(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】コンバイン
(51)【国際特許分類】
A01F 12/52 20060101AFI20240122BHJP
【FI】
A01F12/52 A
(21)【出願番号】P 2020203660
(22)【出願日】2020-12-08
【審査請求日】2022-12-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】小林 宜泰
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 雅行
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-268411(JP,A)
【文献】特開2011-177074(JP,A)
【文献】特開2015-065883(JP,A)
【文献】特開2011-193785(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01F 12/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
刈取穀稈を脱穀する脱穀部と、前記脱穀部の下方に設けられ、前記脱穀部が刈取穀稈を脱穀することで得られた穀粒を選別する選別部と、を有する脱穀装置と、
前記脱穀装置の横隣に設けられ、前記選別部によって選別された二番物を前記選別部に還元する二番還元装置と、
前記脱穀部における前記二番還元装置が位置する側の横側壁に形成され、前記二番還元装置からの二番物が通過する開口部と、
前記二番還元装置からの二番物を前記開口部に向けて案内するガイド部材と、を備え、
前記ガイド部材は、
前記脱穀装置の側壁に固定された本体部と、前記本体部から着脱可能な着脱部分
と、を有しているコンバイン。
【請求項2】
前記脱穀装置における前記二番還元装置と同じ側の横隣に、前記選別部によって選別された一番物を搬送する一番縦搬送装置が備えられ、
前記着脱部分は、前記一番縦搬送装置と前記脱穀装置との間に位置し、且つ、側面視において前記一番縦搬送装置と重複している請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
前記着脱部分は、前記ガイド部材のうち前記開口部に対向する部分である請求項1に記載のコンバイン。
【請求項4】
前記着脱部分は、前記ガイド部材のうち前記開口部の横方に位置する側壁である請求項
3に記載のコンバイン。
【請求項5】
前記側壁は、平板状の部材によって構成されている請求項
4に記載のコンバイン。
【請求項6】
前記ガイド部材は、前記側壁を面当たり状態で受ける受け面部を有している請求項
5に記載のコンバイン。
【請求項7】
前記側壁は、前記受け面部に固定されている請求項
6に記載のコンバイン。
【請求項8】
前記着脱部分の縁部及び前記着脱部分の周囲に位置する周囲部材のうちの何れか一方に、二股状の第一係止部が設けられ、
前記着脱部分の縁部及び前記周囲部材のうちの何れか他方に、前記第一係止部に挟まれる第二係止部が設けられ、
前記第二係止部が前記第一係止部に挟まれて係止されることにより、前記着脱部分が前記周囲部材に取り付けられている請求項
1から7の何れか一項に記載のコンバイン。
【請求項9】
前記周囲部材に、前記着脱部分に向かって突出するボルトが設けられ、
前記着脱部分に、前記ボルトが挿通されるボルト孔が形成され、
前記着脱部分は、前記ボルト孔に前記ボルトが挿通されてナットによって固定されている請求項
8に記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンバインとして、例えば、特許文献1に記載のコンバインが知られている。
特許文献1に記載のコンバインには、刈取穀稈を脱穀する脱穀部(文献では「扱胴〔24〕等」)と、脱穀部の下方に設けられ、脱穀部が刈取穀稈を脱穀することで得られた穀粒を選別する選別部(文献では「選別部〔26〕」)と、を有する脱穀装置(文献では「脱穀装置〔4〕」)が備えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のコンバインでは、脱穀部の内部のメンテナンスを行う際に、脱穀部の内部へのアクセスを容易に行う点で改善の余地がある。
