IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ マックス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-結束機 図1
  • 特許-結束機 図2
  • 特許-結束機 図3
  • 特許-結束機 図4
  • 特許-結束機 図5
  • 特許-結束機 図6
  • 特許-結束機 図7
  • 特許-結束機 図8
  • 特許-結束機 図9
  • 特許-結束機 図10
  • 特許-結束機 図11
  • 特許-結束機 図12
  • 特許-結束機 図13
  • 特許-結束機 図14
  • 特許-結束機 図15
  • 特許-結束機 図16
  • 特許-結束機 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】結束機
(51)【国際特許分類】
   B65B 13/34 20060101AFI20240122BHJP
【FI】
B65B13/34
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020055104
(22)【出願日】2020-03-25
(65)【公開番号】P2021035860
(43)【公開日】2021-03-04
【審査請求日】2022-12-02
(31)【優先権主張番号】P 2019153228
(32)【優先日】2019-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006301
【氏名又は名称】マックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】田口 聡
(72)【発明者】
【氏名】小林 建司
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-222403(JP,A)
【文献】米国特許第02920324(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 13/00
A01G 17/00
B25C 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステープルが収容されるメインハンドルと、
前記メインハンドルに支持されて、前記ステープルを打出し可能なステープルドライバと、
前記メインハンドルに回動可能に取り付けられたクリンチャアームであって、前記ステープルドライバによって打ち出された前記ステープルをクリンチするクリンチャを有するクリンチャアームと、
前記クリンチャアームに対して回動可能に取り付けられた操作ハンドルと
を備え、
前記メインハンドルと前記操作ハンドルとを握り込むことで、前記クリンチャアームが前記メインハンドルに対して閉じる向きに回動し、前記ステープルドライバと前記クリンチャとで前記ステープルをクリンチする結束機であって、
前記ステープルドライバは、
前記メインハンドルから離れる向きに延在し、前記クリンチャに向けて前記ステープルを打ち出す打出し部と、
前記打出し部を前記メインハンドルに取り付けるための取付け部と、を有し、
前記取付け部は、前記打出し部の側縁から前記メインハンドルの長手方向に延在するように構成されており
前記クリンチャアームは、前記メインハンドルとの角度が小さくなる閉じ向きと、該閉じ向きとは反対側へ開く開き向きとの間で回動可能に構成され、前記閉じ向きへ前記クリンチャアームを回動させたとき、前記ステープルドライバが前記ステープルを打ち出し可能に設けられ、
前記ステープルドライバは、
前記打出し部の前記メインハンドル側に配設された端部が、前記クリンチャアームを前記閉じ向きへ回動させた状態において、第1位置に位置し、
前記打出し部の前記メインハンドル側に配設される端部が、前記クリンチャアームを前記開き向きへ回動させた状態において、前記第1位置よりも前記メインハンドルの先端部に近い第2位置に位置するように、前記メインハンドルに対して変位可能に取り付けられている、
結束機。
【請求項2】
前記メインハンドルは、前記ステープルドライバとの間に配設され、前記ステープルドライバが摺動可能な表面を有する座金部材を有する、
請求項に記載の結束機。
【請求項3】
前記座金部材は、前記ステープルドライバが前記メインハンドルから離れる向きに移動することを規制する規制部を有する、
請求項に記載の結束機。
【請求項4】
前記規制部は、前記ステープルドライバが嵌合する凹部である、
請求項に記載の結束機。
【請求項5】
前記凹部は、前記表面に形成される、
請求項に記載の結束機。
【請求項6】
前記規制部は、前記表面と前記表面とは反対側の裏面を貫通する貫通部を有し、
前記打出し部は、前記貫通部を貫通する、
請求項に記載の結束機。
【請求項7】
前記打出し部は、前記貫通部を貫通する幅狭部と、該幅狭部の先端に設けられ該幅狭部よりも幅広に形成された幅広部と、を有し、
前記幅広部の少なくとも一部は、前記裏面に対向している、
請求項に記載の結束機。
【請求項8】
前記打出し部は、前記座金部材に対向する位置に、前記座金部材が嵌合可能な開口部を有し、
前記規制部は、前記座金部材が前記開口部に嵌合することで、前記ステープルドライバが前記メインハンドルから離れる向きに移動することを規制する、
