(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-31
(54)【発明の名称】表示システム、プログラムおよび表示システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
E02F 9/26 20060101AFI20240122BHJP
【FI】
E02F9/26 B
(21)【出願番号】P 2020067663
(22)【出願日】2020-04-03
【審査請求日】2023-03-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竃門 光彦
(72)【発明者】
【氏名】蔭山 明宏
(72)【発明者】
【氏名】久 隼人
(72)【発明者】
【氏名】小原 暢
【審査官】湯本 照基
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-157600(JP,A)
【文献】国際公開第2019/124549(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/031509(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/030266(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
掘削具の一部の傾斜を示す第1図形と目標地形の傾斜を示す第2図形との相対関係を表す第3図形を前記表示部に表示するコントローラと、
を備え
、
前記コントローラは、前記第1図形が示す傾斜に沿う第1直線と、前記第2図形が示す傾斜に沿う第2直線とを、前記表示部における固定された点座標を通過するように設定する、表示システム。
【請求項2】
前記第3図形は、前記第1図形と前記第2図形とを繋ぐ図形である、請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
前記コントローラは、バケットの底面の傾斜を示す図形を前記第1図形とする、請求項1または請求項2に記載の表示システム。
【請求項4】
前記コントローラは、バケットの刃先の傾斜を示す図形を前記第1図形とする、請求項1または請求項2に記載の表示システム。
【請求項5】
表示部と、
掘削具の一部の傾斜を示す第1図形と目標地形の傾斜を示す第2図形との相対関係を表す第3図形を前記表示部に表示するコントローラと、
を備え、
前記コントローラは、所定箇所を中心とした円に沿って前記第3図形を前記表示部に表示する
、表示システム。
【請求項6】
前記第3図形は、前記第1図形と前記第2図形とを繋ぐ図形である、請求項5に記載の表示システム。
【請求項7】
前記コントローラは、バケットの底面の傾斜を示す図形を前記第1図形とする、請求項5または請求項6に記載の表示システム。
【請求項8】
前記コントローラは、バケットの刃先の傾斜を示す図形を前記第1図形とする、請求項5または請求項6に記載の表示システム。
【請求項9】
前記コントローラは、前記掘削具の画像を表示し、かつ前記所定箇所として前記掘削具の画像における所定部を中心とした円に沿って前記第3図形を前記表示部に表示する、請求項
5に記載の表示システム。
【請求項10】
前記コントローラは、前記掘削具の画像の周囲を囲むように前記円を表示する、請求項
9に記載の表示システム。
【請求項11】
前記コントローラは、前記掘削具を有する作業機械の画像を表示し、かつ前記所定箇所として前記作業機械の画像における所定部を中心とした円に沿って前記第3図形を前記表示部に表示する、請求項
5に記載の表示システム。
【請求項12】
前記コントローラは、前記作業機械の画像における前記所定部として前記作業機械の機械本体の画像を中心とした円に沿って前記第3図形を前記表示部に表示する、請求項
11に記載の表示システム。
【請求項13】
前記コントローラは、前記機械本体の画像の周囲を囲むように前記円を表示する、請求項
12に記載の表示システム。
【請求項14】
前記コントローラは、前記円の中心として、前記掘削具の画像の所定部と作業機械の画像の所定部とを含む複数の候補から選択可能である、請求項
5に記載の表示システム。
【請求項15】
表示部と、
バケットの側面視において前記バケットの底面から延長された直線である第1図形と目標地形の傾斜を示す第2図形と
を表示するコントローラと、
を備え
、
前記コントローラは、前記第1図形が示す傾斜に沿う第1直線と、前記第2図形が示す傾斜に沿う第2直線とを、前記表示部における固定された点座標を通過するように設定する、表示システム。
【請求項16】
掘削具の一部の傾斜を示す第1図形を生成するステップと、
目標地形の傾斜を示す第2図形を生成するステップと、
前記第1図形と前記第2図形との相対関係を表す第3図形を生成するステップと、
前記第3図形を表示部に表示するステップとを、コントローラのプロセッサに実行させ
、
前記コントローラは、前記第1図形が示す傾斜に沿う第1直線と、前記第2図形が示す傾斜に沿う第2直線とを、前記表示部における固定された点座標を通過するように設定する、プログラム。
【請求項17】
掘削具の一部の傾斜を示す第1図形を生成するステップと、
目標地形の傾斜を示す第2図形を生成するステップと、
前記第1図形と前記第2図形との相対関係を表す第3図形を生成するステップと、
前記第3図形を表示部に表示するステップと、
を備え
、
前記第1図形が示す傾斜に沿う第1直線と、前記第2図形が示す傾斜に沿う第2直線とを、前記表示部における固定された点座標を通過するように設定する、表示システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示システム、プログラムおよび表示システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベルにおいては、オペレータが操作レバーを操作することにより、バケットを含む作業機が駆動される。このときオペレータが作業機の動きと現況地形とを目視だけで確認しながら目標施工地形となるように掘削を行うことは困難である。そこでオペレータの操作を支援する技術が必要となる。
【0003】
たとえば国際公開第2015/030266号(特許文献1)には、オペレータに対して施工状態に関する情報を提供する作業機械の表示システムが開示されている。この表示システムにおいては、バケットの側面図が目標施工地形の画像とともに表示部に表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
作業機械を用いて掘削操作を行うオペレータを支援するために、目標地形と掘削具との位置関係を視覚的により理解しやすく提供することが望まれている。
【0006】
本開示の目的は、目標地形と掘削具との位置関係を視覚的により理解しやすく提供できる表示システム、プログラムおよび表示システムの制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一の表示システムは、表示部と、コントローラとを備える。コントローラは、掘削具の一部の傾斜を示す第1図形と目標地形の傾斜を示す第2図形との相対関係を表す第3図形を表示部に表示する。
【0008】
本開示の他の表示システムは、表示部と、コントローラとを備える。コントローラは、バケットの側面視においてバケットの底面から延長された直線である第1図形と目標地形の傾斜を示す第2図形と表示する。
【0009】
本開示のプログラムは、掘削具の一部の傾斜を示す第1図形を生成するステップと、目標地形の傾斜を示す第2図形を生成するステップと、第1図形と第2図形との相対関係を表す第3図形を生成するステップと、第3図形を表示部に表示するステップとを、コントローラのプロセッサに実行させる。
【0010】
本開示の表示システムの制御方法は、以下のステップを備える。
【0011】
掘削具の一部の傾斜を示す第1図形が生成される。目標地形の傾斜を示す第2図形が生成される。第1図形と第2図形との相対関係を表す第3図形が生成される。第3図形が表示部に表示される。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、目標地形と掘削具との位置関係を視覚的により理解しやすく提供できる表示システム、プログラムおよび表示システムの制御方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】一実施形態における作業機械の例として油圧ショベルの構成を示す斜視図である。
【
図4】一実施形態における表示システムが有する制御系を示すブロック図である。
【
図5】目標施工地形と目標地形を説明するための図である。
【
