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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】心内膜表面下特性のマッピング
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/12 20060101AFI20240122BHJP
   G01D 5/353 20060101ALI20240122BHJP
   G01B 7/00 20060101ALI20240122BHJP
   G01S 15/10 20060101ALI20240122BHJP
   A61B 5/33 20210101ALI20240122BHJP
   A61B 5/367 20210101ALI20240122BHJP
【FI】
A61B8/12
G01D5/353 C
G01B7/00 102M
G01S15/10
A61B5/33 210
A61B5/367 100
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019221015
(22)【出願日】2019-12-06
(65)【公開番号】P2020089736
(43)【公開日】2020-06-11
【審査請求日】2022-11-09
(31)【優先権主張番号】62/776,841
(32)【優先日】2018-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/673,025
(32)【優先日】2019-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アミット・アガーワル
(72)【発明者】
【氏名】ロイ・ウルマン
【審査官】後藤 昌夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-000965(JP,A)
【文献】特開2010-036040(JP,A)
【文献】米国特許第05350377(US,A)
【文献】特表2016-514615(JP,A)
【文献】特開2003-260057(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00- 8/15
A61M 25/00-25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
心内膜表面下特性をマッピングするための装置であって、
ヒト患者の内臓器官の組織と近接するように構成された遠位端を含み、長手方向軸を有するプローブと、
前記遠位端に取り付けられ、前記遠位端の位置及び配向を示すポジション信号を生成するように構成されたポジションセンサと、
前記遠位端の前記配向の方向に超音波パルスを送信し、前記組織から前記超音波パルスの反射を受信するように構成された超音波トランスデューサと、
前記プローブの前記遠位端の終端から広がる少なくとも3つの可撓性枝部と、
前記少なくとも3つの可撓性枝部に取り付けられ、前記遠位端の近傍のそれぞれの位置において前記組織の表面に接触し、前記それぞれの位置を示すそれぞれの位置信号を出力するように構成された複数の位置センサと、
プロセッサであって、
前記組織の前面及び後面からそれぞれ受信された前記超音波パルスの第1及び第2の反射を特定し、
前記位置信号を処理して、前記遠位端の近傍における前記組織の前記前面の配向角度を見出し、
前記第1及び第2の反射の受信の間の経過時間に基づいて、前記長手方向軸に沿った見かけの組織厚さを計算し、
前記見かけの組織厚さ及び前記前面の前記配向角度に対する前記遠位端の前記配向の前記方向の傾斜に基づいて、前記前面に垂直な軸に沿った前記組織の実際の厚さを推定するように構成された、プロセッサと、を備え、
前記遠位端と前記組織の前記前面が接触することなく前記組織の前記実際の厚さが推定される、装置。
【請求項2】
前記遠位端に取り付けられた光ファイバを備え、前記光ファイバが、前記超音波トランスデューサに連結された光ファイバ近位端と、前記超音波パルスを送信し、前記超音波パルスの前記反射を受信するように構成された、前記遠位端の遠位終端に位置する光ファイバ遠位端と、を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記光ファイバが、1つ又は2つ以上の光学格子を含み、前記1つ又は2つ以上の光学格子は、前記1つ又は2つ以上の光学格子からの回折光が前記遠位端の前記位置及び前記配向を示すように構成されており、それにより、前記1つ又は2つ以上の光学格子が、更なるポジションセンサとして作用する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ポジションセンサが、前記ポジションセンサを横切る磁界に応答して前記ポジション信号を生成するように構成された少なくとも1つのコイルを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ポジションセンサが、前記遠位端内に位置する光ファイバ内に形成された1つ又は2つ以上の光学格子を含み、前記1つ又は2つ以上の光学格子からの回折光が、前記遠位端の前記位置及び前記配向を示す、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
