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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】気流を有する積み重ねモジュール
(51)【国際特許分類】
   B65H 31/00 20060101AFI20240122BHJP
   B65H 5/08 20060101ALI20240122BHJP
   B65H 7/02 20060101ALI20240122BHJP
   B65H 15/00 20060101ALI20240122BHJP
【FI】
B65H31/00 A
B65H5/08 A
B65H7/02
B65H15/00 G
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020135883
(22)【出願日】2020-08-11
(65)【公開番号】P2021042078
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2023-08-09
(31)【優先権主張番号】16/563,543
(32)【優先日】2019-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】アーウィン・ルイツ
(72)【発明者】
【氏名】カルロス・エム.・テレロ
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト・エー.・インツァリー
(72)【発明者】
【氏名】グレン・デイビッド・バチャラー
(72)【発明者】
【氏名】レイチェル・リン・タンチャック
【審査官】羽鳥 公一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第10065826(US,B1)
【文献】米国特許第10005632(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0271448(US,A1)
【文献】米国特許第09120634(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 9/00-9/20
B65H 13/00-15/02
B65H 31/00-31/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
一度に印刷媒体を単一シート供給するための紙送りと、
複数の回転ディスクであって、前記複数の回転ディスクの各1つが、前記単一シートの前縁部を位置合わせ壁に対して固定して、反転プロセスを開始するためのエラストマーリングを備える、複数の回転ディスクと、
前記複数の回転ディスク及び前記単一シートの上方に位置付けられたカーブしたバッフルと、
前記カーブしたバッフルに向かって空気流を送り出すための、前記複数の回転ディスク及び前記単一シートの上方に位置する空気ダクトであって、前記空気流が前記カーブしたバッフルの形状をたどって、前記単一シートの上方に低圧ゾーンを生み出して、前記反転プロセスの完了に前記単一シートの後縁部を浮揚した状態に維持する、第1の空気ダクトと、
前記印刷媒体のスタックを保持するための可動プラットフォームと、
前記複数の回転ディスク間に位置する複数の第2の空気ダクトと、
前記複数の回転ディスク間に位置する前記複数の第2の空気ダクトのうちの各1つに隣接して位置する、それぞれのカーブしたバッフルと、を備える、装置。
【請求項2】
前記第1の空気ダクトが、
前記空気流を生成する送風機と、
前記送風機及び前記第1の空気ダクトに連結されて、前記空気流を制御する弁と、を更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記反転プロセス中に、前記単一シートが前記位置合わせ壁に接触したときを検出するためのセンサ、を更に備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記弁が、前記位置合わせ壁によって生成された検出信号に応答して開き、前記空気流が、前記第1の空気ダクトを通って送り出されることを可能にする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記弁が、前記位置合わせ壁によって検出信号が生成されていないときには閉じて、前記空気流が、前記空気ダクトを通って送り出されることを防止する、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の空気ダクトが、エアナイフを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記空気流の量が、約15~20立方フィート/分(cfm)を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記複数の第2の空気ダクトを通る第2の空気流が、前記単一シートを前記複数の回転ディスクに向かって移動させる、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記印刷媒体が、50グラム/平方メートル(gsm)未満の重量及び20インチ未満の長さを有する紙を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
スタッカモジュール内で印刷媒体を反転させる方法であって、
弁が閉位置にある間に、プロセッサによって送風機を作動させて空気流を生成することと、
前記プロセッサによって、紙送りを作動させてスタッカモジュール内に前記印刷媒体の単一シートを供給することと、
