(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】プリンタで紫外線硬化性インクを用いて高品質画像を生成するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20240122BHJP
C09D 11/30 20140101ALI20240122BHJP
B41M 5/00 20060101ALI20240122BHJP
【FI】
B41J2/01 129
C09D11/30
B41J2/01 501
B41J2/01 201
B41J2/01 451
B41J2/01 401
B41M5/00 120
B41M5/00 100
(21)【出願番号】P 2020119851
(22)【出願日】2020-07-13
【審査請求日】2023-07-12
(32)【優先日】2019-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー・エス・コンデッロ
(72)【発明者】
【氏名】ポール・ジェイ・マコンヴィル
【審査官】高松 大治
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-199271(JP,A)
【文献】特開2018-130955(JP,A)
【文献】特開2010-184439(JP,A)
【文献】特開2011-224967(JP,A)
【文献】特開2009-208348(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
C09D 11/30
B41M 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタであって、
第1の色を有する紫外線(UV)硬化性インク供給源に動作可能に接続されている第1のプリントヘッドであって、基材がプロセス方向に前記プリントヘッドを通過する際に、前記第1の色を有する前記
紫外線(UV)硬化性インクを、前記基材上に吐出するように構成されている、第1のプリントヘッドと、
前記プロセス方向に第1の既定の距離で前記第1のプリントヘッドに続く第1のUV照射光源であって、前記第1のプリントヘッドによって吐出された前記
紫外線(UV)硬化性インクが、前記基材が前記第1のUV照射光源を通り越して移動する前に、前記第1のUV照射光源からのUV照射によって固着するようになっている、第1のUV照射光源と、
前記第1の色を有する前記
紫外線(UV)硬化性インク供給源に動作可能に接続されている第2のプリントヘッドであって、前記第1のプリントヘッドが、前記第1の色を有する前記
紫外線(UV)硬化性インクを、前記基材上に吐出して、前記第1のUV照射光源が、前記第1のプリントヘッドによって吐出された前記
紫外線(UV)硬化性インクをUV照射に曝した後に、前記第1の色を有する前記
紫外線(UV)硬化性インクを、前記基材上に吐出するように配置されている、第2のプリントヘッドと、
前記プロセス方向に前記第2のプリントヘッドに続き、前記プロセス方向に前記第1の
既定の距離より長い第2の既定の距離で前記第2のプリントヘッドから離れている、第2のUV照射光源であって、前記第2のプリントヘッドによって吐出された前記
紫外線(UV)硬化性インクが、前記第2のUV照射光源が前記第2のプリントヘッドによって吐出された前記
紫外線(UV)硬化性インクを前記基材に固着させる前に、前記基材の一部上に広がるようになっている、第2のUV照射光源と、を備えるプリンタ。
【請求項2】
前記第1のプリントヘッド、前記第2のプリントヘッド、前記第1のUV照射光源、及び前記第2のUV照射光源に動作可能に接続されているコントローラであって、合成画像データを受信し、前記合成画像データを使用して精細特徴データ及び
べた領域データを
生成させ、前記第1のプリントヘッドを前記精細特徴データで動作させ、前記第2のプリントヘッドを前記
べた領域データで動作させるように構成されている、コントローラを更に備える、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項3】
前記第1のプリントヘッドを含むが、前記第2のプリントヘッドを含まない、第1の複数のプリントヘッドであって、前記第1の複数のプリントヘッド内の各プリントヘッドが、前記第1の複数のプリントヘッド内の他のプリントヘッドが接続されている他の
紫外線(UV)硬化性インク供給源とは異なる色を有する
紫外線(UV)硬化性インク供給源に動作可能に接続されている、第1の複数のプリントヘッドと、
前記第1のUV照射光源を含むが、前記第2のUV照射光源を含まない、第1の複数のUV照射光源であって、前記第1の複数のUV照射光源内の各UV照射光源が、前記第1の複数のプリントヘッド内の前記プリントヘッドのうちの1つに、前記第1の
既定の距離で1対1の対応で続く、第1の複数のUV照射光源と、を更に備え、
前記コントローラが、前記第1の複数のプリントヘッド内の各プリントヘッド、及び前記第1の複数のUV照射光源内の各UV照射光源に動作可能に接続されており、前記コントローラが、前記精細特徴データから第1の複数の色分解
データを
生成させ、各色分解
データが、前記
紫外線(UV)硬化性インク供給源の前記色のうちの1つに1対1の対応で対応し、前記第1の複数のプリントヘッド内の前記プリントヘッドを、前記第1の複数のプリントヘッド内の前記プリントヘッドが接続されている前記
紫外線(UV)硬化性インクの前記色に対応する前記色分解
データで動作させるように更に構成されている、請求項2に記載のプリンタ。
【請求項4】
