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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】対向流膜モジュール
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/22 20060101AFI20240122BHJP
   B01D 63/00 20060101ALI20240122BHJP
   B01D 63/08 20060101ALI20240122BHJP
   B01D 63/10 20060101ALI20240122BHJP
【FI】
B01D53/22
B01D63/00 510
B01D63/08
B01D63/10
【請求項の数】 45
(21)【出願番号】P 2022544095
(86)(22)【出願日】2021-01-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-16
(86)【国際出願番号】 US2021014261
(87)【国際公開番号】W WO2021150648
(87)【国際公開日】2021-07-29
【審査請求日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】62/963,637
(32)【優先日】2020-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/963,639
(32)【優先日】2020-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/963,643
(32)【優先日】2020-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519169465
【氏名又は名称】メンブレイン テクノロジー アンド リサーチ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ベイカー, リチャード ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ワイマンズ, ヨハネス ジー.
(72)【発明者】
【氏名】マーケル, ティモシー シー.
(72)【発明者】
【氏名】アモ, カール ディー.
【審査官】相田 元
(56)【参考文献】
【文献】特公昭46-021444(JP,B1)
【文献】特開昭62-057630(JP,A)
【文献】国際公開第2019/065493(WO,A1)
【文献】米国特許第05580452(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/22
B01D 61/00-71/82
C02F 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
微量成分および主要成分を備えている給送物流体を透過物流体と残留物流体とに分離するように構成された対向流膜モジュールであって、前記残留物流体は、前記給送物流体より低い濃度の前記微量成分を有し、前記透過物流体は、前記給送物流体より高い濃度の前記微量成分を有し、前記モジュールは、
第1の端部および第2の端部を有する筐体であって、前記第2の端部は、第1の方向に沿って前記第1の端部から間隔を置かれている、筐体と、
前記筐体の前記第1の端部と第2の端部との間の1つ以上の膜シートと
を備え、
各膜シートは、第1の端部および第2の端部を備え、前記第2の端部は、前記第1の方向に沿って前記第1の端部から間隔を置かれ、各膜シートは、前記第1の端部と第2の端部との間に延びている第1および第2の側を備え、前記第1の側は、第2の方向に沿って前記第2の側から間隔を置かれ、前記第2の方向は、前記第1の方向に対して横方向であり、各膜シートは、第1の主要表面および第2の主要表面を備え、前記第2の主要表面は、前記第1の主要表面と反対側にあり、各膜シートは、前記給送物流体を前記残留物流体と前記透過物流体とに分離するように構成され、
前記膜モジュールは、前記給送物流体および前記残留物流体が前記第1の方向に各膜シートの前記第1の主要表面に沿って流動するが、各膜シートの前記第2の主要表面に沿って流動せず、前記透過物流体が各膜シートの前記第2の主要表面に沿って流動するが、各膜シートの前記第1の主要表面に沿って流動しないように構成され、
前記膜モジュールは、
前記筐体の前記第1の端部における入口であって、前記入口は、各膜シートの前記第1の主要表面の前記第1の端部と流体連通し、前記給送物流体を受け取るように構成され、それによって、前記給送物流体は、各膜シートの前記第1の主要表面に沿って流動する、入口と、
前記筐体の前記第2の端部における出口であって、前記出口は、各膜シートの前記第1の主要表面の前記第2の端部と流体連通し、前記給送物流体から分離された前記残留物流体を受け取り、出力するように構成されている、出口と、
前記膜シートの前記第2の主要表面の前記第1の側に沿った透過区分に隣接した導管であって、前記透過区分は、前記透過物流体が前記導管の中に入ることを可能にするためのものであり、前記導管は、前記給送物流体から分離された前記透過物流体を受け取り、出力するように構成されている、導管
をさらに備え、
前記1つ以上の膜シートのうちの少なくとも1つは、第1の部分および第2の部分を備え、前記第1の部分を横断した前記給送物流体の分離が、前記透過物流体の第1の部分を発生させ、前記第2の部分を横断した分離が、前記透過物流体の第2の部分を発生させ、
前記膜シートの前記第2の部分は、前記第1の部分より高い前記主要成分のための過性を有し、それによって、前記透過物流体の前記第2の部分が、前記透過物流体の前記第1の部分より高い濃度の前記主要成分有し、
前記第2の部分は、前記膜シートの前記第1の主要表面に沿って流動する前記給送物流体と流体連通し、前記第2の部分は、前記第2の部分が前記透過区分より前記第2の端部に近いように、前記膜シートの前記透過区分から前記第1の方向にオフセットされており、それによって、前記透過物流体の前記第2の部分に前記第1の端部に向かって流動させ、その結果、前記透過物流体の前記第2の部分は、前記透過物流体の前記第1の部分と混合し、それによって、前記透過物流体の前記第1の部分中の前記微量成分の濃度を低減させる、膜モジュール。
【請求項2】
前記導管は、前記透過区分と整列させられている、請求項1に記載の膜モジュール。
【請求項3】
前記モジュールは、第2の導管をさらに備え、各膜は、第2の透過区分を備え、前記第2の透過区分は、前記第2の側にあり、前記第2の透過区分は、前記第2の導管に流動的に接続され、前記第2の導管は、前記給送物流体から分離された前記透過物流体を受け取り、出力するように構成されている、請求項1に記載の膜モジュール。
【請求項4】
前記膜モジュールは、プレートおよびフレームモジュールである、請求項1に記載の膜モジュール。
【請求項5】
前記対向流膜モジュールは、渦巻状に巻きつけられ、
前記導管は、前記第1の方向に沿って延びている中心管であり、
前記1つ以上の膜シートは、前記1つ以上の膜シートの前記第1の側が前記第2の側より前記中心管に近いように、前記中心管の周りに巻きつけられ、前記第1の方向と垂直な渦巻を画定し、
前記中心管は、円筒形表面と第1および第2の終端端部とを備え、前記第1および第2の終端端部は、それらの間に管腔を画定し、
前記中心管は、1つ以上の開口部を前記円筒形表面内に備え、前記1つ以上の開口部は、前記給送物流体から分離された前記透過物流体を受け取るように構成され、前記1つ以上の開口部は、前記膜の透過区分に隣接し、前記1つ以上の開口部は、前記1つ以上の開口部が前記第2の部分より前記第1の端部に近いように、前記膜シートの前記第2の部分から前記第1の方向にオフセットされ、
前記中心管は、前記1つ以上の開口部によって受け取られる前記透過物流体を出力するように構成された出口をさらに備え、前記出口は、前記中心管の前記第1または第2の終端端部にある、請求項1に記載の膜モジュール。
【請求項6】
前記1つ以上の開口部は、前記第1の方向に沿って互いに間隔を置かれている、請求項5に記載の膜モジュール。
【請求項7】
前記膜シートの前記第2の部分は、前記1つ以上の膜シートの外縁に沿って延びている、請求項1に記載の膜モジュール。
【請求項8】
前記第2の部分は、前記第2の側の少なくとも一部に沿って延び、前記第2の部分は、前記第1の方向において前記透過区分と重複しない、請求項7に記載の膜モジュール。
【請求項9】
前記第2の部分は、前記第2の端部の少なくとも一部に沿って延びている、請求項7に記載の膜モジュール。
【請求項10】
前記第2の部分は、前記第1の方向に沿って延びている、請求項9に記載の膜モジュール。
【請求項11】
前記第2の部分は、前記第1の方向に沿って延びている、請求項8に記載の膜モジュール。
【請求項12】
前記透過区分は、前記第1の側に沿って延びている、請求項1に記載の膜モジュール。
【請求項13】
前記1つ以上の膜シートのうちの少なくとも1つは、第3の部分をさらに備え、前記第3の部分は、透過物の流動を前記透過区分に向かって方向付けるように構成されている、請求項1に記載の膜モジュール。
【請求項14】
前記第3の部分は、前記1つ以上の膜シートの前記第2の主要表面に沿って延びている、請求項13に記載の膜モジュール。
【請求項15】
前記第3の部分は、前記第3の部分が前記第2の端部により近いように、前記透過区分から前記第1の方向に沿ってオフセットされている、請求項13に記載の膜モジュール。
【請求項16】
前記第3の部分は、前記第1の部分と比較して、前記主要成分のための低減させられた透過率を有する、請求項13に記載の膜モジュール。
【請求項17】
前記第3の部分は、前記主要成分および微量成分に対して実質的に不透過性である、請求項16に記載の膜モジュール。
【請求項18】
前記第3の部分は、前記膜の縁に沿って延びている、請求項13に記載の膜モジュール。
【請求項19】
前記第3の部分は、前記第1の側または前記第2の側に沿って延びている、請求項18に記載の膜モジュール。
【請求項20】
前記第2の部分は、前記第2の方向に、および/または、前記1つ以上の膜シートの前記第2の端部の縁に沿って延びている、請求項1に記載の膜モジュール。
【請求項21】
前記モジュールは、
前記1つ以上の膜シートに間隔を保たせるように構成された1つ以上の給送スペーサであって、各給送スペーサは、前記出口までの前記給送物流体および残留物流体の流動のための流体路を画定するためである、1つ以上の給送スペーサと、
前記1つ以上の膜シートに間隔を保たせるように構成された1つ以上の透過スペーサであって、各透過スペーサは、前記導管までの前記透過物流体の流動のための流体路を画定するためである、1つ以上の透過スペーサと
をさらに備えている、請求項1に記載の膜モジュール。
【請求項22】
前記1つ以上の膜シートのうちの第1の膜シートは、給送スペーサが前記第1の膜シートの前記第1の主要表面に隣接し、透過スペーサが前記第1の膜シートの前記第2の主要表面に隣接するように配置されている、請求項21に記載の膜モジュール。
【請求項23】
前記膜シート、前記1つ以上の給送スペーサ、および前記1つ以上の透過スペーサは、積み重ねられた構成で配置され、隣接する膜シート間の各空間は、給送スペーサまたは透過スペーサのいずれかによって画定され、前記膜シートは、各膜シートの前記第1の主要表面が給送スペーサと接触し、各膜シートの前記第2の主要表面が透過スペーサと接触するように、交互する向きである、請求項21に記載の膜モジュール。
【請求項24】
給送スペーサによって間隔を置かれた隣接する膜シートは、それらの第1の主要表面の前記第1および第2の側に沿ってシールされていることによって、前記第1の主要表面を横断した前記給送物流体および残留物流体の流動のための前記流体路を流動的にシールし、透過スペーサによって間隔を置かれた隣接する膜シートは、それらの第2の主要表面のそれらの第1および第2の端部に沿ってシールされていることによって、前記第2の主要表面を横断した前記透過物流体のための前記流体路を流動的にシールする、請求項21に記載の膜モジュール。
【請求項25】
透過スペーサによって間隔を置かれた前記隣接する膜シートは、それらの第2の主要表面の前記第2の側にも沿ってシールされている、請求項24に記載の膜モジュール。
【請求項26】
各給送スペーサは、前記第1の方向に沿って流体の流動を方向付けるように構成され、各透過スペーサは、前記第2の方向に沿って流体の流動を方向付けるように構成されている、請求項21に記載の膜モジュール。
【請求項27】
前記第2の部分の面積は、前記膜シートの総面積の20%未満である、請求項1に記載の膜モジュール。
【請求項28】
前記第2の部分の面積は、前記膜シートの総面積の15%未満である、請求項27に記載の膜モジュール。
【請求項29】
前記第2の部分の面積は、前記膜シートの総面積の10%未満である、請求項28に記載の膜モジュール。
【請求項30】
前記第2の部分の面積は、前記膜シートの総面積の6%未満である、請求項29に記載の膜モジュール。
【請求項31】
前記主要成分のための前記第2の部分の透過率は、前記主要成分のための前記第1の部分の透過率の2倍り大きい、請求項1に記載の膜モジュール。
【請求項32】
前記主要成分のための前記第2の部分の透過率は、前記主要成分のための前記第1の部分の透過率の10倍より大きい、請求項31に記載の膜モジュール。
【請求項33】
前記第2の部分は、前記第2の主要表面の一部を形成している、請求項1に記載の膜モジュール。
【請求項34】
前記第2の部分は、前記第1の主要表面の一部を形成している、請求項1に記載の膜モジュール。
【請求項35】
請求項1に記載の前記膜モジュールの膜シートを製造する方法であって、前記方法は、
前駆体シートのロールを提供することと、
前記前駆体シートの前記ロールの第1のエリアを第1のコーティング溶液でコーティングし、前記前駆体シートの前記ロールの第2のエリアを第2のコーティング溶液でコーティングし、前記膜シートの前記ロールを形成することと、
前記膜シートの1つ以上のロールを別個の膜シートに分離することと
を含み、
各膜シートの前記第1の部分は、前記膜シートの前記ロールの前記第1のエリアによって形成され、各膜シートの前記第2の部分は、前記膜シートの前記ロールの前記第2のエリアによって形成され、各膜シートの前記第2の部分は、前記第1の部分より高い前記主要成分のための透過率を有する、方法。
【請求項36】
前記第1のエリアおよび前記第2のエリアは、互いに隣接している、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記第2のエリアは、2つの第1のエリア間に位置付けられ、それによって、各膜シートにおいて、前記第2の部分は、細片として形成され、前記第1の部分は、前記第2の部分の両側に提供される、請求項36に記載の膜モジュール。
【請求項38】
前記方法は、各膜シートが一対の膜シートを形成するように、各膜シートを給送スペーサの周りで折り畳むことをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
2つの膜シートをそれらの第1の側に沿って一緒にシールし、それらの間に給送スペーサを位置付けることをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
前記第1のエリアをコーティングするステップと、前記第2のエリアをコーティングするステップとは、同時に実施される、請求項35に記載の方法。
【請求項41】
前記コーティングするステップは、前記膜シートの前記ロールをコーティングコンテナ内の第1および第2の溶液と接触させることによって実施され、前記コーティングコンテナは、セパレータによって互いに流動的に分離された第1および第2の区分を有し、前記第1の区分は、前記第1のコーティング溶液を含み、前記第2の区分は、前記第2のコーティング溶液を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項42】
前記コーティングコンテナの前記第2の区分は、前記コーティングコンテナの2つの第1の区分間に位置付けられている、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記セパレータの位置を移動させ、前記第2の部分の位置およびサイズを調節することをさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
対向流膜モジュールを使用して、主要成分および微量成分を備えている給送物流から微量成分を分離する方法であって、残留物流体が、前記給送物流体より低い濃度の前記微量成分を有し、透過物流体が、前記給送物流体より高い濃度の前記微量成分を有し
前記モジュールは、
第1の端部および第2の端部を有する筐体であって、前記第2の端部は、第1の方向に沿って前記第1の端部から間隔を置かれている、筐体と、
前記筐体の前記第1の端部と第2の端部との間に延びている1つ以上の膜シートであって、各膜シートは、第1の端部および第2の端部を備え、前記第2の端部は、前記第1の方向に沿って前記第1の端部から間隔を置かれ、各膜シートは、前記第1の端部と第2の端部との間に延びている第1および第2の側を備え、前記第1の側は、第2の方向に沿って前記第2の側から間隔を置かれ、前記第2の方向は、前記第1の方向に対して横方向であり、各膜シートは、第1の主要表面および第2の主要表面を備え、前記第2の主要表面は、前記第1の主要表面と反対側にある、1つ以上の膜シートと、
前記筐体の前記第1の端部における入口であって、前記入口は、各膜シートの前記第1の主要表面の前記第1の端部と流体連通している、入口と、
前記筐体の前記第2の端部における出口であって、前記出口は、各膜シートの前記第1の主要表面の前記第2の端部と流体連通している、出口と、
前記膜シートの前記第2の主要表面の前記第1の側に沿って透過区分に隣接している導管と
を備え、
前記1つ以上の膜シートのうちの少なくとも1つは、第1の部分および第2の部分を備え、
前記方法は、
前記第1の方向に各膜シートの前記第1の主要表面に沿って流動するように、前記主要成分および前記微量成分を備えている給送物流体を前記入口を介して各膜シートの前記第1の主要表面に送達することと、
前記残留物流体が前記第1の主要表面に沿って前記第1の方向に前記出口まで流動し、前記透過物流体が前記第2の主要表面に沿って、前記透過区分に、次いで、前記導管の中に流動するように、各膜シートを横断する前記給送物流体を前記透過物流体と前記残留物流体とに分離することと
を含み、
前記膜モジュールは、前記給送物流体および前記残留物流体が前記第1の方向に各膜シートの前記第1の主要表面に沿って流動するが、各膜シートの前記第2の主要表面に沿って流動せず、前記透過物流体が各膜シートの前記第2の主要表面に沿って流動するが、各膜シートの前記第1の主要表面に沿って流動しないように構成され、
前記分離するステップは、前記膜シートの前記第1の部分を横断して前記給送物流体を分離することによって、前記透過物流体の第1の部分を発生させ、前記膜シートの前記第2の部分を横断して前記給送物流体を分離することによって、前記透過物流体の第2の部分を発生させることを含み、前記膜シートの前記第2の部分は、前記透過物流体の前記第2の部分が前記透過物流体の前記第1の部分より高い濃度の前記主要成分有するように、前記第1の部分より高い前記主要成分のための透過率を有し、
前記第2の部分は、前記膜シートの前記第1の主要表面に沿って流動する前記給送物流体と流体連通し、前記第2の部分は、前記第2の部分が前記透過区分より前記第2の端部に近いように、前記膜シートの前記透過区分から前記第1の方向にオフセットされており、それによって、前記透過物流体の前記第2の部分に前記第1の端部に向かって流動させ、その結果、前記透過物流体の前記第2の部分は、前記透過物流体の前記第1の部分と混合し、それによって、前記透過物流体の前記第1の部分中の前記微量成分の濃度を低減させ、
前記方法は、前記残留物流体を前記モジュールから前記出口を介して出力し、前記透過物流体を前記モジュールから前記導管を介して出力することをさらに含む、方法。
【請求項45】
