(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】電動車両
(51)【国際特許分類】
B60L 3/00 20190101AFI20240122BHJP
G05D 1/80 20240101ALI20240122BHJP
【FI】
B60L3/00 H
G05D1/80
(21)【出願番号】P 2020104188
(22)【出願日】2020-06-17
【審査請求日】2023-03-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103171
【氏名又は名称】雨貝 正彦
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【氏名又は名称】橘 和之
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【氏名又は名称】片寄 恭三
(74)【代理人】
【識別番号】100099748
【氏名又は名称】佐藤 克志
(72)【発明者】
【氏名】山本 浩道
【審査官】岩田 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-113903(JP,A)
【文献】特開2019-220218(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 3/00
G05D 1/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリから供給される電力でモータを回転させて移動する電動車両において、
進行方向前方に存在する停止回避領域への接近を検出する回避領域検出手段と、
前記バッテリの充電残量を検出する充電残量検出手段と、
前記停止回避領域への接近が検出され、前記充電残量が基準値以下のときに、前記停止回避領域内への進入を抑制する進入抑制手段と、
を備え
、前記基準値は、これより前記充電残量が少ない状態で前記停止回避領域内に自車両が進入すると、前記停止回避領域内を走行中に前記充電残量がなくなってしまって自車両が走行不能になる可能性がある前記充電残量の値であることを特徴とする電動車両。
【請求項2】
前記進入抑制手段は、前記モータの回転を停止させるモータ停止制御動作を行うことを特徴とする請求項1に記載の電動車両。
【請求項3】
前記進入抑制手段は、前記停止回避領域への進入禁止を知らせる警報出力動作を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の電動車両。
【請求項4】
前記進入抑制手段による進入の抑制は、前記停止回避領域への進入禁止を知らせる警報出力動作と、前記モータの回転を停止させるモータ停止制御動作とを時間をずらして行うことを特徴とする請求項1に記載の電動車両。
【請求項5】
前記進入抑制手段による進入の抑制は、進行中の自車両が前記停止回避領域に到達する前に行うことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の電動車両。
【請求項6】
前記停止回避領域は、遮断棒によって挟まれた踏切内であることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の電動車両。
【請求項7】
前記停止回避領域は、横断歩道上であることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の電動車両。
【請求項8】
前記停止回避領域は、交差点の道路上であることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の電動車両。
【請求項9】
前記回避領域検出手段によって接近が検出された前記停止回避領域の種類を判別する種類判別手段をさらに備え、
前記基準値は、前記種類判別手段によって判別された前記停止回避領域の種類ごとに設定されることを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の電動車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリから供給される電力でモータを駆動して移動する電動車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、バッテリの電圧を計測し、現在の電圧から、残りのバッテリ容量を計算し、その計算値を元に移動可能距離を求めるようにしたり、さらに自分の位置を知ることが可能なGPSシステムと組み合わせて目的地まで走行可能であるかを判断して利用者に警告を行うようにした電動車椅子が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この電動車椅子では、目的地まで走行する途中で電源がなくなることが予め計算された場合には、その旨が利用者に警告される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電動車椅子などのシニアカーと称される電動車両は、バッテリやモータなどを搭載する必要があるため、手動操作の車椅子と比較すると非常に重いものであり、残りのバッテリ容量がなくなってモータ駆動ができなくなった状態では、それまで搭乗していた利用者自身で移動させることは容易ではない。このため、踏切内や横断歩道上で残りのバッテリ容量がなくなって立ち往生することがないように、利用者自身が残りのバッテリ容量に注意をはらう必要がった。