図6】表示部に表示される支援画面の第1例として、油圧ショベルの側面視においてバケットを中心として支援画像が表示された画像を示す図である。
【
図7】表示部に表示される支援画面の第2例として、油圧ショベルを操作するオペレータからバケットと目標地形とを見た視点における画像を示す図である。
【
図8】表示部に表示される支援画面の第3例として、油圧ショベルの側面視において車体を中心として支援画像が表示された画像を示す図である。
【
図9】支援画像を生成する方法をステップ順に示す図(A)~(E)である。
【
図10】
図9のステップに続いて、油圧ショベルの側面視における支援画像を生成する方法をステップ順に示す図(A)~(E)である。
【
図11】
図9のステップに続いて、油圧ショベルを操作するオペレータからバケットと目標地形とを見た視点における支援画像を生成する方法をステップ順に示す図(A)~(E)である。
【
図12】一実施形態における表示システムの制御方法を示すフロー図である。
【
図13】表示部に表示される支援画面の変形例として、油圧ショベルの側面視においてバケット底面の延長線を示す支援画像が表示された画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、明細書および図面において、同一の構成要素または対応する構成要素には、同一の符号を付し、重複する説明を繰り返さない。また、図面では、説明の便宜上、構成を省略または簡略化している場合もある。また、各実施形態と各変形例との少なくとも一部は、互いに任意に組み合わされてもよい。
【0015】
<作業機械の全体構成>
本開示の思想を適用可能な作業機械の一例として油圧ショベルの構成について
図1を用いて説明する。なお本開示は以下の油圧ショベル以外の掘削具を有する作業機械にも適用可能である。
【0016】
以下の説明において前後方向とは、
図1における運転室4内の運転席4Sに着座したオペレータの前後方向である。運転席4Sに着座したオペレータに正対する方向が前方向であり、運転席4Sに着座したオペレータの背後方向が後方向である。左右方向とは、運転席4Sに着座したオペレータの左右方向である。運転席4Sに着座したオペレータが正面に正対したときの右側、左側がそれぞれ右方向、左方向である。上下方向とは、前後方向および左右方向によって定められる平面に直交する方向である。上下方向において地面のある側が下側、空のある側が上側である。
【0017】
図1は、一実施形態における作業機械の例として油圧ショベルの構成を示す斜視図である。
図2および
図3のそれぞれは、油圧ショベルの側面図および背面図である。
【0018】
図1に示されるように、本実施形態における作業機械としての油圧ショベル100は、機械本体1と、作業機2とを有する。機械本体1は、旋回体3と、走行装置5とを有する。旋回体3は、機械室3EGの内部に、図示しない動力発生装置および油圧ポンプなどの装置を収容している。機械室3EGは、旋回体3の後端側に配置されている。
【0019】
油圧ショベル100は、たとえばディーゼルエンジンなどの内燃機関を動力発生装置として有しているが、油圧ショベル100はこのようなものに限定されない。油圧ショベル100は、たとえば内燃機関と発電電動機と蓄電装置とを組み合わせた、いわゆるハイブリッド方式の動力発生装置を有するものであってもよい。
【0020】
旋回体3は、運転室4を有する。運転室4は、旋回体3の前端側に載置されている。運転室4は、機械室3EGが配置されている側とは反対側に配置されている。運転室4内には、表示入力装置38および操作装置25(
図4)が配置される。これらについては後述する。
【0021】
旋回体3の下には、走行装置5が配置されている。走行装置5は、履帯5a、5bを有している。走行装置5は、油圧モータ5cが履帯5a、5bを回転駆動させることにより油圧ショベル100を走行させる。油圧ショベル100は、履帯5a、5bの代わりにタイヤを有していてもよく、ホイール式油圧ショベルであってもよい。
【0022】
旋回体3の上には、手すり9が設けられている。手すり9には、RTK-GNSS(Real Time Kinematic-Global Navigation Satellite Systems)用の2個のGNSSアンテナ21、22が着脱可能に取り付けられている。
【0023】
GNSSアンテナ21、22は、たとえば機械本体座標系[Xa、Ya、Za]のYa軸と平行な軸線に沿って互いに一定距離だけ離して設置される。GNSSアンテナ21、22は、機械本体座標系[Xa、Ya、Za]のXa軸と平行な軸線に沿って互いに一定距離だけ離して設置されてもよい。
【0024】
GNSSアンテナ21、22は、油圧ショベル100の現在位置の検出精度向上の観点から、可能な限り互いに離れた位置に設置されることが好ましい。また、GNSSアンテナ21、22は、オペレータの視界を極力妨げない位置に設置されることが好ましい。GNSSアンテナ21、22は、旋回体3の上であって、カウンタウエイト3CWまたは運転室4の後方に設置されてもよい。
【0025】
作業機2は、旋回体3の運転室4の側方側に取り付けられている。作業機2は、ブーム6と、アーム7と、バケット8(掘削具)と、ブームシリンダ10と、アームシリンダ11と、バケットシリンダ12とを有する。ブーム6の基端部は、ブームピン13を介して機械本体1の前部に回動可能に取り付けられている。アーム7の基端部は、アームピン14を介してブーム6の先端部に回動可能に取り付けられている。アーム7の先端部には、バケットピン15を介してバケット8が取り付けられている。
【0026】
バケット8は、複数の刃8Bを有する。複数の刃8Bは、バケット8のバケットピン15が取り付けられる側とは反対側の端部に取り付けられている。複数の刃8Bは、バケット8のバケットピン15が取り付けられる側から最も離れた端部に取り付けられている。複数の刃8Bは、バケットピン15と平行な方向に、1列に配列されている。刃先8Tは、刃8Bの先端部である。刃先8Tは、作業機2が掘削力を発生するバケット8の先端である。複数の刃先8Tを結んだ直線と平行な方向が、バケット8の幅方向である。バケット8の幅方向は、旋回体3の幅方向、すなわち旋回体3の左右方向と一致する。
【0027】
バケット8は、ピン16を介してバケットシリンダ12と連結されている。バケット8は、バケットシリンダ12が伸縮することにより回動する。バケット8は、アーム7の延在方向と直交する軸を中心として回動する。ブームピン13、アームピン14およびバケットピン15は、互いに平行な位置関係に配置されている。すなわち、それぞれのピンの中心軸線は、互いに平行な位置関係になっている。
【0028】
ブームシリンダ10、アームシリンダ11およびバケットシリンダ12の各々は油圧シリンダである。ブームシリンダ10、アームシリンダ11およびバケットシリンダ12の各々は、作動油の圧力または流量に応じて伸縮と速度とを調整されて動作する。
【0029】
ブームシリンダ10はブーム6を動作させるものであり、ブームピン13の中心軸を中心としてブーム6を上下に回動させる。アームシリンダ11は、アーム7を動作させるものであり、アームピン14の中心軸を中心としてアーム7を回動させる。バケットシリンダ12は、バケット8を動作させるものであり、バケットピン15の中心軸を中心としてバケット8を回動させる。
【0030】
作業機械100の掘削具はバケット8に限定されず、ブレーカなどの他の掘削具であってもよい。
【0031】
図2に示されるように、ブーム6の長さ(ブームピン13の中心軸線からアームピン14の中心軸線までの長さ)はL1である。アーム7の長さ(アームピン14の中心軸線からバケットピン15の中心軸線AX1までの長さ)はL2である。バケット8の長さ(バケットピン15の中心軸線AX1から刃先8Tまでの長さ)はL3である。バケット8の長さは、バケットピン15の中心軸線AX1と直交し、バケット8の刃先8Tを通る軸線AX3に沿った長さである。
【0032】
ブーム6にはIMU(Inertial Measurement Unit)18Aが配置されている。アーム7にはIMU18Bが配置されている。バケット8にはIMU18Cが配置されている。IMU18A、18B、18Cの各々は、作業機2の姿勢を検出する作業機姿勢センサである。IMU18A、18B、18Cの各々は、3軸の角度(または角速度)と加速度とを検出する。
【0033】
IMU18A、18B、18Cにより検出された3軸の角度(または角速度)と加速度とにより、ブーム6、アーム7、バケット8の各々の姿勢を検出することができる。具体的にはIMU18Aにより検出された3軸の角度(または角速度)と加速度とにより、後述する機械本体座標系のZa軸に対するブーム6の傾斜角度θ1を算出することができる。IMU18Bにより検出された3軸の角度(または角速度)と加速度とにより、ブーム6に対するアーム7の傾斜角度θ2を算出することができる。IMU18Cにより検出された3軸の角度(または角速度)と加速度とにより、アーム7に対するバケット8の傾斜角度θ3を算出することができる。
