(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
H01R 13/64 20060101AFI20240122BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20240122BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20240122BHJP
H01R 12/75 20110101ALI20240122BHJP
H05K 7/00 20060101ALN20240122BHJP
【FI】
H01R13/64
G03G15/00 680
B41J29/00 C
H01R12/75
H05K7/00 G
(21)【出願番号】P 2019118654
(22)【出願日】2019-06-26
【審査請求日】2022-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000718
【氏名又は名称】弁理士法人中川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黒木 徹
【審査官】高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-253558(JP,A)
【文献】実開昭63-117080(JP,U)
【文献】特開2001-137507(JP,A)
【文献】特開2011-235191(JP,A)
【文献】特開2013-152841(JP,A)
【文献】特開昭63-048783(JP,A)
【文献】特開2001-156964(JP,A)
【文献】特開2012-196782(JP,A)
【文献】米国特許第05037323(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R12/00-12/91
H01R13/56-13/72
H01R24/00-24/86
G03G15/00
B41J29/00
H05K 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置の背面側に配置された第1基板と、
前記第1基板とケーブルを介して電気的に接続される第2基板と、
前記第1基板に実装され、前記ケーブルが有するケーブル側コネクタが接続される基板側コネクタであって、それぞれが第1方向に延び、前記第1方向と直交する第2方向に並列して配置された複数の端子と、前記複数の端子を収容する筐体であり、前記第1方向と前記第2方向に直交する第3方向において前記複数の端子の一方側に配置され、前記複数の端子と対向する部分の前記第1方向の長さが前記複数の端子の前記第1方向の長さより長い第1の壁と、前記複数の端子の他方側に配置され、前記複数の端子と対向する部分の少なくても一部の前記第1方向の長さが前記複数の端子の前記第1方向の長さより短い第2の壁を有する筐体と、を有する基板側コネクタと、
前記第3方向において前記基板側コネクタの前記第2の壁を基準として前記複数の端子とは反対側に配置され、前記第1方向の長さが前記複数の端子の前記第1方向の長さより長く、前記ケーブル側コネクタの前記基板側コネクタに対する挿入角度を
前記第1方向を基準として25°以内に規制する規制部材と、
を備え、
前記複数の端子の前記第1方向の長さをL1、前記規制部材の前記第1方向の長さをL2、前記複数の端子と前記規制部材との間の前記第3方向の距離をL3とし、L2≦50mmであるとき、
L3≦(L2-L1)/tan65°
を満たすことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
画像形成装置の背面側に配置された第1基板と、
前記第1基板とケーブルを介して電気的に接続される第2基板と、
前記第1基板に実装され、前記ケーブルが有するケーブル側コネクタが接続される基板側コネクタであって、それぞれが第1方向に延び、前記第1方向と直交する第2方向に並列して配置された複数の端子と、前記複数の端子を収容する筐体であり、前記第1方向と前記第2方向に直交する第3方向において前記複数の端子の一方側に配置され、前記複数の端子と対向する部分の前記第1方向の長さが前記複数の端子の前記第1方向の長さより長い第1の壁と、前記複数の端子の他方側に配置され、前記複数の端子と対向する部分の少なくても一部の前記第1方向の長さが前記複数の端子の前記第1方向の長さより短い第2の壁を有する筐体と、を有する基板側コネクタと、
前記第3方向において前記基板側コネクタの前記第2の壁を基準として前記複数の端子とは反対側に配置され、前記第1方向の長さが前記複数の端子の前記第1方向の長さより長く、前記ケーブル側コネクタの前記基板側コネクタに対する挿入角度を
前記第1方向を基準として25°以内に規制する規制部材と、
を備え、
前記複数の端子の前記第1方向の長さをL1、前記規制部材の前記第1方向の長さをL2、前記複数の端子と前記規制部材との間の前記第3方向の距離をL3とし、L3≦25mmであるとき、
L2≧L3tan65°+L1
を満たすことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記第1基板を収容する金属製の収容部材を備え、
前記規制部材は、前記収容部材の壁の一部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記規制部材は、前記第1基板に実装される電子部品であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記規制部材は、前記ケーブルを拘束するワイヤーサドルであることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記基板側コネクタは、被係合部を有し、
