(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】カラオケシステムのサーバ装置
(51)【国際特許分類】
G10K 15/04 20060101AFI20240122BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
(21)【出願番号】P 2020113098
(22)【出願日】2020-06-30
【審査請求日】2023-04-18
(73)【特許権者】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100139365
【氏名又は名称】中嶋 武雄
(72)【発明者】
【氏名】糸川 透
【審査官】中嶋 樹理
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-097300(JP,A)
【文献】特開2007-271818(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラオケ装置および複数の携帯端末と共にカラオケシステムに含まれ、前記カラオケ装置および前記複数の携帯端末のそれぞれと通信可能なサーバ装置であって、
前記カラオケ装置が設置された店舗の識別情報と前記カラオケ装置の識別情報とが相互に紐付けられた状態で記録されたカラオケ装置設置情報を記憶する第1の記憶部と、
同一のグループに属する複数の利用者がそれぞれ所持する前記複数の携帯端末のそれぞれの識別情報が相互に紐付けられた状態で記録された利用者端末情報を記憶する第2の記憶部と、
前記複数の利用者のうちのいずれかの利用者が前記カラオケ装置にログインした場合に、前記いずれかの利用者がログインした前記カラオケ装置の識別情報、および前記カラオケ装置にログインした前記いずれかの利用者が所持する前記携帯端末の識別情報を取得する情報取得部と、
前記複数の利用者のうちの一の利用者が前記カラオケ装置にログインした場合に、前記カラオケ装置設置情報、および前記情報取得部により取得された前記カラオケ装置の識別情報に基づき、前記カラオケ装置が設置された店舗を特定する店舗特定部と、
前記一の利用者が前記カラオケ装置にログインしてから所定時間以内に前記複数の利用者のうちの他の利用者が前記カラオケ装置にログインしない場合には、前記利用者端末情報、および前記情報取得部により取得された、前記一の利用者が所持する前記携帯端末の識別情報に基づき、前記他の利用者が所持する携帯端末を特定する端末特定部と、
前記店舗特定部により特定された店舗に関する情報を、前記端末特定部により特定された携帯端末に通知する通知部とを備えていることを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
複数のカラオケ装置および複数の携帯端末と共にカラオケシステムに含まれ、前記複数のカラオケ装置および前記複数の携帯端末のそれぞれと通信可能なサーバ装置であって、
前記カラオケ装置が設置された店舗の識別情報と前記カラオケ装置の識別情報とが相互に紐付けられた状態で記録されたカラオケ装置設置情報を記憶する第1の記憶部と、
同一のグループに属する複数の利用者がそれぞれ所持する前記複数の携帯端末のそれぞれの識別情報が相互に紐付けられた状態で記録された利用者端末情報を記憶する第2の記憶部と、
前記複数の利用者のうちのいずれかの利用者が前記複数のカラオケ装置のうちのいずれかのカラオケ装置にログインした場合に、前記いずれかの利用者がログインした前記いずれかのカラオケ装置の識別情報、および前記いずれかのカラオケ装置にログインした前記いずれかの利用者が所持する前記携帯端末の識別情報を取得する情報取得部と、
前記複数の利用者のうちの一の利用者が前記複数のカラオケ装置のうちの一のカラオケ装置にログインした場合に、前記カラオケ装置設置情報、および前記情報取得部により取得された前記一のカラオケ装置の識別情報に基づき、前記一のカラオケ装置が設置された店舗を特定する店舗特定部と、
前記一の利用者が前記一のカラオケ装置にログインした後、前記複数の利用者のうちの他の利用者が前記複数のカラオケ装置のうちの他のカラオケ装置にログインした場合に、前記店舗特定部により特定された、前記一のカラオケ装置が設置された店舗に関する情報を、前記他の利用者が所持する携帯端末に通知する通知部とを備えていることを特徴とするサーバ装置。
【請求項3】
前記一の利用者が前記一のカラオケ装置にログインした後、前記他の利用者が前記他のカラオケ装置にログインした場合に、前記店舗特定部は、前記カラオケ装置設置情報、および前記情報取得部により取得された前記他のカラオケ装置の識別情報に基づき、前記他のカラオケ装置が設置された店舗を特定し、前記通知部は、前記店舗特定部により特定された、前記他のカラオケ装置が設置された店舗に関する情報を、前記一の利用者が所持する携帯端末に通知することを特徴とする請求項2に記載のサーバ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカラオケシステムのサーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラオケ歌唱は、複数の者がカラオケ店舗の1つの部屋に集まって行われることが多い。なお、以下、複数の者が集まってカラオケ歌唱を行うことを「カラオケ歌唱のイベントを行う」などというが、そのイベントとは、カラオケ大会のような大規模なイベントに限らず、日常、少数の者が集まってカラオケ歌唱を短時間行うにすぎない極めて小規模なものも含む意味である。
【0003】
また、近時は、スマートフォン等の携帯端末が広く普及しており、カラオケ店舗を訪れる者は、通常、携帯端末を携帯している。また、近時のカラオケ装置は携帯端末と近距離無線通信を行う機能を有している。例えば、カラオケ装置の利用者は、自己が携帯している携帯端末を、カラオケ装置に無線接続されたリモコン装置にかざすことにより、カラオケ装置にログインすることができる。
【0004】
また、下記の特許文献1には、カラオケ歌唱のイベントが企画され、イベントの参加予定者が登録され、その後、イベントが開始されたときに、イベントの参加予定者が不在である場合に、イベントの状況(例えばイベントで歌唱された楽曲、ドリンクのオーダー状況等)を、不在の参加予定者に知らせる機能を有するカラオケシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、複数の者が集まってカラオケ歌唱のイベントを行うに当たり、イベント企画者等が、イベントを行う日時および場所を事前に決定してイベントの参加予定者に事前に知らせている場合には、各イベント参加予定者は、イベントが行われる場所を事前に把握しているため、イベントの開始時に、イベントが行われる場所に行くことができなかったとしても、イベント開始後に、イベントが行われている場所に行き、イベントに遅れて参加することができる。
【0007】
しかしながら、複数の者が集まってカラオケ歌唱のイベントを行うに当たり、複数の者が集合時刻および集合場所のみを互いに事前に約束し、その集合時刻にその集合場所に集まった後、イベントを行うカラオケ店舗をその場で決定し、そのカラオケ店舗に訪れてイベントを行う場合がある。この場合、集合時刻に集合場所に行くことができなかった者は、イベントを行うカラオケ店舗の決定時にその場にいなかったため、イベントが行われているカラオケ店舗を把握していない。それゆえ、その者は、イベントに遅れて参加することができない。
