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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】無線受信装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/005 20060101AFI20240122BHJP
   H04L 27/38 20060101ALI20240122BHJP
   H04L 27/01 20060101ALI20240122BHJP
   H03H 15/00 20060101ALI20240122BHJP
【FI】
H04B7/005
H04L27/38
H04L27/01
H03H15/00
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020005495
(22)【出願日】2020-01-16
(65)【公開番号】P2021114663
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2023-01-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000004330
【氏名又は名称】日本無線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126561
【弁理士】
【氏名又は名称】原嶋 成時郎
(74)【代理人】
【識別番号】100141678
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】加藤 賢晃
(72)【発明者】
【氏名】田中 康英
【審査官】鴨川 学
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-212549(JP,A)
【文献】特開2010-119089(JP,A)
【文献】特開平05-260101(JP,A)
【文献】特開平01-279617(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/005
H04L 27/38
H04L 27/01
H03H 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信した無線フレームの電力を監視して前記電力の変動の有無を判断する電力低下検出部と、
前記無線フレームの位相状態を監視して位相スリップの有無を判断する位相スリップ検出部と、のうちの少なくとも一方を有するとともに、
等化処理において用いられるタップ係数を計算し更新するタップ更新部と、
前記タップ更新部へと供給するパラメータを切替え可能なスイッチと、を有し、
前記電力低下検出部が前記無線フレームの前記電力の変動を検出した場合、または、前記位相スリップ検出部が前記無線フレームの前記位相スリップを検出した場合に、
前記スイッチが、前記タップ更新部へと、前記パラメータとして、前記タップ係数の更新を一時的に停止するための信号を出力し、
前記電力低下検出部が前記無線フレームの前記電力が正常に戻ったことを検出した場合、または、前記位相スリップ検出部が前記無線フレームの前記位相状態が正常に戻ったことを検出した場合に、
前記スイッチが、前記タップ更新部へと、前記パラメータとして、前記等化処理において用いられる、前記タップ係数の更新量を決定づけるステップサイズについて、通常時のステップサイズよりも大きい値を供給し、
前記タップ更新部が、通常時よりも大きい値のステップサイズを用いて前記タップ係数の更新を再開し、通常時よりも大きい値のステップサイズを、所定の更新再開時間をかけて、通常時のステップサイズと同じになるまで次第に小さくしながら、タップ係数の更新を行う、
ことを特徴とする無線受信装置。
【請求項2】
前記更新再開時間は、前記スイッチから前記タップ係数の更新を一時的に停止するための信号が入力されてから通常時よりも大きい値のステップサイズが供給されるまでの更新停止時間が長いほど長くする、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線受信装置。
【請求項3】
前記無線フレームの変調方式が直角位相振幅変調である、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の無線受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線受信装置に関し、特に、無線通信装置における受信に纏わる機序としての無線受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信装置に関する技術として、例えば、タップ係数値可変のトランスバーサルフィルタを介してデジタルデータを等化する自動等化回路であり、トランスバーサルフィルタに周期的なトレーニング信号を含むデジタルデータを印加する手段と、トランスバーサルフィルタの出力を取出す手段と、印加された第1のトレーニング信号の引き込み後の第1 