(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】二次レーダーのアンテナパターンの測定方法および同方法を実装した二次レーダー
(51)【国際特許分類】
G01S 13/74 20060101AFI20240122BHJP
G01S 7/40 20060101ALI20240122BHJP
【FI】
G01S13/74
G01S7/40 104
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018216270
(22)【出願日】2018-11-19
【審査請求日】2021-10-25
(32)【優先日】2017-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】511148123
【氏名又は名称】タレス
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・ビヨー
【審査官】安井 英己
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-256407(JP,A)
【文献】特開昭60-195475(JP,A)
【文献】特開2002-257886(JP,A)
【文献】特開平01-134283(JP,A)
【文献】特開平06-213949(JP,A)
【文献】特開2017-173330(JP,A)
【文献】特開2010-266350(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0021247(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00- 7/42,
G01S 13/00-13/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベーションスライス毎の二次レーダーのアンテナのベアリングにおけるアンテナパターン(1)を測定する方法であって、各パターン(11、12、14、15)が受信経路(5)に紐付けられている方法において、前記方法が、前記二次レーダーの空中環境に存在する目標により送信され、所与の回数のアンテナ回転にわたり検出された、同期応答および一方的なFruit型の非同期応答を使用し、同期応答のまたはFruit型の応答の各検出において、前記検出の時点、前記アンテナの主ビーム(41)の方位角の値、および前記経路の各々で受信された出力の値が前記検出(21)に紐付けられていて、Fruitの時点まで外挿された前記同期応答のベアリング、パターン毎の相対出力、およびエレベーションに基づいて、各非同期応答が、そのベアリングにより、そのパターン毎の相対出力により、およびそのエレベーションにより補強されていて、所与の回数の回転にわたり得られた非同期応答の前記ベアリング、前記パターン毎の相対出力、および前記エレベーションが保存され、前記測定されたパターンが、前記保存された値(22)に基づいてサンプリングされることを特徴とする方法。
【請求項2】
目標の各非同期応答に対して、
- 前記目標の方位角に関する同期位置をFruit検出時点で、および前記アンテナの方位角に関する位置を前記Fruit検出時点で推測することにより、アンテナベアリングを、
- Fruitの時点でFruit検出時点を時間的にひとくくりにしつつ前記アンテナの和パターンの主ビーム(41)で得られた前記目標の前記同期応答の出力、および前記アンテナの各パターンに対する前記Fruitの出力を推測することにより、相対出力を、
- 前記Fruitの時点でFruit型の非同期応答の検出時点を時間的にひとくくりにしつつ前記目標の同期応答内で受信されたエレベーションを推測ることにより、エレベーションを計算することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アンテナが、
- 和パターン(SUM)、差パターン(DIFF)、前記アンテナに対向する目標の応答を拒絶する制御パターン(CONT_Front)、および前記アンテナに背向する目標を拒絶する制御パターン(CONT_Back)、
- 和パターン(SUM)、差パターン(DIFF)、制御パターン(CONT)、
- 和パターン(SUM)ならびに、差および制御パターン(DIFF/CONT)
に従うパターンの組のうち1個を含んでいることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
Fruit型の応答および同期応答が、Fruit型の応答の取得をまたは同期応答の取得を表す特徴により補強されていて、前記特徴が以下の特徴:
- 前記アンテナの各パターンに従い受信された出力、
- 前記応答の検出時点、
- 前記検出の実行中における前記アンテナの前記主ビームの方位角、
のうち少なくとも1つであることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
Fruit型の応答の検出が、Fruit型の前記応答の検出の回転の周りの回転を行う間に得られた同期応答に基づいて得られた情報により補強され、前記情報が以下の特徴:
- Fruit型の前記応答の相対出力、
