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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】身体部位の複合可視化
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/20 20160101AFI20240122BHJP
【FI】
A61B34/20
【請求項の数】 17
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019224273
(22)【出願日】2019-12-12
(65)【公開番号】P2020093102
(43)【公開日】2020-06-18
【審査請求日】2022-11-16
(31)【優先権主張番号】16/219,427
(32)【優先日】2018-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】メイル・バル-タル
(72)【発明者】
【氏名】アハロン・ツルゲマン
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン・コーエン
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-086917(JP,A)
【文献】特開2016-103276(JP,A)
【文献】特開平11-000309(JP,A)
【文献】特表2018-528800(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0140527(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/00-34/37
A61B 5/05
A61B 6/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体部位可視化システムであって、
生体対象の身体部位に挿入されるように構成された医療器具と、
ディスプレイと、
処理回路であって、
前記身体部位における前記医療器具の位置座標を計算することと、
前記身体部位の第1の三次元(3D)表現を前記ディスプレイにレンダリングすることと、を行うように構成された処理回路と、を備え、前記第1の3D表現が、移動窓を用いて前記身体部位の外表面を示し、前記移動窓が、前記医療器具の前記計算された位置座標に応答して前記第1の3D表現内の前記外表面上を移動し、その結果、前記移動窓を介して前記身体部位の前記第1の3D表現の内部ビューを提供し、前記内部ビューが、前記計算された位置座標における前記医療器具の少なくとも一部の第2の3D表現を含み、
前記移動窓が、前記移動窓に置き換えられた前記外表面の一部の輪郭に従うメッシュを含む、身体部位可視化システム。
【請求項2】
前記メッシュが、前記外表面の前記一部に割り当てられた着色パッチに対応するように少なくとも部分的に着色されている、請求項に記載のシステム。
【請求項3】
前記内部ビューが、前記第1の3D表現の内表面上に配設された着色パッチを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記処理回路が、前記医療器具の点を前記第1の3D表現の前記外表面に投影することと、前記投影された点を中心に前記移動窓の外周部を画定することと、を行うように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記処理回路が、前記医療器具の前記点を、前記外表面に対して実質的に垂直な方向において前記外表面上に投影するように構成されている、請求項に記載のシステム。
【請求項6】
前記処理回路が、前記外周部上の位置を、前記投影された点からのそれぞれの等距離の測地線の端部で終端するものとして画定するように構成されている、請求項に記載のシステム。
【請求項7】
身体部位可視化システムであって、
生体対象の身体部位に挿入されるように構成された医療器具と、
ディスプレイと、
処理回路であって、
前記身体部位における前記医療器具の位置座標を計算することと、
前記身体部位の第1の三次元(3D)表現を前記ディスプレイにレンダリングすることと、を行うように構成された処理回路と、を備え、前記第1の3D表現が、移動窓を用いて前記身体部位の外表面を示し、前記移動窓が、前記医療器具の前記計算された位置座標に応答して前記第1の3D表現内の前記外表面上を移動し、その結果、前記移動窓を介して前記身体部位の前記第1の3D表現の内部ビューを提供し、前記内部ビューが、前記計算された位置座標における前記医療器具の少なくとも一部の第2の3D表現を含み、
前記身体部位が、心臓の心室であり、前記医療器具が、前記心室の心筋に高周波照射を適用して、前記心筋をアブレーションするように構成された電極を有するアブレーションプローブを含む、身体部位可視化システム。
【請求項8】
前記内部ビューが、前記医療器具の少なくとも前記一部の前記第2の3D表現に加えて、前記アブレーションプローブによって実行されるアブレーションの位置をマーキングする図示記号を含む、請求項に記載のシステム。
【請求項9】
身体部位可視化の方法であって、
生体対象の身体部位内における医療器具の位置座標を計算することと、
前記身体部位の第1の三次元(3D)表現をディスプレイにレンダリングすることと、を含み、前記第1の3D表現が、移動窓を用いて前記身体部位の外表面を示し、前記移動窓が、前記医療器具の前記計算された位置座標に応答して前記第1の3D表現内の前記外表面上を移動し、その結果、前記移動窓を介して前記身体部位の前記第1の3D表現の内部ビューを提供し、前記内部ビューが、前記計算された位置座標における前記医療器具の少なくとも一部の第2の3D表現を含み、
前記移動窓が、前記移動窓に置き換えられた前記外表面の一部の輪郭に従うメッシュを含む、方法。
【請求項10】
