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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】点灯装置及び照明器具
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/345 20200101AFI20240122BHJP
   H05B 45/14 20200101ALI20240122BHJP
   H05B 47/14 20200101ALI20240122BHJP
【FI】
H05B45/345
H05B45/14
H05B47/14
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020122844
(22)【出願日】2020-07-17
(65)【公開番号】P2022019171
(43)【公開日】2022-01-27
【審査請求日】2023-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】小西 達也
(72)【発明者】
【氏名】岩井 直子
(72)【発明者】
【氏名】加藤 聖
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-053339(JP,A)
【文献】特開2019-061803(JP,A)
【文献】特開2018-163774(JP,A)
【文献】中国実用新案第210247109(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2016/0381747(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
45/00-45/58
47/00-47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、前記光源と直列に接続された抵抗器と、を有する光源モジュールを着脱可能に接続するための接続部と、
前記光源モジュールに対応した直流電力を出力可能な電力供給部と、
前記電力供給部による前記直流電力の出力を制御する制御部と、
前記接続部への前記光源モジュールの接続を検出するための検出回路と、
を備え、
前記接続部は、品種の異なる複数の前記光源モジュールを選択的に接続可能であり、
前記検出回路は、前記光源モジュールが前記接続部に接続された際に、前記接続部を介して前記抵抗器と電気的に接続され、前記光源モジュールの接続を検出するための検出電圧を前記抵抗器に印加し、
前記制御部は、前記光源モジュールが前記接続部に接続された際に、前記接続部を介して前記抵抗器と電気的に接続される接続端子を有し、前記検出回路が前記検出電圧を前記抵抗器に印加した際の前記接続端子の電圧値に基づいて前記接続部への前記光源モジュールの接続の検出及び前記抵抗器の抵抗値の検出を行うことにより、前記抵抗器の第1の抵抗値を検出し、検出した前記第1の抵抗値を基に第1の基準電圧を設定し、前記光源モジュールの接続を検出した後、前記電力供給部を動作させ、前記電力供給部から前記光源及び前記抵抗器に供給される直流電力を基に、前記光源モジュールの前記抵抗器の抵抗値の検出を行うことにより、前記抵抗器の第2の抵抗値を検出し、検出した前記抵抗器の前記第2の抵抗値を基に、前記電力供給部の動作をフィードバック制御するための第2の基準電圧を設定し、前記電力供給部に流れる電流を検出し、前記電力供給部に流れる電流の検出値及び前記第2の基準電圧を基に、前記光源に流れる電流が一定となるように、前記電力供給部の動作をフィードバック制御し、
前記制御部は、予め設定された固定電流値を前記光源モジュールの前記光源に供給するように、前記電力供給部を動作させることにより、前記電力供給部から前記光源及び前記抵抗器に供給される直流電力を基に、前記光源モジュールの前記抵抗器の前記第2の抵抗値の検出を行い、
前記制御部は、調光度を表す信号の入力を受け、前記電力供給部から光源モジュールに出力する直流電力を、前記光源モジュールの品種に応じて変化させるとともに、前記調光度に応じて変化させ、前記検出電圧の印加によって検出された前記抵抗器の前記第1の抵抗値を基に設定した前記第1の基準電圧と前記調光度とに基づく電流値が前記固定電流値未満である場合には、前記電力供給部の直流電力による前記抵抗器の前記第2の抵抗値の検出を行わない点灯装置。
【請求項2】
光源を有する光源モジュールと、
請求項1記載の点灯装置と、
を備えた照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、点灯装置及び照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
LEDなどの光源を有する光源モジュールと、光源モジュールに電力を供給して光源を点灯させる点灯装置と、を備えた照明器具が知られている。こうした照明器具において、色温度や明るさなどが異なる複数の品種の光源モジュールを共通の点灯装置で点灯させられるようにすることが行われている。これにより、複数の品種の光源モジュールに対して点灯装置を共通に用いることができ、光源モジュールの品種の交換などを簡単に行うことができる。
【0003】
光源モジュールの品種の識別は、例えば、光源モジュールに光源と直列に抵抗器を設け、この抵抗器の抵抗値を品種毎に変化させ、接続された光源モジュールの抵抗器の抵抗値を点灯装置で検出することによって行われている。
【0004】
光源モジュールにおいて光源と直列に抵抗器を設ける場合には、点灯時の消費電力を抑制するために、抵抗器の抵抗値を数Ω程度の低抵抗とする必要がある。このため、光源モジュールと点灯装置との間に意図しない配線抵抗や接触抵抗などが発生すると、光源モジュールの抵抗器の抵抗値を適切に検出できなくなってしまう可能性が生じる。すなわち、光源モジュールに応じた明るさにならなくなってしまう可能性がある。
【0005】
また、点灯装置では、光源と直列に接続された抵抗器に流れる電流を検出してフィードバック制御を行うことにより、光源に実質的に一定の電流を流すようにすることが行われている。この際、光源モジュールと点灯装置との間に意図しない配線抵抗や接触抵抗などの抵抗成分が発生すると、電流値を適切に検出することができず、光源モジュールの明るさが、意図しない明るさとなってしまう可能性がある。さらに、点灯中に意図しない抵抗成分の状態が変化した際に、抵抗成分の状態の変化が、光源モジュールの明るさの変化となって表れてしまうことも懸念される。
【0006】
このため、点灯装置及び照明器具では、光源モジュールと点灯装置との間に意図しない抵抗成分が発生した際にも、光源モジュールの品種に応じた適切な明るさで光源モジュールを点灯させることができるとともに、意図しない抵抗成分に起因する光源モジュールの点灯中の明るさの変化を抑制できるようにすることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2016-66433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の実施形態は、光源モジュールと点灯装置との間に意図しない抵抗成分が発生した際にも、光源モジュールの品種に応じた適切な明るさで光源モジュールを点灯させることができるとともに、意図しない抵抗成分に起因する光源モジュールの点灯中の明るさの変化を抑制できる点灯装置及び照明器具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態によれば、光源と、前記光源と直列に接続された抵抗器と、を有する光源モジュールを着脱可能に接続するための接続部と、前記光源モジュールに対応した直流電力を出力可能な電力供給部と、前記電力供給部による前記直流電力の出力を制御する制御部と、前記接続部への前記光源モジュールの接続を検出するための検出回路と、を備え、前記接続部は、品種の異なる複数の前記光源モジュールを選択的に接続可能であり、前記検出回路は、前記光源モジュールが前記接続部に接続された際に、前記接続部を介して前記抵抗器と電気的に接続され、前記光源モジュールの接続を検出するための検出電圧を前記抵抗器に印加し、前記制御部は、前記光源モジュールが前記接続部に接続された際に、前記接続部を介して前記抵抗器と電気的に接続される接続端子を有し、前記検出回路が前記検出電圧を前記抵抗器に印加した際の前記接続端子の電圧値に基づいて前記接続部への前記光源モジュールの接続の検出及び前記抵抗器の抵抗値の検出を行うことにより、前記抵抗器の第1の抵抗値を検出し、検出した前記第1の抵抗値を基に第1の基準電圧を設定し、前記光源モジュールの接続を検出した後、前記電力供給部を動作させ、前記電力供給部から前記光源及び前記抵抗器に供給される直流電力を基に、前記光源モジュールの前記抵抗器の抵抗値の検出を行うことにより、前記抵抗器の第2の抵抗値を検出し、検出した前記抵抗器の前記第2の抵抗値を基に、前記電力供給部の動作をフィードバック制御するための第2の基準電圧を設定し、前記電力供給部に流れる電流を検出し、前記電力供給部に流れる電流の検出値及び前記第2の基準電圧を基に、前記光源に流れる電流が一定となるように、前記電力供給部の動作をフィードバック制御し、前記制御部は、予め設定された固定電流値を前記光源モジュールの前記光源に供給するように、前記電力供給部を動作させることにより、前記電力供給部から前記光源及び前記抵抗器に供給される直流電力を基に、前記光源モジュールの前記抵抗器の前記第2の抵抗値の検出を行い、前記制御部は、調光度を表す信号の入力を受け、前記電力供給部から光源モジュールに出力する直流電力を、前記光源モジュールの品種に応じて変化させるとともに、前記調光度に応じて変化させ、前記検出電圧の印加によって検出された前記抵抗器の前記第1の抵抗値を基に設定した前記第1の基準電圧と前記調光度とに基づく電流値が前記固定電流値未満である場合には、前記電力供給部の直流電力による前記抵抗器の前記第2の抵抗値の検出を行わない点灯装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