記位置センサが、前記可撓性枝部に取り付けられた電極を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
少なくとも1つの電極が、各可撓性枝部に取り付けられている、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記ポジションセンサが、少なくとも1つのコイルを含み、前記少なくとも1つのコイルが、前記少なくとも1つのコイルを横切る磁界に応答して前記ポジション信号を生成するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
記位置センサが、前記可撓性枝部に取り付けられたコイルを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
少なくとも1つのコイルが、各可撓性枝部に取り付けられている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記プロセッサが、前記第1の反射の飛行時間に基づいて、前記組織の前記前面と前記長手方向軸との交差部のポジションを計算するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記プロセッサが、前記交差部の前記ポジション及び前記それぞれの位置に基づいて前記前面の方程式を定式化するように構成されている、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記プロセッサが、前記方程式を使用して、前記交差部における前記前面の前記配向角度を計算するように構成されている、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記プロセッサが、前記組織の前記実際の厚さを、前記前面に垂直な前記軸上への前記見かけの組織厚さの投影として推定するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記内臓器官が、前記ヒト患者の心臓を含む、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる2018年12月7日出願の米国特許仮出願第62/776,841号の利益を主張するものである。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、生物組織の測定、具体的には組織の厚さを測定することに関する。
【背景技術】
【0003】
心筋の一部分の生検の取得又はアブレーションなどの、患者の組織上で行われる医療手技の間に、組織の(厚さを含む)特性を知ることが有用となることがある。多くの場合、特性は、MRI(magnetic resonance imaging:磁気共鳴画像法)又はCT(computerized tomography:コンピュータ断層撮影)画像などから予め取得した組織の画像から推測することができる。アブレーションの場合、このデータは、アブレーションを行う専門家に利用可能ではないことがある。それが利用可能である場合でさえも、厚さなどの特性を十分な精度にし得ないか、又は画像を取得してから厚さが変化した可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態は、
ヒト患者の内臓器官の組織に近接するように構成された遠位端を有するプローブと、
遠位端に取り付けられ、遠位端の位置及び配向を示すポジション信号を生成するように構成されたポジションセンサと、
遠位端の配向の方向に超音波パルスを送信し、組織から超音波パルスの反射を受信するように構成された超音波トランスデューサと、
プローブの遠位端に取り付けられ、遠位端の近傍のそれぞれの位置において組織の表面に接触し、それぞれの位置を示すそれぞれの位置信号を出力するように構成された複数の位置センサと、
プロセッサであって、
組織の前面及び後面からそれぞれ受信された超音波パルスの第1及び第2の反射を特定し、
位置信号を処理して、遠位端の近傍における組織の前面の配向角度を見出し、
第1及び第2の反射の受信と、前面の配向角度に対する遠位端の配向の方向の傾斜との間の経過時間に基づいて、前面に垂直な軸に沿った組織の厚さを推定するように構成された、プロセッサからなる装置を提供する。
【0005】
開示される実施形態では、装置は、遠位端に取り付けられた光ファイバを含み、この光ファイバは、超音波トランスデューサに連結された光ファイバ近位端と、超音波パルスを送信し、超音波パルスの反射を受信するように構成された、遠位端の遠位終端に位置する光ファイバ遠位端とを有する。光ファイバは、1つ又は2つ以上の光学格子を有してもよく、1つ又は2つ以上の光学格子は、格子からの回折光が遠位端の位置及び配向を示すように構成されており、それにより、1つ又は2つ以上の光学格子は、更なるポジションセンサとして作用する。