請求項に記載の結束機。
【請求項9】
前記打出し部は、前記座金部材に対向する位置に、前記座金部材が嵌合可能な凹部を有し、
前記規制部は、前記座金部材が前記凹部に嵌合することで、前記ステープルドライバが前記メインハンドルから離れる向きに移動することを規制する、
請求項に記載の結束機。
【請求項10】
前記メインハンドルは、
前記ステープルドライバを、
前記メインハンドルの先端部に向かう第1の向きへ付勢するとともに、
前記メインハンドルに近づく第2の向きへ付勢する、付勢手段を有する、
請求項1からのいずれか一項に記載の結束機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結束機に関する。
【背景技術】
【0002】
農作物を栽培する際の結束作業に園芸用の結束機が用いられている。例えば、胡瓜、葡萄、トマト、梨、プラム等の農作物栽培において、植物の蔓や茎を支柱やネットなどに結束するために、園芸用の結束機が用いられている。結束機は、ステープルを一つずつ打ち出すためのステープルドライバを備えている。
【0003】
特許文献1には、ステープルマガジンの射出口の寸法変化を抑制することが可能な園芸用の結束機が記載されている。この文献の図4には、ステープルを打ち出すための板状のドライバ78が示されている。ステープルドライバ78は、結束機本体40の長手方向に沿って敷設されているテープホルダ44に支持される機械連結部(結束機に取り付けられる部分)と、機械連結部から折り曲げられて、ステープルマガジン部60に向かって延在する打出し部を備えるL字形に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-222403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、結束用テープを用いて結束する結束機の場合、結束用テープにステープルを貫通させて結束用テープを綴じる動作に伴う負荷は極めて小さい。このため、作業者が操作ハンドルを握り込むことによりクリンチャからステープルドライバに作用する力は、ステープルドライバの曲げ部分にかかる負荷となっていた。従って、ステープルドライバの曲げ部分が破損してしまうことがあった。
【0006】
そこで、本発明は、繰り返し使用しても破損しにくい高耐久のステープルドライバを備えた結束機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る結束機(10)は、ステープル(ST)が収容されるメインハンドル(20)と、メインハンドル(20)に支持されてステープル(ST)を打出し可能なステープルドライバ(32)と、メインハンドル(20)に回動可能に取り付けられたクリンチャアーム(50)と、を備えている。クリンチャアーム(50)は、ステープルドライバ(32)によって打ち出されたステープル(ST)をクリンチするクリンチャ(54)を有している。ステープルドライバ(32)は、メインハンドル(20)から離れる向きに延在し、クリンチャ(54)に向けてステープル(ST)を打ち出す打出し部(33)と、打出し部(33)をメインハンドル(20)に取り付けるための取付け部(34)と、を有している。取付け部(34)は、打出し部(33)の側縁(33L,33R)からメインハンドル(20)の長手方向(X)に延在するように構成されている。
【0008】
上記態様において、ステープルドライバ(32)は、メインハンドル(20)に対して変位可能に取り付けられていてもよい。
【0009】
上記態様において、クリンチャアーム(50)は、該クリンチャアーム(50)とメインハンドル(20)との角度が小さくなる閉じ向き(θ2)と、閉じ向き(θ2)とは反対側へ開く開き向き(θ1)との間で回動可能に構成され、閉じ向き(θ2)へ回動させたとき、ステープルドライバ(32)がステープル(ST)を打ち出し可能に設けられていてもよい。ステープルドライバ(32)は、打出し部(33)のメインハンドル(20)側に配設された端部(332)が、クリンチャアーム(50)を閉じ向き(θ2)に回動させた状態において、第1位置(P1)に位置してもよい。端部(332)が、クリンチャアーム(50)を閉じる向きとは反対側の開き向き(θ1)へ回動させた状態において、第1位置(P1)よりもメインハンドル(20)の先端部(201)に近い第2位置(P2)に位置するように、メインハンドル(20)に対して変位可能に取り付けられていてもよい。
【0010】
上記態様において、メインハンドル(20)は、ステープルドライバ(32)との間に配設されて、ステープルドライバ(32)が摺動する表面(35A)を有する座金部材(35)を有していてもよい。
【0011】
上記態様において、座金部材(35)は、ステープルドライバ(32)がメインハンドル(20)から離れる向きに移動することを規制する規制部(35S)を有していてもよい。
【0012】
上記態様において、規制部(35S)は、ステープルドライバ(32)が嵌合する凹部(35SS)であってもよい。
【0013】
上記態様において、凹部(35SS)は、表面(35A)に形成されてもよい。
【0014】