【0008】
この点、集合時刻に集合場所に集まってイベントを行っている者が、集合時刻に集合場所に来ることができなかった者に、イベントを行っているカラオケ店舗に関する情報を携帯電話等で連絡することが考えられる。しかしながら、カラオケ歌唱を楽しんでいる最中、そのような連絡は忘れられることが多い。また、イベントを行うカラオケ店舗を場当たり的に決定した場合には、イベントを行っている者が、イベントを行っているカラオケ店舗に関する情報(例えばその店舗の店舗名や住所等)を正確に把握していないことがある。その場合には、イベントを行っている者から、集合時刻に集合場所に来ることができなかった者へ、イベントが行われているカラオケ店舗に関する情報が正確に連絡されないおそれがある。その場合、集合時刻に集合場所に来ることができなかった者は、連絡を受けたとしても、イベントが行われているカラオケ店舗の場所を正確に把握することができず、そのカラオケ店舗に遅れて行くことができないおそれがある。
【0009】
また、上記特許文献1に記載されたカラオケシステムは、イベントが開始されたときに不在であったイベント参加予定者に、イベントの状況を知らせることができるものの、イベントが行われているカラオケ店舗に関する情報を知らせることはできない。
【0010】
本発明は例えば上述したような問題に鑑みなされたものであり、本発明の課題は、カラオケ歌唱のイベントに遅れて参加する者等に、イベントが行われているカラオケ店舗に関する情報を正確かつ確実に知らせることができるカラオケシステムのサーバ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の第1のサーバ装置は、カラオケ装置および複数の携帯端末と共にカラオケシステムに含まれ、前記カラオケ装置および前記複数の携帯端末のそれぞれと通信可能なサーバ装置であって、前記カラオケ装置が設置された店舗の識別情報と前記カラオケ装置の識別情報とが相互に紐付けられた状態で記録されたカラオケ装置設置情報を記憶する第1の記憶部と、同一のグループに属する複数の利用者がそれぞれ所持する前記複数の携帯端末のそれぞれの識別情報が相互に紐付けられた状態で記録された利用者端末情報を記憶する第2の記憶部と、前記複数の利用者のうちのいずれかの利用者が前記カラオケ装置にログインした場合に、前記いずれかの利用者がログインした前記カラオケ装置の識別情報、および前記カラオケ装置にログインした前記いずれかの利用者が所持する前記携帯端末の識別情報を取得する情報取得部と、前記複数の利用者のうちの一の利用者が前記カラオケ装置にログインした場合に、前記カラオケ装置設置情報、および前記情報取得部により取得された前記カラオケ装置の識別情報に基づき、前記カラオケ装置が設置された店舗を特定する店舗特定部と、前記一の利用者が前記カラオケ装置にログインしてから所定時間以内に前記複数の利用者のうちの他の利用者が前記カラオケ装置にログインしない場合には、前記利用者端末情報、および前記情報取得部により取得された、前記一の利用者が所持する前記携帯端末の識別情報に基づき、前記他の利用者が所持する携帯端末を特定する端末特定部と、前記店舗特定部により特定された店舗に関する情報を、前記端末特定部により特定された携帯端末に通知する通知部とを備えていることを特徴とする。
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の第2のサーバ装置は、複数のカラオケ装置および複数の携帯端末と共にカラオケシステムに含まれ、前記複数のカラオケ装置および前記複数の携帯端末のそれぞれと通信可能なサーバ装置であって、前記カラオケ装置が設置された店舗の識別情報と前記カラオケ装置の識別情報とが相互に紐付けられた状態で記録されたカラオケ装置設置情報を記憶する第1の記憶部と、同一のグループに属する複数の利用者がそれぞれ所持する前記複数の携帯端末のそれぞれの識別情報が相互に紐付けられた状態で記録された利用者端末情報を記憶する第2の記憶部と、前記複数の利用者のうちのいずれかの利用者が前記複数のカラオケ装置のうちのいずれかのカラオケ装置にログインした場合に、前記いずれかの利用者がログインした前記いずれかのカラオケ装置の識別情報、および前記いずれかのカラオケ装置にログインした前記いずれかの利用者が所持する前記携帯端末の識別情報を取得する情報取得部と、前記複数の利用者のうちの一の利用者が前記複数のカラオケ装置のうちの一のカラオケ装置にログインした場合に、前記カラオケ装置設置情報、および前記情報取得部により取得された前記一のカラオケ装置の識別情報に基づき、前記一のカラオケ装置が設置された店舗を特定する店舗特定部と、前記一の利用者が前記一のカラオケ装置にログインした後、前記複数の利用者のうちの他の利用者が前記複数のカラオケ装置のうちの他のカラオケ装置にログインした場合に、前記店舗特定部により特定された、前記一のカラオケ装置が設置された店舗に関する情報を、前記他の利用者が所持する携帯端末に通知する通知部とを備えていることを特徴とする。
【0013】
上記本発明の第2のサーバ装置において、前記一の利用者が前記一のカラオケ装置にログインした後、前記他の利用者が前記他のカラオケ装置にログインした場合に、前記店舗特定部は、前記カラオケ装置設置情報、および前記情報取得部により取得された前記他のカラオケ装置の識別情報に基づき、前記他のカラオケ装置が設置された店舗を特定し、前記通知部は、前記店舗特定部により特定された、前記他のカラオケ装置が設置された店舗に関する情報を、前記一の利用者が所持する携帯端末に通知することとしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、カラオケ歌唱のイベントに遅れて参加する者等に、イベントが行われているカラオケ店舗に関する情報を正確かつ確実に知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1の実施形態のサーバ装置を含むカラオケシステムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態のサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態におけるカラオケ装置設置情報の一例を示す説明図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態における利用者端末情報の一例を示す説明図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態におけるカラオケ装置により実行されるログイン受付処理を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の第1の実施形態におけるサーバ装置により実行される店舗情報通知処理を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の第1の実施形態におけるログイン状況情報の推移を示す説明図である。
【
図8】本発明の第2の実施形態における店舗情報通知処理を示すフローチャートである。
【
図9】本発明の第2の実施形態におけるログイン状況情報を示す説明図である。
【
