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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】空気調和機の室内機
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/0073 20190101AFI20240122BHJP
   B01D 46/42 20060101ALI20240122BHJP
【FI】
F24F1/0073
B01D46/42 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019216707
(22)【出願日】2019-11-29
(65)【公開番号】P2021085633
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】宇野 順道
【審査官】奈須 リサ
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-060598(JP,A)
【文献】特開2008-070091(JP,A)
【文献】実開昭50-011072(JP,U)
【文献】特開2005-111896(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/0073
B01D 46/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
異物を捕捉するフィルタと、
前記フィルタに付着した異物を、該フィルタから取り除く清掃部と、
前記清掃部によって取り除かれた異物を貯留する複数のダストボックスと、
複数の前記ダストボックスを収容し、複数の前記ダストボックスを着脱可能に保持する収容部と、
複数の前記ダストボックスが前記収容部に適正に収容されているか否かを判断する判断部と、を備え、
前記収容部は、所定方向から前記ダストボックスを収容可能とされ、
前記判断部は、隣接する前記ダストボックス同士の間に設けられ、隣接する前記ダストボックス同士の前記所定方向の位置が一致している場合には押圧状態が維持可能とされるとともに、前記所定方向の位置が一致していない場合には押圧状態が維持できない1つのスイッチを有し、前記スイッチの押圧状態が維持された場合に、隣接する前記ダストボックスのいずれもが前記収容部に適正に収容されていると判断する空気調和機の室内機。
【請求項2】
隣接する前記ダストボックスに押圧されるレバー部と、
前記レバー部と係合する軸部と、を備え、
前記レバー部は、前記所定方向へ延在し前記軸部が挿通するスリットと、前記スリットを基準として隣接する前記ダストボックスの一方である第1ダストボックス側に設けられ前記第1ダストボックスに前記所定方向へ押圧される第1部分と、前記スリットを基準として隣接する前記ダストボックスの他方である第2ダストボックス側に設けられ前記第2ダストボックスに前記所定方向へ押圧される第2部分と、を有し、
前記レバー部は、前記軸部に対して、回転自在であって、かつ、前記所定方向へスライド自在に係合していて、
前記スイッチは、前記所定方向へ移動する前記レバー部によって押圧される請求項1に記載の空気調和機の室内機。
【請求項3】
複数の前記ダストボックスは、前記所定方向と交差する交差方向に並んで配置され、
前記ダストボックスは、前記交差方向の一端部に設けられ前記スイッチを間接又は直接押圧する押圧部と、前記交差方向の他端部から前記交差方向へ突出する突出部を有し、
前記収容部は、前記交差方向の他端を規定する他端側壁部から凹み前記突出部を挿入可能な凹部を有し、
前記ダストボックスの前記一端部から前記突出部の先端までの前記交差方向の長さは、前記収容部の一端部から前記他端側壁部までの前記交差方向の長さよりも長い請求項1または請求項2に記載の空気調和機の室内機。
【請求項4】
前記判断部がいずれかの前記ダストボックスが前記収容部に適正に収容されていないと判断した場合に報知する報知部を備える請求項1から請求項3のいずれかに記載の空気調和機の室内機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機の室内機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
空気調和機の壁掛け型の室内機には、フィルタを自動的に清掃する自動清掃機構が備えられているものがある。このような自動清掃機構は、フィルタを移動させるとともに、フィルタの表面に付着した埃等の異物を取り除き、フィルタから取り除いた異物をダストボックスに貯留する。ダストボックスは着脱可能とされていて、ユーザは室内機からダストボックスを取り外して、ダストボックス内に貯留された異物を処理した後に、室内機にダストボックスを取り付ける。
【0003】
ダストボックスを取り付ける際に、適正な位置に取り付けられなかった場合、その後に自動清掃機構によってフィルタの清掃を行う際に、十分清掃を行えない可能性や、フィルタとダストボックスとが干渉し、フィルタが損傷する可能性がある。よって、ダストボックスが適正に装着されているかを検出する装置を設けた室内機が知られている(例えば、特許文献1)。
【0004】