前記微量成分は、二酸化炭素であり、前記主要成分は、メタンまたは窒素である、請求項44に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対向流膜モジュールおよびそれを作製する方法に関する。対向流膜モジュールは、特に、透過気化法およびガス分離用途のために有用である。
【背景技術】
【0002】
続く文章では、使用される成分の濃度は、別様に述べられない限り、モル濃度である。用語「主要成分」は、給送物流体中の最高濃度を有する成分を指す一方、用語「微量成分」は、給送物流体中の主要成分より低い濃度を有する成分を指す。「微量成分」は、膜分離プロセスによって、透過物流体中で濃縮され、分離プロセスの標的成分である。用語「流体」は、ガスおよび/または液体を指し得る。
【0003】
分離モジュールでは、給送物流体は、主要成分と、微量成分とを含み、微量成分より高い濃度を有する主要成分は、膜を横断して、透過物流体と残留物流体とに分離される。残留物流体は、給送物流体より低い濃度の微量成分を有し、透過物流体は、給送物流体より高い濃度の微量成分を有する。直交流モジュールでは、透過物流は、主として、給送物流に対して横方向、好ましくは、垂直である。対向流モジュールでは、透過物流体は、主として、給送物流体と反対方向である。
【0004】
公知の対向流分離デバイスが、図1に示される。対向流分離デバイスでは、給送物の流動は、第1の方向(図1における左から右)であり、透過物の流動は、反対方向(図1における右から左)である。給送物中の大部分の透過性成分の濃度は、給送物が膜表面に沿って第1の方向に(すなわち、左から右)流動するにつれて、減少する。その結果、透過物における大部分の透過性成分の濃度も、第1の方向に沿って減少する。第2の方向に沿って流動する透過物流体は、入口に向かって、それに沿った(右から左の)あらゆる点において、透過物を希釈する。例えば、図1では、透過物は、右から左に連続的に流動し、したがって、大部分の透過性成分の濃度を残りの全ての点において希釈する。この希釈は、膜を横断した大部分の透過性成分の濃度差を増加させ、その結果、膜を横断した分離のための駆動力を増加させる。この効果は、掃引として知られる。
【0005】
駆動力のこの増加は、より小さい膜面積が使用され得るように、効率を改良する。しかしながら、対向流モジュールは、作製することが困難である。したがって、透過物流体が給送物流に対して直角に流動する、直交流モジュールが、ガス分離および透過気化法用途の多く(おそらく、大部分)において使用されている。対向流モジュールに関する問題は、この分野における多くの文献書籍、例えば、Baker,R. W.,Membrane Technology and Applications,3rd Edition,(2012),John Wiley and Sons(非特許文献1)の第3、4、8、および9章において議論されている。
【0006】
外部掃引を使用して、膜を横断した駆動力を増加させ、したがって、直交流モジュールのための効率を改良することが公知である。外部掃引は、流出口の近位の透過物流体の中に注入されるモジュールの外部で発生させられるガス流を使用して、掃引効果を発生させる。そのようなシステムは、図3に示され、本願で後にさらに詳細に説明される。図3(b)に示されるように、残留物流体は、出口端において透過物流体に導入される前、弁320を横断して拡張され得る。例えば、処理された残留物流体の一部を弁に通し、それをモジュールの透過物側に導入することが公知である。しかしながら、そのようなシステムは、信頼性のある動作のために、掃引流量を制御するための追加の配管および弁を要求し、それは、増加させられたコストにつながる。さらに、そのようなモジュールは、産業工場内では、多数使用され、それによって、多くの制御ユニットを要求し、任意の1つの故障は、残留物からのガスの透過物流への大規模な非制御漏出につながり、全体的工場の動作に影響を及ぼすであろう。
【0007】
図4および5に示されるデバイスは、代わりに、掃引ガス流を内部から発生させることによって、掃引ガスが外部から発生させられるモジュールに関する問題に対処することを試みた。図4に示されるデバイスは、対向流中空ファイバモジュールデバイスであり、ファイバは、裸端部部分403を除き、選択的層401でコーティングされている。裸端部部分は、ファイバの主要部分よりはるかに高い透過率を有するが、選択率ではない。したがって、給送物流体は、裸端部を通して透過し、内部発生掃引ガス409の流動としての機能を果たすであろう。図5に示されるデバイスも、対向流中空ファイバモジュールである。給送物流体502は、中空ファイバ505間の空間内で左から右に流動する。残留物パイプが、モジュールを通して延び、モジュール509の右側端部の前で終端する。給送物流体の一部は、ファイバ膜を透過し、給送物流と反対方向にファイバの内側を進行する。膜を透過しない給送物流体は、残留物収集パイプ内の孔を通して除去される。残留物収集パイプの端部は、オリフィス511によって穿孔されたプラグでシールされる。処理された残留物流体の一部は、このオリフィスを通して漏出し、次いで、ファイバ514の開放端に進入し、掃引ガスとしての機能を果たすことができる。
【0008】
内部掃引の使用は、対向流中空ファイバ分離モジュールに限定されている。内部掃引は、構築および動作上の難点に起因して、プレートおよびフレームモジュールまたは渦巻状に巻きつけられたモジュール等、膜シートを備えている、分離モジュールに適用されていない。実際、現在使用されている、渦巻状に巻きつけられたモジュールおよびプレートおよびフレームモジュールのほぼ全ては、より容易な構築および動作に起因して、対向流の代わりに、直交流である。本発明は、内部発生掃引の利点を平坦な膜シートを備えているデバイスに適用することを模索する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【文献】Baker,R. W.,Membrane Technology and Applications,3rd Edition,(2012),John Wiley and Sons
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明によると、請求項によって定義されるような対向流膜モジュールおよびモジュールを作製する方法が、提供される。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載されるように、微量成分および主要成分を備えている給送物流体を透過物流体と残留物流体とに分離するように構成された対向流膜モジュールが、提供され、残留物流体は、給送物流体より低い濃度の微量成分を有し、透過物流体は、給送物流体より高い濃度の微量成分を有する。モジュールは、第1の端部および第2の端部を有する筐体であって、第2の端部は、第1の方向に沿って第1の端部から間隔を置かれる、筐体を備えている。モジュールは、筐体の第1の端部と第2の端部との間の1つ以上の膜シートであって、各膜シートは、第1の端部および第2の端部を備え、第2の端部は、第1の方向に沿って第1の端部から間隔を置かれる、1つ以上の膜シートをさらに備えている。各膜シートは、第1の端部と第2の端部との間に延びている第1および第2の側を備え、第1の側は、第2の方向に沿って第2の側から間隔を置かれ、第2の方向は、第1の方向に対して横方向である。各膜シートは、第1の主要表面および第2の主要表面を備え、第2の主要表面は、第1の主要表面と反対側にあり、各膜シートは、給送物流体を残留物流体および透過物流体に分離するように構成されている。膜モジュールは、給送物流体および残留物流体が、第1の方向に各膜シートの第1の主要表面に沿って流動するが、各膜シートの前記第2の主要表面に沿って流動せず、透過物流体が各膜シートの第2の主要表面に沿って流動するが、各膜シートの第1の主要表面に沿って流動しないように構成されている。膜モジュールは、筐体の第1の端部における入口をさらに備え、入口は、各膜シートの第1の主要表面の第1の端部と流体連通し、各膜シートの第1の主要表面に沿って流動するように、給送物流体を送達するように構成されている。膜モジュールは、筐体の第2の端部における出口をさらに備え、出口は、各膜シートの第1の主要表面の第2の端部と流体連通し、給送物流体から分離された残留物流体を受け取り、出力するように構成されている。膜モジュールは、膜シートの第2の主要表面の第1の側に沿って透過区分に隣接する導管をさらに備えている。透過区分は、透過物流体が導管の中に入ることを可能にするためのものであり、導管は、給送物流体から分離された透過物流体を受け取り、出力するように構成されている。1つ以上の膜シートのうちの少なくとも1つは、第1の部分を横断した給送物流体の分離が透過物流体の第1の部分を発生させ、第2の部分を横断した分離が透過物流体の第2の部分を発生させるように、第1の部分および第2の部分を備えている。膜シートの第2の部分は、透過物流体の第2の部分が透過物流体の第1の部分より高い濃度の主要成分を有するように、第1の部分より高い主要成分のための透過率を有する。第2の部分は、膜シートの第1の主要表面に沿って流動する給送物流体と流体連通し、透過区分より第2の端部に近いように、第1の方向に膜シートの透過区分からオフセットされている。これは、透過物流体の第2の部分が、透過物流体の第1の部分と混合し、それによって、透過物流体の第1の部分中の微量成分の濃度を低減させるように、透過物流体の第2の部分を第1の端部に向かって流動させる。
【0012】
故に、本発明では、透過物流体の第2の部分は、掃引流体としての機能を果たし、第1の端部により近い透過物流体中の微量成分の濃度を希釈する。透過物流体中の微量成分の濃度を希釈することによって、微量成分のための膜を横断した濃度勾配が、増加させられる。濃度勾配の増加は、透過物流体および残留物流体への膜を横断した給送物流体の分離のための駆動力の増加につながる。透過物流体の第2の部分は、本明細書では、掃引ガスおよび掃引流とも称される。
【0013】
1つ以上の膜シートは、平坦、すなわち、平面である。
【0014】
給送物流体は、第1の方向に膜の主要表面に沿って流動する。給送物流体は、透過物流体および残留物流体に分離される。残留物流体も、第1の方向に給送物流体と同じ膜の主要表面に沿って流動する。透過物流体は、膜を通り抜け、膜の給送物流体および残留物流体と反対の主要表面に沿って流動する給送物流体の部分を備えている。本願では、それに沿って残留物および給送物流体が流動する膜の主要表面は、第1の主要表面と称され、それに沿って透過物流体が流動する膜の主要表面は、第2の主要表面と称される。第1の主要表面は、膜の給送物側にあると考えられ得、第2の主要表面は、膜の透過物側にあると考えられ得る。第2の主要表面は、第1の主要表面に対向する。換言すると、第2の主要表面は、膜シートの厚さによって、第1の主要表面から分離される。本発明では、透過物流体の少なくとも一部は、第2の端部から第1の端部に向かった方向(すなわち、第1の方向と反対の方向)に流動する。
【0015】
各膜シートに関して、入口と出口との間の第1の主要表面に沿った流体路は、流体が膜シートを第1の主要表面から第2の主要表面に通り抜けることのみ可能であるように、第2の主要表面に沿った導管までの流体路から流動的にシールされる。シールは、膜シートの第1の主要表面上の給送物/残留物流体と膜シートの第2の主要表面上の透過物流体との混合を引き起こすであろう漏出を防止する。シールは、モジュールの内外への流体を外側環境から分離する役割も果たす。シールは、エポキシ糊または同等シール材料等の接着剤、接着剤テープ、または熱シールを使用することによって、達成され得る。
【0016】
1つ以上の膜シートは、1つ以上の膜シートの第1の端部が、筐体の第1の端部の近位にあり、1つ以上の膜シートの第2の端部が、筐体の第2の端部の近位にあるように、筐体の第1の端部と第2の端部との間に延びている。好ましくは、筐体は、円筒形形状であり得、第1の方向は、筐体の直径を画定し、第1の端部と第2の端部とは、直径方向に対向する。
【0017】
1つ以上の膜シートの第1および第2の端部および第1および第2の側は、1つ以上の膜シートの外縁を形成する。1つ以上の膜シートの第1および第2の端部は、第1の方向に沿って間隔を置かれる1つ以上の膜シートの外縁を形成する。1つ以上の膜シートの第1および第2の側は、第2の方向に沿って間隔を置かれる1つ以上の膜シートの外縁を形成する。
【0018】
膜シートの透過区分は、典型的に、透過物流体を受け取るように構成される導管における開口部/開口と整列させられる膜シートの第2の主要表面の一部である。透過区分は、膜シートの第1の部分の一部である。透過区分は、典型的に、第1の方向に延びている。好ましくは、透過区分は、第1の側によって形成される外縁の一部に沿って延びている。透過区分は、膜シートの細片であり得る。好ましくは、透過区分は、第1の方向に沿って延びている。
【0019】
上で議論されるように、導管は、透過物流体を受け取り、出力するように構成されている。導管は、典型的に、1つ以上の膜シートの第2の主要表面に流動的に接続され、第2の主要表面は、第1の主要表面と反対側にある。導管は、複数の導管の第1の導管であり得る。導管は、典型的に、透過区分と整列させられる。導管は、典型的に、透過物流体を受け取るための開口部/開口を備えている。導管における開口部/開口は、典型的に、透過区分と整列させられる。第1の方向における導管における開口部/開口の軸方向範囲は、透過区分の軸方向範囲とほぼ同じである。導管における開口部/開口は、第1の方向における膜シートの長さより小さい軸方向範囲を有し得る。開口部/開口を有する導管のエリアは、開口部/開口を備えていないエリアより第1の端部に近くあり得る。導管は、穿孔された区分を有し得、穿孔は、開口部/開口である。導管は、非穿孔区分を有し得る。穿孔された区分は、第2の端部より第1の端部に近くあり得る。
【0020】
モジュールは、膜の第2の側の第2の透過区分に流動的に結合された第2の導管をさらに備え得る。第2の導管は、典型的に、1つ以上の膜シートの第2の主要表面にも流動的に接続され、第2の主要表面は、第1の主要表面と反対側にある。
【0021】
第1および第2の導管と、第1および第2の透過区分との両方を備えている構成では、透過物流体は、第1および第2の側の第1および第2の導管の両方に流動し、それは、受け取られ、モジュールから出力されるであろう。第2の透過区分は、第2の側によって形成される外縁の一部に沿って延び得る。透過区分は、膜シートの細片であり得る。好ましくは、第2の透過区分は、第1の方向に沿って延びている。第2の透過区分は、第1の方向における第1の透過区分と同じ軸方向範囲を有し得る。
【0022】
膜の第2の部分は、第1の部分より高い主要成分のための透過率を有する。好ましくは、主要成分に対する第2の部分の透過率は、主要成分に対する第1の部分の透過率の少なくとも2倍である。より好ましくは、主要成分に対する第2の部分の透過率は、主要成分に対する第1の部分の透過率の少なくとも10倍である。膜シートの第1の部分は、微量成分を主要成分より優先するように選択的である、選択率を有する。第2の部分は、給送物流体の成分に対する選択率を有していないが、依然として、第1の主要表面(給送物側)から第2の主要表面(透過物側)への分離されていない給送物流体の流動を調整することが可能である、コーティングされない膜シートの一部であり得る。しかしながら、膜シートの第2の部分も、微量成分を主要成分より優先するように選択的であるように、選択率を有し得る。実際、第2の部分も、実施されている分離のために選択的である場合、それは、有益であるが、要求されない。第2の部分も、実施されている分離のために選択的である場合、膜の第2の部分は、第1の部分より低い選択率を有する。
【0023】
第2の部分は、膜シートの第2の主要表面の一部を形成するが、第1の主要表面を形成しないこともある。代替として、第2の部分は、膜シートの第1の主要表面の一部を形成するが、第2の主要表面を形成しないこともある。さらなる代替として、第2の部分は、膜シートの第1および第2の主要表面の両方の一部を形成し得る。第1の部分は、膜シートの第2の主要表面の一部を形成するが、第1の主要表面を形成しないこともある。代替として、第1の部分は、膜シートの第1の主要表面の一部を形成するが、第2の主要表面を形成しないこともある。さらなる代替として、第1の部分は、膜シートの第1および第2の主要表面の両方の一部を形成し得る。好ましい配置では、第1の部分は、第1の主要表面の一部を形成し、第2の部分も、第1の主要表面の一部を形成する。第1の部分および第2の部分が、同じ主要表面の一部を形成する場合、第1の部分は、第2の部分を形成しない主要表面の残りを形成し得る。第1の部分および第2の部分が、両方の主要表面の一部を形成する場合、第1の部分および第2の部分は、重複しない。
【0024】
第1および第2の部分は、それぞれ、膜シートを第1および第2のコーティングでコーティングすることによって形成され得る。より具体的に、第1の部分は、膜の関連区分を第1のコーティングでコーティングすることによって形成され得、第2の部分は、膜の関連区分を第2のコーティングでコーティングすることによって形成され得る。第2のコーティングは、第1のコーティングより薄くあることができる、または異なるより透過性のコーティング材料から作製されることができる。その目的は、第1の部分より高い給送物流体の主要成分のための透過率を有する第2の部分を作製することである。第2のコーティングは、第1のコーティングと異なる組成を有し得る。
【0025】
第1および/または第2のコーティングは、1つ以上の膜シートの第2の主要表面に適用されるが、1つ以上の膜シートの第1の主要表面に適用されないこともある。代替として、第1および/または第2のコーティングは、第1の主要表面に適用されるが、1つ以上の膜シートの第2の主要表面に適用されないこともある。いくつかの実施形態では、第1および/または第2のコーティングは、1つ以上の膜シートの第1の主要表面および第2の主要表面の両方に適用され得る。いくつかの配置では、第1のコーティングは、第1の主要表面に適用され得、第2のコーティングは、第2の主要表面に適用され得る(すなわち、第2の部分が、第2の主要表面の一部に沿って延び/形成され、第1の部分が、第1の主要表面の一部に沿って延びている/形成されるように)。さらなる代替配置では、第1のコーティングは、第2の主要表面に適用され得、第2のコーティングは、第1の主要表面に適用され得る(すなわち、第2の部分が、第1の主要表面の一部に沿って延び/形成され、第1の部分が、第2の主要表面の一部に沿って延び/形成されるように)。第1のコーティングが、第2のコーティングと反対側の主要表面に適用される場合、第1のコーティングによってコーティングされたエリアは、エリアコーティングされた第2のコーティングによってコーティングされたエリアと重複しない。いくつかの配置では、第1の部分は、膜シートの関連区分を第1のコーティングでコーティングすることによって形成され得、第2の部分は、給送物流体の成分に対する選択率を有していないが、依然として、第1の主要表面(給送物側)から第2の主要表面(透過物側)への分離されていない給送物流体の流動を調整することが可能である、コーティングされない膜シートの区分であり得る。
【0026】
代替として、第1の部分は、第1の部分を第1の膜材料から切断することによって形成され得、第2の部分は、第2の部分を第2の膜材料から切断することによって形成され得る。第2の膜材料は、第1の膜材料より高い主要成分のための透過率を有する。第1の膜材料は、第2の膜材料より高い選択率を有し得る。第1および第2の部分は、例えば、接着剤を使用して、一緒にシールされ得る。この配置では、第2の部分は、膜シートの第1および第2の主要表面の両方の一部を形成し、第1の部分は、膜シートの第1および第2の主要表面の両方の一部を形成する。
【0027】
第2の部分は、透過区分より第2の端部に近いように、第1の方向に透過区分からオフセットされている。第2の部分は、第1の方向において、透過区分に重複しないこともある。第2の部分は、第1の方向において、透過区分から間隔を置かれ得る。
【0028】
