(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】ゲームシステム、それに用いるコンピュータプログラム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/58 20140101AFI20240122BHJP
A63F 13/46 20140101ALI20240122BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20240122BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20240122BHJP
A63F 13/847 20140101ALI20240122BHJP
A63F 13/80 20140101ALI20240122BHJP
【FI】
A63F13/58
A63F13/46
A63F13/69
A63F13/53
A63F13/847
A63F13/80 Z
(21)【出願番号】P 2022524621
(86)(22)【出願日】2022-02-10
(86)【国際出願番号】 JP2022005301
(87)【国際公開番号】W WO2022176764
(87)【国際公開日】2022-08-25
【審査請求日】2022-12-21
(31)【優先権主張番号】P 2021022371
(32)【優先日】2021-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【氏名又は名称】山本 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100161090
【氏名又は名称】小田原 敬一
(72)【発明者】
【氏名】大津 慎次郎
(72)【発明者】
【氏名】山本 貴生
(72)【発明者】
【氏名】右寺 修
(72)【発明者】
【氏名】村上 雅明
【審査官】井上 香緒梨
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/085120(WO,A1)
【文献】特開2001-000742(JP,A)
【文献】特開2018-130405(JP,A)
【文献】アサシン クリード ブラザーフッド パーフェクトガイド,株式会社エンターブレイン,2011年02月09日,p.150-156,特に「2対6の非対称系アクション!オンライン対戦で相手チームを出し抜こ う!」参照。
【文献】むらさき,「対戦!こおり鬼」,アプリゲット [online],株式会社アプリゲット,2020年02月05日,https://appget.com/appli/view/74047,特に「2対6の非対称系アクション!オンライン対戦で相手チームを出し抜こ う!」参照。 特に「ゲームの流れ」参照。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F13/00-13/98
A63F9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のキャラクタをそれぞれ含む複数のグループに属する各キャラクタの共通の移動範囲として機能するゲームフィールドを表示する表示装置と、当該ゲームフィールドにおいて各キャラクタを動作させるためのプレイ行為を入力する入力装置と、に接続され、互いに異なる二種類の役割のうち各グループに割り当てられる役割を通じて前記複数のグループ間でグループ対戦を行う対戦型のゲームを提供するゲームシステムであって、
前記二種類の役割のうち一方の役割が割り当てられた各キャラクタとしての追跡キャラクタと他方の役割が割り当てられた各キャラクタとしての逃走キャラクタとの間で前記ゲームフィールドにおいてそれぞれ同時に実行される追跡行動、及び逃走行動を通じて、前記逃走行動に制限が設けられる異常状態に各逃走キャラクタの状態を変更する変更行動が各追跡キャラクタによって各逃走キャラクタに実行された場合に、当該変更行動が実行された逃走キャラクタを前記異常状態に変更する状態変更手段と、
前記他方の役割が割り当てられたグループに前記異常状態に対応する所定数以上の逃走キャラクタが生じた場合に当該グループと前記一方の役割が割り当てられたグループとの間で役割を入れ替える役割入替を、終了条件が満たされるまで繰り返し実行する役割入替手段と、
を備え
、
前記終了条件は、前記対戦型のゲームの開始から所定時間が経過した場合に満たされる、ゲームシステム。
【請求項2】
前記対戦型のゲームは、前記複数のキャラクタにそれぞれ対応する複数のユーザによってプレイされるように提供される、請求項1のゲームシステム。
【請求項3】
前記他方の役割を担う時間に応じて当該時間が長くなるほど増加するようにグループ毎に付与される得点に基づいて各グループの勝敗を判別する勝敗判別手段を備える、請求項1
又は2のゲームシステム。
【請求項4】
前記他方の役割が割り当てられたグループとしての他方のグループに特典が付与される特典状態と前記特典の付与されない通常状態との間で、当該通常状態における各逃走キャラクタによる占領行動に伴い前記特典状態に、前記特典状態における各追跡キャラクタによる解除行動に伴い前記通常状態に、それぞれ変化する複数のチェックポイントが形成されるように前記ゲームフィールドを提示するフィールド提示手段を備える、請求項
3のゲームシステム。
【請求項5】
前記特典として、前記特典状態のチェックポイントの数が増えるほど時間あたりの前記得点の増加率が上昇する上昇効果が各チェックポイントに設定される、請求項
4のゲームシステム。
【請求項6】
前記フィールド提示手段は、前記逃走行動、及び前記追跡行動の少なくともいずれか一方を補助する動作を実行するギミックオブジェクトが設けられるように、前記ゲームフィールドを提示する、請求項
4又は
5のゲームシステム。
【請求項7】
前記ギミックオブジェクトは、各キャラクタの跳躍を補助するジャンプオブジェクト、及び前記ゲームフィールド内において離れた二カ所間の瞬間移動を実現するワープオブジェクトの少なくともいずれか一方を含んでいる、請求項
6のゲームシステム。
【請求項8】
前記フィールド提示手段は、各キャラクタを定義するパラメータに有利な変化を付与するパラメータ変更オブジェクトが設けられるように、前記ゲームフィールドを提示する、請求項
4~
7のいずれか一項のゲームシステム。
【請求項9】
前記対戦型のゲームのプレイ状況に応じて各キャラクタが成長するように各キャラクタを定義するパラメータの値を変更するパラメータ変更手段を備える、請求項1~
8のいずれか一項のゲームシステム。
【請求項10】
前記異常状態に対応する逃走キャラクタに当該逃走キャラクタと同じグループに属する他の逃走キャラクタによって前記異常状態から前記逃走行動に制限のない通常状態に戻すための回復行動が実行された場合に、当該逃走キャラクタを前記通常状態に戻す状態回復手段を備える、請求項1~
9のいずれか一項のゲームシステム。
【請求項11】
前記役割入替手段は、前記役割入替に伴い前記他方の役割から前記一方の役割に変化するグループに属する全キャラクタが前記ゲームフィールドの所定の開始位置から前記追跡行動を開始するように、当該全キャラクタの位置を前記開始位置に移動させる、請求項1~
10のいずれか一項のゲームシステム。
【請求項12】
前記表示装置、及び前記入力装置に接続されるコンピュータを、請求項1~
11のいずれか一項のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたコンピュータプログラム。
【請求項13】
複数のキャラクタをそれぞれ含む複数のグループに属する各キャラクタの共通の移動範囲として機能するゲームフィールドを表示する表示装置と、当該ゲームフィールドにおいて各キャラクタを動作させるためのプレイ行為を入力する入力装置と、に接続され、互いに異なる二種類の役割のうち各グループに割り当てられる役割を通じて前記複数のグループ間でグループ対戦を行う対戦型のゲームを提供するゲームシステムに組み込まれるコンピュータに、
前記二種類の役割のうち一方の役割が割り当てられた各キャラクタとしての追跡キャラクタと他方の役割が割り当てられた各キャラクタとしての逃走キャラクタとの間で前記ゲームフィールドにおいてそれぞれ同時に実行される追跡行動、及び逃走行動を通じて、前記逃走行動に制限が設けられる異常状態に各逃走キャラクタの状態を変更する変更行動が各追跡キャラクタによって各逃走キャラクタに実行された場合に、当該変更行動が実行された逃走キャラクタを前記異常状態に変更する状態変更手順と、
前記他方の役割が割り当てられたグループに前記異常状態に対応する所定数以上の逃走キャラクタが生じた場合に当該グループと前記一方の役割が割り当てられたグループとの間で役割を入れ替える役割入替を、終了条件が満たされるまで繰り返し実行する役割入替手順と、
を実行させ
、
前記終了条件は、前記対戦型のゲームの開始から所定時間が経過した場合に満たされる、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のキャラクタをそれぞれ含む複数のグループに属する各キャラクタの共通の移動範囲として機能するゲームフィールドを表示する表示装置と、そのゲームフィールドにおいて各キャラクタを動作させるためのプレイ行為を入力する入力装置と、に接続され、互いに異なる二種類の役割のうち各グループに割り当てられる役割を通じて複数のグループ間でグループ対戦を行う対戦型のゲームを提供するゲームシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のキャラクタをそれぞれ含む複数のグループに属する各キャラクタの共通の移動範囲として機能するゲームフィールドを表示する表示装置と、そのゲームフィールドにおいて各キャラクタを動作させるためのプレイ行為を入力する入力装置と、に接続され、互いに異なる二種類の役割のうち各グループに割り当てられる役割を通じて複数のグループ間でグループ対戦を行う対戦型のゲームを提供するゲームシステムが存在する。例えば、このような対戦型のゲームとして、グループ(ギルド)間において対戦するカードゲームを提供するゲームシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のカードゲームでは各キャラクタは攻守の役割を担っている。しかし、このカードゲームは、各キャラクタがそれらの攻守の役割において逃走行動、及び追跡行動を同時に実行する構成ではない。一方で、同様の攻守の役割は野球ゲーム等のグループ対戦型のスポーツゲームにおいて用意される場合もある。例えば、野球ゲームでは、二つのチーム(グループ)が攻撃及び守備の役割を担い、それらは対戦中において何度も入れ替えられる。しかし、その入れ替わりの条件は攻撃側のアウトの数であり、各選手(キャラクタ)の状態の変化ではない。そもそも野球ゲームは各選手が対戦相手の選手の状態を変更するように行動する構成ではない。このため、このような行動をゲームにおける新しい興趣性として利用する余地がある。
【0005】
そこで、本発明は、新しい興趣性を有するゲームを提供するゲームシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲームシステムは、複数のキャラクタをそれぞれ含む複数のグループに属する各キャラクタの共通の移動範囲として機能するゲームフィールドを表示する表示装置と、当該ゲームフィールドにおいて各キャラクタを動作させるためのプレイ行為を入力する入力装置と、に接続され、互いに異なる二種類の役割のうち各グループに割り当てられる役割を通じて前記複数のグループ間でグループ対戦を行う対戦型のゲームを提供するゲームシステムであって、前記二種類の役割のうち一方の役割が割り当てられた各キャラクタとしての追跡キャラクタと他方の役割が割り当てられた各キャラクタとしての逃走キャラクタとの間で前記ゲームフィールドにおいてそれぞれ同時に実行される追跡行動、及び逃走行動を通じて、前記逃走行動に制限が設けられる異常状態に各逃走キャラクタの状態を変更する変更行動が各追跡キャラクタによって各逃走キャラクタに実行された場合に、当該変更行動が実行された逃走キャラクタを前記異常状態に変更する状態変更手段と、前記他方の役割が割り当てられたグループに前記異常状態に対応する所定数以上の逃走キャラクタが生じた場合に当該グループと前記一方の役割が割り当てられたグループとの間で役割を入れ替える役割入替を、終了条件が満たされるまで繰り返し実行する役割入替手段と、を備えるものである。
【0007】
一方、本発明のコンピュータプログラムは、前記入力手段、及び前記表示手段に接続されるコンピュータを、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【0008】
また、本発明の制御方法は、複数のキャラクタをそれぞれ含む複数のグループに属する各キャラクタの共通の移動範囲として機能するゲームフィールドを表示する表示装置と、当該ゲームフィールドにおいて各キャラクタを動作させるためのプレイ行為を入力する入力装置と、に接続され、互いに異なる二種類の役割のうち各グループに割り当てられる役割を通じて前記複数のグループ間でグループ対戦を行う対戦型のゲームを提供するゲームシステムに組み込まれるコンピュータに、前記二種類の役割のうち一方の役割が割り当てられた各キャラクタとしての追跡キャラクタと他方の役割が割り当てられた各キャラクタとしての逃走キャラクタとの間で前記ゲームフィールドにおいてそれぞれ同時に実行される追跡行動、及び逃走行動を通じて、前記逃走行動に制限が設けられる異常状態に各逃走キャラクタの状態を変更する変更行動が各追跡キャラクタによって各逃走キャラクタに実行された場合に、当該変更行動が実行された逃走キャラクタを前記異常状態に変更する状態変更手順と、前記他方の役割が割り当てられたグループに前記異常状態に対応する所定数以上の逃走キャラクタが生じた場合に当該グループと前記一方の役割が割り当てられたグループとの間で役割を入れ替える役割入替を、終了条件が満たされるまで繰り返し実行する役割入替手順と、を実行させる、ものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一形態に係るゲームシステムの概略構成を示す図。