前記ケーブル側コネクタは、前記被係合部に係合し、前記基板側コネクタに接続された前記ケーブル側コネクタが前記第1方向に移動することを規制する係合部を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第2の壁は、前記複数の端子に対向する位置において切り欠きを有する
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第2の壁は、前記第1方向の長さが前記複数の端子より長く、かつ、前記第1の壁よりは短い部分
を含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記筐体は、前記第3方向において前記第1の壁と前記第2の壁とを接続する第3の壁を有し、
前記第3の壁は、前記第1方向の長さが前記複数の端子より長く、かつ、前記第1の壁よりは短い部分を含む
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えばレーザビームプリンタ、LEDプリンタ等)などの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置においては、コントローラ基板や電源基板などの電子基板をコネクタを経由してケーブルで電気的に接続する構成が広く知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子基板に基板側コネクタが実装される場合、基板側コネクタの端子は、一般的に電子基板の実装面に直交する方向に延びるように設けられる。このような基板側コネクタに対し、ケーブル側コネクタが電子基板の実装面に直交する方向に対して斜めから挿入されると、基板側コネクタの端子とケーブル側コネクタとが干渉する。この場合、基板側コネクタの端子に意図しない方向の力が付与されて端子が変形し、基板側コネクタとケーブル側コネクタとの電気的接続が正常に行われないおそれがある。
【0005】
そこで本発明はこのような現状に鑑み、ケーブル側コネクタの基板側コネクタに対する挿入角度を規制することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、画像形成装置の背面側に配置された第1基板と、前記第1基板とケーブルを介して電気的に接続される第2基板と、前記第1基板に実装され、前記ケーブルが有するケーブル側コネクタが接続される基板側コネクタであって、それぞれが第1方向に延び、前記第1方向と直交する第2方向に並列して配置された複数の端子と、前記複数の端子を収容する筐体であり、前記第1方向と前記第2方向に直交する第3方向において前記複数の端子の一方側に配置され、前記複数の端子と対向する部分の前記第1方向の長さが前記複数の端子の前記第1方向の長さより長い第1の壁と、前記複数の端子の他方側に配置され、前記複数の端子と対向する部分の少なくても一部の前記第1方向の長さが前記複数の端子の前記第1方向の長さより短い第2の壁を有する筐体と、を有する基板側コネクタと、
前記第3方向において前記基板側コネクタの前記第2の壁を基準として前記複数の端子とは反対側に配置され、前記第1方向の長さが前記複数の端子の前記第1方向の長さより長く、前記ケーブル側コネクタの前記基板側コネクタに対する挿入角度を前記第1方向を基準として25°以内に規制する規制部材と、を備え、前記複数の端子の前記第1方向の長さをL1、前記規制部材の前記第1方向の長さをL2、前記複数の端子と前記規制部材との間の前記第3方向の距離をL3とし、L2≦50mmであるとき、L3≦(L2-L1)/tan65°を満たすことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画像形成装置においてケーブル側コネクタの基板側コネクタに対する挿入角度を規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】プラグコネクタとレセプタクルコネクタの斜視図である。
【
図4】レセプタクルコネクタの正面図、側面図、背面図、上視図である。
【
図5】プラグコネクタの正面図、側面図、背面図、底面図である。
【
図6】プラグコネクタがレセプタクルコネクタに挿入される様子を示す模式図である。
【
図7】プラグコネクタがレセプタクルコネクタに挿入される様子を示す模式図である。
【
図9】規制板と電解コンデンサの構成を示す模式図である。
【
図10】レセプタクルコネクタの配置図と仕様を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
<画像形成装置>
以下、まず本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の全体構成を画像形成時の動作とともに図面を参照しながら説明する。なお、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0010】
本実施形態に係る画像形成装置Aは、イエローY、マゼンダM、シアンC、ブラックKの4色のトナーを中間転写ベルトに転写した後、シートに画像を転写して画像を形成する中間タンデム方式の画像形成装置である。なお、以下の説明において、上記各色のトナーを使用する部材には添え字としてY、M、C、Kを付するものの、各部材の構成や動作は使用するトナーの色が異なることを除いて実質的に同じであるため、区別を要する場合以外は添え字を適宜省略する。
【0011】
図1は、画像形成装置Aの断面概略図である。
図1に示す様に、画像形成装置Aは、シートSにトナー像を転写して画像を形成する画像形成部を備える。画像形成部は、感光ドラム1(1Y、1M、1C、1K)、帯電ローラ2(2Y、2M、2C、2K)、現像装置3(3Y、3M、3C、3K)を備える。また一次転写ローラ5(5Y、5M、5C、5K)、レーザスキャナユニット98、中間転写ベルト6、二次転写ローラ16、二次転写対向ローラ12、駆動ローラ17などを備える。
