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  • 特許-巻線機構 図1
  • 特許-巻線機構 図2
  • 特許-巻線機構 図3
  • 特許-巻線機構 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】巻線機構
(51)【国際特許分類】
   H02K 15/095 20060101AFI20240122BHJP
【FI】
H02K15/095
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019174832
(22)【出願日】2019-09-26
(65)【公開番号】P2021052535
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000203634
【氏名又は名称】多摩川精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100212657
【弁理士】
【氏名又は名称】塚原 一久
(72)【発明者】
【氏名】園原 秀一
(72)【発明者】
【氏名】松下 秀思
【審査官】尾家 英樹
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-059308(JP,A)
【文献】特開平06-153464(JP,A)
【文献】特開昭51-141303(JP,A)
【文献】特開2005-020827(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 15/00- 15/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
L字形状の板状の部材をなすフレーム部材(50)と、前記フレーム部材(50)に配置されたモータ(60)及び回転部材(70)とを有し、前記フレーム部材(50)の第1面(51)には、ノズル部材(10A)を保持する支持部材(40)が設けられ、
前記ノズル部材(10A)近傍のステータ(200)のティース(220)にステータコイル(222)を形成する巻線機構であって、
前記ティース(220)に巻回されるマグネットワイヤ(1)が前記ノズル部材(10A)により引き出し可能に保持され、
記ノズル部材(10A)が回転して前記ティース(220)に前記マグネットワイヤ(1)を巻回する巻線機構。
【請求項2】
前記ノズル部材(10A)は、前記マグネットワイヤ(1)を引き出し可能に保持する供給部(12)を有し、
前記ノズル部材(10A)は第1軸(X-X)を中心に回転するとともに、
前記供給部(12)は前記第1軸(X-X)からオフセット配置された状態で回転して、前記ティース(220)に前記マグネットワイヤ(1)を巻回する請求項1に記載された巻線機構。
【請求項3】
前記ノズル部材(10A)を回転させる前記モータ(60)を備え、
前記モータ(60)のモータ回転軸(Y-Y)と、前記第1軸(X-X)とは異なる軸である請求項2に記載された巻線機構。
【請求項4】
前記モータ(60)の駆動力が伝達される前記回転部材(70)と、
前記ノズル部材(10A)が固定され、前記ノズル部材(10A)と共に回転する前記支持部材(40)と、
前記フレーム部材(50)に回転可能に保持され、前記回転部材(70)と、前記支持部材(40)とを連結している連結軸(80)と、を備えており、
前記回転部材(70)に伝達された前記駆動力が前記連結軸(80)を介して前記支持部材(40)に伝達される請求項3に記載された巻線機構。
【請求項5】
前記連結軸(80)は、前記連結軸(80)の連結軸一端部(81)から連結軸他端部(83)まで軸中空部(85)を有し、
前記マグネットワイヤ(1)は前記軸中空部(85)を介して供給される請求項4に記載された巻線機構。
【請求項6】
前記ノズル部材(10A)は、前記供給部(12)を有する先端部(11)と、経由部(14)を有する基端部(13)とが設けられており、前記マグネットワイヤ(1)は前記経由部(14)と、前記供給部(12)とを介して供給される請求項2に記載された巻線機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステータにコイルを形成する巻線機構に関し、特に回転式ノズルを備えるステータコイルの巻線機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、レゾルバの励磁コイルと出力コイルとからなるステータコイルは、巻線機構によりティースに巻回されて形成されている。ステータコイルを形成するマグネットワイヤは、巻線機構の先端部から供給され、ステータの開口部に周方向等間隔に備えられているティースにそれぞれ巻回され、ステータコイルが形成されている。ステータの開口部内にティースが設けられているインナー型のステータでは、開口部内の空間が狭いため、開口部内に挿入されてマグネットワイヤを巻回する機構部は小型である必要がある。また、1つのティースにコイルを形成するのに、マグネットワイヤをティースに何度も巻回しなければならない。そのため、巻線機構と、ステータを保持しながら正逆方向に小刻みに回転させる回転台とをうまく連動させる制御が必要であった。
【0003】