前記プロセッサによって、各々がエラストマーリングを有する複数の回転ディスクの回転を開始して、前記印刷媒体の前記単一シートを捕捉して、反転プロセスを開始することと、
前記プロセッサによって、前記単一シートの前縁部が位置合わせ壁に接触しているというセンサからの信号を受信することと、
前記単一シートの前記前縁部が前記位置合わせ壁に接して検出されたことに応答して、前記プロセッサによって前記弁を開いて、前記複数の回転ディスク及び前記単一シートの上方に位置付けられたカーブしたバッフルに向かって空気ダクトを通して前記空気流を送り出して、前記単一シートの周りに低圧ゾーンを生み出して、前記反転プロセスの完了に前記単一シートの後縁部を浮揚した状態に維持することと、
前記複数の回転ディスクの前記回転を前記開始することに応答して、前記プロセッサによって第2の弁を開いて、前記複数の回転ディスク間に位置する第2の空気ダクトを通して、第2のカーブしたバッフルに向かって空気流を送り出して、前記複数の回転ディスクに向かって前記単一シートを引っ張ることと、を含む、方法。
【請求項11】
前記プロセッサによって、前記後縁部が紙送りを出たことを検出することと、
前記プロセッサによって、前記弁を閉じて、前記空気流が前記空気ダクトを通ることを防止することと、を更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記プロセッサによって、前記単一シートを保持する可動プラットフォームを下側に移動させて、前記印刷媒体の後続の単一シートを受け取ることと、
前記プロセッサによって、前記印刷媒体の積み重ねが完了するまで、前記紙送りを前記作動させることと、前記回転を前記開始することと、前記単一シートの前記前縁部が前記位置合わせ壁に接しているという前記センサからの信号を前記受信することと、前記弁を前記開くことと、前記後縁部が前記紙送りを出たことを前記検出することと、印刷媒体の前記後続の単一のシートのために前記弁を前記閉じることと、を繰り返すことと、を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第2の弁を前記開くことは、前記単一シートの前記前縁部が前記位置合わせ壁に接して検出されたことに応答して、前記弁前記開くことの前に実行される、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記単一シートの前記前縁部が前記位置合わせ壁に接触しているという前記センサから前記信号を受信した後に、前記プロセッサによって前記第2の弁を閉じること、を更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記空気ダクト及び前記第2の空気ダクトを通る前記空気流の量が、前記印刷媒体の前記単一シートの重量及び長さの関数である、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記空気ダクト及び前記第2の空気ダクトを通る前記空気流の量が、約15~20立方フィート/分(cfm)の範囲を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記重量が、50グラム/平方メートル(gsm)未満を含み、前記長さが20インチ未満を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
装置であって、
一度に紙の単一シートを供給するための紙送りであって、前記紙が、50グラム/平方メートル(gsm)未満の重量を有し、少なくとも19インチの長さを有する、紙送りと、
複数の回転ディスクであって、前記複数の回転ディスクの各1つが、エラストマーリングを含み、前記複数の回転ディスクが約180度回転して、前記単一シートの前縁部を位置合わせ壁に対して固定し、前記単一シートが前記紙送りを通って供給されると反転プロセスを開始する、複数の回転ディスクと、
空気流を生成する送風機と、
前記複数の回転ディスク間に位置する第1のカーブしたバッフルと、
前記複数の回転ディスク間に位置する第1の空気ダクトと、
前記複数の回転ディスクの回転の開始に応答して、前記第1の空気ダクトを通る前記空気流の第1の部分を制御して、前記単一シートを前記複数の回転ディスクに向かって引っ張るための、前記送風機の下流に連結された第1の弁と、
前記複数の回転ディスク及び前記単一シートの上方に位置付けられた第2のカーブしたバッフルと、
前記複数の回転ディスク及び前記単一シートの上方に位置する第2の空気ダクトと、
前記前縁部が前記位置合わせ壁に接触することに応答して、前記第2の空気ダクトを通る前記空気流の第2の部分を制御するための、前記送風機の下流に連結された第2の弁であって、前記空気流の前記第2の部分が前記単一シートの上方に低圧ゾーンを生み出して、前記反転プロセスの完了に前記単一シートの後縁部を浮揚した状態に維持する、第2の弁と、を備える、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して印刷デバイスに関し、より具体的には、気流を有する改善された積み重ねモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷媒体上にテキスト、画像、グラフィックなどを印刷するためにプリンタが使用される。画像はプリンタ用にレンダリングされる。印刷媒体は、プリンタの印刷パスを介してロードされ、所望の画像を印刷媒体上に印刷する。印刷媒体は、印刷ジョブを完了するために、プリンタ及び仕上げモジュール内の様々な処理領域を通って進行することができる。異なる仕上げモジュールは、印刷媒体上で印刷後処理を実行することができる。
【0003】