【0005】
一般には、電動車両には、残りのバッテリ容量を確認するための表示部が設けられており、利用者自身がこの表示部の内容を見ながら、あとどのくらい走行が可能かを考える必要があり、見落としや見込み違いも多いことから、上記の表示部を設けただけでは、踏切内や横断歩道上での立ち往生をなくすことはできない。このため、踏切内や横断歩道上のような走行停止回避領域において、残りのバッテリ容量(バッテリ充電残量)の不足によって立ち往生してしまうことを防止する有効な対策が望まれている。
【0006】
なお、上述した特許文献1に開示された電動車椅子を用いた場合、踏切や横断歩道を「目的地」として考えると、踏切や横断歩道に到達する前に残りのバッテリ容量がなくなって走行可能でなくなると判断される場合に警告を行うことになるため、踏切内で、あるいは横断歩道上での立ち往生を回避することはやはりできない。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、バッテリ充電残量不足によって停止回避領域内での立ち往生を防止することができる電動車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明の電動車両は、バッテリから供給される電力でモータを回転させて移動する電動車両において、進行方向前方に存在する停止回避領域への接近を検出する回避領域検出手段と、バッテリの充電残量を検出する充電残量検出手段と、停止回避領域への接近が検出され、充電残量が基準値以下のときに、停止回避領域内への進入を抑制する進入抑制手段とを備え、基準値は、これより充電残量が少ない状態で停止回避領域内に自車両が進入すると、停止回避領域内を走行中に充電残量がなくなってしまって自車両が走行不能になる可能性がある前記充電残量の値である。
【0009】
利用者が意図しない電動車両の停止状態を回避したい停止回避領域へ接近した時点でのバッテリの充電残量が少なくなっていたときに停止回避領域に対する進入の抑制制御が行われるため、停止回避領域内に進入した際にバッテリ充電残量不足によって立ち往生することを未然に防止することができる。
【0010】
また、上述した進入抑制手段は、モータの回転を停止させるモータ停止制御動作を行うことが望ましい。これにより、確実に停止回避領域への進入を防止することができる。
【0011】
また、上述した進入抑制手段は、停止回避領域への進入禁止を知らせる警報出力動作を行うことが望ましい。これにより、バッテリ充電残量に関する利用者の見落としや見込み違いで停止回避領域に進入してしまうことを防止することができる。
【0012】
また、上述した進入抑制手段による進入の抑制は、停止回避領域への進入禁止を知らせる警報出力動作と、モータの回転を停止させるモータ停止制御動作とを時間をずらして行うことが望ましい。これにより、停止回避領域内への進入が予想されるときに、最初に警報を出して、それでも進行をやめない場合に強制的に進入を停止させることができるため、停止回避領域への進入を確実に防止することが可能となる。
【0013】
また、上述した進入抑制手段による進入の抑制は、進行中の自車両が停止回避領域に到達する前に行うことが望ましい。これにより、停止回避領域への進入を確実に回避することができる。
【0014】
また、上述した停止回避領域は、遮断棒によって挟まれた踏切内であることが望ましい。これにより、踏切内での立ち往生を回避することができる。
【0015】
また、上述した停止回避領域は、横断歩道上であることが望ましい。これにより、横断歩道上での立ち往生を回避することができる。
【0016】
また、上述した停止回避領域は、交差点の道路上であることが望ましい。これにより、交差点内での立ち往生を回避することができる。
【0017】
また、上述した回避領域検出手段によって接近が検出された停止回避領域の種類を判別する種類判別手段をさらに備え、基準値は、種類判別手段によって判別された停止回避領域の種類ごとに設定されることが望ましい。これにより、停止回避領域の種類ごとに適切な基準値を設けて確実に進入を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】一実施形態の電動車両の構成を示す図である。
【
図2】停止回避領域と指定領域の関係を示す図である。
【
図3】前方の停止回避領域を検出した際の電動車両の動作手順を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を適用した一実施形態の電動車両について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1は、一実施形態の電動車両の構成を示す図である。
図1に示す電動車両100は、着座シート110、駆動輪112 駆動部114、駆動制御部116、運転操作部118、バッテリ120、カメラ122、回避領域検出部124、指定領域進入判定部125、充電残量検出部126、慣性センサ128、停車判定部130、停車メッセージ出力部132、表示部134、スピーカ136を備えている。この中で、駆動制御部116や回避領域検出部124、充電残量検出部126、停車判定部130、停車メッセージ出力部132などの全部あるいは一部は、ROMやRAMなどに格納された所定のプログラムをCPUで実行することにより実現される。
【0021】
電動車両100は、電動車椅子などのシニアカーと称されるものであり、利用者(運転者)が座る着座シート110を有しており、駆動輪112をモータ114Aや変速機を含む駆動部114によって回転駆動することにより走行する。
