(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】インターリーブアナログデジタル変換器におけるブロッカー信号を検出するための方法
(51)【国際特許分類】
H03M 1/10 20060101AFI20240122BHJP
H03M 1/06 20060101ALI20240122BHJP
【FI】
H03M1/10 A
H03M1/06
(21)【出願番号】P 2020551494
(86)(22)【出願日】2019-03-26
(86)【国際出願番号】 US2019024073
(87)【国際公開番号】W WO2019191096
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2022-03-23
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591025439
【氏名又は名称】ザイリンクス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】XILINX INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ファーリー, ブレンダン
(72)【発明者】
【氏名】アードマン, クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】マグラス, ジョン イー.
(72)【発明者】
【氏名】ヴァズ, ブルーノ ミゲル
【審査官】及川 尚人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第08830094(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0006933(US,A1)
【文献】特開2016-213826(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0344400(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0009318(US,A1)
【文献】特開2011-223570(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0016798(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0075129(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03M 1/00-1/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターリーブアナログデジタル変換器(ADC)の複数のチャネルからの入力信号の一連のサンプルを受信するための入力と、
受信された一連のサンプル中の連続するサンプル間の時間差を計算するための第1の減算器と、
前記時間差の絶対値を作り出すように構成されたビットマニピュレータと、
前記ビットマニピュレータによって出力される前記絶対値の複数の第1の平均時間差を計算するように構成された複数の平均化回路であって、前記第1の平均時間差の各々が、前記インターリーブADCのチャネルのそれぞれのペアからの連続するサンプル間の前記時間差の平均に対応する、複数の平均化回路と、
前記第1の平均時間差の各々を、前記複数のチャネルからの連続するサンプル間の前記時間差の平均と比較することによって、チャネルの前記ペアの各々間のそれぞれの時間スキューを計算するように構成された時間スキュー検出回路要素と、
前記時間スキューの各々について、スペクトル干渉が第1のナイキストゾーン中に存在するかどうかを、前記第1の平均時間差と前記入力信号に関連する第2のナイキストゾーンとに少なくとも部分的に基づいて、決定するように構成された発散制御回路要素であって、前記第1のナイキストゾーンが前記第2のナイキストゾーンに隣接する、発散制御回路要素と
、
前記時間スキューに少なくとも部分的に基づいて、前記インターリーブADCの1つまたは複数のチャネルにタイミングオフセットを選択的に適用するための較正ループコントローラと、
を備え、
前記発散制御回路要素が、
前記第1の平均時間差の変化の極性が、前記第1の平均時間差の変化の予想される極性と異なることに基づいて、前記時間スキュー検出回路要素または前記インターリーブADCの動作を休止または中断するように構成され、
前記入力信号に関連するナイキストゾーンに少なくとも部分的に基づいて、前記第1の平均時間差の変化の予想される極性が決定される、
時間スキュー調整回路。
【請求項2】
前記発散制御回路要素は、
前記インターリーブADCのチャネルの第1のペアについて計算された前記時間スキューについて、スペクトル干渉が前記第1のナイキストゾーン中に存在するかどうかを、前記較正ループコントローラによって前記第1のペア中の前記チャネルのうちの少なくとも1つに適用された第1のタイミングオフセットに少なくとも部分的に基づいて、決定すること
を行うように構成された、請求項
1に記載の時間スキュー調整回路。
【請求項3】
前記発散制御回路要素は、
前記第1のタイミングオフセットに応答して、チャネルの前記第1のペアについての前記第1の平均時間差の変化を計算することと、
チャネルの前記第1のペアについての前記第1の平均時間差の前記変化の極性に少なくとも部分的に基づいて、チャネルの前記第1のペアについて計算された前記時間スキューについて、スペクトル干渉が前記第1のナイキストゾーン中に存在するかどうかを決定することと
を行うようにさらに構成された、請求項
2に記載の時間スキュー調整回路。
【請求項4】
前記発散制御回路要素が、
チャネルの前記第1のペアについての前記第1の平均時間差の前記変化の前記極性に少なくとも部分的に基づいて、前記入力信号に関連する前記ナイキストゾーンを決定すること
を行うようにさらに構成された、請求項
3に記載の時間スキュー調整回路。
【請求項5】
前記発散制御回路要素は、
前記第1の平均時間差の前記変化の前記極性が、変化の予想される極性と同じであるとき、さらなるアクションをとらない
ようにさらに構成された、請求項1に記載の時間スキュー調整回路。
【請求項6】
変化の前記予想される極性は、前記入力信号が奇数ナイキストゾーンに関連するとき、第1の極性に対応し、変化の前記予想される極性は、前記入力信号が偶数ナイキストゾーンに関連するとき、第2の極性に対応する、請求項1に記載の時間スキュー調整回路。
【請求項7】
変化の前記予想される極性は、前記入力信号が奇数ナイキストゾーンに関連するとき、前記第1の平均時間差の減少に対応し、変化の前記予想される極性は、前記入力信号が偶数ナイキストゾーンに関連するとき、前記第1の平均時間差の増加に対応する、請求項1に記載の時間スキュー調整回路。
【請求項8】
前記発散制御回路要素は、
前記第1の平均時間差の前記変化の前記極性が、変化の前記予想される極性と同じでないとき、前記インターリーブADCの1つまたは複数の構成要素を休止すること
を行うようにさらに構成された、請求項1に記載の時間スキュー調整回路。
【請求項9】
前記発散制御回路要素は、
前記第1の平均時間差の前記変化の前記極性が、変化の前記予想される極性と同じでないとき、前記較正ループコントローラが、前記インターリーブADCの1つまたは複数のチャネルに前記タイミングオフセットを適用するのを防止すること
を行うようにさらに構成された、請求項
1に記載の時間スキュー調整回路。
【請求項10】
インターリーブアナログデジタル変換器(ADC)の複数のチャネルからの入力信号の一連のサンプルを受信することと、
受信された一連のサンプル中の連続するサンプル間の時間間隔を計算することと、
前記時間間隔の絶対値を作り出すことと、
前記絶対値の複数の第1の平均時間間隔を計算することであって、前記第1の平均時間間隔の各々が、前記インターリーブADCのチャネルのそれぞれのペアからの連続するサンプル間の前記時間間隔の平均に対応する、複数の第1の平均時間間隔を計算することと、
前記第1の平均時間間隔の各々を、前記複数のチャネルからの連続するサンプル間の前記時間間隔の平均と比較することによって、チャネルの前記ペアの各々間のそれぞれの時間スキューを計算することと、
前記時間スキューの各々について、スペクトル干渉が、前記入力信号に関連するナイキストゾーンに隣接するナイキストゾーン中に存在するか否かを、前記第1の平均時間間隔と前記入力信号に関連する前記ナイキストゾーンとに少なくとも部分的に基づいて、検出することと、
前記第1の平均時間間隔の変化の極性が、前記第1の平均時間間隔の変化の予想される極性と異なることに基づいて、時間スキュー検出回路要素または前記インターリーブADCの動作を休止または中断することであって、前記入力信号に関連するナイキストゾーンに少なくとも部分的に基づいて、前記第1の平均時間間隔の変化の予想される極性が決定される、時間スキュー検出回路要素または前記インターリーブADCの動作を休止または中断することと、
前記時間スキューに少なくとも部分的に基づいて、前記インターリーブADCの1つまたは複数のチャネルにタイミングオフセットを選択的に適用することと、
を含む、方法。
【請求項11】
前記検出することは、
前記インターリーブADCのチャネルの第1のペアについて計算された前記時間スキューについて、スペクトル干渉が存在するか否かを、前記第1のペア中の前記チャネルのうちの少なくとも1つに適用された第1のタイミングオフセットに少なくとも部分的に基づいて、検出すること
を含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
前記検出することが、
前記第1のタイミングオフセットに応答して、チャネルの前記第1のペアについての前記第1の平均時間間隔の変化を計算することと、
チャネルの前記第1のペアについての前記第1の平均時間間隔の前記変化の極性に少なくとも部分的に基づいて、チャネルの前記第1のペアについて計算された前記時間スキューについて、スペクトル干渉が存在するか否かを検出することと
をさらに含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
チャネルの前記第1のペアについての前記第1の平均時間間隔の前記変化の前記極性に少なくとも部分的に基づいて、前記入力信号に関連する前記ナイキストゾーンを決定すること
をさらに含む、請求項
12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の態様は、一般に集積回路に関し、詳細には、集積回路技術において使用されるインターリーブ(interleaved)アナログデジタル変換器(ADC)に関する。
【背景技術】
【0002】
アナログデジタル変換器(ADC)を使用する現代の適用例は、帯域幅の量の増加を必要とする。電力消費の明らかな増加なしに、帯域幅の増加を達成するための1つのやり方は、インターリーブADC(すなわち、入力信号を同時にサンプリングし、組み合わせられた出力信号を作り出すために使用される、定義されたクロッキング関係を有する2つまたはそれ以上のADC)を利用することである。インターリーブADCのセットの出力信号は、個々のADCのサンプル帯域幅のある倍数であるサンプリング帯域幅を生じる。したがって、実効サンプリングレートは、実装されるADCの数に等しいファクタで増加され得る。たとえば、fsのサンプルレートを各々が有する2つのADCを使用することは、2*fsのサンプリング帯域幅を生じることになる。
【0003】
異なるインターリーブチャネルの不整合により、インターリービングによって取得される利益のうちのいくつかが望ましくなく無効になることがある。たとえば、時間スキュー不整合は、帯域幅の増加が望まれるときの顕著な制限ファクタであり得る。時間スキュー不整合は、インターリーブチャネルのサンプリング間隔が等しくないときに発生する。2チャネルインターリーブADCの場合について考える。チャネル1が入力信号を最初にサンプリングするときと、チャネル2が入力信号を最初にサンプリングするときとの間の間隔は、チャネル2が入力信号を最初にサンプリングするときと、チャネル1が入力信号を2回目にサンプリングするときとの間の間隔に等しくなるべきである。これらの間隔が等しくない場合、時間スキュー不整合がチャネルのうちの少なくとも1つに関して存在する。2つの間隔間の差は、時間スキュー誤差の量に比例する。