図10】本発明の第3の実施形態における店舗情報通知処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1の実施形態)
[カラオケシステム]
図1は本発明の第1の実施形態のサーバ装置21を含むカラオケシステム10を示している。
図1に示すように、カラオケシステム10は、複数のカラオケ装置11、複数の携帯端末15、およびサーバ装置21を備えている。サーバ装置21は、複数のカラオケ装置11および複数の携帯端末15のそれぞれと通信路41を介して通信可能に接続されている。通信路41は、例えば、インターネット等のコンピュータネットワーク、および移動体通信ネットワーク等により構成されている。
【0017】
各カラオケ装置11は、利用者にカラオケ歌唱のサービスを提供する装置であり、カラオケ演奏、楽曲の歌詞等のディスプレイへの表示、歌唱採点等を行う機能を有している。また、各カラオケ装置11はサーバ装置21と相互に通信を行う機能を有している。各カラオケ装置11は例えばカラオケ店舗の部屋に設置されている。例えば、複数の部屋を有する複数のカラオケ店舗が各地にあり、各カラオケ店舗の各部屋に1台のカラオケ装置11が設置されている。
【0018】
各カラオケ装置11は、カラオケ装置本体12およびリモコン装置13を備えている。カラオケ装置本体12は、CPU(中央演算処理装置)、楽曲データを含む種々の情報を記憶する記憶装置、通信路41を介して通信を行うための通信回路、カラオケ演奏を行う音源(シンセサイザ)、マイクロフォンから入力された音声を増幅する増幅回路、マイクロフォンから入力された音声および音源から出力された音声をミキシングするミキサー回路、楽曲の字幕を背景映像に重ね合わせてディスプレイに表示する制御を行う画像処理回路等を備えている。各カラオケ装置11のカラオケ装置本体12における記憶装置には、カラオケ装置11の識別情報であるカラオケ装置IDが記憶されている。カラオケ装置IDはカラオケ装置11ごとに異なる固有の情報である。また、カラオケ装置本体12にはマイクロフォン、スピーカおよびディスプレイが接続されている。
【0019】
リモコン装置13は、カラオケ装置本体12を操作するためのリモートコントロール装置である。リモコン装置13は、例えば、タブレットと同等の機能を有する装置であり、ディスプレイおよびタッチパネル等を備えている。また、リモコン装置13は、例えばブルートゥース(登録商標)等の近距離無線通信規格に従って、操作対象であるカラオケ装置本体12と無線通信を行うことができる。利用者は、カラオケ装置本体12から離れた位置でリモコン装置13を操作することにより、カラオケ装置本体12を操作することができる。
【0020】
また、リモコン装置13は、例えばNFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信規格に従って携帯端末15と無線通信を行うことができる。利用者は、後述するように、自己の携帯端末15をリモコン装置13にかざすことにより、カラオケ装置11にログインすることができる。
【0021】
各携帯端末15は、携帯性が高く、メール送受信機能、およびNFC等による情報送信機能を有する端末である。各携帯端末15は、スマートフォン等の携帯電話が典型的であるが、タブレットでもよいし、NFC等により情報送信機能を有していれば、ノート型のパーソナルコンピュータでもよい。各携帯端末15に内蔵された記憶装置には、携帯端末15の識別情報である端末IDが記憶されている。端末IDは携帯端末15ごとに異なる固有の情報である。カラオケシステム10における複数の携帯端末15は、複数の利用者がそれぞれ所持している。各利用者は外出する際、自己の携帯端末15を携帯する。
【0022】
[サーバ装置]
図2はサーバ装置21の構成を示している。サーバ装置21は、例えばサーバコンピュータであり、例えばカラオケシステム10を管理する管理者の事業所等に設置されている。
図2に示すように、サーバ装置21は、制御部22、記憶部23、通信回路24、入力部25および出力部26を備えている。制御部22は、CPU等を有し、サーバ装置21を制御する。記憶部23は、半導体記憶装置または磁気記憶装置等を有し、情報を記憶する。通信回路24は、通信路41と通信を行うための回路である。入力部25は、キーボード、マウス等の入力装置を有する。出力部26は、ディスレイ等の表示装置を有する。なお、記憶部23は、特許請求の範囲に記載された第1の記憶部および第2の記憶部の具体例である。
【0023】
本発明の第1の実施形態のサーバ装置21は、カラオケ歌唱のイベントを実施するグループに属する複数の利用者のうちの一の利用者が、カラオケシステム10が有する複数のカラオケ装置11のうちの一のカラオケ装置11にログインしてから所定時間(ログイン制限時間)以内に、上記グループに属する他の利用者が上記一のカラオケ装置11にログインしない場合に、上記一のカラオケ装置11が設置されたカラオケ店舗および部屋に関する情報を、上記他の利用者が所持する携帯端末15に通知する店舗情報通知機能を有している。
【0024】
この店舗情報通知機能を実現すべく、サーバ装置21の記憶部23には、カラオケ装置設置情報28および利用者端末情報29が記憶されている。
図3はカラオケ装置設置情報28の一例を示している。
図4は利用者端末情報29の一例を示している。
【0025】
カラオケ装置設置情報28は、カラオケ装置11が設置されたカラオケ店舗の識別情報とカラオケ装置11の識別情報とが相互に紐付けられた状態で記録された情報である。具体的には、
図3に示すように、カラオケ装置設置情報28には、カラオケ装置11の識別情報としてのカラオケ装置ID、およびカラオケ店舗の識別情報としての店舗IDが含まれている。店舗IDはカラオケ店舗ごとに異なる固有の情報である。さらに、カラオケ装置設置情報28には、カラオケ店舗の店舗名および店舗住所、並びにカラオケ店舗に設けられた部屋の部屋番号が含まれている。カラオケ装置設置情報28において、カラオケ装置11のカラオケ装置ID、当該カラオケ装置11が設置されたカラオケ店舗の店舗ID、当該カラオケ装置11が設置されたカラオケ店舗の店舗名、当該カラオケ装置11が設置されたカラオケ店舗の店舗住所、および当該カラオケ装置11が設置された店舗の部屋の部屋番号が相互に紐付けられている。カラオケ装置設置情報28は、例えば、カラオケシステム10の構築時にサーバ装置21の記憶部23に記憶され、新店舗が追加されたとき等、カラオケシステム10の構成の変更時に更新される。
【0026】
利用者端末情報29は、同一のグループに属する複数の利用者がそれぞれ所持する複数の携帯端末15のそれぞれの識別情報が相互に紐付けられた状態で記録された情報である。具体的には、
図4に示すように、利用者端末情報29には、携帯端末15の識別情報としての端末ID、携帯端末15の通信アドレスとしてのメールアドレス、およびグループの識別情報としてのグループIDが含まれている。例えば、5人の利用者A~Eが同一のグループ1に属している場合、利用者A~Eがそれぞれ所持する5台の携帯端末15の端末IDおよびメールアドレスと、グループ1のグループIDとがそれぞれ相互に紐付けられて利用者端末情報29中に記録される。また、例えば3人の利用者F~Hが同一のグループ2に属している場合には、利用者F~Hがそれぞれ所持する3台の携帯端末15の端末IDおよびメールアドレスと、グループ2のグループIDとがそれぞれ相互に紐付けられて利用者端末情報29中に記録される。利用者端末情報29は、例えば、利用者の申請に基づいて、サーバ装置21の記憶部23に登録(記憶)される。例えば、利用者が利用しているSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)において作成された利用者のグループの情報を、利用者端末情報29として用いることができる。