上記態様において、規制部(35S)は、表面(35A)と表面(35A)とは反対側の裏面(35B)を貫通する貫通部(35S)を有していてもよい。打出し部(33)は、貫通部(35S)を貫通していてもよい。
【0015】
上記態様において、打出し部(33)は、貫通部(35S)を貫通する幅狭部(332N)と該幅狭部(332N)よりも幅弘に形成された幅広部(332W)と、を有していてもよい。幅広部(332W)の少なくとも一部は裏面(35B)に対向してもよい。
【0016】
上記態様において、打出し部(33)は、座金部材(35)に対向する位置に、座金部材(35)が嵌合可能な開口部(33S)を有していてもよい。規制部(352)は、座金部材(35)が開口部(33S)に嵌合することで、ステープルドライバ(32)がメインハンドル(20)から離れる向きに移動することを規制してもよい。
【0017】
上記態様において、打出し部(33)は、座金部材(35)に対向する位置に、座金部材(35)が嵌合可能な凹部(33S)を有していてもよい。規制部(352)は、座金部材(35)が凹部(33S)に嵌合することで、ステープルドライバ(32)がメインハンドル(20)から離れる向きに移動することを規制してもよい。
【0018】
上記態様において、メインハンドル(20)は、付勢部材(36,37)を有していてもよい。付勢手段(36,37)は、ステープルドライバ(32)を、メインハンドル(20)の先端部(201)に向かう第1の向き(X1)へ付勢するとともに、メインハンドル(20)に近づく第2の向き(Z2)へ付勢してもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、繰り返し使用しても破損しにくい高耐久のステープルドライバを備えた結束機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明の一実施形態の結束機10の一例を示す右側面図である。
図2図2は、待機状態における結束機10の断面図である。
図3図3は、テープTPを掴む状態における結束機10の断面図である。
図4図4は、テープTPを引き出した状態における結束機10の断面図である。
図5図5は、被結束物を挿入した状態における結束機10の断面図である。
図6図6は、ステープルSTの打ち出しを開始した状態における結束機10の断面図である。
図7図7は、ステープルSTの打ち出し中の状態における結束機10の断面図である。
図8図8は、ステープルSTの打ち出しを完了した状態における結束機10の断面図である。
図9図9は、図6に示されたステープルSTの打ち出しを開始した状態におけるステープルドライバ32を拡大して示す断面図である。
図10図10は、図8に示されたステープルSTの打ち出しを完了した状態におけるステープルドライバ32を拡大して示す断面図である。
図11図11は、図9に示されたステープルドライバ32の斜視図である。
図12図12は、本発明の第2実施形態に係るステープルドライバ32を示す斜視図である。
図13図13は、本発明の第3実施形態に係るステープルドライバ32を示す斜視図である。
図14図14は、図13に示された座金部材35を示す平面図である。
図15図15は、図13に示されたステープルドライバ32を示す正面図である。
図16図16は、本発明の第4実施形態に係るステープルドライバ32を示す斜視図である。
図17図17は、本発明の第5実施形態に係るステープルドライバ32を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施形態のみに限定する趣旨ではない。図1は、本実施形態に係る園芸用の結束機10の右側面図である。図2は、図1に示された結束機10の断面図である。
【0022】
なお、本実施形態において、便宜的に、結束用のテープTPが収容されるテープマガジンユニット26から、テープホルダ28Aが延在し、テープTPが引き出される結束機10の先端に設けられるテープガイド28Bに向かう側(図1における紙面右方)を、「前方」と呼び、反対側(図1における紙面左方)を、「後方」と呼ぶ場合がある。
【0023】
また、待機状態におけるテープガイド28Bからテープ把持ユニット56に向かう側(図1における紙面上方)を、「上方」と呼び、反対側(図1における紙面下方)を「下方」と呼ぶ場合がある。以下、結束機10の主要構成について概説する。その後、結束機10の特徴的構造について詳述する。
【0024】
本実施形態に係る園芸用の結束機10は、例えば、農作物(「被結束物S」の一例)の誘引結束作業に使用されることができる。結束機10は、メインハンドル20と、メインハンドル20に対して回動可能に取り付けられたステープルマガジンユニット22と、メインハンドル20に対して回動可能に取り付けられたクリンチャアーム50と、クリンチャアーム50に対して回動可能に取り付けられた操作ハンドル70と、を備えている。
【0025】
メインハンドル20は、細長い直線状に形成された部材である。メインハンドル20は、テープ搬送ユニット28と、テープ切断部30と、ステープルドライバ32と、備えている。また、メインハンドル20の後端部には、テープマガジンユニット26が取り付けられる。メインハンドル20とテープマガジンユニット26は、一体的に形成してもよい。
【0026】