前記第2のプリントヘッドを含むが、前記第1のプリントヘッドを含まない、第2の複数のプリントヘッドであって、前記第2の複数のプリントヘッドが、前記第1の複数のプリントヘッド内のプリントヘッドの数に等しい多数のプリントヘッドを有し、前記第2の複数のプリントヘッド内の各プリントヘッドが、前記第1の複数のプリントヘッド内の1つのプリントヘッド、及び前記第2の複数のプリントヘッド内の1つのプリントヘッドが、1対1の対応で同じ色を有する同じ
紫外線(UV)硬化性インク供給源に動作可能に接続されているように、前記
紫外線(UV)硬化性インク供給源のうちの1つと1対1の対応で動作可能に接続されている、第2の複数のプリントヘッドを更に備え、
前記コントローラが、前記第2の複数のプリントヘッド内の各プリントヘッドに動作可能に接続されており、前記コントローラが、前記
べた領域データから第2の複数の色分解
データを
生成させ、前記第2の複数の色分解
データ中の各色分解
データが、前記
紫外線(UV)硬化性インク供給源の前記色のうちの1つに1対1の対応で対応し、前記第2の複数のプリントヘッド内の前記プリントヘッドを、前記第2の複数のプリントヘッド内の前記プリントヘッドが接続されている前記
紫外線(UV)硬化性インクの前記色に対応する、前記
べた領域データから
生成した前記色分解
データで動作させるように更に構成されている、請求項3に記載のプリンタ。
【請求項5】
第2の複数のプリントヘッド内の前記プリントヘッド、及び前記第1の複数のプリントヘッド内の前記プリントヘッドが、前記第1の複数のプリントヘッド内の前記プリントヘッドの各々におけるインクジェットが、
紫外線(UV)硬化性インクの同じ色の同じ供給源に接続されている、前記第2の複数のプリントヘッド内の前記プリントヘッドにおけるインクジェットに整列するように、前記プロセス方向に整列する、請求項4に記載のプリンタ。
【請求項6】
前記プロセス方向に、前記第2のUV照射光源に続く、第3のUV照射光源を更に備える、請求項5に記載のプリンタ。
【請求項7】
前記第2のUV照射光源が、第1の波長のUV照射を発し、前記第3のUV照射光源が、第2の波長のUV照射を発し、前記第1の波長と前記第2の波長とが異なる、請求項6に記載のプリンタ。
【請求項8】
前記基材が、前記第2のUV照射光源及び前記第3のUV照射光源を通過した後に、前記プロセス方向に配置されている光学センサであって、前記基材上の印刷画像の画像データを
取得させるように構成されている、光学センサを更に備え、
前記コントローラが、前記印刷画像の前記画像データ内の粒子の粗い領域及び筋状の領域を検出するように構成されている、請求項7に記載のプリンタ。
【請求項9】
前記コントローラが、筋状の領域が前記印刷画像の前記画像データ内で検出される場合、前記第1の複数のUV照射光源内の前記UV照射光源の強度を減少させるように更に構成されている、請求項8に記載のプリンタ。
【請求項10】
前記コントローラが、粒子の粗い領域が前記印刷画像の前記画像データ内で検出される場合、前記第2のUV照射光源及び前記第3のUV照射光源の強度を増加させるように更に構成されている、請求項8に記載のプリンタ。
【請求項11】
プリンタの動作方法であって、
コントローラを用いて、プロセス方向に第1の既定の距離で第1のプリントヘッドに続く第1のUV照射光源を動作させて、前記第1のプリントヘッドによって吐出された
紫外線(UV)硬化性インクを
、基材が前記第1のUV照射光源を通り越して移動する前に、
前記基材上に固着させることと、
コントローラを用いて、前記プロセス方向に前記第1の
既定の距離より長い第2の既定の距離で第2のプリントヘッドから離れている、前記プロセス方向に前記第2のプリントヘッドに続く第2のUV照射光源を動作させて、前記第2のプリントヘッドによって吐出された前記
紫外線(UV)硬化性インクを、前記
紫外線(UV)硬化性インクが前記基材の一部上に広がった後に、固着させることと、を含む、方法。
【請求項12】
前記第1のプリントヘッド、前記第2のプリントヘッド、前記第1のUV照射光源、及び第2のUV照射光源に動作可能に接続されているコントローラを用いて、合成画像データを受信することと、
前記コントローラを用いて、前記合成画像データを使用して、精細特徴データ及び
べた領域データを
生成させることと、
前記コントローラを用いて、前記精細特徴データを使用して、前記第1のプリントヘッドを動作させることと、
前記コントローラを用いて、前記
べた領域データを使用して、前記第2のプリントヘッドを動作させることと、を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記コントローラを用いて、前記第1のUV照射光源を含むが、前記第2のUV照射光源を含まない、第1の複数のUV照射光源を動作させることであって、前記第1の複数のUV照射光源内の各UV照射光源が、前記第1のプリントヘッドを含むが、前記第2のプリントヘッドを含まない、第1の複数のプリントヘッド内のプリントヘッドに、前記第1の
既定の距離で1対1の対応で続き、前記第1の複数のプリントヘッド内の各プリントヘッドが、前記第1の複数のプリントヘッド内の他のプリントヘッドが接続されている他の
紫外線(UV)硬化性インク供給源とは異なる色を有する
紫外線(UV)硬化性インク供給源に動作可能に接続されている、第1の複数のUV照射光源を動作させることと、
前記第1の複数のプリントヘッド内の各プリントヘッド、及び前記第1の複数のUV照射光源内の各UV照射光源に更に動作可能に接続されている前記コントローラを用いて、前記精細特徴データから第1の複数の色分解
データを
生成させることであって、各色分解
データが、前記
紫外線(UV)硬化性インク供給源の前記色のうちの1つに1対1の対応で対応する、第1の複数の色分解