前記メッシュが、前記外表面の前記一部に割り当てられた着色パッチに対応するように少なくとも部分的に着色されている、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記内部ビューが、前記第1の3D表現の内表面上に配設された着色パッチを含む、請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記医療器具の点を前記第1の3D表現の前記外表面に投影することと、前記投影された点を中心に前記移動窓の外周部を画定することと、を更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項13】
前記投影することが、前記医療器具の前記点を、前記外表面に対して実質的に垂直な方向において前記外表面上に投影することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記外周部上の位置を、前記投影された点からのそれぞれの等距離の測地線の端部で終端するものとして画定することを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
身体部位可視化の方法であって、
生体対象の身体部位内における医療器具の位置座標を計算することと、
前記身体部位の第1の三次元(3D)表現をディスプレイにレンダリングすることと、を含み、前記第1の3D表現が、移動窓を用いて前記身体部位の外表面を示し、前記移動窓が、前記医療器具の前記計算された位置座標に応答して前記第1の3D表現内の前記外表面上を移動し、その結果、前記移動窓を介して前記身体部位の前記第1の3D表現の内部ビューを提供し、前記内部ビューが、前記計算された位置座標における前記医療器具の少なくとも一部の第2の3D表現を含み、
前記身体部位が、心臓の心室であり、前記医療器具が、前記心室の心筋に高周波照射を適用して、前記心筋をアブレーションするように構成された電極を有するアブレーションプローブを含む、方法
【請求項16】
前記内部ビューが、前記医療器具の少なくとも前記一部の前記第2の3D表現に加えて、前記アブレーションプローブによって実行されるアブレーションの位置をマーキングする図示記号を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
コンピュータソフトウェアであって、前記コンピュータソフトウェアが、中央処理装置(CPU)によって読み込まれると、前記CPUに、
生体対象の身体部位内における医療器具の位置座標を計算することと、
前記身体部位の第1の三次元(3D)表現をディスプレイにレンダリングすることと、を行わせ、前記第1の3D表現が、移動窓を用いて前記身体部位の外表面を示し、前記移動窓が、前記医療器具の前記計算された位置座標に応答して前記第1の3D表現内の前記外表面上を移動し、その結果、前記移動窓を介して前記身体部位の前記第1の3D表現の内部ビューを提供し、前記内部ビューが、前記計算された位置座標における前記医療器具の少なくとも一部の第2の3D表現を含み、
前記身体部位が、心臓の心室であり、前記医療器具が、前記心室の心筋に高周波照射を適用して、前記心筋をアブレーションするように構成された電極を有するアブレーションプローブを含む、
コンピュータソフトウェア
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体部位の可視化、具体的には、医療器具による身体部位の可視化に関するが、これに限定されない。
【背景技術】
【0002】
身体部位は、医師に情報を提供するようにマッピングされる。例として、心臓マッピングは、組織表面、カラーマップ及び/又は矢印を使用した局所活性化時間(LAT)などの電気的特徴、並びにBiosense Webster(登録商標),Inc.(Irvine,California,United States)のVisiTagなどのタグを使用した医療処置の特徴を示すことを含む、心臓の異なる部位の様々な特徴を可視化するように実施される。VisiTagは、カテーテルによって実行されるアブレーションの位置を示す。VisiTagは更に、アブレーションを生成するために使用されるアブレーション時間などの追加情報を含むことができる。単に一例として、VisiTagの位置情報は、将来のアブレーション決定を行うために有用であり得る。医療器具もまた、心臓マップと共に可視化され得る。
【0003】
Langの米国特許出願公開第2017/0258526号は、光学ヘッドマウントディスプレイを使用した視覚的ガイダンスを用いて外科的工程又は外科的処置を実施するための装置及び方法を記載している。
【0004】
Govariらの米国特許出願公開第2009/0143677号は、解剖学的構造の初期空間表現を取得し、器具を解剖学的構造に近接して位置決めすることを含む、解剖学的構造をディスプレイ上で画像化するための方法を記載している。この方法は、器具の位置を判定することと、その位置に応答して解剖学的構造の一部の画像を生成することと、を更に含む。この方法は、初期空間表現に画像を付加して、組み合わされた空間表現を表示することを含む。
【0005】
Hadjicostisの米国特許出願公開第2014/0180101号は、長手方向本体と、長手方向本体の遠位端に接続された遠位撮像及びアブレーション先端部と、を有するカテーテルを使用して、動脈部からプラークをアブレーションする方法を記載している。先端部は、超音波撮像アレイと、超音波撮像アレイの遠位にあり、遠位面の周囲に配置された1組の電極を含む、前方に向けられた遠位面と、を有する。カテーテルは、先端部に接続され、本体を通って延在する、1組の導体を更に含む。カテーテルは、画像ディスプレイに接続される。この方法では、先端部が動脈部内に導入されて前方の動脈部を画像化し、それによって画像ディスプレイに示される動脈のイメージを生成する。このイメージは審査され、続いて選択的に依存されて、プラークをアブレーションするために電極が選択的に活性化される一方で、任意の裸の動脈壁を損傷させるいかなる電極も活性化されない。
