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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】動作支援装置
(51)【国際特許分類】
   B25J 11/00 20060101AFI20240122BHJP
   A61F 5/01 20060101ALI20240122BHJP
【FI】
B25J11/00 Z
A61F5/01 K
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019133153
(22)【出願日】2019-07-18
(65)【公開番号】P2021016911
(43)【公開日】2021-02-15
【審査請求日】2022-06-03
(73)【特許権者】
【識別番号】502369573
【氏名又は名称】ユーピーアール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】幅崎 昌平
(72)【発明者】
【氏名】小西 真
(72)【発明者】
【氏名】矢田 崇宜
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 雅
(72)【発明者】
【氏名】酒田 健治
【審査官】神山 貴行
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-107288(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0105971(US,A1)
【文献】特開2015-221139(JP,A)
【文献】特表2018-513763(JP,A)
【文献】特開2003-144467(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109172289(CN,A)
【文献】特開2014-090959(JP,A)
【文献】国際公開第2017/213235(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00-21/02
A61F 5/00- 5/58
A61H 1/00- 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の腰の動作を支援する動作支援装置であって、
前記人の左側に装着される左リンク機構と、
前記人の右側に装着される右リンク機構と、
前記人の腰回りに装着され、前記左リンク機構と前記右リンク機構とに締結される締結部材と、
前記人の背面側に配置され、前記左リンク機構および前記右リンク機構のそれぞれの動きを制御する制御ユニットとを備え、
前記左リンク機構は、
前記人の左大腿部に装着されるリンクであって、当該リンクの下端側が前記左大腿部の前または後に配置される左大腿リンクと、
前記人の上体左側に装着されるリンクであって、当該リンクの下端側が前記左大腿リンクの上端側に対して回動自在に取り付けられる左上体リンクと、
前記左大腿リンクおよび前記左上体リンクの何れか一方を他方に対して回動させる左アクチュエータと、
前記人の左胸に配置され、かつ、前記左上体リンクの上端とボールジョイントによって連結される左胸パッドと、
前記左上体リンクと左大腿リンクとを回動自在に連結する左関節部とを有し、
前記右リンク機構は、
前記人の右大腿部に装着されるリンクであって、当該リンクの下端側が前記右大腿部の前または後に配置される右大腿リンクと、
前記人の上体右側に装着されるリンクであって、当該リンクの下端側が前記右大腿リンクの上端側に対して回動自在に取り付けられる右上体リンクと、
前記右大腿リンクおよび前記右上体リンクの何れか一方を他方に対して回動させる右アクチュエータと、
前記人の右胸に配置され、かつ、前記右上体リンクの上端とボールジョイントによって連結される右胸パッドと、
前記右上体リンクと右大腿リンクとを回動自在に連結する右関節部とを有し、
前記左関節部と前記右関節部とは、前記人の腰回り方向に沿ってスライド自在に前記締結部材に締結され、
前記締結部材は、
前記左関節部に接続される左固定部材と、
前記右関節部に接続される右固定部材と、
それぞれ前記左固定部材および前記右固定部材に固定される第1のベルトおよび第2のベルトとを有し、
前記第1のベルトは、
前記人の前側に配置され、前記第1のベルトにおける前記左固定部材に固定されている部位から前記右固定部材に固定されている部位までの第1の長さが可変に構成され、
前記第2のベルトは、
前記制御ユニットの左係止部および右係止部のそれぞれに係止され、
前記第2のベルトにおける前記左固定部材に固定されている部位から前記制御ユニットの前記左係止部に係止されている部位までの第2の長さが可変に構成され、かつ、前記第2のベルトにおける前記右固定部材に固定されている部位から前記制御ユニットの前記右係止部に係止されている部位までの第3の長さが可変に構成され、
前記左関節部と前記右関節部とは、
前記第1の長さ、前記第2の長さ、および前記第3の長さの調整によって、前記人の腰回り方向に沿ってスライド自在に前記締結部材に締結される、
動作支援装置。
【請求項2】
前記左リンク機構は、さらに、
前記左上体リンクの下端側を収納して保持し、前記人の左腰部に配置されるように前記締結部材に締結される左筐体を有し、
前記右リンク機構は、さらに、
前記右上体リンクの下端側を収納して保持し、前記人の右腰部に配置されるように前記締結部材に締結される右筐体を有し、
前記左上体リンクの前記左筐体から出ている部分は、前記左上体リンクの長手方向に沿って伸縮自在であって、
前記右上体リンクの前記右筐体から出ている部分は、前記右上体リンクの長手方向に沿って伸縮自在である
請求項1に記載の動作支援装置。
【請求項3】
前記第1のベルトは、
前記左固定部材に固定され、かつ、前記人の左前に配置される左前ベルトと、
前記右固定部材に固定され、かつ、前記人の右前に配置される右前ベルトとを有し、
前記左前ベルトおよび前記右前ベルトは互いに着脱自在に接合され、
前記第1の長さは、前記左前ベルトおよび前記右前ベルトの接合される部位の変更によって調整される、
請求項1または2に記載の動作支援装置。
【請求項4】
前記第2のベルトは、
前記制御ユニットの前記左係止部に摺動自在に係止される左ベルトと、
前記制御ユニットの前記右係止部に摺動自在に係止される右ベルトとを有し、
前記左ベルトの長手方向の一端側は、前記左固定部材に固定され、他端側は、前記制御ユニットの前記左係止部を介して前記人の前側に配置され、
前記右ベルトの長手方向の一端側は、前記右固定部材に固定され、他端側は、前記制御ユニットの前記右係止部を介して前記人の前側に配置され、
前記左ベルトおよび前記右ベルトのそれぞれの他端側は、互いに着脱自在に接合され、
前記第2の長さおよび前記第3の長さは、前記左ベルトおよび前記右ベルトの接合される部位の変更によって調整される、
請求項1~3の何れか1項に記載の動作支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アクチュエータを用いて人の動作を支援する動作支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人に装着されて、その人の動作を支援する動作支援装置(パワーアシストスーツともいう)が提案されている。動作支援装置は、アクチュエータと、関節によって接続される複数のフレームまたはリンクとを備え、アクチュエータにより発生する動力により関節を駆動することで人の動作を支援する(例えば特許文献1参照)。例えば、動作支援装置は、人の動作をスイッチまたはセンサにより検知し、その動作に連動するように、アクチュエータの動力の大きさまたはタイミング等を調整することで、人の動作を支援する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5526444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の動作支援装置では、複数の人のそれぞれ異なる体型には適していないという課題がある。例えば、上記特許文献1の動作支援装置は、背中フレームと一対のサイドフレーム部とを備え、その背中フレームなどは、人の背中側に配置されて、その背中に接する。また、その背中フレームなどの背中に接する部分は、固定されていて、人それぞれの体型に合わせて構成されていない。したがって、その動作支援装置を装着する人である装着者にフィット感を与えることが難しい。
【0005】
そこで、本開示は、どのような人の体型にも適合し易い動作支援装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る動作支援装置は、人の腰の動作を支援する動作支援装置であって、前記人の左側に装着される左リンク機構と、前記人の右側に装着される右リンク機構と、前記人の腰回りに装着され、前記左リンク機構と前記右リンク機構とに締結される締結部材とを備え、前記左リンク機構は、前記人の左大腿部に装着されるリンクであって、当該リンクの下端側が前記左大腿部の前または後に配置される左大腿リンクと、前記人の上体左側に装着されるリンクであって、当該リンクの下端側が前記左大腿リンクの上端側に対して回動自在に取り付けられる左上体リンクと、前記左大腿リンクおよび前記左上体リンクの何れか一方を他方に対して回動させる左アクチュエータと、前記人の左胸に配置され、かつ、前記左上体リンクの上端とボールジョイントによって連結される左胸パッドとを有し、前記右リンク機構は、前記人の右大腿部に装着されるリンクであって、当該リンクの下端側が前記右大腿部の前または後に配置される右大腿リンクと、前記人の上体右側に装着されるリンクであって、当該リンクの下端側が前記右大腿リンクの上端側に対して回動自在に取り付けられる右上体リンクと、前記右大腿リンクおよび前記右上体リンクの何れか一方を他方に対して回動させる右アクチュエータと、前記人の右胸に配置され、かつ、前記右上体リンクの上端とボールジョイントによって連結される右胸パッドとを有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の動作支援装置は、どのような人の体型にも適合し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A図1Aは、実施の形態における動作支援装置の正面図である。
