(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】板状建物
(51)【国際特許分類】
E04H 9/02 20060101AFI20240122BHJP
E04H 6/10 20060101ALI20240122BHJP
E04H 1/04 20060101ALI20240122BHJP
【FI】
E04H9/02 301
E04H9/02 321A
E04H6/10 A
E04H1/04 Z
(21)【出願番号】P 2020007252
(22)【出願日】2020-01-21
【審査請求日】2022-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北川 昌尚
(72)【発明者】
【氏名】水野 皓太
(72)【発明者】
【氏名】丸茂 貴
(72)【発明者】
【氏名】山田 基裕
【審査官】兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-036650(JP,A)
【文献】特開平11-036651(JP,A)
【文献】特開2003-193698(JP,A)
【文献】特開平11-324352(JP,A)
【文献】特開2010-242440(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 1/04
E04H 9/02
E04H 6/00-6/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上層階と、前記上層階の下の駐車場として利用される下層階と、を有する板状建物であって、
梁間方向の両側に設けられると共に桁行方向に間隔をあけて並んで配置された複数の第一柱と、
前記上層階の各層における梁間方向の前記第一柱間の構面に設けられると共に桁行方向に間隔をあけて並んで配置された複数の上層側耐震壁と、
前記下層階における梁間方向の前記第一柱間の二箇所に
それぞれ設けられ
、桁行方向に間隔をあけて並んで配置された複数の第二柱と、
前記下層階の各層に設けられ、梁間方向の前記第二柱間が開口となるように、梁間方向の前記第一柱と前記第二柱との間の構面に設けられる複数の下層側耐震壁と、
前記下層階の各層に設けられ、前記開口を通って桁行方向に沿って延びる車路と、
前記下層階の各層における桁行方向に隣り合う前記下層側耐震壁間に設けられる車室と、
を備えた板状建物。
【請求項2】
前記上層階と前記下層階との間に
は、トレンチ階が設けられ、
前記第二柱は、前記下層階から前記トレンチ階まで延びるように設けられ、
前記トレンチ階における梁間方向の前記第二柱間の構面及び前記第一柱と前記第二柱との間の構面には、それぞれ中間耐震壁が設けられている、
請求項1に記載の板状建物。
【請求項3】
前記トレンチ階の前記中間耐震壁の壁厚は、前記上層側耐震壁及び前記下層側耐震壁の壁厚よりも大きい、
請求項2に記載の板状建物。
【請求項4】
前記下層階の最上層を除く前記第一柱は、前記上層階の前記第一柱よりも梁間方向外側に設けられ、
前記トレンチ階及び前記下層階の前記最上層の前記第一柱は、下方に向かって梁間方向外側に傾斜した斜柱で構成されている、
請求項2及び請求項3に記載の板状建物。
【請求項5】
前記第一柱及び前記第二柱は、それぞれ下端部同士が基礎梁で接合され、
前記基礎梁を支持する杭は、
前記第一柱の直下に設けられた第一杭と、
梁間方向の前記第二柱間の中間部の直下に設けられた第二杭と、
を有している、
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の板状建物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板状建物に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、集合住宅建築等に適用される耐震建築構造に関する技術が開示されている。この先行技術では、外方に向けて末広がりに傾斜した一対の傾斜柱を有している。
【0003】
特許文献2には、免震構造に関する技術が開示されている。この先行技術では、平面視で略四角形の建物内側に建物一側の外側壁に略平行な複数の内壁を並設して複数に区画し、建物下部と基礎構造との間に免震装置を設けてある。