【
図2】ゲームシステムの制御系の要部を示す機能ブロック図。
【
図5】
図4の例とは異なるプレイ状況を示す対戦画面の一例を模式的に示す図。
【
図6】
図4及び
図5の例と更に異なるプレイ状況を示す対戦画面の一例を模式的に示す図。
【
図8】割り当て処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図9】状態変更処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図10】状態回復処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図11】勝敗判定処理の手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一形態に係るゲームシステムの一例を説明する。まず、
図1を参照して、本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成を説明する。ゲームシステム1は、センターサーバ2と、センターサーバ2に所定のネットワーク5を介して接続可能なクライアント装置としての複数のゲーム機3とを含む。センターサーバ2は、複数のコンピュータ装置としてのサーバユニット2A、2B…が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ2が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
【0011】
ゲーム機3として、ゲームを提供する適宜のコンピュータ装置が利用されてよい。そのようなコンピュータ装置には、例えばユーザ端末装置も含まれる。ユーザ端末装置は、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供されるコンピュータ装置である。例えば、そのようなコンピュータ装置には、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ、据置型の家庭用ゲーム機、あるいは携帯電話(スマートフォンを含む)、携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置といったモバイル端末装置が含まれる。このような各種のコンピュータ装置が適宜にゲーム機3として利用されてよいが、
図1の例では商業用(業務用)のゲーム機がゲーム機3として利用されている。商業用のゲーム機は、ゲーム装置の一例であって、所定のプレイ料金の支払いと引き換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせるゲーム機である。この種のゲーム機3は、アーケードゲーム機と呼ばれることがあり、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として店舗6等の所定の施設に設置される。
【0012】
ゲーム機3は、逃走ゲームを提供する。逃走ゲームはユーザによるキャラクタの操作を介してプレイされるアクションゲームの一種である。逃走ゲームは、逃走、及び追跡の互いに異なる二種類の役割がそれぞれ割り当てられた、逃走キャラクタ、及び追跡キャラクタを含んでいる。逃走キャラクタは、二種類の役割のうち逃走の役割が割り当てられたキャラクタである。逃走キャラクタは、ゲーム内において逃走行動を通じて追跡キャラクタから逃走する(逃げる)役割を実行する。一方、追跡キャラクタは、二種類の役割のうち追跡の役割が割り当てられたキャラクタである。追跡キャラクタは、ゲーム内において追跡行動を通じて逃走キャラクタを追跡する(追いかける)役割を実行する。このため、追跡キャラクタは追跡行動を、逃走キャラクタは逃走行動を、それぞれ同時に実行する。また、これらの追跡、及び逃走の役割は、入替条件が満たされた場合に入れ替えられる。つまり、入替条件の具備に伴い、互いの役割が入れ替えられ、逃走キャラクタは追跡キャラクタに、追跡キャラクタは逃走キャラクタに、それぞれ切り替わる。このような入替は、終了条件が満たされるまで繰り返し実行される。逃走ゲームの詳細は後述する。
【0013】
ネットワーク5は、センターサーバ2に対してゲーム機3を接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワーク5は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成される。典型的には、WANとしてのインターネット5Aと、センターサーバ2及びゲーム機3のそれぞれとインターネット5Aとを接続するLAN5B、5Cとがルータ5Dを介して接続されることにより構築される。なお、ゲーム機3と店舗6のルータ5Dとの間にローカルサーバが設置され、そのローカルサーバを介してゲーム機3がセンターサーバ2と通信可能に接続されてもよい。センターサーバ2のサーバユニット2A、2B…はLAN5Cに代えて、又は加えてWAN5Aにより、相互に接続される場合もある。
【0014】
センターサーバ2は、ゲーム機3又はそのユーザに対して各種のゲーム機用サービスを提供する。ゲーム機用サービスは、ネットワーク5を介して複数のユーザが逃走ゲームをプレイする際にユーザ同士をマッチングするマッチングサービスを含んでいる。このようなマッチングサービスを通じて各種のユーザが適宜にマッチングされてよく、例えば一緒に逃走ゲームをプレイする協力者がマッチングされても、逃走ゲームを通じて対戦する対戦者がマッチングされてもよい。つまり、逃走ゲームは、このようなマッチングサービスを通じて、協力型のゲーム、或いは対戦型のゲームとして提供される場合がある。
【0015】
なお、ゲーム機用サービスは、その他にもネットワーク5を介してゲーム機3のプログラム或いはデータを配信し、更新する配信サービス、ゲーム機3からユーザの識別情報を受け取って、そのユーザを認証するサービス、認証したユーザのプレイデータをゲーム機3から受け取って保存し、或いは保存するプレイデータをゲーム機3に提供するサービスを含んでいてもよい。さらに、ゲーム機用サービスは、ユーザから料金を徴収する課金サービス等を適宜に含んでいてもよい。
【0016】
次に、
図2を参照してゲームシステム1の制御系の要部を説明する。まず、センターサーバ2には、制御ユニット21、及び記憶手段としての記憶部22が設けられる。制御ユニット21は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
【0017】
記憶部22は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部22は、一の記憶ユニット上に全てのデータを保持するように構成されてもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶するように構成されてもよい。記憶部22には、ユーザに各種のサービスを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット21に実行させるコンピュータプログラムの一例として、サーバ用プログラムPG1が記録される。また、記憶部22には各種のサービスの提供に必要なサーバ用データSDも記録される。サーバ用データSDは、各種のサービスの提供に必要な各種のデータを含む。このようなデータは、例えば後述のゲームデータGDの一部、或いは全部等の逃走ゲーム用の各種のデータを適宜に含み得るが、
図2の例ではプレイデータPD、及びキャラクタデータCDが示されている。
【0018】
プレイデータPDは、各ユーザの過去のプレイ実績に関する情報が記述されたデータである。プレイデータPDは、例えば、前回までのプレイ結果(過去の実績)を次回以降に引き継ぐため、或いは各ユーザに固有の設定内容を引き継ぐために使用される。逃走ゲームの各キャラクタがプレイ状況に応じて成長する場合、過去の実績にはその成長分のパラメータの情報が含まれる。パラメータの値がプレイ状況に応じて変化する場合、成長後(変化後)のパラメータの値は適宜に管理されてよいが、一例としてこのように成長分(変化分)がプレイデータPDにおいて管理される。一方、キャラクタデータCDは、各キャラクタを定義するパラメータの情報が記述されたデータである。つまり、キャラクタデータCDによって各キャラクタのパラメータが管理される。このようなキャラクタデータCDは成長後のパラメータの情報を含んでいてもよいが、一例として初期値(変化前)に対応するパラメータの値を管理する。つまり、各キャラクタのパラメータが変化した場合、その変化後のパラメータはプレイデータPD(変化分)、及びキャラクタデータCD(初期値)との組合せにより再現される。
【0019】
また、制御ユニット21には、制御ユニット21のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのサーバ用プログラムPG1との組合せによって実現される各種の論理的装置が設けられる。制御ユニット21には、各種の論理的装置が適宜に設けられるが、
図2の例ではゲーム機サービス管理部24が示されている。ゲーム機サービス管理部24は、上述のゲーム機用サービスを提供するための処理を実行する論理的装置である。例えば、そのような処理には上述のマッチングサービスを実現するための周知な処理等が含まれる。なお、制御ユニット21には、キーボード等の入力装置、モニタ等の出力装置等が必要に応じて接続され得る。しかし、それらの図示は省略した。
【0020】
一方、ゲーム機3には、コンピュータとしての制御ユニット31と、記憶手段としての記憶部32とが設けられる。制御ユニット31は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の処理を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。制御ユニット31には、制御ユニット31のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのゲームプログラムPG2との組合せによって実現される各種の論理的装置が設けられるが、
図3の例ではマッチング部36、範囲設定部37、進行制御部38、及び評価部39が示されている。
【0021】
マッチング部36は、マッチングサービスを通じたマッチングに関連する各種の処理を実行する論理的装置である。例えば、逃走ゲームが対戦型のゲームとして提供される場合、逃走ゲームを通じて対戦する対戦者のマッチングに必要な処理を実行する。また、対戦(協力プレイも同様)は適宜の数のユーザによって実行されてよく、例えば複数のユーザをそれぞれ含む複数のグループ間において対戦するグループ対戦として実行されてもよい。この場合、マッチング部36が実行する処理には、グループ分け、及び各グループに属する複数のユーザを特定する処理が含まれる。
【0022】
範囲設定部37は、ゲーム内にゲームフィールドを用意するための各種の処理を実行する論理的装置である。ゲームフィールドは、各キャラクタの共通の移動範囲として機能する。つまり、範囲設定部37は、各キャラクタによる逃走行動、及び追跡行動が実行される範囲としてゲームフィールドを設定するための各種の処理を実行する。ゲームフィールドは適宜に設定されてよく、例えば逃走行動等を邪魔する各種の障害物、逃走行動等を補助するように動作する各種のギミックオブジェクト、或いは各種のアイテム等を適宜に含んでいてよい。このような障害物等をゲームフィールドが含む場合、範囲設定部37が実行する処理には、それらをゲームフィールドに設けるための処理も含まれる。具体的には、範囲設定部37は、このようなゲームフィールドを用意するための処理の一例として、割り当て処理を実行する。割り当て処理の手順の詳細は後述する。
【0023】
進行制御部38は、ゲームの進行を制御するための各種の処理を実行する論理的装置である。このような処理には、逃走行動、或いは追跡行動を実行させるように各キャラクタの動作を制御するための処理が含まれる。同様に、これらの逃走行動及び追跡行動に限らず、各キャラクタはゲーム内においてユーザのプレイ行為に応じて各種の行動を適宜に実行してよく、これらの各種の行動を実行させるための処理を進行制御部38は実行する。また、進行制御部38が実行する処理には、逃走キャラクタと追跡キャラクタとの間で役割を入れ替えるための処理が含まれる。これらの処理の一例として、進行制御部38は、状態変更処理、及び状態回復処理を実行する。状態変更処理、及び状態回復処理の手順の詳細は後述する。
【0024】
評価部39は、ユーザのプレイを評価するための各種の処理を実行する論理的装置である。逃走ゲームにおいてユーザのプレイは適宜に評価されてよく、例えば逃走行動、及び追跡行動の両方、或いは一方が適宜の手法により評価されてよく、評価部39はこれらの評価の対象、及び手法に応じた各種の処理を実行する。また、逃走ゲームが対戦型のゲームとしてプレイされる場合、その勝敗は適宜に判定されてよいが、評価部39はこのような判定を実現するための処理も実行する。このようにユーザのプレイは適宜に評価され、その評価結果に応じて勝敗も適宜に判定され得るが、一例として逃走行動、及び追跡行動のうち逃走行動のみが、逃走時間に応じて得点化されるように評価され、その獲得得点(スコア)の大小に応じて勝敗が判定される。このため、評価部39は、このような評価及び判定を実現するための処理を実行する。具体的には、このような処理の一例として、評価部39は勝敗判定処理を実行する。勝敗判定処理の手順の詳細は後述する。
