(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】情報処理装置、検出方法、プログラム、基板処理システム、及び物品の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20240122BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20240122BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20240122BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
G03F7/20 521
G05B19/418 Z
(21)【出願番号】P 2020071692
(22)【出願日】2020-04-13
【審査請求日】2023-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】増田 充宏
(72)【発明者】
【氏名】鮫島 裕紀
【審査官】正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/145500(WO,A1)
【文献】特開2019-101495(JP,A)
【文献】特開2020-035407(JP,A)
【文献】特開2000-243678(JP,A)
【文献】特開2020-047077(JP,A)
【文献】特開2007-219692(JP,A)
【文献】特開2017-021702(JP,A)
【文献】特開2005-136004(JP,A)
【文献】米国特許第7065422(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
G03F 7/20
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセンサと複数の制御ユニットを備える制御システムの異常を検出する情報処理装置であって、
前記複数のセンサのうちの2つのセンサの出力値の関係、前記複数の制御ユニットのうちの2つの制御ユニットの制御データの関係、又は前記複数のセンサのうちの1つセンサの出力値及び前記複数の制御ユニットのうちの1つの制御ユニットの制御データの関係を表すモデルを用いて、センサの出力値又は制御ユニットの制御データの異常の度合いを表す異常度を、前記複数のセンサ又は前記複数の制御ユニットが少なくとも2つに分けられたグループ毎に算出する算出部と、
前記算出部により算出された前記異常度に基づき前記複数のセンサ又は前記複数の制御ユニットの異常を前記グループ毎に判定する判定部と、を有する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記複数のセンサの出力値、又は前記複数の制御ユニットの制御データに基づき、前記モデルを生成する生成部を有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記複数のセンサ又は前記複数の制御ユニットは、前記制御システムが備えられた基板処理装置のチャンバに基づき前記グループに分けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記複数のセンサ又は前記複数の制御ユニットは、前記センサの出力値又は前記制御ユニットの制御データに関する情報が伝達する範囲に基づき前記グループに分けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御システムは対象ユニットの温度を調整する温調システムであって、
前記複数のセンサ又は前記複数の制御ユニットは、前記制御ユニットにより制御される温調ユニット又は前記対象ユニットに基づき前記グループに分けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御システムは配管に冷媒を循環させて対象ユニットの温度を調整する温調システムであって、
前記複数のセンサ又は前記複数の制御ユニットは、前記温調システムにおいて冷媒が循環する配管の分岐に関する情報に基づき前記グループに分けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記算出部は、前記モデルを用いて算出された複数の評価値を前記グループの情報に基づきグループに分け、前記グループ毎に前記異常度を算出することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記算出部は、前記グループの情報に基づきグループ分けされた前記モデルを用いて算出された複数の評価値に基づき、前記グループ毎に前記異常度を算出することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記センサは、温度、流量、又は圧力を測定するためのセンサを含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記制御データは、前記制御ユニットにより制御される制御対象ユニットに入力する指令値、又は前記指令値に応じて前記制御対象ユニットが動作する動作量を含むことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
複数のセンサと複数の制御ユニットを備える制御システムの異常を検出する検出方法であって、
前記複数のセンサのうちの2つのセンサの出力値の関係、前記複数の制御ユニットのうちの2つの制御ユニットの制御データの関係、又は前記複数のセンサのうちの1つセンサの出力値及び前記複数の制御ユニットのうちの1つの制御ユニットの制御データの関係を表すモデルを用いて、センサの出力値又は制御ユニットの制御データの異常の度合いを表す異常度を、前記複数のセンサ又は前記複数の制御ユニットが少なくとも2つに分けられたグループ毎に算出する算出工程と、