特許文献1には、ブラシ機構が収納部に対して装着されていること、さらにブラシ機構の左右両側ともに適正に装着されていることを検知するために、収納部の奥壁の左右両側位置にそれぞれリミットスイッチを取付けている。これらリミットスイッチは、ブラシ機構が収納部内に適正に装着された状態では、接触子が、ダストボックス側のリミット当接部に接触して信号を出力する(即ち、適正な装着状態を検知する)。一方、ブラシ機構が収納部内に適正に装着されていない状態では、ダストボックス側のリミット当接部と非接触とされ、信号を出力しない(即ち、適正な装着状態でないことを検知する)ようになっている室内機が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2008-70091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
自動清掃機構には、複数のダストボックスを長手方向に並べて配置するものがある。ダストボックスが複数存在する自動清掃機構に、特許文献1に記載されている検知機構を適用した場合、各ダストボックスに対応するように、複数のリミットスイッチを設ける必要があり、リミットスイッチに接続される配線の取り回し等が複雑となる。よって、組立性が悪化するとともに、室内機内における占有スペースが増大する可能性がある。また、いずれかのリミットスイッチが故障した場合には、故障したリミットスイッチに対応するダストボックスについて、装着状態を検知できない可能性がある。このため、信頼性が低下する可能性があった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、構造を簡素化し、組立性を向上させることができるとともに、省スペース化することができる空気調和機の室内機を提供することを目的とする。
また、信頼性を向上させることができる空気調和機の室内機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の空気調和機の室内機は以下の手段を採用する。
本発明の一態様に係る空気調和機の室内機は、異物を捕捉するフィルタと、前記フィルタに付着した異物を、該フィルタから取り除く清掃部と、前記清掃部によって取り除かれた前記異物を貯留する複数のダストボックスと、複数の前記ダストボックスを収容し、複数の前記ダストボックスを着脱可能に保持する収容部と、複数の前記ダストボックスが前記収容部に適正に収容されているか否かを判断する判断部と、を備え、前記収容部は、所定方向から前記ダストボックスを収容可能とされ、前記判断部は、隣接する前記ダストボックス同士の前記所定方向の位置が一致している場合には押圧状態が維持可能とされるとともに、前記所定方向の位置が一致していない場合には押圧状態が維持できない1つのスイッチを有し、前記スイッチの押圧状態が維持された場合に、隣接する前記ダストボックスのいずれもが前記収容部に適正に収容されていると判断する。
【0009】
上記構成では、判断部がいずれかのダストボックスが収容部に適正に収容されているか否かを判断している。これにより、いずれかのダストボックスが収容部に適正に収容されていないことを把握することができる。したがって、ダストボックスが収容部に適正に収容されていない状態で、空気調和機の運転を行う事態を抑制することができる。よって、ダストボックスが収容部に適正に収容されていない状態で、空気調和機の運転を行うことに起因する不具合の発生を抑制することができる。不具合とは、例えば、フィルタを清掃する際に、フィルタとダストボックスとが干渉し、フィルタが損傷する事態等である。
【0010】
また、上記構成では、1つのスイッチで、隣接するダストボックス同士(すなわち2つのダストボックス)が収容部に適正に収容されているか否かを判断することができる。これにより、隣接するダストボックスに各々対応するスイッチを設ける場合と比較して、スイッチに接続される配線の取り回し等を簡素化することができる。よって、組立性を向上させることができるとともに、省スペース化することができる。また、部品点数を低減することができるので、信頼性を向上させることができる。また、メンテナンス性を向上させるとともに、製造コストを低減することができる。
【0011】
また、本発明の一態様に係る空気調和機の室内機は、隣接する前記ダストボックスに押圧されるレバー部と、前記レバー部と係合する軸部と、を備え、前記レバー部は、前記所定方向へ延在し前記軸部が挿通するスリットと、前記スリットを基準として隣接する前記ダストボックスの一方である第1ダストボックス側に設けられ前記第1ダストボックスに前記所定方向へ押圧される第1部分と、前記スリットを基準として隣接する前記ダストボックスの他方である第2ダストボックス側に設けられ前記第2ダストボックスに前記所定方向へ押圧される第2部分と、を有し、前記レバー部は、前記軸部に対して、回転自在であって、かつ、前記所定方向へスライド自在に係合していて、前記スイッチは、前記所定方向へ移動する前記レバー部によって押圧されてもよい。
【0012】
