように構成されている。
【0023】
また、図1に示すように、給水経路には、上流側から下流側に向かって、止水栓12、バルブユニット14がそれぞれ設けられている。即ち、図2に示すように、トイレ室の床面F1から立ち上げられた水道管に止水栓12が取り付けられ、この止水栓12からバルブユニット14まで、給水管6aが延びている。さらに、図1に示すように、バルブユニット14は、給水管6aの下流側に設けられた定流量弁16、並びに、この定流量弁16の下流側に設けられた開閉弁(ダイヤフラム式の主弁体17)を開閉する電磁弁18をそれぞれ含んでいる。
【0024】
また、バルブユニット14の下流側にはタンク装置接続管6bが接続され、このタンク装置接続管6bはタンク装置4の貯水タンク10に洗浄水を供給する。即ち、バルブユニット14において、給水管6aから流入した洗浄水は、定流量弁16により流量が一定に調整される。その後、電磁弁18が電磁的に開弁し、開閉弁(ダイヤフラム式の主弁体17)により流路が開放されると、バルブユニット14から流出した洗浄水が、タンク装置接続管6bを介してタンク装置4に送られる。タンク装置4に流入した洗浄水は、連結ユニット20を経てタンクユニット22に供給されるようになっている。
【0025】
一方、定流量弁16を通った洗浄水は、開閉弁の上流側で分岐され、分岐された洗浄水は衛生洗浄装置接続管6cを介して衛生洗浄装置3に供給される。
また、図1及び図2に示すように、タンク装置4は、その下流側に接続された吐水管8を備えている。
【0026】
つぎに、図1に示すように、連結ユニット20は、ハウジング24と、オーバーフロー管26と、逆止弁28と、を備えている。
また、ハウジング24は、その下方開口部がタンクユニット22の貯水タンク10の上方開口部に着脱可能に接続されている。
【0027】
さらに、オーバーフロー管26は、ハウジング24の側壁の一部に設けられたオーバーフロー口と吐水管8とを接続している。
吐水管8は、その上流側がタンク装置4のポンプ30に接続され、その下流側が便器本体2のリム部の内部のリム導水路に接続されている。
さらに、逆止弁28は、ハウジング24の側壁に設けられており、ハウジング24内の洗浄水がオーバーフロー管26に流入することを可能にする一方、オーバーフロー管26内の洗浄水がハウジング24内への逆流を防止することができるようになっている。
【0028】
つぎに、図1に示すように、タンクユニット22は、貯水タンク10と、ポンプ30と、フロートスイッチ32と、水抜き栓34と、を備えている。
ポンプ30は、吐水管8の上流側に接続されている通水管36の途中に設けられている。この通水管36の上流端は、貯水タンク10内に設けられた吸引管38の下流端に接続されている。
【0029】
貯水タンク10内に貯水されている洗浄水は、ポンプ30が作動することにより、吸引管38から通水管36内に吸引された後、ポンプ30を経て吐水管8に圧送されるようになっている。
これにより、貯水タンク10からポンプ30により吐水管8に供給された洗浄水のうちのすべてが便器本体2のリム導水路内に供給されるようになっている。そして、リム導水路内の洗浄水はリム吐水口からボウル部2a内に吐水され、便器洗浄(いわゆる、リム吐水100%による便器洗浄)が行われるようになっている。
【0030】
フロートスイッチ32は、貯水タンク10内の水位を検知するものであり、バルブユニット14の電磁弁18の開閉動作は、フロートスイッチ32が検知した貯水タンク10内の水位に基づいてコントローラ(図示せず)により制御されるようになっている。また、ポンプ30の作動についても、フロートスイッチ32が検知した貯水タンク10内の水位に基づいてコントローラ(図示せず)により制御されるようになっている。例えば、フロートスイッチ32が検知した貯水タンク10内の水位が所定以下である場合には、電磁弁18が開弁し、ポンプ30が作動されるようになっている。そして、貯水タンク10内の水位が所定水位まで到達すると、電磁弁18が閉弁し、ポンプ30が停止されるようになっている。
【0031】
水抜き栓34は、貯水タンク10の底面に設けられている。この水抜き栓34は、通常時では、常時閉鎖されており、必要に応じて開放され、貯水タンク10内の洗浄水を外部に排出することができるようになっている。