【0006】
代替的な開示された実施形態では、ポジションセンサは、少なくとも1つのコイルを含み、少なくとも1つのコイルは、センサを横切る磁界に応答してポジション信号を生成するように構成されている。代替的に又は追加的に、ポジションセンサは、遠位端内に位置する光ファイバ内に形成された1つ又は2つ以上の光学格子を含み、格子からの回折光は、遠位端の位置及び配向を示す。
【0007】
更なる開示された実施形態では、プローブ遠位端の終端から広がる少なくとも3つの可撓性枝部が存在し、位置センサは、可撓性枝部に取り付けられた電極からなる。典型的には、少なくとも1つの電極が、各可撓性枝部に取り付けられている。
【0008】
なおも更に開示される実施形態では、ポジションセンサは、少なくとも1つのコイルを含み、少なくとも1つのコイルは、少なくとも1つのコイルを横切る磁界に応答してポジション信号を生成するように構成されている。
【0009】
代替的な実施形態では、プローブ遠位端の終端から広がる少なくとも3つの可撓性枝部が存在し、位置センサは、可撓性枝部に取り付けられたコイルである。典型的には、少なくとも1つのコイルが、各可撓性枝部に取り付けられている。
【0010】
更なる代替的な実施形態では、プロセッサは、第1の反射の飛行時間に基づいて、組織の前面とプローブの軸との交差部のポジションを計算するように構成される。プロセッサは、交差部のポジション及びそれぞれの位置に基づいて、前面の方程式を定式化するように構成されてもよい。プロセッサはまた、方程式を使用して、交差部における前面の配向角度を計算するように構成されてもよい。
【0011】
なおも更なる代替的な実施形態では、プロセッサは、組織の厚さを、軸上への見かけの組織厚さの投影として推定するように構成され、プロセッサは、経過時間に応じて見かけの組織厚さを計算する。
【0012】
内臓器官は、典型的には、ヒト患者の心臓である。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、
プローブの遠位端をヒト患者の内臓器官の組織に近接させることと、
ポジションセンサを遠位端に取り付け、遠位端の位置及び配向を示すポジション信号をセンサにより生成することと、
超音波トランスデューサから、遠位端の配向の方向に超音波パルスを送信し、組織から超音波パルスの反射を受信することと、
複数の位置センサをプローブの遠位端に取り付け、センサを、遠位端の近傍のそれぞれの位置において組織の表面に接触し、それぞれの位置を示すそれぞれの位置信号を出力するように構成することと、
組織の前面及び後面からそれぞれ受信された超音波パルスの第1及び第2の反射を特定することと、
位置信号を処理して、遠位端の近傍における組織の前面の配向角度を見出すことと、
第1及び第2の反射の受信と、前面の配向角度に対する遠位端の配向の方向の傾斜との間の経過時間に基づいて、前面に垂直な軸に沿った組織の厚さを推定することと、を含む、方法が更に提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
以下の本開示の実施形態の詳細な説明を図面と併せ読むことで、本開示のより完全な理解が得られるであろう。
図1】本発明の実施形態による、装置を用いた侵襲性医療手技の概略図である。
図2】本発明の実施形態による、装置で用いられるプローブの遠位端の概略図である。
図3】本発明の実施形態による、プローブの代替遠位端の概略図である。
図4】本発明の実施形態による、装置の動作のために実行される工程のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
概論
典型的には、組織の特性を調査する手技の間、本発明の実施形態は、組織の厚さの独立した尺度を提供する。プローブは、プローブの遠位端に取り付けられたポジションセンサを有し、プロセッサは、センサからの信号を使用して、プローブ遠位端の位置及び配向を決定する。遠位端は、ヒト患者の内臓器官の組織と近接させることができるように構成されている。
【0016】
プローブは、典型的にはその遠位端に取り付けられた電極を含む複数の位置センサを有し、センサは、遠位端の近傍のそれぞれの位置において組織の表面に接触することができる。センサは、それぞれの位置を示すそれぞれの位置信号を出力する。
【0017】
超音波トランスデューサは、遠位端の配向の方向に超音波パルスを送信するように構成され、組織から超音波パルスの反射を受信することも可能である。
【0018】
プロセッサは、組織の前面及び後面からそれぞれ受信された超音波パルスの第1及び第2の反射を特定するように構成される。プロセッサは、位置信号を処理して、遠位端の近傍における組織の前面の配向角度を見出す。次いで、プロセッサは、第1及び第2の反射の受信と、前面の配向角度に対する遠位端の配向の方向の傾斜との間の経過時間に基づいて、前面に垂直な軸に沿った組織の厚さを推定する。
【0019】
詳細な説明