特許文献1に記載されている巻線機構では、先端からマグネットワイヤが引き出され、環状ステータの中心軸方向に往復動するニードルアームと、ステータを保持し、ティース1つ分の周方向の角度範囲内で小刻みに正転逆転を繰り返す回転台とを連動させて、ティースにコイルを形成するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-199673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の巻線機構では、ニードルアームの往復動と、ステータの正逆方向の小刻みの回転との同期制御をする必要があり、制御が複雑となっていた。このような機構において、巻線時間を短縮するために巻線機構の動作を高速化すると、ニードルアームが往復動する構造のため、振動が発生していた。また、高速化するほどマグネットワイヤに係るテンションの変動量が大きくなるため、安定したテンション制御ができなかった。上記理由により、巻線機構の高速化は困難であった。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、ティースにマグネットワイヤを巻回する巻回時間を短縮できる巻線機構を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の巻線機構は、L字形状の板状の部材をなすフレーム部材と、フレーム部材に配置されたモータ及び回転部材とを有し、フレーム部材の第1面には、ノズル部材を保持する支持部材が設けられ、ノズル部材近傍のステータのティースにステータコイルを形成する巻線機構であって、ティースに巻回されるマグネットワイヤがノズル部材により引き出し可能に保持され、ノズル部材が回転してティースにマグネットワイヤを巻回する。
【0008】
また、本発明の巻線機構では、ノズル部材はマグネットワイヤを引き出し可能に保持する供給部を有しており、ノズル部材が第1軸を中心に回転するとともに、供給部は第1軸からオフセットして回転して、ティースにマグネットワイヤを巻回してもよい。
【0009】
また、本発明の巻線機構は、ノズル部材を回転させるモータを備え、モータのモータ回転軸と、第1軸とは異なる軸であってもよい。
【0010】
また、本発明の巻線機構は、モータの駆動力が伝達される回転部材と、ノズル部材が固定され、ノズル部材と共に回転する支持部材と、フレーム部材に回転可能に保持され、回転部材と、支持部材とを連結している連結軸と、を備え、回転部材に伝達された駆動力が連結軸を介して支持部材に伝達されてもよい。
【0011】
また、本発明の巻線機構が有する連結軸は、一端部から他端部まで軸中空部を有しており、マグネットワイヤは軸中空部を介して供給されてもよい。
【0012】
また、本発明の巻線機構が備えるノズル部材は、先端部に供給部と、基端部に経由部とが設けられており、マグネットワイヤは経由部と、供給部とを介して供給されてもよい。
【0013】
本発明によれば、巻回するマグネットワイヤを供給し、回転してティースにマグネットワイヤを巻回する供給部材を備えているため、コイルをティースに高速で形成することができる。
【0014】
本発明によれば、供給部材が第1軸を中心に回転するとともに、マグネットワイヤを引き出し可能に保持する供給部は第1軸からオフセットして回転するため、コイルをティースに高速で効率よく形成することができる。
【0015】
また、本発明によれば、本発明の巻線機構は、供給部材を回転させるモータのモータ回転軸と、第1軸とは異なる軸であるため、ステータの開口部に挿入する供給部材を小型に形成することができる。
【0016】
また、本発明によれば、モータの駆動力が伝達される回転部材と、供給部材が固定され、供給部材と共に回転する支持部材と、フレーム部材に回転可能に保持され、回転部材と、支持部材とを連結している連結軸と、を備え、回転部材に伝達された駆動力が連結軸を介して支持部材に伝達されるため、小型の巻線機構により、効率よく駆動力を供給部材に伝達することができる。
【0017】
また、本発明によれば、連結軸が有する軸中空部を有し、マグネットワイヤは軸中空部を介して供給されるため、小型の巻線機構とすることができる。
【0018】
また、本発明によれば、供給部材は、供給部材の先端部の供給部と、供給部材の基端部の経由部とを介して供給されるため、マグネットワイヤを効率よくかつ確実に供給できる小型の巻線機構とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施の形態に係る巻線機構を示した正面からの斜視図である。
図2図1の巻線機構を示した背面からの斜視図である。
図3図1の巻線機構の要部を示した上面拡大図である。
図4図1の巻線機構の要部を示した上面拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1図2には、本発明の実施の形態1に係る巻線機構100が示されている。図1は、巻線機構を示した正面からの斜視図であり、巻線機構100の要部が示されている。また、図2は、巻線機構を示した背面からの斜視図であり、巻線機構100の駆動装置が示されている。
【0021】
本発明の実施の形態に係る巻線機構100は、ステータ200に巻回されるマグネットワイヤ1と、マグネットワイヤ1をステータ200に巻回する供給部材10と、供給部材10を保持する支持部材40と、駆動力を発生するモータ60と、モータ60の駆動力を伝達するベルト90と、ベルト90により駆動力が伝達される回転部材70と、支持部材40と回転部材70とを連結する連結軸80と、連結軸80を回転可能に保持するフレーム部材50とを備えている。なお、ステータ200は、図示しない回転台に水平に保持されている。