【0034】
作業機姿勢センサは、IMUに限定されず、ストロークセンサ、ポテンショメータ、撮像装置などであってもよい。また作業機姿勢センサは、
図4に示される油圧センサ37SBM、37SBK、37SAMであってもよい。
【0035】
機械本体1は、位置検出部19を有する。位置検出部19は、油圧ショベル100の現在位置を検出する。位置検出部19は、GNSSアンテナ21、22と、傾斜角度センサ24と、コントローラ39とを含む。位置検出部19は、3次元位置センサを含んでいてもよい。
【0036】
旋回体3および作業機2は、所定の旋回中心軸を中心として走行装置5に対して回動する。機械本体座標系[Xa、Ya、Za]は、機械本体1の座標系である。本実施形態において、機械本体座標系[Xa、Ya、Za]は、作業機2などの旋回中心軸をZa軸とし、Za軸と直交し、かつ作業機2の動作平面と平行な軸をXa軸とし、Za軸とXa軸とに直交する軸をYa軸とする。作業機2の動作平面とは、たとえば、ブームピン13と直交する平面である。Xa軸は旋回体3の前後方向に対応し、Ya軸は旋回体3の幅方向に対応する。
【0037】
GNSSアンテナ21、22で受信されたGNSS電波に応じた信号は、コントローラ39に入力される。GNSSアンテナ21は、自身の設置位置を示す基準位置データP1を測位衛星から受信する。GNSSアンテナ22は、自身の設置位置を示す基準位置データP2を測位衛星から受信する。GNSSアンテナ21、22は、たとえば10Hz周期で基準位置データP1、P2を受信する。基準位置データP1、P2は、GNSSアンテナが設置されている位置の情報である。GNSSアンテナ21、22は、基準位置データP1、P2を受信する毎に、コントローラ39に出力する。
【0038】
図3に示されるように、傾斜角度センサ24は、旋回体3に取り付けられている。傾斜角度センサ24は、重力の作用する方向、すなわち鉛直方向Ngに対する機械本体1の幅方向の傾斜角度θ4を検出する。傾斜角度センサ24は、たとえばIMUであってもよい。
【0039】
IMU18A、18B、18Cと、GNSSアンテナ21、22と、傾斜角度センサ24と、表示入力装置38と、コントローラ39とは、後付けキットとして油圧ショベル100に追加されてもよい。以下においては、上記後付けキットを搭載する油圧ショベルを油圧ショベル100と表記し、上記後付けキットを搭載しない油圧ショベルを油圧ショベル100aと表記する。
【0040】
<表示システム>
次に、本実施形態における表示システムについて
図4および
図5を用いて説明する。本実施形態においては、表示システムの一例として、油圧ショベル100aに後付けキット100bが後から搭載された場合の表示システムについて説明する。
【0041】
ただし本開示の表示システムは、油圧ショベル100aの販売後に後付けキット100bが油圧ショベル100aに後付けされる場合のみならず、油圧ショベル100の販売当初から後付けキット100bが油圧ショベル100aに搭載されている場合も含む。
【0042】
図4は、一実施形態における表示システムが有する制御系を示すブロック図である。
図5は、目標施工地形と目標地形を説明するための図である。
図4に示されるように、本実施形態の表示システム101は、油圧ショベル100を用いた掘削の際に
図5に示す目標施工地形に施工するための情報をオペレータに提供し、オペレータの操作を支援するためのシステムである。表示システム101は、油圧ショベル100aと、後付けキット100bと、サーバ40とを有する。
【0043】
油圧ショベル100aは、操作装置25と、作業機用電子制御装置26と、作業機械制御装置27と、油圧ポンプ47とを有する。
【0044】
操作装置25は、作業機2(
図1)の動作と油圧ショベル100aの走行とを操作するための装置である。操作装置25は、作業機操作部材31L、31Rと、走行操作部材33L、33Rと、作業機操作検出部32L、32Rと、走行操作検出部34L、34Rとを有する。作業機操作部材31L、31Rおよび走行操作部材33L、33Rは、たとえばパイロット圧方式のレバーであるが、これに限定されない。作業機操作部材31L、31Rおよび走行操作部材33L、33Rは、たとえば電気方式のレバーであってもよい。
【0045】
作業機操作検出部32L、32Rは、操作部としての作業機操作部材31L、31Rに対する入力を検出する操作検出部として機能する。走行操作検出部34L、34Rは、操作部としての走行操作部材33L、33Rに対する入力を検出する操作検出部として機能する。
【0046】
作業機械制御装置27は、油圧制御弁などを備えた油圧機器である。作業機械制御装置27は、操作装置25における操作に基づいて、ブームシリンダ10、アームシリンダ11、バケットシリンダ12、旋回モータおよび油圧モータ5cを駆動制御する。
【0047】
作業機械制御装置27は、走行用制御弁37Dと、作業用制御弁37Wとを有する。走行用制御弁37Dおよび作業用制御弁37Wの各々は、たとえば比例制御弁である。走行用制御弁37Dは、走行操作検出部34L、34Rからのパイロット圧によって制御される。作業用制御弁37Wは、作業機操作検出部32L、32Rからのパイロット圧によって制御される。
【0048】
作業機械制御装置27は、油圧センサ37Slf、37Slb、37Srf、37Srbを有する。油圧センサ37Slf、37Slb、37Srf、37Srbの各々は、走行用制御弁37Dに供給されるパイロット圧の大きさを検出して対応する電気信号を生成する。油圧センサ37Slf、37Slb、37Srf、37Srbは、操作部としての走行操作部材33L、33Rに対する入力を検出する操作検出部として機能する。
【0049】
油圧センサ37Slfは左前進のパイロット圧を検出する。油圧センサ37Slbは左後進のパイロット圧を検出する。油圧センサ37Srfは右前進のパイロット圧を検出する。油圧センサ37Srbは右後進のパイロット圧を検出する。
【0050】
オペレータが走行操作部材33L、33Rを操作すると、それらの操作に応じて発生したパイロット圧に対応した流量の作動油が走行用制御弁37Dから流出する。走行用制御弁37Dから流出した作動油は、走行装置5の油圧モータ5cに供給される。これにより履帯5a、5bが回転駆動する。
【0051】
作業機械制御装置27は、油圧センサ37SBM、37SBK、37SAM、37SRMを有する。油圧センサ37SBM、37SBK、37SAM、37SRMの各々は、作業用制御弁37Wに供給されるパイロット圧の大きさを検出して対応する電気信号を生成する。油圧センサ37SBM、37SBK、37SAM、37SRMは、操作部としての作業機操作部材31L、31Rに対する入力を検出する操作検出部として機能する。
【0052】
油圧センサ37SBMはブームシリンダ10に対応するパイロット圧を検出する。油圧センサ37SAMはアームシリンダ11に対応するパイロット圧を検出する。油圧センサ37SBKはバケットシリンダ12に対応するパイロット圧を検出する。油圧センサ37SRMは旋回モータに対応するパイロット圧を検出する。
【0053】
オペレータが作業機操作部材31L、31Rを操作すると、それらの操作に応じて発生したパイロット圧に対応した流量の作動油が作業用制御弁37Wから流出する。作業用制御弁37Wから流出した作動油は、ブームシリンダ10、アームシリンダ11、バケットシリンダ12および旋回モータの少なくとも1つに供給される。これにより各シリンダ10、11、12は伸縮動作し、旋回モータは旋回駆動する。
【0054】
作業機用電子制御装置26は、作業機械制御装置27によって生成されたパイロット圧の大きさを示す電気信号を取得する。作業機用電子制御装置26は、取得した電気信号に基づいてエンジン、油圧ポンプを制御する。また作業機用電子制御装置26は、取得した電気信号を後述する支援画面の生成のためにコントローラ39へ出力する。たとえば作業機姿勢センサとして油圧センサ37SBM、37SBK、37SAMを用いる場合には、作業機用電子制御装置26は、取得した油圧センサ37SBM、37SBK、37SAMの電気信号をコントローラ39へ出力する。このように操作指令信号に基づいて作業機2の姿勢が検出されてもよい。
【0055】
なおコントローラ39と作業機用電子制御装置26とは、無線または有線の通信手段を介して互いに通信可能となっている。
【0056】