図1は、本発明の実施形態による、装置12を使用する侵襲性医療手技の概略図であり、図2は、その装置で使用されるプローブ20の遠位端22の概略図である。プローブ20は、カテーテルとして作用し、本明細書ではカテーテル20とも称される。この手技は、医療専門家14によって行われ、これ以降の説明では、この手技は、ヒト患者18の内臓器官の組織15の一部分の特徴付けを含むことが想定され、内臓器官は、例として、ヒト患者18の心臓の心筋16を含むことが想定される。特徴付けは、典型的には、調査される組織の部分の厚さの決定、すなわち、組織の前面又は近位表面19と組織の後面又は遠位表面23との間の距離の決定を含む。
【0020】
手技を行うために、専門家14は、プローブ20を、患者の管腔内に予めポジショニングされたシース21に挿入する。シース21は、プローブの遠位端22が患者の心臓に進入するようにポジショニングされ、組織15によって囲まれた領域17内にある。領域17は、心臓によって圧送される血液を含む。
【0021】
プローブ20は、管状終端34においてプローブの遠位端22で終端する単一の管状要素30を含む。遠位端22では、終端34から3つ又は4つ以上の可撓性枝部38が広がる(簡潔にするために、図2は、2つのそのような枝部のみを示す)。一実施形態では、Biosense Webster(33 Technology Drive,Irvine,CA 92618 USA)によって製造されるPentaray(登録商標)カテーテルのような5つの分岐38が存在し、Pentaray(登録商標)カテーテルは、本発明の開示される実施形態において使用されてもよい。しかしながら、本発明の実施形態は、2つを超える任意の数の可撓性枝部を含み得ることが理解されるであろう。各枝部38は、少なくとも1つの電極42を含み、典型的には、各枝部上に2つ又は3つ以上の電極42が存在する。上記で言及されたPentaray(登録商標)カテーテルでは、各枝部に4つの電極が存在する。1つのそのようなPentarayカテーテルでは、4つの電極のそれぞれの間の間隔は、4mmである。別のPentaray(登録商標)カテーテルでは、2つの遠位電極間の間隔は、2mmであり、2つの近位電極間の間隔もまた、2mmであり、2つの中央電極間の間隔は、6mmである。
【0022】
ポジションセンサ46は、終端34付近の要素30内に固定して位置する。以下でより詳細に記載されるように、センサは、センサ自体の位置及び配向、したがって遠位端内の固定要素の位置及び配向を追跡するのを可能にする信号を生成する。光ファイバ50は、要素30内に組み込まれ、光ファイバは、終端34と実質的に同じポジションに光ファイバ遠位端54を有する。また下記で更に詳細に記載されるように、光ファイバ50は、超音波パルスを送信するように構成されており、それにより、光ファイバ遠位端54は、超音波パルスの送信ポート及び受信ポートの両方として作用し、本明細書ではトランシーバポート54とも称される。
【0023】
トランシーバポート54は、破線57によって概略的に示される境界を有する細い円錐内で遠位端22の外部に超音波パルスを送信する。円錐は、要素30の対称軸51の軸に対応する対称軸を有し、本明細書の説明を簡単にするために、パルスは軸51に沿って送信されると想定される。ポート54はまた、同じ軸に沿って移動する超音波パルス(遠位端の外部)を受信する。
【0024】
いくつかの実施形態では、光ファイバ50は、既存の「既製」カテーテルに組み込まれる。例えば、光ファイバ50は、既存のPentaray(登録商標)カテーテルの灌注チャネルを通って供給され得る。いくつかの実施形態では、光ファイバ50はまた、遠位端22の位置及び配向センサとして作用するように、光ファイバに組み込まれた1つ又は2つ以上の光学格子を有することによって構成することもできる。この場合、光ファイバ50は、当該技術分野において既知であるように、光ファイバ形状感知(fiber optic shape sensing、FOSS)技術を使用する。FOSS技術は、格子から回折された光を解析して、格子の位置及び配向を推定する。光ファイバ50が位置センサ及び配向センサとして構成されている場合、ポジションセンサ46に加えて、又はその代わりに使用され得ることが理解されるであろう。
【0025】
装置12は、装置の操作コンソール68内に位置するシステムプロセッサ66により制御される。コンソール68は、プロセッサと通信するために専門家14によって使用される制御装置69を含む。プロセッサ66用のソフトウェアは、例えば、ネットワークを介して電子形態でプロセッサにダウンロードされ、プロセッサと通信するメモリ52に記憶されてもよい。代替的に又は追加的に、ソフトウェアは、光学的、磁気的又は電子的記憶媒体などの非一時的有形媒体上で提供され得る。遠位端22の追跡は、通常、スクリーン82上に表示される患者18の心臓の3次元表現80上に表示される。
【0026】
