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特許7423119電池劣化推定装置の検証方法、装置、デバイス、媒体及び電池劣化推定計算モデル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】電池劣化推定装置の検証方法、装置、デバイス、媒体及び電池劣化推定計算モデル
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/392 20190101AFI20240122BHJP
   G01R 31/367 20190101ALI20240122BHJP
【FI】
G01R31/392
G01R31/367
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023534591
(86)(22)【出願日】2022-07-04
(86)【国際出願番号】 JP2022026605
(87)【国際公開番号】W WO2023286650
(87)【国際公開日】2023-01-19
【審査請求日】2023-06-06
(31)【優先権主張番号】202110801288.2
(32)【優先日】2021-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523115483
【氏名又は名称】恒林日本株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 九廷
(72)【発明者】
【氏名】連 源
(72)【発明者】
【氏名】黄 天奇
【審査官】永井 皓喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-78541(JP,A)
【文献】国際公開第2018/216379(WO,A1)
【文献】特開2019-53542(JP,A)
【文献】特開2020-166928(JP,A)
【文献】国際公開第2020/044713(WO,A1)
【文献】特開2019-168453(JP,A)
【文献】国際公開第2021/100673(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/142711(WO,A1)
【文献】特開2018-63947(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/36
H01M 10/48
H02J 7/00
G06M 20/00
G06F 21/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モデル生成装置及びデータ処理装置を含む電池劣化推定装置検証の装置であって、
前記モデル生成装置は、
トレーニングデータを格納するためのトレーニングデータ記憶モジュールと、
前記トレーニングデータ記憶モジュールからトレーニングデータを読み取ってモデルトレーニングを行うためのトレーニングデータ取得モジュールと、
前記トレーニングデータ取得モジュールにより読み取られたトレーニングデータを使用してモデルトレーニングを行って、電池劣化推定計算モデルを取得するためのモデルトレーニングモジュールと、
前記モデルトレーニングモジュールがトレーニングを行って取得された前記電池劣化推定計算モデルを格納するための第1モデル記憶モジュールと、
前記モデルトレーニングモジュールがトレーニングを行った後の前記電池劣化推定計算モデルを送信するためのモデル送信モジュールと、を含み、
前記トレーニングデータ記憶モジュール、前記トレーニングデータ取得モジュール、前記モデルトレーニングモジュール、前記第1モデル記憶モジュール及び前記モデル送信モジュールは、この順に接続されており、
前記トレーニングデータ記憶モジュールに格納されているトレーニングデータは、入力データ及び出力データが正常である場合に出現する数値のセットである第1のトレーニングデータと、入力データが正常である場合に出現しない数値であり、かつ、出力データが予め設定した範囲内の値となる第2のトレーニングデータとから構成されており、
前記データ処理装置は、
前記モデル送信モジュールが送信する前記電池劣化推定計算モデルを読み取るためのモデルパラメータ取得モジュールと、
前記モデルパラメータ取得モジュールが取得したモデルを格納するための第2モデル記憶モジュールと、
測定対象に関連する入力データを取得して格納するための入力データ取得モジュールと、
前記第2モデル記憶モジュールに格納されているモデルを呼び出し、且つ前記入力データ取得モジュールにおける入力データを読み取って計算した後に出力するための出力データ生成モジュールと、
ここで、前記入力データ取得モジュールは、入力データ取得サブモジュール及び入力データ記憶サブモジュールを含み、
前記出力データ生成モジュールは、出力データ計算サブモジュール及び出力データ出力サブモジュールを含み、
前記出力データ生成モジュールの出力データを呼び出し、且つ処理を行って表示可能なデータを取得するための表示処理モジュールと、
前記表示処理モジュールが処理を行った後に取得した表示可能なデータを表示するための表示モジュールと、を含み、
更に、前記モデルトレーニングモジュールにおけるモデルトレーニングのパラメータをトレーニングするためのモデルトレーニングパラメータのトレーニングモジュールを含むことを特徴とする電池劣化推定装置検証の装置。
【請求項2】
前記モデルトレーニングパラメータのトレーニングモジュールは、深層学習モデル、機械学習モデル及び/又は線形回帰分析方法を使用して前記モデルトレーニングモジュールにおけるパラメータに対してトレーニングを行うために用いられることを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項3】
前記深層学習モデルは、ディープニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、リカレントニューラルネットワーク、リカーシブニューラルネットワーク、長・短期記憶ネットワーク及び/又は双方向の長・短期記憶ネットワークを含むことを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項4】