上記構成では、例えば、第1ダストボックスが第2ダストボックスよりも所定方向の前方に位置している場合(すなわち、第1ダストボックスの所定方向の位置と第2ダストボックスとの所定方向の位置が一致していない場合)には、第1ダストボックスのみがレバー部を押圧することとなる。第1ダストボックスが押圧するレバー部の第1部分は、回転自在に設けられたレバーのうち、軸よりも第1ダストボックス側に位置している。このため、第1ダストボックスのみがレバー部を押圧すると、レバーは軸を中心として回転する。また、同様に、例えば、第2ダストボックスが第1ダストボックスよりも所定方向の前方に位置している場合にも、第2ダストボックスのみがレバー部を押圧することとなり、レバーは軸を中心として回転する。このように、第1ダストボックスの所定方向の位置と第2ダストボックスとの所定方向の位置が一致しておらず、一方のダストボックスのみでレバーを押圧している場合には、レバーは回転するため、所定方向へ移動しない。
【0013】
これに対し、第1ダストボックスの所定方向の位置と第2ダストボックスとの所定方向の位置が一致している場合には、第1ダストボックスと第2ダストボックスとの両方でレバー部を押圧することとなる。この場合には、レバーの回転を第1ダストボックス及び第2ダストボックスが規制するので、レバーの回転が抑制される。したがって、第1ダストボックス及び第2ダストボックスに押圧されたレバーが、所定方向へ移動することとなり、スイッチを押圧することができる。
このように、上記構成では、隣接する第1ダストボックス及び第2ダストボックスの前記所定方向の位置が一致している場合にスイッチの押圧状態が維持される。また、所定方向の位置が一致していない場合にはスイッチの押圧状態が維持されない。したがって、1つのスイッチのみで、第1ダストボックス及び第2ダストボックスのいずれもが収容部に適正に収容されているか否かを判断することができる。
【0014】
また、本発明の一態様に係る空気調和機の室内機は、複数の前記ダストボックスは、前記所定方向と交差する交差方向に並んで配置され、前記ダストボックスは、前記交差方向の一端部に設けられ前記スイッチを間接又は直接押圧する押圧部と、前記交差方向の他端部から前記交差方向へ突出する突出部を有し、前記収容部は、前記交差方向の他端を規定する他端側壁部から凹み前記突出部を挿入可能な凹部を有し、前記ダストボックスの前記一端部から前記突出部の先端までの前記交差方向の長さは、前記収容部の一端部から前記他端側壁部までの前記交差方向の長さよりも長くてもよい。
【0015】
上記構成では、ダストボックスの一端部から突出部の先端までの長さが、収容部の一端部から他端側壁部までの長さよりも長い。これにより、ダストボックスの突出部を凹部へ挿入していない状態で、ダストボックスを収容部へ収容しようとした場合、突出部13と他端側壁部とが干渉する。このため、ダストボックスの突出部を凹部へ挿入していない状態では、ダストボックスを収容部へ収容することができない。ダストボックスを収容部へ収容するためには、まず、突出部を凹部へ挿入する必要がある。すなわち、スイッチを間接又は直接押圧する押圧部を収容する前に、まず、突出部が設けられている反対側(他端部側)を収容部へ収容する必要がある。
【0016】
押圧部(一端部)が収容部に収容されている場合には、他端部が収容部内に収容されていなくとも、押圧部14によってスイッチが押圧されてしまう可能性がある。上記構成では、上述のように、反対側(他端部側)から収容部へ収容する必要があるので、押圧部(一端部)が収容部に収容されているにもかかわらず、他端部が収容部内に収容されていない状態を抑制することができる。よって、より確実に、ダストボックスが収容部に適正に収容されていない状態で、空気調和機の運転を行う事態を抑制することができる。
【0017】
また、本発明の一態様に係る空気調和機の室内機は、前記判断部がいずれかの前記ダストボックスが前記収容部に適正に収容されていないと判断した場合に報知する報知部を備えてもよい。
【0018】
上記構成では、判断部がいずれかのダストボックスが収容部に適正に収容されていないと判断した場合に、報知部が報知する。これにより、ダストボックスが収容部に適正に収容されていないことをユーザに知らせることができる。したがって、ユーザが適切に収容されていないことを認識することができるので、より確実に、ダストボックスが収容部に適正に収容されていない状態で、空気調和機の運転を行う事態を抑制することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、構造を簡素化し、組立性を向上させることができるとともに、省スペース化することができる。
また、信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態に係る空気調和機の室内機を示す斜視図である。
図2図1の室内機においてダストボックスを取り外した状態を示す斜視図である。
図3図1の室内機を示す側面図である。
図4図3のIV-IV矢視断面図である。
図5】本発明の実施形態に係る空気調和機の室内機に設けられるレバー機構を示す斜視図である。
図6図5のレバー機構を示す上面図である。
図7図5のレバー機構を示す下面図である。
図8】本発明の実施形態に係るレバー機構及び判断部を模式的に示す上面図であって、レバーがスイッチを押圧している状態を示す図である。
図9】本発明の実施形態に係るレバー機構及び判断部を模式的に示す上面図であって、レバーがスイッチを押圧していない状態を示す図である。