システムプロセッサ66は、通常、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)、次いでアナログ-デジタル(analog-to-digital、A/D)信号変換集積回路87として構成されている、リアルタイムノイズ低減回路85を備える。このプロセッサは、信号をA/D回路87から別のプロセッサに伝えることができ、及び/又は、本明細書において開示されている少なくとも1つのアルゴリズムを実行するようにプログラムすることができ、このアルゴリズムは、本明細書において以下に記載されている工程を含む。このプロセッサは、アルゴリズムを実行するために、回路85及び回路87、並びに以下でより詳細に記載されているモジュールの機能を使用する。
【0027】
装置12を操作するために、プロセッサ66のアルゴリズムは、この装置を操作するためのプロセッサにより使用されるいくつかのモジュールを有するモジュールバンク90と通信する。したがって、バンク90は、電極42からの信号を取得及び解析する心電計(electrocardiograph、ECG)モジュール96と、ポジションセンサ46からの信号を受信及び解析し、かつ信号解析を使用して遠位端22の位置及び配向を生成する、遠位端追跡モジュール98と、を備える。
【0028】
一部の実施形態では、センサ46は、コイルを横切る磁界に応答して、センサ信号を提供する1つ又は2つ以上のコイルを備える。これらの実施形態では、センサ46から信号を受信及び解析することに加えて、追跡モジュール98はまた、センサ46を横切る磁界を放射する放射器102、104、及び106を制御する。放射器は、心筋16に近接してポジショニングされ、心筋に近接した領域内に交番磁界を放射し、センサ信号によって決定された位置及び配向に関する基準系108を画定するように構成される。上記で言及したCarto(登録商標)システムは、そのような磁気追跡システムを使用する。
【0029】
センサ46について上述したコイル型以外のポジションセンサは、当該技術分野において既知である。例えば、ポジションセンサは、複数の電極から構成されてもよく、電極を横切る電流、及び/又は電極で測定された電圧を使用して、ポジションセンサの位置及び配向を決定することができる。更に上述のように、光ファイバ50は、ポジションセンサとして構成されてもよい。簡潔にするために、以下の説明では、センサ46が上述のコイル型であり、モジュール98が磁界放射器102、104、及び106を制御し、センサから得られた信号を受信及び解析するように構成されていると仮定する。この説明は、ポジションセンサ46がコイル型ではない場合、及び/又は光ファイバ50がポジションセンサとして構成されている場合に、遠位端追跡モジュール98の機能を変更することを含むように準用して適合されてもよい。
【0030】
コンソール90はまた、電極追跡モジュール110と、超音波モジュール112とを備える。電極追跡モジュール110は、例えば、電極が電界内にあるときに電極電圧を測定することによって、及び/又は電極からの電流を測定することによって、当該技術分野において既知の任意の方法によって電極42の位置を特定し、追跡する。これらのシステムの両方は、患者18上の皮膚パッチを使用して電界を発生させ、電極から電流を受け取る。したがって、電極42は位置センサとして作用し、本明細書では位置センサ42とも称される。位置センサ42の位置は、皮膚パッチによって画定された基準系に対して測定され、プロセッサ66は、当該技術分野において周知の方法によって、この基準系を放射器102、104、及び106の基準系108と位置合わせする。明確にするために、皮膚パッチは、図1に示されていない。
【0031】
追跡モジュール110はまた、電極が組織と接触したときに、典型的には、特定された電極と接地パッチ(図1には示されていない)との間のインピーダンスの変化を観察することによって、所与の特定された電極42が組織15と接触するかどうかを判定するように構成される。Carto(登録商標)システムは、電極特定及び追跡機能、並びに本明細書に記載される接触機能を実装する。
【0032】
超音波モジュール112は、超音波パルスを生成する超音波トランスデューサ114を含み、このモジュールは、パルスを光ファイバ50に伝達する。トランスデューサ114は、典型的には、圧電結晶を含む。一実施形態では、パルスは、およそ2nsの長さを有し、パルスの周波数は、およそ6MHz~およそ33MHzの範囲である。パルスは、上述のように、光ファイバ遠位端54から放出される。やはり上述したように、反射パルスは、遠位端54によって受信される。これらのパルスは、モジュール112及びトランスデューサ114に転送され、モジュールは、パルスの飛行時間(time of flight、TOF)を、端部54からの送信とそれによる受信との間で測定するように構成される。
【0033】
図3は、本発明の実施形態による、プローブ20の代替遠位端222の概略図である。以下に記載される差異を除き、遠位端222の動作は、遠位端22(図2)のものと概ね同様であり、遠位端22及び222の両方の同じ参照番号によって示される要素は、概ね同様の構成及び動作を有する。
【0034】