請求項1からのいずれか一項に記載の装置に適用される電池劣化推定装置の検証方法であって、
前記入力データ取得モジュールを使用して測定対象の入力データを取得し、前記第2モデル記憶モジュールに格納されているモデルを読み取るステップと、
前記入力データをモデルに入力して、電池劣化推定テストを行うステップと、
前記電池劣化推定テストの結果を出力データ生成モジュールにより出力するステップと、
前記出力データ生成モジュールにより出力されたテスト結果に基づいて、現在の電池劣化推定テストのモデルが、前記モデル生成装置によりトレーニングを行って生成し取得したものであるか否かを判断するステップと、を含むことを特徴とする電池劣化推定装置の検証方法。
【請求項5】
前記入力データは、測定対象状態を表す少なくとも1つのパラメータのテスト結果を含み、複数の入力要素を有することを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記出力データは、複数の出力要素の出力結果を含み、ここで、複数の出力要素は、測定対象状態を表すことができる入力データのパラメータとして使用されない現在又は将来の推定値及び/又は入力データのパラメータとして使用される将来の推定値のうちの少なくとも1つのデータタイプを含むことを必要とすることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記入力要素の値の取り得る区間は、一般の入力データの区間範囲外にあり、予定範囲内の検証用データを前記入力データとする場合、前記出力データの結果は予定範囲内の検証出力データになることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項8】
メモリ、プロセッサ及びメモリに格納され且つプロセッサにより実行されるコンピュータプログラムを含む電子デバイスであって、プロセッサがコンピュータプログラムを実行する際に、請求項4から7のいずれか一項に記載の劣化推定装置の検証方法に対応するステップが実現される電子デバイス。
【請求項9】
コンピュータプログラム命令が格納されているコンピュータ記憶媒体であって、プロセッサにより前記プログラム命令を実行する際に、請求項4から7のいずれか一項に記載の劣化推定装置の検証方法に対応するステップを実現するために用いられることを特徴とするコンピュータ記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電池技術分野に関し、より具体的に、本発明は、電池劣化推定装置の検証方法、装置、デバイス、媒体及び電池劣化推定計算モデルに関する。
【背景技術】
【0002】
機械学習により生成された学習済みモデルは、非常に高い価値を有する。一方、このような学習済みモデルの幅広い使用により、学習済みモデルが第三者に勝手に使用される可能性が増加された。従って、学習用プログラムの作成者は、自分で作成した学習用プログラムを基に得られた学習済みモデルであるか(以下、「学習用プログラム」とこれを基に得られた「学習済みモデル」を特に区別することなく、単に、「モデル」という。)否かを検証できるのが好ましい。
【0003】
本発明の主な目的の一つは、モデルの作成者が自分で作成したモデルをより容易に識別できるようにすることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決すべき技術課題は、モデルの作成者が自分で作成したモデルをより容易に識別できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の技術課題を実現するために、本発明は、モデル生成装置及びデータ処理装置を含む電池劣化推定装置の検証装置を提供し、
前記モデル生成装置は、
トレーニングデータを格納するためのトレーニングデータ記憶モジュールと、
前記トレーニングデータ記憶モジュールからトレーニングデータを読み取ってモデルトレーニングを行うためのトレーニングデータ取得モジュールと、
前記トレーニングデータ取得モジュールにより読み取られたトレーニングデータを使用してモデルトレーニングを行って、電池劣化推定計算モデルを取得するためのモデルトレーニングモジュールと、
前記モデルトレーニングモジュールがトレーニングを行って取得された前記電池劣化推定計算モデルを格納するための第1モデル記憶モジュールと、
前記モデルトレーニングモジュールがトレーニングを行った後の前記電池劣化推定計算モデルを送信するためのモデル送信モジュールと、を含み、
前記トレーニングデータ記憶モジュール、前記トレーニングデータ取得モジュール、前記モデルトレーニングモジュール、前記第1モデル記憶モジュール及び前記モデル送信モジュールは、この順に接続されており、
前記データ処理装置は、
前記モデル送信モジュールが送信する前記電池劣化推定計算モデルを読み取るためのモデルパラメータ取得モジュールと、
前記モデルパラメータ取得モジュールが取得したモデルを格納するための第2モデル記憶モジュールと、
測定対象に関連する入力データを取得して格納するための入力データ取得モジュールと、
前記第2モデル記憶モジュールに格納されているモデルを呼び出し、且つ前記入力データ取得モジュールにおける入力データを読み取って計算した後に出力するための出力データ生成モジュールと、
ここで、前記入力データ取得モジュールは、入力データ取得サブモジュール及び入力データ記憶サブモジュールを含み、
前記出力データ生成モジュールは、出力データ計算サブモジュール及び出力データ出力サブモジュールを含み、
前記出力データ生成モジュールの出力データを呼び出し、且つ処理を行って表示可能なデータを取得するための表示処理モジュールと、
前記表示処理モジュールが処理を行った後に取得した表示可能なデータを表示するための表示モジュールと、を含む。
【0006】
更に、前記モデルトレーニングモジュールにおけるモデルトレーニングのパラメータをトレーニングするためのモデルトレーニングパラメータのトレーニングモジュールを含む。
