(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】作業空間に対して磁気作動システムおよび検出システムを同時に較正する方法、および磁気作動検出システム
(51)【国際特許分類】
G01R 33/02 20060101AFI20240122BHJP
G01R 35/00 20060101ALI20240122BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20240122BHJP
【FI】
G01R33/02 X
G01R35/00 M
A61B1/00 C
A61B1/00 552
A61B1/00 611
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019202827
(22)【出願日】2019-11-08
【審査請求日】2022-10-04
(32)【優先日】2018-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】500449363
【氏名又は名称】マックス-プランク-ゲゼルシャフト ツール フェルデルンク デル ヴィッセンシャフテン エー.ファウ.
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】メティン ジッティ
(72)【発明者】
【氏名】ドンフン ソン
(72)【発明者】
【氏名】シャオクワン トン
【審査官】島田 保
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-226080(JP,A)
【文献】国際公開第2011/102161(WO,A1)
【文献】特表2011-500239(JP,A)
【文献】特開2011-227074(JP,A)
【文献】特開2016-061766(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 33/00-33/26
A61B 1/00-1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気作動システムが複数の磁気アクチュエータ(20)を有し、検出システムが複数の磁気センサ(14)を有し、作業空間(16)に対して前記磁気作動システムおよび前記検出システムを同時に較正する方法であって、
前記磁気アクチュエータ(20)に複数の電流を適用することによって、前記作業空間(16)において任意の複数の磁場を生成し、
前記作業空間(16)において前記検出システムを用いて各磁場を計測し、電流センサを用いて各電流を計測し、
前記作業空間(16)において任意の位置および向きで前記検出システムを用いて周知の任意の見本磁石の磁場を計測し、
センサ計測モデルおよび磁気作動モデルに基づく較正モデルへ、計測されたデータの全てを供給し、前記磁気作動システムおよび前記検出システムを同時に較正するために、数値ソルバーを介してモデルパラメータの解を発見する、方法。
【請求項2】
前記磁気作動システムおよび前記検出システムは、作動システムレベル(24)および検出システムレベル(22)をそれぞれ有し、前記作業空間(16)は、前記作動システムレベル(24)と前記検出システムレベル(22)との間に挟まれていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記磁気アクチュエータ(20)は電磁石を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記磁気センサ(14)は、単軸センサ、または複軸センサ、特に3軸センサとすることができることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記生成された複数の磁場の各々は、前記作業空間全体を通して不均一な形状を
有することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記較正モデルは、センサパラメータおよびアクチュエータパラメータを有するパラメータセットを備えており、前記センサパラメータは、各センサの位置、向き、軸の歪み、複数の軸の歪みおよびゲインに関するパラメータを有し、前記アクチュエータパラメータは、各アクチュエータの位置、向きおよび磁気モーメントに関するパラメータを有することを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記センサ計測モデルは、
【数27】
に従う、生成された各磁場の計測を有し、
前記P
s,
iは前記G
i、H
x,i、H
y,i、H
z,iに関するパラメータのアレイであり、前記H
x,i、H
y,i、H
z,iは、回転および2次式項を共に含む対称の3×3のマトリックスであり、前記G
iは、スケーリング、回転およびせん断の影響を示す線形写像であり、前記v
ikは磁気センサの読みであることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
回復されたBフィールド値が、
【数28】
として、積層されたマトリックスの形態で示され、
前記P
s、vは、全てのP
s,iおよびv
ikの各々に関する積層されたベクトルであることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記磁気作動モデルは双極子モデルに基づいており、該双極子モデルでは、k番目の計測におけるj番目のアクチュエータからi番目のセンサの双極子磁場が、
【数29】
として示され、
前記b
ij,kは磁場ベクトルであり、前記B
ijは変位ベクトルr
ijのみに基づいた3×3のマトリックスであり、前記IIは単位マトリックスであり、前記μ
0は自由空間の透
磁率であることを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
複数の計測点における前記磁場は、b
k
∝BMi
k、好ましくは、b
k=BMi
k(4)として示され、ここで、
【数30】
であり、
前記b
kは前記センサ全てのモデル化された磁場であり、前記Bは各センサの前記磁場に磁気モーメントをマッピングする作動マトリックスであり、前記Mは前記アクチュエータの磁気モーメントパッケージであり、前記i
kはk番目の計測での積層された形態における前記アクチュエータ全ての計測された電流であることを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
Bフィールド
値は、
【数31】
で、積層されたマトリックスの形態として示され、
前記P
aは、作動パラメータ全
てを含むベクトルであり、前記iは、i
k全てに関する積層されたベクトルであり、前記Jは、電流計測値全てに関する積層されたマトリックスであることを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記較正モデルは、Bフィールド
値の間の誤差を最小化する費用関数を有し、前記費用関数は、
【数32】
として公式化され、
前記∥・∥
Fはフロベニウス基準であり、前記P
sはセンサパラメー
タであり、前記P
s,lbおよびP
s,ubはセンサパラメータの下限および上限をそれぞれ示し、前記P
aはアクチュエータパラメー
タであり、前記P
a,lb,P
a,upはアクチュエータパラメータの下限および上限をそれぞれ示すことを特徴とする請求項1~11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
一時的磁気スケールが、前記較正モデ