図10】本発明の実施形態に係るダストボックス及びダストボックス収容部を模式的に示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明に係る空気調和機の室内機の一実施形態について、図1から図10を参照して説明する。本実施形態の室内機1は、壁掛け型の室内機である。図中のFRは室内機の前方を意味し、UPは室内機の上方を意味し、INは室内機の中心方向を意味する。なお、以下の説明では、室内機の前方を向いた状態における左右方向を「幅方向」とも称する。
【0022】
図1から図4に示すように、室内機1は、室内機1は、幅方向を長手方向とした直方体形状とされた筐体2を備えている。この筐体2は、筐体2の背面側を構成するベース3と、ベース3の前面側に被せられているフロントカバー4と、フロントカバー4の前面を覆っているフロントパネル(図示省略)等によって構成されている。なお、図1から図4は、フロントパネルを省略して図示している。
【0023】
フロントカバー4には、上面に吸込みグリル5が形成されているとともに、前方に前面開口6が形成されている。フロントカバー4の前方には、フロントパネルが設けられている。フロントパネルは、上方部を支点に回動可能とされている。また、フロントカバー4の前方下部には、吹出口7が形成されている。
【0024】
筐体2の内部には、細長い円筒形状とされたクロスフローファン(図示省略)や、冷媒が流通する熱交換器(図示省略)等が配置されている。クロスフローファンは、駆動源(図示省略)からの動力によって回転し、吸込みグリル5及び前面開口6から筐体2の内部に外気を導入する。熱交換器は、内部に冷媒が流通する複数のチューブと、チューブの外周面に設けられた板状の複数のフィンと、を有し、筐体2の内部に導入された外気と冷媒とを熱交換する。熱交換器で熱交換を終えた外気は、吹出口7から筐体2の外部へ吹出す。
【0025】
また、筐体2の内部には、前面開口6及び吸込みグリル5に沿って、埃等の異物を捕捉するフィルタ8が配設されている。詳細には、フィルタ8は、前面開口6及び吸込みグリル5と、熱交換器との間に配置されている。すなわち、熱交換器へは、フィルタ8を通過した外気が導かれる。フィルタ8は、幅方向の略中央部を挟んで、一方側に1つ配置され、他方側に1つ配置されている。すなわち、フィルタ8は2つ設けられていて、2つのフィルタ8は、幅方向に沿って並んで配置されている。
【0026】
また、筐体2の内部には、フィルタ8を自動的に清掃する図示省略の清掃装置(清掃部)が設けられている。清掃装置は、フィルタ8を所定の経路に沿って移動させるとともに、移動中のフィルタ8の表面に付着した埃等の異物をブラシなどで取り除く。取り除いた埃等の異物は、ダストボックス10へ排出する。
【0027】
また、ダストボックス10は、筐体2の内部であって、筐体2の前方下部に設けられている。ダストボックス10は、後述するダストボックス収容部20(収容部)に収容されている。詳細には、ダストボックス収容部20に前方から後方へ向かって挿し込まれるように収容されている。
【0028】
ダストボックス10は、室内機1の幅方向(すなわち、収容する方向と交差する方向)に沿って、並んで2つ配置されている。詳細には、室内機1の前方を向いた状態における右側(図1における紙面左側)に配置される第1ダストボックス10Rと、室内機1の前方を向いた状態における左側(図1における紙面右側)に配置される第2ダストボックス10Lと、を備えている。第1ダストボックス10Rと、第2ダストボックス10Lとは、隣接している。
なお、第1ダストボックス10Rと、第2ダストボックス10Lとは、主に配置される位置が異なっており、略同様の構造をしている。このため、以下では区別が必要な場合にのみに、第1ダストボックス10R及び第2ダストボックス10Lと称して個別に説明し、区別が必要でない場合には、ダストボックス10としてまとめて説明する。
【0029】
ダストボックス10は、異物を貯留する桶状の貯留部11と、貯留部11の前端部に取り付けられるパネル部12と、を有している。パネル部12は、貯留部11の前端部及び前面開口6の下部を前方から覆っている。また、貯留部11の幅方向の外側端部から所定の長さ突出する突出部13を有している(図4及び図10参照)。また、ダストボックス10は、貯留部11の幅方向の内側端部は、後述するレバー部31(詳細には、レバー部31の第1部分34)と接触し、レバー部31を前方から後方へ押圧する押圧部14となっている(図10参照)。また、パネル部12の内側端部には、クリップ部15が設けられている。クリップ部15は、図4の矢印Aに示すように、幅方向にスライド移動可能とされている。
【0030】
また、筐体2の内部には、ダストボックス10を収容するダストボックス収容部20が設けられている。ダストボックス収容部20は、筐体2の前方下部に設けられている。
ダストボックス収容部20は、幅方向(すなわち、収容する方向と交差する方向)に沿って、並んで2つ配置されている。詳細には、室内機1の前方を向いた状態における右側(図1における紙面左側)に配置される第1ダストボックス収容部20Rと、室内機1の前方を向いた状態における左側(図1における紙面右側)に配置される第2ダストボックス収容部20Lと、を備えている。第1ダストボックス収容部20Rと、第2ダストボックス収容部20Lとは、隣接している。第1ダストボックス収容部20Rは、第1ダストボックス10Rを収容する。第2ダストボックス収容部20Lは、第2ダストボックス10Lを収容する。