【0007】
更に、前記モデルトレーニングパラメータのトレーニングモジュールは、深層学習モデル、機械学習モデル及び/又は線形回帰分析方法を使用して前記モデルトレーニングモジュールにおけるパラメータに対してトレーニングを行うために用いられる。
【0008】
更に、前記深層学習モデルは、ディープニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、リカレントニューラルネットワーク、リカーシブニューラルネットワーク、長・短期記憶ネットワーク及び/又は双方向の長・短期記憶ネットワークを含み、上記の技術課題を実現するために、本発明は、上記の装置に適用される電池劣化推定装置の検証方法を更に提供でき、前記方法は、
前記入力データ取得モジュールを使用して測定対象の入力データを取得し、前記第2モデル記憶モジュールに格納されているモデルを読み取るステップと、
前記入力データをモデルに入力して、電池劣化推定テストを行うステップと、
前記電池劣化推定テストの結果を出力データ生成モジュールにより出力するステップと、
前記出力データ生成モジュールにより出力されたテスト結果に基づいて、現在の電池劣化推定テストのモデルが、前記モデル生成装置によりトレーニングを行って生成し取得したものであるか否かを判断するステップと、を含む。
【0009】
更に、前記入力データは、測定対象状態を表す少なくとも1つのパラメータのテスト結果を含み、複数の入力要素を有する。
【0010】
更に、前記出力データは、複数の出力要素の出力結果を含み、ここで、複数の出力要素は、測定対象状態を表すことができる入力データのパラメータとして使用されない現在又は将来の推定値及び/又は入力データのパラメータとして使用される将来の推定値のうちの少なくとも1つのデータタイプを含むことを必要とする。
【0011】
更に、前記入力要素の値の取り得る区間は、一般の入力データの区間範囲外にあり、予定範囲内の検証用データを前記入力データとする場合、前記出力データの結果は予定範囲内の検証出力データになる。
【0012】
上記の技術課題を実現するために、本発明は、コンピュータプログラムが格納されているコンピュータ記憶媒体であって、プロセッサによりコンピュータプログラムを実行する際に、上記の劣化推定装置の検証方法に対応するステップを実現するために用いられるコンピュータ記憶媒体を更に提供できる。
【0013】
上記の技術課題を実現するために、本発明は、メモリ、プロセッサ及びメモリに格納され且つプロセッサにより実行されるコンピュータプログラムを含む電子デバイスであって、プロセッサがコンピュータプログラムを実行する際に、上記の劣化推定装置の検証方法に対応するステップが実現される電子デバイスを更に提供する。
【0014】
上記の技術課題を実現するために、本発明は、所定のトレーニングデータを用いてトレーニングされた電池劣化推定計算モデルであって、前記所定のトレーニングデータは、入力データ及び出力データが正常である場合に出現する数値のセットである第1のトレーニングデータと、入力データが正常である場合に出現しない数値であり、かつ、出力データが予め設定した範囲内の値となる第2のトレーニングデータとから構成されている電池劣化推定計算モデルを更に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態に関連するモデル生成装置及びデータ処理装置の使用環境の例示的な説明図である。
図2】モデル生成装置の機能構造の例示図である。
図3】トレーニングデータ記憶部に格納されているトレーニングデータの模式図である。
図4】第2トレーニングデータの第1具体例の説明図である。
図5】第2トレーニングデータの第2具体例の説明図である。
図6】第2トレーニングデータの第3具体例の説明図である。
図7】第2トレーニングデータの第4具体例の説明図である。
図8】データ処理装置の機能構造の例示図である。
図9】本発明の実施例2のフローチャートである。
図10】本発明の実施例4の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を説明する。ただし、理解すべきことは、これらの説明は、例示的なものにすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。なお、以下の説明において、本発明の概念に対する不要な混同を回避するために、公知の構造及び技術に対する説明を省略した。
【0017】
図面において、本発明の実施例による各構造模式図を示す。これらの図面は比例して描いたものではなく、目的を明確に表現するために、ある細部は拡大し、且つある細部は省略した可能性がある。図に示す各種の領域、層の形状及びそれらの間の相対的な大きさ、位置関係は、例示的なものにすぎず、実際において、製造公差又は技術的制限により差異が発生する可能性があり、且つ当業者は実際の要求に応じて、異なる形状、大きさ、相対位置を有する領域/層を別途設計してもよい。
実施例1
【0018】
図1に示すように、
本発明は、モデル生成装置10及びデータ処理装置20を含む劣化推定装置の検証装置を提供し、
ここで、前記モデル生成装置10は、
トレーニングデータを格納するためのトレーニングデータ記憶モジュールと、
前記トレーニングデータ記憶モジュールからトレーニングデータを読み取ってモデルトレーニングを行うためのトレーニングデータ取得モジュールと、
前記トレーニングデータ取得モジュールにより読み取られたトレーニングデータを使用してモデルトレーニングを行って、電池劣化推定計算モデルを取得するためのモデルトレーニングモジュールと、
前記モデルトレーニングモジュールがトレーニングを行って取得された前記電池劣化推定計算モデルを格納するための第1モデル記憶モジュールと、
前記モデルトレーニングモジュールがトレーニングを行った後の前記電池劣化推定計算モデルを送信するためのモデル送信モジュールと、を含み、
前記トレーニングデータ記憶モジュール、前記トレーニングデータ取得モジュール、前記モデルトレーニングモジュール、前記第1モデル記憶モジュール及び前記モデル送信モジュールは、この順に接続されており、