【0025】
記憶部32は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部32には、上述したゲームプログラムPG2とともに、各種のデータが記録されるが、
図2の例ではゲームデータGDが示されている。ゲームデータGDは、ゲームプログラムPG2に従ってユーザに逃走ゲームをプレイさせるためデータである。ゲームデータGDは、例えば逃走ゲーム用の各種の画像を表示するための画像データ、各種のBGMを再生するためのBGMデータといった各種のデータを含んでいてよいが、
図2の例ではプレイデータPD、及びキャラクタデータCDが示されている。
【0026】
キャラクタデータCD等の各種ゲームデータGDは、適宜の手法により記憶部32に記憶されてよく、例えばゲーム機3にプレインストールされていてもよいし、各種の記録媒体を介して記憶部32に記憶されてもよい。このようにキャラクタデータCD等は適宜の手法により記憶部32に記憶され得るが、一例としてプレイデータPD、及びキャラクタデータCDは必要な部分を含むように配信サービスを通じてセンターサーバ2から提供される。
【0027】
また、ゲーム機3には、アーケードゲーム機に必要な各種の出力装置、及び入力装置が適宜に設けられ、制御ユニット31に接続され得るが、
図2の例では出力装置としてモニタMO、及びスピーカSPが接続されている。つまり、ゲーム機3に設けられる出力装置には、モニタMO、及びスピーカSPが含まれる。モニタMOは、逃走ゲームのための各種画像を含むゲーム画面を表示するための表示装置である。モニタMOは、制御ユニット31からの出力信号に従って逃走ゲームを提供するための各種のゲーム画面(画像)を表示する。また、スピーカSPは、各種音声を再生するための音声出力装置である。スピーカSPは、制御ユニット31からの出力信号に従って逃走ゲーム用のBGM等の各種音声を再生する。
【0028】
一方、制御ユニット31に接続される入力装置の一例として、
図2の例ではコントロールパネルCPが示されている。コントロールパネルCPは周知の入力装置である。ユーザのプレイ行為の入力(検出)は適宜に実現されてよいが、一例としてコントロールパネルCPにより実現される。つまり、コントロールパネルCPはゲームフィールドにおいて各キャラクタを動作(行動)させるためのプレイ行為を入力するように構成される。このような入力を実現するために、コントロールパネルCPには各種操作部が設けられる。各種操作部には、逃走行動、或いは追跡行動等をキャラクタに指示するための各種操作がプレイ行為として実行される。例えば、このような操作部には、各種目的に使用される押す操作が実行される押しボタンスイッチ、或いは各キャラクタの進行方向を指示するためのスティック等が適宜に含まれてよい。あるいは、コントロールパネルCPには、ユーザのタッチ操作(指で触れる操作)に対応した信号を出力するタッチパネルが設けられ、そのタッチパネルを介してユーザのプレイ行為としてタッチ操作が入力されてもよい。コントロールパネルCPは、これらの操作部への各種操作に応じた信号を制御ユニット31に出力する。なお、ゲーム機3には、その他にも業務用のゲーム装置が備える各種の入力装置及び出力装置が設けられ得る。例えば、このような入力装置には、所定の対価を徴収するための対価徴収装置が含まれる。しかし、これらの図示は省略した。
【0029】
次に、
図3~
図7を参照して、逃走ゲームの詳細について説明する。
図3は、逃走ゲームの概要を説明するための説明図である。逃走ゲームは適宜の数のユーザによってプレイされてよく、例えば一人のユーザによってプレイされてもよい。この場合、追跡、及び逃走の二つの役割は、例えば一人のユーザに対応する一体のユーザキャラクタ、及びコンピュータ制御の適宜の数のNPC(ノンプレイヤキャラクタ)によって分担されてよい。あるいは、二人のユーザによってプレイされてもよく、この場合二人のユーザにそれぞれ対応する二体のユーザキャラクタは同じ役割(追跡キャラクタP1同士、或いは逃走キャラクタP2同士といった味方同士)に割り当てられても、異なる役割に割り当てられてもよい。つまり、二人のユーザは協力者としてプレイしても対戦相手としてプレイしてもよい。このように逃走ゲームは適宜の数のユーザによって協力形式、或いは対戦形式といった各種の形式でプレイされてよいが、
図3の例は複数のユーザがそれぞれ属するグループ間で対戦するグループ対戦形式でプレイされる場合を示している。また、グループ対戦形式でプレイされる場合、適宜の数のグループによってプレイされてよいが、
図3の例は第1グループG1、及び第2グループG2の二組のグループによってプレイされる場合を示している。この例において、第1グループG1、及び第2グループG2が本発明の複数のグループとして機能する。また、これらのうち第2グループG2が本発明の他方のグループとして機能する。
【0030】
図3に示すように、二組のグループによるグループ対戦形式でプレイされる場合、逃走ゲームでは、グループ毎に追跡、或いは逃走の役割のいずれかが割り当てられる。つまり、追跡、或いは逃走の割り当てはグループ単位で実行される。また、各グループに割り当てられる役割はゲームの開始から終了まで入替条件が満たされる毎に繰り返し入れ替えられる。そして、各グループに属する各ユーザは、入れ替わり毎にキャラクタPを介して各グループに割り当てられた役割をプレイする。このように各グループの役割はゲームのプレイ中において入替条件の具備を契機に繰り返し入れ替えられるが、
図3の例では第1グループG1に追跡の役割が、第2グループG2に逃走の役割が、それぞれ割り当てられている。この例において、追跡及び逃走の役割が本発明の二種類の役割として機能する。また、これらの追跡及び逃走の役割うち追跡の役割が本発明の一方の役割として、逃走の役割が本発明の他方の役割として、それぞれ機能する。
【0031】
各グループに最初に割り当てられる役割は、ランダム、或いはユーザの選択といった各種の条件に基づいて適宜に決定されてよいが、一例としてミニゲームの結果に応じて決定される。つまり、各グループが追跡、及び逃走のいずれの役割を担うかはミニゲームを通じて決定される。このようなミニゲームとして、アクションゲーム、シミュレーションゲーム、シューティングゲーム、或いは音楽ゲームといった各種のゲームが適宜に提供されてよいが、一例としてゲームフィールドGFに多数用意される後述のチェックポイント(あるいは旗等のそれに代替される各種の要素)を所定時間内に多く触った方が勝ちというミニアクションゲームが提供される。
【0032】
各グループは適宜の数のキャラクタPによって構成されてよく、各グループを構成するキャラクタPの数はグループ間において相違していてもよいが、
図3の例では第1グループG1、及び第2グループG2のいずれも同数の三体のキャラクタPによって構成されている。これらの三体のキャラクタPはNPCを含んでいてもよいが、一例としていずれもユーザキャラクタとして構成される。このため、第1グループG1は三人のユーザにそれぞれ対応する三体の追跡キャラクタP1を含んでおり、第2グループG2は三人のユーザにそれぞれ対応する三体の逃走キャラクタP2を含んでいる。これらの追跡キャラクタP1、及び逃走キャラクタP2は、共通の行動範囲として設定されるゲームフィールドGFにいずれも配置される。
図3の例では説明の便宜のためグループ毎(あるいは役割毎)に左右に分けられるように各キャラクタPがゲームフィールドGFに配置されているが、ゲームフィールドGFへの各キャラクタPの配置は適宜に実現されてよい。そして、各ユーザは、ユーザキャラクタが追跡キャラクタP1に該当する場合には追跡行動を、逃走キャラクタP2に該当する場合には逃走行動を、そのゲームフィールドGFにて実行するように各キャラクタPの行動(動作)を制御(操作)する。
【0033】
追跡行動、及び逃走行動には各種の行動が適宜に含まれてよいが、例えば追跡行動には捕獲行動が含まれる。捕獲行動は、逃走キャラクタP2の状態を通常状態から異常状態に変更するための行動である。異常状態は逃走行動の少なくとも一部に制限が設けられる状態であり、通常状態はそのような制限なく逃走行動を実行可能な状態である。入替条件は適宜に満たされてよく、例えば所定時間経過毎に満たされてもよいが、一例として逃走が割り当てられたグループに所定数以上の異常状態の逃走キャラクタP2が生じた場合に満たされる。所定数として適宜の数が採用されてよく、例えば一つ(一体)、或いは二つ(二体)が採用されてもよいが、一例として三つ(三体)が採用される。つまり、入替条件は各グループの一部に異常状態が生じた場合に満たされてもよいが、一例として逃走の役割のグループ(以下、逃走グループと呼ぶ場合がる)に属する全逃走キャラクタP2が異常状態になった場合に満たされる。このため、第1グループG1の各追跡キャラクタP1による捕獲行動を通じて、第2グループG2の全逃走キャラクタP2が異常状態になった場合に、第1グループG1と第2グループG2との間で役割が入れ替えられ、続いて第2グループG2の各キャラクタP(追跡キャラクタ)によって第1グループG1の各キャラクタP(逃走キャラクタ)を追跡する追跡行動が開始される。
【0034】
一方、逃走ゲームでは、上述のように逃走キャラクタP2による逃走行動の時間に応じてその時間が長くなるほど増加するように得点が付与される。そして、その獲得得点の大小に応じて勝敗が判定される。このため、各ユーザには出来るだけ長く逃走キャラクタP2において逃走を継続するプレイが要求される。一例として、逃走ゲームは、このような流れで追跡、及び逃走の各役割がグループ単位で繰り返し入れ替えられるようにプレイされる。
【0035】
図4~
図7は、いずれも
図3と同様のグループによるグループ対戦が実行される場合にゲームのプレイのために使用されるゲーム画面の一例を模式的に示す図である。具体的には、
図4~
図6はいずれも対戦画面の一例を模式的に示している。対戦画面は、逃走ゲームがグループ対戦型のゲームとして提供される場合の対戦中にモニタMOに表示されるゲーム画面である。
図4に示すように、対戦画面50は、時間表示領域51、スコアゲージ52、マップ画像53、キャラクタ表示欄54、及びゲームフィールドGFを含んでいる。
【0036】
ゲームフィールドGFは、各キャラクタPの行動範囲として設定されるゲーム内の空間である。ゲームフィールドGFは適宜に構成されてよいが、一例として仮想三次元空間を演出するように構成される。具体的には、ゲームフィールドGFは、仮想三次元空間の任意の位置に適宜の撮影条件で設置された仮想カメラの撮影結果に対応するように構成される。このようなゲームフィールドGFは適宜の形状に形成されてよいが、
図4の例では略正方形状に形成されている。さらに、ゲームフィールドGFは同様の正方形をそれぞれ形成するように四等分に区分される。これらの各区分は適宜に識別されてよいが、一例として区分線SLにより区別され、異なる配色により識別される。これらの各区分は適宜に使用されてよいが、一例としてゲーム開始時の各キャラクタPの出現範囲として使用される。具体的には、各キャラクタPは、ゲームフィールドGFの適宜の位置に出現し、逃走等を開始してよいが、一例として同じグループに属する各キャラクタPが各区分に分散するように出現する。そして、各キャラクタPはその出現した各区分の位置から逃走等を開始する。
【0037】
また、ゲームフィールドGFには、各種の機能をそれぞれ有する各種のオブジェクトが適宜に配置される。
図4の例では、そのようなオブジェクトの一例として追跡キャラクタP1、各種の障害BI、中央ステージ55、アイテム56、及びチェックポイント57が示されている。追跡キャラクタP1は、各キャラクタPのうち追跡キャラクタP1に対応する画像(オブジェクト)である。追跡キャラクタP1はゲームフィールドGFにおいて適宜に表現されてよいが、
図4の例では逃走キャラクタP2との区別のために角が追加され、金棒を持つように表示される。また、各追跡キャラクタP1はグループ内の他の追跡キャラクタP1と識別するための適宜の情報を含んでいてよいが、
図4の例ではユーザ名称欄YNを含んでいる。ユーザ名称欄YNには他の追跡キャラクタP1と識別するために各ユーザの名称(“Cユーザ”)が表示される。
【0038】
障害BIは、追跡行動、或いは逃走行動といった各キャラクタPの行動の障害として機能するオブジェクトである。障害BIは追跡行動等を妨げる各種のオブジェクトを適宜に含んでいてよいが、
図4の例では壁オブジェクトBI1、柱オブジェクトBI2、及び丘オブジェクトBI3を含んでいる。これらはゲームフィールドGFにおいて追跡行動等を妨げる壁、柱、及び丘としてそれぞれ機能するオブジェクトである。
【0039】
壁オブジェクトBI1等の障害BIは追跡行動等の各種の行動を適宜に妨げてよい。例えば、壁オブジェクトBI1、及び柱オブジェクトBI2は、追跡行動及び逃走行動(いずれか一方のみでもよい)に走行、及びジャンプが含まれる場合にそれらの走行、及びジャンプのいずれか一つ(追跡行動等の一部)のみを妨げてもよい。このように壁オブジェクトBI1等は追跡行動等の全部、或いは一部を適宜に妨げてよいが、
図4の例では壁オブジェクトBI1、及び柱オブジェクトBI2は走行、及びジャンプの両方(追跡行動等がその他の行動を含む場合の一部であってもよい)を妨げるように構成される。つまり、壁オブジェクトBI1、及び柱オブジェクトBI2は、走ってもジャンプしても超えられない障害として機能する。同様に、丘オブジェクトBI3は、追跡行動等が走行、及びジャンプを含む場合において、坂の部分において速度を低下させるように走行を妨げる障害として機能する。
【0040】