テープマガジンユニット26は、リール上に巻き回されたテープTP(以下、巻き回されたテープTPを、テープリールTR(「巻回された結束用テープ」の一例)と呼ぶ場合がある。)を収容するための機構である。テープマガジンユニット26は、図1等に示すように、メインハンドル20の後端部に設けられている。
【0027】
テープ搬送ユニット28は、テープホルダ28Aと、テープガイド28Bを備えている。テープホルダ28Aは、テープマガジンユニット26からテープガイド28BまでテープTPを搬送するための経路であり、メインハンドル20の長手方向Xに沿って敷設されている。テープホルダ28Aは、テープTPの一方の表面に向かい合う底部と、テープTPの他方の表面(以下、テープTPの他方の表面を「裏面」という場合がある。)に向かい合う蓋部と、を備えている。底部と蓋部は、例えば、長手方向Xに沿う一辺側を支点として開閉可能に構成されている。
【0028】
テープガイド28B(図2から図8参照)は、テープTPの先端をテープガイド28Bから上方側にガイドして引き出すための部材である。テープガイド28Bは、テープホルダ28Aの前端部に回動可能に設けられる。テープガイド28Bは、挿通したテープTPが容易に外れないように、テープTPの表面、裏面、両側部それぞれの少なくとも一部に向かい合う壁面を有している。
【0029】
テープ切断部30は、テープTPを切断するための切断刃30Aと、切断刃30Aをロック及びロック解除するためのロック機構30Bを備えている。切断刃30Aを交換する際は、ロック機構30Bでロック解除を行なって切断刃30Aを取り外す。切断刃30Aは、テープガイド28Bと一体で回動可能に設けられており、待機状態および把持動作時に後方を向くように不図示の弾性部材により付勢される。結束動作を実行する際は、テープガイド28Bがテープキャッチ60の先端部60Bに押圧され、テープガイド28Bと切断刃30Aは不図示の弾性部材の付勢力に抗して回動し、切断刃30Aの刃先上方がテープTPに臨むように移動する。
【0030】
なお、テープTPを切断するための機構として、種々の機構を採用することが可能である。例えば、テープTPをテープガイド28Bと連動して回動することによって、テープTPを切断するようにしてもよいし、テープガイド28B及び切断刃30Aを直進方向に移動可能に構成し、切断刃30Aを直線方向に移動することによって、テープTPを切断するようにしてもよいし、テープガイド28BなどテープTPを拘束する部材を移動させることによって、静止する切断刃30AにテープTPが切断されるようにしてもよい。
【0031】
ステープルドライバ32は、ステープルマガジンユニット22のステープル収容部23前端付近に臨むようにメインハンドル20に取り付けられた板状のプレートを含む。ステープルドライバ32は、ステープルSTを一つだけ打ち出せるように、例えば、ステープルSTの幅と略同じ厚み又はステープルSTの幅よりも小さい厚みを有するように形成されている。
【0032】
後述するクリンチャアーム50がメインハンドル20に対して閉じる向きに回動すると、クリンチャアーム50に押下されることによってステープルマガジンユニット22は、メインハンドル20に近づく向きに回動する。このため、メインハンドル20に取り付けられたステープルドライバ32の上端は、相対的に、ステープル収容部23内の空間に進入して、ステープル収容部23内の先頭のステープルSTを上方に打ち出す。ステープルドライバ32の構成については、後に詳述する。
【0033】
打ち出されたステープルSTは、テープTPを貫通した後に、クリンチャ54にクリンチされる。ステープルSTの折り曲げられた脚部は、ステープルSTのクラウン部100との間で、重ね合わされた二枚のテープTPを把持することが可能になる。
【0034】
ステープルマガジンユニット22は、細長い直線状に形成された部材である。ステープルマガジンユニット22の後端部は、メインハンドル20の後端部に、回転軸を中心に回動可能に取り付けられる。ただし回転角度が小さいことから、ステープルマガジンユニット22は、メインハンドル20に揺動可能に取り付けられる、と表現する場合もある。
【0035】
ステープルマガジンユニット22は、ステープルSTを収容するためのステープル収容部23と、プッシャユニット24と、を備えている。ステープル収容部23は、メインハンドル20の長手方向Xに沿って配置されており、内部にステープルSTを収容するために、メインハンドル20の長手方向Xに沿って細長く形成された底面と、底面から立設し互いに対向する二つの側壁面と、先端のステープルSTの側面が押し付けられる前壁面を備えている。
【0036】
ステープル収容部23内には、複数のステープルSTを収容することが可能である。隣接するステープルSTは、例えば、互いに接着剤で接続され、全体として一列のステープル群を構成することができる。
【0037】
プッシャユニット24は、ステープル収容部23に収容されたステープルSTを前方に押し付けるためにステープル収容部23に対して、例えば、挿抜可能に取り付けられる部材である。プッシャユニット24は、複数のステープルSTのうち、後端のステープルSTを前方に押圧するための圧縮ばねと、ステープル収容部23の上方を覆うカバーを備えている。なお、プッシャユニット24をステープル収容部23から抜き出して、ステープル収容部23の上方を開放させることにより、上方からステープルSTをステープル収容部23内にセットすることが可能になる。