顧客は、コストを節約するために、より薄く、より軽く、かつより大きな印刷媒体に移行している。しかしながら、より薄い、より軽い、より大きい印刷媒体は、プリンタの特定のモジュールにおいて、機能不良(例えば、紙ジャム)を引き起こす可能性がある。例えば、印刷媒体がより軽くなり、より大きくなると、印刷媒体は、特定の処理のために十分なビーム強度又は剛性を有さない場合がある。より薄い印刷媒体及びより大きい印刷媒体はまた、高い相対湿度においてしわ及び波紋を生じやすくなる場合がある。印刷媒体のしわ又は波紋はまた、プリンタの特定のモジュールに問題を引き起こし得る。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に示される態様によれば、スタッカモジュール内で印刷媒体を反転させるための装置及び方法が提供されている。本実施形態の開示された特徴の1つは、一度に印刷媒体を単一シート供給するための紙送りと、複数の回転ディスクであって、複数の回転ディスクの各1つが、単一シートの前縁部を位置合わせ壁に対して固定して、反転プロセスを開始するためのエラストマーリングを備える、複数の回転ディスクと、複数の回転ディスク及び単一シートの上方に位置付けられたカーブしたバッフルと、カーブしたバッフルに向かって空気流を送り出すための、複数の回転ディスク及び単一シートの上方に位置する空気ダクトであって、空気流がカーブしたバッフルの形状をたどり、単一シートの上方に低圧ゾーンを生み出して、反転プロセスの完了中に単一シートの後縁部を浮揚した状態に維持する、空気ダクトと、印刷媒体のスタックを保持するための可動プラットフォームと、を備える、装置である。
【0005】
本実施形態の別の開示された特徴は、スタッカモジュール内で印刷媒体を反転させる方法である。一実施形態では、本方法は、弁が閉位置にある間に送風機を作動させて空気流を生成し、紙送りを作動させてスタッカモジュール内で印刷媒体の単一シートを供給し、各々がエラストマーリングを有する複数の回転ディスクの回転を開始して、印刷媒体の単一シートを捕捉して、反転プロセスを開始し、単一シートの前縁部が位置合わせ壁に接触しているというセンサからの信号を受信し、単一シートの前縁部が位置合わせ壁に接して検出されたことに応答して弁を開き、複数の回転ディスク及び単一シートの上方に位置付けられたカーブしたバッフルに向かって空気ダクトを通る空気流を送り出して、単一シートの周りに低圧ゾーンを生み出して、反転プロセスの完了中に単一シートの後縁部を浮揚した状態に維持する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示の教示は、添付図面と併せて以下の詳細な説明を考慮することによって容易に理解することができる。
【0007】
図1】本開示の例示的な印刷デバイスのブロック図を示す。
【0008】
図2】本開示の気流を有する例示的なスタッカモジュールの側面図のブロック図を示す。
【0009】
図3】本開示の気流を有する例示的なスタッカモジュールの上面図のブロック図を示す。
【0010】
図4】本開示の複数の気流を有する例示的なスタッカモジュールの側面図のブロック図を示す。
【0011】
図5】スタッカモジュール内で印刷媒体を反転させるための例示的な方法のフローチャートを示す。
【0012】
図6】本明細書で説明される機能を実行する際に使用するのに好適な例示的なコンピュータの高レベルブロック図を示す。
【0013】
理解を容易にするために、可能な場合、図に共通の同一の要素を示すために同一の参照番号が使用されている。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示は、気流補助を備えた改善された積み重ねモジュールを広く開示する。上述したように、顧客がコストを節約するためにより薄い、より軽い、より大きな印刷媒体を使用することを望むとき、より薄い、より軽い、より大きな印刷媒体は、プリンタの特定のモジュールにおいて問題を引き起こす可能性がある。一例のモジュールは、印刷媒体を反転して積み重ねるために使用される積み重ねモジュールである。例えば、印刷媒体がより軽くなり、より大きくなると、印刷媒体は、それ自体で反転するのに十分なビーム強度又は剛性を有さない場合がある。結果として、印刷媒体は、反転プロセス中にそれ自体が崩れて、積み重ねモジュール内にジャムを発生することがある。より薄くかつより大きい印刷媒体はまた、高い相対湿度においてしわ及び波紋を生じやすくなる場合があり、それはスタッカモジュールを間違って動作させるか、又はジャムさせ得る。
【0015】
本開示の実施形態は、印刷媒体が積み重ねモジュールにおいて反転プロセスを完了することを可能にするために、送り出された空気を使用して印刷媒体を部分的に浮揚させる改良された積み重ねモジュールを提供する。空気は、送風機によって生成され、弁及び空気ダクトによって制御され得る。空気は、カーブしたバッフルの周りに高速で提供されてもよい。空気流は、コアンダ(Coanda)効果をたどり、ベルヌーイ(Bernoulli)効果を介して印刷媒体を支持することができる。コアンダ効果は、空気流がカーブしたバッフルの曲線をたどることを確実にする。ベルヌーイ効果は、印刷媒体の上方の低圧領域及び印刷媒体の下方の高圧領域を生み出し得る。結果として、印刷媒体は、反転プロセス中に印刷媒体が崩れるのを防ぐように適切な形状及び揚力を維持し得る。結果として、スタッカモジュールをジャムさせることなく、又はスタッカモジュールを機能不良にさせることなく、比較的高い湿度であっても、より軽い、より薄い、及びより大きい印刷媒体が使用され得る。
【0016】