なお、第1ダストボックス収容部20Rと、第2ダストボックス収容部20Lとは、主に配置される位置が異なっており、略同様の構造をしている。このため、以下では区別が必要な場合にのみに、第1ダストボックス収容部20R及び第2ダストボックス収容部20Lと称して個別に説明し、区別が必要でない場合には、ダストボックス収容部20としてまとめて説明する。
【0031】
ダストボックス収容部20は、内部にダストボックス10を収容する収容空間を形成している。また、ダストボックス収容部20は、幅方向の外側の側端を規定する外側壁部21と、幅方向の内側(中央側)の端部を規定する内側壁部22と、下端を規定する底面部23と、後端を規定する後壁部24と、を有している。収容空間の前端は開放されており、この前端からダストボックス10が収容される。すなわち、ダストボックス10は、前方から後方へ移動させながら、ダストボックス収容部20に収容される。凹部25の前後方向の長さは、突出部13の前後方向の長さよりも大きく形成されていて、突出部13が凹部25へスムーズに挿入できるようになっている。また、外側壁部21には、突出部13に対応する位置に、突出部13が挿入可能な凹部25(図4及び図10参照)が形成されている。凹部25は、外側壁部21の内周面から凹むように形成されている。また、内側壁部22には、クリップ部15と対応する位置に、クリップ部15が挿入可能な係合部26が形成されている。係合部26は、内側壁部22の内周面から凹むように形成されている。
【0032】
第1ダストボックス収容部20Rの内部に形成される空間(以下、「第1空間」と称する)と、第2ダストボックス収容部20Lの内部に形成される空間(以下、「第2空間」と称する)とは、内側壁部22によって完全に隔てられているわけではなく、一部で連通している。後述するレバー部31は、この連通部分に配置されている。すなわち、レバー部31は、第1空間及び第2空間の両方の空間に亘って設けられている。
【0033】
図10に示すように、突出部13を除いたダストボックス10の長さL1は、ダストボックス収容部20の内側壁部22から外側壁部21までの長さL2よりも短くなっている。また、ダストボックス10の内側端部から突出部13の先端までの長さL3は、ダストボックス収容部20の内側壁部22から外側壁部21までの長さL2よりも長くなっている。
【0034】
図4に示すように、ダストボックス収容部20に収容された状態において、ダストボックス10の外側端部は、突出部13が凹部25に挿入されることで、固定されている。一方、ダストボックス収容部20に収容された状態において、ダストボックス10の内側端部は、クリップ部15によって固定されている。具体的には、クリップ部15は、スライド移動させることで、ダストボックス10の内側端部から突出させることができる。これにより、クリップ部15は、係合部26に係合する。
このように、外側端部で突出部13と凹部25とが係合し、内側端部でクリップ部15と係合部26とが係合することで、ダストボックス10とダストボックス収容部20との前後方向及び上下方向の相対移動が規制されている。
【0035】
次に、図4から図9を用いて、レバー機構30及び判断部40の詳細について説明する。
まず、レバー機構30の一例について、図4から図7を用いて説明する。
図4に示すように、第1ダストボックス収容部20Rと第2ダストボックス収容部20Lとの間には、レバー機構30が設けられている。レバー機構30は、図4から図6に示すように、第1ダストボックス10R及び第2ダストボックス10Lによって前方から押圧されるレバー部31と、筐体2に対して固定されていてレバー部31の下方に設けられる土台部37と、を有している。軸部32は、図6に示すように、レバー部31の幅方向の略中央に固定されている。
【0036】
土台部37は、図7に示すように、幅方向(左右方向)の略中央領域にスリット33が形成されている。スリット33は、上下方向に貫通する開口であって、前後方向が長手方向となるように形成されている。スリット33は、幅方向(長手方向と交差する方向)の長さが、後述する軸部32の外径よりもわずかに大きくなるように形成されている。
【0037】
レバー部31は、図4から図7に示すように、幅方向の略中央に設けられる軸部32と、軸部32を基準として第1ダストボックス10R側に設けられ第1部分34と、軸部32を基準として第2ダストボックス10L側に設けられる第2部分35と、後端部に設けられ後述するスイッチ41を押圧する押圧部分36と、を有する。また、レバー部31にはスプリング38が設けられている。
【0038】
第1部分34は、レバー部31の中央領域から第1ダストボックス10R側へ突出するように形成されている。第2部分35は、レバー部31の中央領域から第2ダストボックス10L側へ突出するように形成されている。押圧部分36は、幅方向において、軸部32と同位置に配置されている。すなわち、押圧部分36は、軸部32の真後ろに配置されている。
【0039】
軸部32は、図7に示すように、レバー部31の下面から下方へ延びる円柱状の部材であって、後述するスリット33を挿通している。このように、軸部32がスリット33を挿通することで、レバー部31が、軸部32に対して回転自在であって、かつ、前後方向へスライド自在に係合する。