なお作業機操作部材31L、31Rおよび走行操作部材33L、33Rは電気方式のレバーであってもよい。この場合、作業機用電子制御装置26は、作業機操作部材31L、31Rまたは走行操作部材33L、33Rの操作に応じて作業機2、旋回体3または走行装置5を動作させるための制御信号を生成する。作業機用電子制御装置26は、生成した制御信号を作業機械制御装置27およびコントローラ39に出力する。
【0057】
作業機用電子制御装置26からの制御信号に基づいて、作業機械制御装置27の作業用制御弁37Wおよび走行用制御弁37Dが制御される。作業機用電子制御装置26からの制御信号に応じた流量の作動油が作業用制御弁37Wから流出し、ブームシリンダ10、アームシリンダ11およびバケットシリンダ12の少なくとも1つに供給される。これにより作業機2が動作する。また作業機用電子制御装置26からの制御信号に応じた流量の作動油が走行用制御弁37Dから流出し、油圧モータ5cに供給される。これにより走行装置5が動作する。
【0058】
作業機用電子制御装置26は、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)の少なくとも一方を含む作業機側記憶部35およびCPU(Central Processing Unit)などの演算部36を有している。作業機用電子制御装置26は、主として作業機2および旋回体3の動作を制御する。作業機側記憶部35には、作業機2を制御するためのコンピュータプログラムなどの情報が記憶されている。
【0059】
作業機用電子制御装置26とコントローラ39とは、互いに分離されているが、このような形態に限定されない。作業機用電子制御装置26とコントローラ39とが分離されずに一体とされた制御装置であってもよい。
【0060】
後付けキット100bは、表示システム101を実現するために油圧ショベル100に搭載される。後付けキット100bは、作業機姿勢センサ18A、18B、18Cと、GNSSアンテナ21、22と、傾斜角度センサ24と、表示入力装置38と、コントローラ39とを有する。
【0061】
コントローラ39は、表示システム101の各種の機能を実行する。コントローラ39は、記憶部43と、処理部44とを有する。記憶部43は、RAMおよびROMの少なくとも一方を含む。処理部44はCPUなどを含む。
【0062】
記憶部43は、作業機データを記憶している。作業機データは、ブーム6の長さL1、アーム7の長さL2、バケット8の長さL3などを含む。バケット8が交換された場合、作業機データとしてのバケット8の長さL3は、交換されたバケット8の寸法に応じた値が入力部41から入力され記憶部43に記憶される。
【0063】
作業機データは、ブーム6の傾斜角度θ1と、アーム7の傾斜角度θ2と、バケット8の傾斜角度θ3とのそれぞれの最小値および最大値を含む。記憶部43には、画像表示用のコンピュータプログラム(以下、「画像表示用プログラム」と称する)、機械本体座標系の座標の情報などが記憶されている。
【0064】
画像表示用プログラムは、記憶部43に記憶されておらず、サーバ40に記憶されていてもよい。サーバ40は、たとえばインターネット回線を通じてコントローラ39に接続されている。この場合、油圧ショベル100を操作するオペレータの要求に応じて、コントローラ39がサーバ40にアクセスし、サーバ40に記憶された画像表示用プログラムを実行する。そして、その実行の結果である画像がインターネット回線を通じて表示部42に表示される。
【0065】
サーバ40からインターネット回線を通じてGNSS補正情報がコントローラ39に送信されてもよい。またコントローラ39からインターネット回線を通じて油圧ショベル100による施工履歴がサーバ40に送信されてもよい。
【0066】
記憶部43は、予め作成された目標施工地形データを記憶している。目標施工地形データは、3次元の目標施工地形の形状および位置に関する情報である。
【0067】
図5に示されるように、目標施工地形は作業対象となる地面の目標形状を示す。目標施工地形は、三角形ポリゴンによってそれぞれ表現される複数の設計面71によって構成されている。
【0068】
作業対象は、これらの設計面71のうち1つまたは複数である。オペレータは、これらの設計面71のうち1つまたは複数を目標地形70として選択する。目標地形70は、複数の設計面71のうち、これから掘削される面である。目標地形70は、施工対象の目標形状を示す。
【0069】
図4に示されるように、処理部44は、記憶部43またはサーバ40に記憶された画像表示用プログラムを読み出して実行する。これにより処理部44は、支援画面を表示部42に表示させる。この支援画面は、掘削中のバケット8と目標地形70との位置関係に関する情報を含む。また支援画面は、油圧ショベル100のオペレータにバケット8の操作を支援するためのバケット8の姿勢情報を含む。
【0070】
コントローラ39は、GNSSアンテナ21、22から、グローバル座標系で表される2つの基準位置データP1、P2(複数の基準位置データ)を取得する。コントローラ39は、2つの基準位置データP1、P2に基づいて、旋回体3の配置を示す旋回体配置データを生成する。
【0071】
旋回体配置データには、2つの基準位置データP1、P2の一方の基準位置データPと、2つの基準位置データP1、P2に基づいて生成された旋回体方位データQとが含まれる。旋回体方位データQは、GNSSアンテナ21、22が取得した基準位置データPから決定される方位が、グローバル座標の基準方位(たとえば北)に対してなす角に基づいて決定される。
【0072】
旋回体方位データQは、旋回体3が向いている方向(作業機2が向いている方位)を示している。コントローラ39は、たとえば10Hzの周波数でGNSSアンテナ21、22から2つの基準位置データP1、P2を取得する毎に、旋回体配置データ、すなわち基準位置データPと旋回体方位データQとを更新する。
【0073】
コントローラ39は、IMU18A、18B、18Cから、ブーム6、アーム7およびバケット8の検出情報を取得する。コントローラ39は、IMU18A、18B、18Cの検出情報に基づいて、作業機2の姿勢を算出する。具体的にはコントローラ39は、IMU18Aの検出情報に基づいてブーム6の傾斜角度θ1を算出し、IMU18Bの検出情報に基づいてアーム7の傾斜角度θ2を算出し、IMU18Cの検出情報に基づいてバケット8の傾斜角度θ3を算出する。
【0074】
なお作業機姿勢センサとして油圧センサ37SBM、37SBK、37SAMが用いられる場合には、後付けキット100bから作業機姿勢センサ18A、18B、18Cが省略されてもよい。作業機姿勢センサとして油圧センサ37SBM、37SBK、37SAMが用いられる場合、コントローラ39の処理部44は、油圧センサ37SBM、37SBK、37SAMにより検出されたパイロット圧の大きさを示す電気信号に基づいて各傾斜角度θ1、θ2、θ3を算出する。
【0075】
コントローラ39は、傾斜角度センサ24から、機械本体1の傾斜情報を取得する。この傾斜情報は、
図3に示されるように、鉛直方向Ngに対する機械本体1の幅方向の傾斜角度θ4である。
【0076】
上記によりコントローラ39の処理部44は、目標地形に対する油圧ショベル100の相対的な位置と、作業機2の姿勢とを算出することができる。これにより処理部44は、掘削中のバケット8と目標地形との位置関係に関する情報、オペレータにバケット8の操作を案内するための姿勢情報などを表示部42に表示することができる。
【0077】
表示入力装置38は、入力部41と、表示部42と、記憶部45とを有する。入力部41は、たとえばボタン、キーボード、タッチパネルまたはこれらの組合せである。表示部42は、たとえばLCD(Liquid Crystal Display)または有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイである。記憶部45は、たとえば画像表示用プログラムを読み出して実行するためのアプリ(ソフトウエア)を記憶している。
【0078】
表示入力装置38は、コントローラ39と無線または有線で接続されている。表示入力装置38とコントローラ39とは、たとえばWi-Fi(登録商標)、BLUETOOTH(登録商標)、Wi-SUN(登録商標)などにより無線で接続されている。
【0079】
表示入力装置38は、上述の後付けキットに含まれていなくてもよい。この場合、ユーザが自己の情報携帯端末(スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータなど)を表示入力装置38として代用してもよい。また油圧ショベル100に既設の表示装置が表示入力装置38として代用されてもよい。
【0080】
