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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】電気生理学カテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/287 20210101AFI20240122BHJP
【FI】
A61B5/287 200
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020563838
(86)(22)【出願日】2019-02-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-20
(86)【国際出願番号】 IB2019050906
(87)【国際公開番号】W WO2019155356
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2022-02-04
(31)【優先権主張番号】15/890,314
(32)【優先日】2018-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ソリス・マリオ・エイ
(72)【発明者】
【氏名】バス・シュバユ
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムズ・スチュアート
(72)【発明者】
【氏名】フエンテス-オルテガ・セサル
【審査官】藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-056199(JP,A)
【文献】米国特許第7276062(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2017/0071664(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/25-5/297
A61N 1/00-1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い本体と、
遠位電極組立体であって、
近位側ステム、
複数の少なくとも8本のスパインであって、各スパインは、第1の半径によって画定された第1の予め成形された湾曲を有する第1の区域、及び直線的区域を有する、複数のスパイン、
複数の非導電性スパインカバー、及び
前記各スパイン上に少なくとも1つが担持された複数の微小電極、
を備える、遠位電極組立体と、
を備え、
前記各スパインが、前記各スパインの面内偏向用に構成された横方向縁部に沿ったヒンジを有し、
前記各スパインが自由遠位端を備え、
前記各スパインが、第2の半径によって画定される第2の予め成形された湾曲を有する第2の区域を備え、
前記各スパインは、前記近位側ステムから、前記第1の区域、前記第2の区域、前記直線的区域、前記自由遠位端の順に延在するように構成され
前記第1の半径が前記第2の半径よりも小さく、
前記各スパインが組織と接触した場合に、前記第1及び第2の予め成形された湾曲が組織接触面に対して鉛直方向に互いに反対方向を向くように構成されている、
電気生理学カテーテル。
【請求項2】
前記カバーをされた前記各スパインが、1mm未満の外周を有する、請求項1に記載の電気生理学カテーテル。
【請求項3】
前記外周が0.87mmである、請求項2に記載の電気生理学カテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気生理学カテーテル、特に、分画された信号のより一層正確及び個別の感知を提供する電極構成を備える心臓電気生理学カテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
電極カテーテルは、長年にわたり医療現場で一般的に使用されている。電極カテーテルは心臓内の電気的活動を刺激及びマッピングし、異常な電気的活動が見られる部位をアブレーションするために用いられる。
【0003】
使用にあたり、電極カテーテルは、主要な静脈又は動脈、例えば大腿静脈の中に挿入され、次いで対象となる心房/心室の中に案内される。カテーテルが心臓内に配置された後、心臓内の異常な電気的活動の場所が特定される。
【0004】
位置特定の1つの技術は電気生理学的マッピング手順を含み、この手順によって導電性の心臓内組織から生じる電気信号が組織的に監視され、それらの信号のマップが形成される。医師は、そのマップを解析することによって、干渉する電気経路を確認することができる。導電性心組織からの電気信号をマッピングするための従来の方法は、その遠位先端上にマッピング電極が搭載された電気生理学カテーテル(電極カテーテル)を、経皮的に導入することである。カテーテルは、これらの電極を心内膜に接触させて設置するように操作される。心内膜における電気信号を監視することによって、不整脈の原因である異常な導電性組織部位を正確に示すことができる。
【0005】
カテーテルに搭載された環状電極による感知のために、環状電極からの信号を送信するリード線が、カテーテル制御ハンドルの遠位端において適切なコネクタに電気的に接続され、それは、ECG監視システム及び/又は適切な3-D電気生理学的(EP)マッピングシステム、例えば、カリフォルニア州アーウィンデールのBiosense Webster社から入手可能なCARTO、CARTO XP又はCARTO3等に電気的に接続される。
【0006】
より小さく、しかも互いにより近接して配置された電極対は、遠距離場の信号に対する近距離場の電位のより正確な検出を可能にし、このことは、心臓の特定領域の治療を試みる際に非常に重要であり得る。例えば、近距離場の肺静脈電位は極めて小さい信号であり、一方で心房は、肺静脈に極めて近接する場所にあり、遙かに大きい信号を提供する。したがって、カテーテルが肺静脈の領域内に配置される場合であっても、信号が、小さく、近い場所(肺静脈から)の電位、又はより大きく、より遠い場所(心房から)の電位のいずれであるかを、電気生理学者が判定することは、困難である場合がある。より小さく、しかも互いに近接して配置された双極子により、医師は、遠距離場の信号をより正確に除去し、局所組織における電気的活動をより正確に読み取ることが可能になる。したがって、より小さく、しかも互いに近接して配置される電極を有することによって、肺動脈電位を有する心筋組織の場所を、正確に標的とすることが可能であるため、臨床医は、その特定の組織に治療を施すことが可能になる。更には、より小さく、しかも互いに近接して配置される電極により、医師は、電気信号によって、小孔/複数の小孔の正確な解剖学的場所を判定することが可能になる。
【0007】