【0006】
Maier-Heinらの米国特許出願公開第2013/0245461号は、距離画像が取得され得るように、検査対象の表面までの距離を感知するために用いられるセンサ手段を記載している。強度情報は、距離情報と同時に取得され得る。距離情報及び強度情報は、検査対象の表面に対するセンサ手段の姿勢を追跡するために評価されてもよく、その結果、上記の対象に関する解剖学的データが、センサ手段又は表示手段の位置及び/又は配向から見えるとおりに表示され得る。センサ手段又は表示手段を病院環境の患者などの検査対象の表面に沿って移動させることによって、ユーザは、ヒトの身体内を直接覗き込むことができるような印象を受ける。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の実施形態によれば、身体部位可視化システムであって、生体対象の身体部位に挿入されるように構成された医療器具と、ディスプレイと、処理回路であって、身体部位における医療器具の位置座標を計算することと、身体部位の第1の三次元(3D)表現をディスプレイにレンダリングすることと、を行うように構成された処理回路と、を含み、第1の3D表現は、移動窓を用いて身体部位の外表面を示し、移動窓は、医療器具の計算された位置座標に応答して第1の3D表現内の外表面上を移動し、その結果、窓を介して身体部位の第1の3D表現の内部ビューを提供し、内部ビューは、計算された位置座標における医療器具の少なくとも一部の第2の3D表現を含む、身体部位可視化システムが提供される。
【0008】
更に、本開示の実施形態によれば、移動窓は、移動窓に置き換えられた外表面の一部の輪郭に従うメッシュを含む。
【0009】
なお更に、本開示の実施形態によれば、メッシュは、外表面の一部に割り当てられた着色パッチに対応するように少なくとも部分的に着色されている。
【0010】
また、本開示の実施形態によれば、内部ビューは、第1の3D表現の内表面上に配設された着色パッチを含む。
【0011】
加えて、本開示の実施形態によれば、処理回路は、医療器具の点を第1の3D表現の外表面に投影することと、投影された点を中心に移動窓の外周部を画定することと、を行うように構成されている。
【0012】
更に、本開示の実施形態によれば、処理回路は、医療器具の点を、外表面に対して実質的に垂直な方向において外表面上に投影するように構成されている。
【0013】
なお更に、本開示の実施形態によれば、処理回路は、外周部上の位置を、投影された点からのそれぞれの等距離の測地線の端部で終端するものとして画定するように構成されている。
【0014】
また、本開示の実施形態によれば、内部ビューは、医療器具の少なくとも一部の第2の3D表現に加えて、少なくとも1つの要素を含む。
【0015】
加えて、本開示の実施形態によれば、身体部位は、心臓の心室であり、医療器具は、心室の心筋に高周波照射を適用して、心筋をアブレーションするように構成された電極を有するアブレーションプローブを含む。
【0016】
更に、本開示の実施形態によれば、少なくとも1つの要素は、アブレーションプローブによって実行されるアブレーションの位置をマーキングする図示記号を含む。
【0017】
本開示の更に別の実施形態によれば、身体部位可視化方法であって、生体対象の身体部位内における医療器具の位置座標を計算することと、身体部位の第1の三次元(3D)表現をディスプレイにレンダリングすることと、を含み、第1の3D表現は、移動窓を用いて身体部位の外表面を示し、移動窓は、医療器具の計算された位置座標に応答して第1の3D表現内の外表面上を移動し、その結果、窓を介して身体部位の第1の3D表現の内部ビューを提供し、内部ビューは、計算された位置座標における医療器具の少なくとも一部の第2の3D表現を含む、方法が更に提供される。
【0018】
なお更に、本開示の実施形態によれば、移動窓は、移動窓に置き換えられた外表面の一部の輪郭に従うメッシュを含む。
【0019】
また、本開示の実施形態によれば、メッシュは、外表面の一部に割り当てられた着色パッチに対応するように少なくとも部分的に着色されている。
【0020】
加えて、本開示の実施形態によれば、内部ビューは、第1の3D表現の内表面上に配設された着色パッチを含む。
【0021】
更に、本開示の実施形態によれば、本方法は、医療器具の点を第1の3D表現の外表面に投影することと、投影された点を中心に移動窓の外周部を画定することと、を含む。
【0022】
なお更に、本開示の実施形態によれば、投影することは、医療器具の点を、外表面に対して実質的に垂直な方向において外表面上に投影することを含む。
【0023】
また、本開示の実施形態によれば、本方法は、外周部上の位置を、投影された点からのそれぞれの等距離の測地線の端部で終端するものとして画定することを含む。
【0024】
加えて、本開示の実施形態によれば、内部ビューは、医療器具の少なくとも一部の第2の3D表現に加えて、少なくとも1つの要素を含む。
【0025】
更に、本開示の実施形態によれば、身体部位は、心臓の心室であり、医療器具は、心室の心筋に高周波照射を適用して、心筋をアブレーションするように構成された電極を有するアブレーションプローブを含む。
【0026】
なお更に、本開示の実施形態によれば、少なくとも1つの要素は、アブレーションプローブによって実行されるアブレーションの位置をマーキングする図示記号を含む。
【0027】
本開示の更に別の実施形態によれば、プログラム命令が記憶されている非一時的コンピュータ可読媒体を含むソフトウェア製品であって、その命令は、中央処理装置(CPU)によって読み込まれると、CPUに、生体対象の身体部位内における医療器具の位置座標を計算することと、かつ身体部位の第1の三次元(3D)表現をディスプレイにレンダリングすることと、を行わせ、第1の3D表現は、移動窓を用いて身体部位の外表面を示し、移動窓は、医療器具の計算された位置座標に応答して第1の3D表現内の外表面上を移動し、その結果、窓を介して身体部位の第1の3D表現の内部ビューを提供し、内部ビューは、計算された位置座標における医療器具の少なくとも一部の第2の3D表現を含む、ソフトウェア製品が更に提供される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本発明は、以下の詳細な説明を添付図面と併せ読むことで、理解されるであろう。