【0022】
フレーム部材50は、モータ60など巻線機構100を構成する上記部材を保持している部材である。フレーム部材50は、L字形状に形成されている板状の部材であり、一方側の面である第1面51と、第1面51に対し反対面である第2面52とを有している。図1図2からわかるように、第1面51側には、供給部材10と、支持部材40とが配置されている。また、第2面52側には、モータ60と、回転部材70とが配置されている。
【0023】
ステータ200は周知の構造であり、環状のステータコアの内周に複数のティースが形成されているインナー型のステータである。ステータ200は、環状に形成されたステータコア210と、環状のステータコア210の内部に形成されている開口部201と、ステータコア210の内周において周方向一定間隔に、ステータコア210の中心部に向かって突出して形成されている複数のティース220と、隣り合う2つのティース220の間にある複数のスリット221と、を備えている。なお、図3では、本巻線機構100によってマグネットワイヤ1がティース220に巻回されてコイル222が形成された状態が示されている。本巻線機構100は小型化されているため、開口部201が小さい小型のステータ200でも適用可能である。
【0024】
マグネットワイヤ1は、ステータ200のティース220に巻回されてステータコイル222を形成する部材である。マグネットワイヤ1は、供給部材10により、各ティース220に巻回される。
【0025】
供給部材10は、供給されるマグネットワイヤ1をステータ200に巻回する部材である。供給部材10は、先端部11と、基端部13と、先端部11と基端部13との間の中間部15、とを有している。また、先端部11には開口部である供給部12、基端部13には開口部である経由部14がそれぞれ設けられている。供給部材10の内部には、先端部11から基端部13まで、中空部16が設けられている。すなわち、マグネットワイヤ1は、経由部14、及び、中空部16を介し、供給部12から引き出されて、ティース220に供給される。
【0026】
実施の形態では、供給部材10はノズル部材10Aとして示されている。供給部材10における、先端部11、供給部12、基端部13、経由部14、中間部15、及び、中空部16は、ノズル部材10Aにおける、先端部11A、供給部12A、基端部13A、経由部14A、中間部15A、及び、中空部16Aに、それぞれ相当する。
【0027】
すなわち、ノズル部材10Aは、先端部11Aと、基端部13Aと、ノズル中間部15Aとを有している。ノズル部材10Aの内部には、先端部11Aから基端部13Aまで、中空部16Aが設けられている。供給部12Aは、経由部14Aと、中間部15Aとを介して供給されるマグネットワイヤ1が引き出される部位である。
【0028】
支持部材40は、供給部材10、すなわちノズル部材10Aを保持する部材である。支持部材40は、一端部貫通孔42が設けられている支持部材一端部41と、他端部貫通孔44が設けられている支持部材他端部43と、支持部材一端部41と支持部材他端部43との間に形成されている支持部材中間部45とを有している。支持部材40は、支持部材中間部45の両端部に、支持部材一端部41と、支持部材他端部43とを直交させて接続した、U字形状に形成されている。
【0029】
一端部貫通孔42は、支持部材一端部41に設けられている貫通孔である。支持部材一端部41の一端部貫通孔42が設けられている部位には、ノズル部材10Aの基端部13Aが、中空部16Aと一端部貫通孔42とのそれぞれの中心軸を同軸にして固定されている。すなわち、一端部貫通孔42は、ノズル部材10Aの中空部16Aと連通している。支持部材40は、他端部貫通孔44を通る第1軸X-Xを中心に回転する。ノズル部材10Aは、第1軸X-Xからオフセットされて支持部材40に固定されている。それにより、マグネットワイヤ1が引き出される供給部12Aは、第1軸X-Xから所定距離離れて配置されている。すなわち、供給部12Aは、第1軸X-Xとの所定距離を回転半径として、第1軸X-Xを中心に回転する。
【0030】
モータ60は、駆動力を発生する部材である。モータ60は、取付部材を介してフレーム部材50の第2面に固定されている。モータ60はモータプーリー61を有している。図1図2に示されているように、モータプーリー61はモータ回転軸Y-Yを中心に回転する。モータ60は、例えば小型のサーボモータである。
【0031】
フレーム部材50の一端部である第1部分53には、ノズル部材10Aを保持している支持部材40と、回転部材70とが配置されている。第1部分53には、フレーム部材貫通孔55が設けられている。フレーム部材貫通孔55には、軸受56を介して、連結軸80が第1軸X-Xを回転中心として、回転可能に保持されている。軸受56は、周知の軸受、例えば、玉軸受、ころ軸受、又は、滑り軸受の何れかである。
【0032】
回転部材70は、モータ60から伝達された駆動力を、連結軸80を介して支持部材40に伝達する部材である。回転部材70は、中心部に中心孔71と、外周部に外周面72とを有し、円盤形状に形成されている。回転部材70は、回転部材70の外周面72にベルト90がかけられており、モータプーリー61からモータ60の駆動力が伝達される。ベルト90は、周知のように、可撓性の樹脂部材で環状に形成されている。