電極密度を増加させる(例えば、カテーテル上に担持される複数個の電極の数を増加させる)ことによっても、検出精度が改善される。しかしながら、より多くの電極がカテーテル上に担持されると、特に、電極密度が高くなればなるほど、電極どうしが接触したり短絡したりするリスクが増大する。更に、電極と組織とを確実に接触させることができるが、電極保持構造体が制御可能かつ予測可能な様式で挙動して、組織に穿孔したりあるいは組織を損傷したりすることがない、高い可撓性を有する電極アセンブリ構造を用いて、電極と組織との接触を改善することが常に望まれている。これらの構造体を構築するために使用される材料が、より可撓性の高いものとなり、かつより繊細なものとなるにつれて、カテーテルを組み立てる最中に、より小さいリング電極及びそれらの支持構造体が変形、とりわけ伸長するリスクが増大する。更に、電極アセンブリ構造体がより繊細なものとなるにつれて、コンポーネントが外れたり、よじれたり、及びもつれたりするリスクが増大する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、互いに近接して配置された微小電極を有し、高い電極密度を実現した電気生理学カテーテルが必要とされている。また、そのつくりが繊細で、所望の可撓性を提供しながらも、組織との接触時の動きが予測可能である電極保持構造体を有する、電気生理学カテーテルが必要とされている。更に、コンポーネントが外れたり、よじれたり、及びもつれたりするリスクを最小限に抑えるように構成された電気生理学カテーテルが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、遠距離場の信号を含む望ましくないノイズの検出を最小限として複数の場所で同時に信号を検出するために組織表面領域上に柔軟に広がることが可能な複数の分岐スパインに、非常に小型で、互いに近接して配置された微小電極を担持している遠位電極組立体を備える電気生理学カテーテルに関する。遠位電極組立体は、心臓の心房空洞内の組織の様々に異なる解剖学的構造に適合するように構成されている。スパインは、異なる組織表面に対して広範囲に適合するために、湾曲セグメントを有するか、又は直線的セグメントとともに湾曲セグメントを有する。一方でスパインは、より良好に組織と接触するのを容易にする、改善された可撓性及び剛性を得るために、別個のセグメントにおいて、機械的な有利点を提供する。各スパインは、スパインどうしの接触又は交絡のリスクを最小限に抑えながら、柔軟性特性を改善するために、より強固でより剛性の高い近位側基部とより可撓性の高い遠位端とを提供する。そのために、各スパインは、その近位端からその遠位端まで概ね先細になった形状を有する。
【0010】
一部の実施形態では、電気生理学カテーテルは、細長い本体と遠位電極組立体とを有する。遠位電極組立体は、近位側ステム、ステムから出る複数のスパイン、及びそれぞれが、対応するスパインを取り囲む、複数の非導電性スパインカバーとを有し、各スパインカバーは、カバーの側壁に埋め込まれた複数の引張部材を有する。
【0011】
一部の実施形態では、引張部材は、長手方向に延在する。
【0012】
一部の実施形態では、引張部材は、長手方向に延在する部分を有する。
【0013】
一部の実施形態では、引張部材はワイヤを含む。
【0014】
一部の実施形態では、引張部材は繊維を含む。
【0015】
一部の実施形態では、電気生理学カテーテルは、細長い本体と遠位電極組立体とを有する。遠位電極組立体は、近位側ステム及び複数のスパインを有し、各スパインは、拡大された遠位部分を有し、拡大された遠位部分は貫通孔を有する。遠位電極組立体はまた、それぞれが、対応するスパインを取り囲む、複数の非導電性スパインカバーを有する。遠位電極組立体は、拡大された遠位部分を封入するキャップカバーを更に有し、キャップカバーは、貫通孔を通って延在する部分を有する。
【0016】
一部の実施形態では、電気生理学カテーテルは、細長い本体と遠位電極組立体とを有する。遠位電極組立体は、近位側ステムと、複数の少なくとも8つのスパインとを有し、各スパインは、第1の半径によって画定された第1の予め成形された湾曲を有する第1の区域、及び直線的区域とを有する。遠位電極組立体はまた、複数の非導電性スパインカバーと、複数の微小電極とを有し、各スパイン上には、少なくとも1つの微小電極を有する。
【0017】
一部の実施形態では、各スパインは、第1の半径とは異なる第2の半径によって画定される第2の予め成形された湾曲を有する第2の区域を含み、第2の予め成形された湾曲を有する第2の区域は、第1の予め成形された湾曲を有する第1の区域の遠位側にある。
【0018】
一部の実施形態において、第1の半径は第2の半径よりも小さい。
【0019】
一部の実施形態では、第2の予め成形された湾曲は、第1の予め成形された湾曲とは反対側である。
【0020】
一部の実施形態では、第2の予め成形された湾曲を有する第2の区域は、第1の予め成形された曲率を有する第1の区域の遠位側にある。
【0021】
一部の実施形態では、直線的区域は、第1の予め成形された湾曲を有する第1の区域と、第2の予め成形された湾曲を有する第2の区域との間にある。
【0022】
一部の実施形態では、直線的区域を有する第2の区域は、第2の予め成形された湾曲を有する第2の区域の遠位側にある。
【0023】
一部の実施形態では、カバーをされた各スパインは、3フレンチ未満の外周を有する。
【0024】
一部の実施形態では、外周は、約2.6フレンチである。
【0025】
一部の実施形態では、電気生理学カテーテルは、細長い本体と遠位電極組立体とを有する。遠位電極組立体は、近位側部分と、複数のスパインとを有し、各スパインは、より広い近位端とより狭い遠位端とを有する直線的テーパを有する。遠位電極組立体はまた、複数の非導電性スパインカバーを有し、それぞれの非導電性スパインカバーが、対応するスパインを取り囲んでいる。
【0026】
一部の実施形態では、直線的テーパは連続的である。
【0027】
一部の実施形態では、直線的テーパは非連続的である。
【0028】
一部の実施形態では、非連続的な直線的テーパは、より近位側のステムの幅及びより遠位側の部分の幅よりも狭い幅を有する凹部を含む。
【0029】
一部の実施形態では、スパインは、スパインの面内偏向用に構成された横方向縁部に沿ったヒンジを有する。
【0030】
一部の実施形態では、電気生理学カテーテルは、細長い本体と遠位電極組立体とを有する。遠位電極組立体は、近位側ステムと、複数の少なくとも8本のスパインと、を有し、各スパインは、より広い近位端とより狭い遠位端とを有する直線的テーパを有する。遠位電極組立体はまた、複数の非導電性スパインカバーを有し、各非導電性カバーは、対応するスパインを取り囲んでいる。遠位電極組立体は、複数の微小電極を更に有し、その個数は少なくとも約48であり、各微小電極は約480μmの長さを有する。
【0031】
一部の実施形態では、各スパイン上の微小電極どうしは、微小電極の前縁部どうしの間で測定したときに、約1mm~3mmの範囲の距離だけ分離されている。
【0032】
一部の実施形態において、上記の距離は約2mmである。
【0033】
一部の実施形態では、各スパイン上の微小電極は双極子対として配置され、1つの対内の微小電極の前縁部どうしは、約1mm~3mmの範囲の第1の距離だけ分離され、対どうしの間の前側の微小電極の前縁部どうしは、1mm~6mmの範囲の第2の距離だけ分離されている。
【0034】
一部の実施形態では、第1の距離は約2mmであり、第2の距離は約6mmである。
【0035】
一部の実施形態では、複数の微小電極の数は、約64に等しい。
【0036】
一部の実施形態では、複数の微小電極の数は、約72に等しい。
【0037】
一部の実施形態では、第1のリング電極が、遠位電極組立体の近位側ステム上に担持され、第2のリング電極及び第3のリング電極が、細長い本体の遠位部分上に担持される。
【0038】