【0005】
上記状況に鑑み、脱穀部の内部を容易にメンテナンス可能なコンバインが要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の特徴は、刈取穀稈を脱穀する脱穀部と、前記脱穀部の下方に設けられ、前記脱穀部が刈取穀稈を脱穀することで得られた穀粒を選別する選別部と、を有する脱穀装置と、前記脱穀装置の横隣に設けられ、前記選別部によって選別された二番物を前記選別部に還元する二番還元装置と、前記脱穀部における前記二番還元装置が位置する側の横側壁に形成され、前記二番還元装置からの二番物が通過する開口部と、前記二番還元装置からの二番物を前記開口部に向けて案内するガイド部材と、を備え、前記ガイド部材は、前記脱穀装置の側壁に固定された本体部と、前記本体部から着脱可能な着脱部分と、を有していることにある。
【0007】
本特徴構成によれば、着脱部分を取り外すことにより、ガイド部材の内部が開放されることになる。これにより、ガイド部材の外部から開口部を介して脱穀部の内部のメンテナンスを容易に行うことができる。すなわち、本特徴構成によれば、脱穀部の内部を容易にメンテナンス可能なコンバインを実現することができる。
【0008】
ここで、脱穀装置の周囲では、他の部材が多く存在しているため、作業空間が狭い。本特徴構成によれば、ガイド部材を部分的に着脱することにより、脱穀装置の周囲の作業空間が狭い場合でも、着脱部分の着脱作業を行い易い。
さらに、本発明において、前記脱穀装置における前記二番還元装置と同じ側の横隣に、前記選別部によって選別された一番物を搬送する一番縦搬送装置が備えられ、前記着脱部分は、前記一番縦搬送装置と前記脱穀装置との間に位置し、且つ、側面視において前記一番縦搬送装置と重複していると好適である。
【0009】
さらに、本発明において、前記着脱部分は、前記ガイド部材のうち前記開口部に対向する部分であると好適である。
【0010】
本特徴構成によれば、着脱部分を取り外すことにより、開口部がガイド部材の外部に露出することになる。これにより、ガイド部材の外部から開口部に手を届かせ易い。
【0011】
さらに、本発明において、前記着脱部分は、前記ガイド部材のうち前記開口部の横方に位置する側壁であると好適である。
【0012】
ここで、ガイド部材において、側壁は、他の部分よりも比較的面積が大きな部分である。本特徴構成によれば、側壁を取り外すことにより、ガイド部材の内部が大きく開放されることになる。これにより、ガイド部材の外部から開口部を介して脱穀部の内部のメンテナンスを一層容易に行うことができる。
【0013】
さらに、本発明において、前記側壁は、平板状の部材によって構成されていると好適である。
【0014】
本特徴構成によれば、側壁が単純な形状の部材によって構成されていることになる。これにより、側壁の着脱作業を行い易い。
【0015】
さらに、本発明において、前記ガイド部材は、前記側壁を面当たり状態で受ける受け面部を有していると好適である。
【0016】
本特徴構成によれば、側壁が受け面部に面当たり状態で受けられることになる。これにより、側壁をしっかりと支持することができる。
【0017】
さらに、本発明において、前記側壁は、前記受け面部に固定されていると好適である。
【0018】
本特徴構成によれば、側壁が受け面部に面当たり状態で受けられ、かつ、受け面部に固定されることになる。これにより、側壁の固定強度を向上させると共に、側壁と受け面部との間に隙間が生じるのを防止することができる。
【0019】
さらに、本発明において、前記着脱部分の縁部及び前記着脱部分の周囲に位置する周囲部材のうちの何れか一方に、二股状の第一係止部が設けられ、前記着脱部分の縁部及び前記周囲部材のうちの何れか他方に、前記第一係止部に挟まれる第二係止部が設けられ、前記第二係止部が前記第一係止部に挟まれて係止されることにより、前記着脱部分が前記周囲部材に取り付けられていると好適である。