【0022】
駆動制御部116は、利用者の運転操作に応じて駆動部114を制御することにより、電動車両100の走行開始、走行停止、加減速、方向転換などを行う。
【0023】
運転操作部118は、利用者が運転操作を行うためのものであり、ハンドルや走行開始/停止を指示するスイッチ類などが含まれ、これらの操作に対応した信号が駆動制御部116に送られる。
【0024】
バッテリ120は、モータ114Aを回転させる駆動電力や各部の動作電力を供給するためのものであり、例えば家庭用コンセントに接続して充電することにより、繰り返し使用することができる。
【0025】
カメラ122は、自車両の進行方向前方を撮像する。
【0026】
回避領域検出部124は、カメラ122による撮像で得られた画像に基づいて、自車両の前方に存在する「停止回避領域」を検出する。停止回避領域とは、走行途中でバッテリ120の充電残量がなくなって走行不能に至る事態を確実に回避したい領域である。具体的には、この停止回避領域には、遮断棒によって挟まれた踏切内、横断歩道上、交差点の道路上などが少なくとも含まれる。
【0027】
指定領域進入判定部125は、指定領域に電動車両100が進入したか否かを判定する。この指定領域は、停止回避領域に隣接する位置に設定されている。この指定領域内に電動車両100が進入したことを検出(判定)することで、電動車両100が停止回避領域に接近したことを知ることができる。
【0028】
図2は、停止回避領域と指定領域の関係を示す図である。電動車両100の進行方向前方の道路R上に停止回避領域S1がある場合に、この停止回避領域S1に隣接する電動車両100側に指定領域S2が設定されている。
【0029】
充電残量検出部126は、バッテリ120の充電残量を検出する。検出方法としては、端子電圧に基づいて充電残量を検出する方法や、満充電時の充電残量から充放電時の電流量を積算する方法などが考えられる。
【0030】
慣性センサ128は、自車両に作用する加速度を検出する。この慣性センサ128は、停止回避領域へ接近中か否かなどの自車両の挙動を検出するためのものである。
【0031】
停車判定部130は、回避領域検出部124によって停止回避領域への接近が検出され、かつ、充電残量検出部126によって検出されたバッテリ120の充電残量が基準値以下であるか否かを判定し、これら2つの条件を満たすときに、駆動制御部116に指示を送って、電動車両100の走行を停止させる。この判定で用いる基準値は、これより充電残量が少ない状態で停止回避領域内に電動車両100が進入すると、停止回避領域内を走行中に充電残量がなくなってしまって電動車両100が走行不能になる可能性がある充電残量の値である。
【0032】
停車メッセージ出力部132は、このまま停止回避領域内に進入すると充電残量不足で自車両が停止回避領域内で動かなくなってしまうおそれがあることを示すメッセージを利用者に向けて出力する。このメッセージの提供は、表示部134による画面表示や、スピーカ136による音声出力によって行われる。
【0033】
上述したカメラ122、回避領域検出部124、指定領域進入判定部125が回避領域検出手段に、充電残量検出部126が充電残量検出手段に、停車判定部130、停車メッセージ出力部132が進行抑制手段に、回避領域検出部124が種別判別手段にそれぞれ対応する。
【0034】
本実施形態の電動車両100はこのような構成を有しており、次に、その動作を説明する。
【0035】
図3は、前方の停止回避領域を検出した際の電動車両100の動作手順を示す流れ図である。この動作手順は、電動車両100が走行を開始した後、所定の時間間隔で実施される。
【0036】
まず、カメラ122による進行方向前方の撮像が行われると(ステップ100)、回避領域検出部124は、この撮像によって得られた画像に基づいて停止回避領域を検出したか否かを判定する(ステップ102)。例えば、停止回避領域として踏切内を想定した場合には、画像内に遮断機を構成する遮断棒等の部分画像が含まれているか否かを調べることによりこの判定が行われる。また、停止回避領域として横断歩道上や交差点の道路を想定した場合には、画像内に横断歩道や信号機等の部分画像が含まれているか否かを調べることによりこの判定が行われる。停止回避領域が検出されない場合には否定判断が行われ、停止回避領域検出に関する一連の動作が終了する。
【0037】
また、停止回避領域が検出されるとステップ102の判定において肯定判断が行われる。次に、指定領域進入判定部125は、自車両が指定領域(
図2S2)に進入したか否かを判定する(ステップ104)。この判定は、撮像された画像に基づいて行うことができるが、他の方法を用いるようにしてもよい。例えば、指定領域の端部に相当する道路あるいは道路横の位置に発信器を設けてその送信信号を受信したときに指定領域に進入したことを検出するようにしてもよい。指定領域へ進入していない場合には否定判断が行われ、停止回避領域検出に関する一連の動作が終了する。
【0038】
また、指定領域への進入が検出されるとステップ104の判定において肯定判断が行われる。次に、充電残量検出部126は、バッテリ120の充電残量を検出する(ステップ106)。また、停車判定部130は、回避領域検出部124によって停止回避領域への接近が検出され、かつ、充電残量検出部126によって検出されたバッテリ120の充電残量が基準値以下であるか否かを判定する(ステップ108)。基準値よりも多い場合には否定判断が行われ、停止回避領域検出に関する一連の動作が終了する。
【0039】