前記算出工程において算出された前記異常度に基づき前記複数のセンサ又は前記複数の制御ユニットの異常を前記グループ毎に判定する判定工程と、を有する
ことを特徴とする検出方法。
【請求項12】
請求項11に記載の検出方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項13】
複数のセンサと複数の制御ユニットを備える制御システムを有し、基板に対して処理を行う基板処理装置と、
前記制御システムの異常を検出する管理装置と、を有し、
前記管理装置は、
前記複数のセンサのうちの2つのセンサの出力値の関係、前記複数の制御ユニットのうちの2つの制御ユニットの制御データの関係、又は前記複数のセンサのうちの1つセンサの出力値及び前記複数の制御ユニットのうちの1つの制御ユニットの制御データの関係を表すモデルを用いて、センサの出力値又は制御ユニットの制御データの異常の度合いを表す異常度を、前記複数のセンサ又は前記複数の制御ユニットが少なくとも2つに分けられたグループ毎に算出する算出部と、
前記算出部により算出された前記異常度に基づき前記複数のセンサ又は前記複数の制御ユニットの異常を前記グループ毎に判定する判定部と、を有する
ことを特徴とする基板処理システム。
【請求項14】
請求項13に記載の基板処理システムを用いて、基板を処理する工程と、
前記工程で処理された基板から物品を製造する工程と、を有する
ことを特徴とする物品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、検出方法、プログラム、基板処理システム、及び物品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイス、MEMS、またはフラットパネルディスプレイなどの物品を製造するために基板を処理する基板処理装置に対して生産性の向上への要求が高まっている。そのため、基板処理装置の異常が突発的に発生することにより生産が中断することを抑制することが必要である。そこで、事前に基板処理装置の異常を検出して、異常の原因を解消することが求められている。
【0003】
特許文献1では、プラント内に配置された複数の機器の故障予兆を監視する故障予兆監視方法が開示されている。特許文献1では、複数の機器の故障予兆を監視するために、各機器の挙動を計測するセンサの出力値に基づいて、各センサの出力値間の関係を表すモデルを構築する。そして、センサの出力値とモデルを用いて算出した予測データとの差分に基づき、各センサの出力値間のインバリアント(不変関係)の変化を検出して、各機器の故障予兆を検知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数のセンサと複数の制御ユニットを備える制御システムの異常を検出する場合、異常が発生していない制御ユニットに関連するセンサの出力値や制御ユニットの制御データに異常が検出される可能性がある。例えば、冷媒が配管内を循環して温度を調整する温調システムの場合、冷却器、加熱器、熱交換器など冷媒の温度等を調整する複数の温調ユニットを制御する複数の制御ユニットや冷媒の温度などを測定する複数のセンサが備えられる。このような温調システムでは、一部の温調ユニットの異常が発生しても、配管内を循環する冷媒の温度変化により、異常が発生していない制御ユニットに関連するセンサの出力値や制御ユニットの制御データに異常が検出される可能性がある。
【0006】
そこで、複数のセンサと複数の制御ユニットを備える制御システムの異常を検出するために有利な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する本発明の一側面としての情報処理装置は、複数のセンサと複数の制御ユニットを備える制御システムの異常を検出する情報処理装置であって、複数のセンサのうちの2つのセンサの出力値の関係、複数の制御ユニットのうちの2つの制御ユニットの制御データの関係、又は複数のセンサのうちの1つセンサの出力値及び複数の制御ユニットのうちの1つの制御ユニットの制御データの関係を表すモデルを用いて、センサの出力値又は制御ユニットの制御データの異常の度合いを表す異常度を、複数のセンサ又は複数の制御ユニットが少なくとも2つに分けられたグループ毎に算出する算出部と、算出部により算出された異常度に基づき複数のセンサ又は複数の制御ユニットの異常をグループ毎に判定する判定部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数のセンサと複数の制御ユニットを備える制御システムの異常を検出するために有利は技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】露光装置及びホストコンピュータの構成を示す図である。
【
図4】露光装置に組み込まれた温調システムの構成を示す図である。
【
図5】第1実施形態における温調システムの異常を検出する方法を示すフローチャートである。
【
図6】実施例1におけるグループ分けの例を示す図である。
【
図7】実施例2におけるグループ分けの例を示す図である。
【
図8】実施例3におけるグループ分けの例を示す図である。
【
図9】実施例4におけるグループ分けの例を示す図である。
【
図10】第2実施形態における温調システムの異常を検出する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して詳細に説明する。各図において、同一の部材については、同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【0011】
<第1実施形態>
