(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】ロードセル
(51)【国際特許分類】
G01L 1/22 20060101AFI20240122BHJP
G01L 1/26 20060101ALI20240122BHJP
【FI】
G01L1/22 E
G01L1/26 B
(21)【出願番号】P 2019208443
(22)【出願日】2019-11-19
【審査請求日】2022-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000208444
【氏名又は名称】大和製衡株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長井 孝幸
【審査官】大森 努
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-057934(JP,A)
【文献】特開平05-209796(JP,A)
【文献】特開2016-161335(JP,A)
【文献】特開2006-284539(JP,A)
【文献】米国特許第04542800(US,A)
【文献】米国特許第04734671(US,A)
【文献】登録実用新案第3000338(JP,U)
【文献】特開昭62-299731(JP,A)
【文献】特公昭50-015382(JP,B1)
【文献】実開昭59-031026(JP,U)
【文献】実開平01-005127(JP,U)
【文献】実開昭59-010024(JP,U)
【文献】特開2008-101955(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 1/22,1/26,
G01G 1/00-9/00,21/00-23/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々、第1の水平方向に間隔を隔てて配置される固定部および可動部と、上下方向に間隔を隔てて平行に配置され前記固定部と前記可動部とを連結し複数の起歪部が形成された一対のビーム部とを有し、前記第1の水平方向とは垂直な第2の水平方向に並んで平行に配置された第1および第2のロバーバル機構部と、
前記第1のロバーバル機構部の前記固定部と前記第2のロバーバル機構部の前記固定部とを連結する第1の連結部と、
前記第1のロバーバル機構部の前記可動部と前記第2のロバーバル機構部の前記可動部とを連結する第2の連結部と、
複数の前記起歪部に貼付された複数の歪ゲージと、
を備え、
前記第1および第2のロバーバル機構部の上面の全面および/または下面の全面が前記第1および第2の連結部の上面および/または下面よりも後退して構成され、この後退した面の前記起歪部に対応する部分に前記歪ゲージが貼付されており、
さらに、
前記第1の連結部から前記第2の連結部側へ張り出すように前記第1の連結部に設けられた突出部と、
前記第2の連結部を前記第1の水平方向に貫通するように設けられた貫通穴と、
基端側部分が前記第1の連結部及び前記突出部を前記第1の水平方向に貫通して固定され、先端側部分が前記貫通穴に挿入されたストッパ部材と、を備え、
前記突出部の上面および下面が夫々前記第1の連結部の上面および下面と同一平面上にある、
ロードセル。
【請求項2】
各々、第1の水平方向に間隔を隔てて配置される固定部および可動部と、上下方向に間隔を隔てて平行に配置され前記固定部と前記可動部とを連結し複数の起歪部が形成された一対のビーム部とを有し、前記第1の水平方向とは垂直な第2の水平方向に並んで平行に配置された第1および第2のロバーバル機構部と、
前記第1のロバーバル機構部の前記固定部と前記第2のロバーバル機構部の前記固定部とを連結する第1の連結部と、
前記第1のロバーバル機構部の前記可動部と前記第2のロバーバル機構部の前記可動部とを連結する第2の連結部と、
複数の前記起歪部に貼付された複数の歪ゲージと、
を備え、
前記第1および第2のロバーバル機構部の上面の全面および/または下面の全面が前記第1および第2の連結部の上面および/または下面よりも後退して構成され、この後退した面の前記起歪部に対応する部分に前記歪ゲージが貼付されており、
さらに、
前記第2の連結部から前記第1の連結部側へ張り出すように前記第2の連結部に設けられた突出部と、