の位相角を検出する手段と、第1のトレーニング信号に続く第2のトレーニング信号の引き込み後の第2の位相角を検出する手段と、第1と第2の位相角を比較し、比較結果に基づいて、タップ係数値を補正する手段および補正されたタップ係数値でトランスバーサルフィルタのタップ係数を制御する手段とから構成される、ものが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4317686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、無線通信装置では、機器の電源供給の変動や振動といった原因で送受信に関係するアンプ系(例えば、プリアンプ、パワーアンプ)が瞬間的にレベル低下を起こしたり、機器の振動によって周波数変換のためのキャリア位相/ローカル位相が瞬間的にスリップ(言い換えると、回転)したりすることがある。しかしながら、従来の無線通信装置では、伝搬路の変動に対して安定して性能を確保するために等化器の動作パラメータを変更して対応するようにしているだけであり、機器の瞬間的な異常に対して安定動作を保証するようにはしていない。このため、従来の無線通信装置では、前記のような、送受信に関係するアンプ系が瞬間的にレベル低下を起こしたり、周波数変換のためのキャリア位相/ローカル位相が瞬間的にスリップしたりすることには対応できない、という問題が発生する。
【0005】
そこで本発明は、送受信に関係するアンプ系のレベルの瞬時変動やキャリア位相/ローカル位相のスリップを検出して機器の瞬時異常による等化器の誤動作(具体的には、引き込み外れ)を防ぐことが可能な無線受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、受信した無線フレームの電力を監視して前記電力の変動の有無を判断する電力低下検出部と、前記無線フレームの位相状態を監視して位相スリップの有無を判断する位相スリップ検出部と、のうちの少なくとも一方を有するとともに、等化処理において用いられるタップ係数を計算し更新するタップ更新部と、前記タップ更新部へと供給するパラメータを切替え可能なスイッチと、を有し、前記電力低下検出部が前記無線フレームの前記電力の変動を検出した場合、または、前記位相スリップ検出部が前記無線フレームの前記位相スリップを検出した場合に、前記スイッチが前記タップ更新部へと供給する前記パラメータを切替える、ことを特徴とする無線受信装置である。
【0007】
請求項に記載の発明は、さらに、前記電力低下検出部が前記無線フレームの前記電力の変動を検出した場合、または、前記位相スリップ検出部が前記無線フレームの前記位相スリップを検出した場合に、前記スイッチが、前記タップ更新部へと、前記パラメータとして、前記タップ係数の更新を一時的に停止するための信号を出力し、前記電力低下検出部が前記無線フレームの前記電力が正常に戻ったことを検出した場合、または、前記位相スリップ検出部が前記無線フレームの前記位相状態が正常に戻ったことを検出した場合に、前記スイッチが、前記タップ更新部へと、前記パラメータとして、前記等化処理において用いられる、前記タップ係数の更新量を決定づけるステップサイズについて、通常時のステップサイズよりも大きい値を供給前記タップ更新部が、通常時よりも大きい値のステップサイズを用いて前記タップ係数の更新を再開し、通常時よりも大きい値のステップサイズを、所定の更新再開時間をかけて、通常時のステップサイズと同じになるまで次第に小さくしながら、タップ係数の更新を行う、ことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の無線受信装置において、前記更新再開時間は、前記スイッチから前記タップ係数の更新を一時的に停止するための信号が入力されてから通常時よりも大きい値のステップサイズが供給されるまでの更新停止時間が長いほど長くする、ことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の無線受信装置において、前記無線フレームの変調方式が直角位相振幅変調である、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、無線フレームの電力の変動や位相スリップを検出した場合にタップ更新部へと供給するパラメータを切替えるようにしているので、機器の瞬時異常による等化器の誤動作(具体的には、引き込み外れ)を防ぐことができ、タップ更新部を安定的に動作させることが可能となる。
【0010】
請求項に記載の発明によれば、タップ係数の更新を再開する際に、再開当初のステップサイズとして通常時よりも大きいステップサイズを用いるとともに、通常時よりも大きい値のステップサイズを、所定の更新再開時間をかけて、通常時のステップサイズと同じになるまで次第に小さくしながら、タップ係数の更新を行うようにしているので、タップ係数の計算・更新処理が不安定になりがちになる再開当初においてタップ係数の計算・更新処理を円滑に行うことが可能となる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、更新停止時間が長いほどタップ係数が収束点からずれ