データを
生成させることと、
前記コントローラを用いて、前記第1の複数のプリントヘッド内の前記プリントヘッドを、前記第1の複数のプリントヘッド内の前記プリントヘッドが接続されている前記
紫外線(UV)硬化性インクの前記色に対応する前記色分解
データで動作させることと、を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2のプリントヘッドを含むが、前記第1のプリントヘッドを含まない、第2の複数のプリントヘッドに更に動作可能に接続されている前記コントローラを用いて、前記
べた領域データから第2の複数の色分解
データを
生成させることであって、前記第2の複数のプリントヘッドが、前記第1の複数のプリントヘッド内のプリントヘッドの数に等しい多数のプリントヘッドを有し、前記第2の複数のプリントヘッド内の各プリントヘッドが、前記第1の複数のプリントヘッド内の1つのプリントヘッド、及び前記第2の複数のプリントヘッド内の1つのプリントヘッドが、1対1の対応で同じ色を有する同じ
紫外線(UV)硬化性インク供給源に動作可能に接続されており、前記第2の複数の色分解
データ中の各色分解
データが、前記
紫外線(UV)硬化性インク供給源の前記色のうちの1つに1対1の対応で対応するように、前記
紫外線(UV)硬化性インク供給源のうちの1つに1対1の対応で動作可能に接続されている、第2の複数の色分解
データを
生成させることと、
前記コントローラを用いて、前記第2の複数のプリントヘッド内の前記プリントヘッドを、前記第2の複数のプリントヘッド内の前記プリントヘッドが接続されている前記
紫外線(UV)硬化性インクの前記色に対応する前記色分解
データで動作させることと、を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記コントローラを用いて、前記第1の複数のプリントヘッド内の前記プリントヘッドの各々におけるインクジェットを動作させて、前記第2の複数のプリントヘッド内の前記プリントヘッドの各々における動作しないインクジェットに対応する、
紫外線(UV)硬化性インクを提供することであって、前記第1の複数のプリントヘッド内の前記プリントヘッドの各々における前記インクジェットが、
紫外線(UV)硬化性インクの同じ色の同じ供給源に接続されている、前記第2の複数のプリントヘッド内の前記プリントヘッドにおけるインクジェットに整列する、
紫外線(UV)硬化性インクを提供すること、を更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記コントローラを用いて、前記第2の複数のプリントヘッド内の前記プリントヘッドの各々におけるインクジェットを動作させて、前記第1の複数のプリントヘッド内の前記プリントヘッドの各々における動作しないインクジェットに対応する、
紫外線(UV)硬化性インクを提供することを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記コントローラを用いて、前記プロセス方向に、前記第2のUV照射光源に続く、第1の波長のUV照射を発する、第3のUV照射光源を動作させることであって、前記コントローラが、前記第3のUV照射光源に更に動作可能に接続されている、第3のUV照射光源を動作させることと、
前記コントローラを用いて、第2の波長のUV照射を発する前記第2のUV照射光源を動作させることであって、前記第1の波長と前記第2の波長とが異なる、第2のUV照射光源を動作させることと、を更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記コントローラを用いて、前記基材が、前記第2のUV照射光源及び前記第3のUV照射光源を通過した後に、前記プロセス方向に配置されている光学センサを動作させることであって、前記光学センサが、前記基材上の印刷画像の画像データを
取得させるように構成されている、光学センサを動作させることと、
前記コントローラを用いて、前記印刷画像の前記画像データ内の粒子の粗い領域及び筋状の領域を検出することと、を更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記コントローラを用いて、筋状の領域が前記印刷画像の前記画像データ内で検出される場合、前記第1の複数のUV照射光源内の前記UV照射光源の強度を減少させることを更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記コントローラを用いて、粒子の粗い領域が前記印刷画像の前記画像データ内で検出される場合、前記第2のUV照射光源及び前記第3のUV照射光源内の前記UV照射光源の強度を増加させることを更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
プリンタであって、
第1の色を有する紫外線(UV)硬化性インク供給源に動作可能に接続されている第1のプリントヘッドであって、基材がプロセス方向に前記第1のプリントヘッドを通過する際に、前記第1の色を有する前記
紫外線(UV)硬化性インクを、前記基材上に吐出するように構成されている、第1のプリントヘッドと、
前記プロセス方向に第1の既定の距離で前記第1のプリントヘッドに続く第1のUV照射光源であって、少なくとも1つのUVエミッタが、前記第1のプリントヘッドによって吐出された前記
紫外線(UV)硬化性インクで印刷された前記基材の少なくとも1つの領域を露光するように動作して、前記基材が前記第1のUV照射光源を通り越して移動する前に、前記少なくとも1つの領域内の前記