ルに付加され、
【数33】
から導かれ、
前記gは前記センサのゲイン値であることを特徴とする請求項1~12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記較正モデルは、
【数34】
として公式化された最適化を有し、
前記αは磁気スケールの修正ファクタであり、前記V
rは、前記見本磁石が作業空間レベルにあるときの磁場計測データであり、前記B
irは相対位置r
i-r
rを用いて公式化され、前記r
rは前記見本磁石の位置であり、
【数35】
は前記見本磁石の方位ベクトルであり、前記mは前記見本磁石の周知の磁気モーメントであることを特徴とする請求項1~13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
複数の磁気アクチュエータ(20)および複数の磁気センサ(14)を有した磁気作動検出システムであって、
前記複数の磁気アクチュエータおよび前記複数の磁気センサの出力の各々は、共通の評価ユニットで利用可能となっており、前記評価ユニットは、較正モデルを用いて請求項1~14の1つの方法に従って前記磁気アクチュエータおよび前記磁気センサを同時に較正するように構成されている、磁気作動検出システム。
【請求項16】
前記複数の磁気アクチュエータは3~25個の磁気アクチュエータを有し、および/または前記複数の磁気センサは9~256個の磁気センサを有し、好ましくは、磁気センサパラメータの数および磁気アクチュエータパラメータの数はそれぞれ27Nおよび6Mであり、これにより、不等式を公式化し、この不等式は、請求項4に従う3軸センサの場合には、
【数36】
として示されることができ、この不等式は、
【数37】
を生じさせ、前記Lは、計測値の合計数を示すことを特徴とする請求項15に記載の磁気作動検出システム。
【請求項17】
前記形状は、ソレノイド電磁石から生成されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項18】
請求項10に従うBフィールド値は、
【数38】
で、積層されたマトリックスの形態として示され、
前記P
aは、請求項6に従う作動パラメータを含むベクトルであり、前記iは、i
k全てに関する積層されたベクトルであり、前記Jは、電流計測値全てに関する積層されたマトリックスであることを特徴とする請求項
6および10に記載の方法。
【請求項19】
前記較正モデルは、前記センサ計測モデルと前記磁気作動モデルによって与えられるBフィールド値の間の誤差を最小化する費用関数を有し、前記費用関数は、
【数39】
として公式化され、
前記∥・∥
Fはフロベニウス基準であり、前記P
sは請求項6に従うセンサパラメータであり、前記P
s,lbおよびP
s,ubはセンサパラメータの下限および上限をそれぞれ示し、前記P
aは請求項6に従うアクチュエータパラメータであり、前記P
a,lb,P
a,upはアクチュエータパラメータの下限および上限をそれぞれ示すことを特徴とする請求項
6に記載の方法。
【請求項20】
一時的磁気スケールが、請求項12に従う費用関数に付加され、
【数40】
から導かれ、
前記gは前記センサのゲイン値であることを特徴とする請求項
12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業空間に対して磁気作動システムおよび検出システムを同時に較正する方法に関する。磁気作動システムは複数の磁気アクチュエータを備えており、検出システムは複数の磁気センサを備えている。
【背景技術】
【0002】
磁気的に作動されるカプセル型内視鏡(MACEs)が、胃腸病(GI)域における最小限に侵襲性の診断のための科学技術の将来有望な医療領域に属している。MACEの局所化および作動は既に周知である。種々の局所化方法では、外部の磁気センサアレイを用いた磁気局所化技術が実用的な適用にとってより将来有望であり、これは、この磁気局所化技術が、必要なカプセル構成要素の容積、エネルギ消費および複雑さを最小化するからである。カプセルの作動にとっては、電磁石に基づいた作動が、永久磁石に基づいた作動よりも安全である。
【0003】
遠隔で作動される装置が一重線の磁石を有することが必要なだけなので、磁気局所化技術および作動技術の組み合わせが有益である。大きさの制限があるロボット、例えばロボットのカプセル型内視鏡に対して特に重要であり、このアプローチは、付加的な追跡道具を備えた装置と比較して、要求される体積を減少させる。節約された体積は、診断の質を向上させ得る他の重要な機能、例えば高品質ビデオまたは大容量バッテリのために利用され得る。
【0004】
両システムの組み合わせは、種々の構成を有し、較正の高い基準を要求することができる。これは、検出システムおよび作動システムが磁場を共有し、この磁場では、ロボットシステムおよび作動システムからの磁場が共に重ね合わされているからである。このような場合、アクチュエータの磁場からロボットの磁場を切り離すことは、精密に較正されたパラメータの磁気モデルに依存している。
【0005】
さらに、やがて、センサおよびアクチュエータのゲイン値(パラメータ値)がドリフトすることがあり、従って、このアクチュエータおよびセンサは、特定の期間、例えば週のうちに較正を必要とする。従って、特に医療画像および走査装置について、較正中のダウンタイムを減少させなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
不正確な作動モデルおよび検出モデルが、ロボットの偽りの位置および向きの評価を生じさせ得る。これにより、磁気ロボットの誤差または制御障害を生じさせ得る。
【0007】
組み合わされた磁気作動検出システムを較正する周知の方法は、作動システムおよび検出システムを独立して較正することである。磁気センサシステムの較正については、各センサの位置、向きおよびゲインが個別にまたは同時に較正されることができる。
【0008】
また、作動システム、例えばマルチコア電磁石作動システムを較正する方法が知られている。このような方法の一つは、多重極磁場モデルを有した数値最適化を用いている。作動システムが磁場を生成するときに、計測データは、予め較正されたガウスメータを用いて収集される。
【0009】
較正についてのこれらの2つの方法の欠点は、これらの方法が組み合わせられず、従って同時に実行されないことである。同時の較正方法は、いくつかの点で、例えば較正プロセスの正確さおよび速度を向上させることで、個別の較正方法に対して有利である。
【0010】
従って、本発明の目的は、較正プロセスの正確さおよび速度を向上させた状態で較正プロセスを実行することができる方法およびシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、作業空間に対して磁気作動システムおよび検出システムを同時に較正する方法によって満足され、磁気作動検出システムは、個別の独立請求項の特徴を有している。
【0012】
本発明に従って、方法は、
磁気アクチュエータの複数の電流を適用することによって、作業空間において任意の複数の磁場を生成することと、
作業空間において検出システムを用いて各磁場を計測し、電流センサを用いて各電流を計測することと、
作業空間レベルにおいて任意の位置および向きで検出システムを用いて周知の任意の見本磁石の磁場を計測することと、
センサ計測モデルおよび磁気作動モデルに基づく較正モデルへ、計測されたデータの全てを供給し、磁気作動システムおよび検出システムを同時に較正するために、数値ソルバーを介してモデルのパラメータの解を発見することと、
を含む。
【0013】