図1B図1Bは、実施の形態における動作支援装置の側面斜視図である。
図2A図2Aは、実施の形態における動作支援装置を装着した人の正面図である。
図2B図2Bは、実施の形態における動作支援装置を装着した人の背面図である。
図3図3は、実施の形態における動作支援装置によって支援される人の動作の一例を示す図である。
図4図4は、実施の形態における左関節部に対する左上体リンク、左大腿リンク、および左固定部材の動きを模式的に示す図である。
図5図5は、実施の形態における左関節部が回動している状態の一例を示す図である。
図6図6は、実施の形態における左胸パッドおよび右胸パッドと、左上体リンクおよび右上体リンクとの構成を示す図である。
図7図7は、実施の形態における左関節部および右関節部のスライドを示す図である。
図8図8は、実施の形態における左締結部材の制御ユニットからの引き出しと、制御ユニットへの押し込みとを示す図である。
図9図9は、実施の形態における左上体リンクの伸縮を示す図である。
図10図10は、実施の形態の変形例1に係る左関節部のスライドを示す図である。
図11A図11Aは、実施の形態の変形例2における動作支援装置の正面図である。
図11B図11Bは、実施の形態の変形例2における動作支援装置の側面斜視図である。
図12図12は、実施の形態の変形例2における右脚パッドおよび右大腿ハーネスの上面図である。
図13図13は、実施の形態の変形例2における締結部材の一例を示す図である。
図14図14は、実施の形態の変形例2における締結部材を用いて動作支援装置が人に装着される手順を示す図である。
図15図15は、実施の形態の変形例2における第1のベルトの左前ベルトと右前ベルトとの接合の一例を示す図である。
図16図16は、実施の形態の変形例2における締結部材の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の一態様に係る動作支援装置は、人の腰の動作を支援する動作支援装置であって、前記人の左側に装着される左リンク機構と、前記人の右側に装着される右リンク機構と、前記人の腰回りに装着され、前記左リンク機構と前記右リンク機構とに締結される締結部材とを備え、前記左リンク機構は、前記人の左大腿部に装着されるリンクであって、当該リンクの下端側が前記左大腿部の前または後に配置される左大腿リンクと、前記人の上体左側に装着されるリンクであって、当該リンクの下端側が前記左大腿リンクの上端側に対して回動自在に取り付けられる左上体リンクと、前記左大腿リンクおよび前記左上体リンクの何れか一方を他方に対して回動させる左アクチュエータと、前記人の左胸に配置され、かつ、前記左上体リンクの上端とボールジョイントによって連結される左胸パッドとを有し、前記右リンク機構は、前記人の右大腿部に装着されるリンクであって、当該リンクの下端側が前記右大腿部の前または後に配置される右大腿リンクと、前記人の上体右側に装着されるリンクであって、当該リンクの下端側が前記右大腿リンクの上端側に対して回動自在に取り付けられる右上体リンクと、前記右大腿リンクおよび前記右上体リンクの何れか一方を他方に対して回動させる右アクチュエータと、前記人の右胸に配置され、かつ、前記右上体リンクの上端とボールジョイントによって連結される右胸パッドとを有する。
【0010】
これにより、左上体リンクの上端および右上体リンクの上端は、左胸パッドおよび右胸パッドにそれぞれボールジョイントによって連結されているため、動作支援装置をどのような人の体型にも適合し易くすることができる。例えば、動作支援装置は、動作支援装置の装着者の胸を、左上体リンクの上端および右上体リンクの上端で押圧することによって、装着者の腰の動作を支援する。このとき、左上体リンクの上端および右上体リンクの上端は、左胸パッドおよび右胸パッドを介して装着者の胸を押圧する。ここで、上述のように、左上体リンクの上端および右上体リンクの上端は、左胸パッドおよび右胸パッドにそれぞれボールジョイントによって連結されている。したがって、装着者がどのような体型であっても、左胸パッドおよび右胸パッドを、その装着者の胸にフィットさせながら、その左胸パッドおよび右胸パッドで胸を押圧することができる。したがって、装着者に対するフィット感を向上することができる。
【0011】
また、前記左リンク機構は、さらに、前記左上体リンクと左大腿リンクとを回動自在に連結する左関節部を有し、前記右リンク機構は、さらに、前記右上体リンクと右大腿リンクとを回動自在に連結する右関節部を有し、前記左関節部と前記右関節部とは、前記人の腰回り方向に沿ってスライド自在に前記締結部材に締結されてもよい。
【0012】
これにより、動作支援装置をどのような人の体型にもより適合し易くすることができる。つまり、左関節部および右関節部がスライド自在に締結部材に締結されるため、装着者がどのような腰幅であっても、左関節部をその装着者の左腰に適切に配置し、右関節部を装着者の右腰に適切に配置することができる。その結果、フィット感をさらに向上することができる。
【0013】
また、前記動作支援装置は、さらに、前記人の背面側に配置され、前記左リンク機構および前記右リンク機構のそれぞれの動きを制御する制御ユニットを備え、前記締結部材は、前記左関節部に締結される左締結部材と、前記右関節部に締結される右締結部材とを有し、前記左締結部材と前記右締結部材とは、前記制御ユニットからの引き出し、および前記制御ユニットへの押し込みが可能なように、前記制御ユニットに取り付けられ、前記左関節部と前記右関節部とは、前記左締結部材および前記右締結部材の引き出しおよび押し込みによって、前記人の腰回り方向にスライドしてもよい。
【0014】
これにより、左締結部材および右締結部材の引き出しおよび押し込みによって、左関節部および右関節部のそれぞれを簡単にスライドさせることができる。
【0015】
また、前記左リンク機構は、さらに、前記左上体リンクの下端側を収納して保持し、前記人の左腰部に配置されるように前記締結部材に締結される左筐体を有し、前記右リンク機構は、さらに、前記右上体リンクの下端側を収納して保持し、前記人の右腰部に配置されるように前記締結部材に締結される右筐体を有し、前記左上体リンクの前記左筐体から出ている部分は、前記左上体リンクの長手方向に沿って伸縮自在であって、前記右上体リンクの前記右筐体から出ている部分は、前記右上体リンクの長手方向に沿って伸縮自在であってもよい。
【0016】
これにより、動作支援装置をどのような人の体型にもより適合し易くすることができる。つまり、左上体リンクおよび右上体リンクのそれぞれの伸縮によって、それらのリンクの上端に連結されている左胸パッドおよび右胸パッドを、装着者の胸の適切な位置に配置することができる。したがって、互いに身長が異なる複数の人のそれぞれが装着者としてその動作支援装置を装着しても、その装着者の適切な位置に左胸パッドおよび右胸パッドをフィットさせることができる。その結果、フィット感をさらに向上することができる。
【0017】
また、前記動作支援装置は、さらに、前記人の背面側に配置され、前記左リンク機構および前記右リンク機構のそれぞれの動きを制御する制御ユニットを備え、前記締結部材は、前記左関節部に接続される左固定部材と、前記右関節部に接続される右固定部材と、それぞれ前記左固定部材および前記右固定部材に固定される第1のベルトおよび第2のベルトとを有し、前記第1のベルトは、前記人の前側に配置され、前記第1のベルトにおける前記左固定部材に固定されている部位から前記右固定部材に固定されている部位までの第1の長さが可変に構成され、前記第2のベルトは、前記制御ユニットの左係止部および右係止部のそれぞれに係止され、前記第2のベルトにおける前記左固定部材に固定されている部位から前記制御ユニットの前記左係止部に係止されている部位までの第2の長さが可変に構成され、かつ、前記第2のベルトにおける前記右固定部材に固定されている部位から前記制御ユニットの前記右係止部に係止されている部位までの第3の長さが可変に構成され、前記左関節部と前記右関節部とは、前記第1の長さ、前記第2の長さ、および前記第3の長さの調整によって、前記人の腰回り方向に沿ってスライド自在に前記締結部材に締結されてもよい。
【0018】
これにより、第1のベルトにおける第1の長さと、第2のベルトにおける第2の長さおよび第3の長さとの調整によって、左関節部と右関節部とのスライドが実現されるため、機械的な構造の複雑化を抑えることができる。
【0019】
また、前記第1のベルトは、前記左固定部材に固定され、かつ、前記人の左前に配置される左前ベルトと、前記右固定部材に固定され、かつ、前記人の右前に配置される右前ベルトとを有し、前記左前ベルトおよび前記右前ベルトは互いに着脱自在に接合され、前記第1の長さは、前記左前ベルトおよび前記右前ベルトの接合される部位の変更によって調整されてもよい。
【0020】
これにより、左前ベルトが左固定部材に固定され、右前ベルトが右固定部材に固定され、さらに、その左前ベルトと右前ベルトとが人の前側で接合される。したがって、左固定部材に接続されている左関節部と、右固定部材に接続されている右関節部とが、例えば第2のベルトによって人の後側に引っ張られても、その後側にずれることを抑えることができる。つまり、左関節部が人の左腰に配置され、かつ、右関節部が人の右腰に配置された状態で、第1のベルトにおける第1の長さを調整してその第1のベルトを締めれば、左関節部および右関節部がその位置から後側にずれることを抑えることができる。
【0021】