一部の実施形態では、電気生理学カテーテルは、細長い本体と遠位電極組立体とを有する。遠位電極組立体は、長手方向軸線の周りに外周部を画定する近位側ステムを有する。遠位電極組立体はまた、近位側ステムから出て、遠位端で分岐する複数のスパインを有し、複数のスパインは、ステムの周りの周囲で、第1のスパインと第2のスパインとが交互になっている。遠位電極組立体は、複数の非導電性スパインカバーと、複数の微小電極とを更に有する。各スパインカバーはそれぞれ対応するスパインを取り囲み、複数の微小電極は、第1のスパイン及び第2のスパイン上に互い違いの配置を有する。各第1のスパイン上の最も近位側の微小電極が、近位側ステムから、より大きな距離に位置付けられ、各第2のスパイン上の最も近位側の電極が、近位側ステムから、より短い距離に位置付けられている。
【0039】
一部の実施形態では、遠位電極組立体は、少なくとも、4本の第1のスパインと、4本の第2のスパインとを備え、各スパインは8個の微小電極を担持する。
【0040】
一部の実施形態では、各微小電極は、約480μmの長さを有する。
【0041】
一部の実施形態では、各スパイン上の微小電極どうしは、微小電極の前縁部どうしの間で測定したときに、約1mm~3mmの範囲の距離だけ分離されている。
【0042】
一部の実施形態において、上記の距離は約2mmである。
【0043】
一部の実施形態では、各スパイン上の微小電極は双極子対として配置され、1つの対内の微小電極の前縁部どうしは、約1mm~3mmの範囲の第1の距離だけ分離され、対どうしの間の前側の微小電極の前縁部どうしは、1mm~6mmの範囲の第2の距離だけ分離されている。
【0044】
一部の実施形態では、第1の距離は約2mmであり、第2の距離は約6mmである。
【0045】
一部の実施形態では、電気生理学カテーテルは、細長い本体と遠位電極組立体とを有する。遠位電極組立体は、支持部材を有し、その支持部材は、側壁を有する近位側ステムを有する。その側壁は、内腔を画定する内側表面を有し、かつ開口部を有する。支持部材は、近位側ステムから出る複数のスパインを有し、それらのスパインは、遠位端で分岐している。複数の非導電性カバーが提供され、各非導電性カバーは、それぞれ対応するスパインを取り囲む。遠位電極組立体は、それぞれのスパイン上の複数の微小電極と、ステムの内腔に受容されるハウジングインサートとを更に有し、ハウジングインサートは外側表面を有し、外側表面は、自らとステムの内側表面との間に空隙を提供するような大きさになっている。接着剤が、近位側ステムの内側表面とハウジングインサートの外側表面との間の空隙に充填され、その接着剤は、近位側ステムの側壁の開口部を通過する部分を有する。
【0046】
一部の実施形態では、ハウジングインサートは、細長いインゲン豆形状の構成を有する断面を有する内腔を有する。
【0047】
一部の実施形態では、ハウジングインサートは、C字形の形状の構成を有する断面を有する内腔を有する。
【0048】
一部の実施形態では、近位側ステム内の開口部は、組立作業中に、ステムの内腔への視覚的アクセスを提供し、その内部を通って延在するコンポーネントを検査するのを可能にする。更に、空隙を埋める接着剤は、開口部を通して注入されるか、ないしは別の方法で塗布される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
本発明のこれらの特徴及び利点、並びに他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明を添付図面と併せて考慮することによってより充分な理解がなされるであろう。一部特定の図面では、ある選択された構造及び機構が、残りの構造及び機構を見やすくするために示されていないということを理解されたい。
図1】一実施形態による、本発明のカテーテルの斜視図である。
図2図1のカテーテルのカテーテル本体の端部断面図である。
図3図1のカテーテルの偏向区画の端部断面図である。
図4】一実施形態による、一体型支持部材の斜視図である。
図5A】一実施形態による、一体型支持部材の側面図である。
図5B図5Aの一体型支持部材の詳細図である。
図5C】線C-Cに沿って取られた、図5Aの一体型指示部材の端部断面図である。
図5D図5Aのスパインの拡大された遠位部分の詳細図である。
図5E図5Aのスパインの端部断面の詳細図である。
図6A】一実施形態による、一体型支持部材の側面図である。
図6B図6Aの一体型支持部材の詳細図である。
図6C図6Bのスパインの遠位部分の詳細図である。
図6D図6Aのスパインの拡大された遠位部分の詳細図である。
図6E】線E-Eに沿って取られた、図6Bの一体型支持部材の端部断面図である。
図6F図6Bのスパインの近位部分の端部断面の詳細図である。
図6G図6Bのスパインの遠位部分の端部断面の詳細図である。
図7A】一実施形態による、一体型支持部材の側面図である。
図7B】組織との接触状態にある、図7Aの一体型支持部材の側面図である。
図8A】別の実施形態による、一体型支持部材の側面図である。
図8B】組織との接触状態にある、図8Aの一体型支持部材の側面図である。
図9A】更に別の実施形態による、一体型支持部材の側面図である。
図9B】組織との接触状態にある、図9Aの一体型支持部材の側面図である。
図10】異なるパラメータを示すために例示された、一実施形態による、一体型支持部材の側面図である。
図11A】一実施形態による、ヒンジ形成物を有するスパインの上平面図である。
図11B】別の実施形態による、ヒンジ形成物を有するスパインの上平面図である。
図12A】一実施形態による、被覆スパインの側面図である。
図12B】別の実施形態による、被覆スパインの側面図である。
図13】一実施形態による、遠位電極組立体の正面図である。
図14A】一実施形態による、偏向区画と遠位電極組立体との接合部の側断面図である。
図14B図14Aのハウジングインサートの端部断面図である。
図15A】別の実施形態による、偏向区画と遠位電極組立体との接合部の側断面図である。
図15B図15Aのハウジングインサートの端部断面図である。
図16】一実施形態による、補強引張部材を有する被覆スパインの斜視側面図である。
図17】一実施形態による、補強引張部材との接合部の一部分の詳細な側断面図である。
図18】一実施形態による、補強引張部材が内部を通過する、ハウジングインサートの端部断面図である。
図19】一実施形態による、補強引張部材が内部を通過する、偏向区画の端部断面図である。
図20】一実施形態による、補強引張部材が内部を通過するカテーテル本体の端部断面図である。
図21】様々な実施形態による、心臓及び、組織と接触するように配置されている本発明のカテーテルを、概略的に描いた図である。
図22】一実施形態による、肺静脈内で、組織と接触している遠位電極組立体を、概略的に描いた図である。
図23】一実施形態による、心臓の側壁の組織と接触している遠位電極組立体を、概略的に描いた図である。
図24】一実施形態による、心臓の下壁又は頂点の組織と接触している遠位電極組立体を、概略的に描いた図である。
図25】線A-Aに沿って取られた、図15Aの遠位電極組立体の遠位端の端部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1を参照すると、本発明の一部の実施形態では、カテーテル10は、カテーテル本体12、中間偏向区画14、遠位電極組立体15、及びカテーテル本体12の近位側にある制御ハンドル16を含む。遠位電極組立体15は、複数のスパイン17を含み、各スパインは複数の微小電極18を支持する。
【0051】