第2の部分は、1つ以上の膜シートの外縁、好ましくは、第2の端部または第2の側によって形成される外縁に沿って延び得る。第2の部分は、第2の方向に第2の端部の少なくとも一部に沿って延び得る。第2の部分は、第1の方向に第2の側の少なくとも一部に沿って延び得る。第2の部分は、好ましくは、第1の方向に透過区分と重複しない。第2の部分の面積は、膜シートの総面積の50%未満、典型的に、膜シートの総面積の20%未満、好ましくは、膜シートの総面積の15%未満、より好ましくは、10%未満、最も好ましくは、膜シートの総面積の6%未満である。膜シートの残りの面積は、第1の部分を形成する。故に、第2の部分は、第1の部分に隣接する。第2の部分は、第1の部分に隣接する。
【0029】
膜の第2の部分の面積(掃引発生領域)は、広い範囲にわたって変動させられることができる。掃引発生領域の透過率も、使用される材料および膜の厚さを変化させることによって、変動させられることができる。したがって、掃引効果のサイズは、膜製造プロセスを調節することによって、容易に制御されることができる。膜モジュールが、作製されると、掃引効果の発生は、完全に自動であることができ、制御弁等は、要求されない。
【0030】
1つ以上の膜シートのうちの1つは、第3の部分をさらに備え得る。第3の部分は、透過物流体の流動を第1の端部に向かって(すなわち、透過区分に向かって)方向付けるためのバッフルとして機能する。好ましくは、第3の部分は、第3の部分が第2の端部により近いように、第1の方向に沿って透過区分からオフセットされている。
【0031】
第3の部分は、典型的に、第1の部分と比較して、主要成分のための低減させられた透過率を有する。第3の部分は、主要成分および微量成分に対して実質的に不透過性であり得る。
【0032】
第3の部分は、1つ以上の膜シートの第2の主要表面上に形成され得る。第3の部分は、エポキシまたは類似材料から形成され得る。第3の部分は、例えば、テープまたは糊を膜シートに適用することによって形成され得る。第3の部分は、透過区分に隣接する、またはそこから間隔を置かれ得る。第3の部分は、典型的に、第1の方向において、透過区分と重複しない。
【0033】
好ましくは、透過区分は、膜シートの外縁に沿って延びている。第3の部分は、膜シートの第1の側または第2の側に沿って延び得る。好ましくは、第3の部分は、第1の方向に沿って延びている。
【0034】
導管は、開口部/開口を有していないエリアを有し得る。このエリアは、膜シートの第3の部分と整列させられ得る。
【0035】
膜モジュールは、1つ以上の膜シートに間隔を保たせるように構成された1つ以上の給送スペーサをさらに備え得、各給送スペーサは、出口までの給送物流体および残留物流体の流動のための流体路を画定するためである。膜モジュールは、1つ以上の膜シートに間隔を保たせるように構成された1つ以上の透過スペーサをさらに備え得、各透過スペーサは、導管までの透過物流体の流動のための流体路を画定するためである。
【0036】
透過スペーサおよび給送スペーサは、それぞれ、膜シートの第1および第2の端部および第1および第2の側に対応する第1および第2の端部および第1および第2の側を有し得る。換言すると、各スペーサの第2の端部は、第1の方向に沿って第1の端部から間隔を置かれる。各スペーサの第1の側は、第2の方向に沿って第2の側から間隔を置かれ、第2の方向は、第1の方向に対して横方向である。
【0037】
透過スペーサおよび給送スペーサは、透過性である。膜シートの第1の主要表面に沿った給送物流体および残留物流体のための流体路は、給送スペーサを通る。膜シートの第2の主要表面に沿った透過物流体のための流体路は、透過スペーサを通る。
【0038】
1つ以上の膜シートのうちの第1の膜シートは、給送スペーサが第1の膜シートの第1の主要表面に隣接し、透過スペーサが、第1の膜シートの第2の主要表面に隣接するように配置され得る。給送スペーサは、典型的に、第1の膜シートの第1の主要表面と直接接触し、透過スペーサは、典型的に、第2の膜シートの第2の主要表面と直接接触する。
【0039】
膜シート、1つ以上の給送スペーサ、および1つ以上の透過スペーサは、積み重ねられた構成で配置され得、隣接する膜シート間の各空間は、給送スペーサまたは透過スペーサのいずれかによって画定され、膜シートは、各膜シートの第1の主要表面が給送スペーサと接触し、各膜シートの第2の主要表面が透過スペーサと接触するように、交互する向きで配置される。
【0040】
給送スペーサによって間隔を置かれた隣接する膜シートは、それらの第1の主要表面(給送物側)の第1および第2の側に沿ってシールされ、第1の主要表面に沿った給送物流体および残留物流体の流動のための流体路を流動的にシールし得る。透過スペーサによって間隔を置かれた隣接する膜シートは、それらの第2の主要表面(透過物側)のそれらの第1および第2の端部に沿ってシールされ、第2の主要表面に沿った透過物流体のための流体路を流動的にシールする。透過スペーサによって間隔を置かれた隣接する膜シートは、好ましくは、それらの第2の主要表面のそれらの第2の側にも沿ってシールされる。シールは、例えば、Oリング、接着剤、または熱シールを使用することによって達成され得る。給送スペーサは、それらの第1および第2の側にも沿ってシールされ得、それらは、膜シートの第1および第2の側に対応する。同様に、透過スペーサは、それらの第1および第2の端部および第2の側にも沿ってシールされ得、それらは、膜シートの第1および第2の端部および第2の側に対応する。1つの随意の配置では、隣接する膜シートの第1の主要表面は、それらの第1および第2の側に沿って、一緒にシールされ得る。同様に、隣接する膜シートの第2の主要表面は、それらの第1および第2の端部および第2の側に沿って、一緒にシールされ得る。
【0041】
膜シートは、給送スペーサの周りに折り畳まれ、それによって、一対の膜シートを形成し得、各膜シートの第1の主要表面は、給送スペーサに隣接する。換言すると、各膜シートの第1の主要表面は、互いに面し、それらの間の給送スペーサによって間隔を置かれる。この配置では、シールは、対の膜シートの各々の第1の側間の折り畳みによって提供される。
【0042】
各給送スペーサおよび各透過スペーサは、流体の流動を第1の方向に沿って方向付けるように構成され得る。給送および透過スペーサは、流体の流動を方向付けるための溝を有し得る。例えば、溝は、給送および透過スペーサの表面内に形成され得る。給送スペーサおよび透過スペーサは、給送スペーサ内の溝と透過スペーサ内の溝とが、第2の方向に沿って延びているように、向けられ得る。代替として、給送および透過スペーサは、流体の流動を方向付けるように波形にされ得る。波形給送および透過スペーサは、流体の流動を方向付けるための隆起を有し得る。波形給送スペーサおよび波形透過スペーサは、隆起の縦方向が第1の方向と平行であるように、向けられ得る。さらなる代替として、流体の流動を方向付けるために、給送スペーサおよび透過スペーサは、異なる透過性を異なる方向に有する材料から形成され得る。この透過性の差異は、スペーサを形成するために使用される材料内の繊維の織方によって達成され得る。給送スペーサおよび透過スペーサは、高透過方向(すなわち、低流動抵抗)が第1の方向と平行であるように、向けられ得る。
【0043】
スペーサは、約0.03~0.06インチの厚さを有し得る。スペーサは、樹脂が含浸され、次いで、表面を平滑または溝切させるようにカレンダ処理され得る織布材料から形成され得る。
【0044】
給送および透過スペーサは、典型的に、膜シートと同じエリアの上に延びている。
【0045】
対向流膜モジュールは、渦巻状に巻きつけられ得る。そのような実施形態では、導管は、第1の方向に沿って延びている中心管である。1つ以上の膜シートは、1つ以上の膜シートの第1の側が第2の側より中心管に近くなるように、第1の方向と垂直な渦巻を画定するように、中心管の周りに巻きつけられる。中心管は、円筒形表面と、管腔をそれらの間に画定する第1および第2の終端端部とを備えている。中心管は、1つ以上の開口部を円筒形表面内に備え、1つ以上の開口部は、給送物流体から分離された透過物流体を受け取るように構成されている。1つ以上の開口部は、膜の透過区分に隣接する。1つ以上の開口部は、1つ以上の開口部が、第2の部分より第1の端部に近いように、第1の方向に膜シートの透過区分からオフセットされている。中心管は、1つ以上の開口部によって受け取られる透過物流体を出力するように構成された出口をさらに備え、出口は、中心管の第1または第2の終端端部内にある。
【0046】
1つ以上の開口部は、互いに間隔を置かれ得る。好ましくは、1つ以上の開口部は、第1の方向に沿って間隔を置かれる。透過区分は、典型的に、第1の方向に1つ以上の開口部と同じ軸方向範囲にわたって延びている。透過区分は、典型的に、第1の方向に1つ以上の開口部と直接整列させられる。
【0047】
中心管は、1つ以上の開口部によって受け取られ、次いで、第1または第2の終端端部内の出口に向かって、かつそこから外に、管の縦方向に沿って、中心管の管腔内を流動するように、透過物流体のための流動経路を提供する。
【0048】
対向流膜モジュールは、プレートおよびフレームモジュールでもあり得る。プレートおよびフレームモジュールは、膜シートのスタックを含む。膜シートは、典型的に、給送スペーサおよび透過スペーサによって、互いに分離される。給送スペーサおよび透過スペーサによって分離される膜シートのスタックは、フレームによって一緒に接続される2つの端部プレート間に圧縮され得る。Oリングシールまたは接着剤シール層は、流体をモジュール内に含み、各膜シートの第1の主要表面(給送物側)上の流体を各膜シートの第2の主要表面(透過物側)上の流体から分離するために使用され得る。ダクトが、モジュールの縁の周りに提供され、流体を各膜シートの第1および第2の主要表面に導入し、そこから除去し得る。
【0049】
本発明は、上で説明される膜モジュールの膜シートを製造する方法にも関する。方法は、前駆体シートのロールを提供することと、前駆体シートのロールの第1のエリアを第1のコーティング溶液でコーティングし、前駆体シートのロールの第2のエリアを第2のコーティング溶液でコーティングし、膜シートのロールを形成することとを含む。方法はさらに、膜シートの1つ以上のロールを別個の膜シートに分離することを含み、各膜シートの第1の部分は、膜シートのロールの第1のエリアによって形成され、各膜シートの第2の部分は、膜シートのロールの第2のエリアによって形成され、各膜シートの第2の部分は、第1の部分より高い主要成分のための透過率を有する。
【0050】
第1のコーティング溶液は、第2のコーティング溶液と同じ組成を有し得る。本実施形態では、第2のエリアは、第2の部分が第1の部分より高い透過率を有するように、第1のエリアより薄いコーティング溶液のコーティングを有し得る。
【0051】
第1のコーティング溶液は、第2のコーティング溶液と異なる組成を有し得る。第1のコーティング溶液は、第1の部分より低い主要成分のための透過性を有し得る。
【0052】
前駆体シートのロールの第1のエリアを第1のコーティング溶液でコーティングすることおよび前駆体シートのロールの第2のエリアを第2のコーティング溶液でコーティングすることは、第1および第2の主要表面の両方のために実施され得る。代替として、前駆体シートのロールの第1のエリアを第1のコーティング溶液でコーティングすることおよび前駆体シートのロールの第2のエリアを第2のコーティング溶液でコーティングすることは、第1の主要表面のみのために実施され得る。
【0053】
第1のエリアおよび第2のエリアは、互いに隣接し得る。好ましくは、第2のエリアは、各膜シートにおいて、第2の部分が、細片として形成され、第1の部分が、第2の部分の両側に提供されるように、2つの第1のエリア間に位置付けられる。
【0054】
方法は、各膜シートが一対の膜シート(すなわち、スペーサの上側の膜シートおよびスペーサの下側の膜シート)を形成するように、各膜シートを給送スペーサの周りで折り畳むことをさらに含み得る。各膜シートの第1の主要表面は、給送スペーサに隣接する。換言すると、各膜シートの第1の主要表面は、互いに面し、それらの間の給送スペーサによって間隔を置かれる。
【0055】
方法は、それらの第1の側に沿って、2つの膜シートを一緒にシールし、給送スペーサをそれらの間に位置付けることをさらに含み得る。給送スペーサに隣接する、膜シートの表面は、第1の主要表面である。
【0056】
第1のエリアをコーティングするステップおよび第2のエリアをコーティングするステップは、同時に実施され得る。
【0057】
コーティングするステップは、膜シートのロールをコーティングコンテナ内の第1および第2の溶液と接触させることによって実施され得、コーティングコンテナは、セパレータによって互いに流動的に分離された第1および第2の区分を有し、第1の区分は、第1のコーティング溶液を含み、第2の区分は、第2のコーティング溶液を含む。方法はさらに、セパレータの位置を移動させ、第2の部分の位置およびサイズを調節することを含み得る。好ましくは、コーティングコンテナの第2の区分は、コーティングコンテナの2つの第1の区分間に位置付けられる。
【0058】
第1のエリアをコーティングするステップおよび第2のエリアをコーティングするステップは、別個のステップにおいて実施され得る。
【0059】
本発明の別の側面は、上で説明される直交流膜モジュールを使用して、主要成分および微量成分を備えている給送物流から微量成分を分離する方法に関する。方法は、入口を通して、各膜シートの第1の主要表面に沿って、給送物流体を流動させることを含み得る。方法は、膜シートを横断して、給送物流体を透過物流体と残留物流体とに分離することをさらに含み得、残留物流体は、給送物流体より低い濃度の微量成分を有し、透過物流体は、給送物流体より高い濃度の微量成分を有する。膜シートを横断して給送物流体を分離することは、膜シートの第1の部分を横断して給送物流体を分離し、透過物流体の第1の部分を発生させることと、膜シートの第2の部分を横断して給送物流体を分離し、透過物流体の第2の部分を発生させることとを含み得る。方法は、導管を介して、透過物流体を直交流膜モジュールから出力することと、出口を介して、残留物流体を直交流膜モジュールから出力することとをさらに含み得る。給送物流体は、メタンと、二酸化炭素とを備え得、方法が二酸化炭素をメタンから分離する方法であるように、メタンは、主要成分であって、二酸化炭素は、微量成分である。代わりに、給送物流体は、窒素と、二酸化炭素とを備え得、方法が二酸化炭素を窒素から分離する方法であるように、窒素は、主要成分であり、二酸化炭素は、微量成分である。
【0060】
本発明は、給送物流体の流動および供給を制御するために、これが内部で発生させられるので、弁または配管を要求しない。さらに、本発明は、公知の直交流モジュール、特に、プレートおよびフレームモジュールおよび渦巻状に巻きつけられたモジュールが、その全体的構造に大きい変化を伴わずに、内部掃引を採用する対向流構成に対して変化させられることを可能にする。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
微量成分および主要成分を備えている給送物流体を透過物流体と残留物流体とに分離するように構成された対向流膜モジュールであって、前記残留物流体は、前記給送物流体より低い濃度の前記微量成分を有し、前記透過物流体は、前記給送物流体より高い濃度の前記微量成分を有し、前記モジュールは、
第1の端部および第2の端部を有する筐体であって、前記第2の端部は、第1の方向に沿って前記第1の端部から間隔を置かれている、筐体と、
前記筐体の前記第1の端部と第2の端部との間の1つ以上の膜シートと
を備え、
各膜シートは、第1の端部および第2の端部を備え、前記第2の端部は、前記第1の方向に沿って前記第1の端部から間隔を置かれ、各膜シートは、前記第1の端部と第2の端部との間に延びている第1および第2の側を備え、前記第1の側は、第2の方向に沿って前記第2の側から間隔を置かれ、前記第2の方向は、前記第1の方向に対して横方向であり、各膜シートは、第1の主要表面および第2の主要表面を備え、前記第2の主要表面は、前記第1の主要表面と反対側にあり、各膜シートは、前記給送物流体を前記残留物流体と前記透過物流体とに分離するように構成され、
前記膜モジュールは、前記給送物流体および前記残留物流体が前記第1の方向に各膜シートの前記第1の主要表面に沿って流動するが、各膜シートの前記第2の主要表面に沿って流動せず、前記透過物流体が各膜シートの前記第2の主要表面に沿って流動するが、各膜シートの前記第1の主要表面に沿って流動しないように構成され、
前記膜モジュールは、
前記筐体の前記第1の端部における入口であって、前記入口は、各膜シートの前記第1の主要表面の前記第1の端部と流体連通し、前記給送物流体を受け取るように構成され、それによって、前記給送物流体は、各膜シートの前記第1の主要表面に沿って流動する、入口と、
前記筐体の前記第2の端部における出口であって、前記出口は、各膜シートの前記第1の主要表面の前記第2の端部と流体連通し、前記給送物流体から分離された前記残留物流体を受け取り、出力するように構成されている、出口と、
前記膜シートの前記第2の主要表面の前記第1の側に沿った透過区分に隣接した導管であって、前記透過区分は、前記透過物流体が前記導管の中に入ることを可能にするためのものであり、前記導管は、前記給送物流体から分離された前記透過物流体を受け取り、出力するように構成されている、導管と、
をさらに備え、
前記1つ以上の膜シートのうちの少なくとも1つは、第1の部分および第2の部分を備え、前記第1の部分を横断した前記給送物流体の分離が、前記透過物流体の第1の部分を発生させ、前記第2の部分を横断した分離が、前記透過物流体の第2の部分を発生させ、
前記膜シートの前記第2の部分は、前記第1の部分より前記主要成分のための高い透過性を有し、それによって、前記透過物流体の前記第2の部分が、前記透過物流体の前記第1の部分より前記主要成分の高い濃度を有し、
前記第2の部分は、前記膜シートの前記第1の主要表面に沿って流動する前記給送物流体と流体連通し、前記第2の部分は、前記第2の部分が前記透過区分より前記第2の端部に近いように、前記膜シートの前記透過区分から前記第1の方向にオフセットされており、それによって、前記透過物流体の前記第2の部分に前記第1の端部に向かって流動させ、その結果、前記透過物流体の前記第2の部分は、前記透過物流体の前記第1の部分と混合し、それによって、前記透過物流体の前記第1の部分中の前記微量成分の濃度を低減させる、膜モジュール。
(項目2)
前記導管は、前記透過区分と整列させられている、項目1に記載の膜モジュール。
(項目3)
前記モジュールは、第2の導管をさらに備え、各膜は、第2の透過区分を備え、前記第2の透過区分は、前記第2の側にあり、前記第2の透過区分は、前記第2の導管に流動的に接続され、前記第2の導管は、前記給送物流体から分離された前記透過物流体を受け取り、出力するように構成されている、項目1に記載の膜モジュール。
(項目4)
前記膜モジュールは、プレートおよびフレームモジュールである、項目1に記載の膜モジュール。
(項目5)
前記対向流膜モジュールは、渦巻状に巻きつけられ、
前記導管は、前記第1の方向に沿って延びている中心管であり、
前記1つ以上の膜シートは、前記1つ以上の膜シートの前記第1の側が前記第2の側より前記中心管に近いように、前記中心管の周りに巻きつけられ、前記第1の方向と垂直な渦巻を画定し、
前記中心管は、円筒形表面と第1および第2の終端端部とを備え、前記第1および第2の終端端部は、それらの間に管腔を画定し、
前記中心管は、1つ以上の開口部を前記円筒形表面内に備え、前記1つ以上の開口部は、前記給送物流体から分離された前記透過物流体を受け取るように構成され、前記1つ以上の開口部は、前記膜の透過区分に隣接し、前記1つ以上の開口部は、前記1つ以上の開口部が前記第2の部分より前記第1の端部に近いように、前記膜シートの前記第2の部分から前記第1の方向にオフセットされ、
前記中心管は、前記1つ以上の開口部によって受け取られる前記透過物流体を出力するように構成された出口をさらに備え、前記出口は、前記中心管の前記第1または第2の終端端部にある、項目1に記載の膜モジュール。
(項目6)
前記1つ以上の開口部は、前記第1の方向に沿って互いに間隔を置かれている、項目5に記載の膜モジュール。
(項目7)
前記膜シートの前記第2の部分は、前記1つ以上の膜シートの外縁に沿って延びている、項目1に記載の膜モジュール。
(項目8)
前記第2の部分は、前記第2の側の少なくとも一部に沿って延び、前記第2の部分は、前記第1の方向において前記透過区分と重複しない、項目7に記載の膜モジュール。
