(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】支持機構およびコネクタデバイス
(51)【国際特許分類】
H01R 13/46 20060101AFI20240122BHJP
H01R 13/73 20060101ALI20240122BHJP
H01R 31/06 20060101ALI20240122BHJP
【FI】
H01R13/46 304G
H01R13/73 Z
H01R31/06 M
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019226280
(22)【出願日】2019-12-16
【審査請求日】2022-09-05
(31)【優先権主張番号】201822165510.0
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】508079120
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100121533
【氏名又は名称】佐々木 まどか
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ダオクァ
(72)【発明者】
【氏名】ワン,インチュン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,イォン
(72)【発明者】
【氏名】ヤオ,リーチャン
【審査官】鎌田 哲生
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-147720(JP,A)
【文献】特開平06-314579(JP,A)
【文献】米国特許第05484308(US,A)
【文献】特開平06-223921(JP,A)
【文献】特開昭57-105983(JP,A)
【文献】特開平10-116667(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/00 -12/91
H01R 13/40 -13/533
H01R 13/73 -13/74
H01R 24/00 -24/86
H01R 27/00 -31/08
H01R 43/027-43/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持機構であって、
前記支持機構は、
- 挿入方向に挿入されるコネクタアセンブリの一部を受け入れるように構成されている受け入れ通路が形成されている、本体と、
- 少なくとも1つの阻止用片持ち式アームを有し、前記本体に設けられている保護フレームと、を備え、
前記少なくとも1つの阻止用片持ち式アームは、各々前記挿入方向に延在し、前記受け入れ通路の内部に向かって
前記コネクタアセンブリに当接可能な方向に傾斜しており、かつ、
前記阻止用片持ち式アームは、前記コネクタアセンブリが前記受け入れ通路から係合解除されるのを阻止するように、および、前記挿入方向から挿入される解放具によって駆動されたことに応答して前記コネクタアセンブリの前記阻止を解放するように、構成されている、
支持機構。
【請求項2】
阻止用突起が前記受け入れ通路内に設けられており、
前記阻止用突起は、前記受け入れ通路の側壁から前記受け入れ通路の前記内部に向かって突出しており、前記コネクタアセンブリのそれ以上の挿入を阻止するように構成されている、
請求項1に記載の支持機構。
【請求項3】
前記本体は、
基部と、
前記基部の2つの互いに反対にある側にそれぞれ設けられている2つの第1の側壁と、を備え、
前記保護フレームは、前記2つの第1の側壁に1つずつ取付けられている2つの第2の側壁を備え、
前記2つの第2の側壁には、2つの前記阻止用片持ち式アームが1つずつ配置されている、
請求項2に記載の支持機構。
【請求項4】
前記阻止用片持ち式アームは、
前記第2の側壁の対応する一方の内面に接続されており前記第1の側壁の対応する一方よりも上方で前記挿入方向と平行な方向に延在する、第1の部分と、
前記挿入方向に延在し前記受け入れ通路の前記内部に向かって傾斜している、前記第1の部分と接続されている第2の部分と、を備える、
請求項3に記載の支持機構。
【請求項5】
前記第1の部分の内面は、前記対応する第1の側壁の内面から離隔されている、