【0020】
本特徴構成によれば、第二係止部が第一係止部に挟まれて係止された状態で、着脱部分が周囲部材に取り付けられることになる。これにより、着脱部分が周囲部材から外れ難い。
【0021】
さらに、本発明において、前記周囲部材に、前記着脱部分に向かって突出するボルトが設けられ、前記着脱部分に、前記ボルトが挿通されるボルト孔が形成され、前記着脱部分は、前記ボルト孔に前記ボルトが挿通されてナットによって固定されていると好適である。
【0022】
本特徴構成によれば、着脱部分を周囲部材に取り付ける際には、作業者が着脱部分を持ってボルトをボルト孔に挿通し、その後、着脱部分がボルトに支持された状態で、作業者が着脱部分をナットによって固定すればよい。また、着脱部分を周囲部材から取り外す際には、着脱部分がボルトに支持された状態で、作業者がナットをボルトから取り外し、その後、作業者が着脱部分を持ってボルトから引き抜けばよい。このように、ナットによる固定作業及びナットの取り外し作業を、着脱部分が安定した状態で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図8】
図4におけるVIII-VIII断面図である。
【
図10】着脱部分を模式的に示す正面断面図である。
【
図11】第一の別実施形態に係る着脱部分を模式的に示す右側面図である。
【
図12】第二の別実施形態に係る着脱部分を模式的に示す右側面図である。
【
図13】第二の別実施形態に係る着脱部分を模式的に示す正面断面図である。
【
図14】第三の別実施形態に係る着脱部分を模式的に示す正面断面図である。
【
図15】第四の別実施形態に係る着脱部分を模式的に示す右側面図である。
【
図16】第四の別実施形態に係る着脱部分を模式的に示す正面断面図である。
【
図17】第五の別実施形態に係る着脱部分を模式的に示す右側面図である。
【
図18】第五の別実施形態に係る着脱部分を模式的に示す正面断面図である。
【
図19】第六の別実施形態に係る着脱部分を模式的に示す右側面図である。
【
図20】第六の別実施形態に係る着脱部分を模式的に示す正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明を実施するための形態について、図面に基づき説明する。なお、以下の説明では、矢印Fの方向を「機体前側」、矢印Bの方向を「機体後側」、矢印Lの方向を「機体左側」、矢印Rの方向を「機体右側」とする。
【0025】
〔コンバインの全体構成〕
図1及び
図2には、全稈投入型コンバイン(本発明に係る「コンバイン」に相当)を示している。本コンバインには、走行機体1が備えられている。走行機体1には、機体フレーム2と、クローラ走行装置3と、が備えられている。走行機体1の前方には、植立穀稈を刈り取る刈取部4が設けられている。刈取部4には、植立穀稈を掻き込む掻込リール5と、植立穀稈を切断する刈刃6と、刈取穀稈を掻き込む掻込オーガ7と、が備えられている。
【0026】
刈取穀稈の全稈を脱穀処理する脱穀装置8が設けられている。刈取部4と脱穀装置8とに亘って、刈取穀稈を脱穀装置8に向けて搬送するフィーダ9が設けられている。脱穀装置8の右方には、脱穀処理によって得られた穀粒を貯留する穀粒タンク10が脱穀装置8と横並びに設けられている。穀粒タンク10は、上下方向に沿って延びる揺動軸心Z1周りで揺動開閉可能に構成されている。穀粒タンク10内の穀粒を排出する穀粒排出装置11が設けられている。穀粒タンク10の前方には、運転部Dが設けられている。
【0027】
〔脱穀装置〕
図3及び
図4に示すように、脱穀装置8には、刈取穀稈を脱穀する脱穀部12と、脱穀部12の下方に設けられ、脱穀部12が刈取穀稈を脱穀することで得られた穀粒を選別する選別部13と、が備えられている。脱穀部12には、機体前後方向に沿って延びる回転軸心Y1周りで回転可能な扱胴14と、扱胴14が設けられる扱室15と、脱穀処理物を漏下する受網16と、が備えられている。
【0028】