また、前記第2のベルトは、前記制御ユニットの前記左係止部に摺動自在に係止される左ベルトと、前記制御ユニットの前記右係止部に摺動自在に係止される右ベルトとを有し、前記左ベルトの長手方向の一端側は、前記左固定部材に固定され、他端側は、前記制御ユニットの前記左係止部を介して前記人の前側に配置され、前記右ベルトの長手方向の一端側は、前記右固定部材に固定され、他端側は、前記制御ユニットの前記右係止部を介して前記人の前側に配置され、前記左ベルトおよび前記右ベルトのそれぞれの他端側は、互いに着脱自在に接合され、前記第2の長さおよび前記第3の長さは、前記左ベルトおよび前記右ベルトの接合される部位の変更によって調整されてもよい。
【0022】
これにより、左ベルトおよび右ベルトのそれぞれの他端側を前側に引っ張れば、第2の長さおよび第3の長さを短くすることができる。その結果、左係止部および右係止部を介してそれらのベルトに係止されている制御ユニットを、左固定部材および右固定部材に引き寄せることができる。制御ユニット側から見た場合には、左固定部材に接続されている左関節部と、右固定部材に接続されている右関節部とを、その制御ユニット側に簡単にスライドさせることができる。
【0023】
左ベルトの長手方向の一端側は、左固定部材に固定され、他端側は、制御ユニットの左係止部を介して人の前側に配置されている。さらに、左ベルトは、その左係止部に摺動自在に係止されている。したがって、左ベルトの他端側を前側に力Fで引っ張れば、その力Fの2倍の力で制御ユニットを左固定部材に引き寄せることができる。同様に、右ベルトの長手方向の一端側は、右固定部材に固定され、他端側は、制御ユニットの右係止部を介して人の前側に配置されている。さらに、右ベルトは、その右係止部に摺動自在に係止されている。したがって、右ベルトの他端側を前側に力Fで引っ張れば、その力Fの2倍の力で制御ユニットを右固定部材に引き寄せることができる。これにより、第2のベルトを容易に締めることができる。
【0024】
そして、第2のベルトを締めれば、つまり、左ベルトおよび右ベルトのそれぞれの他端側を接合すれば、左固定部材、右固定部材および制御ユニットを人の胴回りに引き付けて固定することができる。
【0025】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0026】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0027】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。また、以下の実施の形態において、略同じなどの表現を用いている。例えば、略同じは、完全に同じであることを意味するだけでなく、実質的に同じである、すなわち、例えば数%程度の誤差を含むことも意味する。また、略同じは、本開示による効果を奏し得る範囲において同じという意味である。他の「略」を用いた表現についても同様である。
【0028】
(実施の形態)
図1Aおよび図1Bは、本実施の形態における動作支援装置の外観図である。具体的には、図1Aは、動作支援装置の正面図であり、図1Bは、動作支援装置の側面斜視図である。また、図2Aおよび図2Bは、本実施の形態における動作支援装置を装着した人の外観図である。具体的には、図2Aは、動作支援装置を装着した人の正面図であり、図2Bは、動作支援装置を装着した人の背面図である。
【0029】
なお、本開示において、鉛直方向をZ軸方向とし、鉛直方向の上をプラス側、鉛直方向の下をマイナス側としている。また、鉛直方向に対して垂直な面における前後方向をY軸方向とし、その垂直な面においてY軸方向と垂直な方向である左右方向または横方向をX軸方向としている。つまり、本開示における「上」は、鉛直方向であるZ軸方向のプラス側であり、「下」は、鉛直方向であるZ軸方向のマイナス側である。本開示における「後」は、前後方向であるY軸方向のマイナス側であり、「前」は、前後方向であるY軸方向のプラス側である。本開示における「左」は、左右方向であるX軸方向のプラス側であり、「右」は、左右方向であるX軸方向のマイナス側である。
【0030】
[装置の全体構成]
本実施の形態における動作支援装置100は、図2Aおよび図2Bに示すように、人Pに装着されて、人Pによる腰の前屈動作等を支援する。つまり、動作支援装置100は、人Pが起立姿勢から前屈姿勢に移る前屈動作、および、前屈姿勢から起立姿勢に戻る戻り動作などを支援する。このような動作支援装置100は、図1Aおよび図1Bに示すように、左リンク機構110Lと、右リンク機構110Rと、制御ユニット120と、上体ハーネス130と、締結部材140と、腹部ベルト150とを備える。
【0031】
[締結部材]
締結部材140は、人Pの腰回りに装着されるベルトまたはハーネスであって、左リンク機構110Lおよび右リンク機構110Rに締結される。例えば、締結部材140は、合成樹脂または革などからなる。
【0032】
[腹部ベルト]
腹部ベルト150は、人Pの腹部に装着されるベルトまたはハーネスであって、締結部材140の左右のそれぞれの端と結合されている。例えば、腹部ベルト150は、合成繊維または革などからなる帯部と、互いに着脱自在に構成されている2つのバックルとを備える。その2つのバックルを連結することによって、腹部ベルト150と締結部材140とは、人Pの腹部および腰部を囲む環状に構成され、その腹部および腰部に固定される。なお、上述の合成繊維は、例えばポリエステルなどである。帯部は柔軟性素材からなり、バックルは金属または合成樹脂などの剛性部材からなる。なお、腹部ベルト150の帯部は、締結部材140よりも柔軟性を有していてもよく、腹部ベルト150の帯部と、締結部材140とは、同程度に柔軟性を有していてもよい。
【0033】
[左リンク機構]
左リンク機構110Lは、人の左側(すなわち左半身)に装着される機構であって、左胸パッド111Lと、左上体リンク112Lと、左関節部113Lと、左大腿リンク114Lと、左大腿ハーネス115Lと、左固定部材116Lとを備える。
【0034】
左大腿リンク114Lは、図2Aおよび図2Bに示すように、人Pの左大腿部に装着されるリンクであって、当該リンクの下端側が左大腿部の後に配置される。具体的には、左大腿リンク114Lは、図1Bおよび図2Bに示すように、左大腿部の長手方向に沿う長尺状の部分と、その部分の下端側から左大腿部の後側に回り込む部分とからなる。なお、上述の左大腿部の長手方向は、図1A図2BにおけるZ軸方向である。また、左大腿リンク114Lの下端側は、例えば左大腿ハーネス115Lに埋設されるように固定されていてもよい。
【0035】
左上体リンク112Lは、図2Aおよび図2Bに示すように、人Pの上体左側に装着されるリンクである。この左上体リンク112Lの下端側は、左大腿リンク114Lの上端側に対して、左関節部113Lを介して回動自在に取り付けられる。具体的には、左上体リンク112Lは、人Pの上体の上下方向に沿うように長尺状に形成された棒体からなる。なお、人Pの上体の上下方向は、図1A図2BにおけるZ軸方向である。また、左上体リンク112Lの上端は、人Pの前面に配置される。より具体的には、左上体リンク112Lの上端は、人Pの左胸に配置される。
【0036】
なお、左上体リンク112Lおよび左大腿リンク114Lはそれぞれ、剛性部材からなる。具体的には、これらのリンクは、アルミニウムなどの金属、または、硬化樹脂もしくはカーボンファイバなどの合成樹脂などからなる。
【0037】
左胸パッド111Lは、人Pの左胸に配置され、左上体リンク112Lの上端と連結される。具体的には、左胸パッド111Lは、弾力性および柔軟性を有する部材を有し、その部材が人Pの左胸側に向けられるように、左上体リンク112Lの上端部に連結される。この左胸パッド111Lは、動作支援装置100が人Pに装着されたときには、左上体リンク112Lの上端部と人Pの左胸との間に挟まれる。そして、この左胸パッド111Lによって、左上体リンク112Lの上端部が人Pの左胸を押し付けるときの圧力が軽減され、人Pに与える痛みを和らげることができる。
【0038】
左関節部113Lは、左上体リンク112Lの下端と、左大腿リンク114Lの上端とに接続されている。具体的には、左関節部113Lは、左上体リンク112Lと左大腿リンク114Lとを回動自在に連結している。また、左関節部113Lは、例えば合成樹脂製の左筐体118Lと、その左筐体118L内に収められた左センサ(図示せず)および左アクチュエータ117Lとを備える。左センサは、左大腿リンク114Lを介して人Pの動作を検知するアシスト用のセンサであって、例えばエンコーダである。左アクチュエータ117Lは、左大腿リンク114Lおよび左上体リンク112Lの何れか一方を他方に対して回動させる。具体的には、左アクチュエータ117Lは、その左センサによって検知された動作に応じて、人Pの前屈動作または起立動作などを支援するための動力を、左大腿リンク114Lおよび左上体リンク112Lに付与する。
【0039】
なお、本実施の形態では、左関節部113Lは、左上体リンク112Lに対して固定されている。つまり、左アクチュエータ117Lは、左関節部113Lおよび左上体リンク112Lに対して、左大腿リンク114Lを回動させる。
【0040】
左固定部材116Lは、図1Aおよび図1Bに示すように、例えば合成樹脂などからなる板状の部材である。このような左固定部材116Lは、人Pの左側に配置される。具体的には、左固定部材116Lは、人Pの腰回りに装着された締結部材140の左端に固定される。
【0041】
さらに、左固定部材116Lは、図1Aに示すように、軸部材Jを介して左関節部113Lに接続されている。軸部材Jは、中心軸がX軸方向に沿うように配置された円柱状の部材である。つまり、左関節部113Lは、軸部材Jを回転軸として回動するように、具体的には、軸部材Jの中心軸を回転軸として回動するように、左固定部材116Lに対して回動自在に取り付けられている。
【0042】
左大腿ハーネス115Lは、合成繊維または革などの柔軟性素材からなる帯状の部材であって、人Pの左大腿部に巻き付けられる。
【0043】
[右リンク機構]