図1】本発明の一実施形態による、装置を使用した侵襲的医療処置の概略図である。
図2】本発明の一実施形態による、図1の装置で使用されるプローブの遠位端の概略図である。
図3図1の装置によってレンダリングされた例示的なユーザインターフェース画面の様々な図である。
図4図1の装置によってレンダリングされた例示的なユーザインターフェース画面の様々な図である。
図5図1の装置によってレンダリングされた例示的なユーザインターフェース画面の様々な図である。
図6図1の装置によってレンダリングされた例示的なユーザインターフェース画面の様々な図である。
図7図1の装置の動作方法における例示的な工程を含むフローチャートの図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
概説
身体部位のマッピングは、例えば、心臓の外側を見て、身体部位の外部ビューを提供することができる。カラーマップ及び/又はVisiTagなどの追加の情報も、身体部位の外部ビューに配設することができる。身体部位マッピングは、代替的に、身体部位の内部ビューを提供して、例えば、心臓の心室又は動脈の内部ビューを提供することもできる。カラーマップ及び/又はVisiTagなどの追加の情報も、身体部位の内部ビューに配設することができる。医師にとって外部ビュー及び内部ビューと同様に有用である、分割ビュー(separate views)は、内部ビューを閲覧している間は医師に外部ビューのコンテキストを提供せず、その逆もまた同様である。
【0030】
更に、一部の情報は、部分的に外部ビューに含まれ、かつ部分的に内部ビューに含まれてもよい。例えば、Biosense Webster,Inc.(Irvine,California,United States)のCarto(登録商標)アブレーションシステムは、アブレーションに関する位置及び他の情報を提供するVisiTagを生成することができる。VisiTagは、一般にはアブレーションが行われた心腔のマップに組み込まれる。VisiTagは、例としては、アブレーションされていない位置をアブレーションし、かつ/又は既にアブレーションされた位置を再びアブレーションしないように、計画されたアブレーション線に沿ってアブレーションがまだ行われていない位置を判定することであるが、これに限定されない、様々な診断目的で使用することができる。
【0031】
VisiTagは、アブレーションの平均位置に基づいてマップ上に配設されてもよい。したがって、一部の場合では、VisiTagは、心腔の外部ビュー内に配設されてもよく、他の場合では、VisiTagは、心腔の内部ビュー内に配設されてもよい。したがって、多くの場合では、外部ビューも内部ビューも、システムによって生成されたVisiTagの全ては示さない。
【0032】
本発明の実施形態は、三次元3D身体部位マップ又は表現の部分的外部ビュー及び部分的内部ビューを提供して、医師が外部ビュー及び内部ビューのコンテキストを共に同時に維持しながら身体部位の3Dマップを閲覧することを可能にする。身体部位の形状を見ること(例えば輪郭を介して)に加えて、医療器具(例えばVisiTag)及び/又はマッピング色などの他の外部及び内部要素が共に可視化されてもよい。
【0033】
組み合わされた外部及び内部ビューは、移動窓を使用して実装され、移動窓は、身体部位内部の医療器具の追跡された移動に基づいて3Dマップの外表面上を移動し、その結果、医療器具は、身体部位内で移動され、窓は、対応する様式で移動される。内部ビューは、移動窓を介して提供され、身体部位の内部解剖学的特徴、医療器具の表現、着色パッチ、及び、例えば、VisiTagなどのタグなどの内部要素を示す。このようにして、内部ビューの関連する部分が外部ビューと共に表示される。単に例として、医療器具は、身体部位に挿入するためのプローブ、内視鏡、及び/又は、耳鼻咽喉(ENT)ツール、吸引ツール、マイクロデブリーダ、若しくはシェーバーなどの外科用ツールのうち任意の1つ以上を含んでもよい。
【0034】
移動窓は、任意選択的に、移動窓に置き換えられた外表面の一部の輪郭に従うメッシュ生地を有するメッシュを含んでもよい。メッシュ生地は、移動窓に置き換えられた外表面の一部に割り当てられた着色パッチに対応するように、少なくとも部分的に着色されてもよい。
【0035】
移動窓は、医療器具の点(例えば先端部など)を現在表示されている3Dマップの外表面の一部に投影すること(例えば、外表面に対して実質的に垂直な方向において(例えば、5度以内の精度で))に基づいて生成され、次いで、投影された点からのそれぞれの等距離線(例えば測地線又は直線)の端部に基づいて、移動窓の外周部の位置を画定することができる。上記の例では、移動窓は、略円形の形状を有する。いくつかの実施形態では、移動窓は、任意の好適な形状を有してもよい。
【0036】
以下に記載される実施例は、概して心臓マッピングに関する。本発明の実施形態は、例えば、外部ビュー及び内部ビューのコンテキストを共に同時に維持しながら身体部位のマップのビューを提供するために移動窓を使用して組み合わされた外部ビュー及び内部ビューを提供する副鼻腔処置のために、任意の好適な身体部位をマッピングするように実施され得る。
【0037】
システムの説明
参照により本明細書に援用される文書は本出願の一体部分と見なされるべきであり、いずれかの用語が、それらの援用された文書内で、本明細書で明示的又は暗示的に行われる定義と相反するように定義される場合を除き、本明細書における定義のみが考慮されるべきである。
【0038】