てしまっていると考えられるため、この更新停止時間の長さと連動させて更新再開時間を長くすることにより、タップ係数の計算・更新処理を円滑に行うことが可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、直角位相振幅変調方式が用いられて行われる無線通信において上記の効果を奏することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】この発明の実施の形態における無線通信システムの概略構成を示す図である。
図2】この発明の実施の形態に係る無線受信装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
図3】受信部から出力される無線フレーム(受信信号)のコンスタレーションの例を示す図であり、無線フレーム(受信信号)の電力および位相が正常な状態を説明する図である。
図4図3のコンスタレーションについて、無線フレームの電力が低下している状態を説明する図である。
図5図3のコンスタレーションについて、無線フレームの位相がスリップしている状態を説明する図である。
図6図3のコンスタレーションについて、無線フレームの位相が安定している状態を説明する図である。
図7図2の無線受信装置の動作を説明する図である。
図8】誤差曲面における最小点でのタップ係数の収束と前記最小点とは異なる極小でのタップ係数の収束との考え方を説明する図である。
図9】ステップサイズの大きさの違いによる、タップ係数の収束と誤差曲面の極小および極大との関係を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。なお、以下では、この発明の特徴的な構成について説明し、無線通信を行う際の従来と同様の仕組みについては説明を省略する。
【0014】
図1は、この発明の実施の形態における無線通信システム100の概略構成を示す図である。図1では、無線通信システム100の概略構成を示す(図1の上側)とともに、無線通信の送受信局のそれぞれに配置される無線通信装置101の概略構成の機能ブロックを示す(図1の下側)。
【0015】
無線通信システム100を構成する無線通信の送受信局のそれぞれに、無線通信装置101およびアンテナ102が配置される(図1の上側参照)。無線通信装置101同士は、アンテナ102を介して無線回線103によって相互に接続される。
【0016】
まず、この実施の形態において無線受信装置1が適用されるベースの構成としての無線通信装置101の概略構成を説明する。
【0017】
無線通信装置101は、送信用として、変調部120および送信部130を備えるとともに、受信用として、受信部150、判定帰還型等化器160、および復調部170を備え、さらに、インターフェース部110を備える(図1の下側参照)。
【0018】
ここで、無線通信装置101は、送信用の機序と受信用の機序とを備えて送受信を行う装置であるところ、以下の説明では、送信用の機序を用いて送信に纏わる処理を行う場合の無線通信装置101のことを「送信側」と称し、受信用の機序を用いて受信に纏わる処理を行う場合の無線通信装置101のことを「受信側」と称する。
【0019】
インターフェース部110は、主として、データ回線終端装置111(データ通信装置やデータ回線装置と呼ばれる機器を含む)を備える。インターフェース部110は、通信対象の伝送データの入力を受け、前記伝送データを、データ回線終端装置111を介して、変調部120へと出力する。
【0020】
変調部120は、インターフェース部110から出力される伝送データの入力を受け、前記伝送データにフレーム同期信号を挿入して無線フレーム(送信信号)を生成し、さらに、前記無線フレーム(送信信号)に所定の周波数の搬送波信号を重畳させてデジタル変調して出力する。変調部120は、前記無線フレームに、例えば400MHz程度の周波数の搬送波信号を重畳させてデジタル変調を行う。なお、無線通信システム100において用いられる変調方式は、特定の方式に限定されるものではないものの、例えば直角位相振幅変調(QAM:Quadrature Amplitude Modulation の略)が用いられる。
【0021】
送信部130は、変調部120から出力されるデジタル変調された無線フレーム(送信信号)の入力を受け、前記デジタル変調された無線フレーム(送信信号)を、D/A変換器でデジタル-アナログ変換した上で、局部発振器および混合器によって前記所定の周波数(例えば、400MHz程度)よりも高周波の信号(送信波信号)に変換する。送信部130は、前記デジタル変調された無線フレームを、周波数が例えば10GHz程度の信号に変換する。
【0022】
送信部130は、また、前記周波数変換した無線フレーム(送信波信号)を、所定の周波数帯域の信号のみを通過させる送信フィルタを通過させるとともにパワーアンプで増幅した上で出力する。
【0023】