【0027】
また、
図2に示すように、サーバ装置21の制御部22は、例えば記憶部23に記憶されたコンピュータプログラムを読み込んで実行することにより、情報取得部31、ログイン処理部32、店舗特定部33、通知先特定部34および通知部35として機能する。
【0028】
情報取得部31は、利用者がカラオケ装置11にログインした場合に、当該利用者がログインしたカラオケ装置11のカラオケ装置ID、および当該利用者が所持する携帯端末15の端末IDを、当該利用者がログインしたカラオケ装置11から取得する。
【0029】
ログイン処理部32は、記憶部23に記憶された利用者端末情報29、並びに情報取得部31により受信されたカラオケ装置IDおよび端末IDに基づいて、各利用者の各カラオケ装置11へのログイン状況を認識する。具体的には、ログイン処理部32は、各利用者の各カラオケ装置11へのログイン状況を示すログイン状況情報を生成し、生成したログイン状況情報を記憶部23に記憶する。また、ログイン処理部32は、同一グループに属する複数の利用者のうちの一の利用者が一のカラオケ装置11にログインしてから所定時間以内に、同一グループに属する複数の利用者のうちの他の利用者が一のカラオケ装置11にログインしたか否かの判断等を行う。
【0030】
店舗特定部33は、記憶部23に記憶されたカラオケ装置設置情報28、および情報取得部31により受信されたカラオケ装置IDに基づき、利用者がログインしたカラオケ装置11が設置されたカラオケ店舗および部屋番号を特定する。
【0031】
通知先特定部34は、記憶部23に記憶された利用者端末情報29、および情報取得部31により受信された、利用者が所持する携帯端末15の端末IDに基づき、当該利用者が所持する携帯端末15のメールアドレス、または当該利用者が属するグループに属する他の利用者が所持する携帯端末15のメールアドレスを特定する。なお、ログイン処理部32および通知先特定部34は特許請求の範囲に記載された端末特定部の具体例である。
【0032】
通知部35は、店舗特定部33により特定されたカラオケ店舗の店舗名および住所、並びに部屋番号を、通知先特定部34により特定されたメールアドレスに送信する。
【0033】
[カラオケ装置におけるログイン受付処理]
図5は、利用者がカラオケ装置11にログインする際に、カラオケ装置11が実行するログイン受付処理を示している。通常、各カラオケ装置11は、稼働中、
図5に示すログイン受付処理を常時繰り返し実行している。
【0034】
図5に示すログイン受付処理において、カラオケ装置11は、利用者によるログイン操作が行われたか否かを監視している(ステップS1)。ログイン操作とは、利用者がカラオケ装置11のリモコン装置13の所定の部分(例えば、リモコン装置13のパネルにおいてNFCリーダーが配置されている部分)に、自己の携帯端末15をかざすことである。利用者がログイン操作を行うと、利用者の携帯端末15とリモコン装置13との間において通信が確立され、利用者の携帯端末15の端末IDが当該携帯端末15からリモコン装置13へ送信される。
【0035】
利用者によるログイン操作が行われたとき(ステップS1:YES)、カラオケ装置11は、当該利用者の携帯端末15から送信された端末IDを受信し、当該利用者をカラオケ装置11にログインさせると共に、受信した端末ID、および当該カラオケ装置11のカラオケ装置IDをサーバ装置21へ送信する(ステップS2)。
【0036】
[サーバ装置における店舗情報通知処理]
図6は、上述したサーバ装置21の店舗情報通知機能を実現するために、サーバ装置21の制御部22が実行する店舗情報通知処理を示している。通常、サーバ装置21の制御部22は、稼働中、
図6に示す店舗情報通知処理を常時繰り返し実行している。
【0037】
図6に示す店舗情報通知処理において、サーバ装置21の情報取得部31は、カラオケシステム10における複数のカラオケ装置11のうちのいずれかのカラオケ装置11から端末IDおよびカラオケ装置IDが送信されるのを待っている。カラオケシステム10における複数のカラオケ装置11のうちのいずれかのカラオケ装置11に利用者がログインし、これに応じ、当該カラオケ装置11が、ログインした利用者の携帯端末15の端末IDおよび当該カラオケ装置11のカラオケ装置IDをサーバ装置21へ送信したとき、情報取得部31は、これら端末IDおよびカラオケ装置IDを受信する(ステップS11)。
【0038】
続いて、サーバ装置21のログイン処理部32が、記憶部23に記憶された利用者端末情報29、並びにステップS11において情報取得部31により受信された端末IDおよびカラオケ装置IDに基づいて、カラオケ装置11にログインした利用者が、一のグループに属する複数の利用者のうち、当該カラオケ装置11にログインした最初の利用者であるか否かを判断する(ステップS12)。以下、一のグループに属する複数の利用者のうち、カラオケシステム10が有するいずれかのカラオケ装置11に最初にログインした利用者を「最初のログイン利用者」という。
【0039】
カラオケ装置11にログインした利用者が、当該カラオケ装置11にログインした最初のログイン利用者である場合には(ステップS12:YES)、ログイン処理部32は、記憶部23に記憶された利用者端末情報29を参照しつつ、当該利用者が属する一のグループについてのログイン状況情報を生成し、そのログイン状況情報中に、一のグループに属する一の利用者がカラオケ装置11にログインしたことを記録する(ステップS13)。
【0040】
例えば、グループ1に属する5人の利用者A~Eのうち、利用者Aがカラオケ装置11にログインしたとき、利用者Aの携帯端末15の端末IDおよび当該カラオケ装置11のカラオケ装置IDが当該カラオケ装置11から送信され、サーバ装置21の情報取得部31はそれら端末IDおよびカラオケ装置IDを受信する。この段階で、利用者B~Eが、当該カラオケ装置11にログインしていない場合(例えば、利用者Aが属するグループ1についてのログイン状況情報が記憶部23に存在しない場合)、サーバ装置21のログイン処理部32は、利用者Aが当該カラオケ装置11にログインした最初のログイン利用者であると判断する。続いて、ログイン処理部32は、記憶部23に記憶された利用者端末情報29、および情報取得部31により受信された利用者Aの携帯端末15の端末IDに基づいて、利用者Aが属するグループ1のグループID、およびグループ1に属する利用者A~Eの携帯端末15の端末IDを認識し、利用者Aが属するグループ1のグループIDと、グループ1に属する利用者A~Eの携帯端末15の端末IDとを相互に紐付けることによって、利用者Aが属するグループ1についてのログイン状況情報を生成する。そして、ログイン処理部32は、そのログイン状況情報中に、利用者Aがログインしたカラオケ装置11のカラオケ装置IDを、利用者Aの携帯端末15の端末IDと紐付けて記録する。