ここで、本発明の一実施形態による、身体部位可視化サブシステムを含む装置12を使用した侵襲的医療処置の概略図である、図1を参照する。更に、本発明の一実施形態による、装置12で使用されるプローブ20の遠位端22の概略図である、図2を参照する。処置は医師14によって実施され、下記の説明では、処置は、ヒト患者18の心臓の心筋16の組織15の一部分をアブレーションすることを含むことを前提とする。
【0039】
調査を行うために、医師14は、プローブ20を患者18の内腔内に予め位置決めされたシース21に挿入し、その結果、プローブ20は心臓の心室に挿入される。シース21は、プローブ20の遠位端22が患者18の心臓に進入するように位置決めされている。遠位端22は、遠位端22の位置及び配向が追跡されることを可能にする位置センサ24と、遠位端22が心筋16に接触すると遠位端22によって加えられる力を測定する力センサ26と、遠位端22のそれぞれの位置の温度を測定する1つ以上の温度センサ28と、を備える。遠位端22は更に、心室内で心筋16に高周波電力を加えて心筋16をアブレーションするために使用される1つ以上の電極30を備える。電極(複数可)30は、心筋16から電極電位を取得するためにも使用され得る。
【0040】
装置12は、装置の操作コンソール48内に位置するシステムプロセッサ46により制御される。操作コンソール48は、プロセッサ46と通信するために医師14によって使用される少なくとも1つのユーザ入力装置49の制御部を含む。プロセッサ46用のソフトウェアは、例えば、ネットワークを介して電子形態でプロセッサ46にダウンロードすることができる。代替的に又は更に、ソフトウェアは、光学的、磁気的又は電子的記憶媒体などの非一過性有形媒体で供給され得る。
【0041】
プロセッサ46は、典型的にはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)として構成されるリアルタイムノイズ低減回路45、続いてアナログ-デジタル(A/D)信号変換集積回路47を備え得る。プロセッサ46は、信号をA/D信号変換集積回路47から別のプロセッサに伝えることができ、かつ/又は、本明細書に開示される少なくとも1つのアルゴリズムを実行するようにプログラムすることができ、このアルゴリズムは、本明細書の以下に記載される工程を含む。プロセッサ46は、アルゴリズムを実行するために、ノイズ低減回路45及びA/D信号変換集積回路47、並びに以下でより詳細に説明されるモジュールの機能を使用する。
【0042】
装置12を操作するために、プロセッサ46のアルゴリズムは、装置12を操作するためにプロセッサ46により使用される多数のモジュールを有するモジュールバンク50と通信する。したがって、モジュールバンク50は、ECG信号をプロセッサ46に提供するために、身体表面電極31及び/又は電極30から信号を受信するように連結された心電図(ECG)モジュール56を備える。身体表面電極31及び/又は電極(複数可)30は、対象(例えば、患者18)の身体に適用されるように構成され、かつ対象の心臓の電気的活動に応答して信号を出力するように構成される。電極(複数可)30は、プローブ20を介して身体の心臓に適用される。モジュールバンク50は更に、位置センサ24からの信号を受信して分析し、信号分析を使用して遠位端22の位置及び配向を生成する追跡モジュール58を含む。一部の実施形態では、位置センサ24は、コイルを横切る磁界に応答して、センサ信号を提供する、1つ以上のコイルを備える。これらの実施形態では、追跡モジュール58は、センサ24からの信号を受信して分析することに加えて、位置センサ24を横切る磁界を放射する放射器32、34、及び36の制御も行う。放射器32、34、及び36は、心筋16に近接して位置決めされており、また心筋16に近接する領域内に交番磁界を放射するように構成される。複数のワイヤ接続部35は、操作コンソール48を身体表面電極(body the surface electrodes)31及び他の構成要素(放射器32、34、36、及びセンサ24など)と連結して、追跡モジュール58がプローブ20の位置及び配向座標を測定することを可能にする。いくつかの実施形態では、追跡モジュール58は、心臓に対するプローブ20の相対位置及び相対配向を計算するように構成される。磁気的な位置及び配向追跡は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,756,576号及び同第7,536,218号に記載されている。Biosense Webster(33 Technology Drive,Irvine,CA 92618 USA)製のCartoシステムは、このような磁気追跡システムを使用する。追跡モジュール58は、磁気ベースの位置及び配向追跡の使用に限定されない。インピーダンスベース又は画像ベースの追跡など、任意の好適な位置及び配向追跡を使用することができる。
【0043】
装置12は、MRIユニット、CTユニットなどの外部の画像診断技術からの画像データを受信することができ、画像を生成及び表示するためにプロセッサ46に組み込まれるか又はプロセッサ46によって呼び出され得る画像プロセッサを含む。画像データは追跡モジュール58に登録されてもよく、受信されたデータとプローブ20の位置とを組み合わせるユーザインターフェース画面70が、医師14に向けてディスプレイ61上に表示されてもよい。例えば、プローブ20の遠位端22の軌跡が、ディスプレイ61上に表示される患者18の心臓の三次元(3D)表現上に示されてもよい。いくつかの実施形態では、心臓の3D表現は、プローブ20によって実行されたマッピングに基づいて少なくとも部分的に計算されてもよい。
【0044】
電極(複数可)30及び身体表面電極31は、参照により本明細書に組み込まれる、Govariらに発行された米国特許第7,536,218号に教示されるように、アブレーション部位における組織インピーダンスを測定するために使用され得る。
【0045】