表示入力装置38は、作業機2を用いた掘削を行うための情報をオペレータに提供するための支援画面を表示する。また、支援画面には、各種のキーが表示される。操作者としてのオペレータは、支援画面上の各種のキーに触れることにより、表示システム101の各種の機能を実行させることができる。支援画面については後述する。
【0081】
<支援画面>
次に、本実施形態における表示システムにおいて表示部42に表示される支援画面の第1例~第3例について
図6~
図8を用いて説明する。
【0082】
図6は、表示部に表示される支援画面の第1例として、油圧ショベルの側面視においてバケットを中心として支援画像が表示された画像を示す図である。
図7は、表示部に表示される支援画面の第2例として、油圧ショベルを操作するオペレータからバケットと目標地形とを見た視点における画像を示す図である。
図8は、表示部に表示される支援画面の第3例として、油圧ショベルの側面視において車体を中心として支援画像が表示された画像を示す図である。
【0083】
図6に示されるように、支援画面の第1例は、作業機械の画像100Gと、目標施工地形の画像79と、支援画像50とを含む。作業機械画像100Gは、作業機械の側面視の画像(作業機械の側面から見た画像)である。作業機械画像100Gは、バケット(掘削具)の画像8Gを含む。目標施工地形の画像79は、目標地形70を含む。
【0084】
支援画像50は、第1図形51と、第2図形52と、第3図形53とを含む。第1図形51は、バケット8の一部の傾斜を示す。第1図形51は、たとえばバケットの底面8BTの傾斜を示す図形である。第1図形51は、側面視においてバケットの底面8BTに沿う仮想の直線上に位置する。
【0085】
第1図形51は、たとえば直線51aおよびホームベース形状(五角形状)の図形51bの双方および一方である。直線51aは、バケットの底面8BTを通り、かつバケットの底面8BTに沿う仮想の直線に重畳する直線である。ホームベース形状の図形51bにおける角部51btは、バケットの底面8BTを通り、かつバケットの底面8BTに沿う仮想の直線上に位置している。図形51bは、バケットの底面8BTの傾斜を特定できれば、三角形などの多角形状であってもよく、円、楕円などの円形状であってもよい。
【0086】
第2図形52は、目標地形70の傾斜を示す。第2図形52は、たとえば直線52aおよび三角形状の図形52bの双方および一方である。直線52aは、目標地形70に平行な仮想の直線に重畳する直線である。三角形状の図形52bにおける角部52btは、目標地形70に平行な仮想の直線上に位置している。図形52bは、目標地形70の傾斜を特定できれば、三角形以外の多角形状であってもよく、円、楕円などの円形状であってもよい。
【0087】
第3図形53は、図中ハッチングが付された領域である。第3図形53は、第1図形51と第2図形52との相対関係を表す図形である。たとえば第3図形53は、第1図形51と第2図形52とを繋ぐ図形である。第3図形53は、第1図形51と第2図形52との間を途切れなく連続的に繋いでいる。第3図形53は、たとえば帯状に延びて第1図形51と第2図形52とを繋いでいる。
【0088】
第1図形51が示す傾斜に沿う仮想の直線(第1直線)と、第2図形52が示す傾斜に沿う仮想の直線(第2直線)とは、表示部42における固定された同じ点座標を通過する。第1図形51が示す傾斜に沿う仮想の直線と、第2図形52が示す傾斜に沿う仮想の直線との双方は、たとえば側面視におけるバケット画像8Gの刃先8TG(画面上における刃先8Tの画像を意味する)を通過する。
【0089】
支援画像50は、たとえば支援画面中における所定箇所を中心とした円環の画像50Cを有する。支援画像50に含まれる円環画像50Cは、上記所定箇所としてたとえば側面視におけるバケット画像8Gの刃先8TG(所定部)を中心とする円周に沿っている。
【0090】
円環画像50Cは、長い帯を曲げて丸くした画像である。円環画像50Cの帯の中に、第1図形51の直線51aと、第2図形52の直線52aとが示されている。直線51aと直線52aとの各々は、支援画像50に含まれる円環の径方向に延びている。円環画像50Cの帯の中に、ホームベース形状の図形51bにおける角部51btと、三角形状の図形52bにおける角部52btとが位置している。円環画像50Cの帯の中に、第3図形53が示されている。第3図形53は、第1図形51と第2図形52とを繋ぐ帯状の円弧形状を有している。
【0091】
円環画像50Cの帯内には、2つの第1図形51と、2つの第2図形52とが示されている。2つの第1図形51は、円環画像50Cの中心(刃先8TG)を挟んで互いに対向している。2つの第2図形52は、円環画像50Cの中心(刃先8TG)を挟んで互いに対向している。
【0092】
支援画像50に含まれる円環は、バケット画像8Gの周囲を囲むように示される。この場合、帯状の円環を構成する内周側の円はバケット画像8Gと重ならないように、バケット画像8Gの外周側に示される。
【0093】
支援画像50に含まれる円環画像50Cの帯内には目盛りが示されてもよい。目盛りは、円環画像50Cの帯内において径方向に延びている。第3図形53における円弧形状の部分は、円環画像50Cの帯内における他の部分とは異なる色彩が付されている。たとえば第3図形53における円弧形状の色彩は赤色であり、円環の帯内における他の部分の色彩は赤以外の色彩であり、たとえば黒色である。
【0094】
掘削により実際のバケット8の姿勢が変化すると、この支援画像50におけるバケット画像8Gの姿勢も実際のバケット8の姿勢に応じて変化する。バケット画像8Gの姿勢変化によりバケットの底面8BTの傾斜が変化すると、その傾斜の変化に応じて第1図形51の位置が変化する。具体的には第1図形51が円環画像50Cの帯内で円周方向に移動する。
【0095】
オペレータは、支援画像50を視認することにより、目標地形70に対するバケット8の傾斜をリアルタイムで確認することができる。このため目標地形70となるように掘削する際に、バケット8の傾斜角度を適切に操作することが可能となる。
【0096】
図7に示されるように、支援画面の第2例は、バケット画像8Gと、目標施工地形の画像79と、支援画像60とを含む。バケット画像8Gおよび目標施工地形の画像79は、運転席4S(
図1)に着座したオペレータがバケット8を見た視点(オペレータ視)における画像である。目標施工地形の画像79は、目標地形70を含む。
【0097】
支援画像60は、第1図形61と、第2図形62と、第3図形63とを含む。第1図形61は、バケット8の一部の傾斜を示す。第1図形61は、たとえばバケットの刃先8TGが並ぶ方向の傾斜を示す図形である。第1図形61は、オペレータ視においてバケットの刃先8TGが並ぶ方向に沿う仮想の直線上に位置する。
【0098】
第1図形61は、たとえば直線61aおよびホームベース形状(五角形状)の図形61bの双方および一方である。直線61aは、複数の刃先8TGを通る仮想の直線に重畳する直線である。ホームベース形状の図形61bにおける角部61btは、複数の刃先8TGを通る仮想の直線上に位置している。図形61bは、バケットの複数の刃先8TGの傾斜を特定できれば、三角形などの多角形状であってもよく、円、楕円などの円形状であってもよい。
【0099】
第2図形62は、目標地形70の傾斜を示す。第2図形62は、たとえば直線62aおよび三角形状の図形62bの双方および一方である。直線62aは、目標地形70に平行な仮想の直線に重畳する直線である。三角形状の図形62bにおける角部62btは、目標地形70に平行な仮想の直線上に位置している。図形62bは、目標地形70の傾斜を特定できれば、三角形以外の多角形状であってもよく、円、楕円などの円形状であってもよい。
【0100】
第3図形63は、図中ハッチングが付された領域である。第3図形63は、第1図形61と第2図形62とを繋ぐ図形である。第3図形63は、第1図形61と第2図形62との間を途切れなく連続的に繋いでいる。第3図形63は、たとえば帯状に延びて第1図形61と第2図形62とを繋いでいる。
【0101】
第1図形61が示す傾斜に沿う仮想の直線(第1直線)と、第2図形62が示す傾斜に沿う仮想の直線(第2直線)とは、表示部42における固定された同じ点座標を通過する。第1図形61が示す傾斜に沿う仮想の直線と、第2図形62が示す傾斜に沿う仮想の直線との双方は、たとえばオペレータ視における複数の刃先8TGの幅方向の中央8TCを通過する。
【0102】
支援画像60は、たとえば支援画面中における所定箇所を中心とした帯状の円弧画像60Cを有する。支援画像60に含まれる帯状の円弧画像60Cは、上記所定箇所としてたとえばオペレータ視における複数の刃先8TGにおける幅方向の中央8TC(所定部)を中心とする円周に沿っている。
【0103】
