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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】農業廃棄物の減容器
(51)【国際特許分類】
   B09B 3/60 20220101AFI20240122BHJP
   B65F 1/00 20060101ALI20240122BHJP
【FI】
B09B3/60 ZAB
B65F1/00 C
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020171584
(22)【出願日】2020-10-10
(65)【公開番号】P2022063173
(43)【公開日】2022-04-21
【審査請求日】2023-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000100469
【氏名又は名称】みのる産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108958
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 英一
(72)【発明者】
【氏名】杉本 重郎
(72)【発明者】
【氏名】浅野 史也
【審査官】上坊寺 宏枝
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-513097(JP,A)
【文献】実開平02-034233(JP,U)
【文献】特開平08-196352(JP,A)
【文献】特開2002-193694(JP,A)
【文献】登録実用新案第3070228(JP,U)
【文献】登録実用新案第3001810(JP,U)
【文献】特開2000-16890(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B 3/60
B65F 1/00
A47B 43/00-45/00、47/00-47/06
E04B 1/38-1/61
C05F 17/907、17/964
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形に形成された複数のパネルと、少なくとも2枚の前記パネルにおける辺同士の間に介装され、該各辺に対し着脱可能に連結されるように構成されている支柱とにより、農業廃棄物を収容するための容器本体の側壁が構成されており、
前記パネルは、内部に気体が密閉された中空に形成されているとともに、該パネルの表裏の間が非中空に形成された非中空部位を備えており、
該非中空部位には、前記パネルの表裏を連通する通気穴が形成可能となっており、
さらに、前記パネルは、その外周四辺の各縁部に設けられた被抱持部を備えており、
該被抱持部は、前記辺の縁部の表裏両面に対して、該辺から所定間隔を開け且つ該辺の略全長に渡って該辺と平行に延びるように設けられた表裏一対の溝から外側のレール状に形成された部分により構成されており、
前記支柱は、前記被抱持部における表裏一対の溝にそれぞれ嵌合する一対の先端縁部を有している、該支柱の長さ方向に延びる断面略C字状の溝からなる抱持部を備えており、
前記支柱と前記パネルは、前記抱持部が前記被抱持部を着脱可能に抱持することにより連結されるように構成されている
農業廃棄物の減容器。
【請求項2】
前記パネルは、短辺の長さに対する長辺の長さの比が1以上の整数になるように形成されている請求項1記載の農業廃棄物の減容器。
【請求項3】
前記容器本体は、前記パネルにより構成された蓋を備えている請求項1又は2記載の農業廃棄物の減容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として農産物を栽培する際に生じる目的収穫物以外の葉茎部や、目的収穫物の不良品などの農業廃棄物を分解処理するための、農業廃棄物の減容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
農産物を栽培する際には、目的となる収穫物(実や花など)以外の葉茎部などは農業廃棄物となり、一般には産業廃棄物として焼却などで処理されている。また、規格外の物や劣化して商品にならない収穫物も、同様に産業廃棄物として処理される。
【0003】