【0012】
また画像形成装置Aの正面側(前面側)には、操作によって画像形成に関する設定が可能な操作部9が設けられている。操作部9は、情報を表示する表示部(表示画面)や数値を入力するためのテンキー、テンキーによる入力をキャンセルするためのクリアキー、画像形成を実行させるためのスタートキー、画像形成を停止させるためのストップキーなどを有する。画像形成装置Aに対して、ハードキーとしてのテンキー、クリアキー、スタートキー、ストップキーを設けずに、これらをソフトキーとしてタッチパネル式の表示部に表示させる操作部を用いてもよい。ユーザは、テンキーを操作して数値の入力等を行うことで、シートSの種類、画像の出力サイズ、画像形成枚数の設定等、画像形成に関する設定を行うことができる。ここで画像形成装置Aの正面側とは、操作部9を操作するために通常ユーザが立つ側である。また画像形成装置Aにおいて、背面側は、例えば、画像形成部を支持する金属または樹脂の枠体を介して正面側と反対の側である。画像形成装置Aの左側面側とは正面側から見て左側であり、右側面側とは正面側から見て右側である。
【0013】
また画像形成装置Aの上部には、原稿の画像を読み取る画像読取部8が設けられている。画像読取部8は、リーダ8aとAFD8bから構成される。リーダ8aは、ガラス板で形成された不図示の読取面に載置された原稿の画像を光学的に読み取って画像データに変換する。ADF8bは、原稿トレイに積載された原稿を自動的に搬送して画像を読み取る。ADF8bは、回動自在に支持されており、ADF8bを回動させて上方に開放することでリーダ8aの読取面にアクセス可能となる。
【0014】
次に、画像形成装置Aによる画像形成動作について説明する。画像を形成する際は、まず不図示の制御部に画像形成ジョブ信号が入力される。これにより給送ローラ11、搬送ローラ85が回転し、シートカセット10に積載収納されたシートSがレジストローラ86に送り出される。次にシートSは、レジストローラ86によって所定のタイミングで二次転写ローラ16と二次転写対向ローラ12から形成される二次転写部に送り込まれる。
【0015】
一方、画像形成部においては、まず帯電ローラ2Yにより感光ドラム1Y表面が帯電させられる。その後、画像読取部8に読み取られた原稿の画像に基づいて生成される駆動信号に応じてレーザスキャナユニット98が感光ドラム1Y表面にレーザ光を照射し、感光ドラム1Y表面に静電潜像を形成する。その後、現像装置3Yにより感光ドラム1Yの表面に形成された静電潜像にイエローのトナーを付着させ、感光ドラム1Y表面にイエローのトナー像を形成する。感光ドラム1Y表面に形成されたトナー像は、一次転写ローラ5Yに一次転写バイアスが印加されることで、中間転写ベルト6に一次転写される。
【0016】
同様のプロセスにより、感光ドラム1M、1C、1Kにも、マゼンダ、シアン、ブラックのトナー像が形成される。そして一次転写ローラ5M、5C、5Kに一次転写バイアスが印加されることで、これらのトナー像が中間転写ベルト6上のイエローのトナー像に対して重畳的に転写される。これにより中間転写ベルト6の表面に画像信号に応じたフルカラーのトナー像が形成される。
【0017】
その後、中間転写ベルト6が駆動ローラ17から駆動力を伝達されて周回移動することで、フルカラーのトナー像が二次転写部に送られる。そして二次転写部において二次転写ローラ16に二次転写バイアスが印加されることで、中間転写ベルト6上のフルカラーのトナー像がシートSに転写される。
【0018】
次に、トナー像が転写されたシートSは、定着装置15において加熱、加圧処理が施され、これによりシートS上のトナー像がシートSに定着される。その後、トナー像が定着されたシートSは、排出ローラ13によって排出部7に排出される。
【0019】
<制御基板>
次に、画像形成装置Aに搭載されている制御基板について説明する。
【0020】
図2は、画像形成装置Aを背面側から見た斜視概略図である。なお、
図2では、画像形成装置Aの内部の構成を示すために、画像形成装置Aの背面及び左側面の外装カバーは省略されている。
図2に示す様に、画像形成装置Aの枠体である後側板100には、後側板100を補強するためのステー101、102、103、104が設けられている。後側板100やステー101~104は、感光ドラム1など画像形成部よりも画像形成装置Aの背面側に配置されている、画像形成装置Aの背面側の枠体である。
【0021】
ステー101、102には、金属製の電装ボックス700(収容部材)がビス90によって固定されている。なお、
図2では、電装ボックス700の内部の構成を示すために、電装ボックス700の金属製の蓋は省略されている。電装ボックス700の内部には、第一基板400(第1基板)が収容されている。第一基板400は、電装ボックス700に対してビス91により固定されている。つまり第一基板400は、画像形成装置Aの背面側の枠体に対して電装ボックス700を介して固定されており、外部からのノイズの下記の画像処理への影響をできる限り抑えるために、また、下記の画像処理等により外部に放射し得る放射ノイズをできる限り遮蔽するために、金属製の電装ボックス700に収容されてシールドされている。本実施形態の電装ボックス700は、一枚の板金(鋼板)に曲げ加工を加えられた箱である。第一基板400をビス91により第一基板400が実装される実装面から側壁が曲げ起こされている。電装ボックス700には、第一基板400を覆う蓋(カバー部材)が取り付けられても良い。
【0022】
