(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】義肢ソケット
(51)【国際特許分類】
A61F 2/60 20060101AFI20240122BHJP
B33Y 50/00 20150101ALI20240122BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20240122BHJP
【FI】
A61F2/60
B33Y50/00
B33Y10/00
(21)【出願番号】P 2020525830
(86)(22)【出願日】2019-06-21
(86)【国際出願番号】 JP2019024803
(87)【国際公開番号】W WO2019245043
(87)【国際公開日】2019-12-26
【審査請求日】2022-05-02
(31)【優先権主張番号】P 2018119179
(32)【優先日】2018-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】518224624
【氏名又は名称】インスタリム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098899
【氏名又は名称】飯塚 信市
(74)【代理人】
【識別番号】100163865
【氏名又は名称】飯塚 健
(72)【発明者】
【氏名】徳島 泰
(72)【発明者】
【氏名】大河原 浩輔
【審査官】細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-242186(JP,A)
【文献】特開2003-299679(JP,A)
【文献】特開2016-077853(JP,A)
【文献】特表2013-510606(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0368996(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0082578(US,A1)
【文献】特表2012-513219(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0352793(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/60
B33Y 50/00
B33Y 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体の断端部へのフィッティングが可能であって3次元プリンタを用いて生成された義肢ソケットであって、3次元スキャンされた場合に座標系設定の基準となる基準表示を備え、
前記基準表示は、前記義肢ソケットの先端部に配置される、義肢ソケット。
【請求項2】
前記基準表示は、形状修正が想定されない非形状修正対象部分に配置される、請求項1に記載の義肢ソケット。
【請求項3】
前記基準表示は、前記義肢ソケットの先端部に設けられた突起部であり、
前記突起部は、義肢ソケットアダプタとの結合部としても機能する、請求項1に記載の義肢ソケット。
【請求項4】
前記突起部は、断面多角形状である、請求項3に記載の義肢ソケット。
【請求項5】
前記突起部は、断面円形状である、請求項3に記載の義肢ソケット。
【請求項6】
前記義肢ソケットの先端部に設けられた突起部の付け根部分にはR部が設けられている、請求項3に記載の義肢ソケット。
【請求項7】
前記義肢ソケットは、熱可塑性樹脂で形成されている、請求項1に記載の義肢ソケット。
【請求項8】
生体の断端部へのフィッティングが可能であって3次元プリンタを用いて生成された義肢ソケットを含む義肢であって、前記義肢ソケットは、3次元スキャンされた場合に座標系設定の基準となる基準表示を備え、
前記基準表示は、前記義肢ソケットの先端部に配置される、義肢。
【請求項9】
3次元プリント装置が、3次元スキャンされた場合に座標系設定の基準となる基準表示を備える義肢ソケットを3次元出力する出力ステップと、
3次元スキャン装置が、前記義肢ソケットに対して修正を加えて
得られた修正ソケットの3次元形状を読み込む読込ステップと、を備え、
前記基準表示は、前記義肢ソケットの先端部に配置される、義肢形状調整方法。
【請求項10】
前記義肢形状調整方法は、さらに、
情報処理装置が、前記読込ステップで読み込まれた前記修正ソケットの3次元形状データの座標系を、前記基準表示に基づいて補正する補正ステップ、を備える請求項9に記載の義肢形状調整方法。
【請求項11】
前記読込ステップで読み込まれた前記修正ソケットの3次元形状データは、所定の機械学習における教師データとして利用される、請求項9に記載の義肢形状調整方法。
【請求項12】
コンピュータに、
3次元スキャンされた場合に座標系設定の基準となる基準表示を備える義肢ソケットを3次元出力する出力ステップと、
対象となる義肢ソケットの3次元形状を読み込む読込ステップと、を実行させるための義肢形状調整プログラムであって、
前記基準表示は、前記義肢ソケットの先端部に配置される、義肢形状調整プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、義足や義手等を含む義肢に関し、特に、断端部への義肢ソケットのフィッティングに好適な義肢ソケット、義肢、義肢形状調整方法、及び義肢形状調整プログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
人体の断端部に装着可能な義肢の開発が従来より行われている。例えば、特許文献1には、下肢断端部をソケット(義足カラー)へと装着してそのソケットをアダプタへと連結する骨格構造型の義足が開示されている。
【0003】
一方、近年、3次元(3D)プリンタの普及と共に、義肢を3次元プリンタにて製造しようとする試みがある。3次元プリンタを用いることにより、義肢の製造コストを大幅に低下させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、断端部の形状は人により異なるため、所定の基本的形状を有するソケットを断端部の形状に合わせて調整するフィッティング作業が必要となる。このフィッティング作業は、微妙な調整を要するため、CAD等を用いた3次元形状データ上での形状修正の他、一旦3次元プリンタにより出力して利用者に装着させる等して、人手により任意に形状修正し、CAD上での再度の形状修正や保存の用のため、再度3次元スキャナにより読み取り3次元形状データとすることが行われていた。
【0006】
しかしながら、従来、3次元スキャナにより取得された3次元形状データに対しては、適切に座標系が設定されていなかった。すなわち、従来は、3次元スキャナにより取得された3次元形状データに対して、作業者は、その大まかな形状等に基づいて目視により適当に座標系を設定する等していた。そのため、修正前後の義肢形状データを正確に同一の座標系において取り扱うことができず、断端部との正確な位置合わせや修正前後における形状の比較又は定量的なフィッティング等が困難であった。
【0007】
本発明は、上述の技術的背景の下になされたものであり、その目的とすることころは、3次元スキャナで読み込まれた際にその座標系を所定の基準に基づいて適切に設定することができる義肢ソケット等を提供することにある。
【0008】