【0038】
クリンチャアーム50は、後端部付近に設けられた回転軸部11によってメインハンドル20に対して回動可能に、かつ、引張ばね12によってメインハンドル20との角度が大きくなる向き(クリンチャアーム50が後述の閉じ向きθ2とは反対側へ開く開き向きθ1)へ付勢されて取り付けられている。クリンチャアーム50は、アーム部52と、クリンチャ54と、テープ把持ユニット56(「把持部」の一例)と、を備えている。アーム部52は、メインハンドル20との間にC字形の開口部を形成できるように、先端部に至るまで曲線的に延在する形状をしている。
【0039】
クリンチャ54は、ステープルSTの脚部を折り曲げてクリンチするための部材である。クリンチャ54は、クリンチャアーム50がメインハンドル20との角度が小さくなる向きである前述の開き向きθ1とは反対側へ閉じる閉じ向きθ2へ回動したときに、ステープルドライバ32の先端に対向するように、クリンチャアーム50の先端部に設けられている。
【0040】
このような構成により、ステープルドライバ32によって打ち出されたステープルSTの脚部は、クリンチャ54によってクリンチされて内側に折り曲げられる。クリンチャアーム50に設けられ、結束処理を実行するためのクリンチャ54を含む構成を「結束部」と呼ぶ場合がある。クリンチャ54の構成については、後に詳述する。
【0041】
テープ把持ユニット56は、メインハンドル20の先端のテープガイド28Bから引き出されたテープTPの端部を把持するための機構である。テープ把持ユニット56は、クリンチャアーム50のアーム部52の先端に設けられる。テープ把持ユニット56は、ロックプレート58と、テープキャッチ60と、テーププレート62と、を有している。
【0042】
ロックプレート58は、一端側に設けられた軸部58Aを支点として回動可能に構成されるとともに、他端側がコイルばね59によりテープキャッチ60側に付勢されている。ロックプレート58は、コイルばね59の付勢により、テープキャッチ60に係合することでテープキャッチ60をロックし、テープキャッチ60をテーププレート62から離間した位置で固定することが可能である。
【0043】
テープキャッチ60は、軸部60Aを支点として回動可能に設けられるとともに、ねじりコイルばね61によりテーププレート62側に付勢されている。テープキャッチ60は、テープの引き出し時にロックプレート58によるロックが解除されると、ねじりコイルばね61の付勢により、先細り形状をなす先端部60Bがテーププレート62側に移動するように構成されている。
【0044】
テーププレート62は、テープキャッチ60に対向するように配設され、その先端部がロックプレート58からテープ切断部30に向かって延出している。テーププレート62は、延出した部位とテープキャッチ60の先端部60BとでテープTPを挟持する。テープTPが把持されている状態で、使用者が操作ハンドル70を握る力を弱めると、引張ばね12によってクリンチャアーム50が開く向きに回動するため、テープガイド28Bを介してテープTPを上方に引き出すことが可能になる。
【0045】
操作ハンドル70は、使用者が把持する部位であり、その略中間の軸部70Aがクリンチャアーム50に回動可能に取り付けられ、その前端部がメインハンドル20に取り付けられている。このような構成により、使用者が把持する部位を力点、クリンチャアーム50との回転軸を支点とし、メインハンドル20に取り付けられる前端部を作用点とする梃子の原理により、操作ハンドル70の開閉動作に伴ってクリンチャアーム50がメインハンドル20に対して相対的に開閉動作可能に構成されている。
【0046】
[結束機10の動作]
続いて、図4から図8を参照して結束機10の動作を説明する。クリンチャアーム50は、引張ばね12によって常時付勢されており、図1及び図2に示された待機状態においてはメインハンドル20に対して開いた状態となっている。この状態から使用者が操作ハンドル70とメインハンドル20を握り込むことで、図3に示すように、クリンチャアーム50がメインハンドル20に対して閉じる向きに回動するようになっている。
【0047】
そして、クリンチャアーム50がメインハンドル20に対して所定の位置まで閉じる向きに回動したときに、テープTP(図4参照)を引き出すために、クリンチャアーム50のテープ把持ユニット56がテープTPを把持する把持動作が実行される。
【0048】
その後、メインハンドル20の握り込みを弱めてクリンチャアーム50をメインハンドル20に対して開く向きに回動させると、図4に示すように、テープTPを把持した状態でクリンチャアーム50のテープ把持ユニット56とメインハンドル20のテープガイド28Bが互いに離れていき、クリンチャアーム50とメインハンドル20との間にテープTPが張られた状態となる。
【0049】
図5に示すように、この状態で張られたテープTPの外側から苗木や枝などの被結束物Sを入れ込み、クリンチャアーム50を再び閉じる向きに回動させると、図6に示すように、被結束物Sを結束するテープTPのテープループが形成される。クリンチャアーム50に押圧されることによって、ステープルマガジンユニット22が閉じる向きに回動するので、ステープルドライバ32によってステープルSTが打ち込まれる。