そして、変調部120においてデジタル変調されるとともに送信部130において周波数変換された無線フレーム(送信波信号)は、送信部130から分波器140を介してアンテナ102へと導かれ、アンテナ102から無線回線103を介して他方の(言い換えると、この通信では受信側になる)無線通信装置101のアンテナ102へと、電波として送信される。
【0024】
また、他方の(言い換えると、この通信では送信側になる)無線通信装置101のアンテナ102から無線回線103を介して無線フレームが当該の(言い換えると、この通信では受信側になる)無線通信装置101のアンテナ102へと電波として送信されると、アンテナ102は、受信した無線フレームを電気信号(受信波信号)へと変換して出力する。
【0025】
アンテナ102から出力される、電気信号に変換された無線フレーム(受信波信号)は、分波器140を介して受信部150へと導かれる。
【0026】
受信部150は、無線フレーム(受信波信号)の入力を受け、前記無線フレーム(受信波信号)を、所定の周波数帯域の信号のみを通過させる受信フィルタを通過させるとともにプリアンプで増幅した上で、局部発振器および混合器によって前記高周波(例えば、10GHz程度)よりも低い周波数(例えば、400MHz程度)の信号に変換する。
【0027】
受信部150は、さらに、前記周波数変換した信号を、パワーアンプで増幅するとともにA/D変換器でアナログ-デジタル変換して、デジタル信号(無線フレーム(受信信号))を出力する。
【0028】
なお、受信部150では無線フレーム(受信波信号)に対して直交検波処理が施されて位相が相互に直交する同相成分(Ich)のベースバンド信号と直交成分(Qch)のベースバンド信号とが生成されるが、以降の説明では同相成分と直交成分との各々別々に着目する必要がある場合を除いて同相成分と直交成分とを特に区別することなくどちらにも共通する内容として説明し、また、図面では同相成分の信号と直交成分の信号とを1つの信号線で表す。
【0029】
判定帰還型等化器160は、受信部150から出力される無線フレーム(受信信号)をシンボル判定器が判定した結果に対応する後続符号間干渉量を、帰還ループによって後続ビットへと帰還させて差引くことにより、符号間干渉を除去して出力する。
【0030】
復調部170は、判定帰還型等化器160から出力される無線フレーム(受信信号)の入力を受け、前記無線フレーム(受信信号)を復調するとともに、前記復調した無線フレーム(受信信号)に挿入されているフレーム同期信号に基づいて無線フレーム(受信信号)から伝送データを取り出し、取り出した伝送データをインターフェース部110へと出力する。
【0031】
上記の無線通信システム100では、送信部130や受信部150の局部発振器において、機器の振動により、周波数変換のためのキャリア位相/ローカル位相の瞬間的なスリップ(言い換えると、回転)が発生するという問題が生じる。上記の無線通信システム100では、また、送信部130のパワーアンプならびに受信部150のプリアンプやパワーアンプにおいて、機器の電源供給の変動(「瞬断」とも呼ばれる)や振動により、瞬間的なレベルの低下が発生してコンスタレーションが収縮するという問題が生じる。
【0032】
そこで、この発明に係る無線受信装置1は、電力の瞬時変動やキャリア位相/ローカル位相のスリップ(言い換えると、回転)を検出するとともに前記検出の結果に基づいて等化器の動作を制御して機器の振動や電力の瞬時変動による等化器の誤動作(具体的には、引き込み外れ)を防ぐための仕組みを備えるようにしている。
【0033】
図2は、この発明の実施の形態に係る無線受信装置1の概略構成を示す機能ブロック図である。なお、図2は、上記で説明した無線通信システム100における無線通信装置101のような構成(図1参照)をベースとしつつ、この発明の特徴的な構成を分かり易く示すことを考慮して、無線通信装置101の構成のうちの一部を省略している。図2は、具体的には、上記で説明した無線通信装置101の受信部150と復調部170との間の判定帰還型等化器160に相当する構成に対して適用される特徴的な構成を、特に受信に纏わる機序としての無線受信装置1として示している。
【0034】
この実施の形態に係る無線受信装置1は、受信した無線フレームの電力を監視して電力の変動の有無を判断する電力低下検出部2と、無線フレームの位相状態を監視して位相スリップの有無を判断する位相スリップ検出部6とを有するとともに、等化処理において用いられるタップ係数を計算し更新するタップ更新部5と、タップ更新部5へと供給するパラメータを切替え可能なタップ制御スイッチ10と、を有し、電力低下検出部2が無線フレームの電力の変動を検出した場合、または、位相スリップ検出部6が無線フレームの位相スリップを検出した場合に、タップ制御スイッチ10がタップ更新部5へと供給するパラメータを切替える、ようにしている。
【0035】
この実施の形態に係る無線受信装置1は、デジタル無線伝送において等化処理を行う回路であり、主として、電力低下検出部2と、FF等化部3と、FB等化部4と、タップ更新部5と、位相スリップ検出部6と、タップ制御スイッチ10とを含む機序として構成される。
【0036】