産業廃棄物として処理する場合には、その行政地域の規制が多々あり、処理コストも発生する。農産物を事業清算するとなると農業廃棄物の量は莫大なものとなり、規定量の袋に詰めたり、処理施設まで輸送・積みおろしたりなど、非常に手間がかかっている。廃棄用の規定袋や輸送にかかる費用も当然処理コストに含まれ、農産物の事業生産を圧迫している。
【0004】
個々の事業者にて、自然に分解消滅するまで長期間放置しておいたり、積極的に土中にすき込んで分解促進させたりすることにより、これらの農業廃棄物を自己処理していることもある。
【0005】
また、個々の事業者にて、分解処理機(例えば、特許文献1参照)を使用することにより、農業廃棄物を自己処理していることもある。そのような分解処理機としては、加熱・撹拌して機械的に細粒化・嵌装させたり、分解菌を用いて発酵分解させたりする機器が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2016-221458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、自然に分解消滅するまで放置しておいたり、積極的に土中にすき込んで分解促進させたりするには、山林や広大な田畑を所有していないと実施が困難であるという問題がある。
【0008】
その処理を栽培施設の敷地内で行う場合はそのスペースの確保が問題となる。栽培施設の敷地内は基本的に栽培するためのスペースがメインであり、選別・出荷等の付帯設備スペース、従業員の事務所スペースなどで占められ、敷地内の外周や済みなどのわずかな空きスペースしかないからである。その空きスペースに農業廃棄物の分解処理用の減容器を設置せざるを得ないが、農業廃棄物は天候の良し悪し、害虫の発生の有無、自然災害の発生の有無などの種々の要因によって、増減するため、その増減に柔軟に対応することが困難であるという問題がある。
【0009】
また、前記分解処理機は、低コストなものは事業生産で発生する農業廃棄物の量には対応ができず、補助的に使用されているのが現状である。また、前記分解処理機は電気や補助燃料を必要とし、廃熱の問題や分解しきれない残渣が非常に多く出てさらにその処分にも困るといった問題がある。また、大量の農業廃棄物を処理可能な大型の分解処理機は、高額で設備投資の割に合わず、普及が進んでいない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本発明の農業廃棄物の減容器は、
矩形に形成された複数のパネルと、少なくとも2枚の前記パネルにおける辺同士の間に介装され、該各辺に対し着脱可能に連結されるように構成されている支柱とにより、農業廃棄物を収容するための容器本体の側壁が構成されており、
前記パネルは、内部に気体が密閉された中空に形成されているとともに、該パネルの表裏の間が非中空に形成された非中空部位を備えており、
該非中空部位には、前記パネルの表裏を連通する通気穴が形成可能となっており、
さらに、前記パネルは、その外周四辺の各縁部に設けられた被抱持部を備えており、
該被抱持部は、前記辺の縁部の表裏両面に対して、該辺から所定間隔を開け且つ該辺の略全長に渡って該辺と平行に延びるように設けられた表裏一対の溝から外側のレール状に形成された部分により構成されており、
前記支柱は、前記被抱持部における表裏一対の溝にそれぞれ嵌合する一対の先端縁部を有している、該支柱の長さ方向に延びる断面略C字状の溝からなる抱持部を備えており、
前記支柱と前記パネルは、前記抱持部が前記被抱持部を着脱可能に抱持することにより連結されるように構成されている。
【0012】
前記支柱としては、特に限定されないが、次の態様を例示する。
(1)2本の前記抱持部を備え、平面視で一直線状、略L字状等に前記パネルを連結する態様。
(2)3本の前記抱持部を備え、平面視で略T字状に前記パネルを連結する態様。
(3)4本の前記抱持部を備え、平面視で略十字状に前記パネルを連結する態様。
(4)1本の前記抱持部の溝長方向に、複数の前記パネルを列設して連結する態様。
(5)前記(1)~(3)に対し、前記(4)を組み合わせた態様。
【0013】
