IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社マコエンタープライズの特許一覧

<>
  • 特許-自動販売機の運用方法 図1
  • 特許-自動販売機の運用方法 図2
  • 特許-自動販売機の運用方法 図3
  • 特許-自動販売機の運用方法 図4
  • 特許-自動販売機の運用方法 図5
  • 特許-自動販売機の運用方法 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】自動販売機の運用方法
(51)【国際特許分類】
   G07F 9/00 20060101AFI20240122BHJP
【FI】
G07F9/00 Z
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2023152262
(22)【出願日】2023-09-20
【審査請求日】2023-09-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517310809
【氏名又は名称】株式会社マコエンタープライズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001726
【氏名又は名称】弁理士法人綿貫国際特許・商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 杏
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特許第6483925(JP,B1)
【文献】国際公開第2021/241068(WO,A1)
【文献】特開2021-189897(JP,A)
【文献】特許第7122655(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07F 5/00- 9/10
G06Q 10/00-50/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の飲食物を利用者に販売する自動販売機と、前記自動販売機に配されて前記自動販売機の固有識別情報と紐づけされた特定URLを示す二次元コードと、Webサーバを用いて、前記二次元コードを読み取って前記特定URLにアクセス可能な外部携帯情報端末を有する前記利用者を対象とした自動販売機の運用方法であって、前記Webサーバは、複数の忌避食品名およびチェックを入れるチェック欄を有する入力フォームと、前記固有識別情報に対応する前記自動販売機において販売する前記飲食物それぞれの商品名および食品成分を表示する標準説明フォームを有し、前記特定URLにアクセスした前記外部携帯情報端末が前記入力フォームを読み取り可能な状態に設定しており、
前記Webサーバは、前記利用者の操作によって前記入力フォームの前記チェック欄に前記チェックが入った返信フォームを前記外部携帯情報端末からデータ受信すると、データ受信した前記返信フォームにおける前記チェックが入った前記チェック欄に対応する忌避食品データと、前記標準説明フォームにおける前記商品名それぞれに対応する食品成分データを照合し、
前記Webサーバは、前記商品名のうちの特定商品名が前記忌避食品データと一致した前記食品成分データを有すると判断した場合、前記特定商品名に忌避食品表示を付加した個別説明フォームを生成し、生成した前記個別説明フォームを前記外部携帯情報端末にデータ送信し、前記商品名に前記特定商品名がないと判断した場合、前記標準説明フォームを前記外部携帯情報端末にデータ送信すること
を特徴とする自動販売機の運用方法。
【請求項2】
前記Webサーバは、前記個別説明フォームを前記外部携帯情報端末にデータ送信する場合、前記個別説明フォームにおける前記忌避食品表示を付加した前記特定商品名に対応する販売中止信号を前記自動販売機にデータ送信し、前記自動販売機に対して、複数の商品選択ボタンのうちのデータ受信した前記販売中止信号に対応する特定商品選択ボタンを作動中止にすること
を特徴とする請求項1に記載の自動販売機の運用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機の運用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動販売機は、飲食物を何時でも購入することが可能であり、対面販売にはない利点がある。
【0003】
電子マネーの普及や商店の営業時間の短縮化等に伴って、近年、多種多様な自動販売機が設置されている。一方で、特定飲食物の摂取による食物アレルギーを有する利用者は一定数存在しており、増加傾向にある。従来、食物アレルギーに関連し、対話型の自動販売機が提案されている(特許文献1:特表2023-531946号公報)。また、患者の医療データを用いて安全レベルが低いとプロセッサが決定したときに自動販売機に食品を販売しないようにさせるシステムが提案されている(特許文献2:特開2021-168154号公報)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特表2023-531946号公報
