(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】デジタル・ライセンス・プレートのための駐車取締り監視システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/30 20120101AFI20240122BHJP
【FI】
G06Q20/30
(21)【出願番号】P 2020508556
(86)(22)【出願日】2018-01-05
(86)【国際出願番号】 US2018012664
(87)【国際公開番号】W WO2019036059
(87)【国際公開日】2019-02-21
【審査請求日】2020-12-23
【審判番号】
【審判請求日】2023-01-05
(32)【優先日】2017-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519241082
【氏名又は名称】リバイバーエムエックス,インク.
【氏名又は名称原語表記】REVIVERMX,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】バットン,ディーン
(72)【発明者】
【氏名】デュバル,プラシャーント
【合議体】
【審判長】渡邊 聡
【審判官】緑川 隆
【審判官】梶尾 誠哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-236948(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0039364(US,A1)
【文献】特許第5923652(JP,B1)
【文献】特開2006-221237(JP,A)
【文献】国際公開第2012/104906(WO,A1)
【文献】特開2011-209779(JP,A)
【文献】国際公開第2017/079287(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の外部に固定されたデジタル・ライセンス・プレートを備え、前記デジタル・ライセンス・プレートは、ディスプレイを有し、かつデータを送受信するように無線で接続可能であり、
前記デジタル・ライセンス・プレートは、
前記車両の駐車ステータスを検出することと、
駐車関連の施設、メータ、及び罰金システムのうちの少なくとも1つを無線で探索することと、
支払い機関に駐車関連の支払いを支払う許可を送信することであって、許可は、前記デジタル・ライセンス・プレートに記憶された情報を少なくとも部分的に組み込む、前記送信することと、
前記車両の駐車許可の視覚的標識を前記ディスプレイに提示することと
をするようにプログラムされた処理デバイスを含む、
車両駐車支払いシステム。
【請求項2】
前記デジタル・ライセンス・プレートは、データを送受信するユーザ・デバイスに接続可能である、請求項1に記載の車両駐車支払いシステム。
【請求項3】
前記デジタル・ライセンス・プレートは
、データを送受信するユーザ・デバイスに接続可能であり、前記ユーザ・デバイスは、前記デジタル・ライセンス・プレートから受信された
支払い関連の情報に応答して前記
支払い機関に
前記支払い関連の情報を送信する、請求項1に記載の車両駐車支払いシステム。
【請求項4】
前記デジタル・ライセンス・プレートは、接続されたユーザ・デバイスか
ら駐車と関連するデータを受信する、請求項1に記載の車両駐車支払いシステム。
【請求項5】
デジタル・ライセンス・プレートの前記ディスプレイは
、駐車関連の情報を提供する、請求項1に記載の車両駐車支払いシステム。
【請求項6】
デジタル・ライセンス・プレートの前記ディスプレイは、
指定された職員からの通信に応答し
て駐車関連の情報を提供する、請求項1に記載の車両駐車支払いシステム。
【請求項7】
デジタル・ライセンス・プレートの前記ディスプレイは、法執行官、警察、メータ読取り者、および緊急隊員のうちの少なくとも1つであるように選択される指定された職員からの通信に応答し
て駐車関連の情報を提供する、請求項1に記載の車両駐車支払いシステム。
【請求項8】
デジタル・ライセンス・プレートの前記ディスプレイは、
電子的に読取り可能
な情報を提示する、請求項1に記載の車両駐車支払いシステム。
【請求項9】
デジタル・ライセンス・プレートの前記ディスプレイは、電子的に読取り可能なバー・コードを提示する、請求項1に記載の車両駐車支払いシステム。
【請求項10】
デジタル・ライセンス・プレートの前記ディスプレイは、視覚的に認識可能な駐車ステッカまたは駐車タグを提示する、請求項1に記載の車両駐車支払いシステム。
【請求項11】
デジタル・ライセンス・プレートの前記ディスプレイは、視覚的に認識可能な広告をさらに提示する、請求項1に記載の車両駐車支払いシステム。
【請求項12】
デジタル・ライセンス・プレートの前記ディスプレイは、双安定ディスプレイである、請求項1に記載の車両駐車支払いシステム。
【請求項13】
前記デジタル・ライセンス・プレートは
、許された駐車時間を延長する
自動支払いの継続を提供することが可能である、請求項1に記載の車両駐車支払いシステム。
【請求項14】
前記デジタル・ライセンス・プレートは、駐車ステータス情報を特定することを支援する加速度計を有する、または前記加速度計に接続可能である、請求項1に記載の車両駐車支払いシステム。
【請求項15】
ディスプレイを有し、かつ車両に取り付けられたデジタル・ライセンス・プレートが、車両が駐車されたときを判定するステップと、
前記デジタル・ライセンス・プレートが、
駐車関連の施設、メータ、および罰金システムのうちの少なくとも1つを無線で探索することを可能にするステップと、
前記デジタル・ライセンス・プレートが、支払い機関に駐車関連の支払いを支払う許可を送信するステップであって、許可は、前記デジタル・ライセンス・プレートに記憶された情報を少なくとも部分的に組み込む、送信するステップと、
前記デジタル・ライセンス・プレートが、前記デジタル・ライセンス・プレートの前記ディスプレイ上で駐車関連の情報を提示するステップと、
を備える車両駐車支払い方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2017年8月18日に出願した米国仮特許出願第62/547,426号明細書の利益を主張するものである。同出願は、すべての目的のために参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本開示は、一般に、関連付けられた支払いおよび情報取扱いシステムを有するデジタル・ライセンス・プレートに関する。より詳細には、駐車の代金の自動化された支払いを可能にするシステムが開示される。
【背景技術】
【0003】
交通車両は、ライセンス・プレート、登録ステッカ、ならびに多くのタイプの賦課金の使用の支払いを要求して、行政機関によって厳しく規制されている。車両に一般に関連する他の料金は、駐車料金または駐車罰金を含む。警察、交通管理機関、および民間もしくは公共の駐車施設所有者によって、それらの駐車料金または駐車罰金を車両に請求することが可能である。駐車支払いシステムは、通常、ユーザが、車両の駐車についての料金、ならびに違法な区域に駐車したことに対する罰金、または割り当てられた時間を超過して駐車したことに対する罰金を手動で支払うことを要求する。
【0004】
車両データを作成するため、記憶するため、および処理するための可能な1つの装置は、車両識別情報および車両登録情報を提示する動的ディスプレイと併せて利用可能であり、車両の外面上に配置されることが可能である。例えば、ともにReviverMXに譲渡された、米国特許第9,007,193号明細書および係属中の公開済みの米国特許出願第20130006775号明細書は、デジタル・ライセンス・プレートを使用することによって車両識別情報および車両登録情報の更新しやすさを向上させる動的ディスプレイについて説明する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そのようなデジタル・ライセンス・プレートは、情報を提供するのに使用されることが可能であり、適切なソフトウェアおよびサポートするハードウェアと一緒に、駐車料金または駐車罰金を範囲に含むデジタル支払いを行う。通常、そのような支払いは、3G、4G、WiFi、またはその他の無線インターフェースを介して行われる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示の限定的でなく、網羅的でもない実施形態が、以下の図を参照して説明され、同様の参照符号は、特に明記しない限り、様々な図のすべてにわたって同様の部分を参照する。
【0007】
【
図1】デジタル・ライセンス・プレート・システムの一実施形態を示す図である。
【
図2】デジタル・ライセンス・プレート・システムの様々なシステムを示す図である。
【
図3】デジタル・ライセンス・プレート・システムの動作を示す図である。
【
図4】デジタル・ライセンス・プレート・システムにおける外部データ通信を示す図である。
【
図5】デジタル・ライセンス・プレートによって記憶可能、解析可能、送信可能、または受信可能である様々なタイプまたはカテゴリのデータを示す図である。
【
図6】デジタル・ライセンス・プレート駐車システムを示す図である。
【
図7】駐車支払いを行うための方法を示す図である。
【
図8】増分駐車支払いを行うための方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
デジタル・ライセンス・プレート・システム11は、好ましくは、個人用の自動車、トラック、オートバイ、レンタカー、企業所有の自動車、または他の任意の適切なタイプの車両などの登録された車両のために使用される。ディスプレイ・システム100は、好ましくは、車両管理局(DMV)などの官公庁によって提供される車両10の識別情報、保険ステータス、有効期限、登録、またはその他の情報をレンダリングするように機能する。好ましくは、プロセッサ120は、表示される領域のサイズおよび大きさ、情報のコンテンツ、サイズ、および文字スタイル、ならびにディスプレイ110の視認性および反射率などの州道路交通法が順守されるようにディスプレイ110上に車両10の識別情報および/または登録情報をレンダリングする。好ましくは、プロセッサ120は、車両10が登録される州の州道路交通法が順守されるようにディスプレイ110上にコンテンツをレンダリングし、代替として、位置センサ(GNSS受信機などの)を組み込む本発明の実施形態などにおいて、プロセッサ120は、車両が位置する州道路交通法が順守されるようにディスプレイ110上にコンテンツをレンダリングしてよい。ディスプレイ・システム100は、好ましくは、車両識別情報および/または車両登録情報に加えて、メッセージを表示するように機能する。メッセージは、好ましくは、広告主によって、例えば、ユーザとは実質的に無関係である広告主によって提供される。広告主によって提供される広告の主題は、車両10の運転者および/または所有者と実質的に無関係であってよく、かつ広告は、車両10と実質的に無関係であってよい。代替として、広告は、車両10の運転者および/または所有者が属するデモグラフィックと関係してよく、または車両10の運転者および/または所有者の他の任意の適切な特徴と関係してよい。また、広告は、例えば、パーソナル・コンピュータ上でインターネットを介して、インターネット対応のモバイル電話上でインターネットを介して、または他の任意の適切な方法を介して、車両10の運転者および/または所有者によって選択可能であってもよい。また、広告は、車両10と実質的に関係してもよく、例えば、ポルシェに設置されたディスプレイ・システムが、ポルシェに対するブランド・アフィニティを有するデモグラフィックに的を絞った広告を表示してよい。広告は、車両10の位置と実質的に関係してよく、例えば、車両10が会場の付近内で移動している場合、その会場に関する広告が示されてよい。代替として、メッセージは、法執行機関によって提供されてよく、例えば、行方不明者に関する緊急ブロードキャスト(例えば、アンバ・アラートまたはエルダ・アラート)が提供されてよい。さらに、車両10が盗まれたと届出がされた場合、メッセージは、車両10が盗まれたことを示してよく、それゆえ、車両の外にいる人々が車両10をそのようなものとして識別することを可能にする。
【0009】
代替として、メッセージは、任意の適切なタイプのメッセージであってよく、かつ任意の適切な人々、例えば、公的機関(例えば、DMV)、車両10の運転者、車両10の所有者、車両10と無関係のサード・パーティ、または他の任意の適切な人々によって制御されてよい。第1の例において、メッセージは、車両10のモデル、車両10の排出ガス検査結果、車両10のメンテナンス問題を含め、車両10と関係するさらなる詳細、または車両10と関係する他の任意の適切なタイプの情報を含んでよい。第2の例において、メッセージは、運転者が支持する、もしくは所属する組織(例えば、ガール・スカウト、サンフランシスコ・ジャイアンツ野球チーム、もしくは政党)、運転者が支持する主義(例えば、動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA)もしくはがん啓発)、運転者のデモグラフィックを含め、車両10の運転者と関係する詳細、または運転者と関係する他の任意の適切なタイプの情報を含んでよい。この第2の例において、メッセージは、運転者に関する公的な詳細を含んでもよく、例えば、メッセージは、運転者が医師または法執行官であることを示してよく、運転者のサービスが所望されるとき、車両10の外の人々が運転者に要求を向けることを可能にする。また、公的な詳細は、運転者の運転履歴と関係する詳細を含んでもよく、例えば、運転者が不完全な運転記録を有する場合、その車両の付近における他の人々に警告するためにディスプレイ上に通知がレンダリングされてよい。第3の例において、メッセージは、車両10の付近における運転者のための通知、例えば、交通情報または気象予報を含んでよい。第4の例において、メッセージは、車両の所有者に関する詳細を含んでよい。このことは、車両10が自動車隊、例えば、レンタカー代理店、引っ越しトラック・レンタル代理店、行政自動車隊、または他の任意の適切なタイプの自動車隊のメンバである場合、特に有用であり得る。第4の例のメッセージは、車両10がいずれの自動車隊に所属するかを示してよく、この情報は、車両を識別するのに、自動車隊に関して広告するのに(例えば、車両10がレンタカー代理店に所属する場合、メッセージは、広告、もしくはその特定のレンタカー代理店のためのメッセージを含んでよい)、または他の任意の適切な目的で使用されてよい。しかし、そのメッセージは、他の任意の適切なタイプのメッセージであってよい。