図1は、基板処理システムの構成を示す図である。基板処理システム1(物品の製造システム)は、それぞれが基板を処理する複数の基板処理装置10と、複数の基板処理装置10の動作を制御するホストコンピュータ11とを含みうる。複数の基板処理装置10は、例えば、リソグラフィ装置(露光装置、インプリント装置、荷電粒子線描画装置等)を含みうる。また、複数の基板処理装置10は、塗布装置、現像装置、成膜装置(CVD装置等)、加工装置(レーザー加工装置等)、検査装置(オーバーレイ検査装置等)のいずれかを含みうる。ここで、露光装置は、原版(レチクル、マスク)を介して基板の上に供給されたフォトレジストを露光することによって該フォトレジストに原版のパターンに対応する潜像を形成する。また、インプリント装置は、基板の上に供給されたインプリント材に型(原版)を接触させた状態でインプリント材を硬化させることによって基板の上にパターンを形成する。また、荷電粒子線描画装置は、基板の上に供給されたフォトレジストに荷電粒子線によってパターンを描画することによって該フォトレジストに潜像を形成する。また、塗布装置は、リソグラフィ処理の前処理として基板にレジスト材(密着材)の塗布処理を行う。また、現像装置は、リソグラフィ処理の後処理として現像処理を行う。また、成膜装置は、基板に絶縁膜等の膜を形成する装置である。また、加工装置は、基板に形成されたパターンの加工や基板の切断、穴あけ等の加工を行う。また、検査装置は、基板に形成されたパターンの位置精度や線幅等の検査を行う。
【0012】
図2は、管理装置12の構成を示す図である。管理装置12は、個々の基板処理装置10と通信可能に接続されたコンピュータ(情報処理装置)によって実現されうる。
図2(a)において、CPU201(処理部)は、OS(Operating System)及び各種アプリケーションプログラムを実行する中央演算処理装置(CPU)ある。また、CPU201は中央演算処理装置(CPU)に限られず、マイクロプロセッシングユニット(MPU)、グラフィクスプロセッシングユニット(GPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)等のプロセッサ又は回路であってもよい。また、CPU201は、これらのプロセッサ又は回路のいずれかの組合せであってもよい。ROM202は、CPU201が実行するプログラムや演算用のパラメータのうちの固定的なデータを格納するメモリである。RAM203は、CPU201の作業領域やデータの一時記憶領域を提供するメモリである。ROM202及びRAM203は、バス208を介してCPU201に接続される。205はマウス、キーボードなどを含む入力装置(入力部)、206はCRTや液晶ディスプレイなどの表示装置(表示部)である。また、入力装置205及び表示装置206は、タッチパネル等の一体型の装置であってもよい。また、入力装置205及び表示装置206は、コンピュータとは別体の装置として構成されてもよい。204は、ハードディスク装置、CD、DVD、メモリカード等の記憶装置であり、各種プログラムや各種データ等を記憶する。入力装置205、表示装置206、及び記憶装置204はそれぞれ、不図示のインタフェースを介してバス208に接続されている。また、ネットワークに接続して通信を行うための通信装置207も、バス208に接続されている。通信装置207は、例えばLANに接続してTCP/IP等の通信プロトコルによるデータ通信を行い、他の通信装置と相互に通信を行う場合に使用される。通信装置207は、データの送信部および受信部として機能し、例えば、基板処理装置10内の送信部(不図示)から動作情報などのデータを受信して、記憶装置204に記憶する。また、
図2(b)はCPU201の構成を示す図である。CPU201は、取得部211、生成部212、算出部213、及び判定部214を備える。
【0013】
以上、
図2を参照して管理装置12の概略構成を説明したが、ホストコンピュータ11や基板処理装置10も、これと同様のコンピュータを備えうる。
【0014】
基板処理システム1における複数の基板処理装置10のそれぞれは、保守を管理する管理装置12と接続されている。なお、
図1に示されるように、物品製造システムは、基板処理システム1を複数含みうる。したがって、管理装置12は、複数の基板処理システム1における個々の基板処理装置10を管理することができる。管理装置12は、複数の基板処理装置10それぞれの動作情報を収集、解析し、各基板処理装置10について、異常またはその予兆を検出して、保全処理(メンテナンス処理)の要否を判定する保全判定装置として機能しうる。なお、
図1において、複数の基板処理装置10とホストコンピュータ11との接続、複数の基板処理装置10と管理装置12との接続は、有線接続、無線接続を問わない。
【0015】
以下では、具体例を提供するために、基板処理装置10が露光装置10として構成される例を説明する。
図3は、露光装置及びホストコンピュータの構成を示す図である。露光装置10は、
図3に示すように光源ユニット101、照明系102、マスクステージ104、投影光学系105、ウエハステージ106、ウエハチャック107、プリアライメントユニット109、制御ユニット111を含み得る。
【0016】
光源ユニット101を出た光は照明系102を介してマスクステージ104に保持されたマスク103を照明する。光源ユニット101の光源としては、例えば高圧水銀ランプやエキシマレーザなどがある。なお、光源がエキシマレーザの場合は、光源ユニット101は露光装置10のチャンバ内部にあるとは限らず、外付けになっている構成もあり得る。マスク103上には転写されるべきパターンが描かれている。マスク103を照明した光は投影光学系105を通過してウエハ108に達する。ウエハ108は、例えば、シリコンウエハ、ガラスプレート、フィルム状基板等である。
【0017】
