(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】抽選器および箱体
(51)【国際特許分類】
B65D 81/36 20060101AFI20240122BHJP
B65D 83/00 20060101ALI20240122BHJP
B65D 5/32 20060101ALI20240122BHJP
B65D 5/42 20060101ALI20240122BHJP
A63F 3/08 20060101ALI20240122BHJP
G07C 15/00 20060101ALI20240122BHJP
【FI】
B65D81/36 A
B65D83/00 Z
B65D5/32 Z
B65D5/42 C
A63F3/08 D
G07C15/00 A
(21)【出願番号】P 2019199255
(22)【出願日】2019-10-31
【審査請求日】2022-09-08
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)ウェブサイト掲載年月日:令和1年10月10日 掲載アドレス:▲1▼https://sho.jp/youchien/43767 (2)ウェブサイト掲載年月日:令和1年10月16日 掲載アドレス:▲1▼https://www.morinagamilk.co.jp/release/newsentry-3234.html ▲2▼https://www.pinoice.com/movie/gacha/ ▲3▼https://www.pinoice.com/movie/gacha/pinogacha.pdf
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000006127
【氏名又は名称】森永乳業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 淳也
(72)【発明者】
【氏名】余語 茉梨絵
(72)【発明者】
【氏名】織田 光郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 方宣
(72)【発明者】
【氏名】平安 杏
【審査官】米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】意匠登録第1595821(JP,S)
【文献】登録実用新案第3141407(JP,U)
【文献】特開2008-030767(JP,A)
【文献】特開2017-114529(JP,A)
【文献】米国特許第04616831(US,A)
【文献】登録実用新案第3191228(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/36
B65D 83/00
B65D 5/32-5/44
A63F 3/08
G07C 15/00
G07F 11/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の内容物が収容された箱体二つを組み立てて構成された抽選器であって、
下部に取出口を有する箱状の本体と、
前記本体に回転可能に取り付けられる筒状のハンドルと、
を備え、
前記ハンドルは、前記本体内に位置する外周面の一部が除去されて前記内容物が進入可能に構成
され、外周面に切欠きを有し、
前記本体は、前記ハンドルを通すための円形の穴を有し、前記穴の周縁の一部が前記切欠き内に進入しており、
前記本体は、内面から前記ハンドルに向かって延びるガイド斜面を有する、
抽選器。
【請求項2】
請求項1に記載の抽選器を形成するための箱体であって、
内面に、前記本体および前記ハンドルを形成するための作製情報が印刷されている、
箱体。
【請求項3】
前記作製情報の少なくとも一部に沿って設けられたエンボスをさらに備える、
請求項2に記載の箱体。
【請求項4】
前記箱体は、前記抽選器の構成部品の一部を形成するための第一箱体と、前記構成部品の残部を形成するための第二箱体とを含み、
前記第一箱体に印刷された作製情報と前記第二箱体に印刷された作製情報とが同一である、
請求項2に記載の箱体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抽選器、より詳しくは、複数の内容物を収容した箱体を用いて組み立てる抽選器、およびこの抽選器の組み立てに用いる箱体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、個装された複数の内容物を、箱体に収容することが知られている。また、アイスクリーム、チョコレート、キャンディ等の各種食品において、個装の大きさが概ね同一である複数種類の内容物を1つの箱体に収容した「アソート」という態様も、広く知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アソートにおいて、特定の内容物の人気が高い場合、人気の高い内容物から取り出され、人気の高い内容物が早くなくなる傾向がある。そのため、複数名で消費している際に、人気の高い内容物をめぐって諍いがおこる場合がある。
例えば、出願人の行った調査(n=2688)では、約3人に2人が『家族や仲間などと「ピノ アーモンド味」の取り合い(争奪戦)になったことがある』と回答しており、そのうち8割以上が『「ピノ アーモンド味」を家族や仲間で平和に分け合える楽しい仕掛けを望んでいる』と回答している。