モジュールバンク50は更に、力モジュール60、電源モジュール62、灌注モジュール64、及び温度モジュール66を備える。これらモジュールの機能を、以下に説明する。モジュールバンク50におけるモジュール、及びプロセッサ46は、本明細書において処理回路51と呼ばれる。
【0046】
力モジュール60は、力センサ26からの信号を受信し、その信号から、遠位端部22によって組織15に及ぼされる接触力の大きさ(本明細書ではグラム単位で測定されることを前提とする)を生成する。一部の実施形態では、力センサ26は、力センサ26が力モジュール60に提供する信号によって、力モジュール60が遠位端22により組織15に及ぼされる力の方向を評価することが可能となるように構成される。
【0047】
電源モジュール62は、心筋16の組織15をアブレーションするために電極(複数可)30によって印加される高周波電力を発生させる高周波(RF)信号発生器63を備える。プロセッサ46及び電源モジュール62は、電極(複数可)30によって送達される電力レベル(本明細書ではワット単位で測定されることを前提とする)、及び秒単位で測定される、電力が送達されている間の時間の長さを調節することが可能である。
【0048】
灌注モジュール64は、操作コンソール48内に配設されたポンプ65によって遠位端22に供給される、典型的には生理食塩水である灌注流体の流量(本明細書ではmL/分で測定されることを前提とする)を制御する。プローブ20は、それを介して心筋16を灌注する灌注チャネルを含む。灌注流体は、遠位端22内の灌注孔69から排出される。ポンプ65は、アブレーション処置の状態に応じて、アイドル速度、及び1つ以上の1つの(one or more one)非アイドル速度(アイドル速度よりも高い)で、灌注流体を灌注チャネル内に選択的に圧送するように構成される。
【0049】
温度モジュール66は、温度センサ28によって(又は各温度センサ28によって)提供される温度信号を受信する。温度信号は、複数の異なる時間における心筋の温度を示す。温度モジュール66は、センサ28の各々によって登録される温度を判定する。通常、複数のセンサ28の場合、温度モジュール66は、遠位端22の平均温度を判定する。更に、複数のセンサの場合、温度モジュール66は、遠位端22の温度分布のマップを作成することができる。
【0050】
ここで、図1の装置12によってレンダリングされた例示的なユーザインターフェース画面70の異なる図である、図3図6を参照する。ユーザインターフェース画面70は、生体対象の身体部位に挿入されるように構成された医療器具を参照して説明される。プローブ20は、医療器具の一例である。しかしながら、医療器具としては、身体部位に挿入するための非アブレーションプローブ、内視鏡、及び/又はENTツール、吸引ツール、マイクロデブリーダ、若しくはシェーバーなどの外科用ツールなどの任意の好適な医療器具が挙げられ得る。身体部位は、例えば、心臓の心室又は副鼻腔の空洞であるが、これらに限定されない任意の好適な身体部位であってもよい。ユーザインターフェース画面70は、任意の好適な処理及び表示システムを使用してレンダリングされてもよく、装置12によってレンダリングされることに限定されない。
【0051】
図3は、身体部位の3D表現72を含むユーザインターフェース画面70を示す。3D表現72は、輪郭98を備える身体部位の外表面74と、医療器具の計算された位置座標に応答して3D表現72内の外表面74上を移動し、その結果、窓76を介して身体部位の3D表現72の内部ビュー80を提供する移動窓76と、を示す。したがって、医療器具が身体部位の内側を移動すると、移動窓76は外表面74上を移動する。簡潔にするため、輪郭98の一部のみが図面中で標識されている。
【0052】
身体部位の3D表現72は、3D表現72の任意のビューを示すために、医師によって回転及び/又はズーム及び/又は並進されてもよい。
【0053】
内部ビュー80は、計算された位置座標における医療器具(又はその一部)の3D表現82を含む。内部ビュー80は、医療器具の3D表現82に加えて、1つ以上の(2D又は3D)要素を含んでもよい。要素としては、アブレーションプローブによって実行されるアブレーションの位置をマーキングするタグ84(例えばVisiTag)などの図示記号が挙げられ得る。外表面74は、タグ84(例えばVisiTag)などの1つ以上の付加要素を更に含んでもよい。簡潔にするため、タグ84の一部のみが図面中で標識されている。
【0054】
3D表現82及び/又はタグ84は、例としては、参照により本明細書に組み込まれるZarらの米国特許出願公開第2018/0182157号に記載されている撮像方法を使用することであるが、これらに限定されない任意の好適な方法に基づいてレンダリングされ得る。具体的には、Zarらの段落31~48は、電気解剖学的マップ上に二次曲面をレンダリングすることを記載している。二次曲面の例には、球体、楕円体、円筒体、円錐体、双曲放物面、放物面、及び双極面が挙げられる。撮像は、医療器具の機械的データを使用し、様々な二次曲面を組み合わせて、医療器具の3D表現82の画像を形成することを含んでもよい。
【0055】
内部ビュー80は、身体部位の3D表現72の内表面88上に配設された着色パッチ86を含んでもよい。外表面74も、その上に配設された着色パッチ86を含んでもよい。着色パッチ86は、任意の好適なマッピング、例えば、LAT又は電圧を表し得る。内表面88上に配設された着色パッチ86は、外表面74上に配設された着色パッチ86と同じマッピング又は異なるマッピングを表し得る。簡潔にするため、着色パッチ86の一部のみが図面中で標識されている。
【0056】
図4に示すユーザインターフェース画面70は、外表面74及び内表面88の全てを覆う着色パッチ86を含む。
【0057】