ここで、前記データ処理装置20は、
前記モデル送信モジュールが送信する前記電池劣化推定計算モデルを読み取るためのモデルパラメータ取得モジュールと、
前記モデルパラメータ取得モジュールが取得したモデルを格納するための第2モデル記憶モジュールと、
測定対象に関連する入力データを取得して格納するための入力データ取得モジュールと、
前記第2モデル記憶モジュールに格納されているモデルを呼び出し、且つ前記入力データ取得モジュールにおける入力データを読み取って計算した後に出力するための出力データ生成モジュールと、
前記出力データ生成モジュールの出力データを呼び出し、且つ処理を行って表示可能なデータを取得するための表示処理モジュールと、
前記表示処理モジュールが処理を行った後に取得した表示可能なデータを表示するための表示モジュールと、を含む。
【0019】
一例として、入力データは、測定対象30の状態のテスト指標データであり、少なくとも複数のテスト指標における一部を含む。出力データは、測定対象30の現在又は将来の状態を表すデータである。例えば、出力データは、測定対象30の複数のテスト指標のうち、入力データ部分におけるデータとされていない現在又は将来の推定値であってもよく、測定対象30の少なくとも1つの指標の将来値の推定値であってもよい。後者の場合、出力データに含まれる指標が入力データに出現してもよい。
【0020】
測定対象30が蓄電池である場合、入力データに少なくとも含まれる複数の指標は、例えば蓄電池の出力電圧、出力電流、及び温度のうちの少なくとも1つである。ただし、対象物及び指標は、これに限定されない。出力データには、少なくとも、例えば測定対象30の残容量(単位Ah)、充電率(SOC:state of charge)及び健全性(SOH:state of health)のうちの少なくとも1つが含まれているが、出力電圧、出力電流、温度のうちの少なくとも1つが含まれていればよい。
【0021】
SOH=現在の満充電容量(Ah)/初期の満充電容量(Ah)*100%
【0022】
なお、測定対象30が蓄電池である場合、データ処理装置20の一部の機能を、測定対象30のBMS(battery management system)として使用してもよい。この図に示す態様の場合、1つのデータ処理装置20が複数の測定対象30に接続されることで、複数の測定対象30に対して処理を実行する。
【0023】
測定対象30が蓄電池である場合、測定対象30は、機器に給電し、例えば機器は電気自動車等の車両であり得る。ただし、測定対象30が家庭用蓄電池である場合、機器は家庭電器等の類似の用途の電器であり、この場合、測定対象30は機器の外部に設けられる。なお、測定対象30は、システム給電ネットに接続されてもよく、この場合、測定対象30は供給電量を均等化するために用いられる。具体的には、機器の電量に残量がある場合、電量を蓄え、機器の電量が足りない場合、給電する。
【0024】
上記のように、データ処理装置20は、出力データを生成する際にこのモデルを適用する。モデル生成装置10は、機械学習、例えばニューラルネットワークによって、データ処理装置20が使用する少なくとも1種のモデルを生成し更新する。
【0025】
図2は、モデル生成装置10の機能構造の一例である。
【0026】
図2に示すように、
前記モデル生成装置10は、
トレーニングデータを格納するために用いられるトレーニングデータ記憶モジュール110と、
前記トレーニングデータ記憶モジュールからトレーニングデータを読み取ってモデルトレーニングを行うためのトレーニングデータ取得モジュール120と、
前記トレーニングデータ取得モジュールにより読み取られたトレーニングデータを使用してモデルトレーニングを行って、電池劣化推定計算モデルを取得するためのモデルトレーニングモジュール130と、
前記モデルトレーニングモジュールがトレーニングを行って取得された前記電池劣化推定計算モデルを格納するための第1モデル記憶モジュール140と、
前記モデルトレーニングモジュールがトレーニングを行った後の前記電池劣化推定計算モデルを送信するためのモデル送信モジュール150と、を含み、
前記トレーニングデータ記憶モジュール110、前記トレーニングデータ取得モジュール120、前記モデルトレーニングモジュール130、前記第1モデル記憶モジュール140及び前記モデル送信モジュール150は、この順に接続されている。
【0027】
トレーニングデータ取得モジュール120は複数のトレーニングデータを取得し、モデルトレーニングモジュール130はトレーニングデータ取得モジュール120により取得された複数のトレーニングデータに対して機械学習を行うことで、モデルを生成する。
【0028】
モデルトレーニングモジュール130は、複数の機械学習アルゴリズム(例えば、LSTM(long short-termmemory)、DNN(deep neural network)、LR(linear regression))等により、複数の異なるモデルを生成できる。トレーニングデータ取得モジュール120は、トレーニングデータ記憶モジュール110からトレーニングデータを取得する。トレーニングデータ記憶モジュール110は、モデル生成装置10の一部であってもよく、モデル生成装置10の外部に配置されてもよい。
【0029】
モデルトレーニングモジュール130により生成されたモデルは第1モデル記憶モジュール140に保存され、その後に、モデル送信モジュール150は第1モデル記憶モジュール140に格納されているモデルをデータ処理装置20に送信する。図に示すように、第1モデル記憶モジュール140及びモデル送信部は、いずれもモデル生成装置10の一部である。ただし、第1モデル記憶モジュール140及びモデル送信モジュール150は、モデル生成装置10の外部に設置されてもよい。
【0030】