【0005】
上記事情を踏まえ、本発明は、手軽に作製できて、楽しみつつアソートの内容物の公平な分配に寄与できる抽選器、およびこの抽選器を手軽に組み立てられる箱体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一の態様は、複数の内容物が収容された箱体二つを組み立てて構成された抽選器である。
この抽選器は、下部に取出口を有する箱状の本体と、本体に回転可能に取り付けられる筒状のハンドルとを備える。
ハンドルは、本体内に位置する外周面の一部が除去されて内容物が進入可能に構成され、外周面に切欠きを有する。
本体は、ハンドルを通すための円形の穴を有し、穴の周縁の一部が切欠き内に進入している。
本体は、内面からハンドルに向かって延びるガイド斜面を有する。
【0007】
本発明の第二の態様は、第一の態様に係る抽選器を形成するための箱体である。
この箱体は、内面に本体およびハンドルを形成するための作製情報が印刷されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の抽選器は、手軽に作製できて、楽しみつつアソートの内容物の公平な分配に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る抽選器の斜視図である。
【
図4】同抽選器の作成に用いる第一箱体および第二箱体を示す図である。
【
図7】同第二箱体から形成したハンドルの構成部材を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態について、
図1から
図7を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る抽選器1の斜視図である。
図2は、抽選器1の左側面図である。
図3は、抽選器1の平面図である。抽選器1は、箱状の本体10と、本体10に取り付けられたハンドル20とを備えている。
【0011】
本体10は、上部が開放されており、個装された複数の内容物を投入できる。本体10の下部前面には、取出口11が形成されている。
【0012】
本実施形態のハンドル20は、六角柱状の基本形状を有する。ハンドル20は、本体10を前後に貫通して配置され、前後方向に延びる軸線まわりに回転できる。本体10内に位置するハンドル20の外周面の一部は除去されており、内容物が進入可能な内部空間を有する。除去される外周面の大きさや内部空間の大きさは、内容物を進入可能とする範囲で適宜設定できるが、1個の内容物が通れ、かつ2個以上の内容物の通過や進入が困難な範囲に設定すると、後述する抽選動作において、内容物が確実に1個ずつ取り出されるため、好ましい。
【0013】
本体10の左右側面の一部は、本体10の内側に向かって押し込まれている。これにより、
図2および
図3に示すように、本体10内において、ハンドル20の左右両側にガイド斜面12が形成されている。ガイド斜面12は、ハンドル20よりも上側の左右側面から、ハンドル20に近づく方向に延びている。各ガイド斜面12とハンドル20とのクリアランスCは、内容物が通過できない寸法である。
【0014】
抽選器1は、個装された内容物が複数収容された箱体を2つ使って作製される。
図4に示す第一箱体50Aは、本体10を形成するのに使用され、第二箱体50Bは、ハンドル20を形成するのに使用される。
【0015】
各箱体50A、50Bは、内面に切り取り線や折り線、およびそれに関する補足説明等の、抽選器1を作製するための作製情報が印刷されている。
図5は、第一箱体50Aを形成するためのシート紙であるブランク100の、作製情報が印刷された側の面である内面を示している。ブランク100には、ハンドル20を通す穴を形成するための第一切取り線101と、取出口11を形成するための第二切取り線102と、ガイド斜面12を形成するための斜面形成部103とが、作製情報として印刷されている。
【0016】
各第一切取り線101は、円形であり、その直径は、ハンドル20の断面形状である正六角形の外接円よりもわずかに小さい。各斜面形成部103は、切込み線103aと、折線103bとを有する。
【0017】
図6は、第二箱体50Bのブランク110の内面側を示している。ブランク110には、ハンドル20の主要部分を形成するための筒体形成部111および形状保持部材形成部112が、作製情報として印刷されている。筒体形成部111および形状保持部材形成部112のいずれも、切取り線と折線とで形成されている。
【0018】
ブランク100および110には、組み立てを容易にするため、作製情報の折線の一部に対応したエンボス加工が施されている。本実施形態においては、斜面形成部103の折線103bに対応した第一エンボス131と、形状保持部材形成部112の折線に対応した第二エンボス132と、筒体形成部111の折線に対応した第三エンボス(背面にあるため、不図示)とが、ブランク100およびブランク110の両方に設けられている。1枚の紙材に、第一箱体50Aのためのエンボスと第二箱体50Bのためのエンボスとの両方を形成しておくことにより、印刷を異ならせるだけで、共通の紙材を使用しつつ効率よく2種類のブランク100および110を製造できる。