図5及び図6は、移動窓76に置き換えられた外表面74の一部の輪郭98に従う、メッシュ生地92を有するメッシュ90を含む移動窓76を示す。メッシュ90は、メッシュ生地92内に間隙94を含む。メッシュ生地92及びその輪郭は、医師が、身体部位の外部ビューと内部ビュー80との間でコンテキストを保持することを助ける。内部ビュー80は、メッシュ生地92内の間隙94を通して視認可能であり、それにより、間隙94を通して医療器具及びタグ84の3D表現82の視認が可能となる。簡潔にするため、間隙94の一部のみが図面中で標識されている。
【0058】
図5では、メッシュ生地92は、移動窓76に置き換えられた外表面74の部分に割り当てられた着色パッチ86に対応する着色パッチ96で部分的に着色されている。
【0059】
図6では、メッシュ生地92は、移動窓76に置き換えられた外表面74の部分に割り当てられた着色パッチ86に対応する着色パッチ96で着色されている。簡潔にするため、着色パッチ96の一部のみが図面中で標識されている。更に、メッシュ生地92内の間隙94の一部は、間隙94を通して見えるとおり、身体部位の3D表現72の内表面88上に配設された着色パッチ86に従って着色される。
【0060】
移動窓76は、任意の好適な形状(例えば、円、楕円、又は任意の多角形)及び任意の好適なサイズを有してもよい。移動窓76の位置は、医療器具(又は医療器具の遠位端などのその一部)の3D表現82を含むように計算される。
【0061】
いくつかの実施形態では、移動窓76の位置は、以下のように計算されてもよい。医療器具上の点(医療器具の遠位端上の先端部又は別の点など)は、身体部位の3D表現72の外表面74上に投影される。この点は、一般に、その点に最も近い第1の位置で、外表面74(現在ビュー内にある)上に投影される。したがって、点が、現在ビュー内にない外表面74の一部上の第2の位置により近い場合であっても、この点は、第1の位置で外表面74(現在ビュー内にある)に依然として投影される。他の実施形態では、点が、現在視野内にない外表面74の一部上の第2の位置に近い場合、身体部位の3D表現72は装置12によって回転されてもよく、その結果、点に最も近い外表面74の第2の位置、及び第2の位置の周囲に配設された結果として得られる移動窓76が、ユーザインターフェース画面70内で見ることができる。他の実施形態では、この点は、外表面74に対して実質的に垂直な方向において(例えば5度以内の精度で)外表面74に投影される。その結果、移動窓76の外周部は、外表面74上の投影された点を中心とする。一部の実施形態では、移動窓の外周部上の位置は、移動窓76が、身体部位の3D表現72の外表面74の輪郭によって歪んだ略円形の形状を有するように、投影された点からのそれぞれの等距離線(例えば、測地線又は直線)の端部に基づいて画定される。
【0062】
例えば、メッシュ90が示されるかどうか、メッシュ生地92の設計及び/又は厚さ、メッシュ生地92内の間隙94の寸法及び/又は形状、着色パッチ86が外表面74及びメッシュ生地92上に示されるかどうか、着色パッチ86が内表面88上に示されるかどうか、移動窓76の形状、移動窓76の寸法又は半径、投影された外周部からの距離が直線又は測地線で測定されるかどうかであるがこれらに限定されないユーザインターフェース画面70の様々な特徴が、ユーザ設定可能であり得る。単に例として、上記の特徴は、医師によってポップウィンドウ(複数可)、メニューオプション(複数可)、及び/又はショートカットキーを使用して制御されてもよい。
【0063】
ここで、図1の装置12の動作方法における例示的な工程を含むフローチャート100の図である図7を参照する。処理回路51は、身体部位における医療器具の位置座標を計算する(ブロック102)ように構成される。処理回路51は、身体部位の3D表現72の外表面74上に医療器具の点を投影する(ブロック104)ように構成される。一部の実施形態では、処理回路51は、外表面に対して実質的に垂直な方向において(例えば5度以内の精度で)、医療器具の点を外表面74上に投影するように構成される。一部の実施形態では、処理回路51は、移動窓76が、身体部位の3D表現72の外表面74の輪郭によって歪んだ略円形の形状を有するように、移動窓76の外周部上の位置を、投影された点からのそれぞれの等距離線(測地線又は直線)の端部で終端するように画定する(ブロック106)ように構成される。処理回路51は、投影された点を中心に移動窓76の外周部を画定する(ブロック108)ように構成される。
【0064】
一部の実施形態では、移動窓76は、任意の好適な形状(例えば、円、楕円、又は任意の多角形)及び任意の好適なサイズを有してもよく、移動窓76の外周部は、投影された点を中心とし、かつ/又は医療器具(若しくは医療器具の遠位端といった医療器具の一部)の3D表現82を含むように計算される。
【0065】
処理回路51は、身体部位の3D表現72をディスプレイ61にレンダリングして(ブロック110)移動窓76を備える外表面74を示し、移動窓は医療器具の計算された位置座標に応答して身体部位の3D表現72内の外表面74上を移動し、その結果、窓76を介して身体部位の3D表現72の内部ビュー80を提供するように構成される。3D表現72のレンダリングは、単に例として、図3図6を参照して本明細書で上述した特徴の任意の組み合わせを含んでもよい。
【0066】
本発明の様々な特徴は、明確性のために別個の実施形態の文脈において記載されているが、これはまた、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよいことが理解されるであろう。逆に、説明を簡単にするために単一の実施形態との関連において述べられる本発明の様々な特徴が、別々に又は任意の好適な部分的組み合わせとして提供される場合もある。
【0067】
上に述べた実施形態は例として挙げたものであり、本発明は上記に具体的に示し説明したものに限定されない。むしろ、本発明の範囲は、本明細書で上記された様々な特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせの両方、並びに前述の説明を一読すると当業者が想起すると思われる、先行技術に開示されていないそれらの変形及び改変を含む。