【0032】
つぎに、図3図5を新たに参照して、本発明の一実施形態による水洗大便器装置のバルブユニットの詳細について説明する。
まず、図3は、図2に示す本発明の一実施形態による水洗大便器装置のバルブユニットのIII-III線に沿った断面図である。
【0033】
図2及び図3に示すように、バルブユニット14は、便器本体2の後部に配置されたタンク装置4の貯水タンク10の下端に配置されている。すなわち、貯水タンク10は、便器本体2の上端面であるリム部2cよりも下方に延在し、バルブユニット14は、貯水タンク10よりも下方に配置され、且つ便器本体2のボウル部2aよりも後方の領域に設けられている。また、バルブユニット14は、便器本体2の後方領域の側方に取り外し可能に設けられた一枚のカバー部材39により覆われている。なお、図2に示す水洗大便器装置1においては、カバー部材39については、省略し、想像線のみで示している。
【0034】
また、バルブユニット14からタンク装置4に洗浄水を供給するタンク装置接続管6bは、バルブユニット14の前端部に接続されている。一方、バルブユニット14から衛生洗浄装置3に洗浄水を供給する衛生洗浄装置接続管6cは、バルブユニット14の下部に接続されている。
【0035】
つぎに、図4は、貯水タンクの下方に取り付けられたバルブユニットを拡大して示す斜視図である。なお、図4においては、バルブユニット14に衛生洗浄装置接続管6cを接続するために取り付ける複数の部品も、分解した状態で示されている。
【0036】
図4に示すように、バルブユニット14は、便器本体2の後方に設けられたベースプレート42の下方に吊り下げられるようにして取り付けられている。また、バルブユニット14は、概ね円柱形のバルブユニット本体部14aを有し、このバルブユニット本体部14aの中に定流量弁16及び主弁体17(図1)が収納されている。さらに、バルブユニット本体部14aの前側側部には、主弁体17を開閉させるためのパイロット弁(図示せず)を駆動するための電磁弁18が取り付けられている。また、バルブユニット本体部14aの中央側部には、停電時において、使用者の手動の操作により主弁体17を開弁させるためのハンドル部40が設けられている。
【0037】
通常時においては、コントローラ(図示せず)から電磁弁18に制御信号が送られて、主弁体17を開閉させることにより、バルブユニット14は、ボウル部2aを洗浄するための洗浄水の、タンク装置4への供給、停止を行う。一方、停電時等の非常時においては、使用者がハンドル部40を操作して、主弁体17を開弁させ、タンク装置4への供給を行う。なお、停電時においては、バルブユニット14からタンク装置4へ供給された洗浄水は、オーバーフロー管26を介して便器本体2に流入し、ボウル部2aが洗浄される。
【0038】
また、図4に示すように、バルブユニット本体部14aの前側端部には、タンク装置接続管6bを接続するための取付部14bが設けられている。また、バルブユニット本体部14aの後側端部には、止水栓12から延びる給水管6aを接続するための取付部14cが設けられている。また、給水管6aから流入した洗浄水は、バルブユニット本体部14a内で分岐され、一方は主弁体17(図1)へ導かれ、他方は、バルブユニット本体部14aから下方に突出するように設けられた突出部44へ導かれる。
【0039】
この突出部44は、バルブユニット本体部14aの、ハンドル部40よりも後ろ側から、下方に向けて張り出している。この突出部44の外側側面には、衛生洗浄装置接続管6cを接続するための接続管取付部45が設けられている。また、接続管取付部45の下側には、接続管取付部45と同一の方向に、側方に向けて水平方向に突出したカバー固定部44aが設けられている。
【0040】
一方、接続管取付部45に接続される、衛生洗浄装置接続管6cの基端部には、L字形に形成された接続部材46が設けられている。衛生洗浄装置接続管6cは、この接続部材46を介して、バルブユニット14の接続管取付部45に接続される。
【0041】