図1は、本開示の気流を伴うスタッカモジュール108(単にスタッカモジュール108とも呼ばれる)を含む例示的なプリンタ100を示す。図1は、プリンタ100のブロック図を示す。一例では、プリンタ100は、デジタルフロントエンド(DFE)102を含んでもよい。DFE102は、プロセッサ及びメモリ(例えば、非法定コンピュータ可読媒体)を含み得る。DFE102のプロセッサは、印刷パス104及びフィニッシャ106内の構成要素の制御操作と通信し得る。DFE102は、印刷ジョブ要求に含まれる画像及び文書を処理して、プリンタ100によって印刷される画像又は文書を作成し得る。
【0017】
一実施例では、印刷パス104は、印刷動作を実行するトナー、インク、定着器など(図示せず)のような印刷構成要素を含み得る。フィニッシャ106は、ステープル留め、丁合、積み重ねなどのような仕上げ作業を実行するための様々な異なるモジュールを含み得る。一実施例では、スタッカモジュール108は、反転プロセス及び積み重ねプロセスを実行し得る。
【0018】
図1は、本開示の説明を容易にするために簡略化されていることに留意されたい。プリンタ100は、図1に示されていない追加の構成要素を含み得る。例えば、プリンタ100は、ユーザインターフェース、ネットワーキング構成要素、追加の紙トレイ、インクカートリッジ又はトナーカートリッジ、光学構成要素(例えば、光学スキャナ)などを含んでもよい。
【0019】
図2は、スタッカモジュール108の例の側面視ブロック図を示す。一実施形態では、単一シート214の後縁部232の右に矢印で示されるように、印刷媒体の単一シート214が一度に1つずつスタッカモジュール108に供給され得る。スタッカモジュール108は、印刷媒体の単一シート214をスタッカモジュール108内に移動させるプラットフォーム及びローラを備え得る。
【0020】
スタッカモジュール108はまた、紙送り226を含み得る。紙送り226は、単一シート214が紙送り226に供給されると、単一シート214の前縁部230を捕捉し得る。複数のディスク(又は回転ディスク)204は、単一シート214.の前縁部230を捕捉し得る。例えば、複数のディスク204の各1つは、単一シート214の前縁部230を捕捉する開口部又はスロット206を有し得る。開口部206は、単一シート214を「把持」するのを助けるために、外縁の近くにエラストマーリングを含んでもよい。矢印216によって示されるように、複数のディスク204が回転すると、複数のディスク204は、単一シートの前縁部230を時計回り及び/又は反時計回りの方向に180度引っ張ることができる。
【0021】
一実施形態では、複数のディスク204は、単一シート214の前縁部230を位置合わせ壁208に向かって引っ張ることができる。複数のディスク204によって適用される回転力は、単一シート214の後縁部232が紙送り226から排出されると、印刷媒体の単一シート214上で反転プロセスを開始し得る。反転プロセスは、単一シート214の長さに沿ってシートの積み重ねの頂部に単一シート214を反転させ得る。
【0022】
言い換えると、単一シート214は、第1の側が上向きになってスタッカモジュールに入り得る。反転プロセスが完了した後、単一シート214の第1の側は、反対の向き、例えば、下向きであり得、そして今や、積み重ね内の頂部シートであり得る。
【0023】
以前に設計されたスタッカモジュールでは、印刷媒体の重量は、印刷媒体を反転させるのに十分であろう。しかしながら、顧客が、スタッカモジュールがより長い、より薄い、及びより軽い印刷媒体を取り扱うことができることを要求するとき、現在設計されているスタッカモジュールは、より長い、より薄い、より軽い印刷媒体を取り扱うことができない場合がある。例えば、より長い、より薄い、より軽い印刷媒体は、それ自体で反転するのに十分なビーム強度又は剛性を有さない場合がある。その結果、反転プロセスを完了することなく、より長い、より薄い、より軽い印刷媒体が崩れる場合がある。結果として、印刷媒体の後続のシートが以前に設計されたスタッカモジュールに入るとき、より長い、より薄い、より軽い印刷媒体が反転プロセスを完了することができないので、ジャムが発生し得る。
【0024】
加えて、印刷媒体がより薄く、より軽くなり、不利に相対湿度がより高くなるほど、印刷媒体に影響を及ぼし得る。例えば、高い相対湿度は、印刷媒体にしわを生じさせる可能性があり、これはスタッカモジュール108内の追加のジャムにつながる可能性がある。
【0025】
一実施例では、単一シート214は、より長い、より薄い、より軽い印刷媒体であってもよい。例えば、本開示の印刷媒体の単一シート214は、平方メートル当たり50グラム(gsm)未満の重量、及び20インチ未満の長さを有し得る。一実施例では、長さは、17インチ超かつ20インチ未満であってもよい。長さは、印刷媒体の単一シート214の最長寸法として定義され得る。
【0026】
一実施形態では、送風機250、弁252、及び空気ダクト254が、スタッカモジュール108内に設置され得る。送風機250は、弁252及び空気ダクト254を通して送り出され得る空気を生成し得る。送風機250は、空気流継手258(例えば、パイプ又は一連のパイプ)を介して弁252に連結され得る。弁252は、空気流継手256(例えば、パイプ又は一連のパイプ)を介して空気ダクト254に連結され得る。
【0027】
一実施形態では、空気ダクト254はエアナイフであってもよい。エアナイフは、三角形の断面形状を有し、縁部に沿って開口部を有し得る。エアナイフは、空気が高速で開口部を通って送り出されるように加圧されてもよい。
【0028】
一実施形態では、カーブしたバッフル202が、空気ダクト254に隣接して位置し得る。カーブしたバッフル202は、半円形、又はカーブした外面を有する任意の他の表面を有する、スタッカモジュール108内の円筒形ロッドであってもよい。エアナイフの例を使用すると、開口部を有するエアナイフの縁部は、カーブしたバッフルの外側表面に隣接して位置し得る。空気流は、気流として高速でエアナイフの開口部から押し出され得る。コアンダ効果により、気流は、矢印210によって示されるように、カーブしたバッフル202の形状をたどることができる。