【0041】
ここで、
図7(A)はこのログイン状況情報の一例を示している。
図7(A)に示すログイン状況情報において、「G001」はグループ1のグループIDであり、「PPPP」、「QQQQ」、「RRRR」、「SSSS」および「TTTT]はそれぞれ、グループ1に属する利用者A~Eの携帯端末15の端末IDである(
図4参照)。また、
図7(A)に示すログイン状況情報において、利用者Aの携帯端末15の端末ID「PPPP」に紐付けられて記録された「K001」は、利用者Aがログインしたカラオケ装置11のカラオケ装置IDである。また、
図7(A)に示すログイン状況情報において、「未取得」は、利用者B~Eのそれぞれがカラオケシステム10におけるいずれのカラオケ装置11にもログインしていないことを示している。
【0042】
続いて、情報取得部31は、最初のログイン利用者がログインしたカラオケ装置11から端末IDおよびカラオケ装置IDが再び送信されるのを待つ。最初のログイン利用者がログインしたカラオケ装置11に他の利用者がログインし、これに応じ、当該カラオケ装置11が、ログインした当該他の利用者の携帯端末15の端末IDおよび当該カラオケ装置11のカラオケ装置IDをサーバ装置21へ送信したとき、情報取得部31は、これら端末IDおよびカラオケ装置IDを受信する(ステップS14)。
【0043】
続いて、ログイン処理部32は、記憶部23に記憶された利用者端末情報29、並びにステップS14において情報取得部31により受信された端末IDおよびカラオケ装置IDに基づいて、最初のログイン利用者がログインしたカラオケ装置11にログインした上記他の利用者が、最初のログイン利用者が属するグループに属する利用者であるか否かを判断する(ステップS15)。
【0044】
最初のログイン利用者がログインしたカラオケ装置11にログインした上記他の利用者が、最初のログイン利用者が属するグループに属する他の利用者である場合には(ステップS15:YES)、ログイン処理部32は、ステップS13で生成したログイン状況情報中に、最初のログイン利用者が属するグループに属する他の利用者が、最初のログイン利用者がログインしたカラオケ装置11にログインしたことを記録する(ステップS16)。
【0045】
例えば、グループ1に属する利用者A~Eのうち、利用者Aが最初にログインし、その直後に利用者Bが、利用者Aがログインしたカラオケ装置11にログインした場合には、
図7(B)に示すように、利用者Aがログインしたカラオケ装置11のカラオケ装置ID「K001」が、利用者Bの携帯端末15の端末ID「QQQQ」に紐付けられてログイン状況情報中に記録される。
【0046】
続いて、ログイン処理部32は、ログイン状況情報に基づき、最初のログイン利用者が属するグループに属するすべての利用者が、最初のログイン利用者がログインしたカラオケ装置11にログインしたか否かを判断する(ステップS17)。そして、最初のログイン利用者が属するグループに属するいずれかの利用者が、最初のログイン利用者がログインしたカラオケ装置11にログインしていない場合(ステップS17:NO)、サーバ装置21の制御部22は処理をステップS14に戻す。一方、最初のログイン利用者が属するグループに属するすべての利用者が、最初のログイン利用者がログインしたカラオケ装置11にログインした場合(ステップS17:YES)、当該グループについての店舗情報通知処理は終了する。例えば、グループ1に属する利用者A~Eの全員が当該一のカラオケ装置11にログインした場合、グループ1についての店舗情報通知処理は終了する。
【0047】
一方、店舗情報通知処理において、最初のログイン利用者が属するグループに属するいずれかの利用者が、最初のログイン利用者がログインしたカラオケ装置11にログインしておらず、かつ最初のログイン利用者が当該カラオケ装置11にログインしてから所定のログイン制限時間が経過した場合、すなわち、最初のログイン利用者がカラオケ装置11にログインしてからログイン制限時間以内に当該カラオケ装置11にログインしていない利用者が、最初のログイン利用者が属するグループ中に存在する場合には(ステップS14:NO、ステップS18:YES、またはステップS15:NO、ステップS18:YES)、サーバ装置21の店舗特定部33が、記憶部23に記憶されたカラオケ装置設置情報28、およびステップS11において情報取得部31により受信されたカラオケ装置IDに基づいて、最初のログイン利用者がログインしたカラオケ装置11が設置されているカラオケ店舗および部屋を特定する(ステップS19)。以下、最初のログイン利用者が属するグループに属し、最初のログイン利用者がカラオケ装置11にログインしてからログイン制限時間以内に当該カラオケ装置11にログインしていない利用者を「未ログイン利用者」という。また、上記ログイン制限時間は、複数の利用者が1つのカラオケ店舗の1つの部屋に集まってカラオケ歌唱を行うに当たり、これらの利用者の全員が当該部屋に設置されたカラオケ装置にログインするのにかかる一般的な時間以上に設定する。このような観点から、ログイン制限時間は例えば10分程度に設定することが好ましい。
【0048】
続いて、サーバ装置21の通知先特定部34が、記憶部23に記憶されたログイン状況情報、および記憶部23に記憶された利用者端末情報29、並びにステップS11において情報取得部31により受信された端末IDに基づいて、未ログイン利用者の携帯端末15のメールアドレスを特定する(ステップS20)。
【0049】
続いて、サーバ装置21の通知部35が、ステップS19で特定されたカラオケ店舗の店舗名および住所、並びに部屋番号を記載した電子メールを、ステップS20で特定されたメールアドレスに送信する(ステップS21)。すなわち、通知部35は、最初のログイン利用者がログインしたカラオケ装置11が設置されたカラオケ店舗の店舗名および住所、並びに部屋番号を、未ログイン利用者の携帯端末15へ電子メールで通知する。通知を終えた後、グループ1についての店舗情報通知処理は終了する。
【0050】
例えば、グループ1に属する利用者A~Eのうち、利用者Aが、カラオケ装置ID「K001」のカラオケ装置11に最初にログインし、そして、利用者Aが当該カラオケ装置11にログインしてからログイン制限時間以内に、利用者B~Dが当該カラオケ装置11に順次ログインしたが、利用者Eが当該カラオケ装置11にログインしなかった場合、店舗特定部33は、記憶部23に記憶されたカラオケ装置設置情報28(
図3参照)を参照し、ステップS11において情報取得部31により受信されたカラオケ装置ID「K001」に紐付けられた店舗ID「F001」および部屋番号「01」を特定する。続いて、通知先特定部34は、記憶部23に記憶されたログイン状況情報を参照し、未ログイン利用者の携帯端末15の端末IDを特定する。すなわち、グループ1に属する利用者A~Eのうち、利用者A~Dがカラオケ装置ID「K001」のカラオケ装置11にログインし、利用者Eが当該カラオケ装置11にログインしていない場合、ログイン状況情報は
図7(C)に示す状態となっている。通知先特定部34は、このログイン状況情報を参照し、未ログイン利用者である利用者Eの携帯端末15の端末IDを認識する。続いて、通知先特定部34は、記憶部23に記憶された利用者端末情報29(