【0010】
ディスプレイ・システム100は、好ましくは、電源によって電力供給される。電源は、好ましくは、車両10のアクセサリ・バッテリ、車両10のエンジンなどの車両10の電源、または車両10の他の任意の適切な電源である。代替として、ディスプレイ・システム100は、車両10の電源とは実質的に独立である電源を含み、かつそのような電源によって電力供給されてよい。ディスプレイ・システム100の電源は、好ましくは、バッテリであるが、代替として、太陽電池パネル、風力発電機、または他の任意の適切なタイプの電源もしくは電源の組合せであってよい。さらに代替として、ディスプレイ・システム100は、充電可能であり、かつ車両10が動作している間、および/または車両10のイグニッションがオンである間、車両10の電力を蓄える車両10の電源に結合された電源を含んでよい。この変形において、ディスプレイ・システム100の電源は、車両が動作している間に生成された電力が、ディスプレイ・システム100によって後の時点で使用されることを可能にする。しかし、ディスプレイ・システム100は、他の任意の適切な方法および/または構成を使用して電力供給されてよい。
【0011】
ディスプレイ110は、コンテンツを表示するように機能し、コンテンツは、車両10の識別情報、車両10の登録情報、およびメッセージのうちの少なくとも1つを含む。ディスプレイ110は、3つの動作モードのうちの1つでプロセッサ130によって動作させられる。ディスプレイ110は、好ましくは、LEDディスプレイ、LCDディスプレイ、電子インク・ディスプレイ、有機LEDディスプレイ、干渉変調器ディスプレイ(iMoD)、電気泳動堆積(EPD)を使用するディスプレイ、コレステリック液晶ディスプレイ(ChLCD)などの実質的に低電力のディスプレイ、または他の任意の適切なディスプレイである。ディスプレイ110は、代替として、前述のディスプレイ・タイプの組合せであってよい。ディスプレイ110は、好ましくは、実質的に広い範囲の視野角も有する。また、ディスプレイ110は、好ましくは、実質的に薄くもあり、ディスプレイ110が、車両の後方外部および/または前方外部において既存のライセンス・プレートに取って代わることを可能にする。同様に、ディスプレイ110は、好ましくは、既存のライセンス・プレートと実質的に類似した幅、高さ、および/またはアスペクト比のものである。代替として、ディスプレイ110は、既存のライセンス・プレートとは実質的に異なってよい(例えば、欧州ライセンス・プレートの比較的狭い高さの事例において、ディスプレイ110は、実質的に異なる高さのものであってよい)。しかし、ディスプレイ110は、他の任意の適切な大きさのものであってよい。
【0012】
また、ディスプレイ110は、バックライトを含んでもよい。バックライトは、ディスプレイ110によって表示される情報の光強度を制御するように機能する。バックライトは、好ましくは、複数の度合の光強度を含む。プロセッサ130は、動作のモードに基づいて光強度の度合を選択してよい。また、プロセッサ130は、ディスプレイ110に近接した周囲光レベルに基づいて光強度の度合を選択してもよい。例えば、光強度の度合は、昼間により高くてよく、かつ夜間により低くてよい。この変形において、ディスプレイ・システム100は、周囲光のレベルを検出する光センサも含む。また、ディスプレイ・システム100の光強度の度合は、運転者、法執行官、または他の任意の適切な人々の選好に基づいて選択されてもよい。しかし、ディスプレイ・システム100の光強度の度合は、他の任意の適切な基準に基づいて選択されてよい。バックライトは、ディスプレイ110の実質的に外周部上に位置付けられ、かつディスプレイ110に向かうように向けられた照明のセットであってよい。代替として、バックライトは、ディスプレイ110の実質的に背後に位置付けられ、かつディスプレイ110の背後から光をもたらしてよい。しかし、バックライトは、他の任意の適切な構成のものであってよい。バックライトは、LEDなどの一連の低電力光源であってよいが、代替として、他の任意のタイプの光源であってよい。代替として、ディスプレイは、反射された光でディスプレイ110を照明するように機能する光反射表面を含んでよい。光反射表面は、鏡、または他の任意の適切なタイプの反射材であってよい。また、光反射表面は、光源の方向に光を反射させる再帰反射材のものであってもよい。また、光反射表面は、ディスプレイ110をより効率的に照明する光源と組み合わされてもよく、例えば、高速道路標識上で使用される半透過性の材料であってもよい。しかし、他の任意の適切な材料または方法が、ディスプレイを照明するのに使用されてよい。
【0013】
車両速度センサ120は、車両10の速度を検出するように機能する。車両速度センサ120は、好ましくは、車両10に結合された加速度計、または車両10のドライブトレインに結合され、かつ、車両10の速度を特定するために或る期間にわたって、ホイールなどのドライブトレイン構成要素の回転数を測定するタコメータなどの、車両10の実際の速度および/または加速度を測定するセンサである。第2の変形において、車両速度センサ120は、車両10の速度計、および/または車両10の搭載されたコンピュータに結合され、この構成において、速度センサ120は、車両速度を直接に測定するのではなく、速度計および/または搭載されたコンピュータによって収集された情報をプロセッサ130に伝送するように機能する。しかし、車両速度センサ120は、GNSS受信機または慣性航法システムを含むが、以上には限定されない、車両10の実際の速度および/または加速度を特定する他の任意の適切なタイプのセンサであってよい。代替として、車両速度センサ120は、車両の相対速度および/または加速度を測定するセンサ、例えば、別の物体を基準とした車両の速度を特定する超音波センサまたは赤外線センサであってよい。その別の物体は、道路の静止した部分、または近くの車両であってよい。しかし、車両速度センサ120は、他の任意の適切な方法またはセンサ・タイプを使用して車両10の速度を特定してよい。
【0014】
プロセッサ130は、ディスプレイ・システム100の動作モード、すなわち、車両10の識別情報および/または車両10の登録情報を含む第1のコンテンツが、第1の電力消費レベルでディスプレイ110上にレンダリングされる第1の動作モード、メッセージを含み、かつ、場合により、車両10の識別情報および/または車両10の登録情報を含む第2のコンテンツが、ディスプレイ110上にレンダリングされる第2の動作モード、およびコンテンツが、第1の電力消費レベル未満の第2の電力消費レベルでディスプレイ110上にレンダリングされる第3の動作モードに基づいて、ディスプレイ110上にコンテンツをレンダリングするように機能する。好ましくは、第3の動作モードでレンダリングされるコンテンツは、車両10の識別情報および登録情報を含む。ディスプレイ・システム100の変形において、第3の動作モードでレンダリングされるコンテンツは、車両10の識別情報および/または登録情報に加えて、メッセージを含む。しかし、第3の動作モードでディスプレイ110上にレンダリングされるコンテンツは、他の任意の情報もしくはメッセージ、またはそのような情報もしくはメッセージの組合せを含んでよい。
【0015】
プロセッサ130は、好ましくは、車両速度センサ120に結合される。前述したとおり、車両速度センサ120によって特定される速度は、車両10の実際の速度であってよく、または、代替として、別の物体(例えば、近隣の車両)を基準とした車両10の速度であってよい。プロセッサ130は、好ましくは、車両10の速度および電力状態に基づいてディスプレイ・システム100の動作モードを選択する。しかし、車両10の搭載されたコンピュータ、法執行官、遠隔サーバに接続された第2のプロセッサなどの、プロセッサ以外のデバイス、または他の任意の適切なデバイスもしくは機関が、ディスプレイ・システム100の動作モードを選択してよい。プロセッサ130は、好ましくは、車両10がオンであるとき、第1の動作モードおよび第2の動作モードでディスプレイ110を動作させ、かつプロセッサは、好ましくは、車両10がオフであるとき、第3の動作モードでディスプレイ110を動作させる。車両10は、好ましくは、運転者が車両10のいずれかの部分をオンにしたとき、「オン」と見なされる。多くの自動車において、複数の「オン」状態、例えば、窓を開けることおよび閉めることなどの基本的な機能が許される第1の「オン」状態、換気システムまたはサウンド・システムなどの、より高度な機能および/またはより高電力の機能が許される第2の「オン」状態、ならびに車両が運転され得る第3の「オン」状態が存在する。車両10は、それ以外の場合、「オフ」と見なされてよい。「オフ」状態において、車両のいくつかの部分、例えば、セキュリティ・センサ、キー近接センサ(キーレス・エントリなどの)、または他の任意のタイプの実質的に低電力の機能は、依然として「オン」であってよい。代替として、一部の実施形態において、車両10は、車両が運転者に提供し得る他のいずれの機能にもかかわりなく、イグニッションがオンであるとき、「オン」と見なされてよく、イグニッションがオフであるとき、「オフ」と見なされてよい。さらに代替として、車両10は、車両内に人の存在が検出されるとき、「オン」と見なされてよく、車両内に誰もいないとき、「オフ」と見なされてよい。また、車両10は、イグニッションの状態、または車両10内の人の存在にかかわりなく、車両10の緊急ブレーキまたはトランスミッション・パーキング・ブレーキが係合されているとき、「オフ」と見なされてもよい。しかし、車両は、他の任意の適切な基準を使用して「オン」と見なされること、および「オン」と見なされることが可能である。プロセッサ130は、好ましくは、車両10が第1の速度にあるとき、第1の動作モードでディスプレイ110を動作させ、好ましくは、車両10が、第1の速度より低い第2の速度にあるとき、第2の動作モードでディスプレイ110を動作させる。第2の速度は、好ましくは、実質的にゼロ速度である、またはゼロ速度に実質的に近い。このことは、
図1に示されるとおり、車両10が動いている(第1の速度)間、車両10の識別情報および/または登録情報が実質的に視認できることを可能にする。このことは、車両10の外の任意の人々が、静的な(または刻印された)ライセンス・プレート上の情報に視覚的にアクセスするのと類似した様態で、ディスプレイ110上にレンダリングされた情報に視覚的にアクセスすることを可能にする。一変形において、プロセッサ130は、車両10がオンであり、かつ第2の速度にあるとき、第2の動作モードでディスプレイ110を動作させ、かつディスプレイ110上に第2のコンテンツをレンダリングし、第2の速度は、好ましくは、車両が交通渋滞のなかをゆっくりと動いている場合などの、ゼロ速度、または実質的に遅い速度である。第2のモードにおいて示されるメッセージは、ディスプレイの表示領域の一部分を占めるため、やはり示される識別情報および/または登録情報は、第1の動作モードと比べて、第2の動作モードにおいて表示領域のより小さい部分を消費することが可能である。識別情報および登録情報は、メッセージが車両10情報と同時に表示されるとき、ディスプレイ110上でより小さいサイズであるため、識別情報および登録情報の視認性は、第1の動作モードと比べて、第2の動作モードにおいてより低い可能性がある。代替として、第2の動作モードにおいてディスプレイ110上にレンダリングされる識別情報および/または登録情報は、第1のモードの場合と同一のフォーマット、または類似したフォーマット(例えば、サイズおよびレイアウト)であってよいが、メッセージは、識別情報および/または登録情報と重なり合うようにディスプレイ上にレンダリングされ得る。このこともまた、車両10の識別情報および/または登録情報のより低い視認性をもたらし得る。したがって、メッセージは、車両10が相当な速度で移動しているときに識別情報および/または登録情報の低下した視認性が生じないように、車両が停止されているとき、またはほぼ停止されているときなどの条件下においてのみ表示されてよいが、車両が第2の速度にあるときにメッセージを表示するさらなる機能は、依然として残る。さらに、メッセージは、車両10が動いている間、車両10の外の人々に望ましくない目障りなものとなる可能性があり、このため、車両が停止されている、またはほぼ停止されている間に限ってメッセージを表示することによって、目障りとなる可能性が、実質的に低減され得る。しかし、プロセッサ130は、代替として、他の任意の適切な速度構成において第1の動作モードおよび第2の動作モードでディスプレイ110を動作させてよい。このことの変形において、ディスプレイ・システム100は、ディスプレイ110が車両10の前方外部に設置されているとき、ディスプレイ110上にレンダリングされるコンテンツを水平に鏡映させることによって車両10の外の人々にとっての情報の読みやすさを高めてよく、この変形において、ディスプレイ上にレンダリングされるコンテンツは、車両10の前方に位置する第2の車両のバックミラーまたはサイドミラーにおいてディスプレイ110を見る人々によって正しい向きで読まれることが可能である。しかし、プロセッサは、ディスプレイ110によってもたらされる目障りが低減され、かつ表示されるコンテンツの読みやすさが向上させられるように他の任意の手段または構成によってディスプレイ110上にコンテンツをレンダリングしてよい。
【0016】
前述したとおり、プロセッサ130は、好ましくは、車両10がオフであるとき、第3の動作モードでディスプレイ110を動作させるように機能する。第3の動作モードは、好ましくは、第1の電力消費レベル未満の第2のより低い電力消費レベルで車両10の識別情報および登録情報を表示する。このことの変形において、車両10の識別情報および登録情報に加えて、メッセージがディスプレイ110上にレンダリングされ、ただし、第3の動作モードにあるとき、メッセージ、車両10の識別情報、および車両10の登録情報のうちのいずれか1つ、もしくは組合せ、または他の任意の情報がディスプレイ110上にレンダリングされてよい。車両10がオフであるとき、ディスプレイ・システム100が利用可能な電力は、車両がオンであるときと比べて、より少ない可能性がある。例えば、ディスプレイ・システム100が車両10の電源から電力を獲得する変形において、ディスプレイ・システム100は、車両がオンであった別の期間から蓄積されたエネルギーを利用している可能性がある。このため、電力の限られた供給が存在し、車両がオフである間、第1の動作モードおよび/または第2の動作モードと比べて、より低い電力消費レベルで第3の動作モードにおいてディスプレイ110を動作させることによって、ディスプレイ110上にコンテンツがレンダリングされ得る時間の長さが、ディスプレイ・システム100が利用可能な所与の量のエネルギーに関して増加され得る。