右リンク機構110Rは、人の右側(すなわち右半身)に装着される機構である。本実施の形態では、右リンク機構110Rは、上述の左リンク機構110Lと同様の構成要素からなるが、左リンク機構110Lと左右対称の形態を有する。
【0044】
具体的には、右リンク機構110Rは、右胸パッド111Rと、右上体リンク112Rと、右関節部113Rと、右大腿リンク114Rと、右大腿ハーネス115Rと、右固定部材116Rとを備える。
【0045】
右大腿リンク114Rは、図2Aおよび図2Bに示すように、人Pの右大腿部に装着されるリンクであって、当該リンクの下端側が右大腿部の後に配置される。具体的には、右大腿リンク114Rは、図1Bおよび図2Bに示すように、右大腿部の長手方向に沿う長尺状の部分と、その部分の下端側から右大腿部の後側に回り込む部分とからなる。なお、上述の右大腿部の長手方向は、図1A図2BにおけるZ軸方向である。また、右大腿リンク114Rの下端側は、例えば右大腿ハーネス115Rに埋設されるように固定されていてもよい。
【0046】
右上体リンク112Rは、図2Aおよび図2Bに示すように、人Pの上体右側に装着されるリンクである。この右上体リンク112Rの下端側は、右大腿リンク114Rの上端側に対して、右関節部113Rを介して回動自在に取り付けられる。具体的には、右上体リンク112Rは、人Pの上体の上下方向に沿うように長尺状に形成された棒体からなる。また、右上体リンク112Rの上端は、人Pの前面に配置される。より具体的には、右上体リンク112Rの上端は、人Pの右胸に配置される。
【0047】
なお、右上体リンク112Rおよび右大腿リンク114Rはそれぞれ、剛性部材からなる。具体的には、これらのリンクは、アルミニウムなどの金属、または、硬化樹脂もしくはカーボンファイバなどの合成樹脂などからなる。
【0048】
右胸パッド111Rは、人Pの右胸に配置され、右上体リンク112Rの上端と連結される。具体的には、左胸パッド111Lは、弾力性および柔軟性を有する部材を有し、その部材が人Pの右胸側に向けられるように、右上体リンク112Rの上端部に連結される。この右胸パッド111Rは、動作支援装置100が人Pに装着されたときには、右上体リンク112Rの上端部と人Pの右胸との間に挟まれる。そして、この右胸パッド111Rによって、右上体リンク112Rの上端部が人Pの右胸を押し付けるときの圧力が軽減され、人Pに与える痛みを和らげることができる。
【0049】
右関節部113Rは、右上体リンク112Rの下端と、右大腿リンク114Rの上端とに接続されている。具体的には、右関節部113Rは、右上体リンク112Rと右大腿リンク114Rとを回動自在に連結している。また、右関節部113Rは、例えば合成樹脂製の右筐体118Rと、その右筐体118R内に収められた右センサ(図示せず)および右アクチュエータ117Rとを備える。右センサは、右大腿リンク114Rを介して人Pの動作を検知するアシスト用のセンサであって、例えばエンコーダである。右アクチュエータ117Rは、右大腿リンク114Rおよび右上体リンク112Rの何れか一方を他方に対して回動させる。具体的には、右アクチュエータ117Rは、その右センサによって検知された動作に応じて、人Pの前屈動作または起立動作などを支援するための動力を、右大腿リンク114Rおよび右上体リンク112Rに付与する。
【0050】
なお、本実施の形態では、右関節部113Rは、右上体リンク112Rに対して固定されている。つまり、右アクチュエータ117Rは、右関節部113Rおよび右上体リンク112Rに対して、右大腿リンク114Rを回動させる。
【0051】
右固定部材116Rは、図1Aおよび図1Bに示すように、例えば合成樹脂などからなる板状の部材である。このような右固定部材116Rは、人Pの右側に配置される。具体的には、右固定部材116Rは、人Pの腰回りに装着された締結部材140の右端に固定される。
【0052】
さらに、右固定部材116Rは、図1Aに示すように、軸部材Jを介して右関節部113Rに接続されている。軸部材Jは、中心軸がX軸方向に沿うように配置された円柱状の部材である。つまり、右関節部113Rは、軸部材Jを回転軸として回動するように、具体的には、軸部材Jの中心軸を回転軸として回動するように、右固定部材116Rに対して回動自在に取り付けられている。
【0053】
右大腿ハーネス115Rは、合成繊維または革などの柔軟性素材からなる帯状の部材であって、人Pの右大腿部に巻き付けられる。
【0054】
[上体ハーネス]
上体ハーネス130は、合成繊維または革などの柔軟性素材からなる細い帯状の部材であって、左上体リンク112Lおよび右上体リンク112Rのそれぞれの位置を人Pに対して固定する。このような上体ハーネス130は、図1Aおよび図2Bに示すように、左胸パッド111Lおよび右胸パッド111Rのそれぞれと、制御ユニット120とに接続され、人Pの左肩および右肩にかけられる。
【0055】
具体的には、上体ハーネス130は、左肩ハーネス133Lと、右肩ハーネス133Rと、中央ハーネス132とを有する。
【0056】
中央ハーネス132は、人Pの背面で背筋に沿うように配置される。この中央ハーネス132の下端は、制御ユニット120を介して締結部材140に接続される。
【0057】
左肩ハーネス133Lは、人Pの左肩にかけられる。また、左肩ハーネス133Lの一端は、左胸パッド111Lに接続される。これにより、左肩ハーネス133Lの一端は、左胸パッド111Lを介して左上体リンク112Lの上端に接続される。左肩ハーネス133Lの他端は、中央ハーネス132の上端に接続される。
【0058】
右肩ハーネス133Rは、人Pの右肩にかけられる。また、右肩ハーネス133Rの一端は、右胸パッド111Rに接続される。これにより、右肩ハーネス133Rの一端は、右胸パッド111Rを介して右上体リンク112Rの上端に接続される。右肩ハーネス133Rの他端は、中央ハーネス132の上端に接続される。
【0059】
[制御ユニット]
制御ユニット120は、人Pの背面側に配置され、左リンク機構110Lおよび右リンク機構110Rのそれぞれの動きを制御する。具体的には、制御ユニット120は、締結部材140の後側に取り付けられている。この制御ユニット120は、例えば合成樹脂製の筐体と、その筐体内に収められた制御回路およびバッテリーなどを備える。制御回路は、左アクチュエータ117Lおよび右アクチュエータ117Rを駆動するため制御を行う。つまり、制御回路は、上述の左センサおよび右センサからの出力信号に応じて、左アクチュエータ117Lおよび右アクチュエータ117Rを制御する。バッテリーは、左アクチュエータ117Lおよび右アクチュエータ117Rに対して駆動電力を供給する。
【0060】
[動作の一例]
図3は、動作支援装置100によって支援される人Pの動作の一例を示す図である。
【0061】
例えば、動作支援装置100を装着した人Pは、図3の(a)に示すように前屈姿勢になる。そして、人Pは、例えば荷物などを両手で抱えながら起立しようとする。このとき、上述の左センサおよび右センサは、その人Pの起立動作を検知する。
【0062】
制御ユニット120は、左センサおよび右センサによってその起立動作が検知されると、左関節部113Lの左アクチュエータ117Lおよび右関節部113Rの右アクチュエータ117Rを制御する。これにより、左アクチュエータ117Lおよび右アクチュエータ117Rは、制御ユニット120による制御によって、その起立動作を支援するための動力を、左上体リンク112Lおよび右上体リンク112Rと、左大腿リンク114Lおよび右大腿リンク114Rとに付与する。
【0063】
つまり、左アクチュエータ117Lは、左上体リンク112Lと左大腿リンク114Lとの間の角度が大きくなるように、左関節部113Lを駆動する。これにより、左上体リンク112Lが人Pの上体を上方または後方に押し込み、左大腿リンク114Lが人Pの左大腿部を下方または後方に押し込む。同様に、右アクチュエータ117Rは、右上体リンク112Rと右大腿リンク114Rとの間の角度が大きくなるように、右関節部113Rを駆動する。これにより、右上体リンク112Rが人Pの上体を上方または後方に押し込み、右大腿リンク114Rが人Pの右大腿部を下方または後方に押し込む。
【0064】
その結果、動作支援装置100を装着した人Pは、図3の(b)および(c)に示すように、左アクチュエータ117Lおよび右アクチュエータ117Rによって付与される動力によって容易に起立することができる。動作支援装置100は、このような人Pの動作を支援する。
【0065】
以下、本実施の形態における動作支援装置100では、左リンク機構110Lと右リンク機構110Rとは、左右対称に構成されて、実質的に同一の構成を有するため、主に左リンク機構110Lの構成について、詳細に説明する。
【0066】
[左固定部材の回動]
図4は、左関節部113Lに対する左上体リンク112L、左大腿リンク114L、および左固定部材116Lの動きを模式的に示す図である。つまり、図4では、左上体リンク112L、左関節部113L、左大腿リンク114L、および左固定部材116Lのそれぞれの動きをわかりやすくするため、それらの形状が簡略化して示されている。
【0067】
上述のように、左関節部113Lは、軸部材Jの中心軸を回転軸として左固定部材116Lに対して回動自在に取り付けられている。言い換えれば、左固定部材116Lは、左関節部113Lに対して回動自在に取り付けられている。
【0068】
また、左大腿リンク114Lは、左関節部113Lおよび左上体リンク112Lに対して回動自在に取り付けられている。例えば、左上体リンク112Lの回動の回転軸は、上述の軸部材Jの中心軸と一致している。
【0069】
したがって、左固定部材116L、左上体リンク112L、および左大腿リンク114Lは、図4に示すように、軸部材Jの中心軸を回転軸にしてそれぞれ回動することができる。
【0070】
これにより、本実施の形態における動作支援装置100では、人Pのより自由な動きに対応することができる。
【0071】
図5は、左関節部113Lが回動している状態の一例を示す図である。
【0072】