- Fruit型の前記応答のベアリング、
- Fruit型の前記応答のエレベーション、
のうち少なくとも1つであることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記所与の回数の回転にわたり、前記和パターンへの前記目標の出力の関数としてのFruit型または同期応答の相対出力が、2個のエントリを有するテーブルに蓄積され、テーブルが各アンテナパターンに紐付けられていて、一方のエントリが前記アンテナの主ローブの軸の関数としてのベアリングであり、他方のエントリが前記アンテナの水平性の関数としての前記目標のエレベーションであることを特徴とする、請求項2または3に記載の方法。
【請求項7】
各パターンの各セル(ベアリング、エレベーション)に対して最も可能性が高い相対出力が、平均またはヒストグラムのスキームにより決定されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記回転の所与の回数が、前記パターンの進行中の劣化を明示すべく決定されることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記アンテナが、ATCまたはIFF型の二次レーダーに適合されていて、少なくとも2個のパターンを含んでいることを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記アンテナが固定式または回転式の電子走査アンテナであることを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記パターンの測定値を用いて前記パターンの劣化レベルを確認することを特徴とする、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の方法を実装
することを特徴とする二次レーダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は二次レーダーのアンテナパターンの測定方法に関する。本発明はまた、同方法を実装した二次レーダーに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の分野は特に、航空交通管制(ATC)であって、レーダーの性能が、約100%を目標とする航空機検出レベル、および約0%を目標とする極めて低い誤検出率の両面で基本的である。
【0003】
本発明はまた、レーダーの性能が航空機の「敵味方」識別に同じく基本的である軍事分野(IFF)に有用である。
【0004】
両方の用途において、性能は特に、LVA(「大型垂直開口」)方式、または、ATCまたはIFFに利用されるレーダーに適したブーム方式のアンテナのパターンの品質に関係している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在、レーダーサイトに設定されたアンテナのパターンの品質の測定は、
・局が保守中であるため、システムレベルでレーダーのカバー範囲が狭まっていること、
・送信(1030MHz)中、アンテナ和(SUM)、制御(CONT)、および差(DIFF)の3パターン(2または4パターンの場合もある)を測定すべく外部リグを用いることが同時に求められる。
【0006】
送信中の測定が、航空機がレーダーの使用種別(「空港」または「飛行中」構成)に応じて主に0.5°~20°の間に位置しているのに対し、リグのエレベーションの値が、往々にしてゼロに近い極めて低いエレベーションの値の場合だけに実行されることに注意されたい。
【0007】
アンテナパターンの予防的な周期的測定の間で、当該パターンの劣化をユーザーが認識するのは、時折レーダーの性能がもはや任務を達成できない程度に劣化した場合だけである。この場合、一時的にサービスが中断され、アンテナの修理を、レーダーの最も重要且つ複雑な保守作業であることを知った上で緊急の課題として実行しなければならない。
【0008】
レーダーアンテナの効果的な保守は従って、解決すべき真に技術的な要件である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は特に、上述の課題を解決することである。この目的のため、本発明の主題は、エレベーションスライス毎の二次レーダーのベアリング(方位)におけるアンテナパターンを測定する方法であって、各パターンは受信経路に紐付けられており、前記方法は、前記レーダーの空中環境に存在する目標により送信され、所与の回数のアンテナ回転にわたり検出された、同期応答および一方的なFruit(時間非同期偽応答)型の非同期応答を使用し、応答の各検出において、前記検出の時点、アンテナの主ビームの方位角(アジムス)の値、および前記経路の各々で受信された出力の値が前記検出に紐付けられていて、各非同期応答が、Fruitの時点まで外挿された前記同期応答の同一値との差分を求めることにより、そのベアリング、パターン毎の相対出力、およびエレベーションにより補強されていて、所与の回数の回転にわたり得られた前記値が保存され、測定されたパターンは、前記保存された値に基づいてサンプリングされる。
【0010】
特定の実装モードにおいて、目標の各非同期応答に対して、