【0017】
第3の動作モードにおけるディスプレイ110の動作は、様々な構成においてディスプレイ・システム100の電力消費を低減してよい。第1の変形において、ディスプレイ110は、第1の時点でオフにされ、かつ第2の時点でオンにされてよい。ディスプレイ110は、特定の時間間隔で、例えば、5分ごとにオンとオフを繰り返すようにタイミング調整されてよい。運転者、所有者、または他の任意の適切な人々が、それらの間隔を調整してよい。このことは、ディスプレイ110が、或る長さの時間にわたってオフにされ、かつ別の長さの時間にわたってオンにされることを可能にする。ディスプレイ110がオフにされる時間の長さは、好ましくは、ディスプレイ110がオンにされる時間の長さと比べて、実質的により長く、このことが、ディスプレイ110の電力消費を実質的に低減する。さらなる変形において、第3の動作モードにあるとき、コンテンツは、第1の動作モードで動作しているときと比べて、表示するのにより少ない電力を要求する色でディスプレイ110上にレンダリングされてよい。しかし、プロセッサは、第3の動作モードにあるとき、第1の動作モードと比べて、ディスプレイ110の電力消費を低減する他の任意の手段によってディスプレイ110を動作させてよい。さらに、プロセッサ130は、第3の動作モードにあるとき、例えば、クロック速度を低減すること、通信デバイス140にデータを送信すること、および/もしくは通信デバイス140からデータを受信することなどの補助機能をシャットダウンすること、またはプロセッサ130の電力消費を低減する他の任意の方法によって、プロセッサ130の電力消費レベルを低減してよい。プロセッサ130が第3の動作モードでディスプレイを動作させるとき、ディスプレイ110の光強度は、第1の動作モードおよび/または第2の動作モードの光強度と実質的に同一であってよい。代替として、車両10は、オフであるとき、静止していると想定され(この想定の可能な例外は、車両10が牽引されているときである)、かつメッセージ、ならびに/または識別情報および/もしくは登録情報が示されるべき人々は、車両10に実質的に近接しているため、ディスプレイ110の光強度は、第1の動作モードおよび/または第2の動作モードの場合と比べて、第3の動作モードにおいて実質的により低くてよい。しかし、他の任意の適切な光強度が、第3の動作モードにおいて使用されてよい。
【0018】
第2の変形において、ディスプレイは、第3の動作モードで動作しているとき、継続的にオンであってよいが、このことは、第1の動作モードおよび/または第2の動作モードと比べて、実質的により低い光強度においてである。一実施例において、ディスプレイ110のバックライトは、第3の動作モードにおいて最低の光強度であってよい。第3の動作においてディスプレイ110の電力消費を低減する方法および構成は、代替として、前述した変形の組合せ、または照明レベルが調整可能であり、外部から照明されることが可能な双安定ディスプレイの使用を含む、他の任意の適切な方法もしくは構成であってよい。
【0019】
プロセッサ130は、代替として、第4の動作モードでディスプレイ110を動作させてよい。第4のモードは、通信デバイス140を介した通信によって決定されてよい。第1の例において、通信デバイス140は、法執行機関と通信してよく、かつ車両10が窃盗にあっていることをプロセッサ130に示してよい。すると、プロセッサ130は、車両10が盗まれた車両であるという通知がディスプレイ110上にレンダリングされる第4の動作モードでディスプレイ110を動作させてよい。しかし、第4のモードは、代替として、他の任意の適切なタイプのものであってよく、かつ他の任意の適切な方法によって作動させられてよい。
【0020】
通信デバイス140は、コンテンツ、情報、および/またはデータがディスプレイ・システム100に転送されること、およびディスプレイ・システム100から転送されることを可能にするように機能する。通信は、公的組織(DMV事務所または法執行機関などの)、コンテンツ・データベース、車両のドライバ、車両の所有者、または他の任意の適切な人々を相手に行われてよい。通信デバイスは、車両識別情報および/または車両登録情報、車両メンテナンス情報、運転者情報、車両位置情報(例えば、GNSSまたはGPS位置特定受信機を含む、もしくはGNSS/GPS位置特定サービスにアクセスするディスプレイ・システム100の変形において)、更新された広告に関する情報、または他の任意の適切なタイプの情報を送信してよく、かつ/または受信してよい。通信デバイス140は、好ましくは、無線通信タイプ、例えば、セルラ電話タワーと通信するタイプ、Wi-Fiハブ、または他の任意の適切なタイプの無線通信のものである。しかし、通信デバイス140は、有線通信デバイスであってよい。この変形において、更新された情報は、ディスプレイ・システム100が更新デバイス、例えば、メンテナンス施設における、DMV事務所における、もしくは他の任意の適切なロケーションにおけるコンピュータに、または無線通信能力を有する別の車両および/もしくはディスプレイ・デバイス100に「プラグ接続」されたとき、転送される。また、通信デバイス140は、ディスプレイ・システム100に対する通信および/またはディスプレイ・システム100からの通信を解釈するように機能する通信プロセッサを含んでもよい。通信プロセッサは、好ましくは、プロセッサ130とは別個であるが、代替として、プロセッサ130であってよい。通信プロセッサは、ディスプレイ・システム100に対する通信、および/またはディスプレイ・システム100からの通信を暗号化するように、かつ/または解読するように機能してよい。暗号化/解読は、様々な認証および暗号化スキーマのいずれか1つであってよい。例えば、ディフィ・ヘルマン鍵交換、ワイヤレス・トランスポート・レイヤ・セキュリティ(WTLS)などの暗号プロトコル、または他の任意の適切なタイプのプロトコル。また、通信プロセッサは、データ暗号化標準(DES)、トリプル・データ暗号化標準(3-DES)、またはアドバンスト暗号化標準(AES)などの暗号化標準にデータを暗号化するように機能してもよい。しかし、通信デバイス140は、他の任意の適切なタイプの通信を可能にしてよく、かつ他の任意の適切な構成のものであってよい。
【0021】
通信デバイス140は、コンテンツ・データベースからコンテンツ、情報、および/またはデータを受信してよい。好ましくは、コンテンツ・データベースは、プロセッサ130から実質的に遠隔に構成されてよい。また、コンテンツ・データベースは、好ましくは、機関、例えば、広告主、学校、レコード会社、またはスポーツ・チームもしくはスポーツ会場によって提供されるコンテンツを包含し、機関によって提供されるコンテンツは、好ましくは、広告を含む。代替として、コンテンツ・データベースは、車両10の運転者および/または所有者によって提供されるコンテンツ、例えば、高校を卒業した子供に祝辞を述べる車両10の所有者によって作成されたメッセージを包含してよい。しかし、他の任意の適切な人々が、コンテンツ・データベースにコンテンツを提供してよく、かつコンテンツ・データベースは、1つまたは複数の機関からの広告と1名または複数名の個人からの個人的メッセージの組合せを含んでよい。第1の例において、コンテンツ・データベース上のコンテンツは、通信デバイス140を介してプロセッサ130によってアクセスされ、かつストレージ・デバイス150上に記憶される。好ましくは、ストレージ・デバイス150は、車両10内、またはディスプレイ110を包含する筐体内などの、ディスプレイ110に実質的に近接して構成されるが、ストレージ・デバイス150は、遠隔サーバに接続されたハードドライブ上など、車両10から遠隔に位置付けられてよい。第2の例において、コンテンツ・データベース上のコンテンツは、通信デバイス140を介してリアルタイムでアクセスされ、その後、ディスプレイ110上にレンダリングされ、その結果、ストレージ・デバイス150上にコンテンツを記憶することをとばす。しかし、遠隔メッセージ・データベースからのコンテンツは、ディスプレイ110上にレンダリングされる前に、他の任意の手段によってアクセスされてよい。第3の例において、ストレージ・デバイスは、コンテンツ・データベースとしても機能し、前掲されるような少なくとも1つの機関または個人からのコンテンツが、ストレージ・デバイス上に記憶されてよく、かつディスプレイ110上にレンダリングされるように車両10の運転者および/または所有者によって選択されてもよい。この変形において、コンテンツ・データベースとしても機能する、ディスプレイ・システム100のストレージ・デバイス150は、第2の車両上に構成されたディスプレイ・システムなどの、ディスプレイ・システム100とは別個の第2のディスプレイ・システムによってアクセスされてよい。しかし、他の任意の適切な人々が、コンテンツ・データベースからディスプレイ110上にレンダリングされるべきコンテンツを選択してよい。さらに、コンテンツ・データベース上のコンテンツは、インターフェースを介して、車両10の運転者および/もしくは所有者、または他の任意の適切な人々によって選択されること、アクセスされること、および/または変更されることが可能である。好ましくは、そのインターフェースは、インターネット・ベースであり、かつ、例えば、モバイル・スマート・フォン上、またはコンピュータ上のウェブ・ブラウザを介してアクセス可能である。第1の例において、車両10の運転者および/または所有者は、インターネット対応のモバイル電話を用いてインターフェースにアクセスし、その後、コンテンツ・データベースにログインして、運転者および/または所有者がディスプレイ110上にレンダリングされることを所望するコンテンツ(例えば、サンフランシスコ・ジャイアンツ野球バナー)を選択してよい。第2の例において、コンテンツ・データベースは、車両登録情報を記憶し、車両10の登録が更新されると、DMV代表者が、インターフェースを備えたコンピュータを介してコンテンツ・データベースにアクセスし、その後、コンテンツ・データベース上の車両10の登録情報を更新してよく、通信デバイス140が、次に、コンテンツ・データベースから更新された登録情報を取り出してよく、ディスプレイ110上にその後、レンダリングされる登録情報が、その更新を反映することが可能である。代替として、インターフェースは、ディスプレイ・システム100に直結された、または物理的に「プラグ接続」されたハンドヘルド・デバイスであってよい。この変形において、インターフェースは、ディスプレイ・システム100から取外し可能であっても、そうでなくてもよい。さらに、インターフェースは、通信デバイス140を介してコンテンツ・データベースに結合されなくてよく、代わりに、車両10の運転者および/もしくは所有者、または他の任意の適切な人々が、ディスプレイ110に実質的に近接して構成されたストレージ・デバイス150などの、ディスプレイ・システム100上に既に位置付けられたコンテンツにアクセスすることを可能にするだけでよい。例えば、法執行官が、交通違反に関して車両10の運転者を停車させると、車両10上に構成されたディスプレイ・システム100に、インターフェースを備えたデバイスをつないでよく、インターフェースは、車両10の現在の識別情報および/または登録情報へのアクセスを提供する。しかし、インターフェースは、ディスプレイ・システム110に結合された他の任意のデバイスに包含される任意のコンテンツに、かつ他の任意の手段によってアクセスを許してよい。
【0022】
通信デバイス140は、ディスプレイ110上の特定のコンテンツのレンダリングに関するデータを送信してよい。好ましくは、広告が、ディスプレイ110上にレンダリングされるコンテンツに含められ、かつ通信デバイス140が、ディスプレイ110上の広告のレンダリングに関するデータを送信する。このデータは、例えば、広告がどれだけの時間、表示されたか、広告がいつ表示されたか、および広告がどこで表示されたかを含んでよい。代替として、このデータは、プロセッサ130によって収集され、かつ/または記憶されることも可能であり、ただし、このデータは、他の任意のデバイスまたは手段によって収集され、かつ記憶されることも可能である。好ましくは、この情報は、車両10の運転者および/または所有者に授与された報償の大きさまたはタイプを特定するのに使用される。第1の例において、所与のチームが出場する野球の試合のチケットに関する広告が、ディスプレイ110上にレンダリングされる場合、車両10の運転者および/または所有者は、その広告がディスプレイ110上にレンダリングされた時間の長さに見合った金銭的報償を受け取ってよく、代替として、車両10の所有者および/または運転者は、野球の試合の入場者数が比較的低い区域においてその広告を表示することの見返りとして、このチームが出場する野球の試合の1枚または複数枚のチケットを受け取ってよい。しかし、他の任意の方法が、ディスプレイ110上にコンテンツをレンダリングすることの見返りとして車両10の運転者および/または所有者に他の任意のタイプの報償を授与するのに使用されてよい。
【0023】