光源モジュールと点灯装置との間に意図しない抵抗成分が発生した際にも、光源モジュールの品種に応じた適切な明るさで光源モジュールを点灯させることができるとともに、意図しない抵抗成分に起因する光源モジュールの点灯中の明るさの変化を抑制できる点灯装置及び照明器具が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係る点灯装置及び照明器具を模式的に表すブロック図である。
図2】検出回路の一例を模式的に表す回路図である。
図3】制御部の動作の一例を模式的に表す説明図である。
図4】制御部の動作の一例を模式的に表す説明図である。
図5】光源に流れる電流及び電力供給部の巻線電流の一例を模式的に表すグラフ図である。
図6図6(a)及び図6(b)は、制御部の動作の一例を模式的に表すグラフである。
図7】制御部の動作の一例を模式的に表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0013】
図1は、実施形態に係る点灯装置及び照明器具を模式的に表すブロック図である。
図1に表したように、照明器具2は、点灯装置10と、光源モジュール100と、を備える。点灯装置10は、制御部12と、接続部14と、電力供給部16と、検出回路18と、を備える。
【0014】
点灯装置10は、例えば、電源PSと電気的に接続される。点灯装置10には、例えば、電源PSから交流電力が供給される。電源PSは、例えば、商用電源である。電源PSから供給される交流電力の交流電圧は、例えば、100V~242V(実効値)である。電源PSは、例えば、自家発電機などでもよい。なお、点灯装置10に供給される電力は、交流電力に限ることなく、直流電力などでもよい。以下では、点灯装置10に交流電力が供給される場合を例に説明を行う。
【0015】
点灯装置10は、光源モジュール100と電気的に接続される。点灯装置10は、電源PSから供給される交流電力を光源モジュール100に対応した直流電力に変換して光源モジュール100に供給する。これにより、点灯装置10は、光源モジュール100を点灯させる。
【0016】
接続部14は、光源モジュール100との電気的な接続に用いられる。接続部14は、光源モジュール100と着脱可能に接続される。接続部14には、色温度や明るさなどが異なる複数の品種の光源モジュール100のいずれかが選択的に接続される。接続部14は、複数の品種の光源モジュール100のいずれかを着脱可能に接続できるようにする。
【0017】
光源モジュール100は、例えば、光源102と、被接続部104と、を有する。光源モジュール100は、例えば、複数の光源102を含む。この例では、各光源102が、直列に接続されている。各光源102は、例えば、並列に接続してもよいし、直列接続と並列接続とを組み合わせてもよい。光源102の数は、任意でよい。光源102の数は、例えば、1つでもよい。
【0018】
光源102には、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)が用いられる。光源102は、例えば、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode:OLED)、無機エレクトロルミネッセンス(Inorganic ElectroLuminescence)発光素子、有機エレクトロルミネッセンス(Organic ElectroLuminescence)発光素子、または、その他の電界発光型の発光素子などでもよい。光源102は、例えば、電球などでもよい。以下では、光源102をLEDとして説明を行う。
【0019】
また、光源モジュール100は、抵抗器106をさらに有する。抵抗器106は、光源102と直列に接続されている。抵抗器106は、例えば、複数の光源102のそれぞれに対して直列に接続される。抵抗器106の一端は、光源102の低電位側の端子(カソード)と電気的に接続されている。抵抗器106の抵抗値は、光源モジュール100の品種によって異なる。抵抗器106の抵抗値は、例えば、0Ω~数Ω程度に設定される。但し、抵抗器106の抵抗値は、これに限ることなく、任意の値でよい。
【0020】
被接続部104は、点灯装置10の接続部14と電気的に接続される。被接続部104は、接続部14に着脱可能に接続される。また、被接続部104は、例えば、接続部14に機械的に取り付けられ、接続部14に接続された状態において接続部14に保持される。
【0021】
被接続部104は、第1被接続端子104aと、第2被接続端子104bと、第3被接続端子104cと、を有する。第1被接続端子104aは、光源102の高電位側の端子(アノード)と電気的に接続されている。第2被接続端子104bは、光源102と抵抗器106との接続点と電気的に接続されている。第3被接続端子104cは、抵抗器106の他端(光源102と接続された一端と反対側の端子)と電気的に接続されている。
【0022】
電力供給部16は、接続部14と電気的に接続される。電力供給部16は、光源モジュール100に対応した直流電力を出力する。電力供給部16は、例えば、複数の品種の光源モジュール100に対応した複数の直流電力を出力する。換言すれば、電力供給部16は、光源モジュール100の品種に応じて直流電力の電圧値及び電流値の少なくとも一方を変化させる。
【0023】
検出回路18は、接続部14への光源モジュール100の接続を検出する。検出回路18は、光源モジュール100が接続部14に接続された際に、接続部14を介して抵抗器106と電気的に接続され、光源モジュール100の接続を検出するための検出電圧Vdetを抵抗器106に印加する。
【0024】
検出回路18は、例えば、検出状態と休止状態とを有する。検出状態は、抵抗器106に検出電圧Vdetを印加し、光源モジュール100の接続の検出を可能にする状態である。休止状態は、抵抗器106への検出電圧Vdetの印加を停止し、光源モジュール100の接続の検出を休止する状態である。
【0025】
制御部12は、光源モジュール100が接続部14に接続された際に、接続部14及び検出回路18を介して抵抗器106と電気的に接続される接続端子12aを有する。接続端子12aの電圧値は、接続部14への光源モジュール100(抵抗器106)の接続の有無によって変化する。制御部12は、検出回路18が検出電圧Vdetを抵抗器106に印加した際の接続端子12aの電圧値に基づいて、接続部14への光源モジュール100の接続を検出する。
【0026】
また、接続端子12aの電圧値は、接続部14に接続された光源モジュール100の品種(抵抗器106の抵抗値)によっても変化する。このため、制御部12は、検出回路18が検出電圧Vdetを抵抗器106に印加した際、又は電力供給部16が直流電力を光源モジュール100に出力した際の接続端子12aの電圧値に基づいて、光源モジュール100の抵抗器106の抵抗値を検出し、接続部14に接続された光源モジュール100の品種を識別し、検出した抵抗値に対応する直流電力を電力供給部16に出力させる。これにより、品種に対応した適切な色温度や明るさで光源モジュール100を点灯させることができる。
【0027】
検出回路18は、制御部12と電気的に接続されている。検出回路18は、制御部12の制御に基づいて、検出状態と休止状態とを切り替える。制御部12は、検出回路18による検出状態と休止状態との切り替えを制御し、検出回路18を検出状態とすることで、上記のように電圧値による光源モジュール100の装着の検出及び光源モジュール100の抵抗器106の抵抗値の検出を行う。また、制御部12は、電力供給部16を動作させた場合には、検出回路18を休止状態とする。
【0028】
点灯装置10は、例えば、フィルタ回路30、整流回路32、突入防止回路34、力率改善回路36、平滑コンデンサ38、制御用電源回路40、降圧回路42、及び駆動回路44、46などをさらに備える。これらの各部は、点灯装置10に必要に応じて設けられ、省略可能である。
【0029】
フィルタ回路30は、電源PSと電気的に接続される。フィルタ回路30は、例えば、電源PSから供給される交流電力に含まれるノイズを抑制する。
【0030】
整流回路32は、フィルタ回路30に電気的に接続される。整流回路32は、フィルタ回路30を介して入力された交流電圧を整流して整流電圧に変換する。整流回路32には、例えば、4つの整流素子を組み合わせたダイオードブリッジが用いられる。すなわち、整流回路32は、全波整流器である。整流電圧は、例えば、脈流電圧である。
【0031】