【文献】特開2021-168154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、既知の自動販売機における商品表示は、前記食物アレルギーを有する利用者が商品購入前に把握できる程度に充実しているとは言い難い。利用者が商品を購入した後に、ようやく、食物アレルギーの原因食品などの忌避食品が含まれた商品を購入したことに気づく場合も少なくない。特許文献1や特許文献2に記載の従来技術は、大掛かりな設備投資やシステム構築を必要とするうえに、対話を好む利用者や医療データを事前にシステムに提供可能な患者に対象者が限定される。自動販売機の普及率の高さを考慮すると、簡易なシステムを用いて、利用者が商品購入前に忌避食品の有無を把握できる運用方法が望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされ、簡易なシステムを用いて、利用者が商品購入前に忌避食品の有無を把握できる自動販売機の運用方法を提供することを目的とする。
【0007】
一実施形態として、以下に開示する解決策により、前記課題を解決する。
【0008】
本発明に係る自動販売機の運用方法は、複数種類の飲食物を利用者に販売する自動販売機と、前記自動販売機に配されて前記自動販売機の固有識別情報と紐づけされた特定URLを示す二次元コードと、Webサーバを用いて、前記二次元コードを読み取って前記特定URLにアクセス可能な外部携帯情報端末を有する前記利用者を対象とした自動販売機の運用方法であって、前記Webサーバは、複数の忌避食品名およびチェックを入れるチェック欄を有する入力フォームと、前記固有識別情報に対応する前記自動販売機において販売する前記飲食物それぞれの商品名および食品成分を表示する標準説明フォームを有し、前記特定URLにアクセスした前記外部携帯情報端末が前記入力フォームを読み取り可能な状態に設定しており、前記Webサーバは、前記利用者の操作によって前記入力フォームの前記チェック欄に前記チェックが入った返信フォームを前記外部携帯情報端末からデータ受信すると、データ受信した前記返信フォームにおける前記チェックが入った前記チェック欄に対応する忌避食品データと、前記標準説明フォームにおける前記商品名それぞれに対応する食品成分データを照合し、前記Webサーバは、前記商品名のうちの特定商品名が前記忌避食品データと一致した前記食品成分データを有すると判断した場合、前記特定商品名に忌避食品表示を付加した個別説明フォームを生成し、生成した前記個別説明フォームを前記外部携帯情報端末にデータ送信し、前記商品名に前記特定商品名がないと判断した場合、前記標準説明フォームを前記外部携帯情報端末にデータ送信することを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、食物アレルギーを有する利用者にとって有益な情報が自動販売機に付された二次元コードを読み取る簡易な手続きで直接入手できるので、自動販売機にて忌避食品を含む特定商品を誤って購入することが防止できる。つまり、利用者が商品購入前に忌避食品の有無を把握することができる。尚且つ、簡易なシステムを用いて必要な情報を自動販売機における商品購入現場で利用者に直接提供できる。
【0010】
一例として、前記Webサーバは、前記個別説明フォームを前記外部携帯情報端末にデータ送信する場合、前記個別説明フォームにおける前記忌避食品表示を付加した前記特定商品名に対応する販売中止信号を前記自動販売機にデータ送信し、前記自動販売機に対して、複数の商品選択ボタンのうちのデータ受信した前記販売中止信号に対応する特定商品選択ボタンを作動中止にする。この構成によれば、利用者が商品購入前に忌避食品の有無を把握したにもかかわらず、誤って特定商品選択ボタンを押下したときにおいても、忌避食品を含む特定商品を誤って購入することが防止できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、利用者が商品購入前に忌避食品の有無を把握できる。尚且つ、簡易なシステムを用いて必要な情報を自動販売機における商品購入現場で利用者に提供できる。自動販売機において、利用者は、食物アレルギー疾患や胃腸疾患やハラールなどの忌避食品を誤って購入することが防止できる。また、自動販売機は、商品における食品成分などの必要な情報提供の充実を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の実施形態に係る自動販売機の第1例の運用方法を示す概略の構成図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る自動販売機の第2例の運用方法を示す概略の構成図である。