図3は、トレーニングデータ記憶モジュール110に格納されているトレーニングデータの例示的な説明である。図3に示すように、トレーニングデータは、第1トレーニングデータ及び第2トレーニングデータを含む。第1トレーニングデータ及び第2トレーニングデータは、いずれも入力データの複数の要素(以下、入力要素と称する)を含む。入力データは、例えばマトリックスシーケンスであり、入力要素は、マトリックスを構成する各種の要素である。マトリックスシーケンスの行又は列を構成する各種の要素は、ある時点での測定対象30に対するテスト結果であってよく、このとき、マトリックスシーケンスは、異なる時点での測定対象30に対するテスト結果を表す。なお、第1トレーニングデータ及び第2トレーニングデータは、いずれも出力データの複数の要素(以下、出力要素と記載する)を含む。出力データは、例えばマトリックスシーケンスであり、出力要素は、マトリックスを構成する各種の要素である。第1トレーニングデータはモデル精度を向上させるために用いられ、第2トレーニングデータは、モデル作成者が自分で作成したモデルをより容易に識別できるように支援するために用いられる。
【0031】
第1トレーニングデータの入力データ(以下、第1入力データと記載する)の全ての入力要素は、適切と見なされた取得範囲内での値を取る。第1トレーニングデータの出力データ(以下、第1出力データと記載する)の出力要素全部も適切と見なされた取り得る値の範囲内で値を取る。言い換えると、第1トレーニングデータの入力データ及び出力データは、正常である場合に出現する数値であり、且つ第1トレーニングデータは、測定対象30に対する実際のテストにより取得されたデータである場合が多い。従って、第1トレーニングデータの出力データは、通常、それとマッチングする入力データに対応する場合が多い。
【0032】
一方、第2トレーニングデータの入力データ(以下、第2入力データと記載する)の特定入力要素の値は、適切と見なされた範囲外に存在するとともに、予め設定した範囲内に存在する。第2トレーニングデータの出力データ(以下、第2出力データと記載する)の特定出力要素の値は、予め設定した範囲内にある。ここでいう特定入力要素の値は、例えば測定対象30が正常状態での取り得る値の範囲外の区間と比べたものであり、例えば、測定対象30が電気機器である場合、それが仕様範囲での運行状態においての取り得る値は正常範囲にあり、特定の入力要素値はこの正常範囲外の取り得る値である。
【0033】
第2トレーニングデータを使用してモデルに対してトレーニングを行った後に、入力された特定入力要素が適切と見なされた範囲外且つ予め設定した範囲内で値を取った入力データ(以下、検証用入力データと称する)である場合、モデルが出力する特定出力要素は予め設定した範囲で値を取った出力データ(以下、検証用出力データと称する)である。検証用入力データ及び検証用出力データの組み合わせが、このモデルの特徴的な表現である。従って、モデルの作成者は、検証用入力データをあるモデルに入力することにより、このモデルが自分で作成したモデルであるか否かを検証できる。ここで、検証用入力データ及び検証用出力データは、第2トレーニングデータの第2入力データ及び第2出力データと同じ概念である。
【0034】
測定対象30が蓄電池である場合、入力データの入力要素は、蓄電池のある充放電循環状態を表すことができる指標(例えば電流、電圧、温度)を含み、出力データの出力要素は、この蓄電池の性能の指示数値(例えば残容量、SOC、SOH等のパラメータのうちの少なくとも1つ)を含み、これらをトレーニング用出力データの目標値とする。なお、特定の入力要素の値は、この蓄電池が対応する仕様で取得できない値(例えば、異常な電圧値、異常な出力電流値、異常な温度等)である。ここで、「取得できない値」は、例えば、電圧値が定格電圧の約2倍以上(或いは10倍以上)、出力電流が定格電流の約2倍以上(或いは10倍以上)、電圧が負であり、又は放電過程において出力電流が負である等の状況のうちの任意の少なくとも1つである。
【0035】
図4は、第2トレーニングデータ(即ち、トレーニング用入力データ及びトレーニング用出力データ)の第1具体例の説明図である。図に示すように、第2入力データ(即ち、検証用入力データ)の入力要素値全部が以上で説明した「特定入力要素」であり、この入力要素は適切と見なされた範囲外(ただし、作成者が予め設定した範囲内)に存在する。ここで、入力要素の値は、この要素の適切な取り得る値の上限の桁数より多い(例えば、桁数が1桁又は2桁以上多い)値である。
【0036】
ここで、モデル作成者は、全ての入力要素に対して特別な設定を行って第2入力データを決めてもよく、正常の入力データの入力要素全部に対して特別な演算過程を設定して第2入力データを生成してもよい。後者の場合、複数のグループの第2入力データが生成されやすい。なお、ここでいう演算過程は、例えば乗算(負の係数の場合も存在する)、除算、加算、減算、又は四則演算等の各タイプの組み合わせ演算であり得る。
【0037】
第2出力データ(即ち、検証用出力データ)について、その出力要素は、全てが上記の「特定出力要素」であってもよく、一部のみが「特定出力要素」であってもよい。この2つの場合、特定出力要素の値は、全てが適切と見なされた範囲外に存在してもよく、一部のみが適切と見なされた範囲外に存在してもよい。なお、どの状況においても、全ての「特定出力要素」の値は、いずれもモデル作成者が予め設定した値であるべきである。従って、検証用出力データ及び全ての「特定出力要素」の範囲において、出力要素の値は、作成者が予め設定した値、又はそれに近い値(即ち、予め設定した誤差範囲内の値)であるべきである。
【0038】
図5は、第2トレーニングデータ(即ち、検証用入力データ及び検証用出力データ)の第2具体例の説明図である。図に示すように、第2出力データ(即ち、検証用出力データ)は、図4に示す例と同じである。ただし、第2入力データ(即ち、検証用入力データ)のうち、一部の入力要素の値は「特定の入力要素」であり、適切と見なされた範囲外(ただし、作成者が予め設定した範囲内)で値を取り、残りの入力要素は適切と見なされた範囲内にある。ここで、「適切と見なされた範囲外」の具体例は、図4の説明と一致している。
【0039】