整流回路32は、一対の入力端子32a、32bと、高電位出力端子32cと、低電位出力端子32dと、を有する。入力端子32a、32bは、フィルタ回路30と電気的に接続されている。整流回路32は、入力端子32a、32bを介して入力される交流電圧を整流電圧に変換し、高電位出力端子32c及び低電位出力端子32dから出力する。低電位出力端子32dの電位は、基準電位(例えば接地電位)に設定される。高電位出力端子32cの電位は、低電位出力端子32dの電位よりも高い電位に設定される。
【0032】
整流回路32は、半波整流器などでもよい。整流電圧は、全波整流された脈流でもよいし、半波整流された脈流でもよい。整流回路32には、例えば、ショットキーバリアダイオードが用いられる。これにより、例えば、良好な応答性を得ることができる。
【0033】
突入防止回路34は、高電位出力端子32cと電気的に接続されている。突入防止回路34は、電源投入時に生じる突入電流を抑制する。
【0034】
力率改善回路36は、突入防止回路34の出力と低電位出力端子32dとの間に接続される。力率改善回路36は、整流電圧において、電源周波数の整数倍の高調波の発生を抑制する。これにより、力率改善回路36は、整流電圧の力率を改善する。
【0035】
力率改善回路36は、例えば、スイッチング素子51と、インダクタ52と、ダイオード53と、を含む。スイッチング素子51は、電極51a~電極51cを有する。インダクタ52の一端は、突入防止回路34の出力(高電位出力端子32c)と電気的に接続されている。インダクタ52の他端は、電極51aと電気的に接続されている。電極51bは、低電位出力端子32dと電気的に接続されている。ダイオード53のアノードは、電極51aと電気的に接続されている。ダイオード53のカソードは、平滑コンデンサ38の一端と電気的に接続されている。平滑コンデンサ38の他端は、低電位出力端子32dと電気的に接続されている。
【0036】
すなわち、この例において、力率改善回路36は、昇圧チョッパ回路である。力率改善回路36は、例えば、100V~242V(実効値)の電源PSの交流電圧を420Vの直流電圧に変換する。力率改善回路36は、これに限ることなく、整流電圧の力率を改善することができる任意の回路でよい。
【0037】
電極51cは、駆動回路44と電気的に接続されている。電極51cは、いわゆる制御電極である。スイッチング素子51は、駆動回路44からの信号に応じてスイッチングする。力率改善回路36は、例えば、スイッチング素子51をスイッチングさせ、入力電流を正弦波の半端波形に近づけることにより、力率を改善する。
【0038】
スイッチング素子51は、例えば、nチャネル形のFETである。例えば、電極51aは、ドレインであり、電極51bは、ソースであり、電極51cは、ゲートである。スイッチング素子51は、例えば、pチャネル形のFETでもよいし、バイポーラトランジスタなどでもよい。
【0039】
平滑コンデンサ38は、力率改善後の脈流電圧を平滑化することにより、脈流電圧を直流電圧に変換する。
【0040】
制御用電源回路40は、例えば、平滑コンデンサ38の高電位側の一端と電気的に接続される。これにより、制御用電源回路40には、平滑コンデンサ38によって平滑された直流電圧が入力される。制御用電源回路40は、平滑コンデンサ38によって平滑された直流電圧を、駆動回路44、46の駆動電圧に変換して、駆動回路44、46に供給する。駆動回路44、46は、制御用電源回路40からの電力供給に応じて駆動する。
【0041】
降圧回路42は、制御用電源回路40と電気的に接続されている。降圧回路42は、例えば、制御用電源回路40によって生成された駆動回路44、46用の駆動電圧を、制御部12用の駆動電圧に降圧し、降圧後の駆動電圧を制御部12に供給する。制御部12は、降圧回路42からの電力供給に応じて駆動する。
【0042】
電力供給部16は、第1入力端子16aと、第2入力端子16bと、第1出力端子16cと、第2出力端子16dと、を有する。第1入力端子16aは、平滑コンデンサ38の高電位側の一端と電気的に接続される。第2入力端子16bは、低電位出力端子32dと電気的に接続される。これにより、電力供給部16には、直流電圧が供給される。
【0043】
電力供給部16は、直流の入力電力を複数の品種の光源モジュール100に対応した複数の直流電力に変換する。そして、電力供給部16は、第1出力端子16cと第2出力端子16dとから変換後の直流電力を光源モジュール100に供給する。
【0044】
電力供給部16に入力される入力電力は、脈流電力や交流電力でもよい。例えば、入力電力が交流である場合、電力供給部16は、入力電力を整流する整流器や整流電力を平滑化する平滑コンデンサなどを含んでもよい。
【0045】
電力供給部16は、例えば、スイッチング素子55と、ダイオード56と、インダクタ57と、出力コンデンサ58と、を含む。スイッチング素子55は、電極55a~55cを有する。電極55aは、第1入力端子16aと電気的に接続されている。電極55bは、ダイオード56のカソードと電気的に接続されている。ダイオード56のアノードは、低電位出力端子32dと電気的に接続されている。インダクタ57の一端は、電極55bと電気的に接続されている。インダクタ57の他端は、第1出力端子16cと電気的に接続されている。第2出力端子16dは、低電位出力端子32d(第2入力端子16b)と電気的に接続されている。
【0046】
出力コンデンサ58は、第1電極58aと、第2電極58bと、を有する。第1電極58aは、第1出力端子16cと電気的に接続されている。第2電極58bは、第2出力端子16dと電気的に接続されている。出力コンデンサ58は、第1出力端子16cと第2出力端子16dとの間に並列に接続される。出力コンデンサ58は、スイッチング素子55のスイッチングによって、スイッチング素子55の各電極55a、55b間に流れる電流を平滑化する。これにより、第1出力端子16c及び第2出力端子16dから直流電力が出力される。
【0047】
この例において、電力供給部16は、降圧チョッパ回路である。電力供給部16は、入力電力の電圧を降圧することにより、複数の直流電力を生成する。電力供給部16は、420Vの力率改善回路36の直流電圧を50V~300Vの直流電圧に変換する。電力供給部16は、例えば、定電流回路である。電力供給部16は、例えば、実質的に一定の電流C1を光源モジュール100に出力する。
【0048】
第1出力端子16cは、高電位側の出力端子であり、第2出力端子16dは、低電位側の出力端子である。第1出力端子16cの電位は、第2出力端子16dの電位よりも高い。第1電極58aの電位は、第2電極58bの電位よりも高く設定される。第1電極58aは、例えば、陽極であり、第2電極58bは、例えば、陰極である。これとは反対に、第2出力端子16dの電位を第1出力端子16cの電位より高くしてもよい。
【0049】
スイッチング素子55は、例えば、nチャネル形のFETである。例えば、電極55aは、ドレインであり、電極55bは、ソースであり、電極55cは、ゲートである。スイッチング素子55は、例えば、pチャネル形のFETでもよいし、バイポーラトランジスタなどでもよい。
【0050】
電力供給部16は、上記の回路に限ることなく、光源モジュール100の複数の品種に対応した複数の直流電力を出力可能な任意の回路でよい。
【0051】
駆動回路44は、制御部12及びスイッチング素子51の電極51cと電気的に接続されている。電極51cは、いわゆる制御電極である。駆動回路44は、制御部12の制御に基づいて、スイッチング素子51のスイッチングを制御する。すなわち、駆動回路44は、スイッチング素子51のオン・オフを切り替える。駆動回路44は、電極51cに入力する電圧(制御信号)によって、スイッチング素子51のオン・オフを切り替える。駆動回路44は、例えば、スイッチング素子51をスイッチングさせることにより、力率改善回路36において整流電圧の力率を改善する。
【0052】
駆動回路46は、制御部12及びスイッチング素子55の電極55cと電気的に接続されている。電極55cは、いわゆる制御電極である。駆動回路46は、制御部12の制御に基づいて、スイッチング素子55のスイッチングを制御する。すなわち、駆動回路46は、スイッチング素子55のオン・オフを切り替える。駆動回路46は、電極55cに入力する電圧(制御信号)によって、スイッチング素子55のオン・オフを切り替える。駆動回路46は、例えば、スイッチング素子55をスイッチングさせることにより、直流電圧を出力コンデンサ58の各電極58a、58b間に生じさせる。これにより、電力供給部16から光源モジュール100に直流電力が供給される。
【0053】
駆動回路46は、例えば、スイッチング素子55をオフ状態にすることにより、電力供給部16から光源モジュール100への直流電力の供給を停止させる。また、駆動回路46は、例えば、スイッチング素子55のオン・オフの周期(デューティ比)を変化させることにより、光源モジュール100の品種に応じて直流電力の電圧値や電流値を変化させる。
【0054】
ここで、スイッチング素子51のオフ状態とは、例えば、主電極である電極51a、51bの間に実質的に電流が流れない状態である。オフ状態では、例えば、力率改善回路36の動作に影響を与えない程度の微弱な電流が電極51a、51bの間に流れてもよい。すなわち、スイッチング素子51のオン状態とは、換言すれば、電極51a、51bの間に電流が流れる第1状態であり、オフ状態とは、電極51a、51bの間に流れる電流が、第1状態よりも小さい第2状態である。スイッチング素子55のオン状態及びオフ状態についても、スイッチング素子51のオン状態及びオフ状態と同様である。