この構成によれば、前記抱持部と前記非抱持部との連結構造を介して前記支柱と前記パネルの任意の一辺とが着脱可能に連結されるように構成されているため、簡単に組み立てたり分解したりでき、必要に応じて任意に拡張したり増設したりできる。また、増設したり拡張したりする際には、必要最小限の部品(前記パネル及び前記支柱)を追加して行うことができ、低コストで済ませることができる。仮に、前記部品に破損などが生じた場合でも、その部品のみを簡単に交換することができる。従って、本発明によれば、主に自然分解の作用を利用し、電気などのエネルギーを使わず、栽培施設の敷地内の空いたスペースに、必要最小限の大きさでコンパクト且つ自由度の高い設置ができ、取扱性及び利便性が高い。そのため、従来とは異なり、農業廃棄物の分解処理のための広大な田畑などの土地を別途必要とせず、また高額な分解処理機などを購入する必要もない。
また、前記パネルは、内部に気体が密閉された中空に形成されているので、農業廃棄物の分解処理をする際の保温性を高めることができる。
さらに、前記パネルは、その表裏の間が非中空に形成された非中空部位を備えているので、前記パネルの表裏を連通する通気用の通気穴を設けるように加工したり、前記蓋を取り付けるためのヒンジを取り付けるように加工したりする等の各種の加工をする可能性がある部位を非中空部位にしておくことにより、必要に応じてそれらの加工を行うようにすることができる。
【0014】
前記農業廃棄物の減容器としては、
前記パネルは、短辺の長さに対する長辺の長さの比が1以上の整数になるように形成されている態様を例示する。
【0015】
この構成によれば、長辺を上下方向に向けた前記パネルの高さと、短辺を上下方向に向けた前記パネルを上下方向へ前記比の枚数分並べたときの高さとが一致するので、異なる向きの前記パネルを容易に組み合わせることができ、前記容器本体の側壁を自由度高く柔軟に構築することができる。
【0016】
前記農業廃棄物の減容器としては、
前記容器本体は、前記パネルにより構成された蓋を備えている態様を例示する。
【0017】
この構成によれば、前記容器本体の側壁が前記パネルにより平面視で矩形に形成されている場合であれば、該側壁の開口部を塞ぐ蓋は、整数枚の前記パネルにより構成することができる。そのため、蓋専用の部品を用意する必要がなく、本発明の減容器の部品点数を少なくすることができ、低コストに実現できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る農業廃棄物の減容器によれば、簡単に組み立てたり分解したりでき、必要に応じて任意に拡張したり増設したりできるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明を具体化した一実施形態に係る農業廃棄物の減容器の蓋を開けた状態の正面、左側面及び平面を示す斜視図である。
図2】同減容器の蓋を閉じた状態の背面、右側面及び平面を示す斜視図である。
図3】同減容器を構成するパネルの平面図である。
図4】同パネルの底面図である。
図5】同パネルの図であり、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は右側面図(左側面図は右側面図と対照に表れる。)である。
図6】同パネルの端面図であり、(a)は図4のaーa線拡大端面図、(b)は図4のbーb線拡大端面図、(c)は図4において二点鎖線で仮想的に示す穴を開けた場合のbーb線拡大端面図である。
図7】同減容器を構成する支柱の種々の構成例を示す平面図である。
図8】同減容器を構成する蓋の平面図である。
図9】同蓋の端面図であり、(a)は図8のa-a線拡大端面図、(b)は図8のbーb線拡大端面図である。
図10】同減容器を構成する蓋の開閉構造を示す要部拡大側面図である。
図11】同減容器の側壁の構成例を示す平面図であり、(a)は図1の構成、(b)は(a)に増設する場合の構成をそれぞれ示している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1図11は本発明を具体化した一実施形態の農業廃棄物の減容器1を示している。本発明の農業廃棄物の減容器1は、図1及び図2に示すように、矩形に形成された複数のパネル5と、少なくとも2枚のパネル5における辺同士の間に介装され、該各辺に対し着脱可能に連結されるように構成されている支柱6とにより、農業廃棄物を収容するための容器本体の側壁2が構成されているとともに、該側壁2の上端の開口を開閉する蓋3を備えている、底なし容器となっている。
【0025】