(項目9)
前記第2の部分は、前記第2の端部の少なくとも一部に沿って延び、好ましくは、前記第2の部分は、前記第1の方向に沿って延びている、項目7に記載の膜モジュール。
(項目10)
前記第2の部分は、前記第1の方向に沿って延びている、項目8に記載の膜モジュール。
(項目11)
前記透過区分は、前記第1の側に沿って延びている、項目1に記載の膜モジュール。
(項目12)
前記1つ以上の膜シートのうちの少なくとも1つは、第3の部分をさらに備え、前記第3の部分は、透過物の流動を前記透過区分に向かって方向付けるように構成され、好ましくは、前記第3の部分は、前記1つ以上の膜シートの前記第2の主要表面に沿って延びている、項目1に記載の膜モジュール。
(項目13)
前記第3の部分は、前記第3の部分が前記第2の端部により近いように、前記透過区分から前記第1の方向に沿ってオフセットされている、項目12に記載の膜モジュール。
(項目14)
前記第3の部分は、前記第1の部分と比較して、前記主要成分のための低減させられた透過率を有し、好ましくは、前記第3の部分は、前記主要成分および微量成分に対して実質的に不透過性である、項目12に記載の膜モジュール。
(項目15)
前記第3の部分は、前記膜の縁に沿って延び、好ましくは、前記第3の部分は、前記第1の側または前記第2の側に沿って延びている、項目12に記載の膜モジュール。
(項目16)
前記第2の部分は、前記第2の方向に、および/または、前記1つ以上の膜シートの前記第2の端部の縁に沿って延びている、項目1に記載の膜モジュール。
(項目17)
前記モジュールは、
前記1つ以上の膜シートに間隔を保たせるように構成された1つ以上の給送スペーサであって、各給送スペーサは、前記出口までの前記給送物流体および残留物流体の流動のための流体路を画定するためである、1つ以上の給送スペーサと、
前記1つ以上の膜シートに間隔を保たせるように構成された1つ以上の透過スペーサであって、各透過スペーサは、前記導管までの前記透過物流体の流動のための流体路を画定するためである、1つ以上の透過スペーサと
をさらに備えている、項目1に記載の膜モジュール。
(項目18)
前記1つ以上の膜シートのうちの第1の膜シートは、給送スペーサが前記第1の膜シートの前記第1の主要表面に隣接し、透過スペーサが前記第1の膜シートの前記第2の主要表面に隣接するように配置されている、項目17に記載の膜モジュール。
(項目19)
前記膜シート、前記1つ以上の給送スペーサ、および前記1つ以上の透過スペーサは、積み重ねられた構成で配置され、隣接する膜シート間の各空間は、給送スペーサまたは透過スペーサのいずれかによって画定され、前記膜シートは、各膜シートの前記第1の主要表面が給送スペーサと接触し、各膜シートの前記第2の主要表面が透過スペーサと接触するように、交互する向きである、項目17に記載の膜モジュール。
(項目20)
給送スペーサによって間隔を置かれた隣接する膜シートは、それらの第1の主要表面の前記第1および第2の側に沿ってシールされていることによって、前記第1の主要表面を横断した前記給送物流体および残留物流体の流動のための前記流体路を流動的にシールし、透過スペーサによって間隔を置かれた隣接する膜シートは、それらの第2の主要表面のそれらの第1および第2の端部に沿ってシールされていることによって、前記第2の主要表面を横断した前記透過物流体のための前記流体路を流動的にシールし、好ましくは、前記透過スペーサによって間隔を置かれた前記隣接する膜シートは、それらの第2の主要表面の前記第2の側にも沿ってシールされている、項目17に記載の膜モジュール。
(項目21)
各給送スペーサは、前記第1の方向に沿って流体の流動を方向付けるように構成され、各透過スペーサは、前記第2の方向に沿って流体の流動を方向付けるように構成されている、項目17に記載の膜モジュール。
(項目22)
前記第2の部分の面積は、前記膜シートの総面積の20%未満、好ましくは、15%未満、より好ましくは、10%未満、最も好ましくは、6%未満である、項目1に記載の膜モジュール。
(項目23)
前記主要成分のための前記第2の部分の透過率は、前記主要成分のための前記第1の部分の透過率の2倍、好ましくは、少なくとも10倍より大きい、項目1に記載の膜モジュール。
(項目24)
前記第2の部分は、前記第2の主要表面の一部を形成している、項目1に記載の膜モジュール。
(項目25)
前記第2の部分は、前記第1の主要表面の一部を形成している、項目1に記載の膜モジュール。
(項目26)
項目1に記載の前記膜モジュールの膜シートを製造する方法であって、前記方法は、
前駆体シートのロールを提供することと、
前記前駆体シートの前記ロールの第1のエリアを第1のコーティング溶液でコーティングし、前記前駆体シートの前記ロールの第2のエリアを第2のコーティング溶液でコーティングし、前記膜シートの前記ロールを形成することと、
前記膜シートの1つ以上のロールを別個の膜シートに分離することと
を含み、
各膜シートの前記第1の部分は、前記膜シートの前記ロールの前記第1のエリアによって形成され、各膜シートの前記第2の部分は、前記膜シートの前記ロールの前記第2のエリアによって形成され、各膜シートの前記第2の部分は、前記第1の部分より高い前記主要成分のための透過率を有する、方法。
(項目27)
前記第1のエリアおよび前記第2のエリアは、互いに隣接し、好ましくは、前記第2のエリアは、2つの第1のエリア間に位置付けられ、それによって、各膜シートにおいて、前記第2の部分は、細片として形成され、前記第1の部分は、前記第2の部分の両側に提供される、項目26に記載の方法。
(項目28)
前記方法は、各膜シートが一対の膜シートを形成するように、各膜シートを給送スペーサの周りで折り畳むことをさらに含む、項目26に記載の方法。
(項目29)
2つの膜シートをそれらの第1の側に沿って一緒にシールし、それらの間に給送スペーサを位置付けることをさらに含む、項目26に記載の方法。
(項目30)
前記第1のエリアをコーティングすることと、前記第2のエリアをコーティングすることとは、同時に実施される、項目26に記載の方法。
(項目31)
前記コーティングすることは、前記膜シートの前記ロールをコーティングコンテナ内の第1および第2の溶液と接触させることによって実施され、前記コーティングコンテナは、セパレータによって互いに流動的に分離された第1および第2の区分を有し、前記第1の区分は、前記第1のコーティング溶液を含み、前記第2の区分は、前記第2のコーティング溶液を含む、項目26に記載の方法。
(項目32)
前記コーティングコンテナの前記第2の区分は、前記コーティングコンテナの2つの第1の区分間に位置付けられている、項目31に記載の方法。
(項目33)
前記セパレータの位置を移動させ、前記第2の部分の位置およびサイズを調節することをさらに含む、項目31に記載の方法。
(項目34)
対向流膜モジュールを使用して、主要成分および微量成分を備えている給送物流から微量成分を分離する方法であって、残留物流体が、前記給送物流体より低い濃度の前記微量成分を有し、透過物流体が、前記給送物流体より高い濃度の前記微量成分を有し、好ましくは、前記微量成分は、二酸化炭素であり、前記主要成分は、メタンまたは窒素であり、
前記モジュールは、
第1の端部および第2の端部を有する筐体であって、前記第2の端部は、第1の方向に沿って前記第1の端部から間隔を置かれている、筐体と、
前記筐体の前記第1の端部と第2の端部との間に延びている1つ以上の膜シートであって、各膜シートは、第1の端部および第2の端部を備え、前記第2の端部は、前記第1の方向に沿って前記第1の端部から間隔を置かれ、各膜シートは、前記第1の端部と第2の端部との間に延びている第1および第2の側を備え、前記第1の側は、第2の方向に沿って前記第2の側から間隔を置かれ、前記第2の方向は、前記第1の方向に対して横方向であり、各膜シートは、第1の主要表面および第2の主要表面を備え、前記第2の主要表面は、前記第1の主要表面と反対側にある、1つ以上の膜シートと、
前記筐体の前記第1の端部における入口であって、前記入口は、各膜シートの前記第1の主要表面の前記第1の端部と流体連通している、入口と、
前記筐体の前記第2の端部における出口であって、前記出口は、各膜シートの前記第1の主要表面の前記第2の端部と流体連通している、出口と、
前記膜シートの前記第2の主要表面の前記第1の側に沿って透過区分に隣接している導管と
を備え、
前記1つ以上の膜シートのうちの少なくとも1つは、第1の部分および第2の部分を備え、
前記方法は、
前記第1の方向に各膜シートの前記第1の主要表面に沿って流動するように、前記主要成分および前記微量成分を備えている給送物流体を前記入口を介して各膜シートの前記第1の主要表面に送達することと、
前記残留物流体が前記第1の主要表面に沿って前記第1の方向に前記出口まで流動し、前記透過物流体が前記第2の主要表面に沿って、前記透過区分に、次いで、前記導管の中に流動するように、各膜シートを横断する前記給送物流体を前記透過物流体と前記残留物流体とに分離することと
を含み、
前記膜モジュールは、前記給送物流体および前記残留物流体が前記第1の方向に各膜シートの前記第1の主要表面に沿って流動するが、各膜シートの前記第2の主要表面に沿って流動せず、前記透過物流体が各膜シートの前記第2の主要表面に沿って流動するが、各膜シートの前記第1の主要表面に沿って流動しないように構成され、
前記分離するステップは、前記膜シートの前記第1の部分を横断して前記給送物流体を分離することによって、前記透過物流体の第1の部分を発生させ、前記膜シートの前記第2の部分を横断して前記給送物流体を分離することによって、前記透過物流体の第2の部分を発生させることを含み、前記膜シートの前記第2の部分は、前記透過物流体の前記第2の部分が前記透過物流体の前記第1の部分より前記主要成分の高い濃度を有するように、前記第1の部分より高い前記主要成分のための透過率を有し、
前記第2の部分は、前記膜シートの前記第1の主要表面に沿って流動する前記給送物流体と流体連通し、前記第2の部分は、前記第2の部分が前記透過区分より前記第2の端部に近いように、前記膜シートの前記透過区分から前記第1の方向にオフセットされており、それによって、前記透過物流体の前記第2の部分に前記第1の端部に向かって流動させ、その結果、前記透過物流体の前記第2の部分は、前記透過物流体の前記第1の部分と混合し、それによって、前記透過物流体の前記第1の部分中の前記微量成分の濃度を低減させ、
前記方法は、前記残留物流体を前記モジュールから前記出口を介して出力し、前記透過物流体を前記モジュールから前記導管を介して出力することをさらに含む、方法。
【図面の簡単な説明】
【0061】
本発明のより深い理解のために、かつそれが実行され得る方法を示すために、ここで、例のみとして、付随の図面が参照されるであろう。
【0062】
図1図1は、対向流、直交流、および並行流膜モジュールの公知の構成の概略図である。
【0063】
図2図2は、達成され得る分離が圧力比制御される公知の膜モジュールの分離効率を実証する例示的計算を含む概略図である。
【0064】
図3図3(a)-3(d)は、公知の対向流膜モジュール構成の概略図であり、それは、掃引ガス流を外部から発生させる。
【0065】
図4図4(a)および(b)は、米国特許第4687578号からの概略図であり、内部発生掃引流を採用する公知の中空ファイバ膜モジュールを描写する。
【0066】
図5図5は、米国特許第6740140号からの概略図であり、内部発生掃引流を採用する公知の中空ファイバ膜モジュールを描写する。
【0067】
図6図6(a)-6(c)は、圧力比限定領域内にある分離に及ぼされるモジュール流動構成の効果を実証する例示的計算を含む概略図である。図6(a)は、直交流膜モジュールを図示し、図6(b)は、対向流膜モジュールを図示し、図6(c)は、外部から発生させられる掃引流を採用する対向流膜モジュールを図示する。
【0068】
図7図7(a)-(c)は、部分的に圧力比限定領域の外側にある分離に及ぼされるモジュール流動構成の効果を実証する例示的計算を含む概略図である。
【0069】
図8図8(a)-(c)は、公知の膜モジュールの概略図である。
【0070】
図9図9は、本発明による膜シートを形成するために使用され得るコーティングプロセスの概略図であり、各膜シートは、第1および第2の部分を有する。
【0071】
図10図10は、本発明による膜シートを形成するために使用される膜コーティングプロセスの概略図であり、各膜シートは、第1および第2の部分を有する。
【0072】
図11図11は、本発明を理解するために有用な多層複合膜の例証である。
【0073】
図12図12は、本発明の対向流膜モジュールを形成するために使用されるプロセスの一部の概略図である。
【0074】
図13図13は、本発明の対向流膜モジュールを形成するために使用されるプロセスの一部の概略図である。
【0075】
図14図14(a)-(e)は、膜シートの第2の部分および/または第3の部分の異なる向きを用いて生成され得る掃引流パターンの概略図である。図14(b)-(e)は、本発明によるものである。
【0076】
図15A図15(a)は、モジュールがプレートおよびフレームモジュールとして構成される本発明の対向流モジュールの斜視図の概略図である。
【0077】
図15B図15(b)は、図15(a)に描写されるプレートおよびフレームモジュールの断面図である。
【0078】
図16図16(a)は、本発明の対向流モジュールの斜視図の概略図であり、モジュールは、プレートおよびフレームモジュールとして構成されている。図16(b)は、図16(a)に描写されるプレートおよびフレームモジュールの断面図である。
【0079】
図17-1】図17(a)および(b)は、本発明の対向流モジュールの分解図であり、モジュールは、渦巻状に巻きつけられたモジュールとして構成され、膜シートと、中心管とを備えている。
【0080】
図17-2】図17(c)は、図17(a)および(b)のモジュールの斜視図であり、膜シートは、中心管の周りに部分的に巻きつけられている。
【0081】
図17-3】図17(d)は、中心管の終端端部からの図17(a)、(b)、および(c)のモジュールの断面図であり、膜シートは、中心管の周りに完全に巻きつけられている。
【0082】
図18図18は、本発明の対向流モジュールの分解図であり、モジュールは、渦巻状に巻きつけられたモジュールとして構成され、膜シートと、中心管とを備えている。
【発明を実施するための形態】
【0083】
本発明以前は、掃引流体を採用するモジュールは、図3、4、5、および8におけるものに類似する形態を伴う対向流中空ファイバモジュールに適用されており、掃引流体が、対向流モジュールの性能を向上させるために、モジュールの残留端において導入されていた。我々の発明のモジュール構成は、1つ以上の膜シート(必然的に平坦/平面である)を採用する膜モジュールにおいて内部発生掃引流体を使用する。本発明の膜モジュールは、渦巻状に巻きつけられたモジュールまたはプレートおよびフレームモジュールとして構成され得る。本発明では、掃引流体流動は、給送物流体の一部を透過物流体の中に透過させることによって制御される。故に、掃引流体は、内部で発生させられる。内部発生掃引を膜シートを有する膜モジュールにおいて使用することは、驚くべき技術的効果につながる。
【0084】
(膜シート形成)
本発明は、平坦なシート膜を備えている、モジュールの使用に焦点を当てる。平坦なシート膜は、渦巻状に巻きつけられたモジュールまたはプレートおよびフレームモジュールの中に形成され得る。モジュールを作製するために使用される膜は、通常、典型的に、40~60インチ幅および数百メートル長の持続ロールとして作製される。分離を実施するために使用される選択的層は、通常、薄く、かつ繊細であり、したがって、ほぼ全ての膜は、コーティングまたは鋳造/析出プロセスによって作製され、プロセスにおいて、膜は、機械的強度を提供する丈夫な不織支持紙のロール上に形成される。ある範囲のコーティングおよび鋳造手順が、例えば、“Membrane Technology and Applications”,Richard Baker,John Wileyed.,(2012)に説明されるように、これらの膜を調製するために使用される。本発明は、任意の特定のタイプの膜に限定されず、当業者は、公知の膜生成技法を修正し、本発明のために必要とされる膜シートを作製することが可能であろう。
【0085】
例として、図9は、従来のコーティングプロセスが、本発明において使用される第1および第2の部分を有する膜シートを作製するために、どのように適合されることができるかを示す。図9では、支持膜のロールが、給送物ロール901から引き出され、コーティングコンテナ906の下かつコーティングロール909の上に引っ張られる。コーティング溶液を分注するために使用されるコーティングコンテナ906は、第2の区分904の両側に位置付けられた第1の区分905を有し、区分904、905は、セパレータ(堰堤)910および911によって互いに分離されている。セパレータ910、911は、薄い。第1の区分905は、第1のコーティング溶液を含み、第2の区分904は、第2のコーティング溶液を含む。2つのコーティングされたエリアは、コーティングコンテナの下を通過するにつれて、紙フィルム上に生成される。第1のエリア907は、第1の区分905からコーティング溶液でコーティングされ、膜シートの第1の部分を形成する。第2のエリア908は、第2の区分904からコーティング溶液でコーティングされ、第2の部分を形成する。第2のコーティング溶液は、第1のコーティング溶液より高い主要成分のための透過率を有する。その結果、第2の部分は、第1の部分より高い、特に、主要成分のための透過率を有する。第1の部分は、第2の部分より高い選択率を有する。
【0086】
第1および第2のエリア907、908のコーティングは、各膜シートの第1の主要表面にのみ実施され得る。代替として、第1および第2のエリア907、908のコーティングは、各膜シートの第1の主要表面および第2の主要表面の両方に実施され得る。
【0087】
セパレータ/堰堤910、911の位置を移動させることによって、第2の部分(高透過率膜)の細片の位置およびサイズが、膜の片側から他の側まで変動させられることができる。膜のこの部分/エリアを通した透過物の流束は、コーティング溶液の組成および細片の面積を調節することによって、容易に制御される。
【0088】
図9に示される例示的装置では、膜の両方の部分が、同じコーティング動作で形成された。しかしながら、最初に、膜の1つの部分を形成し、次いで、第2の動作において、第2の部分を形成する方がより容易であり得る。両方のオプションが、本発明に包含される。
【0089】
本発明の膜シートを作製するために使用され得るものを表す、第2のタイプの膜コーティング装置が、図10に示される。このタイプの機器は、図11に示されるような多層複合膜シートである膜シートを作製するために使用される。複合膜シートは、機械的強度を提供する微孔性支持体1101と、選択的膜を構成するいくつかのコーティング層とから成る多層構造である。第1の層は、ガター層1102であり、それは、非常に高透過であるが、非選択的である材料から作製される。ガター層1102は、透過物を支持膜の細孔に伝える役割を果たし、それは、選択的層1103がコーティングされることができる平滑な表面を提供する。選択的層1103は、次いで、モジュール調製または使用中、選択的層を損傷から保護する役割を果たす高透過ポリマーの最終保護層1104でコーティングされる。
【0090】
そのような膜シートを作製するために使用され得る装置は、図10に示される。支持紙1001のロールが、最初に、ガター層アプリケータ1006に通され、その後、膜は、オーブン1007内で乾燥させられる。膜は、次いで、選択的層アプリケータを通過し、選択的層が、適用され、その後、膜は、オーブン1003内で再び乾燥させられる。最後に、膜は、オーブン1005内で乾燥させられる前、アプリケータ1004を用いて、保護層でコーティングされる。
【0091】
装置において使用されるコーティングコンテナのうちの1つ以上のものは、図10(b)に示されるように、修正され、必要とされる異なる透過特性を伴う膜の領域を生成することができる。2つのテフロン(登録商標)プレート1014および1015が、鋼鉄圧延バーの周りにぴったり合うように成形され、コーティングコンテナを2つの区分に分割する役割を果し、異なる膜が移動する支持体上にコーティングされることを可能にする。