一部の実施形態では、カテーテル本体12は、図2に示されるように、単一の、軸性すなわち中央内腔19を有する、細長い管状の構造を含む。カテーテル本体12は、可撓性を有する、言い換えると屈曲可能であるが、その長さに沿っては実質的に圧縮不可能である。カテーテル本体12は、任意の好適な構造を有することができ、任意の好適な材料で作製することができる。本発明において好ましい構造の1つは、ポリウレタン又はPEBAXで作製された外壁20を備えるものである。外壁20には高強度鋼、ステンレス鋼等の編組メッシュが埋め込まれていることによってカテーテル本体12のねじり剛性が高められているため、制御ハンドル16が回転させられると、カテーテル10の偏向区画14がこれに応じて回転する。
【0052】
カテーテル本体12の外径は重要ではない。同様に、外壁20の厚さは重要ではないものの、中央内腔19が、例えば1本以上の牽引ワイヤ、電極リード線、灌流管材、並びに任意の他のワイヤ及び/又はケーブルを含むコンポーネントを収容可能な程度に十分に薄くなっている。一部の実施形態では、外壁20の内表面は、補強管21で裏打ちされるが、この補強管20は、例えばポリイミド又はナイロンなどの任意の適切な材料から作製可能である。補強管21は、編組みされた外壁20とともに、捻じれ安定性を改善する一方で、同時に、カテーテルの壁の厚さを最小化して、中央内腔19の直径を最大化するものである。当業者に理解されるように、カテーテル本体の構造は、所望に応じて変更され得る。例えば、補強管は省略可能である。
【0053】
一部の実施形態では、中間偏向区画は、図3に示されるように、複数の内腔31を有する、管材30のより短い区画を含む。一部の実施形態では、管材30は、カテーテル本体12よりも可撓性が高い、好適な生体適合性材料で作製される。管材19に適した材料は、編組ポリウレタン、すなわち編組みされた高強度鋼、ステンレス鋼等のメッシュが埋め込まれたポリウレタンである。偏向区画14の外径は、カテーテル本体12の外径と同様である。内腔の個数及びサイズは必ずしも重要ではなく、特定の用途に応じて変更できる。
【0054】
様々なコンポーネントは、カテーテル10を通って延在する。一部の実施形態では、上記のコンポーネントには、遠位電極組立体15用のリード線22と、偏向区画14を偏向させるための1本以上の牽引ワイヤ23A及び23Bと、偏向区画14の遠位端に又はその近くに収容される電磁位置センサ26(図14A及び図15Aを参照)用のケーブル24とが含まれる。一部の実施形態では、カテーテルは、流体を偏向区画14の遠位端に通すための灌注管材27を含む。これらのコンポーネントは、図2に示すように、カテーテル本体12の中央内腔19を通っている。
【0055】
図3に示すように、偏向区画14では、異なるコンポーネントが、管材30の異なる内腔31を通っている。一部の実施形態では、リード線22は、1つ以上の内腔31Aを通過し、第1の牽引ワイヤ23Aは内腔31Bを通過し、ケーブル24は内腔31Cを通過し、第2の牽引ワイヤ23Bは内腔31Dを通過し、灌注管材27は内腔31Eを通過する。内腔31B及び31Dは互いに、直径方向に正反対の位置にあり、中間偏向区画14が双方向に偏向できるようにしている。追加のコンポーネントは、必要に応じて、追加の内腔を通過するか、又は他の前述のコンポーネントと内腔を共有することができる。
【0056】
偏向区画14の遠位側には、図4に示されるように、一体型支持部材40を含む遠位電極組立体15がある。一部の実施形態において、一体型支持部材40は、形状記憶を有する超弾性材料、即ち、力が加えられると、その本来の形状から離れて一時的に直線状に伸ばされるか又は屈曲させられることができ、かつその力が加えられないか又は取り除かれると、本来の形状に実質的に戻ることが可能である超弾性材料を備える。支持部材に好適な材料の1つは、ニッケル/チタン合金である。そのような合金は、典型的には、約55%のニッケル及び約45%のチタンを含むが、約54%~約57%のニッケルを含み、残部をチタンとすることができる。ニッケル/チタン合金の1つは、ニチノールであり、耐久性、強度、耐食性、電気抵抗、及び温度安定性とともに、優れた形状記憶性を有する。
【0057】
一部の実施形態では、部材40は、例えば、細長い中空円筒部材から構築及び成形されるが、その部分が(例えば、レーザー切断によって)切断されるかあるいは別の方法で取り除かれて、近位部分すなわちステム42と、ステムから長手方向に発し、かつステムから外側に向かって広がる、スパイン17の細長い本体とが形成される。ステム42は、その内部を通る内腔43を画定し、その内腔43は、偏向区画14の、複数の内腔を有する管材30(図14Aを参照)の遠位端部分30Dを受容し、かつ、以下で更に論じるように、ステム42内に収容されるか又は内腔43を通って延在する、様々なコンポーネントを受容する。
【0058】
部材40の各スパイン17は、拡大された遠位部分46を有し、各スパインは、近位端がより広くかつ遠位端がより狭くなっている。一部の実施形態では、図5A図5B図5C図5D、及び図5Eに示すように、スパインは、遠位端48に向かって増加する可撓性を含む、その長さに沿って変化する「面外」可撓性(図5Eの矢印A1を参照)が実現されるように、直線的にテーパ状となっている。一部の実施形態では、1つ以上のスパイン17は、均一な幅W1を有する近位部分17Pと、テーパ線T1によって画定される連続的な直線的テーパを有する遠位部分17D1(図5Bを参照)と、均一な幅W2(W1よりも狭い)を有するより遠位側に位置する部分17D2とを有する。遠位部分17D1は、その可撓性が連続的に漸増し、遠位部分46が組織と接触するときに、スパインが所定の形状又は曲率を取ることができるようになっている。結果として得られるスパインは、比較的より剛性の高い近位部分と、相対的により可撓性の高い遠位部分とを有するが、そのようなスパインは、使用中にスパインどうしが交差したり、互いに重なり合ったりすることを防止する助けとなる。
【0059】
一部の実施形態では、1つ以上のスパイン17は、図6A図6B図6C図6D図6E図6F、及び図6Gに示されるように、端部41と46との間に非連続的な直線的テーパを有する。非連続的な直線的テーパは、1つ以上の幅狭部又は凹部50を含むが、それは、スパインに沿って戦略的に配置され、ステム42と拡大された遠位部分46との間のテーパT2によって画定される、それがなければ連続的であるはずの直線的テーパを、中断するようになっている。各凹部50は、幅W(図6Cを参照)を有し、幅Wは、より遠位側にある部分の幅WDよりも小さく、また幅WDよりも大きいより近位側にある部分の幅WPよりも小さくなっている。したがって、有利なことには、各凹部50は、スパインの当該領域が、スパインの直接隣接する(遠位側及び近位側)部分51とは異なる可撓性を有することを可能にしつつ、凹部50によって分離された部分どうしの間(図6B参照)に、ある程度の独立した可撓性を提供することを可能にする。したがって、これらのスパインは、遠位部分46が組織と接触するときに、スパインの部分51と比べて、凹部50の領域において、顕著により高い可撓性、したがってより急な、言い換えると、より角度のきつい曲率を呈することが可能になる。
【0060】
一部の実施形態では、各スパイン(ステム42の遠位端とスパインの遠位端との間)は、約1.0cm~2.5cm、又は約1.50cm~2.0cmの範囲の長さを有し、約0.009インチ~0.02インチの範囲の幅を有する。一部の実施形態では、凹部50は、スパインの長さの約10%~20%の範囲の長さを有し、直接隣接する場所の幅の約50%~80%の範囲の幅Wを有するが、凹部50の前側近位縁部は、ステム42の遠位端から測定して、スパインの長さの約55%~65%の位置に存在する。