マスク103上のパターンが、投影光学系105を介して、ウエハ108上に塗布された感光媒体(例えば、レジスト)に転写される。ウエハ108はウエハチャック107に真空吸着などの手段により平らに矯正された状態で保持されている。また、ウエハチャック107はウエハステージ106に保持されている。ウエハステージ106は移動可能に構成されている。そして、ウエハステージ106を投影光学系105の光軸に対して垂直な面に沿って2次元的にステップ移動しながら、ウエハ108に複数のショット領域を繰り返し露光する。これはステップアンドリピート方式と呼ばれる露光方式である。なお、マスクステージ104とウエハステージ106を同期しながらスキャンして露光を行う、ステップアンドスキャン方式と呼ばれる露光方式もあり、本実施例はそのような方式を採用する露光装置にも同様に適用できる。
【0018】
露光装置10においては、露光処理前のウエハ108はウエハカセット110に入れられた状態で露光装置にセットされる。ウエハカセット110内には少なくとも1枚、通常は複数枚のウエハ108が格納されている。そして、不図示のロボットハンドなどにより、1枚のウエハ108がウエハカセット110から取り出され、プリアライメントユニット109に置かれる。プリアライメントユニット109でウエハ108の方位合せや位置合せなどが行われた後、ロボットハンドによりウエハ108がウエハチャック107にセットされ、露光処理される。露光処理を終えたウエハ108はロボットハンドによりウエハチャック107上から取り除かれウエハカセット110に回収されるとともに、プリアライメントユニット109に待機していた次のウエハ108がウエハチャック107にセットされる。このようにして次々とウエハ108が露光処理される。なお、露光装置10が、塗布装置(不図示)、現像装置(不図示)等の他の装置とインラインで接続して、露光処理前のウエハ108が他の装置から搬入され、露光処理後のウエハ108が他の装置へ搬出される構成にしても良い。
【0019】
制御ユニット111は、コンピュータなどの情報処理装置であり、露光装置10の各ユニット、機器等の制御や、各種の演算を行う。また、
図3の例では制御ユニット111は1つの構成であるが、制御ユニット111は1つに限られず、露光装置10のユニット、機器毎に制御ユニット111が複数ある構成としても良い。
【0020】
ホストコンピュータ11は、露光装置10とネットワーク等を介して接続する情報処理装置であり、露光装置10を監視、制御する。また、ホストコンピュータ11は、露光装置10以外の装置とも接続して、同様に他の製造装置等を監視、制御する。例えば、ホストコンピュータ11は、露光装置10に対して動作を指令するためのジョブを実行する。
【0021】
図4は、露光装置10に組み込まれた温調システムの構成を示す図である。
図4において、太線の矢印42は冷媒が循環する方向を示し、細線の矢印43は制御に関する情報が伝達する方向を示している。温調システム(制御システム)301は、例えば、第1ブロック40と、第2ブロック41とを含みうる。第1ブロック40と第2ブロック41は、例えば、露光装置10内のチャンバとすることができる。また、ブロックの数は2つに限られず、1又は複数のユニット毎にブロックを分けてもよい。この場合、1又は複数のユニット毎にチャンバを設けることが難しい場合は、1又は複数のユニットを格納する容器を用いてもよい。
【0022】
第1ブロック40においては、冷媒を温調して、温調された冷媒を第2ブロック41に供給しうる。また、第2ブロック41には、複数の対象ユニット416~419が配置されうる。複数の対象ユニット416~419は、例えば、光源ユニット101、照明系102、マスクステージ104、投影光学系105、ウエハステージ106を含みうる。第1ブロック40において温調された冷媒は、第2ブロック41において1又は複数の対象ユニットから熱を奪いながら1又は複数の対象ユニットを温調し、その後、第1ブロック40に戻りうる。
【0023】
第1ブロック40は、例えば、温調ユニット(制御対象ユニット)401、温調ユニット402、センサ401T、センサ402T、制御ユニット401Cおよび制御ユニット402Cを含みうる。温調ユニット401は、冷媒の温度を目標温度まで低下させて温調ユニット402に供給しうる。制御ユニット401Cは、センサ401Tによって測定された温度に応じて、冷媒の温度が目標温度に一致するように指令値を決定し、該指令値を温調ユニット401に入力して制御する。そして、温調ユニット401は、該指令値に応じた動作量で動作する。
【0024】
また、温調ユニット402は、冷媒の温度を第2ブロック41が許容する温度範囲内に調整して第2ブロック41に冷媒を供給しうる。制御ユニット402Cは、センサ402Tによって測定された温度に応じて、冷媒の温度を第2ブロック41が許容する温度範囲内に収まるように指令値を決定し、該指令値に応じた動作量で温調ユニット402を動作させうる。
【0025】
第2ブロック41では、対象ユニット416~419のそれぞれが目標温度範囲内に収まるように温調ユニット412~415によって冷媒の温度が調整されうる。制御ユニット412Cは、センサ412T1および412T2で測定された温度に応じて対象ユニット416が目標温度範囲内に収まるように指令値を決定し、該指令値に応じた動作量で温調ユニット412を動作させうる。制御ユニット413Cは、センサ413T1および413T2で測定された温度に応じて対象ユニット417が目標温度範囲内に収まるように指令値を決定し、該指令値に応じた動作量で温調ユニット413を動作させうる。
【0026】
制御ユニット411Cは、センサ411Tで測定された温度、および、制御ユニット414C、415Cからの情報に応じて、冷媒の温度が目標温度範囲内に収まるように指令値を決定し、該指令値に応じた動作量で温調ユニット411を動作させうる。つまり、制御ユニット414Cは、センサ414T1および414T2で測定された温度に応じて対象ユニット418が目標温度範囲内に収まるように指令値を決定し、該指令値に応じて温調ユニット414を動作させうる。制御ユニット415Cは、センサ415T1および415T2で測定された温度に応じて対象ユニット419が目標温度範囲内に収まるように指令値を決定し、該指令値に応じた動作量で温調ユニット415を動作させうる。