【0050】
これにより、図7及び図8に示すように、被結束物Sを結束するテープループの両端部がステープルSTで結着される。また、切断刃30AによりテープTPが切断され、結束動作が実行される。このように、1回目の握り込み動作では把持動作が実行され、2回目の握り込み動作では結束動作が実行される。そして、この把持動作と結束動作とを交互に実行することで、被結束物Sを結束可能となっている。
【0051】
以下、結束機10の特徴的構造について詳述する。
[ステープルドライバ]
図9は、図6に示されたステープルSTの打ち出しを開始した状態におけるステープルドライバ32を拡大して示す断面図であり、図10は、図8に示されたステープルSTの打ち出しを完了した状態におけるステープルドライバ32を拡大して示す断面図である。図9及び図10に示すように、メインハンドル20の底壁200は、テープ搬送ユニット28のテープホルダ28Aに面した下面200Bと、ステープルマガジンユニット22に面した上面200Aと、を有している。
【0052】
上面200Aには、ステープルドライバ32が取り付けられている。本実施形態では、ステープルドライバ32は、図9及び図10に示すように、クリンチャ54に向けて先頭のステープルSTを打ち出す打出し部33と、打出し部33をメインハンドル20に取り付けるための取付け部34と、底壁200と打出し部33との間に設けられる座金部材(バックアップワッシャ)35とを有している。座金部材35は、熱処理を施して耐摩耗性を高めた金属部品であり、底壁200よりも摩耗しにくい。摩擦係数を下げるため、座金部材35の表面にシリコングリス等を塗布してもよい。
【0053】
打出し部33の先端(上端)33Dは、ねじりコイルばね36の付勢力によってステープル収容部23の前壁面を構成するクリンチャガイド25に押し当てられている。前述したように、ステープル収容部23に収容されたステープルSTは、プッシャユニット24の付勢力によってクリンチャガイド25に押し当てられている。先頭のステープルSTとステープルドライバ32の先端33Dとは、いずれもクリンチャガイド25によってメインハンドル20の長手方向Xにおける位置を規制されているため、先頭のステープルSTのクラウン部に打出し部33の先端33Dが対向する。
【0054】
図11は、図9に示されたステープルドライバ32の斜視図である。打出し部33は、略矩形の平板状に形成され、メインハンドル20の底壁200から離れる向きに延在している。打出し部33は、該打出し部33の四辺を構成する先端33D、基端33P、側縁33L,33Rを有している。
【0055】
前述したように、打出し部33の先端33DはステープルSTに対向している。先端33Dとは反対側の基端(下端)33P又はその近傍の部分は、底壁200又は該底壁200に付設された座金部材35に当接している。換言すると、打出し部33は、一端である基端33Pがメインハンドル20等に当接し、他端である先端33DがステープルSTに臨むように延在している。基端33P及びその近傍の部分は、「打出し部33のメインハンドル20側に配設された端部」の一例を成す。
【0056】
取付け部34は、打出し部33の側縁33L,33Rにそれぞれ設けられ、メインハンドル20の先端部201に向かって延在している。図示した例では、取付け部34は、打出し部33の基端33P寄りに設けられている。取付け部34には、付勢手段であるねじりコイルばね36に係合する係合部341が設けられている。係合部341は、取付け部34の上縁に設けられ、結束機10の回転軸部11の軸方向Yにおいて外側へ突出している。
【0057】
ねじりコイルばね36(「付勢手段」の一例)は、蓄勢した状態でメインハンドル20の軸部37に支持されている。ねじりコイルばね36は、メインハンドル20の先端部201へ向かう向きへ係合部341を付勢するとともに、メインハンドル20の底壁200の上面200Aから下面200Bへ向かう向きへ係合部341を付勢する。
【0058】
以下の説明において、メインハンドル20の長手方向(前後方向)Xにおいて、メインハンドル20の回転軸部11から先端部201へ向かう向き(前向き)を第1の向きX1と呼ぶことがある。また、メインハンドル20の長手方向Xと回転軸部11の軸方向Yと双方に直交する高さ方向(上下方向)Zにおいて、底壁200の上面200Aから下面200Bへ向かう向き(下向き)を第2の向きZ2と呼ぶことがある。メインハンドル20の上側に取り付けられたステープルドライバ32から見て、第2の向きZ2は、ステープルドライバ32がメインハンドル20に近づく向きになる。
【0059】
打出し部33の基端33P及びその近傍の部分を含む端部(基端部)332は、メインハンドル20側に配設されている。クリンチャアーム50を閉じる閉じ向きθ2へ回動させた状態(例えば、図8参照)において、端部332は、第1位置P1に位置している。クリンチャアーム50を開く開き向きθ1へ回動させた状態(例えば、図2参照)において、端部332は、第1位置P1よりもメインハンドル20の先端に近い第2位置P2に位置している。つまり、ステープルドライバ32は、メインハンドル20の長手方向Xに沿って前後に摺動し、僅かながら変位可能に構成されている。