同時の較正方法では、較正されていないセンサおよびアクチュエータが各々の較正供給源として作用する。較正前には、システムのデータが不正確であるが、検出システムおよび作動システムのデータ全ては、較正モデルの特性によって同時に較正される。電流センサが較正前に予め較正されており、磁気センサの位置が知られていることが、仮定される。
【0014】
本発明に従って、方法は、基本的に3つのステップから構成されている。第1に、磁気アクチュエータは、各々の計測例を形成する多数の任意の磁場を生成する。各計測例では、磁場は、磁気センサによって作業空間で計測されるが、電流は、各アクチュエータに存在する電流センサによって計測される。印加される電圧に電流が比例することが知られているので、電流の代わりに、各電圧を計測することを想像するであろう。
【0015】
作業空間は、体積に跨る1つまたは複数のレベルから構成されることができるシステムの領域である。作業空間は、検出作動システムの可能な限り近くに、好ましくは、センサとアクチュエータとの間に配置されているが、作業空間に配置される対象物または患者のための十分な空間を提供するために、検出システムおよび作動システムから十分遠くに離れたままとなっている。
【0016】
第2のステップでは、周知の見本磁石の磁場は検出システムによって計測される。見本磁石は、任意の位置および向きで作業空間の内側に配置される。見本磁石は、作業空間の内側の永久磁石の磁場を計測することによって物質的な基準として使われるために、永久磁石とすることができる。
【0017】
第3のステップでは、計測データ全てが較正モデルへ供給される。本発明では、較正モデルは、組み合わされたセンサ計測モデルおよび磁気作動モデルを備えており、較正モデルパラメータは、数値ソルバーを介して較正モデルパラメータに対する解を発見することによって作動システムおよび検出システムの双方を同時に較正するように使用される。従来技術と異なり、検出システムおよび作動システムを独立して較正する必要がない。これにより、較正に必要な較正時間の量が減少し、また、同じ磁場がアクチュエータおよびセンサを構成するように使用され、これらが、対応する同じ磁場に対して較正されることが確実となる。
【0018】
同時の較正はいくつかの利点を有している。第1に、同時の較正方法は、システムの自動化された自己較正を可能にする、つまり、システムは、人間による入力なしで較正されるように適合される。これにより、較正プロセスの正確さおよび速度が著しく向上する。これは、手動の操作からの誤差を伴うことなく、大きなデータセットが、比較的短時間で、自動化されたプロセスによって提供されるからである。全手順は、実際のシステムにおける高精度で、15分、好ましくは5分または5分よりも少ない間に実施されることができる。第2に、同時の較正方法は、個別の較正方法では不可能である、検出システムと作動システムとの間の協調較正を可能にする。第3に、同時の自動較正方法は、特定の作業のための長期間の正確さおよび柔軟な再構成の双方に対してシステムパラメータの更新を可能にする。
【0019】
本発明の第1の態様では、作動システムおよび検出システムは、作動システムレベルおよび検出システムレベルをそれぞれ備えており、作業空間は、作動システムレベルと検出システムレベルとの間に挟まれている。上述したように、作業空間は、現在のレベル全てが作動システムレベルと検出システムレベルとの間に挟まれている限り、1つまたは複数のレベルを有することができる。実際の適用では、作業空間は、該作業空間内、つまり作動システムレベルと検出システムレベルとの間に配置される患者を許容する寸法を有し得る。
【0020】
本発明の他の態様では、磁気アクチュエータは電磁石を備えている。典型的な電磁石はコイルおよびコアを有しており、これらの軸は共に整列している。例えば、ソレノイド型の電磁石が用いられることができる。
【0021】
本発明の他の態様は、磁気センサが単軸センサまたは複軸センサ、好ましくは3軸センサとすることができるという特徴に関連している。複軸センサは、較正がより困難であるが、システムのより正確な較正に寄与することができる。
【0022】
生成された複数の磁場の各々が作業空間の全体を通して不均一なソレノイド形状であることが好ましい。磁場は、複数のセンサの全体を通して時間および大きさの少なくとも一方で変化し、好ましくは時間および空間の双方で変化する。局所的な依存および一時的な依存は、複数の磁気センサの各センサが異なる値を計測するという事実を生じさせる。不均一なソレノイド磁場を用いた作動システム、例えば8つの磁石システムまたは小型磁石システムが良く知られており、本発明にとって利用可能なシステムとして分類されることができる。
【0023】
較正モデルは、センサパラメータおよびアクチュエータパラメータを有したパラメータセットを備えていることが好ましく、センサパラメータは、各センサの位置、向き、軸の歪み、複数の軸の歪みおよびゲインに関するパラメータを有しており、アクチュエータパラメータは、各アクチュエータの位置、向きおよび磁気モーメントに関するパラメータを有している。従って、提案された方法は、作動システムおよび検出システムの正確な較正を実現するために、パラメータの大きなセットを有している。
【0024】
一般のセンサ較正では、各センサは非線形反応および軸間の交差対効果を有するものとみなされている。非線形性は、鉄材料からの硬鉄または軟鉄の影響によって生じている。軸の歪みは、製造プロセスからの製造誤差または半田付けプロセスからの熱応力によって生じている。極端に高感度の3軸磁力計の場合には、横軸電界効果(TFE)が、非線形性効果および交差対効果に対して付加的な原因となり得る。
【0025】
さらに、センサパラメータは、3D多項式モデルを介して決定されることができ、該3D多項式モデルは、計算を犠牲にして多項式の次数を増加させることにより容易に拡張されることができる。
【0026】
典型的な磁気アクチュエータ、例えば電磁石は、コイルおよびコアを有し、これらの軸は共に整列している。このような場合には、電磁石の磁気モーメントの向きおよび大きさは、3Dベクトルへと結合されることができる。
【0027】
本発明の態様では、センサ計測モデルは、
【0028】
【0029】
に従う、生成された磁場の各々の計測値を有している。
【0030】
ここで、Ps,iはGi、Hx,i、Hy,i、Hz,iに関するパラメータのアレイであり、Hx,i、Hy,i、Hz,iは、回転および2次式項を共に含む対称の3×3のマトリックスであり、Giは、スケーリング、回転およびせん断の影響を示す線形写像であり、vikは磁気センサの読みである。
【0031】
単一のセンサが感磁石抵抗の両端部の間の電圧差を通して磁束密度またはBフィールドを読み込むことが仮定される。センサは、軸が傾斜され、回転される非直線型であり、ゲインが工場の仕様と異なると、仮定される。上記の計算式を取得するために、2次モデルが、k番目の計測におけるi番目のセンサの回復されたBフィールドを説明するように使用される。
【0032】
本発明の他の態様では、回復されたBフィールド値は、
【0033】
【0034】
として、積層されたマトリックスの形態で示される。
【0035】
ここで、Ps、vは、全てのPs,iおよびvikの各々に関する積層されたベクトルである。複数のセンサの各センサが複数の計測値を有しているので、上述した全体の計測値からの回復されたBフィールド値を示すことが便利である。
【0036】
磁気作動モデルは双極子モデルに基づくことが好ましく、この双極子モデルでは、k番目の計測におけるj番目のアクチュエータからのi番目のセンサの双極子磁場が、
【0037】
【0038】
として示されている。
【0039】