- 前記目標の方位角に関する同期位置をFruit検出時点まで、およびアンテナの方位角に関する位置をFruit検出時点まで外挿することにより、アンテナベアリングを、
- Fruit検出時点を時間的に集約しつつアンテナの和経路の主ビームで得られた前記目標の前記同期応答の出力、およびアンテナの各パターンに対するFruitの出力をFruitの時点まで外挿することにより、相対出力を、
- Fruit検出時点を時間的に集約しつつ前記目標の同期応答内で受信されたエレベーションをFruitの時点まで外挿することにより、エレベーションを計算する。
【0011】
前記アンテナは、例えば、
- 和パターン(SUM)、差パターン(DIFF)、アンテナに対向する目標の応答を拒絶する制御パターン(CONT_Front)、およびアンテナに背向する目標を拒絶する制御パターン(CONT_Back)、
- 和パターン(SUM)、差パターン(DIFF)、制御パターン(CONT)、
- 和パターン(SUM)と、差および制御パターン(DIFF/CONT)
に従うパターンの組のうち1個を含んでいる。
【0012】
Fruit型の応答および同期応答は例えば、前記応答の取得を表す特徴により補強されていて、各応答に対して前記特徴が以下の特徴、すなわち
- 前記アンテナの各パターンに従い受信された出力と、
- 前記応答の検出時点と、
- 前記検出の実行中における前記アンテナの主ビームの方位角、
のうち少なくとも1つである。
【0013】
Fruit型の応答の検出は例えば、Fruit型の前記応答の検出の回転の周りの回転を行う間に得られた同期応答に基づいて得られた情報により補強され、当該情報は以下の特徴、すなわち
- Fruit型の前記応答の相対出力、
- Fruit型の前記応答のベアリング、
- Fruit型の前記応答のエレベーション、
のうち少なくとも1つである。
【0014】
所与の回数の回転にわたり、和パターンへの目標の出力の関数としてのFruit型または同期応答の相対出力が、例えば2個のエントリを有するテーブルに蓄積され、テーブルは各アンテナパターンに紐付けられていて、一方のエントリがアンテナの主ローブの軸の関数としてのベアリング、他方のエントリがアンテナの水平性の関数としての目標のエレベーションである。各パターンの各セル(ベアリング、エレベーション)に対して最も可能性が高い相対出力は、平均、ヒストグラム、またはその他の種類のスキームにより決定される。
【0015】
回転の所与の回数は、例えば前記パターンの進行中の劣化を明示すべく決定される。
【0016】
アンテナは、IFF用途と同様にATC用途を目的とすることができる。アンテナは、例えば少なくとも2個のアンテナパターンを含んでいる。アンテナは固定式または回転式であってもよい。アンテナはまた、電子走査アンテナであってもよい。
【0017】
有利な特徴として、前記パターンの測定値を用いて前記パターンの劣化レベルを確認する。
【0018】
本発明の主題はまた、上述のような方法を実装する二次レーダーである。
【0019】
本発明の他の特徴および利点は、添付図面に関する以下の記述により明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】モードS二次レーダーの例示的な模式図である。
【
図2】
図1のレーダーへの本発明の方法のハードウェア実装を示す。
【
図3a】3個の目標のFruitによるアンテナパターンのサンプリングの例を示す。
【
図3b】3個の目標のFruitによるアンテナパターンのサンプリングの例を示す。
【
図3c】3個の目標のFruitによるアンテナパターンのサンプリングの例を示す。
【
図3d】3個の目標のFruitによるアンテナパターンのサンプリングの例を示す。
【
図3e】3個の目標のFruitによるアンテナパターンのサンプリングの例を示す。
【
図3f】3個の目標のFruitによるアンテナパターンのサンプリングの例を示す。
【
図4a】典型的にはATC場に存在するLVA型のアンテナの場合に、本発明の方法により測定可能なアンテナパターンを各々1030MHz(送信)および1090MHz(受信)の周波数について示す。
【
図4b】典型的にはATC場に存在するLVA型のアンテナの場合に、本発明の方法により測定可能なアンテナパターンを各々1030MHz(送信)および1090MHz(受信)の周波数について示す。
【
図5a】典型的にはIFF用途のより小さい寸法のブームアンテナに関する本発明の方法により測定可能なアンテナパターンを各々1030MHz(送信)および1090MHz(受信)の周波数について示す。
【
図5b】典型的にはIFF用途のより小さい寸法のブームアンテナに関する本発明の方法により測定可能なアンテナパターンを各々1030MHz(送信)および1090MHz(受信)の周波数について示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
モードSレーダーの例示的な模式図を示す
図1に関して、このようなレーダーの原理を想起する。
【0022】
モードS二次レーダーの原理(ICAO附属書10、vol.4に詳細に定義)は、
- 選択的な呼び掛け信号を送信し、その際に、