第一基板400は、電源基板420の制御、画像データの処理(画像処理)PC、タブレット、スマートフォンなどの外部装置との通信等を行うために、画像形成装置Aに設けられたコントローラ基板である。第一基板400において画像読取部8に読み取られた原稿の画像を画像データに変換する画像処理が実行される。また、第一基板400において外部装置から入力される画像に基づく画像データを生成する画像処理が実行される。画像処理には、RGBをYMCKに変換する処理、濃度補正、倍率補正、色ずれ補正処理などが含まれる。また、第一基板400において、画像データは上記駆動信号に変換される。上記機能を果たすために、第一基板400の実装面400aには、コントローラIC、電解コンデンサ600、ASICをはじめ、多くの電子部品が実装されている。また第一基板400には、合計六個のレセプタクルコネクタ300~305(基板側コネクタ)が実装されている。
【0023】
また電装ボックス700の下方に位置するステー103、104には、第二基板410(第2基板)がビス92によって固定されている。第二基板410は、シートSを搬送するためのローラを駆動させるモータ(不図示)や、その他の駆動系を制御するために画像形成装置Aに設けられたエンジン基板である。その他の駆動系における駆動対象には、帯電ローラ2(2Y、2M、2C、2K)、現像装置3(3Y、3M、3C、3K)に含まれる現像ローラ、一次転写ローラ5(5Y、5M、5C、5K)などが含まれる。また、その他の駆動系における駆動対象には、レーザスキャナユニット98に含まれる回転多面鏡を回転させる駆動モータ、中間転写ベルト6、二次転写ローラ16、二次転写対向ローラ12などが含まれる。上記機能を果たすために、第二基板410の実装面410aには、コントローラIC、ASICをはじめ、多くの電子部品が実装されている。また第二基板410の実装面410aには、レセプタクルコネクタ306(基板側コネクタ)が実装されている。
【0024】
第一基板400と第二基板410は、ケーブル230により電気的に接続されており、両者は通信可能に構成されている。第一基板400から第二基板410に対して、ケーブル230を介して、上述した駆動系の駆動開始又は停止するタイミングを伝えるための電気信号が伝送される。ケーブル230は、第一基板400から電装ボックス700の壁700aに形成された開口部700a1を通って第二基板410まで這い回されている。ケーブル230の一端部には、第一基板400に実装されたレセプタクルコネクタ300に接続されるプラグコネクタ200(ケーブル側コネクタ)が取り付けられている。ケーブル230の他端部には、第二基板410に実装されたレセプタクルコネクタ306に接続されるプラグコネクタ203(ケーブル側コネクタ)が取り付けられている。
【0025】
また画像形成装置Aにおける後側板100より正面側には、電源基板420が設けられている。電源基板420は、画像形成装置Aの各ユニット(画像形成部・定着装置・シートを搬送するためのローラの駆動源・画像読取部)に電源を供給するために画像形成装置Aに設けられている。第一基板400と電源基板420は、ケーブル221、222により電気的に接続されている。電源基板420から第一基板400に対して、ケーブル221を介して、第一基板400を動作させるための電力が伝送される。第一基板400から電源基板420に対して、ケーブル222を介して、電源制御信号が伝送される。ケーブル221、222は、第一基板400から電装ボックス700に形成された開口部700a1と後側板100に形成された開口部100aを通って電源基板420まで這い回されている。またケーブル221、222の一端部には、第一基板400に実装されたレセプタクルコネクタ301、302にそれぞれ接続されるプラグコネクタ201、202が取り付けられている。ケーブル221、222の他端部には、電源基板420に実装されたレセプタクルコネクタ307に接続されるプラグコネクタ204が取り付けられている。
【0026】
なお、第一基板400に実装されたレセプタクルコネクタ303~305に対しても、レセプタクルコネクタ300~302等と同様に、ケーブル(不図示)の端部に取り付けられたプラグコネクタ(不図示)が接続される。レセプタクルコネクタ303は、画像読取部8や操作部9と通信を行うためのケーブルが接続されるコネクタである。レセプタクルコネクタ304は、画像形成装置Aにオプションで搭載され、FAXの送受信を行うためのFAXユニットと通信を行うためのケーブルが接続されるコネクタである。レセプタクルコネクタ305は、画像形成装置Aにオプションで搭載されるBluetooth(登録商標)やNFCと通信を行うためのケーブルが接続されるコネクタである。このようにケーブルを介して第一基板400と上述した他のユニットとの電気的接続が行われる。
【0027】
<プラグコネクタとレセプタクルコネクタ>
次に、プラグコネクタとレセプタクルコネクタの構成について説明する。プラグコネクタ200~204は同じ種類のコネクタであり、端子の極数や各寸法以外の構成は同様である。またレセプタクルコネクタ300~307は同じ種類のコネクタであり、端子の極数や各寸法以外の構成は同様である。このため以下では、プラグコネクタ200とレセプタクルコネクタ300の構成を説明する。
【0028】
図3は、プラグコネクタ200とレセプタクルコネクタ300の斜視図である。
図4は、レセプタクルコネクタ300を示す図であり、
図4(a)は正面図、
図4(b)は側面図、
図4(c)は背面図、
図4(d)は上視図である。
図5は、プラグコネクタ200を示す図であり、
図5(a)は正面図、
図5(b)は側面図、
図5(c)は背面図、
図5(d)は底面図である。
【0029】
図3、
図4に示す様に、レセプタクルコネクタ300は、電気接点部であるピン端子300bを有する。ピン端子300bは、互いに等間隔で且つ平行に配置され、第一基板400の実装面400aに直交する矢印Z方向(第1方向)に延びる17極のピンから構成されている。それぞれのピン端子300bの矢印Z方向の長さは同じである。またピン端子300bの一端部300b1は、第一基板400の実装面400aに沿って曲げられており、第一基板400に形成された不図示の導体パターン(ランドパターン)に半田付けされている。