【0004】
従来の時間スキュー抽出技法は、乗算器と加算器との組合せを使用する。この手法は、特に多数のインターリーブチャネルに対処するとき、必要とされるデジタルリソースの量、ならびにインターリーブADCの電力消費を増加させる。従来の時間スキュー抽出技法はまた、いくつかの周波数において機能するためにノッチフィルタの使用を必要とする。
【発明の概要】
【0005】
本発明の概要は、発明を実施するための形態において以下でさらに説明される概念の選択を簡略化された形で紹介するために提供される。本発明の概要は、請求される主題の主要な特徴または不可欠な特徴を識別するものではなく、請求される主題の範囲を限定するものでもない。
【0006】
本開示の態様は、インターリーブアナログデジタル変換器(ADC)およびそれらの動作の方法を対象とする。例示的な時間スキュー調整回路が、インターリーブADCの複数のチャネルからの入力信号の一連のサンプルを受信するための入力を含む。第1の減算器が、受信された一連のサンプル中の連続するサンプル間の距離を計算し、複数の平均化回路が、複数の第1の平均距離を計算し、各々が、インターリーブADCのチャネルのそれぞれのペアからの連続するサンプル間の距離の平均に対応する。時間スキュー検出回路要素が、第1の平均距離の各々を、複数のチャネルからの連続するサンプル間の距離の平均と比較することによって、チャネルのペアの各々間のそれぞれの時間スキューを計算する。発散制御回路要素が、第1の平均距離と入力信号に関連するナイキストゾーンとに少なくとも部分的に基づいて、時間スキューの精度を決定する。
【0007】
いくつかの実施形態では、時間スキュー調整回路は、時間スキューに少なくとも部分的に基づいて、インターリーブADCの1つまたは複数のチャネルにタイミングオフセットを選択的に適用するための較正ループコントローラをさらに含み得る。いくつかの態様では、発散制御回路要素は、インターリーブADCのチャネルの第1のペアについて計算された時間スキューの精度を、較正ループコントローラによって第1のペア中のチャネルのうちの少なくとも1つに適用された第1のタイミングオフセットに少なくとも部分的に基づいて、決定するように構成され得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、発散制御回路要素は、第1のタイミングオフセットに応答して、チャネルの第1のペアについての第1の平均距離の変化を計算するように構成され得る。発散制御回路要素は、次いで、チャネルの第1のペアについての第1の平均距離の変化の極性に少なくとも部分的に基づいて、チャネルの第1のペアについて計算された時間スキューの精度を決定し得る。いくつかの他の実施形態では、発散制御回路要素は、チャネルの第1のペアについての第1の平均距離の変化の極性に少なくとも部分的に基づいて、入力信号に関連するナイキストゾーンを決定し得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、発散制御回路要素は、入力信号に関連するナイキストゾーンに少なくとも部分的に基づいて、第1のタイミングオフセットに応答して、第1の平均距離の変化の予想される極性を決定するように構成され得る。発散制御回路要素は、次いで、第1の平均距離の変化の極性を、変化の予想される極性と比較し得る。いくつかの実施形態では、発散制御回路要素は、第1の平均距離の変化の極性が、変化の予想される極性と同じでないとき、インターリーブADCの動作を中断し得る。いくつかの他の実施形態では、発散制御回路要素は、第1の平均距離の変化の極性が、変化の予想される極性と同じでないとき、較正ループコントローラが、インターリーブADCの1つまたは複数のチャネルにタイミングオフセットを適用するのを防止し得る。
【0010】
いくつかの態様では、変化の予想される極性は、入力信号が奇数ナイキストゾーンに関連するとき、第1の極性に対応し得、入力信号が偶数ナイキストゾーンに関連するとき、第2の極性に対応し得る。いくつかの他の態様では、変化の予想される極性は、入力信号が奇数ナイキストゾーンに関連するとき、第1の平均距離の減少に対応し得、入力信号が偶数ナイキストゾーンに関連するとき、第1の平均距離の増加に対応し得る。
【0011】
本明細書で開示される例示的な方法が、インターリーブADCのための時間スキュー調整回路を動作させるために使用され得る。本方法は、インターリーブADCの複数のチャネルからの入力信号の一連のサンプルを受信することと、受信された一連のサンプル中の連続するサンプル間の距離を計算することと、複数の第1の平均距離を計算することであって、第1の平均距離の各々が、インターリーブADCのチャネルのそれぞれのペアからの連続するサンプル間の距離の平均に対応する、複数の第1の平均距離を計算することと、第1の平均距離の各々を、複数のチャネルからの連続するサンプル間の距離の平均と比較することによって、チャネルのペアの各々間のそれぞれの時間スキューを計算することと、第1の平均距離と入力信号に関連するナイキストゾーンとに少なくとも部分的に基づいて、時間スキューの精度を決定することとを含み得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、本方法は、時間スキューに少なくとも部分的に基づいて、インターリーブADCの1つまたは複数のチャネルにタイミングオフセットを選択的に適用することをさらに含み得る。いくつかの態様では、時間スキューの精度を決定するステップは、インターリーブADCのチャネルの第1のペアについて計算された時間スキューの精度を、第1のペア中のチャネルのうちの少なくとも1つに適用された第1のタイミングオフセットに少なくとも部分的に基づいて、決定するステップを含み得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、時間スキューの精度を決定するステップは、第1のタイミングオフセットに応答して、チャネルの第1のペアについての第1の平均距離の変化を計算するステップと、チャネルの第1のペアについての第1の平均距離の変化の極性に少なくとも部分的に基づいて、チャネルの第1のペアについて計算された時間スキューの精度を決定するステップとを含み得る。いくつかの他の実施形態では、本方法は、チャネルの第1のペアについての第1の平均距離の変化の極性に少なくとも部分的に基づいて、入力信号に関連するナイキストゾーンを決定することをさらに含み得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、時間スキューの精度を決定するステップは、入力信号に関連するナイキストゾーンに少なくとも部分的に基づいて、第1のタイミングオフセットに応答して、第1の平均距離の変化の予想される極性を決定するステップと、第1の平均距離の変化の極性を、変化の予想される極性と比較するステップとを含み得る。いくつかの実施形態では、本方法は、第1の平均距離の変化の極性が、変化の予想される極性と同じでないとき、インターリーブADCの動作を中断することをさらに含み得る。いくつかの他の実施形態では、本方法は、第1の平均距離の変化の極性が、変化の予想される極性と同じでないとき、較正ループコントローラが、インターリーブADCの1つまたは複数のチャネルにタイミングオフセットを適用するのを防止することをさらに含み得る。
【0015】
いくつかの態様では、変化の予想される極性は、入力信号に関連するナイキストゾーンが奇数ナイキストゾーンであるとき、第1の極性に対応し得、入力信号が偶数ナイキストゾーンに関連するとき、第2の極性に対応し得る。いくつかの他の態様では、変化の予想される極性は、入力信号が奇数ナイキストゾーンに関連するとき、第1の平均距離の減少に対応し、入力信号が偶数ナイキストゾーンに関連するとき、第1の平均距離の増加に対応し得る。
【0016】
例示的な実施形態は、例として示され、添付の図面の図によって限定されるものではない。同様の番号は、図面および明細書全体にわたって同様の要素を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】インターリーブアナログデジタル変換器(ADC)による入力信号の例示的なサンプリングを図示するグラフである。
【
図2】いくつかの実施形態による、時間スキュー調整回路要素をもつインターリーブADCの例示的なブロック図である。
【
図3】いくつかの実施形態による、時間スキュー抽出器回路の例示的なブロック図である。
【
図4】インターリーブADCによってサンプリングされた入力信号の例示的なエイリアシングを図示するグラフである。
【
図5A】奇数ナイキストゾーンにおける入力信号の例示的なサンプリングを図示するグラフである。
【
図5B】偶数ナイキストゾーンにおける入力信号の例示的なサンプリングを図示するグラフである。
【
図6】奇数および偶数ナイキストゾーンに関連する時間スキュー調整に応答する、インターリーブADCのチャネルのペアからの連続するサンプル間の平均距離の予想される変化を図示するグラフである。
【
図7A】隣接するナイキストゾーンにおいて高電力ブロッカーを伴う、第1のナイキストゾーンにおける入力信号の例示的なエイリアシングを図示するグラフである。
【
図7B】時間スキュー調整の結果としての
図7Aに示されている入力信号の例示的なサンプリングを図示するグラフである。
【
図8】いくつかの実施形態による、発散制御回路要素をもつ時間スキュー抽出器回路の例示的なブロック図である。
【
図9】いくつかの実施形態による、発散制御回路の例示的なブロック図である。
【
図10】いくつかの実施形態による、インターリーブADCにおいて時間スキュー発散を検出するための例示的な動作を図示する例示のフローチャートである。
【
図11】いくつかの実施形態による、インターリーブADCにおいて時間スキューについて調整するときに時間スキュー発散を制御するための例示的な動作を図示する例示のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の説明では、本開示の完全な理解を提供するために、具体的な構成要素、回路、およびプロセスの例など、多数の具体的な詳細が記載される。本明細書で使用される「結合される」という用語は、1つまたは複数の介在構成要素または回路に直接結合されるか、あるいはそれらを通して結合されることを意味する。また、以下の説明では、および説明の目的で、例示的な実施形態の完全な理解を提供するために、具体的な名称および/または詳細が記載される。しかしながら、これらの具体的な詳細が、例示的な実施形態を実施するために必要とされ得ないことは、当業者には明らかであろう。他の事例では、よく知られている回路およびデバイスは、本開示を不明瞭にすることを回避するために、ブロック図の形態で示されている。本明細書で説明される様々なバスを介して提供される信号のいずれも、他の信号と時間多重化され、1つまたは複数の共通バスを介して提供され得る。さらに、回路素子またはソフトウェアブロック間の相互接続は、バスとしてまたは単一の信号線として示され得る。バスの各々は、代替的に単一の信号線であり得、単一の信号線の各々は、代替的にバスであり得、単一の線またはバスは、構成要素間の通信のための無数の物理的または論理的機構のうちの任意の1つまたは複数を表し得る。例示的な実施形態は、本明細書で説明される具体的な例に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、それらの範囲内に、添付の特許請求の範囲によって規定されるすべての実施形態を含むためのものである。
【0019】