【0055】
点灯装置10の接続部14は、例えば、第1接続端子14aと、第2接続端子14bと、第3接続端子14cと、を有する。第1接続端子14aは、第1出力端子16cと電気的に接続されている。第2接続端子14bは、接続端子12a及び検出回路18と電気的に接続されている。第3接続端子14cは、第2出力端子16dと電気的に接続されている。
【0056】
また、第1接続端子14aは、接続部14が被接続部104と接続された状態において、第1被接続端子104aと電気的に接続される。同様に、接続部14が被接続部104と接続された状態において、第2接続端子14bは、第2被接続端子104bと電気的に接続され、第3接続端子14cは、第3被接続端子104cと電気的に接続される。
【0057】
これにより、直列に接続された光源102及び抵抗器106が、接続部14及び被接続部104を介して電力供給部16の第1出力端子16c及び第2出力端子16dと電気的に接続される。より詳しくは、光源102の高電位側の端子が、第1接続端子14a及び第1被接続端子104aを介して第1出力端子16cと電気的に接続され、抵抗器106の他端が、第3接続端子14c及び第3被接続端子104cを介して第2出力端子16dと電気的に接続される。これにより、電力供給部16による直流電力の出力に応じて、光源102及び抵抗器106に直流電流が流れ、光源102が点灯する。
【0058】
制御部12の接続端子12aは、接続部14の第2接続端子14b及び検出回路18を介して抵抗器106と電気的に接続される。これにより、接続端子12aの電圧値は、抵抗器106の接続の有無、及び抵抗器106の抵抗値に応じて変化する。
【0059】
点灯装置10は、抵抗器60をさらに有する。抵抗器60は、第2出力端子16dと第3接続端子14cとの間に電気的に接続されている。抵抗器60は、出力コンデンサ58の第2電極58bと第3接続端子14cとの間に電気的に接続されている。
【0060】
電力供給部16は、検出抵抗62をさらに有する。検出抵抗62は、第2入力端子16bと出力コンデンサ58の第2電極58bとの間に電気的に接続されている。換言すれば、検出抵抗62は、ダイオード56のアノードと出力コンデンサ58の第2電極58bとの間に電気的に接続されている。第2出力端子16dは、検出抵抗62を介して低電位出力端子32dと電気的に接続される。
【0061】
制御部12は、抵抗器60及び検出抵抗62と電気的に接続されている。制御部12は、例えば、抵抗器60と第3接続端子14cとの間に電気的に接続されている。これにより、制御部12には、抵抗器60の検出電圧が入力される。制御部12は、抵抗器60の検出電圧を基に、光源102及び抵抗器106に流れる電流C1を検出する。制御部12は、例えば、検出抵抗62と第2電極58bとの間に電気的に接続されている。これにより、制御部12には、検出抵抗62の検出電圧が入力される。制御部12は、検出抵抗62の検出電圧を基に、電力供給部16に流れる電流を検出する。制御部12は、より詳しくは、検出抵抗62の検出電圧を基に、スイッチング素子55及びインダクタ57に流れる巻線電流C2を検出する。巻線電流C2は、より詳しくは、スイッチング素子55の各電極55a、55b間に流れる電流である。検出抵抗62は、換言すれば、スイッチング素子55に流れる平滑前の電流を検出するための抵抗器である。
【0062】
制御部12は、基準電圧設定部20と、オペアンプ22と、比較器24と、を有する。基準電圧設定部20は、接続端子12aと電気的に接続されている。これにより、基準電圧設定部20には、接続端子12aの電圧値が入力される。基準電圧設定部20は、検出回路18が検出電圧Vdetを抵抗器106に印加した際、又は電力供給部16が直流電力を光源モジュール100に出力した際の接続端子12aの電圧値に基づいて、基準電圧Vrefを設定する。換言すれば、基準電圧設定部20は、接続部14に接続された光源モジュール100の品種(抵抗器106の抵抗値)に応じて、基準電圧Vrefを変化させる。これにより、光源モジュール100の品種に対応した直流電力を電力供給部16に出力させ、品種に対応した適切な色温度や明るさで光源モジュール100を点灯させることができる。基準電圧設定部20は、設定した基準電圧Vrefをオペアンプ22に入力する。オペアンプ22には、基準電圧Vrefが入力されるとともに、抵抗器60によって検出された電流C1の検出値が入力される。オペアンプ22は、基準電圧Vrefと電流C1の検出値との差に応じた誤差増幅出力ERAを比較器24に入力する。
【0063】
比較器24は、検出抵抗62によって検出された巻線電流C2の検出値と、オペアンプ22の誤差増幅出力ERAと、を比較する。制御部12は、比較器24の比較結果を基に、スイッチング素子55のスイッチングを制御するための制御信号を生成し、制御信号を駆動回路46に入力する。制御部12は、抵抗器60によって検出された電流C1の検出値及び検出抵抗62によって検出された巻線電流C2の検出値を基に、電力供給部16の動作をフィードバック制御する。これにより、光源102に流れる電流C1を実質的に一定にすることができる。
【0064】
また、点灯装置10は、調光回路65をさらに有する。調光回路65には、例えば、外部の壁スイッチなどから調光信号が入力される。調光信号は、例えば、調光器などによって導通角制御された交流電圧などでもよい。調光回路65は、制御部12と電気的に接続されている。調光回路65は、例えば、調光信号に基づいて、調光度を表す信号を生成し、その信号を制御部12に入力する。調光度を表す信号とは、例えば、調光度に応じたデューティ比のPWM信号などである。
【0065】
制御部12は、例えば、調光回路65から入力された信号を基準電圧設定部20に入力する。基準電圧設定部20は、例えば、検出回路18が検出電圧Vdetを抵抗器106に印加した際、又は電力供給部16が直流電力を光源モジュール100に出力した際の接続端子12aの電圧値に基づいて基準電圧Vrefを設定する場合に、100%の調光度に対応する基準電圧Vrefを設定する。そして、基準電圧設定部20は、調光回路65から入力された信号に基づいて基準電圧Vrefを変化させる。
【0066】
基準電圧設定部20は、例えば、調光度に対応する係数を100%の調光度の基準電圧Vrefに乗算することにより、調光度に対応する基準電圧Vrefを設定する。例えば、調光信号において70%の調光度が設定されている場合には、基準電圧設定部20は、100%の調光度の基準電圧Vrefに0.7を乗算することにより、70%の調光度に対応する基準電圧Vrefを設定する。
【0067】
基準電圧設定部20は、検出回路18が検出電圧Vdetを抵抗器106に印加した際、又は電力供給部16が直流電力を光源モジュール100に出力した際の接続端子12aの電圧値に基づいて100%の調光度に対応する基準電圧Vrefを設定した後、例えば、100%の調光度に対応する基準電圧Vrefを記憶保持する。基準電圧設定部20は、例えば、電源の再投入や光源モジュール100の再接続などに応じて検出回路18による光源モジュール100の接続の検出が再び行われるまで、100%の調光度に対応する基準電圧Vrefを記憶保持する。
【0068】
制御部12は、比較器24の比較結果に基づく制御信号を駆動回路46に入力する。駆動回路46は、例えば、制御部12から入力された制御信号に基づいて、スイッチング素子55のスイッチングを制御する。これにより、調光信号に応じた調光度で光源モジュール100が調光される。光源モジュール100の明るさが、調光信号に応じて制御される。このように、制御部12及び駆動回路46は、光源モジュール100に出力する直流電力を、光源モジュール100の品種に応じて変化させるとともに、外部から入力される調光信号に応じて変化させる。
【0069】
図2は、検出回路の一例を模式的に表す回路図である。
図2に表したように、検出回路18は、スイッチング素子71、72と、抵抗器73、74と、を有する。スイッチング素子71、72は、例えば、一対の主電極と、制御電極と、を有する。スイッチング素子71、72には、例えば、バイポーラトランジスタやFETなどが用いられる。
【0070】
スイッチング素子71の一方の主電極は、降圧回路42と電気的に接続されている。これにより、スイッチング素子71には、降圧回路42によって生成された駆動電圧が印加される。スイッチング素子71に印加される電圧は、降圧回路42によって生成された駆動電圧に限ることなく、例えば、制御用電源回路40によって生成された駆動電圧などでもよい。スイッチング素子71に印加される電圧は、光源モジュール100の装着の検出及び光源モジュール100の品種の識別を可能とする任意の電圧でよい。
【0071】
スイッチング素子71の他方の主電極は、抵抗器73の一端と電気的に接続されている。スイッチング素子71の制御電極は、制御部12と電気的に接続されている。抵抗器73の他端は、接続部14の第2接続端子14b及び抵抗器74の一端と電気的に接続されている。抵抗器74の他端は、制御部12の接続端子12aと電気的に接続されている。