図6及び図7は、第2トレーニングデータ(即ち、検証用入力データ及び検証用出力データ)の第3具体例の説明図である。図に示すように、測定対象30は、蓄電池である。なお、第2出力データ(即ち、検証用出力データ)は、図4の例と同じである。
【0040】
一方、図7に示すように、第2入力データ(即ち、検証用入力データ)は、第1時点で測定した測定対象30の第1パラメータ(例えば電流、電圧、温度等のパラメータのうち少なくとも1つ)の値及び第2時点で測定した第1パラメータの値を含む。なお、第1時点で測定した第1パラメータの値と第2時点で測定した第1パラメータの値との差は、第1時点と第2時点との間隔で取得できる大きさの範囲外にある。一例を挙げて説明すると、第1パラメータが電圧である場合、第1時点と第2時点との間隔内で発生できない、電圧が大幅に降下(又は電流が降下)する状況、或いは単なる放電状態にあるのにも関わらず、電圧が異常に上昇(又は出力電流に異常な変動が発生)する状況が発生した。
【0041】
データ処理装置20の機能構造の一例は、図8に示す通りである。
【0042】
前記データ処理装置20は、
前記モデル送信モジュールが送信する前記電池劣化推定計算モデルを読み取るためのモデルパラメータ取得モジュール210と、
前記モデルパラメータ取得モジュールが取得したモデルを格納するための第2モデル記憶モジュール220と、
測定対象に関連する入力データを取得して格納するための入力データ取得モジュール230と、
前記第2モデル記憶モジュールに格納されているモデルを呼び出し、且つ前記入力データ取得モジュールにおける入力データを読み取って計算した後に出力するための出力データ生成モジュール240と、
ここで、前記入力データ取得モジュール230は、入力データ取得サブモジュール2301及び入力データ記憶サブモジュール2302を含み、
前記出力データ生成モジュール240は、出力データ計算サブモジュール2401及び出力データ出力サブモジュール2402を含み、
前記出力データ生成モジュールの出力データを呼び出し、且つ処理を行って表示可能なデータを取得するための表示処理モジュール250と、
前記表示処理モジュールが処理を行った後に取得した表示可能なデータを表示するための表示モジュール260と、を含む。
【0043】
入力データは、入力データ取得モジュール230により取得される。例えば、測定対象30が蓄電池である場合、入力データ取得モジュール230は、蓄電池状態検出プローブ(電流計、電圧計、温度計等)から入力データを取得する。
【0044】
出力データ生成モジュール240は、モデル生成装置10により生成されたモデル処理入力データを使用して出力データを発生させる。
【0045】
ここで、入力データ取得モジュール230で取得されたのが上記の検証用入力データである場合、出力データ生成モジュール240は上記の検証用出力データを出力する。この目的を達成するために、データ処理装置20と異なる装置に、入力データ取得モジュール230が使用したモデルを使用しても、モデルの作成者は、この装置に検証用データを入力することで、この装置に使用されているモデルが自分で作成したモデルであるか否かを検証できる。
【0046】
モデルパラメータ取得モジュール210は、モデル生成装置10からモデルを取得し、第2モデル記憶モジュール220に格納する。モデルパラメータ取得モジュール210は、モデル生成装置10から更新用パラメータ(例えばモデルのパラメータ)を取得する場合、このパラメータを使用して第2モデル記憶モジュール220に記録されているモデルを更新する。このような更新処理は、繰り返して操作するのが好適である。
【0047】
表示処理モジュール250は、出力データ生成モジュール240により生成されたデータを表示モジュール260に表示してもよい。表示モジュール260は、ユーザのニーズに応じて、使用が便利な位置に設けることができる。
実施例2
【0048】
図9に示すように、
本発明は、上記の装置に適用される電池劣化推定装置の検証方法を更に提供でき、前記方法は、以下を含む。
S201:前記入力データ取得モジュールを使用して測定対象の入力データを取得し、前記第2モデル記憶モジュールに格納されているモデルを読み取るステップ。
S202:前記入力データをモデルに入力して、電池劣化推定テストを行うステップ。
S203:前記電池劣化推定テストの結果を出力データ生成モジュールにより出力するステップ。
S204:前記出力データ生成モジュールにより出力されたテスト結果に基づいて、現在の電池劣化推定テストのモデルが、前記モデル生成装置によりトレーニングを行って生成し取得したものであるか否かを判断するステップ。
【0049】
更に、前記入力データは、測定対象状態を表す少なくとも1つのパラメータのテスト結果を含み、複数の入力要素を有する。
【0050】
更に、前記出力データは、複数の出力要素の出力結果を含み、ここで、複数の出力要素は、測定対象状態を表すことができる入力データのパラメータとして使用されない現在又は将来の推定値及び/又は入力データのパラメータとして使用される将来の推定値のうちの少なくとも1つのデータタイプを含むことを必要とする。
【0051】
更に、前記入力要素の値の取り得る区間は、一般の入力データの区間範囲外にあり、予定範囲内の検証用データを前記入力データとする場合、前記出力データの結果は予定範囲内の検証出力データになる。
実施例3
【0052】
本発明は、コンピュータプログラムが格納されているコンピュータ記憶媒体であって、プロセッサによりコンピュータプログラムを実行する際に、上記の劣化推定装置の検証方法のステップを実現するために用いられるコンピュータ記憶媒体を更に提供できる。
【0053】
本発明のコンピュータ記憶媒体は、半導体メモリ、磁気コアメモリ、磁気ドラムメモリ又は磁気ディスクメモリを採用して実現できる。
【0054】