ここで、bij,kは磁場ベクトルであり、Bijは変位ベクトルrijのみに基づいた3×3のマトリックスであり、IIは単位マトリックスであり、μ0は自由空間の透磁率である。また、「^」(ハット)は同じ向きの単位ベクトルのベクトルaを形成するオペレータである。また、四極子モデルまたはより高次数の磁気球形拡張モデルが可能となり得る。
【0040】
本発明の1つの態様では、複数の計測点における磁場は、
【0041】
【0042】
として示される。
【0043】
ここで、
【0044】
【0045】
である。bkはセンサ全てのモデル化された磁場であり、Bは各センサの磁場に磁気モーメントをマッピングする作動マトリックスであり、Mはアクチュエータの磁気モーメントパッケージであり、ikはk番目の計測での積層された形態におけるアクチュエータ全ての計測された電流である。
【0046】
本発明の他の態様では、Bフィールド値は、
【0047】
【0048】
として、好ましくは、
【0049】
【0050】
として、積層されたマトリックスの形態で示されている。
【0051】
ここで、Paは、作動パラメータ全て、特に請求項6に従う作動パラメータを含むベクトルであり、iは、ik全てに関する積層されたベクトルであり、Jは、電流計測値全てに関する積層されたマトリックスである。積層されたマトリックスでBフィールド値を示すことは単純に便利である。
【0052】
較正モデルは、Bフィールド値の間、特にセンサ計測モデルおよび磁気作動モデルによって与えられるBフィールド値の間の誤差を最小化する費用関数を有することが好ましい。この費用関数は、
【0053】
【0054】
として公式化される。
【0055】
ここで、∥・∥Fはフロベニウス基準であり、Psはセンサパラメータであり、Ps,lb、Ps,ubはそれぞれセンサパラメータの下限および上限であり、Paはアクチュエータパラメータであり、Pa,lb,Pa,upはそれぞれアクチュエータパラメータの下限および上限である。センサパラメータおよびアクチュエータパラメータの上限および下限は10%の概算内にそれぞれ置かれることができる。
【0056】
有利には、一時的な磁気スケールが較正モデルに付加され、
【0057】
【0058】
から導かれる。
【0059】
ここで、gはセンサのゲイン値である。一時的な磁気スケールはセンサのゲインまたはアクチュエータの磁気モーメントを特定の数に制限することによって固定されることができる。
【0060】
較正モデルは、
【0061】
【0062】
として公式化される最適化を有することが好ましい。
【0063】
ここで、αは磁気スケールの修正ファクタであり、Vrは、見本磁石が作業空間レベルにあるときの磁場計測データであり、Birは相対位置ri-rrを用いて公式化され、rrは見本磁石の位置であり、
【0064】
【0065】
は見本磁石の方位ベクトルであり、mは見本磁石の周知の磁気モーメントである。最適化からのαを用いることによって、磁気スケールは、
【0066】
【0067】
として再割り当てされることができる。
【0068】
ここで、「*」の記号は修正された値を意味する。
【0069】
本発明は、複数の磁気アクチュエータおよび複数の磁気センサを有した磁気作動検出システムにさらに関連している。複数の磁気アクチュエータおよび複数の磁気センサの各出力は共通の評価ユニットにおいて利用可能とされている。評価ユニットは、較正モデルを用いて本発明の方法に従って磁気アクチュエータおよび磁気センサを同時に較正するように構成されている。
【0070】
本発明の1つの態様では、複数の磁気アクチュエータは3~25個の磁気アクチュエータ、好ましくは3~12個の磁気アクチュエータを有しており、および/または複数の磁気センサは9~256個の磁気センサ、好ましくは32~128個の磁気センサを有し、磁気センサパラメータの数および磁気アクチュエータパラメータの数はそれぞれ27Nおよび6Mであることが好ましい。27Nおよび6Mは、不等式を公式化し、この不等式は、3軸センサの場合、
【0071】
【0072】
として示される。この不等式は、
【0073】
【0074】
を生じさせる。
【0075】
ここで、Lは、計測値の合計数を示している。これは、計算式の合計数が、最適化問題を解決するためにパラメータの合計数よりも大きくなるべきであることを基本的に意味している。従って、計算式(7)は、問題を解決するのに必要な計測値の最小の数を与えている。
【0076】
本発明のさらなる実施例は、以下の図の説明において説明される。本発明は、実施例の手段によって、および図示された図を参照することによって以下に詳細に説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【
図1】検出作動システムの例示の実験的なセットアップを示す図である。
【
図3】検出システムおよび作動システムの幾何学的パラメータの例示的な説明を示す図である。
【
図4a-4f】
図1の実験的なセットアップの例示的なシミュレーション結果を示す図である。
【
図5】磁気作動検出システムの実際の適用における仕様を示す表である。
【
図6】
図5の適用の初期パラメータおよび公差を示す表である。
【
図8a-8d】異なる作動モデルを用いたモデル適合精度の比較を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0078】
図1は、対象となる較正システム10を示しており、該較正システム10は、複数の磁気センサ14を有した磁気検出システム12と、計測すべき対象物(または患者)(図示せぬ)のための作業空間16と、複数の磁気アクチュエータ20を有した磁気作動システム18と、から構成されている。
【0079】
磁気検出システム12は、その検出システムレベル22内に置かれており、一方、磁気作動システム18は、作動システムレベル24内に置かれている。両レベル22,24は、例示的な破線によって示されている。検出システムレベル22は、作動システムレベル24から離間しており、両者の間に、作業空間が配置されている。
【0080】
磁気アクチュエータ20は、電磁石から構成されており、該電磁石は、コイル26およびコア28をそれぞれ有している。各電流センサ(図示せぬ)が磁気アクチュエータ20に取り付けられることができる。
【0081】
複数の磁気アクチュエータ20、複数の磁気センサ14および電流センサの出力が、共通の評価ユニット30で利用可能とされている。評価ユニット30は、較正モデルを用いて磁気アクチュエータ20および磁気センサ14を同時に較正するように構成されている。
【0082】
磁気作動検出システム10は、磁気アクチュエータ20の複数の電流を適用することで、作業空間16に任意の複数の磁場を生成することによって、同時に較正されることができる。
【0083】
それぞれ生成された磁場の各々は、作業空間16において検出システム12を用いて計測され、各電流は、磁気アクチュエータ20の各々の電流センサを用いて計測される。
【0084】
また、周知の任意の見本磁石(図示せぬ)の磁場が、磁気検出システム12を用いて計測される。このため、見本磁石は、作業空間16において任意の位置および向きに配置されている。
【0085】
そして、計測されたデータは、較正モデルに供給され、この較正モデルは、磁気作動モデルと組み合わされたセンサ計測モデルに基づいている。作動システムおよび検出システムの双方を同時に較正するために、較正モデルを用いて、モデルパラメータの解が数値ソルバーを介して発見される。
【0086】