例えば、人Pは、図5に示すように、起立姿勢から前屈姿勢になる場合には、腰から肩までの背筋を一直線状に伸ばすことなく、背筋を曲げることがある。このような場合、本実施の形態における動作支援装置100では、人Pの腰が前方に倒れていなくても、腰より上の上体が前方に倒れていれば、左関節部113Lの上部は、左固定部材116Lに対して前方に回動する。
【0073】
つまり、本実施の形態では、左大腿リンク114Lと左上体リンク112Lとは、左関節部113Lを介して互いに回動自在に連結され、左関節部113Lは、締結部材140に固定されている左固定部材116Lに対して回動自在に取り付けられている。
【0074】
したがって、左関節部113Lが締結部材140に回動不可に固定されている場合に比べて、締結部材140に対する左大腿リンク114Lおよび左上体リンク112Lの傾きの自由度を高めることができる。
【0075】
仮に、左関節部113Lが締結部材140に回動不可に固定されていれば、左大腿リンク114Lおよび左上体リンク112Lの何れか一方は、その締結部材140に対して固定される。そのため、例えば、締結部材140を装着している人Pの腰が前に倒れれば、左上体リンク112Lも前に倒れようとする。しかし、図5に示すように、人Pが腰を前に倒さずに背筋を曲げて前屈するような場合には、左上体リンク112Lをその人Pの背筋の動きに追随させて前に倒すことが困難になる。
【0076】
しかし、本実施の形態における動作支援装置100では、左関節部113Lが締結部材140に回動自在に取り付けられているため、左大腿リンク114Lおよび左上体リンク112Lの何れもが締結部材140に固定されてしまうことを抑えることができる。したがって、図5に示すように、人Pが腰を前に倒さずに背筋を曲げて前屈するような場合でも、左上体リンク112Lをその人Pの背筋の動きに無理なく追随させて、前に倒すことができる。
【0077】
本実施の形態では、左リンク機構110Lと同様に、右リンク機構110Rにおいても、右大腿リンク114Rと右上体リンク112Rとは、右関節部113Rを介して互いに回動自在に連結され、右関節部113Rは、締結部材140に固定されている右固定部材116Rに対して回動自在に取り付けられている。したがって、右関節部113Rが締結部材140に回動不可に固定されている場合に比べて、締結部材140に対する右大腿リンク114Rおよび右上体リンク112Rの傾きの自由度を高めることができる。
【0078】
したがって、本実施の形態における動作支援装置100では、人Pのより自由な動きに対応することができる。
【0079】
[ボールジョイント]
図6は、左胸パッド111Lおよび右胸パッド111Rと、左上体リンク112Lおよび右上体リンク112Rとの構成を示す図である。具体的には、図6の(a)は、左上体リンク112Lおよび右上体リンク112Rに連結されている左胸パッド111Lおよび右胸パッド111Rの正面を示す。図6の(b)は、図6の(a)に示す左胸パッド111LのA-A線における断面を示す。
【0080】
左胸パッド111Lおよび右胸パッド111Rは、バックルとして構成されている。つまり、左胸パッド111Lおよび右胸パッド111Rは、図6の(a)に示すように、互にX軸方向に着脱自在に構成されている。また、左胸パッド111Lの前面側には、左上体リンク112Lの上端部12aLが連結され、右胸パッド111Rの前面側には、右上体リンク112Rの上端部12aRが連結されている。さらに、左胸パッド111Lの上部には、左肩ハーネス133Lの一端が連結され、右胸パッド111Rの上部には、右肩ハーネス133Rの一端が連結されている。
【0081】
人Pは、動作支援装置100を装着するときには、まず、その左胸パッド111Lと右胸パッド111Rとが分離された状態で動作支援装置100を装着する。そして、人Pは、左胸パッド111Lと右胸パッド111Rとを結合させる。これにより、左上体リンク112Lの上端部12aLは、左胸パッド111Lを介して人Pの左胸を押し付けるように配置される。同様に、右上体リンク112Rの上端部12aRは、右胸パッド111Rを介して人Pの右胸を押し付けるように配置される。
【0082】
また、本実施の形態では、左胸パッド111Lは、図6の(b)に示すように、左上体リンク112Lの上端部12aLとボールジョイントによって連結される。
【0083】
具体的には、左上体リンク112Lの上端部12aLには、棒状の固定部12cを介して球体12bが固定されている。また、左胸パッド111Lは、人Pの胸に押し当てられる柔軟部材11bと、その柔軟部材11bの前面を覆うように配置されるプレート11aとを備える。さらに、プレート11aの前面には、上述の球体12bを包み込むように保持する保持部11cが形成されている。つまり、保持部11cの内部には、前面側(すなわちY軸方向プラス側)に開口を有する中空部が形成されている。そして、上述の固定部12cは、保持部11cの前面側にある開口に配置される。このような保持部11c、球体12bおよび固定部12cによって、ボールジョイントが構成される。なお、ボールジョイントは、ユニバーサルジョイント、自由継手、または球面継手とも呼ばれる。
【0084】
したがって、左上体リンク112Lの上端部12aLは、球体12bを中心に回動自在に保持部11cに保持される。また、右胸パッド111Rも、左胸パッド111Lと同様、右上体リンク112Rの上端部12aRとボールジョイントによって連結される。したがって、右上体リンク112Rの上端部12aRも、そのボールジョイントの球体を中心に回動自在に右胸パッド111Rに保持される。
【0085】
このように、本実施の形態では、左上体リンク112Lの上端および右上体リンク112Rの上端は、左胸パッド111Lおよび右胸パッド111Rにそれぞれボールジョイントによって連結されている。したがって、動作支援装置100をどのような人の体型にも適合し易くすることができる。例えば、動作支援装置100は、図3に示すように、動作支援装置100の装着者の胸を、左上体リンク112Lの上端および右上体リンク112Rの上端で押圧することによって、装着者の腰の動作を支援する。このとき、左上体リンク112Lの上端および右上体リンク112Rの上端は、左胸パッド111Lおよび右胸パッド111Rを介して装着者の胸を押圧する。ここで、上述のように、左上体リンク112Lの上端および右上体リンク112Rの上端は、左胸パッド111Lおよび右胸パッド111Rにそれぞれボールジョイントによって連結されている。したがって、装着者がどのような体型であっても、左胸パッド111Lおよび右胸パッド111Rを、その装着者の胸にフィットさせながら、その左胸パッド111Lおよび右胸パッド111Rで胸を押圧することができる。したがって、装着者に対するフィット感を向上することができる。
【0086】
[関節部のスライド]
図7は、左関節部113Lおよび右関節部113Rのスライドを示す図である。具体的には、図7の(a)は、左関節部113Lおよび右関節部113Rと、締結部材140と、制御ユニット120とを上方から見た状態を示す。図7の(b)は、左関節部113Lと、締結部材140と、制御ユニット120とを左側から見た状態を示す。
【0087】
本実施の形態における左関節部113Lおよび右関節部113Rは、図7の(a)および(b)に示すように、人Pの腰回り方向に沿ってスライド自在に締結部材140に締結されている。
【0088】
具体的には、締結部材140は、図7の(a)に示すように、左関節部113Lに締結される左締結部材140Lと、右関節部113Rに締結される右締結部材140Rとを有する。つまり、締結部材140は、人Pの左側に配置される左締結部材140Lと、人Pの右側に配置される右締結部材140Rとに分離されている。このような左締結部材140Lと右締結部材140Rとは、制御ユニット120からの引き出し、および制御ユニット120への押し込みが可能なように、制御ユニット120に取り付けられている。
【0089】
したがって、左関節部113Lと右関節部113Rとは、図7の(a)および(b)に示すように、左締結部材140Lおよび右締結部材140Rの引き出しおよび押し込みによって、人Pの腰回り方向にスライドする。
【0090】
図8は、左締結部材140Lの制御ユニット120からの引き出しと、制御ユニット120への押し込みとを示す図である。具体的には、図8の(a)は、左締結部材140Lが制御ユニット120に対して固定されている状態を示す。図8の(b)は、左締結部材140Lが制御ユニット120から引き出されている状態、または、左締結部材140Lが制御ユニット120に押し込まれている状態を示す。
【0091】
例えば、左締結部材140Lの一面、すなわち人Pとは反対側の面には、複数の凸部14が形成されている。複数の凸部14は、左締結部材140Lの長手方向、すなわち人Pの腰回り方向に沿って配列され、その複数の凸部14のそれぞれは、隣の凸部14と一定の距離だけ離間している。
【0092】
また、制御ユニット120のX軸方向の両端には、棒体16と、その棒体16を支持する一対の支持部15とが取り付けられている。一対の支持部15のそれぞれは、例えば孔を有する矩形板状であって、その孔に棒体16が挿入された状態で、その棒体16を支持する。このような棒体16は、人Pの腰回り方向に直交する方向、すなわちZ軸方向に沿うように、一対の支持部15によって支持される。また、棒体16には、人Pの腰回り方向、すなわちX軸方向に沿う貫通孔16aが形成されている。
【0093】
例えば、棒体16は、図8の(a)に示すように、その棒体16の貫通孔16aが左締結部材140Lの凸部14からZ軸方向にずれた位置に配置されるように、バネなどの弾性体によってZ軸方向マイナス側(すなわち下側)付勢されている。このとき、棒体16は、左締結部材140Lの2つの凸部14に挟まれた状態になる。つまり、その2つの凸部14が棒体16に当接することによって、左締結部材140Lの制御ユニット120からの引き出しと、左締結部材140Lの制御ユニット120への押し込みとが抑制される。