パネル5は、図3図6に示すように、その外周四辺の各縁部に設けられた被抱持部7を備えている。被抱持部7は、前記辺の縁部の表裏両面に対して、該辺から所定間隔を開け且つ該辺の略全長に渡って該辺と平行に延びるように設けられた表裏一対の溝7aから外側のレール状に形成された部分により構成されている。
【0026】
本例のパネル5は、樹脂成形によって中空に形成されている。本例では、その中空部内には空気が入っている。パネル5の保温性を向上させるために、空気は該中空部内に密閉されていることが好ましいが、温度の上昇による空気の膨張に応じて空気を外部に排出したり、温度の下降による空気の収縮に応じて空気を外部から取り込んだりすることができるように、中空部と外部とを小孔を介して連通させておいてもよい。中空部内には、空気以外の気体を密閉したり、公知の断熱材を入れておいてもよい。また、本例のパネル5は、その表裏の間が非中空に形成された複数の非中空部位11A、11Bを備えている。非中空部位11A、11Bには、穴開け加工をしたり、蓋開閉用のヒンジ12をネジ止め加工をしたりすることができ、そのような加工を行ってもパネル5内部の中空部分が外部と連通することがない。本例では、パネル5の中央部に設けられている、通気穴19を加工するための2カ所の非中空部位11Aと、パネル5の一方の長辺側の被抱持部7に沿って設けられている、蓋開閉用のヒンジ等をネジ止め加工するための3カ所の非中空部位11Bとが設けられている。なお、パネル5の一方の短辺側の被抱持部7の近傍に設けられている凹部13は、蓋3が閉じないようにするための支持ロッド14の先端を掛止するために設けられている。
【0027】
パネル5のサイズは、短辺の長さに対する長辺の長さの比が1以上の整数になるように形成されていることが好ましく、本例ではその比が2に設定されている。そのため、本例では、長辺を上下方向に向けた1枚のパネル5と、短辺を上下方向に向けて上下に並べた2枚のパネル5の高さが一致するようになっている。
【0028】
支柱6は、図1図2及び図7に示すように、その長さ方向における全長に渡って断面形状が同一に形成されており、被抱持部7における表裏一対の溝7aにそれぞれ嵌合する一対の先端縁部8aを有している、該支柱6の長さ方向に延びる断面略C字状の溝からなる抱持部8を備えている。本例では、図7(a)のように支柱6に対して最多で3枚のパネル5を平面視でT字状に連結可能なものを使用しているが、これに限定されず、同図(b)のように最多で4枚のパネル5を平面視で十字状に連結可能なものや、同図(c)のように最多で2枚のパネル5を平面視で一文字状に連結可能なものや、同図(d)のように最多で2枚のパネル5を平面視でL字状に連結可能なものとする態様を例示する。
【0029】
支柱6とパネル5を連結するときは、支柱6の長さ方向の一端側における抱持部8のC字状の開口に対し、パネル5の被抱持部7を、その長さ方向の一端側から差し込む。支柱6とパネル5の連結を解除するときはその逆を行う。このように、支柱6とパネル5は、抱持部8が被抱持部7を着脱可能に抱持することにより連結されるように構成されている。
【0030】
本例の蓋3は、図8図10に示すように、1枚のパネル5を用いて構成されており、該パネル5の長辺側の被抱持部7と同短辺側の被抱持部7に、それぞれ長辺用枠部材16と短辺用枠部材17が取り付けられてなっている。長辺用枠部材16と短辺用枠部材17は、パネル5の被抱持部7を抱持可能に構成された抱持部8を備えており、該抱持部8は支柱6におけるそれと同様に構成されている。本例では、蓋3は一対のヒンジ12を介して側壁2に取り付けられている。側壁2には、支持ロッド14が、その基端側が上下回動自在に取り付けられており、該支持ロッド14の先端を蓋3の裏面に設けられた凹部13に掛止すると、蓋3を開けたままの状態にすることができる。
【0031】
次に、図1及び図2に示す、本例の農業廃棄物の減容器1の構築方法について説明する。本例では、外周4辺に被抱持部7を備えた中空のパネル5と、該中空パネル5の被抱持部7と連結可能な抱持部8を備えた支柱6とにより、農業廃棄物の四方を囲む側壁2を構成するとともに、該側壁2の上端の開口を開閉する蓋3を備えている、底なし容器としている。
【0032】