上記で説明されたように、インターリーブADCの性能は、別個のクロック上で動作する、ADCのインターリーブチャネル間の時間スキュー不整合によって制限され得る。従来の時間スキュー抽出ソリューションは、加算器と乗算器との組合せを利用し、これは、集積回路の電力消費を望ましくなく増加させる。いくつかの実施形態では、時間スキュー抽出は、(たとえば、乗算器および加算器の代わりに)減算器回路要素を使用することによって電力を節約しながら遂行され得る。より詳細には、本開示の態様は、時間スキュー抽出について、一般に著しいリソースを消費する、乗算器の使用をなくし得る。たとえば、奇数および偶数信号導関数のインターリーブ絶対値が、比較され、経時的に信号サンプルの平均距離を抽出するために使用され得る。この平均距離は、時間スキューに比例し得、したがって、インターリーブADCを較正して時間スキュー不整合を補正するために使用され得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、インターリーブADCのタイミングを調整して時間スキュー不整合を補正するために、較正ループコントローラが使用され得る。たとえば、較正ループコントローラは、入力信号の連続するサンプル間の平均距離を「等化」する試みにおいて、インターリーブADCの個々のチャネルによってサンプルがとられるタイミングを調整し(たとえば、遅延させ)得る。サンプリングされたデータが、時間スキュー調整のためのフィードバックを提供するので、較正ループコントローラが時間スキュー不整合を補正することが可能である精度は、受信された入力信号の品質に依存し得る。より詳細には、通信チャネルにおける雑音および/または干渉が、インターリーブADCの隣接するチャネル間の時間スキューの量を正確に測定する時間スキュー抽出回路要素の能力を妨害し得る。理想的には、チャネルの各ペアからの連続するサンプル間の平均距離は、チャネルのペアのすべてにわたってとられる平均距離に収束するべきである。しかしながら、通信チャネルにおける著しい雑音および/または干渉は、平均距離を発散させ得、これは、入力信号の後続のサンプルを使用不可能にし得る。
【0021】
本開示の態様は、時間スキュー調整動作における、動作を発散させ得る状態を検出することによって、インターリーブADCの性能を改善し得る。いくつかの実施形態では、時間スキュー調整回路が、インターリーブADCのチャネルの各ペア間のそれぞれの時間スキューを計算するための時間スキュー検出回路要素と、入力信号に関連するナイキストゾーンに少なくとも部分的に基づいて、時間スキューの精度を決定するための発散制御回路要素とを含み得る。たとえば、時間スキュー検出回路要素は、チャネルの各ペアからの連続するサンプル間の平均距離に少なくとも部分的に基づいて、それぞれの時間スキューを計算し得る。時間スキュー調整(または補正)を適用することは、チャネルの特定のペアについての連続するサンプル間の平均距離を変化させ得る。より詳細には、本開示の態様は、(たとえば、時間スキュー調整に応答する)平均距離の変化の極性が、入力信号が位置することを予想されるターゲットナイキストゾーンに依存し得ることを認識する。たとえば、インターリーブADCが奇数ナイキストゾーンからの入力信号をサンプリングするとき、時間スキュー調整は、インターリーブADCが偶数ナイキストゾーンからの入力信号をサンプリングする場合に引き起こされるであろう変化と極性において反対である、連続するサンプル間の平均距離の変化を引き起こし得る。したがって、発散制御回路要素は、入力信号に関連するナイキストゾーンに基づいて、時間スキュー調整動作が発散する可能性があるかどうかを予測し得る。
【0022】
図1は、インターリーブアナログデジタル変換器(ADC)による入力信号の例示的なサンプリングを図示するグラフ100を示す。
図1の例では、インターリーブADCは、異なる時間において入力信号をサンプリングするように構成されたいくつか(n個)のサンプルチャネルを含む。より詳細には、各サンプルチャネルは、インターリーブADCのそれぞれの「スライス」を備え得る。以下でより詳細に説明されるように、各ADCスライスは、f
s/nに等しいサンプリング周波数を有する独立したアナログデジタル変換器として動作し得る(ここで、f
sは、インターリーブADCの全体的サンプリング周波数である)。
【0023】
図1に示されているように、インターリーブADCの第1のサンプルチャネル(たとえば、サンプルチャネル1)が、第1の時間インスタンスt
1において、入力信号のその第1のサンプルV(t
1)をキャプチャする。たとえば、第1の時間インスタンスt
1は、第1のクロック信号の第1の遷移と一致し得る。その後、インターリーブADCの第2のサンプルチャネル(たとえば、サンプルチャネル2)が、第2の時間インスタンスt
2において、入力信号のその第1のサンプルV(t
2)をキャプチャする。たとえば、第2の時間インスタンスt
2は、第2のクロック信号の第1の遷移と一致し得る。V(t
2)は、サンプルチャネル2によってとられる第1のサンプルであり得るが、V(t
2)はまた、入力信号の(たとえば、V(t
1)の後の)第2の連続するサンプルを表すことに留意されたい。残りのサンプルチャネルは、第nのサンプルチャネル(たとえば、サンプルチャネルn)が、第nの時間インスタンスt
nにおいて、入力信号のその第1のサンプルV(t
n)をキャプチャするまで、順に、入力信号をサンプリングし続ける。サンプルチャネルnがその第1のサンプルをとった後に、第1のサンプルチャネルは、その後、第(n+1)の時間インスタンスt
1+kにおいて、入力信号のその第2のサンプルV(t
1+k)をキャプチャし得る(ここで、kは、インターリーブADCのサンプリング期間を表す)。たとえば、第(n+1)の時間インスタンスt
1+kは、第1のクロック信号の第2の遷移と一致し得る。
【0024】
理想的には、連続するサンプルチャネルの各ペアのサンプル間の「距離」(たとえば、時間差)が等しくなるべきである。たとえば、第1のサンプルチャネルの第1のサンプルと、第2のチャネルの第1のサンプルとの間の距離(ΔV
t1-t2)は、第2のチャネルの第1のサンプルと、第3のサンプルチャネルの第1のサンプルとの間の距離(ΔV
t2-t3)に等しくなるべきである(たとえば、ΔV
t1-t2=ΔV
t2-t3)。しかしながら、
図1の例では、サンプルチャネル1および2からの連続するサンプル間の距離は、サンプルチャネル2および3からの連続するサンプル間の距離よりも著しく大きい(たとえば、ΔV
t1-t2>ΔV
t2-t3)。本開示の態様は、これらの2つの距離間の差が、第2のサンプルチャネルにおける時間スキュー誤差(Δt)に比例することを認識する。たとえば、第2のサンプルチャネルによってとられる第1のサンプルは、Δt
2だけ遅くなり得、第3のサンプルチャネルによってとられる第1のサンプルは、Δt
3だけ遅くなり得、第(n-1)のサンプルチャネルによってとられる第1のサンプルは、Δt
n-1だけ早くなり得、第nのサンプルチャネルによってとられる第1のサンプルは、Δt
nだけ早くなり得る。
【0025】
図2は、いくつかの実施形態による、時間スキュー調整回路要素をもつインターリーブADC200の例示的なブロック図を示す。インターリーブADC200は、サンプリングステージ210と、オフセット/利得較正回路220と、時間スキュー調整回路230とを含む。サンプルステージ210は、複数のサンプルチャネルCH1~CH4を含む。
図2の例では、サンプリングステージ210は、4つのサンプルチャネルCH1~CH4のみを含むように示されている。しかしながら、実際の実装では、サンプリングステージ210は、
図2に図示されているものよりも少ないまたは多いチャネルを含み得る。インターリーブADC200は、入力信号201を受信し、サンプリング周波数f
sにおいて入力信号201をサンプリングして、入力信号を表すデジタル出力202を作り出すように構成され得る。
【0026】
サンプリングステージ210は、クロック信号(CLK)に少なくとも部分的に基づいて、入力信号201をサンプリングするように構成され得る。たとえば、サンプルステージ210は、それぞれのサンプリングスイッチ2121~2124を介して入力信号201を受信するように結合された複数のADCスライス2141~2144を含み得る。より詳細には、ADCスライス2141~2144(および対応するスイッチ2121~2124)の各々は、サンプリングステージ210のそれぞれのチャネルCH1~CH4を備え得る。したがって、第1のスライス2141によってキャプチャされるデジタルサンプル2031が、サンプリングステージ210の第1のチャネルCH1において実施されるサンプリングに対応し、第2のスライス2142によってキャプチャされるデジタルサンプル2032が、サンプリングステージ210の第2のチャネルCH2において実施されるサンプリングに対応し、第3のスライス2143によってキャプチャされるデジタルサンプル2033が、サンプリングステージ210の第3のチャネルCH3において実施されるサンプリングに対応し、第4のスライス2144によってキャプチャされるデジタルサンプル2034が、サンプリングステージ210の第4のチャネルCH4において実施されるサンプリングに対応する。
【0027】
ADCスライス214
1~214
4の各々は、サンプリング周波数f
s/4において入力信号201をサンプリングして、複数のデジタルサンプル203
1~203
4を作り出す。デジタルサンプル203
1~203
4は、次いで、オフセット/利得較正回路220を介してフィルタ処理されて、デジタル出力202を作り出す。サンプリングスイッチ212
1~212
4は入力信号201を、それぞれ、ADCスライス214
1~214
4に、各ADCスライスが入力信号201のそれぞれのサンプルをキャプチャすべき時間であるときに結合するように構成される。いくつかの実施形態では、サンプリングスイッチ212
1~212
4を開くことおよび/または閉じることは、クロック信号CLKによって制御され得る。理想的には、サンプリングスイッチ212
1~212
4のタイミングは、ADCスライス214
1~214
4の各々が同じ遅延量および/またはタイミングオフセットを伴って入力信号201を受信するように整合され得る。たとえば、第1のスライス214
1が入力信号201を受信すると、第2のスライス214
2は、ある時間量(Δt)が過ぎた後に入力信号201を受信するべきである。同様に、第2のスライス214
2が入力信号201を受信すると、第3のスライス214
3は、同じ時間量Δtが過ぎた後に入力信号201を受信するべきである。しかしながら、実際の実装では、(たとえば、プロセス変動により)異なるスイッチ212
1~212
4を介した入力信号201のルーティング間に不整合があり得る。これは、
図1に示されているような時間スキュー不整合を生じ得る。
【0028】
時間スキュー調整回路230は、出力信号202に少なくとも部分的に基づいて、サンプリングステージ210のチャネルCH1~CH4間の時間スキュー不整合を検出し得る。いくつかの実施形態では、時間スキュー調整回路230は、サンプリングスイッチ212
1~212
4のタイミングを調整することによって、様々なチャネルCH1~CH4間の時間スキュー不整合をさらに補正し得る。たとえば、時間スキュー調整回路230は、プログラマブル遅延ステージ240を介して、(たとえば、サンプリングスイッチ212
1~212
4のタイミングを制御する)クロック信号CLKを選択的に遅延させることによって、サンプリングスイッチ212
1~212
4のタイミングを調整し得る。いくつかの態様では、タイミング調整は、時間スキュー調整(TS_ADJ)信号205として、時間スキュー調整回路230によって出力され得る。たとえば
図1を参照すると、時間スキュー調整回路230は、第1のサンプリングスイッチ212
1に適用されるクロック信号と、第2のサンプリングスイッチ212
2に適用されるクロック信号との間の遅延量を減少させることによって、第1のサンプルのタイミングと第2のサンプルのタイミングとの間の時間スキューの量(たとえば、ΔV
t1-t2)を減少させ得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、時間スキュー調整回路230は、サンプリングステージ210においてチャネルのペア間の時間スキューの量を抽出するために、(たとえば、乗算器および加算器の代わりに)減算器回路要素を使用し得る。しかしながら、通信チャネルにおける雑音および/または干渉が、インターリーブADCの隣接するチャネル間の時間スキューの量を正確に測定する時間スキュー調整回路230の能力を妨害し得る。以下でより詳細に説明されるように、時間スキュー調整回路230は、奇数および偶数信号導関数のインターリーブ絶対値を比較して、経時的に(たとえば、時間スキューの量に比例し得る)入力信号201の連続するサンプル間の平均距離を抽出し得る。理想的には、チャネルの各ペアからの連続するサンプル間の平均距離は、チャネルのペアのすべてにわたって実質的に同じである平均距離に収束するべきである。しかしながら、(ブロッカーおよび/またはスペクトルアーティファクトの存在などの)通信チャネルにおける雑音および/または干渉は、経時的に平均距離を発散させ得、これは、(たとえば、サンプリングステージ210による)入力信号201の後続のサンプルをますます使用不可能にし得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、時間スキュー調整回路230は、(たとえば、時間スキュー調整回路230によって適用されたタイミング調整に応答して)入力信号201の連続するサンプル間の平均距離を発散させ得る1つまたは複数の状態を検出するための発散制御回路要素232を含み得る。より詳細には、いくつかの態様では、時間スキュー調整回路230は、入力信号に関連するナイキストゾーンに基づいて、時間スキュー調整動作が発散する可能性があるかどうかを予測し得る。いくつかの他の態様では、時間スキュー調整回路230は、入力信号201の連続するサンプル間の平均距離の変化の極性を監視することによって、入力信号に関連するナイキストゾーンを決定し得る。