【0029】
コアンダ効果により、気流は、可動プラットフォーム212に向かって部分220を吹き下げるのではなく、カーブしたバッフル202の周りをたどり得る。高速な気流はまた、単一シート214の部分220の上方に低圧ゾーン(LPZ)218、及び部分220の下方に高圧ゾーン(HPZ)224を生み出し得る。ベルヌーイ効果により、LPZ218及びHPZ224は、単一シート214が反転されて反転半径260を維持する際に、部分220を浮揚させ得る。
【0030】
一実施形態では、開口部のサイズは、反転されている単一シート214のサイズ及び重量の関数であり得る。例えば、反転プロセス中に浮揚を維持するためにより高い力を必要とするより大きいシートについては、孔は、気流の速度を増加させるためにより小さくなり得る。対照的に、より小さい又はより軽いシートの場合、孔は、気流の速度を低下させるためにより大きくてもよい。別の実施形態では、孔は一定の大きさであってもよく、気流の圧力は、送風機250によって増減されてもよい。
【0031】
加えて、反転プロセス中に単一シート214の部分220を支持するために、機械的構成要素は使用されない。むしろ、反転半径260を維持するために気流が使用される。その結果、ジャムを引き起こし得るしわ又はぎざぎざが単一シート214に形成されるのを防止し得る。
【0032】
一実施形態では、空気ダクト254は、可動プラットフォーム212の幅とほぼ同じ幅(例えば、図2のページ内に測定された寸法)を有してもよい。その結果、カーブしたバッフル202にわたって送り出される気流は、印刷媒体の単一シート214の幅にわたって均一に吹き付け得る。
【0033】
一実施形態では、弁252は、プリンタ100のコントローラ280又はプロセッサによって作動され得る電気機械弁であってもよい。弁252は、空気ダクト254を出る空気流を制御し得る。
【0034】
一実施形態では、送風機250は、後縁部232の近くにある単一シート214の部分220を浮揚させるのを助ける空気流を生成してもよい。例えば、送風機250が起動されて、空気が単一シート214の部分220に向かって空気ダクト254を出ることを可能にするように、弁252が開けられてもよい。一実施形態では、部分220は、後縁部232により近い単一シート214の半分として定義されてもよい。部分220の浮揚は、反転半径260を増加させ得る。反転半径260が大きいほど、反転プロセスは、印刷媒体の単一シート214の不完全性(例えば、低いビーム強度、不十分な剛性、高い相対湿度によるしわ、「ドッグイア」の形成、など)に対してより強固となり得る。
【0035】
こうして、空気流は、前縁部230の近くにあり、可動プラットフォーム212上に載っている部分222の頂部に部分220が崩れるのを防ぐことができる。一実施形態では、部分222は、前縁部230により近い単一シート214の半分として定義されてもよい。空気流は、比較的に長く軽い単一シート214が、それ自体を崩れることなく反転プロセスを完了するように助け得る。
【0036】
一実施形態では、送風機250によって生成される空気流の量は、印刷媒体の単一シート214の重量及び長さの関数であり得る。例えば、単一シート214がより軽く、より長くなると、生成されるべき空気流の量が大きくなる。加えて、気流がカーブしたバッフルに向かって流れることが許される(例えば、送風機250及び弁252の動作を制御するコントローラ280を介して)長さは、印刷媒体の長さの関数であり得る。例えば、単一シート214が長いほど、単一シート214がスタッカモジュール108を通って供給されている間、送風機250が作動されて部分220を浮揚状態に保ちながら、弁252がより長く開放され得る。
【0037】
一実施形態では、約45gsmの重量及び17インチの長さを有する単一シート214について、生成される空気流の量は、約15~20立方フィート/分(cfm)であり得る。
【0038】
一実施形態では、送風機250は、スタッカモジュール108が動作を開始するサイクルアップ中にオンにすることができ、弁252の動作は、スタッカモジュール108の紙パス内のセンサによる、スタッカモジュール108に入る各単一シート214の検出と一致してもよい。積み重ね動作を妨げる可能性がある空気が空気ダクトから連続的に吹き出されないことを確実にするために、弁252は、前縁部230が位置合わせ壁208に接触するときの計算に基づいてパルス化(例えば、オフ及びオン)されてもよい。一実施形態では、センサと位置合わせ壁208との間の距離は、単一シート214が移動している速度と同様に既知であり得る。同じ計算を使用して、後縁部232が紙送り226を出るときを検出してもよい。計算に基づいて、スタッカモジュール108は、弁252を開いて送風機250からの空気が通過することを可能にし、後縁部232が通過した後に弁252を閉じてもよい。プロセスは、後続の単一シート214の前縁部230が位置合わせ壁208に接して検出されるときに繰り返され得る。送風機250は、最後の単一シート214が積み重ねられた後にオフにされ得る。
【0039】
図3は、スタッカモジュール108の上面図のブロック図を示す。上面図は、可動プラットフォーム212、カーブしたバッフル202、及び空気ダクト254を示す。一実施形態では、空気ダクト254は、上述したように、複数の孔又は開口部304~304(以下、個別に孔304、又は全体として孔304とも呼ばれる)を有するエアナイフであってもよい。
【0040】