【0072】
スイッチング素子72の一方の主電極は、接続部14の第2接続端子14bと電気的に接続されている。スイッチング素子72の他方の主電極は、接続部14の第3接続端子14c及び抵抗器60と電気的に接続されている。スイッチング素子72の制御電極は、制御部12と電気的に接続されている。
【0073】
制御部12は、スイッチング素子71、72のスイッチングを制御する。スイッチング素子71をオン状態とし、スイッチング素子72をオフ状態とすると、降圧回路42の電圧が、検出電圧Vdetとして抵抗器73に印加される。
【0074】
接続部14に光源モジュール100が装着されていない状態においては、抵抗器73に検出電圧Vdetを印加した場合に、抵抗器73及び抵抗器74での電圧降下分の電圧値が、接続端子12aに入力される。
【0075】
接続部14に光源モジュール100が装着されている状態においては、抵抗器73が、接続部14及び被接続部104を介して光源モジュール100の抵抗器106及び抵抗器60と電気的に接続される。抵抗器106及び抵抗器60は、抵抗器73に対して直列的に接続される。従って、接続部14に光源モジュール100が装着されている状態においては、抵抗器73に検出電圧Vdetを印加した場合に、抵抗器73に印加した検出電圧Vdetを抵抗器60、73、106の抵抗値で分圧した電圧値が、接続端子12aに入力される。
【0076】
このため、接続端子12aの電圧値は、光源モジュール100の接続の有無によって変化するとともに、抵抗器106の抵抗値によって変化する。制御部12の基準電圧設定部20は、この接続端子12aの電圧値の変化により、光源モジュール100の接続の有無、及び光源モジュール100の抵抗器106の抵抗値の検出を行う。
【0077】
このように、検出回路18では、スイッチング素子71をオン状態とし、スイッチング素子72をオフ状態とすることで、光源モジュール100の装着の検出及び光源モジュール100の抵抗器106の抵抗値の検出を可能にする検出状態となる。そして、検出回路18では、スイッチング素子71、72をオフ状態とすることで、光源モジュール100の装着の検出及び光源モジュール100の抵抗器106の抵抗値の検出を休止する休止状態となる。
【0078】
休止状態では、抵抗器60、73、106に検出電圧Vdetが印加されない。前述のように、抵抗器106の抵抗値は、0Ω~数Ω程度に設定される。このため、抵抗器60及び抵抗器73の抵抗値も、同様に、数Ω程度に設定される。従って、抵抗器60、73、106には、比較的大きな電流が流れる。特に、抵抗器106の抵抗値が0Ωのときは、抵抗器73に比較的大きな電流が流れてしまう。このため、抵抗器73に検出電圧Vdetを常時印加していると、抵抗器73で発熱を起こしてしまうとともに、不要な電力消費の増加を招いてしまう可能性がある。スイッチング素子71、72などを設け、休止状態とできるようにすることで、こうした発熱や電力消費の増加を抑制することができる。
【0079】
制御部12は、光源モジュール100の接続の有無、及び光源モジュール100の抵抗器106の抵抗値の検出を行い、基準電圧設定部20に基準電圧Vrefを設定させ、光源モジュール100の品種及び調光信号に応じた直流電力を光源モジュール100に出力する際に、スイッチング素子71をオフ状態とし、スイッチング素子72をオン状態とする。
【0080】
これにより、例えば、光源モジュール100を点灯させた状態で接続部14と被接続部104との接続状態が解除され、第3接続端子14cと第3被接続端子104cとの接続状態が最初に解除されてしまった際に、光源102に流れる比較的大きな電流が、第2接続端子14b及び第2被接続端子104bを介して制御部12の接続端子12aに流入し、制御部12を故障させてしまうことを抑制することができる。スイッチング素子72をオン状態にしておくことにより、第2接続端子14b及び第2被接続端子104bから流入する電流を抵抗器60側に流すことができる。これにより、光源モジュール100を点灯させた状態で接続部14と被接続部104との接続状態が解除された際にも、制御部12の故障を抑制することができる。従って、点灯装置10の安全性をより高めることができる。
【0081】
なお、検出回路18の構成は、上記に限定されるものではない。例えば、光源モジュール100を点灯させた状態で接続部14と被接続部104との接続状態が解除される可能性が低い場合などには、スイッチング素子72を省略してもよい。検出回路18の構成は、検出状態と休止状態とを切替可能な任意の構成でよい。
【0082】
制御部12は、電力供給部16の動作を停止させた状態で検出回路18を検出状態とし、光源モジュール100の接続の有無、及び光源モジュール100の抵抗器106の抵抗値の検出を行った後、検出回路18を休止状態として電力供給部16を動作させることにより、電力供給部16から光源102及び抵抗器106に供給される直流電力を基に、光源モジュール100の抵抗器106の抵抗値の検出を再度行う。
【0083】
抵抗器106と制御部12の接続端子12aとの間の信号ラインSL上に意図しない抵抗成分Rが発生する場合がある。抵抗成分Rは、例えば、配線抵抗や接触抵抗などである。より詳しくは、抵抗成分Rは、例えば、第2接続端子14bと第2被接続端子104bとの接触抵抗などである。
【0084】
検出回路18を検出状態とし、降圧回路42の駆動電圧を基に、光源モジュール100の抵抗器106の抵抗値の検出を行う場合には、図2に表した矢線A1の経路で電流が流れる。この場合に抵抗成分Rが存在すると、抵抗成分Rは、抵抗器73に対して直列的、かつ抵抗器106に対して直列的となる。このため、抵抗器106の抵抗値が大きく見えてしまい、抵抗器106の抵抗値を誤って検出してしまう可能性が生じる。
【0085】
一方、電力供給部16を動作させ、電力供給部16の直流電力を基に、光源モジュール100の抵抗器106の抵抗値の検出を行う場合には、図2に表した矢線A2の経路で電流が流れる。この場合に抵抗成分Rが存在すると、抵抗成分Rは、抵抗器74に対して直列的、かつ抵抗器106に対して並列的となる。このため、矢線A1の経路で電流が流れる場合と比べて、抵抗成分Rの影響を抑制することができる。このように、検出回路18を検出状態として光源モジュール100の抵抗器106の抵抗値の検出を行った後、電力供給部16の直流電力を基に、光源モジュール100の抵抗器106の抵抗値の検出を再度行うことにより、光源モジュール100の抵抗器106の抵抗値の誤検出を抑制することができる。これにより、光源モジュール100の品種に応じた適切な明るさで光源モジュール100を点灯させることができる。
【0086】
以下では、検出回路18を検出状態として検出した抵抗器106の抵抗値を第1の抵抗値とし、電力供給部16を動作させて検出した抵抗器106の抵抗値を第2の抵抗値とする。制御部12は、検出回路18が検出電圧Vdetを抵抗器106に印加した際の接続端子12aの電圧値に基づいて接続部14への光源モジュール100の接続の検出及び抵抗器106の抵抗値の検出を行うことにより、抵抗器106の第1の抵抗値を検出し、光源モジュール100の接続を検出した後、電力供給部16を動作させ、電力供給部16から光源102及び抵抗器106に供給される直流電力を基に、光源モジュール100の抵抗器106の抵抗値の検出を行うことにより、抵抗器106の第2の抵抗値を検出する。
【0087】
図3は、制御部の動作の一例を模式的に表す説明図である。
図3において、横軸は、制御部12の接続端子12aの電圧値であり、縦軸は、基準電圧設定部20で設定する基準電圧Vrefである。横軸は、換言すれば、光源モジュール100の抵抗器106の抵抗値である。基準電圧設定部20は、図3に表したような接続端子12aの電圧値(抵抗器106の抵抗値)と基準電圧Vrefとの関係を表す関数式FUを有する。降圧チョッパ回路の電力供給部16では、スイッチング素子55のオン幅とオフ幅によるデューティ制御が多く、出力電流値は、オン幅の最大値や最小値により収束していく。このため、関数式FUは、3次多項式又は4次多項式である。但し、関数式FUは、これに限ることなく、1次式や二次多項式などでもよい。
【0088】
上記のように、検出回路18では、光源モジュール100が装着されていない状態では、抵抗器73、74を接続端子12aに接続し、抵抗器73、74の電圧を接続端子12aに入力する。そして、光源モジュール100が装着されている状態では、抵抗器60、106を抵抗器73に対して直列的に接続し、抵抗器73の電圧を抵抗器60、106で分圧した電圧を接続端子12aに入力する。この場合には、光源モジュール100を装着していない状態において、接続端子12aの電圧値が最も高くなる。そして、光源モジュール100を装着すると、抵抗器106の抵抗値(分圧比)に応じて接続端子12aの電圧値が低くなる。
【0089】
基準電圧設定部20は、例えば、接続端子12aの電圧値が上限値よりも高い場合に、光源モジュール100が装着されていないと判定する。この場合、制御部12は、電力供給部16からの直流電力の出力を行わない。
【0090】
また、基準電圧設定部20は、例えば、接続端子12aの電圧値が下限値よりも低い場合に、点灯装置10に適合しない光源モジュール100が装着されていると判定する。この場合、制御部12は、装着されていない時と同様に、電力供給部16からの直流電力の出力を行わない。