図4参照)を参照し、未ログイン利用者である利用者Eの携帯端末15の端末IDに紐付けられたメールアドレス「eee@eee.eee」を特定する。続いて、通知部35は、カラオケ装置設置情報28を参照し、店舗特定部33により特定された店舗ID「F001」に紐付けられた店舗名および店舗住所、並びに店舗特定部33により特定された部屋番号「01」を記載した電子メールを、通知先特定部34により特定されたメールアドレス「eee@eee.eee」に送信する。
【0051】
なお、例えばグループ1の利用者Aがカラオケ装置ID「K001」のカラオケ装置11にログインし、これと同時期に、グループ2の利用者F(
図4参照)がカラオケ装置「K002」のカラオケ装置11にログインした場合、サーバ装置21は、グループ1についての店舗情報通知処理と、グループ2についての店舗情報通知処理とを並行して実行する。すなわち、グループ1の利用者Aがカラオケ装置ID「K001」のカラオケ装置11にログインした場合、サーバ装置21は、ステップS11で、利用者Aの携帯端末15の端末IDと当該カラオケ装置11のカラオケ装置IDを当該カラオケ装置11から受信し、ステップS12で、利用者Aが最初のログイン利用者であると判断し、ステップS13で、グループ1についてのログイン状況情報を生成した後、ステップS14~S21の処理を、グループ1に属する利用者B~Eに対して実行する。そして、サーバ装置21がグループ1に属する利用者B~Eに対してステップS14~S21の処理を実行している間に、グループ2の利用者Fがカラオケ装置ID「K002」のカラオケ装置11にログインした場合には、サーバ装置21は、グループ1に属する利用者B~Eに対してステップS14~S21の処理と並行して、利用者Fに対してステップS11~S13の処理を実行し、続いて、グループ2に属する利用者GおよびHに対してステップS14~S21の処理を実行する。
【0052】
以上説明した通り、本発明の第1の実施形態のサーバ装置21は、カラオケ歌唱のイベントを実施するグループに属する複数の利用者のうちの一の利用者が、カラオケシステム10が有する複数のカラオケ装置11のうちの一のカラオケ装置11にログインしてからログイン制限時間以内に、上記グループに属する他の利用者が上記一のカラオケ装置11にログインしない場合に、上記一のカラオケ装置11が設置されたカラオケ店舗の店舗名および店舗住所、並びに部屋番号を、上記他の利用者が所持する携帯端末15に通知する。これにより、イベントに遅れて参加する利用者に、イベントが行われているカラオケ店舗、カラオケ店舗の場所および部屋番号を確実にかつ正確に知らせることができる。したがって、イベントが行われるカラオケ店舗が場当たり的に決定されたために、イベントに遅れて参加する利用者が、イベントが行われているカラオケ店舗、カラオケ店舗の場所または部屋を知らない場合でも、イベントに遅れて参加する利用者は、サーバ装置21からの通知に基づいて、イベントが行われているカラオケ店舗、カラオケ店舗の場所および部屋を確実に知ることができる。また、通知には、イベントが行われているカラオケ店舗の正確な店舗名および正確な店舗住所が含まれているので、イベントに遅れて参加する利用者は、イベントが行われているカラオケ店舗およびカラオケ店舗の場所を正確に把握することができる。
【0053】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態のサーバ装置21は、カラオケ歌唱のイベントを実施するグループに属する複数の利用者のうちの一の利用者が、カラオケシステム10が有する複数のカラオケ装置11のうちの一のカラオケ装置11にログインした後に、上記グループに属する他の利用者が、カラオケシステム10が有する複数のカラオケ装置11のうちの他のカラオケ装置11にログインした場合に、上記一のカラオケ装置11が設置されたカラオケ店舗および部屋に関する情報を、上記他の利用者が所持する携帯端末15に通知する店舗情報通知機能を有している。
【0054】
なお、第2の実施形態において、店舗情報通知機能の内容については第1の実施形態と異なるが、カラオケシステムの全体構成(
図1)、サーバ装置のハードウェア構成(
図2)、カラオケ装置設置情報の構成(
図3)、利用者端末情報の構成(
図4)、ログイン受付処理の内容(
図5)については第1の実施形態と同じである。以下の第2の実施形態の説明において、第1の実施形態と同一の構成要素には第1の実施形態におけるものと同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0055】
図8は第2の実施形態のサーバ装置21における店舗情報通知処理を示している。通常、サーバ装置21の制御部22は、稼働中、
図8に示す店舗情報通知処理を常時繰り返し実行している。
【0056】
図8に示す店舗情報通知処理において、利用者がカラオケシステム10におけるいずれかのカラオケ装置11にログインし、これに応じ、当該カラオケ装置11が、ログインした利用者の携帯端末15の端末IDおよび当該カラオケ装置11のカラオケ装置IDをサーバ装置21へ送信したとき、サーバ装置21の情報取得部31は、これら端末IDおよびカラオケ装置IDを受信する(ステップS31)。
【0057】
続いて、サーバ装置21のログイン処理部32が、利用者端末情報29、並びにステップS31において情報取得部31により受信された端末IDおよびカラオケ装置ID等に基づいて、カラオケ装置11にログインした利用者が、一のグループに属する複数の利用者のうち、当該カラオケ装置11にログインした最初の利用者、すなわち、最初のログイン利用者であるか否かを判断する(ステップS32)。
【0058】
カラオケ装置11にログインした利用者が、当該カラオケ装置11にログインした最初のログイン利用者である場合には(ステップS32:YES)、ログイン処理部32は、当該最初のログイン利用者が属するグループについてのログイン状況情報を生成し、そのログイン状況情報中に、当該グループに属する複数の利用者のうちの一の利用者がカラオケ装置11にログインしたことを記録する(ステップS33)。
【0059】
続いて、情報取得部31は、カラオケシステム10におけるいずれかのカラオケ装置11から端末IDおよびカラオケ装置IDが再び送信されるのを待つ。他の利用者がいずれかのカラオケ装置11にログインし、これに応じ、当該カラオケ装置11が、ログインした当該他の利用者の携帯端末15の端末IDおよび当該カラオケ装置11のカラオケ装置IDをサーバ装置21へ送信したとき、情報取得部31は、これら端末IDおよびカラオケ装置IDを受信する(ステップS34)。なお、第1の実施形態の店舗情報通知処理では、
図6中のステップS14において、最初のログイン利用者がログインしたカラオケ装置11から送信された端末IDおよびカラオケ装置IDが受信される。これに対し、第2の実施形態の店舗情報通知処理におけるステップS34では、カラオケシステム10におけるいずれかのカラオケ装置11から送信された端末IDおよびカラオケ装置IDが受信される。
【0060】
続いて、ログイン処理部32は、記憶部23に記憶された利用者端末情報29、並びにステップS34において情報取得部31により受信された端末IDおよびカラオケ装置IDに基づいて、いずれかのカラオケ装置11にログインした上記他の利用者が、最初のログイン利用者が属するグループに属する利用者であるか否かを判断する(ステップS35)。