上述のように、孔304のサイズは、孔304を通って噴出される空気流の所望の量の空気圧又は速度に基づき得る。一実施形態では、孔304は、空気ダクト254の幅にわたってほぼ単一の線に沿って位置してもよい。空気ダクト254は、単一シート214の幅にほぼ等しい幅を有してもよい。一実施形態では、孔304は各々、ほぼ同じ直径を有してもよい。孔304は、空気ダクト254の幅(例えば、図3に示される寸法「w」)にわたって均等に、又は対称的に離間されてもよい。
【0041】
図3は、矢印306~306(以下、個別に矢印306、又は全体として矢印306とも呼ばれる)によって示されるように、孔304を通って噴出された空気流が、どのようにカーブしたバッフル202の下方を流れ、カーブしたバッフル202の形状をたどるかを示す。言い換えると、真っ直ぐに(例えば、ページにわたって)吹き出すのではなく、空気は、カーブしたバッフル202の下方を流れ、かつ上へ上がってカーブしたバッフル202の周りを流れる。
【0042】
図4は、複数の気流を有するスタッカモジュール108の第2の例のブロック図を示す。一実施形態では、積み重ねモジュール108はまた、第2の空気ダクト264を含み得る。第2の空気ダクト264は、複数の回転ディスク204の間に位置してもよい。第2の空気ダクト254は、複数の回転ディスク204の間に位置する突出区分、又は複数の回転ディスク204の間に配管された別個の区分を有する単一のマニホールドとして展開されてもよい。
【0043】
一実施形態では、第2の空気ダクト264は、空気流継手266(例えば、パイプ又は一連のパイプ)を介して第2の弁262に連結され得る。第2の弁262は、「T」及び空気流継手268(例えば、パイプ又は一連のパイプ)を介して送風機250に連結され得る。一実施形態では、第2の弁262は、別個の送風機に連結されてもよい。
【0044】
一実施形態では、第2の弁262はまた、コントローラ280によって作動され得る電気機械弁であってもよい。第2の弁262は、空気ダクト264を出る空気流を制御し得る。
【0045】
一実施形態では、第2のカーブしたバッフル272が、第2の空気ダクト264に隣接して位置し得る。例えば、複数の回転ディスク204間の第2の空気ダクト264の各部分は、それぞれの第2のカーブしたバッフル272を有してもよい。
【0046】
以下で更に詳細に論じられるように、第2の空気ダクト264は、単一シート214を複数の回転ディスク204に向かって引っ張るのを助け得る。例えば、第2の空気ダクト264は、空気ダクト254と交互に動作されてもよい。例えば、第2の空気ダクト264は、前縁部230がスタッカモジュール108に供給されるときに、最初に起動されてもよい。第2の空気ダクト264は、気流を第2のカーブしたバッフル272に向かって高速で噴出し得る。気流は、矢印270によって示されるように、第2のカーブしたバッフル272の周りを移動し得る。
【0047】
空気ダクト254からの空気流と同様に、第2の空気ダクト264からの気流は、部分220の下方の低圧ゾーン及び部分220の上方の高圧ゾーンを生み出し得る。結果として、単一シート214は、複数の回転ディスク204に向かって引っ張られ得る。
【0048】
一実施形態では、DFE102内のコントローラ280又はプロセッサは、紙送り226、複数のディスク204、位置合わせ壁208、送風機250、弁252、可動プラットフォーム212、及び第2の弁262と通信することができる。このため、コントローラ280は、紙送り226、複数のディスク204、位置合わせ壁208、送風機250、弁252、可動プラットフォーム212、及び第2の弁262の動作を調和して働かせて、反転プロセス及び積み重ねプロセスを実行し得る。
【0049】
例えば、単一シート214の前縁部230がスタッカモジュール108に入ると、コントローラ280は、送風機250を作動させ、第2の弁262を開くことができる。弁252は閉じたままであってもよい。送風機からの空気は、第2の空気ダクト264から噴出されて、第2のカーブしたバッフル272にわたって気流を送り出し得る。カーブしたバッフル272を横切る気流は、ディスクが回転しているときに、単一シート214を複数の回転ディスク204に向かって引っ張ることができる。
【0050】
前縁部230が、位置合わせ壁208に接触すると判定されたとき(例えば、上述の紙パス内のセンサまでの距離に基づく計算によって)、位置合わせ壁208は、コントローラ280に信号を送信し得る。これに応じて、コントローラ280は、弁252を開位置に作動させて、送風機250によって生成された空気流が弁252を通って移動することを可能にし得る。加えて、コントローラ280は、第2の弁262を閉じて、空気ダクト264を通る空気流を停止し得る。結果として、上述のように、気流が空気ダクト254から噴出され、反転プロセス中に単一シート214の反転半径260を維持するように助けることができる。単一シート214が反転された後(例えば、後縁部232がスタッカモジュール108の紙送り226を離れるときを判定するための計算に基づいて)、コントローラ280は、サイクルのために弁252を閉位置に制御し得る。次いで、サイクルは、スタッカモジュール108内に供給される印刷媒体の各後続のシートに対して繰り返され得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、ユーザは、印刷前に使用されている印刷媒体の長さ及び重量を入力することができる。印刷媒体の長さ及び重量に基づいて、コントローラ280は、送風機250の動作が必要かどうかを判定してもよい。場合によっては、いつ弁252及び262が動作されるべきかを自動的に判定するために、メモリに閾値を記憶してもよい。例えば、印刷媒体の長さ及び重量が、長さ閾値及び/又は重量閾値を上回る場合、コントローラ280は、送風機250の動作を開始し、スタッカモジュール108での反転プロセス中に弁252及び262を制御してもよい。