図3図3Aは、本実施形態に係る入力フォームの例を示す図である。図3Bは、図3Aに対応する返信フォームの例を示す図である。
図4図4Aは、本実施形態に係る標準説明フォームの例を示す図である。図4Bは、図4Aに対応する個別説明フォームの例を示す図である。
図5図5は、Webサーバによる自動販売機の制御例を示す概略の構成図である。
図6図6は、Webサーバによる自動販売機の運用手順を示す概略のフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳しく説明する。本実施形態は、建物9の外部または内部に設置された自動販売機1の運用方法である。建物9は、店舗、商店、飲食店、レストラン、旅館、ホテル、商業施設、薬局、病院、市役所、庁舎、家屋、アパート、マンション、工場、事務所、駅舎、空港、その他自動販売機が設置可能な建物である。自動販売機1は、複数種類の飲食物を商品として販売可能な構成である。商品のうちの飲料は、コーヒー、ココア、ジュース、スープ、栄養ドリンク、酒類、炭酸水、飲料水等である。飲料は、缶、瓶、ボトル、パウチ、その他既知の容器に入った状態で販売される。商品のうちの食物は、パン、菓子、アイスクリーム、冷凍食品、チルド食品、レトルト食品、インスタント食品、サラダ、栄養補助食品等である。食物は、箱、袋、パウチ、その他既知の容器に入った状態で販売される。上記以外に調味料やドレッシング類も本明細書における商品に該当する。
【0014】
自動販売機1は、自動販売機固有名称表示2aと、二次元コード4が配されている。自動販売機固有名称表示2aは、「A001」に例示される英数字の組み合わせ、「パンA001」に例示される商品名と英数字の組み合わせ、「通信型_パンA001」例示される自動販売機の型名と商品名と英数字の組み合わせ、その他既知の固有名称もしくは固有識別記号が適用される。二次元コード4は、QRコード(登録商標)、マトリクス型二次元コード、その他既知の二次元コードが適用される。
【0015】
本実施形態は、インターネット6にアクセス可能なWebサーバ5を用いる。Webサーバ5は、http通信を行うhttpサーバソフトウエアを有する。Webサーバ5は、Webコンテンツとして、複数の忌避食品名およびチェックを入れるチェック欄11aを有する入力フォーム11と、固有識別情報に対応する自動販売機1において販売する飲食物それぞれの商品名および食品成分を表示する標準説明フォーム13と、個別説明フォーム14を生成する個別説明フォーム生成プログラムを有し、これらを含むWebコンテンツ、およびWebコンテンツ生成プログラムを有する。Webサーバ5は、市販のパーソナルコンピュータが適用できる。なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
【0016】
Webサーバ5は、コンピュータと、当該コンピュータ上で動作する入力フォーム生成プログラムと、説明フォーム生成プログラムを有する。CPUおよびデータベースがコンピュータに内蔵される。必要に応じて、キーボードやマウス等の入力手段と、ディスプレイ装置やプリンタ等の出力手段がコンピュータに接続される。Webアプリケーションとしては、Java(登録商標)、PHP、その他既知のWebアプリケーションが適用できる。Webアプリケーションは、市販品、無償のソフトウエア、カスタム仕様品が適用できる。
【0017】
利用者は、二次元コード4を読み取って特定URLにアクセス可能な外部携帯情報端末21を有する。外部携帯情報端末21は、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータ、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、パーソナルデータアシスタント、カメラ付き携帯電話、その他既知の外部携帯情報端末が適用できる。
【0018】
[第1例]
図1は、第1例の自動販売機1Aの運用方法を示す概略の構成図である。一例として、商店等の建物9の店先に配され、商品を個別表示する表示部3がマトリクス配置された自動販売機1Aであり、無線通信機能を有さないスタンドアローン型の自動販売機1Aである。表示部3は、自動販売機1Aに内蔵される商品に対応している。自動販売機1Aが販売する商品は、複数種類の飲食物、一例として4~16種類の飲食物、一例として6~12種類の飲食物である。
【0019】