【0061】
いずれかのカラオケ装置11にログインした上記他の利用者が、最初のログイン利用者が属するグループに属する他の利用者である場合には(ステップS35:YES)、ログイン処理部32は、ステップS33で生成したログイン状況情報中に、最初のログイン利用者が属するグループに属する他の利用者がカラオケ装置11にログインしたことを記録する(ステップS36)。
【0062】
続いて、ログイン処理部32は、ステップS31において情報取得部31が受信したカラオケ装置ID、およびステップS34において情報取得部31が受信したカラオケ装置IDに基づいて、最初のログイン利用者が属するグループに属する上記他の利用者がログインしたカラオケ装置11が、最初のログイン利用者がログインしたカラオケ装置11と同一であるか否かを判断する(ステップS37)。
【0063】
最初のログイン利用者が属するグループに属する上記他の利用者がログインしたカラオケ装置11が、最初のログイン利用者がログインしたカラオケ装置11と同一である場合には(ステップS37:YES)、続いて、ログイン処理部32は、ログイン状況情報に基づき、最初のログイン利用者が属するグループに属するすべての利用者が、最初のログイン利用者がログインしたカラオケ装置11にログインしたか否かを判断する(ステップS38)。そして、最初のログイン利用者が属するグループに属するいずれかの利用者が、最初のログイン利用者がログインしたカラオケ装置11にログインしていない場合(ステップS38:NO)、サーバ装置21の制御部22は処理をステップS34に戻す。一方、最初のログイン利用者が属するグループに属するすべての利用者が、最初のログイン利用者がログインしたカラオケ装置11にログインした場合(ステップS38:YES)、当該グループについての店舗情報通知処理は終了する。
【0064】
一方、本実施形態の店舗情報通知処理のステップS37において、最初のログイン利用者が属するグループに属する上記他の利用者がログインしたカラオケ装置11が、最初のログイン利用者がログインしたカラオケ装置11と異なる場合には(ステップS37:NO)、サーバ装置21の店舗特定部33が、記憶部23に記憶されたカラオケ装置設置情報28、およびステップS31において情報取得部31により受信されたカラオケ装置IDに基づいて、最初のログイン利用者がログインしたカラオケ装置11が設置されているカラオケ店舗および部屋を特定する(ステップS39)。以下、最初のログイン利用者が属するグループに属し、かつ最初のログイン利用者がログインしたカラオケ装置11と異なるカラオケ装置11にログインした利用者を「異装置ログイン利用者」という。
【0065】
続いて、サーバ装置21の通知先特定部34が、ログイン状況情報、および記憶部23に記憶された利用者端末情報29、並びにステップS34において情報取得部31により受信された端末IDに基づいて、異装置ログイン利用者の携帯端末15のメールアドレスを特定する(ステップS40)。
【0066】
続いて、サーバ装置21の通知部35が、ステップS39で特定されたカラオケ店舗の店舗名および住所、並びに部屋番号を記載した電子メールを、ステップS40で特定されたメールアドレスに送信する(ステップS41)。すなわち、通知部35は、最初のログイン利用者がログインしたカラオケ装置11が設置されたカラオケ店舗の店舗名および住所、並びに部屋番号を、異装置ログイン利用者の携帯端末15へ電子メールを用いて通知する。通知を終えた後、グループ1についての店舗情報通知処理は終了する。
【0067】
例えば、グループ1に属する5人の利用者A~Eのうち、利用者Aが、カラオケ装置ID「K001」のカラオケ装置11に最初にログインし、その後、利用者B~Dが当該カラオケ装置11に順次ログインしたが、そのとき、その場に利用者Eがおらず、その後、利用者Eが、カラオケ装置ID「K001」のカラオケ装置11とは別のカラオケ店舗または別の部屋に設置されているカラオケ装置ID「K099」のカラオケ装置11にログインした場合、店舗特定部33は、記憶部23に記憶されたカラオケ装置設置情報28(
図3参照)を参照し、ステップS31において情報取得部31により受信されたカラオケ装置ID「K001」に紐付けられた店舗ID「F001」および部屋番号「01」を特定する。続いて、通知先特定部34は、記憶部23に記憶されたログイン状況情報を参照し、異装置ログイン利用者の携帯端末15の端末IDを特定する。すなわち、グループ1に属する利用者A~Eのうち、利用者A~Dがカラオケ装置ID「K001」のカラオケ装置11にログインし、利用者Eがカラオケ装置ID「K099」のカラオケ装置11にログインした場合、ログイン状況情報は
図9に示す状態となっている。通知先特定部34は、このログイン状況情報を参照し、異装置ログイン利用者である利用者Eの携帯端末15の端末IDを認識する。続いて、通知先特定部34は、記憶部23に記憶された利用者端末情報29(
図4参照)を参照し、異装置ログイン利用者である利用者Eの携帯端末15の端末IDに紐付けられたメールアドレス「eee@eee.eee」を特定する。続いて、通知部35は、カラオケ装置設置情報28を参照し、店舗特定部33により特定された店舗ID「F001」に紐付けられた店舗名および店舗住所、並びに店舗特定部33により特定された部屋番号「01」を記載した電子メールを、通知先特定部34により特定されたメールアドレス「eee@eee.eee」に送信する。
【0068】
一方、最初のログイン利用者が属するグループに属するいずれかの利用者が、最初のログイン利用者がログインしたカラオケ装置11にログインしていない状態が継続し、その後、イベントが終了し、当該最初のログイン利用者が当該カラオケ装置11からログオフしたとき、当該グループについての店舗情報通知処理は終了する(ステップS34:NO、ステップS42:YES、またはステップS35:NO、ステップS42:YES)。
【0069】
このように、本発明の第2の実施形態のサーバ装置21は、カラオケ歌唱のイベントを実施するグループに属する複数の利用者のうちの一の利用者が、カラオケシステム10が有する複数のカラオケ装置11のうちの一のカラオケ装置11にログインした後に、上記グループに属する他の利用者が、カラオケシステム10が有する複数のカラオケ装置11のうちの他のカラオケ装置11にログインした場合に、上記一のカラオケ装置11が設置されたカラオケ店舗および部屋に関する情報を、上記他の利用者が所持する携帯端末15に速やかに通知する。これにより、イベントが行われているカラオケ店舗とは異なるカラオケ店舗、またはイベントが行われている部屋とは異なる部屋へ誤って訪れてしまった利用者に、イベントが行われているカラオケ店舗、カラオケ店舗の場所および部屋番号を速やかに、確実にかつ正確に知らせることができる。また、イベントが行われるカラオケ店舗または部屋が変更され、その旨の連絡を受け損なった利用者に、イベントが行われている変更後のカラオケ店舗、その場所および部屋番号を速やかに、確実にかつ正確に知らせることができる。