第2の車両に対する車両10の近接を特定するためのセンサは、ディスプレイ110上にレンダリングされるコンテンツを変更するようプロセッサ120に示すように機能する。プロセッサ120は、好ましくは、第2の車両が車両10に実質的に近接しているときディスプレイ110上に広告などのメッセージをレンダリングし(第2のモードなどで)、プロセッサ120は、好ましくは、センサが、車両10に実質的に近接している第2の車両を検出しないときディスプレイ110上に車両10の識別情報および登録情報をレンダリングする(第1のモードまたは第3のモードなどで)。センサは、RADAR検出器、LIDAR検出器、IR送信機-フォトレジスタ・ペア、カメラ、または第2の車両に対する車両10の近接を検出するように構成された他の任意の適切なデバイスであってよい。カメラであるセンサの実施形態において、カメラは、第2の車両の識別情報(第2の車両のライセンス・プレート番号などの)を検出するように構成されてよく、この情報は、第2の車両の所有者を特定するのに、かつ第2の車両の所有者と関係する情報を獲得するのに使用されてよい。次に、プロセッサ120が、第2の車両の所有者が少なくとも60才であると特定された場合、割引価格の処方薬に関する広告を表示することによって、第2の車両の所有者が女性であると特定された場合、女性のファッション店に関する広告を表示することによって、または第2の車両が法執行機関によって所有されている、もしくは使用されていると特定された場合、運転者情報を表示することによってなど、第2の車両の所有者のデモグラフィックに基づいてディスプレイ110上にレンダリングされるコンテンツを変更してよい。この例において、第2の車両の識別情報が、車両識別情報のデータベースに送信されてよく、データベースは、年令、エスニシティ、または性別などの、第2の車両10の所有者についての情報を戻し、データベースは、DMVまたは米国自動車協会(AAA)などのエンティティによって維持管理されてよい。別の実施形態において、第2の車両がデジタル・ライセンス・プレートを備えている場合、情報が、直接に要求されて、第1の車両のデジタル・ライセンス・プレート202に送り返されることが可能である。代替として、カメラは、第2の車両の運転者のデモグラフィックを(例えば、その運転者を、顔認識ソフトウェアによって特定のエスニシティと照合することによって)、またはディスプレイ110上にレンダリングされるメッセージに対する第2の車両の運転者の応答を直接に特定するように構成されてよい。後者の例において、第2の車両の運転者の応答は、初期の応答が否定的であった場合、より好意的な応答をもたらし得る代替のメッセージを選ぶのに使用されてよく、または最初の応答が肯定的であった場合、類似したメッセージを選択するのに使用されてよい。さらに、センサがカメラである実施形態において、カメラは、コンテンツが適切な光レベルでディスプレイ上にレンダリングされ得るように、車両10に実質的に近接した周囲光のレベルを測定するのに使用されてよく、例えば、ディスプレイの明るさは、カメラが、車両10の近くの高いレベルの太陽光を特定した場合、増加してよい。しかし、センサは、第2の車両と関係のある他の任意の情報を検出し、かつ他の任意の変数に基づいてディスプレイ上でレンダリングされるコンテンツを変更するようにプロセッサ120に示してよい。
【0024】
図2は、デジタル・ライセンス・プレート・システム200に組み込まれ得る様々なシステム、サブシステム、またはモジュールを、車両システム218、車両乗員、もしくはサード・パーティの人、車両、他のデジタル・ライセンス・プレート、または外部の自動化されたシステム220などの相互作用する潜在的な動作主体とともに示す。この図において、デジタル・ライセンス・プレート202は、車両上に設置され得る。デジタル・ライセンス・プレート内のシステムは、電力システム204と、熱制御システム206と、センサ・システム208とを含み得るが、以上には限定されない。電子セキュリティ・システム210が、データ・ログ記録およびインターフェース・システム212を介してログ記録され、かつ配信されるデータ、または通信システム214を通じて受信される/送信されるいずれかの通信に対する許可のないアクセスを制限する。受信されるデータは、ディスプレイ216によって提示される情報を決定するのに、または更新するのに使用され得る。
図3は、デジタル・ライセンス・プレート・システムの一実施形態を動作させるための方法を示す。デジタル・ライセンス・プレートを特定の車両に登録し、かつ結び付ける初期セットアップ302の後、デジタル・ライセンス・プレートは、車両始動時に(または、代替として、車両停止時に)初期設定304の準備ができていることが可能であり、デジタル・ライセンス・プレートに関するコンテキスト、位置、またはディスプレイ・プリセットを識別するのを助けるようにタイマまたはセンサを使用することが可能である。データ・アップロード/ダウンロードが開始されることが可能であり、かつ任意のファームウェア/ソフトウェア更新が完了されることが可能である。通常の動作において、ディスプレイに対する変更306は、感知されたデータ308に応答して、データ・ストレージもしくは解析システム310から、または外部通信およびデータ転送312の結果として行われ得る。同様に、内部トリガまたは外部から受信されたデータに基づいて、感知された、または記憶されたデータが、送信されること、または受信されることが可能であり、かつセンサが活性化されること、不活性化されること、またはセンサ・データが解析されることが可能である。車両が停止したとき、またはタイミング・トリガもしくは他の適切なトリガに応答して、データが、転送されて(線314を介して)、初期設定ステップ304に再び戻ることが可能である。
図4は、本明細書において説明されるようなデジタル・ライセンス・プレートと対話するための車両に実装された装置/ソフトウェアと外部の装置/ソフトウェアをともに含む代表的なデータ転送および記憶システム400を示す。
図4に示されるとおり、車両上でコンテンツをレンダリングするための好ましいデジタル・ライセンス・プレート・システム400は、ディスプレイ410と、メモリ420と、通信モジュール430と、プロセッサ440とを含む。ディスプレイ410は、車両の外面に隣接して設置されるように構成される。メモリ420は、車両識別アプリケーションと、ユーザによって選択されたアプリケーションとを含む複数の実行可能アプリケーションを記憶するように構成される。通信モジュール430は、ユーザによって選択されたアプリケーションをメモリ420にダウンロードするように構成される。プロセッサ440は、ディスプレイ410上でレンダリングされる視覚的コンテンツを制御するアプリケーションを選択的に実行するように構成され、ここにおいて、ディスプレイ410は、車両識別アプリケーションが実行されたとき、車両識別情報をレンダリングし、ディスプレイ410は、ユーザによって選択されたアプリケーションが実行されたとき、さらなる視覚的コンテンツをレンダリングする。
【0025】
デジタル・ライセンス・プレート・システム400は、好ましくは、複数のアプリケーションを実行するように機能し、ここにおいて、ディスプレイ410は、車両の外から見られるように各アプリケーションに特有の視覚的コンテンツをレンダリングする。車両識別アプリケーションが実行されたとき、好ましいシステム400は、好ましくは、車両の政府発行のライセンス・プレート番号を表示することによってデジタル・ライセンス・プレートとして機能する。しかし、別の(すなわち、ユーザによって選択された)アプリケーションが実行されたとき、好ましいシステム400は、好ましくは、ユーザによって選択されたアプリケーションに関連のある、または特有の視覚的コンテンツを表示することによって、料金支払いアプリケーション、州間運送アプリケーション、メッセージング・アプリケーション、広告アプリケーション、ゲーム・アプリケーション、ニュース・アプリケーション、アラート・アプリケーション、または他のアプリケーションとして機能する。車両識別アプリケーションは、好ましくは、システム400上で実行可能なデフォルトのアプリケーションおよび/または事前ロードされたアプリケーションであり、さらなるアプリケーションは、好ましくは、ユーザによって選択される。さらなるアプリケーションまたはユーザによって選択されたアプリケーションは、好ましくは、ユーザが、特定の機能を実行するよう、かつ/または特定の視覚的コンテンツ、特定のタイプの視覚的コンテンツ、特定の形態の視覚的コンテンツなどを表示するようシステム400をカスタマイズすることができるように、システム400上で実行可能である複数の利用可能なアプリケーションを包含する遠隔サーバからダウンロードされる。すると、好ましいシステム400は、車両識別情報を表示することと、ユーザによって選択されたアプリケーションに特有のさらなる視覚的コンテンツ、さらなるタイプの視覚的コンテンツ、さらなる形態の視覚的コンテンツなどを表示することとの間で切り替えることが可能である。したがって、ユーザは、システム100の特定の機能を可能にするように利用可能なアプリケーションのセットから様々なアプリケーションを選択することができる。
【0026】
システム400のメモリ420は、車両識別アプリケーションと、ユーザによって選択されたアプリケーションとを含む実行可能なアプリケーションを記憶するように構成される。メモリ420は、好ましくは、ユーザによって選択されたさらなるアプリケーション、アプリケーション特有のデータ、もしくはアプリケーション関連のデータ(例えば、車両識別情報、料金支払い情報、ユーザによって定義された個人用メッセージ)、ユーザ選好(例えば、フォント、視覚的コンテンツ・タイプ、電力設定)、または好ましいシステム400の動作と関係する他の任意の関連の情報を記憶することが可能である。好ましいシステム400の1つの変形において、メモリ420に、車両識別アプリケーション、ならびに車両および/またはシステム400に一意である車両識別情報(例えば、ライセンス・プレート番号)が事前ロードされる。この変形において、車両識別情報は、好ましくは、変更不能である。
【0027】
メモリ420は、好ましくは、プロセッサ440が、メモリ420からのアプリケーション・データおよび視覚的コンテンツにアクセスすること、アプリケーションを実行すること、およびメモリ420からの視覚的コンテンツを、レンダリングのためにディスプレイ410にプッシュすることが可能であるようにプロセッサ440と通信する。メモリ420は、好ましくは、プロセッサ440に物理的に結合され、ディスプレイ410およびプロセッサ440と共有される筐体内に配置される。代替として、メモリ420は、車両に組み込まれた電子制御モジュール(ECM)に隣接して、またはECMと物理的に同一の広がりをもつように、車両内に、ディスプレイ410から遠隔に配置されることが可能である。メモリ420は、代替として、遠隔サーバに結合された遠隔メモリであることが可能であり、ここにおいて、プロセッサ440は、遠隔サーバと通信する通信モジュール430を介して遠隔メモリにアクセスする。メモリ420は、代替として、スマートフォンまたはタブレットなどの、ユーザによって携帯されるモバイル電子デバイスに組み込まれたメモリと物理的に同一の広がりをもつことが可能である。しかし、メモリ420は、他の任意の様態でディスプレイ410に対して配置されることが可能であり、メモリ420は、配線を介して、無線通信(例えば、Wi-Fi、セルラ、Bluetooth、RFID)を介して、かつ/または他の任意の様態で、もしくは他の任意のプロトコルにより通信モジュール430を通じてアクセスされることが可能である。
【0028】
通信モジュール430は、好ましくは、複数のアプリケーションを記憶する遠隔サーバにアクセスし、ここにおいて、遠隔サーバ上の各アプリケーションは、ユーザによって選択され、
図2に示されるとおり、各アプリケーションによって定義される特定の機能を可能にするように好ましいシステム400に、その後、ダウンロードされること、アップロードされること、インストールされること、またはシステム400上で実行されることが可能である。好ましいシステム400の1つの変形において、遠隔サーバは、ユーザがそれを通じてアプリケーションにアクセスすること、またはアプリケーションを購入することができるアプリケーション・ストアとして機能し、ここにおいて、プロセッサ440は、ユーザによって選択されたアプリケーションをダウンロードすべく通信モジュール430を通じて遠隔サーバにアクセスする。この変形において、個人ユーザ情報および/または車両識別情報が、好ましくは、選択されたアプリケーションの購入の代金をユーザ、自動車隊マネージャ、または車両に関連付けられた他の任意のエンティティに自動的に請求するのに使用される。1つの変形において、通信モジュール430は、無線通信プロトコルを介して遠隔サーバと直接に通信する。例示的な実施形態において、通信モジュール430は、セルラ(例えば、4Gセルラ)ネットワークを介して遠隔サーバと通信し、ユーザによって選択されたアプリケーションを、そのセルラ・ネットワークを介してダウンロードする。しかし、通信モジュール430は、例えば、Wi-Fiおよびローカル・エリア・ネットワーク、Bluetooth、衛星、または他の任意の適切なタイプの短距離無線通信プロトコルもしくは長距離無線通信プロトコルを介して、遠隔サーバと実質的に直接に無線で通信することが可能である。システム400の別の変形において、通信モジュール430は、無線対応のモバイル・デバイスを通じて遠隔サーバと通信する。1つの例示的な実施形態において、通信モジュール430は、ユーザによって携帯されるスマートフォンに接続可能な物理的配線を受け入れるように構成されたポートを含み、ここにおいて、スマートフォンは、遠隔サーバからの情報に無線でアクセスして引き出し、その後、その情報を、有線接続を介してアップロードする。別の例示的な実施形態において、通信モジュール430は、短距離無線通信プロトコル(例えば、Wi-Fi、Bluetooth、RFID、近距離無線通信(NFC)、赤外線)を介してタブレット・コンピュータと通信し、ここにおいて、タブレット・コンピュータは、遠隔サーバから通信モジュール430に情報を転送すべく長距離無線通信プロトコル(例えば、セルラ、衛星)を介して遠隔サーバと通信する。これらの例示的な実施形態において、通信モジュール430は、好ましくは、モバイル電子デバイスからアプリケーション関連のデータを実質的にリアルタイムで受信する。代替として、通信モジュール430は、モバイル電子デバイスがアプリケーション関連のデータにアクセスし、ローカルで記憶してから実質的に長い時間が経った後、アプリケーション関連のデータを受信することが可能である。しかし、通信モジュール430は、他の任意の通信プロトコルを介して、他の任意の補助電子デバイスもしくはモバイル電子デバイスを通じて、または他の任意の方法で、ユーザによって選択されたアプリケーション・データ、および関連する視覚的コンテンツにアクセスし、これらをダウンロードすることが可能である。
【0029】
通信モジュール430は、好ましくは、ユーザによって選択されたアプリケーションと、アプリケーション関連のデータと、さらなる視覚的コンテンツとを含むデータを、遠隔サーバから受信するように構成される。しかし、通信モジュール430は、車両位置データ、視覚的コンテンツの露出(例えば、視覚的コンテンツがどれだけの時間、ディスプレイ410上でレンダリングされるか、どれだけの数の個人がその視覚的コンテンツを読む、もしくはそれに気づくか)、ユーザ選好、車両識別情報もしくは車両乗員識別情報、ローカルの個人条件、車両条件、もしくは環境条件、または他の任意の関連のデータもしくは関連情報などのデータを遠隔サーバに送信することも可能である。そのようなデータは、好ましくは、メモリ420上に記憶され、適切な接続が確立されたときに(例えば、Wi-Fi対応のモバイル電子デバイスを通じて、または事前定義されたシステム更新スケジュールにより)遠隔サーバに送信される。しかし、メモリ420は、他の任意のデータを記憶することが可能であり、通信モジュール430は、他の任意の関連の情報を遠隔サーバに送信すること、および/または遠隔サーバから受信することが可能である。