自動販売機1Aの正面には、自動販売機固有名称表示2aを示すステッカー、シールまたは銘板が配されており、自動販売機1Aの固有識別情報と紐づけされた特定URLを示す二次元コード4を示すステッカー、シールまたは銘板が配されている。Webサーバ5は、建物9の内部に配されている。利用者は、二次元コード4を内蔵カメラで読み取って前記特定URLにアクセス可能な外部携帯情報端末21を有し、外部携帯情報端末21を用いて忌避食品を自己申告することで、商品購入前に、忌避食品が含まれる特定商品の有無を把握することができる。
【0020】
図1の例のように、自動販売機1Aが商店等の建物9の店先や商店等の建物9の内部でWebサーバ5から数m以内の場所に配されている場合、Webサーバ5に付設した制御基板を、信号線、平行ケーブル、同軸ケーブル、制御ケーブル、LANケーブル、その他既知の信号線を用いて、自動販売機1Aに内蔵されたコントローラ、若しくは外付けのプログラマブルロジックコントローラ(PLC)に接続することで、Webサーバ5を用いて自動販売機1Aを簡易制御することができる。
【0021】
[第2例]
図2は、第2例の自動販売機1Bの運用方法を示す概略の構成図である。一例として、商店等の建物9から離れた場所に配され、商品を個別表示する表示部3がマトリクス配置された自動販売機1Bであり、無線通信機能を有するネットワーク型の自動販売機1Bである。自動販売機1Bの正面には、自動販売機固有名称表示2aを示すステッカー、シールまたは銘板が配されており、自動販売機1Bの固有識別情報と紐づけされた特定URLを示す二次元コード4を示すステッカー、シールまたは銘板が配されている。Webサーバ5は、建物9の内部に配されている。利用者は、二次元コード4を内蔵カメラで読み取って前記特定URLにアクセス可能な外部携帯情報端末21を有し、外部携帯情報端末21を用いて忌避食品を自己申告することで、商品購入前に、忌避食品が含まれる特定商品の有無を把握することができる。
【0022】
図2の例のように、自動販売機1Bが商店等の建物9の店先や商店等の建物9の内部でWebサーバ5から10m以上離れた場所に配されている場合、Webサーバ5に付設した通信基板を、電波を用いて、自動販売機1Bに配された通信部7に通信し、自動販売機1Bに内蔵された制御部8を制御することで、Webサーバ5を用いて自動販売機1Bを簡易制御することができる。
【0023】
通信部7が用いる無線通信規格は、インターネット6にアクセス可能な規格であり、無線LAN、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、SIGFOX(登録商標)、LoRa(登録商標)、NB-IoT、LPWA、その他既知の無線通信規格に準拠させることができる。制御部8は、制御基板、コントローラまたはプログラマブルロジックコントローラ(PLC)である。
【0024】
図3Aは、本実施形態に係る入力フォーム11の例を示す図である。図3Bは、入力フォーム11に対応する返信フォーム12の例を示す図である。図4Aは、本実施形態に係る標準説明フォーム13の例を示す図である。図4Bは、標準説明フォーム13に対応する個別説明フォーム14の例を示す図である。図5は、Webサーバ5による自動販売機1の制御例を示す概略の構成図である。
【0025】
図6は、Webサーバ5による自動販売機1の運用手順を示す概略のフローチャート図である。引き続き、自動販売機1の運用手順について、以下に説明する。
【0026】
[運用手順]
ステップS1にて、Webサーバ5は、自動販売機固有名称表示2aが付された自動販売機1が販売する商品に関する入力フォーム11および標準説明フォーム13を準備する。なお、自動販売機1の運営者または運営者の委託業者が入力フォーム11と標準説明フォーム13を準備する場合がある。入力フォーム11と標準説明フォーム13が準備できるとステップS2に遷移する。
【0027】
ステップS2にて、Webサーバ5は、入力フォーム11をインターネット6にアップロードする。上記に加えて、標準説明フォーム13をインターネット6にアップロードする場合がある。
【0028】
ステップS2Aにて、利用者は、外部携帯情報端末21を用いて、目前の自動販売機1に貼り付けられた二次元コード4を外部携帯情報端末21の内蔵カメラで読み取って特定URLにアクセスする。そして、外部携帯情報端末21の画面に表示された入力フォーム11を確認し、利用者自身が忌避食品を申告するために、チェック欄11aにチェックを入れて返信する。利用者自身が忌避食品を申告しないことも可能であり、忌避食品を申告しないときはチェック欄11aにチェックを入れずに返信する。
【0029】
図3Aは、自動販売機1が販売する商品がパンの場合の入力フォーム11の例を示す図である。一例として、入力フォーム11の最上部には、自動販売機固有名称表示2aが表示される。これにより、利用者は、目前の自動販売機1に関する忌避食品の入力フォーム11であることが認識できる。一例として、自動販売機固有名称表示2aの下部には「あなたがたべられない食品にチェックを入れて、送信ボタンを押してください」とアナウンスが表示される。一例として、入力フォーム11の最下部には、送信ボタン11bが表示される。