前記第2の連結部及び前記突出部を前記第1の水平方向に貫通するように設けられた貫通穴と、
基端側部分が前記第1の連結部を前記第1の水平方向に貫通して固定され、先端側部分が前記貫通穴に挿入されたストッパ部材と、を備え、
前記突出部の上面および下面が夫々前記第2の連結部の上面および下面と同一平面上にある、
ロードセル。
【請求項3】
各々、第1の水平方向に間隔を隔てて配置される固定部および可動部と、上下方向に間隔を隔てて平行に配置され前記固定部と前記可動部とを連結し複数の起歪部が形成された一対のビーム部とを有し、前記第1の水平方向とは垂直な第2の水平方向に並んで平行に配置された第1および第2のロバーバル機構部と、
前記第1のロバーバル機構部の前記固定部と前記第2のロバーバル機構部の前記固定部とを連結する第1の連結部と、
前記第1のロバーバル機構部の前記可動部と前記第2のロバーバル機構部の前記可動部とを連結する第2の連結部と、
複数の前記起歪部に貼付された複数の歪ゲージと、
を備え、
前記第1および第2のロバーバル機構部の上面の全面および/または下面の全面が前記第1および第2の連結部の上面および/または下面よりも後退して構成され、この後退した面の前記起歪部に対応する部分に前記歪ゲージが貼付されており、
さらに、
前記第1の連結部から前記第2の連結部側へ張り出すように前記第1の連結部に設けられた第1の突出部と、
前記第1の突出部と対向し、前記第2の連結部から前記第1の連結部側へ張り出すように前記第2の連結部に設けられた第2の突出部と、
前記第2の連結部及び前記第2の突出部を前記第1の水平方向に貫通するように設けられた貫通穴と、
基端側部分が前記第1の連結部及び前記第1の突出部を前記第1の水平方向に貫通して固定され、先端側部分が前記貫通穴に挿入されたストッパ部材と、を備え、
前記第1の突出部の上面および下面が夫々前記第1の連結部の上面および下面と同一平面上にあり、前記第2の突出部の上面および下面が夫々前記第2の連結部の上面および下面と同一平面上にある、
ロードセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロードセルおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、水平方向に延びる固定部と荷重負荷部との間に、2つの並行ビームをほぼ平板状で一体的に形成した構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の構成では、装置を薄型にできるが、固定部および荷重負荷部の厚みが並行ビームの厚みよりも非常に大きく、固定部および荷重負荷部と並行ビームとの間に、大きな段差があり、加工が複雑になると考えられる。
【0005】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、装置を薄型にできるとともに加工を容易にできるロードセルおよびその製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のある態様に係るロードセルは、各々、第1の水平方向に間隔を隔てて配置される固定部および可動部と、上下方向に間隔を隔てて平行に配置され前記固定部と前記可動部とを連結し複数の起歪部が形成された一対のビーム部とを有し、前記第1の水平方向とは垂直な第2の水平方向に並んで平行に配置された第1および第2のロバーバル機構部と、前記第1のロバーバル機構部の前記固定部と前記第2のロバーバル機構部の前記固定部とを連結する第1の連結部と、前記第1のロバーバル機構部の前記可動部と前記第2のロバーバル機構部の前記可動部とを連結する第2の連結部と、複数の前記起歪部に貼付された複数の歪ゲージと、を備え、前記第1および第2のロバーバル機構部の上面の全面および/または下面の全面が前記第1および第2の連結部の上面および/または下面よりも後退して構成され、この後退した面の前記起歪部に対応する部分に前記歪ゲージが貼付されている。
【0007】