【0030】
システム400のプロセッサ440は、ディスプレイ400上でレンダリングされるコンテンツを制御すべく、ユーザによって選択されたアプリケーションと、車両識別アプリケーションとを含むアプリケーションを選択的に実行するように構成される。プロセッサ440は、好ましくは、メモリ420と、ディスプレイ400とをやはり包含する筐体内に配置されるが、プロセッサ440は、代替として、車両のECMに隣接して、またはECMと物理的に同一の広がりをもって配置されるなど、ディスプレイ400から遠隔であることも可能である。プロセッサ440は、好ましくは、共有されるプリント基板(PCB)上のトレースなどの配線接続を介してメモリおよびディスプレイ410に結合される。しかし、プロセッサ440は、代替として、無線接続または光接続を介してメモリ420および/またはディスプレイと通信することも可能である。さらに、プロセッサ440は、ユーザによって携帯されるモバイル電子デバイスのプロセッサと物理的に同一の広がりをもつことが可能である。しかし、プロセッサ440は、他の任意の方法で配置されることが可能であり、プロセッサ440は、他の任意の方法で、または他の任意のプロトコルによりメモリ420および/またはディスプレイと通信することが可能である。
【0031】
プロセッサ440は、好ましくは、アプリケーション間の遷移を扱い、ディスプレイ410上でレンダリングされる物理的コンテンツを制御する。アプリケーションを選択的に実行することによって、プロセッサ440は、車両識別アプリケーションを排他的に実行すること、ユーザによって選択されたアプリケーションを選択的に実行すること、および/または車両識別アプリケーションとユーザによって選択されたアプリケーションとを同時に実行することが可能である。車両識別アプリケーションが実行されたとき、プロセッサ440は、好ましくは、メモリ420上に記憶された車両識別アプリケーションにアクセスして、ディスプレイ410上での車両識別情報のレンダリングを扱う。また、プロセッサ440は、好ましくは、ユーザによって選択されたアプリケーションが実行されたとき、メモリ420からの必要なアプリケーションおよびアプリケーション関連のデータにアクセスする。プロセッサ440は、さらに、または代替として、アプリケーションを実行し、ディスプレイ410上でレンダリングするコンテンツを選択すべく、通信モジュール430を介するなどして、遠隔サーバから関連のデータに直接にアクセスすることが可能である。プロセッサ440は、好ましくは、車両の位置、既知のもしくは識別されたエンティティに対する車両の近接、ユーザからの入力、車両の外の既知のもしくは識別されたエンティティからの入力、タイマ、第2のローカルの車両の性質(例えば、子供の乗車、運転者のデモグラフィック、運転者の運転記録、第2の車両のメーカーとモデル)、または他の任意の適切なトリガもしくは入力に基づいてアプリケーションを選択的に実行する。2つのアプリケーション間の遷移は、1つまたは複数のアプリケーションにネイティブであること、アプリケーションの外部のプロセッサ440によって定義されること、遠隔サーバによって設定されること、ユーザによってトリガされること、または車両の外の第2のユーザもしくは他のエンティティによってトリガされることが可能である。しかし、アプリケーション間の遷移は、他の任意の方法で、または他の任意の関係者によって生成されること、定義されること、または設定されることが可能である。
【0032】
アプリケーション間の遷移が、システム400外部の関係者(例えば、ユーザ、第2のユーザ、外部エンティティ)によってトリガされるシステム400の変形において、プロセッサ440は、好ましくは、通信モジュール430を通じてトリガ・イベントを受信する。1つの例示的な実施形態において、通信モジュール430は、GNSS/GPSセンサを含み、プロセッサ440は、通信モジュールが、車両が料金所の指定された範囲内にあると推定したとき、料金アプリケーションに遷移させる。別の例示的な実施形態において、通信モジュール430は、赤外線(IR)センサを含み、プロセッサ440は、警官が通信モジュール430にIRリモートを向けたとき、車両識別アプリケーションに遷移させる。さらに別の例示的な実施形態において、通信モジュール430は、車両の車室内に配置された、ユーザによってアクセス可能な入力領域(例えば、物理的スイッチ、タッチスクリーン)を含み、プロセッサ440は、その入力領域とのユーザ対話(例えば、スイッチをフリップすること、或るタッチスクリーン入力領域を選択すること)に基づいてアプリケーション間の遷移を行う。しかし、トリガは、任意の適切なユーザ、個人、またはエンティティによって提供される、または生成される他の任意のタイプの入力であることが可能である。
【0033】
システム400の1つの変形において、プロセッサ440は、政府発行の車両識別情報をレンダリングするようディスプレイ410を促す車両識別アプリケーションを実行する。ディスプレイ410は、好ましくは、プロセッサ440が車両識別アプリケーションを実行すると、政府発行のライセンス・プレート番号をレンダリングし、ただし、ディスプレイ410は、現在の乗員もしくは運転者の登録情報、名前、免許証、または運転者のライセンス番号、ライセンスを発行した州、あるいは車両の現在の運転者または所有者の運転記録などのさらなる識別情報を示すことが可能である。車両のライセンス・プレート番号または他の識別子は、好ましくは、そのライセンス・プレート番号または他の識別子が、一度、システム400上にプログラムされると、変更され得ないように、メモリ420の不揮発性の読取り専用部分に記憶される。代替として、ライセンス・プレート番号または他の識別子は、車両に設置された、またはそれ以外で結合されたシステム400にロードされた政府発行の登録情報および識別情報の違法な改竄を実質的に防止すべく、1つまたは複数のファイアウォール、パスワード、セキュアな組み込みシステム(OSカーネル、CPU、メモリ)、パスワード、暗号スキームなどによって保護されることが可能である。
【0034】
この変形において、車両識別アプリケーションは、様々な政府エンティティが、各国政府、各州政府、または各地方政府の規則、規制、登録手続き、必要性などに合わせてあつらえられたカスタマイズ車両識別アプリケーションを発行することができるように、各国政府、各州政府、または各地方政府に特有であることが可能である。一例において、州は、車両識別アプリケーションを通じて、異なるフォント・サイズもしくは字体を設定すること、ライセンス・プレート番号および登録タグの配置場所を定義すること、特別なテンプレートもしくはデザインを提供すること、あるいはディスプレイ410でレンダリングされる視覚的コンテンツの他の任意のフォーマット特性もしくはスタイル上の特性を定義することが可能である。別の例において、州政府は、登録要求が車両管理局サーバにどのようにルーティングされるか、および車両識別情報が更新される際にデジタル登録「ステッカ」がシステム400にどのように送り返されるかなどの、自動登録プロトコルを設定することが可能である。さらなる例において、地方政府は、システム400の製造中もしくは組立中、システム400が、販売業者に納品された後に車両にインストールされたとき、システム400を含む車両が、DMVに最初に登録されたとき、システム400を含む車両の所有者が変わったとき、および/または所有者もしくはユーザが、ライセンス・プレート・テンプレート変更(例えば、標準の車両プレートから歴史ある車両プレートに)もしくは車両登録の変更(例えば、稼働ステータスから非稼働ステータスに、乗用車両ステータスから商用車両ステータスに)を要求したときなど、車両識別情報がどのように、またはいつ、システム400にインストールされるかを設定することが可能である。さらに別の例において、州政府が、車両が交差点の事前設定された範囲内にあるとき、車両が警官の事前設定された範囲内にあるとき、指定された間隔で、車両が特定の速度以上で動いているとき、車両が駐車されたとき、車両が特定の場所にあるとき、または州発行のリモート・コントロール・デバイスからのトリガが与えられているなど、車両識別アプリケーションへの遷移を制御するトリガを設定することが可能である。しかし、国政府、州政府、および/または地方政府は、車両識別アプリケーションが実行されるときにディスプレイ410上にレンダリングされる車両識別アプリケーションおよび/または車両識別情報の他の任意の関連のパラメータを設定することが可能である。また、これらのパラメータは、例えば遠隔サーバを介してシステム400に配信される車両識別アプリケーションに関する更新とともに、時とともに変更される、または再定義されることも可能である。
【0035】
システム400の1つの変形において、ユーザによって選択されたアプリケーションは、広告アプリケーションであり、ここにおいて、ディスプレイ410は、広告アプリケーションが実行されたとき、広告であるさらなる視覚的コンテンツをレンダリングする。この変形において、ユーザは、ディスプレイ410上でレンダリングすべき特定の広告を選択することができる。例えば、ジャイアンツの野球のファンであるユーザが、ジャイアンツの野球の試合のチケットに関する広告を選択することが可能である。別の例において、自動車販売店であるユーザは、車両が販売業者敷地に駐車されているとき、ディスプレイ410上でレンダリングされるように車両値引きおよびその他の販売店広告を選択することが可能である。さらに、または代替として、ユーザは、特定の広告選好を選択すること、またはいずれの広告がディスプレイ410上でレンダリングされるかを制御する個人情報もしくはデモグラフィック情報を提供することが可能である。一例において、ビーガンであるユーザのために、ファストフード肉製品に関する広告が、ユーザによって所有される車両に設置されたシステム400上で実行される広告アプリケーションから排除される。別の例において、野外活動を楽しむユーザのために急流川下り旅がディスプレイ410上でレンダリングされる。さらに別の例において、カントリミュージック・ファンであるユーザのために、地元カントリ・ミュージック・ラジオ局に関するプレイリストが、ディスプレイ410上でレンダリングされる。システム400のこの変形において、さらなる視覚的コンテンツは、好ましくは、車両の外の第2のユーザ、個人などをターゲットにする。また、車両の外の第2のユーザ、個人などは、好ましくは、広告が第2のユーザ、個人などに判読しやすいようにディスプレイ410の視界の範囲内に入ってもいる。
【0036】
この変形において、プロセッサ440は、ユーザが、車両上で製品、商品、またはサービスを広告することの報償を与えられることが可能であるように、広告露出を追跡することが可能である。一例において、プロセッサ440は、広告が表示される時間を追跡する。別の例において、プロセッサ440は、カメラに結合され、広告がレンダリングされる間、ディスプレイを見る個人を識別し、その数をカウントする機械視覚を実施する。さらなる例において、システム400は、広告がレンダリングされている間、ディスプレイ410の視界内の車両の数を追跡する全地球測位を実施する。この変形において、広告のディスプレイ410露出時間もしくは露出量は、好ましくは、広告に関するユーザ報償の量を計算するのに使用される。資金、賞、値引き、クーポン、または他の形態の報償を配ることが、好ましくは、ユーザまたは他の適切なエンティティに報償を払い込むべくユーザ、自動車隊マネージャ、車両所有者などのアカウントにアクセスする遠隔サーバによって扱われる。
【0037】
システム400の別の変形において、ユーザによって選択されたアプリケーションは、道路アラート・アプリケーションであり、ここにおいて、道路アラート・アプリケーションが実行されたとき、ディスプレイ410は、道路アラートをレンダリングする。この変形において、ディスプレイ410は、好ましくは、車両の外の第2のユーザ、例えばその車両の後に続く第2の車両における第2のユーザと実質的に関連のあるコンテンツをレンダリングする。道路アラート・アプリケーションは、好ましくは、交通状況、事故、くぼみ、建設工事、狭まった車線、相乗り車線への変更もしくは相乗り車線制限、進入車線、または瓦礫などの、道路危険要因に近づいていることを第2のユーザに知らせる。また、煽り運転、不規則な運転、または危険な振舞いの通知が、後続の車両に提供されることも可能である。1つの例示的な実施形態において、ユーザは、ユーザの周囲の他の運転者の現在の交通関連の知識を向上させることによってユーザの運転安全性を向上させることが可能である交通状況または道路状況が近づいていることを後続の車両に知らせるために道路アラート・アプリケーションを選択する。別の例示的な実施形態において、車両の後に続く第2の車両における第2のユーザは、車両に結合されたシステム400に道路アラート・アプリケーションがインストールされることを要求する。この例示的な実施形態において、遠隔サーバは、好ましくは、GNSS/GPS追跡または短距離通信を通じてなど、ユーザおよび/または車両に近接した第2のユーザおよび/または第2の車両を識別する。次に、遠隔サーバは、好ましくは、そのアプリケーション要求をユーザの選好に照らして確認し、適宜、システム400に道路アラート・アプリケーションをアップロードする。同様に、道路アラート・アプリケーションが既にシステム400にインストールされている例示的な実施形態において、第2のユーザが、道路アラート・アプリケーションへの遷移をトリガする、または「ここから先5マイルに関する交通状況」などの、ディスプレイ410上にレンダリングすべき特定の道路関連の情報を選択する入力(例えば、スマートフォンを介して)を供給することが可能である。したがって、車両の外の個人またはエンティティが、システム400にインストールされるアプリケーション、2つのアプリケーション間の遷移、および/またはプロセッサ440がアプリケーションを実行したとき、ディスプレイ410上でレンダリングされるさらなる視覚的コンテンツの選択を実質的に制御することが可能である。
【0038】