【0092】
図9および10に図示されるプロセスによって生成される膜シートの第2の部分(高透過エリア)は、膜シートに沿った連続した細片として形成される。構築されている膜モジュールの構成に応じて、細片の区分は、所望に応じて、テープまたは他の手段で覆うことによって、塞がれ得る。
【0093】
(膜モジュールの構築)
図9および10の説明では、第2の部分(すなわち、高透過エリア)が膜のロールの一方の縁に沿って細片として形成される膜ロールを作製する方法が、説明された。そのような膜ロールは、図12が示すように、いくつかの方法において一緒に組み立てられ得る膜シートに切断され、製作され得る。
【0094】
図12(a)では、膜のシートが、一方の縁に沿って、高透過率膜(すなわち、第2の部分)1206の細片を有する高選択率膜から成るロールから切断される。第2の部分1206ではない膜シートの残り(すなわち、高選択率のエリア)は、第1の部分1205を形成する。図12(b)および12(c)は、膜の2つのシートが、側縁に沿って一緒にシールされ得る方法を示す。図12bでは、これは、接着剤テープ1220を使用することによって行われるが、エポキシまたはウレタン糊も、加えて、または代わりに、使用され得る。図12(b)では、第2の部分(高透過細片)1206は、縁に対して横方向に延び、縁において、膜シートが、接合される。図12(c)では、膜シートは、第2の部分(高透過細片)と反対の縁において接合される。膜モジュールのために膜シートをともに積層する例示的方法は、米国特許第8、661,648号に説明される。最後に、図12dに示されるように、膜シートを切断し、それを縦軸1210に沿って折り畳むことも、可能である。第2の部分(高透過の領域)1206は、縦軸1210に対して横の方向に沿って、折り畳み部1221から間隔を置かれている。特に、第2の部分1206は、折り畳み部1221と反対側にある。給送スペーサ1240が、折り畳み部によって画定された空間内、またはシールされた膜シート間の空間内に提供され、膜シート1200の主要表面に沿って流体路を提供する。膜は、給送スペーサ1240の周りで折り畳まれ得、それによって、膜シート1200は、給送スペーサ1240の両側に提供される。
【0095】
図13は、いくつかの膜シート1300が、その縦軸1310に沿って、膜の長方形シートを切断し、次いで、横方向1330に沿って、膜シートを折り畳むことによって、一緒に組み立てられ得ることを示す。折り畳み部1331は、次いで、好ましくは、第2の部分(膜の高透過エリア)1306と垂直である。給送スペーサ1340が、折り畳み部によって画定された空間内に提供されることによって、膜シート1300の主要表面に沿って、流体路を提供する。
【0096】
膜シート1200、1300が、給送スペーサ1240、1340の周りで折り畳まれると、それは、一対の膜シートを形成すると考えられ得、各膜シートの第1の主要表面は、給送スペーサに隣接する。換言すると、各膜シートの第1の主要表面は、互いに面し、それらの間の給送スペーサ1240、1340によって間隔を置かれている。対の膜シートは、膜エンベロープであると考えられ得る。
【0097】
膜シート1200、1300は、モジュール(典型的に、図16および17に示されるように、渦巻状に巻きつけられたモジュールまたはプレートおよびフレームモジュール)において組み立てられる。これらのモジュールは、ガス分離および透過気化法用途において広く使用される。渦巻状に巻きつけられたモジュールは、典型的に、円筒形圧力容器内に含まれる。公知のモジュールでは、透過物流体のための流体路を包囲する、膜シート1200、1300全体は、同じ選択的膜から作製されるであろう。我々の発明では、膜シート1200、1300の一部(第2の部分1206、1306)は、膜シートの残りよりはるかに高い平均透過率を有する。第2の部分1206、1306は、より低い選択率も有するであろう。そのより高い透過率およびより低い選択率により、掃引効果は、膜シートの第2の部分1206、1306を透過する流体によって、透過物流体のための流動経路内に発生させられる。
【0098】
(膜モジュールの構成)
膜シート1400の第1の部分1405および第2の部分1406(ある場合、第3の部分1410も)のための可能な構成のうちのいくつかが、透過物流体1407の流動のための結果として起こる流動経路と一緒に、図14に示される。これらの構成を有する膜シートは、渦巻状に巻きつけられたモジュールまたはプレートおよびフレームモジュールの中に組み込まれることができる。各構成では、膜シート1400の第2の端部1402は、第1の方向1450に沿って、第1の端部1401から間隔を置かれている。膜シート1400の第2の側1404は、第1の方向1450に対して横方向である第2の方向に沿って第1の側1403から間隔を置かれている。透過物流体のための流動経路は、参照番号1407で標識された矢印によって示される。したがって、透過物流体1407のための(すなわち、膜の第2の主要表面/透過物側の)種々の流動パターンが、可能であることが分かる。第1の方向1450は、図中の左から右への矢印によって示される。図14に示される例示的構成では、膜シート1400の第1の主要表面に沿って流動する給送物流体は、図中の左から右である第1の方向1450に沿って、略直線経路を辿る。図14(a)は、これが、透過物流体1407の流動が給送物流体の流動に対して横方向である直交流構成を描写しているので、本発明によるものではない。図14(b)-14(e)は、それらが透過物流体の流動が給送物流体の流動と反対方向である対向流構成を描写しているので、本発明によるものである。実際、これらの図では、給送物流体の流動は、左から右である第1の方向1450に沿っている一方、透過物流体または透過物流体の少なくとも1つの成分(特に、透過物流体の第2の部分)の流動は、右から左である。膜シート1400の透過区分1408は、導管1409、すなわち、透過物流体1407の流動矢印頭が位置付けられる場所の近位にある(すなわち、それに隣接する)。導管1409および透過区分1408は、第1の方向1450に沿って延びている。導管1409は、透過物流体を受け取るように構成された開口部/開口を備えている。導管における開口部/開口の軸方向範囲は、第1の方向1450における透過区分1408の軸方向範囲と同じである。
【0099】
図14aは、本発明によるものではない、膜シートのための構成を示す。この構成では、第2の部分1406(膜の高透過率領域)は、透過区分1408と反対側にある。第2の部分1406は、膜シート1400の透過区分1408から、第1の方向1450にオフセットされていない。したがって、対向流掃引効果は、達成されない(すなわち、透過物流体の第2の部分1407は、図中の右から左に流動しない)。代わりに、直交流掃引効果が、生成される。
【0100】
図14(b)-14(e)は、図14(a)に示される膜シートより良好な結果を生成し得る本発明の導管および膜シートのための可能な構成を示す。図14(b)-14(e)に示される構成では、導管1409は、第1の側1403または第1の側1403および第2の側1404の両方の近位で、第1の方向1450に沿って延びている。図14に示される導管1409を表す卵形の長さは、導管1409における開口部/開口の軸方向範囲を表す。例えば、図14(c)では、導管1409は、第1の方向に膜シートと同じ軸方向範囲にわたって延び得るが、導管1409における開口部/開口は、第1の方向に膜シートの長さの約半分にわたってのみ延びている。
【0101】
図14(b)-14(e)では、第2の部分1406(高透過細片)は、膜シート1400の外縁に沿って延びている。特に、第2の部分1406は、第2の端部1402によって形成される膜の縁に沿って、または、第2の1404側によって形成される縁の一部に沿って延びている。第2の部分1406ではない膜シート1400の残りは、第1の部分1405(高選択的エリア)であると考えられる。図14(b)-(d)に示される構成は、渦巻状に巻きつけられたモジュールまたはプレートおよびフレームモジュールにおいて使用され得る。図14(e)に示される構成は、特に、プレートおよびフレームモジュールのために好適である。
【0102】
図14(b)に示される構成では、第2の部分1406(高透過細片)は、透過区分1408から、第1の方向にオフセットされており、それによって、第2の部分1406は、第1の部分1405より第2の端部1402に近い。特に、透過区分1408は、第1の方向1450に沿って延び、第2の部分1406は、第2の部分1406が透過区分1408に対して横方向であり、それと垂直であり得るように、第2の方向に沿って延びている。第2の部分1406を通り抜ける透過物流体の第2の部分からの掃引効果は、膜シート1400の第1の部分1405(膜の選択的エリア)の大部分にわたって、対向流効果を生成する。
【0103】
図14(c)および14(d)は、第3の部分1410の含む方法を実証し、第3の部分1410は、透過物流体の流動を透過区分に向かって方向付けるように構成され、したがって、バッフルとしての機能を果たす。第3の部分1410は、したがって、透過物流体(特に、透過物流体の第2の部分)の流動のさらなる方向制御を提供する。第3の部分1410は、これらの実施形態内に随意に含まれ、膜シート1400の第2の主要表面上に提供される。第3の部分1410は、主要成分および微量成分に対して実質的に不透過性である。第3の部分1410は、透過物流体の第2の部分を第1の方向と反対方向に(すなわち、第1の端部1401に向かって)流動するように方向付ける。第3の部分1410は、膜シート1400の第1の側1403によって形成される縁の一部を被覆し、それによって、第1の方向における透過区分の軸方向範囲を制限し得る。第3の部分1410は、したがって、第1の方向1450と反対の方向への透過物流体1407の第2の部分の流動を増進する(すなわち、掃引効果を高める)。上で議論されるように、図14(c)では、導管1409は、第1の方向に膜シートと同じ軸方向範囲にわたって延び得るが、導管1409における開口部/開口は、第1の方向に膜シートの長さの約半分にわたってしか延びていない。特に、開口部/開口は、それらが直接整列させられるように、透過物部分1408の同じ軸方向範囲にわたって延びている。導管の残りのエリアは、直接、第3の部分1410と整列させられ、開口/開口部を備えていない。
【0104】
これらの図では、第3の部分1410は、第3の部分1410が第2の端部1402により近いように、第1の方向1450に沿って、透過区分1408からオフセットされている。第3の部分1410は、膜シート1400の縁に沿って延びている。図14(c)では、第3の部分1410は、第1の側1403によって形成される外縁の一部および第2の側1404によって形成される外縁の一部に沿って延びている。図14(d)では、第3の部分1410は、第1の側1403によって形成される外縁の一部に沿って延びている。第3の部分1410は、テープまたは糊を膜シート1400に適用することによって形成され得る。
【0105】
図14(e)は、連続的直交流モジュールの修正されたバージョンであり、それは、内部発生掃引効果を伴う対向流モジュールであるように修正されている。この構成では、2つの導管1409、1409’が、採用される。第1の導管1409は、膜シート1400の第1の側1403上の透過区分1408に隣接し、第2の導管1409’は、膜シート1400の第2の側1404上の透過区分1408’に隣接する。矢印によって示されるように、透過物流体は、膜シート1400の第1および第2の側1403、1404の第1および第2の透過区分1408、1408’を介して、第1および第2の導管1409、1409’の両方に流動することができ、それは、モジュールから受け取られ、出力されるであろう。第1および第2の透過区分1408、1408’は、第1の方向1450に沿って延びている。第1および第2の導管1409、1409’における開口部(図示せず)の軸方向範囲は、それぞれ、第1の方向1450における第1および第2の透過区分1408、1408’の軸方向範囲とほぼ同じである。第1の透過区分1408は、第1の側1403によって形成される外縁の一部に沿って延びている。第2の透過区分1408’は、第2の側1404によって形成される外縁の一部に沿って延びている。第2の部分1406は、第2の部分1406が第1および第2の透過区分1408、1408’より第2の端部1402に近いように、第1の方向1450に沿って、第1および第2の透過区分1408、1408’からオフセットされている。膜シート1400は、透過物流体1407の第2の部分の流動を第1の方向1450と反対方向に(すなわち、第1の端部1401に向かって)誘導する第3の部分1410をさらに備えている。1つの第3の部分1410が、第1の側1403によって形成される外縁に沿って延び、1つの第3の部分1410が、第2の側1404によって形成される外縁に沿って延びている。第3の部分1410の両方は、第3の部分1410が、透過区分1408、1408’より第2の端部1402に近いように、第1の方向1450に、透過区分1408、1408’からオフセットされている。第3の部分1410と透過区分1408、1408’との間に、重複はない。
【0106】
導管1409は、マニホールドであり、それを通して、透過する流体(すなわち、透過物流体の第1の部分および透過物流体の第2の部分(掃引ガス/流体))がモジュールから除去される。多くのモジュールでは、流体が導管1409から退出するための1つのみの出口が存在し、全ての流体は、この出口を通して除去される。他のモジュールでは、プラグが、導管を分割するために使用されることができ、したがって、2つの出口が、形成される。
【0107】
図15(a)は、プレートおよびフレームモジュールとして形成される本発明の対向流膜モジュール1の斜視図である。図15(b)は、モジュール1の膜シート1500の平面図である。モジュール1は、筐体10を備えている。筐体10は、第1の方向に沿って第2の端部12から間隔を置かれた第1の端部11を備えている。筐体10は、第1の方向1550に対して横方向である第2の方向に沿って第2の側14から間隔を置かれた第1の側13を備えている。モジュール1は、積み重ねられた構成で配置された複数の膜シート1500と、給送スペーサ1540と、透過スペーサ1560とを備えている。隣接する膜シート1500間の各空間は、給送スペーサ1540または透過スペーサ1560のいずれかによって画定される。膜シート1500は、各膜シート1500の第1の主要表面が、給送スペーサ1540と接触し、各膜シート1500の第2の主要表面が、透過スペーサ1560と接触するように、交互する向きで配置される。給送スペーサ1540および透過スペーサ1560は、各膜シート1500間の流体の流動のための経路を画定する。膜シート1500は、特に、図14(b)-14(d)に示される構成の本願に議論されるもののいずれかであり得る。図14(e)に示される構成が、膜シートのために採用される場合、モジュールは、第2の導管を含むように修正される必要があり、第2の導管は、各膜シートの第2の側14と流体連通する。膜シート1500は、給送スペーサ1540の周りで折り畳まれ、対の膜シートを形成し得、各対の膜シートに関して、第1の主要表面は、それらの間の給送スペーサ1540によって分離される。給送スペーサ1540の両側の第1の主要表面は、第1の主要表面に沿って給送スペーサ1540を通して流体路を画定するように、その第2の側1504に沿ってシールされ得る。
【0108】
透過スペーサ1560は、各膜シート1500の第2の主要表面に隣接して提供される。透過スペーサ1560は、給送スペーサ1540の周りで折り畳まれる各対の膜シート1500を後続の対の膜シート1500から分離する。各膜シート1500の第2の主要表面(透過物側)は、第2の主要表面に沿って、透過スペーサ1560を通して導管1509までの流体路を画定するように、その第2の側1504、第1の端部1501、および第2の端部1502に沿ってシールされ得る。シールは、例えば、テープ、シール流体、熱シール、Oリング、またはシール層で達成され得る。第2の主要表面1503の第1の側は、開放され(すなわち、シールされず)、導管1509と流動的に接続する。
【0109】
図15(a)に示される配置では、給送スペーサ1540および透過スペーサ1560は、波形をつけられている。波形給送スペーサ1540および波形透過スペーサ1560は、隆起の縦方向が、第1の方向と平行に延びているように配置される。隆起は、流動経路を画定し、それによって、流動を第1の方向に沿って方向付ける。
【0110】
膜シート1500が給送スペーサ1540の周りで折り畳まれる配置は、膜エンベロープであると考えられ得る。一連の膜エンベロープが、生成され、次いで、透過スペーサ1560と交互配置されるように、一方を他方の上に層状にされ得る。50~100程度の数のエンベロープが、筐体10内に含まれ得る。
【0111】
入口15が、筐体10の第1の端部11に提供され、出口16が、筐体10の第2の端部12に提供される。入口15は、膜シート1500の各々の第1の主要表面(給送物側)の第1の端部1501と流体連通する。出口16は、膜シート1500の各々の第1の主要表面(給送物側)の第2の端部1502と流体連通する。ダクトが、膜シート1500の各々の第1の主要表面とともに、入口15と出口16との間の流体連通を達成するために採用され得る。ダクトは、給送スペーサ1540および透過スペーサ1560によって画定された流体路の内部構成が見えるように、この図面には示されない。
【0112】
配置全体は、大きな書籍のような一般的形態を有する。図15(a)に示される実施形態では、導管1509、入口15、および出口16は、筐体の外面上に位置付けられ、入口15は、第1の端部11の近位にあり、出口は、第2の端部12の近位にあり、導管は、第1の側の近位にある。導管は、第2の端部12より第1の端部11に近い。これは、典型的に、3ポートモジュールであると考えられる。入口15、出口16、および導管1790は、随意に、ポートとして形成される。
【0113】
使用時、給送物流体は、膜シート1500の1つの主要表面に沿って、入口15から出口16に向かって、第1の方向1550に沿って隣接する膜シート1500間の給送スペーサ1540によって画定された流体路を介して(すなわち、給送スペーサ1540を通して)、通る。給送物流体の一部は、それぞれの膜シート1500を通して透過し、透過物流体と称される。透過物流体は、給送物流体から反対側の主要表面(すなわち、第2の主要表面)に沿って移動する。透過物流体の第1の部分は、膜シート1500の第1の部分1505を通り抜ける給送物流体によって発生させられ、透過物流体の第2の部分は、膜シート1500の第2の部分1506を通り抜ける給送物流体によって発生させられる。第2の部分1506は、第1の部分1505より高い主要成分のための透過率を有し、したがって、透過物流体の第2の部分は、主要成分のより高い濃度を有する。第2の部分は、第1の端部11に向かって移動する。第2の部分は、したがって、透過物流体の第1の部分中の微量成分の濃度を希釈し(すなわち、掃引効果)、それによって、膜シート1500を横断した分離のための駆動力を増加させる。導管1509は、各膜シート1500の第2の主要表面の第1の側1503に提供される透過区分1508に隣接し、それと流体連通する。例えば、各膜シート1500の透過区分1508は、導管1509に隣接し、それと流体連通する各膜シート1500の第2の主要表面の開放縁上に形成され得る。換言すると、透過区分を画定する各膜シートの第2の主要表面の第1の側1503のエリアは、シールされないこともある。透過区分を画定しない、各膜シートの第2の主要表面の第1の側1503のエリアは、シールされ得る。代替として、各膜シートの第2の主要表面の第1の側1503の全ては、シールされないこともある。膜シートの第1および第2の端部は、シールされ得る。シールは、テープまたはシール流体を使用することによって達成され得る。導管1509は、開口/開口部を介して、透過物流体を受け取り、透過物流体をモジュール1から出力する。
【0114】
図15(b)に示されるように、膜シート1500は、第2の部分1506が第2の端部によって形成される外縁の一部に沿って延びているように構成され得る。透過区分1508は、第2の部分1506と重複しない。