円弧画像60Cの帯内に、第1図形61の直線61aと、第2図形62の直線62aとが示されている。直線61aと直線62aとの各々は、円弧画像60Cの径方向に延びている。円弧画像60Cの帯内に、ホームベース形状の図形61bにおける角部61btと、三角形状の図形62bにおける角部62btとが位置している。円弧画像60Cの帯内に、第3図形63が示されている。第3図形63は、第1図形61と第2図形62とを繋ぐ帯状の円弧形状を有している。
【0104】
2つの円弧画像60Cが示されている。2つの円弧画像60Cの各々は、複数の刃先8TGにおける幅方向の中央8TCを中心とした円弧である。1つの円弧画像60Cの帯内には、1つの第1図形61と、1つの第2図形62とが示されている。2つの第1図形61は、複数の刃先8TGにおける幅方向の中央8TCを挟んで互いに対向している。2つの第2図形62は、複数の刃先8TGにおける幅方向の中央8TCを挟んで互いに対向している。
【0105】
2つの円弧画像60Cは、バケット画像8Gの周囲を囲むように示される。この場合、2つの円弧画像60Cの各々を構成する内周側の円弧はバケット画像8Gと重ならないように、バケット画像8Gの外周側に示される。
【0106】
2つの円弧画像60Cの各々の帯内には目盛りが示されてもよい。目盛りは、円弧画像60Cの帯内において径方向に延びている。第3図形63における円弧形状の部分は、円弧画像60Cの帯内における他の部分とは異なる色彩が付されている。たとえば第3図形63における円弧形状の色彩は赤色であり、円弧画像60Cの帯内における他の部分の色彩は赤以外の色彩であり、たとえば黒色である。
【0107】
掘削により実際のバケット8の姿勢が変化すると、この支援画像60におけるバケット画像8Gの姿勢も実際のバケット8の姿勢に応じて変化する。バケット画像8Gの姿勢変化により複数の刃先8TGが並ぶ方向の傾斜が変化すると、その傾斜の変化に応じて第1図形61の位置が変化する。具体的には第1図形61が円弧画像60Cの帯内で円周方向に移動する。
【0108】
オペレータは、支援画像60を視認することにより、目標地形70に対するバケット8の傾斜をリアルタイムで確認することができる。このため目標地形70となるように掘削する際に、バケット8の傾斜角度を適切に操作することが可能となる。
【0109】
図8に示されるように、支援画面の第3例は、作業機械画像100Gと、目標施工地形の画像79と、支援画像50とを含む。作業機械画像100Gは、作業機械の側面視の画像(作業機械の側面から見た画像)である。作業機械画像100Gは、機械本体の画像1Gおよび作業機の画像2Gとを含む。目標施工地形の画像79は、目標地形70を含む。
【0110】
支援画像50は、
図6に示す支援画像50と同じ画像である。第1図形51が示す傾斜に沿う仮想の直線(第1直線)と、第2図形52が示す傾斜に沿う仮想の直線(第2直線)とは、表示部42における固定された同じ点座標を通過する。第1図形51が示す傾斜に沿う仮想の直線と、第2図形52が示す傾斜に沿う仮想の直線との双方は、たとえば側面視における作業機械の所定部を通過する。
【0111】
支援画像50は、たとえば支援画面中における所定箇所を中心とした円環画像50Cを有する。支援画像50に含まれる円環画像50Cは、上記所定箇所としてたとえば側面視における機械本体画像1Gの中心(所定部)を中心とする円周に沿っている。
【0112】
支援画像50に含まれる円環画像50Cは、機械本体画像1Gの周囲を囲むように示される。この場合、円環画像50Cを構成する内周側の円は機械本体画像1Gと重ならないように、機械本体画像1Gの外周側に示される。
【0113】
掘削により実際のバケット8の姿勢が変化すると、この支援画像50におけるバケット画像8Gの姿勢も実際のバケット8の姿勢に応じて変化する。バケット画像8Gの姿勢変化によりバケットの底面8BTの傾斜が変化すると、その傾斜の変化に応じて第1図形51の位置が変化する。具体的には第1図形51が円環画像50Cの帯内で円周方向に移動する。
【0114】
オペレータは、支援画像50を視認することにより、目標地形70に対するバケット8の傾斜をリアルタイムで確認することができる。このため目標地形70となるように掘削する際に、バケット8の傾斜角度を適切に操作することが可能となる。
【0115】
またオペレータは、支援画面の切り替え操作により、
図6、
図7、
図8の支援画面表示を切り替えることができる。
【0116】
上記において円環画像50Cは、円環形状に限定されず、三角形などの多角形状であってもよく、円、楕円などの円形状であってもよい。
【0117】
<支援画像の生成方法>
次に、一実施形態における支援画面の第1例および第2例の生成方法について
図4および
図9~
図11を用いて説明する。
【0118】
図9は、支援画像を生成する方法をステップ順に示す図(A)~(E)である。
図10は、
図9のステップに続いて、油圧ショベルの側面視における支援画像を生成する方法をステップ順に示す図(A)~(E)である。
図11は、
図9のステップに続いて、油圧ショベルを操作するオペレータからバケットと目標地形とを見た視点における支援画像を生成する方法をステップ順に示す図(A)~(E)である。
【0119】
なお
図9(A)~(E)はZa軸方向からXa-Ya面を見た視点を示しており、横軸はXa軸であり、縦軸はYa軸である。
【0120】
図4に示されるように、コントローラ39の処理部44は、記憶部43またはサーバ40に記憶された画像表示用プログラムを読み出して実行することにより支援画面を生成して表示部42に表示させる。具体的には以下のとおりである。
【0121】
図9(A)に示されるように、コントローラ39の処理部44は、GNSSアンテナ21、22から、グローバル座標系で表される2つの基準位置データP1、P2(複数の基準位置データ)を取得する。コントローラ39の処理部44は、2つの基準位置データP1、P2の一方の基準位置データPに基づいて、座標系における位置を決定する。この後、コントローラ39の処理部44は、2つの基準位置データP1、P2の座標を結んだ線が、グローバル座標の基準方位(たとえば北)に対してどの方向を向いているかを決定する。
【0122】
図9(B)に示されるように、コントローラ39の処理部44は、基準位置データと決定された方位とに基づいて、座標系において基準位置データP1、P2に対して目標施工地形を位置付ける。この際、コントローラ39の処理部44は、予め作成された目標施工地形データを記憶部43またはサーバ40から取得し、目標施工地形データに含まれる3次元の目標施工地形の形状および座標を、基準位置データP1、P2の座標と照合する。
【0123】
図9(C)に示されるように、コントローラ39の処理部44は、2つの基準位置データP1、P2に基づいて作業機2の動作平面の向きDWを決定する。
【0124】
図9(D)に示されるように、コントローラ39の処理部44は、作業機2の姿勢を決定する。この際、コントローラ39の処理部44は、作業機姿勢センサ18A、18B、18Cからブーム6、18Aアーム7、バケット8の各々の姿勢を取得する。またはコントローラ39の処理部44は、油圧センサ37SBM、37SBK、37SAMの電気信号を作業機用電子制御装置26を通じて取得する。コントローラ39の処理部44は、取得した情報に基づいて、作業機2の姿勢(θ1、θ2、θ3)を算出し、ブーム6の位置LB1、アーム7の位置LB2、バケット8の位置LAを決定する。
【0125】
図9(E)に示されるように、コントローラ39の処理部44は、上記において決定された基準位置データP1、P2、作業機2の動作平面の向きDW、作業機2の姿勢(θ1、θ2、θ3)などに基づいて油圧ショベル100の3D(Dimension)モデルを配置する。この際、コントローラ39の処理部44は、記憶部43またはサーバ40に記憶された油圧ショベル100の3Dモデルを取得する。
【0126】
図10(A)に示されるように、コントローラ39の処理部44は、
図9(E)で得られた3Dモデルに基づいて側面視における作業機械画像100Gを作成する。またコントローラ39の処理部44は、側面視における目標施工地形の画像79を作成する。目標施工地形の画像79は、
図5に示すように、バケット8の刃先8Tの現在位置を通る平面77と設計面71との交線80を算出することにより求められる。
【0127】
図10(B)に示されるように、コントローラ39の処理部44は、側面視において、バケットの画像8Gにおける所定箇所(たとえば刃先8TG)を中心とした円環の画像50Cを生成する。この円環画像50Cは、バケットの画像8Gの周囲を囲むように生成される。
【0128】
図10(C)に示されるように、コントローラ39の処理部44は、側面視において、バケットの画像8Gの一部(たとえば底面8BT)の傾斜を示す第1図形51を生成する。第1図形51は、側面視においてバケットの底面8BTを通り、かつバケットの底面8BTに沿う仮想の直線51L(第1直線)上に位置する。