電力低下検出部2は、受信部150から出力されるアナログ-デジタル変換された無線フレーム(受信信号)の電力(別言すると、信号強度)を監視し、機器の誤動作の原因となり得る程度の電力の変動の有無を判断する。
【0037】
電力の変動の有無の判断は、例えば、無線通信システム100において用いられる変調方式が多値の直角位相振幅変調(多値QAM;具体的には、16QAM,64QAM,256QAM)である場合には、電力が正常な状態である場合に対応する多値QAMの矩形の枠に対する、コンスタレーションの収縮の程度に基づいて行われることが考えられる(図3および図4参照)。なお、図3図6において、横軸は、複素平面のI軸であり、直交検波処理後の同相成分(Ich)に対応し、また、縦軸は、複素平面のQ軸であり、直交検波処理後の直交成分(Qch)に対応する。
【0038】
電力の変動の有無の判断は、所定の時間長さにおける電力の平均値に基づいて行われるようにしてもよく、或いは、電力が所定の値未満であるシンボルが連続する回数(具体的には例えば、2~10回程度)に基づいて行われるようにしてもよい。
【0039】
電力低下検出部2は、機器の誤動作の原因となり得る程度の電力の変動を検出したときは、電力の変動が発生したことを通知するための電力変動通知信号をタップ制御スイッチ10に対して出力する。電力低下検出部2は、また、電力の変動を検出した後に、電力の変動がおさまって電力が正常に戻ったことを検出したときは、電力が正常に戻ったことを通知するための電力回復通知信号をタップ制御スイッチ10に対して出力する。
【0040】
FF等化部3は、受信部150から出力されるアナログ-デジタル変換された無線フレーム(受信信号)にフィードフォワード等化を適用するための仕組みであり、すなわちセンタータップからみて現在あるいは未来のデータを合成するタップ(フィードフォワードタップ)であり、タップ係数可変のトランスバーサルフィルタを用いて構成され、フィードフォワード等化器として機能する(FF:Feed Forward の略)。FF等化部3は、タップ更新部5から出力されるタップ係数に従って等化処理を行う。
【0041】
FB等化部4は、デジタルサンプルにフィードバック等化を適用するための仕組みであり、すなわちセンタータップからみて過去のデータを合成するタップ(フィードバックタップ)であり、タップ係数可変のトランスバーサルフィルタを用いて構成され、シンボル判定部8の判定結果を受けるフィードバック等化器として機能する(FB:Feed Back の略)。FB等化部4は、タップ更新部5から出力されるタップ係数に従って等化処理を行う。
【0042】
加算器7は、FF等化部3の出力とFB等化部4の出力とを足し合わせる。シンボル判定部8は、加算器7からの出力についてシンボル判定を行う。誤差計算部9は、シンボル判定部4から出力される信号について、理想シンボルと受信シンボルとの間の誤差を計算する。誤差計算部9は、具体的には減算器によって構成される。
【0043】
タップ更新部5は、FF等化部3およびFB等化部4のタップ係数を計算・更新し、前記計算・更新したタップ係数をFF等化部3とFB等化部4とのそれぞれに対して出力する。タップ更新部5は、下記の数式1で表されるLMS(Least Mean Squares の略)アルゴリズムを適応アルゴリズムとして用いてタップ係数の計算・更新処理を行う。
(数1) h(n+1)=h(n)+μenx(n)
ここに、h(n+1):時刻n+1のタップ係数ベクトル
h(n):時刻nのタップ係数ベクトル
μ:ステップサイズパラメータ
n:理想シンボルと受信シンボルとの間の誤差
x(n):入力信号
【0044】
数式1における、誤差enは誤差計算部9によって計算されてタップ更新部5へと入力され、入力信号x(n)は受信部150から出力されてタップ更新部5へと入力される。また、数式1におけるステップサイズパラメータμは、LMSアルゴリズムによる係数の更新量を決定づけて適応動作の収束速度と推定精度との間のバランスを調節するパラメータであり、μ>0である。
【0045】
位相スリップ検出部6は、加算器7から出力される信号について、位相状態を監視し、位相スリップの有無を判断する。位相スリップの有無の判断は、送信側の無線通信装置101において伝送データに対して挿入された既知のパターン信号が利用されて行われる。例えば、無線通信システム100において用いられる変調方式が多値の直角位相振幅変調(多値QAM;具体的には、16QAM,64QAM,256QAM)である場合には、位相が回転することにより、位相が正常な状態であるときの多値QAMの矩形の枠の外側へとはみ出した信号点の割合の多寡に基づいて位相スリップの有無を判断することが考えられる(図3および図5参照)。位相スリップであるか否かを判断するための前記信号点の割合は、特定の値に限定されるものではなく、例えば通信機器や変調方式の特性が考慮されるなどした上で、適当な値に適宜設定される。
【0046】