本発明のさらに他の目的並びに作用効果については、明細書の以下の記述を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の技術的課題は、以下の構成を有する義肢ソケット、義肢、義肢形状調整方法、及び義肢形状調整プログラムにより解決することができる。
【0010】
すなわち、本発明に係る義肢ソケットは、生体の断端部へのフィッティングが可能であって3次元プリンタを用いて生成された義肢ソケットであって、3次元スキャンされた場合に座標系設定の基準となる基準表示を備える、ものである。
【0011】
このような構成によれば、3次元スキャンを行ってもその座標系を適切に付与することができ、例えば、3次元プリント前の義肢形状データの座標系に合わせて座標系を設定することも可能となるので、断端部との正確な位置合わせや修正前後における形状の比較又は定量的なフィッティング等が可能となる。また、義肢ソケットが出力された際の3次元形状データと形状修正後の義肢ソケットの3次元形状データとを一貫して同一又は略同一の座標系上で扱うことができるので、例えば、修正前後の義肢ソケットの形状の学習等を行うことが容易となる。
【0012】
前記基準表示は、形状修正が想定されない非形状修正対象部分に配置される、ものであってもよい。
【0013】
このような構成によれば、フィッティングの際に通常形状修正が想定されない部分を活用して、3次元スキャナで読み込まれた際の義肢ソケットの座標系を把握することができ、それにより、例えば、修正前後における形状の正確な比較や定量的なフィッティングを実現することが可能な義肢ソケット等を提供することができる。
【0014】
前記非形状修正対象部分は、前記義肢ソケットの先端部を含む、ものであってもよい。
【0015】
このような構成によれば、フィッティングに伴う義肢ソケットの形状修正を通常行わない先端部に3次元姿勢の測定基準を設けることができる。
【0016】
前記基準部分表示は、前記義肢ソケットの先端部に設けられた突起部であり、前記突起部は、義肢ソケットアダプタとの結合部としても機能する、ものであってもよい。
【0017】
このような構成によれば、突起部が、義肢ソケットの3次元姿勢の測定基準としてもソケットアダプタの結合部としても機能するので、義肢ソケットの形状修正を邪魔することなく、ソケットの設計自由度を確保することができる。
【0018】
前記突起部は、断面多角形状であってもよい。
【0019】
このような構成によれば、突起部の角を利用して3次元スキャナによる読み込みに好適な義肢ソケットを提供することができる。また、突起部がこのように断面多角形状であればアダプタ等との結合時に位置決め等が容易となる。
【0020】
前記突起部は、断面円形状であってもよい。
【0021】
このような構成によれば、柱状連結部721は、座標系検出の基準としての機能及びアダプタとの連結部としての機能を果たしつつも、特に旋盤型の3次元プリント装置を用いる場合に好適な義肢ソケット705を提供することができる。
【0022】
前記義肢ソケットの先端部に設けられた突起部の付け根部分にはR部が設けられている、ものであってもよい。
【0023】
このような構成によれば、突起部は、姿勢検出の基準としての機能及びアダプタとの連結部としての機能を果たしつつも、その強度をさらに向上させることができ、より安全な義肢ソケットを実現することができる。
【0024】
前記義肢ソケットは、熱可塑性樹脂で形成されている、ものであってもよい。
【0025】
このような構成によれば、義肢ソケットは熱可塑性樹脂で形成されているので、ヒートガン等を用いて断端部形状に適合するように自由に形状を修正することができる。
【0026】
前記基準表示は、外周側面上に付された所定の2次元的表示を含む、ものである。
【0027】
このような構成によれば、形状の設計自由度を保ちつつも、座標系を把握することができる義肢ソケットを提供することができる。
【0028】
前記基準表示は、外周側面上に配置された3つ以上の点表示を含む、ものであってもよい。
【0029】
このような構成によれば、非形状修正対象部分に配置された点表示を手掛かりに、義肢ソケットの座標系を検出することができる。
【0030】
前記基準表示は、外周側面上に配置された所定の幾何学的模様を含む、ものであってもよい。
【0031】
このような構成によれば、外周側面上に配置された幾何学的模様を手掛かりとして、義肢ソケットの座標系を検出することができる。
【0032】
前記基準表示は、義肢ソケットの外周側面上に配置された格子模様を含む、ものであってもよい。
【0033】
このような構成によれば、外周側面に配置された格子模様を手掛かりとして、義肢ソケットの座標系を検出することができる。
【0034】
前記基準表示は、前記義肢ソケットの特徴的形状部分であってもよい。
【0035】
このような構成によれば、義肢ソケットの形状調整と合わせて3Dスキャン用の基準表示を調整することができる。
【0036】
前記特徴的形状部分は、前記生体断端部の典型的な凹凸に対応する部分であってもよい。
【0037】
このような構成によれば、生体断端部の典型的な凹凸に対応する部分を利用するので、より確実に座標系を付与することができ、位置合わせ等がより正確となる。
【0038】
前記生体断端部は人間の足であり、前記特徴的形状部分は、膝蓋靭帯に対応する膝蓋骨靭帯対応凹部と、脛骨に対応する脛骨対応凸部と、腓骨に対応する腓骨対応凸部とを含む、ものであってもよい。
【0039】
このような構成によれば、特に義足に好適な義肢ソケットを生成することができる。
【0040】
前記特徴的形状部分上に複数の特徴点が設定され、前記特徴点に基づいて前記座標系設定が行われる、ものであってもよい。
【0041】
このような構成によれば、基準となる点等との点同士の比較により、より正確に座標系の設定を行うことができる。
【0042】
前記生体断端部は、人間の足であり、前記特徴点は、膝蓋靭帯内側端特徴点、膝蓋靭帯外側端特徴点、脛骨粗面特徴点、脛骨外側顆前面突起特徴点、腓骨頭頂特徴点、脛骨遠位端特徴点、腓骨遠位端特徴点を含む、ものであってもよい。
【0043】
このような構成によれば、より義足に好適な義肢ソケットを生成することができる。
【0044】
また、本発明は、義肢としても観念することができる。すなわち、本発明に係る義肢は、生体の断端部へのフィッティングが可能であって3次元プリンタを用いて生成された義肢であって、3次元スキャンされた場合に座標系設定の基準となる基準表示を備える、ものである。
【0045】
このような構成によれば、3次元スキャンを行ってもその座標系を適切に付与することができ、例えば、3次元プリント前の義肢形状データの座標系に合わせて座標系を設定することも可能となるので、断端部との正確な位置合わせや修正前後における形状の比較又は定量的なフィッティング等が可能となる。また、義肢が出力された際の3次元形状データと形状修正後の義肢の3次元形状データとを一貫して同一又は略同一の座標系上で扱うことができるので、例えば、修正前後の義肢ソケットの形状の学習等を行うことが容易となる。
【0046】
また、本発明は、義肢形状調整方法としても観念することができる。すなわち、本発明に係る義肢形状調整方法は、3次元スキャンされた場合に座標系設定の基準となる基準表示を備える義肢ソケットを3次元出力する出力ステップと、前記義肢ソケットに対して修正を加えて修正ソケットを得る修正ステップと、前記修正ソケットの3次元形状を読み込む読込ステップと、を備えている。
【0047】