正面及び背面の側壁2は、短辺を上下方向に向けた上下に並べた2枚のパネル5により構成されており、各パネル5には12個の通気穴19が非中空部に設けられている。右側面及び左側面の側壁2は、長辺を上下方向に向けた1枚のパネル5により構成されている。それぞれのパネル5のいずれか一辺は、パネル5の被抱持部7が嵌まり込む断面略C字状の溝を長手方向に形成した支柱6を四隅に4本置いて連結される(図11(a)参照)。支柱6は、最多で3枚のパネル5を平面視でT字状に連結可能なものを使用している(図7(a)参照)。蓋3は、側壁2を構成するパネル5と同一部品を用い、外周を囲む枠部材16、17をはめ込む形態を実施例とするが、蓋専用の別部品でもよい。
【0033】
なお、減容器1を増設する場合は、図1と同じものを別途増設してもよいが、図11(b)に示すように、例えば、図1に示す既存の減容器1の側壁2を利用することにより、2台分連結した形状にすると、部品点数を減らすことができる。そして、必要に応じて連結台数を増やすと、任意の廃棄物量に対応する台数設置が可能になる。また、不要になった場合は、支柱6とパネル5等に簡単に分解することができ、保管時の占有スペースを小さくすることができる。
【0034】
以上のように構成された本例の農業廃棄物の減容器1によれば、抱持部8と被抱持部7との連結構造を介して支柱6とパネル5の任意の一辺とが着脱可能に連結されるように構成されているため、簡単に組立ができ、必要に応じて任意に拡張したり増設したりできる。また、増設したり拡張したりする際には、必要最小限の部品(パネル5及び支柱6)を追加して行うことができ、低コストで済ませることができる。仮に、部品に破損などが生じた場合でも、その部品のみを簡単に交換することができる。従って、本発明によれば、主に自然分解の作用を利用し、電気などのエネルギーを使わず、栽培施設の敷地内の空いたスペースに、必要最小限の大きさでコンパクト且つ自由度の高い設置ができ、取扱性及び利便性が高い。そのため、従来とは異なり、農業廃棄物の分解処理のための広大な田畑などの土地を別途必要とせず、また高額な分解処理機などを購入する必要もない。
【0035】
また、パネル5は、短辺の長さに対する長辺の長さの比が1以上の整数になるように形成されている。この構成によれば、長辺を上下方向に向けたパネル5の高さと、短辺を上下方向に向けたパネル5を上下方向へ前記比の枚数分並べたときの高さとが一致するので、異なる向きのパネル5を容易に組み合わせることができ、容器本体の側壁2を自由度高く柔軟に構築することができる。
【0036】
また、容器本体は、パネル5により構成された蓋3を備えている。この構成によれば、本例のように容器本体の側壁2がパネル5により平面視で矩形に形成されている場合であれば、該側壁2の開口部を塞ぐ蓋3は、整数枚(本例では1枚)のパネル5により構成することができる。そのため、蓋専用の部品を用意する必要がなく、本発明の減容器1の部品点数を少なくすることができ、低コストに実現できる。
【0037】
また、パネル5は中空に形成されているので、農業廃棄物の分解処理をする際の保温性を高めることができる。
【0038】
さらに、パネル5は、その表裏の間が非中空に形成された非中空部位11A、11Bを備えているので、パネル5の表裏を連通する通気穴19を設けるように加工したり、蓋3を取り付けたりするためのヒンジ12を取り付けるように加工したり等の各種の加工をする可能性がある部位を非中空部位にしておくことにより、必要に応じてそれらの加工を行うようにすることができる。
【0039】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
(1)内部空間が平面視で2枚以上のパネル5の大きさとなるように、側壁2を構築すること。また、その場合に、2枚以上のパネル5を組み合わせて蓋3を構成すること。
(2)通気穴19を備えるパネル5を樹脂成形により形成すること。
(3)短辺の長さに対する長辺の長さの比が1又は3以上の整数になるようにパネル5を形成すること。
【符号の説明】
【0040】
1 減容器
2 側壁
3 蓋
5 パネル
6 支柱
7 被抱持部
7a 溝
8 抱持部
8a 先端縁部
11A 非中空部位
11B 非中空部位
12 ヒンジ
13 凹部
14 支持ロッド
16 長辺用枠部材
17 短辺用枠部材
19 通気穴
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11