中央ステージ55は役割の入替時に追跡キャラクタP1の逃走開始場所として機能するオブジェクトである。役割の入替時において各キャラクタPは適宜の場所から次の役割を開始してよく、例えば追跡キャラクタP1及び逃走キャラクタP2のいずれも入替時に位置していた場所から次の役割を開始してもよいが、一例として追跡キャラクタP1(入替前の逃走キャラクタP2)は中央ステージ55という所定の開始場所から、逃走キャラクタP2(入替前の追跡キャラクタP1)は入替時に位置していた場所から、それぞれ次の役割を開始する。より具体的には、中央ステージ55は、開始位置オブジェクト55Aを含み、入替に伴い追跡の役割を実行する追跡キャラクタP1(逃走の役割から追跡の役割に変化するグループに属する全追跡キャラクタP1)は入替時に位置していた場所からいずれもその開始位置オブジェクト55Aに転送され、そこから追跡行動を開始する。
【0041】
中央ステージ55は適宜の位置に配置されてよいが、一例としてゲームフィールドGFの中央に配置される。また、中央ステージ55は適宜の形状に形成されてよいが、
図4の例ではその中央に開始位置オブジェクト55Aが位置するように正方形に形成されている。さらに、中央ステージ55はゲームフィールドGFを形成する床(あるいは地面)よりも一段高く形成され、そこに登るための階段も有している。この場合、中央ステージ55は、階段以外の部分において走行及びジャンプを妨げ、階段部分では走行の速度を低下させる。結果として、中央ステージ55は障害BIの一種としても機能する。この例において開始位置オブジェクト55Aの位置が本発明の所定の開始位置として機能する。
【0042】
アイテム56は、各キャラクタPの行動等に各種の効果を付与するアイテムに対応するオブジェクトである。このような効果には追跡行動等の進行(プレイ)を有利にする効果だけでなく、プレイに不利益を与える効果が含まれていてよいが、一例としてアイテム56は各キャラクタを定義するパラメータを有利な変化を付与する。具体的には、各キャラクタPには各種のパラメータが適宜に設定されていてよいが、
図4の例ではアイテム56は獲得数に応じて走行時の移動速度を上昇させる効果を有するアイテムに対応している。つまり、アイテム56は、各キャラクタPの移動速度(パラメータの一例)を上昇させる効果を有する。また、この移動速度は、アイテム56の獲得数に応じて獲得数が多いほど速くなるように上昇する。この例においてアイテム56が本発明のパラメータ変更オブジェクトとして機能する。
【0043】
チェックポイント57は、各グループに対する特典付与の可否を判別するためのオブジェクトである。このような特典としてグループの勝利に貢献する各種の要素が採用されてよいが、一例として得点(スコア)に関連する効果が採用される。具体的には、上述のように得点は逃走時間に応じて付与されるが、チェックポイントはその逃走時間に応じて付与される得点を上昇させる上昇効果を特典として付与する。また、チェックポイント57は適宜に構成されてよいが、一例として占領状態と中立状態との間で状態が変化するように構成される。占領状態は、各グループのいずれかのグループによる占領を示す状態である。占領状態ではそこを占領するグループに特典が付与される。一方、中立状態は、いずれのグループによっても占領されていない中立を示す状態である。中立状態では特典は付与されない。つまり、中立状態のチェックポイント57はいずれのグループにも上昇効果は与えない。
【0044】
チェックポイント57の状態の変化は適宜に実現されてよいが、一例として占領行動、及び解除行動に応じて実現される。占領行動、及び解除行動は、チェックポイント57を占領状態、及び中立状態にそれぞれ変更するための行動である。これらの行動のいずれも追跡キャラクタP1、及び逃走キャラクタP2の両方に許容されてもよいが、一例として占領行動は逃走キャラクタP2のみに、解除行動は追跡キャラクタP1のみに許容される。また、このような占領行動、及び解除行動として各種の行動が適宜に採用されてよく、互いに異なる行動が採用されてもよいが、
図4の例ではいずれも同じ接触行動が採用される。このため、チェックポイント57は中立状態として表示開始され、逃走キャラクタP2の接触(接触行動)に伴い占領状態に変化する。一方、占領状態のチェックポイント57は追跡キャラクタP1の接触に伴い中立状態に戻る。この例において占領状態、及び中立状態が、本発明の特典状態、及び通常状態としてそれぞれ機能する。
【0045】
ゲームフィールドGFには上述のチェックポイント57が多数設けられる。そして、これらのチェックポイント57は、占領状態のチェックポイント57の数が増えるほど時間あたりの得点増加率が上昇するように上述の上昇効果を付与する。このため、逃走キャラクタP2は、多くのチェックポイント57を占領状態に変更するほど多くの得点を得ることができる。結果として、逃走キャラクタP2(ユーザ)には逃走中において出来るだけ多くのチェックポイント57を占領状態に変更するような行動が要求される。一方、追跡キャラクタP1(ユーザ)には、その反対に出来るだけ多くのチェックポイント57を占領状態から中立状態に回復させる行動が追跡中に要求される。
【0046】
ゲームフィールドGFにおいてチェックポイント57の状態、つまり占領状態、及び中立状態は適宜に表現されてよいが、一例として配色の相違(例えば中立状態は黄色、占領状態は他の色等)により表現される。また、占領状態は、そこを占領するグループに応じて機能が相違する。具体的には、得点は逃走キャラクタP2(逃走グループ)の逃走時間に応じて付与されるため、逃走グループによって占領される占領状態は上昇効果(特典)を発揮するが、追跡グループによって占領される占領状態は上昇効果を発揮しない。また、占領するグループの相違は、占領行動、或いは解除行動といったその占領状態のチェックポイント57に対して実行すべき行動の相違としても機能する。このため、占領状態は、そのような機能の相違を示すように占領するグループの相違により適宜に区別されてよく、一例として占領するグループの相違に応じた色(例えば役割にかかわらず自己のグループによる占領が青、他のグループによる占領が赤等)で表示される。
【0047】
時間表示領域51は時間を表示するための領域である。時間表示領域51には各種の時間が適宜に表示されてよく、例えばプレイ開始からの経過時間が表示されてもよいが、
図4の例ではプレイ可能な残り時間として“300”が表示されている。“300”の表示は300秒を示し、時間経過とともに減少する。つまり、時間表示領域51の残り時間はプレイの開始時に最大値を示し、プレイの開始とともにカウントダウン形式で減少する。終了条件は適宜に満たされてよく、例えば特定のアイテムを集めた場合等の各種のプレイ状況に基づいて満たされてもよいが、一例としてこのように残り時間がゼロになった場合、つまり所定時間が経過した場合に満たされる。このため、残り時間がゼロになるまで、各キャラクタPはゲームフィールドGFにおいて追跡行動、或いは逃走行動を継続的に繰り返し実行する。
【0048】
スコアゲージ52は、各グループが獲得した得点(スコア)をグループ毎に提示するための画像である。逃走ゲームにおいて得点は適宜に付与されてよいが、一例として上述のように逃走の役割において付与される。つまり、各グループには逃走キャラクタP2としてのプレイを通じて得点が付与される。また、得点は各種の手法を通じて適宜に付与されてよいが、一例として各逃走キャラクタP2には通常状態で逃走した時間に応じて得点が付与される。具体的には、通常状態で逃走した時間が長ければ長いほど多くなるように各逃走キャラクタP2に得点が付与される。また、占領状態のチェックポイント57が多いほど時間に応じた得点の上昇率が増加するように得点が付与される。そして、各逃走キャラクタP2に付与された得点の累計がグループの得点としてスコアゲージ52を通じて提示される。
【0049】
スコアゲージ52は獲得得点を提示するために適宜に構成されてよいが、
図4の例ではゲージ部52A、及び得点表示部52Bを含んでいる。ゲージ部52Aは、ゲージを通じて各グループの得点を提示するための部分である。ゲージ部52Aは適宜に構成されてよいが、
図4の例では各グループの得点量を示すバー状に形成されている。具体的には、ゲージ部52Aの左右両端は各グループに対応し、ゲージ部52Aでは得点量がグループ毎に異なる配色で表示される。各グループの配色は適宜でよいが、
図4の例では左側が第1グループG1(自己のグループ)に対応するようにドット柄で、右側が第2グループG2(対戦相手のグループ)に対応するように右斜線で、それぞれ示されている。また、そのような得点量(ドット柄、及び右斜線の配色)は適宜に増減してよいが、一例として得点量の大きい方が相手側のゲージに浸食するように増減する。ただし、
図4の例ではいずれも得点量が同じゼロであるため、中央で均衡している。一方、得点表示部52Bは、ゲージ部52Aが示す得点量を数値として表示する部分である。このため、得点表示部52Bは、第1グループG1の得点量を示す部分(
図4の例の左側“0000”)、及び第2グループG2の得点量を示す部分(
図4の例の右側“0000”)を更に含んでいる。
【0050】
マップ画像53は、ゲームフィールドGFの全体を把握するためのマップを示す画像である。マップ画像53はゲームフィールドGFの全体(あるいは一部でもよい)を把握可能なように適宜に構成されてよいが、
図4の例ではゲームフィールドGFを上方から俯瞰的に見た場合を示すように構成されている。また、マップ画像53はゲームフィールドGFの俯瞰図のみに対応していてもよいが、
図4の例ではゲームフィールドGFに配置される各種オブジェクトの位置を示す標識としてポイント標識53a、逃走者標識53b、及び追跡者標識53cを含んでいる。
【0051】
ポイント標識53a、逃走者標識53b、及び追跡者標識53cは、ゲームフィールドGFに配置される各種オブジェクトのうち各チェックポイント57、各逃走キャラクタP2、及び各追跡キャラクタP1の位置をそれぞれ示す標識である。このため、ポイント標識53a、逃走者標識53b、及び追跡者標識53cを通じて、ゲームフィールドGFにおける各チェックポイント57、各逃走キャラクタP2、及び各追跡キャラクタP1の位置がそれぞれ示される。
【0052】
また、これらのポイント標識53a、逃走者標識53b、及び追跡者標識53cは無条件にマップ画像53に表示されても各種の条件付きで表示されてもよいが、一例として追跡者標識53cのみ条件付きで表示される。具体的には、追跡者標識53cは、追跡キャラクタP1に対応するユーザであることを条件にそのユーザにのみ表示される。つまり、追跡者標識53cは追跡の役割を担うグループに属するユーザにのみ表示され、逃走の役割を担うグループのユーザには表示されない。
図4の例では、マップ画像53には逃走者標識53b、及び追跡者標識53cのいずれも表示されている。このため、このような対戦画面50は追跡を行う(追跡の役割を担う)ユーザに表示される。
【0053】
逃走者標識53b、及び追跡者標識53cは適宜に表示されてよいが、一例としてそれぞれの役割が認識されるように互いに異なる形態で表示される。具体的には、逃走者標識53b、及び追跡者標識53cは適宜に区別されてよいが、一例として赤、及び青といった異なる配色により区別される。さらに、追跡キャラクタP1、或いは逃走キャラクタP2が自己のキャラクタPである場合、自己のキャラクタPを示す識別標識53dが更に付加される。このような識別標識53dとして各種の標識が適宜に採用されてよいが、
図4の例では自己のキャラクタPに対応する追跡者標識53cに先端を向ける矢印が採用されている。
【0054】
キャラクタ表示欄54は、各キャラクタPに関する情報を表示する部分である。キャラクタ表示欄54は適宜に設けられてよく、例えば自己のキャラクタPに対応するキャラクタ表示欄54のみが設けられてもよいが、
図4の例では計六体のキャラクタPにそれぞれ対応する六つのキャラクタ表示欄54が設けられている。また、自己のキャラクタPに対応するキャラクタ表示欄54(以下、自己キャラクタ表示欄54Sと呼ぶ場合がある)は、他のキャラクタに対応するキャラクタ表示欄54と同様に形成されてもよいが、
図4の例では他のキャラクタ表示欄54と区別されるように他のキャラクタ表示欄54よりも大きく、多くの情報を含むように形成されている。
【0055】
具体的には、各キャラクタ表示欄54は各キャラクタPに関する各種の情報を適宜に含んでいてよいが、
図4の例では各キャラクタPに対応するユーザの名称の情報(“Aユーザ”等)を表示する名称領域CA1、及び各キャラクタPに対応する画像(
図4の例では頭部のみ)を表示する画像領域CA2を含んでいる。一方、自己キャラクタ表示欄54Sも名称領域CA1、及び画像領域CA2を含んでいるが、いずれも他のキャラクタ表示欄54と相違している。具体的には、画像領域CA2は、各キャラクタPの全身が表示されるように他よりも大きく形成される。また、名称領域CA1は、ユーザの名称の情報(“Cユーザ”)に加えて、プレイ中に自己に対応するキャラクタPが獲得したアイテム56の数(
図4の例の“1”)の情報を含んでいる。
【0056】
さらに、自己キャラクタ表示欄54Sはスキル情報領域SAを含んでいる。各キャラクタPにはスキルが設定されていなくてもよいが、一例としてゲームの進行に有利な効果を付与する各種のスキルが設定される。このような各種のスキルは、例えば走行速度やジャンプの跳躍力等の各キャラクタPの基本性能を向上させるスキル、或いは行動を妨げるための罠や障害物を設置したり、一定時間だけ無敵状態(異常状態にならない状態)を形成したり、姿を消したりするスキル等の特別な能力を各キャラクタPに追加するスキルといった各種のスキルを適宜に含んでいてよい。また、各キャラクタPには、これらのスキルの適宜の一部或いは全部が適宜に設定されてよく、全キャラクタPに同様のスキルが一律に設定されていてもよいが、一例として各キャラクタPに応じて相違するようにいずれか一つのスキルが各キャラクタPに設定される。
【0057】
スキル情報領域SAは、自己に対応するキャラクタPに設定されるスキルに関する情報を表示する領域である。スキル情報領域SAはスキルに関する各種の情報を適宜に表示するように構成されてよいが、