【0129】
第1図形51は、たとえば直線51aおよびホームベース形状(五角形状)の図形51bの双方および一方である。直線51aは、直線51Lに重畳する直線である。ホームベース形状の図形51bにおける角部51btは、直線51L上に位置している。
【0130】
図10(D)に示されるように、コントローラ39の処理部44は、側面視において、目標地形70の傾斜を示す第2図形52を生成する。第2図形52は、側面視において目標地形70に平行な仮想の直線52L(第2直線)上に位置する。
【0131】
第2図形52は、たとえば直線52aおよび三角形状の図形52bの双方および一方である。直線52aは直線52Lに重畳する直線である。三角形状の図形52bにおける角部52btは、直線52L上に位置している。
【0132】
直線51Lと直線52Lとは、表示部42において固定された同じ点座標を通過するように設定される。直線51Lと直線52Lとは、側面視においてたとえば互いに同じ点(刃先8TG)を通過するように設定される。
【0133】
図10(E)に示されるように、コントローラ39の処理部44は、側面視において、第1図形51と第2図形52とを繋ぐ第3図形53を生成する。第3図形53は、第1図形51と第2図形52との間を途切れなく連続的に繋いでいる。第3図形53は、たとえば帯状に延びて第1図形51と第2図形52とを繋いでいる。
【0134】
第3図形53は、たとえば円環画像50Cにおける帯内の円弧部として生成される。第3図形53は、たとえば円環画像50Cにおける帯内の他の円弧部とは異なる色彩で生成される。
【0135】
掘削により実際のバケット8の姿勢が変化すると、この支援画像におけるバケット画像8Gの姿勢も実際のバケット8の姿勢に応じて変化する。バケット画像8Gの姿勢変化によりバケットの底面8BTの傾斜が変化すると、その傾斜の変化に応じて第1図形51の位置が変化する。具体的には第1図形51が円環の帯の中で円周方向に移動する。これにより円弧形状をなす第3図形53の円周長が変化する。
【0136】
図11(A)に示されるように、コントローラ39の処理部44は、
図9(E)で得られた3Dモデルに基づいてオペレータ視におけるバケットの画像8Gを作成する。またコントローラ39の処理部44は、オペレータ視における目標施工地形の画像79を作成する。
【0137】
図11(B)に示されるように、コントローラ39の処理部44は、オペレータ視において、バケットの画像8Gにおける所定箇所(たとえば複数の刃先8TGにおける幅方向の中央8TC)を中心とした円弧の画像60Cを生成する。円弧画像60Cは、バケットの画像8Gの周囲を囲むように生成される。具体的には2つの円弧画像60Cがバケットの画像8Gを左右方向から挟み込むように生成される。
【0138】
図11(C)に示されるように、コントローラ39の処理部44は、オペレータ視において、バケットの画像8Gの一部(たとえば複数の刃先8TGが並ぶ方向)の傾斜を示す第1図形61を生成する。第1図形61は、オペレータ視において複数の刃先8TGを通る仮想の直線61L(第1直線)上に位置する。
【0139】
第1図形61は、たとえば直線61aおよびホームベース形状(五角形状)の図形61bの双方および一方である。直線61aは、直線61Lに重畳する直線である。ホームベース形状の図形61bにおける角部61btは、直線51L上に位置している。
【0140】
図11(D)に示されるように、コントローラ39の処理部44は、オペレータ視において、目標地形70の傾斜を示す第2図形62を生成する。第2図形62は、オペレータ視において目標地形70に平行な仮想の直線62L(第2直線)上に位置する。
【0141】
第2図形62は、たとえば直線62aおよび三角形状の図形62bの双方および一方である。直線62aは直線62Lに重畳する直線である。三角形状の図形62bにおける角部62btは、直線62L上に位置している。
【0142】
直線61Lと直線62Lとは、表示部42において固定された同じ点座標を通過するように設定される。直線61Lと直線62Lとは、オペレータ視においてたとえば互いに同じ点(数の刃先8TGにおける幅方向の中央8TC)を通過するように設定される。
【0143】
図11(E)に示されるように、コントローラ39の処理部44は、オペレータ視において、第1図形61と第2図形62とを繋ぐ第3図形63を生成する。第3図形63は、第1図形61と第2図形62との間を途切れなく連続的に繋いでいる。第3図形63は、たとえば帯状に延びて第1図形61と第2図形62とを繋いでいる。
【0144】
第3図形63は、たとえば円弧画像60Cにおける帯内の円弧部として生成される。第3図形63は、たとえば円弧画像60Cにおける帯内の他の円弧部とは異なる色彩で生成される。
【0145】
掘削により実際のバケット8の姿勢が変化すると、この支援画像60におけるバケット画像8Gの姿勢も実際のバケット8の姿勢に応じて変化する。バケット画像8Gの姿勢変化により複数の刃先8TGが並ぶ方向の傾斜が変化すると、その傾斜の変化に応じて第1図形61の位置が変化する。具体的には第1図形61が円弧画像60Cの帯内で円周方向に移動する。これにより円弧形状をなす第3図形63の円周長が変化する。
【0146】
<表示システムの制御方法>
次に、一実施形態における表示システムの制御方法について
図12を用いて説明する。
【0147】
図12は、一実施形態における表示システムの制御方法を示すフロー図である。
図12に示されるように、コントローラ39の処理部44は、バケット8の一部の傾斜を示す第1図形51または61を生成する(ステップS1)。コントローラ39の処理部44は、
図10(C)を用いて説明したように第1図形51を生成する。またコントローラ39の処理部44は、
図11(C)を用いて説明したように第1図形61を生成する。
【0148】
コントローラ39の処理部44は、目標地形70の傾斜を示す第2図形52または62を生成する(ステップS2)。コントローラ39の処理部44は、
図10(D)を用いて説明したように第2図形52を生成する。またコントローラ39の処理部44は、
図11(D)を用いて説明したように第2図形62を生成する。
【0149】
コントローラ39の処理部44は、第1図形51と第2図形52とを繋ぐ第3図形53または第1図形61と第2図形62とを繋ぐ第3図形63を生成する(ステップS3)。コントローラ39の処理部44は、
図10(E)を用いて説明したように第3図形53を生成する。またコントローラ39の処理部44は、
図11(E)を用いて説明したように第3図形63を生成する。
【0150】
コントローラ39の処理部44は、第1図形51、第2図形52および第3図形53を有する支援画像50、または第1図形61、第2図形62および第3図形63を有する支援画像60を表示部42に表示する(ステップS4)。コントローラ39の処理部44は、支援画像50を
図6または
図8に示すように、バケットの画像8G、目標施工地形の画像79などとともに表示部42に表示する。コントローラ39の処理部44は、オペレータによる支援画面の切り替え操作に基づいて、
図6の表示と
図8の表示とを切り替える。
【0151】
コントローラ39の処理部44は、支援画像60を
図7に示すように、バケットの画像8G、目標施工地形の画像79などとともに表示部42に表示する。コントローラ39の処理部44は、オペレータによる支援画面の切り替え操作に基づいて、
図6の表示と、
図7の表示と、
図8の表示とを切り替える。
【0152】
なお支援画面には、支援画像50または60として、第3図形53、63のみが表示され、第1図形51、61および第2図形52、62は表示されなくてもよい。
【0153】
<変形例>
次に、一実施形態における表示システムの変形例について
図13および
図14を用いて説明する。
【0154】
図13は、表示部に表示される支援画面の変形例として、油圧ショベルの側面視においてバケット底面の延長線を示す支援画像が表示された画像を示す図である。
図14は、チルトバケットを示す図である。
【0155】
図13に示されるように、支援画面の変形例は、作業機械画像100Gと、目標施工地形の画像79(第2図形)と、支援画像91(第1図形)とを含む。作業機械画像100Gは、作業機械の側面視の画像である。作業機械画像100Gは、バケット(掘削具)の画像8Gを含む。目標施工地形の画像79は、目標地形70を含む。
【0156】
目標施工地形の画像79は、目標地形の傾斜を示している。支援画像91は、バケットの底面8BTに沿い、かつバケットの底面8BTから延長された直線である。支援画像91を構成する直線は、目標施工地形の画像79であって目標地形の傾斜を示す直線と交差していることが好ましい。