【0060】
以上のように構成された本発明の第1実施形態の結束機10によれば、図11に示すように、ステープルSTを打ち出す打出し部33について、ステープルSTからの反力が作用する先端33Dから、メインハンドル20に支持された基端33Pまでの全長に亘って、真っ直ぐに延在する平板状に構成できる。
【0061】
従来のステープルドライバは、基端側がL字形に曲げられた板ばねで構成され、曲げ部がメインハンドル20の底壁200に支持されていた。曲げ部を介してステープルSTからの反力を受け止めていたため、繰り返し変形する曲げ部に疲労現象によるクラックが入ることがあった。これに対し、本発明の第1実施形態は、打出し部33が真っ直ぐの平板状であるため、曲げ部を介さずにステープルSTからの反力を受け止めることができる。結束機10を繰り返し使用してもステープルドライバ32が破損しにくい。
【0062】
打出し部33の先端33Dは、ステープル収容部23の動きに追従して前後に変位する必要がある。従来のステープルドライバは、ステープルドライバそれ自体が変形する板ばねで形成されていた。これに対し、第1実施形態は、ステープルドライバ32の端部332がメインハンドル20の底壁200や底壁200に固定された座金部材35の上を摺動可能に構成されている。
【0063】
そのため、ステープルドライバ32それ自体を変形させなくても打出し部33の先端33Dをステープル収容部23の動きに追従させることができる。結束機10を繰り返し使用してもステープルドライバ32が破損しにくい。ステープルドライバ32の材料について、曲げに対する繰り返し耐久性が必ずしも必要でなくなるため、安価な材料も選択できるようになる。
【0064】
ステープルドライバ32は、ねじりコイルばね等の付勢手段によって第1及び第2の向きX1,Z2へ付勢されており、ステープル収容部23の前壁面から先端33Dが離れないように位置決めされている。付勢手段は、ステープルドライバ32とは別体で構成されており別々に交換することができる。
【0065】
[第2実施形態]
第2実施形態では第1実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。図12は、本発明の第2実施形態に係るステープルドライバ32を示す斜視図である。第2実施形態は、ステープルドライバ32を第1の向きX1及び第2の向きZ2へ付勢する付勢手段が第1実施形態と異なる。
【0066】
第2実施形態は、ねじりコイルばね36ではなく、磁石38,39(「付勢手段」の一例)によってステープルドライバ32を付勢する。ステープルドライバ32は、磁石に引き付けられる強磁性体から形成されている。ステープルドライバ32を第1の向きX1へ付勢する磁石(第1磁石)38は、打出し部33よりも第1の向きX1へ進んだ位置に配置されている。図示した例では、打出し部33に前方から対向する軸部37の周面に固定されている。
【0067】
同様に、ステープルドライバ32を第2の向きZ2へ付勢する磁石(第2磁石)39は、打出し部33よりも第2の向きZ2へ進んだ位置に配置されている。図示した例では、ステープルドライバ32に下方から対向する座金部材35に磁石39が埋め込まれている。
【0068】
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、第1位置P1(図8参照)と第2位置P2(図2参照)との間で変位可能なステープルドライバ32を構成することができる。第1実施形態に比べて、弾性変形する部材が減るため、結束機10の寿命を延ばすことができる。
【0069】
[第3実施形態]
図13は、本発明の第3実施形態に係るステープルドライバ32を示す斜視図である。第3実施形態は、座金部材35に、打出し部33が座金部材35から離間するのを規制、すなわち打出し部35がメインハンドル20から離れる方向に移動するのを規制する(クリンチャアーム50が回動する向きθ1,θ2においてステープルドライバ32の移動を規制する)規制部35Sを備える点で第1実施形態と異なる。本実施の形態では、規制部35Sは、座金部材35の表面35Aと裏面35Bを貫通する貫通部35Sとして構成され、この貫通部35Sに、打出し部33の基端33P側に形成された規制構造(332N,332W,35S)が嵌合するようになっている。これにより打出し部33が座金部材35から離間するのを規制することができる。
【0070】
ところが、この規定部35Sがないと、万が一ステープル詰まりが生じ、クリンチャアーム50がメインハンドル20に対して開く開き向きθ1に回動すると(第1実施形態の図7参照)、詰まったステープルSTとともに打出し部33を持ち上って(座金部材35から離間して)しまうことがある。この場合、ステープルSTの打ち出しを完了した状態(第1実施形態の図10参照)からステープルマガジンユニット23がもとの位置(向きθ1)へ復帰する過程で打出し部33に負荷がかかって変形してしまうおそれがある。
【0071】
これに対して規制部35Sを設け、そこに規制構造(332N,332W,35S)を嵌合させることで、ステープル詰まりが生じても打出し部33が座金部材35から離間すること(持ち上げられること)が規制されるため、上記のような変形を未然に防止できる。図示した例では、規制構造(332N,332W,35S)は、ステープルドライバ32に設けられた幅狭部332N及び幅広部332Wとで構成されている。