紫外線(UV)硬化性インクを固着させ、前記基材が前記第1のUV照射光源を通過する際に、前記基材の少なくとも1つの他の領域上の、前記第1のプリントヘッドによって吐出された前記
紫外線(UV)硬化性インクが広がるように、前記第1のUV照射光源が、独立して動作可能である複数のUVエミッタで構成されている、第1のUV照射光源と、
前記プロセス方向に前記第1のUV照射光源に続き、前記プロセス方向に前記第1の
既定の距離より長い第2の既定の距離で前記第1のUV照射光源から離れている、第2のUV照射光源であって、前記少なくとも1つの他の領域内の、前記第1のプリントヘッドによって吐出された前記
紫外線(UV)硬化性インクが、前記基材が前記第2のUV照射光源を通過する際に、固着するように、前記第2のUV照射光源が、クロスプロセス方向に前記基材の全幅を露光するように構成されている、第2のUV照射光源と、を備える、プリンタ。
【請求項22】
前記第1のプリントヘッド、前記第1のUV照射光源、及び前記第2のUV照射光源に動作可能に接続されているコントローラであって、合成画像データを受信し、前記合成画像データを使用して精細特徴データを
生成させ、前記第1のプリントヘッドを前記合成画像データで動作させ、前記第1のUV照射
光源を前記精細特徴データで動作させるように構成されている、コントローラを更に備える、請求項21に記載のプリンタ。
【請求項23】
前記第1の色を有する前記
紫外線(UV)硬化性インク供給源を含む、複数の
紫外線(UV)硬化性インク供給源であって、各
紫外線(UV)硬化性インク供給源が、前記複数の
紫外線(UV)硬化性インク中の他の
紫外線(UV)硬化性インク供給源とは異なる色を有する、複数の
紫外線(UV)硬化性インク供給源と、
前記第1のプリントヘッドを含む複数のプリントヘッドであって、前記複数のプリントヘッド内の各プリントヘッドが、1対1の対応で前記複数の
紫外線(UV)硬化性インク供給源内の前記供給源のうちの1つに動作可能に接続されている、複数のプリントヘッドと、
前記第1のUV照射光源を含むが、前記第2のUV照射光源を含まない、複数のUV照射光源であって、前記複数のUV照射光源内の各UV照射光源が、前記複数のプリントヘッド内の前記プリントヘッドのうちの1つに、前記プロセス方向に1対1の対応で前記第1の
既定の距離で続き、前記複数のプリントヘッド内の前記対応するプリントヘッドに続く少なくとも1つのUVエミッタが、動作して、前記対応するプリントヘッドによって吐出された前記
紫外線(UV)硬化性インクで印刷された前記基材の少なくとも1つの領域を露光して、前記少なくとも1つの領域内で吐出された前記
紫外線(UV)硬化性インクを、前記基材が前記
紫外線(UV)硬化性インクを前記少なくとも1つの領域に吐出した前記プリントヘッドに続く前記UV照射光源を通り越して移動する前に固着させるように、前記複数のUV照射光源内の各UV照射光源が、独立して動作可能である複数のUVエミッタで構成されており、前記基材が前記対応するプリントヘッドに続く前記UV照射光源を通過する際に、前記対応するプリントヘッドによって、前記基材の少なくとも1つの他の領域上に吐出された前記
紫外線(UV)硬化性インクが広がる、複数のUV照射光源と、を更に備え、
前記コントローラが、前記複数のプリントヘッド内の各プリントヘッド、及び前記複数のUV照射光源内の各UV照射光源に動作可能に接続されており、前記コントローラが、前記精細特徴データから複数の色分解
データを
生成させ、各色分解
データが、前記
紫外線(UV)硬化性インク供給源の前記色のうちの1つに1対1の対応で対応し、前記複数のUV照射光源内の各UV照射光源を、前記UV照射光源のすぐ前の前記プリントヘッドによって吐出された前記
紫外線(UV)硬化性インクの前記色に対応する前記色分解
データで動作させるように更に構成されている、請求項22に記載のプリンタ。
【請求項24】
前記プロセス方向に、前記第2のUV照射光源に続く、第3のUV照射光源を更に備える、請求項23に記載のプリンタ。
【請求項25】
前記第2のUV照射光源が、第1の波長のUV照射を発し、前記第3のUV照射光源が、第2の波長のUV照射を発し、前記第1の波長と前記第2の波長とが異なる、請求項24に記載のプリンタ。
【請求項26】
前記基材が、前記第2のUV照射光源及び前記第3のUV照射光源を通過した後に、前記プロセス方向に配置されている光学センサであって、前記基材上の印刷画像の画像データを
取得させるように構成されている、光学センサを更に備え、
前記コントローラが、前記印刷画像の前記画像データ内の粒子の粗い領域及び筋状の領域を検出するように構成されている、請求項25に記載のプリンタ。
【請求項27】
前記コントローラが、筋状の領域が前記印刷画像の前記画像データ内で検出される場合、前記複数のUV照射光源内の前記UV照射光源の強度を減少させるように更に構成されている、請求項26に記載のプリンタ。
【請求項28】
前記コントローラが、粒子の粗い領域が前記印刷画像の前記画像データ内で検出される場合、前記第2のUV照射光源及び前記第3のUV照射光源の強度を増加させるように更に構成されている、請求項26に記載のプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全般的には、インクジェットプリンタに関し、より具体的には、紫外線(UV)硬化性インクを使用して、テキスト及び画像を基材上に生成するインクジェットプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