このような構成によれば、3次元スキャナで読み込まれた際の義肢ソケットの座標系を的確に把握することができ、それにより、例えば、断端部との正確な位置合わせや形状修正前後における形状の正確な比較、又は定量的なフィッティングを実現することが可能な義肢ソケット等を提供することができる。また、義肢ソケットが出力された際の3次元形状データと形状修正後の義肢ソケットの3次元形状データとを一貫して同一又は略同一の座標系上で扱うことができるので、例えば、修正前後の義肢ソケットの形状の学習等を行うことが容易となる。
【0048】
前記義肢形状調整方法は、さらに、前記読込ステップで読み込まれた前記修正ソケットの3次元形状データの座標系を、前記基準表示に基づいて補正する補正ステップ、を備えてもよい。
【0049】
このような構成によれば、読み込まれた義肢ソケットを修正前後で一貫して同一の座標系で扱うことができる。
【0050】
前記読込ステップで読み込まれた前記修正ソケットの3次元形状データは、所定の機械学習における教師データとして利用される、ものであってもよい。
【0051】
このような構成によれば、前提となる座標系を補正した上で、機械学習を行うことができるので学習負荷が軽減される。
【0052】
本発明は、義肢形状調整プログラムとしても観念することができる。すなわち、本発明に係る義肢形状調整プログラムは、コンピュータに、3次元スキャンされた場合に座標系設定の基準となる基準表示を備える義肢ソケットを3次元出力する出力ステップと、対象となる義肢ソケットの3次元形状を読み込む読込ステップと、を実行させるための義肢形状調整プログラムである。
【0053】
このような構成によれば、3次元スキャナで読み込まれた際の義肢ソケットの座標系を把握することができ、それにより、例えば、断端部との正確な位置合わせや形状修正前後における形状の正確な比較や定量的なフィッティングを実現することが可能な義肢ソケット等を提供することができる。また、義肢ソケットが出力された際の3次元形状データと形状修正後の義肢ソケットの3次元形状データとを一貫して同一の座標系上で扱うことができるので、例えば、修正前後の義肢ソケットの形状の学習等を行うことが容易となる。
【発明の効果】
【0054】
本発明によれば、3次元スキャナで読み込まれた際にその座標系を所定の基準に基づいて適切に設定することができる義肢ソケット等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【
図2】
図2は、システムの動作例を示す説明図(その1)である(第1の実施形態)。
【
図3】
図3は、システムの動作例を示す説明図(その2)である(第1の実施形態)。
【
図4】
図4は、試作処理の詳細フロー図である(第1の実施形態)。
【
図5】
図5は、ニューラルネットワークを用いた学習処理の概念図である。
【
図6】
図6は、3Dスキャン処理に関する詳細フロー図である。
【
図7】
図7は、システムの全体像を表す説明図である。
【
図9】
図9は、義肢ソケットの3Dスキャンに関する説明図である。
【
図10】
図10は、義肢ソケットの装着状態における断面図である。
【
図16】
図16は、システムの動作例を示す説明図(その1)である(第2の実施形態)。
【
図18】
図18は、システムの動作例を示す説明図(その2)である(第2の実施形態)。
【
図19】
図19は、試作処理の詳細フロー図である(第2の実施形態)。
【
図20】
図20は、3Dスキャン処理に関する詳細フロー図である(第2の実施形態)。
【
図21】
図21は、義肢ソケット上の特徴点に関する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
以下、本開示に係る義肢ソケット、義肢、義肢形状調整方法、及び義肢形状調整プログラムの実施の一形態を、添付の図面を参照しつつ、詳細に説明する。
<1.第1の実施形態>
図1~
図7を参照しつつ、第1の実施形態に係るシステムの構成と動作について説明する。
【0057】
<1.1 システムの構成>
まず、
図1を参照しつつ、本実施形態に係る義肢形状データ生成システム100の全体構成について説明する。
【0058】
義肢形状データ生成システム100は、種々の制御を行うCPUやGPU、メモリ、キーボード、ディスプレイ等の入出力装置等を備え、後述の種々の情報処理を行う情報処理装置11と、任意の3次元形状をスキャンして3次元形状データを生成する3次元スキャン装置12(3Dスキャナ等)と、任意の3次元形状データに基づいて3次元形状をプリントする3次元プリント装置13(3Dプリンタ等)とが接続することにより構成されたローカルネットワーク10と、ローカルネットワーク10とインターネット30を介して接続され、後述の種々の情報を記憶する記憶装置51と、制御部や記憶部等を含み後述する機械学習処理等を行うサーバ装置52とから構成されたサーバシステム50とから構成されている。
【0059】
なお、サーバシステム50は、所謂クラウド環境下にあり、また、サーバ装置52においては所定の分散処理や仮想化等を行ってもよい。また、記憶部51は、一カ所にある必要はなく、例えば分散して配置されたり、或いは所定のストレージシステムとして構成されてもよい。
【0060】
<1.2 システムの動作>
次に、
図2~
図6を参照しつつ、
図1で示した義肢形状データ生成システム100の動作例について説明する。
【0061】
図2及び
図3は、義肢形状データ生成システム100の動作例について示している。同図左側には、ローカルネットワーク10において行われる処理が示され、同図右側には、サーバシステム50において行われる処理が示されている。
【0062】
図2において、処理が開始すると、情報処理装置11は、3次元スキャン装置12を用いて人体の断端部をスキャンすることにより生成された3次元の断端部スキャンデータを取得する処理を行い(S100)、取得後、当該断端部スキャンデータを、インターネット30を介してサーバシステム50へと送信する(S101)。送信後、情報処理装置11は、後述の予測演算結果を受信するまで待機する(S102NO)。
【0063】
処理の開始後、断端部スキャンデータを受信するまで待機状態(S200NO)にあったサーバ装置52は、断端部スキャンデータを情報処理装置11から受信すると(S200YES)、当該受信した断端部スキャンデータをサーバ装置52の記憶部又は記憶装置51へと保存する(S201)。次に、予め断端部形状と当該断端部形状に適合する義肢の一部、本実施形態では義肢ソケット形状、との対応関係を学習した学習器へと断端部スキャンデータを入力することにより断端部形状に適合する義肢ソケット形状データを予測する予測演算処理が行われる(S202)。
【0064】
この予測演算処理の結果、すなわち、断端部に適合的な義肢ソケット形状データは、情報処理装置11へと送信されると共に(S203)、予測演算結果に相当する義肢ソケット形状データはサーバ装置52の記憶部又は記憶装置51へと保存される。なお、後述するものの、このとき使用する学習器としては種々の学習器が採用可能であるが、例えば、本実施形態においては人工ニューラルネットワークが採用されている。
【0065】
続いて、情報処理装置11が、サーバ装置52から予測演算結果を受信すると(S102YES)、当該予測演算結果に対応する義肢ソケット形状データの修正・試作処理が行われる(S103)。
【0066】
図4は、試作処理(S103)の詳細フローについて示した図である。同図から明らかな通り、情報処理装置11において試作処理が開始すると、ディスプレイ上のGUI等を介してモードの選択をユーザに求めるモード選択処理が行われる(S1031)。
【0067】