半導体メモリは、主にコンピュータの半導体記憶素子に使用され、主にMOS及びバイポーラ型の2つがある。MOS素子は、集積度が高く、プロセスが簡単であるが、スピードが遅い。バイポーラ型素子は、プロセスが複雑で、電力消費が大きく、集積度が低いが、スピードが速い。NMOS及びCMOSが出現した後、MOSメモリが半導体メモリにおいて主要な位置を占め始めた。NMOSはスピードが速く、例えばインテル社の1Kビットのスタティックランダムメモリのアクセスタイムは45nsである。CMOSは消費電力が少なく、4KビットのCMOSスタティックメモリのアクセスタイムは300nsである。上記の半導体メモリは、いずれもランダムアクセスメモリ(RAM)であり、即ち作業過程において、新たな内容の読み書きをランダムに行うことができる。半導体読み取り専用メモリ(ROM)は、作業過程においてランダムに読み取ることができるが、書き込むことができず、これは、固定済みのプログラム及びデータの保存に用いられる。
【0055】
ROMはまた、書き換え不可能なヒューズ式の読み取り専用メモリ──PROMと、書き換え可能な読み取り専用メモリEPROMの2つに分けられる。
【0056】
磁気コアメモリは、コストが低く、信頼性が高い特徴を有し、且つ20年以上の実用経験がある。70年代半ばまでは、磁気コアメモリが主メモリとして広く使用された。そのストレージ容量は10ビット以上に達することが可能で、最速のアクセスタイムは300nsである。世界で代表的な磁気コアメモリ容量は4MS~8MBであり、アクセスサイクルは1.0~1.5μsである。半導体メモリが急速に発展して磁気コアメモリの代わりに主メモリとなった後も、磁気コアメモリは、大容量増設メモリとして適用できる。
【0057】
磁気ドラムメモリは、磁気記録用の外部メモリである。これは、情報のアクセススピードが速く、作業が安定的で確実であるため、その容量が比較的小さく、徐々に磁気ディスクメモリに置き換わっているが、リアルタイム過程の制御用コンピュータ及び中型、大型コンピュータの外部メモリとして用いられる。小型及びミニコンピュータの需要に適応するために、体積が小さく、軽量で、信頼性が高く、使用が便利な超小型磁気ドラムが出現した。
【0058】
磁気ディスクメモリは、磁気記録用の外部メモリである。これは、磁気ドラム及び磁気テープメモリの利点を兼ね備え、即ちそのストレージ容量は磁気ドラム容量より大きく、アクセススピードは磁気テープメモリより速く、またオフラインでも保存できるので、各種のコンピュータシステムにおいて、磁気ディスクは大容量の外部メモリとして広く用いられる。磁気ディスクは、通常、ハードディスク及びフロッピーディスクメモリの2種類に分けられる。
【0059】
ハードディスクメモリの種類は多様である。構造的には、リムーバブル式及び固定式の2つに分けられる。リムーバブル式磁気ディスクのプラッタは交換可能であり、固定式磁気ディスクのプラッタは固定されている。リムーバブル式及び固定式磁気ディスクはいずれもマルチピースの組み合わせ及びシングルピースの構成の2種類を有し、またそれぞれ固定磁気ヘッド型及び可動磁気ヘッド型に分けられる。固定磁気ヘッド型磁気ディスクは、容量が小さく、記録密度が低く、アクセススピードが速いが、生産コストが高い。可動磁気ヘッド型磁気ディスクは、記録密度が高い(1000~6250ビット/インチ)ので、容量が大きいが、アクセススピードは固定磁気ヘッド型磁気ディスクより低い。磁気ディスク製品のストレージ容量は数百メガバイトに達することができ、ビット密度は6250ビット/インチであり、トラック密度は475トラック/インチである。ここで、マルチピースのリムーバブル式磁気ディスクメモリは、ディスクの組み合わせが交換可能で、大きなオフライン容量を有し、且つ容量が大きく、スピードが速く、大容量の情報資料を格納できるので、オンライン情報検索システム、データベース管理システムに広く適用されている。
実施例4
【0060】
本発明は、メモリ、プロセッサ及びメモリに格納され且つプロセッサにより実行されるコンピュータプログラムを含む電子デバイスであって、プロセッサがコンピュータプログラムを実行する際に、上記の劣化推定装置の検証方法のステップが実現される電子デバイスを更に提供する。
【0061】
図10は、一実施例における電子デバイスの内部構造の模式図である。図10に示すように、この電子デバイスは、システムバスを介して接続されたプロセッサ、記憶媒体、メモリ及びネットワークインターフェースを含む。ここで、このコンピュータデバイスの記憶媒体には、オペレーティングシステム、データベース及びコンピュータ可読命令が格納されており、データベースにはウィジェット情報シーケンスを格納することができ、プロセッサによりこのコンピュータ可読命令を実行する際に、プロセッサに劣化推定装置の検証方法を実現させることができる。この電子デバイスのプロセッサは、計算及びコントロール能力を提供し、コンピュータデバイス全体の運行を支持するために用いられる。このコンピュータデバイスのメモリにはコンピュータ可読命令を格納することができ、プロセッサによりこのコンピュータ可読命令を実行する際に、プロセッサに劣化推定装置の検証方法を実行させることができる。このコンピュータデバイスのネットワークインターフェースは、端末との接続通信のために用いられる。図10に示す構造は、本出願の態様に関連する一部の構造のブロック図にすぎず、本出願の態様が適用されるコンピュータデバイスを限定するものではなく、具体的なコンピュータデバイスは、図面に示すものより多くの部材又は少ない部材を含んでもよく、或いはある部材と組み合わせたり、異なる部材の配置を有してもよいことを当業者は理解できる。
【0062】
この電子デバイスには、スマートフォン、コンピュータ、タブレットコンピュータ、ウェアラブルスマートデバイス、人工知能デバイス、パワーバンク等が含まれるが、これに限定されない。
【0063】
ある実施例において、前記プロセッサは、集積回路で構成されることができ、例えば単一パッケージの集積回路で構成されてよく、複数の同じ機能又は異なる機能のパッケージの集積回路で構成されてよく、1つ又は複数の中央処理装置(Central Processing unit:CPU)、マイクロプロセッサ、デジタル処理チップ、図形プロセッサ及び各種のコントロールチップの組み合わせ等を含む。前記プロセッサは、前記電子デバイスのコントロールユニット(Control Unit)であり、各種のインターフェース及び回路を使用して電子デバイス全体の各部材を接続し、前記メモリ内に格納されているプログラム又はモジュール(例えば、リモートデータの読み書きを実行するプログラム等)を運行又は実行し、且つ前記メモリ内に格納されているデータを呼び出すことによって、電子デバイスの各種の機能を実行し、データを処理する。