【0061】
微小電極がスパインの全長に沿って組織と接触するのを更に容易にするために、各スパイン17は、例えば熱及び成形用治具によって実現される、予め成形された形状又は湾曲を有する。1つ以上のスパイン17は、図7Aに示すように、少なくとも2つの異なる予め成形された湾曲C1及びC2を有する。セグメントS1が、半径R1によって画定される予め成形された湾曲C1を有し、セグメントS2が、半径R2によって画定される予め成形された湾曲C2を有する。ここで、R1はR2よりも小さく、かつ湾曲C1とC2とは、互いに概ね反対方向を向いており、一体型支持部材40のスパインが、開いた傘に似た、概ね前向きの凹面を有するようになっている。図7B(図を明瞭なものとするため2本のスパインのみ示している)に示すように、スパインの遠位端が例示的な表面SFと接触すると、予め成形されたスパインは、それらの中立的形状N(破線で示されている形状)から、その適応的又は一時的に「変形された」形状Aに移行する。この形状Aは、うねりを伴う心臓組織の領域により好適であり得る、(それらの中立形状と比較した場合に)「屈んだ」プロファイルを含み得る。有利なことには、一体型支持部材40は、組織と接触した際に、その概ね前向きの凹状形状を維持し、あたかも強力な風で傘がめくれ上がってしまうように、その内側を裏返らせることがない。
【0062】
一部の実施形態では、1つ以上のスパイン17は、少なくとも湾曲したセグメントと直線的セグメントとを有する。一部の実施形態では、1つ以上のスパインは、その長さに沿って、少なくとも2つの異なる予め成形された湾曲を有する。例えば、図8Aに示すように、1つ以上のスパイン17は、半径RAによって画定される予め成形された湾曲CAを有する第1のセグメントSAと、半径RBによって画定される予め成形された湾曲CBを有する第2のセグメントSBと、直線的である第3のセグメントSCとを有し、半径RAは半径RBよりも小さくなっている。図8B(図を明瞭なものとするため2本のスパインのみ示している)に示すように、スパインの遠位端が例示的な表面SFと接触すると、予め成形されたスパインは、それらの中立的形状Nから、その適応的又は一時的に「変形された」形状Aに移行する。この形状Aは、凸面を有する心臓組織の領域により好適であり得る、(それらの中立形状と比較した場合に)より深い凹面を含み得る。
【0063】
別の例として、図9Aに示すように、1つ以上のスパイン17Dは、半径RJによって画定される予め成形された湾曲CJを有する第1のセグメントSJと、直線的である第2のセグメントSKと、半径RLによって画定される予め成形された湾曲CLを有する第3のセグメントSLとを有し、半径RJは半径RLよりも小さくなっている。図9B(図を明瞭なものとするため2本のスパインのみ示している)に示すように、スパインの遠位端が例示的な表面SFと接触すると、予め成形されたスパインは、それらの中立的形状Nから、その適応的又は一時的に「変形された」形状Aに移行する。この形状Aは、心臓組織のより平坦な領域により好適であり得る、(それらの中立形状と比較した場合に)より低いプロファイルを含み得る。
【0064】
図10を参照すると、一部の実施形態では、一体型支持部材40及びそのスパイン17は、例えば、以下のものを含む複数のパラメータによって定義され得る:
a(第2の湾曲の高さ)=約0.00インチ~0.050インチの範囲
b(第2の湾曲の遠位側長さ)=約0.302インチ~0.694インチの範囲
c(第2の湾曲の近位側長さ)=約0.00インチ~0.302インチの範囲
d(第1の湾曲と第2の湾曲との間の距離)=約0.00インチ~0.170インチの範囲
e(第1の湾曲の半径)=約0.075インチ~0.100インチの範囲
f(均一幅のセグメントの長さ)=約0.100インチ
g(凹部の深さ)=約0.123インチ~0.590インチの範囲
【0065】
特に、一体型支持部材40の一部の実施形態では、近位側(又は第1)の予め成形された湾曲は、遠位側(又は第2)の予め成形された湾曲と反対側にあり、その結果、遠位電極組立体15のスパイン17は、組織との接触時に、その一般的な凹面を維持し、反転することなく、前向きの状態のままである。その一方で、可撓性の高いスパインは、柔軟性又は「しなり」を組立体が有することを可能にして、組織との接触時にスパインの遠位先端部が組織に穴をあけたり、別の方法で組織へ損傷を引き起こしたりすることを防止するとともに、遠位電極組立体が組織表面に向かって押し付けられるときには、スパイン17のそれぞれが組織に確実に接触できるようにする。更に、一部の実施形態では、凹部50は、近位側の予め成形された湾曲と遠位側の予め成形された湾曲との間に広がることができ、その結果、スパインの3つの部分(近位側部分、凹部、及び遠位側部分)のそれぞれが、組織との接触及びカテーテルを操作するユーザーによって加えられる関連する圧力に対して、異なる挙動をし、かつ互いに異なる可撓性の度合いを有することができるようになっている。
【0066】
前述の図は、論の展開及び説明を容易にするために、スパインの変形及び湾曲を誇張して示しているが、実際の変形及び湾曲は、はるかに微妙なものであり、図ほどは急なものではない場合があり得ることを理解されたい。
【0067】
一部の実施形態では、1つ以上のスパイン17はまた、面内(横方向での)偏向のためのヒンジ90を備えて構成されている。図11A及び図11Bに示すように、スパイン17は、複数個のノッチ又は陥没部を、互いに対向する側辺部に沿って有することができる。それらのノッチ又は陥没部としては、一方の縁部85aに沿った、拡張可能な陥没部80(例えば、スリット81及び円形開口部82の形状で設けられるもの)と、反対側の縁部85bに沿った、圧縮可能な陥没部83(例えば、スロット84及び円形開口部82の形状で設けられるもの)が挙げられる。これらのノッチ又は陥没部は、更なる平面内の偏向のためのヒンジ90をそれらの縁部に沿って形成する。図11A及び図11Bの実施形態では、一方向への偏向が、スパイン17の縁部85bに向かって生じる。しかしながら、圧縮可能な陥没部83が縁部85a及び85bの両方に沿って形成される場合、スパイン17は、いずれかの縁部85a又は85bに向かう双方向の偏向を有するということが理解される。好適なヒンジが、米国特許第7,276,062号に記載されており、その特許の開示全体は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0068】
図12A及び図12Bに示されるように、遠位電極組立体15の各スパイン17は、その長さに沿って、非導電性スパインカバー又は管材28によって囲まれている。一部の実施形態では、非導電性スパインカバー28は、PEBAX又はPELLATHANEなどの非常に柔軟かつ可撓性の高い生体適合性プラスチックを含み、スパインカバー28は、ステム42と拡大された遠位部分46との間のスパインと同一の広がりを持つ長さを有して、スパイン上に取り付けられる。スパインカバー28を構築するための好適な材料は、スパイン17の可撓性を一般に妨げないように、十分に柔らかくかつ可撓性を有するものである。
【0069】
一部の実施形態では、カバーをされた各スパイン17は、その長さに沿って、3フレンチ未満の直径D、好ましくは2.7フレンチ未満の直径、より好ましくは2フレンチの直径を有する(例えば、直径約0.025インチ~0.035インチである)。