【0031】
図3は、いくつかの実施形態による、時間スキュー抽出器回路300の例示的なブロック図を示す。時間スキュー抽出器回路300は、
図2の時間スキュー調整回路230の少なくとも一部分の例示的な実施形態であり得る。
図3の例では、時間スキュー抽出器回路300は、(たとえば、
図2のインターリーブADC200などの)4チャネルインターリーブADCについて時間スキュー値を抽出するように構成され得る。しかしながら、実際の実装では、時間スキュー抽出器回路300は、任意の数(n個)のチャネルを有するインターリーブADCについて時間スキュー値を抽出するように構成され得る。
【0032】
時間スキュー抽出器回路300は、第1の減算器302と、(以下で「第2の減算器304」と総称される)複数の第2の減算器304
1~304
4と、フリップフロップ303と、ビットマニピュレータ310と、デマルチプレクサ320と、(以下で「平均化回路330」と総称される)複数の平均化回路330
0~330
4とを含む。
図3の例では、簡単のために、4つの第2の減算器304および5つの平均化回路330のみが示されている。しかしながら、実際の実装では、時間スキュー抽出器回路300は、(たとえば、nチャネルインターリーブADCについて時間スキュー測定を抽出するために)任意の数の第2の減算器304および/または平均化回路330を含み得る。
【0033】
第1の減算器302とフリップフロップ303とは、(インターリーブADC200の出力202などの)インターリーブADCによってキャプチャされた一連のオフセット/利得較正されたデジタルサンプルV(t)を受信するように結合され得る。したがって、サンプルV(t)は、離散時間tにおける(インターリーブADC200によって受信された入力信号201などの)入力信号のデジタル表現に対応し得る。いくつかの実施形態では、時間スキュー抽出器回路300は、デジタルサンプルV(t)が収集される時間t間の差を、V(t)の値に少なくとも部分的に基づいて、決定し得る。より詳細には、時間スキュー抽出器回路300は、インターリーブADCの隣接するチャネル(たとえば、チャネル「ペア」)によってキャプチャされた連続するサンプルV(t)間の距離を検出するように構成され得る。
【0034】
フリップフロップ303は、各サンプルV(t)の導関数V(t+1)(たとえば、現在のサンプルとして、次のまたは後続のクロックサイクル上で受信および/または測定されるサンプル)を出力し得、導関数V(t+1)を第1の減算器302にフォワーディングし得る。第1の減算器302は、信号微分を実施して、サンプルの各連続するペア間の距離ΔV(たとえば、ΔV=V(t)-V(t+1))を取得し得る。距離ΔVは、(たとえば、距離が正の値を有するのか負の値を有するのかを表すビットをフリップすることによって)ΔVのビットを操作して距離の絶対値|ΔV|を作り出すように構成された、ビットマニピュレータ310にフォワーディングされ得る。絶対値|ΔV|は、デマルチプレクサ320および第1の平均化回路3300にフォワーディングされる。
【0035】
第1の平均化回路3300は、ビットマニピュレータ310によって出力された距離|ΔV|のすべての平均μ(ΔV)を計算し得る。より詳細には、第1の平均化回路3300によって出力される平均μ(ΔV)は、インターリーブADCのチャネル(たとえば、CH1~CH4)のすべてにわたってとられる連続するサンプル間の距離の平均を表し得る。この平均μ(ΔV)は、第2の減算器304の各々への入力として提供され得る。
【0036】
デマルチプレクサ320は、距離|ΔV|を、それらのそれぞれのチャネルペアリングに従って、分離し得る。たとえば、デマルチプレクサ320の第1の出力|ΔVt1-t2|が、インターリーブADCの隣接するチャネルの第1のペア(たとえば、CH1およびCH2)によってキャプチャされた連続するサンプル間の距離に対応し得、デマルチプレクサ320の第2の出力|ΔVt2-t3|が、インターリーブADCのチャネルの第2のペア(たとえば、CH2およびCH3)によってキャプチャされた連続するサンプル間の距離に対応し得、デマルチプレクサ320の第3の出力|ΔVt3-t4|が、インターリーブADCのチャネルの第3のペア(たとえば、CH3およびCH4)によってキャプチャされた連続するサンプル間の距離に対応し得、デマルチプレクサ320の第4の出力|ΔVt4-t1|が、インターリーブADCのチャネルの第4のペア(たとえば、CH4およびCH1)によってキャプチャされた連続するサンプル間の距離に対応し得る。デマルチプレクサ320の出力|ΔVt1-t2|、|ΔVt2-t3|、|ΔVt3-t4|、および|ΔVt4-t1|は、それぞれ、平均化回路3301~3304への入力として提供され得る。
【0037】
平均化回路3301~3304の各々は、チャネルの対応するペアからの連続するサンプル間の平均距離を計算し得る。たとえば、第2の平均化回路3301が、チャネルの第1のペア(CH1およびCH2)によってキャプチャされた連続するサンプル間の平均距離μ(ΔVt1-t2)を計算し得、第3の平均化回路3302が、チャネルの第2のペア(CH2およびCH3)によってキャプチャされた連続するサンプル間の平均距離μ(ΔVt2-t3)を計算し得、第4の平均化回路3303が、チャネルの第3のペア(CH3およびCH4)によってキャプチャされた連続するサンプル間の平均距離μ(ΔVt3-t4)を計算し得、第5の平均化回路3304が、チャネルの第4のペア(CH4およびCH1)によってキャプチャされた連続するサンプル間の平均距離μ(ΔVt4-t1)を計算し得る。平均化回路3301~3304の出力μ(ΔVt1-t2)、μ(ΔVt2-t3)、μ(ΔVt3-t4)、およびμ(ΔVt4-t1)は、第2の減算器304の各々への2次入力として提供され得る。
【0038】
第2の減算器304の各々は、インターリーブADCのチャネル(たとえば、CH1~CH4)のすべてにわたって測定された、連続するサンプル間の距離の平均μ(ΔV)と、チャネルの対応するペア(たとえば、CH1-CH2、CH2-CH3、CH3-CH4、またはCH4-CH1)からの連続するサンプル間の平均距離との間の差を計算し得る。第2の減算器304の各々によって算出される差は、対応するペアチャネル間の平均時間スキューα(Δt)に比例する。たとえば、第1の第2の減算器3041が、μ(ΔV)とμ(ΔVt1-t2)との間の差を計算して、チャネルの第1のペア(CH1およびCH2)間の平均時間スキューα(-Δt1+Δt2)を決定し得、第2の第2の減算器3042が、μ(ΔV)とμ(ΔVt2-t3)との間の差を計算して、チャネルの第2のペア(CH2およびCH3)間の平均時間スキューα(-Δt2+Δt3)を決定し得、第3の第2の減算器3043が、μ(ΔV)とμ(ΔVt3-t4)との間の差を計算して、チャネルの第3のペア(CH3およびCH4)間の平均時間スキューα(-Δt3+Δt4)を決定し得、第4の第2の減算器3044が、μ(ΔV)とμ(ΔVt4-t1と)の間の差を計算して、チャネルの第4のペア(CH4およびCH1)間の平均時間スキューα(-Δt4+Δt1)を決定し得る。
【0039】
計算された時間スキュー値α(-Δt
1+Δt
2)、α(-Δt
2+Δt
3)、α(-Δt
3+Δt
4)、およびα(-Δt
4+Δt
1)は、(たとえば、
図2に関して上記で説明された)インターリーブADCのサンプリングステージにおいて時間スキュー補正を実施するように構成され得る、較正ループコントローラ(簡単のために図示せず)への入力として提供され得る。理想的には、チャネルの各ペアからの連続するサンプル間の平均距離μ(ΔV
t1-t2)、μ(ΔV
t2-t3)、μ(ΔV
t3-t4)、およびμ(ΔV
t4-t1)は、時間スキュー補正の後続の反復に続いて、チャネルのペアのすべてにわたる平均距離μ(ΔV)に収束するべきである。しかしながら、通信チャネルにおける雑音および/または干渉は、較正ループコントローラによって実装される時間スキュー調整の結果として、平均距離μ(ΔV
t1-t2)、μ(ΔV
t2-t3)、μ(ΔV
t3-t4)、およびμ(ΔV
t4-t1)を発散させ得る。これは、時間スキューα(-Δt
1+Δt
2)、α(-Δt
2+Δt
3)、α(-Δt
3+Δt
4)、およびα(-Δt
4+Δt
1)の精度に影響を及ぼし、したがって、時間スキュー不整合を補正する較正ループコントローラの能力をさらに妨害し得る。
【0040】
図4は、インターリーブADCによってサンプリングされた入力信号の例示的なエイリアシングを図示するグラフ400を示す。
図4の例では、入力信号は、特定のサンプリング周波数f
sにおいてサンプリングされ得る。エイリアシングは、サンプリング周波数が、(「ナイキストレート」としても知られる)入力信号の最大周波数の2倍よりも小さいときに発生する。エイリアシングの結果として、入力信号は、サンプリング周波数f
sによって定められる複数のナイキストゾーンのうちのいずれかに関連し得る。たとえば
図4を参照すると、サンプリング周波数f
sは、いくつかのナイキストゾーンNZ1~NZ4を画定する。第1のナイキストゾーンNZ1は周波数レンジ0~0.5f
sに及び、第2のナイキストゾーンNZ2は周波数レンジ0.5f
s~f
sに及び、第3のナイキストゾーンNZ3は周波数レンジf
s~1.5f
sに及び、第4のナイキストゾーンNZ4は周波数レンジ1.5f
s~2f
sに及ぶ。
【0041】
図4に示されているように、より高いナイキストゾーン中にある入力信号は、第1のナイキストゾーンNZ1までエイリアシングすることになる。したがって、入力信号が実際にどのナイキストゾーン中にあるかにかかわらず、元の信号中に含まれている情報のすべては、第1のナイキストゾーンNZ1において見つけられ得る。しかしながら、奇数番号のナイキストゾーンの場合とに比べて、偶数番号のナイキストゾーンの場合は、スペクトルが反転されることに留意されたい。たとえば、第2のナイキストゾーン中にある入力信号の周波数成分は、第1のナイキストゾーンにおいてサンプリングされるとき、逆順で提示され得る。
【0042】
図5Aは、奇数ナイキストゾーンにおける入力信号の例示的なサンプリングを図示するグラフ500Aを示す。たとえば、入力信号は、
図1の第1のナイキストゾーンNZ1に関連し得る。入力信号は、離散時間t
1、t
2、およびt
3においてサンプリングされて、それぞれのデジタルサンプルV(t
1)、V(t
2)、およびV(t
3)を作り出し得る。いくつかの実施形態では、デジタルサンプルV(t
1)、V(t
2)、およびV(t
3)の各々は、インターリーブADCのそれぞれのチャネル(たとえば、スライス)によって生成され得る。たとえば、第1のサンプルV(t
1)は第1のチャネルによって生成され得、第2のサンプルV(t
2)は第2のチャネルによって生成され得、第3のサンプルV(t
3)は第3のチャネルによって生成され得る。
図5Aに示されているように、第2のチャネルに適用される時間スキュー調整Δtが、第2のチャネルによって生成されるサンプルと、第1および第3のチャネルの各々によって生成されるサンプルとの間の距離の変化を引き起こす。より詳細には、時間スキュー調整Δtは、第2のチャネルによって生成されるサンプルを、第3のチャネルによって生成されるサンプルのより近くに移動する(たとえば、ΔV
t2’-t3<ΔV
t2-t3)。言い換えれば、時間スキュー調整Δtは、インターリーブADCの第2および第3のチャネルからの連続するサンプル間の距離の減少を引き起こす。