【0091】
そして、基準電圧設定部20は、接続端子12aの電圧値が下限値と上限値との間の範囲にある場合に、関数式FUに基づいて基準電圧Vrefを決定し、オペアンプ22に設定する。なお、上記と反対に、光源モジュール100を装着していない状態において、接続端子12aの電圧値が最も低くなるように検出回路18を構成してもよい。
【0092】
また、関数式FUには、検出回路18などの各部の抵抗値のばらつき、オペアンプ22や比較器24のオフセット電圧のばらつき、あるいは制御用電源回路40や降圧回路42の駆動電圧のばらつきなどにより、点灯装置10の個体毎にばらつきが生じる。
【0093】
このため、基準電圧設定部20は、図3に表したように、関数式FUの点灯装置10の個体毎のばらつきを調整するための調整値を有する。調整値は、例えば、出荷前の製造工程の段階において個別に調整が行われることにより、基準電圧設定部20に入力される。
【0094】
基準電圧設定部20は、接続端子12aの電圧値に対して調整値を乗算することにより、調整後の電圧値を算出し、この調整後の電圧値を基に、関数式FUを参照することにより、基準電圧Vrefを決定する。これにより、点灯装置10の個体毎のばらつきを抑制し、より適切に品種に応じた明るさで光源モジュール100を点灯させることができる。
【0095】
調整値は、複数の出力電流値に合わせて複数設定することが望ましい。しかしながら、複数回の調整工程は、製造工程の作業性や生産性を悪化させてしまうため、現実的には、調整工程は、1回のみとする場合が多い。一方で、一点の出力電流で調整工程を行った場合には、別の出力電流で所望の調整値とならなくなってしまう可能性が生じる。例えば、調整を行った後の出力電流のばらつきが、許容可能なばらつきの範囲を超えてしまう可能性が生じる。
【0096】
例えば、制御部12の最小分解能(1bit)による検出ばらつきがあるため、出力電流のばらつき幅が大きくなるのは、関数式FUの傾きが大きいときである。よって、出力電流最大値で調整したときの調整値を出力電流最小値に適用すると、所望の調整値ではないため、出力電流ばらつきが大きくなってしまう。例えば、最大電流値の1bitばらつきが±3%であって、最小電流値の1bitばらつきが±1%である場合は、出力電流調整によって±4%の差異が発生することになる。許容差を±3%とするなら、調整値を±3%ではなく±2%にしないといけないため、調整値に制限を設けて±3%のばらつき幅であった場合でも、±2%の調整値とする。
【0097】
このように、基準電圧設定部20は、調整値に対して最大値及び最小値を設定する。基準電圧設定部20は、例えば、接続端子12aの電圧値の所定量以上の変化を制限するように、調整値の最大値及び最小値を設定する。基準電圧設定部20は、例えば、接続端子12aの電圧値の±2%以上の変化を制限するように、調整値の最大値及び最小値を設定する。これにより、一点の出力電流で調整工程を行った場合にも、調整を行った後の出力電流のばらつきが、許容可能なばらつきの範囲を超えてしまうことを抑制することができる。換言すれば、1つの調整値で接続端子12aの電圧値の調整を行う場合にも、調整を行った後の出力電流のばらつきが、出力電流の全ての範囲において許容可能なばらつきの範囲を超えてしまうことを抑制することができる。
【0098】
図4は、制御部の動作の一例を模式的に表す説明図である。
図4において、横軸は、時間であり、縦軸は、接続端子12aの電圧値である。
図4に表したように、制御部12は、光源モジュール100が装着されていない状態又は適合しない光源モジュール100が装着されている状態において、光源モジュール100の装着の検出及び光源モジュール100の抵抗器106の抵抗の検出を定期的に行う。
【0099】
光源モジュール100が装着されていない状態又は適合しない光源モジュール100が装着されている状態とは、換言すれば、電力供給部16から直流電力を出力していない状態である。また、光源モジュール100の装着の検出及び光源モジュール100の抵抗器106の抵抗の検出を定期的に行うとは、換言すれば、検出回路18の検出状態と休止状態とを周期的に切り替えることである。
【0100】
制御部12は、例えば、光源モジュール100の装着の検出及び光源モジュール100の品種の識別を500msec(例えば、200msec以上800msec以下)周期で行う。換言すれば、制御部12は、500msec周期で検出回路18を検出状態に切り替える。これにより、光源モジュール100の装着から光源モジュール100の点灯までに必要とする時間を短くすることができる。
【0101】
検出回路18を検出状態とする時間を稼働時間とし、検出回路18を休止状態とする時間を休止時間とし、稼働時間と休止時間との合計の時間を検出時間とする時、制御部12は、例えば、500msecの検出時間のうち、50msecを稼働時間とする。このように、制御部12は、例えば、稼働時間を検出時間の10%以下とし、残りを休止時間とする。これにより、抵抗器73での発熱や不要な電力消費の増加などを適切に抑制することができる。
【0102】
図5は、光源に流れる電流及び電力供給部の巻線電流の一例を模式的に表すグラフ図である。
図5に表したように、電力供給部16のスイッチング素子55及びインダクタ57に流れる巻線電流C2は、周期的に変化する。巻線電流C2は、出力コンデンサ58に平滑される前の電流である。巻線電流C2は、例えば、スイッチング素子55のオンの区間において増加し、スイッチング素子55のオフの区間において減少する。巻線電流C2の波形は、例えば、三角波状である。巻線電流C2は、いわゆるパルス電流である。スイッチング素子55のスイッチング周期Tは、例えば、20μs程度である。
【0103】
一方、光源102に流れる電流C1は、出力コンデンサ58の平滑後の電流であり、前述のように、実質的に一定の電流である。電流C1の電流値の変化は、巻線電流C2の電流値の変化よりも小さい。
【0104】
制御部12は、巻線電流C2がオペアンプ22の誤差増幅出力ERA以上か否かを比較器24で比較する。前述のように、基準電圧設定部20は、調光回路65から入力された信号に基づいてオペアンプ22に設定する基準電圧Vrefを変化させる。基準電圧設定部20は、100%の調光度の時に、基準電圧Vrefを最も高くし、調光度が低くなるに従って基準電圧Vrefを低下させる。オペアンプ22は、基準電圧Vrefの増減に応じて誤差増幅出力ERAを増減させるとともに、基準電圧Vrefと電流C1の検出値との差に応じて誤差増幅出力ERAを増減させる。オペアンプ22は、例えば、電流C1の検出値が所望の電流値よりも低い場合に、誤差増幅出力ERAを増加させ、電流C1の検出値が所望の電流値よりも高い場合に、誤差増幅出力ERAを減少させる。これにより、光源モジュール100の品種や調光度に応じて誤差増幅出力ERAを変化させることができるとともに、電流C1の変化に応じて誤差増幅出力ERAを変化させることができる。
【0105】
制御部12は、スイッチング素子55をオン状態にした後、巻線電流C2が誤差増幅出力ERA以上となったことに応答して、スイッチング素子55をオフ状態にする。これにより、光源102に実質的に一定の電流C1が流れるように電力供給部16の動作をフィードバック制御することができるとともに、調光度に応じた明るさで光源モジュール100を点灯させることができる。
【0106】
このように、制御部12は、光源102に流れる電流C1の電流値、及びスイッチング素子55に流れる巻線電流C2の電流値を基に、スイッチング素子55のスイッチングを制御することにより、光源102に実質的に一定の電流C1が流れるように電力供給部16の動作をフィードバック制御するとともに、調光度に応じた明るさで光源モジュール100を点灯させる。
【0107】
制御部12は、光源モジュール100の品種に応じた基準電圧Vrefを基準電圧設定部20で設定する場合にのみ、光源モジュール100の抵抗器106の抵抗値を検出する。電力供給部16のフィードバック制御には、抵抗器60によって検出された光源102に流れる電流C1の電流値、及び検出抵抗62によって検出されたスイッチング素子55に流れる巻線電流C2の電流値を用いる。
【0108】
例えば、抵抗器106の電圧値などに基づいて光源102に流れる電流C1の電流値を検出し、電力供給部16のフィードバック制御を行うことも考えられる。しかしながら、この場合には、抵抗器106と制御部12の接続端子12aとの間の信号ラインSL上に意図しない抵抗成分Rが発生している場合に、電流C1の電流値を適切に検出することができず、光源モジュール100の明るさが、意図しない明るさとなってしまう可能性がある。さらに、点灯中に抵抗成分Rの状態が変化した際に、抵抗成分Rの状態の変化が、光源モジュール100の明るさの変化となって表れてしまうことも懸念される。換言すれば、抵抗成分Rの状態の変化により、光源モジュール100の明るさが、ちらついてしまうことが懸念される。
【0109】