【0030】
一例として、チェック欄11aは、アレルゲンとなる特定原材料等であり、卵、乳、小麦、落花生、えび、そば、かに、いくら、キウイフルーツ、くるみ、大豆、バナナ、やまいも、カシューナッツ、もも、ごま、さば、さけ、いか、鶏肉、りんご、まつたけ、あわび、オレンジ、牛肉、ゼラチン、豚肉、アーモンド、その他既知のアレルゲン食品の情報を示す。
【0031】
図3Bは、返信フォーム12の例を示す図である。返信フォーム12が返信されると、外部携帯情報端末21の画面に返信フォーム12が表示される。一例として、返信フォーム12の最上部には、自動販売機固有名称表示2aが表示される。これにより、利用者は、目前の自動販売機1に関する忌避食品の入力フォーム11に対応する返信フォーム12を返信したことが認識できる。
【0032】
一例として、利用者が申告する忌避食品が「ごま」の場合、「ごま」にチェックを入れてチェック済表示12aとし、送信ボタン11bを押して返信すると、送信ボタン11bが送信済表示12bとなる。チェック済表示12aは、ひとつの場合があり、2つ以上の場合があり、ゼロの場合がある。
【0033】
ステップS3にて、Webサーバ5は、返信フォーム12をデータ受信すると、データ受信した返信フォーム12におけるチェック済表示12aが入ったチェック欄に対応する忌避食品データと、既に作成した標準説明フォーム13における商品名それぞれに対応する食品成分データを照合する。照合作業が完了するとステップS4に遷移する。Webサーバ5が照合する忌避食品データは、ひとつの場合があり、2つ以上の場合があり、ゼロの場合がある。
【0034】
ステップS4にて、Webサーバ5は、商品名のうちの特定商品名が、チェック済表示12aの忌避食品データと一致した食品成分データを有するか否かを判断する。Webサーバ5は、特定商品名が忌避食品を有すると判断した場合、ステップS6に遷移する。一方で、Webサーバ5は、特定商品名が忌避食品を有しないと判断した場合、ステップS5に遷移する。
【0035】
自動販売機1のいずれの商品名にも忌避食品を有しないとWebサーバ5が判断したときは、ステップS5にて、Webサーバ5は、標準説明フォーム13を外部携帯情報端末21にデータ送信する。
【0036】
自動販売機1の特定商品名に忌避食品を有するとWebサーバ5が判断したときは、ステップS6にて、Webサーバ5は、個別説明フォーム14を生成し、生成した個別説明フォーム14を外部携帯情報端末21にデータ送信する。
【0037】
図4Aは、自動販売機1が販売する商品がパンの場合の標準説明フォーム13の例を示す図である。一例として、標準説明フォーム13の最上部には、自動販売機固有名称表示2aが表示される。これにより、利用者は、目前の自動販売機1が販売する商品の標準説明フォーム13であることが認識できる。
【0038】
一例として、標準説明フォーム13は、商品名毎に区画され、上から順に、商品名表示13a、商品外観表示13b、商品成分表示13cが表示される。標準説明フォーム13は、自動販売機1が販売する商品ディスプレイに対応しており、外部携帯情報端末21の画面に表示される。
【0039】
図4Bは、個別説明フォーム14の例を示す図である。一例として、個別説明フォーム14の最上部には、自動販売機固有名称表示2aが表示される。これにより、利用者は、目前の自動販売機1が販売する商品の個別説明フォーム14であることが認識できる。
【0040】
一例として、忌避食品を有する特定商品名が「あんパン」であり、忌避食品が「ごま」の場合、忌避食品表示14aが、商品外観表示13bに上書きされて表示される。一例として、忌避食品表示14aは、「ごまを使用しています」とアナウンスが表示される。一例として、忌避食品表示14aは、商品名表示13aに、文字の取り消し線表示、文字の網掛け表示、文字の赤色表示、のいずれか1種以上が上書きされて表示される。これによって、利用者は、忌避食品表示14aを視認することができる。忌避食品表示14aを付与する加工は、既知のソフトウエア技術または既知の画像処理技術が適用できる。
【0041】
ステップS6Aにて、外部携帯情報端末21は、個別説明フォーム14または標準説明フォーム13を受信する。この構成により、利用者は、商品購入前に忌避食品の有無を把握することができる。そして、利用者は、忌避食品表示14aが付された特定商品を除いて、自身が選択した商品の商品選択ボタン3aを押して、既知の支払方法(電子マネー、クレジット、プリペイドカード、現金のいずれか)を選択し、商品を購入する。この構成により、自動販売機1は、簡易なシステムを用いて必要な情報を利用者に商品購入現場で提供できる。この構成により、利用者が忌避食品を含む特定商品を誤って購入することが防止できる。
【0042】