【0040】
なお、上記説明では、レバー部31に軸部32が設けられ、筐体2に対して固定される土台部37にスリット33を形成する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、レバー部31にスリット33を形成し、筐体2に対して固定されるように軸部32を設けてもよい。すなわち、軸部32が設けられる部材と、スリット33が形成される部材とが相対移動可能とされていて、軸部32がスリット33を挿通する構成であればよい。換言すれば、レバー部31が、回転自在であって、かつ、前後方向へスライド自在に構成されていればよい。
【0041】
以下では、レバー部31にスリット33を形成し、筐体2に対して固定されるように軸部32を設けた場合におけるレバー部31及び判断部40の挙動について図8及び図9を用いて説明する。図8及び図9では、レバー部31及び判断部40を模式的に図示している。
なお、図5から図7等に示しているレバー部31に軸部32が設けられ、筐体2に対して固定される土台部37にスリット33を形成する例においても、レバー部31は同様に挙動する。
【0042】
図8及び図9に示すように、レバー機構30は、第1ダストボックス10R及び第2ダストボックス10Lによって前方から押圧されるレバー部31と、筐体2に対して固定されていて上下方向に延びる軸部32と、を有している。
【0043】
レバー部31は、前後方向へ延在し軸部32が挿通するスリット33と、スリット33を基準として第1ダストボックス10R側に設けられ第1部分34と、スリット33を基準として第2ダストボックス10L側に設けられる第2部分35と、後端部に設けられ後述するスイッチ41を押圧する押圧部分36と、を有する。
【0044】
スリット33は、上下方向に貫通する開口であって、レバー部31の幅方向の略中央領域に形成されている。また、スリット33は、幅方向(延在方向と交差する方向)の長さが、軸部32の外径よりもわずかに大きくなるように形成されている。また、スリット33は、レバー部31の前後方向の略全域に亘って形成されている。
【0045】
第1部分34は、レバー部31の中央領域から第1ダストボックス10R側へ突出するように形成されている。第1部分34は、第1ダストボックス10Rと当接し、第1ダストボックス10Rによって前方から押圧される。第2部分35は、レバー部31の中央領域から第2ダストボックス10L側へ突出するように形成されている。第2部分35は、第2ダストボックス10Lと当接し、第2ダストボックス10Lによって前方から押圧される。押圧部分36は、幅方向において、スリット33と同位置に配置されている。すなわち、押圧部分36は、スリット33の真後ろに配置されている。
【0046】
軸部32は、上下方向に延びる円柱状の部材であって、スリット33を挿通している。
このように、軸部32がスリット33を挿通することで、レバー部31が、軸部32に対して回転自在であって、かつ、前後方向へスライド自在に係合する。
【0047】
また、室内機1は、第1ダストボックス10R及び第2ダストボックス10Lの両方が対応するダストボックス収容部20に適正に収容されているか否かを判断する判断部40を備えている。
【0048】
判断部40は、レバー部31によって押圧される1つのスイッチ41と、スイッチ41の押圧状態に基づいて、第1ダストボックス10R及び第2ダストボックス10Lの両方が対応するダストボックス収容部20に適正に収容されているか否かを判断する制御装置42と、を備えている。
【0049】
スイッチ41は、レバー部31の後方に配置されていて、前方から押圧可能とされている。スイッチ41は、第1ダストボックス10R及び第2ダストボックス10Lの前後方向の位置が一致している場合には押圧状態が維持可能とされるとともに、前後方向の位置が一致していない場合には押圧状態が維持できないように構成されている。スイッチ41は、押圧状態を制御装置42へ送信する。スイッチ41は、第1ダストボックス10R及び第2ダストボックス10Lに押圧されることで後方へ移動するレバー部31によって押圧される。
【0050】
制御装置42は、スイッチ41の押圧状態が所定時間維持された場合に、第1ダストボックス10R及び第2ダストボックス10Lのいずれもが対応するダストボックス収容部20に適正に収容されていると判断する。
制御装置42は、スイッチ41が押圧されていない場合には、第1ダストボックス10R及び/又は第2ダストボックス10Lが、対応するダストボックス収容部20に適正に収容されていないと判断する。また、制御装置42は、スイッチ41が押圧されたとしても、所定時間押圧状態が維持されない場合には、第1ダストボックス10R及び/又は第2ダストボックス10Lが、対応するダストボックス収容部20に適正に収容されていないと判断する。
適正に収容されている状態とは、例えば、ダストボックス10が、清掃装置によって移動されるフィルタ8と干渉しない位置に収容されている状態である。
【0051】
また、制御装置42は、第1ダストボックス10R及び/又は第2ダストボックス10Lが対応するダストボックス収容部20に適正に収容されていないと判断している場合には、報知部50によって報知する。報知部50は、例えば、ブザーや、外部から視認可能な位置に設けられたランプである。