システム400の別の変形において、ユーザによって選択されたアプリケーションは、運転指示アプリケーションであり、ここにおいて、ディスプレイ410は、運転指示アプリケーションが実行されたとき、運転指示をレンダリングする。運転指示アプリケーションは、好ましくは、前述した道路アラート・アプリケーションに類似しており、ここにおいて、システム400は、車両の外の個人に関連のある情報を表示する。この変形において、ディスプレイ410は、好ましくは、車両の後方で運転している第2のユーザのために、第2のユーザが運転指示を見るのに道路から目を離さなくてよいようにディスプレイ410の視界内で運転指示を示す。前述したとおり、運転指示のインストールは、ユーザによって開始されること、または第2のユーザによって要求されることが可能である。また、第2のユーザは、好ましくは、目的地までの指示を要求し、ここにおいて、指示は、遠隔サーバによって扱われ、第2のユーザに提示するためにシステム400にプッシュされる。また、システム400および/または遠隔サーバは、第2のユーザの近くのさらなる車両を識別し、旅の行路にわたって第2のユーザに続く複数の車両にわたって運転指示を配信することも可能である。しかし、システム400は、運転指示アプリケーションである、ユーザによって選択されたアプリケーションを他の任意の適切な方法で実施することが可能である。
【0039】
システム400の別の変形において、ユーザによって選択されたアプリケーションは、ニュース・アプリケーションであり、ディスプレイ410は、ニュース・アプリケーションが実行されたとき、ニュース・アラートをレンダリングする。この変形において、ディスプレイ410は、好ましくは、国内政治見出しまたは国際経済見出しなどの、地方、州、国、または国際の現在の出来事をレンダリングする。さらに、または代替として、ディスプレイ410は、ニュース・フィード、ステータス更新、メッセージ、あるいはソーシャル・ネットワーク、ブログ、または他のオンライン・サービスもしくはネットワークをソースとする書込みなどの、ユーザ、またはユーザの近くの他の個人と関連する個人的ニュースまたは個人的出来事をレンダリングすることが可能である。例えば、ディスプレイ410は、「とても興奮しています、私は、明日の夜のジャイアンツの試合のチケットを今、買ったところです」または「私の友人のサミーが、彼女のクッキングのブログに新しいチリ・レシピを今、書き込んだところです」というユーザ・ステータス更新をレンダリングすることが可能である。この変形において、ディスプレイ410は、ニュース・コンテンツのソースにリンクした視覚的ポインタをレンダリングすることも可能である。例えば、ディスプレイ410は、2次元バー・コードをレンダリングすることが可能であり、ここにおいて、車両の外の個人は、そのバー・コードを読み取り、ニュース・コンテンツのソースとされたニュース記事、ソーシャル・ネットワーク、ブログなどに自動的にアクセスすべく、カメラを実装するスマートフォンを使用することが可能である。同様に、通信モジュール430は、ポインタを(ワイヤレスで)出力することが可能であり、このポインタは、その後、ニュース・コンテンツのソースを開くべく、車両の外の個人によって携帯されるモバイル電子デバイスによってアクセスされる。
【0040】
システム400の別の変形において、ユーザによって選択されたアプリケーションは、州間運送アプリケーションであり、ここにおいて、ディスプレイ410は、州の境界をまたいで移動する商用トラックである車両に関する運送証明書のステータスを提示する。この変形において、システム400は、好ましくは、車両が州の境界を越えたとき、および/または車両がいずれの道路を走行したかなどの、車両の位置を追跡する地域測位システムまたは全地球測位システムとインターフェースをとる。この車両位置情報から、システム400および遠隔サーバは、好ましくは、要求される料金および税金を支払い、要求される車両情報(例えば、車両総重量)を関連の機関(例えば、車両管理局)に提出し、車両証明書および支払いの現在のステータスをディスプレイ410上で視覚的にレンダリングするように協働する。例えば、通信モジュール430に含められたRFIDタグが、州の境界近くのハイウェイの近くのRFID読取り装置をトリガすることが可能であり、ここにおいて、トリガは、車両が州の境界を越えたことを遠隔サーバに知らせ、遠隔サーバは、その後、関係のある車両情報および支払い情報を適切な機関にプッシュし、ディスプレイ410は、証明書および支払いの視覚的標識をレンダリングする。この変形において、運送アプリケーションは、好ましくは、車両隊マネージャが、州間運送料金、支払い、および証明書を追跡し、管理すべく車両隊における複数の車両上で実行される運送アプリケーションを使用することができるように、車両を含む車両隊に関する車両隊マネージャであるユーザによってシステム400にインストールされる。しかし、この変形において、運送アプリケーションは、アプリケーション特有の視覚的コンテンツもしくはアプリケーションに関連のある視覚的コンテンツも排除して運送証明書を扱うことが可能であり、システム400は、プロセッサ440が運送アプリケーションを実行したとき、ディスプレイ410上でレンダリングされる視覚的コンテンツを更新しない。しかし、システム400は、運送アプリケーションであるユーザによって選択されたアプリケーションが実行されたとき、他の任意の方法で機能することが可能である。
【0041】
システム400の別の変形において、ユーザによって選択されたアプリケーションは、メッセージング・アプリケーションであり、ディスプレイ410は、メッセージング・アプリケーションが実行されたとき、個人用メッセージをレンダリングする。この変形において、ユーザは、好ましくは、個人用メッセージを生成し、そのメッセージは、好ましくは、テキスト・ベースであるが、そのメッセージは、さらに、または代替として、静止画像またはビデオを含むことが可能である。ユーザは、コンピュータ上でアクセス可能であって、遠隔サーバによってサポートされるメッセージ生成ウェブサイト上で、ユーザによって携帯され、遠隔サーバによってサポートされるモバイル電子デバイス上で実行されるメッセージ生成アプリケーションを通じて、システム400に結合された搭載車両音声制御システムを通じて、または他の任意の適切な手段を通じてメッセージを生成することが可能である。例えば、ユーザは、「17才の誕生日おめでとう、トム」、「頑張れジャイアンツ」、または「アクメ引っ越しサービス、電話番号800.555.9876」であるメッセージを生成することが可能である。代替として、ユーザは、メッセージの事前定義されたセットからメッセージを選択すること、またはウェブサイト、オンライン・ユーザ・プロファイル、ソーシャル・ネットワークなどからメッセージをダウンロードすることが可能である。例えば、ユーザは、「私の運転はどうですか」標示、「赤ちゃんが乗っています」標示、デジタル・バンパ・ステッカ、またはディスプレイ410のための背景画像をダウンロードすることが可能である。同様に、ユーザは、ソーシャル・ネットワークの書込み、コメント、またはメッセージからメッセージを引き出すことが可能である。しかし、ユーザは、ディスプレイ410上でレンダリングするための他の任意のコンテンツを含む他の任意のメッセージを生成すること、または選択することが可能である。
【0042】
システム400の別の変形において、ユーザによって選択されたアプリケーションは、有料道路アプリケーションであり、システム400は、料金所または料金所がある場所を通過する車両に関する料金支払いを扱う。前述した州間運送アプリケーションの場合と同様に、有料道路アプリケーションを実行するシステム400は、好ましくは、車両の位置を監視し、かつ/または料金支払いをトリガすべく料金所もしくは有料道路と通信する。システム400および/または遠隔サーバは、好ましくは、車両料金の支払いを行うべく料金所または料金管理サーバとインターフェースをとり、料金が支払われると、ディスプレイ410は、好ましくは、料金が支払われたことを示す視覚的コンテンツをレンダリングする。しかし、有料道路アプリケーションは、視覚的コンテンツを排除して料金支払いを扱うことが可能であり、ここにおいて、システム400は、有料道路アプリケーションが実行されたとき、ディスプレイ410上でレンダリングされる視覚的コンテンツを変更することも、更新することもしない。しかし、有料道路アプリケーションは、他の任意の方法で機能することが可能である。
【0043】
システム400の別の変形において、ユーザによって選択されたアプリケーションは、ゲーム・アプリケーションであり、ここにおいて、ディスプレイ410は、ゲーム・アプリケーションが実行されたとき、ゲーム・コンテンツをレンダリングする。この変形において、システム400は、好ましくは、ユーザと、ユーザの近くの他の任意の個人との間でゲームを行うことを可能にする。例えば、第1の車両の後に第2の車両が続いており、ユーザが、第2の車両の前方部に設置されたシステム400に向き合っており、かつ第2のユーザが、車両の後方部に設置されたシステム400に向き合っているとき、車両におけるユーザは、第2の車両における第2のユーザとゲームをすることが可能である。この例において、ユーザは、ハンドヘルド電子デバイスを介して第2の車両上の第2のディスプレイの出力を制御することが可能であり、第2のユーザは、第2のハンドヘルド電子デバイスを通じて車両上のディスプレイ410の出力を制御することが可能である。したがって、複数の車両に設置されたシステム400は、異なる車両ではあるが、近くの車両に乗ったユーザのためのゲーム・プラットフォームまたはゲーム・インターフェースを可能にすることができる。
【0044】
システム400上で実行されるように構成されたアプリケーションは、好ましくは、サード・パーティ開発者によって作成され、ユーザが、アプリケーションをプレビューすること、関連のアプリケーションを選択すること、およびそれらの関連のアプリケーションを、後の使用のためにシステム400にインストールすることができるように遠隔サーバ上でホストされる。遠隔サーバは、好ましくは、サード・パーティ開発者によるアプリケーション作成およびアプリケーション開発をサポートするようにソフトウェア開発キット(SDK)を提供し、かつ/またはアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)をホストする。サード・パーティ開発者は、官公庁(例えば、州のDMV)、民間の機関(例えば、民間のハイウェイ上の民間の料金所、小売業者)、または独立したユーザを表すことが可能である。しかし、システム400および/または遠隔サーバは、システム400のためのさらなる機能を可能にするアプリケーションの開発をサポートする他の任意の方法で機能することが可能である。
【0045】
図5は、デジタル・ライセンス・プレート502によって記憶可能である、解析可能である、送信可能である、または受信可能である様々なタイプもしくはカテゴリのデータを含むデータ・システム500を概略で示す。データは、車両センサもしくはデータ・ソースから記憶される、直接に感知される、導き出される、または計算されることが可能な車両によって生成されるデータ504を含むことが可能であり、デジタル・ライセンス・プレート502において提供されるセンサ、ならびに本実施形態において説明されるような任意のサポートエレクトロニクスをさらに含むことが可能である。他のデータ・カテゴリは、車両に関連付けられたデータ506(例えば、ライセンス情報、登録、有効期限、保険ステータス、車両マニュアル、車両ガイド、もしくはハウツー情報)、サード・パーティ・データ508(例えば、広告主情報、道路ツアー・ガイド、ゲーム、エンターテイメント)、またはデータ解析モジュール510によって作成されたシミュレーション・データもしくは解析データ(例えば、計算されたタイヤ損耗もしくはエンジン損耗)を含むことが可能である。
【0046】
デジタル・ライセンス・プレート502からのデータは、通常、スマートフォン・アプリケーション、テキスト・メッセージもしくは電子メール・メッセージ、車両ダッシュボード画面、その他の車両内ユーザ・インターフェース、またはウェブ・ベースのインターフェース(車両内と、ユーザのパーソナル・コンピュータもしくはラップトップを通じての両方)を介して、情報512としてユーザに提供されることが可能である。視覚的表示、印刷された情報、オーディオ、または任意の適切なユーザ・インターフェースが、情報を提供するのに使用されることが可能である。情報は、クエリに応答して、警報発表として、または通常の報告として提供されることが可能である。情報には、時間または重要度により優先順位が付けられることが可能であり、学習アルゴリズムが、ユーザに最も適した形態で情報を提供するように提示を調整することができる。例えば、時とともに、ユーザによって通常、要求される項目、または重要な性能指標/警報が、メニュー選択を要求するのでも、サブ画面への移動を要求するのでもなく、メイン画面上で提示されることが可能である。
【0047】
ユーザ・データ514は、個人データ、ならび情報512に応答するユーザ・フィードバック516、あるいはデジタル・ライセンス・プレート502からのデータへのアクセス、またはそのデータの解放を可能にする様々なコマンド、命令、もしくは許可518を含むことが可能である。事前設定されたセキュリティ・レベルが、ユーザによって設定され、許可されることが可能であり、修正または変更が許される。例えば、ユーザが、車両位置履歴または車両速度の記憶または解放を防止するプライバシ・モードを呼び出すことを所望することが可能である。別の例において、広告主に関連のあるデータが、サード・パーティ・ウェブサイトへのアクセス、スマートフォン・アプリケーションの使用、または支払いと引き換えに解放を許可されることが可能である。
【0048】
車両によって生成されるデータ504は、車両の健全性、サード・パーティ広告画像の表示の時刻および場所、燃費効率、道路状況(例えば、加速度計によって検出されたものとして、粗さ対滑らかさ)、くぼみ識別、気象条件、温度、湿度、車両に乗っている人の数、車両の総積載量、ブレーキ習慣、加速/減速習慣、使用ベースの保険をサポートする場所情報およびタイミング情報と関連するものを含むことが可能であるが、以上には限定されない。デジタル・ライセンス・プレートを監視するのに役立つ他のデータは、デジタル・ライセンス・プレート動作ステータス、デジタル・ライセンス・プレート・バッテリ・ステータス、カメラ即応性、メモリ使用、外部バッテリ(すなわち、車両バッテリ)充電利用可能性、電圧レベル、および自己試験/監視結果を含むことが可能である。
【0049】
他の車両によって生成されるデータは、データ解析510に基づく予測メンテナンス(例えば、「近いうちに整備に持ち込んでください、トランスミッションが来月中に故障することが予測されます」)を含む、メンテナンスと関連する情報を含むことが可能である。予期されるメンテナンス費用、ならびにメンテナンス履歴、および修理された、もしくは交換された部品と関連する情報が提供されることが可能である。