【0115】
図16(a)は、本発明に従って形成されるプレートおよびフレームモジュール2の簡略化された斜視図である。図16(b)は、モジュールにおける膜シート1600のうちの1つの構成を例証するための図16(a)のモジュールのある区分の平面図である。図16(a)に示されるモジュールでは、複数の膜シート1600が、給送スペーサおよび透過スペーサをそれらの間に伴って、互いの上に積み重ねられる(示されていない)。特に、給送スペーサは、膜シート1600が、図12および13に関して議論されるように、折り畳み部の両側にあるように、膜の折り畳み部内に設置され得る。給送スペーサをそれらの間に有する50~100対程度の数の膜シート1600が、筐体20内に含まれ得る。給送スペーサおよび透過スペーサは、図15に関して議論されるように構成されている。
【0116】
筐体20は、図16(a)において円柱として形成される。筐体は、第1の方向1650に沿って、その第1の端部21から間隔を置かれたその第2の端部22と、第1の方向に対して横方向である第2の方向に沿ってその第1の側23から間隔を置かれたその第2の側24とを有する。図16(b)に示されるように、その中の膜シートは、図14(e)に示されるように、構成され、それは、上で議論されている。上で議論されるように、そのような構成における膜シート1600は、膜シート1600の第2の端部1602によって形成される外縁に沿って延びている第2の部分1606を有する。膜シートは、それぞれ、膜シート1600の第1および第2の側1603、1604の一部に沿って延びている2つの透過区分1608、1608’を有する。膜シートは、2つの第3の部分1610も有し、1つは、第1の側1603の一部に沿って延び、1つは、第2の側の一部に沿って延びている。第3の部分1610は、第3の部分1610が透過区分1608、1608’より第2の端部1602に近いように、第1の方向に1650沿って、透過区分1608、1608’からオフセットされている。入口25が、筐体20の第1の端部21に提供され、出口26が、筐体20の第2の端部22に提供される。入口25は、膜シート1600の各々の第1の端部1601と流体連通する。出口26は、膜シート1500の各々の第2の端部1602と流体連通する。
【0117】
図16(a)に示される実施形態では、膜シート1600の各々の第1の主要表面は、その第1および第2の側1603、1604に沿ってシールされ、第1の主要表面に沿って、給送スペーサ(図示せず)を通して、入口25から出口26までの流体路を画定するであろう。膜シート1600の各々の第2の主要表面は、それらの第1の端部1601、第2の端部1602に沿ってシールされ、透過スペーサ(図示せず)を通して、第2の主要表面に沿って、第1および第2の導管1609、1609’までの流体路を画定するであろう。少なくとも、透過区分1608、1608’を画定する第1および第2の側1603、1604のエリアは、開放され(すなわち、シールされず)、導管と流動的に接続するであろう。第1および第2の側1603、1604全体は、シールされないこともある。
【0118】
第1の導管1609は、第1および第2の導管1609、1609’が第2の方向に沿って間隔を置かれるように、筐体20の第1の側23に提供され、第2の導管1609’は、筐体20の第2の側24に提供される。第1の導管1609は、第1の側1603の透過区分1608に隣接し、第2の導管1609’は、第2の側1604の透過区分1608’に隣接する。第1および第2の導管1609、1609’の各々は、透過物流体の受け取りのための開口を有する。
【0119】
図16に示される実施形態に関して、使用時、給送物流体は、膜シート1600の第1の主要表面に沿って、入口25から出口26に向かって、第1の方向に沿って隣接する膜シート1600間の給送スペーサ1640によって画定された流体路を介して、通る。各膜シート1600の第1の主要表面の第1および第2の側1603、1604は、シールされ、第1の主要表面に沿った給送物流体および残留物流体のための流体路を流動的にシールする。給送物流体の一部は、それぞれの膜シート1600を通して透過し、透過物流体と称される。透過物流体は、膜シート1600の第2の主要表面(すなわち、それに沿って給送および残留物流体が流動する主要表面と反対側の膜シート1600の主要表面)に沿って移動する。透過物流体の第1の部分は、膜シートの第1の部分1605を通り抜ける給送物流体によって発生させられ、透過物流体の第2の部分は、膜シート1600の第2の部分1606を通り抜ける給送物流体によって発生させられる。第2の部分1606は、第1の部分1605より高い主要成分のための透過率を有し、したがって、透過物流体の第2の部分は、主要成分のより高い濃度を有する。透過物流体の第2の部分は、矢印1607によって示されるように、第1の端部21に向かって移動する。透過物流体の第2の部分は、したがって、透過物流体の第1の部分中の微量成分の濃度を希釈し(すなわち、掃引効果)、それによって、膜シート1600を横断した分離のための駆動力を増加させる。上で議論されるように、透過区分1608、1608’を画定する膜シート1600の第2の主要表面の第1および第2の側は、透過区分1608、1608’が、導管1609に隣接し、それと直接流体連通するように開放される。膜シート1600の第2の主要表面の第1および第2の端部1601、1602は、テープまたは接着剤でシールされ、透過スペーサ1660によって画定された透過物流体のための流体路をシールし得る。導管1609、1609’は、透過物流体を受け取り、透過物流体をモジュール2から出力する。
【0120】
図17(a)-(d)は、渦巻状に巻きつけられたモジュールとして形成される本発明の対向流膜モジュールを描写する。図17(a)および(b)は、モジュール3の分解図である。そのようなモジュールは、ガス分離および透過気化法用途のために非常に有用である。この配置では、膜シート1700は、分解図に起因して図示されないが、導管1709の周りに巻きつけられ、第1の方向と垂直な渦巻を画定するであろう。しかしながら、この分解図では、膜シート1700は、巻きつけられていない状態に示される。膜シート1700の間の給送スペーサ1740および透過スペーサ1760の存在に起因して、各シート1700間に流体流動のための空間が存在する。膜シート1700は、給送スペーサ1740を覆って折り畳まれ、一対の膜シートを形成し得、各膜シートの第1の主要表面は、給送スペーサ1740に隣接する。換言すると、各膜シートの第1の主要表面は、互いに面し、それらの間の給送スペーサ1740によって間隔を置かれる。対の膜シートは、透過スペーサ1760によって、隣接する対の膜シートから分離され得、各透過スペーサ1760は、膜シート1700の第2の主要表面に隣接する。各膜シートの第1の主要表面は、その第1の側1703および第2の側1704に沿ってシールされ、第1の主要表面に沿って、給送物流体および残留物流体のための流体路を画定し得る。この配置では、第1の側1703に沿ったシールは、対の膜シート1700の各々の第1の側1703間の折り畳み部によって提供される。各膜シート1700の第2の主要表面は、その第1の端部1701、第2の端部1702、および第2の側1704に沿ってシールされ、第2の主要表面に沿って、透過物流体のための流体路を画定し得る。図17(b)は、より多くの膜シート1700、給送スペーサ1740、および透過スペーサ1760が存在するので、17(a)と異なる。給送スペーサ1740は、流体の流動を第1の方向に方向付けるように構成されている。透過スペーサ1760は、流体の流動を第1の方向に方向付けるように構成されている。スペーサによる流体の流動の方向は、異なる透過性を異なる方向に有する材料のスペーサを形成することによって達成される。透過性におけるこの差異は、スペーサを形成するために使用される材料内の繊維の織方によって達成される。給送スペーサ1740および透過スペーサ1760は、高透過方向(すなわち、低流動抵抗)が第1の方向と平行であるように向けられる。
【0121】
中心管1709は、円筒形表面1770と、それらの間に管腔を画定する第1および第2の終端端部1771、1772とを備えている。中心管1709は、開口部1773を円筒形表面内に備えている。開口部は、給送物流体から分離された透過物流体を受け取るように構成されている。開口部は、膜シート1700の第1の側1703にある膜の透過区分1708に隣接し、それと流体連通する。開口部1773は、開口部1773が第2の部分1706より第1の端部1701に近いように、第1の方向1750に、膜シート1700の第2の部分1706からオフセットされている。
【0122】
導管1709は、1つ以上の開口部によって受け取られた透過物流体を出力するように構成された出口1774をさらに備え、出口は、中心管の第1または第2の終端端部1771、1772にある。出口は、随意に、図17における中心管1709の第1の終端端部1771に示される。
【0123】
導管1709における開口部/開口1773は、第1の方向1750に沿って間隔を置かれている。第1の方向1750における導管1709における開口部/開口1773の軸方向範囲は、第1の方向1750における膜シート1700の軸方向範囲より小さい。実際、従来の(直交流)渦巻状に巻きつけられたモジュールでは、導管1709は、導管1709の軸方向範囲全体にわたって、開口部を有するであろう。しかしながら、本発明では、導管1709の一部、典型的に、軸方向長(1907)の約1/3~1/2のみが、開口部/開口1773を備えている一方、残りの長さは、開口部/開口1773を有していない。導管1709における開口部/開口1773は、第2の端部1702より第1の端部1701に近い。透過区分1708は、第1の側1703に沿って延び、第1の方向1750に沿って、導管1709における開口部/開口1773と同じ軸方向範囲を有する。
【0124】
第2の部分1706は、細片として形成される。第2の部分1706は、透過区分1708より第2の端部1702に近い。第2の部分1706は、第2の側1704によって形成される外縁の一部に沿って延びている。
【0125】
図17(c)は、渦巻状に巻きつけられたモジュールとして構成される本発明の対向流膜モジュール3の部分的に巻きつけられたバージョンを示す。図17(d)は、渦巻状に巻きつけられたモジュールとして構成される本発明の対向流膜モジュール3の巻きつけられたバージョンの断面を示す。筐体は、示されない。導管1709は、第1の方向1750に沿って延びている中心管1709である。膜シート1700は、1つ以上の膜シートの第1の側1703が第2の側1704より中心管1709に近くなるように、第1の方向1750と垂直な渦巻を画定するように、中心管1709の周りに巻きつけられる。
【0126】
使用時(すなわち、膜シート1700が、導管/中心管1709の周りに巻きつけられ、渦巻を形成すると)、給送物流体は、第1の端部1701において、モジュール3に進入し、第1の主要表面に沿って、すなわち、破線矢印200によって示されるように、第1の端部1701から第2の端部1702までの膜シート間の給送スペーサ1740によって画定された空間内に通過する。給送物流体は、各膜シート1700を横断して分離され、膜シート1700を通り抜ける部分は、透過物流体である。透過物流体は、膜シート1700の第1の主要表面と反対側にある各膜シート1700の第2の主要表面に沿って(すなわち、透過スペーサ1760によって画定された空間内を)移動する。その移動の方向は、図17(b)における矢印220によって示される。残留物流体は、各膜シート1700の第1の主要表面に沿って通過し、したがって、矢印200と同じ経路を辿る。換言すると、残留物流体は、給送物流体と同じ主要表面に沿って通過し、透過物流体は、反対主要表面に沿って通過する。透過物流体の第2の部分の流動は、矢印220によって示されるように、第2の部分から透過区分1708へであり、したがって、第2の端部1702から第1の端部1701への方向である(すなわち、第1の方向1750と反対である)。したがって、透過物流体の第2の部分は、透過物流体の第1の部分を希釈する。この希釈は、膜シート1700を横断した分離のための駆動力を増加させる。図17(b)では、膜シートの一部は、下方の給送スペーサ1740を示すために、図から隠されている。この図に示されるように、給送スペーサ1740および透過スペーサ1760は、膜シート1700とほぼ同じ長さおよび幅を有する。
【0127】
第1の端部1701からの渦巻状に巻きつけられた対向流モジュールの断面図が、図17(c)に示される。この図から分かるように、給送スペーサ1740は、膜シート1700の第1の主要表面に沿って、給送物流体および残留物流体の移動のための流体路を画定する空間を提供する。透過スペーサ1760は、膜シート1700の第2の主要表面に沿って、透過物流体の移動のための流体路を画定する空間を提供する。矢印は、膜シートに沿った、中心管1709に向かって、かつその中に内向きに渦巻状の透過物流体の移動を示す。
【0128】
図18は、渦巻状に巻きつけられたモジュールにおいて使用され得る膜シート1800のための1つの代替構成を示す。図18は、図17(a)に類似し、したがって、図17の説明は、図18にも等しく適用される。図18は、第2の部分1706が、膜シート1700の第2の端部1702に沿って延びているので、図17(a)と異なる。上で議論されるように、導管(中心管)1709の一部、長さの約1/3~1/2のみが、その湾曲表面に沿って、開口部/開口を備えている一方、残りの長さは、開口部/開口を備えていない(すなわちは、穿孔されていない)。開口部/開口が提供される導管1709の長さ/軸方向範囲は、透過エリア1708と同じである。開口部/開口を含まない(すなわち、穿孔されていない)導管1709の長さ/軸方向範囲は、第1の方向1750における膜シートの長さの残りである。図18に示されるように、第2の端部1702により近い膜シート1700の部分は、対向流透過物流体パターンを有する一方、第1の端部の近位では、透過物流体は、主として、直交流透過物流体パターンを有する。
【0129】
図17(a)は、給送スペーサ1740の周りに巻きつけられる膜シート1700を示す。給送スペーサ1740の周りに巻きつけられる膜シート1700は、膜エンベロープであると考えられ得る。産業用の渦巻状に巻きつけられたモジュールでは、多くの膜エンベロープが、図18に示されるように、使用される。生成プロセスでは、導管1709は、回転させられ、膜シート1700を導管1709の周りに巻きつけ、それが回転するにつれて、エポキシ糊等のシーラントが、膜シート1700の第2の主要表面の第1の端部1701および第2の端部1702に沿って適用される。膜シート1700が、導管1709の周りに巻きつけられると、シーラントは、膜シート1700の第1の主要表面の第2の側1704にも沿って適用される。シーラントは、膜シート1700の表面に沿って、給送物流体のための流動経路を透過物流体のための流動経路から分離するシールを形成する。シーラントは、透過スペーサ1760の第1および第2の端部と、給送および透過スペーサ1740、1760の第2の側とにも適用され得る。図17(b)に最良に示されるように、渦巻状に巻きつけられたモジュールの外側層(図17(b)におけるスタックの底部層に示される)を形成する透過スペーサ1760は、第1の方向に他の透過スペーサ1760および給送スペーサ1740より長く、導管1709に取り付けられる。導管1709が、回転させられるにつれて、膜シート1700、透過スペーサ1740、および1760は、導管1709の周りに巻きつけられる。渦巻状に巻きつけられたモジュールの内側層(図17(b)におけるスタックの上部に示される)を形成する透過スペーサ1760は、透過スペーサ1760にシールされ、外側層を形成する。
【0130】
説明されるモジュールにおいて生成される掃引効果の大きさは、第2の部分と第1の部分との相対的面積および透過率に比例する。一般に、第2の部分は、膜シートの総面積の1~15%を表し、第2の部分を通した主要成分の透過率は、第1の部分より5~20倍高いであろう。通常、これは、膜シートの第2の部分が、膜シートの第1の部分より低い選択率を有することを意味する。それにもかかわらず、部分的分離が、実施され、したがって、結果は、膜シートの第2の部分を通した透過物によって生成される掃引流が、我々のデバイスに示されるように、残留物流体の外部流動を使用するより良好な結果を生成することである。これらのタイプの機器の設計者は、2つの膜エリアの透過特性およびそのプロセスの要件に応じて、最適掃引エリアを選定するであろう。
【0131】
典型的分離のための図18の設計を用いて取得される改良は、下記の表1および2に示される。
【0132】
表1は、図18に示されるように構成される膜シートに関するデータと、単純直交流および単純対向流設計(すなわち、第2の部分1806を伴わない)として構成される膜シートに関する比較データとを含む。
【0133】
分離は、15%COを含む1バールにおける1,000m/時ガス流に関している。総膜面積は、残留ガスが3%COを含むまで調節される。透過圧力は、0.2バールに維持される。第2の部分を通して流動する掃引は、残留ガスの5%に設定される。第2の部分は、1.0の選択率を有する。
【0134】
上で議論されるように、構築および動作上の難点に起因して、プレートおよびフレームモジュールまたは渦巻状に巻きつけられたモジュール等、膜シートを有する対向流膜モジュールに内部掃引を適用することは困難である。それにもかかわらず、図18に示されるように構成される対向流モジュールは、掃引流を内部から発生させ、渦巻状に巻きつけられたモジュールの中に組み込まれることができる。図15に示されるように、同じ構成の膜シートも、プレートおよびフレームモジュール内に組み込まれることができる。故に、本発明は、掃引を内部から発生させ、プレートおよびフレームモジュールまたは渦巻状に巻きつけられたモジュールとして構成され得る対向流膜モジュールを提供する。表1に示されるように、驚くべきことに、本発明の対向流設計に関して、分離のために要求される膜面積は、単純直交流構成の半分未満であるが、透過ガス中のCOの濃度は、はるかに高い。膜シートは、依然として、6%COを処理されたガス中に生成する。本発明の対向流設計は、分離のために要求される膜面積が630m低減させられ得るが、透過ガス中のCOの同様の濃度が達成されるので、単純対向流設計より効率的でもある。膜は、依然として、6%COを処理されたガス中に生成する。本発明の対向流モジュールは、したがって、単純直交流および単純対向流膜モジュールより効率的であり、より小さい膜シートが使用されることを可能にしながら、より良好な分離を達成する。
【表1】
【0135】
表2は、図18に示されるように構成される膜シートに関するデータと、膜シート単純直交流および単純対向流設計(すなわち、第2の部分1806を伴わない)として構成される膜シートに関するデータとを含む。
【0136】
表2におけるデータに関して、分離は、天然ガスからのCOのためである。プロセスの標的は、2%COを含むガスを生成することである。典型的に、多段階分離プロセスが、実施されるであろう。表2に示されるデータは、プロセスの第1の段階に関している。給送ガスは、20%COを含む30バールの圧力における1,000万scfdガス流である。総膜面積は、残留ガスが2%COを含むまで調節される。透過圧力は、5バールに維持される。単純対向流および単純直交流膜シートに関して、膜シートは、10gpuのCO透過率を有する酢酸セルロース製CO選択膜から形成される。図18に示されるように構成される膜シート1800に関して、膜シート1800の第1の部分1805は、200gpuのCO透過率と、10gpuのメタン透過率とを有する酢酸セルロース製CO選択膜200(すなわち、単純対向流および単純直交流膜シートと同じ材料)から形成される。膜シート1800の第2の部分1806は、800gpuのCO透過率と、100gpuのメタン透過率とを伴うシリコーン基材から形成される。第2の部分1806のメタン透過率は、したがって、第1の部分1805のメタン透過率より10倍高い。
【0137】