また、バルブユニット14の接続管取付部45と、衛生洗浄装置接続管6cの接続部材46との接続部には、クイックファスナー48が取り付けられ、衛生洗浄装置接続管6cのバルブユニット14からの脱落が防止される。このクイックファスナー48が取り付けられた部分は、ファスナカバー50によって覆われる。このファスナカバー50は、止めネジ50aによりカバー固定部44aに固定される。即ち、ファスナカバー50が止めネジ50aによりカバー固定部44aに固定されると、接続管取付部45の先端部がファスナカバー50の中に受け入れられる。この状態で、衛生洗浄装置接続管6cの接続部材46を、接続管取付部45に接続し、この接続部にクイックファスナー48が取り付けられる。
【0042】
接続管取付部45は概ね円筒形に形成されており、その内部はバルブユニット本体部14a内と連通されており、バルブユニット本体部14aで分岐された洗浄水が流出するように構成されている。また、接続管取付部45の先端部には半径方向外方に向けて延びるフランジ部45aが形成されている。
【0043】
接続部材46は、衛生洗浄装置接続管6cの基端部に設けられた概ねL字形に屈曲された管部材であり、一端が接続管取付部45に接続され、他端が衛生洗浄装置接続管6cに接続される。接続部材46の、接続管取付部45との接続部には、小径部46aと大径部46bが設けられており、小径部46aが接続管取付部45の中に挿入されることにより、接続部材46が接続管取付部45に接続される。また、小径部46aの外周に取り付けられたOリングにより、接続部材46と接続管取付部45の間の水密性が確保される。さらに、大径部46bの、小径部46a側の端部には、半径方向外方に向けて延びるフランジ部46cが形成されている。これら接続管取付部45のフランジ部45aと、接続部材46のフランジ部46cは、ほぼ同一の直径を有し、接続部材46が接続管取付部45に取り付けられた状態では、フランジ部45aとフランジ部46cが互いに当接する。
【0044】
次に、図5を参照して、ファスナカバー50の構造を説明する。
図5は、ファスナカバー50の斜視図である。図5に示すように、ファスナカバー50は、第1側板52と、第2側板54と、これらを連結する2つの連結側板56と、一方の連結側板56に回転可能に連結された開閉板58と、から形成された樹脂製の部品である。このファスナカバー50は、バルブユニット14とは別体に構成されており、万一破損した場合には、ファスナカバー50だけを交換することができる。第1側板52は、バルブユニット14の接続管取付部45を受け入れる円形の開口が設けられた平板状の部分であり、長方形部分とその下側に連続して形成された半円形部分から構成されている。第2側板54は、第1側板52と概ね平行に形成された平板状の部分である。第2側板54には、衛生洗浄装置接続管6cの接続部材46を受け入れる円形の開口が設けられ、長方形部分とその下側に連続して形成された半円形部分から構成されている。2つの連結側板56は、第1側板52、第2側板54の両側の側縁を連結するように、概ね平行に形成された概ね長方形板状の部分である。
【0045】
これにより、ファスナカバー50の上端には、第1側板52、第2側板54及び2つの連結側板56によって囲まれた長方形の上端開口が形成される。さらに、便器本体2の奥側に設けられた方の連結側板56には、上端開口を開閉する開閉板58が回動可能に連結されている。即ち、開閉板58は長方形板状の部分であり、開閉板58と一方の連結側板56との連結部分は弾性的に折り曲げ可能に連結されている。図5に示す状態から、開閉板58の連結部分を約180度折り曲げることにより、ファスナカバー50の上端開口が開閉板58によって覆われる。
【0046】
また、開閉板58の先端には、開閉板58に対してほぼ直角に延びる平板状の係合部58aが設けられている。一方、開閉板58が連結されていない方の連結側板56には、係合爪56aが設けられている。開閉板58の連結部分が約180度折り曲げられた状態では、係合部58aに設けられた長方形開口の縁が係合爪56aと係合する。これにより、開閉板58は、ファスナカバー50の上端開口を閉鎖した状態でスナップ止めされる。なお、ファスナカバー50の上端開口は開閉板58によって閉鎖されるが、各連結側板56はファスナカバー50の下部までは設けられておらず、ファスナカバー50の下部は開放されている。