従って、上記のように、基準電圧Vrefを基準電圧設定部20で設定する場合にのみ、光源モジュール100の抵抗器106の抵抗値を検出し、電力供給部16のフィードバック制御には、抵抗器60によって検出された光源102に流れる電流C1の電流値、及び検出抵抗62によって検出されたスイッチング素子55に流れる巻線電流C2の電流値を用いる。この場合、電流C1の電流値を検出する経路、及び巻線電流C2の電流値を検出する経路においては、抵抗成分Rの影響を受け難い。これにより、意図しない抵抗成分Rが発生した際にも、光源モジュール100の明るさが、意図しない明るさとなってしまったり、抵抗成分Rの状態の変化が、光源モジュール100の明るさの変化となって表れてしまったりすることを抑制することができる。
【0110】
なお、例えば、基準電圧Vrefを誤差増幅出力ERAの代わりに比較器24に入力し、基準電圧Vrefと巻線電流C2の電流値とを比較器24で比較することにより、電流C1を用いることなく、巻線電流C2のみを用いてフィードバック制御を行ってもよい。この場合にも、上記と同様に、意図しない抵抗成分Rが発生した際にも、光源モジュール100の明るさが、意図しない明るさとなってしまったり、抵抗成分Rの状態の変化が、光源モジュール100の明るさの変化となって表れてしまったりすることを抑制することができる。
【0111】
このように、制御部12は、電力供給部16に流れる電流を検出し、電力供給部16に流れる電流の検出値及び基準電圧Vrefを基に、光源102に流れる電流が一定となるように、電力供給部16の動作をフィードバック制御する。電力供給部16に流れる電流の検出値は、抵抗器60によって検出される電流C1の検出値でもよいし、検出抵抗62によって検出される巻線電流C2の検出値でもよい。制御部12は、電流C1及び巻線電流C2の少なくとも一方を電力供給部16に流れる電流として検出する。
【0112】
図6(a)及び図6(b)は、制御部の動作の一例を模式的に表すグラフである。
図6(a)及び図6(b)において、横軸は、時間であり、縦軸は、各光源102に流れる電流IFである。
図6(a)及び図6(b)は、制御部12による光源モジュール100の抵抗器106の抵抗値の検出に関する動作の一例を模式的に表す。
【0113】
制御部12は、光源モジュール100が装着されていない状態において、電力供給部16の動作を停止させた状態で検出回路18を定期的に検出状態とすることにより、まず、降圧回路42の駆動電圧を基に、光源モジュール100の接続の有無、及び光源モジュール100の抵抗器106の抵抗値の検出を行うことにより、抵抗器106の第1の抵抗値を検出する(図6(a)のタイミングT11~T12、及び図6(b)のタイミングT21~T22)。
【0114】
制御部12は、接続端子12aの電圧値を基に、適合する光源モジュール100の装着を検出した場合、接続端子12aの電圧値及び関数式FUを基に、100%の調光度に対応する基準電圧Vref(第1の基準電圧)を決定する。前述のように、制御部12(基準電圧設定部20)は、より詳しくは、接続端子12aの電圧値に対して調整値を乗算することにより、調整後の電圧値を算出し、この調整後の電圧値を基に、関数式FUを参照することにより、基準電圧Vrefを決定する。制御部12は、100%の調光度に対応する基準電圧Vrefを設定した際に、各光源102に流れる電流を目標電流値DAC1(第1の目標電流値)として設定する。
【0115】
制御部12は、目標電流値DAC1を設定した後、調光信号に基づく調光度SLVを目標電流値DAC1に乗算したDAC1×SLVの電流値が、予め設定された固定電流値DACth以上か否かを判定する。
【0116】
制御部12は、DAC1×SLVの電流値が固定電流値DACth以上であると判定した場合には、固定電流値DACthを光源モジュール100の各光源102に供給するように、固定電流値DACthに対応した基準電圧Vrefをオペアンプ22に設定し、電力供給部16を動作させる(図6(a)のタイミングT13~T14)。
【0117】
制御部12は、固定電流値DACthを各光源102に供給した後、電力供給部16から光源102及び抵抗器106に供給される直流電力を基に、光源モジュール100の抵抗器106の抵抗値の検出を行うことにより、抵抗器106の第2の抵抗値を検出する(図6(a)のタイミングT14~T15)。このように、制御部12は、電力供給部16の直流電力で光源モジュール100の抵抗器106の第2の抵抗値の検出を行う場合には、予め設定された固定電流値DACthを各光源102及び抵抗器106に供給する。これにより、抵抗器106の第2の抵抗値を適切に検出することができる。
【0118】
制御部12は、固定電流値DACthを各光源102に供給した際の接続端子12aの電圧値及び関数式FUを基に、100%の調光度に対応する基準電圧Vref(第2の基準電圧)を決定する。制御部12は、この基準電圧Vrefを設定した際に、各光源102に流れる電流を目標電流値DAC2(第2の目標電流値)として設定する。
【0119】
なお、降圧回路42の駆動電圧を基に抵抗器106の第1の抵抗値の検出を行う際に、各光源102に供給される電流は、固定電流値DACthと同じになるように設定されることが好ましい。これにより、降圧回路42の駆動電圧を基に抵抗器106の第1の抵抗値を検出する場合と、電力供給部16の直流電力を基に抵抗器106の第2の抵抗値を検出する場合と、で関数式FUを共通に用いることができる。但し、降圧回路42の駆動電圧を基に抵抗器106の第1の抵抗値の検出を行う際に、各光源102に供給される電流は、固定電流値DACthと異なってもよい。この場合には、それぞれに対応する2つの関数式FUを予め基準電圧設定部20に設けておけばよい。
【0120】
制御部12は、目標電流値DAC2を設定した後、DAC2×SLVの電流値を光源モジュール100の各光源102に供給するように、DAC2×SLVに対応した基準電圧Vrefをオペアンプ22に設定し、電力供給部16を動作させることにより、光源モジュール100の品種及び調光信号の調光度SLVに応じた明るさで光源モジュール100を点灯させる(図6(a)のタイミングT16)。
【0121】
一方、制御部12は、DAC1×SLVの電流値が固定電流値DACth未満であると判定した場合には、DAC1×SLVの電流値を光源モジュール100の各光源102に供給するように、DAC1×SLVに対応した基準電圧Vrefをオペアンプ22に設定し、電力供給部16を動作させることにより、DAC1×SLVの電流値に応じた明るさで光源モジュール100を点灯させる(図6(b)のタイミングT23~T24)。
【0122】
DAC1×SLVの電流値に応じた明るさで光源モジュール100を点灯させた後、調光度SLVが変化し、DAC1×SLVの電流値が固定電流値DACth以上となった場合には、制御部12は、上記と同様に、固定電流値DACthを各光源102に供給し、電力供給部16から光源102及び抵抗器106に供給される直流電力を基に、光源モジュール100の抵抗器106の抵抗値の検出を再度行う(図6(b)のタイミングT25~T26)。
【0123】
そして、制御部12は、DAC2×SLVの電流値を光源モジュール100の各光源102に供給するように電力供給部16を動作させることにより、光源モジュール100の品種及び調光信号の調光度SLVに応じた明るさで光源モジュール100を点灯させる(図6(b)のタイミングT27)。
【0124】
このように、制御部12はDAC1×SLVの電流値が固定電流値DACth未満であると判定した場合には、電力供給部16の直流電力による光源モジュール100の抵抗器106の第2の抵抗値の検出を行わないようにする。これにより、光源モジュール100が固定電流値DACthに対応する基準電圧Vrefに基づいて明るく点灯した後、DAC2×SLVに対応する基準電圧Vrefに基づいて暗くなってしまうことを抑制することができる。すなわち、光源モジュール100の点灯時の見え方が悪くなってしまうことを抑制することができる。
【0125】
図7は、制御部の動作の一例を模式的に表すグラフである。
図7において、横軸は、調光度であり、縦軸は、各光源102に流れる電流IFである。
図7の特性CT1及び特性CT2は、所定の品種の光源モジュール100において、抵抗器106と制御部12の接続端子12aとの間の信号ラインSL上に意図しない抵抗成分Rが発生している場合の特性の一例を模式的に表している。
【0126】
図7の特性CT3及び特性CT4は、特性CT1及び特性CT2と異なる品種の光源モジュール100において、抵抗器106と制御部12の接続端子12aとの間の信号ラインSL上に意図しない抵抗成分Rが発生している場合の特性の一例を模式的に表している。特性CT3及び特性CT4の光源モジュール100は、特性CT1及び特性CT2の光源モジュール100よりも明るさの低い光源モジュール100である。このため、特性CT3及び特性CT4の光源モジュール100では、特性CT1及び特性CT2の光源モジュール100と比べて調光度に対して必要となる電流IFが低い。
【0127】
特性CT1及び特性CT3は、調光度を100%から0%に調光した際の電流IFの一例である。特性CT2及び特性CT4は、調光度を0%から100%に調光した際の電流IFの一例である。調光度を低い値に設定した場合には、図6(b)に表した例のように、DAC1×SLVの電流値が固定電流値DACth未満となる可能性が高い。特性CT2では、約35%の調光度において、DAC1×SLVの電流値が固定電流値DACth以上となっている。特性CT4では、約90%の調光度において、DAC1×SLVの電流値が固定電流値DACth以上となっている。