下記の表2におけるデータに示されるように、透過CO濃度は、本発明の対向流設計に関して、単純直交流設計と比較して、45.7%までかなり増加させられ、膜シートの総面積は、1,370m低減させられ得るが、膜は、依然として、2%COを処理されたガス中に生成する。
【0138】
本発明による、第2の部分1806の包含は、表2におけるデータによって示されるように、単純対向流設計に優る著しい改良につながる。本発明の対向流膜シートを提供することによって、膜面積は、依然として、同様の透過CO濃度を維持しながら、880m低減させられ得る。
【0139】
第2の部分1806の面積が、総膜面積の3%から7.3%または12.8%まで増加させられる場合、膜面積は、それぞれ、依然として、43.5および41.7%CO透過物を維持し、依然として、2%COを処理されたガス中に生成しながら、さらに低減させられることができる。実際、第2の部分の面積が、総膜面積の7.3%であるとき、総膜面積は、単純直交流設計によって要求される総膜面積の半分未満および単純対向流設計によって要求される総膜面積より1,480m小さくなるまで低減させられることができる。透過CO濃度は、依然として、単純直交流設計よりかなり高く、単純対向流設計に類似する。
【0140】
第2の部分の面積が、総膜面積の12.8%まで増加させられると、総膜面積は、同じ分離のために、単純直交流設計より3,260m小さく、単純対向流設計より1,890m小さくなることができる。透過CO濃度は、依然として、単純直交流設計より有意に高く、単純対向流設計に類似する。
【0141】
したがって、掃引効果を発生させる第2の部分1806を提供することによって、分離プロセスは、より効率的となり、その結果、膜シートの総面積は、約半分に低減させられることができる。
【0142】
表1および2のデータは、図18に示される構成に関するが、このデータによって実証された利点は、本明細書に説明される本発明の膜シートのための他の構成にも等しく適用されることを理解されたい。
【表2】
【0143】
上記から、発明のプロセスがいくつかの透過気化法およびガス分離用途に適用され得ることが明白であろう。例として、これらのうちのいくつかが、下記の表3に列挙される。
【表3】
【0144】
特に、本発明の対向流膜モジュールを使用して実施される分離プロセスは、COの窒素からの分離、軽炭化水素C3-C5の窒素またはメタンからの分離、COの水素からの分離、水素のメタンからの分離、COのメタンからの分離プロセス、透過気化法による水のエタノールからの分離、または透過気化法による芳香族の脂肪族炭化水素からの分離であり得る。
【0145】
本発明の膜モジュールは、少なくとも部分的に圧力比限定領域内で動作する分離プロセスにおいて使用され得る。
【0146】
(本発明を理解するために有用な情報)
現在公知の3つの一般的膜モジュール構成が、図1に示される。示される設計では、給送物流体は、膜表面に沿って、左から右に流動する。給送物流体の一部は、膜を通して透過し、透過物流体を形成する。構成は、流体が出口に移動するにつれて、給送物流体に対する透過物流体の流動方向において異なる。対向流モジュールでは、透過物流体は、膜の他の側では、給送物流体の流動と反対の右から左に流動する。直交流モジュールでは、透過物流体は、給送物流体流動に対して直角に流動する。並行流モジュールでは、透過物流体は、給送物流体と同じ方向に流動する。
【0147】
一般に、同じ膜を使用するとき、取得される分離および分離を実施するために要求される膜面積は、以下の順序において、3つの構成に関して異なり、対向流は、直交流より良好であって、直交流は、並行流より良好である。多くの用途では、3つの異なるモジュール設計に関する、同じ膜を用いて取得される分離性能は、小さいが、その他では、特に、下記に説明されるように、膜分離が、圧力比限定されるとき、差異は、大きい。この結果は、対向流モジュールが好ましいモジュール構成であることを示唆する。しかしながら、対向流モジュールは、直交流モジュールより作製することが機械的に困難である。この問題に関する種々の研究が、説明されているが、広く採用されておらず、したがって、直交流モジュールが、ガス分離および透過気化法用途の多くで(おそらく、大部分において)使用されている。並行流モジュールは、稀にのみ使用されている。これらの問題は、多くの膜文献、例えば、Baker,R.W.,Membrane Technology and Applications,3rd Edition,(2012),John Wiley and Sonsの第3、4、8、および9章において議論されている。
【0148】
続く議論では、我々は、大部分に関して、簡単のために、ガス透過例を使用することによって、我々の発明を例証するであろう。しかしながら、本発明の改良されたモジュールは、我々が後に示す透過気化法にも等しく適用可能である。
【0149】
図1に示される3つのモジュール構成の分離性能における差異は、駆動力問題である。膜の給送物側から膜の透過物側への成分の流動は、膜を横断した各成分の部分圧駆動力における差異に比例する。膜の給送物側にかかる部分圧は、ni0(モル濃度ni0、圧力p)であり、膜の透過物側では、nil(モル濃度nil、圧力p)である。したがって、部分圧駆動力は、以下によって与えられる。
【数1】
全ての他の影響が無い場合、膜の透過物側における任意の時点でのモル濃度は、膜を透過するガスの濃度によって決定される。しかし、透過物チャネルにおけるガス流構成に応じて、透過するガス濃度は、透過物チャネルの他の部分からのガスと混合することによって変化させられることができる。
【0150】
図1に示されるモジュール構成では、大部分の透過性成分の濃度は、ガスがモジュールを通して左から右に通過するにつれて、減少する。これは、膜を透過するガスの大部分の透過性成分の濃度も、膜を横断して、左から右に減少することを意味する。対向流モジュールでは、右から左への透過ガスの流動は、透過ガスと混合するガスが流入透過物を希釈し、大部分の透過性成分の濃度を低減させ、したがって、膜を横断する駆動力を増加させるので、有益な効果を透過物に及ぼす。並行流モジュールでは、透過物ガス流は、反対効果を有し、流入透過物と混合されると、透過物濃度を増加させる。これは、膜を横断した透過のための駆動力を減少させ、流束は、落ちる。直交流モジュールでは、透過物ガス流は、流入透過物と同じ濃度を有し、混合は、膜分離に影響を及ぼさない。
【0151】
異なるモジュール構成間の差異の大きさは、膜選択率(αi/j)、すなわち、成分iと成分jとの透過性の比率を含むいくつかの要因の関数である。
【数2】
同時に、膜を横断した圧力比は、以下のように記述される。
【数2-1】
また、膜の給送物側のより大きい透過性の成分のモル濃度は、ni0である。
【0152】
これらの効果を例証するための例として、図2に図示される分離を検討する。この例では、非常に少量の透過性ガスCOのみが、膜を横断して左から右に移動するとき、給送から除去される。これは、膜の透過物側のCOの濃度が、いずれの場所においてもほぼ同じであり、対向流、直交流、および並行流間の差異は、非常に小さいことを意味する。先に説明されたように、膜透過は、膜の透過物側の部分的圧力が給送物未満である(すなわち、以下である)場合にのみ生じる。
【数3】
この不等式は、以下のよう並べ替えられ得る。
【数4】
それは、透過する成分(CO)の富化が、常時、圧力比(給送圧力/透過圧力)未満であることを示す。それは、透過する成分(CO)の濃度が以下の式を上回ることは決してないということにもなる。
【数5】
図2における例に関して、それは、nilが、膜がどんなに選択的であっても、50%CO(ni0=10%COおよび
【数5-1】
)を上回ることができないことを意味する。この結果は、いくつかの含みを有し、第1に、透過物の少なくとも半分は、低速成分(N)でなければならず、特定の量の給送物流体を処理するために要求される膜面積を決定するものは、低速成分の透過である。膜の選択率が増加するにつれて、同じ量のCOを透過させるために要求される膜面積の量も、増加する。無限選択率の限界では、低速成分は、透過せず、故に、無限膜面積が、要求される。
【0153】
膜プロセスは、式5によって与えられる最大透過物濃度
【数5-2】
が、100%未満である場合、圧力比限定領域内に優にあると考えられる。この領域では、モジュール構成の効果は、概して、顕著である。差異は、加えて、膜選択率が、圧力比より大きい場合、さらにより著しく、膜選択率が、圧力比より2または3倍を上回って大きい場合、さらにより著しいであろう。これが、当てはまるとき、対向流膜モジュール、直交流膜モジュール、および並行流膜モジュール間の著しい差異が、生成される。圧力比の問題および膜分離に及ぼされるその効果のうちのいくつかは、Huang,et al.,Journal of Membrane Science,463,33(2014)によって詳細に議論されている。
【0154】
上で説明される圧力比限界を緩和するための1つの方法は、膜掃引を使用することである。これらのデバイスは、いくつかの標準的文献および特許に説明される。図3は、モジュールの性能を改良するために対向流膜モジュールに適用される種々の外部掃引分離プロセスの設計を示す。最初に、図3aに示される1プロセスを検討する。ガスまたは液体であり得る給送物流体(301)が、選択的膜(306)の表面に沿って通過する一方、概して、給送物流の2~10%である掃引流体(304)が、膜の透過物側に沿って通される。透過のための駆動力が、部分的に膜を横断した圧力の差異によって発生させられるだけでなく、掃引によって発生させられる濃度(部分圧)差異によっても、発生させられる。このプロセスが効果的であるために、掃引流体(304)の流量が慎重に制御されることが必要である。このタイプの外部掃引流体を採用するプロセスは、例えば、米国特許第4,824,443号、第6,515,725号、第7,153,343号、および第8,246,718号に説明される。
【0155】
残留掃引プロセスと呼ばれる、代替タイプの外部掃引プロセスが、図3bおよび3cに図示される。図3bに示されるガス分離モジュールの場合、処理された残留物流体(318)の一部は、弁(320)を横断して拡張され、残留端において、モジュール(325)の透過物側に導入される。残留物流体(321)の量に依存する、分離の変化が、掃引として使用される。典型的に、残留物流体の約2~10%が、使用される。掃引流は、透過物流体を希釈し、膜に沿った給送物の透過成分の流動を増加させる。膜を通した流束は、増加するが、透過物濃度は、落ちる。図3cに示される透過気化法掃引は、残留物流(309)が、掃引として使用され得る前、蒸発器(313)によって蒸発させられる必要があることを除き、類似する。このタイプの外部掃引を採用するプロセスは、例えば、米国特許第5,444,540号および第5,205,842号に説明される。
【0156】
稀に使用されている、最終タイプの外部掃引流体発生方法は、図3dに示される。そのようなデバイスは、例えば、米国特許第5,383,956号に説明される。本デバイスでは、図3bに示される制御弁(320)または図3cに示される蒸発器(313)への制御弁(311)は、第2の膜ユニット(320)と置換される。ユニットからの透過物流体(322)は、次いで、主要分離モジュール(318)に送流され、対向流掃引効果をモジュールの透過物側に生成する。
【0157】
図3に示されるプロセス設計の全ては、モジュールの外部から発生させられる掃引流体流を使用する。流体は、次いで、モジュールの残留端において、膜の透過物側に送達され、対向流掃引効果を生成する。このタイプの配置に関する問題のうちの1つは、流体の制御された流動をモジュールの中に導入するために必要とされる配管および弁である。
【0158】
いくつかの試みが、外部掃引デバイスの欠点を克服するために行われている。2つのそのような試みが、Stookeyの米国特許第4,687,578号およびGiglia,et al.の米国特許第6,740,140号からの図4および5に図示されている。図4に図示される第’578号デバイスは、対向流中空ファイバモジュールデバイスであり、ファイバの一端は、選択的膜層でコーティングされていない。1つのファイバの拡大図が、図4aに示される。ファイバの大部分は、選択的層(401)でコーティングされるが、ファイバ(403)の端部部分は、コーティングされない。ファイバのこの部分は、選択率を有していないが、ファイバの主要部分よりはるかに高い透過率を有し、したがって、ここでは透過する給送物流体(409)は、残留掃引流体(409)の流動としての機能を果たすことができる。このように、残留掃引流体の内部で発生させられる対向流が、生成される。
【0159】
類似デバイスが、Giglia,et al.の米国特許第6,740,140号から得られた図5に示される。第’578号特許デバイスと同様、基部モジュールは、シェル側給送を伴う対向流中空ファイバモジュールである。給送物流体(502)が、モジュールの一端において進入し、中空ファイバ(505)間の空間内で左から右に流動する。残留パイプが、モジュールを通して延び、モジュール(509)の右端直前で終端する。給送物流体が、中空ファイバ間を流動するにつれて、一部が、ファイバ膜を透過し、ファイバの内側で左から右に進行し(給送物に対して対向流)、透過ポート(503)を通して退出する。中空ファイバ膜を透過しない給送物流体の大部分は、残留物収集パイプ(512)内の孔を通して除去される。残留物収集パイプの端部は、小オリフィス(511)によって穿孔されたプラグでシールされる。処理された残留物流体の一部は、このオリフィスを通して漏出し、次いで、ファイバ(514)の開放端に進入し、したがって、所望の残留物流体対向流掃引効果を生成することができる。内部掃引デバイスの使用は、第’140号および第’578号特許に説明されるタイプの非対向流中空ファイバデバイスに限定されている。内部掃引は、本願に説明されるタイプの平坦シートの渦巻状に巻きつけられたモジュールまたはプレートおよびフレームモジュールに適用されていない。我々は、本願に説明される設計を使用することによって、これらのデバイス内でも内部発生掃引の利点を取得することが可能であることを示すであろう。
【0160】
対向流モジュールを用いた制御された掃引の有益な効果を図示する2つの具体的な組の例が、図6および7に示される。図6の例では、10%COを含む5バールにおける1,000std m/時給送物流体が、10%外部掃引を伴う直交流、対向流、および並行流モジュールを用いて処理される。圧力比は、5であり、したがって、膜モジュール全体が、圧力比限定領域内にある。膜は、30のCO/N選択率も有する。これは、圧力比より6倍大きく、したがって、対向流および掃引は、実質的効果を有することが予期され、これが、当てはまる。対向流モジュールは、同じCO除去を達成し、直交流モジュールより著しく高い濃度の透過物を生成するために、36%より小さい膜面積を必要とする。残留物流体流からの追加の10%掃引を伴う対向流モジュールを使用することは、透過物濃度を低減させるが、分離を行うために必要とされる面積において、直交流モジュールよりさらに18%の低減を生成する。
【0161】
図7の例では、同じ組の例が、示されるが、差異として、給送圧力が、20バールに設定され、したがって、圧力比が、20である。結果として、対向流および掃引例は、直交流モジュール結果より良好であるが、効果は、あまり大きくない。これは、20の圧力比および10%の給送物濃度では、給送端における膜モジュールの一部が、圧力比限定領域の外側にあるからである。20の圧力比におけるモジュールの給送端では、式5は、透過物における最大理論値COが200%であり、したがって、モジュールの給送端が、圧力比限定面積の優に外側にあることを示す。モジュールの残留端では、給送物流体濃度は、わずか1%COであって、したがって、式5によって与えられる透過物における最大濃度は、次いで、20%であ、したがって、モジュールのこの部分は、圧力比限定領域内にある。モジュールは、給送物流体濃度が5%COであるとき、モジュール内の点において、圧力比制御領域に遷移する。モジュールは、部分的にのみ、圧力比限定領域内にあるので、対向流モジュールは、ここでは、11%より小さい膜面積のみを使用して、透過物濃度は、直交流結果を若干のみ上回る。対向流掃引モジュールも、より小さい面積を使用するが、ここでは、透過CO濃度は、直交流結果より低い。これは、この試験の条件下では、10%掃引が大きすぎるからである。掃引を5%まで低減させることは、より良好な結果を生成する。分離を行うために要求される面積は、次いで、60m、すなわち、単純対向流と比較して、16%の面積低減であり、透過物濃度は、40.8%CO、すなわち、対向流例未満であるが、依然として、直交流ケースより良好である。
【0162】
掃引動作から利益を享受し得るガス分離および透過気化法プロセスは、多くの場合、直交流モジュールを使用し、それは、特に、渦巻状に巻きつけられたモジュールおよびプレートおよびフレームモジュール幾何学形状に形成される平坦なシート膜に関して、構築および動作が機械的により容易である。しかしながら、現在使用されている、渦巻状に巻きつけられたモジュールおよびプレートおよびフレームモジュールのほぼ全ては、図8に示される直交流タイプである一方、使用されている中空ファイバモジュールの大部分は、対向流タイプである。
【0163】
渦巻状に巻きつけられたモジュールまたはプレートおよびフレームモジュールを用いて、外部掃引効果を生成することも、可能性であるが、かなりの修正をモジュールの構築に対して要求する。内部掃引プロセスは、我々の発明に説明されるように、適用がはるかに容易であり、より良好な結果を生成する。外部掃引体制を使用する全てのモジュールは、信頼性のある動作のために、掃引流量の良好な制御も要求する。外部掃引デバイスを用いてこのレベルの精度を達成し得る制御は、安価ではなく、掃引が使用されるであろう全てのモジュールに適合されなければならない。産業工場では、これは、数十~数百の制御ユニットであり得、1つのユニットの故障さえ、残留物から透過物流への流体の大規模な非制御された漏出につながり、全体的工場の動作に影響を及ぼし得る。
【0164】
これまで説明された掃引プロセスの多くに関する別の問題は、掃引が、図3aおよび3bに示されるように、モジュールからの残留ガスまたは液体を弁を通して拡張させることによって生成されることである。このプロセスは、本質的に、特別な潜在的分離ステップを無駄にする。我々が示すであろうように、より良好なアプローチは、部分的分離を掃引発生プロセスの中に組み込むことである。これは、我々のプロセスの革新のうちの1つである。
【0165】
(第1の組の付記)
本発明はまた、以下の第1の組の付記によって説明され得る。
【0166】
付記1.微量成分および主要成分を備えている給送物流体を透過物流体と残留物流体とに分離するように構成された対向流膜モジュールであって、残留物流体は、給送物流体より低い濃度の微量成分を有し、透過物流体は、給送物流体より高い濃度の微量成分を有し、モジュールは、
第1の端部および第2の端部を有する筐体であって、第2の端部は、第1の方向に沿って第1の端部から間隔を置かれている、筐体と、
筐体の第1の端部と第2の端部との間の1つ以上の膜シートであって、各膜シートは、第1の端部および第2の端部を備え、第2の端部は、第1の方向に沿って第1の端部から間隔を置かれ、各膜シートは、第1の端部と第2の端部との間に延びている第1および第2の側を備え、第1の側は、第2の方向に沿って第2の側から間隔を置かれ、第2の方向は、第1の方向に対して横方向であり、各膜シートは、第1の主要表面および第2の主要表面を備え、第2の主要表面は、第1の主要表面と反対側にあり、各膜シートは、給送物流体を残留物流体と透過物流体とに分離するように構成された1つ以上の膜シートと、
を備え、
膜モジュールは、給送物流体および残留物流体が、第1の方向に各膜シートの第1の主要表面に沿って流動するが、各膜シートの前記第2の主要表面に沿って流動せず、透過物流体が各膜シートの第2の主要表面に沿って流動するが、各膜シートの第1の主要表面に沿って流動しないように構成され、
膜モジュールは、
筐体の第1の端部における入口であって、入口は、各膜シートの第1の主要表面に沿って流動するように、各膜シートの第1の主要表面の第1の端部と流体連通し、給送物流体を受け取るように構成される、入口と、