【0043】
図5Bは、偶数ナイキストゾーンにおける入力信号の例示的なサンプリングを図示するグラフ500Bを示す。
図5Bの入力信号は、入力信号が(
図1の第2のナイキストゾーンNZ2などの)隣接するナイキストゾーンに関してサンプリングされ得ることを除いて、
図5Aの入力信号と同じであり得る。したがって、デジタルサンプルV(t
1)、V(t
2)、およびV(t
3)は、グラフ500A中のそれらの同等物とは逆順で示されている。
図5Bに示されているように、第2のチャネルに適用される時間スキュー調整Δtが、第2のチャネルによって生成されるサンプルと、第1および第3のチャネルの各々によって生成されるサンプルとの間の距離の変化を引き起こす。より詳細には、時間スキュー調整Δtは、第2のチャネルによって生成されるサンプルを、第3のチャネルによって生成されるサンプルからより遠くに移動する(たとえば、ΔV
t2’-t3>ΔV
t2-t3)。言い換えれば、時間スキュー調整Δtは、インターリーブADCの第2および第3のチャネルからの連続するサンプル間の距離の増加を引き起こす。
【0044】
図5Aおよび
図5Bに関して、入力信号に関連するナイキストゾーンは、チャネルの所与のペアからの連続するサンプル間の距離の変化の極性に影響を及ぼし得ることに留意されたい。たとえば
図6のグラフ600を参照すると、インターリーブADCにおける時間スキュー調整Δtは、入力信号が奇数ナイキストゾーンに関してサンプリングされるとき、第2および第3のチャネルからの連続するサンプル間の平均距離の変化の負(-)の極性を生じ得る(たとえば、μ’
odd<μ)。一方、同じ時間時間スキュー調整Δtは、入力信号が偶数ナイキストゾーンに関してサンプリングされるとき、第2および第3のチャネルからの連続するサンプル間の平均距離の変化の正(+)の極性を生じ得る(たとえば、μ’
even>μ)。
【0045】
いくつかの態様では、特定のナイキストゾーンにおけるブロッカーの存在が、隣接するナイキストゾーンにおける入力信号のサンプリングに影響を及ぼし得る。たとえば、
図7Aは、隣接するナイキストゾーンにおいて高電力ブロッカー704を伴う、第1のナイキストゾーンにおける入力信号702の例示的なエイリアシングを図示するグラフ700Aを示す。
図7Aの例では、ブロッカー704は、入力信号702よりも著しく多くの電力および/またはエネルギーを有する。その結果、ADCによってサンプリングされるエネルギーは、第2のナイキストゾーンNZ2におけるブロッカー704によって支配され得る。
図6に関して上記で説明されたように、(たとえば、時間スキュー調整Δtに応答する)チャネルのペアからの連続するサンプル間の平均距離の変化の極性は、入力信号が偶数ナイキストゾーンに関してサンプリングされるのか、奇数ナイキストゾーンに関してサンプリングされるのかに依存し得る。
【0046】
図7Bは、時間スキュー調整の結果としての
図7Aに示されている入力信号の例示的なサンプリングを図示するグラフ700Bを示す。
図7Bの例では、第2のチャネルによって生成されるサンプルV(t
2)は、第3のチャネルによって生成されるサンプルV(t
3)に対してよりも、第1のチャネルによって生成されるサンプルV(t
1)に対して近い。入力信号702が奇数ナイキストゾーン(たとえば、NZ1)中にあるので、インターリーブADCに適用される時間スキュー調整Δtは、(
図5Aに示されているように)第2および第3のチャネルによって生成される連続するサンプル間の距離を減少させると予想される。しかしながら、(たとえば、ブロッカー704からの)著しくより多くのエネルギーが第2のナイキストゾーン中にあるので、時間スキュー調整Δtは、代わりに、第2および第3のチャネルによって生成される連続するサンプル間の距離を増加させ得る(たとえば、ΔV
t2’-t3>ΔV
t2-t3)。これは、インターリーブADCの第2のチャネルによって収集される後続のデジタルサンプルの精度をさらに減少させる。
【0047】
図7Aおよび
図7Bに示されているように、入力信号のナイキストゾーンに隣接するナイキストゾーンにおけるスペクトル雑音および/または干渉(たとえば、ブロッカー)は、(たとえば、
図3の時間スキュー抽出回路300などの)時間スキュー抽出回路によって実施される時間スキュー測定の精度に影響を及ぼし得る。たとえば、入力信号702が奇数ナイキストゾーン中にあると予想されるので、時間スキュー抽出回路は、第2のサンプルのタイミングがあまりに早く発生する(たとえば、第3のサンプルのタイミングよりも第1のサンプルのタイミングに近い)ことを検出し得る。その結果、較正ループコントローラは、時間スキュー不整合を補正する試みにおいて、第2のチャネルのサンプルタイミングを(たとえば、Δtだけ)遅延させ得る。しかしながら、インターリーブADCによってサンプリングされる大部分のエネルギーが、偶数ナイキストゾーン中にあるので、第2のチャネルのサンプルタイミングを遅延させることは、第2のサンプルのタイミングを一層早く発生させ得る。フィードバックを通して、時間スキュー抽出回路によって検出される時間スキューは、発散し続け得る。
【0048】
図8は、いくつかの実施形態による、発散制御回路要素をもつ時間スキュー抽出器回路800の例示的なブロック図を示す。時間スキュー抽出器回路800は、
図2の時間スキュー調整回路230の少なくとも一部分の例示的な実施形態であり得る。たとえば、時間スキュー抽出器回路800は、(たとえば、
図2のインターリーブADC200などの)4チャネルインターリーブADCについて時間スキュー値を抽出するように構成され得る。しかしながら、実際の実装では、時間スキュー抽出器回路800は、任意の数(n個)のチャネルを有するインターリーブADCについて時間スキュー値を抽出するように構成され得る。
【0049】
時間スキュー抽出器回路800は、第1の減算器802と、(以下で「第2の減算器804」と総称される)複数の第2の減算器804
1~804
4と、フリップフロップ803と、ビットマニピュレータ810と、デマルチプレクサ820と、(以下で「平均化回路830」と総称される)複数の平均化回路830
0~830
4とを含む。
図8の例では、簡単のために、4つの第2の減算器804および5つの平均回路830のみが示されている。しかしながら、実際の実装では、時間スキュー抽出器回路800は、(たとえば、nチャネルインターリーブADCについて時間スキュー測定を抽出するために)任意の数の第2の減算器804および/または平均化回路830を含み得る。
【0050】
第1の減算器802とフリップフロップ803とは、(インターリーブADC200の出力202などの)インターリーブADCによってキャプチャされた一連のオフセット/利得較正されたデジタルサンプルV(t)を受信するように結合され得る。したがって、サンプルV(t)は、離散時間tにおける(インターリーブADC200によって受信された入力信号201などの)入力信号のデジタル表現に対応し得る。いくつかの実施形態では、時間スキュー抽出器回路800は、デジタルサンプルV(t)が収集される時間t間の差を、V(t)の値に少なくとも部分的に基づいて、決定し得る。より詳細には、時間スキュー抽出器回路800は、インターリーブADCの隣接するチャネル(またはチャネルのペア)によってキャプチャされた連続するサンプルV(t)間の距離を検出するように構成され得る。
【0051】
フリップフロップ803は、各サンプルV(t)の導関数V(t+1)(たとえば、現在のサンプルとして、次のまたは後続のクロックサイクル上で受信および/または測定されるサンプル)を出力し得、導関数V(t+1)を第1の減算器802にフォワーディングし得る。第1の減算器802は、信号微分を実施して、サンプルの各連続するペア間の距離ΔV(たとえば、ΔV=V(t)-V(t+1))を取得し得る。距離ΔVは、(たとえば、距離が正の値を有するのか負の値を有するのかを表すビットをフリップすることによって)ΔVのビットを操作して距離の絶対値|ΔV|を作り出すように構成された、ビットマニピュレータ810にフォワーディングされ得る。絶対値|ΔV|は、デマルチプレクサ820および第1の平均化回路8300にフォワーディングされる。
【0052】
第1の平均化回路8300は、ビットマニピュレータ810によって出力された距離|ΔV|のすべての平均μ(ΔV)を計算し得る。より詳細には、第1の平均化回路8300によって出力される平均μ(ΔV)は、インターリーブADCのチャネル(たとえば、CH1~CH4)のすべてにわたってとられる連続するサンプル間の距離の平均を表し得る。この平均μ(ΔV)は、第2の減算器804の各々への入力として提供され得る。
【0053】
デマルチプレクサ820は、距離|ΔV|を、それらのそれぞれのチャネルペアリングに従って、分離し得る。たとえば、デマルチプレクサ820の第1の出力|ΔVt1-t2|が、インターリーブADCの隣接するチャネルの第1のペア(たとえば、CH1およびCH2)によってキャプチャされた連続するサンプル間の距離に対応し得、デマルチプレクサ820の第2の出力|ΔVt2-t3|が、インターリーブADCのチャネルの第2のペア(たとえば、CH2およびCH3)によってキャプチャされた連続するサンプル間の距離に対応し得、デマルチプレクサ820の第3の出力|ΔVt3-t4|が、インターリーブADCのチャネルの第3のペア(たとえば、CH3およびCH4)によってキャプチャされた連続するサンプル間の距離に対応し得、デマルチプレクサ820の第4の出力|ΔVt4-t1|が、インターリーブADCのチャネルの第4のペア(たとえば、CH4およびCH1)によってキャプチャされた連続するサンプル間の距離に対応し得る。デマルチプレクサ820の出力|ΔVt1-t2|、|ΔVt2-t3|、|ΔVt3-t4|、および|ΔVt4-t1|は、それぞれ、平均化回路8301~8304への入力として提供され得る。
【0054】
平均化回路8301~8304の各々は、チャネルの対応するペアからの連続するサンプル間の平均距離を計算し得る。たとえば、第2の平均化回路8301が、チャネルの第1のペア(CH1およびCH2)によってキャプチャされた連続するサンプル間の平均距離μ(ΔVt1-t2)を計算し得、第3の平均化回路8302が、チャネルの第2のペア(CH2およびCH3)によってキャプチャされた連続するサンプル間の平均距離μ(ΔVt2-t3)を計算し得、第4の平均化回路8303が、チャネルの第3のペア(CH3およびCH4)によってキャプチャされた連続するサンプル間の平均距離μ(ΔVt3-t4)を計算し得、第5の平均化回路8304が、チャネルの第4のペア(CH4およびCH1)によってキャプチャされた連続するサンプル間の平均距離μ(ΔVt4-t1)を計算し得る。平均化回路8301~8304の出力μ(ΔVt1-t2)、μ(ΔVt2-t3)、μ(ΔVt3-t4)、およびμ(ΔVt4-t1)は、第2の減算器804の各々への2次入力として提供され得る。
【0055】
第2の減算器804の各々は、インターリーブADCのチャネル(たとえば、CH1~CH4)のすべてにわたって測定された、連続するサンプル間の距離の平均μ(ΔV)と、チャネルの対応するペア(たとえば、CH1-CH2、CH2-CH3、CH3-CH4、またはCH4-CH1)からの連続するサンプル間の平均距離との間の差を計算し得る。第2の減算器804の各々によって算出される差は、対応するペアチャネル間の平均時間スキューα(Δt)に比例する。たとえば、第1の第2の減算器8041が、μ(ΔV)とμ(ΔVt1-t2)との間の差を計算して、チャネルの第1のペア(CH1およびCH2)間の平均時間スキューα(-Δt1+Δt2)を決定し得、第2の第2の減算器8042が、μ(ΔV)とμ(ΔVt2-t3)との間の差を計算して、チャネルの第2のペア(CH2およびCH3)間の平均時間スキューα(-Δt2+Δt3)を決定し得、第3の第2の減算器8043が、μ(ΔV)とμ(ΔVt3-t4)との間の差を計算して、チャネルの第3のペア(CH3およびCH4)間の平均時間スキューα(-Δt3+Δt4)を決定し得、第4の第2の減算器8044が、μ(ΔV)とμ(ΔVt4-t1と)の間の差を計算して、チャネルの第4のペア(CH4およびCH1)間の平均時間スキューα(-Δt4+Δt1)を決定し得る。
【0056】
計算された時間スキュー値α(-Δt
1+Δt
2)、α(-Δt
2+Δt
3)、α(-Δt
3+Δt