高品質画像をプリンタで室温で液体である水性インクを用いて基材上に生成することは、非常に困難であり得る。これらの課題をいっそうひどくすることは、多くのプラスチック、金属、ガラス、セラミックスなどの非多孔質基材である。これらの基材は、吐出された水性インクの基材上への固定を難しくしている。固定されていないインクは、表面の周囲を流動し得、インク画像の品質に悪影響を及ぼし得る様式で混ぜ合わさる。画像を最適に表示するのに、異なる画像は、異なるインク流動量を必要とするため、1つの問題が発生する。例えば、吐出された水性インクからの非常に精細な特徴及び詳細な利益は、可能な限りすぐに少なくとも部分的に乾燥する一方で、2次及び3次色を形成する複数の色の水性インクを含有する大きなべた領域は、任意の乾燥が行われる前に、インクが一定時間流動して混合し得る場合、より均一で魅力的に見え得る。
【0003】
この問題に対処するために、インクがUV照射で硬化し、基材上で安定化し得るように、感光性材料を含む独自の有益性を有するUVインクが開発されてきた。その結果として、これらのUVインクは、乾燥を必要としない。インクからの比較的時間がかかる水及び共溶媒の蒸発を必要とする水性インクとは異なり、UVインクはほぼ瞬時に固化し得る。UVインクは、特に非多孔質基材上でインクのはじきの問題に対処する一方で、いくつかの基材上でのインク滴の固化は、過度に迅速に起こり得る。これらの状況では、インクが画像領域を適切に被覆するのに十分に流動しなかったので、インク画像内の欠陥を低減させるために、一定量のインクの広がりが必要とされる。例えば、動作しないインクジェットによって吐出されないインクの欠落を隠すのに役立たせるために、一定量のインクの広がりが必要とされて、べた領域の均一性を維持し、これらのべた均一領域内の正確な色生成を達成するに役立つ。インク画像の異なる部分について、UV硬化の程度を柔軟に変更し得ることが有益であろう。
【発明の概要】
【0004】
新規なプリンタは、画像印刷中に異なる時間で様々な程度のUV照射露光を提供して、精細画像特徴の鮮明度を改善し、それらの領域内での色の正確な形成を伴う均一なべた領域を確立するように構成されている。プリンタは、第1の色を有する紫外線(UV)硬化性インク供給源に動作可能に接続されている第1のプリントヘッドであって、基材がプロセス方向にプリントヘッドを通過する際に、第1の色を有するUV硬化性インクを、基材上に吐出するように構成されている、第1のプリントヘッドと、プロセス方向に第1の既定の距離で第1のプリントヘッドに続く第1のUV照射光源であって、第1のプリントヘッドによって吐出されたUV硬化性インクが、基材が第1のUV照射光源を通り越して移動する前に、第1のUV照射光源からのUV照射によって固着するようになっている、第1のUV照射光源と、第1の色を有するUV硬化性インク供給源に動作可能に接続されている第2のプリントヘッドであって、第1のプリントヘッドが、第1の色を有するUV硬化性インクを、基材上に吐出して、第1のUV照射光源が、第1のプリントヘッドによって吐出されたUV硬化性インクをUV照射に曝した後に、第1の色を有するUV硬化性インクを、基材上に吐出するように配置されている、第2のプリントヘッドと、プロセス方向に第2のプリントヘッドに続き、プロセス方向に第1の既定の距離より長い第2の既定の距離で第2のプリントヘッドから離れている、第2のUV照射光源であって、第2のプリントヘッドによって吐出されたUV硬化性インクが、第2のUV照射光源が第2のプリントヘッドによって吐出されたUV硬化性インクを基材に固着させる前に、基材の一部上に広がるようになっている、第2のUV照射光源と、を含む。
【0005】
プリンタの動作方法は、画像印刷中に異なる時間で様々な程度のUV照射露光を提供して、精細画像特徴の鮮明度を改善し、それらの領域内での色の正確な形成を伴う均一なべた領域を確立する。本方法は、コントローラを用いて、プロセス方向に第1の既定の距離で第1のプリントヘッドに続く第1のUV照射光源を動作させて、第1のプリントヘッドによって吐出されたUV硬化性インクを、基材が第1のUV照射光源を通り越して移動する前に、基材上に固着させることと、コントローラを用いて、プロセス方向に第1の既定の距離より長い第2の既定の距離で第2のプリントヘッドから離れている、プロセス方向に第2のプリントヘッドに続く第2のUV照射光源を動作させて、第2のプリントヘッドによって吐出されたUV硬化性インクを、UV硬化性インクが基材の一部上に広がった後に、固着させることと、を含む。
【0006】
新規なプリンタの別の実施形態は、画像印刷中に異なる時間で様々な程度のUV照射露光を提供して、精細画像特徴の鮮明度を改善し、それらの領域内での色の正確な形成を伴う均一なべた領域を確立するように構成されている。プリンタの代替の実施形態は、第1の色を有する紫外線(UV)硬化性インク供給源に動作可能に接続されている第1のプリントヘッドであって、基材がプロセス方向に第1のプリントヘッドを通過する際に、第1の色を有するUV硬化性インクを、基材上に吐出するように構成されている、第1のプリントヘッドと、プロセス方向に第1の既定の距離で第1のプリントヘッドに続く第1のUV照射光源であって、少なくとも1つのUVエミッタが、第1のプリントヘッドによって吐出されたUV硬化性インクで印刷された基材の少なくとも1つの領域を露光するように動作して、基材が第1のUV照射光源を通り越して移動する前に、少なくとも1つの領域内のUV硬化性インクを固着させ、基材が第1のUV照射光源を通過する際に、基材の少なくとも1つの他の領域上の、第1のプリントヘッドによって吐出されたUV硬化性インクが広がるように、第1のUV照射光源が、独立して動作可能である複数のUVエミッタで構成されている、第1のUV照射光源と、プロセス方向に第1のUV照射光源に続き、プロセス方向に第1の既定の距離より長い第2の既定の距離で第1のUV照射光源から離れている、第2のUV照射光源であって、少なくとも1つの他の領域内の、第1のプリントヘッドによって吐出されたUV硬化性インクが、基材が第2のUV照射光源を通過する際に、固着するように、クロスプロセス方向に基材の全幅を露光するように構成されている、第2のUV照射光源と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