自動販売機1は、商品選択ボタン3aが押されない状態が一定時間経過すると初期状態に戻る。これにより、利用者が商品を購入しなかったときは、別の利用者に商品を販売することができる。
【0043】
ステップS6に続いてステップS7を設けることができる。図5は、Webサーバ5による自動販売機1の制御例を示す概略の構成図である。Webサーバ5は、上述の第1例の説明における信号線を用いて、販売中止信号15を自動販売機1にデータ送信し、自動販売機1を制御する。または、上述の第2例の説明における無線通信を用いて、販売中止信号15を自動販売機1にデータ送信し、自動販売機1を制御する。
【0044】
ステップS7にて、Webサーバ5は、自動販売機1の表示部3における特定商品選択ボタン3bを作動中止にするとともに、自動販売機1の表示部3における特定商品に販売中止表示3cを表示する。特定商品選択ボタン3bの作動中止は、既存の販売中止処理回路を用いることができる。一例として、特定商品選択ボタン3bの作動中止と、商品売り切れとを同じ処理回路を兼用することが可能である。これにより、簡易に制御できる。一例として、販売中止表示3cは、表示部3に、取り消し線表示、網掛け表示、赤色表示のいずれか1種以上が上書きされて表示される。一例として、販売中止表示3cと、商品売り切れ表示とを同じ処理回路を兼用し表示させることが可能である。この構成によれば、利用者が商品購入前に忌避食品の有無を把握したにもかかわらず、誤って特定商品選択ボタン3bを押下したときにおいても、忌避食品を含む特定商品を誤って購入することが防止できる。
【0045】
ステップS7は、オプションであり、必要に応じて設けることができる。一例として、病院や薬局等の建物9など医療機関に関係する特定場所に特化して設ける場合がある。一例として、自動販売機1における販売中止表示3cを、商品売り切れ表示と兼用した構成にすることで、より簡易なシステム構成となり、利便性と個人情報の保護の両立を図ることが容易にできる。一例として、自動販売機1をWebサーバ5が直接制御しない構成にすることができ、これにより、最も簡易なシステム構成にできる。
【0046】
上述の実施形態に加えて、利用者が外部携帯情報端末21を用いて、自動販売機1に貼り付けられた二次元コード4を外部携帯情報端末21で読み取って特定URLにアクセスすると、商店や店舗等の建物9のHPにリンクするバナーが表示される構成にする場合がある。また、自動販売機1の設置場所と、各自動販売機1における標準説明フォーム13を示す専用アプリケーションプログラムを必要に応じて外部携帯情報端末21に予めインストールすることができ、利用者が、自動販売機1の所在や販売される商品の成分表示を予め確認できる構成にすることも可能である。
【0047】
上述の忌避食品は、一例として食物アレルギーの原因食品である。ただし、忌避食品は、食物アレルギーの原因食品に限定されない。自動販売機1の利用者それぞれが、食物アレルギーに加えて、宗教上の理由や、疾患、嗜好上の理由等を伴う場合にも対応できる。本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、本発明を逸脱しない範囲において種々変更が可能である。
【符号の説明】
【0048】
1、1A、1B 自動販売機
2a 自動販売機固有名称表示
3 表示部、3a 商品選択ボタン、3b 特定商品選択ボタン、3c 販売中止表示
4 二次元コード
5 Webサーバ
6 インターネット
7 通信部
8 制御部
9 建物
11 入力フォーム、11a チェック欄、11b 送信ボタン
12 返信フォーム、12a チェック済表示、12b 送信済表示
13 標準説明フォーム、13a 商品名表示、13b 商品外観表示、13c 商品成分表示
14 個別説明フォーム、14a 忌避食品表示
15 販売中止信号
21 外部携帯情報端末
【要約】
【課題】利用者が商品購入前に忌避食品の有無を把握できる自動販売機の運用方法を提供することを目的とする。
【解決手段】自動販売機1の固有識別情報と紐づけされた特定URLを示す二次元コード4と、Webサーバ5を用い、Webサーバ5は、複数の忌避食品名およびチェックを入れる入力フォーム11と、自動販売機1において販売する商品名および食品成分を表示する標準説明フォーム13を有し、チェック済表示12に対応する忌避食品データと、標準説明フォーム13における商品名それぞれに対応する食品成分データを照合し、特定商品名が忌避食品データと一致した食品成分データを有すると判断した場合、特定商品名に忌避食品表示を付加した個別説明フォーム14を生成し、生成した個別説明フォーム14を外部携帯情報端末21にデータ送信し、商品名に特定商品名がないと判断した場合、標準説明フォーム13を外部携帯情報端末21にデータ送信する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6