【0072】
図14は、図13に示された座金部材35を示す平面図である。図14に示すように、座金部材35には、幅狭部332Nを挿通させるスリットとしての貫通部(規制部)35Sが形成されている。スリットとしての貫通部(規制部)35Sは、座金部材35の表面35A及び裏面35Bを貫通し、メインハンドル20の先端部201(図2に示す)へ向かう第1の向きX1に沿って延在している。座金部材35は、締結ねじによってメインハンドル20の底壁200に固定されている(第1実施形態の図9参照)。
【0073】
図15は、図13に示された打出し部33を示す正面図である。図15に示すように、幅狭部332N及び幅広部332Wは、打出し部33の基端部332に設けられている。メインハンドル20の幅方向Y(図1に示す)において、幅狭部332Nは、スリット35Sよりも幅狭に形成されている。幅広部332Wは、幅狭部332Nの先端(下端)に設けられ、幅狭部332N及びスリット35Sよりも幅広に形成されている。
【0074】
図13に示すように、スリット35Sに幅狭部332Nが挿通された状態において、幅広部332Wの両端部は、座金部材35の裏面35B側から座金部材35に対向している。ステープル詰まりが生じて打出し部33が引っ張られると、幅広部332Wが座金部材35の裏面35Bに当接し、打出し部33の移動が規制される。
【0075】
[第4実施形態]
図16は、本発明の第4実施形態に係るステープルドライバ32を示す斜視図である。第4実施形態は、規制部と規制構造の形状が第3実施形態と異なる。図示した例では、打出し部33に開口部の一例であるスリット33Sが形成され、該スリット33Sに座金部材35の先端部(規制部)352が挿通されている。このように、座金部材35の先端部352が打出し部33のスリット33Sを挿通することで打出し部33の移動を規制する。なお、スリット33Sに代えて、有底の凹部33Sを打出し部33に形成し、凹部33Sに座金部材の先端部352が嵌合するように構成してもよい。第4実施形態によれば、第3実施形態と同様に、打出し部33の移動を規制して打出し部33の変形を未然に防止できる。
【0076】
[第5実施形態]
図17は、本発明の第5実施形態に係るステープルドライバ32を示す断面図である。第5実施形態は、規制部及び規制構造の形状が第3及び第4実施形態と異なる。第5実施形態は、座金部材35の表面35Aに屈曲状の溝(例えば、断面L字状の溝)として凹部(規制部)35SSが形成され、この凹部35SSに打出し部33の基端部に設けられた規制構造332Xが嵌合するように構成されている。
【0077】
規制構造332Xは、凹部35SSに嵌合するような形状に形成されている。具体的には、規制構造332Xは、打出し部33の基端33P及びその近傍を含む基端部に形成され、打出し部33の基端部から座金部材35の延在方向に沿って折れ曲がるように延出している。つまり、打出し部33の基端部がL字状に形成されている。凹部35SSにそのような規制構造332Xが嵌合することで打ち出し部33の移動を規制する。第5実施形態によれば、第3及び第4実施形態と同様に、打出し部33の変形を未然に防止できる。
【0078】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。例えば、テープループの両端を結着する手段としてステープルSTを使用しているが、これに限らず、他の手段によってテープループを結着するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0079】
10…結束機、11…回転軸部、12…引張ばね、20…メインハンドル、22…ステープルマガジンユニット、23…ステープル収容部、24…プッシャユニット、25…クリンチャガイド、26…テープマガジンユニット、28…テープ搬送ユニット、28A…テープホルダ、28B…テープガイド、30…テープ切断部、30A…切断刃、30B…ロック機構、32…ステープルドライバ、33…打出し部、33D…先端、33P…基端、33L,33R…側縁、33S…スリット又は凹部、34…取付け部、35…座金部材、35A…表面、35B…裏面、35S…スリット、35SS…凹部、36…ねじりコイルばね(付勢手段の一例)、37…軸部、38,39…磁石(付勢手段の他の一例)、50…クリンチャアーム、52…アーム部、54…クリンチャ、55…溝、56…テープ把持ユニット、58…ロックプレート、58A…軸部、59…コイルばね、60…テープキャッチ、60A…軸部、60B…端部、61…ねじりコイルばね、62…テーププレート、70…操作ハンドル、70A…軸部、200…底壁、200A…上面、200B…下面、201…先端部、332…端部、332N…幅狭部、332W…幅広部、332X…規制構造、352…先端部、P1…第1位置、P2…第2位置、S…被結束物、ST…ステープル、TP…テープ、TR…テープリール、X…長手方向、X1…第1の向き、Y…軸方向、Z…高さ方向、Z2…第2の向き、Z3…第3の向き、θ1…開き向き、θ2…閉じ向き。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17