なお、位相スリップの場合には、位相状態が定まらず、信号点の分布が、位相が正常な状態であるときの多値QAMの矩形の枠に対して遅れたり進んだりして揺れ動いて、前記多値QAMの矩形の枠の周囲のあらゆるエリアに信号点がはみ出す(図5参照)。一方、位相スリップがおさまって位相が安定している場合には、位相が正常な状態であるときの多値QAMの矩形の枠の外側へとはみ出した信号点の分布が、前記多値QAMの矩形の枠に対して遅れるか進むかのどちらかで一定して、前記多値QAMの矩形の枠の外側の特定のエリアに偏る(図6参照;なお、図6において、エリア1が、位相が進みの向きに回転している場合に信号点がはみ出す領域であり、エリア2が、位相が遅れの向きに回転している場合に信号点がはみ出す領域である)。そこで、多値QAMの矩形の枠の外側へとはみ出した信号点の分布状況を加味して、位相スリップの有無を判断することが考えられる。
【0047】
位相スリップ検出部6は、位相スリップを検出したときは、位相スリップが発生したことを通知するためのスリップ通知信号をタップ制御スイッチ10に対して出力する。位相スリップ検出部6は、また、位相スリップを検出した後に、位相スリップがおさまって位相状態が正常に戻ったことを検出したときは、位相状態が正常に戻ったことを通知するための位相回復通知信号をタップ制御スイッチ10に対して出力する。
【0048】
タップ制御スイッチ10は、通常時出力部11、ホールド出力部12、および再開時出力部13の各々から出力される信号のうちのいずれかを選択してタップ更新部5へと供給する機能を備える。タップ制御スイッチ10は、電力低下検出部2や位相スリップ検出部6から出力される信号に従って通常時出力部11、ホールド出力部12、および再開時出力部13のうちのいずれかとの接続を切り替える。
【0049】
タップ制御スイッチ10は、通常時は、通常時のステップサイズが予め記憶されている通常時出力部11と接続して、タップ更新部5に対して、タップ更新部5へと供給するパラメータとして通常時のステップサイズを供給する。この場合、タップ更新部5は、タップ制御スイッチ10から供給される通常時のステップサイズを用いてタップ係数の計算・更新処理を行う。
【0050】
タップ制御スイッチ10は、また、通常時出力部11と接続してタップ更新部5に対して通常時のステップサイズを供給している状態で、電力低下検出部2から出力される電力変動通知信号が入力されると、または、位相スリップ検出部6から出力されるスリップ通知信号が入力されると、更新ホールド信号が予め記憶されているホールド出力部12との接続へと切替わって、タップ更新部5に対して、タップ更新部5へと供給するパラメータとして更新ホールド信号を出力する。
【0051】
なお、タップ制御スイッチ10は、ホールド出力部12と接続してタップ更新部5に対して更新ホールド信号を出力した後に、電力低下検出部2から出力される電力変動通知信号がさらに入力されたり、または、位相スリップ検出部6から出力されるスリップ通知信号がさらに入力されたりした場合には、ホールド出力部12と接続したまま、タップ更新部5に対して、タップ更新部5へと供給するパラメータとして更新ホールド信号を出力する。
【0052】
更新ホールド信号は、タップ更新部5におけるタップ係数の更新を一時的に停止するための信号であり、タップ更新部5におけるタップ係数の計算・更新動作の一時的な停止を指示する内容の信号であるようにしてもよく、或いは、タップ係数の計算・更新処理において用いるステップサイズを0(ゼロ)に設定する内容の信号であるようにしてもよい。
【0053】
タップ更新部5は、タップ制御スイッチ10から出力される更新ホールド信号が入力されると、タップ係数の計算・更新動作を停止したり、或いは、ステップサイズを0(ゼロ)としながらタップ係数の計算・更新処理を行ったりする。なお、タップ係数の計算・更新処理において用いるステップサイズが0(ゼロ)である場合には、実質的には、タップ係数は更新されない。
【0054】
タップ制御スイッチ10は、さらに、ホールド出力部12と接続してタップ更新部5に対して更新ホールド信号を出力した後に、電力低下検出部2から出力される電力回復通知信号が入力されると、または、位相スリップ検出部6から出力される位相回復通知信号が入力されると、再開時のステップサイズが予め記憶されている再開時出力部13との接続へと切替わって、タップ更新部5に対して、タップ更新部5へと供給するパラメータとして再開時のステップサイズを供給する。
【0055】
再開時のステップサイズとしては、通常時のステップサイズよりも大きいステップサイズの値が設定される。再開時のステップサイズと通常時のステップサイズとの間の大小関係は、特定の比率などには限定されないものの、具体的には例えば、再開時のステップサイズが通常時のステップサイズの2~4倍程度の値に設定されることが考えられる。なお、タップ制御スイッチ10に対して、電力低下検出部2から電力変動通知信号が出力された後に電力回復通知信号が出力された場合(即ち、電力の変動が発生して回復した場合)と、位相スリップ検出部6からスリップ通知信号が出力された後に位相回復通知信号が出力された場合(即ち、位相スリップが発生して回復した場合)とで、再開時のステップサイズが異なるようにしてもよい。また、再開時のステップサイズは、ユーザが適宜設定可能であるようにされてもよい。
【0056】