【0047】
さらに、第2側板54の下部には、下方に向けて突出するように舌部54aが設けられている。この舌部54aに設けられた丸穴を通して止めネジ50aを固定することにより、ファスナカバー50をバルブユニット14にネジ止めし、固定することができる。即ち、バルブユニット14の下方に突出する突出部44に設けられたカバー固定部44a(図4)の先端には雌ネジ穴が設けられている。この雌ネジに、舌部54aの丸穴を通して止めネジ50aを螺合させることにより、ファスナカバー50をバルブユニット14に固定することができる。また、ファスナカバー50が破損された場合等は、止めネジ50aを外し、ファスナカバー50を交換することができる。ここで、止めネジ50aは、ファスナカバー50を便器本体2の側方からバルブユニット14に取り付けている。このため、ファスナカバー50を交換する際には、便器本体2を移動させることなく、止めネジ50aの取り付け、取り外しを行うことができ、ファスナカバー50を容易に交換することができる。
【0048】
次に、図6を参照して、クイックファスナー48の構造を説明する。
図6は、クイックファスナー48の斜視図である。クイックファスナー48は金属製の薄板を折り曲げて形成された部品である。このクイックファスナー48は、衛生洗浄装置接続管6cの接続部材46が、バルブユニット14の接続管取付部45から脱落するのを防止するように、接続管取付部45と衛生洗浄装置接続管6cとの接続部に取り付けられる。
【0049】
図6に示すように、クイックファスナー48は、連結部48aと、この連結部48aの両側の下端から下方に向けて延びる2つの脚部から構成されている。クイックファスナー48のこれらの脚部は、外側に向けて凸型となるように互いに反対方向に折り曲げられている。各脚部の上側の半部は第1斜面部48bを夫々構成し、下側の半部は第2斜面部48cを夫々構成している。また、各第2斜面部48cの下端には案内部48dが夫々形成されている。
【0050】
連結部48aは、薄板を概ね逆U字形に折り曲げることにより形成された部分である。
第1斜面部48bは、連結部48aの両側の下端から下方に向けて延びるように夫々形成されると共に、下方に向かって互いの間隔が広くなるようにハの字形に形成されている。また、各第1斜面部48bには、クイックファスナー48が取り付けられたとき、接続管取付部45のフランジ部45a及び接続部材46のフランジ部46cを同時に受け入れるための略長方形の開口部が夫々設けられている。
【0051】
第2斜面部48cは、各第1斜面部48bの下端から下方に向けて延びるように夫々形成されると共に、下方に向かって互いの間隔が狭くなるように折り曲げられている。また、各第2斜面部48cには、クイックファスナー48が取り付けられたとき、接続管取付部45のフランジ部45a及び接続部材46のフランジ部46cを同時に受け入れるための略長方形の開口部が夫々設けられている。
【0052】
案内部48dは、各第2斜面部48cの下端から、外方に向けて概ね水平方向に向けて延びる部分である。クイックファスナー48を、バルブユニット14と衛生洗浄装置接続管6cの接続部に取り付ける際に、各案内部48dは、弾性変形によりクイックファスナー48の各脚部の間隔が広くなるように案内する。
【0053】
次に、図7及び図8を新たに参照して、衛生洗浄装置接続管6cのバルブユニット14への接続を説明する。
図7は、衛生洗浄装置接続管6cのバルブユニット14への接続部を拡大して示す部分拡大上面図である。図8は、図7におけるVIII-VIII線に沿う断面図である。
【0054】
まず、バルブユニット14に対し、ファスナカバー50が取り付けられる。具体的には、バルブユニット14の突出部44(図4)の所定の位置にファスナカバー50を配置し、突出部44に設けられたカバー固定部44aに、止めネジ50aを螺合させる。これにより、ファスナカバー50がバルブユニット14に固定される。この状態では、突出部44に設けられた接続管取付部45の先端が、ファスナカバー50の第1側板52に設けられた開口を通ってファスナカバー50の中に突出する。次いで、衛生洗浄装置接続管6cの接続部材46が、バルブユニット14の接続管取付部45に接続される。具体的には、接続部材46の先端部をファスナカバー50の第2側板54の開口を通してファスナカバー50の中に入れ、接続部材46の先端部に設けられた小径部46aを、接続管取付部45の中に挿入する。