【0030】
またレセプタクルコネクタ300は、矢印Z方向に延びるロック板300cを有する。ロック板300cには、ピン端子300bの並列方向である矢印Y方向(第2方向)と矢印Z方向に直交する矢印X方向(第3方向)に凹む係合穴300c1が形成されている。
【0031】
これらのピン端子300b、ロック板300cは、筐体300aに収容されている。筐体300aは、矢印X方向においてピン端子300bの一方側に配置された壁300a1(第1の壁)と、他方側に配置された壁300a2(第2の壁)を有する。また筐体300aは、矢印Y方向においてピン端子300bの一方側に配置された壁300a3と、他方側に配置された壁300a4を有する。
【0032】
壁300a1におけるピン端子300bと対向する部分の矢印Z方向の長さは、ピン端子300bの矢印Z方向の長さよりも長く構成されている。壁300a2におけるピン端子300bと対向する部分の一部の矢印Z方向の長さは、ピン端子300bの矢印Z方向の長さよりも短く構成されている。また壁300a2におけるピン端子300bと対向する部分の一部は切り欠かれている。壁300a3、300a4におけるピン端子300bと対向する部分の矢印Z方向の長さは、ピン端子300bの矢印Z方向の長さよりも長く構成されている。
【0033】
なお、矢印Z方向に関して、壁300a2、300a3、300a4は、壁300a1の長さより短く、ピン端子300bの長さより長い部分を有する。プラグコネクタ200がレセプタクルコネクタ300に接続されると、プラグコネクタ200の筐体200aの一部がこれらの部分から露出する。メンテナンスを行う作業者は、プラグコネクタ200におけるこの露出した部分を把持することで、レセプタクルコネクタ300からプラグコネクタ200を引き抜くことが容易となる。
【0034】
図3、
図5に示す様に、プラグコネクタ200の筐体200aには、ケーブル格納孔200a3が形成されている。ケーブル格納孔200a3の近傍には、爪部200d1(
図6)を有する端子200dが設けられている。組み付け作業者は、ケーブル格納孔200a3にケーブル230(
図6)を格納し、格納されたケーブル230の絶縁被覆に対して端子200dの爪部200d1を工具により食い込ませる。これにより端子200dの爪部200d1がケーブル230の絶縁被覆の内部の導線に接触して両者が導通する。
【0035】
またプラグコネクタ200の筐体200aの底面には、筐体200aの底面を矢印Z方向に貫通する貫通孔200a1が形成されている。プラグコネクタ200がレセプタクルコネクタ300に挿入される際、貫通孔200a1にレセプタクルコネクタ300のピン端子300bが進入する。これによりプラグコネクタ200はピン端子300bによって矢印Z方向に移動を案内される。プラグコネクタ200が挿入されると、ピン端子300bと端子200dが接触し、レセプタクルコネクタ300とプラグコネクタ200が電気的に接続される。
【0036】
またプラグコネクタ200の筐体200aの外表面には、矢印X方向に突出する凸部200a2(係合部)が形成されている。凸部200a2は、レセプタクルコネクタ300のロック板300cに形成された係合穴300c1(被係合部)に係合する。これによりレセプタクルコネクタ300に接続されたプラグコネクタ200の矢印Z方向の移動が規制され、プラグコネクタ200のレセプタクルコネクタ300に対する位置ずれが抑制されて両者の電気的接続が安定する。また凸部200a2が係合穴300c1に係合する際にクリック感が生じるため、作業者はプラグコネクタ200が挿入されたことを確認することができる。
【0037】
<プラグコネクタ挿抜時の課題>
次に、レセプタクルコネクタ300に対するプラグコネクタ200の挿抜時の課題について説明する。
【0038】
図6は、プラグコネクタ200がレセプタクルコネクタ300に挿入される様子を矢印Y方向から見た模式図である。
図7は、プラグコネクタ200がレセプタクルコネクタ300に挿入される様子を矢印X方向から見た模式図である。ここで
図6(a)、
図7(a)は、プラグコネクタ200が矢印Z方向から挿入される様子を示す。
図6(b)は、プラグコネクタ200が矢印Z方向に対して矢印X方向側に25°傾いた方向から挿入される様子を示す。
図7(b)は、プラグコネクタ200が矢印Z方向に対して矢印Y方向側に25°傾いた方向から挿入される様子を示す。
【0039】
図6(a)、
図7(a)に示す様に、プラグコネクタ200が矢印Z方向から挿入されると、レセプタクルコネクタ300のピン端子300bが延びる方向から挿入されるため、プラグコネクタ200の貫通孔200a1の内壁とピン端子300bが干渉しない。従って、プラグコネクタ200からピン端子300bに対して意図しない方向の力が付与されず、ピン端子300bは変形しない。このため、ピン端子300bと端子200dが安定的に接触し、プラグコネクタ200とレセプタクルコネクタ300との電気的接続が安定的に行われる。
【0040】
図6(b)に示す様に、プラグコネクタ200が矢印X方向側から斜めに挿入される場合、レセプタクルコネクタ300のピン端子300bは、プラグコネクタ200の貫通孔200a1の内壁と干渉する。同様に、
図7(b)に示す様に、プラグコネクタ200が矢印Y方向側から斜めに挿入される場合、レセプタクルコネクタ300のピン端子300bは、プラグコネクタ200の貫通孔200a1の内壁と干渉する。この状態でプラグコネクタ200が無理に挿入されると、プラグコネクタ200からピン端子300bに対して意図しない方向の力が付与されてピン端子300bが変形する。この場合、レセプタクルコネクタ300のピン端子300bとプラグコネクタ200の端子200dが上手く接触せずに両者の電気的接続が正常に行われないおそれがある。なお、プラグコネクタ200をレセプタクルコネクタ300から斜めに引き抜く場合も同様に、ピン端子300bが変形するおそれがある。
