IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 福城 遊の特許一覧

<>
  • 特許-バランスボード運動具 図1
  • 特許-バランスボード運動具 図2
  • 特許-バランスボード運動具 図3
  • 特許-バランスボード運動具 図4
  • 特許-バランスボード運動具 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】バランスボード運動具
(51)【国際特許分類】
   A63B 22/16 20060101AFI20240122BHJP
【FI】
A63B22/16
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023143369
(22)【出願日】2023-09-05
【審査請求日】2023-09-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523337971
【氏名又は名称】福城 遊
(74)【代理人】
【識別番号】110001885
【氏名又は名称】弁理士法人IPRコンサルタント
(72)【発明者】
【氏名】福城 遊
【審査官】三田村 陽平
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-239790(JP,A)
【文献】特開2005-013300(JP,A)
【文献】登録実用新案第3232261(JP,U)
【文献】特開2020-114297(JP,A)
【文献】特開2008-220738(JP,A)
【文献】特開2006-247035(JP,A)
【文献】特表2020-513293(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0288866(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0148865(US,A1)
【文献】米国特許第5292296(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 1/00-26/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
略平面状の上面部と、
前記上面部の下方に突出するように設けられた略球状部と、
を有する一対の右側ディスク及び左側ディスクを含み、
前記右側ディスクの前記略球状部及び前記左側ディスクの前記略球状部の底面に、接地面に面接触する傾斜部が設けられており、
使用者が前記一対の右側ディスク及び左側ディスクの上面部それぞれに右脚及び左脚を乗せた場合に、
前記上面部において前後に延びるX軸方向からみて、前記上面部が内側に傾斜しており、
前記上面部において左右に延びて前記X軸に直交するY軸方向からみて、重心が前記略球状部の中心よりも後方に位置すること、
を特徴とするバランスボード運動具。
【請求項2】
前記X軸方向からみて、前記傾斜の角度が0.5°~45°であること、
を特徴とする請求項1に記載のバランスボード運動具。
【請求項3】
前記Y軸方向からみて、前記重心から前記中心までの距離が、0mm超100mm以下であること、
を特徴とする請求項1に記載のバランスボード運動具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバランスボード運動具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、不安定動揺性を生じさせる運道具として、球形をしたバランスボール等が使用されているが、体幹が鍛えられていない使用者等が最初からこの球形のバランスボールの運道具を使用するのは難しかった。
【0003】
他方、例えば図5に示すように、円形、長方形や多角形のボードの下方に半球部を有する運道具100等もあったが、初心者や熟練度の低い者が乗る際に、足首があらぬ方向を向いて姿勢が崩れ、うまく乗れないという問題があった。
【0004】
これに対し、例えば特許文献1においては、初心者のときも、熟練者の人も、一台の運動具で使用できるように、「円形又は多角形の足踏み板であって、その足踏み板の底の中央部に、半球形の凹部を設けることを特徴したバランスボード運道具。」において、「その足踏み板には、ボールキャスターを取り付けるボルト孔を有し、そのボルト孔にボルトとナットでボールキャスターを載設する」ことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実用新案登録第3147810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1で提案されているバランスボード運道具は、初心者が使用する場合と習熟者が使用する場合のボールキャスターの取り付けを変える煩雑さを必要とし、実用面から改善の余地がある。また、足踏み板に載せた脚の足首があらぬ方向を向いてしまうおそれも払拭できない。
【0007】
そこで、本発明は、初心者であっても乗り易くかつ左右前後に優しく揺り動かすことができるバランスボード運動具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決すべく、本発明は、
略平面状の上面部と、
前記上面部の下方に突出するように設けられた略球状部と、
を有する一対の右側ディスク及び左側ディスクを含み、
使用者が前記一対の右側ディスク及び左側ディスクの上面部それぞれに右脚及び左脚を乗せた場合に、
前記上面部において前後に延びるX軸方向からみて、前記上面部が内側に傾斜しており、
前記上面部において左右に延びて前記X軸に直交するY軸方向からみて、重心が前記略球状部の中心よりも後方に位置すること、
を特徴とするバランスボード運動具、
を提供する。