・受信側すなわちモードSアドレスにより指定される単一目標を明示するか、
・または送信側の識別子を明示する、
- 選択的な応答を受信し、その際に、
・送信側の識別子すなわち目標と同一のモードSアドレスを明示するか、
・または受信側すなわち呼び掛け信号者の識別子を明示するものである。
【0023】
通常の仕方で運用する場合、二次レーダーは同期モードで動作する、すなわち呼び掛け信号を送信し、呼び掛け信号に整合する応答を待つことにより、測定値(方位角および距離)により目標の位置特定および識別(モードSアドレスを介して)を行うことができる。
【0024】
上述のタスクを効果的に実行すべく、レーダーは複数のパターン11、12、14、15を有するアンテナ1とを備えており、それらの役割は従来、
- 目標に呼び掛けてその同期応答を検出するための、以下にSUMと表記する和パターン11と、
- SUMビーム内の目標の位置を精密に特定するための、DIFFと表記する差パターン12と、
- SUMビーム内に存在しない、アンテナに対向する目標から発せられた応答を遮断および拒絶するための、CONT_frontと表記する第1の制御パターン15と、
- アンテナに背向する(従って必ずしもSUMビーム内に存在するとは限らない)目標から発せられた応答を遮断および拒絶するための、CONT_backと表記する第2の制御パターン14である。
【0025】
レーダーの任務、従って期待される性能に応じて、アンテナは、
- 複数のパターン、すなわち
・4個のパターン:SUM、DIFF、CONT_FrontおよびCONT_Back、
・3個のパターン:SUM、DIFF、CONT(CONT_FrontとCONT_Backをアンテナレベルでグループ化)、
・2個のパターン:SUM、DIFF/CONT(DIFF、CONT_FrontおよびCONT_Backをアンテナレベルでグループ化)と、
- 異なる寸法、すなわち
- 幅方向に関して、
・大きい利得が得られる微細な主ビームを有するように、且つ方位角が選択的であって微細であるように大きい幅を有する、
- 高さ方向に関して、
・ある程度の利得が得られ、地上反射(主にATCの場合)に対する防護を提供する大垂直開口(LVA)型の大きい高さを有する、
・可動性(主にIFFの場合)を与える「ブーム」型の小さい高さを有する寸法とを有していてよい。
【0026】
SUMおよびDIFFパターンは従来、2.4°~10°の3dBでローブでは微細であるのに対し、CONT_FrontおよびCONT_Backパターンは各々実際に180°をカバーしようとする。
【0027】
アンテナはまた、
- 固定パターン、いわゆる「機械式」および回転アンテナ、
- 変更可能なパターン、固定または回転式のいわゆる「AESA」電子走査アンテナであってよい。
【0028】
レーダーは運用中に(呼び掛け信号に紐付いていない)一方的な応答を受信する、当該応答を「時間非同期偽応答」すなわちFruitと名付ける。当該応答がそのように名付けられる理由は、
- 当該応答を拒絶するレーダーにより想定されていない(「偽」)、
- 当該応答が、レーダーの同一カバー範囲内で同一目標から発せられた同期的応答と極めて類似した、同一周波数および同一メッセージ形式(「応答」)を有する応答であり、
- 当該応答が、当該レーダーではなく別のレーダーの呼び掛け信号に紐付いているか、または目標によりADS-B_outスキッタ(「時間的に非同期」)のように周期的に送信された応答でさえあり得るからである。
【0029】
Fruitsは、その非同期的特徴のため、全てのアンテナパターンでレーダーにより受信される。
【0030】
最後に、モードSのFruitsは全て、各目標に紐付けられた一意なモードSアドレスにより識別可能である。
【0031】
二次レーダーにより生成されたFruitsは現在、処理前にフィルタリングする必要がある欠陥として処理されているが、本発明は有利な特徴として、処理中にこれらのFruitsを利用してアンテナパターンを測定する。
【0032】
以下に記述するように、本発明の原理は従って、モードSのFruitsを利用して二次レーダーのアンテナのパターンを永続的に測定するものである。アンテナパターンを連続的に測定するためのFruitsのこのような利用は、検出環境内に航空機が存在する、および時には呼び掛け側が存在することを好機を捉えて巧みに利用するものである。
【0033】
有利な特徴として、上述のアンテナの種類に依らず、この利用は、レーダーの機能的動作に一切影響を及ぼさない。レーダーの運用に追加的なRF送信を一切必要とせず、従って、1030/1090MHzのRF環境を阻害しない。
【0034】
本発明をより詳細に記述する前に、
図1のモードSレーダーの構成要素について記述する。当該模式図は、モードSレーダーの同期的動作における、
- 呼び掛け信号の生成を左側100に、
- 紐付けられた応答の同期的処理を右側部分200に示すと共に、
左右間の横方向矢印により後者との同期化を示す。
【0035】
主な要素の機能について以下に述べる。
【0036】
アンテナ1は、4個のパターンSUM、DIFF、CONT_FrontおよびCONT_Back、または2個のパターンSUM(DIFF/CONT)あるいは3個のパターン(SUM、DIFF、CONT)による、1030MHzでの呼び掛け信号、および1090MHzで返される応答の放射を保証する。