【0064】
前記バスは、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(peripheral component interconnect、PCIと略される)バス又は拡張業界標準アーキテクチャ(extended industry standard architecture、EISAと略される)バス等であってよい。このバスは、アドレスバス、データバス、コントロールバス等に分けられる。前記バスは、前記メモリと少なくとも1つのプロセッサ等の間との接続通信を実現するために設けられる。
【0065】
図10は、部材を有する電子デバイスのみを示し、図10に示す構造は前記電子デバイスを限定するものではなく、図面に示すものより少ない部材又は多くの部材を含んでもよく、或いはある部材と組み合わせたり、異なる部材の配置を有してもよいことを当業者は理解できる。
【0066】
例えば、示していないが、前記電子デバイスは、各部材に給電する電源(例えば電池)を更に含んでもよく、好ましくは、電源は、電源管理装置を介して前記少なくとも1つのプロセッサと論理的に接続されることで、電源管理装置により充電管理、放電管理、及び電力消費管理等の機能を実現する。電源は、1つ以上の直流又は交流電源、再充電装置、電源故障検出回路、電力変換器又はインバータ、電源状態指示器等の任意の部品を更に含んでよい。前記電子デバイスは、複数のセンサ、ブルートゥースモジュール、Wi-Fiモジュール等を含んでよく、ここでは説明を省略する。
【0067】
更に、前記電子デバイスは、ネットワークインターフェースを更に含んでよく、選択的に、前記ネットワークインターフェースは、有線インターフェース及び/又は無線インターフェース(例えば、WI-FIインターフェース、ブルートゥースインターフェース等)を含んでよく、通常、この電子デバイスと他の電子デバイスとの間に通信接続を構築するために用いられる。
【0068】
選択的に、この電子デバイスはユーザインターフェースを更に含んでよく、ユーザインターフェースはディスプレイ(Display)、入力ユニット(例えば、キーボード(Keyboard))であってもよく、選択的に、ユーザインターフェースは、標準的な有線インターフェース、無線インターフェースであってもよい。選択的に、ある実施例において、ディスプレイは、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ、タッチ液晶ディスプレイ及びOLED(Organic Light-Emitting Diode、有機発光ダイオード)タッチデバイス等であってもよい。ここで、ディスプレイは、適当にディスプレイパネル又はディスプレイユニットと称してもよく、電子デバイスにおいて処理された情報を表示するために用いられ、且つ可視化されたユーザインターフェースを表示するために用いられる。
【0069】
更に、前記コンピュータが使用可能な記憶媒体には、主に記憶プログラムゾーン及び記憶データゾーンを含むことができ、ここで、記憶プログラムゾーンにはオペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要な適用プログラム等を含むことができ、記憶データゾーンにはブロックチェーンノードに基づいて作成したデータ等を格納することができる。
【0070】
本発明で提供された幾つかの実施例において、開示されたデバイス、装置及び方法は、他の形態により実現してもよいことを理解すべきである。例えば、以上で説明した装置の実施例は例示的なものにすぎず、例えば、前記モジュールの区画は、論理的機能の区画にすぎず、実際に実施する場合は、他の区画形態があり得る。
【0071】
前述の分離部材として説明したモジュールは、物理的に分離されたものであってもよく、又は物理的に分離されていないものであってもよく、モジュールとして表示した部材は、物理的なユニットであってもよく、又は物理的なユニットでなくてもよく、即ち、1つの場所に位置してもよく、又は複数のネットワークユニット上に分布されていてもよい。実際の必要に基づいて、一部又は全てのモジュールを選択して本実施例態様の目的を実現してもよい。
【0072】
なお、本発明の各実施例における各機能モジュールは1つの処理ユニットに集積されていてもよく、各ユニットが物理的に独立に存在してもよく、2つ以上のユニットが1つの処理ユニットに集積されていてもよい。上記の集積されたユニットは、ハードウェアの形式で実現されてもよく、ハードウェアとソフトウェアを兼ね備える機能モジュールの形式で実現されてもよい。
【0073】
以上、本発明の実施例を説明した。ただし、これらの実施例は、説明の目的のためのものにすぎず、本発明の範囲の制限を意図するものではない。本発明の範囲は、添付の請求の範囲及びその同等物により限定される。本発明の範囲を逸脱しない限り、当業者は、種々の置き換え及び修正を行うことができ、これらの置き換え及び修正は、いずれも本発明の範囲に属するべきである。
【符号の説明】
【0074】
10 モデル生成装置
20 データ処理装置
30 測定対象
110 トレーニングデータ記憶モジュール
120 トレーニングデータ取得モジュール
130 モデルトレーニングモジュール
140 第1モデル記憶モジュール
150 モデル送信モジュール
210 モデルパラメータ取得モジュール
220 第2モデル記憶モジュール
230 入力データ取得モジュール
240 出力データ生成モジュール
250 表示処理モジュール
260 表示モジュール
2301 入力データ取得サブモジュール
2302 入力データ記憶サブモジュール
2401 出力データ計算サブモジュール
2402 出力データ出力サブモジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10