【0094】
一方、例えば図8の(b)に示すように、人Pが、上述の弾性体の付勢に逆らって、棒体16をZ軸方向プラス側(すなわち上側)に移動させる。その結果、棒体16の貫通孔16aは、左締結部材140Lの凸部14とZ軸方向の略同じ位置に配置される。つまり、左締結部材140Lの複数の凸部14は、その貫通孔16aに挿通可能な状態になる。したがって、人Pは、制御ユニット120から左締結部材140Lを引き出したり、制御ユニット120に左締結部材140Lを押し込んだりすることができる。その結果、左締結部材140Lの引き出しおよび押し込みによって、左関節部113Lは、図7に示すようにスライドする。
【0095】
なお、右締結部材140Rも、図8に示す例と同様に、制御ユニット120に取り付けられている。
【0096】
このように、本実施の形態では、左関節部113Lおよび右関節部113Rがスライド自在に締結部材140に締結される。したがって、装着者がどのような腰幅であっても、左関節部113Lをその装着者の左腰に適切に配置し、右関節部113Rを装着者の右腰に適切に配置することができる。さらに、本実施の形態では、左締結部材140Lおよび右締結部材140Rの引き出しおよび押し込みによって、左関節部113Lおよび右関節部113Rのそれぞれを簡単にスライドさせることができる。その結果、フィット感をさらに向上することができるとともに、そのフィット感を簡単に得ることができる。したがって、動作支援装置100をどのような人の体型にもより適合し易くすることができる。
【0097】
[上体リンクのスライド]
図9は、左上体リンク112Lの伸縮を示す図である。具体的には、図9の(a)は、左上体リンク112Lおよび左関節部113Lを左側から見た状態を示す。図9の(b)は、左上体リンク112Lおよび左関節部113LのYZ平面における断面を示す。
【0098】
左リンク機構110Lの左関節部113Lは、左筐体118Lを有する。この左筐体118Lは、図9の(a)および(b)に示すように、左上体リンク112Lの下端側を収納して保持し、人Pの左腰部に配置されるように締結部材140に締結されている。
【0099】
ここで、本実施の形態では、図9の(a)に示すように、左上体リンク112Lの左筐体118Lから出ている部分は、左上体リンク112Lの長手方向に沿って伸縮自在である。具体的には、左関節部113Lは、図9の(b)に示すように、スイッチ13と、ガイド17とを備える。
【0100】
スイッチ13は、左筐体118Lから露出される操作部13bと、左筐体118Lに収納される挿入部13aとを有する。このようなスイッチ13は、人Pの操作に応じて、左上体リンク112Lの状態を、左筐体118Lに対して移動可能な状態と、移動不可能な状態とに切り替える。ガイド17は、左筐体118Lに収納され、左上体リンク112Lの移動を案内する。
【0101】
また、左上体リンク112Lには、複数の挿入穴12dが形成されている。これらの複数の挿入穴12dは、左上体リンク112Lの長手方向に沿って配列され、その複数の挿入穴12dのそれぞれは、隣の挿入穴12dと一定の距離だけ離間している。
【0102】
例えば、図9の(b)に示すように、スイッチ13の挿入部13aは、左上体リンク112Lの挿入穴12dにY軸方向に沿って挿入されている。このときには、左上体リンク112Lにおける挿入穴12dの周縁部は、スイッチ13の挿入部13aに係止される。その結果、左上体リンク112Lは、左筐体118Lおよび左関節部113Lに対して固定され、移動不可能な状態になっている。
【0103】
一方、例えば、人Pがスイッチ13の操作部13bに触れ、その操作部13bを後側(すなわちY軸方向マイナス側)に動かすと、スイッチ13の挿入部13aは、左上体リンク112Lの挿入穴12dから引き抜かれる。その結果、左上体リンク112Lは、左筐体118Lの内部にあるガイド17に沿って移動可能な状態になる。したがって、人Pは、その左上体リンク112Lを左筐体118Lから引き出したり、その左上体リンク112Lを左筐体118Lに押し込んだりすることができる。
【0104】
なお、右上体リンク112Rも、左上体リンク112Lと同様、伸縮自在である。つまり、右リンク機構110Rの右関節部113Rは、右筐体118Rを有する。この右筐体118Rは、右上体リンク112Rの下端側を収納して保持し、人Pの右腰部に配置されるように締結部材140に締結されている。そして、右上体リンク112Rの右筐体118Rから出ている部分は、右上体リンク112Rの長手方向に沿って伸縮自在である。
【0105】
このように、本実施の形態では、左上体リンク112Lおよび右上体リンク112Rは伸縮自在に構成されている。したがって、それらのリンクの上端に連結されている左胸パッド111Lおよび右胸パッド111Rを、装着者の胸の適切な位置に配置することができる。したがって、互いに身長が異なる複数の人のそれぞれが装着者としてその動作支援装置100を装着しても、その装着者の適切な位置に左胸パッド111Lおよび右胸パッド111Rをフィットさせることができる。その結果、フィット感をさらに向上することができる。したがって、動作支援装置100をどのような人の体型にもより適合し易くすることができる。
【0106】
(変形例1)
上記実施の形態では、左関節部113Lおよび右関節部113Rのスライドは、左締結部材140Lおよび右締結部材140Rの引き出しおよび押し込みによって実現される。しかし、左関節部113Lおよび右関節部113Rのスライドは、上記実施の形態の構成に限定されず、他の構成によって実現されてもよい。本変形例では、左関節部113Lおよび右関節部113Rのスライドは、左固定部材116Lおよび右固定部材116Rの締結部材140に対する位置の変更によって実現される。
【0107】
図10は、本変形例に係る左関節部113Lのスライドを示す図である。具体的には、図10の(a)は、左締結部材140Lおよび左固定部材116Lを左側から見た状態を示す。図10の(b)は、左締結部材140L、左固定部材116Lおよび左関節部113Lを上側から見た状態を示す。なお、図10の(b)では、左締結部材140LのXY平面における断面が示されている。
【0108】
本変形例における左締結部材140Lには、図10の(a)および(b)に示すように、複数の挿通孔21が形成されている。複数の挿通孔21は、左締結部材140Lの長手方向、すなわち人Pの腰回り方向に沿って配列され、その複数の挿通孔21のそれぞれは、隣の挿通孔21と一定の距離だけ離間している。また、本変形例における左固定部材116Lには、2つの突起部22が形成されている。そして、左固定部材116Lの2つの突起部22は、左締結部材140Lの2つの挿通孔21にそれぞれ挿入される。これにより、2つの突起部22のそれぞれは、左締結部材140Lにおける挿通孔21の周縁部と係合する。その結果、左固定部材116Lは、左締結部材140Lに固定される。したがって、その左固定部材116Lに軸部材Jを介して接続されている左関節部113Lも、左締結部材140Lに固定される。
【0109】
また、このような左固定部材116Lの2つの突起部22は、左締結部材140Lに形成されている複数の挿通孔21の何れにも挿入可能である。したがって、人Pは、左締結部材140Lに固定されている左固定部材116Lを外して、その左固定部材116Lを左締結部材140Lの他の部位に付け替えることによって、左固定部材116Lの左締結部材140Lに対する位置を変更することができる。つまり、人Pは、左締結部材140Lの2つの挿通孔21に挿入されている左固定部材116Lの2つの突起部22を、その2つの挿通孔21から引き抜き、他の2つの挿通孔21に挿入することができる。その結果、その左固定部材116Lに軸部材Jを介して接続されている左関節部113Lを、左締結部材140Lに対してスライドさせることができる。
【0110】
このような本変形例であっても、左関節部113Lおよび右関節部113Rがスライド自在に締結部材140に締結される。したがって、装着者がどのような腰幅であっても、左関節部113Lをその装着者の左腰に適切に配置し、右関節部113Rを装着者の右腰に適切に配置することができる。その結果、フィット感をさらに向上することができる。
【0111】
(変形例2)
本変形例では、左関節部113Lおよび右関節部113Rのスライドは、第1のベルトおよび第2のベルトの調整によって実現される。
【0112】
図11Aおよび図11Bは、本変形例における動作支援装置の外観図である。具体的には、図11Aは、本変形例における動作支援装置の正面図であり、図11Bは、本変形例における動作支援装置の側面斜視図である。
【0113】
本変形例における動作支援装置100aは、上記実施の形態における動作支援装置100が備える締結部材140および腹部ベルト150以外の各構成要素を備える。なお、本変形例における制御ユニット120は、略直方体の形状を有する。
【0114】
つまり、動作支援装置100aは、上記実施の形態における動作支援装置100が備える締結部材140および腹部ベルト150の代わりに、後述の第1のベルトおよび第2のベルトからなる締結部材160を備える。本変形例では、この第1のベルトおよび第2のベルトの調整によって、左関節部113Lおよび右関節部113Rが人Pの腰回り方向に沿ってスライドする。
【0115】
また、本変形例における動作支援装置100aは、左脚パッド119Lと、右脚パッド119Rとを備えていてもよい。
【0116】
左脚パッド119Lは、人Pの左大腿部の前側に装着される。本変形例における左大腿リンク114Lは、図11Aおよび図11Bに示すように、左大腿部の長手方向に沿う長尺状の部分と、その部分の下端側から左大腿部の前側に回り込む部分とからなる。そして、左大腿リンク114Lの前側に回り込む部分は、左脚パッド119Lに埋設されるように固定されている。本変形例における左大腿ハーネス115Lは、合成繊維または革などの柔軟性素材からなる帯状の部材であって、左脚パッド119Lに固定されている。この左大腿ハーネス115Lは、左脚パッド119Lが左大腿部の前側に位置決めされるように、その左大腿部に巻き付けられる。