本実施形態のエンボスは、いずれも内面において凸となる形状であるが、特に制限はなく、外面において凸となってもよいし、これらが組み合わされてもよい。
【0019】
第一箱体50Aおよび第二箱体50Bを用いて抽選器1を作成する際の手順について説明する。
第一箱体50Aの一部を第一切取り線101および第二切取り線102に沿って切り取ると、ハンドル20を通す穴と、取出口11とが形成される。斜面形成部103に切込みを入れて第一箱体50Aの内部に向かって折り曲げると、本体10ができあがる。
本体10の組み立ては、一旦第一箱体50Aを解体してブランク100のような状態にしてから行ってもよいし、解体せずに箱状の形状を維持しながら行ってもよい。
【0020】
第二箱体50Bを解体してブランク110のような平坦な形状とし、筒体形成部111および2つの形状保持部材形成部112を切取線に沿って切り取る。筒体形成部111を組み立てると、
図7に示すように、外周面の一部が除去された略正六角筒状の筒体21が完成する。筒体21には、軸線方向の2か所において、略正六角形の断面形状の角部に対応する位置に、切欠き21aを有する。切欠き
21aが形成された2か所の軸線方向における距離Dは、本体10の奥行寸法と略同一である。
【0021】
形状保持部材形成部112が切り取られて形成された形状保持部材22は、
図7に示すように、筒体21の断面と概ね同形同大の略正六角形の主面22aと、主面22aの各辺から延びる舌片22bとを有する。各舌片22bを主面22aに対して略垂直に折り曲げて、筒体21の軸線方向端部から、形状保持部材22を筒体21内に進入させてはめ込むと、ハンドル20が完成する。筒体21は、軸線方向両端部にはめ込まれた形状保持部材22により変形が好適に防止されて略正六角筒状の形状が好適に保持される。
【0022】
完成したハンドル20を本体10の穴に通して、本体10にハンドル20を取り付ける。本体10に形成された穴の直径は、ハンドル20の断面形状である正六角形の外接円よりわずかに小さいため、ハンドル20をわずかに変形させつつ本体10に通すことができる。本体10の前面とハンドル20の前側の切欠き21aとの位置を合わせると、本体10の穴の周縁の一部が切欠き21a内に進入する。これにより、ハンドル20は、本体10から容易に抜けなくなり、使用時の回転操作が安定する。
以上の手順を経て、抽選器1が完成する。抽選器1の組み立てにおいては、本体10およびハンドル20のいずれが先に組み立てられてもよい。
【0023】
抽選器1の使用時の動作について説明する。
本体10の上部から本体10内に複数の内容物を投入する。このとき、ハンドル内に内容物が進入しないように、外周面が除去された部位を下側にしておくことが好ましい。内容物を投入した後、適宜攪拌してもよい。
【0024】
本体10の内部は、ハンドル20およびガイド斜面12によって、上側と下側に仕切られており、投入された内容物は、下側に落ちずに上側に保持される。この状態において、ハンドル20を回転して外周面が除去された部位を上側に位置させると、内容物が筒体21内に移動する。
【0025】
この状態でさらにハンドル20を回転させ、外周面が除去された部位を下側に位置させると、筒体21内にあった内容物が落下し、取出口11から落下した内容物を取り出すことができる。使用者は、筒体21内に進入した内容物を視認することができないため、複数の使用者が順番にハンドル20を回して内容物を取り出すことにより、楽しみつつ、内容物を公平に分配することができる。
ハンドル20を続けて回転すると、本体内の上部に位置する残りの内容物は、ガイド斜面12に沿って順次筒体21内に進入する。
【0026】
以上説明したように、本実施形態の抽選器1は、内容物が収容された箱体を使って簡便に作製することができ、内容物の公平な分配に寄与できる。
【0027】
また、本実施形態に係る第一箱体50Aおよび第二箱体50Bは、内面に作製情報が印刷されているため、抽選器1の作製に必要なカットや折り等の加工を、作製情報に沿って容易に行うことができる。
【0028】
さらに、作製情報の一部がエンボス加工されているため、折り加工をエンボスに沿って行うことができ、小さな子供等でも容易に作製できる。
【0029】
以上、本発明の一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせなども含まれる。
【0030】
例えば、第一箱体および第二箱体に、本体およびハンドルの作製情報を印刷し、第一箱体と第二箱体の作製情報を共通にしてもよい。このようにすると、内面側の印刷版を1種類に集約でき、製造効率が向上する。
また、エンボスは必須でなく、設けられなくてもよい。
さらに、組み立て時の切り取りを容易にするために、作製情報の一部に沿ってミシン目等が設けられてもよい。
【0031】
本発明の対象となる内容物は、アイスクリーム、キャンディ、チョコレート等の食品に限られず、玩具、アクセサリー等の多様な内容物のアソートにも適用できる。
【符号の説明】
【0032】
1 抽選器
10 本体
11 取出口
12 ガイド斜面
20 ハンドル
21a 切欠き
50A 第一箱体
50B 第二箱体
101 第一切取り線(作製情報)
102 第二切取り線(作製情報)
103 斜面形成部(作製情報)
111 筒体形成部(作製情報)
112 形状保持部材形成部(作製情報)
131 第一エンボス
132 第二エンボス