【0027】
温調ユニット401、402、412~415は、熱交換による加熱ユニット又は冷却ユニットでありうる。また、例えば、温調ユニット401は、冷却ユニットであり、温調ユニット402、412~415は、加熱ユニットであってもよい。また、温調ユニット401、402、412~415は、冷媒を加熱、冷却するだけでなく、配管内を循環する冷媒の流量や圧力を制御することにより冷媒の温度を調整してもよい。
【0028】
また、配管を循環する冷媒は、液体であってもよいし、気体であってもよい。
【0029】
図4に示された温調システム301では、対象ユニットの温度が制御され、センサとしてセンサ401T、402T、411T~415T2が設けられている。しかし、温調システム301は、温度以外の情報を測定するセンサ(例えば、冷媒の流量センサ、圧力センサなど)を含んでもよい。また、温調システム301は、温度以外のパラメータ(例えば、冷媒の流量、圧力など)に関して制御対象を制御する制御ユニットを含んでもよい。
【0030】
ここで、各センサの出力値の関係を表すモデルについて説明する。ここでは、簡単化のために、
図4に示された温調システム301において、時刻tにおける2つのセンサ(例えば、センサ401T、402T)の出力値をa
t、b
tとする。出力値a
t、b
tの関係は、(1)式で与えられるモデル(関数)で定義されうる。
【0031】
bt=f(at)・・・(1)
モデルfは、例えば、2つのセンサによって出力された出力値at、btの時系列データに基づいて、最小二乗法等によって決定される回帰式でありうる。また、モデルfは、例えば、機械学習を用いて生成される学習モデルであってもよい。例えば、モデルfは、ニューラルネットワークを含むモデルでありうる。ニューラルネットワークとは、入力層、中間層、出力層といった多層のネットワーク構造を有するモデルである。2つのセンサによって出力された出力値at、btの時系列データに基づいて、入力データとしてのatと教師データとしてのbtとの関係を示す学習データが取得される。そして、取得された学習データを用いて、誤差逆伝播法等のアルゴリズムに従ってニューラルネットワーク内部の結合重み付け係数等が最適化されることにより、学習モデルを取得することができる。誤差逆伝播法は、出力データと教師データとの差が小さくなるように、各ニューラルネットワークのノード間の結合重み付け係数等を調整する手法である。また、モデルfは、ニューラルネットワークを含むモデルではなく、例えば、SVM(サポートベクタマシーン)を含む学習モデルであってもよい。
【0032】
センサSiの出力値(以下、予測出力値)xijを与えるモデルfij(xj)は、センサSjの出力値(以下、測定出力値)xjの関数として、(2)式で与えられうる。ここで、iは1~Nの整数であり、Nはセンサの個数である。jは、1~Nのうちi以外の整数である。
【0033】
xij=fij(xj)・・・(2)
ここで、(2)式は、以下のような数式群を意味しうる。
【0034】
x12=f12(x2)
x13=f13(x3)
x14=f14(x4)
・
・
・
x1N=f1N(xN)
x21=f21(x1)
x23=f23(x3)
x24=f24(x4)
・
・
・
そして、センサSiの予測出力値xijとセンサSiの測定出力値xiとに基づいて評価値を算出して、評価値に基づきセンサSiに関する異常が検出される。評価値は、例えば、複数の予測出力値xijの各々とそれに対応する測定出力値xiとの差分を処理した値、例えば、該差分を合計した合計値を複数のモデルの数で正規化した値でありうる。また、評価値は、例えば、複数の予測出力値xijの平均値や中央値などの統計値と測定出力値xiとの差分又は比率に基づき算出された値でありうる。そして、評価値が予め定められた許容範囲にない場合に、センサSiの出力値に異常が発生していることが検出される。
【0035】
ここで、各センサの出力値の関係を表すモデルを用いる例について説明したが、各制御ユニットにおける指令値の関係を表すモデルを用いてもよい。例えば、
図4に示された温調システム301において、時刻tにおける制御ユニット401Cの指令値と制御ユニット402Cの指令値の関係を表すモデルを用いてもよい。つまり、制御ユニットC
iの指令値(以下、予測指令値)y
ijを与えるモデルg
ij(y
j)は、制御ユニットC
jの指令値(以下、測定指令値)y
jの関数として、(3)式で与えられうる。
【0036】
yij=gij(yj)・・・(3)
そして、制御ユニットCiの予測指令値yijと制御ユニットCiの測定指令値yjとに基づいて評価値を算出して、評価値に基づき制御ユニットCiに関する異常が検出される。また、制御ユニットにおける指令値の代わりに制御ユニットが制御する温調ユニットにおける動作量を用いてもよい(以下、指令値又は動作量を制御データとする)。
【0037】
また、例えば、各センサの出力値と各制御ユニットにおける指令値との関係を表すモデルを用いてもよい。例えば、
図4に示された温調システム301において、時刻tにおけるセンサ401Tにおける出力値と制御ユニット401Cの指令値との関係を表すモデルを用いてもよい。つまり、制御ユニットC
iの指令値(以下、予測指令値)y
ijを与えるモデルh
ij(x
j)は、センサS
jの出力値(以下、測定出力値)x
jの関数として、(4)式で与えられうる。
【0038】
yij=hij(xj)・・・(4)