タップ更新部5は、タップ制御スイッチ10から再開時のステップサイズが供給されると、前記再開時のステップサイズを用いてタップ係数の更新を再開する。この場合、タップ更新部5は、タップ係数の計算・更新処理に用いるステップサイズを、所定の時間をかけて、前記再開時のステップサイズから通常時のステップサイズと同じになるまで次第に小さくしながら、タップ係数の計算・更新処理を行う。タップ係数の計算・更新処理を再開する際に、再開当初のステップサイズとして通常時よりも大きいステップサイズを用いることにより、タップ係数の計算・更新処理が不安定になりがちになる再開当初においてタップ係数の計算・更新処理(言い換えると、引き込み処理)が円滑に行われる。
【0057】
そして、所定の時間をかけてステップサイズが通常時のステップサイズと同じになったら、タップ更新部5は、通常時のタップ係数の計算・更新として、通常時のステップサイズを用いてタップ係数の計算・更新処理を行う。
【0058】
タップ更新部5がタップ制御スイッチ10から再開時のステップサイズの供給を受けてからステップサイズを次第に小さくして通常時のステップサイズまで戻すのにかける所定の時間(「更新再開時間」と呼ぶ)は、特定の時間長さには限定されないものの、タップ制御スイッチ10から更新ホールド信号が入力されてから再開時のステップサイズが供給されるまでの時間(「更新停止時間」と呼ぶ)と連動させることが好ましい。すなわち、更新停止時間が長いほどタップ係数が収束点からずれてしまっていると考えられるため、更新停止時間の長さと連動させて更新再開時間を長くすることが好ましい。なお、更新再開時間は、ユーザが適宜設定可能であるようにされてもよい。
【0059】
また、再開時のステップサイズと更新停止時間とを連動させるようにしてもよい。すなわち、更新停止時間が長いほどタップ係数が収束点からずれてしまっていると考えられるため、更新停止時間の長さと連動させて再開時のステップサイズの値を大きくするようにしてもよい。
【0060】
なお、タップ制御スイッチ10が、再開時出力部13と接続してタップ更新部5に対して再開時のステップサイズを供給している状態で、電力低下検出部2から出力される電力回復通知信号が入力されてから所定の時間が経過し(但し、電力回復通知信号が入力されていない場合を除く)、且つ、位相スリップ検出部6から出力される位相回復通知信号が入力されてから所定の時間が経過した(但し、位相回復通知信号が入力されていない場合を除く)ときに、通常時のタップ係数の計算・更新として、通常時出力部11との接続へと切替わってタップ更新部5に対して通常時のステップサイズを供給するようにしてもよい。
【0061】
また、タップ制御スイッチ10は、再開時出力部13と接続してタップ更新部5に対して再開時のステップサイズを供給している状態で、電力低下検出部2から出力される電力変動通知信号が入力されたり、または、位相スリップ検出部6から出力されるスリップ通知信号が入力されたりした場合には、ホールド出力部12との接続へと切替わってタップ更新部5に対して更新ホールド信号を出力する。
【0062】
次に、このような構成の無線受信装置1の動作や作用などについて、図7から図9も参照しながら説明する。
【0063】
まず、他の無線通信装置101(この通信において送信側の無線通信装置101)から無線回線103を介して送信された無線フレームを当該の無線通信装置101(この通信において受信側の無線通信装置101)が受信している。この際、通常時として、受信側の無線通信装置101のタップ制御スイッチ10が、通常時出力部11と接続してタップ更新部5に対して通常時のステップサイズを供給し、そして、タップ更新部5が、タップ制御スイッチ10から供給される通常時のステップサイズを用いてタップ係数の計算・更新処理を行っている(ステップS0)。
【0064】
送信側の無線通信装置101から無線回線103を介して送信された無線フレームを受信側の無線通信装置101が受信すると、受信側の無線通信装置101の受信部150が、周波数変換するとともにアナログ-デジタル変換した無線フレーム(受信信号)を出力する(ステップS1)。
【0065】
そして、電力低下検出部2が、受信部150から出力される無線フレーム(受信信号)について、機器の誤動作の原因となり得る程度の電力の変動を検出すると(ステップS2a)、タップ制御スイッチ10に対して電力変動通知信号を出力する(ステップS3a)。あるいは、位相スリップ検出部6が、加算器7から出力される信号について、位相スリップを検出すると(ステップS2b)、タップ制御スイッチ10に対してスリップ通知信号を出力する(ステップS3b)。
【0066】
続いて、電力変動通知信号またはスリップ通知信号が入力されたタップ制御スイッチ10が、ホールド出力部12との接続へと切替わり、タップ更新部5に対して更新ホールド信号を出力する(ステップS4)。そして、更新ホールド信号が入力されたタップ更新部5が、タップ係数の計算・更新動作を停止したり、或いは、ステップサイズを0(ゼロ)としながらタップ係数の計算・更新処理を行ったりする(つまり、タップ係数の更新を停止する;ステップS5)。
【0067】