【0037】
回転接合部2およびアンテナドロップケーブルは、
- 4個のパターンに対して独立に1030MHzで送信された信号と1090MHzで受信された信号をレーダーの回転部分と固定部分との間でRF結合すること、および
- アンテナの主ローブの軸の方位角位置201をブロードキャストすることを保証する。
【0038】
RF処理は、
- 4個のパターンに対して独立に1030MHzで送信された信号と1090MHzで受信された信号とのRF結合を保証するデュープレクサまたはサーキュレータ3と、
- 送信器4、すなわち
- SUMパターンへの1030MHzでの呼び掛け信号の送信、
- CONT_FrontおよびCONT_Backパターンによる1030MHzでのSUMローブの外側でのトランスポンダの遮断、
- 各種の二次プロトコルIFF、SSRおよびモードSに対して上記を行うことを保証する送信器4と、
- 各種の二次プロトコルIFF、SSRおよびモードSに対して、4個のパターンSUM、DIFF、CONT_FrontおよびCONT_Backにおける1090MHzでの応答の受信を保証する受信器5とを含んでいる。
【0039】
実時間処理は、
- 各種の二次プロトコルIFF、SSRおよびモードSの呼び掛け期間および付随するリスニング期間の実時間管理を保証する時空間管理6と、
- 信号処理7、すなわち
・各種の二次プロトコルIFF、SSRおよびモードSの呼び掛け信号に付随するリスニング期間中の応答の処理、
・以下の4個のパターンを、
・SUM:主ローブ内で受信された応答を検出するため
・DIFF:SUM主ローブ内で受信された応答の方位角を精密に特定し、任意選択的に検出するため
・CONT_FrontおよびCONT_Back:DIFF主ローブ内で検出された場合、SUMおよびDIFFサイドローブで受信された応答を拒絶するために利用することによりアンテナの主ローブの同期的応答の検出および復号を保証する信号処理7とを含んでいる。
【0040】
アンテナの主ローブ内での処理は、
- ローブ内に存在する目標の管理8、すなわち
・各種の二次プロトコルIFF、SSRおよびモードSに対して次のローブ内で実行されるトランザクション(呼び掛けおよび応答)の準備、
・モードS呼び掛け信号および応答の、直前に実行されたトランザクションの状態の関数として将来の「ロールコール」期間内での配置を保証する管理8と、
- ローブ内で受信された同期応答に基づいて、各種の二次プロトコルIFF、SSRおよびモードSに対するブリップの構築を保証する抽出器9とを含んでいる。
【0041】
多回転処理10は、
- 目標の位置の予測(アンテナランデブー)と、外部の要求および以前の回転のトランザクションの状態に応じて当該位置に関して実行すべきタスクの準備とを保証する、カバー範囲内の目標に関して実行すべきモードSタスクの管理101と、
- 性能を向上(偽ブリップの除去、特に復号されたデータの制御)させ、目標の将来位置を予測すべく目標の追跡を保証する、ブリップの紐付けおよびカバー範囲内の目標の追跡102とを含んでいる。
【0042】
ユーザーとのインターフェースにより、レーダーは様々な要求を考慮してブリップおよび目標の追跡を見ることができる。
【0043】
図2に、本発明に固有な要素で補強された、
図1のレーダーを模式的に示すことによる本発明のハードウェア実装を示す。モードSレーダーに適用される本発明の主な要素を
図2に太字ハイフンで示す。モードSレーダーの動作は同期的であるが、追加された処理21、22は送信関連ではなく、アンテナ23の主ローブの軸の方位角位置だけを用いる。
【0044】
大多数の要素は不変のままであるため、本発明がモードSレーダーの機能的動作に介入しないことが特に確認される。
【0045】
第1の追加的処理21は、モードSにおける非同期応答の(呼び掛けに信号紐付けられたリスニング期間から独立した)永続的な処理であり、当該処理21は、4個のアンテナパターンSUM、DIFF、CONT_Front、CONT_Backを別々に、但し同等に用いて、
- 受信された全ての同期および非同期応答を検出し、
- 当該応答からモードSアドレスを抽出すべく、歪曲されていない応答を復号し、
- 各々の復号応答を、その特徴、特に検出時点、検出中におけるアンテナの主ローブの方位角、SUM、DIFF、CONT_FrontおよびCONT_Backパターンで受信された出力で補強することにより、非同期応答の検出および復号を保証する。
【0046】
この目的のため、時空間管理6は、アンテナの主ローブの方位角位置23をモードSの非同期応答の永続的処理21に送信する。
【0047】
SUM、DIFF、CONT_FrontおよびCONT_Backパターンで測定された出力による同期応答の補強は有利な特徴として並行して行われる。
【0048】
抽出器9のレベルで、各応答に対してSUM、DIFF、CONT_FrontおよびCONT_Backで測定された出力およびアンテナ方位角と共に、モードSブリップのその同期応答による補強も行われる。
【0049】