【0070】
各スパイン17は、拡大された遠位部分46を封入する、非外傷性遠位カバー又はキャップ45(図12Aを参照)を含む。一部の実施形態では、カバー45は、ポリウレタンなどの生体適合性接着剤又はシーラントを含み、これは、組織との接触時又は組織に対する圧力の印加時に、組織への損傷を最小限に抑えるための球状の形状を有する。カバー45の構成物には、拡大された遠位部分46の貫通孔47を通過する、接着剤又はシーラントの架橋部分63が含まれ、この架橋部分63は、有利なことには、機械的ロックを形成し、カバー45を遠位部分46上に固定し、カバー45が拡大された遠位部分46から外れてしまうリスクを最小限に抑えるようになっている。
【0071】
各スパイン17は、複数の微小電極18を担持する。微小電極の個数及び配置は、意図される使用法に応じて変化し得る。一部の実施形態では、個数は約48~72の範囲であるが、個数は、より多くても少なくてもよいことが理解されよう。一部の実施形態では、各微小電極は、800μm未満の、例えば、約600μm~300μmの範囲の長さLを有し、例えば、約480μm、460μm、又は約450μmの測定値を有する。一部の実施形態では、遠位電極組立体15は、1平方センチメートルあたり約7.1超、例えば、1平方センチメートルあたり約7.2~12.6の範囲の面積被覆率を有する。一部の実施形態では、遠位電極組立体15は、微小電極約2.5個/cm超、例えば、微小電極約4個/cm~7個/cmの範囲の微小電極密度を有する。
【0072】
一部の実施形態では、遠位電極組立体15は8個のスパインを有し、それぞれのスパインの長さが約1.5cmで、8個の微小電極を担持しているので、合計48個の微小電極を有し、それぞれの微小電極は、約460μmの長さを有する。組立体15は、1平方センチメートルあたり約7.1の面積被覆率、及び微小電極約7個/cmの微小電極密度を有する。
【0073】
一部の実施形態では、遠位電極組立体15は8個のスパインを有し、それぞれのスパインの長さが約2.0cmで、6個の微小電極を担持しているので、合計48個の微小電極を有し、それぞれの微小電極は、約460μmの長さを有する。組立体15は、1平方センチメートルあたり約12.6の面積被覆率、及び微小電極約4個/cmの微小電極密度を有する。
【0074】
スパイン17上の微小電極18は、単極子又は双極子のいずれかとして、それらのどうしの間に様々な間隔を置いて配置されてもよいが、その間隔とは、隣接する微小電極どうし又は微小電極対のそれぞれの先端縁部どうしの間の分離幅として測定されるものを指す。図12Aを参照すると、単極子としては、微小電極18どうしは、約1mm~3mmの範囲の距離S1だけ分離することができる。図12Bを参照すると、双極子としては、隣接する微小電極18の対どうしは、1mm~6mmの範囲の距離S2だけ分離することができる。
【0075】
図12Bを参照すると、一部の実施形態では、6個の微小電極は、3つの双極子対として配置され、1つの双極子対内の近位縁部どうしの間には2.0mmの間隔S1が、隣接する双極子対どうしの近位縁部どうしの間には6.0mmの間隔S2が確保されており、このような構成は、「2-6-2」構成と一般的に呼び得るものである。「2-5-2-5-2」構成と称される別の構成は、3つの双極子対を有し、1つの双極子対内の近位縁部どうしの間には2.0mmの間隔S1が、隣接する双極子対どうしの近位縁部どうしの間には5.0mmの間隔S2が確保されている。
【0076】
図12Aを参照すると、一部の実施形態では、6個の微小電極は、単極子として配置され、隣接する単極子どうしの近位縁部どうしの間には、2.0mmの間隔S1が確保されており、このような構成は、「2-2-2-2-2」構成と呼び得るものである。一部の実施形態では、間隔S1は約3.0mmであり、したがって、「3-3-3-3-3」構成と呼ばれる。
【0077】
一部の実施形態では、各スパインの最も近位側の微小電極18Pは、隣接するスパインの最も近位側の微小電極18Pとは異なる場所で、当該スパイン上に担持される。図13に示すように、任意の1つのスパイン上の微小電極どうしの間の間隔は、遠位電極組立体全体にわたって均一であってもよく、任意の1つのスパインに沿った微小電極は、隣接するスパインに沿った微小電極に対して、互い違いの配置を有する(すなわちオフセットされている)。例えば、スパイン17A、17C、17E、及び17Gの場合の、最も近位側の微小電極18Pとステム42の端部との間の距離D1は、スパイン17B、17D、17G、及び17Gの場合の、最も近位側の電極18Pとステム42の端部との間の距離D2よりも大きい。この互い違いの配置は、特に操作者が遠位電極組立体を組織に対して掃くように動かすときに、隣接するスパインどうしの上の微小電極どうしが接触及び短絡するリスクを最小限に抑える。
【0078】
遠位電極組立体と偏向区画14の遠位端部分との間の接合部の構造コンポーネント及びアセンブリは、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,089,045号、同第7,155,270号、同第7,228,164号、及び同第7,302,285号に記載されている。図14Aに示されるように、一体型支持部材40のステム42は、偏向区画14の、複数の内腔を有する管材30の幅狭遠位端30Dを受容する。その近位端とその遠位端との間でステム42と同一の広がりを持つ非導電性スリーブ68が、ステム42を周囲方向に取り囲んでいる。スリーブ68の遠位端68Dは、非導電性スパイン管材28の近位端28P上に延在し、スパイン17上に管材28を固定するのに役立つようになっている。
【0079】
遠位端30Dの近位側には、ハウジングインサート60があり、これもまた一体型支持部材40のステム42の内腔43内に受容され、位置決めされる。ハウジングインサート60は、その長手方向の長さがステム42の長さよりも短いので、ステム42の遠位端を越えて突出しない。ハウジングインサート60は、1つ以上の内腔を備えて構成されている。1つの内腔71は、非円形の断面、例えば、「C」又は細長いインゲン豆に概ね似た断面を有してもよく、別の内腔72は、図14Bに示されるように円形の断面を有してもよい。その結果、内腔が互いに入れ子状になり、内腔のサイズを最大化し、ハウジングインサート60内の空間効率を高めることができる。より多くの内腔71を通過するコンポーネントは、いかなる1つの場所又は位置に捕捉されず、したがって、特にカテーテルのセグメントにトルクがかかり、コンポーネントが捻られるときに、より自由に移動し、破損の危険性がより少なくなっている。
【0080】
一部の実施形態では、電磁位置センサ26(ケーブル24の遠位端にある)は、内腔72内に受容される。例えば、灌注管材27と、遠位電極組立体15上の微小電極18のためのリード線22(及びスパイン17の近位側の任意のリング電極67、69、及び70用のリード線25)とを含む他のコンポーネントは、内腔71を通過する。その点に関し、ハウジングインサート60は、一体型支持部材40のステム42内の様々なコンポーネントを位置揃えさせ、位置決めすることを含む複数の機能を果たし、これらの様々なコンポーネントどうしの間の間隔を空けて分離させ、更には、偏向区画14の遠位端と遠位電極組立体15との間の接合部を補強する機械的ロックとして機能する。後者に関して、接合部は、カテーテルの組み立て及び使用中に、その接合部にトルクを与え、又は引き寄せることができる様々な力を受ける可能性がある。トルク力は、例えば、灌注管材27を挟持して流れを妨害するか、又はリード線22及び25の破損を引き起こす可能性がある。そのため、接合部は、有利なことには、以下に説明するように、ハウジングインサート60を伴う構成で組み立てられて、機械的ロックを形成する。