【0117】
右脚パッド119Rは、人Pの右大腿部の前側に装着される。本変形例における右大腿リンク114Rは、図11Aおよび図11Bに示すように、右大腿部の長手方向に沿う長尺状の部分と、その部分の下端側から右大腿部の前側に回り込む部分とからなる。そして、右大腿リンク114Rの前側に回り込む部分は、右脚パッド119Rに埋設されるように固定されている。本変形例における右大腿ハーネス115Rは、合成繊維または革などの柔軟性素材からなる帯状の部材であって、右脚パッド119Rに固定されている。この右大腿ハーネス115Rは、右脚パッド119Rが右大腿部の前側に位置決めされるように、その右大腿部に巻き付けられる。
【0118】
図12は、右脚パッド119Rおよび右大腿ハーネス115Rの上面図である。
【0119】
図12に示すように、右脚パッド119Rは、人Pの右大腿部Prの前側に装着される。そして、右大腿ハーネス115Rの一端側は、右脚パッド119Rの右側(すなわちX軸方向のマイナス側)に固定され、他端側は、右脚パッド119Rの左側(すなわちX軸方向のプラス側)に固定される。そして、右大腿ハーネス115Rの長さが調整されることによって、その右大腿ハーネス115Rが締められる。
【0120】
具体的には、右大腿ハーネス115Rは、2つのハーネスR1およびR2から構成される。つまり、ハーネスR1の一端が、右脚パッド119Rの右側に固定され、ハーネスR2の一端が、右脚パッド119Rの左側に固定される。そして、ハーネスR1およびハーネスR2のそれぞれの他端側は、面ファスナーを有し、それぞれの任意の部位において着脱自在に接合される。したがって、右大腿ハーネス115Rは、その部位の変更によって、右脚パッド119Rとの間に右大腿部Prを挟んで締め付ける。これによって、右脚パッド119Rが右大腿部Prの前側に位置決めされる。
【0121】
そして、右大腿リンク114Rの前側(すなわちY軸方向のプラス側)に回り込む部分114aは、右脚パッド119Rに埋設されるように固定されている。
【0122】
なお、左脚パッド119Lおよび左大腿ハーネス115Lも、上述の右脚パッド119Rおよび右大腿ハーネス115Rと同様の構成、具体的には、右脚パッド119Rおよび右大腿ハーネス115Rに対して左右対称の構成を有する。
【0123】
図13は、本変形例における締結部材160の一例を示す図である。
【0124】
締結部材160は、左固定部材116Lと、右固定部材116Rと、第1のベルト161と、第2のベルト162とを有する。
【0125】
左固定部材116Lは、軸部材Jを介して左関節部113Lに接続されている。また、右固定部材116Rも、左固定部材116Lと同様、軸部材Jを介して右関節部113Rに接続されている。
【0126】
第1のベルト161は、左固定部材116Lおよび右固定部材116Rに固定されて、人Pの前側に配置されるベルトであって、左前ベルト161Lと、右前ベルト161Rとを有する。
【0127】
左前ベルト161Lは、左固定部材116Lの前端側に固定され、かつ、人Pの左前に配置される。右前ベルト161Rは、右固定部材116Rの前端側に固定され、かつ、人Pの右前に配置される。このような左前ベルト161Lおよび右前ベルト161Rは互いに着脱自在に接合される。具体的には、左前ベルト161Lおよび右前ベルト161Rは、面ファスナーを有し、それぞれの任意の部位において着脱自在に接合される。したがって、第1のベルト161は、その第1のベルト161における左固定部材116Lに固定されている部位から右固定部材116Rに固定されている部位までの第1の長さが可変に構成されている。つまり、その第1の長さは、左前ベルト161Lおよび右前ベルト161Rの接合される部位の変更によって調整される。
【0128】
ここで、制御ユニット120は、その筐体に取り付けられた左係止部121Lおよび右係止部121Rを有する。左係止部121Lは、環状に形成され、制御ユニット120の筐体の左側に取り付けられている。具体的には、左係止部121Lは、Z軸方向に沿う軸を中心に回動自在に制御ユニット120の筐体左側に取り付けられている。右係止部121Rは、環状に形成され、制御ユニット120の筐体の右側に取り付けられている。具体的には、右係止部121Rは、Z軸方向に沿う軸を中心に回動自在に制御ユニット120の筐体右側に取り付けられている。
【0129】
第2のベルト162は、左固定部材116Lおよび右固定部材116Rに固定され、さらに、制御ユニット120の左係止部121Lおよび右係止部121Rのそれぞれに係止される。
【0130】
具体的には、第2のベルト162は、左ベルト162Lと、右ベルト162Rとを有する。左ベルト162Lは、制御ユニット120の左係止部121Lにある孔H1に挿通されることによって、その左係止部121Lに摺動自在に係止される。つまり、左ベルト162Lの長手方向の一端側は、左固定部材116Lの後端側に固定され、他端側は、制御ユニット120の左係止部121Lを介して人Pの前側に配置される。なお、本実施の形態では、その左ベルト162Lの他端側は、左係止部121Lの孔H1と、左固定部材116Lに形成されている孔H2およびH3とに挿通されて人Pの前側に配置されている。
【0131】
右ベルト162Rは、制御ユニット120の右係止部121Rにある孔H1に挿通されることによって、その右係止部121Rに摺動自在に係止される。つまり、右ベルト162Rの長手方向の一端側は、右固定部材116Rの後端側に固定され、他端側は、制御ユニット120の右係止部121Rを介して人Pの前側に配置される。なお、本実施の形態では、その右ベルト162Rの他端側は、右係止部121Rの孔H1と、右固定部材116Rに形成されている孔H2およびH3とに挿通されて人Pの前側に配置されている。
【0132】
このような左ベルト162Lおよび右ベルト162Rのそれぞれの他端側は、互いに着脱自在に接合される。具体的には、左ベルト162Lの他端側および右ベルト162Rの他端側は、面ファスナーを有し、それぞれの任意の部位において着脱自在に接合される。これにより、第2のベルト162は、その第2のベルト162における第2の長さおよび第3の長さがそれぞれ可変に構成されている。ここで、第2の長さは、左ベルト162Lにおける左固定部材116Lに固定されている部位から制御ユニット120の左係止部121Lに係止されている部位まで長さである。また、第3の長さは、右ベルト162Rにおける右固定部材116Rに固定されている部位から制御ユニット120の右係止部121Rに係止されている部位までの長さである。つまり、第2の長さおよび第3の長さは、左ベルト162Lおよび右ベルト162Rの接合される部位の変更によって調整される。
【0133】
図14は、本変形例における締結部材160を用いて動作支援装置100aが人Pに装着される手順を示す図である。
【0134】
動作支援装置100aが人Pに装着されるときには、図14の(a)に示すように、まず、締結部材160が外される。つまり、第1のベルト161の左前ベルト161Lと右前ベルト161Rとが互いに離され、第2のベルト162の左ベルト162Lと右ベルト162Rとが互いに離される。そして、人Pは、左固定部材116L、右固定部材116Rおよび制御ユニット120によって囲まれた空間に入る。
【0135】
次に、図14の(b)に示すように、人Pは、第1のベルト161の左前ベルト161Lおよび右前ベルト161Rのそれぞれの前端側を接合する。このとき、人Pは、左前ベルト161Lの前端側を右側に引き寄せ、右前ベルト161Rの前端側を左側に引き寄せる。これにより、第1のベルト161が締められて、上述の第1の長さが調整される。その結果、左固定部材116Lが人Pの左腰に配置され、右固定部材116Rが人Pの右腰に配置される。
【0136】
次に、図14の(c)に示すように、人Pは、第2のベルト162の左ベルト162Lおよび右ベルト162Rのそれぞれの前端側を接合する。このときにも、人Pは、左ベルト162Lの前端側を右側に引き寄せ、右ベルト162Rの前端側を左側に引き寄せる。これにより、第2のベルト162が締められて、上述の第2の長さおよび第3の長さが調整される。例えば、第2の長さおよび第3の長さが短くなることによって、制御ユニット120が、人Pの背面に引き寄せられる。また、このとき、第2のベルト162の締め付けによって、左固定部材116Lおよび右固定部材116Rは、人Pの後側に引っ張られる。しかし、左固定部材116Lおよび右固定部材116Rは、図14の(c)に示す時点において、第1のベルト161を介して接続されている。したがって、左固定部材116Lおよび右固定部材116Rが後側に引っ張られてずれることを、その第1のベルト161によって抑えることができる。
【0137】
ここで、左係止部121Lは、滑車のように、左ベルト162Lに引っ掛けられている。したがって、人Pが左ベルト162Lの前端側を力Fで右側に引き寄せると、制御ユニット120の左係止部121Lは、その力Fの2倍の力で左固定部材116Lに引き寄せられる。同様に、人Pが右ベルト162Rの前端側を力Fで右側に引き寄せると、制御ユニット120の右係止部121Rは、その力Fの2倍の力で右固定部材116Rに引き寄せられる。したがって、人Pは、第2のベルト162を容易に締めることができ、その結果、動作支援装置100aを容易に装着することができる。
【0138】
図15は、第1のベルト161における左前ベルト161Lと右前ベルト161Rとの接合の一例を示す図である。
【0139】
第1のベルト161の右前ベルト161Rには、図15に示すように、例えばS、MおよびLなどのインジケータが付されている。これらのインジケータは、動作支援装置100aを装着する人のサイズを示す。例えば、人Pは、動作支援装置100aを装着するために、左前ベルト161Lと右前ベルト161Rとを接合するときには、それらのインジケータを参照する。具体的には、人PがMサイズである場合、人Pは、右前ベルト161Rにおけるインジケータ「M」が付されている部位に、左前ベルト161Lの先端を合わせて、左前ベルト161Lと右前ベルト161Rとを接合する。これにより、第1のベルト161の第1の長さは、その人Pのサイズに応じて適切に調整される。つまり、第1のベルト161に弛みがない状態で、左固定部材116Lおよび右固定部材116Rが、人Pの左腰および右腰にそれぞれ配置される。