また、本発明のある態様に係るロードセルの製造方法は、各々、第1の水平方向に間隔を隔てて配置される固定部および可動部と、上下方向に間隔を隔てて平行に配置され前記固定部と前記可動部とを連結し複数の起歪部が形成された一対のビーム部とを有し、前記第1の水平方向とは垂直な第2の水平方向に並んで平行に配置された第1および第2のロバーバル機構部と、前記第1のロバーバル機構部の前記固定部と前記第2のロバーバル機構部の前記固定部とを連結する第1の連結部と、前記第1のロバーバル機構部の前記可動部と前記第2のロバーバル機構部の前記可動部とを連結する第2の連結部と、複数の前記起歪部に貼付された複数の歪ゲージと、を備えたロードセルの製造方法であって、前記第1および第2のロバーバル機構部の上面の全面および/または下面の全面を前記第1および第2の連結部の上面および/または下面よりも後退するように削る工程と、この後退した面の前記起歪部に対応する部分に前記歪ゲージを貼付する工程とを有する。
【0008】
これらの本発明によれば、第1のロバーバル機構部と第2のロバーバル機構部とを水平方向に並んで平行に配置することにより装置(ロードセル)を薄型にできる。また、第1および第2のロバーバル機構部の上面の全面および/または下面の全面を削ることにより、第1および第2の連結部の上面および/または下面よりも後退した第1および第2のロバーバル機構部の上面および下面を形成することができるので、加工を容易にできる。また、ロードセルの運搬中や取付け作業中において、第1および第2のロバーバル機構部の上面および/または下面に貼付された歪ゲージが他の物体等と接触するのを避けることができ、歪ゲージの損傷を防止できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、以上に説明した構成を有し、装置を薄型にできるとともに加工を容易にできるロードセルおよびその製造方法を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本実施形態のロードセルの一例を示す斜視図である。
【
図2】
図2(A)は、
図1に示すロードセルの平面図であり、
図2(B)、(C)、(D)はそれぞれ同ロードセルを異なる方向から見た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
【0012】
(実施形態)
図1は、本実施形態のロードセルの一例を示す斜視図である。
図2(A)は、
図1に示すロードセルの平面図(上方から見た図)であり、
図2(B)は、同ロードセルを
図2(A)の矢印b方向から見た側面図であり、
図2(C)は、同ロードセルを
図2(A)の矢印c方向から見た側面図であり、
図2(D)は、同ロードセルを
図2(A)の矢印d方向から見た側面図を拡大した図である。なお、
図2(D)では、第1のロバーバル機構部2およびその近傍部分のみを図示し、ストッパ部材6等は図示していない。
【0013】
本実施形態のロードセル1は、第1および第2のロバーバル機構部2,3と、第1および第2のロバーバル機構部2,3を連結する第1,第2の連結部4,5と、ストッパ部材6と、複数の歪ゲージGなどを備えている。
【0014】
第1および第2のロバーバル機構部2,3は、同一構成であり、水平方向に離れて平行に設けられている。
【0015】
各ロバーバル機構部2,3は、支持固定される柱状の固定部11と、荷重が負荷される柱状の可動部12と、固定部11の上部と可動部12の上部とを連結する上ビーム部13と、固定部11の下部と可動部12の下部とを連結する下ビーム部14とを有する。上ビーム部13と下ビーム部14とは、上下方向に間隔を隔てて配置されており、夫々上下に対称となる2箇所に薄肉部分からなる複数の起歪部D1~D4が形成されている。各起歪部D1~D4の外側の表面(上面および下面)には、荷重検出用の歪ゲージGが貼付されている。
【0016】
第1の連結部4は、第1および第2のロバーバル機構部2,3の固定部11,11同士を連結し、第2の連結部5は、第1および第2のロバーバル機構部2,3の可動部12,12同士を連結している。各固定部11,11には、ロードセル1を固定するための固定用の穴21が設けられている。また、第2の連結部5には、被計量物を保持する受け皿、ホッパ等の荷重受け部材を取付けるための穴22が設けられている。荷重受け部材に被計量物が保持されると、第2の連結部5およびこれに連結された可動部12,12に荷重が負荷される。
【0017】