従って、較正されていないセンサおよび電磁石が、較正供給源として機能する。較正前には、システムのパラメータが不正確であるが、検出システムおよび作動システムのパラメータ全てが、較正モデルの特性によって同時に較正される。このため、電流センサが較正前に予め較正されており、磁気センサの位置が知られていることが、仮定される。
【0087】
生成された複数の磁場の各々が、作業空間16全体を通して不均一であり、ソレノイド電磁石から生成されることを留意すべきである。
【0088】
較正モデルは、センサパラメータおよびアクチュエータパラメータを有したパラメータセットを備えており、センサパラメータは、各センサの位置、向き、軸の歪み、複数の軸の歪みおよびゲインに関するパラメータを有し、アクチュエータパラメータは、各アクチュエータの位置、向きおよび磁気モーメントに関するパラメータを有していることをさらに留意すべきである。
【0089】
図2は、検出作動システム10の同時の較正に必要なパラメータ全てを説明する表を示しており、この表については後述される。
【0090】
図3は、較正のために使用されるパラメータのいくつかの幾何学的な図を示している。位置ベクトルおよび回転マトリックスの全ては、全体フレーム{G}によって示されている。局所フレーム{L}は、センサのゲインを示し、m
jおよびm
j’は、j番目およびj’番目のアクチュエータ20の磁気モーメントをそれぞれ示している。黒い点は、相互誘導に起因して移動した磁気供給源の中心を示している。
【0091】
図4a~
図4fは、同時の較正からのシミュレーション結果を示しており、
図4aおよび
図4bは、8つの磁石システム(OctoMag-system)および大きな縮尺の8つの磁石システムの構成の表現された画像を示している。中空のシリンダはコイル28を表しており、内側シリンダはコア26を表している。図の中央の球体は、例示的な作業空間16を示しており、検出システム12は、作業空間16の下にプレート12を介して示されている。
【0092】
図4c,4dおよび
図4e,4fは、較正後における検出システムおよび作動システムの各々における標準化された誤差分布を示している。図は、標準化された誤差の標準偏差(STD)が、全てのケースで0.45%よりも小さいことを示している。検出システムおよび作動システムの決定係数(R
2値)は、全てのケースで99.88%よりも大きくなっている。
【0093】
図5および
図6は、検出作動システムの同時の較正の実際の適用におけるパラメータおよび公差を示す表をさらに示している。
【0094】
図7aおよび
図7bは、実験的な較正結果を示しており、
図7aは、検出システムの周知の最先端技術を用いた個々の較正からの結果に対する、本発明の方法を用いることで生じる検出システム較正結果を示している。この最先端技術を用いた方法は、標準化された誤差の0.97%の標準偏差とともに99.57%のR
2値を示した。一方、本発明の方法は、標準化された誤差の0.59%の標準偏差とともに99.84%のR
2値を示している。
【0095】
図7bでは、周知の最先端技術を用いた個々の較正からの結果に対する、本発明の方法を用いることによる作動システムの較正の結果を見ることができる。最先端技術を用いた較正は、標準化された誤差の0.19%の標準偏差とともに99.91%のR
2値を示し、一方、本発明の方法は、標準化された誤差の0.47%の標準偏差とともに99.45%のR
2値を示している。
【0096】
図8aおよび
図8bは、異なる作動モデルを用いたモデル適合精度の比較を示している。
図8aでは、コアを有したコイルと、追加のコアとが用いられる実験的なセットアップを見ることができる。作業空間16は、半径r
Wを有した球体によって示されている。作業空間16は、中心間距離dを有した最も近いコイル26の上方に配置されている。コア28の長さはd
cである。
【0097】
この関係では、本発明と比較されるモデルは、センサまたはアクチュエータを較正するのみのために使用される個々のモデルであり、センサまたはアクチュエータは、本発明のケースで現在示されているように一つのモデルを用いて同時に較正されないことを留意すべきである。
【0098】
図8bは、作業空間の範囲および距離を変えることにより、作動モデルの異なる種類を用いた、作動モデル適用結果を示している。各作業空間の構成では、3つの双極子と、3つの四極子を有した3つの双極子と、3つの四極子および3つの六極子を有した3つの双極子とが使用されている。複極子モデルの異なる種類までと一緒に双極子を用いたモデルの作動モデル適合結果と、双極子源の異なる数を用いた結果とが
図8cおよび
図8dにそれぞれ示されている。
【0099】
同時の較正の方法が、特有の例に基づいて以下に詳細に説明される。
【0100】
A.システムの説明
対象となる較正システムは、複数の磁気センサ(センサアレイ)および電磁石のセットから構成されている。システムの最終的な適用は、磁気ロボットが、センサデータを用いる局所アルゴリズムによって局所化されているときに、作動システム(電磁石)を用いる電磁ロボットを制御することである。
【0101】
センサアレイは、磁気ロボットおよび電磁石から磁場を計測する。磁気センサは、単軸または複軸とすることができる。複軸のセンサは較正がより困難であり、説明される例では、3軸センサが用いられる。磁気ロボットおよびアクチュエータからの結合された磁場では、ロボットは、周知のアルゴリズムによって局所化されることができる。
【0102】
作動システムは、磁気ロボットの中心で、所望の磁場およびその空間的勾配(spatial gradients)を生成する。磁場は、作業空間全体を通して不均一である。ソレノイド電磁石、例えば8つの磁石または小型磁石からの不均一な磁場を用いたシステムは、適用可能なシステムとして分類され得る。例示的なシステム(
図1)は、64個のセンサおよび9個の電磁石を備えている。
【0103】
B.枠組み:バンドル法としての較正
バンドル法(BA)は、オンラインでの同時の位置特定と地図測定(SLAM)およびオフラインでの多視点画像からの3次元形状復元(SfM)で用いられてきており、これにより、センサおよび目標物の双方のパラメータの正確な回復が可能となる。バンドル法は、基本的に、多くのパラメータの同時の評価を行うことができる最適化に基づいた方法である。バンドル法は、計測における外部ノイズに対して強固である。計測ノイズがゼロ平均であり、通常に分配されている場合には、バンドル法は、最大公算の評価問題を解決する。
【0104】
本発明の方法では、電流および磁場の計測は、バンドル法の画像の特徴点として同等に処理されることができる。アクチュエータおよびセンサの位置、向き、ゲインは、目標物およびカメラのパラメータと類似している。このパラメータは、特定の条件の下で磁場双極子モデルによって制約を受けている。
【0105】
バンドル法の枠組みにおける較正の問題を解決するために、パラメータ表示、誤差モデリング、建物の制約、測定器自由度の除去および適切な最適化プロセスの選択について熟考しなければならない。
【0106】
C.パラメータ表示
提案された方法は、パラメータの大きなセットを有している(実験の例示的なシステムは、較正すべき1836個のパラメータを有している)。このような大きなパラメータ空間では、適切なパラメータ表示が、信頼できる最適化結果のために必要とされている。パラメータセットは、センサパラメータおよびアクチュエータパラメータから構成されている。パラメータのシステムが、
図2および
図3に示されている。
【0107】