【0004】
特許文献3には、杭及び柱等からなる建物の躯体構造に関する技術が開示されている。この先行技術では、地盤中に構築された複数の杭と、これらの杭間に架け渡して構築された地中梁と、杭上に構築された複数階分の第1の柱と、地中梁の上部に構築された第2の柱とを備えている。そして、第1の柱が建物の最上階まで通して構築され、第2の柱が建物の少なくとも最上階を残して構築され、第1の柱上部に屋根が架け渡して構築されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平11-36651号公報
【文献】特開2006-169765号公報
【文献】特開平6-248692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
下層階が駐車場の板状建物は、駐車場の車室と車路とを確保するために、ピロティ形式になることが多いが、ピロティ形式は下層階の剛性が低い。よって、下層階が駐車場の板状建物の耐震性能の向上に関して改善の余地がある。
【0007】
特許文献1、特許文献2及び特許文献3は、下層階が駐車場の板状建物の耐震性能の向上に関する技術は、開示されていない。
【0008】
本発明は、上記事実に鑑み、下層階が駐車場の板状建物の耐震性能を向上させることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第一態様は、上層階と、前記上層階の下の駐車場として利用される下層階と、を有する板状建物であって、梁間方向の両側に設けられると共に桁行方向に間隔をあけて並んで配置された複数の第一柱と、前記上層階の各層における梁間方向の前記第一柱間の構面に設けられると共に桁行方向に間隔をあけて並んで配置された複数の上層側耐震壁と、前記下層階における梁間方向の前記第一柱間の二箇所に設けられる複数の第二柱と、前記下層階の各層に設けられ、梁間方向の前記第二柱間が開口となるように、梁間方向の前記第一柱と前記第二柱との間の構面に設けられる複数の下層側耐震壁と、を備えた板状建物である。
【0010】
第一態様の板状建物では、下層階の駐車場における梁間方向の第一柱間の二箇所に第二柱を設け、梁間方向の第二柱間が開口となるように、第二柱間の構面に下層側耐震壁を設ける。これにより、下層階の各層の梁間方向の両側に桁行方向に間隔をあけて並んだ下層側耐震壁が設けられる。そして、梁間方向の第二柱間(下層側耐震壁間)の開口を車路として利用し、下層階の各層の桁行方向に間隔をあけて並んだ下層側耐震壁間を車室として利用する。
【0011】
このように板状建物の駐車場として利用する下層階に、車室と車路とを確保しつつ、下層側耐震壁が設けられるので、下層階の剛性が向上し、耐震性能が向上する。
【0012】
また、上層階の上層側耐震壁から下層階の下層側耐震壁に応力の伝達が行われるので、耐震性能が向上する。
【0013】
第二態様は、前記上層階と前記下層階との間には、前記第二柱を有するトレンチ階が設けられ、前記トレンチ階における梁間方向の前記第二柱間の構面及び前記第一柱と前記第二柱との間の構面には、それぞれ中間耐震壁が設けられている、第一態様に記載の板状建物である。
【0014】
第二態様の板状建物では、上層階の上層側耐震壁から第二柱を有するトレンチ階の中間耐震壁を介して下層側耐震壁への応力の伝達が効果的に行われるので、耐震性能が更に向上する。
【0015】
第三態様は、前記トレンチ階の前記中間耐震壁の壁厚は、前記上層側耐震壁及び前記下層側耐震壁の壁厚よりも大きい、第二態様に記載の板状建物である。
【0016】
第三態様の板状建物では、トレンチ階の中間耐震壁の壁厚を上層側耐震壁及び下層側耐震壁の壁厚よりも大きくすることで、上層階の上層側耐震壁からトレンチ階を介して下層側耐震壁への応力の伝達が更に効果的に行われ、その結果、耐震性能が更に向上する。
【0017】
第四態様は、前記下層階の最上層を除く前記第一柱は、前記上層階の前記第一柱よりも梁間方向外側に設けられ、前記トレンチ階及び前記下層階の前記最上層の前記第一柱は、下方に向かって梁間方向外側に傾斜した斜柱で構成されている、第二態様及び第三態様に記載の板状建物である。
【0018】