図4の例ではスキル名称部SA1を含むように構成される。スキル名称部SA1は、自己に対応するキャラクタPに設定されたスキルの名称を表示するための部分である。各キャラクタPには適宜のスキルが設定され得るが、
図4の例では障害物を設置するスキルを示す“障害物設置”の情報が表示されている。
【0058】
スキル名称部SA1には、更にスキル価値ゲージSA2が設けられる。スキル価値ゲージSA2は、自己に対応するキャラクタPが有するスキル価値の量を示すゲージである。スキル価値は、各スキルの効果を発揮可能か否か判別するための価値として機能する。また、スキルの効果を発揮させるために、スキル価値は適宜に使用されてよいが、一例として所定量の消費によりスキルが効果を発揮するように使用される。そして、このようなスキル価値は、適宜の条件で増加してよく、所定のアイテムの取得により増加してもよいが、一例として時間経過に伴い徐々に増加する。
【0059】
同様に、各スキルは適宜に発動されてよいが、一例としてスキル価値ゲージSA2が一杯になった場合、つまりスキル価値ゲージSA2がスキル価値の最大量を示す場合にスキルの発動が許可される。また、実際のスキルの発動は適宜に実行されてよく、スキル価値が最大量になった場合に無条件にスキルが発動されてもよいが、一例としてスキルを発動するための所定の操作に伴いスキルが実際に発動する。
【0060】
各キャラクタ表示欄54は、自己の属するグループと他のグループとが区別されるように表示される。このような区別は適宜に実現されてよいが、一例として左側の三つのキャラクタ表示欄54が自己の属するグループに、右側の三つのキャラクタ表示欄54が対戦相手のグループに、それぞれ対応するように表示される。つまり、各キャラクタ表示欄54は、左右の配置位置に応じてグループが認識されるように表示される。結果として、このような区別は役割の区別としても機能する。
【0061】
図5は、
図4の例とは異なるプレイ状況を示す対戦画面の一例を模式的に示す図である。
図5の例は、
図4の例と異なる場所で逃走キャラクタP2を追跡中の追跡キャラクタP1を示している。この場合、
図5に示すように、ゲームフィールドGFには逃走キャラクタP2、及び追跡キャラクタP1が表示される。また、
図5の例では、
図4の例と比べて、時間経過に伴い逃走の役割を担う第2グループG2の得点が増加している。具体的には、得点表示部52Bには第2グループG2の獲得した得点として“0125”の数字が表示され、その得点量を示すようにゲージ部52Aの右斜線の範囲が左端に向かって中央を越えて延びている。
【0062】
同様に、マップ画像53の逃走者標識53b、及び追跡者標識53cの位置も逃走キャラクタP2、及び追跡キャラクタP1の位置の変化に応じて変化するが、
図5の例では
図4の例に比べて逃走者標識53bの数が二つ減っている。逃走キャラクタP2が異常状態になった場合、その異常状態の逃走キャラクタP2は逃走者標識53b、或いは異常状態を示す標識としてマップ画像53に反映されてもよいが、一例としてそのような反映は省略される。つまり、異常状態の逃走キャラクタP2に対応する逃走者標識53bはマップ画像53から消える。このため、例えば三体の逃走キャラクタP2のうち二体が異常状態に変化した場合、それらの二体に対応する二つの逃走者標識53bはマップ画像53から消失し、残る一体の逃走キャラクタP2に対応する逃走者標識53bのみがマップ画像53に表示される。
図5の例では、このような変化(進行)がマップ画像53に反映されている。
【0063】
また、ゲームフィールドGFには、上述のように各種のオブジェクトが適宜に設けられてよく、壁オブジェクトBI1等の障害BIの他にも例えば逃走行動等を補助したり或いは邪魔したりするように動作する各種ギミックオブジェクトが設けられていてもよいが、
図5の例ではそのようなギミックオブジェクトの一例としてワープオブジェクトGO1が示されている。ワープオブジェクトGO1は、逃走行動等を補助するギミックオブジェクトの一種であり、ゲームフィールドGF内において離れた二カ所間の瞬間移動(ワープ)を実現するように動作する。このような動作は適宜の条件に基づいて実行されてよいが、一例としてキャラクタPがワープオブジェクトGO1の上に位置した場合に実行される。
【0064】
同様に、ワープオブジェクトGO1には適宜の制限が設けられていても設けられていなくてもよい。制限が設けられる場合、そのような制限の要件として時間、回数、或いは役割といった各種の要素が適宜に利用されてよい。例えば、制限の要件として役割が採用され、ワープオブジェクトGO1は逃走行動及び追跡行動のいずれか一方のみを補助するように動作してもよい。あるいは、制限の要件として回数が採用され、ワープオブジェクトGO1の利用(動作)は所定回数のみに制限されてもよい。このようにワープオブジェクトGO1には適宜の制限がもうけられてよいが、一例として時間を要件とする制限のみ設けられる。このため、ワープオブジェクトGO1は逃走行動及び追跡行動の両方を補助するように動作し、逃走キャラクタP2及び追跡キャラクタP1のいずれのキャラクタPが上に乗っても回数に制限なく動作するが、前回の動作から一定時間の間だけ動作は制限される。つまり、ワープオブジェクトGO1は一度動作すると次の動作を許容するまで一定時間を要する。
【0065】
また、壁オブジェクトBI1等の障害BIは適宜の形状を有していてよいが、
図5の例では切り欠き部NPを有する壁オブジェクトBI1が示されている。切り欠き部NPは、高さが低くなるように壁の上部から下方に向けて形成される切り欠き部分である。このため、切り欠き部NPにおいて壁オブジェクトBI1の高さは低下する。より具体的には、切り欠き部NPにおいて壁オブジェクトBI1の高さは各キャラクタPのジャンプによって到達する程度の高さに形成される。結果として、各キャラクタPはジャンプを通じてその切り欠き部NPの上にのることができ、更にその切り欠き部NPにおいてジャンプすることにより壁オブジェクトBI1の上に到達した場合には壁オブジェクトBI1の上の走行が許容される。
【0066】
なお、壁オブジェクトBI1は切り欠き部NPに限定されず、各種の形状を有していてよく、そのような形状には例えば穴を有する形状が含まれていてもよい。穴は、壁の一方側から他方側までつながるように形成される部分である。このため、各キャラクタPは穴を通じて壁オブジェクトBI1を通過し、その反対側に行くことができる。逃走行動、及び追跡行動は各種の行動を適宜に含んでいてよいが、このような穴が設けられる場合、そのような行動には穴を通過するための所定の行動が含まれてよい。具体的には、穴は壁オブジェクトBI1の適宜の位置に設けられてよいが、例えば穴が壁オブジェクトBI1の下側に設けられる場合、逃走行動等はそのような穴を追加するための所定の行動としてスライディングを含んでいてもよい。
【0067】
図6は、
図4及び
図5の例と更に異なるプレイ状況を示す対戦画面の一例を模式的に示す図である。
図6の例は、追跡キャラクタP1が逃走キャラクタP2に捕獲行動を実行した場合を示している。この場合、
図6に示すように、対戦画面50は逃走キャラクタP2、及び追跡キャラクタP1を含んでいるが、
図5の例と比べて逃走キャラクタP2は追跡キャラクタP1の捕獲行動に伴い異常状態に変化する。具体的には、このような異常状態はゲームフィールドGFにおいて適宜に表現されてよいが、
図6の例では逃走キャラクタP2の表示が半透明(
図6の例では破線)になり、倒れた姿勢を示すことにより表現されている。また、このような捕獲行動として逃走キャラクタP2にタッチする行動、或いは単に接触する行動等の適宜の行動が採用されてよいが、一例として金棒で逃走キャラクタP2を殴る行動が採用される。このため、逃走キャラクタP2の近く(金棒が届く範囲)における殴る行動を通じて追跡キャラクタP1が逃走キャラクタP2を倒した(金棒で実際に殴った)場合に、逃走キャラクタP2は通常状態から異常状態に変化する。この例において逃走キャラクタP2を金棒で実際に殴る行動(捕獲行動)が本発明の変更行動として機能する。
【0068】
異常状態では適宜の制限が生じてよく、例えば異常状態の逃走キャラクタP2は全ての行動が制限され、何もできなくてもよい。また、異常状態の逃走キャラクタP2は通常状態と区別可能な適宜の態様にてゲームフィールドGFに表示されてもよいし、表示されなくてもよい。つまり、異常状態の逃走キャラクタP2はゲームフィールドGFから消滅してもよい。あるいは、異常状態の逃走キャラクタP2はゲームフィールドGFの外に表示されてもよい。つまり、異常状態の逃走キャラクタP2はゲームフィールドGFから退去させられてもよい。この場合において異常状態の逃走キャラクタP2の行動は適宜に許容されてもよい。具体的には、ゲームフィールドGFの外において異常状態の逃走キャラクタP2は各チェックポイント57を占領したり追跡キャラクタP1から逃走したりする行動は当然できないが、例えば移動は許容されてもよい。つまり、異常状態の逃走キャラクタP2はゲームフィールドGFの外において移動してもよい。また、ゲームフィールドGFの外において異常状態の逃走キャラクタP2にはゲームフィールドGFへの干渉が許容されてもされなくてもよい。例えば、ゲームフィールドGFの外において異常状態の逃走キャラクタP2には、ゲームフィールドGFの外周部分に罠を設置したりそこを移動する追跡キャラクタP1の脚を引っかけたりする行動等の特有の行動、或いはスキルの発動等の一部能力を発揮する行動といった各種の追跡を邪魔する行動(換言すれば逃走を補助する行動)が許容されてもよい。
【0069】
上述のように、異常状態では逃走行動の全部、或いは一部に適宜の制限が生じてよく、例えば移動自体が制限され、その場から動けなくなってもよいが、一例として移動は許容される。この場合において異常状態の逃走キャラクタP2によるチェックポイント57の占領は制限されてもよいが、一例として占領も許容される。つまり、異常状態の逃走キャラクタP2も占領行動によりチェックポイント57を占領状態に変更することができる。ただし、異常状態の逃走キャラクタP2によって占領されたチェックポイント57は、通常状態の逃走キャラクタP2による占領に比べて得点の加算が減少する。このような減少は適宜に実現されてよいが、一例として異常状態による占領は、通常状態による占領の四分の一として実現される。また、異常状態の逃走キャラクタP2によって占領されたチェックポイント57がその後に通常状態の逃走キャラクタP2によって占領された場合、得点の減少はそのまま維持されてもよいが、一例としてその減少は解消され、通常の得点加算に戻る。つまり、異常状態による占領は通常状態による占領により上書きされる。このため、異常状態による占領を示す占領状態と通常状態による占領を示す占領状態とは配色の相違等を通じて更に区別可能に表現される。
【0070】
異常状態は回復不可能(一度異常状態になったら役割入替まで通常状態には戻れない)に設定されてもよいが、一例として回復可能に設定される。また、異常状態からの回復は適宜に実現されてよく、ランダム、或いは時間経過等に応じて実現されてもよいが、一例として回復行動により実現される。さらに、このような回復行動は、自己、或いは他のキャラクタPの適宜のキャラクタによって実行されてよいが、一例として同じ逃走グループに属する通常状態の他の逃走キャラクタP2によって実行される。つまり、異常状態の逃走キャラクタP2は他の逃走キャラクタP2による回復行動により通常状態に戻る。
【0071】
回復行動として他の逃走キャラクタP2による適宜の行動が機能してよいが、一例として異常状態の逃走キャラクタP2の近くに所定時間とどまる行動が採用される。また、このようなとどまる行動は各ユーザの適宜のプレイ行為によって実現されてよいが、一例として押す操作が入力される所定の操作部を押し続ける操作(プレイ行為)によって実現される。つまり、他の逃走キャラクタP2(通常状態)に対応するユーザが、異常状態の逃走キャラクタP2の近くで所定の操作部を所定時間押し続けた場合にその異常状態の逃走キャラクタP2は通常状態に戻る。異常状態の逃走キャラクタP2には制限(例えばチェックポイント57を占領した場合の得点加算の減少)が設けられ、かつ入替条件にも関連する。このため、グループの勝利を考慮すると、各ユーザには非常状態の逃走キャラクタP2を通常状態に戻すプレイも要求される。
【0072】
また、ゲームフィールドGFにはワープオブジェクトGO1の他にも各種のギミックオブジェクトが設けられ得るが、このようなギミックオブジェクトの他の例として
図6の例ではジャンプオブジェクトGO2が示されている。ジャンプオブジェクトGO2は、逃走行動等を補助するギミックオブジェクトの一種であり、各キャラクタPのジャンプ(跳躍)を補助するように動作する。このような動作は適宜の条件に基づいて実行されてよく、例えばジャンプオブジェクトGO2の上でジャンプが実行された場合に動作してもよいが、一例としてそのようなジャンプ行動の有無にかかわらず、各キャラクタPがジャンプオブジェクトGO2の上に位置した場合に実行される。つまり、ジャンプオブジェクトGO2は、その上に位置するキャラクタPを所定方向(一例として進行方向)に所定の高さ(一例としてキャラクタPによる通常のジャンプよりも高い高さ)までジャンプさせるように動作する。
【0073】
ジャンプオブジェクトGO2には適宜の制限が設けられていても設けられていなくてもよい。制限が設けられる場合、そのような制限の要件として時間、回数、或いは役割といった各種の要素が適宜に利用されてよい。このようにジャンプオブジェクトGO2にはワープオブジェクトGO1と同様に適宜の制限が設けられてよいが、一例として時間を要件とする制限のみ設けられる。このため、ジャンプオブジェクトGO2もワープオブジェクトGO1と同様に逃走行動及び追跡行動の両方を補助するように動作し、逃走キャラクタP2及び追跡キャラクタP1のいずれのキャラクタPが上に乗っても回数に制限なく動作するが、前回の動作から一定時間の動作は制限される。