【0050】
車両によって生成されるデータは、多種多様な情報をもたらすべく、車両によって運ばれる電子デバイス(例えば、個人用のスマートフォンもしくはカメラ)、またはサード・パーティの保険データベースもしくは車両データベースからのデータを含む、サード・パーティ・データ508と組み合わされることが可能である。これは、車両所有費用、次の車両を購入する準備、すなわち、前回の購入以来の日数、総走行距離、燃料使用および支払い検証、前の車両との費用比較、匹敵するサード・パーティ車両との費用比較、または類似した車両隊車両との費用比較を含むことが可能である。また、車両に対する支払い額完済のパーセンテージ、完済までの日数、または保険料支払いの検証などの車両と関連する金銭的情報が、提供されることも可能である。
【0051】
顧客が顧客自らの洞察を生み出すことを可能にする情報(コンテキストを有するデータ)が、顧客に提示される。例えば、週末の車両の使用および費用が、平日のビジネス使用と比較され、分離されて、ユーザが、車両のレクリエーション使用の費用を算出すること、または全体的な車両費用を低減するのに役立てることができるようにすることが可能である。例えば、いつ、どこで燃料を補給すべきか(例えば、最良の結果は、週末であって、ユーザの職場とは反対の方向に位置するが、ユーザのお気に入りのレストランの近くにある低価格のガソリン・スタンドである)の示唆または推奨が行われることが可能である。そのような情報と「洞察」(すなわち、示唆または推奨に基づくデータ)は、ユーザに同時に伝えられることが可能であり、レストランを訪れること、および自宅に戻る際に燃料を補給することのリマインダなどのアクションでユーザをさらに促すことが可能である。
【0052】
代替として、アクションを要求する洞察のリストが、顧客に提示されることが可能である。前述の例を続けると、近くのガソリン・スタンドの優先順位付けされたリストが、補給の推奨時間とともに提供されることが可能である。例えば、デジタル・ライセンス・プレート502は、推奨およびもたらされる費用節約のリストを提供すべく、データ504(履歴上の燃費効率)、データ506(車両ガソリンの推奨される等級)、データ508(ガソリン・スタンドの場所および評価)、データ510(計算される、もしくはシミュレートされる車両位置)、およびユーザ・データ514(ユーザ・カレンダが、記録されたユーザ習慣に基づいて、レストランを訪れる際の利用可能な時間およびレストランを訪れる尤度)を組み込むことが可能である。
【0053】
別の説明される実施形態において、デジタル・ライセンス・プレートは、商品またはサービスを提供することができるローカル・エンティティと直接に、または間接的に通信することが可能である。例えば、一実施形態において、デジタル・ライセンスに搭載された、または接続されたBluetooth通信システムは、サービス・ステーションにおけるBluetooth対応のビーコン・システムまたは通信システムと通信することが可能である。例として、サービス・ステーションと対話するデジタル・ライセンス・プレートによって燃料が注文され、その代金が支払われることが可能であり、食料および飲料などの商品が購入されることが可能であり、地域情報が要求されることが可能である。動作の際、一度、デジタル・ライセンス・プレートを有する車両が移動を止めると(例えば、給油ポンプの前で停止するように操作された後)、デジタル・ライセンス・プレートが作動して、近くのBluetoothパケット、および関連付けられた信号強度を読み取ろうと試みることが可能である。信号強度およびBluetoothパケットは、記録されて、ソフトウェア購入システムに送信される。ソフトウェア購入システムは、ユーザ、ガソリン・スタンド、およびポンプ番号を識別する。信号強度が、定義された精度でポンプを特定するには十分な強さである場合、「許可されました。ポンプXから給油してください」と告げるメッセージが、プレート上に出現する。プラットフォームが、ポンプを識別することができない場合、電話/プレートが、「車両をポンプにより近づくように移動してください」と表示する。補給が終わった後、ポンプは、トランザクションの完了を示し、デジタル・レシート(または、要求される場合、ポンプにおいて紙のレシート)を提供する。実際、デジタル・ライセンス・プレートによって仲介される燃料の代金の支払いは、デジタル・ライセンス・プレートからの搭載GNSS/GPSを使用して特定されるガソリン・スタンドに関連のある情報、セットアップ中にデジタル・ライセンス・プレート・データベースによって提供される顧客情報、およびデジタル・ライセンス・プレートに情報を送信するポンプに関連付けられたビーコンのセットを使用して特定される燃料ポンプ番号だけを使用して可能である。
【0054】
図6に見られるとおり、駐車料金または罰金を自動的に支払うためのシステム600が示される。本明細書において開示されるようなデジタル・ライセンス・プレート602は、様々な通信プロトコルをサポートすることができる。デジタル・ライセンス・プレートは、スマートフォン、ポータブル・コンピュータ、ラップトップ、一体化された眼鏡投影システム、タブレット、ダッシュボード・ディスプレイ、または他のポータブルの、もしくは車両に設置されたインターフェース・システムとして構成されたユーザ・デバイス610と有線通信させられる、または無線通信させられることが可能である。図示されるとおり、デジタル・ライセンス・プレートおよび/またはユーザ・デバイス610は、支払いが支払い機関620に行われることを確実にすべく駐車施設604、駐車メータ606、または駐車罰金システム608と対話するように動作することが可能である。さらに、駐車関連の情報のステータスが、デジタル・ライセンス・プレートによって提供されるディスプレイ上に提示され得る。さらに他の実施形態において、駐車と関係する情報は、デジタル・ライセンス・プレートによって、直接に、またはユーザ・デバイス610を介して、ユーザまたは許可されたサード・パーティに電子的に提供されることが可能である。さらに、駐車と関係する情報は、代替として、またはさらに、私有のサーバ、クラウド・ベースのサーバもしくはプラットフォーム、または任意の適切なメッセージング・システムを介して転送されることが可能である。例えば、デジタル・ライセンス・プレート602とユーザ・デバイス610が、互いに直接に通信することを要求されるのではなく、代わりに、ともにクラウド・プラットフォームと通信し、クラウド・プラットフォームは、支払い機関620と通信する。クラウド・プラットフォームは、ユーザに代行して支払いを行う能力を有し、ユーザ・デバイス610とデジタル・ライセンス・プレート602は、駐車された車両の位置を確認するように通信すること、およびクラウド・プラットフォームが正しい機関と通信し、かつ正しい支払いを行うことを可能にすることもできる。一部の実施形態において、クラウド・プラットフォームは、適切な駐車通知ステータスを表示するようにデジタル・ライセンス・プレート602に命令することもする。
【0055】
いくつかの実施形態において、デジタル・ライセンス・プレート602は、車両が駐車位置に駐車されているかどうかを判定し、その特定の駐車位置における車両の位置を判定し、かつユーザ・デバイス610、駐車施設604、駐車メータ606、駐車罰金システム608、遠隔サーバもしくはクラウド・プラットフォーム、または支払い機関620のうちの少なくとも1つに駐車通知を送るべく(そのような通信が、
図6において矢印によって示される)、人間の対話なしに動作することができる。代替として、ユーザが、車両が、支払いを要求する区域に駐車されたことを手動で示すことが可能である(ユーザ・デバイス610を介して)。さらに他の実施形態において、駐車施設604または駐車メータ610が、駐車スポットにおける車両の存在を判定し、かつ支払い要求または駐車情報をデジタル・ライセンス・プレート602に直接に、または間接的に送ることができる。
【0056】
ユーザ・デバイス610は、通常、ソフトウェア・アプリケーションまたはソフトウェア・アプレットとして提供される。ユーザは、手動の支払いまたは自動的支払いを許すことができる。支払い通知および/または支払い検証が、ユーザ・デバイス610によって受信されること、および送られることが可能であり、または、代替として、レシートが、ログ記録されること、ユーザに電子メールとして、テキスト・メッセージとして、または通知として転送されること、または直接に送られることが可能である。支払いは、前もって許可されること、駐車の時点で許可されること、バイオメトリック認証を使用して許可されることが可能であり、または駐車がある金額を超える見込みである場合、許可が要求されるようにアプリケーション/アプレットが設定されることが可能である。支払いは、クレジット・カード発行者もしくはデビット・カード発行者によって提供されるようなサード・パーティ支援を使用して、支払いトークン、マイクロペイメント、またはプリ・ペイド駐車サービス・マネージャからの引き落としを通じて行われることが可能である。支払いは、選択された通貨で、または支払い機関620によって許される、もしくは要求される通貨で行われることが可能であり、自動通貨換算(例えば、ビットコインからドルに、または外国通貨から米国ドルに)を含み得る。
【0057】
支払い機関620は、通常、民間の駐車施設所有者、市、郡、もしくは地元の交通管理機関、または市、郡、もしくは地元の交通管理機関と契約関係を有する民間のエンティティと連携して管理される。支払い機関620は、ローカルで、または遠隔から接触され得る。例えば、駐車メータ606が、支払いをログ記録し、かつ支払い情報を遠隔サーバに即時に、または毎日、送るローカルBluetoothビーコンおよびインターフェースを含むことが可能である。別の例として、駐車施設604が、支払い機関620の役割をすることが可能なクラウド・ベースの支払いサービスに常に接続されたサーバを含むことが可能である。支払いは、デジタル・ライセンス・プレート602から直接に、デジタル・ライセンス・プレート602から支払い関連の情報を受信した後にユーザ・デバイス610から、クラウド・プラットフォームを介して、または駐車施設604もしくは駐車メータ606を介してデジタル・ライセンス・プレート602から支払い機関620に対して提供されることが可能である。一部の実施形態(図示せず)において、デジタル・ライセンス・プレート602は、ユーザ・デバイス610に支払い関連の情報を提供することができ、ユーザ・デバイス610は、駐車施設604または駐車メータ606と直接に接触して、支払いを支払い機関620に振り替える。
【0058】
駐車施設604は、駐車に専用の公共または民間の建造物、駐車車庫を含む建造物、屋外の駐車場、沿道の駐車地帯もしくは駐車区域を含み得るが、以上には限定されない。駐車区域は、永久の駐車地帯であることも、一時的な駐車地帯(例えば、イベント駐車、週末のみ、または平日のみ)であることも可能である。いくつかの実施形態において、アクセスは、ゲート、フェンス、壁、ロープ線、表面マーキングもしくは歩道マーキング、または指定された駐車区域の他の標識によって少なくとも部分的に拒否される。一部の実施形態において、駐車区域には、無線ビーコンまたはインターネットを利用したメッセージによってアクセス可能である規定された地理的場所として仮想で印が付けられることが可能である。
【0059】
通常、駐車施設604は、ローカルの、遠隔の、またはクラウド・ベースの支払い機関に接続される。支払いは、ゲートを通過したとき、または印が付けられた区域に入ったときに行われることが可能である。代替として、指定された駐車スペース内、または駐車区域内に駐車することが、支払いをトリガするのに使用され得る。一部の実施形態において、駐車スペースまたは駐車区域を離れることが、車両が駐車される時間に結び付けられた支払いスケジュールに基づき得る、支払いをトリガする。
【0060】
駐車施設における位置は、ローカル無線ビーコン、慣性航法システム、LIDARもしくは飛行時間レーザ・システム、カメラもしくはビデオ・システム、加速度計、ライト・レベル、機械的圧力もしくは機械的トリガを含む様々なセンサ・システム、超音波ベースのセンサ、あるいはGPS、GLONASS、Galileo、Beidou、またはその他の地域的システムを含み得るが、以上には限定されない全地球的航法衛星システム(GNSS)を参照して判定され得る。これらの様々なシステムは、デジタル・ライセンス・プレート602によって全部が、または一部がサポートされることが可能であり、プレート602は、位置情報を提供すること、もしくは受信すること、車両もしくはその他のソースからの情報を組み合わせること、または位置情報をログ記録することができる。一部の実施形態において、スマートフォンまたは他のユーザ・デバイス610が、位置精度を向上させるべくデジタル・ライセンス・プレート602からの位置情報を中継することが可能である。さらに他の実施形態において、駐車スペース番号の手動の入力、または駐車スペースに関連付けられた一意のQRコードのスマートフォンによって支援されたスキャニングが、正確な駐車スペース情報を提供するように使用され得る。例えば、ユーザ・デバイス610上の電話アプリケーションが、駐車スポット近くに表示されたQRコードをスキャンすることも可能である。この情報が、関係のある駐車機関と接触し、かつ支払いを行うクラウド・プラットフォームに中継される。クラウド・プラットフォームは、オプションとして、適切な駐車ステータスの表示を開始すべく許可およびデータをデジタル・ライセンス・プレート602に提供することができる。
【0061】
車両が駐車されているかどうかは、前述のセンサの助けを借りてデジタル・ライセンス・プレートによって検出され得る。例えば、車両は、前述した地理的場所または駐車位置センサ/システムが、位置が数分にわたって変化しないままであったことを示す場合、駐車したものと想定され得る。代替として、車両ギア位置(PARK)、エンジン・ステータス、オルタネータ/電気システム・ステータスなどの他の適切なシステムが、車両が駐車していることを判定するのに使用され得る。一部の実施形態において、ユーザは、ユーザ・デバイス610を使用して、駐車していることを手動で示すことができる。さらに他の実施形態において、デバイス610は、単独で、またはオプションで接続された駐車検出システムを有する適切なクラウド・プラットフォームまたは遠隔サーバと組合せで、駐車位置を入力するのに、または検証するのに使用され得る。
【0062】