第四態様の板状建物では、トレンチ階及び下層階の最上層は、第一柱が、梁間方向外側に傾斜した斜柱で構成されているので、下層側耐震壁の梁間方向の壁長が長くなる。よって、下層階の剛性が更に向上し、耐震性能が更に向上する。
【0019】
第五態様は、前記第一柱及び前記第二柱は、それぞれ下端部同士が基礎梁で接合され、前記基礎梁を支持する杭は、前記第一柱の直下に設けられた第一杭と、梁間方向の前記第二柱間の中間部の直下に設けられた第二杭と、を有している、第一態様~第四態様のいずれか一態様に記載の板状建物である。
【0020】
第五態様の板状建物では、杭の総数を少なくすることで、第一杭にかかる長期荷重(鉛直荷重)が大きくなる。よって、地震時に第一杭に作用する引抜力に対する抵抗力が大きくなる。また、地震時に第一杭に作用する引抜力は、基礎梁の撓みによって低減される。更に、杭の総数を少なくすることで、施工コストが低減する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、下層階が駐車場の板状建物の耐震性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施形態の集合住宅の概略構造を示す斜視図である。
【
図2】
図1の集合住宅の概略構造を示す正面図である。
【
図3】
図1の集合住宅を模式的に示す正面図である。
【
図4】
図1の集合住宅の板状建物の下層階及び下屋部の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<実施形態>
本発明の一実施形態の板状建物について説明する。なお、水平方向の直交する二方向をX方向及びY方向とし、それぞれ矢印X及び矢印Yで示す。また、X方向及びY方向に直交する鉛直方向をZ方向とし、矢印Zで示す。なお、X方向が梁間方向であり、Y方向が桁行方向である。
【0024】
[構成]
まず、本実施形態の板状建物の構成について説明する。
【0025】
図1、
図2及び
図3に示すように、集合住宅10は、地盤G(
図2及び
図3参照)上に構築された板状建物100と下屋部50とで構成されている。板状建物100は、平面視における外形が長方形状とされ、全体として見ると板形状を成している。板状建物100は、居住階として利用される上層階110と、駐車場として利用される下層階140と、上層階110と下層階140との間に設けられた中間階の一例としてのトレンチ階160と、を備えている。上層階110は複数の層112で構成され、下層階140は複数の層142で構成されている。
【0026】
下屋部50は、板状建物100の下層階140の梁間方向の外側に設けられている。下屋部50は、下層階140と接続され、下層階140と一体となって自走式の駐車場及びスロープとして利用される(
図4も参照)。
【0027】
なお、本実施形態では、板状建物100は、鉄筋コンクリート造でラーメン構造の建物である。下屋部50は、鉄骨梁52及び鉄骨柱54で構成された鉄骨造でラーメン構造の構造物である。また、本実施形態では、板状建物100の下層階140と下屋部50とは剛接合されているが、これに限定されない。例えば、板状建物100の下層階140と下屋部50とは、エクスパンションジョイントで接続されていてもよい。
【0028】
図1及び
図2に示すように、板状建物100は、第一柱102、上層梁114、上層側耐震壁116、上層スラブ115(
図1参照)、第二柱104、下層梁144、下層側耐震壁146、下層スラブ145(
図1参照)、中間梁164、中間耐震壁166A、166B及び中間スラブ165(
図1参照)等で躯体が構成されている。
【0029】
第一柱102は、板状建物100における梁間方向の両側に設けられると共に桁行方向に間隔をあけて並んで配置されている。上層梁114は、上層階110における各層112の第一柱102(102A)間に架設されている。また、上層スラブ115(
図1参照)は、上層梁114に支持されている。なお、上層階110の最下層の床を構成する上層スラブ115(
図1参照)は、後述するトレンチ階160の上側の中間梁164に支持されている。
【0030】