請求項4に記載の支持機構。
【請求項6】
前記第1の側壁の各々に
おける内面に
、前記挿入方向に延在するガイド溝が形成されている、および/または、
前記2つの第2の側壁の間には上側カバーが設けられている、
請求項3から5のいずれか一項に記載の支持機構。
【請求項7】
前記第2の側壁の対応する一方の外面に各々設けられている取付け機構を更に備える、
請求項3から6のいずれか一項に記載の支持機構。
【請求項8】
前記取付け機構の各々は、
前記対応する第2の側壁の前記外面において前記挿入方向に延在しかつ突出部を設けられている自由端を有する、取付け用片持ち式アームを備える、
請求項7に記載の支持機構。
【請求項9】
前記取付け機構の各々は、
- 前記対応する第2の側壁の前記外面に接続されている2つの接続部と、
- 前記2つの接続部から前記挿入方向と反対の方向に延在する操作片持ち式アームと、を更に備え、
前記操作片持ち式アームは、
操作部と、
前記操作部から前記2つの接続部まで1つずつ延在する2つの接続アームと、を有し、
前記取付け用片持ち式アームは、前記2つの接続アームの間の位置で前記操作部に接続されている、
請求項8に記載の支持機構。
【請求項10】
コネクタデバイスであって、
前記コネクタデバイスは、
- 請求項1から9のいずれか一項に記載の支持機構と、
- 前記支持機構に取付けられているコネクタアセンブリと、を備え、
前記コネクタアセンブリは、
回路基板と、
前記回路基板に取付けられる2つの電気コネクタと、を有
する、
コネクタデバイス。
【請求項11】
前記2つの電気コネクタは、互いに離隔されている第1のコネクタおよび第2のコネクタを備え、
前記第1のコネクタは、前記第2のコネクタの前記挿入方向における下流側に位置付けられている、
請求項10に記載のコネクタデバイス。
【請求項12】
前記阻止用片持ち式アームは、前記第1のコネクタのハウジングの後面に当接する、
請求項11に記載のコネクタデバイス。
【請求項13】
前記2つの電気コネクタは、RJ45レセプタクルコネクタを備える、
請求項10から12のいずれか一項に記載のコネクタデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の少なくとも1つの実施形態は電気コネクタに関し、特に、2つの電気コネクタを受け入れ可能な支持機構およびこの支持機構を備えるコネクタデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
既存の通信システムでは、データケーブルの電気接続を実現する、ならびに、電気機器と配線盤モジュールとの間の接続および通信を更に実現するために、RJ45コネクタが一般に使用される。特に自動化システムでは多くの場合、2本のケーブルの電気接続を実現するために、回路基板に取付けられている2つのRJ45レセプタクルコネクタが使用される。
【0003】
操作および管理を容易にするために、2つのRJ45レセプタクルコネクタがコネクタハウジング内に取付けられて、コネクタアセンブリが形成される。2本のケーブルに接続されているプラグコネクタが1つずつコネクタアセンブリの両端から2つのレセプタクルコネクタへと挿入され、このことにより2つのケーブルの電気接続が実現される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既存のコネクタアセンブリでは、レセプタクルコネクタがコネクタハウジング内に取付けられてしまうと、レセプタクルコネクタをコネクタハウジングから容易に取り外すことができない。したがって、レセプタクルコネクタが動作不良を起こし修理または交換を行う必要がある場合、レセプタクルコネクタおよびコネクタハウジングを新しいものに交換しなければならず、この結果コストが増加する。
【0005】
本開示の目的は、従来技術の上記の課題および欠点の少なくとも1つの側面を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施形態は、支持機構におけるコネクタアセンブリの着脱可能な取付けを可能にする、支持機構およびコネクタデバイスを提供する。
【0007】