そして、制御ユニットCiの予測指令値yijとセンサSjの測定出力値xjとに基づいて評価値を算出して、評価値に基づき制御ユニットCiに関する異常が検出される。また、センサSiの予測出力値xijと制御ユニットCiの測定指令値yjとに基づいて評価値を算出して、評価値に基づきセンサSiに関する異常が検出されるようにモデルhを生成してもよい。
【0039】
また、(2)式、(3)式、及び(4)式のうちの少なくとも1つの式で表されるモデルを用いてもよい。つまり、各センサの出力値同士の関係を表すモデル、各制御ユニットの指令値同士の関係を表すモデル、及び各センサの出力値と制御ユニットの指令値の関係を表すモデルを任意に組み合わせて用いることができる。また、制御ユニットにおける指令値の代わりに制御ユニットが制御する温調ユニットにおける動作量を用いてもよい。
【0040】
このように、管理装置12は、温調システム301におけるセンサの出力値、制御ユニットの制御データに関する情報を取得して、取得した出力値、制御データに関する情報に基づきモデルを生成することができる。また、管理装置12は、生成したモデルに関する情報を記憶装置204に記憶させることができる。
【0041】
ここで、温調システム301の異常を検出する場合における問題点について説明する。例えば、温調ユニット402に異常が発生した場合、センサ402Tの出力値に関連するモデルから算出される評価値に基づき異常が検出される。また、冷媒が循環する配管において、温調ユニット411、412、及び413は、温調ユニット402よりも下流に位置する。そして、温調ユニット402の異常による冷媒の温度変化により、センサ411T、412T1、及び413T1の出力値に関連するモデルから算出される評価値に基づいても異常が検出される。また、同様に温調ユニット402の異常による冷媒の温度変化により、制御ユニット411C、412C、及び413Cの制御データに関連するモデルから算出される評価値に基づいても異常が検出される。つまり、温調ユニット402の異常により、温調ユニット411、412、及び413に関連するセンサ、制御ユニットからも異常が検出され、異常が発生した温調ユニットの特定が困難になりうる。
【0042】
また、例えば、対象ユニット417が投影光学系105を含むとした場合、露光装置10において露光処理が行われている間は、対象ユニット417は照射される露光光の熱により温度が上昇する。また、例えば、対象ユニット419が基板ステージ6を含むとした場合、露光装置10において露光処理が行われている間は、対象ユニット419は基板ステージ6の駆動部の駆動に伴う発熱により温度が上昇する。また、露光装置10において露光処理が終了すると、露光光は照射されなくなり、対象ユニット419の駆動部は停止するため、対象ユニット417及び419の温度は下降する。このように、異なる温調ユニットにより温度が制御されている対象ユニットであっても、露光装置10における露光処理において、対象ユニットの動作が連動することにより、ぞれぞれのセンサの出力値に相関関係が生じる。そして、例えば、対象ユニット417に関連する温調ユニット413に異常が発生した場合、センサ413T1、413T2、及び制御ユニット413Cに関連するモデルから算出される評価値に基づいて異常が検出される。また、対象ユニット417及び419の温度に相関関係が生じているため、センサ415T1、415T2、及び制御ユニット415Cに関連するモデルから算出される評価値に基づいても異常が検出される。つまり、異常が発生した温調ユニットが温調ユニット413にも関わらず、温調ユニット415に関連するセンサ、制御ユニットからも異常が検出されることになる。
【0043】
このように、複数の温調ユニットに対応するモデルから算出される評価値から異常が検出されるため、異常が発生した温調ユニットを特定することが困難になり得る。
【0044】
そこで、本実施形態における管理装置12は、センサ、制御ユニットに関するモデルから算出される評価値をグループ分けする。そして、それぞれのグループに属する評価値に基づきグループ毎の異常度を取得して、取得された異常度に基づいて温調システム301の異常を検出する。
【0045】
図5は、本実施形態における温調システムの異常を検出する方法を示すフローチャートである。S501において、取得部211は温調システム301におけるセンサの出力値、制御ユニットの制御データに関する情報を取得して、算出部213は取得した出力値、制御データに関する情報に基づき、センサの出力値等の関係を表すモデルを生成する。ここで、生成するモデルは、温調システム301におけるセンサの出力値、制御ユニットの制御データを用いて生成されたモデルとすることができる。また、取得するモデルは、センサの出力値同士の関係を表すモデル、制御ユニットの制御データ同士の関係を表すモデル、及びセンサの出力値と制御ユニットの制御データの関係を表すモデルのうちの少なくとも1つとすることができる。
【0046】
S502において、取得部211は温調システム301におけるセンサの出力値、制御ユニットの制御データに関する情報を取得する。そして、算出部213は出力値、制御データに関する情報と算出したモデルを用いて、センサの出力値、及び各制御ユニットの制御データに関する評価値を算出する。
【0047】
S503において、算出部213は、センサ、制御ユニットに関するグループ分けの情報に基づき、グループ毎の異常度を算出する。グループ毎の異常度は、グループに属するセンサの出力値、又は制御ユニットの制御データの異常の度合いを示す値である。また、グループ毎の異常度は、生成されたモデルから取得された評価値をグループ毎に分けて、それぞれのグループに属する評価値を合計した値、または平均した値等の統計処理をした値とすることができる。
【0048】
ここで、グループ分けの情報は予め記憶装置204に記憶され、管理装置12はグループ分けの情報を記憶装置204から取得することができる。また、管理装置12は、グループ分けの情報を外部の情報処理装置から通信装置207を介して取得してもよい。また、センサ、制御ユニットに関するグループ分けの方法については後述する。