光ファイバ50の代わりに、遠位端222は、いくつかの実施形態では圧電結晶を含み得る超音波トランスデューサ224を備える。トランスデューサ224は、トランスデューサ114と実質的に同様であり、遠位端222を含む実施形態では、トランスデューサ114は、モジュール112において、典型的には存在しない。トランスデューサ224は、要素30の終端34に位置し、遠位端54に関しては、軸51に沿って超音波パルスを送信する。トランスデューサ224は、ケーブル布線226によって超音波モジュール112に接続され、モジュールは、ケーブル布線を介して好適な信号を提供して、トランスデューサ224に超音波パルスを端部34から送信させるように構成されている。モジュールはまた、トランスデューサによって受信された反射超音波パルスに応答して、ケーブル布線を介して、トランスデューサ224によって生成された信号を取得するように構成されている。したがって、トランスデューサ224は、超音波送信及び受信ポートとして作用し、本明細書ではトランスデューサポート224とも称される。
【0035】
また遠位端22について上述したように、遠位端222の場合、モジュール112は、パルスの送信とポート224を介した反射パルスの受信との間のTOFを測定するように構成されている。
【0036】
図4は、本発明の実施形態による、装置12の動作のために実行される工程のフローチャートである。別途記載のない限り、工程の以下の説明では、プローブ20は、遠位端22を有するものと想定され、プローブ20が遠位端222を有する場合、その説明は、準用して適合されてもよい。
【0037】
予備較正工程228では、プローブ20は、当該技術分野において周知の方法によって較正され、それにより、プロセッサ66は、軸51の配向を有するセンサ46からの信号と、基準系108で測定された終端34のポジションとを一致させることができる。
【0038】
初期手技工程230では、専門家14は、複数の、典型的には3つ又は4つ以上の電極42が組織に接触するまで、プローブ20を組織15に近接させて挿入する。プロセッサ66及びモジュール110は、電極42が上述のように組織15と接触していることを判定し、プロセッサは、接触の通知を専門家にスクリーン82上で提示してもよい。
【0039】
第1の表面画定工程232では、プロセッサ66及びモジュール110は、それぞれの接触電極42を特定し、基準系108内のそれらの対応する位置座標を計算する。次いで、プロセッサは、位置座標に最良の適合を有する表面の初期方程式を定式化する。一実施形態では、初期方程式は、方程式(1)のように、平面の表面に対するものに対応する。
ax+by+cz=d (1)
式中、(x、y、z)は、電極の位置座標であり、a、b、c、及びdは、座標を方程式に代入することに由来する定数である。
【0040】
超音波工程234では、プロセッサ66は、モジュール112を起動して超音波パルスを生成し、プロセッサによって記録された時間Tにおいて送受信機ポート54からそれを放出する。パルスは、軸51に沿って領域17の血液を通って移動し、軸51は、パルスの方向に対応する。パルスは、近位表面19の点Aに衝突するまで軸51に沿って継続し、それにより、点Aは、近位表面と軸との交差部である。点Aでは、2つの材料における音の速度の差を引き起こす、血液と組織との間の特性の変化により、パルスは、部分的に反射されたパルス及び部分的に送信されたパルスが存在するように分割する。
【0041】
反射したパルスのセクションは、ポート54で受信され、受信されたパルスは、パルスが受信される時間Tを記録するトランスデューサ114を使用して、モジュール112によって検出される。パルスの飛行時間(T~T)、及び血液中の想定される音の速度を使用して、プロセッサは、終端34から点Aの距離を計算する。一実施形態では、血液中の音の速度は、1578ms-1であると想定される。
【0042】
終端34からのAの距離を見つけることに加えて、プロセッサはまた、センサ46から取得された信号から軸51の方向、すなわち配向を見つけることによって、終端からAの方向を見つける。上述したように、プロセッサは、センサ46信号から、基準系108内の終端34のポジションを計算することができる。したがって、工程234において、プロセッサ66は、基準系108内の点Aのポジションを見つける。
【0043】
上述したように、点Aにおいて部分的に送信されたパルスがあり、この部分的に送信されたパルスは、それが点Bにおける遠位表面23に衝突するまで軸51に沿って継続する。表面19については、表面23における音の速度の変化のために、Bでのパルスは部分的に反射され、この反射したパルスの一部分は、ポート54で受信されるまで軸51に沿って戻る。受信したパルスは、パルスが受信される時間Tを記録するモジュール112によって検出される。
【0044】
パルスの飛行時間全体を使用して(T~T)、A~終端34の計算された距離及び組織15内の想定される音の速度を使用して、プロセッサは、終端34から点Bの距離を計算する。一実施形態では、組織内の音の速度は、1540ms-1であると想定される。点Bは軸51上にあるため、工程234では、プロセッサはまた、基準系108内の点Bのポジションを見つけることもできる。
【0045】
初期組織厚さ工程236では、プロセッサ66は、距離ABとして組織15の見かけの厚さを計算する。
【0046】