筐体の第2の端部における出口であって、各膜シートの第1の主要表面の第2の端部と流体連通し、給送物流体から分離された残留物流体を受け取り、出力するように構成されている、出口と、
膜シートの第2の主要表面の第1の側に沿った透過区分に隣接した導管であって、透過区分は、透過物流体が導管の中に入ることを可能にするためのものであり、導管は、給送物流体から分離された透過物流体を受け取り、出力するように構成されている、導管と
をさらに備え、
1つ以上の膜シートのうちの少なくとも1つは、第1の部分を横断した給送物流体の分離が、透過物流体の第1の部分を発生させ、第2の部分を横断した分離が、透過物流体の第2の部分を発生させるように、第1の部分および第2の部分を備え、
膜シートの第2の部分は、透過物流体の第2の部分が、透過物流体の第1の部分より高い濃度の主要成分を有するように、第1の部分より高い主要成分のための透過性を有し、
第2の部分は、透過物流体の第2の部分が、透過物流体の第1の部分と混合し、それによって、透過物流体の第1の部分中の微量成分の濃度を低減させるように、透過区分より第2の端部に近く、それによって、透過物流体の第2の部分を第1の端部に向かって流動させるように、膜シートの第1の主要表面に沿って流動する給送物流体と流体連通し、第1の方向に膜シートの透過区分からオフセットされている、膜モジュール。
【0167】
付記2.導管は、透過区分と整列させられている、付記1に記載の膜モジュール。
【0168】
付記3.モジュールは、第2の導管をさらに備え、各膜は、第2の透過区分を備え、第2の透過区分は、第2の側にあり、第2の透過区分は、第2の導管に流動的に接続され、第2の導管は、給送物流体から分離された透過物流体を受け取り、出力するように構成されている、付記1または付記2に記載の膜モジュール。
【0169】
付記4.膜モジュールは、プレートおよびフレームモジュールである、先行付記のいずれかに記載の膜モジュール。
【0170】
付記5.対向流膜モジュールは、渦巻状に巻きつけられ、
導管は、第1の方向に沿って延びている中心管であり、
1つ以上の膜シートは、1つ以上の膜シートの第1の側が第2の側より中心管に近いように、第1の方向と垂直な渦巻を画定するように、中心管の周りに巻きつけられ、
中心管は、円筒形表面と、それらの間に管腔を画定する第1および第2の終端端部とを備え、
中心管は、1つ以上の開口部を円筒形表面内に備え、1つ以上の開口部は、給送物流体から分離された透過物流体を受け取るように構成され、1つ以上の開口部は、膜の透過区分に隣接し、1つ以上の開口部は、1つ以上の開口部が、第2の部分より第1の端部に近いように、第1の方向に膜シートの第2の部分からオフセットされ、
中心管は、1つ以上の開口部によって受け取られる透過物流体を出力するように構成された出口をさらに備え、出口は、中心管の第1または第2の終端端部にある、付記1または付記2に記載の膜モジュール。
【0171】
付記6.1つ以上の開口部は、第1の方向に沿って互いに間隔を置かれている、付記5に記載の膜モジュール。
【0172】
付記7.膜シートの第2の部分は、1つ以上の膜シートの外縁に沿って延びている、先行付記のいずれかに記載の膜モジュール。
【0173】
付記8.第2の部分は、第2の側の少なくとも一部に沿って延び、第2の部分は、第1の方向において透過区分と重複しない、付記7に記載の膜モジュール。
【0174】
付記9.第2の部分は、第2の端部の少なくとも一部に沿って延びている、付記7に記載の膜モジュール。
【0175】
付記10.第2の部分は、第1の方向に沿って延びている、付記8または付記9に記載の膜モジュール。
【0176】
付記11.透過区分は、第1の側に沿って延びている、先行付記のいずれかに記載の膜モジュール。
【0177】
付記12.1つ以上の膜シートのうちの少なくとも1つは、第3の部分をさらに備え、第3の部分は、透過物の流動を透過区分に向かって方向付けるように構成され、好ましくは、第3の部分は、1つ以上の膜シートの第2の主要表面に沿って延びている、先行付記のいずれかに記載の膜モジュール。
【0178】
付記13.第3の部分は、第3の部分が第2の端部により近いように、第1の方向に沿って透過区分からオフセットされている、付記12に記載の膜モジュール。
【0179】
付記14.第3の部分は、第1の部分と比較して、主要成分のための低減させられた透過率を有し、好ましくは、第3の部分は、主要成分および微量成分に対して実質的に不透過性である、付記12または付記13に記載の膜モジュール。
【0180】
付記15.第3の部分は、膜の縁に沿って延び、好ましくは、第3の部分は、第1の側または第2の側に沿って延びている、付記12-14のいずれか1項に記載の膜モジュール。
【0181】
付記16.第2の部分は、第2の方向に、および/または、1つ以上の膜シートの第2の端部の縁に沿って延びている、先行付記のいずれかに記載の膜モジュール。
【0182】
付記17.モジュールは、
1つ以上の膜シートに間隔を保たせるように構成された1つ以上の給送スペーサであって、各給送スペーサは、出口までの給送物流体および残留物流体の流動のための流体路を画定するためである、1つ以上の給送スペーサと、
1つ以上の膜シートに間隔を保たせるように構成された1つ以上の透過スペーサであって、各透過スペーサは、導管までの透過物流体の流動のための流体路を画定するためである、1つ以上の透過スペーサと
をさらに備えている、先行付記のいずれかに記載の膜モジュール。
【0183】
付記18.1つ以上の膜シートのうちの第1の膜シートは、給送スペーサが第1の膜シートの第1の主要表面に隣接し、透過スペーサが第1の膜シートの第2の主要表面に隣接するように配置されている、付記17に記載の膜モジュール。
【0184】
付記19.膜シート、1つ以上の給送スペーサ、および1つ以上の透過スペーサは、積み重ねられた構成で配置され、隣接する膜シート間の各空間は、給送スペーサまたは透過スペーサのいずれかによって画定され、膜シートは、各膜シートの第1の主要表面が給送スペーサと接触し、各膜シートの第2の主要表面が透過スペーサと接触するように、交互する向きである、付記17または付記18に記載の膜モジュール。
【0185】
付記20.給送スペーサによって間隔を置かれた隣接する膜シートは、それらの第1の主要表面の第1および第2の側に沿ってシールされていることによって、第1の主要表面を横断する給送物流体および残留物流体の流動のための流体路を流動的にシールし、透過スペーサによって間隔を置かれた隣接する膜シートは、それらの第2の主要表面のそれらの第1および第2の端部に沿ってシールされていることによって、第2の主要表面を横断する透過物流体のための流体路を流動的にシールし、好ましくは、透過スペーサによって間隔を置かれた隣接する膜シートも、それらの第2の主要表面の第2の側に沿ってシールされている、付記17、付記18、または付記19に記載の膜モジュール。
【0186】
付記21.各給送スペーサは、第1の方向に沿って流体の流動を方向付けるように構成され、各透過スペーサは、第2の方向に沿って流体の流動を方向付けるように構成されている、付記17-20のいずれか1項に記載の膜モジュール。
【0187】
付記22.第2の部分の面積は、膜シートの総面積の20%未満、好ましくは、15%未満、より好ましくは、10%未満、最も好ましくは、6%未満である、先行付記のいずれかに記載の膜モジュール。
【0188】
付記23.主要成分のための第2の部分の透過率は、主要成分のための第1の部分の透過率の2倍、好ましくは、少なくとも10倍より大きい、先行付記のいずれかに記載の膜モジュール。
【0189】
付記24.第2の部分は、第2の主要表面の一部を形成している、先行付記のいずれかに記載の膜モジュール。
【0190】
付記25.第2の部分は、第1の主要表面の一部を形成している、先行付記のいずれかに記載の膜モジュール。
【0191】
付記26.付記1-25のいずれか1項に記載の膜モジュールの膜シートを製造する方法であって、方法は、
前駆体シートのロールを提供することと、
前駆体シートのロールの第1のエリアを第1のコーティング溶液でコーティングし、前駆体シートのロールの第2のエリアを第2のコーティング溶液でコーティングし、膜シートのロールを形成することと、
膜シートの1つ以上のロールを別個の膜シートに分離することであって、各膜シートの第1の部分は、膜シートのロールの第1のエリアによって形成され、各膜シートの第2の部分は、膜シートのロールの第2のエリアによって形成され、各膜シートの第2の部分は、第1の部分より高い主要成分のための透過率を有する、ことと
を含む、方法。
【0192】
付記27.第1のエリアおよび第2のエリアは、互いに隣接し、好ましくは、第2のエリアは、各膜シートにおいて、第2の部分が、細片として形成され、第1の部分が、第2の部分の両側に提供されるように、2つの第1のエリア間に位置付けられる、付記26に記載の方法。
【0193】
付記28.方法は、各膜シートが一対の膜シートを形成するように、各膜シートを給送スペーサの周りで折り畳むことをさらに含む、付記26または付記27に記載の方法。
【0194】
付記29.それらの第1側に沿って2つの膜シートを一緒にシールし、それらの間に給送スペーサを位置付けることをさらに含む、付記26または付記27に記載の方法。
【0195】
付記30.第1のエリアをコーティングするステップおよび第2のエリアをコーティングするステップは、同時に実施される、先行付記のいずれかに記載の方法。
【0196】
付記31.コーティングするステップは、膜シートのロールをコーティングコンテナ内の第1および第2の溶液と接触させることによって実施され、コーティングコンテナは、セパレータによって互いに流動的に分離された第1および第2の区分を有し、第1の区分は、第1のコーティング溶液を含み、第2の区分は、第2のコーティング溶液を含む、先行付記のいずれかに記載の方法。
【0197】
付記32.コーティングコンテナの第2の区分は、コーティングコンテナの2つの第1の区分間に位置付けられる、付記31に記載の方法。
【0198】
付記33.セパレータの位置を移動させ、第2の部分の位置およびサイズを調節することをさらに含む、付記31または付記32に記載の方法。
【0199】
付記34.対向流膜モジュールを使用して、主要成分および微量成分を備えている給送物流から微量成分を分離する方法であって、残留物流体は、給送物流体より低い濃度の微量成分を有し、透過物流体は、給送物流体より高い濃度の微量成分を有し、好ましくは、微量成分は、二酸化炭素であり、主要成分は、メタンまたは窒素であり、
モジュールは、
第1の端部および第2の端部を有する筐体であって、第2の端部は、第1の方向に沿って第1の端部から間隔を置かれる筐体と、
筐体の第1の端部と第2の端部との間に延びている1つ以上の膜シートであって、各膜シートは、第1の端部および第2の端部を備え、第2の端部は、第1の方向に沿って第1の端部から間隔を置かれ、各膜シートは、第1の端部と第2の端部との間に延びている第1および第2の側を備え、第1の側は、第2の方向に沿って第2の側から間隔を置かれ、第2の方向は、第1の方向に対して横方向であり、各膜シートは、第1の主要表面および第2の主要表面を備え、第2の主要表面は、第1の主要表面と反対側にある1つ以上の膜シートと、
筐体の第1の端部における入口であって、入口は、各膜シートの第1の主要表面の第1の端部と流体連通する、入口と、
筐体の第2の端部における出口であって、各膜シートの第1の主要表面の第2の端部と流体連通する、出口と、
膜シートの第2の主要表面の第1の側に沿って透過区分に隣接する、導管と
を備え、
1つ以上の膜シートのうちの少なくとも1つは、第1の部分および第2の部分を備え、
方法は、
第1の方向に各膜シートの第1の主要表面に沿って流動するように、主要成分および微量成分を備えている給送物流体を入口を介して、各膜シートの第1の主要表面に送達することと、
残留物流体が、第1の主要表面に沿って、第1の方向に出口まで流動し、透過物流体が、第2の主要表面に沿って、透過区分に、次いで、導管の中に流動するように、各膜シートを横断する給送物流体を透過物流体と残留物流体とに分離することと、
を含み、
膜モジュールは、給送物流体および残留物流体が、第1の方向に各膜シートの第1の主要表面に沿って流動するが、各膜シートの前記第2の主要表面に沿って流動せず、透過物流体が各膜シートの第2の主要表面に沿って流動するが、各膜シートの第1の主要表面に沿って流動しないように構成され、
分離するステップは、膜シートの第1の部分を横断する給送物流体を分離し、透過物流体の第1の部分を発生させ、膜シートの第2の部分を横断する給送物流体を分離し、透過物流体の第2の部分を発生させることを含み、膜シートの第2の部分は、透過物流体の第2の部分が、透過物流体の第1の部分より高い濃度の主要成分を有するように、第1の部分より高い主要成分のための透過率を有し、
第2の部分は、透過物流体の第2の部分が、透過物流体の第1の部分と混合し、それによって、透過物流体の第1の部分中の微量成分の濃度を低減させるように、透過区分より第2の端部に近く、それによって、透過物流体の第2の部分を第1の端部に向かって流動させるように、膜シートの第1の主要表面に沿って流動する給送物流体と流体連通し、第1の方向に膜シートの透過区分からオフセットされ、
方法は、残留物流体をモジュールから出口を介して出力し、透過物流体をモジュールから導管を介して出力することをさらに含む、
方法。
【0200】
(第2の組の付記)
本発明は、以下の第2の組の付記によっても説明され得る。
【0201】
付記1.ガスまたは液体給送混合物を処理するための膜プロセスであって、該混合物は、微量成分および主要成分を備え、プロセスは、
(a)膜シートの給送物側の給送物チャネル空間および膜シートの透過物側の透過物チャネル空間を有する膜モジュール形成するように配置された複数の平坦なシート膜を提供するステップと、
(b)膜が2つの膜エリアを有するステップであって、第1のエリアは、主要成分より微量成分に関して選択的であり、第2の膜エリアは、第1の膜エリアより高い給送物の主要成分のための透過率を有する、ステップと、
(c)モジュールの給送物チャネル空間が給送物マニホールドおよび残留物マニホールドに接続されるステップであって、給送物マニホールドは、給送物チャネル空間を通して、給送物マニホールドから残留物マニホールドまでの給送物の流動を生成するように位置付けられている、ステップと、
(d)透過物チャネル空間が少なくとも1つの透過物マニホールドに接続されるステップと、
(e)透過物マニホールドが、第2の膜が、透過物マニホールドから離れ、第1の膜エリアのうちのあるエリアによって、透過物マニホールドから分離されるように位置付けられるステップと、
(f)膜の透過物側の透過物流が膜の給送物側の流動に対して主として対向流であるステップと、
(g)給送混合物を(c)における給送物マニホールドから、(b)の膜を横断して通し、処理された給送混合物を(c)における残留物マニホールドから除去し、並行して、膜透過物を(e)における透過物マニホールドから除去するステップと
を含む、プロセス。
【0202】
付記2.プロセスは、ガス分離プロセスである、付記1に記載のプロセス。
【0203】
付記3.プロセスは、透過気化法プロセスである、付記1に記載のプロセス。
【0204】
付記4.(b)における膜モジュールは、渦巻状に巻きつけられたモジュールである、付記1に記載のプロセス。
【0205】
付記5.(b)における膜モジュールは、プレートおよびフレームモジュールである、付記1に記載のプロセス。
【0206】
付記6.分離プロセスは、COの窒素からの分離である、付記1に記載のプロセス。
【0207】
付記7.分離プロセスは、軽炭化水素C3-C5の窒素またはメタンからの分離である、付記1に記載のプロセス。
【0208】
付記8.分離プロセスは、COの水素からの分離である、付記1に記載のプロセス。
【0209】
付記9.分離プロセスは、メタンからの水素である、付記1に記載のプロセス。
【0210】
付記10.分離プロセスは、メタンからのCOである、付記1に記載のプロセス。
【0211】
付記11.分離プロセスは、透過気化法による水のエタノールからの分離である、付記1に記載のプロセス。
【0212】
付記12.分離プロセスは、透過気化法による芳香族の脂肪族炭化水素からの分離である、付記1に記載のプロセス。
【0213】
付記13.分離プロセスで使用される(b)における膜モジュールは、少なくとも部分的に圧力比限定領域内で動作する、付記1に記載のプロセス。
【0214】
付記14.(c)における給送物チャネルを通した流動に対向する、(e)における透過物の掃引流動を増進するように配置される流動を方向づけるバッフルを透過物チャネル空間内に提供するステップをさらに含む、付記1に記載のプロセス。
【0215】
付記15.微量成分および主要成分のガスまたは液体混合物を分離するために有用な平坦なシート膜モジュールを製造する方法であって、方法は、
(a)膜のロールを形成することであって、膜は、給送物の主要成分より給送物の微量成分に対して選択的である第1の膜エリアと、第1の膜エリアより高い給送物の主要成分のための透過率を有する第2の膜エリアとを有する、ことと、
(b)(a)の膜ロールを画定された幾何学形状の膜シートに形成し、シートを給送物マニホールドおよび残留物マニホールドに接続される給送物チャネル空間と、少なくとも1つの透過物マニホールドに接続される透過物チャネル空間とを有する平坦なシート膜モジュールの中にパッケージングすることと、
(c)給送および残留物マニホールドマニホールドが、給送物チャネルを通して、給送物マニホールドから残留物マニホールドまでの略直線流動経路を生成するように配置されることと、
(d)透過物マニホールドおよび第2の膜エリアが、第2の膜エリアを通して流動する透過物が、直交流または部分的対向流掃引効果を膜の第1のエリア上に生成するように位置付けられることと、
を含む、方法。
【0216】
付記16.(b)における膜モジュールは、渦巻状に巻きつけられたモジュールである、付記15に記載の方法。
【0217】
付記17.(b)における膜モジュールは、プレートおよびフレームモジュールである、付記15に記載の方法。
【0218】
付記18.(d)の第2の膜エリアの透過率および面積は、(e)における膜透過物における微量成分の濃度が、第2の膜エリアを伴わない同じ膜面積および構成のモジュールによって生成される透過物の濃度を上回るようなものである、付記15に記載の方法。
【0219】
付記19.給送混合物の主要成分に対する(d)の第2の膜エリアの透過率は、(d)給送混合物の主要成分に対する第1の高選択率膜の透過率の少なくとも10倍である、付記15に記載の方法。
【0220】
付記20.給送混合物の主要成分に対する(d)の第2の膜エリアの透過率は、給送混合物の主要成分に対する(d)の第1の高選択率膜の透過率の少なくとも10倍である、付記15に記載の方法。
【0221】
付記21.(d)の第2の膜は、給送物流の一般的方向と平行に向けられ、透過物マニホールドと反対の平坦な膜シートの縁にあるように位置付けられる細長い細片の形態を有する、付記15に記載の方法。
【0222】
付記22.(b)の直交流モジュールは、2つの透過物マニホールドを有し、(d)の第2の膜エリアは、給送物流の一般的方向と平行に向けられ、第2の膜エリアからの透過が、第1の膜エリアの透過物チャネル空間を通して、2つの透過物マニホールドの各々に通過するように、第1の膜エリアの中央部分内に位置付けられる、細長い細片の形態を有する、付記15に記載の方法。
【0223】
付記23.(d)の第2の膜エリアは、給送物流の一般的方向に対して直角に向けられ、給送物チャネル残留物マニホールドに隣接する平坦な膜シートの縁にあるように位置付けられる細長い細片の形態を有する、付記15に記載の方法。
【0224】
付記24.(c)における給送物チャネルを通した流動に対向する(d)における透過の掃引流動を向上させるように配置される流動を方向づけるバッフルが、透過物チャネル空間の中に組み込まれる、付記15に記載の方法。
図1
図2
図3(a)】
図3(b)】
図3(c)】
図3(d)】
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12(a)】
図12(b)】
図12(c)】
図12(d)】
図13(a)】
図13(b)】
図14
図15(a)】
図15(b)】
図16
図17-1】
図17-2】
図18