本開示の1つの態様によれば、挿入方向に挿入されるコネクタアセンブリの一部を受け入れるように構成されている受け入れ通路が形成されている、本体と、本体に設けられた保護フレームと、を備える。保護フレームは、各々挿入方向に延在し受け入れ通路の内部に向かって傾斜している、少なくとも1つの阻止用片持ち式アームを備える。阻止用片持ち式アームは、コネクタアセンブリが受け入れ通路から係合解除されるのを阻止するように、および、挿入方向から挿入される解放具によって駆動されたことに応答してコネクタアセンブリの阻止を解放するように、構成されている、支持機構が提供される。
【0008】
本開示の1つの実施形態によれば、受け入れ通路内に阻止用突起が設けられており、これは受け入れ通路の側壁から受け入れ通路の内部に向かって突出しており、コネクタアセンブリのそれ以上の挿入を阻止するように構成されている。
【0009】
本開示の1つの実施形態によれば、本体は、基部と、基部の2つの互いに反対にある側に1つずつ設けられている2つの第1の側壁と、を備える。保護フレームは、第1の側壁に1つずつ取付けられている2つの第2の側壁を備え、第2の側壁には2つの前記阻止用片持ち式アームが1つずつ配置されている。
【0010】
本開示の1つの実施形態によれば、阻止用片持ち式アームは、第2の側壁の対応する一方の内面に接続されており第1の側壁の対応する一方よりも上方で挿入方向と平行な方向に延在する、第1の部分と、挿入方向に延在し受け入れ通路の内部に向かって傾斜している、第1の部分と接続されている第2の部分と、を備える。
【0011】
本開示の1つの実施形態によれば、第1の部分の内面は、対応する第1の側壁の内面から離隔されている。
【0012】
本開示の1つの実施形態によれば、第1の側壁の各々は、その内面に挿入方向に延在するガイド溝が形成されている。
【0013】
本開示の1つの実施形態によれば、2つの第2の側壁の間に上側カバーが設けられている。
【0014】
本開示の1つの実施形態によれば、支持機構は、第2の側壁の対応する一方の外面に各々設けられている取付け機構を更に備える。
【0015】
本開示の1つの実施形態によれば、取付け機構の各々は、対応する第2の側壁の外面において挿入方向に延在しかつ突出部が設けられている自由端を有する、取付け用片持ち式アームを備える。
【0016】
本開示の1つの実施形態によれば、取付け機構の各々は、対応する第2の側壁の外面に接続されている2つの接続部と、2つの接続部から挿入方向と反対の方向に延在する操作片持ち式アームと、を更に備える。操作片持ち式アームは、操作部と、操作部から2つの接続部まで1つずつ延在する2つの接続アームと、を備える。取付け用片持ち式アームは、2つの接続アームの間の位置で操作部に接続されている。
【0017】
本開示の別の態様によれば、本開示の実施形態のいずれかに記載されている支持機構と、この支持機構に取付けられているコネクタアセンブリと、を備えるコネクタデバイスが提供される。コネクタアセンブリは、回路基板と、2つの電気コネクタと、を備える。この2つの電気コネクタは、回路基板に2つの電気コネクタの2つの接合面が反対方向に向くように取付けられる。
【0018】
本開示の1つの実施形態によれば、2つのコネクタは、互いに離隔されている第1のコネクタおよび第2のコネクタを備え、第1のコネクタは第2のコネクタの挿入方向における下流側に位置付けられている。
【0019】
本開示の1つの実施形態によれば、阻止用片持ち式アームは、第1のコネクタのハウジングの後面に対して当接する。
【0020】
本開示の1つの実施形態によれば、電気コネクタは、RJ45レセプタクルコネクタを備える。
【0021】
本開示に係る前出の例示的な実施形態では、コネクタアセンブリを支持機構内に着脱可能に取付けることができ、この結果、コネクタアセンブリを支持機構から便利に脱着し保守または交換することができ、このことによりコネクタデバイスのコストが削減される。
【0022】
本開示の他の目的および利点は、添付の図面を参照する本開示の以下の説明から明らかになり、本開示を包括的に理解する助けとなり得る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本開示の例示的な実施形態に係るコネクタデバイスの概略斜視図である。
【
図2】
図1のコネクタデバイスの別の概略斜視図である。
【
図3】
図1に示すコネクタデバイスの長手方向断面図である。
【