第2の追加的要素22は、(全てのモードの)同期応答および非同期モードSの応答に基づくアンテナパターンのエレベーションでの計算を保証するアンテナパターンの処理である。当該第2の処理は多回転処理に追加され、目標のブリップおよび追跡102の組み合わせが、SUM、DIFF、CONT_FrontおよびCONT_Backで測定された出力およびアンテナ方位角により補強された応答が補足されたモードSアドレス、時間および位置をと共にトラックを送信する。
【0050】
例えば上述の補完的要素を備えた二次レーダーは、本発明による方法を実装可能である。当該レーダーは、同期および非同期モードS応答(特にADS-Bスキッタを含むFruits)を巧みに用いて、レーダーのアンテナのパターンを当該レーダーの全てのベアリングでサンプリングする。無論、Fruitsを利用してアンテナパターンを測定する原理が可能なのは、周囲の空間に航空機が存在する、あるいは時には呼び掛け側が存在する場合だけであり、これが現実的なケースである。
【0051】
図3a~3fに例示的に、3個の目標31、32、33のFruitsによるアンテナパターンのサンプリングを示す。アンテナパターンは、横座標で方位角を表し、縦座標で回転アンテナの回転中の各方位角位置に応じた利得を表す2軸座標系で表されている。
【0052】
図3a~3fに本発明の上述の原理を示す。任意の時点で受信されたFruitsは、アンテナの各ベアリングでアンテナパターンをサンプリングする。本発明はこの特性を有利に利用する。
【0053】
より具体的には、
図3a~3fは、Fruitを受信中の各方位角すなわち0°、20°、100°、150°、270°および360°(方位角0°は北の方向を示す)での所与のアンテナ回転(アンテナ回転N)での3個のパターンすなわち和SUM、差DIFFおよび制御CONTを表している。
【0054】
各方位角に位置する3個の目標31、32、33は、当該回転Nの間に数個のFruitsを生成し、
- 第1の目標31は方位角100°で東向きであり、方位角の増大に伴い僅かに移動しており、
- 第2の目標32は方位角180°で南向きであり、方位角の減少に伴い僅かに移動しており、
- 第3の目標33は固定された方位角260°で西向きである。
【0055】
要約すれば、本例において、目標から発せられたFruitsは同時点で、従って全く同一のアンテナ方位角、但し無論アンテナの異なるベアリングで検出されたと考える。
【0056】
Fruitの各検出において、本発明は、同一時点で、そのベアリングが目標から外れた程度と、各パターンで受信された相対出力レベルとを紐付ける。
【0057】
表1は、
図3a~3fの例に関して、3個の目標のFruitsによりサンプリングされるアンテナパターン値を示す。
【0058】
【0059】
回転Nの終了時点で、上述の値は、どの目標がFruitsを生成したかに依らず(または、出力、方位角等に関する基準に従い特定の目標を選択することにより)以下の表2に示すように、以前のアンテナ回転中に得られた値に、ベアリングすることの関数として累算される。
【0060】
当該表において、回転Nの「後」の値は未だに存在しない(回転N+1の場合)。回転Nの「前」の値は各ベアリング毎に異なっており、これをXx、YyおよびZzの表記により表す。表2において、第1の目標からの測定値を通常の文字で、第2の目標からの測定値を太字で、第3の目標からの測定値をイタリック文字で示している。
【0061】
【0062】
目標およびFruitsが多く存在する環境で多数回の回転に適用される当該原理により、アンテナの各々のSUM、DIFF、CONTパターンの各ベアリングに対して多数の測定値(測定値の累算)にわたる平均(またはヒストグラム)を決定することが可能になり、考慮するレーダーサイトにおけるアンテナの良好な精度が保証される。上述の多数回の回転は例えば、期待されるパターンの精度およびサイトのFruitsの密度に応じて1日または1週間以上の動作にわたり得られる。
【0063】
LVA型のアンテナの場合、同期応答で送信された気圧高度を介して目標の高度が既知の場合、目標のエレベーションのスライスに基づいて同一アプローチを行うことができる。エレベーションスライスに基づくアンテナの様々なパターンSUM、CONTおよびDIFFの測定は従って毎日(時間基準は例えば24時間)実行して、当該テンポで保守サービスにブロードキャストすることができる。
【0064】
有利な特徴として、当該測定原理による日次(または生じ得る劣化が本質的に遅いと考えて実際には週次)で測定されたアンテナパターンのモニタリングにより、これらのパターンに生じ得る漸進的な劣化、特にエレベーションのパターンの変形の検出が可能になる。このパターンの変形により、故障した放射要素の位置を特定することが可能になる。この変形を永続的に解析することにより、必要ならばレーダーの性能が劣化する前にHUMS(「健全性および使用状況モニタリングシステム」)方式のアプローチで修理作業を予定すべく自動的に警告することができる。
【0065】
図3a~3fに関して記述した例は、3個のアンテナパターンSUM、DIFFおよびCONTを扱う。同一原理が2個のパターンSUM、DIFF/CONTと同様に、4個のアンテナパターンSUM、DIFF、CONT_FrontおよびCONT_Backに当てはまる。
【0066】