画像印刷中に異なる時間で様々な程度のUV照射露光を提供して、精細画像特徴の鮮明度を改善し、それらの領域内での色の正確な形成を伴う均一なべた領域を確立する、プリンタの上記の態様及び他の特徴は、添付の図面と関連して以下の説明で説明される。
【0008】
【
図1】画像印刷中に異なる時間で様々な程度のUV照射露光を提供して、精細画像特徴の鮮明度を改善し、それらの領域内での色の正確な形成を伴う均一なべた領域を確立する、プリンタのダイアグラムである。
【
図2】
図1のプリンタを動作させるのに有用な異なるデータファイルへの画像の処理プロセスを例示する図である。
【
図3】
図1のプリンタの動作プロセスを示すフローチャートである。
【
図4】
図1に示されるプリンタの代替の実施形態を示すダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施形態の一般的な理解のために、図面を参照する。図面では、同様の参照番号が、同様の要素を指定するために全体にわたって使用されている。
【0010】
画像印刷中に異なる時間で様々な程度のUV照射露光を提供して、精細画像特徴の鮮明度を改善し、それらの領域内での色の正確な形成を伴う均一なべた領域を確立するように構成されている、プリンタシステム10が
図1に示される。システム10は、コントローラ14が、アクチュエータ18を動作させて、ウェブWがシステムを通して供給された後に、巻き取り軸22を回転させ、ウェブの一部分がシャフト22の周りに巻き付けられる、ウェブ印刷システムである。シャフト22のこの回転は、第1の印刷ゾーン26を通過してシステム10を通してウェブを引き出し、次いで第2の印刷ゾーン30を通過する。
ウェブWは、一対のUV照射光源34、38を通過し続け、それらの各々は、他のUV照射光源のUV放射の波長とは異なる波長でUV照射を発する。一実施形態では、UV照射光源34は、395nmの波長を有するUV照射を発する一方で、UV照射光源38は、365nmの波長を有するUV照射を発する。より長い波長は、より短い波長よりも良好にインクの下層を硬化させる一方で、より短い波長は、より長い波長よりも良好に上層を硬化させる。上層を硬化させる前に下層を硬化させることは、上層が最初に硬化する場合、下層を硬化させることがより困難であるため、より良好な順序である。UV照射光源34、38は、既定の距離Dで、第2の印刷ゾーン30内の最後のプリントヘッドから離れている。この距離Dは、第2の印刷ゾーン30内のプリントヘッドによって吐出されたインクが、UV光源34、38の下を通過し、硬化して、そのインクの位置が固定される前に、インクがより均一になるように、ウェブWの表面上を流動するのに十分である距離として経験的に決定される。本明細書で使用される場合、「流動」という用語は、インクが、既定の許容パラメータを超えて、UV硬化性液滴の着地面を超えて広がることを意味する。次いで、完成した印刷画像は、画像データが、コントローラ14によって分析されて、画像品質が許容可能であると判断し得るように、印刷画像の画像データを
生成させる光学センサ24を通過する。光学センサ24は、LEDエミッタ及び光検出器、又は2次元画像を
生成させるカメラから構成される単一ラインスキャナであり得る。ローラー42及び46は、ウェブW内の張力を維持するために提供され、それらは、既知の様式でウェブ内の張力を調節するように移動可能であり得る。
【0011】
第1の印刷ゾーン26内の各プリントヘッド50A、50B、50C、及び50Dは、対応するプリントヘッドドライバ54A、54B、54C、及び54Dに動作可能に接続されており、コントローラ14は、これらのプリントヘッドドライバに動作可能に接続されている。第2の印刷ゾーン30内の各プリントヘッド58A、58B、58C、及び58Dもまた、対応するプリントヘッドドライバ62A、62B、62C、及び62Dに動作可能に接続されており、コントローラ14は、これらのプリントヘッドドライバに動作可能に接続されている。第1の印刷ゾーン26内のプリントヘッド50A、50B、50C、及び50Dの各々に続いて、UV照射光源66A、66B、66C、及び66Dがあり、コントローラ14は、照射光源の各々に動作可能に接続されている。これらの照射光源は、395nmの波長でUV照射を発する。各UV照射光源66A、66B、66C、及び66Dは、プロセス方向に既定の距離でUV照射光源のすぐ前のプリントヘッドに続き、そこで、直前のプリントヘッドによって吐出されたUV硬化性インクが、UV照射光源を通過する前に、直前のプリントヘッドによって吐出されたUV硬化性インクが、UV照射光源によって固着する。本明細書で使用される場合、「固着」とは、UV硬化性インクが、既定の許容パラメータを超えて、UV硬化性インク液滴の着地面を超えて広がらないことを意味する。一実施形態では、この許容パラメータは、公称UV硬化性インク液滴の直径の約2倍である。第1の印刷ゾーン内のプリントヘッドの数及び第2の印刷ゾーン内のプリントヘッドの数は同じであり、第2の印刷ゾーン内のプリントヘッドにおけるインクジェットは、第1の印刷ゾーン内の対応するプリントヘッドにおけるインクジェットとプロセス方向に整列する。すなわち、第1の印刷ゾーン内の特定の色のインクを吐出するプリントヘッドにおけるインクジェットによって吐出されたインク液滴は、第2の印刷ゾーン内の同じ色のインクを吐出するプリントヘッドの対応するインクジェット直下を通過する。この構成により、異なる印刷ゾーン内の同じ色の2つのプリントヘッドが、2つのプリントヘッドにおける各インクジェットのためのバックアップを提供することが可能になる。これらの2つの印刷ゾーンのうちの1つにおけるインクジェットが動作しなくなる場合、次いで、他の印刷ゾーン内の対応する色のプリントヘッドにおける対応するインクジェットは、液滴を吐出して、インク液滴の欠陥を置き換え得る。したがって、第2の印刷ゾーン内のプリントヘッドは、プリントヘッドによってクロスプロセス方向に形成され得るライン内の液滴の数の解像度を増加させるように配置されてはいない。