【0052】
図5は、スタッカモジュール内で印刷媒体を反転させるための例示的な方法500のフローチャートを示す。一実施形態では、方法500の1つ以上のステップ又は動作は、スタッカモジュール108、又は図6に示され、以下で説明するように、スタッカモジュール108の動作を制御するコンピュータ/プロセッサによって実行され得る。
【0053】
ブロック502において、方法500は開始する。ブロック504において、方法500は、弁が閉位置にある間に送風機を作動させて空気流を生成する。例えば、スタッカモジュール内で積み重ね動作が開始されてもよく、送風機は、サイクルアップ中にオンにされてもよい。弁は、積み重ねモジュール内の印刷媒体の単一シートを反転させるのを支援するために空気流が所望されるまで、閉位置に維持され得る。
【0054】
ブロック506において、方法500は、紙送りを作動させてスタッカモジュール内で印刷媒体の単一シートを供給する。例えば、紙送りは、印刷媒体の単一シートをスタッカモジュールに向かって押し下げて、印刷媒体をロードしてもよい。
【0055】
ブロック508において、方法500は、各々がエラストマーリングを有する複数の回転ディスクの回転を開始して、印刷媒体の単一シートを捕捉して、反転プロセスを開始する。エラストマーリングは、複数の回転ディスクの外周に沿ってスロット又は開口部を一列に並べ得る。例えば、印刷媒体の単一シートがスタッカモジュールにロードされると、エラストマーリングは、印刷媒体の単一シートの前縁部を各ディスクのスロット内に捕捉するのを助けることができる。次いで、複数の回転ディスクは、前縁部を位置合わせ壁に向かって引っ張ることができる。
【0056】
一実施形態では、複数の回転ディスク間に位置する空気ダクト及びそれぞれのカーブしたバッフルを使用して、複数の回転ディスクに向かって印刷媒体を引っ張るのを助けることができる。例えば、複数の回転ディスクの回転の開始に応答して、複数の回転ディスク間の空気ダクトに連結された第2の弁を開いて、複数の回転ディスク間の空気ダクトから高速気流として空気流が噴出されるのを可能とし得る。気流は、それぞれのカーブしたバッフルの周りを高速で移動してもよく、ベルヌーイ効果により、複数の回転ディスクに向かって紙を引っ張る。
【0057】
ブロック510において、方法500は、単一シートの前縁部が位置合わせ壁に接触しているというセンサからの信号を受信する。例えば、センサは、位置合わせ壁の中又は上に位置してもよい。単一シートの前縁部が位置合わせ壁上のセンサに接触すると、センサは信号をコントローラに送信してもよい。
【0058】
別の実施形態では、スタッカモジュールの紙パス内のセンサを使用して、前縁部が位置合わせ壁に接触するときを計算してもよい。例えば、センサと位置合わせ壁との間の距離、及び単一シートの速度を使用して、単一シートの前縁部が位置合わせ壁に接触するときを計算し得る。前縁部が位置合わせ壁に接触すると、位置合わせ壁は、単一シートが反転プロセスを開始する位置にあることをプロセッサ又はコントローラに合図し得る。
【0059】
ブロック512において、方法500は、単一シートの前縁部が位置合わせ壁に接して検出されたことに応答して弁を開いて、複数の回転ディスク及び単一シートの上方に位置付けられたカーブしたバッフルに向かって空気ダクトを通る空気流を送り出して、単一シートの周りに低圧ゾーンを生み出して、反転プロセスの完了中に単一シートの後縁部を浮揚した状態に維持する。例えば、プロセッサ又はコントローラは、弁を閉位置から開位置に制御して、ブロック504において送風機によって生成された空気が空気ダクトから流出することを可能にし得る。空気流は、空気ダクトを出て、カーブしたバッフルに向かう高速の気流として、空気ダクトから噴出され得る。空気流は、コアンダ効果に従ってカーブしたバッフルをたどり得る。気流はまた、単一シートの後縁部に最も近い部分の上方に低圧ゾーンを生み出す高速気流によって生み出されるベルヌーイ効果に従って、単一シートの一部分を浮揚した状態に保持し得る。浮揚は、それ自体を崩す(例えば、後端部付近の部分が、完全に反転することなく前縁部付近の部分に崩れる)ことなく、単一シートが反転プロセスを完了するのを支援し得る。
【0060】
一実施形態では、複数の回転ディスク間に位置する空気ダクトに連結された第2の弁は、単一シートの前縁部が位置合わせ壁に接触しているというセンサからの信号に応じて閉じられてもよい。言い換えると、空気ダクトに連結された弁と、複数の回転ディスク間に位置する空気ダクトに連結された第2の弁とを交互に使用することができる。例えば、第2の弁は、第1の弁がオフにされるときに開かれ得、逆もまた同様である。
【0061】
一実施形態では、送風機によって生成される空気流の量は、使用される印刷媒体の重量及び/又は長さの関数であり得る。一実施形態では、約45gsmの重量及び17インチの長さを有する印刷媒体の単一シートについて、生成される空気流の量は、約15~20立方フィート/分(cfm)であり得る。
【0062】
ブロック514において、方法500は、印刷媒体の後続の単一シートがあるかどうかを判定する。例えば、スタッカモジュールが、反転させる追加の印刷媒体のシートを有する場合、ブロック514に対する答えは「はい」であり、方法はブロック506に戻る。一実施形態では、ブロック506に戻る前に、方法500は、印刷媒体の後続の単一シートを受け取るために、単一シートを保持する可動プラットフォームを下側に移動させることができる。可動プラットフォームは、反転され、互いの頂部に積み重ねられた印刷媒体の各シートと共に下げられてもよい。その後、方法500は、全ての印刷媒体が反転され、印刷媒体の積み重ねが完了するまで、ブロック506~514を繰り返すことができる。
【0063】