【0052】
制御装置42は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
【0053】
次に、本実施形態に係る室内機1において、ダストボックス収容部20へダストボックス10を収容する方法について用いて説明する。
まず、第1ダストボックス10Rまたは第2ダストボックス10Lのいずれか一方を、対応するダストボックス収容部20へ収容する。以下の説明では、第1ダストボックス10Rを先に収容する例について説明するが、収容する順番はいずれのダストボックス10が先でもよい。
【0054】
初めに、第1ダストボックス10Rの外側から第1ダストボックス収容部20Rへ収容し、突出部13を凹部25へ挿入する。次に、第1ダストボックス10Rの内側を第1ダストボックス収容部20Rへ収容する。第1ダストボックス10Rの全体を第1ダストボックス収容部20Rへ収容した後に、クリップ部15をスライド移動させて、クリップ部15と係合部26とを係合させる。このようにして、第1ダストボックス10Rの収容が完了する。第1ダストボックス10Rの収容が完了すると、次に、第2ダストボックス10Lを第2ダストボックス収容部20Lへ収容する。第2ダストボックス10Lを収容する方法は、第1ダストボックス10Rと同一であるので、説明を省略する。
【0055】
第1ダストボックス10R及び第2ダストボックス10Lの収容が完了した後に、報知部50が報知を行っている場合には、第1ダストボックス10R及び第2ダストボックス10Lのいずれもが対応するダストボックス収容部20に適正に収容されているため、ダストボックス10の収容が完了する。
第1ダストボックス10R及び第2ダストボックス10Lの収容が完了した後に、報知部50が報知を行っている場合には、第1ダストボックス10R及び/又は第2ダストボックス10Lが対応するダストボックス収容部20に適正に収容されていないことをユーザが認識することができる。この場合には、再度第1ダストボックス10R及び/又は第2ダストボックス10Lの収容をやり直す。
本実施形態に係る室内機1は、このようにして、ダストボックス収容部20へダストボックス10を収容する。
【0056】
本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
上記構成では、第1ダストボックス10R及び第2ダストボックス10Lのいずれもが対応するダストボックス収容部20に適正に収容されているか否かを、判断部40が判断している。これにより、第1ダストボックス10R及び/又は第2ダストボックス10Lが対応するダストボックス収容部20に適正に収容されていない場合には、その事態を把握することができる。したがって、ダストボックス10がダストボックス収容部20に適正に収容されていない状態で、空気調和機の運転を行う事態を抑制することができる。よって、ダストボックス10が収容部に適正に収容されていない状態で、空気調和機の運転を行うことに起因する不具合の発生を抑制することができる。不具合とは、例えば、清掃装置でフィルタ8を移動させながら清掃する際に、フィルタ8とダストボックス10とが干渉し、フィルタ8が損傷する事態等である。
【0057】
本実施形態では、例えば、図9に示すように、第2ダストボックス10Lが適正な位置(図9の破線L)に位置しておらず、第1ダストボックス10Rが第2ダストボックス10Lよりも前方に位置している場合(すなわち、第1ダストボックス10Rの前後方向の位置と第2ダストボックス10Lとの前後方向の位置が一致していない場合)には、第1ダストボックス10Rのみがレバー部31を押圧することとなる。第1ダストボックス10Rが押圧するレバー部31の第1部分34は、回転自在に設けられたレバーのうち、軸部32よりも第1ダストボックス10R側に位置している。このため、第1ダストボックス10Rのみがレバー部31を押圧すると、レバーは軸部32を中心として回転する。また、同様に、例えば、第2ダストボックス10Lが第1ダストボックス10Rよりも所定方向の前方に位置している場合にも、第2ダストボックス10Lのみがレバー部31を押圧することとなり、レバーは軸部32を中心として回転する。このように、第1ダストボックス10Rの所定方向の位置と第2ダストボックス10Lとの所定方向の位置が一致しておらず、一方のダストボックス10のみでレバーを押圧している場合には、レバーは回転するため、所定方向へ移動しない。
【0058】
これに対し、図8に示すように、第1ダストボックス10Rの前後方向の位置と第2ダストボックス10Lとの前後方向の位置が一致している場合には、第1ダストボックス10Rと第2ダストボックス10Lとの両方でレバー部31を押圧することとなる。この場合には、レバーの回転を第1ダストボックス10R及び第2ダストボックス10Lが規制するので、レバーの回転が抑制される。したがって、第1ダストボックス10R及び第2ダストボックス10Lに押圧されたレバーが、後方へ移動することとなり、スイッチ41を押圧することができる。また、スイッチ41の押圧状態を維持することができる。