【0012】
コントローラ14は、プログラムされた命令を実行する汎用又は専用のプログラマブルプロセッサで実装され得る。プログラムされた機能を実行するために必要とされる命令及びデータは、プロセッサ又はコントローラに関連付けられたメモリ内に記憶され得る。プロセッサ、それらのメモリ、及びインターフェース回路は、以下に記載される動作を実行するようにコントローラを構成する。これらの構成要素は、プリント回路カード上に提供されてもよく、又は特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)内の回路として提供されることもある。各々の回路は、別個のプロセッサで実装することができ、又は複数の回路が、同じプロセッサ上に実装されることもある。代替的に、回路は、超大規模集積回路(very large scale integrated、VLSI)内で提供される個別の構成要素又は回路で実装することができる。また、本明細書に記載される回路は、プロセッサ、ASIC、別個の構成要素、又はVLSI回路の組み合わせで実装することができる。
【0013】
コントローラ14は、画像供給源70に動作可能に接続されている。画像供給源70は、スキャナ、データベース、又は他の画像生成、又はデータ供給源であり得る。コントローラ14が画像供給源70から取得する画像が使用されて、プリンタ10を動作させて、得られた画像に対応するインク画像をウェブW上に形成する。コントローラ14は、プリントヘッドドライバ54A~54D及び62A~62Dの制御のために、画像供給源から得られた画像を以下の様式で処理する。
図2に示されるように、合成画像74は、画像供給源70からが得られる。本明細書で使用される場合、「合成画像」という用語は、画像内の全ての構成要素を形成する画像内に存在する各色の画素データを指す。合成画像74は、画像内に詳細な特徴を形成する画素を含有する
(精細特徴データを含む)精細特徴ファイル78と、画像内に主にべた領域を形成する画素を含有する
(べた領域データを含む)べた
領域ファイル82と、を含む。2つのファイルを生成するために、印刷されるビットマップ画像が、領域内にセグメント化され、領域内の画素の平均密度が決定される。この平均は、既定の密度閾値と比較される。閾値よりも高い平均画素密度を有するこれらの領域は、べた領域ファイル82の領域として特定され、一方で閾値以下である密度を有する領域は、精細特徴ファイル78の領域として特定される。
図2に示される例では、べた領域は、画像内の制服及び背景に対応する。べた周辺部84は、特徴ファイル78に追加されて、画像の端部でのべたの流動を制限する。コントローラは、合成画像74を処理して、精細特徴ファイル78及びべた
領域ファイル82を生成し、次いで、これらのファイルの各々は、コントローラ14によって処理されて、2つの印刷ゾーン内のプリントヘッドによって吐出されたインクの色に対応する色分解ファイルを生成する。ハーフトーンなどの既知の様式で、追加の処理も実行され得る。
精細特徴ファイル78から誘導される色分解ファイルは、色分解ファイルに含まれる色に対応する第1の印刷ゾーン26内のプリントヘッドに対応するプリントヘッドドライバに供給される。例えば、
精細特徴ファイル78から誘導される黒色分解ファイルは、黒インクを吐出するプリントヘッド50Aを動作させるプリントヘッドドライバ54Aに伝達される。本明細書で使用される場合、「印刷ゾーン」という用語は、精細特徴ファイル又はべた領域ファイルのいずれかを使用するが、両方は使用せずに、基材上にインク画像を形成する複数のプリントヘッドの真向いの領域を意味する。「プロセス方向」という用語は、インクジェットがインクをシート上に吐出する際に、媒体が、印刷ゾーン(複数可)を移動する方向を意味し、「クロスプロセス方向」という用語は、印刷ゾーン(複数可)内の媒体の平面のプロセス方向に垂直である軸を意味する。
【0014】
図1に示されるプリンタを動作させるためのプロセスが、
図3に示される。プロセスの説明において、プロセスがいくつかのタスク又は機能を実行しているという記述は、コントローラ又は汎用プロセッサが、データを操作するために、又はプリンタ内の1つ以上の構成要素を動作させてタスク若しくは機能を実行するために、コントローラ又はプロセッサに作動的に接続された非一時的コンピュータ可読記憶媒体に格納されたプログラム命令を実行することを指す。上記のコントローラ14は、このようなコントローラ又はプロセッサであり得る。あるいは、コントローラは、2つ以上のプロセッサ並びに関連する回路及び構成要素と共に実装され得、これらはそれぞれ、本明細書に記載される1つ以上のタスク又は機能を形成するように構成される。加えて、方法の工程は、図に示される順序又は処理が記載される順序にかかわらず、任意の実行可能な時系列順序で実行され得る。
【0015】
図3は、プリントシステム10を動作させて、画像印刷中に異なる時間で様々な程度のUV照射露光を提供して、