4)、およびα(-Δt
4+Δt
1)は、(たとえば、
図2に関して上記で説明された)インターリーブADCのサンプリングステージにおいて時間スキュー補正を実施するように構成され得る、較正ループコントローラ(簡単のために図示せず)への入力として提供され得る。理想的には、チャネルの各ペアからの連続するサンプル間の平均距離μ(ΔV
t1-t2)、μ(ΔV
t2-t3)、μ(ΔV
t3-t4)、およびμ(ΔV
t4-t1)は、時間スキュー補正の後続の反復に続いて、チャネルのペアのすべてにわたる平均距離μ(ΔV)に収束するべきである。しかしながら、通信チャネルにおける雑音および/または干渉は、較正ループコントローラによって実装される時間スキュー調整の結果として、平均距離μ(ΔV
t1-t2)、μ(ΔV
t2-t3)、μ(ΔV
t3-t4)、およびμ(ΔV
t4-t1)を発散させ得る。
【0057】
いくつかの実施形態では、時間スキュー抽出器回路800は、時間スキューα(-Δt1+Δt2)、α(-Δt2+Δt3)、α(-Δt3+Δt4)、およびα(-Δt4+Δt1)の精度を決定するための発散制御回路840を含み得る。より詳細には、発散制御回路840は、平均距離μ(ΔVt1-t2)、μ(ΔVt2-t3)、μ(ΔVt3-t4)、およびμ(ΔVt4-t1)を発散させる可能性がある、(隣接するナイキストゾーンにおけるスペクトル干渉の存在などの)1つまたは複数の状態を検出し得る。たとえば、発散制御回路840は、それぞれ、平均化回路8301~8304によって出力された、平均距離μ(ΔVt1-t2)、μ(ΔVt2-t3)、μ(ΔVt3-t4)、およびμ(ΔVt4-t1)の各々のコピーを受信し得る。いくつかの実施形態では、発散制御回路840は、発散状態が検出されたかどうかを決定するために、平均距離μ(ΔVt1-t2)、μ(ΔVt2-t3)、μ(ΔVt3-t4)、およびμ(ΔVt4-t1)の傾向を監視し得る。
【0058】
図6および
図7に関して上記で説明されたように、発散状態は、インターリーブADCによってサンプリングされるエネルギーが、入力信号のナイキストゾーンに隣接するナイキストゾーンにおけるスペクトル干渉(たとえば、ブロッカー)によって支配されるとき、発生し得る。たとえば、入力信号が奇数ナイキストゾーン(たとえば、NZ1)中にあり、高電力ブロッカーが、隣接する偶数ナイキストゾーン(たとえば、NZ2)中にある場合、ブロッカーからのエネルギーは、(たとえば、
図6に示されているように)平均距離が低減することが予想されるとき、時間スキュー調整Δtに応答して、平均距離μ(ΔV
t1-t2)、μ(ΔV
t2-t3)、μ(ΔV
t3-t4)、および/またはμ(ΔV
t4-t1)のうちの1つまたは複数を増加させ得る。同様に、入力信号が偶数ナイキストゾーン(たとえば、NZ2)中にあり、高電力ブロッカーが、隣接する奇数ナイキストゾーン(たとえば、NZ1)中にある場合、ブロッカーからのエネルギーは、(たとえば、
図6に示されているように)平均距離が増加することが予想されるとき、時間スキュー調整Δtに応答して、平均距離μ(ΔV
t1-t2)、μ(ΔV
t2-t3)、μ(ΔV
t3-t4)、および/またはμ(ΔV
t4-t1)のうちの1つまたは複数を低減させ得る。
【0059】
したがって、いくつかの実施形態では、発散制御回路840は、入力信号に関連するナイキストゾーンが与えられれば、平均距離μ(ΔVt1-t2)、μ(ΔVt2-t3)、μ(ΔVt3-t4)、およびμ(ΔVt4-t1)の変化の予想される極性を決定し得る。いくつかの態様では、入力信号に関連するナイキストゾーンは、時間スキュー抽出回路800のユーザによって(たとえば、NZ_Select信号として)提供され得る。たとえば、変化の予想される極性が負(-)である場合、発散制御回路840は、時間スキュー調整Δtに応答して、平均距離μ(ΔVt1-t2)、μ(ΔVt2-t3)、μ(ΔVt3-t4)、および/またはμ(ΔVt4-t1)のうちの1つまたは複数の減少を見ることを予想し得る。一方、変化の予想される極性が正(+)である場合、発散制御回路840は、同じ時間スキュー調整Δtに応答して、平均距離μ(ΔVt1-t2)、μ(ΔVt2-t3)、μ(ΔVt3-t4)、および/またはμ(ΔVt4-t1)のうちの1つまたは複数の増加を見ることを予想し得る。
【0060】
いくつかの実施形態では、発散制御回路840は、較正ループコントローラからの時間スキュー調整(TS_ADJ)信号をさらに受信し得る。たとえば、時間スキュー調整信号は、(
図2のTS_ADJ信号205に関して説明されたように)インターリーブADCの1つまたは複数のチャネルに遅延またはタイミングオフセットを適用するために使用され得る。発散制御回路840は、TS_ADJ信号に基づいて、インターリーブADCのチャネルのうちのどれ(もしあれば)が時間スキュー不整合について調整されるべきであるかを決定し得る。発散制御回路840は、次いで、選択された(1つまたは複数の)チャネルを監視して、そのチャネルに関連する平均距離の生じた変化が、選択されたナイキストゾーンについての予想される極性と同じ極性を有することを確実にし得る。
【0061】
特定の例では、入力信号は、奇数ナイキストゾーンに関連し得る。時間スキュー抽出回路800によって計算された時間スキューα(-Δt1+Δt2)、α(-Δt2+Δt3)、α(-Δt3+Δt4)、およびα(-Δt4+Δt1)に基づいて、較正ループコントローラは、インターリーブADCの第2のチャネルに時間スキュー調整Δtを適用し得る。この時間スキュー調整Δtの結果として、発散制御回路840は、(たとえば、入力信号が奇数ナイキストゾーン中にあるので)インターリーブADCの第2のチャネルと第3のチャネルとの間の平均距離μ(ΔVt2-t3)の低減を検出することを予想し得る。したがって、発散制御回路840が、時間スキュー調整Δtを適用した後に平均距離μ(ΔVt2-t3)が低減することを検出した場合、発散制御回路840は、さらなるアクションをとらないことがある(たとえば、時間スキュー検出動作は適切に機能している)。しかしながら、発散制御回路840は、時間スキュー調整Δtの結果として平均距離μ(ΔVt2-t3)が増加することを検出した場合、発散制御回路840は、補正アクション(corrective action)をとるための制御(CTRL)信号を生成し得る(たとえば、発散状態が検出される)。
【0062】
いくつかの実施形態では、CTRL信号は、時間スキュー抽出回路800の動作を休止または中断するために使用され得る。上記で説明されたように、発散状態は、ADCにおけるブロッカーの存在が、平均距離μ(ΔVt1-t2)、μ(ΔVt2-t3)、μ(ΔVt3-t4)、および/またはμ(ΔVt4-t1)のうちの1つまたは複数の極性の正しくない変化を引き起こし、したがって平均距離を発散させるとき、トリガされ得る。したがって、時間スキュー抽出回路800の1つまたは複数の構成要素を休止すること(たとえば、それにより、インターリーブADCに対する時間スキュー調整を休止すること)によって、さらなる発散を防止することが望ましいことがある。ブロッカー(および/または他の干渉)の存在が一時的であり得ることに留意されたい。したがって、いくつかの態様では、時間スキュー抽出回路800は、隣接するナイキストゾーンにおいてブロッカーがもはや検出されないとき、時間スキュー抽出回路800の動作を再使用可能にし得る。
【0063】
いくつかの他の実施形態では、CTRL信号は、インターリーブADCの動作を休止または中断するために使用され得る。上記で説明されたように、発散状態は、(たとえば、
図7Bに示されているように)時間スキュー調整ΔtがインターリーブADCの特定のチャネルのサンプリング時間をさらに間違った方向にプッシュするとき、トリガされ得る。したがって、その特定のチャネルによってキャプチャされた入力信号の得られたサンプルは、時間スキュー調整Δtの前よりも一層正確でないことがある。したがって、(たとえば、生じた時間スキュー不整合がサンプルを使用不可能にしていることがあるので)インターリーブADCの1つまたは複数の構成要素を休止することによって、入力信号のさらなるサンプリングを防止することが望ましいことがある。ブロッカー(および/または他の干渉)の存在が一時的であり得ることに留意されたい。したがって、いくつかの態様では、時間スキュー抽出回路800は、隣接するナイキストゾーンにおいてブロッカーがもはや検出されないとき、インターリーブADCの動作を再使用可能にし得る。
【0064】
またさらに、いくつかの実施形態では、発散制御回路840は、入力信号に関連するナイキストゾーンを決定するために使用され得る。たとえば、発散制御回路840は、入力信号がどのナイキストゾーン中にあるかのアプリオリな知識を有しない場合、発散制御回路840は、平均距離μ(ΔVt1-t2)、μ(ΔVt2-t3)、μ(ΔVt3-t4)、および/またはμ(ΔVt4-t1)のうちの1つまたは複数の変化の検出された極性に基づいて、関連するナイキストゾーンを決定し得る。より詳細には、発散制御回路840は、インターリーブADCが時間スキュー調整Δtにどのように応答するかを監視することによって、入力信号に関連するナイキストゾーンを決定し得る。たとえば、発散制御回路840は、所与の時間スキュー調整Δtに応答する、チャネルの特定のペアからの連続するサンプル間の平均距離の変化の極性に基づいて、入力信号が奇数ナイキストゾーン中にあるのか、偶数ナイキストゾーン中にあるのかを決定し得る。
【0065】
上記の例では、発散制御回路840が、インターリーブADCの第2のチャネルに時間スキュー調整Δtを適用した後に平均距離μ(ΔVt2-t3)の減少を検出した場合、発散制御回路840は、(たとえば、隣接するナイキストゾーン中に高電力ブロッカーがないと仮定して)入力信号が奇数ナイキストゾーン中にあると決定し得る。一方、発散制御回路840が、インターリーブADCの第2のチャネルに時間スキュー調整Δtを適用した後に平均距離μ(ΔVt2-t3)の増加を検出した場合、発散制御回路840は、(たとえば、隣接するナイキストゾーン中に高電力ブロッカーがないと仮定して)入力信号が偶数ナイキストゾーン中にあると決定し得る。
【0066】
入力信号に関連するナイキストゾーンを決定するとき、発散制御回路840は、ADCによってサンプリングされる(たとえば、隣接するナイキストゾーン中の)高電力ブロッカーがないと仮定し得ることに留意されたい。いくつかの実施形態では、発散制御回路840は、初めに、(たとえば、時間スキュー抽出動作を実行する目的で)入力信号が特定のナイキストゾーン中にあると仮定し得、インターリーブADCが時間スキュー調整Δtにどのように応答するかを検出した後に、初めの仮定を補正し得る。
【0067】
図9は、いくつかの実施形態による、発散制御回路900の例示的なブロック図を示す。発散制御回路900は、
図8の発散制御回路840の例示的な実施形態であり得る。したがって、発散制御回路900は、(時間スキュー抽出回路800などの)時間スキュー抽出回路を動作させるとき、発散状態を検出するために使用され得る。
図9の例では、発散制御回路900は、チャネルの特定のペア(たとえば、チャネルnおよびn+1)間の発散状態を検出するための回路要素を含むように示されている。しかしながら、実際の実装では、発散制御回路900は、任意の数の(たとえば、並列の)隣接するチャネル間の発散状態を検出するように構成され得る。
【0068】
発散制御回路900は、減算器902と、フリップフロップ903と、第1の比較器904と、第2の比較器906と、予想極性検出器910とを含む。減算器902とフリップフロップ903とは、(
図8の平均化回路830のうちの1つまたは複数の出力などの)インターリーブADCの隣接するチャネルのペアによってとられる連続するサンプル間の一連の平均距離μ(ΔV
tn-t(n+1))を受信するように結合され得る。したがって、平均距離μ(ΔV
tn-t(n+1))は、隣接するチャネルのペア間の(
図8の時間スキュー抽出回路800などの)対応する時間スキュー抽出回路によって計算された時間スキューの量に比例し得る。いくつかの実施形態では、発散制御回路900は、時間スキュー抽出回路によって計算された時間スキューの精度を決定するように構成され得る。より詳細には、発散制御回路900は、入力信号に関連するナイキストゾーンが与えられれば、平均距離μ(ΔV