本実施形態の第一柱102は、上部柱102A、下部柱102B及び中間柱102Cとで構成されている。上部柱102Aは、上層階110に設けられている。下部柱102Bは、最上層143を除く下層階140に設けられている。中間柱102Cは、トレンチ階160と下層階140の最上層143とに設けられている。下部柱102Bは、上部柱102Aよりも梁間方向外側に設けられている(
図4も参照)。そして、中間柱102Cは、下方に向かって梁間方向外側に傾斜した斜柱で構成されている。なお、上部柱102A、下部柱102B及び中間柱102Cを区別しない場合は、第一柱102と記す、或いは、第一柱102(102B)のように括弧書きで記す。
【0031】
上層側耐震壁116は、上層階110の各層112における梁間方向の第一柱102(102A)間の柱梁構面117に設けられると共に桁行方向に間隔をあけて並んで配置されている。
【0032】
第二柱104は、下層階140における梁間方向の第一柱102間の二箇所に設けられると共に桁行方向に間隔をあけて並んで配置されている。下層梁144は、下層階140における各層142の第一柱102間に架設されている。また、下層スラブ145(
図1参照)は、下層梁144に支持されている。
【0033】
下層側耐震壁146は、下層階140の各層142に設けられ、梁間方向の第二柱104間が開口150となるように、梁間方向の第一柱102と第二柱104との間の柱梁構面147に設けられると共に桁行方向に間隔をあけて配置されている(
図4も参照)。
【0034】
なお、前述したように、下層階140の最上層143の中間柱102Cは斜柱になっているので、下層側耐震壁146の梁間方向の外側の辺部は、斜めになっている。
【0035】
このような構造により、
図4に示すように、下層階140の各層142の梁間方向の両側に桁行方向に間隔をあけて並んだ下層側耐震壁146が設けられる(
図1及び
図2も参照)。
【0036】
そして、下層階140の各層142の梁間方向の第二柱104間、言い換えると下層側耐震壁146間の開口150を車路170として利用し、下層階140の各層142の梁間方向に両側の桁行方向の下層側耐震壁146間を車室172として利用する。なお、本実施形態では、下層側耐震壁146間には車室172A及び車室172Bの二台分の車室172が設けられている。また、駐車場における「車室」とは、車を停めるスペースのことを指す。
【0037】
図1、
図2及び
図3に示す中間階の一例としてのトレンチ階160では、居住階である上層階110の図示されてない各種の配管及び配線等が集約される。集約された配管及び配線等は、下層階140を通って地上に送られる。トレンチ階160には、第二柱104が設けられている。トレンチ階160の上下の中間梁164は、第一柱102(102C)間に架設されている。また、中間スラブ165(
図1参照)は、下側の中間梁164に支持されている。なお、前述したように、上層階110の最下層の床を構成する上層スラブ115(
図1参照)は、トレンチ階160の上側の中間梁164に支持されている。
【0038】
中間耐震壁166Aはトレンチ階160における第一柱102(102C)と第二柱104との間の柱梁構面167Aに設けられている。中間耐震壁166Bはトレンチ階160における梁間方向の第二柱104間の柱梁構面167Bに設けられている。また、中間耐震壁166A及び中間耐震壁166Bは、それぞれ桁行方向に間隔をあけて配置されている。
【0039】
なお、本実施形態におけるトレンチ階160の中間耐震壁166A、166Bの壁厚は、上層側耐震壁116及び下層側耐震壁146の壁厚よりも大きい。また、本実施形態におけるトレンチ階160の中間梁164は、上層梁114及び下層梁144よりも断面積が大きい。
【0040】
図2に示すように、第一柱102の下端部102D及び第二柱の下端部104Dは、基礎梁180で接合されている。基礎梁180は、平面視で格子状となっている。基礎梁180を支持する杭は、第一杭182及び第二杭184を有している。第一杭182は、基礎梁180における第一柱102の直下に接合さている。第二杭184は、基礎梁180における梁間方向の第二柱104間の中間部181の直下に接合されている。
【0041】
[作用及び効果]
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0042】