【0049】
S504において、判定部214は、取得されたグループ毎の異常度に基づき、グループ毎に異常を判定する。つまり、管理装置12は、グループの異常度が予め定められた許容範囲にない場合に、そのグループに属するセンサ、制御ユニットに異常が発生していると判定する。
【0050】
次にS503において、管理装置12が取得するグループ分けの情報について、各実施例で詳しく説明する。
【0051】
(実施例1)
実施例1においては、センサ、及び制御ユニットが存在するブロックごとにグループ分けする例である。
図6は、本実施例におけるグループ分けの例を示す図である。
図6(a)において、グループ1-1には、
図4における第1ブロック40に含まれるセンサ401T、センサ402T、制御ユニット401Cおよび制御ユニット402Cが属する。また、グループ1-2には、
図4における第2ブロック41に含まれるセンサ411T、412T1~415T1、412T2~415T2、制御ユニット411C~415Cが属する。
【0052】
また、
図6(b)のようにセンサのみでグループ分けをしてもよい。
図6(b)において、グループ1-3には、
図4における第1ブロック40に含まれるセンサ401T、センサ402Tが属する。また、グループ1-4には、
図4における第2ブロック41に含まれるセンサ411T、412T1~415T1、412T2~415T2が属する。
【0053】
また、
図6(c)のように制御ユニットのみでグループ分けをしてもよい。
図6(c)において、グループ1-5には、
図4における第1ブロック40に含まれる制御ユニット401Cおよび制御ユニット402Cが属する。また、グループ1-6には、
図4における第2ブロック41に含まれる制御ユニット411C~415Cが属する。
【0054】
また、
図6(a)~(c)のグループ分けを任意に組み合わせてもよい。例えば、
図6(a)におけるグループ1-1と、
図6(b)におけるグループ1-4を組み合わせてもよい。
【0055】
このようなグループ分けにより、管理装置12は、第1ブロック40にある温調ユニット、及び第2ブロック41にある温調ユニットのいずれに異常が発生していることが判定できる。
【0056】
(実施例2)
実施例2においては、温調ユニットのセンサ、制御ユニット毎にグループ分けする例である。
図7は、本実施例におけるグループ分けの例を示す図である。例えば、グループ2-1には、
図4における温調ユニット401のセンサ401T、及び制御ユニット401Cが属する。また、例えば、グループ2-4には、温調ユニット412のセンサ412T1、及び制御ユニット412Cが属する。また、グループ2-4には対象ユニット416のセンサ412T2が属してもよい。また同様に、グループ2-5~2-7には、それぞれ対象ユニット417~419のセンサ413T2~415T2が属してもよい。
【0057】
また、実施例1と同様に、センサのみ、制御ユニットのみ、センサ及び制御ユニットのいずれの組み合わせでグループ分けをしてもよい。
【0058】
このようなグループ分けにより、管理装置12は、複数ある温調ユニットのいずれに異常が発生していることが判定できる。
【0059】
(実施例3)
実施例3においては、制御に関する情報が伝達する範囲を表すグループ(以下、制御グループとする。)毎にグループ分けする例である。
図8は、本実施例におけるグループ分けの例を示す図である。例えば、グループ3-1には、
図4における温調ユニット401のセンサ401T、及び制御ユニット401Cが属する。つまり、センサ401Tの出力値の情報が制御ユニット401Cに伝達されて制御データが決定されるため、センサ401Tと制御ユニット401Cは同じ制御グループに属する。また、例えば、グループ3-
5には、センサ411T、414T1、414T2、制御ユニット411C、及び414Cが属する。つまり、センサ414T1、414T2の出力値の情報が制御ユニット414Cに伝達されて制御データが決定される。また、センサ411Tの出力値の情報と制御ユニット414Cの制御データの情報とが制御ユニット411Cに伝達されて制御データが決定される。また、
図8においてグループ3-
5と3-
6は別の制御グループとしたが、制御ユニット411Cには制御ユニット414C及び415Cの制御データの情報が伝達されるので、グループ3-
5と3-
6を同じ制御グループとしてもよい。
【0060】
また、実施例1と同様に、センサのみ、制御ユニットのみ、センサ及び制御ユニットのいずれの組み合わせでグループ分けをしてもよい。
【0061】
このようなグループ分けにより、管理装置12は、制御グループのいずれに属する温調ユニットに異常が発生していることが判定できる。
【0062】
(実施例4)
実施例4においては、冷媒が循環する配管毎にグループ分けする例である。
図9は、本実施例におけるグループ分けの例を示す図である。
図9(a)の例では、グループ4-1、4-2は、冷媒が循環する方向において温調ユニット402の下流で分岐している配管に配置されている温調ユニットのセンサ及び制御ユニットが属する。また、グループ4-3、4-4は、冷媒が循環する方向において温調ユニット411の下流で分岐している配管に配置されている温調ユニットのセンサ及び制御ユニットが属する。グループ4-1には、
図4における温調ユニット402、412、及び対象ユニット416が配置されている配管にあるセンサ及び制御ユニットが属する。具体的には、センサ402T、412T1、412T2、制御ユニット402C、及び412Cが属する。また、グループ4-3には、
図4における温調ユニッ
ト411、414、及び対象ユニット418が配置されている配管にあるセンサ及び制御ユニットが属する。具体的には、セン