Fruitsに対応する非同期応答の復号は、当業者に公知の仕方で、従来型レーダーの同期応答を復号と同様に実行される。
【0067】
本発明のレーダーによる応答検出は、以下の表3に要約するように、当該応答が同期または非同期であるかに応じて異なる。
【0068】
【0069】
同期または非同期の全ての応答は、どのパターンが検出および復号したかに依らず、各パターンに従い測定された出力で補強される。
【0070】
図4a、4bに、ATC場におけるLVA型アンテナの場合に、本発明の方法により測定可能なアンテナパターンを、各々1030MHz(送信)および1090MHz(受信)の周波数について示す。
【0071】
同期および非同期モードS応答の検出に紐付けられた、3個のアンテナパターンSUM、DIFF、CONTの振幅情報の相関を求めることにより、当該パターンをエレベーションスライスに基づいて構築することが可能になる。更に、送信時および受信時にアンテナの同一放射要素を用いるため、受信時の受動解析により、送信時においてもパターンを検証することが可能になる(送受信パターン間の強い類似性により示す)。検証は、機能に影響を及ぼすことなく、且つ一切の外部リグ無しでレーダーの運用全体にわたり有利に実行することができる。
【0072】
図5a、5bに、IFF用途に寸法が小さいブームアンテナに関する本発明の方法により測定可能なアンテナパターンを、各々1030MHz(送信)および1090MHz(受信)の周波数について示す。ここでも、送受信パターン間の類似性が重要であることが分かる。
【0073】
従って、IFF用途の場合と同様にATC用途において、1030MHz(送信)および1090MHz(受信)でのパターン間の類似性は、受信時のFruitsの処理により、所与の期間にわたる、例えば本発明で提案するように日次での送信および受信時の劣化が検出可能になる。
【0074】
更に、SUMおよびDIFFパターンのサイドローブ42のピークは、アンテナの主ビーム41により得られた最大利得に対して-25dB~-35dBのオーダーであり、本発明は、受信された出力レベルが、応答を検出および復号するための閾値を少なくとも30dB上回る近くの目標だけを用いることを提案する。これにより、SUMおよびDIFFパターンのサイドローブの最大値を表すことが可能になり、従って目標がレーダーの周辺で半径50Nm(オペレータにより調整可能なパラメータの典型的な値)以内にあるFruitsだけを用いることにつながる。
【0075】
工場受入アンテナパターンのプロットを例えば0.1°未満のベアリング間隔で設ける。当該精度の結果、HUMS方式における本発明によるアンテナパターンの測定間隔に対して、以下の点を結論付けることができる。すなわち、
- サイドローブの上方回転が当然ある程度生じる前提で、主ローブの外側では1°のオーダーの精度で充分であり、
- 主ローブ内で0.1°のオーダーでより高い精度を維持することができる。
【0076】
パターンの解析間隔に関して上述の厳密な詳細事項は表示により与えられる。当該詳細事項は、精度の観点から要件、および特にレーダーの近傍の航空機の利用可能なできるFruits率の関数としてオペレータによりパラメータ化することができる。
【0077】
本発明によるレーダーが用いる非同期応答のような同期応答は、特に検出時点、モードSアドレス、アンテナ方位角、および様々なパターンSUM、DIFF、CONT_FrontおよびCONT_BACKで受信された出力に関して共通の特徴を含んでいる。レーダーの同期検出は従来、アンテナの回転とテンポを合わせて、典型的には4秒~12秒の間に生じる。一般に、ヨーロッパにおけるFruits率は毎秒の数千個と推定され、従って、アンテナの1回転当たり5000~10000Fruitsのオーダーの検出という推定につながる。これは有利な特徴として、アンテナの回転に関するFruitsの非同期的特性により、ベアリングに関する良好なサンプリングを可能にする。一方、エレベーションに関するサンプリングは、目標の飛行中に当然ながら相当緩慢に変動する目標の距離および高度の分布に直接依存するため、様々なエレベーションスライスに対してアンテナパターンを決定するために比較的長い持続期間を必要とする。
【0078】
主ローブ内での各回転で得られる同期応答に関して、従来のレーダーでは、ブリップを形成する抽出器がこれらの応答を紐付けて、ブリップの特徴を形成すると共に、特に特定のレーダーの場合、同期応答がアンテナの軸に対して目標から外れた程度(オフボアサイト角(OBA))および測定された応答出力に基づいてSUMパターンのノーズで受信された最大出力を決定する。
【0079】
本発明では、各非同期応答に対して、
- アンテナベアリングを、前記目標の方位角に関する同期位置をFruit検出時点まで、およびアンテナの方位角に関する位置をFruit検出時点まで外挿することにより、
- 相対出力(4個のパターンの和経路の最大値に関してなされた)を、Fruit検出時点を時間的に集約しつつアンテナの和経路の主ビームで得られた前記目標の前記同期応答の出力、およびアンテナの各パターンに対するFruitの出力をFruitの時点まで外挿することにより、