図4】別の方向から見た
図3に示すコネクタデバイスの長手方向断面図である。
【
図5】本開示の例示的な実施形態に係る支持機構の概略斜視図である。
【
図7】本開示の例示的な実施形態に係るコネクタアセンブリの長手方向断面図である。
【
図8】別の方向から見た
図7に示すコネクタアセンブリの長手方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示の技術スキームについて、添付の図面と組み合わせた以下の実施形態によって詳細に更に説明する。本明細書において、同じまたは同様の参照符号は、同じまたは同様の構成要素を示す。添付の図面を参照する、本開示の実施形態の以下の説明は、本開示の包括的な発明性のある概念を説明することを意図しており、本開示を限定するものとして解釈するべきではない。
【0025】
更に、以下の詳細な説明では、説明の目的で、本開示の実施形態の完全な理解をもたらすために多数の具体的な詳細を明記する。ただし、これらの具体的な詳細がなくても1つまたは複数の実施形態を実施できることが明らかであり得る。他の場合には、よく知られている構造およびデバイスは、図面を簡略化するために概略的な形態で示されている。
【0026】
本開示の1つの包括的な発明性のある概念によれば、本体と保護フレームとを備え、本体には、挿入方向に挿入されるコネクタアセンブリの一部を受け入れるように適合されている受け入れ通路が形成されている、支持機構が提供される。保護フレームは本体に設けられており、受け入れ通路の内部に向かって傾斜して挿入方向に延在するように各々構成されている少なくとも1つの阻止用片持ち式アームを備え、阻止用片持ち式アームは、電気コネクタが受け入れ通路から係合解除されるのを阻止するように、および、挿入方向に挿入される解放具によって駆動されているときにコネクタアセンブリの阻止されている状態を解放するように、適合されている。
【0027】
本開示の別の包括的な発明性のある概念によれば、上記したコネクタアセンブリと支持機構とを備えるコネクタデバイスが提供される。コネクタアセンブリは、回路基板と、この回路基板に取付けられている2つの電気コネクタと、を備え、これら2つの電気コネクタの2つの接合面は反対方向に向くように構成されている。
【0028】
図1は、本開示の例示的な実施形態に係るコネクタデバイスの概略斜視図を示す。
図2は、
図1のコネクタデバイスの別の概略斜視図を示す。
図3は、
図1に示すコネクタデバイスの長手方向断面図を示す。
図4は、別の方向から見た
図3に示すコネクタデバイスの長手方向断面図を示す。
図1から
図4に示すように、本開示の例示的な実施形態に係るコネクタデバイスは、コネクタアセンブリ20と、コネクタアセンブリ20が取付けられるように適合されている支持機構10と、を備える。
【0029】
図5は、本開示の例示的な実施形態に係る支持機構の概略斜視図を示す。
図6は、
図5の支持機構の別の概略斜視図を示す。
図7は、本開示の例示的な実施形態に係るコネクタアセンブリの長手方向断面図を示す。
図8は、別の方向から見た
図7に示すコネクタアセンブリの長手方向断面図を示す。
【0030】
1つの例示的な実施形態では、
図7および8に示すように、コネクタアセンブリ20は、回路基板3と2つの電気コネクタ4とを備える。電気コネクタ4は回路基板3に取付けられており、2つの電気コネクタ4の2つの接合面は反対方向を向いている。このようにして、相手側コネクタを対応する電気コネクタにそれぞれ反対方向に差し込むことができる。例えば、電気コネクタはレセプタクルコネクタであってもよく、相手側コネクタはプラグコネクタである。各電気コネクタ4は、絶縁ハウジング45と、絶縁ハウジング45内に取付けられている複数の導電端子43と、を備え、導電端子43は、回路基板3上の電気コンタクト31と電気的に接触している。
更に、絶縁ハウジング45には複数の弾性片44が設けられており、各弾性片は、電気コネクタ4が電気コネクタ4へと挿入される相手側コネクタと係合するときに、および/またはコネクタアセンブリ20が支持機構10に取付けられるときに、押圧されることによって弾性変形するように構成されており、このことにより、電気コネクタと相手側コネクタおよび/または支持機構との、密な接触が実現される。
【0031】
1つの例示的な実施形態では、