一部の実施形態において、駐車区域は、ジオフェンシング技法を使用して定義されることが可能であり、駐車支払いを要求する区域は、仮想ジオフェンシングによって定義された駐車区域に入るいずれの車両にも知られている(事前ロードされた地図、または駐車機関によるローカル・ブロードキャストを介して)。ジオフェンシングによって定義された区域は、駐車場、駐車車庫、一時的駐車区域、選定された都市ブロック、通り、または通りの特定の沿道を含み得る。定義されたジオフェンス区域内の区域は、確保されたスペース、消火栓近くの区域、建造物の入口および出口、積み降ろし地帯、バス駐車区域およびバス・ピックアップ区域、セキュリティ上の理由もしくは安全上の理由で禁止された区域を含め、それでも、合法的な駐車から除外され得る。ジオフェンス区域は、時間帯、曜日、または車両が定義される区域にそれまでに駐車していた時間数に応じて変化し得る。
【0063】
いくつかの実施形態において、車両位置情報は、ユーザ・デバイス610、駐車施設サーバ、クラウド・プラットフォーム、あるいは支払い機関に接続され得るデータ取扱いシステムの1つまたは複数に提供される。例えば、ジオフェンシングされた駐車地帯に駐車する車両が、駐車位置を支払い機関620に提供する(デジタル・ライセンス・プレート602を介して)ことも可能であり、支払い機関620は、要求される駐車支払い額を自動的に引き落とす。他の実施形態において、初期時間の確保された、または最低限の駐車支払いが行われ得る。さらに他の実施形態において、実際の駐車時間に基づく支払いが、車両がオンにされたときに、または駐車スペース、駐車施設、もしくは駐車区域を離れる準備として移動しはじめたときに行われることが可能である。
【0064】
また、システム600は、駐車罰金または駐車ペナルティの自動的な、または手動で開始される支払いをサポートすることもできる。いくつかの実施形態において、他の交通関連のペナルティの支払いが、サポートされることも可能である。例えば、警察、メータ読取り者、または他の指定された職員が、ポータブル・デバイスまたはハンドヘルド・デバイス(図示せず)を使用してデジタル・ライセンス・プレートと接触すること、駐車罰金もしくは駐車ペナルティが支払われるべきであるかどうかを判定すること、および駐車チケット、駐車罰金、もしくは支払われるべき駐車ペナルティと関係するデジタル・ライセンス情報を送信することができる。この情報は、無線で、有線入力/出力ポートに対する接続によって、またはデジタル・ライセンス・プレートのディスプレイ上の視覚的提示によって提供されることが可能である。一部の実施形態において、ユーザは、警察、メータ読取り者、または他の指定された職員が支払い機関620の役割をして、駐車罰金または駐車ペナルティが自動的に支払われることを可能にすることができる。
【0065】
システム600の一部の実施形態において、デジタル・ライセンス・プレート602による支払いは、デジタル・ライセンス・プレート602から送られる、または中継されるステータス情報に基づくことが可能である。例えば、無制限の駐車許可証の保持者(例えば、警察、緊急隊員、または駐車場管理者もしくは駐車場従業員)が、その情報を駐車施設または駐車メータに自動的に送らせて、支払い要件を解消することが可能である。他の実施形態において、退役軍人ステータス、行政施設もしくは民間施設の従業員、教職員/学生ステータス、または障害者ステータスなどの要因を変更することと関係する情報が、送られることが可能である。さらに、または代替として、駐車許可と関係する情報は、従来の窓ステッカまたはタグの表示の代わりに、またはそれに加えて、視覚的に識別可能な「電子駐車ステッカ」もしくは「電子タグ」としてデジタル・ライセンス・プレート602上に表示されることが可能である。
【0066】
システム600の他の実施形態において、デジタル・ライセンス・プレート602は、許された駐車時間を延長する自動的支払いの継続をサポートすることができる。例えば、ユーザが、駐車メータ606に関連する駐車スペースにおいて1時間の車両駐車時間の代金を支払ったものと想定されたい。ユーザが駐車された車両に戻るのに遅れる、またはそうすることができない場合、デジタル・ライセンス・プレートが、あらかじめ指定された駐車時間(例えば、15分、30分、または1時間)の代金の再度の支払いを自動的に行うように設定され得る。他の実施形態において、ユーザは、時間の終わりが近づくにつれ、デジタル・ライセンス・プレートと通信することができ、追加の駐車時間の支払いを許可する。一部の実施形態において、ユーザ・デバイス610は、来るべき駐車料金についてユーザに自動的に警報し、かつ支払いを行う許可をデジタル・ライセンス・プレートに送る許可を要求するアプリケーションまたはアプレットをサポートすることができる。
【0067】
システム600のサポートされる別の実施形態において、デジタル・ライセンス・プレートは、駐車関連、車両関連、またはユーザ/所有者関連の情報を、ポータブル・デバイスまたはハンドヘルド・デバイス(図示せず)を使用してデジタル・ライセンス・プレートと接触する法執行官、警察、メータ読取り者、または他の指定された職員に示すことができる。この情報は、無線で、有線入力/出力ポートに対する接続によって、またはデジタル・ライセンス・プレートのディスプレイ上の視覚的提示によって提供されることが可能である。一実施形態において、テキスト情報、カラー・タグ表示もしくは記号タグ表示、QRコードもしくは他のバー・コードが表示されることが可能である。
【0068】
システム600の一実施形態において、デジタル・ライセンス・プレートは、ユーザが実際に駐車する前に、または駐車された車両を離れる前に駐車関連の情報をユーザに提示することができるユーザ・デバイスに接続され得る。このユーザ情報は、消火栓の存在、公共交通機関のために確保された駐車、ピックアップ場所、私道、道路脇制限、時間制限、および地帯制限もしくは地理的制限を含むが、以上には限定されない駐車コンプライアンスと関係する情報を含み得る。
【0069】
システム600の別の実施形態において、デジタル・ライセンス・プレートと直接に、または間接的に通信することができるユーザ・デバイスが、駐車関連の情報を受信することが可能である。この情報は、駐車された車両を移動させるべき通知、レッカー移動通知(例えば、自動車が牽引のために持ち上げられたときの独特の加速度計読取り値によってトリガされる)、または窃盗通知を含み得るが、以上には限定されない。一実施形態において、別の許可されたユーザが車両を持って行くとき、二次ユーザが、デジタル・ライセンス・プレートを介して識別され、かつ一次ユーザに通知が行われる。
【0070】
図7は、支払いのためにデジタル・ライセンス・プレートを利用するための方法の一例を示す。フローチャート700は、第1のステップ702において車両が駐車されたという判定が行われることを示す。この判定は、加速度計情報、GNSS位置情報もしくはGPS位置情報、または車両ステータス情報(例えば、車両からのPARK通知)のうちの1つまたは複数の情報の組合せに基づくことが可能である。第2のステップ704において、車両の相対位置(例えば、ビーコンを基準とする)または絶対位置(例えば、GNSS)が特定される。ステップ706において、駐車関連の施設、メータ、および罰金システムによって提供される情報の無線探索が行われる。このステップは、ステップ704より前に行われることも、ステップ704と同時に行われることも、ステップ704の後に行われることが可能である。例えば、駐車関連の施設が、車両が駐車される前であっても、施設出入り口において支払いを要求してよい。ステップ708において、支払いを行う許可が送信される。最終ステップにおいて、デジタル・ライセンス・プレートのディスプレイが、オプションとして、一時的駐車タグ、または許可された駐車の他の視覚的標識を含む、駐車関連の情報を表示することが可能である。前述したとおり、このことは、テキスト情報の表示、色タグもしくは記号タグの表示、またはQRコードもしくは他のバー・コードの表示を含むことが可能であるが、以上には限定されない。
【0071】
図8は、増分の駐車支払いのためにデジタル・ライセンス・プレートを利用するための方法の一例を示す図である。フローチャート800は、第1のステップ802において車両が駐車されたという判定が行われることを示す。この判定は、加速度計情報、GNSS位置情報もしくはGPS位置情報、または車両ステータス情報(例えば、車両からのPARK通知)のうちの1つまたは複数の情報の組合せに基づくことが可能である。第2のステップ804において、駐車関連の施設、メータ、または罰金システムによって提供される情報の無線探索が行われる。ステップ806において、初期の支払いを行う許可が送信される。ステップ808において、デジタル・ライセンス・プレートは、許された駐車時間を延長する自動的増分支払いの継続をサポートすることができる。
【0072】
本明細書全体にわたって「一実施形態」、「実施形態」、「一例」、または「例」について述べていることは、その実施形態または例に関連して説明される特定のフィーチャ、構造、または特徴が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。それゆえ、本明細書全体にわたる様々な箇所において「一実施形態において」、「実施形態において」、「一例」、または「例」という句の出現は、必ずしも、すべてが同一の実施形態または例を参照しているわけではない。さらに、特定のフィーチャ、構造、データベース、または特徴は、1つまたは複数の実施形態または例において任意の適切な組合せおよび/または部分的組合せにおいて組み合わされてよい。さらに、本明細書で提供される図は、当業者に説明することを目的とすること、および図面は、必ずしも一律の縮尺に従って描かれてはいないことを認識されたい。
【0073】
本開示による実施形態は、装置、方法、またはコンピュータ・プログラム製品として実施されてよい。したがって、本開示は、完全にハードウェアから成る実施形態の形態をとっても、完全にソフトウェアから成る実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロ・コード、その他を含む)をとっても、あるいは、すべて本明細書で「回路」、「モジュール」、または「システム」と一般に呼ばれ得るソフトウェア態様とハードウェア態様を組み合わせる実施形態の形態をとってもよい。さらに、本開示の実施形態は、媒体として実現されたコンピュータ使用可能プログラム・コードを有する表現の任意の有形の媒体として実現されたコンピュータ・プログラム製品の形態をとってよい。
【0074】
1つまたは複数のコンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ可読媒体の任意の組合せが利用されてよい。例えば、コンピュータ可読記憶媒体は、ポータブル・コンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)デバイス、読取り専用メモリ(ROM)デバイス、消去可能なプログラマブル読取り専用メモリ(EPROMもしくはフラッシュ・メモリ)デバイス、ポータブル・コンパクト・ディスク読取り専用メモリ(CDROM)、光ストレージ・デバイス、および磁気ストレージ・デバイスのうちの1つまたは複数を含んでよい。本開示の動作を実行するためのコンピュータ・プログラム・コードは、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組合せで書かれてよい。そのようなコードは、ソース・コードから、そのコードが実行されるデバイスまたはコンピュータに適切なコンピュータ可読のアセンブリ言語または機械コードにコンパイルされてよい。
【0075】
また、実施形態は、クラウド・コンピューティング環境において実施されてもよい。本説明および添付の特許請求の範囲において、「クラウド・コンピューティング」は、仮想化を介して迅速にプロビジョニングされ、かつ最小限の管理労力またはサービス・プロバイダ対話でリリースされること、およびその後、適宜、拡大縮小されることが可能である共有されるプールの構成可能なコンピューティング・リソース(例えば、ネットワーク、サーバ、ストレージ、アプリケーション、およびサービス)にユビキタスで、便利な、オンデマンドのネットワーク・アクセスを可能にするためのモデルとして定義され得る。クラウド・モデルは、様々な特徴(例えば、オンデマンド・セルフサービス、広いネットワーク・アクセス、リソース・プーリング、迅速な順応性、計測されるサービス)、サービス・モデル(例えば、Software as a Service(「SaaS」)、Platform as a Service(「PaaS」)、およびInfrastructure as a Service(「IaaS」))、および展開モデル(例えば、プライベート・クラウド、コミュニティ・クラウド、パブリック・クラウド、およびハイブリッド・クラウド)から成ることが可能である。
【0076】
添付の図面におけるフローチャートおよびブロック図は、本開示の様々な実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータ・プログラム製品の可能な実施形態のアーキテクチャ、機能、および動作を例示する。これに関して、フローチャートまたはブロック図における各ブロックは、指定される論理機能を実施するための1つまたは複数の実行可能な命令を備える、コードのモジュール、セグメント、または部分を表すことが可能である。また、ブロック図および/またはフローチャートの各ブロック、およびブロック図および/またはフローチャートにおけるブロックの組合せは、指定された機能もしくは動作を実行する専用のハードウェア・ベースのシステム、または専用のハードウェアとコンピュータ命令の組合せによって実施され得ることにも留意されたい。これらのコンピュータ・プログラム命令は、特定の様態で機能するようにコンピュータまたは他のプログラマブル・データ処理装置を導くことができるコンピュータ可読媒体に記憶されて、そのコンピュータ可読媒体に記憶された命令が、フローチャートおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックにおいて指定される機能/動作を実施する命令手段を含む製品をもたらすようにしてもよい。本発明の多くの変形形態および他の実施形態が、前段の説明、および関連する図面において提示される教示を利用する当業者には想起されよう。したがって、本発明は、開示される特定の実施形態に限定されないこと、ならびに変形形態および実施形態は、添付の特許請求の範囲に含まれるものとされることを理解されたい。また、本発明の他の実施形態が、本明細書において特に開示されない要素/ステップなしに実施されてよいことも理解されたい。