【0074】
さらに、
図6の例では、得点表示部52Bに獲得した得点を示す数値の代わりに、その数値を隠す“????”が表示されている。同様に、ゲージ部52Aも、いずれのグループも半分以下に対応するように得点量を表示している。つまり、ゲージ部52Aも、得点表示部52Bの数値を隠す表示に対応するようにグループ間の得点の大小を曖昧に表示している。スコアゲージ52は経過時間に関係なく各グループの獲得得点を示すように表示されてもよいが、一例として残り時間が一定時間(例えば60秒)を切った場合に勝敗を曖昧にするために各グループの獲得得点を隠すような表示に変化する。
【0075】
また、逃走ゲームには上述の要素の他にも各種のボーナス要素が設けられ得るが、一例としてそれらのうちのフィーバータイムついて説明する。フィーバータイムは、一定時間だけ逃走時間に応じて付与される得点を上昇させるボーナス(特典)である。フィーバータイムは各種の条件に基づいて適宜に付与されてよいが、一例としてグループ単位で一度だけ特定のプレイ行為が実行された場合に付与される。また、特定のプレイ行為として適宜の行為が採用されてよいが、一例としてフィーバータイム用に設けられる特別の押しボタンを押す操作が採用される。つまり、各グループのいずれかのユーザによって特別のボタンが押された場合に対戦中に一度だけフィーバータイムがそのユーザの属するグループに付与される。
【0076】
フィーバータイムにおける得点の上昇率は適宜でよく、各種条件にかかわらず一律でも可変的であってもよいが、一例として可変的に設定される。また、このような各種条件としてランダム、或いは特定のアイテムの消費等の各種プレイ状況等が適宜に採用されてよいが、一例としてスコアの大小、つまり特別のボタンが押された際の勝ち負けが採用される。より具体的には、フィーバータイムにより逆転のチャンスが設けられるように、フィーバータイムでは負けている場合に勝っている場合よりも大きな上昇率が付与される。このような上昇率は適宜であってよいが、一例として勝っている場合に二倍、負けている場合に三倍に設定される。このため、各グループにはフィーバータイムの利用時期に関する戦略性が要求される。
【0077】
図7は、リザルト画面の一例を模式的に示す図である。リザルト画面は、対戦画面50を通じた対戦の結果を表示するためのゲーム画面である。リザルト画面は適宜の時期に表示されてよいが、一例として逃走行動等の終了に伴い表示される。このため、上述のように所定時間が経過した(終了条件が満たされた)場合に逃走ゲームにおける逃走行動等が終了するときには、一例としてこのような所定時間の経過に伴い表示される。
【0078】
図7に示すように、リザルト画面60は、詳細データ、及び獲得した称号の情報を含んでいる。獲得した称号は、ゲーム内に用意される各種の称号のうちユーザが獲得した称号である。このような称号として、例えば逃走時間が所定の時間を超えた場合に付与される逃走王、或いは異常状態の逃走キャラクタP2を通常状態に所定数以上戻した場合に付与される治癒王といったゲームに含まれる各種要素に応じた適宜の称号が用意されてよい。一方、詳細データは、各キャラクタPに関する各種情報を含む詳細を示すデータである。詳細データは、各種情報を適宜に含み得るが、
図7の例では経験値、スコア、倒した人数、チェックポイント獲得数、やられた回数、治療回数、逃走時間、及びチェックポイントリセット数の情報を含んでいる。
【0079】
倒した人数は、追跡キャラクタP1(追跡の役割)において捕獲した(異常状態に変更した)逃走キャラクタP2の人数を示す情報である。チェックポイント獲得数は、占領状態にしたチェックポイント57の数である。占領状態の数は適宜の条件でカウントされてよく、例えば終了時の数であってもよいが、一例として占領状態の延べ数(その後に中立状態に戻されたか否かは不問)である。やられた回数は逃走キャラクタP2のときに捕獲された(異常状態に変更された)回数である。治療回数は、回復行動により異常状態の逃走キャラクタP2を通常状態に戻した回数である。逃走時間は、逃走キャラクタP2として逃走した時間である。チェックポイントリセット数は、占領状態のチェックポイント57を中立状態に戻した数である。
【0080】
また、スコアは今回のプレイにおいて獲得した得点(スコア)を示す情報である。獲得した得点はグループが獲得した得点であってもよいが、一例として個人が獲得した得点である。一方、経験値は今回プレイにてキャラクタに付与された経験値を示す情報である。経験値にはこれまでの対戦を通じて累積的に獲得した経験値が表示されてもよいが、一例として今回のプレイにて獲得した経験値が表示される。また、経験値は適宜の基準で付与されてよいが、一例として上述のスコア、倒した人数、チェックポイント獲得数、やられた回数、治療回数、逃走時間、及びチェックポイントリセット数といった要素に基づく所定の規則に従って算出される。逃走ゲームでは各種の要素が適宜に評価されてよく、リザルト画面60はそれらの要素等を表示するように適宜に構成されてよいが、一例としてこれらの情報を表示するように構成される。また、リザルト画面60は、例えばその他にも勝利、或いは敗北といった勝敗結果に関する各種の情報を含んでいてもよい。
【0081】
次に、
図8~
図11を参照して、割り当て処理、状態変更処理、状態回復処理、及び勝敗判定処理について説明する。割り当て処理はプレイ開始時の役割を各グループに割り当てるための処理である。割り当て処理は役割の割り当てのみを実行するように構成されても各種の他の処理を含むように構成されてもよいが、
図8の例は役割の割り当てに伴いプレイ用のゲームフィールドGFを提示するように構成される場合を示している。この場合、範囲設定部37は、プレイ開始時の役割を決定するためのミニゲームが終了する毎に
図9の割り当て処理を開始し、まずミニゲームの結果を取得する(ステップS101)。
【0082】
続いて範囲設定部37は、ステップS101で取得したミニゲームの結果に基づいて、各キャラクタPに追跡、或いは逃走の役割を割り当てる(ステップS102)。この割り当てはグループ対戦の場合はグループ単位で実行される。また、この割り当ては適宜の手法により実行されてよいが、一例としてプレイに時間制限がある場合、先に逃走の役割を担う方がより多く逃走時間を稼げて有利と考えられるため、ミニゲームにおける勝者が逃走の役割に該当するように実行される。
【0083】
次に範囲設定部37は、対戦画面50を通じてゲームフィールドGFを提示する(ステップS103)。この場合において、範囲設定部37はゲームフィールドGFに対応する仮想三次元空間の構築を行ってもよいが、一例として予め構築された仮想三次元空間に対する仮想カメラの撮影結果としてゲームフィールドGFを対戦画面50に表示(描画)することにより、この提示を実現する。また、ゲームフィールドGFに対応する仮想三次元空間には、アイテム56、多数のチェックポイント57、各種障害BI、及びワープオブジェクトGO1やジャンプオブジェクトGO2といった各種ギミックオブジェクトが含まれる。このため、範囲設定部37は、これらが形成される(設けられる)ようにゲームフィールドGFの提示を実行する。そして、この提示の後に範囲設定部37は今回の割り当て処理を終了する。これにより、ミニゲームの勝敗に基づく当初の役割の割り当てが実行される。また、その割り当てに続いて、アイテム56等の各種要素が設けられたゲームフィールドGFの提示が実現される。
【0084】
状態変更処理は、変更条件が満たされた場合に逃走キャラクタP2の状態を通常状態から異常状態に変更するための処理である。変更条件はゲームの都合等に応じて適宜に満たされてよいが、一例として捕獲行動が適切に実行された場合に満たされる。また、捕獲行動の一例として上述のように金棒で逃走キャラクタP2を殴る行動が採用されるが、この場合、その殴る行動によって通常状態の逃走キャラクタP2が実際に金棒で殴られたときに捕獲行動が適切と判別される。つまり、変更条件は一例として通常状態の逃走キャラクタP2が実際に金棒で殴られた場合に満たされる。また、状態変更処理は適宜に実行されてよいが、このような殴る行動が捕獲行動として実行される場合、一例としてゲームのプレイ開始(残り時間のカウントダウン開始)から終了条件が満たされる(残り時間がゼロなる)まで捕獲行動が実行される毎に繰り返し実行される。
図9の例は、このような場合の状態変更処理の一例を示している。
【0085】
進行制御部38は、追跡キャラクタP1が金棒で殴る行動(捕獲行動)を実行する毎に
図9の状態変更処理を開始し、まず変更条件が満たされるか否か判別する(ステップS201)。上述のように変更条件は通常状態の逃走キャラクタP2が実際に金棒で殴られた場合に満たされる。このため、進行制御部38は、金棒で殴る行動により実際に通常状態の逃走キャラクタP2が殴られたか否か(この行動に伴う金棒の軌跡に通常状態の逃走キャラクタP2が含まれているか否か)判別する。そして、変更条件が満たされない場合、つまり通常状態の逃走キャラクタP2が金棒で殴られていない場合、進行制御部38は以降の処理をスキップして、今回の状態変更処理を終了する。
【0086】
一方、変更条件が満たされる場合、つまり通常状態の逃走キャラクタP2が実際に金棒で殴られている場合、進行制御部38はその金棒で殴られた通常状態の逃走キャラクタP2を特定し、その特定した逃走キャラクタP2の状態を異常状態に変更する(ステップS202)。この変更には、対戦画面50における逃走キャラクタP2の表示態様の変更(例えば半透明化、及び横倒し化)が含まれてよい。
【0087】
続いて進行制御部38は、入替条件が満たされるか否か判別する(ステップS203)。入替条件は上述のように一例として逃走グループの全逃走キャラクタP2が異常状態になった場合に満たされる。このため、進行制御部38は、ステップS202の変更により、逃走グループの全逃走キャラクタP2が異常状態になったか否か判別する。そして、入替条件が満たされない場合、つまり逃走グループの全逃走キャラクタP2が異常状態になっていない場合、進行制御部38は以降の処理をスキップする。つまり、ステップS202において金棒で殴られた通常状態の逃走キャラクタP2を異常状態にした後に今回の状態変更処理を終了する。
【0088】
一方、入替条件が満たされる場合、つまり逃走グループの全逃走キャラクタP2が異常状態になった場合、進行制御部38は追跡キャラクタP1と逃走キャラクタP2との間で互いの役割を入れ替える。グループ対戦の場合、このような入替はグループ単位で実行される。つまり、進行制御部38は、逃走グループが追跡グループに、追跡グループが逃走グループに、それぞれ変わるようにグループ間で互いの役割を入れ替える役割入替を実行する。
【0089】
続いて進行制御部38は、ステップS204の入替に伴い、新しく追跡の役割を担う全追跡キャラクタP1を所定の開始位置に転送する(ステップS205)。所定の開始位置の一例として上述のように中央ステージ55の開始位置オブジェクト55Aが利用される。このため、進行制御部38は、新しく追跡の役割を担う全追跡キャラクタP1を中央ステージ55の開始位置オブジェクト55Aに転送する。
【0090】
次に進行制御部38は、逃走ゲームのプレイを再開する(ステップS206)。つまり、進行制御部38は、ステップS205において全追跡キャラクタP1を開始位置に転送した後に再度新しい役割において逃走行動、及び追跡行動が開始されるように、各キャラクタPの行動を再開させる。そして、このプレイの再開の後に進行制御部38は今回の状態変更処理を終了する。
【0091】
図9の手順により、各追跡キャラクタP1の適切な捕獲行動に伴い各逃走キャラクタP2の状態が通常状態から異常状態に変化する。より具体的には、各追跡キャラクタP1の金棒で殴る行動に伴い通常状態の逃走キャラクタP2が実際に金棒で殴られた場合に、その殴られた逃走キャラクタP2の状態が通常状態から異常状態に変化する。また、その変化にともない逃走の役割を担うグループの全逃走キャラクタP2が異常状態になった場合には、逃走と追跡との間で役割入替が実行される。つまり、これまでの逃走キャラクタP2は追跡キャラクタP1に、これまでの追跡キャラクタP1は逃走キャラクタP2にそれぞれ変化する。さらに、新しく追跡の役割を担うグループの全追跡キャラクタP1は、中央ステージ55から追跡行動を再開するように中央ステージ55の開始位置オブジェクト55Aに転送される。そして、このような状態の変更、及び役割の役割入替等は、プレイの開始から終了条件が満たされるまで繰り返し実行される。つまり、全逃走キャラクタP2が異常状態になる毎に追跡と逃走との間の役割入替が実行され、中央ステージ55から再度追跡等が再開されるという、めまぐるしく役割の変化する展開がタイムアップまで繰り返し提供される。
【0092】
状態回復処理は、異常状態の逃走キャラクタP2を通常状態に回復させるための処理である。異常状態の逃走キャラクタP2は、上述のように一例として他の逃走キャラクタP2(通常状態)に対応するユーザが異常状態の逃走キャラクタP2の近くで所定の操作部を所定時間押し続けた場合に回復する。この場合、回復条件は一例として他の逃走キャラクタP2(通常状態)に対応するユーザが異常状態の逃走キャラクタP2の近くで所定の操作部を所定時間押し続けた場合に満たされる。
図10の例は、このような場合の状態回復処理を示している。
【0093】
進行制御部38は、他の逃走キャラクタP2(通常状態)に対応するユーザによって異常状態の逃走キャラクタP2の近くで所定の操作部が押される毎に