【0033】
連結軸80は、連結軸一端部81と、連結軸他端部82と、連結軸一端部81と連結軸他端部82との間に設けられている軸中空部85とを有している。また、連結軸一端部81には一端開口部82、及び、連結軸他端部83には他端開口部84がそれぞれ設けられている。一端開口部82と他端開口部84とは、軸中空部85により連通している。連結軸一端部81には、支持部材40が支持部材40の他端部貫通孔44に連結軸一端部81が嵌め合わされて固定されている。また、連結軸他端部83には、回転部材70の中心孔71が嵌め合わされて、回転部材70が固定されている。すなわち、連結軸80の各々の端部に固定されている支持部材40と、回転部材70とは、連結軸80と共に、フレーム部材50に回転自在に保持されている。連結軸80の一端開口部82、軸中空部85、及び、他端開口部84は、ノズル部材10Aに供給されるマグネットワイヤ1が通る供給路である。
【0034】
<導線巻回方法>
次に、本巻線機構100を用いて、ステータ200にステータコイル222を形成する方法を説明する。まず、ステータ200を図示しない回転台に保持し、巻線機構100をステータ200に対しセットする。図3は、巻線機構100のノズル部材10Aが、隣り合う2つのティース220、220の間のスリット221に配置された状態を示している。連結軸80の中心である第1軸X-Xが巻回するティース220の突出方向の中心軸Z-Zと一致するように、巻線機構100を配置する。なお、ステータ200を固定している回転台は、ステータ200を保持したまま、ステータ200の開口部201の中心を回転中心に回転できるように構成されている。
【0035】
次に、巻線機構100の所定経路に配線されているマグネットワイヤ1を、供給部12Aから引き出し、ステータ200のティース220を介して、マグネットワイヤ1の端部を所定箇所に固定する。図4には、巻線機構100を配線されているマグネットワイヤ1の経路が示されている。マグネットワイヤ1は、図示しない導線供給部材から連結軸80まで、所定の経路を通って配線されている。図4に示されているとおり、マグネットワイヤ1は、連結軸80の一端開口部82、軸中空部85、及び、他端開口部84を通り、支持部材の他端部貫通孔44、及び、一端部貫通孔42を通って、ノズル部材10Aの経由部14A、及び、供給部12Aに配線されている。
【0036】
マグネットワイヤ1の端部がステータの所定箇所に固定された後、巻線機構100によりマグネットワイヤ1がティース220に所定回数巻回されて、ステータコイル222が形成される。1つのティース220への巻回が完了すると、次に巻回するティースの中心軸Z-Zが、第1軸X-Xと一致する位置まで、ステータ200を固定している回転台が回転する。次に巻回するティース220に隣接するスリット221にノズル部材10Aが配置されて、次に巻回するティース220にマグネットワイヤ1の巻回を行う。なお、巻回は、同じ種類のコイルが連続して行なわれる。具体的には、1次励磁コイル、2次励磁コイル、又は、出力コイルごとに連続して巻回するように、同じ種類のステータコイル222が形成されるティース220が飛び飛びで選択されて、次の巻回を行う。同じ種類のステータコイル222ごとに巻回を行い、全てのティース220にステータコイル222を形成したら、作業を終了する。
【0037】
本発明の実施の形態に係る巻線機構100は、ティース220に巻回されるマグネットワイヤ1を引き出し可能に保持し、回転してティース220にマグネットワイヤ1を巻回する供給部材10を備えている。
【0038】
したがって、本発明によれば、ティース220にマグネットワイヤ1を巻回する巻回時間を短縮することができる。
【0039】
本発明の実施の形態に係るステータコイルの巻線機構は、環状のステータコアの内周に複数のティースが形成されているインナー型のステータコアに適用する形態について説明したが、環状のステータコアの外周に複数のティースが形成されているアウター型のステータにも適用可能である。
【0040】
また、レゾルバのステータにコイルを形成する形態のみでなく、モータのステータにコイルを形成する形態にも適用可能である。
【0041】
また、供給部材10の例として、先端部11Aに開口部である供給部12Aと、基端部13Aに開口部である経由部14Aと、供給部12Aと経由部14Aとを連通する中空部15Aと、を有するノズル部材10Aを示し、マグネットワイヤ1が中空部16Aを通って先端部11Aの供給部12Aから供給される実施例について説明した。これ以外の実施例として、供給部材10が中空部15Aを有さなくても可能である。例えば、中空部16を有さない棒状の長手部材の供給部材10の長手方向における先端部11等の1ケ所、先端部11と基端部13等の2ケ所、又は3ケ所以上の複数個所において、マグネットワイヤ1を引き出し可能に保持できるフック、又は、中心に孔を有するリングを必要数設けられた供給部材10を備えることも可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 マグネットワイヤ、10 供給部材、11 先端部、12 供給部、
13 基端部、14 経由部、40 支持部材、50 フレーム部材、60 モータ、
70 回転部材、80 連結軸、81 連結軸一端部、83 連結軸他端部、
85 軸中空部、200 ステータ、220 ティース、222 ステータコイル
図1
図2
図3
図4