同図から明らかな通り、モードには、3次元CADを用いて予測演算結果(又は、それ以前に試作処理等が行われていた場合には最新の又は選択された義肢ソケット形状データ)に対応する義肢ソケット形状データを修正する「CAD修正モード」と、予測演算結果(又は、それ以前に試作処理等が行われていた場合には最新の又は選択された義肢ソケット形状データ)を3次元プリント装置13を用いて仮出力する「仮出力モード」、及び、所定の義肢ソケット又は仮出力された義肢ソケットを再度3次元スキャン装置12を用いてスキャンする「3Dスキャンモード」の3つが存在する。なお、ここでは、仮出力なので、3次元プリント装置13は、例えば数時間(2~3時間)程度で出力を完了する簡易的なモードにてプリントを行ってもよい。
【0068】
まず、モード選択処理(S1031)の実行の結果、「CAD修正モード」が選択されると、予測演算結果(又は、それ以前に試作処理等が行われていた場合には最新の又は選択された義肢ソケット形状データ)の読み出しが行われる(S1032)。続いて、読み出された義肢ソケット形状データを3次元CADを用いて編集することを許容する又は促す処理が行われる(S1033)。編集後のデータは情報処理装置11の記憶部へと記憶される(S1034)。すなわち、「CAD修正モード」により情報処理装置11上で定量的に義肢形状を修正することができる。
【0069】
また、モード選択処理(S1031)の実行の結果、「仮出力モード」が選択されると、予測演算結果(又は、それ以前に試作処理等が行われていた場合には最新の又は選択された義肢ソケット形状データ)の読み出しが行われる(S1036)。続いて、読み出された義肢ソケット形状データを3次元プリント装置13を用いて3次元出力する処理が行われる(S1037)。なお、ここでは、仮出力なので、3次元プリント装置13は、例えば数時間(2~3時間)程度で出力を完了する簡易的なモードにてプリントを行ってもよい。
【0070】
さらに、モード選択処理(S1031)の実行の結果、「3Dスキャンモード」が選択されると、所定の義肢ソケット又は仮出力されたプリント体である義肢ソケットの3次元スキャンを行う処理が行われる(S1039)。3次元スキャンにより得られた形状データは情報処理装置11の記憶部へと記憶される(S1040)。
【0071】
図6は、3Dスキャン処理(S1039)に関する詳細フロー図である。同図から明らかな通り、処理が開始すると、3次元出力され又は3次元出力された後形状修正された義肢ソケット70を3次元スキャンして義肢ソケット形状データを取得する3Dスキャン処理がなされる(S10391)。この3Dスキャン処理は、後述するように、義肢ソケット70を回転させそれを固定した3次元スキャン装置13によりスキャンすることにより行われる。
【0072】
その後、義肢ソケット70の先端部に設けられた突起部を検出することにより、義肢ソケットの座標系基準の検出処理がなされる(S10392)。義肢ソケットの座標系基準の検出処理がなされた後、義肢ソケットの姿勢を仮出力した際の3次元形状データの座標系基準と一致させるよう補正する処理がなされる(S10393)。その後、処理は終了する。なお、このとき、義肢ソケット70の座標系基準の検出処理(S10392)までに留めても良く、その場合、補正処理(S10393)はスキップ処理される。
【0073】
すなわち、「仮出力モード」で仮出力(試作)した3次元プリント体である義肢ソケット形状を物理的に修正し(例えば、削る等)、その後、「3Dスキャンモード」により再度3次元形状データとすることができるため、義肢装具士等の有識者の従来の経験やノウハウに即した感覚的な修正を加えることもできる。しかもこの一連のプロセスにおいて、義肢ソケット形状データを同一又は略同一の座標系で一貫して取り扱うこともできる。
【0074】
以上の3つのモード、すなわち、「CAD修正モード」、「仮出力モード」、及び「3Dスキャンモード」が、義肢ソケット形状が断端に適合する又は適合すると判断されるまで行われる(S1042NO)。その後、一連の処理が完了すると(S1042YES)、試作処理は終了すると共に、最終的な義肢ソケット形状データとして定義される。
【0075】
図3を参照しつつ、
図2の試作処理(S103)完了後の動作例について説明する。同図から明らかな通り、試作処理完了後の修正済の義肢ソケット形状データは、情報処理装置11からサーバ装置52へと送信される(S104)。なお、このとき、試作処理工程において予測演算結果に対して何らの修正も行われなかった場合には、情報処理装置11からサーバ装置52へと修正が行われなかったことを示す信号が送信される。
【0076】
このサーバ装置52への送信の後、3次元プリント装置13を用いて本出力を行うことを可能とする処理が行われる(S105)。なお、この本出力にあたっては、3次元プリント装置13は、例えば、十数時間以上の時間(例えば12時間~24時間)をかけて高精度3次元プリントを行ってもよい。
【0077】
このような構成によれば、修正が不要であった場合には、修正が行われなかったことを示す信号のみがサーバ装置52へと送られる。そのため、義肢ソケット形状データ等の比較的に大きな容量のデータを送る必要がなく、処理負荷を軽減することができる。
【0078】
一方、同図において、修正済の義肢ソケット形状データを受信するまで待機状態(S204NO)となっていたサーバ装置52は、情報処理装置11から修正済の義肢形状データを受信すると(S204YES)、まず、当該修正済の義肢形状データをその内部の記憶部又は記憶装置51へと保存する(S205)。その後、サーバ装置52は、保存(S203)されている予測演算結果と修正済の義肢ソケット形状データを読み出して、それらの間の対応関係を学習する機械学習処理を行う(S206)。この機械学習処理が完了すると、学習後のパラメータ(重み等)がサーバ装置52の記憶部又は記憶装置51へと保存され(S207)、処理は終了する。
【0079】
なお、サーバ装置52が、修正済の義肢ソケット形状データに代えて、修正が行われなかったことを示す信号を情報処理装置11から受信した場合(S204YES)、修正データの保存処理(S205)及び機械学習処理(S206、S207)を行わずに、処理を終了する。これは、予測処理の精度が十分であってこれ以上の機械学習が不要であると判断されるためである。なお、本実施形態では、機械学習を行わない構成としているが、予測精度の良好なデータを出力するのに用いられたパラメータを強化する目的で、敢えて修正が不要であったデータも用いて機械学習を行ってもよい。
【0080】
図5は、機械学習処理の一例、特に人工ニューラルネットワークを用いて機械学習処理を行う場合の概念図である。本実施形態において用いられる人工ニューラルネットワークは、入力層と、複数の中間層と、出力層を有する多層の人工ニューラルネットワークであり、同図中央において示されるように、ニューロンに相当するノードと、ニューロン間の伝達を行うシナプスに相当しノード間をつなぐ重み付きリンク(重み)と、から構成されている。このような人工ニューラルネットワークによれば、入力に相当するデータセットと教師に相当するデータセットに基づいて、重みに相当する数値を初めとするパラメータが更新され(教師あり学習)、様々な入出力の対応関係を学習することができる。なお、同図の例にあっては、理解の容易化のためニューロン数等が簡略化して記載されていることに留意されたい。
【0081】