【0070】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態のサーバ装置21は、カラオケ歌唱のイベントを実施するグループに属する複数の利用者のうちの一の利用者が、カラオケシステム10が有する複数のカラオケ装置11のうちの一のカラオケ装置11にログインした後に、上記グループに属する他の利用者が、カラオケシステム10が有する複数のカラオケ装置11のうちの他のカラオケ装置11にログインした場合に、上記他のカラオケ装置11が設置されたカラオケ店舗および部屋に関する情報を、上記一の利用者が所持する携帯端末15に通知すると共に、上記一のカラオケ装置11が設置されたカラオケ店舗および部屋に関する情報を、上記他の利用者が所持する携帯端末15に通知する店舗情報通知機能を有している。
【0071】
図10は第3の実施形態のサーバ装置21における店舗情報通知処理を示している。
図10に示す第3の実施形態の店舗情報通知処理は、
図8に示す第2の実施形態の店舗情報通知処理にステップS51~S53を追加したものである。すなわち、
図10に示す第3の実施形態の店舗情報通知処理におけるステップS51~S53以外の処理は、
図8に示す第2の実施形態の店舗情報通知処理におけるものと同じである。それゆえ、
図10において、
図8と同一内容のステップには
図8におけるものと同一の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
【0072】
図10中のステップS37において、最初のログイン利用者が属するグループに属する他の利用者がログインしたカラオケ装置11が、最初のログイン利用者がログインしたカラオケ装置11と異なる場合、すなわち、最初のログイン利用者が属するグループに属する他の利用者が異装置ログイン利用者である場合には(ステップS37:NO)、サーバ装置21の店舗特定部33が、記憶部23に記憶されたカラオケ装置設置情報28、およびステップS34において情報取得部31により受信されたカラオケ装置IDに基づいて、異装置ログイン利用者がログインしたカラオケ装置が設置されているカラオケ店舗および部屋を特定する(ステップS51)。
【0073】
続いて、サーバ装置21の通知先特定部34が、ログイン状況情報および利用者端末情報29、並びにステップS31において情報取得部31により受信された端末IDに基づいて、最初のログイン利用者の携帯端末15のメールアドレスを特定する(ステップS52)。
【0074】
続いて、サーバ装置21の通知部35が、ステップS51で特定されたカラオケ店舗の店舗名および住所、並びに部屋番号を記載した電子メールを、ステップS52で特定されたメールアドレスに送信する(ステップS53)。すなわち、通知部35は、異装置ログイン利用者がログインしたカラオケ装置11が設置されたカラオケ店舗の店舗名および住所、並びに部屋番号を、最初のログイン利用者の携帯端末15へ通知する。
【0075】
続いて、第2の実施形態の店舗情報通知処理と同様に、店舗特定部33が、最初のログイン利用者がログインしたカラオケ装置が設置されているカラオケ店舗および部屋を特定し、通知先特定部34が、異装置ログイン利用者の携帯端末15のメールアドレスを特定し、通知部35が、最初のログイン利用者がログインしたカラオケ装置11が設置されたカラオケ店舗の店舗名および住所、並びに部屋番号を記載した電子メールを、異装置ログイン利用者の携帯端末15へ通知する(
図10中のステップS39~S41)。
【0076】
このように、本発明の第3の実施形態のサーバ装置21は、カラオケ歌唱のイベントを実施するグループに属する複数の利用者のうちの一の利用者が、カラオケシステム10が有する複数のカラオケ装置11のうちの一のカラオケ装置11にログインした後に、上記グループに属する他の利用者が、カラオケシステム10が有する複数のカラオケ装置11のうちの他のカラオケ装置11にログインした場合に、上記他のカラオケ装置11が設置されたカラオケ店舗および部屋に関する情報を、上記一の利用者が所持する携帯端末15に通知する。これにより、一のグループに属し、イベントに参加している一の利用者は、当該一のグループに属し、イベントに参加していない他の利用者の現在の居場所を把握することができる。よって、一の利用者は、例えば同一グループに属する他の利用者が同じ店舗の他の部屋におり、自分らがいる部屋にすぐ来ることができるのか、それとも、当該他の利用者が、離れた他の店舗におり、自分らがいる店舗に来るのにしばらく時間がかかるのか、といったことを把握することができる。
【0077】
なお、上記各実施形態では、利用者がカラオケ装置11にログインする方法として、携帯端末15が有するNFC等の近距離無線通信を利用する方法を例にあげたが、利用者がカラオケ装置11にログインする方法はこれに限らない。利用者がカラオケ装置11にログインしたときに、ログインした利用者の携帯端末15の識別情報をサーバ装置21が認識することができれば、利用者がカラオケ装置11にログインする方法として他の方法を用いてもよい。例えば、利用者がカラオケ装置と携帯端末との間でブルートゥース等によるペアリングを形成し、携帯端末に利用者の識別情報等を入力してログインする方法を採用してもよい。この場合には、ペアリングが形成された携帯端末の識別情報をカラオケ装置が取得し、その携帯端末の識別情報をカラオケ装置からサーバ装置へ送信するようにしてもよいし、ペアリングが形成された後に利用者により入力された利用者の識別情報をカラオケ装置からサーバ装置へ送信し、サーバ装置においてその利用者の識別情報に対応する携帯端末の識別情報を、サーバ装置に事前に記憶された利用者および携帯端末の登録情報に基づいて特定するようにしてもよい。
【0078】
また、カラオケ装置11の識別情報はカラオケ装置IDに限らず、カラオケ装置11に記憶された他の固有の情報でもよい。また、カラオケ店舗の識別情報は店舗IDに限らず、店舗名、店舗住所等、カラオケ店舗に付された他の固有の情報でもよい。また、携帯端末15の識別情報は端末IDに限らず、携帯端末15に記憶された他の固有の情報でもよい。例えば、携帯端末15の識別情報をその携帯端末15に設定されたメールアドレスまたは電話番号としてもよい。
【0079】
また、上記実施形態では、未ログイン利用者、異装置ログイン利用者または最初のログイン利用者の携帯端末のメールアドレスを特定し、特定したメールアドレスにカラオケ店舗に関する情報等を記載した電子メールを送信する場合を例にあげたが、本発明はこれに限らない。携帯端末に設定された他の通信アドレスを特定し、特定した通信アドレスにカラオケ店舗に関する情報等を送信するようにしてもよい。例えば、携帯端末の電話番号を特定し、特定した電話番号にカラオケ店舗に関する情報等を記載したショートメッセージを送信するようにしてもよい。
【0080】
また、未ログイン利用者、異装置ログイン利用者または最初のログイン利用者の携帯端末に送信するカラオケ店舗に関する情報は、店舗名および店舗住所に限らず、例えば、カラオケ店舗の位置を示した地図情報や、地図上におけるカラオケ店舗の位置座標情報でもよい。
【0081】
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うサーバ装置もまた本発明の技術思想に含まれる。
【符号の説明】
【0082】
10 カラオケシステム
11 カラオケ装置
15 携帯端末
21 サーバ装置
22 制御部
23 記憶部(第1の記憶部、第2の記憶部)
28 カラオケ装置設置情報
29 利用者端末情報
31 情報取得部
32 ログイン処理部(端末特定部)
33 店舗特定部
34 通知先特定部(端末特定部)
35 通知部