【0157】
掘削により実際のバケット8の姿勢が変化すると、この支援画面におけるバケット画像8Gの姿勢も実際のバケット8の姿勢に応じて変化する。バケット画像8Gの姿勢変化によりバケットの底面8BTの傾斜が変化すると、その傾斜の変化に応じて支援画像91の位置・傾斜が変化する。この変形例においては、支援画像91と目標施工地形の画像79とがオペレータの操作を支援する支援表示となる。
【0158】
オペレータは、支援画像91を視認することにより、目標地形70に対するバケット8の傾斜をリアルタイムで確認することができる。このため目標地形70となるように掘削する際に、バケット8の傾斜角度を適切に操作することが可能となる。
【0159】
コントローラ39の処理部44は、
図13に示す支援画面を表示入力装置38の表示部42に表示する。
【0160】
図14に示されるように、作業機械100に用いられる掘削具8としてチルトバケット8が用いられてもよい。チルトバケット8は、回転軸(チルトピン)8Rを介して連結部材8Cに取り付けられている。連結部材8Cは、バケットピン15を介してアーム7の先端部に取り付けられている。回転軸8Rは、バケットピン15の延びる方向に対して直交する方向に延びている。チルトバケット8は、回転軸8Rを中心として回転することにより、作業機2の動作平面に対して図中矢印方向に揺動可能である。
【0161】
<効果>
次に、一実施形態における効果について説明する。
【0162】
本実施形態によれば
図6、
図8に示されるように、バケット8の一部の傾斜を示す第1図形51と目標地形70の傾斜を示す第2図形52とを繋ぐ第3図形53が、コントローラ39の処理部44により表示される。掘削により実際のバケット8の姿勢が変化すると、第2図形52に対する第1図形51の傾斜が変化し、それに伴って第3図形53が変化する。これによりオペレータは、目標地形70とバケット8との位置関係を視覚的により理解しやすくなる。またオペレータは、第3図形53の変化を表示部42で目視することにより、目標地形70に対するバケット8の傾斜をリアルタイムで確認することができる。このため目標地形70となるように掘削する際に、バケット8の傾斜角度を適切に操作することが可能となる。
【0163】
また本実施形態によれば
図7に示されるように、バケット8の一部の傾斜を示す第1図形61と目標地形70の傾斜を示す第2図形62とを繋ぐ第3図形63が、コントローラ39の処理部44により表示される。これにより
図6および
図8と同様、オペレータは、目標地形70とバケット8との位置関係を視覚的により理解しやすくなる。また目標地形70となるように掘削する際に、バケット8の傾斜角度を適切に操作することが可能となる。
【0164】
また本実施形態によれば
図6、8に示されるように、コントローラ39の処理部44は、バケット8の底面8BTの傾斜を示す図形を第1図形51とする。これにより側面視におけるバケット8の傾斜を視覚的に理解することが容易となる。
【0165】
また本実施形態によれば
図7に示されるように、コントローラ39の処理部44は、バケット8における刃先8TGの傾斜(複数の刃先8TGが並ぶ方向の傾斜)を示す図形を第1図形51とする。これによりオペレータ視におけるバケット8の傾斜を視覚的に理解することが容易となる。
【0166】
また本実施形態によれば
図10(D)、
図11(D)に示されるように、コントローラ39の処理部44は、第1直線51L、61Lと、第2直線52L、62Lとを表示部42における固定された点座標を通過するように設定する。これにより第3図形53、63が表示部42の固定位置に表示される。このため第3図形53、63が表示部42内で移動することによって表示範囲外に出てしまうことが防止される。
【0167】
また本実施形態によれば
図6~8に示されるように、コントローラ39の処理部44は、所定箇所を中心とした円に沿って第3図形53、63を表示部42に表示する。これにより第3図形53、63が円に沿って変化することになる。このためオペレータは第3図形53、63の変化を認識しやすくなる。
【0168】
また本実施形態によれば
図6に示されるように、コントローラ39の処理部44は、バケットの画像8Gを表示し、かつ所定箇所としてバケットの画像8Gにおける所定部を中心とした円に沿って第3図形53を表示部42に表示する。これによりオペレータは、表示部42の作業対象周辺を常に視線を動かすことなく見ることができる。
【0169】
また本実施形態によれば
図6に示されるように、コントローラ39の処理部44は、バケットの画像8Gの周囲を囲むように円を表示する。これによりオペレータは、表示部42の作業対象周辺を常に視線を動かすことなく見ることができる。
【0170】
また本実施形態によれば
図8に示されるように、コントローラ39の処理部44は、作業機械画像100Gを表示し、かつ所定箇所として作業機械画像100Gにおける所定部を中心とした円に沿って第3図形53を表示部42に表示する。これによりオペレータが作業状況の全体を把握することが容易となる。
【0171】
また本実施形態によれば
図8に示されるように、コントローラ39の処理部44は、作業機械画像100Gにおける所定部として作業機械の機械本体画像1Gを中心とした円に沿って第3図形53を表示部42に表示する。これによりオペレータが作業状況の全体を把握することが容易となる。
【0172】
また本実施形態によれば
図8に示されるように、コントローラ39の処理部44は、機械本体画像1Gの周囲を囲むように円を表示する。これによりオペレータが作業状況の全体を把握することが容易となる。
【0173】
また本実施形態によれば
図6、8に示されるように、コントローラ39の処理部44は、円の中心として、バケットの画像8Gの所定部と作業機械画像100Gの所定部とを含む複数の候補から選択可能である。これにより円の中心を、バケットの画像8Gの所定部と作業機械画像100Gの所定部とで切り替えることが可能となる。このためバケットの画像8Gの所定部を円の中心とした場合には、表示部42の作業対象周辺を常に視線を動かすことなく見ることができる。また作業機械画像100Gの所定部を円の中心とした場合には、作業状況の全体を把握することが容易となる。
【0174】
また本実施形態によれば
図13に示されるように、コントローラ39の処理部44は、バケット8の側面視においてバケット8の底面8BTから延長された直線91である第1図形と目標施工地形の画像79の傾斜を示す第2図形と表示する。これによりオペレータは、目標施工地形の画像79とバケット8との位置関係を視覚的により理解しやすくなる。
【0175】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0176】
1 機械本体、1G 機械本体画像、2 作業機、2G 作業機の画像、3 旋回体、3CW カウンタウエイト、3EG 機械室、4 運転室、4S 運転席、5 走行装置、5a 履帯、5c 油圧モータ、6 ブーム、7 アーム、8 バケット、8B 刃、8C 連結部材、8BT 底面、8G バケット画像、8R 回転軸、8T,8TG 刃先、8TC 中央、9 手すり、10 ブームシリンダ、11 アームシリンダ、12 バケットシリンダ、13 ブームピン、14 アームピン、15 バケットピン、16 ピン、18A,18B,18C 作業機姿勢センサ、19 位置検出部、21,22 アンテナ、24 傾斜角度センサ、25 操作装置、26 作業機用電子制御装置、27 作業機械制御装置、31L,31R 作業機操作部材、32L,32R 作業機操作検出部、33L,33R 走行操作部材、34L,34R 走行操作検出部、35 作業機側記憶部、36 演算部、37D 走行用制御弁、37SAM,37SBK,37SBM,37SRM,37Slb,37Slf,37Srb,37Srf 油圧センサ、37W 作業用制御弁、38 表示入力装置、39 コントローラ、40 サーバ、41 入力部、42 表示部、43,45 記憶部、44 処理部、47 油圧ポンプ、50,60,91 支援画像、50C 円環画像、51,61 第1図形、51a,52a,61a,62a 直線、51L,61L 第1直線、51b,52b,61b,62b 図形、51bt,52bt,61bt,62bt 角部、52,62 第2図形、52L,62L 第2直線、53,63 第3図形、60C 円弧画像、70 目標地形、71 設計面、77 平面、79 目標施工地形の画像、80 交線、100,100a 作業機械(油圧ショベル)、100G 作業機械画像、100b 後付けキット、101 表示システム、AX1 中心軸線、AX3 軸線、L1,L2,L3 長さ、LA,LB1,LB2 位置、Ng 鉛直方向、P,P1,P2 基準位置データ、Q 旋回体方位データ。