次に、本実施形態に係る人工ニューラルネットワークを用いた機械学習処理(S206)について説明する。機械学習処理は順方向演算処理と誤差逆伝播演算処理とから構成される。
【0082】
まず、順方向演算処理について説明する。順方向演算処理が開始すると、同図の左側の入力層に、断端部の3次元形状データ又はそれに相当するデータが入力される。本実施形態においては断端部は膝下部である。当該入力が行われると各ノード間の重みを介して各ニューロンの発火値が計算され、図の左方向から右方向への順方向の伝播処理が行われる。なお、この際、各ニューロンの伝達関数として、例えば、ランプ関数(ReLU)やシグモイド関数等を採用することができる。続いて、順方向の伝播処理が同図右側の出力層まで至ると、出力層には、予測演算結果に相当する義肢の一部(ソケット)の3次元形状データが表現される。このようにして断端部の3次元形状データ又はそれに相当するデータから、予測器(学習器)を介して義肢の一部(ソケット)の3次元形状データが出力されることとなる。
【0083】
次に、誤差逆伝播演算処理が開始すると、まず、上述の順方向演算が行われた後、予測演算結果に相当する義肢ソケットの3次元形状データと、情報処理装置11から受信した教師データに相当する修正済の義肢ソケット形状データとの間の誤差を算出する処理が行われる。この処理で算出された誤差は、誤差逆伝播法を用いて再度入力層へと向けて伝播され、この逆伝播された各誤差量に基づいて、重みに相当する数値を初めとする各パラメータが更新又は修正される。このような一連の処理を種々の多数の入力データと教師データの対について行うことで、学習器は、各修正済のデータの背景にある義肢装具士等を初めとする形状データ修正者のノウハウを学習していき、その結果、学習器の予測精度は漸次的に向上していくこととなる。
【0084】
すなわち、このような構成によれば、機械学習技術を用いて、断端部の形状データに基づいて断端部に適合する義肢の一部(例えば義肢のソケット部)を生成することができる。これにより、義肢装具の高度なノウハウが無くとも断端に適合する義肢又はその一部(例えば、ソケット等)を生成することができると共に、その時間的、経済的負担も軽減されることとなる。
【0085】
また、修正等も加味した最終的な義肢ソケット形状データに基づいて機械学習を行うので、サンプル数の増大と共に機械学習器の予測精度をさらに向上させることができる。
【0086】
次に、
図7は、上述した義肢ソケット形状データ生成システム100の全体像を示す説明図である。同図を用いて、義肢形状データ生成システム100を用いて、義肢提供者が、義肢使用者へと義肢を提供するまでの過程の一例について説明する。
【0087】
同図から明らかな通り、まず、義肢提供者は、義肢使用者に対して問診を行い、問診後、3次元スキャン装置12を用いて義肢使用者の断端部の3次元形状をスキャンする。このスキャンの後、義肢提供者は、スキャンした断端部の3次元形状データをサーバ装置52へと送信する(S100、S101)。このスキャンした断端部の3次元形状データは、クラウド環境にあるサーバ装置52へとアップロードされて予測器(学習器)へと入力され、当該予測器(学習器)から義肢ソケットの3次元形状データが予測演算される(S200~S202)。予測演算結果たる義肢ソケットの3次元形状データは、義肢提供者の情報処理装置11へと送信され推薦(リコメンド)される(S203)。
【0088】
次に、予測演算結果たる義肢ソケットの3次元形状データは、情報処理装置11のディスプレイ等へと表示されると共に義肢提供者による修正の対象となる(S103)。この修正には、3次元CADを用いたデジタル的・定量的な修正や(S1032~S1034)、一旦3次元プリント装置13により仮出力を行った後(S1036~S1037)、仮出力したプリント体に物理的に修正を加え(例えば、削る等)、再度スキャンするアナログな修正(S1039~S1040)の両方を含むものである。これらの修正が一通り完了すると(S1042)、修正後の義肢ソケットの3次元義肢形状データは、サーバ装置52へと送信され再インポートされる(S104、S204~S205)。その後、修正後の義肢ソケットの3次元形状データは3次元プリント装置13にて本出力されると共に(S105)、他の部品とのアセンブリが行われ、義肢として義肢使用者へと提供される。
【0089】
一方、サーバ装置52における学習器、すなわち、人工ニューラルネットワークでは、義肢の断端部を入力とし、修正後の義肢ソケットの3次元形状データを教師データとして学習処理が行われる(S206~S207)。これにより、さらに学習器の予測精度を向上させることができる。
【0090】
<1.3 義肢ソケットの具体的な構成>
次に、
図8~
図10を参照しつつ、本実施形態において使用される義肢ソケット70の詳細な構成について説明する。
【0091】
図8は、3D仮出力処理(S1037)により仮出力された義肢ソケット70の説明図である。
図8(a)は義肢ソケット70の正面図、
図8(b)は義肢ソケット70の側面図、
図8(c)は義肢ソケット70の底面図、
図8(d)は義肢ソケット70の斜視図、
図8(e)は義肢ソケット70の断面図を表している。なお、いずれの面を正面、底面又は側面とするかは任意である。
【0092】
同図から明らかな通り、義肢ソケット70は、下肢断端部を収容する中空のソケット本体部71と、ソケット本体部71の先端(下端)に設けられた柱状連結部72とから形成されている。ソケット本体部71は、膝裏側にU字状の開口を有している。また、柱状連結部72は、中空の四角柱形状を有しており、底面には、内部空間74へとその頭部が収容される固定用ボルトを挿通するための孔部73が設けられている。なお、後述するように、柱状連結部72は、3Dスキャン(S1039)を行う際の姿勢検出に用いられる。
【0093】
義肢ソケット70は、熱可塑性樹脂により形成されている。そのため、ヒートガン等により加熱することで手で変形可能な程度に軟化する。これを利用して、断端部形状に適合するように自由に義肢ソケット70の形状を修正することができる。
【0094】
図9は、義肢ソケット70の3Dスキャンに関する説明図である。同図から明らかな通り、義肢ソケット70は、鉛直方向の軸周りに回転する棒状回転体80の先端に被せられ、義肢ソケット70全体が視野内に入るように所定距離離間した位置に固定された3次元スキャン装置13により全外周側面を検出される。その後、3次元スキャン装置13は、厚み相当分をオフセットすることにより義肢ソケット70の3次元形状データを生成する。このとき、柱状連結部72を検出することにより義肢ソケット70の姿勢を検出することができる。
【0095】
図10は、義肢ソケット70を装着した状態、すなわち、下肢断端部200を義肢ソケット70内へと収容した状態における断面図である。同図から明らかな通り、装着状態において下肢断端部200は、義肢ソケット70へと圧入されており、義肢ソケット70の内周面と接触している。このとき、下肢断端部200の接触部位によっては接触箇所が擦れてしまうことや適切に断端部を保持できないおそれ等があるため、接触位置や態様を調整するため形状修正が必要となる。
【0096】
また、同図から明らかな通り、下肢断端部200の最下端は、義肢ソケット70の内周側の最下端より距離Dだけ離間している。このように、下肢断端部200は、通常、最下部まで接触することはなく、従って、義肢ソケット70の下端部又はその近傍は、形状の修正が行われることがない。
【0097】