図10の状態回復処理を開始し、まず回復条件が満たされるか否か判別する(ステップS301)。回復条件は各種の回復行動に応じて適宜に満たされてよいが、上述のように一例として他の逃走キャラクタP2(通常状態)に対応するユーザが異常状態の逃走キャラクタP2の近くで所定の操作部を所定時間押し続けた場合に満たされる。このため、進行制御部38は、他の逃走キャラクタP2(通常状態)に対応するユーザによる所定の操作部を押す操作が所定時間継続的に実行されたか否か判別する。回復条件が満たされない場合、つまり他の逃走キャラクタP2(通常状態)に対応するユーザによる所定の操作部を押す操作が所定時間継続されなかった場合、進行制御部38は以降の処理をスキップして、今回の状態回復処理を終了する。
【0094】
一方、回復条件が満たされる場合、つまり他の逃走キャラクタP2(通常状態)に対応するユーザによる所定の操作部を押す操作が所定時間継続された場合、進行制御部38は回復行動の対象となる異常状態の逃走キャラクタP2の状態を通常状態に戻す(ステップS302)。つまり、進行制御部38は、異常状態の逃走キャラクタP2の状態を異常状態から通常状態に回復させる。この回復には逃走キャラクタP2の各種表示態様の変更が含まれてよい。そして、この回復の後に進行制御部38は今回の状態回復処理を終了する。これにより、通常状態の他の逃走キャラクタP2による回復行動によって異常状態の逃走キャラクタP2が通常状態に回復する展開が提供される。
【0095】
勝敗判定処理は、逃走ゲームの勝敗を判定するための処理である。逃走ゲームの勝敗は適宜に判定されてよいが、一例として各グループが獲得した得点の大小に応じて判定される。
図11は、このような場合の勝敗判定処理を示している。この場合、評価部39は、終了条件が満たされる(例えば残り時間がゼロになる)毎に
図11の勝敗判定処理を開始し、まずグループ毎の獲得得点を取得する(ステップS401)。
【0096】
続いて評価部39は、ステップS401で取得した獲得得点に基づいてグループ間の勝敗を判定する。具体的には、評価部39は獲得得点の大きい方が勝者と、小さい方が敗者とそれぞれ判別する。
【0097】
次に評価部39はリザルト画面60を提示する(ステップS403)。具体的には、リザルト画面60には経験値等の詳細データ、及び獲得した称号の情報が含まれる。このため、評価部39は、これらの詳細データ、及び獲得した称号に表示すべき情報をプレイ結果に基づいてまず判別する。そして、それらを所定の位置に表示するようにリザルト画面60をモニタMOに表示させることにより、この提示を実現する。
【0098】
続いて評価部39は、逃走ゲームで使用された各キャラクタPのパラメータを更新する(ステップS404)。状態異常に伴う各種パラメータの低下処置等、パラメータの更新はパラメータの低下を含んでいてもよいが、一例として評価部39は各キャラクタPが成長するようにパラメータの更新を実行する。例えば、パラメータは走力(走る速度)、体力、ジャンプ力等の各種要素を適宜に含んでいてよい。また、各キャラクタPにスキルが設定され、そのようなスキルの成長、或いは新しいスキルの付与等が実行される場合には、これらのスキルの成長等がパラメータの更新に含まれてよい。このため、パラメータの更新(成長)は経験値、或いは得点(スコア)等の各種要素に応じて適宜に実現されてよいが、パラメータの更新によりこれらの各種パラメータが変更される。また、成長分のパラメータは一例として上述のようにプレイデータPDによって管理される。このため、パラメータの更新は、プレイデータPDの更新により実現される。そして、このような更新の後に評価部39は今回の勝敗判定処理を終了する。これにより、勝敗の判定、及びリザルト画面60の提示が実現される。また、プレイ状況に基づく各種パラメータの更新、つまり各キャラクタPの成長が実現される。
【0099】
以上に説明したように、この形態によれば、新しい興趣性を有する逃走ゲームを提供することができる。具体的には、例えば追跡、及び逃走の役割をそれぞれ担う第1グループG1及び第2グループG2間において対戦が実行される場合、第1グループG1に属する各追跡キャラクタP1による追跡行動、及び第2グループG2に属する各逃走キャラクタP2による逃走行動を通じて、各追跡キャラクタP1によって各逃走キャラクタP2にっ捕獲行動(金棒で殴る行動)が実行された場合に各逃走キャラクタP2が異常状態に変化する。そして、そのような異常状態の逃走キャラクタP2の数が所定数以上になった場合にはグループ間で二種類の役割が入れ替えられる。さらに、そのような入替は終了条件が満たされるまで繰り返し実行される。結果として、ユーザは短時間に逃走、或いは追跡といった様々な展開を楽しむことができる。これらにより、各追跡キャラクタP1と各逃走キャラクタP2とを繰り返し入れ替えつつグループ間で対戦するという、各キャラクタPの追跡行動、及び逃走行動を利用した新しい興趣性を有する逃走ゲームを提供することができる。
【0100】
また、占領状態の数に応じて得点に上昇効果を与える複数のチェックポイント57がゲームフィールドGFに設けられる場合、出来るだけ多くのチェックポイント57に対する占領行動を逃走キャラクタP2に促すことができる。あるいは、反対に追跡キャラクタP1には出来るだけ多くの占領状態のチェックポイント57を中立状態に戻す解除行動をオ流すことができる。これにより、各チェックポイント57に対する占領行動、或いは解除行動を各キャラクタPに要求するという興趣性を更に付加することができる。
【0101】
同様に、異常状態の逃走キャラクタP2が他の逃走キャラクタP2の回復行動によって通常状態に回復する場合、異常状態の逃走キャラクタP2を回復させるか、自己の逃走を優先させるかといった戦略性、つまり回復行動という戦略性を他の逃走キャラクタP2の逃走行動に付加することができる。
【0102】
さらに、各キャラクタPのパラメータがプレイ状況に応じて成長する場合、逃走行動等を利用する逃走ゲームに育成ゲームの要素を付加することができる。そして、そのような各キャラクタPの育成を通じて逃走ゲームの継続的なプレイを促進することができる。結果として、これらにより逃走ゲームの興趣性を更に向上させることができる。
【0103】
以上の形態において、ゲーム機3の進行制御部38が、
図9の手順を実行することにより本発明の状態変更手段、及び役割入替手段として機能する。具体的には、進行制御部38が、
図9のステップS202を実行することにより状態変更手段として、ステップS204を実行することにより役割入替手段として、それぞれ機能する。同様に、ゲーム機3の進行制御部38が、
図10のステップS302の手順を実行することにより本発明の状態回復手段として機能する。また、ゲーム機3の範囲設定部37が、
図8のステップS103の手順を実行することにより本発明のフィールド提示手段として機能する。さらに、ゲーム機3の評価部39が、
図11の手順を実行することにより本発明の勝敗判別手段、及びパラメータ変更手段として機能する。具体的には、評価部39が、
図11のステップS402を実行することにより勝敗判別手段として、ステップS404を実行することによりパラメータ変更手段として、それぞれ機能する。
【0104】
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上述の形態では、逃走ゲームの役割として逃走、及び追跡の役割のみが示されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。逃走ゲームは、逃走、及び追跡に限定されず、その他の各種の役割を適宜に含んでいてよい。また、例えば、逃走及び追跡の役割も更に細かく分けられていてもよい。例えば、逃走の役割にはチェックポイント57を獲得する専用の役割、逃走専用の役割、或いは回復専用の役割等の各種役割が細かく用意されていてもよい。同様に、追跡の役割には、逃走やチェックポイント57の占領を邪魔するだけの役割(捕獲行動ができない役割)、或いは解除行動専用の役割等が用意されていてもよい。そして、これらの役割に応じて実行可能な行動等が各キャラクタP間において適宜に変化してもよい。
【0105】
また、上述の形態では、ゲーム機3が
図8~
図11の処理を実行している。結果として、ゲーム機3の単体が本発明のゲームシステムとして機能している。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、ゲーム機3の役割(例えば
図8~
図11の処理等)の全部或いは一部をセンターサーバ2が実行してもよい。このため、例えば
図8~
図11の処理の全部をセンターサーバ2が実行する場合、センターサーバ2単体(複数のサーバ装置の組み合わせにより実現される場合を含む)が本発明のゲームシステムとして機能してもよい。あるいは、その反対にセンタ-サーバ2の役割の全部、又は一部をゲーム機3が実行してもよい。この場合、センターサーバ2は省略されてもよい。
【0106】
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0107】
本発明のゲームシステムは、複数のキャラクタ(P)をそれぞれ含む複数のグループ(G1、G2)に属する各キャラクタの共通の移動範囲として機能するゲームフィールド(GF)を表示する表示装置(MO)と、当該ゲームフィールドにおいて各キャラクタを動作させるためのプレイ行為を入力する入力装置(CP)と、に接続され、互いに異なる二種類の役割のうち各グループに割り当てられる役割を通じて前記複数のグループ間でグループ対戦を行う対戦型のゲームを提供するゲームシステム(3)であって、前記二種類の役割のうち一方の役割が割り当てられた各キャラクタとしての追跡キャラクタ(P1)と他方の役割が割り当てられた各キャラクタとしての逃走キャラクタ(P2)との間で前記ゲームフィールドにおいてそれぞれ同時に実行される追跡行動、及び逃走行動を通じて、前記逃走行動に制限が設けられる異常状態に各逃走キャラクタの状態を変更する変更行動が各追跡キャラクタによって各逃走キャラクタに実行された場合に、当該変更行動が実行された逃走キャラクタを前記異常状態に変更する状態変更手段(38)と、前記他方の役割が割り当てられたグループに前記異常状態に対応する所定数以上の逃走キャラクタが生じた場合に当該グループと前記一方の役割が割り当てられたグループとの間で役割を入れ替える役割入替を、終了条件が満たされるまで繰り返し実行する役割入替手段(38)と、を備えるものである。
【0108】
本発明によれば、追跡キャラクタによる追跡行動、及び逃走キャラクタによる逃走行動を通じて変更行動が実行された場合に各逃走キャラクタが異常状態に変化する。そして、そのような異常状態の逃走キャラクタの数が所定数以上になった場合にはグループ間で二種類の役割が入れ替えられる。さらに、そのような入替は終了条件が満たされるまで繰り返し実行される。これにより、追跡キャラクタと逃走キャラクタとを繰り返し入れ替えつつグループ間で対戦するという、各キャラクタの追跡行動、及び逃走行動を利用した新しい興趣性を有するゲームを提供することができる。
【0109】
複数のキャラクタは各種のキャラクタを適宜に含んでいてよい。例えば、複数のキャラクタはNPC(ノンプレイヤキャラクタ)を含んでいてもよい。つまり、複数のキャラクタの一部は、ユーザではなく、コンピュータによって制御されてもよい。例えば、複数のキャラクタのうち、ユーザに対応するキャラクタとしてのユーザキャラクタは一体のみで、残り全てはNPCであってもよい。また、各グループに占めるユーザキャラクタの数は適宜の数であってよい。このため、グループ(対戦者)間においてユーザキャラクタの数は相違していてもよいし、一致していてもよい。当然複数のキャラクタの全てがユーザキャラクタであってもよい。具体的には、例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記対戦型のゲームは、前記複数のキャラクタにそれぞれ対応する複数のユーザによってプレイされるように提供されてもよい。
【0110】
終了条件として各種の条件が適宜に採用されてよく、例えばユーザの選択結果、プレイ状況、或いはゲームの都合等の適宜の条件が採用されてよい。このため、例えば、終了条件はユーザによって終了を希望する選択が実行された場合に満たされてもよい。あるいは、終了条件はプレイ状況の一例として役割の入替が所定回数実行された場合に満たされてもよい。具体的には、例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記終了条件は、前記対戦型のゲームの開始から所定時間が経過した場合に満たされてもよい。
【0111】
グループ間の対戦はプレイ結果に基づいて適宜に判別されてよい。例えば、追跡キャラクタとしてより多くの逃走キャラクタを異常状態に変更したグループが勝利と判別されてもよい。つまり、異常状態に変更した逃走キャラクタの数に応じて勝敗が判別されてもよい。あるいは、ゲーム内に勝敗判別用のアイテムが設けられる場合には、そのアイテムの獲得の有無、又はそのアイテムを獲得した数等に応じて勝敗が判別されてもよい。また、逃走行動、及び追跡行動の少なくとも一方の時間が得点として計測されてもよく、そのような得点(スコア)の大小に応じて勝敗が判定されてもよい。このように勝敗はゲームに含まれる各種の要素に基づいて適宜に判別されてよい。具体的には、例えば、本発明のゲームシステムの一態様として、前記他方の役割を担う時間に応じて当該時間が長くなるほど増加するようにグループ毎に付与される得点に基づいて各グループの勝敗を判別する勝敗判別手段(39)を備える態様が採用されてもよい。
【0112】