【0009】
上記構成の本発明のバランスボード運動具においては、
前記X軸方向からみて、前記傾斜の角度が0.5°~45°であること、が好ましい。
【0010】
また、上記構成の本発明のバランスボード運動具においては、
前記Y軸方向からみて、前記重心から前記中心までの距離が、0mm超100mm以下であること、が好ましい。
【発明の効果】
【0011】
上記の構成を有する本発明のバランスボード運動具によれば、両脚で乗った場合に、右側及び左側の上面部がそれぞれ内側に傾斜するとともに、前後に揺動させることができるため、初心者であっても容易かつ気軽にバランス良く体幹トレーニングを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係るバランスボード運動具1の概略斜視図である。
図2図1の矢印Aで示す上方からみたバランスボード運動具1の概略上面図である。
図3図2の矢印Xで示す方向(上面部において前後に延びるX軸方向)からみたバランスボード運動具1の概略背面図である。
図4図2の矢印Yで示す方向(上面部において左右に延びてX軸に直交するY軸方向)からみたバランスボード運動具1の概略背面図である。
図5】従来のバランスボード運動具100の一例を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の代表的な実施形態に係るバランスボード運動具を、図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、本発明はこれら図面に限定されるものではない。また、図面は、本発明を概念的に説明するためのものであるから、理解容易のために、必要に応じて寸法、比又は数を誇張又は簡略化して表している場合もある。
【0014】
図1に示すように、本実施形態に係るバランスボード運動具1は、一対の右側ディスク1R及び左側ディスク1Lを含み、これら一対の右側ディスク1R及び左側ディスク1Lそれぞれは、略平面状でディスク状の上面部2R,2Lと、これら上面部2R,2Lの下方に突出するように設けられた略半球状部4R,4Lと、を有している。
【0015】
本実施形態のバランスボード運動具では、図2に示すように、一対の右側ディスク2R及び左側ディスク2Lの上面部2R,2Lの中央部それぞれに示す足形の位置に、右脚及び左脚を乗せてバランスボード運動具1に乗る。
【0016】
ここで、バランスボード運動具1は、使用者がバランスボード運動具1に乗った際に、図2の矢印Xで示す方向(上面部2R,2Lにおいて前後に延びるX軸方向)からみた場合に、上面部2R,2Lはそれぞれ内側に傾斜している構成を有している。
【0017】
即ち、図3に示すように、上面部2R,2Lがそれぞれ内側に傾斜するように、略半休状部4R,4Lの底面には接地面に面接触する傾斜面(ないし傾斜部)4RS,4LSが設けられており、これによって使用者が初心者であっても、左右方向においてむやみに揺動せず安定的にバランスボード運動具1に乗ることができる。
【0018】
X軸方向からみた場合の傾斜面(ないし傾斜部)4RS,4LSの傾斜の角度(即ち、接地面に対する傾斜角度)は、本発明の効果が得られる範囲であれば適宜選択することができるが、それぞれ例えば0.5°~45°であることが好ましい。
【0019】
また、バランスボード運動具1は、使用者がバランスボード運動具1に乗った際に、図2の矢印Yで示す方向(上面部2R,2Lにおいて左右に延びてX軸に直交するY軸方向)からみた場合に、図4に示すように、重心Gが略半球状部4R,4Lの中心(又は頂点)Cの位置よりも後方(X軸方向におけるかかと側)に位置する(偏心している)構成を有している。
【0020】
Y軸方向からみて、重心Gから中心Cまでの距離は、0mm超100mm以下であること、が好ましい。これにより、使用者が初心者であっても、常にかかと重心で前方向に傾斜した状態でバランスボード運動具1に乗ることができ、前後に例えば0.5°~45°の角度範囲で揺動することができ、容易かつ確実に揺動運動をすることができる。
【0021】
このような構成を有するバランスボード運動具1によれば、両脚で乗った場合に、右側及び左側の上面部2R,2Lがそれぞれ内側に傾斜しているとともに、ある程度制限された範囲で優しく前後に揺動させることができるため、初心者であっても容易かつ気軽にバランス良く体幹トレーニングを行うことができる。
【0022】
以上、本発明に係るバランスボード運動具の代表的な実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、種々の設計変更が可能であり、それらも本発明に含まれる。
【0023】
例えば、上面部は略平面状の脚置き部分を有していればどのような形状であってもよいし、各部材の材料についても例えば各種樹脂やゴム等、本発明の効果を損なわないのであれば特に制限はない。樹脂とゴムを組み合わせて用いてもよい。
【符号の説明】
【0024】
1 バランスボード運動具
1R 右側ディスク
1L 左側ディスク
2R,2L 上面部
4R,4L 略半球状部
【要約】
【課題】初心者であっても乗り易くかつ左右前後に優しく揺り動かすことができるバランスボード運動具の提供。
【解決手段】略平面状の上面部と、前記上面部の下方に突出するように設けられた略球状部と、を有する一対の右側ディスク及び左側ディスクを含み、使用者が前記一対の右側ディスク及び左側ディスクの上面部それぞれに右脚及び左脚を乗せた場合に、前記上面部において前後に延びるX軸方向からみて、前記上面部が内側に傾斜しており、前記上面部において左右に延びて前記X軸に直交するY軸方向からみて、重心が前記略球状部の中心よりも後方に位置すること、を特徴とするバランスボード運動具。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5