1)センサパラメータ:センサは、位置、向き、軸の歪み、複数の軸の歪みおよびゲイン(直線または非直線)に関するパラメータを有している。通常のセンサの較正では、各センサは、軸間の非直線応答およびクロスカップリング効果を有するものとみなされている。非直線性は、回路基板上の鉄材料からの硬鉄または軟鉄効果によって生じる。軸の歪みは、製造プロセスからの製造誤差または半田付けプロセスからの熱応力によって生じる。極めて高感度の3軸磁力計、例えば磁束磁力計の場合には、横軸電界効果(transverse field effect)(TFE)は、非直線性およびクロスカップリング効果のための追加的な供給源となる。
【0108】
いくつかのモデルが、非直線性および軸の歪みを獲得するように提供される。これらのモデルは、単一の3軸磁力計のためのものであり、軸の回転が予め較正されることを仮定して、軸の回転が無視されている。しかし、一般に、複数のセンサを有したシステムは、各センサについて異なる向きを有し得る。これは、製造プロセスが向きを変更し得るか、または異なる向きがノイズの割合に対する信号を特定の方向へ増加させるように意図されることができるからである。非直線性、クロスカップリングおよびセンサの回転を伴いながら、3D多項式モデルが使用され得る。モデルは、計算を犠牲にして多項式の次数を増加させることによって容易に拡張されることができる。
【0109】
この例では、3D2次式モデルが使用される。このモデルは、センサの非直線性を正確に獲得することができるだけでなく、計算上実用的である。センサの向きを有した3D2次式モデルは、各センサについて27個のパラメータを含んでいる。センサの位置は知られているものと仮定される。実験的なセットアップは、64個のセンサを有し、センサについて1782個のパラメータが提供される。
【0110】
2)アクチュエータパラメータ:磁気アクチュエータは、位置、向きおよび磁気モーメントを有している。典型的な電磁石は、コイルおよびコアを有し、これらの軸は共に整列している。このような場合、電磁石の磁気モーメントの向きおよび大きさは、3Dベクトルへと結合されることができる。3つ以上のコアを有したシステムは、相互誘導を備え得るものであり、この相互誘導は、提供された単一の電磁石と比べて、磁気の中心位置および磁気モーメントの向きを変化させ得る。実験的なセットアップは、9個のアクチュエータを有し、従って、提供されたアクチュエータについて54個のパラメータを有している。
【0111】
D.較正モデル
較正モデルは、センサ計測モデルおよび磁気作動モデルに基づいている。アクチュエータからの磁場は磁気センサによって計測され、値は任意の単位で示される。さらに、電流は、アクチュエータに取り付けられた電流センサによって計測される。電流センサがゼロ平均のガウス雑音の汚染(corruption)を伴う唯一の信頼できるセンサであることが仮定される。
【0112】
1)センサ計測モデル:磁場は磁気センサアレイによって計測される。単一のセンサは、感磁石抵抗の両端部の間の電圧差を通して磁束密度またはBフィールドを読み込む。センサは、軸が傾斜され、回転される非直線型であり、ゲインが工場の仕様と異なることが仮定される。2次式モデルを用いて、k番目の計測におけるi番目のセンサの回復されたBフィールドは、
【0113】
【0114】
である。ここで、P
s,
iは、G
i、H
x,i、H
y,i、H
z,iに関するパラメータのアレイである。この表現では、G
iは付加的な制約を伴わない線形写像であり、これは、スケーリング、回転およびせん断の影響を示していることを意味している。H
x,i、H
y,i、H
z,iは、対称の3×3のマトリックスであり、このマトリックスは、回転および2次式項を共に含んでいる。他の記号が
図2で説明されることに留意されたい。
【0115】
センサアレイの各センサが複数の計測値を有しているので、
【0116】
【0117】
として、積層マトリックスの形態における全体の計測値から、回復されたBフィールド値を示すことは便利である。ここで、Psおよびvは、全てのPs,iおよびvikの各々に関する積層されたベクトルである。
【0118】
2)Bフィールド作動モデル:
図1に記載のシステムは、双極子磁気フィールドによって効果的にモデル化されることができる。この前提は、大規模の最適化に関連する場合に有益であり、これは、双極子モデルが集中的な計算を防止し、正確な評価をもたらすからである。作業空間の電磁場に適合するように磁気双極子モデルを用いる方法は既に周知である。この周知の方法は、ユニット-電流寄与(unit-current contribution)の磁場に適合するように磁気双極子を使用する。磁気双極子の数および次数を増加させることにより、より正確なモデルが実現され得る。最適化における大きな調査空間のために、最小のパラメータを有することが好ましい。電流の問題では、各装置-電流寄与の単一の双極子モデルが選択される。モデルの複雑さに対するモデルの精度についての詳細な分析が以下に提供される。
【0119】
k番目の計測におけるj番目のアクチュエータからi番目のセンサの双極子磁場は、
【0120】
【0121】
として表される。ここで、bij,kはR3における磁場ベクトルであり、Bijは変位ベクトルrijのみに基づいた3×3のマトリックスであり、「^」は単位ベクトル標準化オペレータであり、IIは単位マトリックスであり、μ0は自由空間の透磁率である。
【0122】
磁気的に作動されるロボットでは、多自由度(DOF)作動が、ロボットを制御し、特異点を避けるか、または冗長性を用いてエネルギ消費を減少させる権限をさらに与えることができるので、多自由度作動が好ましい。磁場が一点で重ね合わされるので、各アクチュエータの合計を、結果的な磁場とみなすことができる。
【0123】
複数の電流入力からの複数の計測点における磁場は、マトリックス計算式で、bk=BMikとして表され得る。
【0124】
ここで、
【0125】
【0126】
であり、bkは、積層されたマトリックスの形態におけるセンサ全てのモデル化された磁場であり、Bは、磁気モーメントから各センサの磁場への作動マトリックスであり、Mは、アクチュエータの磁気モーメントパッケージ(対角線:磁気モーメント、オフ対角線:ゼロベクトル)であり、ikは、k番目の計測での積層された形態におけるアクチュエータ全ての計測された電流である。
【0127】
センサ計測モデルと同様に、Bフィールド値を、積層されたマトリックスの形態で、
【0128】
【0129】
として表すことが便利である。ここで、Paは、作動パラメータ全てを含むベクトルであり、iは、ik全てに関する積層されたベクトルであり、Jは、電流計測値全てに関する積層されたマトリックスである。
【0130】
E.費用関数の公式化
費用関数は、センサモデルおよび作動モデルによって与えられるBフィールド値の間の誤差を最小化することによって公式化されることができる。問題は、最小二乗法
【0131】
【0132】
で説明されることができる。
【0133】
ここで、∥・∥Fはフロベニウス基準であり、Psはセンサパラメータであり、Ps,lbおよびPs,ubはセンサパラメータの下限および上限をそれぞれ示しており、Paはアクチュエータパラメータであり、Pa,lbおよびPa,upはアクチュエータパラメータの下限および上限をそれぞれ示しており、≦は要素的に(一般に)不均等の記号である。これらの下限および上限は、製造公差または各パラメータの評価誤差から生じる。g(.)は、(8)で示される計測器自由度を解決するための付加的な制約である。
【0134】
1)計測値の最小の数:計算式の合計の数は、最適化の問題を解決するパラメータの合計の数よりも多くなるべきである。計算式の合計の数は、センサエレメントの数3N(3軸センサの場合)と、計測値Lの合計の数との乗算である。さらに、もう1つの計算式を与える、最適化に対する付加的な制約g(.)がある。パラメータの合計の数は、センサエレメントの数27Nとアクチュエータパラメータの数6Mとの合計である。これは、不等式