図1~
図6に示すように、支持機構10は、本体1と、本体1に一体に設けられた保護フレーム2と、を備える。本体1は実質的にU字形状の断面を有し、本体1には受け入れ通路11が形成されており、受け入れ通路11は、挿入方向に挿入されるコネクタアセンブリ20の一部を受け入れるように適合されている。保護フレーム2は少なくとも1つの阻止用片持ち式アーム21を備え、その各々は、挿入方向に延在し受け入れ通路の内部に向かって傾斜するように構成されている。阻止用片持ち式アーム21は、コネクタアセンブリが受け入れ通路から係合解除されるのを阻止するように、および、挿入方向に挿入されるねじ回しなどの解放具によって駆動されているときにコネクタアセンブリ20に適用されている阻止を解放し、このことによりコネクタアセンブリが受け入れ通路11から係合解除されるのを可能にするように、適合されている。
【0032】
本開示の実施形態に係る支持機構を用いて、コネクタアセンブリを支持機構内に着脱可能に取付けることができ、コネクタアセンブリを支持機構から脱着する必要があるときに、支持機構の後端から解放具を挿入して阻止用片持ち式アームを駆動することでコネクタアセンブリの阻止されている状態を解放することができる。このことにより、コネクタアセンブリを受け入れ通路から係合解除させることが可能になる。したがって、コネクタアセンブリを支持機構から便利に脱着し保守または交換することができ、コネクタデバイスのコストが削減される。
【0033】
1つの実施形態では、
図1~
図4、
図7、および
図8に示すように、2つのコネクタ4は、互いに離隔されている第1のコネクタ41および第2のコネクタ42を備え、第1のコネクタ41は第2のコネクタ42の挿入方向における下流側に位置付けられている。換言すると、第1のコネクタ41は、第2のコネクタの挿入方向前端に位置付けられている。1つの例示的な実施形態では、第1のコネクタおよび第2のコネクタはいずれもRJ45レセプタクルコネクタであってもよい。本開示の電気コネクタデバイスは自動化システム中のアダプタとして使用することができ、第1のコネクタ41および第2のコネクタ42は、接続される2本のケーブルのプラグコネクタと、2本のケーブルの電気接続を実現するように係合可能である。
【0034】
本開示の実施形態について、例としてRJ45レセプタクルコネクタを電気コネクタとして採用して以下に記載するが、本開示はこれに限定されないことが、当業者には理解されるであろう。代替の例示的な実施形態では、電気コネクタはまた、データ線を接続するのに適した他のタイプのコネクタも含み得る。
【0035】
1つの実施形態では、
図1~
図4、
図7、および
図8に示すように、阻止用片持ち式アーム21の自由端は、第1のコネクタ41と第2のコネクタ42との間の空間へと挿入され、第1のコネクタ41のハウジングの後面に対して当接する。受け入れ通路11内に、受け入れ通路11の側壁から受け入れ通路11の内部に向かって突出するように阻止用突起14が設けられており、これは、コネクタアセンブリ20のそれ以上の挿入を阻止するように構成されている。例えば、阻止用突起14は、阻止用突起14がコネクタアセンブリ20の正常な挿入を阻止しないように、コネクタアセンブリ20が挿入される後端の反対側の、受け入れ通路11の前端に設けられている。
【0036】
1つの例示的な実施形態では、本体1は、基部12と、基部12の2つの互いに反対にある側に1つずつ設けられており挿入方向に延在する、2つの第1の側壁13と、を備える。保護フレーム2は本体1の第1の側壁13へと1つずつ取付けられる2つの第2の側壁22を備え、第2の側壁22には2つの阻止用片持ち式アーム21が1つずつ配置されている。
【0037】
更に、阻止用片持ち式アーム21は、第1の部分211と第2の部分212とを備える。第1の部分211は、第2の側壁22の内面に接続されており、第1の側壁13よりも上方で挿入方向と平行な方向に延在するように構成されている。第2の部分212は、第1の部分211と接続されており、かつ、挿入方向に延在し受け入れ通路11の内部に向かって傾斜するように構成されており、この結果、第2の部分212の自由端が、第1のコネクタ41のハウジングの後面に当接するようになっている。このため、阻止用片持ち式アーム21は、コネクタアセンブリ20が受け入れ通路11から係合解除されるのを阻止することができる。