【0055】
この状態では、図7に示すように、接続部材46の先端部がファスナカバー50の中に突出し、接続部材46に設けられたフランジ部46cと、接続管取付部45に設けられたフランジ部45aが互いに当接する。また、この状態においては、フランジ部45a及びフランジ部46cは、全体がファスナカバー50の内部に位置する。この状態において、ファスナカバー50の上端開口からクイックファスナー48を挿入し、クイックファスナー48を接続管取付部45と接続部材46(衛生洗浄装置接続管6c)の接続部に取り付ける。即ち、クイックファスナー48を接続管取付部45と接続部材46の接続部に押し当てると、クイックファスナー48の両側の脚部が、クイックファスナー48の各案内部48dによって案内され、弾性変形により外方に押し広げられる。クイックファスナー48が所定の位置まで押し込まれると、各案内部48d(図6)が接続管取付部45と接続部材46の接続部を乗り越え、クイックファスナー48は概ね元の形状に復帰する。
【0056】
即ち、図8に示すように、接続管取付部45と接続部材46の接続部がクイックファスナー48の両側の脚部の間に受け入れられる。これにより、互いに当接しているフランジ部45a及び46cの一部が、クイックファスナー48の第1斜面部48b及び第2斜面部48cに夫々設けられた長方形の開口部の中に突出する。この状態では、フランジ部45a及び46cが、クイックファスナー48の第1、第2斜面部に夫々設けられた長方形の開口部の縁と係合する。このため、衛生洗浄装置接続管6cの接続部材46を接続管取付部45から引き抜こうとしても、接続部材46のフランジ部46cがクイックファスナー48と係合して、これが阻止される。これにより、衛生洗浄装置接続管6cのバルブユニット14からの脱落が防止される。
【0057】
接続管取付部45と接続部材46の接続部にクイックファスナー48を取り付けた後、ファスナカバー50の開閉板58を180度、回動させ、開閉板58先端の係合部58aを、連結側板56の係合爪56aに係合させる。これにより、ファスナカバー50の上端開口が覆われた状態で、開閉板58がスナップ止めされる。このように、開閉板58が閉じられた状態では、クイックファスナー48を取り外すことはできず、また、クイックファスナー48は、外部からほぼ視認することができなくなる。このため、停電時等の非常時に、ハンドル部40を操作しようとした使用者が誤ってクイックファスナー48を引き抜いてしまうのを防止することができる。
【0058】
従って、この状態において、衛生洗浄装置接続管6cをバルブユニット14から取り外すためには、まず、ファスナカバー50の開閉板58を開けてクイックファスナー48を露出させ、ファスナカバー50の上端開口を通してクイックファスナー48を上方に引き抜く。次いで、衛生洗浄装置接続管6cの接続部材46を接続管取付部45から取り外す必要がある。このため、クイックファスナー48は使用者の目につきにくく、不慣れな使用者の誤操作により、衛生洗浄装置接続管6cがバルブユニット14から取り外されてしまうのを効果的に防止することができる。さらに、ファスナカバー50の開閉板58は、便器本体2の後方側において連結側板56と接続され、便器本体2の前方側において係合部58aが係合爪56aと係合して上端開口を閉鎖するように配置されている。このため、開閉板58の係合部58aと係合爪56aとの係合部が視認されにくく、水洗大便器装置1の取り扱いに不慣れな使用者が、不必要に開閉板58を開けてしまう可能性を低減することができる。
【0059】