【0128】
このように、点灯開始時に低い調光度を設定した場合には、特性CT2の35%未満の調光度の領域、及び特性CT4の90%未満の調光度の領域のように、意図しない抵抗成分Rの影響により、光源モジュール100の品種に応じた電流値よりも低くなり、本来の明るさよりも暗くなってしまう可能性がある。意図しない抵抗成分Rの影響は、明るさの低い品種の光源モジュール100ほど、広い調光度の範囲に影響する。また、意図しない抵抗成分Rの影響は、明るさの高い品種の光源モジュール100ほど、大きな電流値の差となって表れ、より暗く見えてしまう可能性がある。
【0129】
これに対し、点灯開始時に高い調光度を設定した場合には、電力供給部16の直流電力で光源モジュール100の抵抗器106の第2の抵抗値の検出を行うことにより、意図しない抵抗成分Rの影響を抑制することができる。光源モジュール100の品種に応じた電流値を供給し、光源モジュール100を適切な明るさで点灯させることができる。また、特性CT1及び特性CT3で表したように、電力供給部16の直流電力で抵抗器106の抵抗値の検出を行った後には、その後に低い調光度が設定されたとしても、DAC2×SLVに対応した基準電圧Vrefをオペアンプ22に設定することで、意図しない抵抗成分Rの影響を抑制することができる。
【0130】
図7の特性CT5は、点灯装置10に接続される可能性のある複数の品種の光源モジュール100の中で、最も明るさの低い品種の光源モジュール100の特性の一例を模式的に表している。
【0131】
図7に表したように、制御部12は、最も明るさの低い品種の光源モジュール100を100%の調光度で点灯させるための各光源102の電流値の設計値を固定電流値DACthとして設定する。
【0132】
また、接続端子12aの電圧値と関数式FUとを基に、基準電圧Vrefを設定する場合、意図しない抵抗成分Rの影響により、各光源102に流れる電流が、所望の電流値よりも低くなってしまう可能性がある。
【0133】
従って、制御部12は、各光源102に流れる電流の最小値を設定し、各光源102に流れる電流が、最小値以下にならないようにする。制御部12は、各光源102に流れる電流の最小値を調光度毎に設定する。制御部12は、例えば、最も明るさの低い品種の光源モジュール100の特性CT5を調光度毎の電流の最小値として設定し、各光源102に流れる電流が、調光度毎に特性CT5の電流値以下にならないようにする。
【0134】
換言すれば、制御部12は、接続端子12aの電圧値と関数式FUとから求められる基準電圧Vrefに最小値を設定する。制御部12は、例えば、基準電圧Vrefが、最も明るさの低い品種の光源モジュール100の特性CT5の基準電圧Vref以下にならないようにする。これにより、光源モジュール100の明るさが、意図しない抵抗成分Rの影響により、暗くなり過ぎてしまうことを抑制することができる。
【0135】
以上、説明したように、本実施形態に係る照明器具2及び点灯装置10では、制御部12が、光源モジュール100が接続部14に接続された際に、接続部14を介して抵抗器106と電気的に接続される接続端子12aを有し、検出回路18が検出電圧Vdetを抵抗器106に印加した際の接続端子12aの電圧値に基づいて接続部14への光源モジュール100の接続の検出及び抵抗器106の抵抗値の検出を行うことにより、抵抗器106の第1抵抗値を検出し、検出した第1の抵抗値を基に第1の基準電圧を設定し、光源モジュール100の接続を検出した後、電力供給部16を動作させ、電力供給部16から光源102及び抵抗器106に供給される直流電力を基に、光源モジュール100の抵抗器106の抵抗値の検出を行うことにより、抵抗器106の第2の抵抗値を検出し、検出した抵抗器106の第2の抵抗値を基に、電力供給部16の動作をフィードバック制御するための第2の基準電圧(基準電圧Vref)を設定する。これにより、意図しない抵抗成分Rの影響による光源モジュール100の抵抗器106の抵抗値の誤検出を抑制し、光源モジュール100の品種に応じた適切な明るさで光源モジュール100を点灯させることができる。
【0136】
また、制御部12は、電力供給部16に流れる電流を検出し、電力供給部16に流れる電流の検出値及び基準電圧Vrefを基に、光源102に流れる電流が一定となるように、電力供給部16の動作をフィードバック制御する。制御部12は、降圧チョッパ回路である電力供給部16の発振開始前後で1回ずつ抵抗器106の抵抗値の検出を行い、電力供給部16のフィードバック制御においては、抵抗器106の抵抗値を常時フィードバックしない。これにより、意図しない抵抗成分Rが発生した際にも、光源モジュール100の明るさが、意図しない明るさとなってしまったり、抵抗成分Rの状態の変化が、光源モジュール100の明るさの変化となって表れてしまったりすることを抑制することができる。
【0137】
従って、光源モジュール100と点灯装置10との間に意図しない抵抗成分Rが発生した際にも、光源モジュール100の品種に応じた適切な明るさで光源モジュール100を点灯させることができるとともに、意図しない抵抗成分Rに起因する光源モジュール100の点灯中の明るさの変化を抑制できる点灯装置10及び照明器具2を提供することができる。
【0138】
本実施形態に係る照明器具2及び点灯装置10では、制御部12が、予め設定された固定電流値DACthを光源モジュール100の光源102に供給するように、電力供給部16を動作させることにより、電力供給部16から光源102及び抵抗器106に供給される直流電力を基に、光源モジュール100の抵抗器106の第2の抵抗値の検出を行う。これにより、抵抗器106の抵抗値を適切に検出することができる。
【0139】
本実施形態に係る照明器具2及び点灯装置10では、制御部12が、調光度を表す信号の入力を受け、電力供給部16から光源モジュール100に出力する直流電力を、光源モジュール100の品種に応じて変化させるとともに、調光度に応じて変化させ、検出電圧Vdetの印加によって検出された抵抗器106の第1の抵抗値を基に設定した基準電圧Vrefと調光度とに基づく電流値が固定電流値DACth未満である場合には、電力供給部16の直流電力による抵抗器106の第2の抵抗値の検出を行わない。これにより、光源モジュール100が固定電流値DACthに対応する基準電圧Vrefに基づいて明るく点灯した後、調光度に対応する基準電圧Vrefに基づいて暗くなってしまうことを抑制することができる。
【0140】
本実施形態に係る照明器具2及び点灯装置10では、制御部12が、光源102に流れる電流の最小値を設定する。これにより、光源モジュール100の明るさが、意図しない抵抗成分Rの影響により、暗くなり過ぎてしまうことを抑制することができる。
【0141】
本実施形態は、以下の態様を含む。
(付記1)
光源を有する光源モジュールを着脱可能に接続するための接続部と、
前記光源モジュールに対応した直流電力を出力可能な電力供給部と、
前記電力供給部による前記直流電力の出力を制御する制御部と、
前記接続部への前記光源モジュールの接続を検出するための検出回路と、
を備え、
前記接続部は、品種の異なる複数の前記光源モジュールを選択的に接続可能であり、
前記光源モジュールは、前記光源と直列に接続された抵抗器を有し、品種に応じて前記抵抗器の抵抗値を変化させ、
前記検出回路は、前記光源モジュールが前記接続部に接続された際に、前記接続部を介して前記抵抗器と電気的に接続され、前記光源モジュールの接続を検出するための検出電圧を前記抵抗器に印加し、
前記制御部は、前記光源モジュールが前記接続部に接続された際に、前記接続部を介して前記抵抗器と電気的に接続される接続端子を有し、前記検出回路が前記検出電圧を前記抵抗器に印加した際の前記接続端子の電圧値に基づいて前記接続部への前記光源モジュールの接続を検出し、前記接続端子の電圧値と前記電力供給部の動作をフィードバック制御するための基準電圧との関係を表す関数式を有し、前記光源モジュールの接続を検出した際に、前記接続端子の電圧値及び前記関数式を基に前記基準電圧を設定し、前記電力供給部に流れる電流を検出し、前記電力供給部に流れる電流の検出値及び前記基準電圧を基に、前記光源に流れる電流が一定となるように、前記電力供給部の動作をフィードバック制御する点灯装置。
【0142】
(付記2)
前記関数式は、3次多項式又は4次多項式である付記1記載の点灯装置。
【0143】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0144】
2…照明器具、10…点灯装置、12…制御部、14…接続部、16…電力供給部、18…検出回路、20…基準電圧設定部、22…オペアンプ、24…比較器、30…フィルタ回路、32…整流回路、34…突入防止回路、36…力率改善回路、38…平滑コンデンサ、40…制御用電源回路、42…降圧回路、44…駆動回路、46…駆動回路、51…スイッチング素子、52…インダクタ、53…ダイオード、55…スイッチング素子、56…ダイオード、57…インダクタ、58…出力コンデンサ、60…抵抗器、62…検出抵抗、65…調光回路、71、72…スイッチング素子、73、74…抵抗器、100…光源モジュール、102…光源、104…被接続部、106…抵抗器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7