扱胴14には、扱胴14の前端部に設けられる円錐台形状の掻き込み部14Aと、掻き込み部14Aの後端部に連設される扱ぎ処理部14Bと、が備えられている。掻き込み部14Aには、刈取穀稈を掻き込む螺旋羽根14Aaが備えられている。扱ぎ処理部14Bには、前板14Baと、後板14Bbと、前板14Baと後板14Bbとに亘って設けられる複数の棒状部材14Bcと、各棒状部材14Bcに取り付けられる多数の扱歯14Bdと、が備えられている。
【0029】
選別部13には、脱穀処理物を揺動選別する揺動選別装置17と、脱穀処理物に選別風を送風する唐箕18と、一番物(単粒化穀粒等)を回収する一番回収部19と、二番物(枝梗付き穀粒等)を回収する二番回収部20と、が備えられている。一番回収部19には、一番物を右方に向けて搬送する一番横スクリュ21が備えられている。二番回収部20には、二番物を右方に向けて搬送する二番横スクリュ22が備えられている。
【0030】
脱穀装置8の横隣(右隣)には、選別部13によって選別された一番物を穀粒タンク10に向けて搬送する一番縦搬送装置23と、選別部13によって選別された二番物を選別部13に還元する二番還元装置24と、が設けられている。二番還元装置24は、上下方向に沿って延びるように構成されている。一番横スクリュ21からの一番物は、一番縦搬送装置23によって上方に向けて搬送されて穀粒タンク10に貯留されることになる。二番横スクリュ22からの二番物は、二番還元装置24によって上方に向けて搬送されて二番還元装置24の搬送終端部から放出されて揺動選別装置17の前部に還元されることになる。
【0031】
脱穀部12の右側部には、右側壁25(本発明に係る「横側壁」に相当)、上フレーム26、下フレーム27及び縦フレーム28が設けられている。右側壁25の上縁部は、上フレーム26に支持されている。右側壁25の下縁部は、下フレーム27に支持されている。縦フレーム28は、右側壁25の上縁部と右側壁25の下縁部とに亘って上下方向に沿って延びている。
【0032】
脱穀部12における二番還元装置24が位置する側の横側壁(右側壁25)には、二番還元装置24からの二番物が通過する開口部25a(本発明に係る「開口部」に相当)が形成されている。開口部25aは、側面視において、略矩形状(具体的には、前後方向に長い長方形状)に形成され、かつ、一番縦搬送装置23と重複している。
【0033】
開口部25aは、右側壁25のうち扱胴14の前側部分に隣接する部分に形成されている。具体的には、開口部25aは、右側壁25のうち扱ぎ処理部14Bの前側部分に隣接する部分に形成されている。
【0034】
図3から
図5に示すように、二番還元装置24からの二番物を開口部25aに向けて案内するガイド部材29が設けられている。ガイド部材29は、二番還元装置24の搬送終端部及び開口部25aに接続されている。ガイド部材29は、二番還元装置24の搬送終端部の前方に側面視で一番縦搬送装置23と重複する状態で配置されている。
【0035】
二番還元装置24の搬送終端部とガイド部材29との間には、縦壁30が設けられている。縦壁30は、右側壁25の上縁部と右側壁25の下縁部とに亘って上下方向に沿って延びている。縦壁30は、右側壁25から右方に向かって張り出す状態で右側壁25に支持されている。縦壁30には、二番還元装置24の搬送終端部とガイド部材29の内部とを連通接続するための開口部30a(
図8参照)が形成されている。二番還元装置24の搬送終端部とガイド部材29の内部とは、開口部30aを介して連通接続されている。
【0036】
〔ガイド部材〕
図5から
図8に示すように、ガイド部材29は、右側壁25よりも脱穀部12の横側(右側)に出っ張る形状に形成されている。ガイド部材29は、側面視で略矩形状(具体的には、前後方向に長い長方形状)に形成されている。ガイド部材29は、右側壁25及び縦壁30に固定されている。ガイド部材29には、本体部31(本発明に係る「周囲部材」に相当)と、側壁32(本発明に係る「着脱部分」、「側壁」に相当)と、が備えられている。本体部31には、上面部33と、第一傾斜面部34(本発明に係る「受け面部」に相当)と、第二傾斜面部35と、が備えられている。
【0037】