上記の各ロバーバル機構部2,3において、固定部11と可動部12とが第1の水平方向に間隔を隔てて配置されており、第1のロバーバル機構部2と第2のロバーバル機構部3とが、上記第1の水平方向とは垂直な第2の水平方向に並んで平行に配置されている。そして、第1の連結部4および第2の連結部5は、それぞれ第2の水平方向に延びて形成され、第1の水平方向に並んで平行に配置されている。なお、第1、第2の水平方向は、
図2(A)に矢印で示している。
【0018】
ストッパ部材6は、過負荷によるロードセル1の破損を防ぐための部材である。このストッパ部材6を取り付けるために、第1の連結部4にその中央部から第1の水平方向に沿って第2の連結部5側へ張り出した第1の突出部40が設けられ、その第1の突出部40及び第1の連結部4を第1の水平方向に貫通する段付き穴41が設けられている。また、第2の連結部5にその中央部から第1の水平方向に沿って第1の連結部4側へ張り出した第2の突出部50が設けられ、その第2の突出部50及び第2の連結部5を第1の水平方向に貫通する貫通穴51が設けられている。
【0019】
なお、第1および第2の突出部40,50は夫々第1および第2の連結部4,5の中央部から外れた位置にあっても良い。すなわち、第1の突出部40は、第1の連結部4の第2の水平方向に延びている途中に設けられ、第2の突出部50は、第2の連結部5の第2の水平方向に延びている途中に設けられ、第1の突出部40と第2の突出部50とは対向する位置に設けられている。よって、第1および第2の突出部40,50は、第1のロバーバル機構部2及び第2のロバーバル機構部3から離れて、かつこれらの間の位置で、互いに対向するように設けられる。
【0020】
また、第1の突出部40は、第1の水平方向において固定部11側の起歪部D1,D3の位置以上、可動部12側(第2の連結部5側)に張り出している。第2の突出部50は、第1の水平方向において可動部12側の起歪部D2,D4の位置以上、固定部11側(第1の連結部4側)に張り出している。第1および第2の突出部40,50は夫々第1および第2の連結部4,5と一体に形成されており、第1の突出部40の上面および下面は夫々第1の連結部4の上面4aおよび下面4bと同一平面上にあり、第2の突出部50の上面および下面は夫々第2の連結部5の上面5aおよび下面5bと同一平面上にある。
【0021】
ストッパ部材6は、その先端部分が、段付き穴41の外側から挿入されてさらに貫通穴51へ挿入される。このとき、ストッパ部材6の基端側部分が段付き穴41に圧入されることにより、ストッパ部材6が段付き穴41に固定される。ストッパ部材6の先端側部分の径は、貫通穴51の径よりも小さいように構成されている。通常時(許容範囲を超える過大な荷重が負荷されないとき)は、ストッパ部材6の先端側部分は貫通穴51の内壁に接していないが、許容範囲を超える過大な荷重が可動部12,12および第2連結部5に負荷されたときに、ストッパ部材6の先端側部分が貫通穴51の内壁に当接することで、このとき以上の上下ビーム部13,14の撓みを阻止することができ、過負荷によるロードセル1の破損を防ぐことができる。
【0022】
そして、本実施形態では、第1および第2のロバーバル機構部2,3の上面Faの全面および下面Fbの全面が第1および第2の連結部4,5の上面4a,5aおよび下面4b,5bよりも後退して構成され、この後退した面の各起歪部D1~D4に対応する部分に、歪ゲージGが貼付されている。
【0023】
すなわち、第1および第2のロバーバル機構部2,3の上面Faの全面が第1および第2の連結部4,5の上面4a,5aよりも後退して低くなるように構成され、この後退した上面Faの起歪部D1,D2に対応する部分に、歪ゲージGが貼付されている。また、第1および第2のロバーバル機構部2,3の下面Fbの全面が第1および第2の連結部4,5の下面4b,5bよりも後退して高くなるように構成され、この後退した下面Fbの起歪部D3,D4に対応する部分に、歪ゲージGが貼付されている。
【0024】
このロードセル1の製造方法について簡単に説明する。例えば、アルミニウム等で形成された直方体形状の起歪体を加工して、歪ゲージGおよびストッパ部材6以外の部分が形成される。歪ゲージGおよびストッパ部材6は別途準備される。ストッパ部材6は、起歪体と同じ材料で形成されたものを用いてもよいし、異なる材料で形成されたものを用いてもよい。
【0025】