集合住宅10の板状建物100の下層階140における梁間方向の第一柱102間の二箇所に第二柱104を設け、梁間方向の第二柱104間が開口150となるように、第二柱104間の柱梁構面147に下層側耐震壁146を設ける。これにより、下層階140の各層142の梁間方向の両側に桁行方向に間隔をあけて並んだ下層側耐震壁146が設けられる。
【0043】
そして、梁間方向の第二柱104間(下層側耐震壁146間)の開口150を車路170として利用し、下層階140の各層142の桁行方向の下層側耐震壁146間を車室172として利用する。
【0044】
このように板状建物100の駐車場として利用する下層階140に、車室172と車路170とを確保しつつ、下層側耐震壁146が設けられるので、下層階140の剛性が向上し、板状建物100の耐震性能が向上する。
【0045】
また、本実施形態の板状建物100では、トレンチ階160及び下層階140の最上層143は、第一柱102の中間柱102Cが、梁間方向外側に傾斜した斜柱となっている。したがって、下層側耐震壁146の梁間方向の壁長が長くなるので、下層階140の剛性が更に向上し、耐震性能が更に向上する。
【0046】
また、上層階110の上層側耐震壁116から下層階140の下層側耐震壁146に応力が伝達されるので、耐震性能が向上する。
【0047】
また、本実施形態の板状建物100では、上層階110の上層側耐震壁116から第二柱104を有するトレンチ階160の中間耐震壁166A、166Bを介して下層側耐震壁146への応力の伝達が効果的に行われるので、耐震性能が更に向上する。
【0048】
更に、本実施形態では、中間耐震壁166A、166Bの壁厚は、上層側耐震壁116及び下層側耐震壁146の壁厚よりも大きい。よって、上層側耐震壁116からトレンチ階160を介して下層側耐震壁146への応力の伝達が更に効果的に行われるので、耐震性能が更に向上する。
【0049】
また、第一柱102の下端部102D及び第二柱104の下端部102Dとは、基礎梁180で接合され、基礎梁180を支持する杭は、第一柱102の直下に設けられた第一杭182と、梁間方向の第二柱104間の中間部181の直下に設けられた第二杭184と、を有している。
【0050】
このように、杭の総数を少なくすることで、第一杭182にかかる長期荷重(鉛直荷重)が大きくなる。よって、地震時に第一杭182に作用する引抜力に対する抵抗力が大きくなる。また、地震時に第一杭182に作用する引抜力は、基礎梁180の撓みによって低減される。更に、杭の総数を少なくすることで、施工コストが低減する。
【0051】
<その他>
尚、本発明は、上記実施形態に限定されない。
【0052】
例えば、集合住宅10は、板状建物100と下屋部50とで構成されていたが、これに限定されない。例えば、板状建物100の下層階140の駐車場内にスロープが確保できる構造及び一層のみ場合等は、下屋部50が設けられていなくてもよい。
【0053】
また、例えば、本実施形態では、板状建物100の上層階110は、居住階であったが、これに限定されない。例えば、上層階110はオフィス階及びホテル階等であってもよい。また、本実施形態の板状建物100の下層階140は、四層構造であったが、これに限定されない。五層以上であってよいし、三層以下であってもよい。
【0054】
更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。複数の実施形態及び変形例等は、適宜、組み合わされて実施可能である。
【符号の説明】
【0055】
10 集合住宅
50 下屋部
100 板状建物
102 第一柱
102A 上部柱(上層階の第一柱)
102B 下部柱(下層階の最上層を除く第一柱)
102C 中間柱(トレンチ階及び下層階の最上層の第一柱)
102D 下端部
104 第二柱
104D 下端部
110 上層階
112 層
116 上層側耐震壁
117 柱梁構面
140 下層階
142 層
143 最上層
146 下層側耐震壁
147 柱梁構面
150 開口
160 トレンチ階
166A 中間耐震壁
166B 中間耐震壁
170 車路
172 車室
180 基礎梁
181 中間部
182 第一杭
184 第二杭