【0041】
またレセプタクルコネクタ300のピン端子300bとプラグコネクタ200の貫通孔200a1の内壁が干渉した状態でプラグコネクタ200が挿入されると、ピン端子300bによってプラグコネクタ200が削られる。この場合、プラグコネクタ200の端子200dとレセプタクルコネクタ300のピン端子300bの間に削られた粉800(
図6(b))が入り込み、端子200dとピン端子300bが上手く接触せずに両者の電気的接続が正常に行われないおそれがある。
【0042】
即ちプラグコネクタ200とレセプタクルコネクタ300の電気的接続を安定させるためには、プラグコネクタ200が斜めに挿抜されず、矢印Z方向から挿抜されることが望ましい。上述した通りレセプタクルコネクタ300の筐体300aにおいて、壁300a1の矢印Z方向の長さはピン端子300bの矢印Z方向の長さより長く、壁300a2の一部の矢印Z方向の長さはピン端子300bの矢印Z方向の長さより短く構成されている。従って、プラグコネクタ200が矢印X方向側から斜めに挿抜される場合、特にピン端子300bに対して壁300a2が配置された側から挿抜されやすい。
【0043】
<規制部材>
画像形成装置Aは、プラグコネクタ200のレセプタクルコネクタ300に対する挿入角度を規制する規制部材を備える。以下、規制部材の構成について説明する。
【0044】
まずはプラグコネクタ200が矢印X方向側から斜めに挿入されることを規制する規制部材の構成について説明する。
図8は、規制部材としての規制板700a2の構成を示す模式図である。ここで規制板700a2は、
図1に示す電装ボックス700の側面の壁700aの一部分である。つまり本実施形態では、規制部材としてノイズ対策で設けられている電装ボックス700を利用している。
【0045】
図8に示す様に、規制板700a2は、矢印X方向において、レセプタクルコネクタ300の筐体300aの壁300a2に隣接した位置に配置される。規制板700a2は、第一基板400の実装面400aに直交する方向(矢印Z方向)の長さが、ピン端子300bの同方向の長さより長くなるように構成されている。
【0046】
ここで矢印Z方向において、ピン端子300bの長さをL1、規制板700a2の長さをL2とする。なお、ここでいうピン端子300bの長さをL1とは、ピン端子300bにおける矢印Z方向に延びており、プラグコネクタ200の端子200dと接触する部分の長さを意味する。また矢印X方向において、ピン端子300bにおける矢印Z方向に延びる部分と規制板700a2との間の距離をL3とする。またプラグコネクタ200がレセプタクルコネクタ300に対して矢印X方向側から斜めに挿入される場合に両者の電気的接続が正常に行われることが保証される限界角度をθ1とする。このとき、L1、L2、L3、θ1は、次の条件1を満たすように構成される。
【0047】
(条件1)
L3≦(L2-L1)/tan(90-θ1)°
【0048】
このような構成により、作業者がプラグコネクタ200を限界角度θ1より斜めの方向からレセプタクルコネクタ300に挿入しようとする場合に、規制板700a2がプラグコネクタ200に当接して挿入が阻害される。また作業者が、レセプタクルコネクタ300からプラグコネクタ200を限界角度θ1より斜めの方向に引き抜こうとする場合に、規制板700a2がプラグコネクタ200に当接して引き抜きが阻害される。つまりプラグコネクタ200のレセプタクルコネクタ300に対する挿抜角度が、規制板700a2によって正常な範囲に規制される。従って、レセプタクルコネクタ300のピン端子300bの変形が抑制され、両者の電気的接続を安定させることができる。
【0049】
ここで本実施形態では、プラグコネクタ200の挿入時の限界角度θ1は25°を想定しており、さらに好ましいのは15°である。またレセプタクルコネクタ300を実装する際、ピン端子300bの長さL1は仕様により予め決まっている。なお、ピン端子300bの長さは、1mm≦L1≦10mmのものが多い。また電装ボックス700の壁700aの高さは予め決まっており、画像形成装置Aの全体サイズを考えると長さは、10mm≦L2≦50mmが目安となる。この場合、レセプタクルコネクタ300を実装する際や、レセプタクルコネクタ300が実装された第一基板400を画像形成装置Aに取り付ける際に、距離L3を次の条件2を満たすように設定する。
【0050】
(条件2)
L3≦(L2-L1)/tan65°
【0051】
また電装ボックス700のサイズが選択可能な場合、規制板700a2の長さL2が任意に設定可能となる。また距離L3が長すぎる場合、規制板700a2の長さL2が長くてもプラグコネクタ200の挿入角度を規制するのは難しく、5mm≦L3≦25mmとするのが望ましい。この場合、規制板700a2の長さL2を次の条件3を満たすように設定する。
【0052】
(条件3)
L2≧L3tan65°+L1
【0053】
このようにL1、L2、L3を上記の条件2、3を満たすように設定する。これによりプラグコネクタ200がX方向側から斜めに挿入される場合であっても、その挿入角度を限界角度θ1である25°以下に抑えることができる。従って、レセプタクルコネクタ300のピン端子300bの変形が抑制され、両者の電気的接続を安定させることができる。
【0054】
なお、本実施形態では、矢印X方向から見て、レセプタクルコネクタ300の全てのピン端子300bと規制板700a2とが重なるように構成されている。しかし本発明はこれに限られず、矢印X方向から見てピン端子300bの少なくても一部と規制板700a2が重なる構成であれば、上記効果を得ることができる。
【0055】
次に、プラグコネクタ200が矢印Y方向側から斜めに挿入されることを規制する規制部材の構成について説明する。