次に、電力変動通知信号を出力した電力低下検出部2が、受信部150から出力される無線フレーム(受信信号)について、電力の変動がおさまって電力が正常に戻ったことを検出すると(ステップS6a)、タップ制御スイッチ10に対して電力回復通知信号を出力する(ステップS7a)。あるいは、スリップ通知信号を出力した位相スリップ検出部6が、加算器7から出力される信号について、位相状態が正常に戻ったことを検出すると(ステップS6b)、タップ制御スイッチ10に対して位相回復通知信号を出力する(ステップS7b)。
【0068】
電力回復通知信号または位相回復通知信号が入力されたタップ制御スイッチ10が、再開時出力部13との接続へと切替わり、タップ更新部5に対して再開時のステップサイズを供給する(ステップS8)。そして、再開時のステップサイズが供給されたタップ更新部5が、前記再開時のステップサイズを用いてタップ係数の計算・更新処理を行ってタップ係数の更新を再開する(ステップS9)。
【0069】
ここで、電力低下検出部2が電力の変動を検出したり位相スリップ検出部6が位相スリップを検出したりしてタップ更新部5によるタップ係数の更新が停止すると、前記電力の変動や前記位相スリップが検出される前の通常時において発生した検出誤差などによってタップ係数が変動し、計算結果(即ち、タップ係数)が、理想シンボルと受信シンボルとの間の誤差を表す誤差曲面における本来の収束点である最小点を離れて、最小点とは異なる収束(極小)の谷に嵌まる可能性がある(図8(A)参照)。
【0070】
そして、タップ係数の更新を一時的に停止した後に再開したときに、タップ係数の計算・更新処理において用いるステップサイズが小さいと、最小点とは異なる収束(極小)の谷と隣り合う極大を飛び越えることができず、前記収束(極小)の谷から抜け出すことができない(図9(A)参照)。
【0071】
一方で、タップ係数の計算・更新処理において用いるステップサイズが大きければ、最小点とは異なる収束(極小)の谷と隣り合う極大を飛び越えることができ、前記収束(極小)の谷から抜け出すことができる(図8(B)、図9(B)参照)。すなわち、再開時のステップサイズの値を通常時のステップサイズの値よりも大きい値とすることにより、タップ係数の更新を一時的に停止した後に再開したときに、タップ係数の計算・更新処理を適切に且つ短時間で行うことが可能となる。
【0072】
タップ更新部5は、タップ係数の計算・更新処理に用いるステップサイズを、所定の時間をかけて、再開時のステップサイズから通常時のステップサイズと同じになるまで次第に小さくしながら、タップ係数の計算・更新処理を行う。そして、所定の時間をかけてステップサイズが通常時のステップサイズと同じになったら、タップ更新部5は、通常時のタップ係数の計算・更新として、通常時のステップサイズを用いてタップ係数の計算・更新処理を行う(ステップS10)。
【0073】
この実施の形態に係る無線受信装置1によれば、無線フレームの電力の変動や位相スリップを検出した場合にタップ更新部5へと供給するパラメータを切替えるようにしているので、機器の瞬時異常による等化器の誤動作(具体的には、引き込み外れ)を防ぐことができ、タップ更新部5を安定的に動作させることが可能となる。
【0074】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。具体的には、上記の実施の形態ではこの発明に係る無線受信装置1が適用されるベースの構成として図1に示す無線通信装置101を挙げたが、この発明が適用され得る無線通信装置の構成は、図1に示す無線通信装置101に限定されるものではなく、上記で説明したような無線受信装置1の構成が受信に纏わる機序として適用することができる(言い換えると、受信に纏わる機序に組込むことができる)無線通信装置であればどのような構成でもよい。付け加えると、上記の実施の形態では等化器として判定帰還型等化器160が用いられるようにしているが、本発明が適用され得る等化器は、判定帰還型の等化器に限定されるものではなく、タップ係数の計算・更新処理を行う回路を備える等化器であればどのような構成の等化器であってもよい。
【0075】
また、上記の実施の形態では電力低下検出部2と位相スリップ検出部6との両方を備えるようにしているが、これら2つを備えることはこの発明において必須の構成ではなく、電力低下検出部2と位相スリップ検出部6とのうちの少なくとも一方を備えるようにすればよい。
【符号の説明】
【0076】
1 無線受信装置
2 電力低下検出部
3 FF等化部
4 FB等化部
5 タップ更新部
6 位相スリップ検出部
7 加算器
8 シンボル判定部
9 誤差計算部
10 タップ制御スイッチ
11 通常時出力部
12 ホールド出力部
13 再開時出力部
100 無線通信システム
101 無線通信装置
102 アンテナ
103 無線回線
110 インターフェース部
111 データ回線終端装置
120 変調部
130 送信部
140 分波器
150 受信部
160 判定帰還型等化器
170 復調部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9