- エレベーションを、Fruit検出時点を時間的に集約しつつ前記目標の同期応答内で受信されたエレベーションをFruitの時点まで外挿することにより、
計算する。
【0080】
従って、時間的にFruitを集約しつつ、アンテナの和経路(SUM)の主ビーム41により受信された同期応答の出力により、主ビームに入っていた場合の目標の出力がFruitの時点で推定され、各パターンへのFruitの出力との差分を求めることにより4個のパターンに対してSUMパターン(最大利得)のアンテナの主ビームとFruitのベアリングでのサイドローブとの間の相対出力が得られる。
【0081】
本発明によれば、各FruitFN,iに対して、および各同期応答に対して、(例として与える)以下のデータが各アンテナパターンSUM、DIFF、CONT_FrontおよびCONT_Backに紐付けられた2個のエントリのテーブルに累積されている。すなわち
- ベアリングについて、
・主ローブの-3dBで-180°から1°間隔で-方位角まで[ATCの場合は典型的に-2.4°まで]
・主ローブの-3dBで+180°から1°間隔で+方位角まで[ATCの場合は典型的に+2.4°まで]
・(-3dBで-方位角)から0.1°間隔で(主ローブの-3dBで+方位角)まで[ATCの場合は-2.4°から+2.4°まで]
- エレベーションについて、
・0°から20°まで1°間隔で、
- FruitFN,iの値により、
・FruitN,iの持続期間中のアンテナベアリング、
・FruitN,iの持続期間中の目標エレベーション
- アンテナパターンの相対出力の値
・FruitN,iの持続期間中の相対SUM出力
・FruitN,iの持続期間中の相対DIFF出力
・FruitN,iの持続期間中の相対CONT_Front出力
・FruitN,iの持続期間中の相対CONT_Back出力
【0082】
典型的には1日、またはパターンの測定に際してオペレータが要求する精度に応じて更に長い極めて緩慢な期間にわたり、
- 各アンテナパターンSUM、DIFF、CONT_FrontおよびCONT_Backに対して、
- 各エレベーションスライスに対して、
- 各ベアリングするスライスに対して、
各セル内に累積された相対出力の平均を計算する。
【0083】
必要ならば、パターンの各セルを測定に用いるFruitsの量および質を考慮することにより、各アンテナパターンSUM、DIFF、CONT_FrontおよびCONT_Back内でスムージングが実行される。
【0084】
本発明によれば、様々なアンテナパターンSUM、DIFF、CONT_FrontおよびCONT_Backのテンプレートは例えば、レーダーサイトに備えるアンテナの(工場受入を行う間の)工場プロットの関数として決定される。
【0085】
典型的には毎日行われる、Fruitsによるアンテナパターンの計算に続いて、本発明は、実行した測定をエレベーションに関するテンプレートと比較し、テンプレートから外れた点の要約を生成して、例えばパターンの測定に用いたFruitsの量と質を考慮することにより重み付けする。
【0086】
例えば日次のこのHUMS要約により、アンテナパターンの潜在的に進行中の劣化を評価することが可能になる。
【0087】
更に、アンテナパターンの特徴的変形がアンテナの特定部分の各種の劣化の関数として既に確定していれば、本発明は例えば以下に従い劣化要素、すなわち
- ベアリングおよびエレベーションに関するパターンSUM、DIFF、CONT_FrontまたはCONT_Backの均一なレベル損失を、
・恐らくSUM、DIFF、CONT_FrontまたはCONT_Backの回転接合部の劣化を強調し、
・恐らくSUM、DIFF、CONT_FrontまたはCONT_BackのRFケーブルの損失の増大を強調しながら、
- 特定のベアリングでのサイドローブでのSUM、DIFF、CONT_FrontまたはCONT_Backパターンのエレベーションに依らない上方回転を
・恐らく放射カラムの劣化を強調しながら提案する。
【0088】
他の劣化要素も同様に強調することができる。
【0089】
複数のテンプレートに関して実行された4個のアンテナパターンの上述の永続的な解析により、性能の劣化を機能レベルで定量化して、最終的には同一アンテナを用いるレーダーまたはADS-B受信器が劣化または実際に故障している旨を宣言することが可能になる。
【0090】
性能を保証する通常のテンプレートを越えて、専用テンプレートを、劣化に続いてアンテナパターンの変形が伴うであろうアンテナの通常の劣化を検出する目的で決定することができる。これは次いで、アンテナの故障した要素の位置を事前に特定して、レーダーが動作停止する前に代替を計画できるようにする。
【0091】
有利な特徴として、本発明による方法は、専用の送信を一切行うことなく、永続的に、且つレーダーの機能を妨げることなく、動作フェーズ中に実行される。
【符号の説明】
【0092】
1 アンテナ
2 回転接合部
3 サーキュレータ
4 送信器
5 受信器
6 時空間管理
7 信号処理
8 管理
9 抽出器
10 多回転処理
11、12、14、15 パターン
21,22 処理
23 アンテナ
31、32、33 目標
41 主ビーム
42 サイドローブ
101 管理
102 追跡
200 右側部分
201 方位角位置