サ411T、414T1、414T2、制御ユニッ
ト411C、及び414Cが属する。また、グループ4-4には、
図4における温調ユニット411、415、及び対象ユニット419が配置されている配管にあるセンサ及び制御ユニットが属する。具体的には、センサ411T、415T1、415T2、制御ユニット411C、及び415Cが属する。
【0063】
また、
図9(b)の例では、グループ4-5には、温調ユニット402のセンサ402T及び制御ユニット402Cが属する。また、グループ4-5には、温調ユニット402に対して冷媒が循環する方向において下流の配管上の位置に配置されている温調ユニットのセンサ及び制御ユニットが属する。また、グループ4-6には、温調ユニット411のセンサ411T及び制御ユニット411Cが属する。また、グループ4-6には、温調ユニット411に対して冷媒が流れる配管において下流に配置されている温調ユニットのセンサ及び制御ユニットが属する。
【0064】
また、本実施例では、冷媒が循環する方向において下流の配管上の位置に配置されている温調ユニットのセンサ及び制御ユニットの全てをグループに属するようにグループ分けしたが、一部のセンサ及び制御ユニットだけを対象にしてもよい。例えば、センサ412T1、及びセンサ412T2は同一の配管上に隣接しているため、センサ412T1、及びセンサ412T2のいずれかは削除してもよい。
【0065】
また、実施例1と同様に、センサのみ、制御ユニットのみ、センサ及び制御ユニットのいずれの組み合わせでグループ分けをしてもよい。
【0066】
このようなグループ分けにより、管理装置12は、冷媒が流れる配管において分岐された配管のいずれに配置されている温調ユニットに異常が発生していることが判定できる。
【0067】
以上より、本実施形態に係る管理装置において、グループ毎の異常度を算出して、異常が発生しているグループのセンサ、又は制御ユニットを特定することができるので、温調システムの異常を検出するために有利である。
【0068】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る管理装置12について説明する。なお、ここで言及しない事項は、第1実施形態に従いうる。
【0069】
本実施形態における管理装置12は、グループ分けされたセンサの出力値、制御ユニットの制御データに基づきモデルをグループ毎に生成して、それぞれのグループに属するモデルを用いて算出された評価値に基づき、グループ毎の異常度を算出する。
【0070】
図10は、本実施形態における温調システムの異常を検出する方法を示すフローチャートである。S1001において、取得部211はグループ毎にセンサの出力値、制御ユニットの制御データに関する情報を取得して、生成部212は取得した出力値、制御データに関する情報に基づき、センサの出力値等の関係を表すモデルをグループ毎に生成する。ここで、取得するモデルは、温調システム301において、センサ、制御ユニットに関してグループ分けされた、センサの出力値、制御ユニットの制御データを用いて生成されたモデルとすることができる。また、グループ分けの例については、第1実施形態における実施例1乃至4と同様とすることができる。また、グループ分けの情報は予め記憶装置204に記憶され、取得部211はグループ分けの情報を記憶装置204から取得することができる。また、取得部211はグループ分けの情報を外部の情報処理装置から通信装置207を介して取得してもよい。
【0071】
S1002において、取得部211は温調システム301におけるセンサの出力値、制御ユニットの制御データに関する情報を取得する。そして、算出部213は出力値、制御データに関する情報と算出したグループ毎のモデルを用いて、グループ毎のセンサの出力値、及び制御ユニットの制御データに関する評価値を算出する。
【0072】
S1003において、算出部213は、グループ毎のモデルを用いて算出された評価値に基づき、グループ毎の異常度を算出する。グループ毎の異常度は、グループに属するモデルから取得された評価値を合計した値、または平均した値等の統計処理をした値とすることができる。
【0073】
S1004において、判定部214は、取得されたグループ毎の異常度に基づき、グループ毎に異常を判定する。つまり、管理装置12は、グループの異常度が予め定められた許容範囲にない場合に、そのグループに属するセンサ、制御ユニットに異常が発生していると判定する。
【0074】
以上より、本実施形態に係る管理装置において、グループ毎の異常度を算出して、異常が発生しているグループのセンサ、又は制御ユニットを特定することができるので、温調システムの異常を検出するために有利である。
【0075】
(物品の製造方法)
物品として、例えば、デバイス(半導体デバイス、磁気記憶媒体、液晶表示素子等)、カラーフィルター、又はハードディスク等の製造方法について説明する。かかる製造方法は、リソグラフィ装置(例えば、露光装置、インプリント装置、描画装置等)を用いてパターンを基板(ウエハ、ガラスプレート、フィルム状基板等)に形成する工程を含む。かかる製造方法は、パターンを形成された基板を処理する工程を更に含む。該処理ステップは、該パターンの残膜を除去するステップを含みうる。また、該パターンをマスクとして基板をエッチングするステップなどの周知の他のステップを含みうる。本実施形態における物品の製造方法は、従来に比べて、物品の性能、品質、生産性及び生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
【0076】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【0077】
また、実施例1乃至4は、単独で実施するだけでなく、実施例1乃至4のうちのいずれの組合せで実施することができる。