第一傾斜面部34は、平面視で前側ほど右側壁25に近付くように傾斜している。第一傾斜面部34は、側面視で第一傾斜面部34の上下長さが前側ほど大きくなる形状に形成されている。具体的には、第一傾斜面部34は、側面視で前辺が後辺よりも長い略台形状に形成されている。第一傾斜面部34には、開口部34aが形成されている。
【0038】
第二傾斜面部35は、正面視で左下がりに傾斜している。第二傾斜面部35は、側面視で第二傾斜面部35の上下長さが前側ほど小さくなる形状に形成されている。具体的には、第二傾斜面部35は、側面視で前下がりに傾斜する斜辺を有する略三角形状に形成されている。
【0039】
開口部34aは、開口部34aの上下長さが前側ほど大きくなる形状に形成されている。具体的には、開口部34aは、側面視で前辺が後辺よりも長い略台形状に形成されている。すなわち、開口部34aは、開口部34aの開口面積が前側ほど大きくなる形状に形成されている。
【0040】
側壁32は、開口部25aの右方に位置し、かつ、開口部25aに対して右方から対向している。すなわち、側壁32は、ガイド部材29のうち開口部25aの横方に位置する側壁であり、かつ、ガイド部材29のうち開口部25aに対向する部分である。
【0041】
側壁32は、平板状の部材によって構成されている。側壁32は、側面視で側壁32の上下長さが前側ほど大きくなる形状に形成されている。具体的には、側壁32は、側面視で前辺が後辺よりも長い略台形状に形成されている。すなわち、側壁32は、第一傾斜面部34の外形と略同じ形状に形成されている。
【0042】
ガイド部材29は、部分的に着脱可能な着脱部分Pとして側壁32を有している。側壁32は、開口部34aを右側から塞ぐように、第一傾斜面部34に対して右側から当て付けられた状態で着脱可能に取り付けられている。第一傾斜面部34は、側壁32を面当たり状態で受ける受け面部Sとして機能する。
【0043】
第一傾斜面部34において、上縁部、前縁部及び後縁部の夫々には、側壁32に向かって突出するボルト36が設けられている。側壁32において、上縁部、前縁部及び後縁部の夫々には、ボルト36が挿通されるボルト孔32aが形成されている。側壁32は、ボルト孔32aにボルト36が挿通されてナット37によって固定されている。すなわち、側壁32は、受け面部Sに面当たり状態で受けられ、かつ、受け面部Sに固定されている。
【0044】
側壁32の下縁部には、二股状の第一係止部38が形成されている。第一傾斜面部34の下縁部には、第一係止部38に挟まれる第二係止部39が形成されている。
【0045】
第一係止部38には、前側の外係止部分38aと、後側の外係止部分38aと、前側の外係止部分38aと後側の外係止部分38aとの間に位置する内係止部分38bと、が備えられている。前側の外係止部分38a及び後側の外係止部分38aは、第二係止部39に対してガイド部材29の外部側に位置している。内係止部分38bは、第二係止部39に対してガイド部材29の内部側に位置している。第二係止部39は、第一傾斜面部34の下縁部のうち開口部34aの下縁に沿う部分によって構成されている。
【0046】
前側の外係止部分38a及び後側の外係止部分38aを第二係止部39の右側面に沿わせ、かつ、内係止部分38bを開口部34aの下縁からガイド部材29の内部に差し込むことにより、前側の外係止部分38a及び後側の外係止部分38aと内係止部分38bとによって、第二係止部39が両側から挟まれることになる。こうして、第二係止部39が第一係止部38に挟まれて係止されることにより、側壁32が第一傾斜面部34に取り付けられている。
【0047】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、
図9及び
図10に示すように、着脱部分Pが側壁32によって構成され、かつ、側壁32が受け面部Sによって面当たり状態で受けられている。しかし、本発明は、上記実施形態に係る構成に限定されるものではない。
【0048】
例えば、
図11に示すように、側壁32の前側部分又は後側部分が着脱可能に構成されていてもよい。この場合、側壁32の前側部分及び後側部分が夫々着脱可能に構成されていてもよい。
【0049】
あるいは、
図12及び