ブロック514に対する答えが「いいえ」である場合、方法はブロック516に進むことができる。ブロック516において、方法500は、終了する。例えば、送風機は、積み重ね動作を実行するための後続の要求が受信されるまで、サイクルダウン動作において非アクティブ化されてもよい。
【0064】
決定動作を規定する、あるいは決定を伴う図5のブロックは、決定動作の両方の分岐が実行されることを必ずしも必要としないことに留意されたい。言い換えると、決定動作の分岐のうちの1つを、任意のステップとみなすことができる。加えて、上述の方法500の1つ以上のステップ、ブロック、機能、又は動作は、本開示の例示的な実施形態から逸脱することなく、任意のステップを含んでもよく、あるいは上述のものとは異なる順序で組み合わせる、分離する、及び/又は実行することができる。
【0065】
図6は、本明細書で説明される機能の実行専用であるコンピュータの高レベルブロック図を描写する。図6に描写するように、コンピュータ600は、1つ以上のハードウェアプロセッサ要素602(例えば、中央処理ユニット(CPU)、マイクロプロセッサ、又はマルチコアプロセッサ)、メモリ604、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)及び/又は読み出し専用メモリ(ROM)、スタッカモジュール内で印刷媒体を反転させるためのモジュール605、及び、様々な入力/出力デバイス606(例えば、テープドライブ、フロッピードライブ、ハードディスクドライブ又はコンパクトディスクドライブ、を含むがこれらに限定されない、記憶デバイス、受信機、送信機、スピーカ、ディスプレイ、音声合成装置、出力ポート、入力ポート、及び(キーボード、キーパッド、マウス、マイクロフォンなどのような)ユーザ入力デバイス)、を備える。1つのプロセッサ要素のみが示されているが、コンピュータは、複数のプロセッサ要素を採用してもよいことに留意されたい。更に、1つのコンピュータのみが図に示されているが、上で考察される方法(単数又は複数)が、特定の例解的な例のために分散又は並列方式で実装される場合、すなわち、上記方法(単数又は複数)又は方法全体のステップが複数のコンピュータ又は並列コンピュータにわたって実装される場合、この図のコンピュータは、それら複数のコンピュータのそれぞれを表すことが意図される。更に、仮想化又は共有コンピューティング環境をサポートするために、1つ以上のハードウェアプロセッサを利用することができる。仮想化コンピューティング環境は、コンピュータ、サーバ、又は他のコンピューティングデバイスを表す1つ以上の仮想マシンをサポートし得る。このような仮想化された仮想マシンでは、ハードウェアプロセッサなどのハードウェア構成要素及びコンピュータ可読記憶デバイスが、仮想化又は論理的に表されてもよい。
【0066】
本開示は、例えば、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array、FPGA)を含むプログラマブルロジックアレイ(programmable logic array、PLA)、若しくはハードウェアデバイス上に展開されたステートマシン、コンピュータ、又は任意の他のハードウェア等価物、例えば、上で考察される方法(複数可)に関連し、上記に開示した方法のステップ、機能、及び/又は動作を実行するハードウェアプロセッサを構成するために使用することができるコンピュータ可読命令を使用して、ソフトウェア及び/又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせで実装することができることに留意されたい。一実施形態では、スタッカモジュール内で印刷媒体を反転させるための、本モジュール又はプロセス605のための命令及びデータ(例えば、コンピュータ実行可能命令を含むソフトウェアプログラム)は、メモリ604にロードされ、ハードウェアプロセッサ要素602によって実行されて、例示的方法500に関連して上述したようなステップ、機能、又は動作を実施することができる。更に、ハードウェアプロセッサが命令を実行して「動作」を行うときに、これはハードウェアプロセッサが直接的に動作を実行するかつ/あるいは動作を行う別のハードウェアデバイス又は構成要素(例えば、コプロセッサなど)を容易にする、それに指向する、あるいはそれと協働することを含むことができる。
【0067】
上記に説明した方法に関するコンピュータ読み取り可能又はソフトウェア命令を実行するプロセッサは、プログラムされたプロセッサ又は専門プロセッサとして認識されることができる。したがって、本開示のスタッカモジュール(関連するデータ構造を含む)内で印刷媒体を反転させるための本モジュール605は、有形又は物理的(広く非一時的な)コンピュータ可読記憶装置又は媒体、例えば、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、ROMメモリ、RAMメモリ、磁気若しくは光学ドライブ、デバイス又はディスケットなど、に記憶することができる。より具体的には、コンピュータ読み取り可能記憶デバイスが、プロセッサ又はコンピュータ、アプリケーションサーバなどの計算デバイスによってアクセスされるデータ、命令などの情報を記憶する能力を提供する任意の物理的デバイスを含んでもよい。
【0068】
様々な上記に開示したもの並びに他の特徴及び機能の変形、又はそれらの代替物が、多くの他の異なるシステム又はアプリケーションに組み合わされてもよいことが理解されるであろう。様々な現在予期されていない、又は先行例のない代替物、修正、変形、又は改善が、その後に当業者によってなされてもよく、それらも以下の特許請求の範囲によって包含されることを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6