(精細特徴ファイルに含まれる精細特徴データで表される)精細画像特徴の鮮明度を改善し、それらの領域内での色の正確な形成を伴う均一なべた領域を確立する、プロセス300のフローチャートである。プロセス300は、合成画像ファイルを受信することによって開始する(ブロック304)。
次いで、コントローラは、合成画像ファイルから精細特徴ファイル及びべた領域ファイルを
生成させる(ブロック308)。色分解ファイルは、精細特徴ファイル及びべた領域ファイルから
生成する(ブロック312)。精細特徴ファイルから
生成する色分解ファイルは、第1の印刷ゾーン内のプリントヘッドを動作させるプリントヘッドドライバへ送られ(ブロック316)、べた領域ファイルから
生成する色分解ファイルは、第2の印刷ゾーン内のプリントヘッドを動作させるプリントヘッドドライバへ送られる(ブロック320)。第1の印刷ゾーン及び第2の印刷ゾーンのためのUV照射光源が活性化される(ブロック324)。次いで、プリントヘッドドライバは、色分解ファイルを使用して、第1及び第2の印刷ゾーン内のプリントヘッドを動作させて、第1の印刷ゾーン内でウェブ上に精細特徴画像を形成し、第2の印刷ゾーン内でウェブ上にべた領域を形成する(ブロック328)。印刷画像が光学センサを通過すると、印刷画像の画像データが
生成され、コントローラによって分析される(ブロック332)。画像データが、精細特徴印刷画像の粒子が粗すぎると示す場合、次いで、第1の印刷ゾーンのUV照射光源の強度が増加し、画像データが、べた領域印刷画像の筋が強すぎると示す場合、次いで、第2の印刷ゾーンのUV照射光源の強度が減少する(ブロック336)。本明細書で使用される場合、「粒子の粗い」という用語は、画像内の精細特徴全域にわたるインクの不均一な分布を意味し、「筋状の」という用語は、画像内のべた領域内の交互の明暗ラインを意味する。印刷に使用可能な追加の画像がない場合(ブロック340)、プロセスは別の画像の印刷の準備ができるまで待機する。この時点で、プロセスは、合成画像を取得し(ブロック304)、プロセスは、繰り返される。
【0016】
UV照射光源が動作していると同時に、第1の印刷ゾーン内のプリントヘッドを、精細特徴ファイルから誘導される色分解ファイルを使用して、動作させることによって、精細特徴ファイルに対応する各色分解は、インクが迅速に定位置に固着するように、別個に硬化する。印刷、及び画像をUV照射へ曝すことの組み合わせは、インクが、基材Wの表面上で流動すること、又は画像の粒子を粗くする制御されていない形状を形成する手段で、隣接する堆積液滴が混ぜ合わさること、がないため、精細特徴詳細を保持するのに有効である。既定の距離Dで第2の印刷ゾーンから離れているUV照射光源が動作していると同時に、精細特徴ファイルから誘導される色分解を使用して、第2の印刷ゾーン内で動作するプリントヘッドは、インクが流動すること、及びべた領域ファイルに対応するべた印刷領域をより均一に被覆することを可能にする。印刷、及びべた領域画像をUV照射に曝すことの待機の組み合わせは、インクが、UV照射露光の前に、基材Wの表面上で流動するのを許すため、より均一なべた領域を形成するのに有効である。
【0017】
プリンタ10の代替の実施形態が、
図4に示される。このプリンタ10’は、第2のプリントヘッドのセット58A、58B、58C、及び58D、並びに第2のプリントヘッドドライバのセット62A、62B、62C、及び62Dを除いて、プリンタ10の全ての構成要素を含む。加えて、365nmの波長でUV照射を発するUV照射光源34は、距離DでUV光源66Dから離れており、395nmの波長でUV照射を発するUV照射光源38は、
図1に示されるようにUV光源34に続く。UV照射光源66A、66B、66C、及び66Dの各々は、印刷ゾーン26のクロスプロセス方向幅を被覆するUV発光ダイオード(LED)などの小さなUVエミッタの配列である。UVエミッタは、395nmの波長でUV照射を発する。各UV光源66A~66D内の各UVエミッタは、スイッチングネットワークなどを介して、コントローラ14によって独立して動作し得る。
代替の実施形態では、ただ1つの印刷ゾーンが提供されるため、プリントヘッド50A~50Dを動作させるために合成画像が使用される。しかしながら、合成画像は、上述のように、精細特徴データのみを
生成させるために依然として使用される。各UV光源のすぐ前のプリントヘッドによって印刷された精細特徴を含有する画像の領域のみが、プロセス方向にプリントヘッドに続くUV光源のUVエミッタからのUV照射に曝されるように、精細特徴データは、UV光源66A~66DのUVエミッタを独立して動作させるために、コントローラ14によって使用される。この様式では、精細特徴を形成するプリントヘッドからのインクは、ウェブWへの吐出に続いて固着し、一方で、プリントヘッドによって印刷されたべた領域は、画像がUV光源34に到達するまで広がり得る。UV光源34及びUV光源38は両方とも、画像がこれらのUV光源を通過する際に、クロスプロセス方向にウェブWの全幅にわたって均一にUV照射を発することを意味する、投光UV光源である。したがって、
べた領域は、最初にUV光源34によって下層で、次いで、UV光源38によって上層で、これらのUV光源によって固着する。
【0018】
上に開示の装置及び他の特徴、及び機能、又はそれらの代替物の変形は、望ましくは多くの他の異なるシステム又は用途に組み合わされ得ることが理解されるであろう。その中に、様々な現在予見されない又は予期されない、代替、修正、変形、又は改善が、当業者によってその後に行われてもよく、これらはまた、以下の特許請求の範囲によって包含されることも意図される。