また、バッテリ120の充電残量が基準値以下の場合にはステップ108の判定において肯定判断が行われる。次に、停車判定部130は停車メッセージ出力部132に対してメッセージの出力指示を行い、停車メッセージ出力部132は、このまま停止回避領域内に進入すると充電残量不足で自車両が停止回避領域内で動かなくなってしまうおそれがあることを示すメッセージを利用者に向けて出力する(ステップ110)。
【0040】
次に、停車判定部130は、自車両が停止回避領域にさらに接近したか否かを判定する(ステップ112)。この判定は、慣性センサ128の出力に基づいて行うことができる。なお、慣性センサ128の出力とともに、あるいは、この出力を用いずに、カメラ122による撮像で得られた画像を用いたり、モータ114Aの回転情報を用いるようにしてもよい。また、この判定は、自車両の車速情報に基づいて(例えば、自車両が一定距離走行する毎に出力される車速パルスのカウント値に基づいて)行うようにしてもよい。接近していない場合には否定判断が行われ、停止回避領域検出に関する一連の動作が終了する。
【0041】
また、自車両が停止回転領域にさらに接近した場合にはステップ112の判定において肯定判断が行われる。次に、停車判定部130は、駆動制御部116に指示を送って駆動部114の動作(モータ114Aの回転)を強制的に停止させる(ステップ114)。これにより、バッテリ120の充電残量が残り少ない状態で電動車両100が停止回避領域内に進入することが阻止されて、一連の動作が終了する。なお、このステップ114の動作までが、電動車両100が停止回避領域に進入する前に完了するように各動作手順が行われる。
【0042】
このように、本実施形態の電動車両100では、利用者(運転者)が意図しない電動車両100の停止状態を回避したい停止回避領域へ接近した時点でバッテリ120の充電残量が少なくなっていたときに停止回避領域に対する進入抑制制御が行われるため、停止回避領域内に進入した際にバッテリ充電残量不足によって立ち往生することを未然に防止することができる。
【0043】
また、進入抑制制御としてモータ114Aの回転を停止させるモータ停止制御動作を行うことにより、確実に停止回避領域への進入を防止することができる。あるいは、進入抑制制御として、停止回避領域への進入禁止を知らせる警報出力(メッセージ出力)動作を行うことにより、バッテリ充電残量に関する利用者の見落としや見込み違いで停止回避領域に進入してしまうことを防止することができる。
【0044】
また、進入抑制制御として、停止回避領域への進入禁止を知らせる警報出力(メッセージ出力)動作と、モータ114Aの回転を停止させるモータ停止制御動作とを時間をずらして行うことにより、停止回避領域内への進入が予想されるときに、最初に警報を出して、それでも進行をやめない場合に強制的に進入を停止させることができるため、停止回避領域への進入を確実に防止することが可能となる。
【0045】
また、これらの進入抑制制御は、進行中の電動車両100が停止回避領域に到達する前に行われており、これにより、停止回避領域への進入を確実に回避することができる。
【0046】
また、具体的には、停止回避領域としては、遮断棒によって挟まれた踏切内、横断歩道上、交差点の道路上などを想定している。これにより、踏切内、横断歩道上、交差点内などでの立ち往生を回避することができる。
【0047】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。上述した実施形態では、カメラ122の撮像によって得られた画像に基づいて停止回避領域を検出するようにしたが、それ以外の方法で停止回避領域の接近を検出してもよい。例えば、上述した
図3のステップ104において説明したように、指定領域の端部に相当する道路あるいは道路横の位置に発信器を設けてその送信信号を受信したときに指定領域に進入したことと同時に近くに停止回避領域が存在することを検出するようにしてもよい。あるいは、GNSS(Global Navigation Satellite System)を用いて検出した自車両位置と、停止回避領域の位置や範囲が含まれる地図データとに基づいて、自車両が接近中の停止回避領域の存在や、指定領域への自車両の進入を検出するようにしてもよい。
【0048】
また、回避領域検出部124によって検出された停止回避領域の種類を判別する種類判別手段(この手段の機能を回避領域検出部124に持たせてもよいが、別に種類判別部を設けるようにしてもよい)を備え、種類判別手段によって判別された停止回避領域の種類ごとに、バッテリ充電残量が少なくなったことを判定するための基準値の値を可変設定するようにしてもよい。停止回避領域の種類ごとに適切な基準値を設けて確実に進入を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
上述したように、本発明によれば、利用者が意図しない電動車両の停止状態を回避したい停止回避領域へ接近した時点でバッテリの充電残量が少なくなっていたときに停止回避領域に対する進入の抑制制御が行われるため、停止回避領域内に進入した際にバッテリ充電残量不足によって立ち往生することを未然に防止することができる。
【符号の説明】
【0050】
100 電動車両
112 駆動輪
114 駆動部
114A モータ
116 駆動制御部
118 運転操作部
120 バッテリ
122 カメラ
124 回避領域検出部
125 指定領域進入判定部
126 充電残量検出部
128 慣性センサ
130 停車判定部
132 停車メッセージ出力部