上記の直方体形状の起歪体を加工する際、例えば、平面視において、第1および第2のロバーバル機構部2,3と第1および第2の連結部4,5と第1および第2の突出部40,50とで囲まれる領域部分をくり抜いて内部空間Sp1が形成される。次に、第1および第2のロバーバル機構部2,3の形成部分において、各々の側面方向から固定部11および可動部12と上ビーム部13および下ビーム部14とで囲まれる領域部分をくりぬいて空間Sp2が形成される。この際、起歪部D1~D4に対応する弓形領域が最後に形成されるようにしてもよい。
【0026】
次に、第1および第2のロバーバル機構部2,3の各々の上面および下面の全面を切削または研削加工によって、第1および第2の連結部4,5の上面4a,5aおよび下面4b,5bよりも後退した面(上面Faおよび下面Fb)を形成する。
【0027】
この後、ストッパ部材6を取り付け、第1および第2のロバーバル機構部2,3の上面Faおよび下面Fbに歪ゲージGを接着剤で貼付する。
【0028】
本実施形態では、第1のロバーバル機構部2と第2のロバーバル機構部3とを水平方向に並んで平行に配置することにより装置(ロードセル1)を薄型にできる。また、第1および第2のロバーバル機構部2,3の上面の全面および下面の全面を削ることにより、第1および第2の連結部4,5の上面4a,5aおよび下面4b,5bよりも後退した上面Faおよび下面Fbを形成することができるので、加工を容易にできる。また、ロードセル1の運搬中や取付け作業中において、上面Faおよび下面Fbに貼付された歪ゲージGが他の物体等と接触するのを避けることができ、歪ゲージGの損傷を防止できる。
【0029】
また、本実施形態では、ストッパ機構を設けるための第1の突出部40が、可動部12側(第2の連結部5側)に張り出して設けられ、第1の突出部40の上面および下面は夫々第1の連結部4の上面4aおよび下面4bと同一平面上にあり、第2の突出部50が、固定部11側(第1の連結部4側)に張り出して設けられ、第2の突出部50の上面および下面は夫々第2の連結部5の上面5aおよび下面5bと同一平面上にある。よって、第1,第2の突出部40,50の上面および下面が、歪ゲージGが貼付される上面Faおよび下面Fbよりも上下に出ているので、歪ゲージGが他の物体等と接触するのをより避けることができ、歪ゲージGの損傷をより防止できる。
【0030】
また、本実施形態では、第1および第2のロバーバル機構部2,3の上面Faおよび下面Fbに貼付された歪ゲージGの表面が第1および第2の連結部4,5の上面4a,5aおよび下面4b,5bよりも後退した構成であり、歪ゲージGの損傷をより防止できる。
【0031】
なお、本実施形態では、第1および第2のロバーバル機構部2,3の上面Faおよび下面Fbの両面に歪ゲージGを貼付するように構成したが、第1および第2のロバーバル機構部2,3の上面Faおよび下面Fbのいずれか一方の面のみに歪ゲージGを貼付するように構成してもよい。
【0032】
また、第1および第2のロバーバル機構部2,3の上面Faの全面および下面Fbの全面のいずれか一方のみが、第1および第2の連結部4,5の上面4a,5aおよび下面4b,5bのいずれか一方の面よりも後退して構成され、この後退した面の起歪部に対応する部分に、歪ゲージGが貼付されるように構成されてもよい。この場合、歪ゲージGは、第1および第2のロバーバル機構部2,3の上面Faの全面および下面Fbの全面のうちの上記後退した面のみに貼付される。
【0033】
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造および/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、装置を薄型にできるとともに加工を容易にできるロードセルおよびその製造方法等として有用である。
【符号の説明】
【0035】
1 ロードセル
2 第1のロバーバル機構部
3 第2のロバーバル機構部
4 第1の連結部
4a 第1の連結部の上面
4b 第1の連結部の下面
5 第2の連結部
5a 第2の連結部の上面
5b 第2の連結部の下面
11 固定部
12 可動部
13 上ビーム部
14 下ビーム部
D1~D4 起歪部
G 歪ゲージ
Fa 第1,第2のロバーバル機構部の上面
Fb 第1,第2のロバーバル機構部の下面