このように、本実施形態では、隣接する第1ダストボックス10R及び第2ダストボックス10Lの前記所定方向の位置が一致している場合にスイッチ41の押圧状態が維持される。また、所定方向の位置が一致していない場合にはスイッチ41の押圧状態が維持されない。したがって、1つのスイッチ41のみで、第1ダストボックス10R及び第2ダストボックス10Lのいずれもが対応するダストボックス収容部20に適正に収容されているか否かを判断することができる。
【0059】
これにより、第1ダストボックス10R及び第2ダストボックス10Lに各々対応するスイッチ41を設ける場合と比較して、スイッチ41に接続される配線の取り回し等を簡素化することができる。よって、組立性を向上させることができるとともに、省スペース化することができる。また、部品点数を低減することができるので、信頼性を向上させることができる。また、メンテナンス性を向上させるとともに、製造コストを低減することができる。
【0060】
本実施形態では、ダストボックス10の内側端部から突出部13の先端までの長さL3は、ダストボックス収容部20の内側壁部22から外側壁部21までの長さL2よりも長くなっている。これにより、図10に示すように、突出部13を凹部25へ挿入していない状態で、ダストボックス10をダストボックス収容部20へ収容しようとした場合、突出部13と外側壁部21とが干渉する。このため、ダストボックス10の突出部13を凹部25へ挿入していない状態では、ダストボックス10をダストボックス収容部20へ収容することができない。ダストボックス10をダストボックス収容部20へ収容するためには、まず、突出部13を凹部25へ挿入する必要がある。すなわち、スイッチ41を押圧する押圧部14(内側端部)を収容する前に、まず、突出部13が設けられている外側端部を収容部へ収容する必要がある。
【0061】
押圧部14がダストボックス収容部20に収容されている場合には、外側端部がダストボックス収容部20内に収容されていなくとも、押圧部14によってスイッチ41が押圧されてしまう可能性がある。本実施形態では、上述のように、外側端部からダストボックス収容部20へ収容する必要があるので、押圧部14がダストボックス収容部20に収容されているにもかかわらず、外側端部がダストボックス収容部20内に収容されていない状態を抑制することができる。よって、より確実に、ダストボックス10がダストボックス収容部20に適正に収容されていない状態で、空気調和機の運転を行う事態を抑制することができる。
【0062】
なお、本実施形態に係るダストボックス10の突出部13を除いた長さL1は、突出部13と外側壁部21とが干渉している状態において、ダストボックス10の押圧部14がレバーを介してスイッチ41を押圧しない長さ、もしくは、押圧状態を維持しない長さとなっている。したがって、突出部13と外側壁部21とが干渉している状態においては、確実に判断部40が第1ダストボックス10R及び/又は第2ダストボックス10Lが対応するダストボックス収容部20に適正に収容されていないと判断することができる。
【0063】
本実施形態では、判断部40がいずれかのダストボックス10が収容部に適正に収容されていないと判断した場合に、報知部50が報知する。これにより、ダストボックス10が収容部に適正に収容されていないことをユーザに知らせることができる。したがって、ユーザが適切に収容されていないことを認識することができるので、より確実に、ダストボックス10が収容部に適正に収容されていない状態で、空気調和機の運転を行う事態を抑制することができる。
【0064】
このように、フィルタ8の損傷の要因の一つであるユーザによるダストボックス10の収容ミスが抑制されることで、実際にフィルタ8が損傷した際に、フィルタ8の損傷の要因を的確に把握することができる。
【0065】
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。
例えば、制御装置42は、第1ダストボックス10R及び/又は第2ダストボックス10Lが対応するダストボックス収容部20に適正に収容されていないと判断している場合に、清掃運転を行えないようにしてもよい。
【0066】
また、ダストボックス10は2つ以上設けられていてもよい。このような場合でも、隣接するダストボックス10同士の間に、本実施形態のレバー機構30及び判断部40を適用することで、ダストボックス10の数よりも少ないスイッチ41の数とすることができる。したがって、スイッチ41に接続される配線の取り回し等を簡素化することができる。
【符号の説明】
【0067】
1 :室内機
2 :筐体
3 :ベース
4 :フロントカバー
5 :吸込みグリル
6 :前面開口
7 :吹出口
8 :フィルタ
10 :ダストボックス
10L :第2ダストボックス
10R :第1ダストボックス
11 :貯留部
12 :パネル部
13 :突出部
14 :押圧部
15 :クリップ部
20 :ダストボックス収容部
20L :第2ダストボックス収容部
20R :第1ダストボックス収容部
21 :外側壁部
22 :内側壁部
23 :底面部
24 :後壁部
25 :凹部
26 :係合部
30 :レバー機構
31 :レバー部
32 :軸部
33 :スリット
34 :第1部分
35 :第2部分
36 :押圧部分
40 :判断部
41 :スイッチ
42 :制御装置
50 :報知部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10