【0135】
【0136】
を公式化する。この不等式は、
【0137】
【0138】
を生じさせる。
【0139】
計測値の最小の数が定義されるが、較正の精度を向上させるために、最小の数よりも多くの計測データを収集することが有益である。大きな数のデータは、最適化プロセスを効果的に介してセンサシステムからガウス誤差を最小化する。
【0140】
2)ケージ自由度の解決:磁気スケールでは、ケージ自由度が存在する。計測値はGi値の一つのいずれの基準のスケーリング中において一定である。ケージ自由度を解決するために、物理的基準を導入する必要があり、これにより、磁気スケールの絶対値を与えることができる。
【0141】
物理的基準は、磁気モーメントが周知である永久磁石を用いて導入される。作業空間の内側で永久磁石の磁場を計測することにより、アクチュエータの磁気モーメントおよびセンサのゲインが物理的値と関連付けられる。
【0142】
ケージ自由度パラメータのための「一時的な」値が、より良い較正のために必要とされるであろう。これは、磁場の計測が電磁石を形成するときに永久磁石の磁場の計測が冗長でない(サンプルの数が非常に小さく、ノイズが相殺されない)からである。一時的な値は、最初の較正の後に修正される。基準の磁石からの磁場の計測は一回の計測であるが、長期間の間、磁石の磁場にセンサを露出し、計測されたデータの中間値を取得することが好ましい。これにより、基準の磁石の計測中のガウス雑音の影響が最小化され得る。
【0143】
一時的な磁気スケールは、費用関数上に付加される。磁気スケールは、センサのゲインまたはアクチュエータの磁気モーメントを特定の数に制限することにより固定されることができる。センサのゲインは、製造データシートで詳細にされているように実際の値に近似し得る。
【0144】
【0145】
で得られる最良の予備知識(磁力計の仕様データ)としてセンサのゲインの中間値を固定する。ここで、gは仕様シートのセンサのゲイン値である。これを(6)のスカラー関数の制約g(.)に付加することで、最適化の作業のための公式化が完成する。
【0146】
3)全体基準の再割り当て:前のセクションでは、ゲージ自由度が「一時的な」値に固定されている。この値は、絶対的な物理的値に従って修正されるべきである。この手法は、第1の主最適化作業の後に実施されるべきである。
【0147】
基準の再割り当ては、追加的な最適化を含んでいるが、我々は最初の最適化からの結果的なパラメータを使用する。我々は、基準の磁石と比較してシステムの磁気スケールを見つけるように最適化作業を公式化することができる。最適化は、
【0148】
【0149】
として公式化される。ここで、αは磁気スケールの修正ファクタであり、Vrは、基準磁石が作業空間にあるときの磁場計測データであり、Birは相対位置ri-rrを用いて公式化され、rrは基準磁石の位置である。また、
【0150】
【0151】
は基準磁石の方位ベクトルであり、mは基準磁石の周知の磁気モーメントである。
【0152】
最適化からαを用いて、磁気スケールは、
【0153】
【0154】
として割り当てられることができる。ここで、「*」の記号は修正された値を意味する。
F.数値ソルバーの選択
内点アルゴリズム(IPA)が、バンドル調整の問題を解決するように選択される。(6)で述べられた非直線の最適化の問題が、等式の制約および不等式の制約の双方と、最適化すべき高次元のパラメータ空間とを有しているので、制約を良好に扱うことができる最適化ソルバーが必要とされている。
【0155】
シミュレーション結果
提案された方法は、比較を容易にするためのグランドトルースとしてシステムパラメータ全てが知られているシミュレーション環境において試験された。一般のソレノイド型磁気作動システムとして、8つの磁石およびその縮尺率の大きなバージョンがシミュレーションモデル(構成が
図4aおよび
図4bに示されている)として選択される。これらのシステムは、商業化された有限要素分析(FEA)ソフトウェア(COMSOL
TM、Comsol group)でモデル化される。
【0156】
センサシステムは、実験に関するセンサのデータシートに基づいてシミュレートされた。センサアレイは、2-Dグリッドの16個のセンサを有しており、センサアレイは、作業空間に対する接線に配置された。センサアレイの配置は、局所化システムとしてセンサアレイを用いるシステムをシミュレートすることであり、ここで、センサアレイは、磁気ロボットの動きを妨害しないが、センサアレイから磁場を検出するように接近している。
【0157】
グランドトルースの構成から、任意の磁場が、任意の電流入力と共に生成された。任意の電流および磁場は、ガウス雑音を伴う仮想の電流センサおよび磁気センサを用いて計測された。磁気センサは900nTの標準偏差(STD)のガウス雑音を有しており、電流センサは、10mAのSTDのガウス雑音を有している。この計測値は、最適化作業へ供給された。磁気モーメントは較正前に予測することが難しいので、磁気モーメントを除いて、パラメータの境界が、グランドトルース値から5%ずれていた。所定の構成から、合計で675個のパラメータおよび1個の非直線制約があった。最適化の最終的な条件のために、1次の最適公差がセンサのノイズレベルに設定された。
【0158】
実証データセットが、モデルの正確さを確認するように個別に生成される。作動モデルの実証セットは、コイルが任意の入力と共に作動しているときの作業空間内のBフィールドセットである。検出モデルの実証セットは、センサアレイの場所に設定されたBフィールドであり、異なる電流入力がトレーニングデータセットをなめす。
【0159】
図4はシミュレーション結果を示している。較正後には、センサおよび作動モデルは、標準化された小さい誤差を示した。検出システムおよび作動システムの標準化された誤差の標準偏差は、8つの磁石システムについて、それぞれ0.35%および0.45%であり、より縮尺率の大きい8つの磁石システムについて、それぞれ0.59%および0.062%であった。全てのケースについて、決定係数(R
2値)は99.88%よりも大きかった。
【0160】
実験結果
A.実験の設定および手順:提案された方法は、特別に設計された磁気局所化作動システム10(
図1)に適用された。このシステムは、30mmの節距離を有した8×8のグリッド上に配置された9個の電磁石20および64個の3軸磁気センサ14から構成されている。センサアレイは、Z方向において中央の電磁石よりも250mm上方に配置され、センサの中心は、xy平面上で整列していた。システムの仕様は
図5に示されている。
【0161】
製造誤差が局所化システムおよび作動システムの双方に存在する。検出システムは、各センサの向きおよび感度からの誤差を含む。電磁石は相互誘導に起因する位置の移動と、磁気モーメントのマッピングからのモデル誤差とを含む。これらの設計パラメータおよび製造公差の全てが
図6に示されている。初期パラメータが初期の条件を定義し、公差が数値ソルバーの境界条件を定義することを留意されたい。
【0162】
較正手順の前に、システムの周囲のDC磁場および電流センサオフセットが無効化される。センサシステムの値が期間(20秒)の間計測され、その中間値が無効化オフセットとして設定される。磁場のノイズの下限(floor)は50μTであり、電流センサオフセットが±5mAであった。
【0163】