通常、線分ABが表面19に垂直ではないため、距離ABは、典型的には組織の厚さではないことが理解されるであろう。以下の工程では、プロセッサは、組織厚さの補正値を見つけるために、値ABに補正を適用する。
【0047】
第2の表面画定工程238では、プロセッサ66は、工程234で決定された点Aのポジションを適用して、工程232で決定された表面19の方程式を更新する。更新された方程式から、プロセッサ66は、基準系108内の前面に対する接線面62(図中破線として示される)の配向角度αを決定することによって、点Aにおける前面19の配向を計算する。
【0048】
法線計算工程240では、更新された表面方程式及び工程238で見つけられた前面の配向から、プロセッサは、点Aでの表面19に対する法線ANについて、基準系108で測定される方向を計算する。法線ANの方向から、プロセッサは、法線と軸51との間の傾斜角度θ(0≦θ≦90°)を計算する。典型的には、θ<45°である。
【0049】
最終的な調節組織厚さ工程242では、プロセッサは、距離ABを法線AN上に投影して、それにより線分ACを形成する。線分ACは、方程式(2)に従って、組織厚さの補正された実際の値を有する。
t=AB・cosθ (2)
式中、tは、補正された組織厚さ、すなわち、セグメントACの長さであり、
ABは、見かけの組織厚さであり、
θは、上記に定義されたとおりである。
【0050】
上記の説明は、位置センサ42が電極を含むと想定しているが、本発明の範囲は、放射器102、104、及び106からの磁界に応答して位置信号を生成するコイルなどの、他の要素から形成された位置センサを含むことが理解されるであろう。
【0051】
したがって、上記に述べた実施形態は、例として引用したものであり、また本発明は、上文に具体的に示し説明したものに限定されないことが理解されよう。むしろ、本発明の範囲は、本明細書で上述のとおり様々な特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせの両方、並びに前述の説明を一読すると当業者が想起すると思われる、先行技術に開示されていないそれらの変形及び改変を含む。
【0052】
〔実施の態様〕
(1) 心内膜表面下特性をマッピングするための装置であって、
ヒト患者の内臓器官の組織と近接するように構成された遠位端を含むプローブと、
前記遠位端に取り付けられ、前記遠位端の位置及び配向を示すポジション信号を生成するように構成されたポジションセンサと、
前記遠位端の前記配向の方向に超音波パルスを送信し、前記組織から前記超音波パルスの反射を受信するように構成された超音波トランスデューサと、
前記プローブの前記遠位端に取り付けられ、前記遠位端の近傍のそれぞれの位置において前記組織の表面に接触し、前記それぞれの位置を示すそれぞれの位置信号を出力するように構成された複数の位置センサと、
プロセッサであって、
前記組織の前面及び後面からそれぞれ受信された前記超音波パルスの第1及び第2の反射を特定し、
前記位置信号を処理して、前記遠位端の近傍における前記組織の前記前面の配向角度を見出し、
前記第1及び第2の反射の受信と、前記前面の前記配向角度に対する前記遠位端の前記配向の前記方向の傾斜との間の経過時間に基づいて、前記前面に垂直な軸に沿った前記組織の厚さを推定するように構成された、プロセッサと、を備える、装置。
(2) 前記遠位端に取り付けられた光ファイバを備え、前記光ファイバが、前記超音波トランスデューサに連結された光ファイバ近位端と、前記超音波パルスを送信し、前記超音波パルスの前記反射を受信するように構成された、前記遠位端の遠位終端に位置する光ファイバ遠位端と、を有する、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記光ファイバが、1つ又は2つ以上の光学格子を含み、前記1つ又は2つ以上の光学格子は、前記格子からの回折光が前記遠位端の前記位置及び前記配向を示すように構成されており、それにより、前記1つ又は2つ以上の光学格子が、更なるポジションセンサとして作用する、実施態様2に記載の装置。
(4) 前記ポジションセンサが、前記センサを横切る磁界に応答して前記ポジション信号を生成するように構成された少なくとも1つのコイルを含む、実施態様1に記載の装置。
(5) 前記ポジションセンサが、前記遠位端内に位置する光ファイバ内に形成された1つ又は2つ以上の光学格子を含み、前記格子からの回折光が、前記遠位端の前記位置及び前記配向を示す、実施態様1に記載の装置。
【0053】
(6) 前記プローブ遠位端の終端から広がる少なくとも3つの可撓性枝部を含み、前記位置センサが、前記可撓性枝部に取り付けられた電極を含む、実施態様1に記載の装置。
(7) 少なくとも1つの電極が、各可撓性枝部に取り付けられている、実施態様6に記載の装置。
(8) 前記ポジションセンサが、少なくとも1つのコイルを含み、前記少なくとも1つのコイルが、前記少なくとも1つのコイルを横切る磁界に応答して前記ポジション信号を生成するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(9) 前記プローブ遠位端の終端から広がる少なくとも3つの可撓性枝部を含み、前記位置センサが、前記可撓性枝部に取り付けられたコイルを含む、実施態様1に記載の装置。