【0068】
〔実施の態様〕
(1) 身体部位可視化システムであって、
生体対象の身体部位に挿入されるように構成された医療器具と、
ディスプレイと、
処理回路であって、
前記身体部位における前記医療器具の位置座標を計算することと、
前記身体部位の第1の三次元(3D)表現を前記ディスプレイにレンダリングすることと、を行うように構成された処理回路と、を備え、前記第1の3D表現が、移動窓を用いて前記身体部位の外表面を示し、前記移動窓が、前記医療器具の前記計算された位置座標に応答して前記第1の3D表現内の前記外表面上を移動し、その結果、前記窓を介して前記身体部位の前記第1の3D表現の内部ビューを提供し、前記内部ビューが、前記計算された位置座標における前記医療器具の少なくとも一部の第2の3D表現を含む、身体部位可視化システム。
(2) 前記移動窓が、前記移動窓に置き換えられた前記外表面の一部の輪郭に従うメッシュを含む、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記メッシュが、前記外表面の前記一部に割り当てられた着色パッチに対応するように少なくとも部分的に着色されている、実施態様2に記載のシステム。
(4) 前記内部ビューが、前記第1の3D表現の内表面上に配設された着色パッチを含む、実施態様1に記載のシステム。
(5) 前記処理回路が、前記医療器具の点を前記第1の3D表現の前記外表面に投影することと、前記投影された点を中心に前記移動窓の外周部を画定することと、を行うように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
【0069】
(6) 前記処理回路が、前記医療器具の前記点を、前記外表面に対して実質的に垂直な方向において前記外表面上に投影するように構成されている、実施態様5に記載のシステム。
(7) 前記処理回路が、前記外周部上の位置を、前記投影された点からのそれぞれの等距離の測地線の端部で終端するものとして画定するように構成されている、実施態様5に記載のシステム。
(8) 前記内部ビューが、前記医療器具の少なくとも前記一部の前記第2の3D表現に加えて、少なくとも1つの要素を含む、実施態様1に記載のシステム。
(9) 前記身体部位が、心臓の心室であり、前記医療器具が、前記心室の心筋に高周波照射を適用して、前記心筋をアブレーションするように構成された電極を有するアブレーションプローブを含む、実施態様8に記載のシステム。
(10) 前記少なくとも1つの要素が、前記アブレーションプローブによって実行されるアブレーションの位置をマーキングする図示記号を含む、実施態様9に記載のシステム。
【0070】
(11) 身体部位可視化の方法であって、
生体対象の身体部位内における医療器具の位置座標を計算することと、
前記身体部位の第1の三次元(3D)表現をディスプレイにレンダリングすることと、を含み、前記第1の3D表現が、移動窓を用いて前記身体部位の外表面を示し、前記移動窓が、前記医療器具の前記計算された位置座標に応答して前記第1の3D表現内の前記外表面上を移動し、その結果、前記窓を介して前記身体部位の前記第1の3D表現の内部ビューを提供し、前記内部ビューが、前記計算された位置座標における前記医療器具の少なくとも一部の第2の3D表現を含む、方法。
(12) 前記移動窓が、前記移動窓に置き換えられた前記外表面の一部の輪郭に従うメッシュを含む、実施態様11に記載の方法。
(13) 前記メッシュが、前記外表面の前記一部に割り当てられた着色パッチに対応するように少なくとも部分的に着色されている、実施態様12に記載の方法。
(14) 前記内部ビューが、前記第1の3D表現の内表面上に配設された着色パッチを含む、実施態様11に記載の方法。
(15) 前記医療器具の点を前記第1の3D表現の前記外表面に投影することと、前記投影された点を中心に前記移動窓の外周部を画定することと、を更に含む、実施態様11に記載の方法。
【0071】
(16) 前記投影することが、前記医療器具の前記点を、前記外表面に対して実質的に垂直な方向において前記外表面上に投影することを含む、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記外周部上の位置を、前記投影された点からのそれぞれの等距離の測地線の端部で終端するものとして画定することを更に含む、実施態様15に記載の方法。
(18) 前記内部ビューが、前記医療器具の少なくとも前記一部の前記第2の3D表現に加えて、少なくとも1つの要素を含む、実施態様11に記載の方法。
(19) 前記身体部位が、心臓の心室であり、前記医療器具が、前記心室の心筋に高周波照射を適用して、前記心筋をアブレーションするように構成された電極を有するアブレーションプローブを含む、実施態様18に記載の方法。
(20) 前記少なくとも1つの要素が、前記アブレーションプローブによって実行されるアブレーションの位置をマーキングする図示記号を含む、実施態様19に記載の方法。
【0072】
(21) プログラム命令が記憶されている非一時的コンピュータ可読媒体を備えるソフトウェア製品であって、前記命令が、中央処理装置(CPU)によって読み込まれると、前記CPUに、
生体対象の身体部位内における医療器具の位置座標を計算することと、
前記身体部位の第1の三次元(3D)表現をディスプレイにレンダリングすることと、を行わせ、前記第1の3D表現が、移動窓を用いて前記身体部位の外表面を示し、前記移動窓が、前記医療器具の前記計算された位置座標に応答して前記第1の3D表現内の前記外表面上を移動し、その結果、前記窓を介して前記身体部位の前記第1の3D表現の内部ビューを提供し、前記内部ビューが、前記計算された位置座標における前記医療器具の少なくとも一部の第2の3D表現を含む、
ソフトウェア製品。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7