このような構成によれば、通常形状の修正が行われない先端部(下端部)又はその近傍へと柱状連結部72を設けられているので、安定して義肢ソケット70の座標系を特定することができる。すなわち、フィッティングに伴う義肢ソケット70の形状修正が通常行われない先端部を利用して、3次元姿勢や座標系の特定を行うことができる。
【0098】
また、3次元スキャン装置13を用いて回転する立体物の形状スキャンを行う場合、取得される形状データの解像度は粗いか又は不鮮明となることが多い。しかしながら、本実施形態に係る柱状連結部72は、断面四角形状であって角を有するので比較的容易に読み込みを行うことができる。また、アダプタ等へと差し込んで結合させる場合には、断面円形状の場合等に比して位置決めも容易となる。
【0099】
<1.4 義足の具体的な構成>
次に、
図11~
図13を参照しつつ、本実施形態において使用される義肢ソケット70を含む義足の詳細な構成について説明する。
【0100】
図11は、義足の分解斜視図であり、
図12は、義足の組立完成図である。同図から明らかな通り、義足は、上から、義肢ソケット70、カップリングアダプタ80、上部カップリング部品90、カップリング部品本体120、下部カップリング部品130、ソケットアダプタ140、クランプアダプタ150、パイプ160、クランプアダプタ170、及び足部180を順に位置合わせして連結することにより形成されている。
【0101】
カップリングアダプタ80は、断面円形状であり、上面中央に断面四角形状の孔部81を備えている。この孔部81へと義肢ソケット70の最下端の柱状連結部72を挿入することにより連結される。カップリングアダプタ80とカップリング部品本体120とは、カップリング部品本体120の所定の円周上に設けられた8つの孔部123と、カップリングアダプタ80の下面に設けられた所定の円周上の8つの孔部82(
図13を参照)とを位置合わせして、ボルト200(
図13を参照)で固定することにより連結される。
【0102】
上部カップリング部品90と、下部カップリング部品130とは、カップリング部品本体120を挟持するようにカップリング部品本体120の上下に配置され、下部カップリング部品130の下部にはソケットアダプタ140が配置される。これらの上部カップリング部品90、下部カップリング部品130及びソケットアダプタ140の四方に配置された孔部92、孔部132及び孔部142へと所定のボルト210を挿通することにより、カップリング部品本体120を挟持するように固定される。このとき、ボルト210は、カップリング部品本体120の四方に設けられた円形の調整孔122に挿通されている。すなわち、カップリング部品本体120の面に沿うように義肢ソケット70を平行移動できるように構成されている。
【0103】
ソケットアダプタ140の下面に設けられた突起部は、クランプアダプタ150の中央に設けられた孔部151へと挿入され、当該突起部は、クランプアダプタ140の上端部に設けられた4つの圧着ネジ152をそれぞれ締めることにより孔部151中に固定される。すなわち、各圧着ネジ152を調整することにより、義肢ソケット70の角度を調整することができる。
【0104】
クランプアダプタ150とパイプ160とは、クランプアダプタ150の下端の孔部へとパイプ160を嵌合することにより連結される。パイプ160とクランプアダプタ170とは、パイプ160の中心孔部をクランプアダプタ170の円形上端部へと嵌合することにより連結される。
【0105】
足部180は、足首周辺部に設けられた断面台形状の突起部181と、足先を模した本体部182とから成る。突起部181は、クランプアダプタ170の下部に設けられた孔部へと挿入され、クランプアダプタ170の下端部の周囲に設けられた4つの圧着ネジ172により固定される。すなわち、各圧着ネジ172を調整することにより、足首の角度を自在に変更することができる。
【0106】
図13は、義肢ソケット70の接続部の断面図である。同図から明らかな通り、義肢ソケット70は、カップリングアダプタ80の孔部81へと挿入され、ボルト190とナット191を利用してカップリングアダプタ80へと固定される。また、上部カップリング部品90、下部カップリング部品130及びソケットアダプタ140の四方に配置された孔部92、孔部132及び孔部142へと所定のボルト210を挿通することにより、上部カップリング部品90、及び、下部カップリング部品130は、カップリング部品本体120を挟持するように固定される。さらに、カップリングアダプタ80とカップリング部品本体120とは、カップリング部品本体120の所定の円周上に設けられた8つの孔部123と、カップリングアダプタ80の下面に設けられた所定の円周上の8つの孔部82とを位置合わせして、ボルト200で固定することにより連結される。
【0107】
<2.第2の実施形態>
次に、
図16~
図21を参照しつつ、第2の実施形態について説明する。第1の実施形態においては、フィッティングの際に通常形状修正が想定されない義肢ソケットの一部に、3次元スキャンを行った場合の座標系の基準となる基準表示を設けていた。これに対して、本実施形態では、義肢ソケットの特徴的形状部分又はその特徴的形状部分に設けられた特徴点若しくは領域を基準表示とする構成について説明する。なお、以下では、第1の実施形態と同一又は略同一の構成については、同一の符号を付している点に留意されたい。
【0108】
<2.1 システムの構成>
義肢形状データ生成システム100の構成は、
図1に示した構成と同一であるので説明は省略する。
【0109】
<2.2 システムの動作>
図16は、第2の実施形態に係るシステムの動作例を示す説明図(その1)である。同図から明らかな通り、処理が開始すると、第1の実施形態と同様に、情報処理装置11は、3次元スキャン装置12を用いて人体の断端部をスキャンすることにより生成された3Dスキャンデータを取得する処理を行う(S106)。断端部の3Dスキャンデータの取得処理完了後、3Dスキャンデータについて特徴点の設定処理が行われる(S107)。
【0110】
図17は、特徴点の設定処理(S107)において付与される特徴点に関する説明図である。同図から、明らかな通り、各特徴点は、膝下から断端にかけて足の断端部250が典型的に有する凹凸箇所に設けられた特徴点であり、具体的には、膝蓋靭帯内側端特徴点251、膝蓋靭帯外側端特徴点252、脛骨粗面特徴点253、脛骨外側顆前面突起特徴点254、腓骨頭頂特徴点255、脛骨遠位端特徴点256、腓骨遠位端特徴点257の7つの特徴点が設定される。
【0111】
7つの特徴点は、例えば、以下の手順で設定される。まず、MPTレベル(ミッドポイントレベル)258が、3次元形状データを解析することにより特定される。具体的には、膝の中央上部に位置する凸部である膝蓋骨と、脛の中央に位置する凸部である膝骨をまず形状解析により特定し、当該膝蓋骨の最下端と当該脛骨の中心上端との間を等分する水平線として特定される。
【0112】
膝蓋靭帯内側端特徴点251及び膝蓋靭帯外側端特徴点252は、MPTレベル258に相当する水平線上であって、膝中央の所定幅の凹部領域の内側端部と外側端部としてそれぞれ設定される。
【0113】
脛骨粗面特徴点253は、MPTレベル258の直下であって脛骨中央上部に位置するコブ状突起を検出することにより設定される。
【0114】
脛骨外側顆前面突起特徴点254は、脛骨粗面特徴点253より外側であって近位(上側)方向のコブ状突起部を検出することにより設定される。
【0115】
腓骨頭頂特徴点255は、膝の外側であってMPTレベルより遠位(下側)にある最突出部を検出することにより設定される。