【0081】
ハウジングインサート60は、ステム42の内腔43の内周よりも所定量だけ小さい外径で選択的に構成されてもよい。これにより、ポリウレタンなどの好適な接着剤61で充填された内腔43内に感知可能な空隙が形成され、インサート60とステム42との間の相対的な移動を防止しないまでも最小限に抑えるように、ハウジングインサート60を、内腔43の内側及び複数の内腔を有する管材30の遠位端にしっかりと貼り付ける。ハウジングインサート60は、自らが包囲するコンポーネントを保護するものであり、そのようなコンポーネントには、電磁位置センサ26(及びケーブル24への取り付け具)、灌注管材27、並びにリード線22及び25が含まれる。また、ハウジングインサート60は、ステム42を取り付けるより大きく、より剛性の高い構造体を提供する。そのために、ハウジングインサート60は、ハウジングインサート60と接着剤61との間の固着を改善するための、非円形/多角形の外側断面及び/又はテクスチャ加工された表面を有してもよい。
【0082】
接着剤の空隙内への塗布を容易にするために、ステム42は、その側壁内に開口部65を有して形成され、その形成される場所は、ハウジングインサート60がステム42の内腔43内に挿入された後に、ハウジングインサート60への視覚的及び機械的アクセスを可能にする位置である。接合部の組み立て中、内腔43及びその中のコンポーネントの目視検査が、開口部65を通して提供される。内腔43内への挿入前に、ハウジングインサート60の外側表面に塗布されたいかなる接着剤も、挿入中にステム42から外に噴出し得るが、有利なことには、追加の接着剤が開口部65を通して内腔43内に塗布されて、空隙を埋めて、ハウジングインサート60をステム42と、複数の内腔を有する管材30の遠位端部分とにしっかりと貼り付ける。ハウジングインサート60と、それを空間的に収容する内腔71との組み合わせにより、遠位電極組立体15と偏向区画14との間に、より統合された、かつより脆弱ではない接合部が提供される。
【0083】
一部の実施形態では、カテーテル10は、灌注管材27を含み、灌注管材27の遠位端27Dは、一体型支持部材40のステム42の遠位端と概ね同一の広がりを持っている。したがって、灌注流体、例えば生理食塩水は、ルアーハブ100(図1)を介して灌注流体を提供する遠隔流体源から、制御ハンドル16を通って延在する灌注管材27と、カテーテル本体12の中央内腔19(図2)と、偏向区画14の管材30の内腔31E(図3)とを介して、遠位電極組立体15に送達される。灌注流体は、図15A及び図25に示されるように、一体型支持部材40のステム42の遠位端において灌注管材27の遠位端から出るようになっている。ポリウレタンなどの好適な接着剤90は、灌注管材27の遠位端の周りの内腔43を塞ぎ、封止する。一部の実施形態では、図14Aに示されるように、カテーテルは灌注なしであり、一体型支持部材40のステム42の遠位端は、ポリウレタンなどの接着剤又はシーラント90によってその全体が封止される。
【0084】
図16は、非導電性スパイン管材28が補強引張部材53を含む実施形態を示す。当業者には理解されるように、微小電極18は、スパインカバー又はスパイン管材28上に取り付けられ、細長い管状マンドレル(図示せず)がスパインカバー28の内腔内に配置されて、微小電極18が、スパインカバー28上に回転的にすえ込み加工されている間、微小電極18を支持するようになっている。微小電極18は、円又は楕円の形状を含む、円形の断面を有していてよい。すえ込み加工中、微小電極18及びスパインカバー28が、変形すること(長手方向に伸長することを含む)は望ましくないが、そのような変形を防止又は少なくとも最小限に抑えるために、微小電極が担持され、すえ込まれるスパインカバー28には、図16に示されるように、補強引張部材53が含まれている。引張部材53、例えば、ワイヤ又は繊維(本明細書では互換的に使用される)が、管材の側壁54内に(例えば、引張部材の押出加工中に)埋め込まれている。引張部材53は、一軸又は編組パターンで非導電性カバー押出成形物に埋め込まれてもよく、長手方向に延在するか、又は少なくとも長手方向に延在する部分を有する。特に柔軟で可撓性のあるスパインカバー28及び微小電極18が長手方向に伸長をすることは望ましくないが、上記のような引張部材は、この伸長に抵抗するように機能する。好適な引張部材の例としては、VECTRAN、DACRON、KEVLAR、又は低伸長特性を有する他の材料が挙げられる。補強引張部材の本数は重要ではない。一部の実施形態では、上記の本数は、2~6本の範囲であり得るが、ただしそれらは、径方向に等間隔で配置される。図示される実施形態では、スパインカバー28は、側壁54の周りで0度、90度、180度、及び270度の位置に、4本の引張部材を含む。
【0085】
一部の実施形態では、引張部材53の遠位端は、図16に示されるように、スパイン17の拡大された遠位部分を封入する球状のカバー45内及び/又はリング99D内に固定され、スパインカバー28の上かつスパイン17の上方に圧縮又はクランプ締めされてもよい。一部の実施形態では、引張部材53の近位端は、スパインカバー28の近位端と同一の広がりを有し、引張部材53の近位端はまた、リング99Pによって固定されてもよい(図14A及び図15Aを参照)。
【0086】
一部の実施形態では、引張部材53は、上記よりもはるかに長い長さを有する。図17図18図19、及び図20を参照すると、引張部材53は、一体型支持部材40のステム42に形成された開口部44を通って、ステム42の内腔43内に延在する。次いで、引張部材53は、ハウジングインサート60の内腔71、偏向区画14の管材30の内腔31F、及びカテーテル本体12の中央内腔19を通って、制御ハンドル16内へと延在する。引張部材53の近位端は、操作者が操作して遠位電極組立体15のスパイン17を偏向させるように構成されているため、それらのスパイン17は個別に「フィンガー」として機能することができる。その点に関し、引張部材は、管材28に対する長手方向の移動を可能にする様式で管材28の側壁内に形成され得るが、それによって、任意の1本以上の引張部材が近位側に引かれると、それらの引張部材がそれに沿って延在する側に向かって、それぞれのスパインを屈曲又は偏向させるようになっている。したがって、操作者は、必要に応じて又は所望に応じて個々の偏向のために1本以上のスパインを操作することができる。そのような場合には、1本以上のスパインが、より良好な組織との接触のために調節を必要とするような、遠位電極組立体が、平らではない組織表面と接触する場合が含まれる。
【0087】
図21図22図23、及び図24を参照すると、本発明のカテーテル10は、心臓の4つの心房及び心室の全て、すなわち左心房及び右心房、並びに左心室及び右心室に使用されている状態で示されている。遠位電極組立体15のスパインは、例えば、肺静脈内部、右心房の後壁、並びに左心室及び右心室の前壁、下壁及び/又は側壁、更には頂点を含む、心臓組織の解剖学的構造の様々な輪郭及び表面に容易に適合し、順応する。有利なことには、スパインの予め成形された形状が、スパイン上に担持された微小電極と組織との間の接触を、その表面の解剖学的構造に関わらず容易にする。