【0140】
図16は、本変形例における締結部材160の他の例を示す図である。
【0141】
締結部材160は、図16に示すように、さらに、左腰プレート163Lおよび右腰プレート163Rを備えていてもよい。
【0142】
左腰プレート163Lおよび右腰プレート163Rのそれぞれは、長尺状に形成されたプレートであって、第1のベルト161および第2のベルト162よりも剛性を有する素材からなる。
【0143】
左腰プレート163Lの長手方向の一端側は、左固定部材116Lに固定され、他端側は、制御ユニット120に挿入されている。つまり、左腰プレート163Lの他端側は、制御ユニット120からの引き出し、および制御ユニット120への押し込みが可能なように、制御ユニット120に取り付けられている。同様に、右腰プレート163Rの長手方向の一端側は、右固定部材116Rに固定され、他端側は、制御ユニット120に挿入されている。つまり、右腰プレート163Rの他端側は、制御ユニット120からの引き出し、および制御ユニット120への押し込みが可能なように、制御ユニット120に取り付けられている。
【0144】
このように図16に示す例では、締結部材160は、第2のベルト162よりも剛性を有する左腰プレート163Lおよび右腰プレート163Rを有する。したがって、人Pが第2のベルト162を締める前に、制御ユニット120が自重で垂れ下がってしまうことを抑えることができる。また、第2のベルト162が締められるときには、その左腰プレート163Lおよび右腰プレート163Rは、制御ユニット120に押し込まれる。したがって、その左腰プレート163Lおよび右腰プレート163Rによる第2のベルト162の締め付けへの干渉を抑えることができる。
【0145】
以上のように、本変形例では、第1のベルト161における第1の長さと、第2のベルト162における第2の長さおよび第3の長さとの調整によって、左関節部113Lと右関節部113Rとのスライドが実現される。したがって、機械的な構造の複雑化を抑えることができる。
【0146】
また、本変形例では、左前ベルト161Lが左固定部材116Lに固定され、右前ベルト161Rが右固定部材116Rに固定され、さらに、その左前ベルト161Lと右前ベルト161Rとが人Pの前側で接合される。したがって、左固定部材116Lに接続されている左関節部113Lと、右固定部材116Rに接続されている右関節部113Rとが、第2のベルト162によって人Pの後側に引っ張られても、その後側にずれることを抑えることができる。つまり、左関節部113Lが人Pの左腰に配置され、かつ、右関節部113Rが人Pの右腰に配置された状態で、第1のベルト161における第1の長さを調整してその第1のベルト161を締めれば、左関節部113Lおよび右関節部113Rがその位置から後側にずれることを抑えることができる。
【0147】
また、本変形例では、左ベルト162Lおよび右ベルト162Rのそれぞれの前端側を前側に引っ張れば、第2の長さおよび第3の長さを短くすることができる。その結果、左係止部121Lおよび右係止部121Rを介してそれらのベルトに係止されている制御ユニット120を、左固定部材116Lおよび右固定部材116Rに引き寄せることができる。制御ユニット120側から見た場合には、左固定部材116Lに接続されている左関節部113Lと、右固定部材116Rに接続されている右関節部113Rとを、その制御ユニット120側に簡単にスライドさせることができる。
【0148】
さらに、左ベルト162Lの長手方向の一端側は、左固定部材116Lに固定され、他端側は、制御ユニット120の左係止部121Lを介して人Pの前側に配置されている。さらに、左ベルト162Lは、その左係止部121Lに摺動自在に係止されている。したがって、左ベルト162Lの他端側を前側に力Fで引っ張れば、その力Fの2倍の力で制御ユニット120を左固定部材116Lに引き寄せることができる。同様に、右ベルト162Rの長手方向の一端側は、右固定部材116Rに固定され、他端側は、制御ユニット120の右係止部121Rを介して人Pの前側に配置されている。さらに、右ベルト162Rは、その右係止部121Rに摺動自在に係止されている。したがって、右ベルト162Rの他端側を前側に力Fで引っ張れば、その力Fの2倍の力で制御ユニット120を右固定部材116Rに引き寄せることができる。これにより、第2のベルト162を容易に締めることができる。
【0149】
そして、第2のベルト162を締めれば、つまり、左ベルト162Lおよび右ベルト162Rのそれぞれの他端側を接合すれば、左固定部材116L、右固定部材116Rおよび制御ユニット120を人Pの胴回りに引き付けて固定することができる。
【0150】
(その他の変形例)
以上、一つまたは複数の態様に係る動作支援装置について、実施の形態およびその各変形例に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態および各変形例に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を実施の形態および各変形例に施したものや、実施の形態および各変形例における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれてもよい。
【0151】
例えば、上記実施の形態および各変形例では、左上体リンク112Lおよび右上体リンク112Rのそれぞれの上端は、人Pの胸に配置されているが、それらの上端が配置される位置は、人Pの胸に限らず、肩周辺または脇周辺などであってもよい。また、左上体リンク112Lおよび右上体リンク112Rのそれぞれの上端は、人Pの背中に配置されていてもよい。これらの場合であっても、本開示では、左上体リンク112Lの上端および右上体リンク112Rの上端は、左胸パッド111Lおよび右胸パッド111Rにそれぞれボールジョイントによって連結されている。これにより、左上体リンク112Lおよび右上体リンク112Rのそれぞれの上端が、人Pのどのような位置にあっても、フィット感を向上することができる。
【0152】
また、上記実施の形態および各変形例では、上体ハーネス130は、制御ユニット120を介して締結部材140または160に接続されているが、締結部材140または160に接続されていなくてもよい。この場合、例えば、左肩ハーネス133Lが人Pの左肩に巻き付けられ、左肩ハーネス133Lの両端が左胸パッド111Lに接続される。同様に、右肩ハーネス133Rが人Pの右肩に巻き付けられ、右肩ハーネス133Rの両端が右胸パッド111Rに接続される。あるいは、左肩ハーネス133Lおよび右肩ハーネス133Rは、一本のハーネスとして構成され、人Pの首にかけられる。この場合、その一本のハーネスの一端が左胸パッド111Lに接続され、他端が右胸パッド111Rに接続される。
【0153】
また、上記実施の形態および各変形例では、左関節部113Lは左固定部材116Lに対して回動自在に取り付けられ、右関節部113Rは右固定部材116Rに対して回動自在に取り付けられている。しかし、左関節部113Lおよび右関節部113Rは、回動自在に取り付けられていなくてもよい。
【0154】
また、上記実施の形態および変形例1では、左大腿リンク114Lの下端側は、人Pの左大腿部の後ろに配置され、右大腿リンク114Rの下端側は、人Pの右大腿部の後ろに配置される。しかし、左大腿リンク114Lの下端側は、変形例2のように、人Pの左大腿部の前に配置され、右大腿リンク114Rの下端側も、変形例2のように、人Pの右大腿部の前に配置されてもよい。このような場合には、左大腿部および右大腿部の後には、何れのリンクも配置されていないため、人Pは、容易にしゃがむことができる。
【0155】
また、上記実施の形態および各変形例では、左リンク機構110Lと右リンク機構110Rとは、左右対称に構成されているが、左右非対称に構成されていてもよく、互いに異なる構成を有していてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0156】
本開示に係る動作支援装置は、どのような人の体型にも適合し易くすることができるという効果を奏し、例えば、人の動作を支援するパワーアシストスーツなどに適用することができる。
【符号の説明】
【0157】
11a プレート
11b 柔軟部材
11c 保持部
12aL 上端部
12aR 上端部
12b 球体
12c 固定部
12d 挿入穴
13 スイッチ
13a 挿入部
13b 操作部
14 凸部
15 支持部
16 棒体
16a 貫通孔
21 挿通孔
22 突起部
100 動作支援装置
110L 左リンク機構
110R 右リンク機構
111L 左胸パッド
111R 右胸パッド
112L 左上体リンク
112R 右上体リンク
113L 左関節部
113R 右関節部
114L 左大腿リンク
114R 右大腿リンク
115L 左大腿ハーネス
115R 右大腿ハーネス
116L 左固定部材
116R 右固定部材
117L 左アクチュエータ
117R 右アクチュエータ
118L 左筐体
118R 右筐体
119L 左脚パッド
119R 右脚パッド
120 制御ユニット
121L 左係止部
121R 右係止部
130 上体ハーネス
132 中央ハーネス
133R 左肩ハーネス
133L 右肩ハーネス
140、160 締結部材
140L 左締結部材
140R 右締結部材
161 第1のベルト
161L 左前ベルト
161R 右前ベルト
162 第2のベルト
162L 左ベルト
162R 右ベルト
J 軸部材
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16