【0038】
1つの実施形態では、
図3~
図6に示すように、阻止用片持ち式アーム21の第1の部分211の内面は、第1の側壁13の内面から離隔されており、この結果、第2のコネクタ42のハウジングの外面と第1の部分211の内面との間にガイド通路が形成されており、これは解放具を案内するように構成されている。このようにして、解放具を第1の部分211の内面と第1の側壁13の内面との間の空間へと挿入して、傾斜した第2の部分212を駆動して第1のコネクタ41のハウジングの後面から離れるように外向きに付勢することができ、このことにより、コネクタアセンブリ20を支持機構10から取り外すことが可能になる。
【0039】
例示的な実施形態では、第1の側壁13の各々の内面にガイド溝131が形成されてこれが挿入方向に延在し、ガイド溝131内に回路基板3の両側が摺動可能に取付けられる。こうして、ガイド溝131はコネクタアセンブリ20を受け入れ通路へと挿入するときにガイド効果を有し、更に、受け入れ通路11から係合解除しないようにコネクタアセンブリ20をコネクタデバイス100の高さ方向において制限することが可能である。更に、保護フレーム2の2つの第2の側壁22の間には、上側カバー23が設けられている。このようにして、コネクタアセンブリ20の長さ方向(挿入方向)の部分は、基部12、本体1の2つの第1の側壁13、保護フレーム2の第2の側壁22、および上側カバー23によって画定される空間内に制限される。
【0040】
1つの実施形態では、
図1~
図6に示すように、保護フレーム2の第2の側壁22の各々の外面には、取付け機構24が設けられている。取付け機構24は、コネクタデバイス100を、コネクタデバイス100を固定するための支持フレームに取付けるように適合されている。
【0041】
1つの実施形態では、取付け機構は、第2の側壁22の外面で挿入方向に延在するように構成されている取付け用片持ち式アーム241を備え、取付け用片持ち式アーム241の自由端には突出部2411が設けられている。取付け用片持ち式アーム241は、突出部2411が取付けフレームの相手側ロック機構へと入ることによってロックすることができる。
【0042】
1つの実施形態では、取付け機構は、第2の側壁22の外面に接続されている2つの接続部242と、2つの接続部242の対応する一方から挿入方向と反対の方向に各々延在する、操作片持ち式アーム243と、を更に備える。操作片持ち式アーム243は、操作部2431と、操作部2431から2つの接続部まで1つずつ延在する2つの接続アーム2432と、を備える。取付け用片持ち式アーム241は、2つの接続アーム2432の間の位置で操作部2431に接続されている。この結果、突出部2411が取付けフレーム上の相手側ロック機構から離れるように操作部2431を第2の側壁22に向かって押圧することによって、取付け用片持ち式アーム241を第2の側壁22から離れるよう付勢されるように駆動することができ、このことにより、コネクタデバイス100が取付けフレームから係合解除されることが可能になる。
【0043】
上記の実施形態が例示的なものであり当業者が修正可能であること、および、様々な実施形態に記載されている構造を構造または原理において矛盾することなく自由に組み合わせ可能であることを、当業者は理解するであろう。
【0044】
本開示について添付の図面を参照して記載してきたが、図面において開示される実施形態は本開示の好ましい実施形態の例示的な説明となることを意図しており、本開示を限定するものと解釈されるべきではない。
【0045】
本開示の包括的な発明性のある概念のいくつかの実施形態を示し説明してきたが、これらの実施形態において、本開示の包括的な発明性のある概念の原理および主旨から逸脱することなく変更を行うことができることは当業者であれば理解するであろう。本開示の範囲は、特許請求の範囲およびその等価物によって規定される。
【0046】
用語「備える(comprising)」は他の要素またはステップを除外せず、用語「1つの(a)」または「1つの(an)」は複数を除外しないことに留意されたい。更に、請求項中のどのような参照符号も、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。