【0116】
脛骨遠位端256は、断端部を側面から見た場合に、断端部の前面に接する垂直な第1の仮想面と、断端部の最下端に接する水平な第2の仮想面とが交差する線分を原点として、水平面に対して45度を為すよう断面方向へと延びる面が、断端部と持つ交点を検出することにより設定される。
【0117】
腓骨遠位端257は、膝の外側であって腓骨頭頂点よりさらに遠位(下側)にある突出部を検出することにより設定される。
【0118】
なお、本実施形態においては、単に読み込まれた義肢ソケットの形状解析を行うことにより、特徴点を設定する構成としたが、このような構成に限定されない。従って、例えば、義肢ソケットの形状解析を行って各特徴点のガイド情報を提示した後、GUI等を介してユーザに各特徴点等を再設定させてもよい。また、初めからユーザに特徴点を手動で決定させるよう構成してもよい。
【0119】
図16に戻り、特徴点の設定処理(S107)が完了すると、3Dスキャンデータと特徴点に関する情報をサーバシステム50へと送信する(S108)。送信後、情報処理装置11は、後述の予測演算結果を受信するまで待機する(S102NO)。
【0120】
処理の開始後、3Dスキャンデータ及び特徴点情報をデータとして受信するまで待機状態(S200NO)にあったサーバ装置52は、それらのデータを受信すると(S200YES)、第1の実施形態と同様に、データの保存(S201)、学習済モデルに基づく予測演算処理(S202)、及び予測演算結果の保存と送信処理を行う(S203)。
【0121】
情報処理装置11が、サーバ装置52から予測演算結果を受信すると(S102YES)、予測演算結果に対応する義肢ソケット形状データの試作処理が行われる(S103)。
【0122】
図19は、試作処理(S103)の詳細フローについて示した図である。同図から明らかな通り、試作処理(S103)は、第1の実施形態と同様に、「CAD修正モード」、「仮出力モード」及び「3Dスキャンモード」を有しており、このうち、「CAD修正モード」及び「仮出力モード」においては、第1の実施形態と同様の動作が行われる。また、これらの処理は処理完了指令が行われるまで行われる(S1042)。
【0123】
モード選択処理(S1031)の結果、「3Dスキャンモード」が選択されると、3次元出力された義肢ソケット又は3次元出力された後形状修正がなされた義肢ソケットを3Dスキャンによりデータとして取り込む処理が行われる(S31)。
【0124】
図20は、3Dスキャン処理(S31)に関する詳細フローチャートである。同図から明らかな通り、処理が開始すると、3Dスキャンデータの取得処理が行われる(S311)。3Dスキャンデータの取得は、第1の実施形態と同様に3Dスキャン装置13を用いて行われる。
【0125】
3Dスキャンデータの取得処理が完了すると、次に取得された3Dスキャンデータに対してガイド特徴点を設定する処理が行われる(S312)。ガイド特徴点は、3Dスキャンデータ状の義肢ソケット300の形状を解析することにより行われる。
【0126】
図21は、義肢ソケット300の3Dスキャンデータに対して設定されたガイド特徴点に関する説明図である。同図から明らかな通り、本実施形態において、各ガイド特徴点は、膝下から断端にかけての足の断端部が典型的に有する凹凸箇所に対応するよう義肢ソケットに設けられた特徴点であり、具体的には、膝蓋靭帯内側端ガイド特徴点301、膝蓋靭帯外側端ガイド特徴点302、脛骨粗面ガイド特徴点303、脛骨外側顆前面突起ガイド特徴点304、腓骨頭頂ガイド特徴点305、脛骨遠位端ガイド特徴点306、腓骨遠位端ガイド特徴点307の7つのガイド特徴点が設定される。
【0127】
なお、膝蓋靭帯内側端ガイド特徴点301及び膝蓋靭帯外側端ガイド特徴点302は、膝蓋骨靭帯に対応する膝蓋骨靭帯に対応する凹部上に設けられており、脛骨粗面ガイド特徴点303、脛骨外側顆前面突起ガイド特徴点304、及び脛骨遠位端ガイド特徴点306は脛骨に対応する凸部上に設けられており、腓骨頭頂ガイド特徴点305及び腓骨遠位端ガイド特徴点は、307腓骨に対応する凸部上に設けられている。膝蓋骨靭帯に対応する凹部、脛骨に対応する凸部、及び、腓骨に対応する凸部は、いずれも義肢ソケットの作成の際に典型的に設けられる。
【0128】
なお、膝蓋靭帯内側端ガイド特徴点301及び膝蓋靭帯外側端ガイド特徴点302は、MPTレベル308上であって所定幅の凹部中に存在する。脛骨粗面ガイド特徴点303、脛骨外側顆前面突起ガイド特徴点304及び脛骨遠位端ガイド特徴点306は、脛の前面側に設けられた凸部上に存在する。腓骨頭頂ガイド特徴点305は、膝の外側の凸部上に存在する。腓骨遠位端ガイド特徴点307は腓骨に対応する凸部上に存在する。
【0129】
また、各ガイド特徴点は、3Dスキャンデータ上の義肢ソケットの形状解析を行うことにより設定され、その検出、設定手順は
図17と略同一である。
【0130】
各ガイド特徴点の設定処理が完了すると、特徴点の修正受付処理(S314)が行われる。修正受付処理(S314)においては、ユーザに対して、情報処理装置11と接続されたディスプレイ上に表示されたガイド特徴点の位置をマウス等の所定の入力装置を介して微調整させ、最終的な特徴点の位置を決定させることを許容する処理が行われる。
【0131】
その後、特徴点の位置に関する修正が完了すると(S316YES)、特徴点に基づいて座標系を設定する処理が行われる(S318)。すなわち、7つの特徴点を、基準となる特徴点(例えば、断端部形状データの特徴点など)と比較し、各特徴点間の差分の総和が最小となるように座標系を設定する。座標系設定後、処理は終了する。なお、本実施形態においては各特徴点の差分の総和を基準として座標系を設定することとしたが、他の公知の手法を用いて座標系を設定してもよい。また、一部の特徴点のみを利用して座標系を設定してもよい。
【0132】
図19に戻り、3Dスキャン処理(S31)が終了すると、3Dスキャンデータを座標系と共に記憶する処理が行われる(S32)。
【0133】
図16に戻り、試作処理(S103)が完了すると、
図18へと進み、第1の実施形態と同様に、修正データを送信する処理(S104)及び3D本出力処理(S105)が行われ、処理は終了する。
【0134】
一方、第1の実施形態と同様に、修正済の義肢ソケット形状データを受信するまで待機状態(S204NO)であったサーバ装置52は、データを受信すると(S204YES)、当該データを保存する処理を行う(S205)。その後、サーバ装置52は、適切な座標系上にある断端部形状と修正データとに基づいて機械学習処理を行う(S2060)。なお、本実施形態では3Dスキャン処理の際に座標系を付与する構成について説明したが、機械学習処理の前段において行ってもよい。
【0135】
機械学習処理が終了すると、重み等の学習後の新たなパラメータの保存処理が行われ(S207)、処理は終了する。
【0136】
このような構成によれば、義肢ソケットの形状調整と合わせて3Dスキャン用の基準表示を調整することができる。また、断端部の典型的な凹凸に対応する部分を利用するので、より確実に座標系を付与することができ、位置合わせ等がより正確となる。
【0137】
<3.変形例>
<3.1 義肢ソケットの変形例>
第1の実施形態においては、義肢ソケット70の先端部に柱状連結部72を設け、当該柱状連結部72を基準として義肢ソケット70の座標系を検出することとした。しかしながら、本発明はそのような構成に限定されない。例えば、義肢ソケットの外側面上に所定の2次元的基準表示を設けて、それにより、義肢ソケットの姿勢や座標系を取得するものとしてもよい。