(10) 少なくとも1つのコイルが、各可撓性枝部に取り付けられている、実施態様9に記載の装置。
【0054】
(11) 前記プロセッサが、前記第1の反射の飛行時間に基づいて、前記組織の前記前面と前記プローブの軸との交差部のポジションを計算するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(12) 前記プロセッサが、前記交差部の前記ポジション及び前記それぞれの位置に基づいて前記前面の方程式を定式化するように構成されている、実施態様11に記載の装置。
(13) 前記プロセッサが、前記方程式を使用して、前記交差部における前記前面の前記配向角度を計算するように構成されている、実施態様12に記載の装置。
(14) 前記プロセッサが、前記組織の前記厚さを、前記軸上への見かけの組織厚さの投影として推定するように構成され、前記プロセッサが、前記経過時間に応じて前記見かけの組織厚さを計算する、実施態様1に記載の装置。
(15) 前記内臓器官が、前記ヒト患者の心臓を含む、実施態様1に記載の装置。
【0055】
(16) 心内膜表面下特性をマッピングするための方法であって、
プローブの遠位端をヒト患者の内臓器官の組織に近接させることと、
ポジションセンサを前記遠位端に取り付け、前記遠位端の位置及び配向を示すポジション信号を前記センサにより生成することと、
超音波トランスデューサから、前記遠位端の前記配向の方向に超音波パルスを送信し、前記組織から前記超音波パルスの反射を受信することと、
複数の位置センサを前記プローブの前記遠位端に取り付け、前記センサを、前記遠位端の近傍のそれぞれの位置において前記組織の表面に接触し、前記それぞれの位置を示すそれぞれの位置信号を出力するように構成することと、
前記組織の前面及び後面からそれぞれ受信された前記超音波パルスの第1及び第2の反射を特定することと、
前記位置信号を処理して、前記遠位端の近傍における前記組織の前記前面の配向角度を見出すことと、
前記第1及び第2の反射の受信と、前記前面の前記配向角度に対する前記遠位端の前記配向の前記方向の傾斜との間の経過時間に基づいて、前記前面に垂直な軸に沿った前記組織の厚さを推定することと、を含む、方法。
(17) 前記遠位端に光ファイバを取り付けることを含み、前記光ファイバが、前記超音波トランスデューサに連結された光ファイバ近位端と、前記超音波パルスを送信し、前記超音波パルスの前記反射を受信するように構成された、前記遠位端の遠位終端に位置する光ファイバ遠位端と、を有する、実施態様16に記載の方法。
(18) 前記光ファイバが、1つ又は2つ以上の光学格子を含み、前記1つ又は2つ以上の光学格子は、前記格子からの回折光が前記遠位端の前記位置及び前記配向を示すように構成され、それにより、前記1つ又は2つ以上の光学格子が、更なるポジションセンサとして作用する、実施態様17に記載の方法。
(19) 前記ポジションセンサが、前記センサを横切る磁界に応答して前記ポジション信号を生成するように構成された少なくとも1つのコイルを含む、実施態様16に記載の方法。
(20) 前記ポジションセンサが、前記遠位端内に位置する光ファイバ内に形成された1つ又は2つ以上の光学格子を含み、前記格子からの回折光が、前記遠位端の前記位置及び前記配向を示す、実施態様16に記載の方法。
【0056】
(21) 前記プローブ遠位端の終端から少なくとも3つの可撓性枝部を広げることを含み、前記位置センサが、前記可撓性枝部に取り付けられた電極を含む、実施態様16に記載の装置。
(22) 少なくとも1つの電極が、各可撓性枝部に取り付けられる、実施態様21に記載の方法。
(23) 前記ポジションセンサが、少なくとも1つのコイルを含み、前記少なくとも1つのコイルが、前記少なくとも1つのコイルを横切る磁界に応答して前記ポジション信号を生成するように構成されている、実施態様16に記載の方法。
(24) 前記プローブ遠位端の終端から少なくとも3つの可撓性枝部を広げることを含み、前記位置センサが、前記可撓性枝部に取り付けられたコイルを含む、実施態様16に記載の方法。
(25) 少なくとも1つのコイルが、各可撓性枝部に取り付けられる、実施態様24に記載の方法。
【0057】
(26) 前記第1の反射の飛行時間に基づいて、前記組織の前記前面と前記プローブの軸との交差部のポジションを計算することを含む、実施態様16に記載の方法。
(27) 前記交差部の前記ポジション及び前記それぞれの位置に基づいて、前記前面の方程式を定式化することを含む、実施態様26に記載の方法。
(28) 前記方程式を使用して、前記交差部における前記前面の前記配向角度を計算することを含む、実施態様27に記載の方法。
(29) 前記組織の前記厚さを、前記軸上への見かけの組織厚さの投影として推定することと、前記経過時間に応じて前記見かけの組織厚さを計算することと、を含む、実施態様16に記載の方法。
(30) 前記内臓器官が、前記ヒト患者の心臓を含む、実施態様16に記載の方法。
図1
図2
図3
図4