【0088】
一部の実施形態では、カテーテル10は、遠位電極組立体15の近位側に複数のリング電極を有する。図1に示すように、カテーテルは、リング電極67に加えて、リング電極67よりも近位側の別のリング電極69と、リング電極69よりも近位側の別のリング電極70とを担持する。これらのリング電極には、リード線25が提供されている。一部の実施形態では、リング電極69は、偏向区画14の、複数の内腔を有する管材30の遠位端30Dの近くに位置し、リング電極70は、約1mm~3mmの範囲の距離Sだけリング電極69から分離されている。それぞれのリード線25は、一体型支持部材40のステム42及びスリーブ68内に形成された開口部75を介してリング電極67に接続されている。リング電極69及び70それぞれ用のリード線25は、偏向区画14の管材30のこれらの側壁に形成されたビア開口部(図示せず)に接続されている。
【0089】
カテーテル本体12を通って延在する牽引ワイヤ23A及び23Bの各部分は、当該技術分野において理解されるように、それぞれの圧縮コイル101A及び101Bによって周方向に囲まれている。偏向区画の、複数の内腔を有する管材30を通って延在する牽引ワイヤ23A及び23Bの各部分は、牽引ワイヤが偏向されたときに牽引ワイヤが管材に食い込むのを防ぐシースによって周方向に囲まれている。牽引ワイヤの遠位端は、当該技術分野において理解されるように、管材30の遠位端で又はその近くで、管材30の側壁に固定されてもよい。牽引ワイヤの近位端は、当該技術分野において理解されるように、カテーテルの操作者による作動のために制御ハンドル16内に固定される。
【0090】
上記の説明は、現時点における本発明の好ましい実施形態に関連して示したものである。本発明が関連する分野及び技術の当業者であれば、本発明の原理、趣旨、及び範囲を大きく逸脱することなく、記載される構造に改変及び変更を実施し得る点は認識されるであろう。1つの実施形態に開示される任意の特徴又は構成は、必要に応じて又は適宜、他の任意の実施形態の他の特徴に代えて、又はそれに加えて組み込むことができる。当業者には理解されるように、図面は必ずしも縮尺どおりではない。したがって、上記の説明文は、添付図面に記載及び例示される正確な構成のみに関連したものとして読まれるべきではなく、むしろ以下の最も完全で公正な範囲を有するものとされる特許請求の範囲と一致し、かつこれを支持するものとして読まれるべきである。
【0091】
〔実施の態様〕
(1) 細長い本体と、
遠位電極組立体であって、
近位側ステム、
複数の少なくとも8本のスパインであって、各スパインは、第1の半径によって画定された第1の予め成形された湾曲を有する第1の区域、及び直線的区域を有する、複数のスパイン、
複数の非導電性スパインカバー、及び
各スパイン上に少なくとも1つが担持された複数の微小電極、
を備える、遠位電極組立体と、
を備える、電気生理学カテーテル。
(2) 各スパインが、前記第1の半径とは異なる第2の半径によって画定される第2の予め成形された湾曲を有する第2の区域を含み、
前記第2の予め成形された湾曲を有する前記第2の区域が、前記第1の予め成形された湾曲を有する前記第1の区域の遠位側にある、実施態様1に記載のカテーテル。
(3) 前記第1の半径が前記第2の半径よりも小さい、実施態様2に記載のカテーテル。
(4) 前記第2の予め成形された湾曲が、前記第1の予め成形された湾曲とは反対側である、実施態様2に記載のカテーテル。
(5) 前記第2の予め成形された湾曲を有する前記第2の区域が、前記第1の予め成形された湾曲を有する前記第1の区域の遠位側にある、実施態様2に記載のカテーテル。
【0092】
(6) 前記直線的区域が、前記第1の予め成形された湾曲を有する前記第1の区域と、前記第2の予め成形された湾曲を有する前記第2の区域との間にある、実施態様2に記載のカテーテル。
(7) 前記直線的区域を有する前記第2の区域が、前記第2の予め成形された湾曲を有する前記第2の区域の遠位側にある、実施態様2に記載のカテーテル。
(8) カバーをされた各スパインが、3フレンチ未満の外周を有する、実施態様1に記載のカテーテル。
(9) 前記外周が約2.6フレンチである、実施態様8に記載のカテーテル。
(10) 細長い本体と、
遠位電極組立体であって、
近位側部分、
各々が、より広い近位端及びより狭い遠位端を有する直線的テーパを有する、複数のスパイン、及び
それぞれが、対応するスパインを取り囲む、複数のスパインカバー、
を備える、遠位電極組立体と、
を備える、電気生理学カテーテル。
【0093】
(11) 前記直線的テーパが連続的である、実施態様10に記載のカテーテル。
(12) 前記直線的テーパが非連続的である、実施態様10に記載のカテーテル。
(13) 非連続的な前記直線的テーパが、より近位側のステムの幅及びより遠位側の部分の幅よりも狭い幅を有する凹部を含む、実施態様12に記載のカテーテル。
(14) スパインが、前記スパインの面内偏向用に構成された横方向縁部に沿ったヒンジを有する、実施態様1に記載のカテーテル。
(15) 細長い本体と、
遠位電極組立体であって、
内腔を画定する内側表面を有する側壁を有する近位側ステムを有する支持構造体であって、前記側壁が開口部を有する、支持構造体、
前記近位側ステムから出て、遠位端で分岐する複数のスパイン、
それぞれが、対応するスパインを取り囲む、複数の非導電性スパインカバー、
各スパイン上の複数の微小電極、
前記ステムの前記内腔内に受容され、外側表面を有するハウジングインサートであって、前記インサートの前記外側表面が、自らと前記ステムの前記内側表面との間に空隙を提供するように構成されている、ハウジングインサート、及び
前記近位側ステムの前記内側表面と前記ハウジングインサートの前記外側表面との間の前記空隙に概ね充填される層を有する接着剤であって、前記近位側ステムの前記側壁の前記開口部を通過する部分を有する、接着剤、
を備える、遠位電極組立体と、
を備える、電気生理学カテーテル。
【0094】
(16) 前記ハウジングインサートが、細長いインゲン豆形状の構成を有する断面を有する内腔を有する、実施態様15に記載のカテーテル。
(17) 前記ハウジングインサートが、C字形の形状の構成を有する断面を有する内腔を有する、実施態様15に記載のカテーテル。
(18) 前記ステムを周方向に取り囲むスリーブを更に備える、実施態様15に記載のカテーテル。
(19) 前記スリーブが、前記ステムと概ね同一の広がりを持つ、実施態様18に記載のカテーテル。
(20) 細長い本体と、
遠位電極組立体であって、
近位側ステム、
それぞれが拡大された遠位部分を有する複数のスパインであって、前記拡大された遠位部分が貫通孔を有する、複数のスパイン、
それぞれが、対応するスパインを取り囲む、複数の非導電性スパインカバー、及び
前記拡大された遠位部分を封入するキャップカバーであって、前記貫通孔を通って延在する部分を有する、キャップカバー、
を備える、遠位電極組立体と、
を備える、電気生理学カテーテル。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13
図14A
図14B
図15A
図15B
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25