図9は、規制部材としての規制板700a3と電解コンデンサ600の構成を示す模式図である。ここで規制板700a3は、
図1に示す電装ボックス700の側面の壁700aの一部分である。つまり本実施形態では、規制部材としてノイズ対策で設けられている電装ボックス700と第一基板400に実装された電子部品を利用している。
【0056】
図9に示す様に、規制板700a3は、矢印Y方向において、レセプタクルコネクタ300の筐体300aの壁300a3に隣接した位置に配置される。規制板700a3の矢印Z方向の長さは、ピン端子300bの矢印Z方向の長さよりも長くなるように構成されている。電解コンデンサ600は、矢印Y方向において、レセプタクルコネクタ300の筐体300aの壁300a4に隣接した位置に配置される。電解コンデンサ600の矢印Z方向の長さは、ピン端子300bの矢印Z方向の長さよりも長くなるように構成されている。
【0057】
ここで矢印Z方向において、レセプタクルコネクタ300の筐体300aの壁300a3の長さをK1、壁300a4の長さをK2、規制板700a3の長さをK3、電解コンデンサ600の長さをK4とする。ここでいう筐体300aの壁300a3、壁300a4の長さK1、K2とは、壁300a3、壁300a4における矢印Z方向の長さが最も長い部分の長さを意味する。また矢印Y方向において、筐体300aの壁300a3と規制板700a3との間の距離をK5、筐体300aの壁300a4と電解コンデンサ600との間の距離をK6とする。またプラグコネクタ200のレセプタクルコネクタ300に対する挿入角度において、矢印Y方向から斜めに挿入される場合に、電気的接続が正常に行われることが保証される限界の傾斜角度を限界角度θ2とする。このとき、K1~K6、θ2は、次の条件4、5を満たすように構成される。
【0058】
(条件4)
K5≦(K3-K1)/tan(90-θ2)°
【0059】
(条件5)
K6≦(K4-K2)/tan(90-θ2)°
【0060】
このような構成により、作業者がプラグコネクタ200を限界角度θ2より斜めの方向からレセプタクルコネクタ300に挿入しようとする場合に、規制板700a3又は電解コンデンサ600がプラグコネクタ200に当接して挿入が阻害される。また作業者が、レセプタクルコネクタ300からプラグコネクタ200を限界角度θ2より斜めの方向に引き抜こうとする場合に、規制板700a2又は電解コンデンサ600がプラグコネクタ200に当接して引き抜きが阻害される。つまりプラグコネクタ200のレセプタクルコネクタ300に対する挿抜角度が、規制板700a2又は電解コンデンサ600によって正常な範囲に規制される。従って、レセプタクルコネクタ300のピン端子300bの変形が抑制され、両者の電気的接続を安定させることができる。
【0061】
ここで本実施形態では、プラグコネクタ200の挿入時の限界角度θ2は25°を想定しており、さらに好ましいのは15°である。またレセプタクルコネクタ300を実装する際、筐体300aの壁300a3の長さK1、壁300a4の長さK2は仕様により予め決まっている。なお、壁300a3の長さ、壁300a4の長さは、4mm≦K1≦20mm、4mm≦K2≦20mmのものが多い。また電装ボックス700の壁700aの高さは予め決まっており、画像形成装置Aの全体サイズを考えると長さは、10mm≦K3≦50mmが目安となる。また電解コンデンサ600の長さK4は仕様により予め決まっており、10mm≦K4≦25mmが目安となる。この場合、レセプタクルコネクタ300を実装する際や、レセプタクルコネクタ300が実装された第一基板400を画像形成装置Aに取り付ける際に、距離K5、K6を次の条件6、7を満たすように設定する。
【0062】
(条件6)
K5≦(K3-K1)/tan65°
【0063】
(条件7)
K6≦(K4-K2)/tan65°
【0064】
また電装ボックス700のサイズが選択可能な場合、規制板700a3の長さK3が任意に設定可能となる。また電解コンデンサ600の仕様が選択可能な場合、電解コンデンサ600の長さK4は任意に設定可能となる。また距離K5、K6が長すぎる場合、規制板700a3の長さK3や電解コンデンサ600の長さK4が長くてもプラグコネクタ200の挿入角度を規制するのは難しく、1mm≦K5≦25mm、1mm≦K6≦15mmとするのが望ましい。規制板700a3の長さK3、電解コンデンサ600の長さK4を次の条件8、9を満たすように設定する。
【0065】
(条件8)
K3≧K5tan65°+K1
【0066】
(条件9)
K4≧K6tan65°+K2
【0067】
このようにK1~K6を上記の条件8、9を満たすように設定する。これによりプラグコネクタ200がY方向側から斜めに挿入される場合であっても、その挿入角度を限界角度θ2である25°以下に抑えることができる。従って、レセプタクルコネクタ300のピン端子300bの変形が抑制され、両者の電気的接続を安定させることができる。
【0068】
なお、本実施形態では、矢印Y方向から見て、レセプタクルコネクタ300の壁300a3の全ての部分と規制板700a3とが重なるように構成されている。しかし本発明はこれに限られず、矢印X方向から見て壁300a3の少なくても一部と規制板700a3が重なる構成であれば、上記効果を得ることができる。また矢印Y方向から見て壁300a4の少なくても一部と電解コンデンサ600が重なる構成であれば上記効果を得ることができる。
【0069】