本発明の実施形態の水洗大便器装置1によれば、バルブユニット14の接続管取付部45と衛生洗浄装置接続管6cとの接続部に、クイックファスナー48が取り付けられている(図4)ので、衛生洗浄装置接続管6cの偶発的な脱落を防止することができる。また、ファスナカバー50は、クイックファスナー48が取り付けられた部分を覆うように配置されている(図8)。このため、衛生洗浄装置接続管を取り外す必要のない者が、クイックファスナー48を取り外すことは考えにくく、誤操作により衛生洗浄装置接続管6cが取り外されてしまうリスクを低減することができる。さらに、ファスナカバー50は、バルブユニット14とは別体に構成され、バルブユニット14に止めネジ50aにより固定されている。このため、ファスナカバー50を誤って破損してしまった場合には、ファスナカバー50のみを交換することができ、修理に要するコストを低減することができる。
【0060】
また、本実施形態の水洗大便器装置1によれば、バルブユニット14が、便器本体2の後方、側面に取り付けられている(図2)ので、ローシルエット形の美観に優れた水洗大便器装置1を構成することが可能になる。また、ファスナカバー50を固定する止めネジ50aは、便器本体2の側方からバルブユニット14に取り付けられる(図4)ので、便器本体2を移動させることなく、ファスナカバー50の交換作業を行うことができ、メンテナンス性を向上させることができる。
【0061】
さらに、本実施形態の水洗大便器装置1によれば、洗浄水を貯留する貯水タンク10が便器本体2の上端面よりも下方に延在しているので、ローシルエット形の美観に優れた水洗大便器装置1を構成することが可能になる。また、貯水タンク10よりも下方にファスナカバー50が取り付けられているので、ファスナカバー50にアクセスしにくく、意図せずにファスナカバー50を開いてクイックファスナー48を露出させたり、ファスナカバー50を破損したりするリスクを更に低減することができる。
【0062】
また、本実施形態の水洗大便器装置1によれば、バルブユニット14の接続管取付部45と衛生洗浄装置接続管6cとの接続部が、ファスナカバー50を構成する第1側板52、第2側板54、2つの連結側板56、及び開閉板58によって囲まれるので、クイックファスナー48の偶発的な外れを効果的に防止することができる。
【0063】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。特に、上述した実施形態においては、バルブユニット14を通過したボウル部2aの洗浄用の洗浄水は、貯水タンク10に貯留され、ポンプ30によってボウル部2aに供給されていた。しかしながら、貯水タンクを備えない、水道直圧式の水洗大便器装置に本発明を適用することもでき、或いは、貯水タンクを備え、ポンプを備えていないタンク式の水洗大便器装置に本発明を適用することもできる。
【0064】
また、上述した実施形態においては、バルブユニット14は、供給された洗浄水を衛生洗浄装置3で使用される洗浄水とボウル部2aの洗浄用の洗浄水に分岐させる機能、ボウル部2aの洗浄用の洗浄水の供給、停止を行う機能、及び停電等の非常時に手動でタンク装置4に洗浄水を供給する機能を備えていた。しかしながら、バルブユニットは、停電等の非常時に使用する機能を備えていなくても良い。
【符号の説明】
【0065】
1 水洗大便器装置
2 便器本体
2a ボウル部
2b 排水トラップ管
2c リム部
3 衛生洗浄装置
4 タンク装置
6a 給水管
6b タンク装置接続管
6c 衛生洗浄装置接続管
10 貯水タンク
12 止水栓
14 バルブユニット
14a バルブユニット本体部
14b 取付部
14c 取付部
16 定流量弁
17 主弁体
18 電磁弁
20 連結ユニット
22 タンクユニット
24 ハウジング
26 オーバーフロー管
28 逆止弁
30 ポンプ
32 フロートスイッチ
34 水抜き栓
36 通水管
38 吸引管
39 カバー部材
40 ハンドル部
42 ベースプレート
44 突出部
44a カバー固定部
45 接続管取付部
45a フランジ部
46 接続部材
46a 小径部
46b 大径部
46c フランジ部
48 クイックファスナー
48a 連結部
48b 第1斜面部
48c 第2斜面部
48d 案内部
50 ファスナカバー
50a 止めネジ
52 第1側板
54 第2側板
54a 舌部
56 連結側板
56a 係合爪
58 開閉板
58a 係合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8