ゲームにはプレイ状況(進行)に影響を与える各種の要素が設けられてよい。このような要素には、プレイ状況に特典を与える要素、及び不利益を与える要素の両方が含まれていてよい。同様に、これらの特典、及び不利益は適宜に構成されてよい。例えば、得点に応じて勝敗が判定される場合において一定量の得点の加算等の各種得点への影響が特典として機能してもよい。また、その反対に一定量の得点の減算等が不利益として機能してもよい。例えば、本発明の一態様として、前記他方の役割が割り当てられたグループとしての他方のグループ(G2)に特典が付与される特典状態と前記特典の付与されない通常状態との間で、当該通常状態における各逃走キャラクタによる占領行動に伴い前記特典状態に、前記特典状態における各追跡キャラクタによる解除行動に伴い前記通常状態に、それぞれ変化する複数のチェックポイント(57)が形成されるように前記ゲームフィールドを提示するフィールド提示手段(37)を備える態様が採用されてもよい。また、この態様において、前記特典として、前記特典状態のチェックポイントの数が増えるほど時間あたりの前記得点の増加率が上昇する上昇効果が各チェックポイントに設定されてもよい。これらの場合、各チェックポイントに対する占領行動を各キャラクタに要求するという興趣性を更に付加することができる。
【0113】
ゲームには、追跡行動等を邪魔したり補助したりする各種の要素が設けられていてよい。また、これらの要素は適宜に動作する要素を含んでいてもよい。さらに、このような動作には、追跡行動等を補助したり阻害したりする各種の動作が含まれていてよい。例えば、本発明の一態様において、前記フィールド提示手段は、前記逃走行動、及び前記追跡行動の少なくともいずれか一方を補助する動作を実行するギミックオブジェクトが設けられるように、前記ゲームフィールドを提示してもよい。また、この態様において、前記ギミックオブジェクトは、各キャラクタの跳躍を補助するジャンプオブジェクト(GO2)、及び前記ゲームフィールド内において離れた二カ所間の瞬間移動を実現するワープオブジェクト(GO1)の少なくともいずれか一方を含んでいてもよい。
【0114】
また、各キャラクタの能力は一律であってもよいし、各キャラクタ間において相違していてもよい。例えば、各キャラクタには走力、体力、或いはジャンプ力といった基礎能力を示すパラメータ、或いは各種の有利な効果をゲームの進行に付与するスキル(特殊能力)を示すパラメータといった各種パラメータが設定され、それらのパラメータは各キャラクタ間で相違していてもよい。また、各キャラクタにスキルが設定される場合において、そのスキルは無条件に発動しても、条件付きで発動してもよい。スキルが条件付きで発動する場合、そのような条件としてプレイ状況(例えばプレイ時間、或いはアイテムの使用等)、或いはランダム等の各種の条件が適宜に利用されてよい。また、このようなパラメータはプレイ中に一定であっても、各種条件に応じて変化してもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記フィールド提示手段は、各キャラクタを定義するパラメータに有利な変化を付与するパラメータ変更オブジェクト(56)が設けられるように、前記ゲームフィールドを提示してもよい。
【0115】
同様に、各キャラクタに各種パラメータが設定される場合において、そのパラメータは固定的であっても可変的であってもよい。パラメータが可変的である場合、そのパラメータは、各種プレイ状況(例えばプレイ時間、或いはアイテムの獲得等)等の適宜の条件に応じて変化してよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様として、前記対戦型のゲームのプレイ状況に応じて各キャラクタが成長するように各キャラクタを定義するパラメータの値を変更するパラメータ変更手段(39)を備える態様が採用されてもよい。この場合、追跡行動等を利用するゲームに育成ゲームの要素を付加することができる。また、そのようなキャラクタの育成を通じてゲームの継続的なプレイを促進することができる。
【0116】
各逃走キャラクタの異常状態は役割の入替まで維持されても、各種の条件に応じて解消されてもよい。また、条件に応じて異常状態が解消される(逃走行動に制限のない通常の状態に戻る)場合、その条件としてプレイ状況、或いはランダム等の適宜の条件が利用されてよい。例えば、プレイ状況として時間経過、或いはアイテムといったプレイに含まれる各種の要素が利用されてよい。具体的には、例えば、本発明のゲームシステムの一態様として、前記異常状態に対応する逃走キャラクタに当該逃走キャラクタと同じグループに属する他の逃走キャラクタによって前記異常状態から前記逃走行動に制限のない通常状態に戻すための回復行動が実行された場合に、当該逃走キャラクタを前記通常状態に戻す状態回復手段(38)を備える態様が採用されてもよい。この場合、逃走行動に回復行動という戦略性を付加することができる。結果として、ゲームの興趣性を更に向上させることができる。
【0117】
役割の入替後においてプレイ(追跡行動及び逃走行動)は適宜に再開されてよい。例えば、各キャラクタは入替時の位置からプレイを再開してもよいし、例えばプレイ開始時の位置等の適宜の所定の位置からプレイを再開してもよい。また、所定の位置からプレイが再開される場合において、逃走キャラクタ及び追跡キャラクタの両方がその所定の位置からプレイを再開してもよいし、それらのいずれか一方のみが所定の位置からプレイを再開してもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記役割入替手段は、前記役割入替に伴い前記他方の役割から前記一方の役割に変化するグループに属する全キャラクタが前記ゲームフィールドの所定の開始位置(55A)から前記追跡行動を開始するように、当該全キャラクタの位置を前記開始位置に移動させてもよい。
【0118】
一方、本発明のコンピュータプログラム(PG2)は、前記入力手段、及び前記表示手段に接続されるコンピュータ(31)を、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【0119】
また、本発明の制御方法は、複数のキャラクタ(P)をそれぞれ含む複数のグループ(G1、G2)に属する各キャラクタの共通の移動範囲として機能するゲームフィールド(GF)を表示する表示装置(MO)と、当該ゲームフィールドにおいて各キャラクタを動作させるためのプレイ行為を入力する入力装置(CP)と、に接続され、互いに異なる二種類の役割のうち各グループに割り当てられる役割を通じて前記複数のグループ間でグループ対戦を行う対戦型のゲームを提供するゲームシステム(3)に組み込まれるコンピュータ(31)に、前記二種類の役割のうち一方の役割が割り当てられた各キャラクタとしての追跡キャラクタ(P1)と他方の役割が割り当てられた各キャラクタとしての逃走キャラクタ(P2)との間で前記ゲームフィールドにおいてそれぞれ同時に実行される追跡行動、及び逃走行動を通じて、前記逃走行動に制限が設けられる異常状態に各逃走キャラクタの状態を変更する変更行動が各追跡キャラクタによって各逃走キャラクタに実行された場合に、当該変更行動が実行された逃走キャラクタを前記異常状態に変更する状態変更手順と、前記他方の役割が割り当てられたグループに前記異常状態に対応する所定数以上の逃走キャラクタが生じた場合に当該グループと前記一方の役割が割り当てられたグループとの間で役割を入れ替える役割入替を、終了条件が満たされるまで繰り返し実行する役割入替手順と、を実行させる、ものである。本発明のコンピュータプログラム、或いは制御方法が実行されることにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。
【0120】
本発明のゲームシステムは、複数のキャラクタ(P)をそれぞれ含む複数のグループ(G1、G2)に属する各キャラクタの共通の移動範囲として機能するゲームフィールドを表示する表示装置(MO)と、当該ゲームフィールド(GF)において各キャラクタを動作させるためのプレイ行為を入力する入力装置(CP)と、に接続され、互いに異なる二種類の役割のうち各グループに割り当てられる役割を通じて前記複数のグループ間でグループ対戦を行う対戦型のゲームを提供するゲームシステム(3)であって、前記二種類の役割のうち一方の役割が割り当てられた各キャラクタとしての追跡キャラクタ(P1)と他方の役割が割り当てられた各キャラクタとしての逃走キャラクタ(P2)との間で前記ゲームフィールドにおいて追跡行動、及び逃走行動がそれぞれ同時に実行されるように、前記複数のグループに前記二種類の役割として追跡、及び逃走の役割をそれぞれ割り当てる役割割当手段(37)と、前記他方の役割が割り当てられたグループが当該グループの各逃走キャラクタによる前記逃走行動、若しくは各追跡キャラクタによる前記追跡行動において所定の入替条件を満たした場合に当該グループと前記一方の役割が割り当てられたグループとの間で役割を入れ替える役割入替を、終了条件が満たされるまで繰り返し実行する役割入替手段(38)と、を備えるものであってもよい。
【0121】
本発明のゲームシステムが役割割当手段を備える場合、例えばゲーム機3の範囲設定部37が
図8のステップS102の手順を実行することにより本発明の役割割当手段として機能する。入替条件は、上述の形態では一例として逃走が割り当てられたグループに所定数以上の異常状態の逃走キャラクタP2が生じた場合に満たされている。しかし、入替条件は、例えば上述のとおり所定時間経過毎に満たされてもよく、このような形態に限定されない。上述のとおり、入替条件は適宜に満たされてよい。例えば、入替条件は、所定数以上の異常状態の逃走キャラクタP2の数が時差的に生じた場合に満たされてもよい。具体的には、上述のとおり異常状態は時間経過や回復行動等によって回復するが、異常状態の逃走キャラクタPSの数が現時点で所定数に達していなくとも累積的に所定数に達した場合に入替条件が満たされてもよい。つまり、所定数は異常状態の延べ数であってもよい。この場合、一体の逃走キャラクタPSが異常状態になる毎に一つ減少するパラメータ(有利な先攻の初回のみ一つ少なくする等、初期値は適宜に設定されてよい)が設けられ、そのパラメータ(所定数をカウントするための価値)がゼロになった場合に入替条件が満たされ、グループ間の役割入替が生じてもよい。また、これらの場合において捕獲行動に伴う異常状態(行動制限)はごく短時間(ゼロの場合を含む)で回復してもよい。つまり、追跡キャラクタP1による捕獲行動(タッチ等)に伴い捕獲されても、逃走キャラクタP2は異常状態に(少なくとも実感的には)変化しなくてもよい。この場合も、例えばカウントダウンを通じて所定数(延べ捕獲数)をカウントするパラメータがゼロになった場合(あるいは、カウントアップを通じてパラメータの値が所定数に達した場合)に役割入替が生じてよい。
【0122】
また、本発明のコンピュータプログラムは、複数のキャラクタ(P)をそれぞれ含む複数のグループ(G1、G2)に属する各キャラクタの共通の移動範囲として機能するゲームフィールドを表示する表示装置(MO)と、当該ゲームフィールド(GF)において各キャラクタを動作させるためのプレイ行為を入力する入力装置(CP)と、に接続され、互いに異なる二種類の役割のうち各グループに割り当てられる役割を通じて前記複数のグループ間でグループ対戦を行う対戦型のゲームを提供するゲームシステム(3)に組み込まれるコンピュータ(31)を、前記二種類の役割のうち一方の役割が割り当てられた各キャラクタとしての追跡キャラクタ(P1)と他方の役割が割り当てられた各キャラクタとしての逃走キャラクタ(P2)との間で前記ゲームフィールドにおいて追跡行動、及び逃走行動がそれぞれ同時に実行されるように、前記複数のグループに前記二種類の役割として追跡、及び逃走の役割をそれぞれ割り当てる役割割当手段(37)、及び前記他方の役割が割り当てられたグループが当該グループの各逃走キャラクタによる前記逃走行動、若しくは各追跡キャラクタによる前記追跡行動において所定の入替条件を満たした場合に当該グループと前記一方の役割が割り当てられたグループとの間で役割を入れ替える役割入替を、終了条件が満たされるまで繰り返し実行する役割入替手段(38)として機能させるように構成されたものであってもよい。
【0123】
同様に、本発明の制御方法は、複数のキャラクタ(P)をそれぞれ含む複数のグループ(G1、G2)に属する各キャラクタの共通の移動範囲として機能するゲームフィールドを表示する表示装置(MO)と、当該ゲームフィールド(GF)において各キャラクタを動作させるためのプレイ行為を入力する入力装置(CP)と、に接続され、互いに異なる二種類の役割のうち各グループに割り当てられる役割を通じて前記複数のグループ間でグループ対戦を行う対戦型のゲームを提供するゲームシステム(3)に組み込まれるコンピュータ(31)に、前記二種類の役割のうち一方の役割が割り当てられた各キャラクタとしての追跡キャラクタ(P1)と他方の役割が割り当てられた各キャラクタとしての逃走キャラクタ(P2)との間で前記ゲームフィールドにおいて追跡行動、及び逃走行動がそれぞれ同時に実行されるように、前記複数のグループに前記二種類の役割として追跡、及び逃走の役割をそれぞれ割り当てる役割割当手順と、前記他方の役割が割り当てられたグループが当該グループの各逃走キャラクタによる前記逃走行動、若しくは各追跡キャラクタによる前記追跡行動において所定の入替条件を満たした場合に当該グループと前記一方の役割が割り当てられたグループとの間で役割を入れ替える役割入替を、終了条件が満たされるまで繰り返し実行する役割入替手順と、を実行させるものであってもよい。
【符号の説明】
【0124】
3 ゲーム機(ゲームシステム)
31 制御ユニット(コンピュータ)
37 範囲設定部(フィールド提示手段、役割割当手段)
38 進行制御部(状態変更手段、役割入替手段、状態回復手段)
39 評価部(勝敗判別手段、パラメータ変更手段)
56 アイテム(パラメータ変更オブジェクト)
57 チェックポイント
P キャラクタ
G1 第1グループ
G2 第2グループ
P1 追跡キャラクタ
P2 逃走キャラクタ
CP コントロールパネル(入力手段)
GF ゲームフィールド
MO モニタ(表示装置)
GO1 ワープオブジェクト(ギミックオブジェクト)
GO2 ジャンプオブジェクト(ギミックオブジェクト)
PG2 ゲームプログラム(コンピュータプログラム)