【0138】
図14は、義肢ソケット70の表面に、3次元スキャンのための2次元的基準表示のうち、特に点表示(点状マーカ)を設けた場合の変形例(その1)である。
図14(a)と
図14(b)は、義肢ソケット701、702の外周側面上に、3Dスキャン装置13による義肢ソケット701、702の姿勢検出に利用されるマーカを設ける構成について示している。このマーカは、通常、義肢ソケット70のうち形状の修正が通常想定されない部位に配置されている。
図14(a)の場合には、形状の修正が通常想定されない義肢ソケット701の先端部に3つのマーカ7011が配置されている。一方、
図14(b)の場合には、形状の修正が通常想定されない義肢ソケット701の先端部と形状の修正が行われる可能性の低い義肢ソケットの正面上端部に合計3つのマーカ7021がそれぞれ配置されている。なお、これらのマーカは所定の着色による表示であってもよいし、所定の凸部又は凹部を設ける等の形状的表示であってもよい。ただし、着色による表示である場合には、撮像手段等の読み取り手段を別途設けても良い。
【0139】
すなわち、このような構成によれば、非形状修正対象部分に配置されたマーカを利用して、正確に義肢ソケット701、702の座標系を検出することができる。
【0140】
図14(c)は、義肢ソケット703の外周側面上に所定の幾何学模様、特に、格子模様を付した場合の義肢ソケット703の外観図である。同図においては、義肢ソケット703の外周側面の全体に渡って3Dスキャン装置13による義肢ソケット703の姿勢検出に利用される格子模様が付されている。そのため、義肢ソケット703の外周側面の一部が形状修正されて変形された場合でも、残された格子模様や格子模様全体を検出することで義肢ソケット703の姿勢を検出することができる。なお、この格子模様は所定の着色による表示であってもよいし、各線部を所定の凸部又は凹部により形成した形状的表示であってもよい。ただし、着色による表示である場合には、撮像手段等の読み取り手段を別途設けても良い。
【0141】
このような構成によれば、外周側面に配置された格子模様を手掛かりとして、義肢ソケット703の姿勢を検出することができる。
【0142】
なお、義肢ソケット703の表面上に設けられる幾何学的形状は、3次元の座標系の取得が可能であればよいので、格子模様に限定されず、例えば、直線的又は曲線的な他の幾何学的形状、市松模様等の他の種々の公知の模様を含むものである。
【0143】
また、第1の実施形態では、四角柱形状を有する柱状連結部72がソケット本体部71の下端の先端部に設けられる旨説明した。しかしながら、本発明はこのような構成に限定されない。
【0144】
図15は、義肢ソケット70の変形例(その2)である。
図15(a)は、柱状連結部721のソケット本体部71との連結領域7211に丸み(R部)を付加した変形例について説明する図である。このような構成によれば、柱状連結部721は、座標系検出の基準としての機能及びアダプタとの連結部としての機能を果たしつつも、その強度をさらに向上させることができ、より安全な義肢ソケット704を実現することができる。
【0145】
図15(b)は、柱状連結部722が円筒形である場合の変形例について説明する図である。このような構成によれば、柱状連結部721は、座標系検出の基準としての機能及びアダプタとの連結部としての機能を果たしつつも、旋盤型の3次元プリント装置を用いる場合に好適な義肢ソケット705を提供することができる。
【0146】
<3.2 その他の変形例>
上述の実施形態においては、機械学習は、義肢の断端部形状を入力とし、修正後の義肢ソケットの3次元義肢形状データを教師データとして行われていたものの、本発明はそのような構成に限定されない。従って、例えば、義肢ソケットといった義肢の一部ではなく、義肢全体を出力するような構成としてもよい。また、問診の際に前記義肢使用者の付随的情報、例えば、年齢、性別、体重、筋肉量、体脂肪、軟部組織の量、断端部の骨の位置、義足の場合であれば、内股/外股、前傾/後傾の等の特性を聞き出して、情報処理装置11へと入力してサーバ装置52へと送信し、それらの付随的情報と断端部形状を入力とし、修正後の義肢ソケットの3次元形状データを教師データとして学習処理を行っても良い。このような構成によれば、義肢の使用者に関する付随的な情報も含めて学習を行うので、より精度良く断端部に適合する義肢の一部又は全体の形状データを生成することができる。
【0147】
また、上述の実施形態においては、シンプルな人工ニューラルネットワークを用いているものの、本発明はそのような構成に限定されない。従って、漸次的に汎化機能を獲得する種々の機械学習アルゴリズム、例えば、サポートベクターマシン(SVM)等の他の機会学習アルゴリズムを利用してもよい。また、人工ニューラルネットワークを用いる場合でも、例えば全結合型のニューラルネットワークや、人工ニューラルネットワークの前段又は後段に畳み込みニューラルネットワーク(CNN)等を配置する構成としてもよい。また、データセット毎に逐次的に学習処理を行うのではなく、複数パターンを蓄積してからバッチ的に学習処理を行ってもよい。さらに、単なる多層構造ではなく、特に、中間層の層数が多い構造を用いて深層学習を行ってもよい。
【0148】
さらに、上述の実施形態においては、情報処理装置11とサーバ装置52との間において、断端部形状データ又は義肢形状データは3次元データとしてそのまま送受信されている。しかしながら、本発明はこのような構成に限定されない。従って、例えば、適切な情報圧縮処理を行ったり、或いはデータ構造を変換する等して情報量を削減して送受信を行っても良い。また、機械学習に適した形式としてから送受信を行ってもよい。
【0149】
加えて、上述の実施形態においては、各機器はローカルネットワーク10とサーバシステム50とに分かれて存在し、学習処理等はクラウド環境下にあるサーバシステム50側で行われることとしたが、ネットワーク構成は様々に変更可能であり、このような構成に限定されない。従って、例えば、3次元CAD機能の提供も含めて情報処理をサーバ側ネットワークにより行ってもよい。また、機械学習処理を含む本開示に係るすべての処理をローカルネットワーク10内部にて行ってもよいし、3次元スキャン装置12と3次元プリント装置13を別々のネットワーク内に配置してもよい。また、機械学習処理を含む本開示に係るすべての処理を同一の情報処理装置11内部にて行ってもよい。
【0150】
また、第2の実施形態においては、座標系設定の基準となる特徴点の設定を形状解析や人手で行っていた。しかしながら、本発明はこのような構成に限定されない。従って、例えば、断端部形状データと3Dスキャンデータを入力とし、所定の学習済モデルにより基準特徴点を出力してもよい。なお、この場合の教師データは、断端部形状データと義肢ソケットの3Dスキャンデータのそれぞれに対して人手により確からしい特徴点を設定することにより作成される。
【産業上の利用可能性】
【0151】
本発明は少なくとも義肢を製造等する産業にて利用可能である。
【符号の説明】
【0152】
10 ローカルネットワーク
11 情報処理装置
12 3次元スキャン装置
13 3次元プリント装置
30 インターネット
50 サーバシステム
51 記憶装置
52 サーバ装置
70 義肢ソケット
71 ソケット本体部
72 柱状連結部
73 孔部
100 義肢形状データ生成システム
250 断端部
300 義肢ソケット