tn-t(n+1))の変化の極性が適切であるかどうかを検出するように構成され得る。
【0069】
フリップフロップ903は、各平均距離μ(ΔVtn-t(n+1))(たとえば、現在の平均距離を決定するために使用されるサンプルのうちの少なくともいくつかの後にキャプチャされる、後続のサンプル間の平均距離)の導関数を出力し得る。減算器902は、信号微分を実施して、経時的に平均距離の変化Δμを決定し得る。平均距離の変化Δμは、第1の比較器904への第1の入力として提供され得る。より詳細には、第1の比較器904は、平均距離の変化の極性P(Δμ)を決定するために、平均距離の変化Δμを参照値(たとえば、「0」)と比較し得る。たとえば、第1の比較器904は、平均距離の変化Δμが参照値よりも大きいのか参照値よりも小さいのかに依存して、「0」または「1」を出力し得る(たとえば、Δμ<0の場合、P(Δμ)=0、および、Δμ>0の場合、P(Δμ)=1)。したがって、平均距離μ(ΔVtn-t(n+1))が経時的に低減する場合、第1の比較器904は、変化の負極性を指示するための第1の値(たとえば、P(Δμ)=0)を出力し得る。一方、平均距離μ(ΔVtn-t(n+1))が経時的に増加する場合、第1の比較器904は、変化の正極性を指示するための第2の値(たとえば、P(Δμ)=1)を出力し得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、予想極性検出器910は、入力信号に関連するナイキストゾーンが与えられれば、平均距離の変化の予想される極性P
E(Δμ)を決定し得る。たとえば、予想極性検出器910は、入力信号に関連するナイキストゾーンに依存して、「0」または「1」を出力し得る。いくつかの態様では、入力信号に関連するナイキストゾーンは、発散制御回路900のユーザによって(たとえば、NZ_Select信号として)提供され得る。いくつかの他の態様では、発散制御回路900は、初めに、入力信号のためのナイキストゾーンを仮定し得る。上記で説明されたように、奇数ナイキストゾーンに関連する変化の極性は、(たとえば、
図6に示されているように)偶数ナイキストゾーンに関連する変化の極性の反対側にあり得る。たとえば、入力信号が奇数ナイキストゾーン中にある場合、予想極性検出器910は、変化の負極性を指示するための第1の値(たとえば、P
E(Δμ)=0)を出力し得る。一方、入力信号が偶数ナイキストゾーン中にある場合、予想極性検出器910は、変化の正極性を指示するための第2の値(たとえば、P
E(Δμ)=1)を出力し得る。
【0071】
第2の比較器906は、第1の比較器904および予想極性検出器910の出力を受信するように結合され得る。より詳細には、第2の比較器906は、時間スキュー抽出回路によって測定された時間スキューの精度(たとえば、インターリーブADCにおいて発散状態が存在するかどうか)を決定するために、変化の予想される極性PE(Δμ)を変化の実際の極性P(Δμ)と比較し得る。いくつかの実施形態では、第2の比較器906は、その比較に少なくとも部分的に基づいて、制御(CTRL)信号を選択的に出力し得る。たとえば、第2の比較器906は、変化の予想される極性PE(Δμ)が、変化の実際の極性PE(Δμ)と同じであるかどうかに依存して、「0」または「1」を出力し得る。いくつかの実施形態では、発散制御回路900は、平均距離の変化の極性P(Δμ)が、変化の予想される極性PE(Δμ)と同じである場合、さらなるアクションをとらないように構成され得る。したがって、第2の比較器906は、変化の予想される極性が、変化の実際の極性と同じである場合(たとえば、PE(Δμ)=P(Δμ))、CTRL信号をアサート解除し得る(たとえば、CTRL=0)。
【0072】
いくつかの他の実施形態では、発散制御回路900は、平均距離の変化の極性P(Δμ)が、変化の予想される極性P
E(Δμ)とは異なる場合、(たとえば、CTRL信号を使用して)補正アクションをとるように構成され得る。したがって、第2の比較器906は、変化の予想される極性が、変化の予想される極性と同じでない場合(たとえば、P
E(Δμ)≠P(Δμ))、CTRL信号をアサートし得る(たとえば、CTRL=1)。いくつかの態様では、アサートされたCTRL信号は、(
図8の時間スキュー抽出回路800などの)時間スキュー抽出回路の動作を休止または中断するために使用され得る。いくつかの他の態様では、アサートされたCTRL信号は、(
図2のサンプリングステージ210などの)インターリーブADCの動作を休止または中断するために使用され得る。
【0073】
図10は、いくつかの実施形態による、インターリーブADCにおいて時間スキュー発散を検出するための例示的な動作1000を図示する例示のフローチャートである。
図8の時間スキュー抽出回路800に関して以下で説明されるが、例示的な動作1000は、任意の好適な時間スキュー抽出回路によって実施され得る。
【0074】
時間スキュー抽出回路800は、インターリーブADCの複数のチャネルからの入力信号の一連のサンプルを受信する(1010)。たとえば、受信されたサンプルV(t)は、複数の離散時間インスタンスtにおいてキャプチャされた入力信号のデジタル表現に対応し得る。いくつかの実装形態では、受信されたサンプルは、(
図2のオフセット/利得較正回路220による出力など)オフセット/利得較正されたデジタルサンプルであり得る。
【0075】
時間スキュー抽出回路800は、受信された一連のサンプル中の連続するサンプル間の距離を計算し得る(1020)。たとえば、フリップフロップ803は、各サンプルV(t)の導関数V(t+1)を出力し得、導関数V(t+1)を第1の減算器802にフォワーディングし得る。第1の減算器802は、次いで、信号微分を実施して、サンプルの各連続するペア間の距離ΔV(たとえば、ΔV=V(t)-V(t+1))を取得し得る。いくつかの実施形態では、距離ΔVは、(たとえば、距離が正の値を有するのか負の値を有するのかを表すビットをフリップすることによって)ΔVのビットを操作して距離の絶対値|ΔV|を作り出すように構成された、ビットマニピュレータ810にフォワーディングされ得る。
【0076】
時間スキュー抽出回路800は、複数の第1の平均距離をさらに計算し得、第1の平均距離の各々は、インターリーブADCのチャネルのそれぞれのペアからの連続するサンプル間の距離の平均に対応する(1030)。たとえば、デマルチプレクサ820は、距離|ΔV|を、それらのそれぞれのチャネルペアリングに従って、分離し得る。デマルチプレクサ820の出力|ΔVt1-t2|、|ΔVt2-t3|、|ΔVt3-t4|、および|ΔVt4-t1|は、次いで、それぞれ、平均化回路8301~8304への入力として提供され得る。平均化回路8301~8304の各々は、チャネルの対応するペアからの連続するサンプル間の平均距離を計算し得る。
【0077】
時間スキュー抽出回路800は、次いで、第1の平均距離の各々を、複数のチャネルからの連続するサンプル間の距離の平均と比較することによって、チャネルのペアの各々間のそれぞれの時間スキューを計算し得る(1040)。たとえば、第1の平均化回路8300は、ビットマニピュレータ810によって出力された距離|ΔV|のすべての平均μ(ΔV)を計算し得る。より詳細には、第1の平均化回路8300によって出力される平均μ(ΔV)は、インターリーブADCのチャネルのすべてにわたってとられる連続するサンプル間の距離の平均を表し得る。第2の減算器804の各々は、第1の平均化回路8300の出力と、残りの平均化回路8301~8304の各々の出力とを受信するように結合され得る。より詳細には、第2の減算器804の各々は、インターリーブADCのチャネルのすべてにわたって測定された、連続するサンプル間の距離の平均μ(ΔV)と、チャネルの対応するペアからの連続するサンプル間の平均距離との間の差を計算し得る。第2の減算器804の各々によって算出される差は、対応するペアチャネル間の平均時間スキューα(Δt)に比例する。
【0078】
最終的に、時間スキュー抽出器回路800は、第1の平均距離と入力信号に関連するナイキストゾーンとに少なくとも部分的に基づいて、時間スキューの精度を決定し得る(1050)。たとえば、発散制御回路840は、平均距離μ(ΔVt1-t2)、μ(ΔVt2-t3)、μ(ΔVt3-t4)、およびμ(ΔVt4-t1)を発散させる可能性がある、(隣接するナイキストゾーンにおけるスペクトル干渉の存在などの)1つまたは複数の状態を検出し得る。いくつかの実施形態では、発散制御回路840は、発散状態が検出されたかどうかを決定するために、平均距離μ(ΔVt1-t2)、μ(ΔVt2-t3)、μ(ΔVt3-t4)、およびμ(ΔVt4-t1)の傾向を監視し得る。いくつかの態様では、発散制御回路840は、入力信号に関連するナイキストゾーンが与えられれば、平均距離μ(ΔVt1-t2)、μ(ΔVt2-t3)、μ(ΔVt3-t4)、およびμ(ΔVt4-t1)の変化の予想される極性を決定し得る。発散制御回路840は、次いで、平均距離μ(ΔVt1-t2)、μ(ΔVt2-t3)、μ(ΔVt3-t4)、およびμ(ΔVt4-t1)を監視して、時間スキュー調整Δtに関連する平均距離の生じた変化が、選択されたナイキストゾーンについての予想される極性と同じ極性を有することを確実にし得る。
【0079】
いくつかの実施形態では、発散制御回路840は、時間スキュー調整Δtを適用した後に、チャネルの特定のペアからの連続するサンプル間の平均距離μ(ΔV)が、変化の予想される極性と同じであることを検出した場合、発散制御回路840は、さらなるアクションをとらないことがある(たとえば、時間スキュー検出動作は適切に機能している)。しかしながら、発散制御回路840は、時間スキュー調整Δtの結果として、チャネルの特定のペアからの連続するサンプル間の平均距離μ(ΔV)が、変化の予想される極性とは異なることを検出した場合、発散制御回路840は、補正アクションをとるための制御(CTRL)信号を生成し得る(たとえば、発散状態が検出される)。いくつかの態様では、CTRL信号は、時間スキュー抽出回路800の動作を休止または中断するために使用され得る。いくつかの他の態様では、CTRL信号は、インターリーブADCの動作を休止または中断するために使用され得る。
【0080】
図11は、いくつかの実施形態による、インターリーブADCにおいて時間スキューについて調整するときに時間スキュー発散を制御するための例示的な動作を図示する例示のフローチャートである。
図9の発散制御回路900に関して以下で説明されるが、例示的な動作1100は、任意の好適な発散制御回路によって実施され得る。
【0081】
発散制御回路900は、最初に、入力信号に関連するナイキストゾーンを選択し得る(1110)。いくつかの実施形態では、選択されるナイキストゾーンは、発散制御回路900(またはインターリーブADC)のユーザによって提供され得る。いくつかの他の実施形態では、選択されるナイキストゾーンは、(たとえば、発散制御回路900による入力信号に関連する実際のナイキストゾーンのアプリオリな知識がないことを仮定して)発散制御回路900による初めの仮定に基づき得る。
【0082】
発散制御回路900は、次いで、選択されたナイキストゾーンに基づいて、入力信号の連続するサンプル間の平均距離の変化の予想される極性(P
E)を決定し得る(1120)。上記で説明されたように、奇数ナイキストゾーンに関連する変化の極性は、(たとえば、
図6に示されているように)偶数ナイキストゾーンに関連する変化の極性の反対側にあり得る。たとえば、入力信号が奇数ナイキストゾーン中にある場合、予想極性検出器910は、変化の負極性を指示するための第1の値(たとえば、P
E=0)を出力し得る。一方、入力信号が偶数ナイキストゾーン中にある場合、予想極性検出器910は、変化の正極性を指示するための第2の値(たとえば、P
E=1)を出力し得る。
【0083】
発散制御回路900はまた、隣接するチャネルのペアからとられる入力信号の連続するサンプル間の平均距離の変化の実際の極性(P)を検出し得る(1130)。たとえば、減算器902とフリップフロップ903とは、インターリーブADCの隣接するチャネルのペアによってとられる連続するサンプル間の一連の平均距離μ(ΔVtn-t(n+1))を受信するように結合され得る。フリップフロップ903は、各平均距離μ(ΔVtn-t(n+1))(たとえば、現在の平均距離を決定するために使用されるサンプルのうちの少なくともいくつかの後にキャプチャされる、後続のサンプル間の平均距離)の導関数を出力し得る。減算器902は、信号微分を実施して、経時的に平均距離の変化Δμを決定し得る。第1の比較器904は、次いで、平均距離の変化の極性Pを決定するために、平均距離の変化Δμを参照値(たとえば、「0」)と比較し得る。たとえば、第1の比較器904は、平均距離の変化Δμが参照値よりも大きいのか参照値よりも小さいのかに依存して、「0」または「1」を出力し得る(たとえば、Δμ<0の場合、P=0、および、Δμ>0の場合、P=1)。