また本実施形態では、規制部材として電装ボックス700の壁の一部や第一基板400に実装された電解コンデンサ600を利用したものの、本発明はこれに限られるものではない。つまり規制板700a2、規制板700a3、電解コンデンサ600の代わりに、規制部材として第一基板400に実装された他の電子部品を利用してもよい。また規制板700a2、規制板700a3、電解コンデンサ600の代わりに、第一基板400の実装面400aや第一基板400の近傍に、規制部材として他の部材を設ける構成としてもよい。第一基板400の実装面400aに設けられる規制部材の一例としては、ケーブル230を拘束するワイヤーサドルが考えられる。このような構成でも、上記同様の効果を得ることができる。
【0070】
<レセプタクルコネクタの配置>
次に、レセプタクルコネクタ300~305の配置について説明する。
【0071】
図10(a)は、レセプタクルコネクタ300~305の配置図である。ここで
図10(a)は、画像形成装置Aの枠体であるステー101、102に電装ボックス700を介して固定された状態の第一基板400を正面から見た図であり、紙面の上下方向が鉛直方向を示し、左右方向が水平方向を示す。
図10(b)は、レセプタクルコネクタ300~305の長手方向の長さとピン端子300bの極数と係合穴300c1の数を示す表である。ここでレセプタクルコネクタ300~305の長手方向とは、これらのピン端子の並列方向である。
【0072】
図10に示す様に、第一基板400の実装面400aは、実装面400aの端部を形成し、水平方向に延びる辺400a1(第1の辺)と、辺400a1と対向し、辺400a1と平行に延びる辺400a2(第3の辺)を有する。また実装面400aは、実装面400aの端部を形成し、鉛直方向に延びる辺400a3(第2の辺)と、辺400a3と対向し、辺400a1と平行に延びる辺400a4(第4の辺)を有する。
【0073】
ここでピン端子の極数が多く、長手方向の長さが長いレセプタクルコネクタを、その長手方向と鉛直方向が揃うように実装面400aに配置する場合、作業者はプラグコネクタの長手方向が鉛直方向と揃うようにプラグコネクタを把持して挿入することになる。このようにプラグコネクタが把持される場合、レセプタクルコネクタの長手方向の両端部の視認性が悪くなり、またプラグコネクタのレセプタクルコネクタに対する挿入角度の保持が難しい手首の向きとなる。従って、プラグコネクタが第一基板400の実装面400aに直交する方向に対して斜めからレセプタクルコネクタに挿入されやすくなる。特に長手方向の長さが長く、係合穴を複数有するレセプタクルコネクタにおいては、作業者がプラグコネクタの凸部を係合穴に一つずつ順番に嵌めていくことも考えられる。このため、プラグコネクタが第一基板400の実装面400aに直交する方向に対して斜めから挿入されやすくなる。
【0074】
そこで本実施形態では、ピン端子の極数が15極以上のレセプタクルコネクタ300、303、305を、その長手方向が辺400a1、400a2が延びる水平方向と揃うように配置する。具体的には、レセプタクルコネクタ300は、第一基板400の実装面400aにおける辺400a1の周囲に実装され、その長手方向と辺400a1が延びる方向が揃うように配置される。またレセプタクルコネクタ303は、第一基板400の実装面400aにおいて辺400a1が延びる方向におけるレセプタクルコネクタ300と隣接する位置に実装され、その長手方向と辺400a1が延びる方向が揃うように配置される。またレセプタクルコネクタ305は、第一基板400の実装面400aにおける辺400a2の周囲に実装され、その長手方向と辺400a2が延びる方向が揃うように配置される。これらのレセプタクルコネクタ300、303、305は、長手方向の長さが20mm以上のレセプタクルコネクタであり、複数の係合穴を有するプラグコネクタでもある。なお、本実施形態では、レセプタクルコネクタ300、303、305の長手方向と辺400a1、400a2が延びる水平方向が平行になるようにレセプタクルコネクタ300、303、305を配置するものの、公差の範囲でずれていてもよい。
【0075】
またピン端子の極数が2極以上15極未満のレセプタクルコネクタ301、302、304を、その長手方向が辺400a3、400a4が延びる鉛直方向と揃うように配置する。具体的には、レセプタクルコネクタ301は、第一基板400の実装面400aにおける辺400a3の周囲に実装され、その長手方向と辺400a3が延びる方向が揃うように配置される。またレセプタクルコネクタ302は、第一基板400の実装面400aにおいて辺400a3が延びる方向におけるレセプタクルコネクタ301と隣接する位置に実装され、その長手方向と辺400a3が延びる方向が揃うように配置される。またレセプタクルコネクタ304は、第一基板400の実装面400aにおける辺400a4の周囲に実装され、その長手方向と辺400a4が延びる方向が揃うように配置される。これらのレセプタクルコネクタ301、302、304は、長手方向の長さが20mm未満のレセプタクルコネクタであり、一つの係合穴を有するプラグコネクタでもある。なお、本実施形態では、レセプタクルコネクタ301、302、304の長手方向と辺400a3、400a4が延びる鉛直方向が平行になるようにレセプタクルコネクタ301、302、304を配置するものの、公差の範囲でずれていてもよい。
【0076】
このようにレセプタクルコネクタ300~305を配置することで、プラグコネクタが第一基板400の実装面400aに直交する方向に対して斜めからレセプタクルコネクタに挿入されることを抑制することができる。従って、レセプタクルコネクタ300~305のピン端子や、これらに挿入されるプラグコネクタの端子の変形が抑制され、両者の電気的接続を安定させることができる。
【符号の説明】
【0077】
200…プラグコネクタ(ケーブル側コネクタ)
230…ケーブル
300…レセプタクルコネクタ(基板側コネクタ)
300a…筐体
300a1…壁(第1の壁)
300a2…壁(第2の壁)
300b…ピン端子
400…第一基板(第1基板)
410…第二基板(第2基板)
700…電装ボックス(収容部材)
700a2…規制板(規制部材)
A…画像形成装置