図13に示すように、側壁32が第一傾斜面部34の下側部分に対応する箇所にのみ設けられていてもよい。
【0050】
あるいは、
図14に示すように、側壁32の上縁部及び下縁部が夫々折れ曲がる形状に形成され、かつ、側壁32の上側の折れ曲がり部及び側壁32の下側の折れ曲がり部が夫々受け面部Sによって面当たり状態で受けられていてもよい。この場合、上面部33及び第二傾斜面部35が夫々側壁32を面当たり状態で受ける受け面部Sとして機能する。
【0051】
あるいは、
図15及び
図16に示すように、着脱部分Pが第二傾斜面部35に取り付けられる下壁40によって構成され、かつ、下壁40が受け面部Sによって面当たり状態で受けられていてもよい。この場合、第二傾斜面部35に、開口部35aが形成されている。また、第二傾斜面部35が下壁40を面当たり状態で受ける受け面部Sとして機能する。
【0052】
あるいは、
図17及び
図18に示すように、着脱部分Pが側壁32及び下壁40によって構成され、かつ、側壁32及び下壁40が受け面部Sによって面当たり状態で受けられていてもよい。この場合、本体部31に、開口部31aが第一傾斜面部34及び第二傾斜面部35に亘って形成されている。また、第一傾斜面部34が側壁32を面当たり状態で受ける受け面部Sとして機能し、かつ、第二傾斜面部35が下壁40を面当たり状態で受ける受け面部Sとして機能する。
【0053】
あるいは、
図19及び
図20に示すように、着脱部分Pが上面部33に取り付けられる上壁41によって構成され、かつ、上壁41が受け面部Sによって面当たり状態で受けられていてもよい。この場合、上面部33に、開口部33aが形成されている。また、上面部33が上壁41を面当たり状態で受ける受け面部Sとして機能する。
【0054】
(2)側壁32を着脱する構成は、上記実施形態に係る構成に限定されるものではない。
例えば、側壁32を着脱する構成は、側壁32をスライド(例えば、前後方向又は上下方向にスライド)させて着脱する構成であってもよい。あるいは、側壁32を着脱する構成は、側壁32を揺動(例えば、上下揺動又は前後揺動)させて着脱する構成であってもよい。
【0055】
(3)上記実施形態では、側壁32の下縁部に、二股状の第一係止部38が形成され、かつ、第一傾斜面部34の下縁部に、第一係止部38に挟まれる第二係止部39が形成されている。しかし、側壁32における何れかの縁部(一縁部)に、二股状の第一係止部38が形成され、かつ、第一傾斜面部34における側壁32の前記一縁部に対応する縁部に第二係止部39が形成されていれば、上記実施形態に係る構成に限定されるものではない。
あるいは、第一傾斜面部34における何れかの縁部(一縁部)に、二股状の第一係止部(図示省略)が形成され、かつ、側壁32における第一傾斜面部34の前記一縁部に対応する縁部に、前記第一係止部に挟まれる第二係止部(図示省略)が形成されていてもよい。この場合、第一傾斜面部34の下縁部に、前記第一係止部が形成され、かつ、側壁32の下縁部に、前記第二係止部が形成されていてもよい。
【0056】
(4)上記実施形態では、第一係止部38は、二股状に形成されている。しかし、第一係止部38は、二股状に形成されていなくてもよい。
【0057】
(5)上記実施形態では、第一傾斜面部34に、側壁32に向かって突出するボルト36が設けられ、かつ、側壁32に、ボルト36が挿通されるボルト孔32aが形成されている。しかし、側壁32に、第一傾斜面部34に向かって突出するボルト(図示省略)が設けられ、かつ、第一傾斜面部34に、前記ボルトが挿通されるボルト孔(図示省略)が形成されていてもよい。
【0058】
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、全稈投入型コンバインの他、自脱型コンバインにも利用可能である。
【符号の説明】
【0060】
8 脱穀装置
12 脱穀部
13 選別部
24 二番還元装置
25 右側壁(横側壁)
25a 開口部
29 ガイド部材
31 本体部(周囲部材)
32 側壁(着脱部分、側壁)
32a ボルト孔
36 ボルト
37 ナット
38 第一係止部
39 第二係止部
P 着脱部分
S 受け面部