【0084】
発散制御回路900は、次いで、予想される極性PEを、隣接するチャネルのペアからの連続するサンプル間の平均距離の変化の実際の極性Pと比較し得る(1140)。たとえば、第2の比較器906は、時間スキュー抽出回路によって測定された時間スキューの精度(たとえば、インターリーブADCにおいて発散状態が存在するかどうか)を決定するために、変化の予想される極性PEを変化の実際の極性Pと比較し得る。変化の実際の極性Pが、(1140においてテストされた)変化の予想される極性PEと同じである場合、発散制御回路900は、隣接するチャネルからの連続するサンプル間の平均距離の変化の極性Pを監視し続け(1130)、および/またはさらなるアクションをとらないことがある。いくつかの実施形態では、第2の比較器906は、変化の予想される極性が、変化の実際の極性と同じである場合(たとえば、P=PE)、CTRL信号をアサート解除し得る(たとえば、CTRL=0)。
【0085】
変化の実際の極性Pが、(1140においてテストされた)変化の予想される極性PEとは異なる場合、発散制御回路900は、発散制御信号を出力することによって応答し得る(1150)。たとえば、発散制御回路900は、発散状態が検出されたとき、補正アクションをとるように構成され得る。いくつかの実施形態では、第2の比較器906は、変化の予想される極性が、変化の実際の極性と同じでない場合(たとえば、P≠P
E)、CTRL信号をアサートし得る(たとえば、CTRL=1)。いくつかの態様では、アサートされたCTRL信号は、(
図8の時間スキュー抽出回路800などの)時間スキュー抽出回路の動作を休止または中断するために使用され得る。いくつかの他の態様では、アサートされたCTRL信号は、(
図2のサンプリングステージ210などの)インターリーブADCの動作を休止または中断するために使用され得る。
【0086】
本開示の態様は、インターリーブアナログデジタル変換器(ADC)およびそれらの動作の方法を対象とする。一例では、時間スキュー調整回路が提供され得る。そのような時間スキュー調整回路は、インターリーブアナログデジタル変換器(ADC)の複数のチャネルからの入力信号の一連のサンプルを受信するための入力と、受信された一連のサンプル中の連続するサンプル間の距離を計算するための第1の減算器と、複数の第1の平均距離を計算するための複数の平均化回路であって、第1の平均距離の各々が、インターリーブADCのチャネルのそれぞれのペアからの連続するサンプル間の距離の平均に対応する、複数の平均化回路と、第1の平均距離の各々を、複数のチャネルからの連続するサンプル間の距離の平均と比較することによって、チャネルのペアの各々間のそれぞれの時間スキューを計算するための時間スキュー検出回路要素と、第1の平均距離と入力信号に関連するナイキストゾーンとに少なくとも部分的に基づいて、時間スキューの精度を決定するための発散制御回路要素とを含み得る。
【0087】
そのような時間スキュー調整回路は、時間スキューに少なくとも部分的に基づいて、インターリーブADCの1つまたは複数のチャネルにタイミングオフセットを選択的に適用するための較正ループコントローラをさらに含み得る。
【0088】
いくつかのそのような時間スキュー調整回路では、発散制御回路要素は、インターリーブADCのチャネルの第1のペアについて計算された時間スキューの精度を、較正ループコントローラによって第1のペア中のチャネルのうちの少なくとも1つに適用された第1のタイミングオフセットに少なくとも部分的に基づいて、決定するように構成され得る。
【0089】
いくつかのそのような時間スキュー調整回路では、発散制御回路要素は、第1のタイミングオフセットに応答して、チャネルの第1のペアについての第1の平均距離の変化を計算することと、チャネルの第1のペアについての第1の平均距離の変化の極性に少なくとも部分的に基づいて、チャネルの第1のペアについて計算された時間スキューの精度を決定することとを行うようにさらに構成され得る。
【0090】
いくつかのそのような時間スキュー調整回路では、発散制御回路要素は、チャネルの第1のペアについての第1の平均距離の変化の極性に少なくとも部分的に基づいて、入力信号に関連するナイキストゾーンを決定するようにさらに構成され得る。
【0091】
いくつかのそのような時間スキュー調整回路では、発散制御回路要素は、入力信号に関連するナイキストゾーンに少なくとも部分的に基づいて、第1のタイミングオフセットに応答して、第1の平均距離の変化の予想される極性を決定することと、第1の平均距離の変化の極性を、変化の予想される極性と比較することとを行うようにさらに構成され得る。
【0092】
いくつかのそのような時間スキュー調整回路では、変化の予想される極性は、入力信号が奇数ナイキストゾーンに関連し得るとき、第1の極性に対応し、変化の予想される極性は、入力信号が偶数ナイキストゾーンに関連し得るとき、第2の極性に対応する。
【0093】
いくつかのそのような時間スキュー調整回路では、変化の予想される極性は、入力信号が奇数ナイキストゾーンに関連し得るとき、第1の平均距離の減少に対応し、変化の予想される極性は、入力信号が偶数ナイキストゾーンに関連し得るとき、第1の平均距離の増加に対応する。
【0094】
いくつかのそのような時間スキュー調整回路では、発散制御回路要素は、第1の平均距離の変化の極性が、変化の予想される極性と同じでないことがあるとき、インターリーブADCの動作を中断するようにさらに構成され得る。
【0095】
いくつかのそのような時間スキュー調整回路では、発散制御回路要素は、第1の平均距離の変化の極性が、変化の予想される極性と同じでないことがあるとき、較正ループコントローラが、インターリーブADCの1つまたは複数のチャネルにタイミングオフセットを適用するのを防止するようにさらに構成され得る。
【0096】
別の例では、方法が提供され得る。そのような方法は、インターリーブアナログデジタル変換器(ADC)の複数のチャネルからの入力信号の一連のサンプルを受信することと、受信された一連のサンプル中の連続するサンプル間の距離を計算することと、複数の第1の平均距離を計算することであって、第1の平均距離の各々が、インターリーブADCのチャネルのそれぞれのペアからの連続するサンプル間の距離の平均に対応する、複数の第1の平均距離を計算することと、第1の平均距離の各々を、複数のチャネルからの連続するサンプル間の距離の平均と比較することによって、チャネルのペアの各々間のそれぞれの時間スキューを計算することと、第1の平均距離と入力信号に関連するナイキストゾーンとに少なくとも部分的に基づいて、時間スキューの精度を決定することとを含み得る。
【0097】
いくつかのそのような方法は、時間スキューに少なくとも部分的に基づいて、インターリーブADCの1つまたは複数のチャネルにタイミングオフセットを選択的に適用することをさらに含み得る。
【0098】
いくつかのそのような方法では、決定することは、インターリーブADCのチャネルの第1のペアについて計算された時間スキューの精度を、第1のペア中のチャネルのうちの少なくとも1つに適用された第1のタイミングオフセットに少なくとも部分的に基づいて、決定することを含む。
【0099】
いくつかのそのような方法では、決定することは、第1のタイミングオフセットに応答して、チャネルの第1のペアについての第1の平均距離の変化を計算することと、チャネルの第1のペアについての第1の平均距離の変化の極性に少なくとも部分的に基づいて、チャネルの第1のペアについて計算された時間スキューの精度を決定することとをさらに含み得る。
【0100】
いくつかのそのような方法は、チャネルの第1のペアについての第1の平均距離の変化の極性に少なくとも部分的に基づいて、入力信号に関連するナイキストゾーンを決定することをさらに含み得る。
【0101】
いくつかのそのような方法では、決定することは、入力信号に関連するナイキストゾーンに少なくとも部分的に基づいて、第1のタイミングオフセットに応答して、第1の平均距離の変化の予想される極性を決定することと、第1の平均距離の変化の極性を、変化の予想される極性と比較することとをさらに含み得る。
【0102】
いくつかのそのような方法では、変化の予想される極性は、入力信号が奇数ナイキストゾーンに関連し得るとき、第1の極性に対応し、変化の予想される極性は、入力信号が偶数ナイキストゾーンに関連し得るとき、第2の極性に対応する。
【0103】
いくつかのそのような方法では、変化の予想される極性は、入力信号が奇数ナイキストゾーンに関連し得るとき、第1の平均距離の減少に対応し、変化の予想される極性は、入力信号が偶数ナイキストゾーンに関連し得るとき、第1の平均距離の増加に対応する。
【0104】
いくつかのそのような方法は、第1の平均距離の変化の極性が、変化の予想される極性と同じでないとき、インターリーブADCの動作を中断することをさらに含み得る。
【0105】
いくつかのそのような方法は、第1の平均距離の変化の極性が、変化の予想される極性と同じでないとき、較正ループコントローラが、インターリーブADCの1つまたは複数のチャネルにタイミングオフセットを適用するのを防止することをさらに含み得る。
【0106】
当業者は、情報および信号が、様々な異なる技術および技法のうちのいずれかを使用して表され得ることを諒解されよう。たとえば、上記の説明全体にわたって参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁界または磁性粒子、光界または光学粒子、あるいはそれらの任意の組合せによって表され得る。
【0107】
さらに、当業者は、本明細書で開示される態様に関して説明される様々な例示の論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップが、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはその両方の組合せとして実装され得ることを諒解されよう。ハードウェアとソフトウェアとのこの互換性を明らかに示すために、様々な例示の構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、概してそれらの機能性に関して上記で説明された。そのような機能性がハードウェアとして実装されるのか、ソフトウェアとして実装されるのかは、特定の適用例および全体的なシステムに課される設計制約に依存する。当業者は、各特定の適用例について様々なやり方で、説明される機能性を実装し得るが、そのような実装の決定は、本開示の範囲からの逸脱を引き起こすものとして解釈されるべきではない。
【0108】
本明細書で開示される態様に関して説明される方法、シーケンスまたはアルゴリズムは、直接ハードウェアで、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで、またはその2つの組合せで具現され得る。ソフトウェアモジュールは、RAMラッチ、フラッシュラッチ、ROMラッチ、EPROMラッチ、EEPROMラッチ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、または当技術分野において知られている任意の他の形態の記憶媒体中に常駐し得る。例示的な記憶媒体は、プロセッサが、記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。代替として、記憶媒体はプロセッサと一体であり得る。
【0109】
上記の明細書では、例示的な実施形態が、それの特定の例示的な実施形態を参照しながら説明された。しかしながら、添付の特許請求の範囲に記載の本開示のより広い範囲から逸脱することなく、様々な改変および変更がそれに行われ得ることは明らかであろう。したがって、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく例示の意味で考慮されるべきである。