実験では、電磁石が、[-3,3]Aの範囲に及ぶ電流入力から500個の任意の磁場(L=500)を生成した。電流は電流センサによって計測されたが、磁場は各磁気センサによって独立して計測された。計測後には、基準磁石の磁場が、任意の向きおよび位置で作業空間の内側で計測された。計測データ全てが(6)へ供給され、最適化作業が内点アルゴリズムによって解決された。データ計測および最適化には、それぞれ3分および15分かかる。最適化後には、パラメータは(9)および(10)を用いてゲージ自由度を固定するように再修正された。
【0164】
B.磁気センサシステムの較正結果:センサの計測値は、グランドトルースデータと比較された。3軸ガウスメータがグランドトルースデータの計測のために使用された。計測すべき磁場を生成するために、任意の電流入力のセットがコイルに流れた。任意の電流入力は、[-1,1]A内の均一な分配を用いて生成された。入力電流は、磁場の大きさが入力電流に対して線形性を有し、かつ磁場が磁気センサを飽和させないように、適切な範囲内にあるべきである。磁場は、センサアレイによって最初に計測された。その後、ガウスメータが、同じ電流入力を有した各センサの同じ位置で磁場を計測した。合計で1350個のデータ点がセンサアレイおよびガウスメータの双方に対して計測された。
【0165】
参照の方法として、我々はPlotkinおよび他の者からの較正方法をセンサシステムの較正に適用した。方法は、磁気センサシステムを較正するために永久磁石を使用する。この方法は3軸磁気センサを較正するように修正されるのに対し、最初の方法は、単軸磁気センサ用である。φ6×6mm3NdFeB N52磁石が較正供給源として使用された。この磁石は、100個の異なる位置に配置され、磁石の磁場はセンサアレイによって計測された。
【0166】
図7aはセンサシステムの較正結果を示している。提案された方法を用いて、センサモデルは99.84%のR
2値および0.59%の標準化されたSTDを有した。参照の方法からの較正結果は99.57%のR
2値および0.97%の標準化された誤差のSTDを示した。結果は、提案された方法が以前の検出システム較正方法に匹敵することを示している。
【0167】
C.作動システムの較正結果:作動システムは、提案された方法によって同時に較正された。較正結果を実証するために、(4)からモデル化された磁場が、ガウスメータを用いて計測された磁場と比較された。電磁石の入力電流が、均一な分配を用いて[-1,1]A内で任意に生成された。誤差が、計測された磁場とモデル化された磁場との間の差によって計算された。ガウスメータが、作業空間に適合する50×50×50mm3の立方グリッドに配置された。合計で1350個のデータ点が計測されるとともに比較された。
【0168】
提案された方法の結果は、参照としてPetruskaおよび他の者の方法からの結果と比較される。参照の方法のデータを収集するために、ガウスメータは、各コイルが-3A、0A、3Aで作動するときに作業空間の直ぐ内側でBフィールドを計測した。このデータは、各磁気供給源のB係数を有した球面調和関数に適合された。
【0169】
図7bは実験結果を示している。提案された方法は、99.45%のR
2値および0.47%の標準化された誤差のSTDを有した作動モデルを生じさせた。周知の較正方法は、99.91%のR
2値および0.19%の標準化された誤差のSTDを生じさせた。この結果は、提案された方法が以前の作動システムの較正方法に匹敵することを示している。
【0170】
討論
A.アクチュエータモデルの複雑さおよび正確さ:アクチュエータのより複雑なモデル、例えば球面調和関数を用いた多重極拡張モデルが、同時の較正方法で潜在的に使用され得る。モデルが計算上扱い易く、試験されたシステムにおいて正確な結果を生じさせるので、磁気双極子フィールドモデルが本実験で使用された。このシステムでは、より複雑なモデルがアクチュエータの較正の正確さを向上させ得るが、計算コストを増加させ、過剰な適合性(over-fitting)を生じさせ得る。
【0171】
作業空間の大きさと、磁気供給源から作業空間への距離とを変化させることにより磁極の数および次数の観点で、異なるアクチュエータモデルを使用したときに、モデル適合正確性が比較された。制御実験のセットが、有限要素分析(FEA)を用いたシミュレートされた環境において行われた。
図8aは、コア28を有したコイル26が他のコア28の近くに配置される、シミュレートされた構成を示している。作業空間16は必要な大きさにされ、境界球面半径r
wと、コイル26の中心と作業空間16の中心との間の距離dとが変えられ、FEAからの磁場データは、装置-電流がコイル26を通流するときに取得された。磁場データが、周知の方法を用いて作動モデルに適合された。
【0172】
図8は、作動モデル適合の結果を示している。
図8bでは、一般的な傾向は、作業空間と磁気供給源との間の距離を増加させるときに、多重極モデルの全てが良好に機能することを示している。磁気供給源の一定の数(3個の供給源)では、双極子モデルでさえ、全ての範囲で1%より小さいSTD値を生じさせている。
図8cおよび
図8dは、作業空間の大きさおよび位置が一定のとき(r
w/d
c=0.375およびd/d
c=1.75)のモデルの正確さを示している。
図8cでは、供給源の一定の数(3個の供給源)では、極の次数を増加させることにより、モデルの正確さが向上する。
図8dでは、作動モデルは、供給源の数の増加と共に向上する。全てのケースでは、(単一の双極子を有した)最も簡潔なモデルが、標準化された誤差の1%のSTDよりも小さな作業空間のBフィールドに適合する。
【0173】
B.センサアレイの配置:センサアレイの配置は較正結果の正確さに影響を与え得る。センサが作業空間から過度に離れている場合には、センサアレイは、作業空間の周囲の磁場を観測できないであろう。このような場合、センサアレイの作動モデルが正確であるが、作業空間に存在し得ない。最良の結果を達成するために、作業空間の内側にセンサアレイを配置することが好ましい。そして、センサアレイで観測された磁場は、作業空間の磁場にほぼ適合する。
【0174】
また、センサアレイは作業空間の近くに配置され得る。これは、機械的な制約のために作業空間の内側にセンサアレイを配置することが難しい用途にとって重要である。さらに、自動化し、規則正しく較正ことが必要なシステムが用途の一つとなるであろう。このような場合、センサのBフィールドが作業空間のBフィールドに近くなるように、作業空間の可能な限り近くにセンサアレイを配置することが推奨される。センサアレイが作業空間に近い状況をシミュレートするようにシミュレーションおよび実験が行われたことを留意されたい。
【0175】
C.方法の適用:本発明の方法における2つの主な適用がある。第1に、この方法は、人間の介入が最小限とされた自動的な較正に利用され得る。これは、頻繁に再較正を必要とするシステムにとって有益である。例えば、磁気センサは、環境の変化、例えば地球の磁場の変化からのセンサの時変軟鉄効果または長期間のゲインオフセットドリフトに起因してアップデートされたゲインを必要とする。システムまたは環境のゲイン変化の時間尺度に基づいて、アップデートは、規則正しくスケジュール設定されることができる。使用者は較正前にセンサシステムに基準の磁石を露出し、残りの較正が自動的に行われ得る。
【0176】
第2に、提案された方法は、再構成可能な磁気検出システムおよび作動システムのための自動的な較正を許容する。再構成は、機敏さおよびエネルギ効率を向上させること、または、作動システムの特異点を避けることにとって有益となり得る。患者の処置が好ましい方向へ向かい得るので、特に、システムの再構成は、医療ロボット工学において重要となり得る。再構成の場合には、パラメータ空間は、現場で較正可能な作動パラメータのみを含んで最小化され得る。